説明

肥満の治療に使用するペプチド

肥満の治療に有用な式R1-x-x1-x2-x3-x4-x5-x6-x7-X8-X9-X10-X11-R2の新規の環状および直鎖状のペプチドが提供される。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は新規のペプチドに関する。これらのペプチドは1以上のメラノコルチンレセプターに特異的であり、長期の活性を発揮する。本発明は、療法(therapy)における前記ペプチドの使用に関し、前記ペプチドを患者に投与することを含む治療方法に関し、医薬の製造における前記ペプチドの使用に関する。
【発明の背景】
【0002】
肥満は、非常に一般的な疾患、例えば、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、2型糖尿病(インシュリン非依存性糖尿病(NIDDM))、異脂肪血症(dyslipidaemia)、冠性心疾患、および骨関節炎および多様な悪性疾患(malignancies)の発生に関する、周知のリスク因子である。また、肥満は、運動性および生活の質の減少を通じて、多くの問題を生じさせる。肥満及び肥満によるこれらの疾患の発生率は、産業化社会全体で増加している。僅か少数の薬理学的処置が現在までに利用可能であり、それはすなわち、シブトラミン(セロトニン作動性の及びノルアドレナリン機構を介して作用する、Abbott)および/またはlistat(腸からの脂肪の取り込みを減少させる、Roche Pharm)である。しかしながら、重篤で、致死的で一般的な疾患において、危険因子としての肥満は、重要な影響を及ぼすことから、肥満の治療に有用な薬学的化合物に関する必要性が存在する。
【0003】
肥満の用語は、脂肪組織の過剰を包含する。本発明において、肥満は、健康リスクを分ける(imparts)、過剰な脂肪の任意の程度として最も適切に認識される。正常および肥満の個体の間の差異を見積もることは可能であるが、しかし、肥満により区別される健康リスクは、おそらく体脂肪蓄積の増加を伴う連続的(continuum)なものである。しかしながら、本発明の前後関係において、肥満度指数(BMI=体重キログラムを高さメートルの平方根で割ったもの)が25を超える個体は、肥満とされる。
【0004】
軽症の肥満でさえも、早発死、糖尿病、高血圧症、アテローム性動脈硬化症、胆嚢疾患、および特定のタイプの癌に対するリスクを増加させる。工業化された西洋世界において、肥満の有病率は、過去数十年において有意に増加している。肥満の高い有病率及びその健康結果のため、その治療は公衆衛生上高い優先度を有するとされるべきである。
【0005】
エネルギー摂取がエネルギー消費を超えた際に、過剰カロリーは脂肪組織に貯蔵され、このネットポジティブバランス(net positive balance)が長期化(prolonged)された場合、肥満になる、即ち、重量バランスに対して2つのコンポーネントが存在し、各サイド(摂取または消費)における異常によって肥満へと導びかれる。
【0006】
プロ―オピオメラノコルチン(POMC)はβエンドルフィンおよびメラノコルチンペプチドの前駆物質であり、これにはメラニン細胞刺激ホルモン(α-MSH)および副腎皮質刺激ホルモン(副腎皮質刺激ホルモン)が含まれる。POMCは、幾つかの末梢性の及び中心性の組織で発現しており、これにはメラノサイト、下垂体、および視床下部のニューロンが含まれる。POMC前駆物質は異なる組織へと異なってプロセスされ、これによって発現の部位に依存する、異なるメラノコルチンペプチドの発現を生じる。下垂体の前葉において、主に副腎皮質刺激ホルモンが産生される、他方、中葉および視床下部ニューロンにおいて、主要なペプチドはα-MSH、β-MSH、デスアセチル(desacetyl)-α-MSH、およびβ-エンドルフィンである。幾つかのメラノコルチンペプチド(副腎皮質刺激ホルモンおよびα-MSHを含む)は、ラットの脳室内に注射した際に食欲抑制活性を有することが実証されている(Vergoni et al, European Journal of Pharmacology 179, 347-355 (1990))。食欲抑制効果は、人工的な環状α-MSHアナログ(MT-II)によっても得られる。
【0007】
5つのメラノコルチンレセプターサブタイプのファミリーが、同定されている(メラノコルチンレセプター1〜5、MC1、MC2、MC3、MC4、およびMC5とも称される)。MC1、MC2、およびMC5は、末梢性の組織で主に発現しており、他方でMC3およびMC4は、主に中枢で発現している。しかしながら、MC3は、幾つかの末梢性組織にも発現している。MC3レセプターは、そのほかエネルギーホメオスタシスに関与しており、幾つかの炎症性疾患にも関与していることが示唆されている。MC3アゴニストは、これらの疾患(例えば、痛風性関節炎)にポジティブ効果を有している。MC5は、主に末梢性に発現し、外分泌性の分泌および炎症に関与していることが示唆されている。MC4は、体重および摂食行動の制御に関与していることが示されている;というのもMC4ノックアウトマウスに肥満が生じたからである(Huzar et al, Cell 88, 131-141 (1997))。加えて、アグーチ(MC1、MC3、およびMC4アンタゴニスト)の異所性中枢性の発現または脳において内因的に生じるMC3およびMC4アンタゴニスト(アグーチ遺伝子関連ペプチド、AGRP)の過剰発現の研究によって、これらの2つのアンタゴニストが肥満の発生を誘導することが実証された(Kleibig et al, PNAS 92, 4728-4732 (1995))。さらにまた、AGRPのC末端断片のicv注射によって、摂食が増加し、食物摂取におけるα-MSHの阻害効果がアンタゴナイズされる。
【0008】
ヒトにおいて、肥満の家族の幾つかのケースでは、おそらくMC4のフレームシフトによる突然変異が記載されている(例えば、 Yeo et al, Nature Genetics 20, 111-112 (1998), Vaisse et al, Nature Genetics 20, 113-114)。
【0009】
結論として、MC4アゴニストは、摂食障害薬(anorectic drug)として機能する、MC4の活性化により改善される、肥満または肥満関連疾患の治療に、同様に他の疾患、障害、またはコンディション(conditions)の治療に有用である。
【0010】
MC4アンタゴニストは、カヘキシー(cachaxia)、摂食障害の治療に、および虚弱な高齢患者でのウェイスティング(waisting)の治療に有用であろう。さらにまた、MC4アンタゴニストは、慢性痛、神経障害、および神経原性の炎症の治療に使用し得る。
【0011】
多数の特許出願が、メラノコルチンレセプターモジュレーターとして、小分子を開示しており、その例はWO 03/009850、WO 03/007949、およびWO 02/081443である。
【0012】
メラノコルチンレセプターモジュレーターとしての、ペプチドの使用は、多くの特許(例えば、WO 03/006620、US 5731,408、およびWO 98/27113)に開示されている。Hadley(Pigment Cell Res., 4, 180-185, 1991)は、脂肪酸に結合した特異的なメラニン親和性ペプチドの効果の長期化を達成し、該長期化は、結合した脂肪酸により生じる、可逆性から不可逆性に作用するモジュレーターのトランスホーメーションにより影響される。
【発明の概要】
【0013】
本願発明者らは、驚くことに次の事項を発見した;その事項とは、特定のペプチドの抱合体(conjugates)が、1以上のメラノコルチンレセプター(即ち、MC1、MC2、MC3、MC4、またはMC5レセプター)に対して高い調節効果を有していることである。従って、本発明は、以下の式Iで表されるペプチド及びその任意の薬学的に許容される塩、溶媒和化合物、又は水和物に関する:
【0014】
R1-X-X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-X9-X10-X11-R2 [I]
【0015】
式中、N末端NH2-基に結合するR1は、存在しないか又は、
C1-4アルカノイルまたはR4であり、これは遅延基(a protracting group)であり、任意でリンカーSを介してXに付着する;
Xは、結合またはアミノ酸、ジ―、もしくはトリ―ペプチド残基を表し、前記アミノ酸(s)は天然または合成であってもよい;
X1は、結合または側鎖に官能基を有するアミノ酸残基を表し、それに対して遅延基R4が任意にリンカーSを介して付着してもよい;
X2は、結合またはアミノ酸、ジ―、トリ―、もしくはテトラ―ペプチド残基を表し、前記アミノ酸(s)は天然または合成であってもよい;
X3は、結合または任意でX10に対して架橋を形成する能力を有するアミノ酸を表す;
X4は、結合またはアミノ酸もしくはジ―ペプチド残基を表し、前記アミノ酸(s)は天然または合成であってもよい;
X5は、His, Ala, Nle, Met, Met(O), Met(O2), Gln, Gln(ε-アルキル), Gln(ε-アリール), Asn, Asn(ε-アルキル), Asn(ε-アリール), Ser, Thr, Cys, F-Pro, Pro, Hyp, (S)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸, Trp, 1-ナフチルアラニン(1-naphthylalanine), 2-ナフチルアラニン, 2-ピリジルアラニン, 3-ピリジルアラニン, 4-ピリジルアラニン, 2-チエニルアラニン, 3-チエニルアラニン, 4-チアゾリルアラニン, 2-フリルアラニン, 3-フリルアラニン, Pheから選択されるアミノ酸残基を表し、前記Pheのフェニル部分(phenyl moiety)はハロゲン, ヒドロキシル, アルコキシ, ニトロ, ベンゾイル, メチル, トリフルオロメチル、もしくはシアノで任意に置換される;
X6は(D)-Pheを表し、前記(D)-Pheのフェニル部分はハロゲン, ヒドロキシ, アルコキシ, ニトロ, メチル, トリフルオロメチル、またはシアノで任意に置換される;
X7はArgを表す;
X8はTrpまたは2-ナフティルアラニン(naphtylalanine)を表す;
X9は、結合またはアミノ酸もしくはジ―ペプチド残基を表し、前記アミノ酸(s)は天然または合成であってもよい;
X10は、結合または任意でX3に対して架橋を形成する能力を有するアミノ酸を表す;
X11は、結合、アミノ酸、またはジ―ペプチド残基を表し、前記アミノ酸(s)は天然または合成であってもよい;
R2は-OHまたは-NRR’を表し、式中のRおよびR’は独立に水素, C1-8 アルキル, C2-8 アルケニル、またはC2-8 アルキニルを表す;
式Iのペプチドは、X3からX10で、ラクタム(lactame)またはジスルフィド架橋を介して任意で環化される;
但し、式Iで表される化合物は、1つの遅延基を含み;且つ式Iの化合物は、少なくとも7つのアミノ酸残基を含む。
【0016】
また、本発明は、療法における式Iの化合物の使用、特に式Iの化合物を含む薬学的組成物に関する。
【0017】
また、本発明は、必要とする被験者に効果的な量の式Iの化合物を投与することを含む、治療方法に関する。
【0018】
また、本発明は、医薬の製造における式Iの化合物の使用に関する。
定 義
【0019】
以下の構造の接頭語の使用:Cx-y-アルキル, Cx-y-アルケニル, Cx-y-アルキニル、またはCx-y-シクロアルキルは、xからyの炭素原子を有している指定した型のラジカルを指定する。
【0020】
本明細書中で接頭語無しで使用される「アルキル」の用語は、一例をあげると1〜10の炭素原子を有している、直鎖状又は分枝状鎖で、飽和された一価の炭化水素ラジカル(例えば、C1-8-アルキル)を意味する。典型的なC1-8-アルキル基は、例えば、メチル, エチル, n-プロピル, イソプロピル, n-ブチル, sec-ブチル, イソブチル, tert-ブチル, n-ペンチル, 2-メチルブチル, 3-メチルブチル, 4-メチルペンチル, ネオペンチル, n-ペンチル, n-ヘキシル, 1,2-ジメチルプロピル, 2,2-ジメチルプロピル, 1,2,2-トリメチルプロピルなどを含む。また、本明細書中に使用される「C1-8-アルキル」の用語は、第二級のC3-8-アルキルおよび第三級のC4-8-アルキルを含む。より一般的に、「アルキル」の用語は、第一級、第二級、および第三級のアルキルの双方を指摘することを意図している。
【0021】
本明細書中で接頭語無しで使用される「アルケニル(alkenyl)」の用語は、一例をあげると2〜10の炭素原子および少なくとも1つの炭素―炭素の二重結合を有している、直鎖状又は分枝状鎖で、一価の非芳香族炭化水素ラジカル(例えば、C2-8-アルケニル)を意味する。典型的なC2-8-アルケニル基には、ビニル, 1-プロペニル, 2-プロペニル, イソ-プロペニル, 1,3-ブタジエニル, 1-ブテニル, 2-ブテニル, 3-ブテニル, 2-メチル-1-プロペニル, 1-ペンテニル, 2-ペンテニル, 3-ペンテニル, 4-ペンテニル, 3-メチル-2-ブテニル, 1-ヘキセニル, 2-ヘキセニル, 3-ヘキセニル、および2,4-ヘキサジエニル, 5-ヘキセニルが含まれる。
【0022】
本発明において、接頭語無しで使用される「アルキニル(alkynyl)」の用語は、少なくとも1つの炭素―炭素の3重結合と自由選択で1以上の炭素―炭素の二重結合とを有し、例をあげると2〜10の炭素原子を有する、直鎖状又は分枝状鎖で、非芳香族で一価の炭化水素を意味している。アルキニルの例には、2-プロピニル, 2-ブチニル(butynyl)、および1,3-ヘキサジエン-5-イニルが含まれる。
【0023】
本発明において、「アルカノイル(alkanoyl)」の用語は、式 -C(O)-R’のラジカルを意味し、式中のR’は上記で指摘したアルキルである。
【0024】
本発明において、「アルケノイル(alkenoyl)」の用語は、式 -C(O)-R’’のラジカルを意味し、式中のR’’は上記で示したアルケニルである。
【0025】
本発明において、「アルキノイル(alkynoyl)」の用語は、式 -C(O)-R’’’のラジカルを意味し、式中のR’’’は上記で示したアルキニルである。
【0026】
「ハロゲン(halogen)」の用語は、フルオロ, クロロ, ブロモ,およびヨードを意味する。
【0027】
「アルコキシ(alkoxy)」の用語は、式 -O-R’のラジカルを意味し、式中のR’は上記で示したアルキルである。
【0028】
本発明において、「アリール(aryl)」の用語は、炭素環式の芳香環ラジカルまたは融合した芳香環系ラジカル(a fused aromatic ring system radical)を意味する(ここで、少なくとも1つの環は芳香族である)。典型的なアリール基には、フェニル, ビフェニリル, ナフティルなどが含まれる。
【0029】
本発明において、AA(X)〔この式中のAAはアミノ酸を意味する〕は、Xが前記アミノ酸の側鎖中の官能基に付着していることを意味する。
【0030】
2つのアミノ酸が架橋されていると述べられる場合、次の事項が意味される;その事項とは、前記2つのアミノ酸の側鎖の官能基が反応して、共有結合を形成していることである。
【0031】
本発明において、「アゴニスト」の用語は、前記レセプターを活性化する物質を意味する。
【0032】
本発明において、「アンタゴニスト」の用語は、アゴニストの効果を中和する(neutralizes)又は反作用(counteracts)する物質を意味する。
【0033】
本発明において、「薬学的に許容される塩」の用語は、患者に有害ではない塩を意味する。係る塩には、薬学的に許容される酸付加塩、薬学的に許容される金属塩、アンモニウムおよびアルキル化アンモニウム塩が含まれる。酸付加塩には、無機酸および有機酸の塩が含まれる。適切な無機酸の代表的な例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸, 燐酸, 硫酸, 硝酸などが含まれる。適切な有機酸の代表的な例には、蟻酸, 酢酸, トリクロール酢酸, トリフルオロ酢酸, プロピオン酸, 安息香酸, 桂皮酸, クエン酸, フマル酸, グリコール酸, 乳酸, マレイン酸, リンゴ酸, マロン酸, マンデル酸, 蓚酸, ピクリン酸, ピルビン酸, サリチル酸, コハク酸, メタンスルホン酸, エタンスルホン酸, 酒石酸, アスコルビン酸, パモイン酸(pamoic), ビスメチレンサリチル酸(bismethylene salicylic), エタンジスルホン酸, グルコン酸, シトラコン酸, アスパラギン酸, ステアリン酸, パルチミン酸, EDTA, グリコール酸, p-アミノ安息香酸, グルタミン酸, ベンゼンスルホン酸, p-トルエンスルフォン酸などが含まれる。薬学的に許容される無機または有機の酸付加塩の更なる例には、文献(J. Pharm. Sci. 1977, 66, 2、該文献は本明細書中に参照によって援用される)にリストされる薬学的に許容される塩が含まれる。金属塩の例には、リチウム, ナトリウム, カリウム, マグネシウム塩などが含まれる。アンモニウムおよびアルキル化アンモニウム塩の例には、アンモニウム, メチルアンモニウム, ジメチルアンモニウム, トリメチルアンモニウム, エチルアンモニウム, ヒドロキシエチルアンモニウム, ジエチルアンモニウム, ブチルアンモニウム, テトラメチルアンモニウム塩などが含まれる。
【0034】
本明細書中に使用される化合物の「治療的に効果的な量(therapeutically effective amount)」は、特定の疾患及びその合併症の臨床上の症状を、治癒(cure)、軽減(alleviate)、または部分的に抑止(arrest)するために十分な量を意味する。これを達成するのに十分な量は、「治療的に効果的な量」と規定される。それぞれの目的のために有効な量は、疾患または傷害の重症度、並びに被検者の重量および一般的な状態(state)に依存する。適切な用量の決定が、値からマトリックス(a matrix)を構築すること、および前記マトリックスの異なる点を試験することによるルーチン試験を使用して達成し得ることが理解されるだろう;この事項は、全て訓練された医師または獣医の通常の知識の範囲内である。
【0035】
本明細書中に使用される「治療(treatment)」および「治療すること(treating)」の用語は、コンディション(例えば、疾患または障害)に対処するための、患者の管理(management)と世話(care)とを意味する。前記用語は、患者が罹患する、特定のコンディションに関する全てのスペクトルの治療を含み、例えば、徴候または合併症を軽減するための、疾患、障害、またはコンディションの進行を遅延させるための、徴候および合併症を軽減または開放(relief)するための、および/または、疾患、障害、またはコンディションを治癒または排除(eliminate)するための、同様に、コンディションを予防(prevent)するための活性化合物の投与である。ここで予防は、疾患、コンディション、または障害に対処するための、患者の管理および世話と理解され、そして徴候または合併症の開始を予防するための活性化合物の投与を含む。治療されるべき患者は、好ましくは哺乳類、特にヒトであるが、動物(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、およびブタ)をも含む。
【0036】
本明細書中に使用される、「溶媒和化合物(solvate)」の用語は、溶質(このケースでは、本発明の化合物)および溶媒により形成される、規定のストイキオメトリの複合体である。溶媒は、例として、水, エタノール, または酢酸であってもよい。
【0037】
加えて、以下の略語は、下記に示される意味を有する、即ち
【0038】
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【発明の記載】
【0039】
一態様において、式Iで表されるペプチドは、環状または非環状の何れであってもよく、R4は直鎖状、分枝状、および/または環状のC8-22 アルカノイル, C8-22 アルケノイルまたはC8-22 アルキノイルを表し、その全ては任意に水酸基, ハロゲン, カルボキシル、およびアリールから選択される1以上の置換基で置換されてもよく、該アリールは任意に水酸基、ハロゲン、およびカルボキシルから選択される1以上の置換基で更に置換されてもよい;
またはR4は、C7-17アルキル-C(O)-NH-S(O)2-C(O)-を表し、該アルキルは1以上のハロゲン(例えば、フルオロ)で置換されてもよい;
またはR4はR5-C(O)-NH-S(O)2-(CH2)3-C(O)-を表す、式中のR5は1-(4-ベンゾイルフェニルを表す;
またはR4は式IIまたはIiaで表されるステロイドを表す、
【0040】
【化5】

