説明

肥満症および関連する代謝性疾患の治療のための組成物および方法

本発明は、肥満症およびその他の食物関連疾患などの病状を治療および予防するための方法におけるニューロメジンの使用に関連する。さらに、これらの疾患の治療における使用を見出す新規ペプチドであるFNXペプチドを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肥満症および関連する代謝性疾患などの病状を治療および予防するためのニューロメジン化合物の使用に関する。さらに具体的には、該病状または疾患は、例えば望ましくない体重の超過、摂食障害、代謝症候群といった食物またはカロリー摂取量の減少が重要な場合もある。本出願は、さらに、肥満症および関連する代謝性疾患などの病状を治療または予防するための新規ニューロメジン化合物に関する。
【0002】
相互参照出願
本出願は、2005年12月16日に出願された米国出願番号第60/751412号の優先権を主張するものであり、参照としてその全体を本明細書に組み入れる。また、参照としてその全体を組み入れられているNMUおよびFNX化合物は、2006年8月11日に出願されたWO2005/077072、PCT/US2006/031724、2005年8月17日に出願されたWO2006/86769および米国出願番号第11/206903号で共同所有されている。
【背景技術】
【0003】
肥満症は、数百万人のアメリカ人に影響を与える病状である。米国疾病管理センター(「CDC」)による最近の統計資料では、およそ65%のアメリカ人が体重超過または肥満体であると推定され、一般的にこの数は増加していると考えられている。肥満体または体重の超過によって、その他の数々の病状の罹患危険率を大幅に増加する可能性がある。より体重が重くなると、原因を問わない死亡率の増加にも関連する。さらに、肥満体または体重の超過により、人が消極的な自己像を持つ原因となる可能性がある。
【0004】
ヒトにおいて、体重超過または肥満体である患者は、肥満度指数(BMI)が25以上であると考えられる。体重と身長の関係(または比率)を示す一般指標であるBMIは、キログラムで表される人の体重をメートルで表されるその人の身長の平方で割って計算される(すなわち、wt/(ht)2)。BMIが25〜29.9の個人は、体重超過と見なされ、BMIが30を超える個人は、肥満体と見なされる。
【0005】
成人の体重超過および肥満症の特定、評価、および治療に関するNIHガイドラインによると、BMIが25以上のすべての成人(18歳以上)は、体重超過または肥満体の影響による早死におよび身体障害の危険性があると見なされる。これらの健康上の危険性は、個人の肥満症の重症度の上昇に伴い、さらに増加する。
【0006】
栄養過剰も食物由来の肥満症などの多くの摂食障害の結果および心理的原因である。食糧摂取量の削減は、かかる疾患の治療に有益であろう。夜食症候群(朝の食欲不振、晩の過食症、および不眠症により特徴付けられる)、過食症(不規則な間隔で暴食的に大量の食物を消費する)、満腹感を得られない摂食(中枢神経系の損傷を患う人々に認められる)、といった、少なくとも3つの異なる食事のパターンが報告されている。
【0007】
代謝症候群は、1つの肥満症の基礎的要素であり、特に腹部肥満(臨床的には、ウエスト周囲の増大として現われる)は、過食により発症または悪化する。代謝症候群の有病率の上昇に関する主な原因として、「肥満の蔓延」が上げられている。
【0008】
このため、肥満症および関連する代謝性疾患の治療に対して非常に大きな関心が寄せられている。従来の治療には、標準食事制限および運動、超低カロリー食療法、行動療法、食欲抑制剤、熱発生薬、消化吸収抑制剤などを用いる薬剤療法、ワイヤーによる顎間固定、腰紐、風船などの機械装置、および胃バイパスなどの手術が含まれる。『Jung and Chong, Clinical Endocrinology, 35:11-20(1991); Bray, Am. J. Clin. Nutr., 55:538S-544S(1992)』。しかしながら、さらなる減量法または肥満症の治療法が依然として必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、肥満症および関連する代謝性疾患などの病状を治療および予防するためのニューロメジン化合物の使用に関する。さらに具体的には、該病状または疾患は、例えば望ましくない体重の超過、摂食障害、代謝症候群といった食物またはカロリー摂取量の減少が重要な場合もある。本出願は、さらに、肥満症および関連する代謝性疾患などの病状を治療または予防するための新規ニューロメジン化合物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
肥満症および摂食障害、ならびに関連する病状および疾患の制御、治療、および予防に有用な方法および組成物を提供する。一実施形態は、対象に有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする対象の食糧摂取量または体重を低下させる方法である。一部の実施形態において、対象におけるカロリーまたは栄養素の摂取あるいは利用率を低減することで緩和することができる病状または疾病の治療または予防を提供する。かかる病状および疾病には、肥満症、代謝症候群、および肥満症に関連する糖尿病が含まれるが、これらに限定されない。その他の実施形態において、例えば、食糧摂取量を制御することによって、過食症、大食症、およびストレスにより誘発または関連する食物疾患、などの摂食に関連する病状または疾患の制御、予防、または治療のための方法を提供する。一実施形態において、該NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬は、全身投与され、別の実施形態においては、該化合物は、腸への送達をもたらすために、例えば局所的に投与され、本明細書に記載されるように、満腹感を促す膨張信号を提供しうる。
【0011】
一実施形態において、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬は、少なくとも1つのその他の肥満症緩和化合物とともに投与される。かかる薬物は、空腹抑制、食欲制御、代謝向上などを含むが、それだけに限定されない数多くのいずれの手段により、減少した食料摂取量の調整、または体重の減少、または満腹感の誘発を行うことが可能である。少なくとも1つのその他の薬物は、減量を引き起こす場合がある。少なくとも1つのその他の薬物は、注射または継続的投薬として投与することが可能である。
【0012】
さらなる実施形態においては、対象におけるカロリー摂取量を減少する方法であって、食事または間食の代わりに有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を該対象に投与することを特徴とする方法を提供する。
【0013】
さらなる実施形態においては、食事の量を減らすことでカロリー摂取量を減少する方法であって、該対象に有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする方法を提供する。
【0014】
さらなる実施形態においては、食糧摂取量を制御する方法であって、該対象に有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする方法を提供する。
【0015】
さらに別の実施形態においては、カロリーの減少または食事制限あるいは食事計画を確実とする、またはそれらに従って支援する方法であって、該対象に有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする方法を提供する。
【0016】
さらなる実施形態においては、減量を持続する、または減少した体重を維持する方法であって、該対象に有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする方法を提供する。
【0017】
また、対象におけるカロリー摂取量を制御する方法であって、該対象が食べ過ぎる、または口当たりが良い、甘い、あるいは風味がある食物を食べる傾向が強い場合に、該対象に有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を、1日のうちの特定の時間に投与することを特徴とする方法を提供する。
【0018】
一実施形態においては、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を含み、任意に少なくとも1つのその他の抗肥満薬、および薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。該組成物は、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬の1つの剤形を含み、任意に少なくとも1つのその他の薬物を含む第2の剤形を含む、キットに含まれていてもよい。
【0019】
さらなる実施形態において、本明細書に開示されるいずれの方法により、対象の体重が少なくとも1%から少なくとも50%減少する結果となる。付加的な実施形態においては、本明細書に開示されるいずれの方法により、対象の体重を少なくとも約5ポンドまたは2kgから少なくとも約200ポンドまたは100kg減少させる結果となる。また、さらなる実施形態においては、本明細書に開示されるいずれの方法を実施することにより、結果として体重の減少をもたらすが、約40%未満から約1%未満、または0%の減量は、平均肥満度の低下に起因する。
【0020】
付加的な実施形態において、対象は約25以上の肥満度指数(BMI)を有し、その他の実施形態においては、対象は約30以上のBMIを有する。その他の実施形態においては、対象は糖尿病、インスリン抵抗性または耐糖能異常を患い、その他の実施形態においては、対象は糖尿病、インスリン抵抗性、代謝症候群、または耐糖能異常を患っていない。
【0021】
また新規FNXペプチドも提供する。一実施形態において、新規FNXペプチドは、式(I):F1-Pのアミノ酸配列を含み、F1-Pは、F1およびPセグメントの新規な自然発生でない結合であり、Pは、F1部分に付着し、全身に送達される場合、食糧摂取量抑制、体重の減少、および/または満腹信号を提供できる、本明細書に記載のオクタペプチドであり、F1は、本明細書に記載されるように、P活性を増進または可能にする、FN38のデス-オクタペプチド、またはその類似体または誘導体、あるいはキメラである。付加的なFNXペプチドを生成および特定する方法に加え、付加的なオクタペプチドおよびF1部分を本明細書に開示する。GenBankアクセス番号AJ510133(ヒト)、CAD52851(ラット)、CAD52850(カエル)、およびニワトリFN38であるFN38/36化合物は、F1-Pから除外されるが、それぞれのFおよびPセグメントは、本明細書に記載される新規FNXペプチドを生成するために使用することができる。
【0022】
別の実施形態において、新規FNXペプチドは、式(II):F2-Pのアミノ酸配列を含み、Pは、F2部分に付着し、全身に送達される場合、食糧摂取量抑制、体重の減少、および/または満腹信号を提供できる、本明細書に記載のオクタペプチドであり、F2は、本明細書に記載されるように、P活性を増進または可能にする、FN38のデスオクタペプチド部分およびSN23キメラ、またはその類似体あるいは誘導体である。例示的な効果的合成物は、アマガエルSN-23 NMU(SDEEVQVPGGVISNGYFLFRPRN-NH2; 配列番号:_____)とヒトFN38(FLFHYSKTQKLGKSNVVEELQSPFASQSRGYFLFRPRN-NH2; 配列番号:___)の合成物であるFN38(1-15)-SN23(FLFHYSKTQKLGKSNSDEEVQVPGGVISNGYFLFRPRN-NH2; 配列番号:____)であり、さらにそのアミド形状(C末端アミドを示す「-NH2」)である。本実施形態において、「P」オクタペプチドは、YFLFRPRN(配列番号___)であり、「F」部分は、FLFHYSKTQKLGKSNSDEEVQVPGGVISNG(配列番号 ____)である。付加的なFNXペプチドを生成および特定する方法に加え、付加的なオクタペプチドおよびF2部分を本明細書に開示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(図面の簡単な説明)
図1A、1Bおよび1Cは、食糧摂取量抑制における30分後のラットNMU、FN-38およびSN-23の生体内効能の比較を示す。
図2A、2B、および2Cは、30分、60分、および120分後に測定した、食糧摂取量におけるFN-38の用量反応を示す。
図3は、ラットNMU-23、U-8(ブタ)、およびU-9(ラット)の食欲減退作用の比較を示す。
図4A、4B、および4Cは、一晩絶食したラットの腹腔内に与えた際の食糧摂取量を抑制するFN38の効果を表わす。
図5は、食物由来の肥満症であるラット(ラットDIO)にFN38アミドおよびラットNMU-23アミドを長期にわたって末梢投与することによる、累積体重増加の減少を表わす。
図6AおよびBは、食物由来の肥満症であるマウス(マウスDIO)にFN38類似体を末梢投与することによる、累積体重増加の減少を表わす。
図7Aおよび7Bは、食物由来の肥満症であるマウス(マウスDIO)にFN38類似体を末梢投与することによる、累積体重増加の減少を表わす。
【0024】
出願人らは、文献報告と比較し、特定のNMXペプチド、FNXペプチド、およびNMX受容体作用薬は、全身に送達されたとき、食糧摂取量、カロリー摂取量および体重の減少にとても活性であり、そのようなNMXペプチド、FNXペプチド、およびNMX受容体作用薬は、それより短いニューロメジンU8またはU9と比較して、全身的に活性があることを発見した。本明細書に記載の薬理活性に基づくFNXペプチドを含むポリペプチドは、食糧、カロリー、または栄養素の摂取量もしくは入手の可能性を抑制または減少すること、または食欲を減少もしくは抑制することで緩和さすることができる病状または疾患の治療に有用になりえる。これは、相対的に高い食糧、カロリー、または栄養素の摂取量もしくは入手の可能性により引き起こされる、複雑化する、または悪化する、または食糧、カロリー、または栄養素の摂取量もしくは入手の可能性を減少することによって緩和することができる対象におけるすべての病状または疾患を含む。そのような病状または疾患には、栄養過剰、肥満症、肥満症に関連する2型糖尿病を含む肥満関連糖尿病、摂食障害(例えば、過食症、神経性大食症、大食症、ストレスにより引き起こされる摂食障害)、および肥満症に関連するインスリン抵抗症候群(例えば、代謝症候群X)を含むが、それらに限定されない。従って、肥満症および摂食障害、ならびに関連する病状および疾患の制御、治療、および予防に有用な方法および組成物を提供する。
【0025】
出願人らは、FN38およびニューロメジンUおよびSペプチドを哺乳類の全身投与することで、食糧摂取量の調整ができることを最初に特定した。FN38およびNMUのマウスへの全身投与により、食糧摂取量の抑制および体重の減少が確認された。先願では、大脳に位置するNMU受容体に対するNMUの作用として報告され、NMUの中枢投与(ICV)は、ラットの食糧摂取量を減少することだけが示されている。さらに、NMUを循環リガンドとして特定している報告はされていない。そしてまた、FN38変異体、すなわちGenBankアクセス番号AJ510133の活性を示唆する報告はされていない。現時点では、NMUの生理的役割は報告されていない。
【0026】
2002年10月2日に直接提出されたとされるヒトニューロメジンU遺伝子の別の挿入変異体と伝えられている38Cイソ型であるヒトニューロメジンU(NMU遺伝子)の327 bp部分mRNAは、GenBankアクセス番号AJ510133として寄託されている。このmRNAの読み取り枠から、109アミノ酸タンパク質が提案され、2002年10月2日にGenBankにCAD52852として寄託されたと伝えられている。当該寄託物は、65から102の位置で成熟ペプチドを注目して配列FLFHYSKTQKLGKSNVVEEFQSPFASQSRGYFLFRPRNGRRSAGF(配列番号1)を生成する。
【0027】
出願人らの新規FN38ペプチドを持つ配列(初期条件のNCBI BLASTP 2.2.12を用いる)は、97%識別(37/38)を生じて、その残りは、L20F置換基により占められる。
【0028】
また、FN-38に対して76%の同一性を持つ36アミノ酸ラット変異体CAD52851および同一性60%のアオアマガエル変異体CAD52850が同著者により報告された。FN38は配列FLFHYSKTQKLGKSNVVEELQSPFASQSRGYFLFRPRN-NH2を有する。CAD52851ラットは、配列FLFHYSKTQKLGNSNVV-EYQGPVAP-SGGFFLFRPRN-NH2を有する。報告されたニワトリ変異体は、FLFHYSKTHDSGNSDVREDLQGTGGIQSRGYFFFRPRN-NH2を有する。そして、CAD52850(アマガエル)の配列は、FLFHYSKSHDSGNSDITEEVQVPGGVISNGYFLFRPRN-NH2である。
【0029】
食糧摂取量の調整における腸の役割は、腸の膨張度および胃または腸壁の化学受容器の活性の2種類の信号と関係していると考えられる。腸は、人体で最大の内分泌器官であり、食事後にたくさんの消化管ホルモンを放出する。いくつかの例としては、ガストリン、ソマトスタチン、コレシストキニン、胃抑制ポリペプチド、およびニューロテンシンが上げられる。理論で結び付けられていないが、出願人らは、NMXペプチド、FNXペプチド、およびNMX受容体作用薬は、一実施形態において、増大した満腹効果につながる腹の膨張を示す信号を提供または模倣しうると信じている。従って、一実施形態において、NMXペプチド、FNXペプチド、およびNMX受容体作用薬は、これまで特定されていない循環膨張信号を提供し、満腹の向上または誘発、または食糧摂取量およびカロリー消費量の減少に用いられる。人工的膨張信号は、減量に効果的な支援として報告されている。例えば、平均化状態中が51.3kgである病的に太っている対象に対して植え込み可能な迷走神経刺激装置を使用したところ、10カ月間にわたり23.8±5.0%の体重が減少した。(Favretti et al. 2004)この減量度(12.2kg)は、一般に知られている薬物療法により通常達成される度合いを上回るが、肥満手術後の超過体重の70%減量を下回る。従って、循環膨張信号として働くNMXペプチド、FNXペプチド、およびNMX受容体作用薬は、特に胃ペプチド模倣体のようなその他の治療薬と組み合わせるとき、相互作用を与えるまたはそれらの人工栄養信号を強めるための抗肥満治療の、新規形態である。作用薬は、相互作用を与えるまたはそれらの人工栄養信号を強めるための抗肥満治療の、特に胃ペプチド模倣体のようなその他の治療薬と組み合わせるとき、新規形態である。NMXペプチド、FNXペプチド、およびNMX受容体(NMU1RおよびNMU2R)作用薬は、従って、本明細書で検討されるように、肥満症、食糧摂取量障害、および関連する疾患および病状に有益な調整を提供し、さらに別の実施形態においては、全身投与された際、それらは前記の通りに働く。さらに別の実施形態において、前記FN38化合物は、GLP-1、GIP、レプチン、およびアミリン、およびそれらの模倣体のような栄養信号に影響を与える薬物とともに投与する際に用いられる。
【0030】
前記NMXペプチド、FNXペプチド、およびNMX受容体作用薬は、満腹の誘発または促進に用いられる。NMXペプチド、FNXペプチド、およびNMX受容体作用薬は、さらに、体重を減少または制御もしくは維持することを目的とした体重制御、および/またはカロリー摂取量の制御、および/または食事計画の厳守支援に用いられる。例えば、前記計画に従う対象は、彼らの体重をよりよく減少、制御、または維持できる可能性がある。本明細書で使用される「食事計画」という用語には、体重を制御するものおよび医学的根拠により付随するものが含まれる。
【0031】
従って、選択的に調節しているNMU受容体は、腸へ全身または局所の送達により、ヒトの肥満症およびその他の摂食障害の治療へのアプローチを提供する。NMU受容体(例えば、NMUR1、NMUR2)を調節する体重調整治療薬(作用薬)を特定することは、肥満症およびその他の体重障害の治療用の新しい薬物につながりうる。そのような作用薬は、肥満症の治療、制御、または予防(食欲の減少、満腹の増加、脂肪摂取量の減少、および/または炭水化物渇望の減少)および食糧の摂取により影響を受けるその他の疾患の治療に有用になりえる。
【0032】
さらなるNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬の使用。一実施形態において、前記対象に有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする、対象の食糧摂取量または体重を減少する方法が挙げられる。一部の実施形態において、対象におけるカロリーまたは栄養素の摂取量あるいは入手の可能性を低減することで緩和することができる病状または疾病を治療または予防する方法を提供する。そのような病状および疾病は、肥満症、代謝症候群、および肥満症に関連する糖尿病が含むが、これらに限定されない。その他の実施形態において、例えば、食糧摂取量を制御することによって、過食症、大食症、およびストレスにより誘発または関連する食物疾患などの摂食に関連する病状または疾患を制御、予防、または治療するための方法を提供する。一実施形態において、該NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬は、全身投与され、別の実施形態において、本明細書に記載されるように、該化合物は、腸への送達をもたらすために、例えば局所的に投与され、満腹感を促す膨張信号を提供しうる。従って、例示的送達形態は、末梢注射、注入、吸収(例えば、粘膜、経粘膜、経皮)、経口、坐薬、および吸入、そして本明細書に記載されるアミノ酸配列を符号化する核酸を用いる遺伝子療法アプローチ、そしてさらに、全身送達または腸を対象とした送達を提供する形態を含む。
【0033】
さらに別の実施形態において、食事または間食の代わりに有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を前記対象に投与すステップを含む、患者体内のカロリー摂取量を低下する方法を提供する。
【0034】
さらに別の実施形態において、前記対象に有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする、食事の量を減らすことによってカロリー摂取量を低下する方法を提供する。
【0035】
さらに別の実施形態において、当該対象に有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする、食糧摂取量を制御する方法を提供する。
【0036】
さらに別の実施形態において、当該対象に有効量のNMXペプチド、FNXペプチドまたはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする、減少されたカロリーまたは食事制限または食事計画に従うことを確かめる、または支援する方法を提供する。
【0037】
さらに別の実施形態において、当該対象に有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬に投与することを特徴とする、減量を維持する、または減少した体重を維持する方法を提供する。
【0038】
さらに別の実施形態において、必要とする対象に、前記患者の摂食障害を制御、抑制、または緩和に有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする、摂食障害を制御または緩和する方法を提供する。前記摂食障害は、栄養過剰、夜食症候群、過食症、および満腹を得られない摂食を含む。本明細書に記載の方法は、食物、カロリー、または栄養素の摂取量の減少または抑制、あるいは入手の可能性、もしくは食欲の抑制または減少によって、前記対象の摂食障害に治療上のおよび/または望ましい効果を提供する。
【0039】
