説明

肩ストラップ用取付具、肩ストラップ及びカップ付き女性用衣類

【課題】 夏期等の暑い時期や、イブニングドレス等のアウターウェアを着用する場合において、ブラジャー等の下着類の肩ストラップの着脱を容易に行うことができ、不用意に外れることがない肩ストラップ用取付具を提供する。
【解決手段】肩ストラップ用取付具は、取付本体、肩ストラップ取付用穴、係止ストランド及び開口部を有した取付具と、本体部及びアーム部を有した略L字状の留め具からなり、取付具は端部の一端面に嵌合手段を有し、嵌合手段を有する側の一端隅部に接合手段を有してなり、留め具は本体部とアーム部の交会部の一端面に接合手段と、接合手段と同一面上に嵌合手段を設置した係合部と、アーム部の端部に鉤状部を有してなり、アーム部を取付具の上縁部に覆設するようにして、取付具と留め具を接合手段にて回動自在に接合し、取付具及び留め具の嵌合手段を嵌合させて、留め具が開口部を閉鎖するようにして取り付けたことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラジャー、ブラスリット、ボディースーツ、キャミソール等の肩ストラップ用取付具、肩ストラップ及びカップ付き女性用衣類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、肩ストラップを衣類本体に着脱可能にした衣類はブラジャー等に適用されている。この肩ストラップを衣類本体に着脱可能にした衣類は、例えば、夏期等の暑い時期に肩を出したり、イブニングドレス等で肩が露出するアウターウェアを着用する場合に、ブラジャー等の下着類の肩ストラップを取り外して着用することが可能となるとともに、肩ストラップレスブラジャー等を別途購入しなくてもよい、という利点があるので、近年普及している。
【0003】
従来より、図21に示すように、ブラジャー等に適用されている肩ストラップに用いられる取付具10は図20に示すリング部10a、肩ストラップ取付用穴10b、開口部10e、及び係止用ストランド10cを有しており、係止用ストランドの先端は鉤状に曲がっている係止部10dを有した形状が開示されている。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、外形が略左右対称とされ、肩ストラップの端部を係留する肩ストラップ係留部と、前記外形の対称軸に略垂直な所定方向に沿った幅が前記肩ストラップ係留部との境界部よりも広くなるよう構成された布材係留部とを備えた肩ストラップ用取付具と、カップ付き女性用衣類の所定位置に縫着され、前記肩ストラップ用取付具の布材係留部を挿入するための挿入口が形成され、前記挿入口に前記布材係留部が挿入されることで、前記布材係留部が前記布材により係留されるよう構成された布材とから成り、肩ストラップをカップ付き女性用衣類の本体に着脱する際、着脱をスムーズに行うことができる肩ストラップ構造も開示されている。(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】実登3404111号公報
【特許文献2】特開2002−348704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、図20に示した肩ストラップ用取付具では、夏期等の暑い時期や、イブニングドレス等のアウターウェアを着用する場合において、ブラジャー等の下着類の肩ストラップを取り外す際、その着脱が容易ではなかった。
【0006】
特許文献1に係る発明によれば、ブラジャーのカップ部に設けられた取付具用筒状部の取付穴を大きくすると、取付具用筒状部への着脱は容易になるが、肩ストラップ取付状態でブラジャーを着用している場合に、前記取付穴から、肩ストラップ用取付具の係止用ストランド10cが抜け易くなって着用中に肩ストラップが簡単に外れてしまうおそれがある。
【0007】
また、肩ストラップ用取付具の開口部をあまり広く開けてしまうと、肩ストラップ取付状態でブラジャーを着用している場合に、前記取付穴から、肩ストラップ用取付具の係止用ストランド10cが抜け易くなり、肩ストラップが外れてしまうおそれがある。
【0008】
特許文献2に係る発明によれば、肩ストラップをカップ付き女性用衣類の本体に着脱する際、着脱をスムーズに行うことができる肩ストラップ構造を有しているが、肩ストラップ用取付具を取り付ける布材がカップ付き女性用衣類の所定位置に縫着されているという構造を有している為、構造上、個人で従来より使用しているお気に入りの肩ストラップ等を取り付けることはできないおそれがある。
【0009】
また、肩ストラップをカップ付き女性用衣類の本体に着脱する際、着脱をスムーズに行いたい場合には肩ストラップのみではなく、この構造を有するブラジャーを別途購入しなければならないおそれがある。
【0010】
そこで、本発明はこのような問題点を解決するものであって、夏期等の暑い時期や、イブニングドレス等のアウターウェアを着用する場合において、ブラジャー等の下着類の肩ストラップの着脱を容易に行うことができ、不用意に外れることがない肩ストラップ用取付具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記問題点を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明の肩ストラップ用取付具は、カップ付き女性用衣類の本体に着脱可能とし、取付本体、肩ストラップ取付用穴、係止ストランド及び開口部を有する肩ストラップ用取付具において、肩ストラップ用取付具は、取付本体、肩ストラップ取付用穴、係止ストランド及び開口部を有した取付具と、本体部及びアーム部を有した略L字状の留め具からなり、前記取付具は、前記開口部に面しない前記係止ストランドにおける端部の一端面に嵌合手段を有し、前記取付具における幅方向の前記嵌合手段を有する側の一端隅部に接合手段を有してなり、前記留め具は、前記本体部と前記アーム部の交会部の一端面に接合手段と、前記本体部における端部の前記接合手段と同一面上に嵌合手段を設置した係合部と、前記アーム部の端部に鉤状部を有してなり、前記留め具における前記アーム部を前記取付具における上縁部に覆設するようにして、前記取付具と前記留め具を接合手段にて回動自在に接合