【0041】
式中の各R3は独立に水素, ヒドロキシル,を表すか又はR3はそれを環状の炭素に結合させる結合と共に=Oを構成する;
またはR4は式III, IIIa, IIIb, IV またはIVaに示した構造を表す。
【0042】
【化6】

【0043】
【化7】

【0044】
式中のnは1, 2, または3であり;
各mPEGは独立にメトキシポリエチレングリコール(約2kDaおよび約50kDaの間の分子量を有する)を表す;
各Aは独立に水素またはC1-4 アルキルを表す;
および式中のX3はLys, Orn, 2,4-ジアミノ酪酸, 2,3-ジアミノプロピオン酸, Cys, homoCys, Glu, Asp, Gln またはAsnを表す;
および式中のX10はLys, Orn, 2,4-ジアミノ酪酸, 2,3-ジアミノプロピオン酸, Cys, homoCys, Glu, Asp, Gln またはAspを表す;
および式中のリンカーSは、存在する場合、β-アラニン, Glu, Gly-Gln, Gly-Glu, Gly-Hisを表すか又は、
【0045】
【化8】

【0046】
であり、yは1,2,3,4、または5である。
【0047】
式Iの環状化合物
この態様において、X3およびX10の間に結合が存在することによって、式Iの化合物を、ジスルフィド架橋(X3, X10は、独立にCysまたはhomoCysである)によって又はX3またはX10の側鎖における酸とX10またはX3の側鎖におけるアミンとの間のラクタム結合によって環状化せしめる。
【0048】
一態様において、Xは結合である。
一態様において、X1は結合を表す。
一態様において、X2はNleを表す。
【0049】
一態様において、X3はGluまたはApsを表し、X10はLys, Orn, 2,4-ジアミノ酪酸または2,3-ジアミノプロピオン酸を表す。特に、X3はGluまたはAspを表し、X10はLysを表す。
【0050】
一態様において、X4は結合を表す。
一態様において、X5は、Ala, Nle, Met, Met(O), Met(O2), Gln, Gln(ε-アルキル), Gln(ε-アリール), Asn, Asn (ε-アルキル), Asn(ε-アリール), Ser, Thr, Cys, F-Pro, Pro, Hyp, (S)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸, Trp, 1-ナフチルアラニン, 2-ナフチルアラニン, 2-PyAla, 3-PyAla, 4-PyAla, 2-チエニルアラニン, 3-チエニルアラニン, 4-チアゾリルアラニン, 2-フリルアラニン, 3-フリルアラニン, Pheを表し、前記Pheのフェニル部分はハロゲン, ヒドロキシル, アルコキシ, ニトロ, ベンゾイル, メチル, トリフルオロメチル、またはシアノで任意に置換される。
【0051】
一態様において、X5はHisを表す。
一態様において、X5は3-PyAla, Hyp, Gln またはAsnを表す。
一態様において、X9は結合を表す。
一態様において、X11は結合を表す。
一態様において、R2は-NH2を表す。
一態様において、X6-X7-X8-X9-X10はD-Phe-Arg-Trp-Lysを表す。
【0052】
一態様において、式Iによる化合物は、
R4-Nle-c[Asp-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-R2 (配列番号1) ;
R4-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-R2 (配列番号2);
R4-Nle-c[Asp-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-R2 (配列番号3);
R4-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-R2 (配列番号4);
R4-Nle-c[Asp-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-R2 (配列番号5);
R4-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-R2 (配列番号6);
R4-Nle-c[Asp-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-R2 (配列番号7);
R4-Nle-c[Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-2Nal-Lys]-R2 (配列番号8);
R4-Nle-c[Asp-3-PyAla-D-Phe-Arg-2Nal-Lys]-R2 (配列番号9);
R4-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-2Nal-Lys]-R2 (配列番号10);
R4-Nle-c[Asp-Hyp-D-Phe-Arg-2Nal-Lys]-R2 (配列番号11);
R4-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-2Nal-Lys]-R2 (配列番号12);
R4-Nle-c[Asp-Gln-D-Phe-Arg-2Nal-Lys]-R2 (配列番号13);
R4-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-2Nal-Lys]-R2;および(配列番号14)
R4-Nle-c[Asp-Asn-D-Phe-Arg-2Nal-Lys]-R2 (配列番号15)から選択される。
【0053】
一態様において、X-X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-X9-X10-R2は、Nle-c[Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号16)またはNle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号2)を表す。
【0054】
一態様において、X-X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-X9-X10-R2は、Nle-c[Glu-His-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号17)を表す。
【0055】
一態様において、X-X1-X2は、式Z1-Z2-Z3-Z4-Z5-Z6の部分で表され、式中のZ1はGlyを表し、;Z2はSer, (D)-Ser またはThrを表し; Z3はGln, Asn, (D)-Gln または(D)-Asnを表し; Z4はHis, homoArg, Arg, Lys またはOrnを表し; Z5はSer, (D)-Ser またはThrを表し;Z6はNleを表す。特に、X3はGluを表し、X10はLysを表し、特にX4, X9 およびX11は結合を表す。本態様において、X5は、Ala, Nle, Met, Met(O), Met(O2), Gln, Gln(ε-アルキル), Gln(ε-アリール), Asn, Asn (ε-アルキル), Asn(ε-アリール), Ser, Thr, Cys, Pro, F-Pro, Hyp, (S)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸, Trp, 1-ナフチルアラニン, 2-ナフチルアラニン, 2-PyAla, 3-PyAla, 4-PyAla, 2-チエニルアラニン, 3-チエニルアラニン, 4-チアゾリルアラニン, 2-フリルアラニン, 3-フリルアラニン, Pheを表し、前記Pheのフェニル部分はハロゲン, ヒドロキシル, アルコキシ, ニトロ, ベンゾイル, メチル, トリフルオロメチル、またはシアノで任意に置換される。特に、X5は、F-Pro, Hyp またはGlnを表す。特にR2は-NH2を表し、特定の記載が(D)-Phe-Arg-Trp-Lysを表すX6-X7-X8-X9-X10に関してなされる。
【0056】
一態様において、式Z1-Z2-Z3-Z4-Z5-Z6の部分は、
Gly-Ser-Asn-Asn-Thr-Nle (配列番号18);
Gly-Ser-Asn-homoArg-Thr-Nle (配列番号19);
Gly-Ser-DAsn-His-Thr-Nle (配列番号20);
Gly-Ser-DAsn-homoArg-Thr-Nle (配列番号21);
Gly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle (配列番号22);
Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle (配列番号23);
Gly-Ser-Gln-homoArg-Ser-Nle (配列番号24);
Gly-Ser-Gln-homoArg-Thr-Nle (配列番号25);
Gly-Ser-Gln-Lys-Ser-Nle (配列番号26);
Gly-Ser-Gln-Orn-Ser-Nle (配列番号27);
Gly-Ser-Ser-His-Thr-Nle および (配列番号28)
Gly-Ser-Ser-Tyr-Thr-Nle (配列番号29)から選択される。
【0057】
一態様において、X3-X4-X5-X6-X7-X8-X9-X10-X11-R2は、
シクロ[Glu-3-PyAla-(D)-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号30);
シクロ[Glu-F-Pro-(D)-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号31);
シクロ[Glu-Gln-(D)-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号32);
シクロ[Glu-Hyp-(D)-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号33); および
シクロ[Glu-Met(O2)-(D)-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号34)から選択される。
【0058】
非環状ペプチド
一態様において、式Iの化合物は非環状である。
一態様において、Xは結合である。
一態様において、Xは、アミノ酸残基、例えば、Serである。
一態様において、X1はLys(Nεβ-Ala-R4)を表す。
一態様において、X1は結合を表す。
一態様において、X2はTyr-Ser-Nleを表す。
一態様において、X2はSer-Nleを表す。
一態様において、X2はSer-Tyr-Ser-Nleを表す。
一態様において、X3はGluを表す。
一態様において、X4は結合を表す。
【0059】
一態様において、X5は、Ala, Nle, Met, Met(O), Met(O2), Gln, Gln(ε-アルキル), Gln(ε-アリール), Asn, Asn (ε-アルキル), Asn(ε-アリール), Ser, Thr, Cys, F-Pro, Pro, Hyp, (S)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸, Trp, 1-ナフチルアラニン, 2-ナフチルアラニン, 2-PyAla, 3-PyAla, 4-PyAla, 2-チエニルアラニン, 3-チエニルアラニン, 4-チアゾリルアラニン, 2-フリルアラニン, 3-フリルアラニン, Pheを表し、前記Pheのフェニル部分はハロゲン, ヒドロキシル, アルコキシ, ニトロ, ベンゾイル, メチル, トリフルオロメチル、またはシアノで任意に置換される。
【0060】
一態様において、X5はHisを表す。
一態様において、X5はGln, Hyp, 3-PyAla, Ala またはSerを表す。
一態様において、X9はGlyを表す。
一態様において、X10はLysまたはArgを表す。
一態様において、X11はPro-Valを表す。
一態様において、R2は-NH2を表す。
【0061】
一態様において、R1-X-X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-X9-X10-R2は、
CH3C(O)-Lys(Nεβ-Ala-R4)-Tyr-Ser-Nle-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号35),
CH3C(O)-Lys(Nεβ-Ala-R4)-Tyr-Ser-Nle-Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号36),
CH3C(O)-Lys(Nεβ-Ala-R4)-Tyr-Ser-Nle-Glu-Ser-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2 (配列番号37),
CH3C(O)-Lys(Nεβ-Ala-R4)-Tyr-Ser-Nle-Glu-Ala-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2 (配列番号38),
CH3C(O)-Lys(Nεβ-Ala-R4)-Tyr-Ser-Nle-Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2 (配列番号39), および
CH3C(O)-Lys(Nεβ-Ala-R4)-Tyr-Ser-Nle-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2 (配列番号40)から選択される1化合物を表す。
【0062】
一態様において、R1-X-X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-X9-X10-X11-R2は、
CH3C(O)-Ser- Lys(Nεβ-Ala-R4)- Ser-Nle-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号41),
CH3C(O)-Ser- Lys(Nεβ-Ala-R4)- Ser-Nle-Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号42),
CH3C(O)-Ser- Lys(Nεβ-Ala-R4)- Ser-Nle-Glu-Ser-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2 (配列番号43),
CH3C(O)-Ser- Lys(Nεβ-Ala-R4)- Ser-Nle-Glu-Ala-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2 (配列番号44),
CH3C(O)-Ser- Lys(Nεβ-Ala-R4)- Ser-Nle-Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2 (配列番号45),
CH3C(O)-Ser- Lys(Nεβ-Ala-R4)- Ser-Nle-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2 (配列番号46), および
CH3C(O)-Ser- Lys(Nεβ-Ala-R4)- Ser-Nle-Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2 (配列番号47)から選択される1化合物を表す。
【0063】
一態様において、R1-X-X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-X9-X10-X11-R2は、
R4-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号48),
R4-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号49),
R4-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号50),
R4-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-Ser-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2 (配列番号51),
R4-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-Ala-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2 (配列番号52),
R4-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2 (配列番号53),
R4-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2 (配列番号54), および
R4-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2 (配列番号55)から選択される1化合物を表す。
【0064】
遅延基(Protracting group)
R4置換基の1つの機能は、前記化合物の効果を遅延させることであり、それは即ち前記置換基が生物活性を発揮する時間を延長させることである。遅延の効果は、R1およびR4が非存在である化合物とR4が試験すべき遅延置換基を表す化合物との間を比較する、若干修正されたアッセイIで評価し得る。この実験は、時間(T)の期間がラットが実験前と同等に摂食するまで継続させる。遅延基であると考えられるR4並びに非存在であるR4およびR1に関するT値が測定され、そして差ΔTが計算される。ΔTが、3時間を超える、例えば7時間を超える、例えば12時間を超える、例えば12時間を超える、例えば24時間を超える、例えば48時間を超える、例えば72時間を超えるΔTを生じさせる基は、遅延基であると推定される。本発明において、R1が表し得るC1-4アルカノイル基は、遅延基とは認識されない。
【0065】
化合物の効果を遅延させることに加えて、R4は、作用強度(potency)を増強してもよく、これによって本発明の化合物は、R1およびR4が非存在である化合物と比較してメラノコルチンレセプターを調節する。このような増強された作用強度は、本明細書中のアッセイVIに記載されたメラノコルチンアッセイで前記化合物を試験することにより測定し得る。
【0066】
一態様において、R4は直鎖状、分枝状、および/または環状のC8-20 アルカノイル, C8-20 アルケノイルまたはC8-20 アルキノイルを表し、その全ては任意にヒドロキシル, ハロゲン, カルボキシル およびアリールから選択される1以上の置換基で置換されてもよく、該アリールは任意に水酸基、ハロゲン、およびカルボキシルから選択される1以上の置換基で更に置換されてもよい。
【0067】
一態様において、R4は直鎖状、分枝状、および/または環状のC14-16 アルカノイル, C14-16 アルケノイル、またはC14-16 アルキノイルを表し、その全ては任意にヒドロキシル, ハロゲン, カルボキシル およびアリールから選択される1以上の置換基で置換されてもよく、該アリールは任意に水酸基、ハロゲン、およびカルボキシルから選択される1以上の置換基で更に置換されてもよい。
【0068】
一態様において、R4は直鎖状のC10-20 アルカノイル, C14-16 アルカノイル またはC8-17 アルカノイルを表す。
【0069】
一態様において、R4は、オクタノイル, デカノイル, ドデクノイル(dodecnoyl), テトラデカノイル, ヘキサデカノイル, オクタデカノイル, 9-カルボキシ-ノナノイル, 11-カルボキシ-ウンデカノイル, 13-カルボキシ-トリデカノイル, 15-カルボキシ-ペンタデカノイル, 17-カルボキシ-ヘプタデカノイル, アダマンタン-1-イル-アセチル, 4-(ヘキサデカノイル スルファモイル)ブタノイル, コロイル, リトコリル またはmPEG2000を表す。
【0070】
一態様において、R4は、血漿タンパク質、例えばアルブミンに結合する部分を表す。化合物のアルブミンに結合する能力は、文献(J.Med.Chem, 43, 2000, 1986-1992)に記載のように決定し得る、該文献は参照によって本明細書中に援用される。この関連において、Ru/Daが0.05を超える、例えば0.10を超える、例えば0.12を超える、または例えば0.15以上である場合、化合物はアルブミンへ結合すると規定される。
【0071】
本発明の特定の化合物
式Iの化合物の特定の例には、
オクタノイル-Nle-c[Glu-His-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号56),
デカノイル-Nle-c[Glu-His-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号57),
テトラデカノイル-Nle-c[Glu-His-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号58),
(アダマンタン-1-イル)アセチル-Nle-c[Glu-His-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号59),
テトラデカノイル-Nle-c[Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号60),
デカノイル-Nle-c[Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号61),
(アダマンタン-1イル)アセチル-Nle-c[Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号62),