さらに、当該対象に、1日のうちの特定の時間、前記患者が甘いものや口当たりの良い食べ物を食べ過ぎる傾向が強いときに、有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする、患者体内のカロリー摂取量制御する方法を提供する。
【0040】
さらに別の実施形態において、本明細書に開示されるいずれもの方法は、結果的に当該対象の体重が少なくとも1%から少なくとも50%減少するという結果をもたらす。追加の実施形態において、本明細書に開示されるいずれの方法は、結果的に当該対象の体重が少なくとも5ポンドまたは2kgから少なくとも約200ポンドまたは100kg減少するという結果をもたらす。また、さらに別の実施形態において、本明細書に開示されるいずれの方法を実施することによって、結果として、約40%未満から約1%未満、または0%の減量は平均肥満度の低下に起因する体重の減少がもたらされる。
【0041】
追加の実施形態において、対象は約25以上の肥満度指数(BMI)を有し、その他の実施形態において、対象は約30以上のBMIを有する。その他の実施形態において、対象は糖尿病、インスリン抵抗性または耐糖能異常を患し、一方、その他の実施形態において、対象は糖尿病、インスリン抵抗性、または耐糖能異常を患さない。
【0042】
一実施形態において、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を含み、任意に少なくとも1つのその他の抗肥満薬および薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。該組成物は、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬の投与形態の1つ以上を含み、任意に少なくとも1つのその他の薬物を含む1つ以上の投与形態を持つキットに含まれていてもよい。投与形態は、個別投与でも複数投与でもよい。
【0043】
本明細書に記載の生物活性および/または受容体結合活性を考慮し、本発明は、必要とする対象の疾病または疾患の治療のための薬物療法に使用されるNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬組成物を提供する。本発明は、また、本明細書に記載されているような、対象の疾病または疾患の治療においてNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬組成物を使用する方法を提供する。
【0044】
本明細書で使用され、当業者に周知である「治療」は、臨床的結果を含む、良いまたは望ましい結果を手に入れるためのアプローチである。疾病、疾患、または病状を「治療する」ということは、疾患を治療しない場合と比較し、病状、疾患、または疾病の広範囲に及ぶおよび/または望ましくない臨床的徴候は、減少するおよび/または経時的進行が遅くなるもしくは伸びる、あるいは予防されることを意味する。例えば、肥満症の治療においては、体重が5%減少するなどの体重の減少は、望ましい治療結果の一例である。本発明の目的としての良いまたは望ましい臨床結果は、検出可能であれ不可能であれ、1つ以上の症状の緩和または改善、疾患範囲の縮小、安定した疾病状態(いわゆる、悪化しない)、疾病の拡大抑制、疾病進行の遅延または減速、疾病状態の改善または一時的緩和、および鎮静(部分的であろうと全体であろうと)を含むが、これらに限定されない。また「治療する」は、治療を受けていない場合の予想生存時間と比較し、生存時間を延長することを意味する。さらに、治療は、必ずしも1回の投薬によって生じる必要はないが、多くの場合、一連の投薬により生じる。従って、治療的有効量または疾病、疾患、または病状の治療に十分な量が1回以上の投与により投与されうる。
【0045】
一実施形態において、本明細書の減量文脈内で使用されるように、本明細書に記載の「必要とする対象」は、体重超過または肥満体であり、病状または疾患を有する、またはそうでなければカロリー摂取量の制御を求める対象である。一実施態様において、対象とは、肥満体または体重超過である対象である。例示的実施形態において、「体重超過である対象」は、25を上回る肥満度指数(BMI)を有する、またはBMIが25から30の間である対象を示す。例示的実施形態において、「体重超過である対象」は、25を上回る肥満度指数(BMI)を有する、またはBMIが25から30の間である対象を示す。しかし、体重超過の意味は、25を超えるBMIを有する個人に限定されず、医学的または表面的な理由により、減量が望ましいいずれもの対象をいうことが認識されなければならない。「肥満症」は、一般的に肥満度指数が30を上回るものとして定義されるといえ、本開示の目的は、減量を必要とするまたは望むすべての対象は、「肥満体」の範囲に含まれる。一実施形態において、インスリン抵抗性、耐糖能異常、またはいずれの糖尿病の形態を有する(例えば、1または2型、または妊娠性糖尿病)を有する対象は、この方法により利益を得る。別の実施態様において、必要とする対象は、肥満体である。さらに別の実施態様において、前記対象は糖尿病を有する。糖尿病を有する対象は、1型または2型の糖尿病を有する。しかしながら、注目すべきは、本明細書に記載の方法は、耐糖能異常、代謝性症候群、インスリン抵抗性、または糖尿病を有さないおよび/またはと診断されたことがない対象にも適用できるということである。
【0046】
それ自体は、一側面において、本発明は、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬組成物、および対象の体重の減量、2型を含む糖尿病またはインスリンに依存しない糖尿病である1型糖尿病の治療、および摂食障害、インスリン抵抗症候群、および/または代謝症候群の治療へのそれらの使用法を提供する。
【0047】
一実施形態において、必要とするまたは希望する対象に、慢性的に有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする、体重またはBMIを低下するための方法を提供する。一実施形態において、前記NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬は、持続放出、叙放、継続放出、または長時間作用型製剤で投与される。一実施形態において、前記NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬は、PLGAポリマーベース賦形剤のようなポリマーベースの継続放出型製剤で投与される。
【0048】
本明細書に記載の薬理活性に基づくNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬は、代謝性疾患(さまざまな糖尿病および血糖代謝異常、インスリン抵抗性およびインスリン抵抗症候群、肥満症、異常脂質血症を含む)の治療に有用である可能性がある。
【0049】
さらに、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体は、カロリー(または栄養素)摂取量または入手の可能性を減少することによって緩和することができる病状または疾患の治療に使用することができる。これには、患者の相対的に高い食糧、カロリー、または栄養素の摂取量もしくは入手の可能性により引き起こされる、複雑化する、または悪化する、あるいは食糧、カロリー、または栄養素の摂取量もしくは入手の可能性を減少することで緩和されるすべての病状または疾患が含まれる。そのような病状または疾患は、肥満症、2型糖尿病を含む糖尿病、摂食障害、およびインスリン抵抗症候群を含むが、これらに限定されない。
【0050】
一実施形態において、前記FNXペプチドは、1日のうちで対象が最も摂食障害を起こしやすい時間に投与される。例えば、前記FNXペプチドは、1日のうちで対象が最も過食を起こしやすい時間に投与される。過食症は1)個別の時間帯(例えば、いずれの2時間以内)における摂食量が、多くの人が同様の時間内で同様の状況下で食べる量より明らかに多い、および2)該出来事中の過食を制御する間隔の欠如(例えば、食べることを止められない、または何をどれだけ食べるかを制御できないという感覚)により特徴付けられる。これらの時の食糧摂取量の減少または抑制、もしくは食欲の抑制または削減は、過食および過食の望まないまたは悪い影響を軽減することができる。一実施形態において、過食制御に使用されるFNXペプチドは、天然FNXペプチドより体内において長い半減期を有するFNXペプチドを含む。
【0051】
一実施形態において、必要とする対象に、過食症などの摂食障害を低減させるのに有効な量のFNXペプチドを投与することを特徴とする、該対象が摂食障害(例:過食症)により起こる有害および/または望ましくない影響を低減するための方法を提供する。摂食障害の軽減には、FNXペプチドの投与を行っていない際の頻度、継続期間、量、および抵抗などと比較した、摂食障害が発症する頻度、摂食障害が発症する継続期間、1回の摂食障害での総消費量、摂食障害の発生に対する抵抗困難性、およびそれらのいずれの組み合わせの減少を含む。これらの効果は、例えば、摂食障害の発症前または発症中の食糧、カロリー、または栄養素の摂取量もしくは有効性の減少、または食欲の抑制または減少により得られる。それは、一例として、一実施形態において、方法は、過食症の発症頻度の減少を含む場合がある。別の実施形態において、方法は、過食症発症中における減少を含む場合がある。さらに別の実施形態において、方法は、過食症発症中における総消費量の減少を含む場合がある。さらに別の実施形態において、方法は、過食症の徴候に対する抵抗困難性の減少を含む場合がある。
【0052】
一部の実施形態において、過食症、夜食症候群などの摂食障害は、ストレスのあるまたはない状況下で、具体的には、甘い食べ物、チョコレート食品、口当たりの良い食べ物、高脂肪食品、またはそれらのいずれの組み合わせを摂食することである。一実施形態において、該摂食とは、具体的には、高脂肪食品を含む口当たりの良い食べ物の摂食である。
【0053】
一実施形態において、該摂食とは、具体的には、ストレスのある、およびない両方の状況下での甘い食べ物の摂食である。
【0054】
摂食障害は、一般的に質問表または摂食パターン記録のトラッキングおよびモニタリングを使用することによって決定、または測定することができる。例えば、過食症は、質問表および過食スケール(BES)を使用して決定または測定できる。過食重症度は、合計BESスコア(個別の各項目のスコアを合計して計算される)に基づき、3つのカテゴリー(軽度、中度、重度)に分けることができる。従って、対象の摂食障害スコアを減少または正常化するために、必要とする対象に有効量のFNXペプチドを投与することを特徴とする、対象の関連する摂食障害スコアを減少または正常化する方法を提供する。一部の実施形態において、FNXペプチドの投与は、例えば、重度から中度へ、重度から軽度へ、または中度から軽度へと対象のカテゴリーを変更する。例えば、対象のBESスコアを減少するために、必要とする対象に有効量のFNXペプチドを投与することを特徴とする、対象のBESスコアを減少するための方法を提供する。一部の実施形態において、FNXペプチドの投与は、例えば、重度から中度へ、重度から軽度へ、または中度から軽度へと対象のBESカテゴリーを変更する。
【0055】
例えば、過食症、夜間摂食などの摂食障害の一部の兆候には、物理的に空腹でない時に大量の食物を摂取する、短時間で摂食する、どれだけ摂食しているかを恥じることにより、食物を隠す、不快なくらい満腹になるまで摂食する、またはそれらのいずれの組み合わせが含まれる。一実施形態において、該摂食は、ストレスのある状況の現われである。摂食障害を有するその他は、麻薬乱用者またはアルコール乱用者などの薬物乱用者である。神経性大食症と診断された人々など、摂食障害を有する人すべてが体重超過であるわけではない。
【0056】
摂食障害を有する対象は、頻繁に、1日のうちの特定の時間に食べ過ぎたり、または不適切に(例えば、口当たりの良い食べ物および高脂肪食品)摂食するので、対象が最もそうしやすい時に照らし合わせて、治療を調整するべきである。例えば、対象が、夜7時以降に過食を行う傾向がある場合は、FNXペプチドを7時またはその直前に対象に投与すべきである。一実施形態において、対象は、食べ過ぎまたは不適切な摂食を行う傾向がある時間に、FNXペプチドを投与される。別の実施形態において、対象は、過食のような摂食を行う傾向にある時間より少なくとも約15分、少なくとも約30分、少なくとも約45分、少なくとも約1時間、少なくとも約1時間半、または少なくとも約2時間前に、FNXペプチドを投与される。
【0057】
従って、そのような実施形態におけるFNXペプチドの有効量とは、食糧摂取量を減少または抑制、あるいは食欲を減少もしくは抑制することによって、対象の食べ過ぎ、または過食などの不適切な摂食に対する欲求を、抑制または制御するために有効な量である。従って、FNXペプチドの有効量は、対象および彼らの食べ過ぎまたは不適切な摂食に対する欲求の程度により変わる。さらに、対象の1日のうちのある時点における食べ過ぎまたは不適切な摂食に対する欲求がその他の時点より低い場合は、投薬量は適宜に調節することが可能であり、対象の食べ過ぎまたは不適切な摂食に対する要求が低い時には、低い投薬量を与え、また対象が食べ過ぎまたは不適切な摂食に対する要求が高い時には、高い投薬量を与える。一実施形態において、対象が、食べ過ぎまたは不適切な摂食に対して高い欲求を有する際、最大投薬量のFNXペプチドが投与される。別の実施形態において、対象は、食べ過ぎまたは不適切な摂食に対して高い欲求を有する時間より少なくとも約数分前、少なくとも約30分前、少なくとも約45分前、少なくとも約1時間前、少なくとも約1時間半前、または少なくとも約2時間前に、最大投薬量のFNXペプチドを投与される。
【0058】
一実施形態は、対象に有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする、対象の食糧摂取量または体重を低下させるための方法である。
【0059】
一実施形態において、該方法は、対象の減量をもたらすために有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬の慢性的または継続的投与を含む。さらに別の実施形態において、体重の減少とは、脂肪ではない部分または筋肉の減少によらない、体脂肪または脂肪組織の減少によるものである。さらに別の実施形態において、体脂肪を失うことによる体重の減少とは、脂肪ではない部分または筋肉部分を失うことによる体重の減少より重大である。一実施形態において、除脂肪組織または筋肉と比較した体脂肪の減少は、絶対体重に基づくが、別の実施形態においては、減少した体重の割合に基づく。さらに別の実施形態において、本出願は、例えば、除脂肪組織に対する脂肪の割合を減少すること、体脂肪を減少すること、または個々の除脂肪組織の割合を上昇することで、身体組成を変化させるための方法を提供する。
【0060】
本明細書に記載の「減量」とは、対象の体重の減少を指す。本発明は、対象の体重の特定の減少に依存しないが、さまざまな実施形態において、本明細書に開示される方法を開始する前と比較し、本明細書に記載の方法では、対象の体重を少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、または70%減少する。さまざまな実施形態において、減量は、約1週間、2週間、3週間、1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、1年間、またはそれ以上の期間にわたって生じる。別の実施形態において、対象は、約5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、125、150、175、200ポンド、またはそれを超えて減らす可能性がある。減量は、いずれの再現可能な測定方法により測定することができる。一実施形態において、減量は、対象の肥満度指数を計算すること、およびある期間にわたって対象のBMIを比較することによって測定することができる。肥満度指数は、例えば、モノグラフまたは同様の装置の使用といった、有効ないずれの方法を使用して計算することができる。
【0061】
別の実施形態において、本明細書に開示されるいずれの方法は、結果的に患者の体重が少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%減少する結果となる。付加的な実施形態において、本明細書に開示されるいずれの方法は、対象の体重を、少なくとも約5ポンドまたは2kg、少なくとも約10ポンドまたは5kg、少なくとも約20ポンドまたは10kg、少なくとも約30ポンドまたは15kg、少なくとも約40ポンドまたは20kg、少なくとも約50ポンドまたは25kg、少なくとも約75ポンドまたは35kg、少なくとも約100ポンドまたは50kg、少なくとも約125ポンドまたは55kg、少なくとも約150ポンドまたは75kg、少なくとも約175ポンドまたは80kg、もしくは少なくとも約200ポンドまたは100kg減少するという結果をもたらす。さらに別の実施形態において、本明細書に開示されるいずれの方法を実施することによって、約40%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約2%未満、約1%未満、または0%の減量は、平均肥満度の低下に起因する減量という結果をもたらす。
【0062】
投与されるNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬は、ペプチド、プロドラッグ、または医薬的塩もしくはその塩の形態であってもよい。「プロドラッグ」とは、薬物前駆体であり、投与に伴い、例えば、タンパク質分解的切断などの一部の化学的または生理的プロセス、あるいは特定のpH環境への到達を介して、体内で薬物を放出する化合物を指す。
【0063】
本明細書に記載の方法は、そのような方法を必要とする、または該方法の実施が望ましい、いずれの個体に使用することができる。これらの個体は、ヒト、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、ニワトリ、およびその他の商業的に有用な動物またはペット動物を含むが、それらに限定されない、いずれの哺乳類でありうる。
【0064】
本明細書に記載の治療法において、新規FNXペプチドは、当業者に公知のいずれの方法により、末梢、腸、大脳内、または脳室内に投与されうる。ニューロメジンは、哺乳類の体内において、食糧摂取量を減少するために抹消で作用しうるという出願人らの発見の観点において、付加的な実施形態は、NMXペプチドまたはNMX受容体作用薬が、全身に、または局所的に、および大脳内、ならびに脳室内以外に投与された際、例えば、過食症またはその他の摂食障害を低減もしくは制御するための本明細書に記載の治療法における使用にて、NMXペプチドまたはNMX受容体作用薬は、FNXペプチドを代替することを明確に示すことを理解されたい。
【0065】
NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬は、本明細書に記載のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬の特性を有するその他の化合物を選択するために、さらに使用される可能性がある。例示的選択法は、参照としてその全体を組み入れられるPCT出願WO2004/048547において記載される。本発明は、特にNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬に対して、特異的な抗体を提供する。さらに、本明細書に記載されるように、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬、および/またはそれらの抗体は、判断するため、または進行、病状、もしくは疾患の傾向の診断用途に使用することができる。
【0066】
FNXペプチド
また、新規FNXペプチドを提供する。一実施形態において、新規FNXペプチドは、式(I)であるF1-Pのアミノ酸配列を含み、F1-Pは、新規のF1およびPセグメントの結合であり、本明細書に記載のPは、F1に付着し、全身に送達される場合、食糧摂取量抑制、体重の減少、および/または満腹信号または膨張信号の誘発をもたらすことができるオクタペプチドであり、本明細書に記載のF1は、P活性を増進または可能にするFN38またはその類似体、誘導体またはキメラのデス-オクタペプチド部分である。付加的なFNXペプチドを生成および特定する方法に加え、付加的なオクタペプチドおよびF1部分を本明細書に開示する。F1-Pから除外される、GenBankアクセス番号AJ510133(ヒト)、CAD52851(ラット)、CAD52850(カエル)、およびニワトリFN38は、FN38関連化合物として周知であるが、それぞれのFおよびPセグメントは、本明細書に記載の新規FNXペプチドを生成するために使用することができる。
【0067】
別の実施形態において、新規FNXペプチドは、式(II):F2-Pのアミノ酸配列を含み、Pは、F2部分に付着し、全身に送達される場合、食糧摂取量抑制、体重の減少、および/または満腹信号を提供可能である、本明細書に記載のオクタペプチドであり、F2は、本明細書に記載されるように、P活性を増進または可能にする、FN38のデス-オクタペプチド部分およびSN23キメラ、またはその類似体あるいは誘導体である。例示的な効果的合成物は、アマガエルSN-23 NMU(SDEEVQVPGGVISNGYFLFRPRN-NH2; 配列番号:_____)とヒトFN38(FLFHYSKTQKLGKSNVVEELQSPFASQSRGYFLFRPRN-NH2; 配列番号:___)の合成物であるFN38(1-15)-SN23(FLFHYSKTQKLGKSNSDEEVQVPGGVISNGYFLFRPRN-NH2; 配列番号:____)であり、さらにそのアミド形状(C末端アミドを示す「-NH2」)である。本実施形態において、「P」オクタペプチドは、YFLFRPRN(配列番号___)であり、「F」部分は、FLFHYSKTQKLGKSNSDEEVQVPGGVISNG(配列番号 ____)である。付加的なFNXペプチドを生成および特定する方法に加え、付加的なオクタペプチドおよびF2部分を本明細書に開示する。
【0068】
これらの化合物は、化学(例えば、製剤およびまたは送達におけるpH範囲での安定性)および/またはペプチド安定性(いわゆる、ペプチドおよびタンパク質に対する安定性)などの酵素安定性が向上するように作ることができる。一実施形態において、前記FNXペプチドは、少なくとも70%以上、少なくとも75%以上、少なくとも80%以上、少なくとも90%以上、または少なくとも95%以上のBBM安定値(実施例を参照)を有する。
【0069】
さらに、本明細書で使用されるように、「類似体」は、FN38のような親ペプチドと比較して、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、反転、または付加を有する分子として定義される。「類似体」は、誘導体も含む。「誘導体」は、親ペプチドまたは親ペプチドの類似体のアミノ酸配列を有するが、さらに1つ以上のアミノ酸側基、α炭素原子、末端アミノ基、または末端カボキシル酸基の化学修飾を有する分子として定義される。化学修飾には、化学成分の追加、新規結合の生成、化学成分の除去を含むが、それらに限定されない。
【0070】
本明細書に記載されるように、「NMXペプチド」は、FNXペプチドを含むニューロメジンU、ニューロメジンS、FN36およびFN38またはその類似体および誘導体を意味する。ポリペプチドは、いずれの種から獲得または生成されてもよい。従って、該用語は、ヒトアミノ酸ペプチド全体、および、例えば、マウス、ハムスター、ニワトリ、ウシ、ラット、およびイヌポリペプチドを含むその種変動を含む。この意味において、野生型、天然、および未修正の記述子は、交互に使用される。
【0071】
「NMX受容体作用薬」は、FN38と同様の生物活性を発現し、例えば、NMUR1またはNMUR2の公知のニューロメジンUまたはS受容体に作用するペプチド、ペプチド様化合物、および小分子を含むいずれの化合物を意味する。ヒトNMU-25は、NMU受容体作用薬の一例である。
【0072】
例示的NMXペプチドおよびNMU受容体作用薬は、ヒトニューロメジン-25および以下を含む。
【0073】
【表1】