し、前記取付具及び前記留め具における嵌合手段を嵌合させて、前記留め具が前記取付具における前記開口部を閉鎖するようにして取り付けたことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項2に記載の発明の肩ストラップ用取付具は、カップ付き女性用衣類の本体に着脱可能とし、取付本体、肩ストラップ取付用穴、係止ストランド及び開口部を有する肩ストラップ用取付具において、肩ストラップ用取付具は、取付本体、肩ストラップ取付用穴、係止ストランド及び開口部を有した取付具と、本体部及びアーム部を有した略L字状の留め具からなり、前記取付具は、前記開口部に面しない前記係止ストランドにおける端部の一端面に嵌合手段を有し、前記取付具における幅方向の前記嵌合手段を有する側の一端隅部に接合手段を有し、前記取付具の両端面に前記留め具の外形と同形状の上縁凹部及び端縁凹部を有してなり、前記留め具は、前記本体部と前記アーム部の交会部に接合手段と、前記本体部における端部に嵌合手段を設置した係合部と、前記本体部の側面を貫通する空洞部と、前記アーム部の端部に鉤状部を有してなり、前記留め具における前記空洞部に前記取付具における前記取付本体の前記端縁凹部を嵌入させ、前記取付具における前記上縁凹部を前記留め具における前記アーム部で、前記取付具における前記端縁凹部を前記留め具における前記本体部でそれぞれ覆設させて、前記取付具と前記留め具の両端面を同一平面とし、前記取付具と前記留め具を接合手段にて回動自在に接合し、前記取付具及び前記留め具における嵌合手段を嵌合させて、前記留め具が前記取付具における前記開口部を閉鎖するようにして取り付けたことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項3に記載の発明の肩ストラップ用取付具は、請求項1及び請求項2に記載の肩ストラップ用取付具において、前記肩ストラップ用取付具における前記肩ストラップ取付用穴の下方に溝部が連接して形成されたことを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の請求項4に記載の発明の肩ストラップ用取付具は、請求項2に記載の肩ストラップ用取付具において、前記肩ストラップ用取付具における前記肩ストラップ取付用穴の下方に、前記留め具における前記アーム部の鉤状部と同一円弧からなる溝部を連接して形成させ、前記留め具の回動時に、前記留め具における前記アーム部の鉤状部と前記留め具における前記溝部の円弧とが合致して当接することを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、カップ付き女性用衣類の本体に着脱可能とする肩ストラップ用取付具を端部に有する肩ストラップにおいて、端部に請求項1乃至請求項4に記載の肩ストラップ用取付具を具備したことを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、肩ストラップを衣類本体に着脱可能としたカップ付き女性用衣類において、請求項5に記載の肩ストラップを具備したことを特徴とするものである。
(作用)
【0017】
請求項1及び請求項2に記載の肩ストラップ用取付具に係る発明では、本発明の肩ストラップ用取付具を肩ストラップの端部に用いた肩ストラップを、カップ付き女性用衣類本体に着脱可能にした衣類、例えばブラジャー等の下着類において、肩ストラップ用取付具に設けられた留め具を回動させ、前記取付本体及び前記留め具における嵌合手段を解除することによって、前記取付具における前記開口部を開鎖させることができるので、肩ストラップの着脱を容易に行うことができる。
【0018】
請求項3記載の肩ストラップ用取付具に係る発明では、本発明の肩ストラップ用取付具を肩ストラップの端部に用いた肩ストラップを、カップ付き女性用衣類本体に着脱可能にした衣類、例えばブラジャー等の下着類において、肩ストラップ用取付具に設けられた留め具を回動させ、前記取付本体及び前記留め具における嵌合手段を解除することによって、前記取付具における前記開口部を開鎖させることができるので、肩ストラップの着脱を容易に行うことができる。このとき、留め具における鉤状部は、肩ストラップにおける反転部を下方へ押動させて、肩ストラップ取付用穴の下方に連接される溝部へと湾入させることができる。
【0019】
請求項4記載の肩ストラップ用取付具に係る発明では、本発明の肩ストラップ用取付具を肩ストラップの端部に用いた肩ストラップを、カップ付き女性用衣類本体に着脱可能にした衣類、例えばブラジャー等の下着類において、肩ストラップ用取付具に設けられた留め具を回動させ、前記取付本体及び前記留め具における嵌合手段を解除することによって、前記取付具における前記開口部を開鎖させることができるので、肩ストラップの着脱を容易に行うことができる。このとき、留め具における鉤状部は、肩ストラップにおける反転部を下方へ押動させて、肩ストラップ取付用穴の下方に連接される溝部へと湾入させることができる。
また、前記留め具は前記留め具における前記溝部の円弧とが合致して当接するまで回動することができるので、請求項2における肩ストラップ用取付具又は請求項3に係る請求項2における肩ストラップ用取付具よりも回動角度を大きくすることができる。
【0020】
請求項5記載の肩ストラップに係る発明では、本発明の肩ストラップを用い、カップ付き女性用衣類本体に着脱可能にした衣類、例えばブラジャー等の下着類において、本発明の肩ストラップの端部に取り付けられた肩ストラップ用取付具に設けられた留め具を回動させ、前記取付本体及び前記留め具における嵌合手段を解除することによって、前記取付具における前記開口部を開鎖させることができるので、肩ストラップの着脱を容易に行うことができる。
【0021】
請求項6記載のカップ付き女性用衣類に係る発明では、例えばブラジャー等の下着類において、本発明のカップ付き女性用衣類の肩ストラップの端部に取り付けられた肩ストラップ用取付具に設けられた留め具を回動させ、前記取付本体及び前記留め具における嵌合手段を解除することによって、前記取付具における前記開口部を開鎖させることができるので、肩ストラップの着脱を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