アセチル-Ser-Lys(3-(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)-Ser-Nle-Glu-Ser-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号63),
アセチル-Lys(3-(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)-Tyr-Ser-Nle-Glu-Ser-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号64),
ヘキサデカノイルSer-Tyr-Ser-Nle-Glu-Ser-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号65),
ヘキサデカノイルSer-Tyr-Ser-Nle-Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号66),
【0072】
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号67),
ヘキサデカノイルβAla-Tyr-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号68),
ヘキサデカノイルβAla-Ala-Tyr-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号69),
アセチル-Ser-Lys(3-(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)-Ser-Nle-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号70),
mPEG(2000)アセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号71),
2-[2-(リトコロイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-βAla-Tyr-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号72),
2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-βAla-Ala-Tyr-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号73),
アセチル-Ser-Lys(3-(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)-Ser-Phe-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号74),
2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Ser-Gln-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号75),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号76),
15-カルボキシペンタデカノイルGly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号77),
【0073】
4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号78),
4-[2-(4-ベンゾイルフェニル)プロピオニルスルファモイル]ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号79),
2-[2-(オクタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号80),
2-[2-(オクタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号81),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-homoArg-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号82),
2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号83),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号84),
4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号85),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-homoArg-Ser-Nle-c[Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号86),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号87),
4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号88),
【0074】
3-(2-{2-[2-(2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロピオニル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号89),
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号90),
2-[2-(テトラデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号91),
ヘキサデカノイルGly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号92),
ヘキサデカノイルGly-Gln-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号93),
ヘキサデカノイルGly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号94),
ヘキサデカノイルGly-Glu-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号95),
ヘキサデカノイルGlu-Gly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号96),
ヘキサデカノイルGlu-4-Abu-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号97),
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号98),
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号99),
【0075】
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gln-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号100),
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Glu-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号101),
2-[2-(2-{2-[2-(ドデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号102),
2-{2-[4-カルバモイル-2-(2-(ヘキサデカノイルアミノ)アセチルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシアセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号103),
2-{2-[4-カルボキシル-2-(2-ヘキサデカノイルアミノ)アセチルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシアセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号104),
2-{2-[2-(2-(ヘキサデカノイルアミノ)アセチルアミノ)-3-(イミダゾール-4-yl)プロピオニルアミノ]エトキシ}エトキシ アクテイル(acteyl)-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号105),
ドデカノイル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号106),
ヘキサデカノイルGly-Thr-Asn-Asn-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号107),
オクタノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号108),
デカノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号109),
【0076】
ドデカノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号110),
テトラデカノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号111),
ヘキサデカノイルGly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号112),
オクタデカノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号113),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-F-Pro-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号114),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-homoArg-Ser-Nle-c[Glu-F-Pro-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号115),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-F-Pro-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号116),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Asn-homoArg-Thr-Ser-Nle-c[Glu-F-Pro-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号117),
3-{2-[2-(2-{2-[4-(4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9-トリデカフルオロノナノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}プロピオニル-Gly-Ser-Gln-homoArg-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号118),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Ser-Tyr-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号119),
【0077】
ヘキサデカノイルGly-Ser-Asn-Asn-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号120),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Ser-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号121),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Ser-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号122),
ヘキサデカノイルGly-Ser-D-Asn-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号123),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Asn-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号124),
ヘキサデカノイルSer-homoArg-Ser-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号125),
ヘキサデカノイルGln-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号126),
ヘキサデカノイルSer-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号127),
ヘキサデカノイルSer-His-Thr-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号128), および
ヘキサデカノイルSer-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号129)が含まれる。
【0078】
本発明の他の態様は、請求項から明らかである。
本発明の一態様において、前記化合物は、メラノコルチンレセプターのアゴニストである。
本発明の一態様において、前記化合物は、MC-4のアゴニストである。
【0079】
本発明の一態様において、前記化合物は、MC-4の選択的なアゴニストである。この関連において、選択性は、MC1, MC3、および/またはMC5に関する化合物の活性に関連すると理解される。化合物が、強力なMC1, MC3 および/または MC5 アゴニストよりも、有意により強力なMC4アゴニストである場合、前記化合物は選択的なMC4アゴニストであると判断される。MC1およびMC4に関する化合物の強度はアッセイ IV (MC 1)およびアッセイV (MC4)に記載されるレセプター結合アッセイで決定される。化合物が、MC1に関するよりも、MC4に関して10倍以上、例えば50倍以上、例えば100倍以上、より強力である場合、MC1に関して、選択的なMC4アゴニストであると判断される。MC3, MC4、および MC5に関する化合物の強度は、アッセイII(MC3およびMC5)およびアッセイIII(MC4)に記載される機能性アッセイで決定される。化合物が、MC3に関するよりも、MC4に関して10倍以上、例えば50倍以上、例えば100倍以上、より強力である場合、MC3に関して、選択的なMC4アゴニストであると判断される。化合物が、MC5に関するよりも、MC4に関して10倍以上、例えば50倍以上、例えば100倍以上、より強力である場合、MC5に関して、選択的なMC4アゴニストであると判断される。特定の一態様において、本発明の化合物は、MC1に関して、MC3に関して、MC5に関して、MC1およびMC3に関して、MC1およびMC5に関して、MC3およびMC5に関して、或いはMC1, MC3およびMC5に関して、選択的なMC4アゴニストである。
【0080】
一態様において、本発明の化合物は、選択的なMC4アゴニストおよびMC3アンタゴニストである。この関連において、化合物が、上記で説明したようにMC1およびMC5に関して、選択的なMC4アゴニストであり、アッセイIIに記載されるとおり測定されるMC3をアンタゴナイズする場合、その化合物は選択的なMC4アゴニストおよびMC3アンタゴニストであると判断される。IC50値が、100nM未満、例えば10nM未満、例えば5nM未満、例えば1nM未満である化合物は、MC3アンタゴニストであると判断される。
【0081】
一態様において、本発明の化合物は、選択的なMC3アゴニストおよび選択的なMC4アゴニストである。この関連において、化合物が強力なMC1およびMC5アゴニストよりも有意により強力なMC3およびMC4アゴニストである場合、前記化合物は選択的なMC3およびMC4アゴニストであると判断される。MC1およびMC3に関する化合物の選択性は、アッセイIVに記載のとおりにMC1に関して決定された強度と、アッセイIIに記載のとおりに決定されたMC3に関する強度とを比較することによって決定される。化合物が、MC1に関するよりも、MC3に関して10倍以上、例えば50倍以上、例えば100倍以上、より強力である場合、MC1に関して、選択的なMC3アゴニストであると判断される。MC3およびMC5に関する化合物の選択性は、アッセイIIに記載とおりに決定された強度を比較することによって決定される。化合物が、MC5に関するよりも、MC3に関して10倍以上、例えば50倍以上、例えば100倍以上、より強力である場合、MC5レセプターに関して、選択的なMC3アゴニストであると判断される。MC3およびMC5に関する、化合物のMC4選択性は、上記で議論したとおり決定される。
【0082】
本発明の化合物はメラノコルチンレセプターを調節する、従って、それらの化合物はメラノコルチンレセプター活性を調節することによって効能が得られる疾患または状態の治療に特に適していると考えられる。特に、本発明の化合物は、MC-4レセプターの活性化から効能が得られる疾患または状態の治療に適していると考えられる。
【0083】
一態様において、本発明は、糖耐性障害(IGT)から2型糖尿病への進行を遅延させる方法を提供し、該方法は効果的な量の本発明の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0084】
一態様において、本発明は、2型糖尿病からインシュリン要求性糖尿病(insulin requiring diabetes)への進行を遅延させる方法を提供し、該方法は効果的な量の本発明の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0085】
一態様において、本発明は、肥満(obesity)を治療する及び過体重(overweight)を予防する方法に関し、該方法は効果的な量の本発明の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0086】
一態様において、本発明は、食欲(appetite)を制御する方法を提供し、該方法は効果的な量の本発明の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0087】
一態様において、本発明は、満腹(satiety)を誘導(inducing)する方法に関し、該方法は効果的な量の本発明の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0088】
一態様において、本発明は、体重の減量に成功後の体重の再増加を予防する方法に関する。
【0089】
一態様において、本発明は、エネルギー消費を増加させる方法に関する。
【0090】
一態様において、本発明は、過体重及び肥満(obesity)に関する疾患または状態を治療する方法を提供し、該方法は効果的な量の本発明の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0091】
一態様において、本発明は、過食症(bulimia)を治療する方法に関し、該方法は効果的な量の本発明の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0092】
一態様において、本発明は、アテローム性動脈硬化症, 高血圧症, 糖尿病, 2型糖尿病,糖耐性障害(IGT;impaired glucose tolerance), ディスピリデミア(dyspilidemia), 冠性心疾患, 胆嚢疾患, 胆石, 骨関節炎, 癌, 性的不能、および早発死のリスクから選択される疾患または状態を治療する方法に関し、該方法は効果的な量の本発明の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0093】
特に、本発明の化合物は、肥満または過体重の患者における疾患の治療に適切である。また、一態様において、本発明は、肥満患者における、2型糖尿病,糖耐性障害(IGT), ディスピリデミア, 冠性心疾患, 胆嚢疾患, 胆石, 骨関節炎, 癌, 性的不能、および肥満患者の早発死のリスクから選択される疾患または状態を治療する方法を提供し、該方法は効果的な量の本発明の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0094】
加えて、MC4レセプターアゴニストは、インスリン感受性, 報酬系(reward system)を調節することによる薬物乱用、および出血性ショックにポジティブ効果を有するだろう。さらにまた、MC3およびMC4レセプターアゴニストは解熱性効果を有し、両者は末梢神経再生に関与する。また、MC4レセプターはストレス応答を減少させることが知られている。
【0095】
上記に開示した全ての治療方法において、本発明の化合物は単独で投与し得る。しかしながら、1以上の付加的な治療的に活性な化合物(therapeutically active compound)を、経時的(sequentially)又は同時(concomitantly)に組み合わせて投与してもよい。
【0096】