【0074】
特定の実施形態において、FNXペプチドは、例えばFN38などの天然FN38ポリペプチドと比較、およびFN15と比較して、本明細書に記載される疾患または病状の治療および/または予防において同程度またはより高い効能を有することが可能である。その他の実施形態において、FNXペプチドは、上記に記載される病状の治療および/または予防において、効果的ではあるが、より少ない(例えば、2、3、4、またはさらに5倍少ない)効能を有することが可能であるが、天然FN38より優れた、またはFN15と比較して、例えば向上した安定性または溶解性、より少ない副作用、生物活性の組み合わせ、および/または製造、製剤、または使用における容易性などのその他の望ましい特性を所有する場合がある。
【0075】
例示的化合物には、以下が含まれる。
【0076】
【表2】

【0077】
該ペプチドはC末端側終端でアミド化されている場合もそうでない場合もある。
【0078】
一実施形態において、FNXペプチドは、以下のオクタペプチド配列(「P」)の1つを有する。さらに別の実施形態において、FNXペプチドは、以下に示される2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのオクタペプチド置換基を有する。
【0079】
上記のオクタペプチド配列およびFN38のF1部位を有するFNXペプチド163661の例示的類似体は、以下を含む。
【0080】
【表3】

【0081】
一部の実施形態において、P部位オクタペプチドは、アルギニンの片方または両方を置換するヒスチジンを有さない。一部の実施形態において、P部位オクタペプチドは、プロリンを置換するベータターン模倣体を有さない。
【0082】
さらに、上記のオクタペプチド配列およびFN38(1-15)-SN23(ペプチド165063)のF2部位を有する式IIの例示的類似体は、以下を含む。
【0083】
【表4】

【0084】
追加の実施形態は、その疎水性および/またはその正電荷を向上するために、オクタペプチド部位への複数の置換または修飾を有するFNXペプチドを含む。いずれのFNXペプチドに適用可能な例示的オクタペプチド配列は、以下を含む。
【0085】
【表5】

【0086】
従って、一実施形態において、例えば、以下を含むペプチド163661の置換類似体を含むオクタペプチド置換類似体が挙げられる。
【0087】
【表6】

【0088】
さらに、一実施形態において、例えば、以下を含むペプチド165063キメラの置換類似体を含むオクタペプチド置換類似体が挙げられる。
【0089】
【表7】

【0090】
一実施形態において、FNXペプチドは、例えば、以下に示されるような1つ以上のアミノ酸欠失を有する。別の実施形態において、FNXペプチドは、2つのそのような欠失を有する。別の実施形態において、FNXペプチドは、少なくとも1つのアミノ酸欠失を有し、該アミノ酸は、以下に示されるいずれの欠失部位内に含まれているいずれか1つのアミノ酸である。その他の実施形態においては、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つのアミノ酸は、欠失している。従って、親ペプチドの長さにより、該FNXペプチドは、例えば、少なくとも10以上15以下の残基のような、長さが少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、または43、あるいは同等の残基、もしくはそのいずれの組み合わせでありうる。そのような一実施形態において、該欠失アミノ酸は、以下に示される欠失部位のいずれかに含まれるアミノ酸の1つである。従って、一実施形態において、例えば、化合物163661の欠失および/または置換類似体を含む欠失類似体が挙げられる。
【0091】
【表8】