請求項1及び請求項2の発明によれば、本発明の肩ストラップ用取付具に設けられた留め具を回動させ、前記取付本体及び前記留め具における嵌合手段を解除することによって、前記取付具における前記開口部を開鎖させることができるので、肩ストラップの着脱を容易に行うことができる。
また、本発明の肩ストラップ用取付具を肩ストラップの端部に用いた肩ストラップを、カップ付き女性用衣類本体に取り付けた後において、本発明の肩ストラップ用取付具に設けられた前記取付本体及び前記留め具は、嵌合手段によって嵌合されている為、肩ストラップ用取付具の開口部は留め具によって閉鎖され、カップ付き女性用衣類本体に設けられた取付具用筒状部は留め具により抜けが防止されて、本発明の肩ストラップ用取付具は、カップ付き女性用衣類本体に設けられた取付具用筒状部に取り付けられた状態が維持され、肩ストラップはカップ付き女性用衣類本体より不用意に外れることはない。
【0023】
請求項3の発明によれば、肩ストラップ用取付具に設けられた留め具を回動させ、前記取付本体及び前記留め具における嵌合手段を解除することによって、前記取付具における前記開口部を開鎖させることができる。このとき、留め具における鉤状部は、肩ストラップにおける反転部を下方へ押動させて、肩ストラップ取付用穴の下方に連接される溝部へと湾入させるので、前記留め具をより大きく回動させることができ、肩ストラップの着脱を更に容易に行うことができる。
また、請求項1及び請求項2に記載の効果と同様にして、本発明の肩ストラップ用取付具を肩ストラップの端部に用いた肩ストラップを、カップ付き女性用衣類本体に取り付けた後において、本発明の肩ストラップ用取付具に設けられた前記取付本体及び前記留め具は、嵌合手段によって嵌合されている為、肩ストラップ用取付具の開口部は留め具によって閉鎖され、カップ付き女性用衣類本体に設けられた取付具用筒状部は留め具により抜けが防止されて、本発明の肩ストラップ用取付具は、カップ付き女性用衣類本体に設けられた取付具用筒状部に取り付けられた状態が維持され、肩ストラップはカップ付き女性用衣類本体より不用意に外れることはない。
【0024】
請求項4の発明によれば、請求項2における効果と同様の効果を奏するものであるが、前記留め具は前記留め具における前記溝部の円弧とが合致して当接するまで回動することができるので、請求項2における肩ストラップ用取付具又は請求項3に係る請求項2における肩ストラップ用取付具よりも回動角度を大きくすることができるので、肩ストラップの着脱を更に容易に行うことができる。
また、請求項1乃至請求項3に記載の効果と同様にして、本発明の肩ストラップ用取付具を肩ストラップの端部に用いた肩ストラップを、カップ付き女性用衣類本体に取り付けた後において、本発明の肩ストラップ用取付具に設けられた前記取付本体及び前記留め具は、嵌合手段によって嵌合されている為、肩ストラップ用取付具の開口部は留め具によって閉鎖され、カップ付き女性用衣類本体に設けられた取付具用筒状部は留め具により抜けが防止されて、本発明の肩ストラップ用取付具は、カップ付き女性用衣類本体に設けられた取付具用筒状部に取り付けられた状態が維持され、肩ストラップはカップ付き女性用衣類本体より不用意に外れることはない。
【0025】
請求項5の発明によれば、本発明の肩ストラップをカップ付き女性用衣類本体に取り付けた後において、本発明の肩ストラップ用取付具に設けられた前記取付本体及び前記留め具は、嵌合手段によって嵌合されている為、肩ストラップ用取付具の開口部は留め具によって閉鎖され、カップ付き女性用衣類本体に設けられた取付具用筒状部は留め具により抜けが防止されて、本発明の肩ストラップ用取付具は、カップ付き女性用衣類本体に設けられた取付具用筒状部に取り付けられた状態が維持され、肩ストラップはカップ付き女性用衣類本体より不用意に外れることはない。
【0026】
請求項6の発明によれば、肩ストラップの端部に取り付けられた肩ストラップ用取付具に設けられた前記取付本体及び前記留め具は、嵌合手段によって嵌合されている為、肩ストラップ用取付具の開口部は留め具によって閉鎖され、カップ付き女性用衣類本体に設けられた取付具用筒状部は留め具により抜けが防止されて、本発明の肩ストラップ用取付具は、カップ付き女性用衣類本体に設けられた取付具用筒状部に取り付けられた状態が維持され、肩ストラップはカップ付き女性用衣類本体より不用意に外れることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態における肩ストラップ用取付具1を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0028】
本発明の実施例1における肩ストラップ用取付具1aについて図1乃至図7に基づいて説明する。図1は、本発明の実施例1における肩ストラップ用取付具1aにおける(a)取付具の正面図、(b)取付具のA―Aによる垂直断面図である。図2は、本発明の実施例1における肩ストラップ用取付具1aにおける(a)留め具の正面図、(b)留め具の右側面図である。図3は、本発明の実施例1における肩ストラップ用取付具1aにおける(a)平面図、(b)右側面図である。図4は、本発明の実施例1における肩ストラップ用取付具1aにおける留め具を回動させたときの正面図である。図5は、本発明の実施例1における肩ストラップ用取付具1aを有した肩ストラップをブラジャーに取り付ける際、裏側から見た部分説明図である。図6は、本発明の実施例1における肩ストラップ用取付具1aを有した肩ストラップをブラジャーに取り付ける際の、(a)裏側から見た部分拡大図における留め具の回動時の正面図、(b)部分拡大図における肩ストラップを断面とした肩ストラップ用取付具の使用状態を説明する正面図である。図7は、本発明の実施例1における肩ストラップ用取付具1aを有した肩ストラップをブラジャーに取り付ける際、裏側から見た部分拡大図における(c)肩ストラップ用取付具装着図、(d)肩ストラップ用取付具装着完了図である。
【0029】
図3(a)及び(b)に示すように、肩ストラップ用取付具1aは、取付具2及び留め具3から構成されている。