一側面において、本発明は薬学的組成物に関する。該組成物は、本発明の化合物を含み、任意に1以上の付加的な治療的に活性な化合物を1以上の薬学的に許容される担体または賦形剤と共に組み合わせて、約0.05mg〜約1000mg、例えば約0.1mg〜約500mg、例えば約0.5mg〜約200mgの本発明の化合物を含む単位製剤形態(unit dosage form)で含む。
【0097】
また、本発明は、過体重または肥満, 過食症, アテローム性動脈硬化症, 高血圧症, 2型糖尿病, 糖耐性障害(IGT), ディスピリデミア, 冠性心疾患, 胆嚢疾患, 胆石, 骨関節炎, 癌, 性的不能および早発死のリスクから選択される疾患または状態を治療するための医薬の製造における本発明の化合物の使用に関する。
【0098】
また、本発明は、単独の又は付加的な治療的に活性な化合物と組み合わせた本発明の化合物の使用に関し、該使用はIGTから2型糖尿病への進行を遅延させること、2型糖尿病からインシュリン要求性糖尿病への進行を遅延させること、食欲を制御すること、満腹を誘導すること、体重の減量に成功後の体重の再増加を予防すること、またはエネルギー消費を増加させることにおいて効果的な医薬の製造における使用である。
【0099】
上記のように、本発明の化合物は、1以上の付加的な治療的に活性な化合物と組み合わせて、投与または適用されてもよい。適切な付加的な化合物は、抗糖尿病剤, 高脂血症剤, 抗肥満剤(antiobesity), 降圧剤,および糖尿病に起因する又は関連する合併症の治療のための剤から選択され得る。
【0100】
適切な抗糖尿病剤には、インシュリン、GLP-1(グルカゴン様ペプチド1)誘導体〔これは例えばWO 98/08871(Novo Nordisk A/S)に開示されているものである(この文献は本明細書中に参照によって援用される)〕、同様に、経口的に活性な血糖降下剤(hypoglycemic agents)が含まれる。
【0101】
適切な経口的に活性な血糖降下剤は、好ましくは、イミダゾリン, スルホニル尿素, ビグアナイド, メグリチナイド(meglitinides), オキサジアゾリジンジオン(oxadiazolidinediones), チアゾリジンジオン(thiazolidinediones), インシュリン感作物質, α-グルコシダーゼインヒビター,膵臓のβ-細胞のATP依存性カリウムチャネルに作用する剤、例えば、カリウムチャネルオープナー〔例えば、WO 97/26265, WO 99/03861 およびWO 00/37474(Novo Nordisk A/S)に開示されているもの、該文献は本明細書中に参照によって援用される〕, カリウムチャネルオープナー、例えば、オルミティグリニド(ormitiglinide), カリウムチャネルブロッカー、例えば、ナテグリニドまたはBTS-67582, グルカゴンアンタゴニスト〔例えば、WO 99/01423 およびWO 00/39088 (Novo Nordisk A/S and Agouron Pharmaceuticals, Inc.)に開示されているもの、全ての該文献は本明細書中に参照によって援用される〕, GLP-1アゴニスト〔例えば、WO 00/42026 (Novo Nordisk A/S and Agouron Pharmaceuticals, Inc.)に開示されているもの、該文献は本明細書中に参照によって援用される〕、DPP-IV (ジペプチジルペプチダーゼ-IV)インヒビター、PTPase (チロシンホスファターゼ) インヒビター、グルコキナーゼアクチベーター〔例えば、Hoffmann La RocheのWO 02/08209に開示されているもの〕、糖新生および/またはグリコーゲン分解に関与する肝臓酵素のインヒビター, グルコース取り込みモジュレーター, GSK-3 (グリコーゲン シンターゼ キナーゼ-3) インヒビター, 脂質代謝を修飾する化合物、例えば、高脂血症治療剤(antihyperlipidemic)、脂質血症治療剤(antilipidemic)、食物摂取を低下させる化合物、およびPPAR(ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプター)およびRXR(レチノイドXレセプター)アゴニスト、例えば、ALRT-268, LG-1268 またはLG-1069を含む。
【0102】
適切な付加的な治療的に活性な化合物の例には、インシュリンまたはインシュリンアナログ, スルホニル尿素、例えば、トルブタミド, クロルプロパミド, トラザミド, グリベンクラミド, グリピジド,グリメピリド(glimepiride), グリカジド(glicazide), グリブリド, ビグアナイド、例えば、メトホルミン, メグリチナイド、例えば、レパグリニドまたはセナグリニド/ナテグリニドが含まれる。
【0103】
適切な付加的な治療的に活性な化合物の他の例には、チアゾリジンジオン、インシュリン感作物質、例えば、トログリタゾン, シグリタゾン(ciglitazone), ピオグリタゾン(pioglitazone), ロシグリタゾン(rosiglitazone), イサグリタゾン(isaglitazone), ダルグリタゾン(darglitazone), エングリタゾン(englitazone), CS-011/CI-1037またはT 174、または文献に開示された化合物〔該文献とは、WO 97/41097 (DRF-2344), WO 97/41119, WO 97/41120, WO 00/41121 および WO 98/45292 (Dr. Reddy’s 研究基金)、該文献は参照によって本明細書中に援用される〕が含まれる。
【0104】
適切な付加的な治療的に活性な化合物の他の例には、インシュリン感作物質、例えば、GI 262570, YM-440, MCC-555, JTT-501, AR-H039242, KRP-297, GW-409544, CRE-16336, AR-H049020, LY510929, MBX-102, CLX-0940, GW-501516または文献に開示された化合物〔該文献とは、WO 99/19313 (NN622/DRF-2725), WO 00/50414, WO 00/63191, WO 00/63192, WO 00/63193 (Dr. Reddy’s 研究基金) および WO 00/23425, WO 00/23415, WO 00/23451, WO 00/23445, WO 00/23417, WO 00/23416, WO 00/63153, WO 00/63196, WO 00/63209, WO 00/63190 および WO 00/63189 (Novo Nordisk A/S)であり、該文献は本明細書中に参照によって援用される〕が含まれる。
【0105】
適切な付加的な治療的に活性な化合物の他の例には、α-グルコシダーゼインヒビター、例えば、ボグリボース(voglibose), エミグリタート(emiglitate), ミグリトール(miglitol)、またはアカルボースが含まれる。
【0106】
適切な付加的な治療的に活性な化合物の他の例には、グリコーゲン ホスホリラーゼ インヒビター、例えば、WO 97/09040 (Novo Nordisk A/S)に記載された化合物が含まれる。
【0107】
適切な付加的な治療的に活性な化合物の他の例には、グルコキナーゼアクチベーターが含まれる。
【0108】
適切な付加的な治療的に活性な化合物の他の例には、膵臓のβ-細胞のATP依存性カリウムチャネルに作用する剤、例えば、トルブタミド, グリベンクラミド, グリピジド, グリカジド, BTS-67582 またはレパグリニドが含まれる。
【0109】
適切な付加的な治療的に活性な化合物の他の例には、ナテグリニドが含まれる。
適切な付加的な治療的に活性な化合物の他の例には、高脂血症治療剤、脂質血症治療剤、例えば、コレスチラミン, コレスチポール, クロフィブラート, ゲムフィブロジル, ロバスタチン, プラバスタチン, シンバスタチン, プロブコールまたはデキストロチロキシンが含まれる。
【0110】
前記付加的な治療的に活性な化合物の他の例には、抗肥満剤化合物または食欲制御剤が含まれる。係る化合物は、CART(コカインアンフェタミン制御化転写物)アゴニスト, NPY (ニューロペプチドY)アンタゴニスト, MC3(メラノコルチン3)アゴニスト, MC4(メラノコルチン4)アゴニスト, オレキシンアンタゴニスト, TNF(腫瘍壊死因子)アゴニスト, CRF(コルチコトロピン放出因子)アゴニスト, CRF BP(コルチコトロピン放出因子結合タンパク質)アンタゴニスト, ウロコルチンアゴニスト, β3アドレナリン作動性アゴニスト、例えば、CL-316243, AJ-9677, GW-0604, LY362884, LY377267またはAZ-40140, MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)アゴニスト, MCH (メラニン細胞凝集ホルモン)アンタゴニスト, CCK(コレシストキニン)アゴニスト, セロトニン再取り込みインヒビター(フルオキセチン, セロザットまたはシタロプラム), セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込みインヒビター, 5HT(セロトニン)アゴニスト, ボンベシン アゴニスト, ガラニン アンタゴニスト, 成長ホルモン, 成長因子、例えば、プロラクチンまたは胎盤ラクトゲン, 成長ホルモン放出化合物, TRH(thyreotropin放出ホルモン)アゴニスト, UCP2または3(脱共役タンパク質2または3)モジュレーター, 化学的な脱共役剤, レプチン アゴニスト, DA(ドーパミン)アゴニスト(ブロモクリプチン, doprexin), リパーゼ/アミラーゼ インヒビター, PPARモジュレーター, RXRモジュレーター, TR βアゴニスト, アドレナリン作動性CNS刺激因子, AGRP(アグ−チ関連タンパク)インヒビター, H3ヒスタミンアンタゴニスト〔例えば、WO 00/42023, WO 00/63208 および WO 00/64884に開示されたもの、これらの文献は本明細書中に参照によって援用される〕, エキセンディン-4(exendin-4), GLP-1アゴニスト、および毛様体神経発育因子(ciliary neurotrophic factor)からなる群から選択され得る。更なる抗肥満剤は、ブプロピオン(抗うつ薬), トピラメート(抗痙攣薬), ecopipam(ドーパミンD1/D5アンタゴニスト), ナルトレキソン(オピオイド アンタゴニスト), およびペプチドYY3-36 (Batterham et al, Nature 418, 650-654 (2002))である。
【0111】
一態様において、前記抗肥満剤はレプチンである。
一態様において、前記抗肥満薬はペプチド YY3-36.である。
一態様において、前記抗肥満薬はセロトニンおよびノルエピネフリン再取り込みインヒビター、例えば、シブトラミンである。
【0112】
一態様において、前記抗肥満薬はリパーゼ インヒビター、例えば、オーリスタット(orlistat)である。
一態様において、前記抗肥満薬はアドレナリン作動性CNS刺激薬、例えば、デキサムフェタミン(dexamphetamine), アンフェタミン, フェンテルミン, マチンドール フェンジメトラジン, ジエチルプロピオン, フェンフルラミンまたはデクスフェンフルラミン(dexfenfluramine)である。
【0113】
適切な付加的な治療的に活性な化合物の他の例には、降圧剤が含まれる。降圧剤の例は、β-ブロッカー、例えば、アルプレノロール, アテノロール, チモロール, ピンドロール, プロプラノロールおよびメトプロロール, ACE (アンジオテンシン変換酵素)インヒビター、例えば、ベナゼプリル, カプトプリル, エナラプリル, fosinopril, リシノプリル, キナプリルおよびラミプリル(ramipril), カルシウムチャネル ブロッカー、例えば、ニフェジピン, フェロジピン, ニカルジピン, イスラジピン, ニモジピン, ジルチアゼムおよびベラパミル, およびα-ブロッカー、例えば、ドキサゾシン, ウラピジル, プラゾシンおよびテラゾシンである。
【0114】
本発明の使用および方法の一態様において、本発明の化合物は、2以上の前述の化合物と組み合わせて投与および適用してもよく、例えば、メトホルミンおよびスルホニル尿素、例えば、グリブリド;スルホニル尿素およびアカルボース;ナテグリニドおよびメトホルミン;アカルボースおよびメトホルミン;スルホニル尿素, メトホルミンおよびトログリタゾン; インスリンおよびスルホニル尿素; インスリンおよびメトホルミン;インスリン, メトホルミンおよびスルホニル尿素; インスリンおよびトログリタゾン; インスリンおよびロバスタチン;などと組み合わせて投与および適用し得る。
薬学的組成物
【0115】
本発明による使用のための化合物は、単独で又は薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせて、単一の又は複数の用量で投与し得る。本発明による薬学的組成物は、薬学的に許容される担体または希釈剤で、同様に任意の他の既知のアジュバントおよび賦形剤で、従来技術〔例えば、Remington(The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, Gennaro, Ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, 2000)〕に開示された技術に従って処方し得る。
【0116】
前記薬学的組成物は、任意の適切な経路、例えば、口, 直腸, 鼻, 肺, 局所(topical)(頬および舌下を含む), 経皮, 嚢内(intracisternal), 腹腔内, 膣 および非経口(皮下, 筋肉内, クモ膜下腔内, 静脈内および皮内を含む)経路, 好適な非経口および舌下の経路による投与に関して特異的に処方し得る。好適な経路は、治療される被験者の一般的なコンディションおよび年齢、治療すべきコンディションの性質、および選択された活性成分に依存するだろうことが理解される。
【0117】
経口投与に関する薬学的組成物には、固形の剤形(solid dosage forms)、例えば、硬又は軟カプセル, 錠剤, トローチ, ドラジェー(dragees), 丸剤, ロゼンジ(lozenges), 粉剤および顆粒剤が含まれる。適切な場合には、それらはコーティング(例えば、腸内コーティング)により調製できる、或いはそれらは活性成分の制御放出を提供するために調製することができる(例えば、当該技術分野において既知の方法による持続性の又は長期の放出)。
経口投与に関する液体剤形には、液剤, エマルジョン剤, 水性の又は油性の懸濁剤, シロップおよびエリキシルが含まれる。
【0118】
非経口投与に関する薬学的組成物には、無菌の水性および非水性の注射可能液剤, 分散剤, 懸濁剤またはエマルジョン剤、同様に、使用前に無菌の注射可能な液剤または懸濁剤中で再構成される無菌粉剤が含まれる。貯蔵の注射可能剤の処方(Depot injectable formulations)も、本発明の範囲内であることが意図される。
【0119】
他の適切な投与形態には、坐剤, スプレー, 軟膏, クリーム(cremes), ゲル, 吸入剤(inhalants), 皮膚パッチ(dermal patches), インプラント(implants)などが含まれる。
【0120】
典型的な経口の用量(dosage)は、約0.001〜約100mg/kg体重/日, 好ましくは約0.01〜約50mg/kg体重/日, より好ましくは約0.05〜約10mg/kg体重/日を、1以上の用量(例えば、1〜3用量)で投与される。正確な用量は、投与の頻度およびモード、被験者の性, 年齢, 重量および一般的なコンディション、治療される状態の性質および重症度および治療すべき任意の合併症、並びに当業者に明らかな他の因子に依存する。
【0121】
前記処方は、当業者に既知の方法によって、単位剤形に都合よく供給され得る。経口投与の1以上の回数/日(例えば、1〜3回/日)に対する典型的な単位製剤形態には、 0.05 〜約 1000 mg, 好ましくは約 0.1 〜約 500 mg, より好ましくは約 0.5 mg〜約 200 mgが含有され得る。
【0122】
非経口的な経路(例えば、静脈内, クモ膜下腔内, 筋肉内および類似する投与)に関して、典型的に用量は経口投与に適用される用量の約半分のオーダーである。
【0123】
本発明による使用のための化合物は、遊離物質(free substance)として又はその薬学的に許容される塩として一般的に利用される。例は、遊離塩基の有用性を有している化合物の酸付加塩(acid addition salt)および遊離酸の有用性を有している化合物の塩基付加塩(base addition salt)である。「薬学的に許容される塩」の用語は、本発明による使用に関する化合物の非毒性の塩を意味し、これは一般的に遊離塩基を適切な有機の若しくは無機の酸と反応させることにより又は酸を適切な有機の若しくは無機の塩基と反応させることにより調製される。本発明による使用のための化合物〔例えば、式(I)の化合物〕が遊離塩基を含有する場合、係る塩は前記化合物の溶液または懸濁物を、薬学的に許容される酸の化学当量で処理することにより従来の様式で調製される。本発明による使用のための化合物〔例えば、式(I)の化合物〕が遊離酸を含有する場合、係る塩は前記化合物の溶液または懸濁物を、薬学的に許容される塩基の化学当量で処理することにより従来の様式で調製される。ヒドロキシ基を有する化合物の生理的に許容される塩は、適切な陽イオン(例えば、ナトリウムまたはアンモニウムイオン)と組み合わせた前記化合物の陰イオンを含む。薬学的に許容されない他の塩は、本発明による使用のための化合物の調製に有用であろう、また、これらは本発明の更なる側面を形成する。
【0124】
非経口投与に関して、無菌の水溶液、水性のプロピレングリコールまたはゴマもしくはピーナッツ油中に溶解した、本発明による使用のための化合物の溶液を用いてもよい。係る水性溶剤は、必要な際には適切に緩衝されるべきである。また、液体希釈剤は、等張性を十分な塩類またはグルコースで付与されるべきである。水性溶剤は、静脈内, 筋肉内, 皮下および腹腔内投与に特に適切である。用いられる無菌の水性媒体は、当業者に既知の標準的な技術によって、全て容易に利用可能である。
【0125】
適切な薬学的担体には、不活性な固形希釈剤または充填剤(fillers)、無菌の水溶液および多様な有機溶媒が含まれる。固形の担体の例は、ラクトース, 白土(terra alba), スクロース, シクロデキストリン, 滑石(talc), ゼラチン, 寒天, ペクチン, アカシア, マグネシウムステアリン酸エステル, ステアリン酸およびセルロースの低級アルキルエーテルである。液体担体の例は、シロップ, ピーナッツ油, オリーブ油, リン脂質, 脂肪酸, 脂肪酸アミン, ポリオキシエチレンおよび水である。同様に、担体または希釈剤に、当該技術分野において既知の任意の徐放性物質、例えば、グリセリル モノステアラートまたはグリセリル ジステアラート(glyceryl distearate)を、単独で又はワックスと組み合わせて含ませてもよい。本発明による使用のための化合物および薬学的に許容される担体を組み合わせることにより形成される薬学的組成物は、開示された投与経路に適切な種々の剤形で容易に投与される。前記処方は、薬学技術において知られる方法によって、単位製剤形態に都合よく供給され得る。
【0126】
経口投与に適切な本発明の処方は、別々のユニット(例えば、カプセルまたは錠剤)として供給されてもよく、各々は既定量(predetermined amount)の活性成分を含有し、適切な賦形剤を含んでもよい。さらにまた、経口的に利用可能な処方は、水性の又は非水性の液体、又はオイル―イン―ウォーター又はウォーター―イン―オイルの液体エマルジョンにおいて、粉末または顆粒剤、溶液剤または懸濁剤の形態で存在してもよい。
【0127】
口での使用に意図される組成物は、任意の既知の方法により調製し得る。係る組成物は、薬剤的にエレガントで嗜好性のよい調製物を供給するために、甘味剤, 芳香剤(flavouring agents), 着色剤, および保存剤からなる群から選択される1以上の剤を含有してもよい。錠剤は、活性成分を、錠剤の製造に適切な非毒性(non-toxic)で薬剤的に許容される賦形剤との混合物中に含有してもよい。これらの賦形剤は、例えば、不活性な希釈剤、例えば、カルシウムカーボネート, ナトリウムカーボネート, ラクトース, リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;顆粒化および崩壊剤、例えば、コーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン, ゼラチンまたはアカシア;および潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム, ステアリン酸または滑石であってもよい。錠剤は被覆されなくてもよい。或いは、それらは胃腸管での崩壊および吸収を遅延させるために既知の技術によって被覆されてもよく、それによって長い時間持続性の作用が提供される。例えば、時間遅延物質(time delay material)、例えば、グリセリル モノステアラートまたはグリセリル ジステアラートをもちいてもよい。それらの錠剤は、本明細書に参照によって援用される、米国特許4,356,108;4,166,452;および4,265,874号に記載の技術によって被覆されて、制御された放出のために浸透性(osmotic)の治療上の錠剤を形成してもよい。
【0128】
経口使用に関する処方は、硬いゼラチンカプセル(ここで活性成分は不活性な固形の希釈剤、例えば、カルシウムカーボネート、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合される)、または軟ゼラチンカプセル剤(ここで活性成分は、水または油の媒体、例えば、ピーナッツ油, 流動パラフィン, またはオリーブ油と混合される)として提供され(presented)てもよい。
【0129】