【0092】
従って、一実施形態において、例えば、以下を含む化合物165063の欠失類似体を含む欠失類似体が挙げられる。
【0093】
【表9】

【0094】
FLFHYSであるFN38のN末端部位は、ニューロメジンまたはFN38オクタペプチド部位もしくはその類似体あるいは誘導体の安定性および活性を提供または強化するのに十分であるということが明らかとなっている。従って、さらに別のFNXペプチドにおいて、F1部位は、FLFHYSであり、Pは、本明細書に記載される通りである。ヒトFN38配列に基づく例示的類似体の1つは、本明細書では、FN15またはデス-(Lys7-Gly30)FN38ともいわれるFLFHYSGYFLFRPRNである。置換類似体のような、さらに別の例示的類似体は、下記の表に示されるものを含む。
【0095】
【表10】

【0096】
さらに別の実施形態において、FNXペプチドは、アミド形態を含むFN15、[Lys12]FN15、[Phe8]FN15、[Lys12、Phe8]FN15、およびそれらの類似体ならびに誘導体から構成される基から選択される。例えば、本明細書で検討されるFN15類似体、FNXペプチドのように、FN15またはFN38と比較し、向上した化学および/または酵素安定性を有することができる。
【0097】
本明細書の例示的ペプチドは、ヒト刷子縁膜検査において、さらなる安定性能はもちろん、食糧摂取量の抑制を示す。例えば、以下の表は、60分後に測定された、200mg/kgの投与におけるマウス検査で、25%を超える食糧摂取量の抑制を有するFNXペプチドを示す。また、5時間のインキュベーション後に残留する化合物の割合として、ヒト刷子縁膜検査における安定性を示す。
【0098】
【表11】