前記取付具2は、図1(a)及び(b)に示すように、樹脂で成形され、略長方形の取付本体2aに係止用ストランド2dを有してなるものである。前記取付本体2aにおける中央上方には、肩ストラップ5を通すための肩ストラップ取付用穴2bが設けられており、前記肩ストラップ取付用穴2bより更に上方には上縁部2jが設けられている。また、前記上縁部2jを有する側であって、前記取付本体2aにおける幅方向の一端部の隅部近傍には、前記留め具3を取り付けるための留め具用穴2cが設けられている。前記肩ストラップ取付用穴2bは、略長方形状の貫通孔の下方中央位置に半円弧状からなる貫通孔の溝部2gが連接して形成されている。また、前記肩ストラップ5が摩擦等によって破損しないように、前記肩ストラップ取付用穴2bにおける各角部は丸くされている。また、前記取付本体2aにおける中央部付近には、略ハート形状の貫通孔からなる装飾部2hが設けられている。本実施例において、前記装飾部2hは略ハート形状の貫通孔としているが、円形状、四角形、星型形状等の様々な形状にすることができ、ダイヤカット等の装飾品を取り付けることもできる。
【0030】
前記留め具用穴2cを有しない他端側の前記取付本体2aにおける下方の隅部からは、開口部2iを有するようにして係止ストランド2dが設けられている。前記係止ストランド2dは、後述するブラジャー4の取付具用筒状部4bに挿入させるために設けられている。また、前記係止ストランド2dの端部は、前記取付本体2aにおける前記留め具用穴2bを有する側の幅方向の一端に沿うよう設けられている。更に、前記開口部2iに面しない前記係止ストランド2dの端部の近傍には切欠部2fを有する。前記切欠部2fは、前記係止ストランド2dの端面から略半円弧状を切り欠いたものである。一方、前記開口部2iに面する前記係止ストランド2dにおける係止面部2eの端部近傍は、後述する留め具3における係合部3dが嵌挿されやすいよう、又はブラジャー4の取付具用筒状部4bに挿入されやすいよう、面取りされていることが望ましい。
【0031】
前記留め具3は、図2(a)及び(b)に示すように、本体部3a及びアーム部3bからL字状に構成されている。前記本体部3aと前記アーム部3bの交会部の一端面には、前記取付具2における前記留め具用穴2cに係合される環状凸部3cが設けられている。また、前記環状凸部3cの形状は、図2(b)に示すように、略キノコ状としており、その先端部は前記取付具2が抜けないよう、抜け止めが設けられている。また、前記本体部3aにおける端部の前記環状凸部3cと同一端面には、直方体からなる前記係合部3dが設置されている。前記係合部3dには、前記アーム部3bと平行して略長方形の貫通孔3eが設けられており、前記貫通孔3eにおける下方の端面には、前記取付具2における前記切欠部2fと嵌合する凸部3fが設けられている。前記貫通孔3eは、前記取付具2における前記係止ストランド2dが嵌挿されるよう、前記係止ストランド2dの外形よりも僅かに大きく設けてあればよい。
また、前記アーム部3bの端部には、前記肩ストラップ5を押動させる鉤状部3gが設けられている。前記鉤状部3gは、前記アーム部3bにおける上端面と同一面状とし、前記アーム部3bにおける下端面より突出してなる。また、前記肩ストラップ5が摩擦等によって破損しないように、前記鉤状部3gは略円弧状とすることが望ましい。
【0032】
このようにして構成される前記取付具2及び前記留め具3は、図3(a)及び(b)に示すように取り付けられる。前記留め具3は、前記環状凸部3cを前記取付具2における前記留め具用穴2cに取り付けられる。このとき、前記環状凸部3cにおける抜け止め作用を有する先端部の外形は、前記留め具用穴2cより大きく設けられているが、両者は樹脂から形成されており、前記留め具3を押圧することで前記取付具2に容易に取り付けることができる。
また、前記留め具3における前記アーム部3bの前記鉤状部3gは、前記取付具2における幅方向の中央付近に位置することが望ましい。
このとき、前記取付具2における前記留め具用穴2cを有する一端部の前記肩ストラップ取付用穴2bとの間の幅と、前記留め具3における前記本体部3aの幅方向は同一であることが望ましい。
また、前記取付具2における前記上縁部2jの幅と、前記留め具3における前記アーム部3bの幅方向は同一であることが望ましい。
さらに、前記留め具3における前記本体部3aの端面は、前記取付具2における幅方向の端面と同一であることが望ましく、前記留め具3における前記アーム部3bの端面は、前記取付具2における前記上縁部2jの端面と同一であることが望ましい。
また、前記留め具3に設けられている前記係合部3dの前記凸部3fは、前記係止ストランド2dにおける前記切欠部2fと嵌合され、前記取付具2における前記開口部2iは前記留め具3によって閉塞される。
【0033】
また、前記取付具2における前記留め具用穴2cと前記留め具3における前記環状凸部3cの接合手段は、前記留め具用穴2c及び前記環状凸部3cの相互の形状を置換することもできる。前記留め具用穴2c若しくは前記環状凸部3cにおける接合手段を中心として、前記留め具3が回動できればよいものである。
【0034】
一方、前記取付具2における前記切欠部2fと前記留め具3における前記凸部3fの嵌合手段は、他の形状とすることもできる。両者が嵌合されることによって、前記留め具3にて前記取付具2における前記開口部2iが閉塞され、ブラジャー4の取付具用筒状部4bから脱着されなければよいものである。
【0035】
ここで、前記肩ストラップ用取付具1aを肩ストラップ5に取り付け、衣類本体に着脱可能とした衣類として、ブラジャー4を例にとり図5乃至図7に基づいて説明する。図5は、前記肩ストラップ5を前記ブラジャー4本体に着脱可能とした一例の前記肩ストラップ用取付具1aを有する前記ブラジャー4の裏側から見た部分説明図を示す。
【0036】
前記肩ストラップ5の端部は、前記肩ストラップ用取付具1aにおける前記肩ストラップ取付用穴2bを通って反転されて、肩ストラップ縫製部5aで縫製されて前記肩ストラップ用取付具1aに取り付けられている。
【0037】
一方、布地からなる前記取付具用筒状部4bは、前記ブラジャー4のカップ部4aの裏側の上側端部に筒状の取付穴4dが形成できるように布地を丸めて、縫製部4cでカップ部4aの裏側に縫着されている。
【0038】