水性の懸濁剤は、活性な化合物を、水性の懸濁剤の製造に関して適切な賦形剤と混合して含有してもよい。係る賦形剤は、懸濁剤(suspending agents)、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム, メチルセルロース, ヒドロキシプロピルメチルセルロース, アルギン酸ナトリウム, ポリビニルピロリドン, トラガカントゴムおよびアカシアゴム;分散または湿潤剤は、天然のリン脂質(例えば、レシチン),またはアルキレン・オキシドと脂肪酸との縮合物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン),またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物〔例えば、ヘプタデカエチル―エネオキシセタノール(heptadecaethyl-eneoxycetanol)〕,またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールから誘導された部分的なエステルとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレン ソルビトール モノオレエート),またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導された部分的なエステルとの縮合物(例えば、ポリエチレン ソルビタン モノオレエート)である。また、水性の懸濁剤は、1以上の着色剤, 1以上の芳香剤, および1以上の甘味剤, 例えば、スクロースまたはサッカリンを含有してもよい。
【0130】
油性懸濁剤(Oily suspensions)は、植物油, 例えばラッカセイ油(arachis oil), オリーブ油, ゴマ油もしくはココナツ油に,またはミネラル油(例えば、流動パラフィン)に活性成分を懸濁させることにより処方し得る。油性懸濁剤は、濃縮剤, 例えば蜜蝋, 硬パラフィンまたはセチルアルコールを含有してもよい。甘味剤(例えば、上記に記載したもの)、および芳香剤を添加することによって、嗜好性のよい経口調製物を提供し得る。これらの組成物は、抗オキシダント(例えば、アスコルビン酸)の添加により保存し得る。
【0131】
水を付加することによる水性の懸濁液の調製に適切な分散性の粉剤および顆粒剤によって、活性化合物は、分散または湿潤剤、懸濁剤および1以上の保存剤と混合されて提供される。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、上記で既に記載した事項により例証される。付加的な賦形剤、例えば, 甘味剤, 芳香剤, および着色剤が存在してもよい。
【0132】
また、本発明による使用のための化合物を含む薬学的組成物は、オイル―イン―ウォーターのエマルジョンの形態で存在してもよい。油相(oily phase)は、植物油(例えば, オリーブ油またはラッカセイ油)、またはミネラル油(例えば、流動パラフィン)、またはその混合物であってもよい。適切な乳化剤は、天然のゴム、例えば、アカシアまたはトラガカントゴム、天然のリン脂質、例えば、大豆, レシチン, および脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導されたエステルまたは部分的なエステル、例えば、ソルビタンモノオレエート, および前記部分的なエステルとエチレンオキシドとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレン ソルビタン モノオレエート)であってもよい。エマルジョン剤は、甘味剤および芳香剤を含有してもよい。
【0133】
シロップおよびエリキシルは、甘味剤(例えば、グリセリン, プロピレン グリコール, ソルビトールまたはスクロース)で処方されてもよい。係る処方は、粘滑剤(demulcent)、保存剤および芳香剤および着色剤を含有してもよい。薬学的組成物は、無菌の注射可能な水性の又は油性の懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は、上記の適切な分散または湿潤剤および懸濁剤をを用いた既知の方法により処方し得る。無菌の注射可能な調製物は、非毒性で非経口的に認容される希釈剤または溶媒(例えば、1,3-ブタンジオール中での溶液剤)中での、無菌の注射可能な溶液剤または懸濁液であってもよい。認容されるビヒクルおよび溶媒の中で利用し得るものは、水, リンゲル溶液, および等張食塩水である。加えて、無菌の、不揮発性油(fixed oils)は、溶媒または懸濁媒体として便利に利用される。この目的に関して、合成のモノまたはジグリセリドを用いる、任意の無刺激(bland)の不揮発性油を利用してもよい。加えて、脂肪酸(例えば、オレイン酸)が、注射可能な調製物に使用されることが見出された。
【0134】
前記組成物は、本発明の化合物の直腸投与のための座薬の形態であってもよい。これらの組成物は、前記薬物を適切な非刺激性の賦形剤と混合することにより調製できる;これは通常の温度で固体であるが、直腸温では液体であるので、直腸で溶解して前記薬物を放出する。係る物質は、例えば、カカオバターおよびポリエチレングリコールである。
【0135】
局所的使用に関して、本発明の化合物を含有している、クリーム、軟膏、ゼリー、懸濁剤の溶液などが意図される。本適用の目的に関して、局所的適用は、マウスウォッシュ(mouth washes)及びうがい薬を含む。
【0136】
本発明による使用のための化合物は、リポソームの送達システム(delivery systems)、例えば、小さい単層ベシクル、大きい単層ベシクル、および多層状ベシクルの形態で投与してもよい。リポソームは、種々のリン脂質、例えば、コレステロール, ステアリルアミン, またはホスファチジルコリンから形成し得る。
【0137】
加えて、本発明による使用のための化合物の幾つかは、水または一般の有機溶媒との溶媒和物を形成してもよい。係る溶媒和物も、本発明の範囲内に包含される。
【0138】
更なる態様において、薬学的組成物が提供され、該組成物は、本発明による使用のための化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和化合物、またはプロドラッグ、および1以上の薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤を含む。
【0139】
固形担体が経口投与に使用された場合、調製物は、錠剤化されてもよく、硬いゼラチンカプセル剤に粉末またはペレット形態で配置されてもよく、またはトローチまたはロゼンジの形態であってもよい。固形担体の量は広範囲に変動するが、通常は約25mg〜約1gであろう。液体担体が使用された場合、調製物は、シロップ剤、エマルジョン剤、軟ゼラチンカプセル剤または無菌の注射可能液体、例えば、水性の又は非水性の液体懸濁剤または溶液剤の形態であってもよい。
【実施例】
【0140】
本発明の全ての化合物は、当業者が標準のカップリングおよび脱保護の工程を用いて合成できる。全ての必要な道具および合成方法の記載は、文献(The Fine Art Of Solid Phase Synthesis”, 2002/3 Catalog, Novabiochem)中から見つけることができる。
【0141】
環化工程を含む典型的な例は、以下の通りである、即ち:
【0142】
例A:ドデカノイル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
保護化ペプチジルレジンH-Nle-Glu(2-フェニルイソプロピルオキシ)-Hyp(tBu)-D-Phe-Arg(Pmc)-Trp(Boc)-Lys(Mtt)-(Rinkレジン)を、Fmoc法でアプライドバイオシステム431Aペプチドシンセサイザーを用いて、0.25mmolスケールで合成した。この合成には、製造者より供給された「FastMoc UV」プロトコールを用いた、ここでHBTU(2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル-)-1,1,3,3テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)を介したカップリングをNMP(N-メチルピロリドン)において行い、Fmoc保護基の脱保護のUVモニタリングを行った。合成に使用した開始レジンは、0.50g(4-((2',4'-ジメトキシフェニル)-(Fmoc-アミノ)メチル)-フェノキシルポリスチレンレジン(Rinkレジン) (Novabiochem)、 0.51 mmol/gのローディングであった。使用した保護化アミノ酸誘導体は、Fmoc-Lys(Mtt)-OH, Fmoc-Trp(Boc)-OH, Fmoc-Arg(Pmc)-OH, Fmoc-D-Phe-OH, Fmoc-Hyp(tBu)-OH, Fmoc-Glu(2-フェニルイソプロピルオキシ)-OHおよびFmoc-Nle-OHであった。
【0143】
1.b、次に(1.a)で得られたペプチドレジンを、ドデカン酸( 1.0 mmol), HODhbt (3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアジン)( 1.0 mmol), DIC (ジイソプロピルカルボジイミド)( 1.0 mmol)およびDIEA(N,N-ジイソプロピルエチルアミン)( 0.25 mmol)をNMP( 5 ml)中で前活性化した溶液でアシル化した。室温で2時間後、前記レジンを濾過し、そしてNMPおよびジクロロメタン(DCM)で洗浄した。
【0144】
1.c、(1.b)で得られた前記レジンを、 5 x 10 mlの 2 %トリフルオロ酢酸(TFA), 2 %トリエチルシラン(TES)で、DCM中で 60 分間規則的に混合することによって処理した。前記レジンを、NMP, NMPで、 5 %DIEAおよびNMPで洗浄した。前記ペプチドを、HODhbt(1.0mmol)、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート 1H-ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノ-ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)(1.0mmol)およびDIEA(2.0mmol)を用いて、NMP(5ml)中で4h規則的に混合することで環化した。前記レジンを、NMPおよびDCMで洗浄した。
【0145】
1.d、前記ペプチドを、(1.c)で得られたレジンから、60分間室温で10mlの2.5%水および2.5%TESをTFA中に含有する溶液で撹拌することによって切断した。前記切断混合物を濾過し、その濾過物を約1mlにまで窒素ガスを吹き付けることで濃縮した。粗製のペプチドを、このオイルから50mlジエチルエーテルで沈殿させ、50mlジエチルエーテルで3回洗浄した。
【0146】
粗製の環状ペプチドを、調製用のRP-HPLCで精製した。精製ペプチドの分析用データに関しては、以下に記載される例51を参照されたい。
【0147】
例B:保護化ペプチドレジンFmoc-Nle-c[Glu-Hyp(tBu)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Lys]-NH-Rinkリンカーポリスチレン
Fmoc-Rinkレジン(4-(2',4'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキシルポリスチレンレジン,Novabiochem 01-64-0013;0.47mmol/g)を、3つの60mlテフロン(登録商標)反応器中にフリットと共に充填した(反応器毎に:3.55g, 1.667mmol; トータル:10.65g, 5.0mmol)。各反応器中の前記レジンを、25mlのDCMで洗浄した。
【0148】
Fmocの除去:前記レジンを、20%ピペリジンをNMP(25ml)中に含有する溶液で、20min振盪し、次にNMP/DCM 1:1(5x30ml)で洗浄した。
【0149】
Fmoc-Lys(Mtt)-OHでのアシル化:別のガラスバイアルにおいて、Fmoc-アミノ酸(15.0mmol)を、NMP(18.8ml)、DCM(33.8ml)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)をNMP中に含有する1M溶液(15.0ml, 15.0mmol)と混合した。得られた透明な溶液に、DIC(2.34ml,15.0mmol)を急速に添加し、その溶液をその後すぐに振盪した。前記溶液を、閉鎖バイアルで40min静置した。この溶液の25ml(5.0mmol HOBtエステル)を各反応器へと添加し、レジンを90分間振盪した。DIEA(0.856ml,5.0mmol)を添加し、混合物を17h振盪した。レジンを、NMP/DCM 1:1(4x30ml)で洗浄した。
【0150】
Fmocの除去:上記のとうり
【0151】
Fmoc-Trp(Boc)-OHでのアシル化:別のガラスバイアルにおいて、Fmoc-アミノ酸(15.0mmol)を、NMP(18.8ml)、DCM(33.8ml)および1M HOBt-NMP溶液(15.0ml, 15.0mmol)と混合した。得られた透明な溶液に、DIC(2.34ml,15.0mmol)を急速に添加し、その溶液をその後すぐに振盪した。前記溶液を、閉鎖バイアルで50min分間静置した。この溶液の25ml(5.0mmol HOBtエステル)を各反応器へと添加し、レジンを2h振盪した。液体を濾過して除去し、レジンを、NMP/DCM 1:1(4x30ml)で洗浄した。
【0152】
同様の様式で、次のアミノ酸を連続的にレジンへと付着させた、該アミノ酸は即ち:Fmoc-Arg(Pbf)-OH, Fmoc-D-Phe-OH, Fmoc-Hyp(tBu)-OH, Fmoc-Glu(2-フェニルイソプロピルオキシ)-OH, およびFmoc-Nle-OHである。得られたFmoc-保護レジンを、DCMで頻繁に洗浄した。
【0153】
LysおよびGluの選択的な側鎖脱保護:レジンを、DCM(25ml)中に2%TFAおよび2%トリイソプロピルシランを含有する溶液で10min振盪し、液体を濾過して除去した。この手順を更に7回反復した。レジンを、DCM(2x20ml), DCM中に2%DIEA(2x25ml), DCM中に5%DIEA(25ml)およびDCM(2x25ml)で洗浄した。
【0154】
LysのGluでの側鎖の環化:別のガラスバイアルにおいて、PyBOP(7.808g=15.0mmol)を、1M HOBt-NMP溶液(15.0ml=15.0mmol)、DCM(37.5ml)およびNMP(22.5ml)と混合した。25ml(5.0mmol PyBOP/HOBtを含有する)の本溶液を、各反応器に添加し、そしてDIEA(1.712ml=10.0mmol)を添加した。レジンを13h振盪した。液体を濾過して除去し、レジンをNMP/DCM 1:1(2x30ml)、DCM/MeOH 1:1(30ml)およびDCM(5x30ml)で洗浄した。
【0155】
レジンを、真空乾燥機で1日保存した。完全なる反応が仮定される場合、これによって0.23mmol/gの最大ローディングに相当する21.61gのレジンが産出される。
【0156】
例C:ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
フリットを有する60mlのテフロン反応器に、レジンFmoc-Nle-シクロ[Glu-Hyp(tBu)-D-Phe-Arg(Pbf)-Trp-Lys]-NH-Rinkリンカー-ポリスチレン(1.739g,約0.40mmol,例B)を充填した。前記レジンを、DCM(12ml)で洗浄した。
【0157】
Fmocの除去:前記レジンを、20%ピペリジンをNMP(9ml)中に含有する溶液で20min振盪し、次にNMP/DCM 1:1(5x12ml)で洗浄した。
【0158】
Fmoc-Ser(tBu)-OHでのアシル化:別のガラスバイアルにおいて、Fmoc-アミノ酸( 1.8 mmol)を、NMP( 2.25 ml), DCM( 4.1 ml)および1M HOBt-NMP溶液( 1.8 ml, 1.8 mmol)と混合した。得られた透明な溶液に、DIC( 0.280 ml, 1.8 mmol)を急速に添加し、その溶液をその後すぐに振盪した。前記溶液を、閉鎖バイアルで1h静置し、レジンに添加した。レジンを2h振盪した。液体を濾過して除去し、レジンをNMP/DCM 1:1( 4 x 12 ml)で洗浄した。
【0159】
同様の様式で、以下のアミノ酸を連続的にレジンへと付着させた、該アミノ酸は即ち:Fmoc-His(Trt)-OH, Fmoc-Gln(Trt)-OH, Fmoc-Ser(tBu)-OH, および Fmoc-Gly-OH である。N末端Fmoc基を、上記のとおり除去した。
【0160】
ヘキサデカン酸でのアシル化:別のガラスバイアルにおいて、カルボン酸(1.8mmol)を、NMP(2.25ml), DCM(4.1ml)および1M HOBt-NMP溶液( 1.8 ml, 1.8 mmol)と混合した。得られた透明な溶液に、DIC( 0.280 ml, 1.8 mmol)を急速に添加し、その溶液をその後すぐに振盪した。前記溶液を、閉鎖バイアルで 25 min静置し、レジンに添加した。レジンを 40 min振盪した。DIEA(0.308 ml, 1.8 mmol)を添加し、混合物を 3 h振盪した。液体を濾過して除去し、レジンを 2 x NMP/DCM 1:1、 2 x DCM/MeOH 2:1、 2 x THF および 2 x DCMで洗浄した(各洗浄は、 12 ml の溶媒で行った)。
【0161】
レジンからの切断:レジンを、TFA( 11.5 ml), トリイソプロピルシラン( 0.3 ml)および水( 0.3 ml)から調製されたプレミックス溶液で 1 hおよび 40 min振盪した。濾過物を、 100 mlの丸底フラスコに収集した。レジンを、 3 x 8 ml DCM/TFA 2:1 で洗浄し、濾過物を収集した。混合した濾過溶液を、減圧下で濃縮し、赤色油を生じさせた。
【0162】
エーテルでの沈殿:油状の残留物を、ジエチルエーテル( 40 ml)で処理して、固形沈殿物を生じさせた。エーテル相を、遠心分離後に除去した。固形残留物を、ジエチルエーテル( 40 ml)で再び洗浄した。遠心分離およびエーテル相の除去後、固形残留物をエーテル残存物を除去するために一晩静置させた。
【0163】
精製:エーテルから沈殿させた粗製産物(crude product)を、アセトニトリル( 5.3 ml), 酢酸( 0.5 ml)および水の混合物に溶解させて、約 21 mlの総容積を得た。得られたdim液体を、濾過し、次にGilsonの調製HPLC装置へ注入した。溶出を、 0.1 %TFAを含有している水/アセトニトリルで、 35 %〜 50 %アセトニトリルのグラジエントで実行した。溶出液を、 5 mlの分画として収集した。関連性のある分画を、分析用HPLCでチェックした。純粋な標的ペプチドを含有している分画を、混合し、減圧下で濃縮して無色のエマルジョン(約 8 ml)を生じさせた。これにアセトニトリル( 4 ml), 1M 水性のHCl( 0.6 ml)および脱イオン水を添加して、総容積を 41 mlとした。得られた透明な溶液を、ガラスバイアルに分配した。バイアルを、ミリポアグラスファイバープレフィルターで蓋をした。3日間の凍結乾燥によって、白色固形物として、ペプチド塩酸塩( 99.4 mg, 14 %収率)が産出(afforded)された。
【0164】
HPLC(Waters Symmetry C18, 5 μm, 3.0 x 150 mm; 0.05 %TFAを含有する水/アセトニトリル; グラジエント:5 %→ 90 %アセトニトリル、 0 〜 15 min):tR= 11.71 min (UV 214 および 254 nmで 100 %純度)
精製ペプチドのLC/MSデータに関しては、以下に記載される例21を参照されたい。
【0165】
以下の例において、Rt値は保持時間であり、また、質量値は、MS検出器により検出され、以下のLC/MS装置のうち1つを用いることによって得られたたものである。
【0166】
LC/MSシステム1:Agilent1100シリーズ, エレクトロスプレー; カラム:Waters XTerra(登録商標)C18 5 μm 3.0 x 50 mm; 0.05 %TFAを含有する水/アセトニトリル; グラジエント: 5 %→ 100 %アセトニトリル、 0 〜 6.75 min, 溶出をt= 9.0 minまで; フロー 1.5 ml/min
【0167】
LC/MSシステム2:Sciex API-100 Quadrupole MS, エレクトロスプレー; カラム:Waters XTerra(登録商標)C18 5 μm 3.0x50mm; 0.05 % TFAを含有する水/アセトニトリル; グラジエント: 5 %→ 90 % アセトニトリル、 0 〜 7.5 min, 溶出をt= 10.0 minまで; フロー 1.5 ml/min
【0168】
LC/MSシステム3:Sciex API-150 Quadrupole MS, エレクトロスプレー; カラム:Waters XTerra(登録商標)C18 5 μm 3.0x50mm; 0.05 % TFAを含有する水/アセトニトリル; グラジエント: 5 %→ 15 % アセトニトリルを 1.0 〜 2.0 min、 15 % → 45 % アセトニトリルを 2.0 〜 28.0 min、 45 % → 90 % アセトニトリルを 28.0 〜 30.0 min、溶出をt= 30.0 minまで; フロー 1.5 ml/min
【0169】
LC/MSシステム4:システム 3 に記載のとおりであるが、別のグラジエントで実施する、即ち:5 %→ 20 %アセトニトリルを 1.0 〜 3.0 min, 20 %→ 50 %アセトニトリルを 3.0 〜 16.0 min, 50 %→ 90 %アセトニトリルを 16.0 〜 18.0 min, 溶出をt= 18.0 minまでのグラジエントである。
【0170】
例1
オクタノイル-Nle-c[Glu-His-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化9】