【0099】
また、本明細書に開示されるように、FNXペプチドは、例えば、FN38またはFN15などの本明細書に記載されるいずれのFNXペプチドアミノ酸配列に対して、少なくとも80、82、84、86、88、90、92、94、96、97、または98%のアミノ酸同一性を持つアミノ酸配列、および1)同様またはよりすぐれた活性あるいは安定性を有するポリペプチド含んでいる場合もあり、該FNXペプチドは、FN38の公知の種の変異体ではない。同一性の割合は、Vector NTIR(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)内のAlignXRモジュールを用いた分析により決定される。
【0100】
一実施形態において、FNXペプチドとは、本明細書に記載されるように、FN38の公知ではない種の変異体であり、1)同様またはより優れた活性もしくは安定性を有する、本明細書に記載のFN38アミノまたはFN15酸配列に対して少なくとも80、82、84、86、88、90、92、94、96、97、または98%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を有する。同一性の割合は、Vector NTIR(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)内のAlignXRモジュールを用いた分析により決定される。
【0101】
別の実施形態において、FNXペプチドとは、本明細書に記載のFN38(1-15)-SN23合成アミノ酸配列に対して、少なくとも80、82、84、86、88、90、92、94、96、97、または98%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を有するアミノ酸を有し、1)同様またはより優れた活性もしくは安定性を有するものである。同一性の割合は、Vector NTIR(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)内のAlignXRモジュールを用いた分析により決定される。
【0102】
前記のより優れた活性は、NMU受容体結合または活性化、食物摂取量の減少、または減量、あるいはプラズマもしくはBBM安定性などの化学あるいは酵素安定性の向上である。安定性は、BBM分析またはプラズマ分析により測定できる。
【0103】
化合物は、さらなるアミノ酸、化学物質、またはペプチドの生物活性もしくは機能に影響を与えないが、精製補助(例えばヒスチジンタグ)、検出(例えばビオチン)、溶解性または半減期の向上(例えばPEG付加)、もしくは発現(例えば分泌信号ペプチド)などのその他の機能を行う場合もある部分をさらに含んでもよい。
【0104】
FNXペプチドは、アミド化、グリコシル化、アシル化、硫酸化、リン酸化反応、アセチル化、および環化などの化学変換によってさらに誘導化される。そのような化学変換は、化学的または生化学的手順および生体内プロセス、またはそれらのいずれかの組み合わせを介して得られる。類似体ポリペプチドの誘導体は、1つ以上のポリマーまたは小分子置換基との結合を含んでいてもよい。一種のポリマー結合は、ポリエチレングリコール(「PEG」)ポリマーのリンケージまたは付着、さまざまな長さのNまたはC末端へのポリアミノ酸(例えばポリヒスチジン、ポリアルギニン、ポリリジン)および/または脂肪酸鎖、またはFNXペプチドの残渣側鎖である。小分子置換基は、短いアルキルおよび拘束アルキル(例えば分岐、環状、融合、アダマンチル)および芳香族基を含む。さらに、RおよびKなどの塩基性残渣は、ペプチドの代謝安定性を向上するためにホモRおよびホモK、シトルリン、またはオルニチンで置換されてもよい。また、FNXペプチドは、酸およびペプチドのアミド形態も含む。
【0105】
FNXペプチドは、本明細書に記載されるさらに大きなペプチドの生物活性フラグメントを含む。望ましい活性の例は、(1)FNXペプチドと同様の食物摂取量、胃内容排出、膵臓分泌物、血圧、心拍数、または減量分析における活性を持つこと、および/または(2)NMX受容体(例えばNMUR1、NMUR2)のための受容体結合分析における結合を含む。
【0106】
一実施形態において、FNXペプチドは1uMを超える親和性を有する受容体と結合し、別の実施形態においては1〜10nMを超える親和性を有する受容体と結合する。
【0107】
「FNXペプチド」を有するポリペプチドは、ポリペプチドが、例えば本明細書に記載されるようなFN38と同様の物理特性を食物摂取量の減少において示すことを意味する。本発明のポリペプチドは、NMX受容体またはその他の受容体もしくはFN38自身が食物摂取量の減少などの生物学的反応を発現させるように作用する受容体と結合できる、あるいは直接的もしくは間接的に相互作用できてもよい。
【0108】
本明細書に記載の生物活性を考慮すると、本発明は、必要とする対象の疾病または疾患を治療するための薬剤として使用されるFNXペプチド組成物を提供する。また、本発明は、対象の疾病または疾患の治療におけるFNXペプチド組成物の使用法も提供する。
【0109】
「アミノ酸」および「アミノ酸残渣」は、自然アミノ酸、非自然アミノ酸および修飾アミノ酸を指し、その構造が立体異性体を許容する場合にはこれらはすべてDおよびL立体異性体である。自然アミノ酸は、アラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)、システィン(Cys)、グルタミン(Gln)、グルタミン酸(Glu)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リジン(Lys)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、トリオニン(Thr)、トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)およびバリン(Val)を含む。非自然アミノ酸は、アゼチジンカルボン酸、2-アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、ベータ-アラニン、アミノプロピオン酸、2-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、6-アミノカプロン酸、2-アミノヘプタン酸、2-アミノイソ酪酸、3-アミノイソ酪酸、2-アミノピメリン酸、第3ブチルグリシン、2,4-ジアミノイソ酪酸、デスモシン、2,2’-ジアミノピメリン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、N-エチルグリシン、N-エチルアスパラギン、ホモリシン、ホモプロリン、ホモセリン、ヒドロキシリジン、アロ-ヒドロキシリジン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ-イソロイシン、N-メチルアラニン、N-メチルグリシン、N-メチルイソロイシン、N-メチルペンチルグリシン、N-メチルバリン、ナフタラニン、ノルバリン、ノルロイシン、オルニチン、ペンチルグリシン、ピペコリン酸およびチオプロリン、ホモリジン、ホモアルギニン、ホモセリン、シトルリン、オルニチン、Ne-ホルミルリジンを含むがこれに限定されない。修飾アミノ酸は、可逆的あるいは不可逆的に化学遮断される、あるいはN-末端アミノ基またはその側鎖基に修飾される自然および非自然アミノ酸を含み、例えばメチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、S(炭アミノ基あるいは側鎖官能基は別の官能基と化学的に体系化される)がある。例えば、アスパラギン酸-(ベータ-メチルエステル)はアスパラギン酸の修飾アミノ酸であり、N-エチルグリシンはグリシンの修飾アミノ酸であり、またアラニンカルボキサミドはアラニンの修飾アミノ酸である。組み込まれ得る付加的な残渣は、Sandberg他(1998)J. Med. Chem. 41:2481-2491に開示されている。
【0110】
一実施形態において、FNXペプチドはFN38ポリペプチドまたはFN38/36ファミリーの別のポリペプチドあるいはFN15の生物活性の少なくとも約25%、約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、または約99%を保有あるいは作用する。別の実施形態において、作用薬類似体ポリペプチドは別のFN38/36ポリペプチド、FN38あるいはFN15の少なくとも1つに改善された活性を示す。例えば、作用薬類似体ポリペプチドは、FN38ポリペプチドまたはFN36/38ファミリー(例えばFN38あるいはFN15)の別のポリペプチドの生物活性の少なくとも約110%、125%、130%、140%、150%、200%、またはそれ以上を示す。FN38およびFN15の例示的機能は、食物摂取量の削減あるいは体重の減少である。
【0111】
例示的FNXペプチドとは、本明細書に記載される分析(例えば受容体結合分析、食物摂取量、および/または減量分析)の一つにおいて効力を有するもので、同一分析においてヒトFN38ポリペプチドあるいはFN15の効力よりも高いあるいは同等である。例えば、FNXペプチドは30nM、20nM、10nM、あるいはそれ以上の親和性を有する受容体の少なくとも一つに結合する。しかしながら、FNXペプチドは分析においてより低い効力を有する場合もあることも意図されている。FNXペプチドは、特定の結合プロファイル、安定性、溶解性、あるいは製造または形成の簡便さなど、所望の特性をさらに保有してもよい。
【0112】
一実施形態において、本発明のポリペプチドは食物摂取量分析における活性を示す。このようなポリペプチドは、賦形剤の投与により累積食物摂取量を5%を超えて、賦形剤により15%を超えて、25%を超えて、35%を超えてあるいは50%を超えて減少する能力を示す。一実施形態において、FNXペプチドは75%を超えて、さらに90%を超えてさえ食物摂取量を削減する。
【0113】
別の一般的側面において、本発明は本明細書に記載されるFNXペプチドをコード化できる核酸を含む。このような核酸は、当該技術分野では公知の標準コード表を利用して、本明細書で提供されるアミノ酸配列から決定することができる。
【0114】
一実施形態において、FNXペプチドは具体的には、化合物Aを除外し、化合物Bを除外し、化合物Cを除外し、および/または化合物Dを除外することを条件とする。一実施形態において、NMX受容体作用薬は具体的にNMU受容体と結合するルチン、およびその類似体ならびに誘導体を除外する。別の実施形態において、NMX受容体作用薬は、具体的にはルチンなどのNMU受容体と結合する非ペプチドを除外する。さらに別の実施形態において、FNXペプチドオクタペプチド領域Pは任意で、アルギン置換のヒスチジンを有さず、また任意でプロリンを置換するベータターン型模倣体を有しない。
【0115】
NMXペプチド、FNXペプチドおよびNMX受容体作用薬の調製。
本明細書に記載される化合物は、標準の組み換え技術または、自動または半自動ペプチド・シンセサイザー、あるいはその両方など、当該技術分野では公知である化学的ペプチド合成技術を利用して調製できる。同様に、ポリペプチドの誘導体は、標準化学法、生化学法あるいは生体内法を利用して生成してもよい。
【0116】
該化合物は、従来の技術に従い溶液内あるいは固体支持体上で合成することができる。種々の自動シンセサイザーは市販されており、公知のプロトコルに従い使用することができる。例えば、『Stewart and Young, Solid Phase Peptide Synthesis, 2d. ed., Pierce Chemical Co.(1984)』、『Tarn et al, J. Am. Chem. Soc. 105:6442(1983); Merrifield, Science 232: 341-7(1986)』、および『Barany and Merrifield, The Peptides, Gross and Meienhofer, eds., Academic Press, New York, 1-284(1979)』を参照。
【0117】
また、該化合物は、当該技術分野において公知の組み換え技術によって代替的に生成してもよい。例えば、『Sambrook他, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2d ed., Cold Spring Harbor(1989)』を参照。組み換え技術によって生成されるこれらのポリペプチドは、例えばDNAまたはRNA分子などポリヌクレオチドから発現されてもよい。これらのポリペプチド配列は、宿主細胞内におけるmRNAの転写および翻訳を円滑にするコドンを組み入れてもよい。これらの製造配列は、当該技術分野では公知の方法に従い容易に構成することができる。例えばWO83/04053を参照。さまざまな発現ベクター/宿主システムは、化合物コード配列を包含および発現するために活用されてもよい。
【0118】
そのようにして、化合物のアミノ酸配列は、新規かつ有益なウイルス性およびプラスミドDNAベクター、新規かつ有益な変形およびトランスフェクトされる原核宿主細胞および真核宿主細胞(培養下で成長する細菌、酵母、藻類、植物、昆虫、鳥類、および哺乳類細胞を含む)、およびポリペプチドの発現を可能にするこのような宿主細胞の培養成長の新規かつ有益な方法を提供する上で有用なポリヌクレオチド配列を決定する。化合物をコード化するポリヌクレオチド配列は、遺伝子治療にも使用することができる。
【0119】
化合物をコード化するDNA配列は、PCRによる増幅または部位特異的突然変異生成など公知の分子生物学(または組み換え)技術およびpGEX-3X(Pharmacia、ニュージャージー州ピスカタウェイ)などの適切なベクターのクローン化により形成されてもよい。
【0120】
また、本発明は、本発明の化合物(NMXペプチド、FNXペプチドまたはNMX受容体作用薬)の生成プロセスを提供する。このような化合物をコード化する核酸を含有する宿主細胞からポリペプチドを生成するプロセスが提供されており、以下のステップがある。(a)DNA分子の発現を助長する条件下で化合物をコード化するポリヌクレオチドを含有する該宿主細胞を培養するステップ、および(b)このような化合物の取得するステップ。宿主細胞は、細菌、酵母、藻類、植物、昆虫、鳥類および哺乳類細胞など、原核あるいは真核であってよい。哺乳類宿主細胞は、例えば生体外で培養されるヒト細胞を含む。また、無細胞系を利用して、ポリペプチドを生成するプロセスも考慮される。無細胞タンパク質発現システムの実施例は、Roche Diagnostics CorpによるRapid Translation System(RTSシステム)である。
【0121】
さまざまな発現ベクター/宿主システムが化合物コード配列を包含および発現するために活用されてもよい。これらは、組み換えバクテリオファージ、プラスミドまたはコスミドDNA発現ベクターに変形する細菌、酵母発現ベクターに変形する酵母、ウイルス発現ベクター(例、バキュロウイルス)に感染する昆虫細胞系、ウイルス発現ベクター(例、カリフラワーモザイクウイルス、タバコモザイクウイルス)にトランスフェクトするか、細菌発現ベクター(例、TiまたはpBR322プラスミド)に変形する植物細胞系、あるいは哺乳類細胞系などの微生物を含むがこれに限定されない。組み換えタンパク質生成に有用である哺乳類細胞は、VERO細胞、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株、COS細胞(COS-7など)、WI 38、BHK、HepG2、3T3、RIN、MDCK、A549、PC12、K562および293細胞を含むがこれに限定されない。これらの発現/宿主システムおよびその他の発現/宿主システムのいずれかにおいて、タンパク質の組み換え発現の例示的プロトコルは当該技術分野では公知である。
【0122】
概して化合物を精製することが望ましい。ペプチド精製技術は当業者には公知である。これらの技術は、ポリペプチドおよび非ポリペプチド部分への細胞環境の粗分別を伴う場合がある。対象となるポリペプチドは、部分的または完全な精製(または均質化への精製)を達成するために、クロマトグラフおよび電気泳動技術を使用してさらに精製されてもよい。純ペプチドの調製に特に適する分析方法は、イオン交換クロマトグラフィー、排除クロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法および等電点電気泳動法である。特に効果的なペプチドの精製方法は、逆相HPLC、その後液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)による精製産物の特性化およびマトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)質量分析である。アミノ酸分析を決定することにより、さらに純度が確定される。
本明細書で使用される用語「精製ペプチド」は、その他の組成物から単離される化合物を指し、ここでペプチドはその自然に得られる状態と比較して任意の程度まで精製される。従って、精製ペプチドはペプチドを指し、それが自然に発生する環境とは縁がないものである。用語「実質上精製された」とは、ペプチドが組成物内に少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%あるいはそれ以上のペプチドを含有する組成物の主要要素を形成する組成物を指す。ポリペプチドを精製する方法は、例えば米国特許第5,849,883号に開示され、参照により本書に組み込まれる。
【0123】
ペプチド精製に使用するための好適な種々の技術は、当該技術分野において公知である。例えば、硫酸アンモニウム、PEG、抗体、およびそれに類似するものとの沈殿、熱変性、それに続き遠心分離、イオン交換、ゲルろ過、逆相、ヒドロキシルアパタイトおよび親和性クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーステップ、等電点電気泳動法、ゲル電気泳動およびこれらの技術やその他の技術の組み合わせを含む。概して当該技術分野では公知であるように、種々の精製ステップを実施する順序を変更したり、特定のステップを省略することができるが、実質上精製されたタンパク質あるいはペプチドの精製に好適な方法を得ることが理解される。
【0124】
ペプチドが常に最大限に精製された状態で提供されなければならないという一般要件はない。実際に、実質上精製度の低い生成物が特定の実施形態において有用性を持つ場合も考慮される。部分的精製は、より少ない精製ステップを組み合わせることによって、または同一の一般的精製スキームの異なる形式を利用することによって達成されうる。例えば、HPLC装置を利用した、陽イオン交換カラムクロマトグラフィーは、低圧クロマトグラフィー系を利用した同一の技術よりも「数倍」高い精製が可能となる。相対的精製が低い方法は、タンパク質産物の完全回復、あるいは発現タンパク質の活性の維持に有効である。また、イオン交換およびイムノアフィニティークロマトグラフィーを組み合わせることにより、本発明の精製ペプチド組成物が生成されることも考慮される。
【0125】
医薬組成物
本発明は、治療的または予防的有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬、またはその薬学的に許容される塩と併せて、薬学的に許容される希釈剤、防腐剤、可溶化剤、乳化剤、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬の送達に有益なアジュバントおよび/または担体を含む医薬組成物にも関する。それらの組成物は、種々の緩衝用量、pHおよびイオン強度を有する希釈剤(例えばTris-HC1、酢酸塩、リン酸塩)、浄化剤や可溶化剤などの添加剤(例えばTween 80、ポリソルベート80)、酸化防止剤(例えばアスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、防腐剤(例えばチメローサル、ベンジルアルコール)、および原薬(例えば乳糖、マンニトール)、ならびに物質のポリ乳酸、ポリグリコール酸などのポリマー化合物の粒子調製への混入、あるいはリポソームを含んでもよい。そのような化合物は、物理的状態、安定性、生体内開放率、および化合物の生体内クリアランス率に影響を与える。例えば、『Remington's Pharmaceutical Sciences 1435-712, 18th ed., Mack Publishing Co., ペンシルベニア州イーストン(1990)』を参照。医薬組成物を調合するための例示的方法は、参照によりその全体が組み入れられているWO2004/048547に見られる。
【0126】
本明細書で使用される通り、「薬学的に許容される」という用語は、有効成分の生物活性の効果を妨げず、連邦政府または州政府の規制当局の承認を受けた、あるいは米国薬局方、または動物、より具体的にはヒトへの使用に関して一般的に認識されているその他の薬局方に列記されている薬物を指す。従って、好適な薬学的に許容される担体は、医薬組成物の効果を妨げず、動物あるいはヒトに投与された際に副作用、アレルギー反応、あるいはその他の有害反応を生じない薬物を含む。
【0127】
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、無機および有機の酸および塩基を含み、硫化塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、過リン酸塩、イソニコチン酸エステル塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酸性酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸エステル塩、マレイン酸エステル塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸エステル塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、サッカラート酸塩、ギ酸塩、安息香酸エステル塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩およびパモン酸塩(例、l,l'-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトアト))を含むがこれに限定されない、薬学的に許容される非毒性酸および塩基から調製される塩を指す。薬学的に許容される塩は、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、および酒石酸由来の塩といった遊離アミノ基とともに形成される塩を含むがこれらに限定されない。薬学的に許容される塩は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、ナトリウムリチウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジンおよびプロカイン由来の塩といった、遊離カルボキシル基とともに形成される塩を含むがこれらに限定されない。
【0128】
NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬は、注射、経口投与、経鼻投与、経肺投与、局所性投与、あるいは当業者が理解するその他の投与方法のための調合を含む、末梢(全身)投与のために調合されてよい。さらに、本発明による医薬組成物の投与は、対象組織にとって可能である限りいずれの通常の経路を介してもよい。さらなる実施形態において、医薬組成物は、例えば静脈、皮内、筋肉内、乳房内、腹腔内、髄腔内、球後、肺内(例、放出期間)など通常の末梢方法により、経口、舌下、経鼻、経肛門、経膣、あるいは経皮送達、あるいは特定部位には外科的移植により患者に導入されてもよい。例えば、静脈内あるいは皮下注射、経鼻、経口あるいは粘膜投与、および鼻口からの肺内吸入を含む。治療は、一定期間、単回投与あるいは複数回投与によって実施されてもよい。また、本発明の化合物の継続的な制御放出も考慮されている。
【0129】
注射投与に好適な医薬組成物は、無菌水溶液または分散液、および無菌水溶液または分散液の突発的調整に必要な無菌粉末を含む。すべての場合、該形態は無菌であり、注射可能な程度の液体でなければならない。またポリペプチドは、製造および保管段階において安定性を有することが望ましく、細菌および菌類などの微生物の汚染活動から保護されなければならない。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(ソリビトール、グリセロール、プロプレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、ジメチルアセトアミド、クレモフォールEL、その好適な混合物、および油(例、大豆、ゴマ、ヒマシ、綿の実、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、グリコフロール、コーン)を含む、溶液または分散媒体でありえる。適切な流動率は、例えばレシチンなどのコーティング材の使用により、分散において必要な粒径の維持により、また界面活性剤の使用により維持することができる。例えば、メタクレゾール、ベンジルアルコール、パラベン(メチル、プロピル、ブチル)、クロロブタノール、フェノール、酢酸フェニル水銀(酢酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩)、ソルビン酸、チメロサールなど種々の抗菌剤および抗真菌剤によって微生物の活動を防止することができる。多くの場合、等張化剤(例、糖類、塩化ナトリウム)が組成物に含まれる。吸収を遅延する薬剤(例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を該組成物で使用することによって、注射可能な組成物を持続的に吸収することができる。
【0130】
これらの化合物を吸入によって送達することがさらに考慮されている。ペプチドは、胃小窩への呼吸気流に沿ってもよい。このようなペプチドの送達は、例えばUS2004-0170568およびUS6,630,169(参照によりその全体が組み入れられている)あるいはTECHNOSPHERESTM(Pharmaceutical Discovery Corporation、ニューヨーク州エルムスフォード)などの「ホイッフルボール」といった低密度または超低密度粒子としての送達を含んでもよい。
【0131】
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、注射または注入を介してなど非経口的投与に適するように調剤される。一実施形態において、化合物は例えば約3.0〜約8.0のpHを有する等張緩衝液、別の実施形態では約3.5〜約7.4、3.5〜6.0、あるいは3.5〜約5.0のpHを有する等張緩衝液などの水性担体で懸濁する。有益な緩衝液は、クエン酸ナトリウム-クエン酸およびリン酸ナトリウム-リン酸、および酢酸ナトリウム/酢酸緩衝液を含む。持続放出製剤または「デポ」低放出製剤は、製剤の治療的な効果量が経皮的注射または送達後数時間または数日かけて血流に送達されるように使用される。
【0132】
概して、NMXペプチド、FNXペプチドまたはNMX受容体作用薬の治療的または予防上の有効量は、被験者の年齢、体重、疾病または代謝条件あるいは疾患の状態もしくは重度により決定される。例えば、『Remington's Pharmaceutical Sciences 697-773』を参照。また、『Wang and Hanson, Parenteral Formulations of Proteins and Peptides: Stability and Stabilizers, Journal of Parenteral Science and Technology, Technical Report No. 10, Supp. 42:2S(1988)』を参照。典型的に、約0.001ug/体重kg〜約1000ug/体重kgの投与量が適用されるが、熟練の医師が認識する通り投与量は多少増減する。投与は、1日1回以上、あるいはより少ない回数でもよく、また本明細書に記載されるその他の組成物と併用されてもよい。本発明は、本明細書に列挙される投与に限定されないことに留意されたい。