前記肩ストラップ5を前記ブラジャー4本体に取り付ける場合には、図6(a)に示すように、前記留め具3を一定角度回動させ、前記留め具3及び前記取付本体2aにおける嵌合手段を解除することによって、前記留め具3によって閉塞された前記取付具2における前記開口部2iを開鎖させる。
このとき、図6(b)に示すように、前記肩ストラップ5における反転部5bは、前記留め具3が反時計周りに回動した前記アーム部3bの先端に設けられる前記鉤状部3gによって下方へ押動される。
また、前記肩ストラップ5における前記反転部5bが、前記取付具2における前記肩ストラップ取付用穴2bの前記溝部2gに湾入することによって、前記留め具3をより大きく回動させることができる。
これにより、前記肩ストラップ5における前記係止ストランド2dは、前記取付具用筒状部4bの前記取付穴4dに挿入させやすくすることができる。
【0039】
次に、図7(c)に示すように、前記取付具用筒状部4bの前記取付穴4dに、前記肩ストラップ用取付具1aの前記係止用ストランド2dを特定の一方向から差し込んで、前記係止用ストランド2dの前記切欠部2fが前記取付穴4dの反対側に突き出るようにして取り付ける。このとき、前記係止ストランド2dは、前記取付具用筒状部4bよりも長く形成されているほうが好ましい。
【0040】
そして、図7(c)に示す矢印のように、前記肩ストラップ5を上方へ引き上げることで、前記肩ストラップ5における前記反転部5bによって、前記留め具3の前記アーム部3bの先端に設けられる前記鉤状部3gは押動され、時計周りに回動する。
【0041】
これによって、図7(d)に示すように、前記留め具3における前記凸部3fは、再び前記取付本体2における前記係止ストランド2dの前記切欠部2fに嵌合されて、前記取付具2における前記開口部2iは閉鎖される。
また、前記留め具3の前記アーム部3bは、常に前記肩ストラップ5により引き上げられているので、前記留め具3は前記留め具用穴2c及び前記環状凸部3cを中心として、時計回りに回動しようとするため、前記留め具3に設けられている前記係合部3dの前記凸部3fは、前記係止ストランド2dにおける前記切欠部2fと嵌合された状態を保持し、前記取付具2における前記開口部2iは前記留め具3によって常に閉塞される。
これによって、前記留め具3の前記係止ストランド2dは、前記取付具用筒状部4bより抜けが防止されて、前記肩ストラップ用取付具1aは前記取付具用筒状部4bに取り付けられた状態が維持され、前記肩ストラップ5は前記ブラジャー4本体より外れることはない。
【0042】
また、前記肩ストラップ5を前記ブラジャー4本体から外す場合には、前記留め具3における前記凸部3f及び前記取付本体2aにおける前記切欠部2fの係合を解除して、前記留め具3を回動させながら、前記肩ストラップ用取付具1aの前記係止用ストランド2dを前記取付具用筒状部4bの前記取付け穴4dから、差し込んだ方向と反対側に引き抜けばよい。
【0043】
本実施例によれば、夏期等の暑い時期や、イブニングドレス等のアウターウェアを着用する場合において、ブラジャー等の下着類の前記肩ストラップ5の前記肩ストラップ用取付具1aに設けられた前記留め具3を回動させ、前記留め具3における前記凸部3f及び前記取付本体2における前記切欠部2fの係合を解除することによって、着脱を容易に行うことができる。
また、取付後においては、前記留め具3の前記アーム部3bは、常に前記肩ストラップ5により引き上げられているので、前記留め具3における前記凸部3fは前記取付本体2における前記切欠部2fと嵌合された状態を保持し、前記開口部2iは前記留め具3によって閉鎖され、前記取付具用筒状部4bは前記留め具3により抜けが防止されて、前記肩ストラップ用取付具1aは前記取付具用筒状部4bに取り付けられた状態が維持され、前記肩ストラップ5は前記ブラジャー4本体より不用意に外れることはない。
【0044】
また、本発明は、上記実施例には限られず、各種のカップ付き女性用衣類、例えば、ブラスリット、ボディースーツ、キャミソール等においても採用することができる。
【実施例2】
【0045】
本発明の実施例2における肩ストラップ用取付具1bについて図8乃至図13に基づいて説明する。図8は、本発明の実施例2における肩ストラップ用取付具1bにおける(a)取付具の正面図、(b)取付具のB―Bによる垂直断面図である。図9は、本発明の実施例2における肩ストラップ用取付具1bにおける(a)取付具の右側面図、(b)取付具の平面図である。図10は、本発明の実施例2における肩ストラップ用取付具1bにおける(a)留め具の正面図、(b)留め具の右側面図である。図11は、本発明の実施例2における肩ストラップ用取付具1bにおける(a)留め具の平面図、(b)留め具の底面図である。図12は、本発明の実施例2における肩ストラップ用取付具1bにおける(a)平面図、(b)右側面図である。図13は、本発明の実施例2における肩ストラップ用取付具1bにおける留め具を回動させたときの正面図である。
【0046】
基本構成は、前記実施例1における前記肩ストラップ用取付具1aと同様であり、作用及び効果においても同様である。よって、以下に構成のみを説明する。図12(a)及び(b)に示すように、前記肩ストラップ用取付具1bは、取付具6及び留め具7から構成されている。
【0047】
前記取付具6は、図8(a)、(b)及び図9(a)、(b)に示すように、樹脂で成形され、略長方形の取付本体6aに係止用ストランド6dを有してなるものである。前記取付本体6aにおける中央上方には、肩ストラップ5を通すための肩ストラップ取付用穴6bが設けられており、前記肩ストラップ取付用穴6bより更に上方には、上縁部6k及び厚み方向に薄くなるよう段差を有して上縁凹部6iが設けられている。また、前記上縁部6k及び前記上縁凹部6iを有する側であって、前記取付本体6aにおける幅方向の一端部の隅部近傍には、前記留め具7を取り付けるための留め具用切欠き6cが設けられている。前記留め具用切欠き6cは、前記取付具6における外形に面する係入口と奥へと広がる湾部とからなるものである。
また、前記肩ストラップ取付用穴6bは、略長方形状の貫通孔の下方位置に半円弧状からなる貫通孔の溝部6gが連接して2個形成されている。また、前記肩ストラップ5が摩擦等によって破損しないように、前記肩ストラップ取付用穴6bにおける各角部は丸くされている。