【0171】
例2
デカノイル-Nle-c[Glu-His-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化10】

【0172】
例3
テトラデカノイル-Nle-c[Glu-His-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化11】

【0173】
例4
(アダマンタン-1-イル)アセチル-Nle-c[Glu-His-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化12】

【0174】
例5
テトラデカノイル-Nle-c[Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化13】

【0175】
例6
テトラデカノイル-Nle-c[Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化14】

【0176】
例7
(アダマンタン-1イル)アセチル-Nle-c[Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化15】

【0177】
例8
アセチル-Ser-Lys(3-(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)-Ser-Nle-Glu-Ser-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2
【化16】

【0178】
例9
アセチル-Lys(3-(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)-Tyr-Ser-Nle-Glu-Ser-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2
【化17】

【0179】
例10
ヘキサデカノイルSer-Tyr-Ser-Nle-Glu-Ser-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2
【化18】

【0180】
例11
ヘキサデカノイルSer-Tyr-Ser-Nle-Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2
【化19】

【0181】
例12
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2
【化20】

【0182】
例13
ヘキサデカノイルβAla-Tyr-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化21】

【0183】
例14
ヘキサデカノイルβAla-Ala-Tyr-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化22】

【0184】
例15
アセチル-Ser-Lys(3-(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)-Ser-Nle-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2
【化23】

【0185】
例16
mPEG(2000)アセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化24】

【0186】
例17
2-[2-(リトコロイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-βAla-Tyr-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化25】

【0187】
例18
2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-βAla-Ala-Tyr-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化26】

【0188】
例19
アセチル-Ser-Lys(3-(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)-Ser-Phe-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2
【化27】

【0189】
例20
2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Ser-Gln-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化28】

【0190】
例21
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化29】

【0191】
例22
15-カルボキシペンタデカノイルGly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化30】

【0192】
例23
4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化31】

【0193】
例24
4-[2-(4-ベンゾイルフェニル)プロピオニルスルファモイル]ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化32】

【0194】
例25
2-[2-(オクタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化33】

【0195】
例26
2-[2-(オクタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化34】

【0196】
例27
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-homoArg-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化35】

【0197】
例28
2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化36】

【0198】
例29
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化37】

【0199】
例30
4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化38】

【0200】
例31
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-homoArg-Ser-Nle-c[Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化39】

【0201】
例32
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化40】

【0202】
例33
4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化41】

【0203】
例34
3-(2-{2-[2-(2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロピオニル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化42】

【0204】
例35
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化43】

【0205】
例36
2-[2-(テトラデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化44】

【0206】
例37
ヘキサデカノイルGly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化45】

【0207】
例38
ヘキサデカノイルGly-Gln-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化46】

【0208】
例39
ヘキサデカノイルGly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化47】

【0209】
例40
ヘキサデカノイルGly-Glu-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化48】

【0210】
例41
ヘキサデカノイルGlu-Gly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化49】

【0211】
例42
ヘキサデカノイルGlu-4-Abu-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化50】

【0212】
例43
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化51】

【0213】
例44
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化52】

【0214】
例45
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gln-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化53】

【0215】
例46
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Glu-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化54】

【0216】
例47
2-[2-(2-{2-[2-(ドデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化55】

【0217】
例48
2-{2-[4-カルバモイル-2-(2-(ヘキサデカノイルアミノ)アセチルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシアセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化56】

【0218】
例49
2-{2-[4-カルボキシル-2-(2-ヘキサデカノイルアミノ)アセチルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシアセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化57】

【0219】
例50
2-{2-[2-(2-(ヘキサデカノイルアミノ)アセチルアミノ)-3-(イミダゾール-4-yl)プロピオニルアミノ]エトキシ}エトキシ アクテイル(acteyl)-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化58】

【0220】
例51
ドデカノイル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化59】

【0221】
例52
ヘキサデカノイルGly-Thr-Asn-Asn-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化60】

【0222】
例53
オクタノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化61】

【0223】
例54
デカノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化62】

【0224】
例55
ドデカノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化63】

【0225】
例56
テトラデカノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化64】

【0226】
例57
ヘキサデカノイルGly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化65】

【0227】
例58
オクタデカノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化66】

【0228】
例59
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-F-Pro-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化67】

【0229】
例60
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-homoArg-Ser-Nle-c[Glu-F-Pro-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化68】

【0230】
例61
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-F-Pro-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化69】

【0231】
例62
ヘキサデカノイルGly-Ser-Asn-homoArg-Thr-Ser-Nle-c[Glu-F-Pro-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化70】

【0232】
例63
3-{2-[2-(2-{2-[4-(4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9-トリデカフルオロノナノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}プロピオニル-Gly-Ser-Gln-homoArg-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化71】

【0233】
例64
ヘキサデカノイルGly-Ser-Ser-Tyr-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化72】

【0234】
例65
ヘキサデカノイルGly-Ser-Asn-Asn-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化73】

【0235】
例66
ヘキサデカノイルGly-Ser-Ser-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化74】

【0236】
例67
ヘキサデカノイルGly-Ser-Ser-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化75】

【0237】
例68
ヘキサデカノイルGly-Ser-D-Asn-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化76】

【0238】
例69
ヘキサデカノイルGly-Ser-Asn-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化77】

【0239】
例70
ヘキサデカノイルSer-homoArg-Ser-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化78】

【0240】
例71
ヘキサデカノイルGln-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化79】

【0241】
例72
ヘキサデカノイルSer-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化80】

【0242】
例73
ヘキサデカノイルSer-His-Thr-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化81】

【0243】
例74
ヘキサデカノイルSer-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
【化82】

【0244】
例24として上記命名した化合物の合成に使用するための、4-[2-(3-ベンゾイルフェニル)プロピオニルスルファモイル]酪酸の調製
【0245】
工程1:
【0246】
【化83】

【0247】
THF( 30 ml)中でのケトプロフェンの溶液( 2.66 g, 10.5 mmol)は、カルボニルジイミダゾール( 1.94 g, 12.0 mmol)を添加された。溶液剤を、室温で20h撹拌し、そして 60 ゜Cで 0.5 h熱した。次にスルファモイル酪酸メチルエステル(1.74 g, 9.60 mmol)をTHF(10 ml)に含有する溶液が添加され、次にDBU( 1.70 ml, 11.4 mmol)が続く。混合物を 60 ゜Cで 25 hで撹拌し、濃縮し、そして残留物を水( 100 ml)および1N 水性の塩酸(50 ml)と混合した。抽出(2 x AcOEt),抽出物の鹹水(1 x)および飽和水(satd aq.)での洗浄。NaHCO3 (1 x), 乾燥(MgSO4), および濃縮によって、 2.30 gの油が産出され、これはカラムクロマトグラフィー( 45 g SiO2,グラジエント溶出をヘプタン 対 ヘプタン/AcOEt 1:1)で精製されることによって、収量 1.20 g(30 %)のタイトルのエステル(title ester)を油として産出した。
1H NMR (DMSO-d6):δ 1.49 (d, J = 7 Hz, 3H), 1.76 (m, 2H), 2.39 (t, J = 7 Hz, 2H), 3.38 (t, J = 7 Hz, 2H), 3.55 (s, 3H), 3.86 (quart, J = 7 Hz, 1H), 7.51-7.76 (m, 9H), 11.90 (s, 1H)。
【0248】
工程2:鹸化
【0249】
【化84】

【0250】
このエステル( 0.73 g, 1.75 mmol)をメタノール(5.0 ml)中に含有する溶液に、NaOH(0.40 g, 10 mmol)を水(1.0 ml)中に含有する溶液を添加した。混合物を室温で 3 h撹拌し、次に1N 水性の塩酸( 10 ml)および水( 50 ml)で希釈した。抽出(3 x AcOEt), 洗浄(2 x 鹹水), 乾燥(MgSO4), および濃縮によって、 20.65 g (92%)のタイトルの酸が泡(foam)として産出され、これはAcOEt/ヘプタンから結晶化された。M.p.:137〜138 ゜C。
1H NMR (DMSO-d6):δ 1.39 (d, J = 7 Hz, 3H), 1.76 (m, 2H), 2.32 (t, J = 7 Hz, 2H), 3.37 (t, J = 7 Hz, 2H), 3.88 (quart, J = 7 Hz, 1H), 7.51-7.76 (m, 9H), 11.88 (s, 1H), 12.21 (br s, 1H)。
【0251】
例23、30、および33として上記命名した化合物の合成に使用するための、4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)酪酸の調製
【0252】
【化85】

【0253】
工程1:
パルミチン酸(1.67 g, 6.51 mmol)のトルエン(6.0 ml)中での懸濁液に、塩化オキザル(0.56 ml, 6.53 mmol)を添加した。45 min後、得られた透明な溶液を、4-スルファモイル酪酸メチルエステルを含有しているフラスコ(0.91 g, 5.02 mmol)に添加し、混合物をDCM(5.0 ml)で希釈した。この混合物を、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP, 1.90 g, 15.5 mmol)に少しずつ添加した。前記混合物を、室温で19h撹拌した。水(100 ml)および1N HCl(20 ml)の混合物を、添加し、次にAcOEt/DCMで抽出し、混合した抽出物を鹹水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、減圧下で濃縮した。得られた固体(2.26 g)を、熱したAcOEt(approx 10 ml)から再結晶させ、収量 1.59 g(76 %)のメチルエステルをほとんど無色の固体として産出した(mp: 100-103 ゜C)。
1H NMR (DMSO-d6):δ 0.84 (m, 3H), 1.23 (br s, 24H), 1.49 (m, 2H), 1.88 (m, 2H), 2.24 (t, J = 7 Hz, 2H), 2.49 (t, J = 7 Hz, 2H), 3.38 (m, 2H), 3.59 (s, 3H), 11.58 (s, 1H)。
【0254】
工程2:鹸化
【0255】
【化86】

【0256】
メチルエステル( 0.84 g, 1.75 mmol)をメタノール(10 ml)中に含有する懸濁液に、NaOH(0.54 g, 13.5 mmol)を水(1.0 ml)中に含有する溶液を添加した。前記混合物を、室温で4h撹拌した。水(30 ml)および1N HCl(20 ml)の混合物を添加し、産物を濾過により分離した。煮沸MeCN(50 ml)からの再結晶化で、 0.64 g(79 %)のタイトル化合物を無色のプレート(plates)として産出した(M.p.: 156-157 ゜C)。
1H NMR (DMSO-d6):δ 0.85 (m, 3H), 1.23 (br s, 24H), 1.49 (m, 2H), 1.85 (m, 2H), 2.25 (t, J = 7 Hz, 2H), 2.39 (t, J = 7 Hz, 2H), 3.38 (m, 2H), 11.15 (s, 1H)。
【0257】
例63として上記命名した化合物の合成に使用するための、4-(4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9-トリデカフルオロノナノイルスルファモイル)酪酸
【0258】
工程1:
【0259】
【化87】

【0260】
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9-トリデカフルオロノナン酸(3.07 g, 7.83 mmol)を、塩化チオニル(20 ml)と混合し、80 ゜Cで 1.5 h撹拌した。前記混合物を濃縮し、残留物をトルエンで一度取り除いた。残留液体をDCM(5 ml)に溶解し、この溶液を4-スルファモイル酪酸メチルエステル(1.15 g, 6.35 mmol)をDCM(5 ml)に含有する溶液に添加した。激しく撹拌している間に、この混合物にDMAP(2.34 g, 19.3 mmol)を少しずつ添加した。添加の間に、混合物は粘稠性となり、更なるDCM(10 ml)を添加した。得られた混合物を室温で66 h撹拌し、これによってこの混合物は黒色に変化した。水(30 ml)および1N HCl(20 ml)の混合物を添加し、産物を抽出した(3 x AcOEt; 最初は強く搾りだした(emulgates))。混合した抽出物を洗浄(2 x 鹹水)し、乾燥(MgSO4)し、減圧下で濃縮して3.14 gのピンクの固形物を産出した。AcOEt/ヘプタンからの再結晶により、1.83 g (52 %)のメチルエステルを若干ピンク色の固形物として産出した(m.p. 143-145 ゜C)。
1H NMR (DMSO-d6):δ 1.91 (m, 2H), 2.47-2.62 (m, 4H), 2.67 (m, 2H), 3.41 (m, 2H), 3.59 (s, 3H), 11.87 (s, 1H)。
【0261】
工程2:鹸化
【0262】
【化88】