【0133】
適切な投与量は、関連する用量-反応データと併せて、代謝条件あるいは疾患の程度を決定するために確立された分析の実施を通して確定されてもよい。最終用量は、例えば薬品の特定作用、損傷の重度および患者の反応、年齢、状態、体重、性別、食習慣、感染症の重度、投与時間およびその他の臨床学的因子など、薬品の作用を変更する要因を考慮して担当医によって決定される。
【0134】
効果的用量は典型的に、体重50kgの患者には約1〜30ugの範囲で1日約5mg、または約10〜30ugの範囲で1日約2mg、および追加の実施形態においては約5〜100ugの範囲で1日約1mg、あるいは1日約5ug〜約500ugが、単回投与あるいは分割投与あるいは継続的な制御放出により提供される。例示的投与量は、1回1kgあたり0.01〜100ugの範囲である。栄養素利用率、食物摂取量、体重の抑制、血糖あるいは血漿中脂質の低下、あるいは血圧低下および上昇が望ましい場合、例えば症状の初発兆候が見られた場合、あるいは肥満症、糖尿病、インスリン抵抗症候群、高血圧あるいは低血圧の診断を受けた直後に投与を開始する必要がある。投与は、例えば注射(例、皮下あるいは筋肉内)、経口、経鼻、経皮など、いずれの経路を介してもよい。例えば経口投与など、特定の経路による用量は、低下した生物学的利用能を明らかにするために例えば約5〜100倍増加してもよい。
【0135】
製剤処方が非経口的に投与される一実施形態において、組成物は1日に0.01ug/kg〜100mg/体重kg、あるいは1回の投与に約0.01ug/kg〜約500ug/kg、約0.05ug/kg〜約250ug/kgあるいは約50ug/kg以下の範囲のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬の用量を送達するように調剤される。別の例示的投与量は、1日に0.1mg/kg〜約50mg/体重kgの範囲内である。別の例示的投与量は、1日に0.1mg/kg〜約50mg/体重kgの範囲内である。これらの範囲にある用量は、当然のことながらそれぞれの類似体または誘導体の効果により変化し、当業者により決定されうる。用量を考慮するための例示的体重は、約40、50、60、70、80、90、100kgあるいはそれ以上であってもよい。非経口投与は、初期注射に続き、製剤の治療的血中濃度を維持するために継続的注入が実施されてもよい。当業者は、豊富な医療経験および各患者の臨床症状により、効果的用量および投与量を容易に最適化することができる。
【0136】
一実施形態において、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬は、少なくとも1つのその他の肥満症緩和化合物とともに投与される。かかる薬物は、空腹抑制、食欲制御、代謝向上などを含むがそれらに限定されない数多くの任意の手段によりこの効果を有することができる。少なくとも1つのその他の薬物によって体重が減少しうる。少なくとも1つのその他の薬物は、注射または継続的投薬として投与することが可能である。「共に投与される」とは、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬が、第2の肥満症緩和化合物とともに単回投与として、同時に個別投与として、あるいは化合物の投与が秒、分、あるいは時間別に分割される場合に連続投与されることを意味する。連続投与とは、第2の肥満症緩和化合物の前後に、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを指す。追加的な態様において、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬は、第2の肥満症緩和化合物の30分前後に投与され、さらに、第2の肥満症緩和化合物の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、あるいは12時間前あるいは後に投与され得る。
【0137】
従って、本発明の方法において、ポリペプチドは個別に、あるいは長期または短期作用、あるいは補助的作用を示す1つ以上の他の化合物および組成物とともに、すなわち併用あるいは補助療法として投与することができる。例えば、付加的な化合物が栄養素利用性を減少するNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬に添加されてもよく、それらの化合物はアミリンまたはアミリン類似作用薬、サーモンカルシトニン、コレシストキニン(CCK)、またはCCK作用薬、レプチン(OBプロテイン)またはレプチン作用薬、エキセンディンまたはエキセンディン作用薬もしくは類似作用薬、またはGLP-1もしくはGLP-1作用薬、または類似作用薬、あるいはPYYまたはPYY作用薬もしくは類似体、あるいはPYY関連ポリペプチドを含むがこれに限定されない。好適なアミリン作用薬は、例えば[25,28,29Pro]-ヒトアミリン(「プラムリンタイド」とも称され、米国特許第5,686,511号および5,998,367号に開示される)を含む。使用されるCCKは例えば、CCKオクタペプチド(CCK-8)である。レプチンは、例えば『Pelleymounter他(1995)Science 269:540-543』、『Halaas他(1995)Science 269:543-546』および『Campfield他(1995)Science 269:546-549』に記載される。好適なエキセンディンは、エキセンディン-3、エキセンディン-4、および例えばPCT出願WO99/07404、WO99/25727およびWO99/25728に記載されるものを含む、エキセンディン作用薬化合物を含む。好適なPYYポリペプチドおよび類似体は、米国特許第60/543,406号および第60/543,407号、PCT出願WO03/026591およびWO03/057235に記載されるものを含む。追加の肥満症緩和化合物および減食薬は、シブトラミン、オリスタッド、レプチン、アミリン作用薬およびリモナバンを含む。
【0138】
本明細書で提供される方法に従い、少なくとも1つのその他の肥満症緩和化合物(あるいは抗肥満薬)あるいは減量薬とともに投与される場合、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬は、(1)共に調剤され、複合調剤で投与あるいは同時送達される、(2)変更により送達、あるいは個別製剤として並行して送達される、または(3)当該技術分野で公知である任意の複合治療用量によってもよい。代替治療で送達される場合、提供される方法は、例えば個別溶液、乳濁液、懸濁液、タブレット、ピルまたはカプセル、あるいは個別シリンジャーでの注射による、活性成分の連続投与または送達を含んでもよい。一般的に、代替治療中、各活性成分の効果的用量は連続して、すなわち連続的に投与される一方、同時治療では、2つ以上の活性成分の効果的用量が同時に投与される。また断続的な併用療法もさまざまな順序で実施される。
【0139】
それゆえ、一つの態様において、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬は、肥満症あるいは摂食障害および状態の管理、予防あるいは治療を目的とした併用治療の一部として使用されてもよい。摂食を制御し、肥満症を治療し、体重を減少するための併用治療の一環として使用される化合物は、抗うつ薬(ブプロピオン)、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(GW320659)、選択的セロトニン2c受容体作用薬、選択的5HT 2c受容体作用薬、発作抑制薬(トピラメート、ゾニサミド)、いくつかのドーパミン拮抗薬、およびカンナビノイド-1受容体拮抗薬(CB-1受容体拮抗薬)(リモナバン)を含む、神経伝達または神経イオンチャンネルに影響を与える中枢神経系薬剤と、レプチン類似体、レプチン輸送および/またはレプチン受容体プロモーター、毛様体神経栄養性因子(アクソキン(Axokin))、神経ペプチドYおよびアグーチ関連ペプチド拮抗薬、プロオピオメラノコルチンおよびコカインおよびアンフェタミン規制転写プロモーター、アルファ-メラニン形成細胞-刺激ホルモン類似体、メランコルチン-4受容体作用薬、およびタンパク質-チロシンホスファターゼ-1ベータ阻害剤、ペルオキシソーム増殖剤活性受容体-7受容体拮抗薬、短期作用ブロモクリプチン(エルゴセット)、ソマトスタチン作用薬(オクトレオチド)、およびアディポネクチン/Acrp3O(ファモキシン(Famoxin)あるいは脂肪酸代謝的酸化誘導因子)を含む、インスリン代謝/活性に影響を与える薬剤を含むレプチン/インスリン/中枢神経経路薬剤と、活性(CCK)、PYY活性、NPY活性およびPP活性を増加させ、グルカゴン類似ペプチド-l活性(エキセディン4、リラグルチド、ジペプチジルペプチダーゼW阻害剤)を増加させ、グレリン活性およびアミリン類似体(プラムリンタイド)を減少させる薬剤を含む胃腸神経経路製剤と、安静時代謝率を増加させる製剤(選択的I-3刺激薬/作用薬、脱共役タンパク質ホモログ、および甲状腺受容体作用薬)と、メラニン凝集ホルモン拮抗薬、フィトステロール類似体、機能油、P57、アミラーゼ阻害剤、成長ホルモン残留物質、デヒドロエピアンドロステロンサルフェイトの合成類似体、含脂肪細胞11ベータ-ヒドロキシステロイド脱水素酵素タイプ1の拮抗薬、副腎皮質刺激ホルモン-放出ホルモン作用薬、脂肪酸合成阻害剤(セルレニンおよびC75)、カルボキシペプチダーゼ、阻害剤、インダノン/インダノル、アミノステロール(トロダスケミン(trodusquemine)/トロジュラミン(trodulamine)、およびその他の胃腸系リパーゼ阻害剤(ATL962)を含むその他のより多様な製剤と、デキストロアンフェタミンなどのアンフェタミンと、フェンテルミン、ベンズフェタミン、フェンジメトラジン、マジンドール、およびジエチルプロピオンを含む、その他の交感神経様アドレナリン作用薬を含むがこれに限定されない。
【0140】
その他の化合物は、エコピパム(ecopipam)、オキシントモジュリン(OM)、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)の阻害剤、ガストリン放出ペプチド、ニューロメジンB、エンテロスタチン、アンフェブタモン、SR-586 11、CP-045598、AOD-0604、QC-BT1 6、rGLP-l、1426(HhlVIR-1426)、N-5984、ISIS-i 13715、ソラベグロン(solabegron)、SR-147778、Org-34517、メラノタンII、セチュイスタット(cetiuistat)、c-2735、c-5093、c-2624、APD-356、ラダファキシン、フルアステロン、GP-389255、856464、S-2367、AVE-1625、T-71、オレオイル-エストロン、ペプチドYY(3-36)経鼻投与、アンドロゲン受容体作用薬、PYY 3-3 6、DOV-102677、タガトース、SLV-3 19、1954(Aventis Pharma AG)、オキシントモジュリン、チアキス、ブロモクリプチン、PLIVA、糖尿病/高脂血症治療、イッサム、CKD-502、甲状腺受容体ベータ作用薬、ベータ-3アドレナリン受容体作用薬、CDK-A 作用薬、ガラニン拮抗薬、ドーパミンD1/D2作用薬、メラノコルチンモジュレーター、ベロンガミン、神経ペプチドY拮抗薬、メラニン凝集ホルモン受容体拮抗薬、2重PPARアルファ/ガンマ作用薬、CGEN-P-4、キナーゼ阻害剤、ヒトMCH受容体拮抗薬、GHS-R拮抗薬、グレリン受容体作用薬、DG7O阻害剤、コチニン、CRF-BP阻害剤、ウロコルチン作用薬、UCL-2000、インペンタミン、3-3アドレナリン受容体、ペンタペプチドMC4作用薬、トロダスケミン(trodusquemine)、GT-20 16、C-75、CPOP、MCH-l受容体拮抗薬、RED-i 03004、アミノステロール、オレキシン-1拮抗薬、神経ペプチドY5受容体拮抗薬、DRF-4158、PT-i 5、PTPase阻害剤、A372 15、SA-0204、糖脂質代謝、MC-4作用薬、プロジュレスタン(produlestan)、PTP-1 B 阻害剤、GT-2394、神経ペプチドY5拮抗薬、メラノコルチン受容体モジュレーター、MLN-4760、PPARガンマ/デルタ2重作用薬、NPY5RA-972、5-HT2C受容体作用薬、神経ペプチドY5受容体拮抗薬(ジェニル尿素類似体(jhenyl urea analogs))、AGRPIMC4拮抗薬、神経ペプチドY5拮抗薬(ベンズイミダゾール)、グルココルチコイド拮抗薬、MCHR1拮抗薬、アセチル-CoAカルボキシラーゼ阻害剤、R-1496、HOB 1モジュレーター、NOX-B 11、ペプチドYY 3-36(エリゲン)、5-HT 1モジュレーター、膵リパーゼ阻害剤、GRC-1087、CB-l拮抗薬、MCH-1拮抗薬、LY-448 100、ボンベシンBRS3作用薬、グレリン拮抗薬、MC4拮抗薬、ステアロイル-CoAデサチュラーゼモジュレーター、H3ヒスタミン拮抗薬、PPARpan作用薬、EP-0 1492、ホルモン感受性リパーゼ阻害剤、脂肪酸結合蛋白4阻害剤、チオラクトン誘導体、タンパクチロシンリン酸酵素lB阻害剤、MCH-1拮抗薬、P-64、PPARガンマリガンド、メラニン凝集ホルモン拮抗薬、チアゾール胃運動促進薬、PA-452、T-226296、A-33 1440、immunodrugワクチン、糖尿病/肥満症治療(Bioagency, Biofrontera Discovery GmbH)、P-7(ゲンフィット)、DT-0 11 M、PTP 1 B阻害剤、抗糖尿病ペプチド複合体、KATP作用薬、肥満症治療(Lexicon)、5-11T2作用薬、MCH-1受容体拮抗薬、GMAD-1/GMAD-2、STG-a-MD、神経ペプチドY拮抗薬、血管形成阻害剤、G タンパク質共役受容体作用薬、ニコチン性治療(ChemGenex)、抗肥満薬(Abbott)、神経ペプチドYモジュレーター、メラニン凝集ホルモン、GW-594884A、MC-4R作用薬、ヒスタミン113拮抗薬、オーファンGPCRモジュレーター、MITO-3 108、NLC-002、HE-2300、IGF/IBP-2-l3、5-HT2C作用薬、ML-22952、神経ペプチドY受容体拮抗薬、AZ-40 140、抗肥満症治療(Nisshin Flour)、GNTI、メラノコルチン受容体モジュレーター、; アルファアミラーゼ阻害剤、神経ペプチドYl拮抗薬、ベータ-3アドレナリン受容体作用薬、肥満遺伝子産物(Eli Lilly & Co.)、SWR-0342-SA、ベータ-3アドレナリン受容体作用薬、SWR-0335、SP-l 8904、経口インシュリン模倣剤、ベータ3アドレナリン受容体作用薬、NPY-l 拮抗薬、I-3作用薬、肥満症治療(7TM Pharma)、11-ベータ-ヒドロキシステロイドテヒドロゲナーゼ(HSD)1阻害剤、QRX-43 1、E-6776、RI-450、メラノコルチン-4拮抗薬、メラノコルチン4受容体作用薬、肥満症治療(CuraGen)、レプチン模倣剤、A-74498、第2世代レプチン、NBI-103、CL-3 14698、CP-l 14271、ベータ-3アドレナリン受容体作用薬、N)Vll-8739、UCL-1283、BMS-l92548、CP-94253、PD-160170、ニコチン性作用薬、LG-100754、SB-226552、LY-355124、CKD-7 11、L-75 1250、PPAR阻害剤、G-タンパク質治療、肥満症治療(Amylin Pharmaceuticals Inc.)、BW-1229、モノクローナル抗体(ObeSys/CAT)、L-74279 1、(S)-シブトラミン、MBU-23、YM-268、BTS-78050、管状タンパク質遺伝子、ゲノミクス(接触障害、Allelix/Lilly)、MS-706、GI-264879A、GW-409890、FR-79620類似体、肥満症治療(Hybrigenics SA)、ICI-198157、ESP-A、5-HT2C作用薬、PD-170292、AIT-202、LG-10064l、GI-181771、抗肥満治療(Genzyme)、レプチンモジュレーター、GHRH模倣剤、肥満症治療(Yamanouchi Pharmaceutical Co. Ltd. [山之内製薬株式会社])、SB-25 1023、CP-33 1684、BIBO-3304、コレステノン-3-ones、LY-3 62884、BRL-48962、NPY-1拮抗薬、A-71 378、(登録商標)-ジデスメチルシブトラミン、アミデ誘導体、肥満症治療(Bristol-Myers Squibb Co.)、肥満症治療(Ligand Pharmaceuticals Inc.)、LY-226936、NPY拮抗薬、CCK-A作用薬、FPL-14294、PD-145942、ZA-7114、CL-316243、SR-58878、R-1065、BIBP-3226、HP-228、タリベグロン(talibegron)、FR-165914、AZM-008、AZM-016、AZM-120、AZM-090、ボメロフェリン、BMS-187257、D-3800、AZM-131、遺伝子発見(AxyslGlaxo)、BRL-26830A、SX-0 13、ERRモジュレーター、アジプシン、AC-253、A-7 1623、A-68552、BMS-210285、TAK-677、MPV-1743、肥満症治療(Modex)、GI-248573、AZM-134、AZM-127、AZM-083、AZM-132、AZM-1 15、エクソピパム(exopipam)、SSR-125180、肥満症治療(Melacure Therapeutics AB)、BRL-35 135、SR-1461 31、P-57、AZM-140、CGP-7 1 583A、RF-105 1、BMS-1 96085、マニファキシン(manifaxine)、ベータ-3作用薬、DMNJ(Korea Research Institute of Bioscience and Biotechnology)、BVT-5 182、LY-255582、SNX-024、ガラニン拮抗薬、ニューロキニン-3拮抗薬、デクスフェンフルラミン、マジンドール、ジエチプロピオン、フェンジメトラジン、ベンズフェタミン、アンフェブトモン(amfebutmone)、セルトラリン、メトホルミン、AOD-9604、ATL-062、BVT-933、GT389-255、5LV319、HE-2500、PEG-アクソキン(axokine)、L-796568およびABT-239を含む。
【0141】
いくつかの実施形態において、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬ペプチドと併用して使用される化合物は、リモナバン、シブトラミン、オリスタッド、PYYまたはその類似体、CB-i拮抗薬、レプチン、フェンテルミン、およびエキセンディンン類似体を含む。例示的用量範囲は、フェンテルミン樹脂(朝30mg)、フェンフルラミン塩酸塩(20mg を1日3回)、およびフェンテルミン樹脂(朝15mg)とフェンフルラミン塩酸塩(夜食前に30mg)の併用、およびシブトラミン(10-20mg)である。Weinfraub他(1984)Arch. Intern. Med. 144:1143-1148.
【0142】
薬学的化合物および治療方法は、医薬品および動物薬の分野に有益であることが、理解されるであろう。従って、治療される対象は、例えばヒトあるいはその他の動物など、哺乳類となる。動物薬においては、対象は、例えば、牛、羊、豚、馬および山羊などの家畜、犬および猫などのペット、珍しい動物および/または動物園にいる動物、マウス、ラット、ウサギ、テンジクネズミおよびハムスターなどの実験動物、および鶏、七面鳥、鴨およびガチョウなどの養鶏を含む。
【0143】
さらに、本発明は、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬、薬学的用途に該化合物を調製するに適切な組成物、薬学的用途に該化合物および組成物を使用する際の説明書を含む、キットを考慮する。
【0144】
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【0162】
本発明の理解を助けるために、以下の実施例が含まれる。実施例は、NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬(誘導体を含む)の調製および生体外および/または生体内試験を例示する。本発明に関する実験は、当業者の範囲内にある、公知あるいは後に開発される、本発明およびその変更形態を具体的に限定するものではない。
【0163】
実施例
実施例1.カロリー摂取量削減ポリペプチドの合成
ポリペプチドは、標準ポリペプチド合成法により、合成され得る。これらの方法は、下記および米国特許第6,610,824号および米国特許第5,686,411号に開示され、参照することによりその全体を本明細書に組み入れる。
【0164】
ポリペプチドは、Fmoc保護アミノ酸(Applied Biosystems, Inc.)を使用して、4-(2'-4'-ジメトキシフェニル)-FmocアミノメチルフェノキシアセトアミドノルロイシンMBHA樹脂(Novabiochem、0.55mmole/g)に組み立てられる。一般的に、一重結合循環は合成を通して使用され、Fast Moc(HBTU活性)化学が使用される。しかしながら、いくつかの位置で、結合は予測より非効果的であり、ニ重結合が必要となる。同様に、ピペリジンを使用して、成長ペプチド鎖の脱保護(Fmoc基除去)は必ずしも効果的とは限らず2重脱保護を必要とすることがある。完全ペプチド樹脂の最終脱保護は、標準法に従い(Introduction to Cleavage Techniques, Applied Biosystems, Inc.)、トリエチルシラン(0.2mL)、エタンジチオール(0.2mL)、アニソール(0.2mL)、水(0.2mL)およびトリフルオロ酢酸(15mL)の混合物を使用して獲得される。ペプチドは、エーテル/水(50mL)で沈殿され、遠心される。沈殿は、氷酢酸で再構成され、凍結乾燥される。凍結乾燥されたペプチドは、水で溶解される。粗純度がその後決定される。
【0165】
溶媒A(水に0.1%TFA)および溶媒B(ACNに0.1%TFA)が、精製および分析ステップで使用される。種々のポリペプチドを含有する溶液は、調製C-18カラムに適用され、精製される(溶液A内に10%から40%の溶液Bを40分以上)。留分の純度は、C-18分析カラムを使用して、アイソクラティック溶出により決定される。純粋な留分は、貯留し、上記特定されたペプチドを提供する。保持時間を決定する凍結乾燥されたペプチドの分析的RP-HPLC(溶液A内に30%から60%の濃度勾配の溶液Bを30分以上)。
【0166】
ペプチドは、以下の様にも、合成される。
ポリペプチドは、0.2mmol/g(0.25mmole scale)を装填したPAL-PEG-PS樹脂(Applied Biosystems)を利用して、パイオニア定量ペプチド合成機(Applied Biosystems)上で、合成され得る。Fmocアミノ酸(4.0eq、1.0mmol)残渣は、4.0eq HBTU、HOBTの4.0同等、DIEAの8.0同等を使用して活性化され、樹脂に1時間結合された。Fmoc基は、ジメチルホルムアミド内の20%(v/v)ピペリジンと処理することで、除去された。固体支持体からのペプチドの最終脱保護および開裂は、2〜3時間、樹脂を試薬B(93%TFA、3%フェノール、3%水および1%トリイソプロピルシラン)と処置することで実施された。開裂されたペプチドは、タートブチルメチルエーテルを使用して沈殿され、遠心により沈渣化され、凍結乾燥された。沈渣は、水(10〜15mL)で再溶解され、C-18カラムおよび0.1%TFAを含有するアセトニトリル/水濃度勾配を使用して、逆相HPLCを介し、ろ過および精製された。精製された産物は、凍結乾燥された後、ESI-LC/MSおよび分析HPLCにより分析され、純度を呈した(>98%)。質量の結果はすべて、計算値と一致した。
【0167】
あるいは、ペプチドは、0.050〜0.100mmolで0.43〜0.49mmol/gを装填したRinkアミド樹脂(Novabiochem、カリフォルニア州サンディエゴ)を利用して、SymphonyRペプチド合成機(Protein Technologies, Inc., Woburn, MA)上で、組み立てられた。Fmocアミノ酸(Applied Biosystems, Inc. 5.0eq、0.250〜0.500mmol)残渣は、l-メチル-2-ピロリジノンで0.10Mの濃度で、溶解された。その他のすべての試薬(HBTU、HOBTおよびN,N-ジイソプロピルエチルアミン)は、0.55Mジメチルホルムアミド溶液として調製された。Fmoc保護アミノ酸はその後、、HBTU(2.0eq、0.100〜0.200mmol)、HOBT(1.8eq、0.090〜0.18mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.4eq、0.120〜0.240mmol)を利用して、樹脂に2時間結合された。最後のアミノ酸結合に続き、ペプチドは、ジメチルホルムアミド内の20%(v/v)ピペリジンを使用して1時間脱保護された。ペプチド配列が完了すると、SymphonyRペプチド合成機は樹脂を開裂するようプログラムされる。樹脂からのペプチドのトリフルオロ酢酸(TFA)開裂は、93%TFA、3%フェノール、3%水および1%トリイソプロピルシランから構成される試薬混合物を使用して実施された。開裂されたペプチドは、タートブチルメチルエーテルを使用して沈殿され、遠心により沈渣化し、凍結乾燥された。沈渣は、酢酸で溶解され、凍結乾燥された後、C18カラムおよび0.1%TFAを含有するアセトニトリル/水濃度勾配を使用して、逆相HPLCを介し、ろ過および精製された水で溶解された。分析HPLCは、ペプチドの純度を評価するために使用され、同定はLC/MSおよびMALDI-MSにより確定された。
【0168】
実施例2.カロリー摂取量への効果
全身投与された場合の、NMXペプチド、FNXペプチドまたはNMX受容体作用薬の効果を、急性食糧摂取分析を利用して、調査した。この分析では、細身である対象の食糧消費を測定した。細身であり、集団飼育、一晩絶食したNIH/Swissマウス。すべての生体内試験は、ペプチドの末梢投与で実施された。FN38は全身投与されると、記述の通り、用量依存的に食糧摂取量を抑制した。用量−応答データを、本明細書に提示する。プロトコルを下記に記載する。
【0169】
メスのNIH/Swissマウス(生後8〜24週間)は、03:00に光がつき、12:12の明暗サイクルで集団で飼育された。特に指定がない限り、水および標準ペレット化されたマウスコントロール食が任意で利用可能である。動物は、実験1日前、約1530時間から絶食する。
時間=0分、すべての動物は、1匹のマウスにつき200uLの賦形剤またはポリペプチドが腹腔内投与され、その直後にあらかじめ測定された量(10〜15g)の標準食が与えられる。食糧を除去し、消費した食事量を判断するために、30、60、および120分後に測定した。食糧摂取量への治療効果を、対照に相対して%変化と表わす。
【0170】
図1A、1B、および1Cで見られる通り、種々の化合物は、投与後30分で、用量依存的に食糧摂取量を削減した。
【0171】
以下の表は、提示された用量でFN38を末梢投与(腹腔内投与)した際に、削減された食糧摂取量を示す。30、60、および120分時点でのデータは、賦形剤と比較した場合の、累積食糧摂取量の減少率を表わす。(図2A、2Bおよび2Cも参照)。
【0172】
【表12】