【0048】
前記留め具用切欠き6cを有しない他端側の前記取付本体6aにおける下方の隅部からは、開口部6jを有するようにして係止ストランド6dが設けられている。前記係止ストランド6dは、後述するブラジャー4の取付具用筒状部4bに挿入させるために設けられている。また、前記係止ストランド6dの端部は、前記取付本体6aにおける前記留め具用切欠き6cを有する側の幅方向の一端に沿うよう設けられている。更に、前記開口部6jに面しない前記係止ストランド6dの端部の近傍には切欠部6fを有する。前記切欠部6fは、前記係止ストランド6dの端面から略半円弧状を切り欠いたものである。一方、前記開口部6jに面する前記係止ストランド6dにおける係止面部6eの端部近傍は、後述する留め具7における係合部7dが嵌挿されやすいよう、又はブラジャー4の取付具用筒状部4bに挿入されやすいよう、面取りされていることが望ましい。
また、前記留め具用切欠き6cを有する前記取付具6の一端側には、前記上縁凹部6iと同様の段差を有する端縁凹部6hが設けられており、前記上縁凹部6iから前記取付具6の外形に沿うようにして略L字状を形成している。前記上縁凹部6i及び前記端縁凹部6hには、後に説明する前記留め具7が嵌合される。
【0049】
前記留め具7は、図10(a)、(b)及び図11(a)、(b)に示すように、本体部7a及びアーム部7bから略L字状に構成されている。前記留め具7は、図10(b)に示すように、頂部7i、筒部7c及び係合部7dによって、本体部7a及びアーム部7bからなる略L字状部材が2つ連結される構成とし、前記留め具7における側面の中央部には、空洞部7hが設けられている。前記筒部7cは、前記本体部7aと前記アーム部7bの交会部に円筒状に形成されており、前記取付具6における前記留め具用切欠き6cと嵌合させるものである。
また、前記係合部7dは、貫通孔7eを有するものであり、前記貫通孔7eにおける下方の端面には、前記取付具6における前記切欠部6fと嵌合する凸部7fが設けられている。前記貫通孔7eは、前記取付具6における前記係止ストランド6dが嵌挿されるよう、前記係止ストランド6dの外形よりも僅かに大きく設けてあればよい。
また、前記アーム部7bの端部には、前記肩ストラップ5を押動させる鉤状部7gが設けられている。前記鉤状部7gは、前記アーム部7bにおける上端面と同一面状とし、前記アーム部7bにおける下端面より突出してなる。また、前記肩ストラップ5が摩擦等によって破損しないように、前記鉤状部7gは略円弧状とすることが望ましい。
また、前記頂部7iは、前記留め具7の補強、及び前記留め具7を回動させる際のつまみとして機能するものである。
【0050】
このようにして構成される前記取付具6及び前記留め具7は、図12(a)及び(b)に示すように取り付けられる。
前記留め具7における前記筒部7cを前記取付具6における前記留め具用切欠き6cに取り付ける。このとき、前記筒部7cの外形は、前記留め具用切欠き6cの前記係入口より大きく設けられ、前記湾部より僅かに小さく設けられている。また、前記取付具6及び前記留め具7は樹脂から形成されており、前記留め具7を押圧することで、前記取付具6における前記留め具用切欠き6cの前記湾部に容易に取り付けることができる。
このとき、前記留め具7は、前記取付具6における前記上縁凹部6i及び前記端縁凹部6hに係合される。すなわち、前記留め具7における前記アーム部7bの前記鉤状部7gは、前記取付具6における前記上縁部6kの端部と当接することが望ましい。
また、前記取付具6における前記上縁凹部6iと前記留め具7における前記アーム部7bの幅は同一であることが望ましく、前記取付具6における前記端縁凹部6hと前記留め具7における前記本体部7aの幅も同一であることが望ましい。
更に、係合時においては、前記取付具6における前記取付本体6aの厚さ方向の端面と前記留め具7における厚さ方向の端面とが、同一面上になることが望ましい。
また、前記取付具6における前記取付本体6aは、前記留め具7における前記空洞部7hに嵌入され、前記留め具7に設けられている前記係合部7dの前記凸部7fは、前記係止ストランド6dにおける前記切欠部6fと嵌合され、前記取付具6における前記開口部6jは前記留め具7によって閉塞される。
【0051】
また、前記取付具6における前記留め具用切欠き6cと前記留め具7における前記筒部7cの接合手段は、他の周知の形状とすることもできる。前記留め具用切欠き6c若しくは前記筒部7cにおける接合手段を中心として、前記留め具7が回動できればよいものである。
【0052】
一方、前記取付具6における前記切欠部6fと前記留め具7における前記凸部7fの嵌合手段は、他の周知の形状とすることもできる。両者が嵌合されることによって、前記留め具7にて前記取付具6における前記開口部6jが閉塞され、ブラジャー4の取付具用筒状部4bから脱着されなければよいものである。
【0053】
このようにして構成される前記肩ストラップ用取付具1bは、図13に示すようにして、前記留め具7が回動される。前記留め具7を一定角度回動させ、前記留め具7及び前記取付具6における嵌合手段を解除することによって、前記留め具7によって閉塞された前記取付具6における前記開口部6jを開鎖させる。
このとき、前記取付具6における前記溝部6gは、前記留め具7における前記鉤状部7gと同一円弧にて形成されているため、前記鉤状部7gは前記溝部6gと当接するまで回動することができる。
これによって、前記実施例1における前記留め具3の回動角度よりも大きくすることができるので、前記実施例1における前記肩ストラップ1aよりも更に、前記取付具用筒状部4bの前記取付穴4dに挿入させやすくすることができる。
このようにして前記肩ストラップ用取付具1bは構成され、前記実施例1と同様にして、各種のカップ付き女性用衣類に取り付けられる。
【0054】
また、前記取付具6における前記溝部6gは、前記実施例1における前記取付具2に設けられる前記溝部2gのように、前記肩ストラップ取付用穴6bの下方中央位置の1箇所のみに設けることもできる。
【実施例3】
【0055】