【0263】
メチルエステル( 1.11 g, 2.0 mmol)をメタノール(7.0 ml)中に含有する懸濁液に、NaOH(0.54 g, 13.5 mmol)を水(1.0 ml)中に含有する溶液を添加した。前記混合物を、室温で3h 15 min撹拌した。水(30 ml)および1N HCl(20 ml)の混合物を添加し、産物を濾過により分離した。MeCN (approx 5 ml)から-20 ゜Cで再結晶化して、 0.77 g(71%)のタイトルの酸を無色固体として産出した(M.p.: 175-180 ゜C)。
1H NMR (DMSO-d6):δ 1.88 (m, 2H), 2.38 (t, J = 7 Hz, 2H), 2.45-2.62 (m, 2H), 2.66 (m, 2H), 3.39 (m, 2H), 11.85 (s, 1H), 12.24 (s, 1H)。
【0264】
薬理学的な方法
アッセイ(I) 食欲におけるMC4アナログの有効性試験に関する実験プロトコール(自由に摂食させたラットモデルを用いる)。
TAC:SPRD @mol ラットまたはWistarラット(M&B Breeding and Research Centre A/S, Denmark)が、実験に使用される。前記ラットは、実験の開始時に体重 200-250 gを有する。前記ラットは、実験の開始の少なくとも 10-14 日前に到着し、180-200 gの体重を有する。各用量の化合物が、8ラットの群において試験される。ビヒクル群の8ラットは、試験の各セットに含まれる。
【0265】
動物が到着した際、彼らは、逆転させた明期/暗期(消灯 7:30 am, 点灯 7:30 pm)で個々に飼育される(このことは光が昼間に消灯され、夜間に点灯されることを意味している)。通常、ラットは、消灯した際に食餌摂取を開始し、彼らの1日の食餌摂取の主な部分を夜間に食べるので、このセットアップは次の事項を意味している;その事項とは、我々が、消灯させた際に、食餌摂取の開始時間を7:30まで逆転させることである。慣らし期間(habituating period)の 10〜14 日間、前記ラットを、食物および水に自由にアクセスさせる。この期間において、動物は少なくとも3回処理(handled)される。前記実験は、前記ラットのホームケージ(home cages)において実施する。投薬の直前に、前記ラットは、体重によって異なる処理群へとランダム化される。彼らは、体重に依存して7:00 amの間に、 1-3 mg/kg溶液をip, po またはscの何れかで投薬される。投薬時間は、各群で記録される。投薬の後に、前記ラットは彼らのホームケージに戻される、そこで彼らは食物および水へのアクセスを得る。摂食量は、7時間の間の各時間に、次に 24 h後および時々 48 hに個々に記録される。実験セッションの終わりに、前記動物を安楽死させる。
【0266】
個々のデータは、Microsoft excelのシートに記録される。アウトライヤー(Outliers)は、アウトライヤーに関するGrubbsの統計学的な評価検査を用いて排除される;結果は、GraphPad Prismプログラムを用いることによってグラフ状に提示される。
【0267】
アッセイ(II) AlphaScreenTM cAMP検出キットを用いた、メラノコルチンレセプター3および5(MC3およびMC5)cAMP機能アッセイ
MC3およびMC5レセプターに関するcAMPアッセイは、それぞれMC3およびMC5レセプターを安定に発現している細胞上で実施される。前記レセプターは、cDNAからPCRでクローン化され、pcDNA3発現ベクターへと挿入された。安定なクローンを、 1 mg /ml G418を用いて選択した。
【0268】
細胞(app.80-90%のコンフルエンス)を、3回PBSで洗浄し、プレートからヴェルセン(Versene)で取り上げ、PBS中に希釈する。2 min、1300 rpmで遠心分離し、上清を除去した。前記細胞を、刺激緩衝剤(stimulation buffer)で2回洗浄し、刺激緩衝剤に1または2x106細胞/mlの終濃度に懸濁する。25 μl細胞懸濁液を、 25 μlの試験化合物または参照化合物(全て刺激緩衝剤中に希釈されている)を含有する、マイクロタイタープレートに添加する。前記プレートを、30分間、室温(RT)で、低速で振盪するプレート振盪機でインキュベートする。反応を、抗cAMPを有する 25 μlのアクセプタービーズ(acceptor beads)および 2 min後にビオチン化cAMPを有する 50 μlのドナービーズ/ウェルを溶解緩衝剤中に含むものを添加することにより停止する。前記プレートを、次にプラスチックでシールし、30分間振盪し、そして一晩静置し、そしてAlphaTM マイクロプレートリーダーで計測する。
【0269】
EC50値は、用量反応曲線(最低限 6ポイント)の非線形回帰分析は、ウィンドウズ(登録商標)プログラムGraphPad Prism(GraphPad software, USA)を用いることによって計算される。全ての結果は、nMで表される。
【0270】
MC3機能的cAMPアッセイにおけるアンタゴニスト活性を測定するために、MC3レセプターを、3 nMのα-MSHで刺激し、潜在的アンタゴニストの量を増加させることにより阻害する。アンタゴニストのIC50 値は、MC3刺激を50 %阻害する濃度と規定される。
【0271】
アッセイ(III) メラノコルチンレセプター 4 (MC4) cAMPアッセイ
MC4 レセプターを発現しているBHK細胞が、潜在的なMC4アゴニストで刺激される。cAMPの刺激の度合は、Flash Plate(登録商標) cAMPアッセイ(NENTM Life Science Products cat no SMP004)を用いて測定される。
【0272】
MC4 レセプター発現BHK細胞は、MC4 レセプターをコード化しているcDNAをBHK570/KZ10-20-48にトランスフェクションすることと、およびMC4 レセプターを発現する安定なクローンを選択することとにより作出された。MC4 レセプター cDNAは、Euroscreenから購入した(MC4 レセプターを発現しているCHO株化細胞に加えて)。細胞は、DMEM, 10% FCS, 1 mg/ml G418, 250 nM MTX および 1% ペニシリン/ストレプトマイシンにおいて成長させる。
【0273】
細胞(app.80-90%のコンフルエンス)を、3回PBSで洗浄し、プレートからヴェルセン(Versene)で取り上げ、PBS中に希釈する。2 min、1300 rpmで遠心分離し、上清を除去した。前記細胞を、刺激緩衝剤で2回洗浄し、刺激緩衝剤に0.75 x 106細胞/mlの終濃度に懸濁する。(7 ml/96穴のプレートを使用)。50 μl細胞懸濁液を、 50 μlの試験化合物または参照化合物(全てH2Oに希釈されている)を含有する、Flashplateに添加する。混合物は、 5 分間撹拌され、25 分間 RTで静置される。反応は、100 μlのDetection Mix pro well (Detection Mix = 11 ml Detection Buffer + 100 μl (~2μCi) cAMP [125I] Tracer)で停止される。前記プレートを、次にプラスチックでシールし、30分間振盪し、そして一晩(または2 時間)静置し、そしてTopcounter 2 min/ウェルで計測する。一般的に、アッセイ手順は、flash plateキット-プロトコール(Flash Plate(登録商標) cAMP assay (NENTM Life Science Products cat no SMP004))に記載される。cAMP標準は、0.1 %HSAおよび0.005% tween 20で希釈されるが、刺激緩衝剤ではされない。
【0274】
EC50値は、用量反応曲線(最低限 6ポイント)の非線形回帰分析を、ウィンドウズ(登録商標)プログラムGraphPad Prism(GraphPad software, USA)を用いることによって計算される。全ての結果は、nMで表される。
【0275】
アッセイ(IV) メラノコルチンレセプター 1 (MC1)結合アッセイ
MC1 レセプター結合アッセイは、MC1 レセプターを安定に発現しているHEK293 細胞膜で実施される。前記アッセイは、250 μlの総容積で実施される; 25 μl 125NDP-α-MSH (終濃度において22 pM) 25 μl試験化合物/コントロールおよび 200 μl細胞膜(35 μg/ml)。試験化合物は、DMSOに溶解される。放射性リガンド、膜、および試験化合物は、緩衝剤(25 mM HEPES pH 7.4, 0.1 mM CaCl2, 1 mM MgSO4, 1 mM EDTA, 0.1 % HSA および 0.005% Tween-20)で希釈される。サンプルは、Greinerマイクロタイタープレート中で30゜Cで90 minインキュベーションされ、そして0.5% PEI中で60 min事前に湿らせたGF/Bフィルターで分離され、そして結合したものを未結合の放射性リガンドから濾過で分離する前に、NaCl ( 0.9 %)で2〜3回洗浄する。濾過後、前記フィルターは、氷冷の 0.9 % NaClで10回洗浄される。前記フィルターは、 50 ゜Cで 30 min乾燥され、シールされ、30 μlのMicroscint 0 (Packard, cat no. 6013616 )が各ウェルに添加され、そして前記プレートはTopcounter( 1 min/ウェル)で計測される。
【0276】
データは、ウィンドウズ(登録商標)プログラムGraphPad Prism(GraphPad software, USA)を用いた、結合曲線(binding curves)の非線形回帰分析によって分析される。
【0277】
アッセイ(V) メラノコルチンレセプター 4 (MC 4 ) 結合アッセイ
ヒト MC4 レセプターを発現している組換え型BHK細胞に対する、インビトロ 125NDP-α-MSH結合(濾過アッセイ)
【0278】
前記アッセイは、 5 ml minisorbバイアル(Sarstedt No. 55.526 )において又は96穴のフィルタープレート(Millipore MADVN 6550 )において、ヒト MC4 レセプターを発現しているBHK細胞(スウェーデン、ウプサラ、Wikberg教授から入手した)を用いて実施した。BHK 細胞は、アッセイまで-80゜Cに維持される。そして前記アッセイは、更に調製することなく、この細胞懸濁液の希釈物で直接実行される。懸濁液は、最大 10 %の特異的結合を生じさせるために希釈される(app 50〜100 倍希釈)。前記アッセイは、 200 μlの総容積で実施される; 50 μl細胞懸濁液, 50 μl 125NDP-α-MSH (~ 79 pMの終濃度), 50 μl 試験ペプチドおよび 50 μl結合緩衝剤(pH 7 )が、混合され、 2 h、 25 ゜Cでインキュベーションされる。(結合緩衝剤; 25 mM HEPES pH 7.0, 1 mM CaCl2, 1 mM MgSO4, 1 mM EGTA, 0.02% バシトラシンおよび 0.2% BSA)。ペプチドは、H2Oに希釈され、結合緩衝剤に希釈される。放射性リガンドおよび膜は、結合緩衝剤中に希釈される。インキュベーションは、 5 mlの氷冷 0.9 % NaClで希釈されることによって停止され、次に 1 時間 0.5 %ポリエチレンイミンで前処理されたWhatman GF/Cフィルターを通して急速に濾過される。前記フィルターは、 3 x 5 mlの氷冷NaClで洗浄される。前記フィルター上に保持される放射能は、Cobra IIオートガンマカウンターを用いて計測される。
【0279】
データは、ウィンドウズ(登録商標)プログラムGraphPad Prism(GraphPad software, USA)を用いた、結合曲線(binding curves)の非線形回帰分析によって分析される。
【0280】
アッセイ(VI) エネルギー消費の評価
TAC:SPRD ラットまたはWistarラット(M&B Breeding and Research Centre A/S, Denmark)が使用される。少なくとも 1 週の順化後、ラットは代謝チャンバー(metabolic chambers)(Oxymax system, Columbus Instruments, Columbus, Ohio;システムは日々キャリブレーションされる)に個別に配置される。測定の間、動物は水に自由にアクセスできるが、前記チャンバーに食物は供給されない。明:暗のサイクルは、12:12であり、ライトは6.00に点灯する。動物が前記チャンバー内でca 2時間過ごした後(即ち、ベースラインのエネルギー消費に達したとき)、化合物またはビヒクルが投与され(po, ip or sc)、そして前記化合物の作用時間を確立するために記録が継続される。各動物に関するデータ(酸素消費、二酸化炭素産生および流速)が、トータルで 22 時間(即ち、 2 時間の適応(ベースライン)および 20 時間の測定)の間の 10〜18 min毎に収集される。流入する空気(flow-in air)におけるO2およびCO2 容量における変化の修正は、各 10〜18 min サイクルで実施される。
【0281】
データは、代謝重量(metabolic weight)((kg 体重) 0.75)毎に、酸素消費および二酸化炭素産生に関して計測される、また、動物毎に熱に関して計測される。酸素消費(VO2)は、対象とする主要なエネルギー消費パラメータであると認識される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで表されるペプチド及びその任意の薬学的に許容される塩、溶媒和化合物、又は水和物:
R1-X-X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-X9-X10-X11-R2 [I]
式中、N末端NH2-基に結合するR1は、存在しないか又は、
C1-4アルカノイルまたはR4である、これは遅延基であり、任意でリンカーSを介してXに付着し;
Xは、結合またはアミノ酸、ジ―もしくはトリ―ペプチド残基を表し、前記アミノ酸は天然または合成であってもよく;
X1は、結合または側鎖に官能基を有するアミノ酸残基を表し、それに対して遅延基R4が任意にリンカーSを介して付着してもよく;
X2は、結合またはアミノ酸、ジ―、トリ―、もしくはテトラ―ペプチド残基を表し、前記アミノ酸は天然または合成であってもよく;
X3は、結合または任意でX10に対して架橋を形成する能力を有するアミノ酸を表し;
X4は、結合またはアミノ酸もしくはジ―ペプチド残基を表し、前記アミノ酸は天然または合成であってもよく;
X5は、His, Ala, Nle, Met, Met(O), Met(O2), Gln, Gln(ε-アルキル), Gln(ε-アリール), Asn, Asn(ε-アルキル), Asn(ε-アリール), Ser, Thr, Cys, F-Pro, Pro, Hyp, (S)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸, Trp, 1-ナフチルアラニン(1-naphthylalanine), 2-ナフチルアラニン, 2-ピリジルアラニン, 3-ピリジルアラニン, 4-ピリジルアラニン, 2-チエニルアラニン, 3-チエニルアラニン, 4-チアゾリルアラニン, 2-フリルアラニン, 3-フリルアラニン, Pheから選択されるアミノ酸残基を表し、前記Pheのフェニル部分はハロゲン, ヒドロキシル, アルコキシ, ニトロ, ベンゾイル, メチル, トリフルオロメチル、またはシアノで任意に置換され;
X6は(D)-Pheを表し、前記(D)-Pheのフェニル部分はハロゲン, ヒドロキシ, アルコキシ, ニトロ, メチル, トリフルオロメチル、またはシアノで任意に置換され;
X7はArgを表し;
X8はTrpまたは2-ナフティルアラニン(naphtylalanine)を表し;
X9は結合またはアミノ酸もしくはジ―ペプチド残基を表し、前記アミノ酸は天然または合成であってもよく;
X10は、結合または任意でX3に対して架橋を形成する能力を有するアミノ酸を表し;
X11は、結合、アミノ酸、またはジ―ペプチド残基を表し、前記アミノ酸は天然または合成であってもよく;
R2は-OHまたは-NRR’を表し、式中のRおよびR’は独立に水素, C1-8 アルキル, C2-8 アルケニル、またはC2-8 アルキニルを表し;
式Iのペプチドは、X3からX10で、ラクタム(lactame)またはジスルフィド架橋を介して任意に環化される;
但し、式Iで表される化合物は、1つの遅延基を含み;且つ式Iの化合物は、少なくとも7つのアミノ酸残基を含む。
【請求項2】
請求項1記載の化合物であって、式中のR4は直鎖状、分枝状、および/または環状のC8-22 アルカノイル, C8-22 アルケノイル、またはC8-22 アルキノイルを表し、その全ては任意にヒドロキシル, ハロゲン, カルボキシル およびアリールから選択される1以上の置換基で置換されてもよく、該アリールは任意にヒドロキシル、ハロゲン、およびカルボキシルから選択される1以上の置換基で更に置換されてもよく;
または式中のR4は、C7-17アルキル-C(O)-NH-S(O)2-C(O)-を表し、該アルキルは1以上のハロゲンで置換されてもよく;
または式中のR4はR5-C(O)-NH-S(O)2-(CH2)3-C(O)-を表し、式中のR5は1-(4-ベンゾイルフェニル)エチルを表す;
または式中のR4は式IIまたはIIaで表されるステロイドを表し
【化1】

式中の各R3は独立に水素, ヒドロキシルを表すか又はR3はそれを環状の炭素に結合させる結合と共に=Oを構成する;
または式中のR4は式III, IIIa, IIIb, IV またはIVaに示した構造を表し
【化2】

【化3】

式中のnは1, 2, または3であり;
各mPEGは独立にメトキシポリエチレングリコール(約2kDaおよび約50kDaの間の分子量を有する)を表し;
各Aは独立に水素またはC1-4 アルキルを表し;
および式中のX3はLys, Orn, 2,4-ジアミノ酪酸, 2,3-ジアミノプロピオン酸, Cys, homoCys, Glu, Asp, Gln またはAsnを表し;
および式中のX10はLys, Orn, 2,4-ジアミノ酪酸, 2,3-ジアミノプロピオン酸, Cys, homoCys, Glu, Asp, Gln またはAspを表し;
および式中のリンカーSは、存在する場合、β-アラニン, Glu, Gly-Gln, Gly-Glu, Gly-Hisを表すか又は、
【化4】