【0173】
30分間にわたる食糧摂取量へのFN38の効果に関するED50は、8.6nmol/kgであった。ラットU-23は非効果的であったが(摂取量-60%減に対し、FN38およびSN23では>−90%)、FN38(ED50 6.2 nmol/kg)と同等の効果を示した。カエルホモログSN23は完全に効果的であり、同等の効果があった(ED50 9.0nmol/kg)。
【0174】
逆に、文献で報告されている強力なNMU1RおよびNMU2R作用薬との表記にもかかわらず、本明細書の食糧摂取量分析では、ブタU-8およびU-9(GYFLFRPRNアミド)はともに活性ではなかった(図3を参照、データは図示せず)。U-8は、FN38、rNMU23あるいはSN23のED50よりも100倍高い、100〜1000°μg/kg(最高900°nmol/kg)の用量で非活性であった。U9は、長時間作用薬のED50より20倍高い、最高170°nmol/kgの用量で、非活性であった。U-8とrNMU-23の効果の差異は少なくとも、1000倍であった。
【0175】
U8/U9の効果がない場合、ペプチダーゼ開裂への脆弱性の増加など、長時間ペプチドでは生じないこれらのペプチドの一部の特定の分解/障害によって、説明がつけられる。しかしながら、複数の生体内血行力学的効果において、静脈内ボーラス注入後、イヌを対象にした場合、U8はU25よりも強力であると認められたため(Gardiner他 1990;Sumi他 1987)、発表された報告に基づき、U-8の加速分解は、生体内での効果の欠如を説明するものではない。しかしながら、生体内、血漿中での連続MS分析を使用して、本発明で評価される段階的分解は、急速分解を呈する。本明細書において、食欲減退作用の欠如(マウスにおいて)を認めた用量は、イヌを対象にした最大生体内血行力学的効果における低U8量よりも1〜2桁高かった(Sumi他 1987)。ラットの場合、U-25およびU-8ボーラス投与(0.1および1.0nmol)あるいは注入(1および10nmol/h)は、上腸間膜血管床に強力な収縮効果を及ぼすが、U-25は概してU-8よりも強力で、その差異は概して3倍以下であった(Gardiner他 1990)。
【0176】
FN38は、腹腔内投与した場合、一晩絶食したラットの食糧摂取量を抑制する効果を呈した。(図4A、4Bおよび4Cを参照)。賦形剤中のFN38(生理食塩水に10%DMSO)を、0.1から1.5mg/kgで投与した。30分および60分時点における、グラム単位および賦形剤のパーゼントでの食糧摂取量を、図4Aおよび4Bにそれぞれ表わす。図4Cは、時間と消費された食糧をグラムで記した同一データを表わす。その結果は、自発運動増加作用によるものではない(データは図示せず)。
【0177】
本明細書に記載されるとおり、種々のNMXペプチドを検査した結果、全身投与した際、食糧摂取量の削減に効果を有することが明らかとなった。ヒトニューロメジンU-25、配列FRVDEEFQSPFASQSRGYFLFRPRN-NH2(配列番号: ____)は、少なくとも91%食糧摂取量を削減した。マウスの腹腔内に投与された、ラットU-23、配列YKVNEYQGPVAPSGGFFLFRPRN-NH2(配列番号:____)は、最高66%食糧摂取量を削減した。ED50は、30分の時点で、6.2 nmol/kgであった。この用量が頭蓋外領域に瞬時に分散された場合、U25濃度は6.2nMである。これはラットの食糧摂取量30%削減に効果をもたらすために不可欠な10μgのICVと比較され得る(Howard他 2000a)。ラットの2cc頭蓋内全体に瞬時に分散された場合(400gのラットの文献値)、10μgのU-25は、1.9μMの濃度を引き出す。すなわち、推定濃度基準において、U-25は末梢投与された場合より、中枢投与(i.c.v.)される場合の方が、約300倍弱力であった。逆に言えば、U25は、中枢投与よりも末梢投与の方が300倍強力であった。文献で見られる現在の見解に反して、本明細書での結果は、血液脳関門内部よりも外部に位置する、摂食に関連性のある受容体と、一貫性を有する。
【0178】
カエルNMUホモログ(SN23)もまた、効果的な食欲減退物質であり、最高95%食糧摂取量を削減した。興味深いことに、15アミノ酸FN38 N-末端がSN23 N末端(化合物165063)を先行するFN38-SN23キメラは、少なくとも89%食糧摂取量を削減したが、FN38は64%の削減を誘発した。
【0179】
NMSあるいはIN33(化合物No.165050、ILQRGSGTAAVDFTKKDHTATWGRPFFLFRPRN-NH2(配列番号 ____)とも称される、ニューロメジンSは、7アミノ酸N-末端を、NMU、FN-38、U-23、U-25、U-8およびU-9と共有し、食糧摂取量の削減にも効果があった(少なくとも-64%)。
【0180】
実施例3:肥満動物の体重および食糧摂取量における化合物の活性
肥満である対象の体重および食糧摂取量におけるFN38および関連化合物の効果が調査された。食餌性肥満のマウス(DIO)が使用された。すべての生体内試験は、ペプチドの末梢投与で実施された。記述の通り、末梢投与すると、FN38は用量依存的に体重を減少させ、食糧摂取量を抑制した。
【0181】
生後4週間のオスのC57BL/6マウスは、特に指定がない限り、任意に利用可能な水および標準ペレット化されたマウスコントロール食で、集団飼育され、実験前の4週間は高脂肪の食事が与えられた(脂肪からのキロカロリー58%)。肥育期間が終了すると、浸透圧ポンプを麻酔下で肩甲骨間に移植した。マウスは、指示された用量の賦形剤(水あるいは生理食塩水内に50%DMSO)あるいはポリペプチドを継続的に送達するポンプを得た。食糧摂取量および体重の測定値は毎週取得された。
【0182】
マウスDIOにおいて、FN38は、2dで体重6.5%、7dで4.3%減少させた。SN23は、マウスDIOに長時間作用型効果を有さなかった。追加NMXペプチドおよびFNXペプチドは、以下の表に提示される通り、所望の減量をもたらした。
【0183】
【表13】