本発明の実施例3における肩ストラップ用取付具1cについて図14乃至図19に基づいて説明する。図14は、本発明の実施例3における肩ストラップ用取付具1cにおける(a)取付具の正面図、(b)取付具のC―Cによる垂直断面図である。図15は、本発明の実施例3における肩ストラップ用取付具1cにおける(a)取付具の右側面図、(b)取付具の平面図である。図16は、本発明の実施例3における肩ストラップ用取付具1cにおける(a)留め具の正面図、(b)留め具の右側面図である。図17は、本発明の実施例3における肩ストラップ用取付具1cにおける(a)留め具の平面図、(b)留め具の底面図である。図18は、本発明の実施例3における肩ストラップ用取付具1cにおける(a)平面図、(b)右側面図である。図19は、本発明の実施例3における肩ストラップ用取付具1cにおける留め具を回動させたときの正面図である。
【0056】
基本構成は、前記実施例2における前記肩ストラップ用取付具1bと同様であり、作用及び効果においても同様である。よって、以下に相違する構成のみを説明する。図18(a)及び(b)に示すように、前記肩ストラップ用取付具1cは、取付具8及び留め具9から構成されている。
【0057】
前記取付具8は、図14(a)、(b)及び図15(a)、(b)に示すように、樹脂で成形され、略長方形の取付本体8aに係止用ストランド8dを有してなるものである。前記実施例2における前記肩ストラップ用取付具1bと相違する構成は、前記取付具8における長さ方向の略中央部につまみ部8lを、前記取付具8における中央部に装飾部8mを設けた点である。
前記つまみ部8lは、前記取付具8の中央部に向かって、幅方向における外形端部から、略半円弧状を切り欠いた形状であって、着用者が前記肩ストラップ用取付具1cを掴み易くする為に設けられるものである。
また、前記実施例1における前記装飾部2hと同様にして、前記取付本体8aにおける中央部付近に、略ハート形状の貫通孔からなる装飾部8mが設けられている。本実施例において、前記装飾部8mは略ハート形状の貫通孔としているが、円形状、四角形、星型形状等の様々な形状にすることができ、ダイヤカット等の装飾品を取り付けることもできる。
【0058】
前記留め具9は、図16(a)、(b)及び図17(a)、(b)に示すように、本体部9a及びアーム部9bから略L字状に構成されている。前記実施例2における前記肩ストラップ用取付具1bと相違する構成は、前記留め具9における本体部9aの略中央部に曲部9jを設けた点である。
前記曲部9jは、前記取付具8における前記つまみ部8lと同様、着用者が前記肩ストラップ用取付具1cを掴み易くする為に設けられるものである。
従って、前記実施例2における前記肩ストラップ用取付具1bと同様、前記留め具9が前記取付具8に係合される際には、相互の形状が一致することが望ましい。
【0059】
前記肩ストラップ用取付具1cにおける他の構成、作用及び効果は、前記実施例2における前記肩ストラップ用取付具1bと同様のものであり、また、前記実施例1及び前記実施例2と同様にして、各種のカップ付き女性用衣類に取り付けて使用されるものである。
【0060】
また、前記取付具8における前記溝部8gは、前記実施例1における前記取付具2に設けられる前記溝部2gのように、前記肩ストラップ取付用穴8bの下方中央位置の1箇所のみに設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施例1における肩ストラップ用取付具における(a)取付具の正面図、(b)取付具のA―Aによる垂直断面図である。
【図2】本発明の実施例1における肩ストラップ用取付具における(a)留め具の正面図、(b)留め具の右側面図である。
【図3】本発明の実施例1における肩ストラップ用取付具における(a)平面図、(b)右側面図である。
【図4】本発明の実施例1における肩ストラップ用取付具における留め具を回動させたときの正面図である。
【図5】本発明の実施例1における肩ストラップ用取付具を有した肩ストラップをブラジャーに取り付ける際、裏側から見た部分説明図である。
【図6】本発明の実施例1における肩ストラップ用取付具を有した肩ストラップをブラジャーに取り付ける際の、(a)裏側から見た部分拡大図における留め具の回動時の正面図、(b)部分拡大図における肩ストラップを断面とした肩ストラップ用取付具の使用状態を説明する正面図である。
【図7】本発明の実施例1における肩ストラップ用取付具を有した肩ストラップをブラジャーに取り付ける際、裏側から見た部分拡大図における(c)肩ストラップ用取付具装着図、(d)肩ストラップ用取付具装着完了図である。
【図8】本発明の実施例2における肩ストラップ用取付具における(a)取付具の正面図、(b)取付具のB―Bによる垂直断面図である。
【図9】本発明の実施例2における肩ストラップ用取付具における(a)取付具の右側面図、(b)取付具の平面図である。
【図10】本発明の実施例2における肩ストラップ用取付具における(a)留め具の正面図、(b)留め具の右側面図である。
【図11】本発明の実施例2における肩ストラップ用取付具における(a)留め具の平面図、(b)留め具の底面図である。
【図12】本発明の実施例2における肩ストラップ用取付具における(a)平面図、(b)右側面図である。
【図13】本発明の実施例2における肩ストラップ用取付具における留め具を回動させたときの正面図である。
【図14】本発明の実施例3における肩ストラップ用取付具における(a)取付具の正面図、(b)取付具のC―Cによる垂直断面図である。
【図15】本発明の実施例3における肩ストラップ用取付具における(a)取付具の右側面図、(b)取付具の平面図である。
【図16】本発明の実施例3における肩ストラップ用取付具における(a)留め具の正面図、(b)留め具の右側面図である。
【図17】本発明の実施例3における肩ストラップ用取付具における(a)留め具の平面図、(b)留め具の底面図である。
【図18】本発明の実施例3における肩ストラップ用取付具における(a)平面図、(b)右側面図である。
【図19】本発明の実施例3における肩ストラップ用取付具における留め具を回動させたときの正面図である。
【図20】従来の肩ストラップ用取付具の正面図である。
【図21】従来の肩ストラップ用取付具を取り付けたときのブラジャーの正面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 肩ストラップ用取付具