であり、yは1,2,3,4、または5である、
化合物。
【請求項3】
請求項2記載の化合物であって、式中のX3およびX10の間に結合が存在することによって、式Iの化合物を、ジスルフィド架橋(X3, X10は、独立にCysまたはhomoCysである)によって又はX3またはX10の側鎖における酸とX10またはX3の側鎖におけるアミンとの間のラクタム結合によって環状にせしめた化合物。
【請求項4】
請求項3記載の化合物であって、式中のXは結合である化合物。
【請求項5】
請求項3〜4の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX1は結合を表す化合物。
【請求項6】
請求項3〜5の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX2はNleを表す化合物。
【請求項7】
請求項3〜6の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX3はGluまたはApsを表し、X10はLys, Orn, 2,4-ジアミノ酪酸または2,3-ジアミノプロピオン酸を表す化合物。
【請求項8】
請求項7記載の化合物であって、式中のX3はGluまたはAspを表し、X10はLysを表す化合物。
【請求項9】
請求項3〜8の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX4は結合を表す化合物。
【請求項10】
請求項3〜9の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX5は、Ala, Nle, Met, Met(O), Met(O2), Gln, Gln(ε-アルキル), Gln(ε-アリール), Asn, Asn (ε-アルキル), Asn(ε-アリール), Ser, Thr, Cys, F-Pro, Pro, Hyp, (S)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸, Trp, 1-ナフチルアラニン, 2-ナフチルアラニン, 2-PyAla, 3-PyAla, 4-PyAla, 2-チエニルアラニン, 3-チエニルアラニン, 4-チアゾリルアラニン, 2-フリルアラニン, 3-フリルアラニン, Pheを表し、前記Pheのフェニル部分はハロゲン, ヒドロキシル, アルコキシ, ニトロ, ベンゾイル, メチル, トリフルオロメチル、またはシアノで任意に置換される化合物。
【請求項11】
請求項3〜9の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX5はHisを表す化合物。
【請求項12】
請求項3〜9の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX5は3-PyAla, Hyp, Gln またはAsnを表す化合物。
【請求項13】
請求項3〜12の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX9は結合を表す化合物。
【請求項14】
請求項3〜13の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX11は結合を表す化合物。
【請求項15】
請求項3〜14の何れか1項に記載の化合物であって、式中のR2は-NH2を表す化合物。
【請求項16】
請求項3〜15の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX6-X7-X8-X9-X10はD-Phe-Arg-Trp-Lysを表す化合物。
【請求項17】
請求項3〜10または12〜16の何れか1項に記載の化合物であって、式Iで表される化合物が、
R4-Nle-c[Asp-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-R2;
R4-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-R2;
R4-Nle-c[Asp-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-R2;
R4-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-R2;
R4-Nle-c[Asp-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-R2;
R4-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-R2;
R4-Nle-c[Asp-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-R2;
R4-Nle-c[Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-2Nal-Lys]-R2;
R4-Nle-c[Asp-3-PyAla-D-Phe-Arg-2Nal-Lys]-R2;
R4-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-2Nal-Lys]-R2;
R4-Nle-c[Asp-Hyp-D-Phe-Arg-2Nal-Lys]-R2;
R4-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-2Nal-Lys]-R2;
R4-Nle-c[Asp-Gln-D-Phe-Arg-2Nal-Lys]-R2;
R4-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-2Nal-Lys]-R2;および
R4-Nle-c[Asp-Asn-D-Phe-Arg-2Nal-Lys]-R2
から選択される化合物。
【請求項18】
請求項3〜10または12〜16の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX-X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-X9-X10-R2はNle-c[Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 または Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2を表す化合物。
【請求項20】
請求項3記載の化合物であって、式中のX-X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-X9-X10-R2はNle-c[Glu-His-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 を表す化合物。
【請求項21】
請求項3記載の化合物であって、式中のX-X1-X2は式Z1-Z2-Z3-Z4-Z5-Z6の部分で表され、ここで、
Z1はGlyを表し;
Z2はSer, (D)-Ser または Thr を表し;
Z3 は Gln, Asn, (D)-Gln または (D)-Asn を表し;
Z4 は His, homoArg, Arg, Lys または Orn を表し;
Z5は Ser, (D)-Ser または Thrを表し;および
Z6 は Nle を表す
化合物。
【請求項22】
請求項21記載の化合物であって、式中の X3 は Glu を表し、 X10 は Lys を表す化合物。
【請求項23】
請求項 21 または 22 記載の化合物であって、式中のX4, X9 および X11 は結合を表す化合物。
【請求項24】
請求項21〜23の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX5は、Ala, Nle, Met, Met(O), Met(O2), Gln, Gln(ε-アルキル), Gln(ε-アリール), Asn, Asn (ε-アルキル), Asn(ε-アリール), Ser, Thr, Cys, Pro, F-Pro, Hyp, (S)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸, Trp, 1-ナフチルアラニン, 2-ナフチルアラニン, 2-PyAla, 3-PyAla, 4-PyAla, 2-チエニルアラニン, 3-チエニルアラニン, 4-チアゾリルアラニン, 2-フリルアラニン, 3-フリルアラニン, Pheを表し、前記Pheのフェニル部分はハロゲン, ヒドロキシル, アルコキシ, ニトロ, ベンゾイル, メチル, トリフルオロメチル、またはシアノで任意に置換される化合物。
【請求項25】
請求項21〜23の何れか1項に記載の化合物であって、式中の X5 はF-Pro, Hyp または Glnを表す化合物。
【請求項26】
請求項21〜25の何れか1項に記載の化合物であって、式中のR2は-NH2を表す化合物。
【請求項27】
請求項21〜26の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX6-X7-X8-X9-X10は(D)-Phe-Arg-Trp-Lysを表す化合物。
【請求項28】
請求項19〜24の何れか1項に記載の化合物であって、式Z1-Z2-Z3-Z4-Z5-Z6 の部分が、
Gly-Ser-Asn-Asn-Thr-Nle;
Gly-Ser-Asn-homoArg-Thr-Nle;
Gly-Ser-DAsn-His-Thr-Nle;
Gly-Ser-DAsn-homoArg-Thr-Nle;
Gly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle;
Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle;
Gly-Ser-Gln-homoArg-Ser-Nle;
Gly-Ser-Gln-homoArg-Thr-Nle;
Gly-Ser-Gln-Lys-Ser-Nle;
Gly-Ser-Gln-Orn-Ser-Nle;
Gly-Ser-Ser-His-Thr-Nle および
Gly-Ser-Ser-Tyr-Thr-Nle、
から選択される化合物。
【請求項29】
請求項21〜28の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX3-X4-X5-X6-X7-X8-X9-X10-X11-R2は、
シクロ[Glu-3-PyAla-(D)-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2;
シクロ[Glu-F-Pro-(D)-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2;
シクロ[Glu-Gln-(D)-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2;
シクロ[Glu-Hyp-(D)-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2; および
シクロ[Glu-Met(O2)-(D)-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2
から選択される化合物。
【請求項30】
式Iの化合物は非環状である、請求項2記載の化合物。
【請求項31】
請求項30記載の化合物であって、式中のXは結合を表す化合物。
【請求項32】
請求項30記載の化合物であって、式中のXはアミノ酸残基を表す化合物。
【請求項33】
請求項32記載の化合物であって、式中のXは Ser を表す化合物。
【請求項34】
請求項31記載の化合物であって、式中のX1はLys(Nεβ-Ala-R4)を表す化合物。
【請求項35】
請求項32または33記載の化合物であって、式中のX1はLys(Nεβ-Ala-R4)を表す化合物。
【請求項36】
請求項31記載の化合物であって、式中のX1は結合を表す化合物。
【請求項37】
請求項34記載の化合物であって、式中のX2は Tyr-Ser-Nle を表す化合物。
【請求項38】
請求項36記載の化合物であって、式中のX2は Ser-Nle を表す化合物。
【請求項39】
請求項37記載の化合物であって、式中のX2は Ser-Tyr-Ser-Nle を表す化合物。
【請求項40】
請求項31〜39の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX3はGluを表す化合物。
【請求項41】
請求項31〜40の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX4は結合を表す化合物。
【請求項42】
請求項31〜41の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX5は、Ala, Nle, Met, Met(O), Met(O2), Gln, Gln(ε-アルキル), Gln(ε-アリール), Asn, Asn (ε-アルキル), Asn(ε-アリール), Ser, Thr, Cys, F-Pro, Pro, Hyp, (S)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸, Trp, 1-ナフチルアラニン, 2-ナフチルアラニン, 2-PyAla, 3-PyAla, 4-PyAla, 2-チエニルアラニン, 3-チエニルアラニン, 4-チアゾリルアラニン, 2-フリルアラニン, 3-フリルアラニン, Pheを表し、前記Pheのフェニル部分はハロゲン, ヒドロキシル, アルコキシ, ニトロ, ベンゾイル, メチル, トリフルオロメチル、またはシアノで任意に置換される化合物。
【請求項43】
請求項31〜41の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX5はHisを表す化合物。
【請求項44】
請求項31〜41の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX5は3- Gln, Hyp, 3-PyAla, Alaまたは Serを表す化合物。
【請求項45】
請求項31〜44の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX9はGlyを表す化合物。
【請求項46】
請求項31〜45の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX10は Lys または Argを表す化合物。
【請求項47】
請求項31〜46の何れか1項に記載の化合物であって、式中のX11はPro- Valを表す化合物。
【請求項48】
請求項31〜47の何れか1項に記載の化合物であって、式中のR2は-NH2を表す化合物。
【請求項49】
請求項1記載の化合物であって、式中のR1-X-X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-X9-X10-R2が、
CH3C(O)-Lys(Nεβ-Ala-R4)-Tyr-Ser-Nle-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2,
CH3C(O)-Lys(Nεβ-Ala-R4)-Tyr-Ser-Nle-Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2,
CH3C(O)-Lys(Nεβ-Ala-R4)-Tyr-Ser-Nle-Glu-Ser-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2,
CH3C(O)-Lys(Nεβ-Ala-R4)-Tyr-Ser-Nle-Glu-Ala-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2,
CH3C(O)-Lys(Nεβ-Ala-R4)-Tyr-Ser-Nle-Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2,
CH3C(O)-Lys(Nεβ-Ala-R4)-Tyr-Ser-Nle-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2
から選択される化合物。
【請求項50】
請求項1記載の化合物であって、R1-X-X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-X9-X10-X11-R2が、
CH3C(O)-Ser- Lys(Nεβ-Ala-R4)- Ser-Nle-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2,
CH3C(O)-Ser- Lys(Nεβ-Ala-R4)- Ser-Nle-Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2,
CH3C(O)-Ser- Lys(Nεβ-Ala-R4)- Ser-Nle-Glu-Ser-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2,
CH3C(O)-Ser- Lys(Nεβ-Ala-R4)- Ser-Nle-Glu-Ala-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2,
CH3C(O)-Ser- Lys(Nεβ-Ala-R4)- Ser-Nle-Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2,
CH3C(O)-Ser- Lys(Nεβ-Ala-R4)- Ser-Nle-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2,
CH3C(O)-Ser- Lys(Nεβ-Ala-R4)- Ser-Nle-Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2.
から選択される化合物。
【請求項51】
請求項1記載の化合物であって、R1-X-X1-X2-X3-X4-X5-X6-X7-X8-X9-X10-X11-R2が、
R4-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2,
R4-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2,
R4-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2,
R4-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-Ser-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2,
R4-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-Ala-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2,
R4-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2,
R4-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2,
R4-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Arg-Pro-Val-NH2
から選択される化合物。
【請求項52】
式中のR4は直鎖状、分枝状、および/または環状のC8-20 アルカノイル, C8-20 アルケノイル、またはC8-20 アルキノイルを表し、その全ては任意にヒドロキシル, ハロゲン, カルボキシル およびアリールから選択される1以上の置換基で置換されてもよく、該アリールは任意にヒドロキシル、ハロゲン、およびカルボキシルから選択される1以上の置換基で更に置換されてもよい、請求項1〜51の何れか1項に記載の化合物。
【請求項53】
式中のR4は直鎖状、分枝状、および/または環状のC14-16 アルカノイル, C14-16 アルケノイル、またはC14-16 アルキノイルを表し、その全ては任意にヒドロキシル, ハロゲン, カルボキシル およびアリールから選択される1以上の置換基で置換されてもよく、該アリールは任意にヒドロキシル、ハロゲン、およびカルボキシルから選択される1以上の置換基で更に置換されてもよい、請求項52記載の化合物。
【請求項54】
請求項41に記載の化合物であって、式中のR4が直鎖状の C10-20アルカノイル, C14-16アルカノイル または C8-17アルカノイルを表す化合物。
【請求項55】
請求項1〜54の何れか1項に記載の化合物であって、式中のR4が、オクタノイル, デカノイル, ドデクノイル(dodecnoyl), テトラデカノイル, ヘキサデカノイル, オクタデカノイル, 9-カルボキシ-ノナノイル, 11-カルボキシ-ウンデカノイル, 13-カルボキシ-トリデカノイル, 15-カルボキシ-ペンタデカノイル, 17-カルボキシ-ヘプタデカノイル, アダマンタン-1-イル-アセチル, 4-(ヘキサデカノイル スルファモイル)ブタノイル, コロイル, リトコリル またはmPEG2000を表す化合物。
【請求項56】
請求項1に記載の化合物であって、
オクタノイル-Nle-c[Glu-His-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号56),
デカノイル-Nle-c[Glu-His-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号57),
テトラデカノイル-Nle-c[Glu-His-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号58),
(アダマンタン-1-イル)アセチル-Nle-c[Glu-His-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号59),
テトラデカノイル-Nle-c[Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号60),
デカノイル-Nle-c[Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号61),
(アダマンタン-1イル)アセチル-Nle-c[Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号62),
アセチル-Ser-Lys(3-(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)-Ser-Nle-Glu-Ser-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号63),
アセチル-Lys(3-(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)-Tyr-Ser-Nle-Glu-Ser-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号64),
ヘキサデカノイルSer-Tyr-Ser-Nle-Glu-Ser-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号65),
ヘキサデカノイルSer-Tyr-Ser-Nle-Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号66),
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Ser-Tyr-Ser-Nle-Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号67),
ヘキサデカノイルβAla-Tyr-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号68),
ヘキサデカノイルβAla-Ala-Tyr-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号69),
アセチル-Ser-Lys(3-(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)-Ser-Nle-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号70),
mPEG(2000)アセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号71),
2-[2-(リトコロイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-βAla-Tyr-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号72),
2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-βAla-Ala-Tyr-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号73),
アセチル-Ser-Lys(3-(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)-Ser-Phe-Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Gly-Lys-Pro-Val-NH2 (配列番号74),
2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Ser-Gln-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号75),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号76),
15-カルボキシペンタデカノイルGly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号77),
4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号78),
4-[2-(4-ベンゾイルフェニル)プロピオニルスルファモイル]ブタノイル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号79),
2-[2-(オクタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号80),
2-[2-(オクタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号81),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-homoArg-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号82),
2-[2-(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号83),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号84),
4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号85),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-homoArg-Ser-Nle-c[Glu-3-PyAla-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号86),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号87),
4-(ヘキサデカノイルスルファモイル)ブタノイル-Gly-Ser-Gln-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Gln-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号88),
3-(2-{2-[2-(2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロピオニル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号89),
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号90),
2-[2-(テトラデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号91),
ヘキサデカノイルGly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号92),
ヘキサデカノイルGly-Gln-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号93),
ヘキサデカノイルGly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Asn-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号94),
ヘキサデカノイルGly-Glu-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号95),
ヘキサデカノイルGlu-Gly-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号96),
ヘキサデカノイルGlu-4-Abu-Thr-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号97),
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-His-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号98),
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Arg-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号99),
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Gln-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号100),
2-[2-(ヘキサデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Glu-Ser-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号101),
2-[2-(2-{2-[2-(ドデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシアセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号102),
2-{2-[4-カルバモイル-2-(2-(ヘキサデカノイルアミノ)アセチルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシアセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号103),
2-{2-[4-カルボキシル-2-(2-ヘキサデカノイルアミノ)アセチルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシアセチル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号104),
2-{2-[2-(2-(ヘキサデカノイルアミノ)アセチルアミノ)-3-(イミダゾール-4-yl)プロピオニルアミノ]エトキシ}エトキシ アクテイル(acteyl)-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号105),
ドデカノイル-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号106),
ヘキサデカノイルGly-Thr-Asn-Asn-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号107),
オクタノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号108),
デカノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号109),
ドデカノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号110),
テトラデカノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号111),
ヘキサデカノイルGly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号112),
オクタデカノイル-Gly-Ser-D-Gln-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号113),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-His-Ser-Nle-c[Glu-F-Pro-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号114),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-homoArg-Ser-Nle-c[Glu-F-Pro-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号115),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Gln-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-F-Pro-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号116),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Asn-homoArg-Thr-Ser-Nle-c[Glu-F-Pro-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号117),
3-{2-[2-(2-{2-[4-(4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9-トリデカフルオロノナノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}プロピオニル-Gly-Ser-Gln-homoArg-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号118),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Ser-Tyr-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号119),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Asn-Asn-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号120),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Ser-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号121),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Ser-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号122),
ヘキサデカノイルGly-Ser-D-Asn-His-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号123),
ヘキサデカノイルGly-Ser-Asn-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-Hyp-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号124),
ヘキサデカノイルSer-homoArg-Ser-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号125),
ヘキサデカノイルGln-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号126),
ヘキサデカノイルSer-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号127),
ヘキサデカノイルSer-His-Thr-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号128), および
ヘキサデカノイルSer-homoArg-Thr-Nle-c[Glu-Met(O2)-D-Phe-Arg-Trp-Lys]-NH2 (配列番号129)、
から選択される化合物。
【請求項57】
IGTから2型糖尿病への進行を遅延させる方法であって、効果的な量の請求項1〜56の何れか1項に記載の化合物を、任意で1以上の付加的な治療的に活性な化合物と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項58】
2型糖尿病からインシュリン要求性糖尿病への進行を遅延させる方法であって、効果的な量の請求項1〜56の何れか1項に記載の化合物を、任意で1以上の付加的な治療的に活性な化合物と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項59】
肥満を治療する又は過体重を予防する方法であって、効果的な量の請求項1〜56の何れか1項に記載の化合物を、任意で1以上の付加的な治療的に活性な化合物と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項60】
食欲を制御する方法であって、効果的な量の請求項1〜56の何れか1項に記載の化合物を、任意で1以上の付加的な治療的に活性な化合物と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項61】
満腹を誘導する方法であって、効果的な量の請求項1〜56の何れか1項に記載の化合物を、任意で1以上の付加的な治療的に活性な化合物と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項62】
体重の減量に成功後の体重の再増加を予防する方法であって、効果的な量の請求項1〜56の何れか1項に記載の化合物を、任意で1以上の付加的な治療的に活性な化合物と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項63】
エネルギー消費を増加させる方法であって、効果的な量の請求項1〜56の何れか1項に記載の化合物を、任意で1以上の付加的な治療的に活性な化合物と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項64】
過体重及び肥満に関する疾患または状態を治療する方法であって、効果的な量の請求項1〜56の何れか1項に記載の化合物を、任意で1以上の付加的な治療的に活性な化合物と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項65】
過食症を治療する方法であって、効果的な量の請求項1〜56の何れか1項に記載の化合物を、任意で1以上の付加的な治療的に活性な化合物と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項66】
アテローム性動脈硬化症, 高血圧症, 糖尿病, 2型糖尿病,糖耐性障害(IGT), ディスピリデミア, 冠性心疾患, 胆嚢疾患, 胆石, 骨関節炎, 癌, 性的不能、および早発死のリスクから選択される疾患または状態を治療する方法であって、効果的な量の請求項1〜56の何れか1項に記載の化合物を、任意で1以上の付加的な治療的に活性な化合物と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項67】
肥満患者における、2型糖尿病,糖耐性障害(IGT), ディスピリデミア, 冠性心疾患, 胆嚢疾患, 胆石, 骨関節炎, 癌, 性的不能、および早発死のリスクから選択される疾患または状態を治療する方法であって、効果的な量の請求項1〜56の何れか1項に記載の化合物を、任意で1以上の付加的な治療的に活性な化合物と組み合わせて、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項68】
請求項57〜67の何れか1項に記載の方法であって、前記付加的な治療的に活性な化合物が、抗糖尿病剤, 高脂血症剤, 抗肥満剤, 降圧剤,および糖尿病に起因する又は関連する合併症の治療のための剤から選択される方法。
【請求項69】
請求項57〜67の何れか1項に記載の方法であって、請求項1〜56の何れか1項に記載の化合物が、約 0.05 mg〜約 1000 mgを含む単位製剤形態で患者に投与される方法。
【請求項70】
請求項57〜69の何れか1項に記載の方法であって、請求項1〜56の何れか1項に記載の化合物が、非経口的に又は舌下に投与される方法。
【請求項71】
療法に使用するための、請求項1〜56の何れか1項に記載の化合物。
【請求項72】
請求項1〜56の何れか1項に記載の化合物を含む薬学的組成物。
【請求項73】
IGTから2型糖尿病への進行を遅延させること、2型糖尿病からインシュリン要求性糖尿病への進行を遅延させること、肥満を治療すること、または過体重を予防すること、食欲を制御すること、満腹を誘導すること、体重の減量に成功後の体重の再増加を予防すること、エネルギー消費を増加させること、過体重または肥満に関する疾患または状態を治療すること、過食症を治療すること、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、2型糖尿病、糖耐性障害(IGT)、ディスピリデミア、冠性心疾患、胆嚢疾患、胆石、骨関節炎、癌、性的不能、および早発死のリスクを治療することのための、または肥満患者における、2型糖尿病、糖耐性障害(IGT)、ディスピリデミア、冠性心疾患、胆嚢疾患、胆石、骨関節炎、癌、性的不能、および早発死のリスクから選択される疾患または状態を治療することのための、医薬の製造における請求項1〜56の何れか1項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−524584(P2007−524584A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504370(P2006−504370)
【出願日】平成16年5月5日(2004.5.5)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000308
【国際公開番号】WO2004/099246
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(391032071)ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ (148)
【氏名又は名称原語表記】NOVO NORDISK AKTIE SELSXAB
【Fターム(参考)】