【0184】
ラットNMU-23およびアマガエルSN-23はともに、DIO分析により75nmol/kg/日で、体重増加および食糧摂取量を減少させたが、FN38ほどの効果はなかった。
【0185】
図5は、食餌性肥満のラット(ラットDIO))へのFN38アミドおよびラットNMU-23アミドの末梢投与による累積体重増加の減少を表わす。両化合物を、指示される通りの投与回数および用量で、7日間ポンプで継続的に皮下投与した。
【0186】
図6AおよびBは、マウスDIOへの例示的FNXペプチド投与による、累積食糧摂取量の減少を示す。以下の化合物の活性を示す。A, [MimicB36]FN38、B, [His37]FN38、C, [His35]FN38、D, [Phe33]FN38、E, [Val33]FN38、F, デス-(Ser6,Lys7,Thr8,Gln9)FN38、G, デス-Val16,Val17-FN38、H, [Phe31]FN38、I, デス-(Val16,Val17,Phe24,Ala25,Ser26,Gln27)FN38、J, デス-(Phe1,Leu2,Phe3,His4)FN38、およびK, デス-(Phe24,Ala25,Ser26,Gln27)-FN38。 この特定の分析において、化合物A、B、C、およびDは、非活性であるか、あるいは弱活性であった。これらのポイントは、n=4ケージの平均± sdを表わす(マウス3匹/ケージ)。ペプチドにt=0でIPを注入した。注入直後、食糧が与えられ、消費量がt=30、60、120、および180分で測定された。 図において、賦形剤対照に対し、*p<0.05、ANOVA、ダネット検定。
【0187】
図7Aおよび7Bは、マウスDIOへの例示的FNXペプチド投与による、累積食糧摂取量の減少を示す。P, デス-(Lys7-Pro23)FN38、Q, デス-(Val16-Arg29)、R, デス-(Val16-Gln27)FN38、およびS, デス-(Val16,Val17,Phe24-Gln27)-[Lys35]FN38。
【0188】
実施例4.化合物のペプチダーゼ安定性
一部の例示的なNMXペプチドおよびFNXペプチドは、本明細書に開示される通り、刷子縁膜(BBM)で安定性を検査された。結果を上記の表に提示する。ペプチドホルモンの酵素安定性を決定するために、ペプチドはヒト刷子縁膜抽出(例:腎臓)の調合液とインキュベートされ、ペプチドの安定性は特定の間隔で無傷ペプチドの濃度を測定することで決定される。刷子縁膜抽出は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)、中性エンドペプチダーゼ、ペプチジル−ジペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼおよびアミノペプチダーゼを含有する。これらは、生体内のペプチドを分解し、腎臓、肝臓、肺および膵臓で見られる、一次酵素である。ヒトプロテアーゼへの耐性は、ペプチド半減期を増加する。
【0189】
BBM分析試験において、ペプチドは、例えば腎臓など、ヒト刷子縁膜抽出物で、五(5)時間37℃で温浸される。所望の時点で、典型的に50%ACNおよび1%FAの急冷溶液の添加により、温浸を停止した。膜片を除去するために遠心した後、浮遊物は、対象となる無傷分子の選択されたイオン走査を利用して、質量分析にかけられた。数値は、安定率として表される。少なくとも80以上の数値は、超安定分子と評価される。少なくとも70以上の数値は、高い安定性を有する分子である。
【0190】
FN38は、エキセンディンン-4と類似する耐性を、DPP-IVに対して有し、GLP-1が完全にその非活性代謝体に開裂する条件下で、DPP-IVと50分間接触した後、原則的に100%無傷となる。ペプチドおよびペプチダーゼは、10mMのペプチドで37℃に設定された25mMのHEPES緩衝液内でインキュベートした。
【0191】
本発明は、実施例および実施形態に基づいて説明されてきたが、請求項で定義される変更形態および変更が実施されることは当業者には理解されるであろう。本明細書に記載されるすべての文書は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0192】
【図1A】図1Aは、食糧摂取量抑制における30分後のラットNMUの生体内効能を示す。
【図1B】図1Bは、食糧摂取量抑制における30分後のFN-38の生体内効能を示す。
【図1C】図1Cは、食糧摂取量抑制における30分後のSN-23の生体内効能を示す。
【図2A】図2Aは、30分後に測定した、食糧摂取量におけるFN-38の用量反応を示す。
【図2B】図2Bは、60分後に測定した、食糧摂取量におけるFN-38の用量反応を示す。
【図2C】図2Cは、120分後に測定した、食糧摂取量におけるFN-38の用量反応を示す。
【図3】図3は、ラットNMU-23、U-8(ブタ)、およびU-9(ラット)の食欲減退作用の比較を示す。
【図4A−C】図4A、4B、および4Cは、一晩絶食したラットの腹腔内に与えた際の食糧摂取量を抑制するFN38の効果を表わす。
【図5】図5は、食物由来の肥満症であるラット(ラットDIO)にFN38アミドおよびラットNMU-23アミドを長期にわたって末梢投与することによる、累積体重増加の減少を表わす。
【図6A−B】図6AおよびBは、食物由来の肥満症であるマウス(マウスDIO)にFN38類似体を末梢投与することによる、累積体重増加の減少を表わす。
【図7A−B】図7Aおよび7Bは、食物由来の肥満症であるマウス(マウスDIO)にFN38類似体を末梢投与することによる、累積体重増加の減少を表わす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
FNXペプチドを含むポリペプチドであって、前記FNXペプチドは、式(I):F1-Pのアミノ酸配列を含み、F1-Pは、F1セグメントおよびPセグメントの結合であり、Pは、F1に付着し、全身に送達される場合に食糧摂取量抑制、体重の減少、および/または満腹信号または膨張信号の誘発を提供できるオクタペプチドであり、F1は、P活性を増進または可能にするFN38またはその類似体、誘導体またはキメラのデス-オクタペプチド部分であり、GenBankアクセス番号AJ1510133(ヒト)、CAD52851(ラット)、CAD52850(カエル)、およびニワトリFN38に対応するポリペプチドは、F1-Pから除外されることを条件とする、ポリペプチド。
【請求項2】
F1-PがFN38である、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
前記FNXペプチドが、対象に末梢投与した場合に食物、栄養素、またはカロリー摂取量もしくは利用率の抑制または減少、あるいは食欲の減退もしくは抑圧を引き起こす能力を含む生物活性を有する、請求項1から2のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項4】
前記P部位が、FN38のC末端オクタペプチドに対応する天然ニューロメジンUペプチドのオクタペプチドのアミノ酸配列、またはその類似体、誘導体、あるいは活性フラグメントを含む、請求項1から3のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項5】
前記オクタペプチドが、ヒトGYFLFRPRNである、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項6】
前記オクタペプチドが、ブタRYFLFRPRN、ゼブラフィッシュGYFLYRPRN、カエル(_A34179)GYFVFRPRN、ラットGFFLFRPRN、またはヒキガエルPFFLFRPRNである、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項7】
前記P部位が、本明細書に具体的に開示されるオクタペプチド、またはその類似体、あるいは誘導体のアミノ酸配列を含む、請求項1から6のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項8】
前記オクタペプチドPが、FFFYHPHN、FFFFRRRN、FFFFKHHN、またはFFFFK(ベータターン模倣体)HNである、請求項7に記載のポリペプチド。
【請求項9】
前記F1部位が、天然FN38のデス-オクタペプチド(デス‐Pセグメント)、またはその類似体、あるいは誘導体である請求項1から8のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項10】
前記天然F1配列が、FLFHYSKTQKLGKSNVVEELQSPFASQSRである、請求項9に記載のポリペプチド。
【請求項11】
前記F1部位が、FN38(デス‐16,17)、FN38(デス‐24-27)、FN38(デス‐16,17)(デス‐24-27)、FN38(デス‐1-4)、FN38(デス‐6-9)、FN38(デス‐13-19)、FN38(デス‐2-8)、デス‐(Lys7-Pro23)FN38、デス‐(Val16-Arg29)FN38、デス‐(Val16-Gln27)FN38、およびデス‐(Val16,Val17,Phe24-Gln27)[K35]FN38、またはその類似体あるいは誘導体から選択されるデス-オクタペプチドである、請求項9に記載のポリペプチド。
【請求項12】
(デス‐16,17)FN38、(デス‐24-27)FN38、(デス‐16,17)(デス‐24-27)FN-38、(デス‐1-4)FN38、(デス‐6-9)FN-38、(デス‐13-19)FN38、(デス‐2-8)FN38、(デス‐Lys7-Pro23)FN38、(デス‐Val16-Arg29)FN38、(デス‐Val16-Gln27)FN38、および(デス‐Val16,Val17,Phe24-Gln27)[K35]FN38を含む、請求項1から11のいずれかに記載のFNXペプチド。
【請求項13】
前記F1部位がFLFHYSである、請求項9に記載のポリペプチド。
【請求項14】
前記FNXペプチドが、FLFHYSGYFLFRPRN、またはその類似体あるいは誘導体である、請求項13に記載のポリペプチド。
【請求項15】
前記FNXペプチドが、FLFHYSGYFLFRPRNまたはFLFHYSGYFLFRPRNアミドである、請求項14に記載のポリペプチド。
【請求項16】
前記FN15類似体が、[MimicB13]FN15、[MimicB13,Phe8]FN15、[Lys12]FN15、[Phe8]FN15、[Lys12,Phe8]FN15、またはそのアミド形態である、請求項14に記載のポリペプチド。
【請求項17】
GenBankアクセス番号AJ510133(ヒト)、CAD52831(ラット)、CAD52850(カエル)、およびニワトリFN38に対応する既知の仮想タンパク質を含む、天然FNXペプチドを含有する既知の仮想タンパク質は除外されることを条件とする、請求項1から16のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項18】
本明細書で提供される化合物A、化合物B、化合物C、および/または化合物Dを除外するということを条件とし、任意に前記P部位は、アルギニンと置換するヒスチジンを含有せず、さらに任意にプロリンと置換するベータターン模倣体を含有しないことを条件とする、請求項1から17のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項19】
FNXペプチドを含むポリペプチドであって、前記FNXペプチドは、式(II):F2-Pのアミノ酸配列を含み、Pは、F2部分に付着し、全身に送達される場合に食糧摂取量抑制、体重の減少、および/または満腹信号、あるいは膨張信号を提供できるオクタペプチドであり、F2は、P活性を増進または可能にするFN38およびSN23のキメラ、またはその類似体あるいは誘導体のデス-オクタペプチド部分である、ポリペプチド。
【請求項20】
F2が、FN38(1-15)-SN23のデス-オクタペプチド部位、またはその類似体もしくは誘導体を含む、請求項19に記載のポリペプチド。
【請求項21】
F2-Pが、FN38(1-15)-SN23を含む、請求項20に記載のポリペプチド。
【請求項22】
前記オクタペプチドPが、ブタRYFLFRPRN、ゼブラフィッシュGYFLYRPRN、カエル(_A34179)GYFVFRPRN、ラットGFFLFRPRN、またはヒキガエルPFFLFRPRNである、請求項19から21のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項23】
前記P部位が、オクタペプチドのアミノ酸配列、または本明細書に具体的に開示されるその類似体もしくは誘導体を含む、請求項19から22のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項24】
前記オクタペプチドPが、FFFYHPHN、FFFFRPRN、FFFFKHHN、またはFFFFK(ベータターン模倣体)HNである、請求項19から23に記載のポリペプチド。
【請求項25】
前記F2が、FN38(1-15)-SN23-Y31F、FN38(1-15)-SN23-F34V、FN38(1-15)-SN23-L33F、FN38(1-15)-SN23-R35H、FN38(1-15)-SN23-R37H、またはFN38(1-15)-SN23-P36ベータターン模倣体のF2部位、またはその類似体もしくは誘導体から選択される、請求項19から24に記載のポリペプチド。
【請求項26】
FN38(1-15)-SN23-Y31F、FN38(1-15)-SN23-F34V、FN38(1-15)-SN23-L33F、FN38(1-15)-SN23-R35H、FN38(1-15)-SN23-R37H、FN38(1-15)-SN23-P36ベータターン模倣体、FN38(1-15)-SN23(Y31F、L33F、F34Y、R35H、R37H)、FN38(1-15)-SN23(Y31F、L33F), FN38(1-15)-SN23(Y31F、L33F、R35K、P36H、R37H)、またはFN38(1-15)-SN23(Y31F、L33F、R35K、P36ベータターン模倣体、R37H)、もしくはその類似体あるいは誘導体を含む、請求項25に記載のポリペプチド。
【請求項27】
その類似体、誘導体、および活性フラグメントを含む前記FNXペプチドが、いずれの天然FNXペプチドアミノ酸配列に対し、少なくとも50、55、60、65、70、75、80、82、84、86、88、90、92、94、96、97、または98%のアミノ酸同一性を有する、請求項1から26のいずれか一項に記載されるポリペプチド。
【請求項28】
前記FNXペプチドが、例えば、10以上15以下のような、長さが少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、または43の残基、あるいは同等のどちらか、もしくはそのいずれかの組み合わせである、請求項1から27のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項29】
前記FNXペプチドが、少なくとも1つの生物活性機能を保有し、天然FNXペプチドに対して少なくとも50%の同一性をさらに保有する、請求項1から28のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項30】
類似体である、請求項1から29のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項31】
少なくとも1、2、3、4、または5つのFNXペプチドへの置換、欠失、および/または付加を有する、請求項1から30のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項32】
誘導体である、請求項1から31のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項33】
FN38もしくはFN15と比較して、向上された安定性、向上された生物的半減期、または向上された生物活性を有する、請求項1から32のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項34】
前記FNXペプチドが、FN38またはFN15の生物活性の少なくとも約25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、または約99%を保有する、請求項1から33のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項35】
前記FNXペプチドが、FN38またはFN15の生物活性の少なくとも約110%、125%、130%、140%、150%、200%、またはそれを超えてを保有する、請求項1から34のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項36】
前記生物活性が、対象に投与した場合に以下の生物活性:食糧摂取量の減少、カロリー摂取量の低下、栄養素摂取量の低下、食欲減退、満腹または膨張信号の誘発、および/または食欲の抑制のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から35のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項37】
FNXペプチドが、賦形剤を投与することで食糧累積摂取量を5%を超えて、15%を超えて、25%を超えて、35%を超えて、あるいは50%を超えて、または75もしくは90%を超えて減少または抑制する、請求項1から36のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項38】
請求項1から37のいずれか一項に記載のポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩、および任意に薬学的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項39】
請求項1から37のいずれか一項に記載のポリペプチド、またはその薬学的に許容される塩、および任意に薬学的に許容される担体を含み、食糧摂取量の減少、体重増加の軽減、または食欲の抑制を行う、抗肥満剤である第2の薬剤をさらに含む、組成物。
【請求項40】
必要とする対象におけるカロリーまたは栄養素の摂取あるいは利用率を低減することによって、緩和することができる病状または疾病を治療または予防する方法であって、カロリーまたは栄養素の摂取あるいは利用率を低減するために、前記対象に治療的有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする方法。
【請求項41】
必要とする対象におけるカロリーまたは栄養素の摂取あるいは利用率を低減することによって、緩和することができる病状または疾病を治療または予防する方法であって、カロリーまたは栄養素の摂取あるいは利用率を低減するための治療的有効量のNMXペプチド、請求項1から39のいずれか一項に記載のFNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を前記対象に投与することを特徴とする方法。
【請求項42】
必要とする対象において満腹を誘発することによって、緩和することができる病状または疾病を治療または予防する方法であって、満腹を誘発するための治療的有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を前記対象に投与することを特徴とする方法。
【請求項43】
必要とする対象において満腹を誘発することによって、緩和することができる病状または疾病を治療または予防する方法であって、満腹を誘発するために前記対象に治療的有効量のNMXペプチド、請求項1から39のいずれか一項に記載されるFNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする方法。
【請求項44】
膨張信号を供する方法であって、膨張信号を供するために、対象に治療的有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする方法。
【請求項45】
膨張信号を供する方法であって、膨張信号を供するために、対象に治療的有効量のNMXペプチド、請求項1から39のいずれか一項に記載のFNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする方法。
【請求項46】
必要とする対象において膨張信号を供することによって、緩和することができる病状または疾病を治療または予防する方法であって、膨張信号を供するために、前記対象に治療的有効量のNMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする方法。
【請求項47】
必要とする対象において膨張信号を供することによって、緩和することができる病状または疾病を治療または予防する方法であって、膨張信号を供するために、前記対象に治療的有効量のNMXペプチド、請求項1から39のいずれか一項に記載のFNXペプチド、またはNMX受容体作用薬を投与することを特徴とする方法。
【請求項48】
投与される前記化合物が、食糧摂取量の抑制を供する請求項40から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記病状または疾病が、肥満症、インスリン抵抗性、代謝症候群、または糖尿病である、請求項40から48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記対象が肥満症を患う、または肥満症の傾向がある、請求項40から49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬がFNXペプチドを含む、請求項40から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記NMXペプチド、FNXペプチド、またはNMX受容体作用薬が、1つ以上の減量剤と併用して、前記対象に投与される、請求項40から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記減量剤が、アミリンまたはアミリン類似作用薬、サーモンカルシトニン、コレシストキニン(CCK)、またはCCK作用薬、レプチン(OBプロテイン)またはレプチン作用薬、エキセンディンまたはエキセンディン作用薬もしくは類似作用薬、またはGLP-1もしくはGLP-1作用薬、または類似作用薬、あるいはPYYまたはPYY作用薬もしくは類似体、あるいはPYY関連ポリペプチド、またはそれらの混合物から選択される、少なくとも1つの化合物を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記減量剤が、アミリン類似プラムリンチド(amylinomimetic pramlintide)を含む、請求項52から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記NMX受容体作用薬が、具体的にNMU受容体と結合するルチン、およびその類似体ならびに誘導体を除外することを条件とする、請求項40から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記組成物が、全身投与される、請求項40から55のいずれかに一項に記載の方法。
【請求項57】
前記組成物が、末梢投与される、請求項40から56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記組成物が、注射、注入、粘膜吸収、経粘膜吸収、経皮吸収、経口、坐薬、吸入または腸への送達により投与される、請求項40から57のいずれか一項に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4A−C】
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【図5】
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【図6A−B】
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【図7A−B】
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【公表番号】特表2009−519949(P2009−519949A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545850(P2008−545850)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/047953
【国際公開番号】WO2007/075439
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(598133654)アミリン・ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】AMYLIN PHARMACEUTICALS, INC.
【住所又は居所原語表記】9360 Towne Centre Drive, San Diego, CA 92121 USA
【出願人】(508180714)
【氏名又は名称原語表記】Andrew A. YOUNG
【出願人】(508180725)
【氏名又は名称原語表記】Sarah L. MCQUAID
【出願人】(508180736)
【氏名又は名称原語表記】Richard PITTNER
【出願人】(508180747)
【氏名又は名称原語表記】Ved SRIVASTAVA
【Fターム(参考)】