1a、1b、1c 肩ストラップ用取付具
2 取付具
2a 取付本体
2b 肩ストラップ取付用穴
2c 留め具用穴
2d 係止用ストランド
2e 係止面部
2f 切欠部
2g 溝部
2h 装飾部
2i 開口部
2j 上縁部
3 留め具
3a 本体部
3b アーム部
3c 環状凸部
3d 係合部
3e 貫通孔
3f 凸部
3g 鉤状部
4 ブラジャー
4a カップ部
4b 取付具用筒状部
4c 縫製部
4d 取付穴
5 肩ストラップ
5a 肩ストラップ縫製部
5b 反転部
6 取付具
6a 取付本体
6b 肩ストラップ取付用穴
6c 留め具用切欠き
6d 係止用ストランド
6e 係止面部
6f 切欠部
6g 溝部
6h 端縁凹部
6i 上縁凹部
6j 開口部
6k 上縁部
7 留め具
7a 本体部
7b アーム部
7c 筒部
7d 係合部
7e 貫通孔
7f 凸部
7g 鉤状部
7h 空洞部
7i 頂部
8 取付具
8a 取付本体
8b 肩ストラップ取付用穴
8c 留め具用切欠き
8d 係止用ストランド
8e 係止面部
8f 切欠部
8g 溝部
8h 端縁凹部
8i 上縁凹部
8j 開口部
8k 上縁部
8l つまみ部
8m 装飾部
9 留め具
9a 本体部
9b アーム部
9c 筒部
9d 係合部
9e 貫通孔
9f 凸部
9g 鉤状部
9h 空洞部
9i 頂部
9j 曲部
10 取付具
10a 取付本体
10b 肩ストラップ取付用穴
10c 係止用ストランド
10d 係止部
10e 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップ付き女性用衣類の本体に着脱可能とし、取付本体、肩ストラップ取付用穴、係止ストランド及び開口部を有する肩ストラップ用取付具において、
肩ストラップ用取付具は、
取付本体、肩ストラップ取付用穴、係止ストランド及び開口部を有した取付具と、
本体部及びアーム部を有した略L字状の留め具からなり、
前記取付具は、前記開口部に面しない前記係止ストランドにおける端部の一端面に嵌合手段を有し、
前記取付具における幅方向の前記嵌合手段を有する側の一端隅部に接合手段を有してなり、
前記留め具は、前記本体部と前記アーム部の交会部の一端面に接合手段と、
前記本体部における端部の前記接合手段と同一面上に嵌合手段を設置した係合部と、
前記アーム部の端部に鉤状部を有してなり、
前記留め具における前記アーム部を前記取付具における上縁部に覆設するようにして、前記取付具と前記留め具を接合手段にて回動自在に接合し、
前記取付具及び前記留め具における嵌合手段を嵌合させて、
前記留め具が前記取付具における前記開口部を閉鎖するようにして取り付けたことを特徴とする肩ストラップ用取付具。
【請求項2】
カップ付き女性用衣類の本体に着脱可能とし、取付本体、肩ストラップ取付用穴、係止ストランド及び開口部を有する肩ストラップ用取付具において、
肩ストラップ用取付具は、
取付本体、肩ストラップ取付用穴、係止ストランド及び開口部を有した取付具と、
本体部及びアーム部を有した略L字状の留め具からなり、
前記取付具は、前記開口部に面しない前記係止ストランドにおける端部の一端面に嵌合手段を有し、
前記取付具における幅方向の前記嵌合手段を有する側の一端隅部に接合手段を有し、
前記取付具の両端面に前記留め具の外形と同形状の上縁凹部及び端縁凹部を有してなり、
前記留め具は、前記本体部と前記アーム部の交会部に接合手段と、
前記本体部における端部に嵌合手段を設置した係合部と、
前記本体部の側面を貫通する空洞部と、
前記アーム部の端部に鉤状部を有してなり、
前記留め具における前記空洞部に前記取付具における前記取付本体の前記端縁凹部を嵌入させ、
前記取付具における前記上縁凹部を前記留め具における前記アーム部で、前記取付具における前記端縁凹部を前記留め具における前記本体部でそれぞれ覆設させて、
前記取付具と前記留め具の両端面を同一平面とし、
前記取付具と前記留め具を接合手段にて回動自在に接合し、
前記取付具及び前記留め具における嵌合手段を嵌合させて、
前記留め具が前記取付具における前記開口部を閉鎖するようにして取り付けたことを特徴とする肩ストラップ用取付具。
【請求項3】
カップ付き女性用衣類の本体に着脱可能とし、取付本体、肩ストラップ取付用穴、係止ストランド及び開口部を有する肩ストラップ用取付具において、
前記肩ストラップ用取付具における前記肩ストラップ取付用穴の下方に溝部が連接して形成されたことを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の肩ストラップ用取付具。
【請求項4】
カップ付き女性用衣類の本体に着脱可能とし、取付本体、肩ストラップ取付用穴、係止ストランド及び開口部を有する肩ストラップ用取付具において、
前記肩ストラップ用取付具における前記肩ストラップ取付用穴の下方に、前記留め具における前記アーム部の鉤状部と同一円弧からなる溝部を連接して形成させ、
前記留め具の回動時に、前記留め具における前記アーム部の鉤状部と前記留め具における前記溝部の円弧とが合致して当接することを特徴とする請求項2に記載の肩ストラップ用取付具。
【請求項5】
カップ付き女性用衣類の本体に着脱可能とする肩ストラップ用取付具を端部に有する肩ストラップにおいて、
端部に請求項1乃至請求項4に記載の肩ストラップ用取付具を具備したことを特徴とする肩ストラップ。
【請求項6】
肩ストラップを衣類本体に着脱可能としたカップ付き女性用衣類において、
請求項5に記載の肩ストラップを具備したことを特徴とするカップ付き女性用衣類。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−274497(P2008−274497A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−122057(P2007−122057)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(000114606)モリト株式会社 (198)
【出願人】(591050729)株式会社オーゼットケー (1)
【Fターム(参考)】