説明

肩関節形成術システム

関節接合ライナとスペーサとアダプタインサートとのような様々なモジュール型の相互交換可能な構成要素を着脱自在に受け入れるようになっている接触面を備える拡大された頭部部分を有する上腕骨軸を含む、全肩関節形成術と半肩関節形成術と「逆」全肩関節形成術とのためのインプラントシステム。この上腕骨軸は、従来通りのまたは「逆の」全肩関節形成術と半肩関節形成術とにおいて使用できる汎用のプラットフォームとして機能し、および、例えば上述の形状構成の相互間でインプラントシステムが変更される変更時に所定位置に移植状態のままであることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプラントおよび器具を含む外科的インプラントシステムと、全肩関節形成術、半肩関節形成術、または、「逆」全肩関節形成術を行うための方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
健康な肩では、上腕骨近位部が一般的に球形であり、肩関節を形成するように関節窩と呼ばれる肩甲骨によって形成されているソケット内に関節接合する。疾病または外傷を原因とする肩関節の全置換、すなわち、全肩関節形成術のための従来のインプラントシステムは、一般的に、肩の自然の解剖学的構造を再現し、および、典型的には、上腕骨管内に嵌り込む軸を有する上腕骨構成要素と、肩甲骨の関節窩内に移植された関節窩インプラントのソケット内に関節接合する関節接合頭部とを含む。肩関節の上腕骨構成要素だけの置換、すなわち、半肩関節形成術のためのインプラントシステムが、典型的には、肩甲骨の自然の関節窩ソケット内に関節接合する上腕骨構成要素だけを含む。
【0003】
最近では、肩の自然の解剖学的構造を再現する従来の球関節型の形状構成が逆にされており、したがって、凹型の凹んだ関節接合構成要素が、関節窩構成要素の凸型部分に対して関節接合する上腕骨構成要素の近位末端に備えられている、「逆」型の肩インプラントシステムが開発されている。このような逆肩インプラントシステムは、三角筋がより大きい応力中心距離を上腕骨に及ぼすことを可能にするように、例えば上腕骨構成要素と関節窩構成要素との間で回転の中心を移動させることによって、修復不可能な回転筋筋束の損傷に関連した肩甲上腕関節炎の治療のための増大された関節可動域を実現すると考えられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、全肩関節形成術および半肩関節形成術のためのインプラントシステムを提供し、このインプラントシステムは、関節接合ライナとスペーサとアダプタインサートとのような様々なモジュール型の相互交換可能な構成要素を着脱自在に受け入れるようになっている接触面を有する拡大された頭部部分を有する上腕骨軸を含む。この上腕骨軸は、従来通りのまたは「逆」の全肩関節形成術と半肩関節形成術で使用でき、かつ、例えば上述した形状構成の間でインプラントシステムが変更される変更時に所定位置に移植された状態のままである、汎用プラットフォームとして機能する。関節接合ライナは関節窩構成要素に関節接合し、および、従来通りの全肩関節形成術または半関節形成術に適した角度から「逆」全肩関節形成術に適した角度に上腕骨軸の首角度を変化させるように角度を付けられるだろう。スペーサは、必要に応じて接合張力の増大を生じさせるために、上腕骨軸と関節接合ライナとの間に嵌合するために採用随意に使用されるだろう。アダプタインサートは、半関節形成術用途における凸型の関節接合構成要素との接触面を提供するために使用される。さらに、複数の多軸固着ねじによって関節窩に装着可能である関節窩構成要素も用意され、この関節窩構成要素は、上腕骨構成要素の関節接合ライナが関節接合することができる滑らかで凸状の連続した関節接合表面を有する関節窩球(glenosphere)を受け入れる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、その一形態において、全肩関節形成術または半肩関節形成術で使用するための上腕骨インプラント構成要素を提供し、この上腕骨インプラント構成要素は、その遠位末端に向かって延びる軸部分と、第1の係合構造と第1の先細穴とを有する内部空洞を含み、かつ、その近位末端に位置した頭部部分と、その内部空洞内に受け入れられておりかつ第1の先細穴の中に受け入れられている第1の軸を含む第2の構成要素とを含む。
【0006】
本発明は、その別の形態において、全肩関節形成術または半肩関節形成術で使用するための上腕骨インプラント構成要素を提供し、この上腕骨インプラント構成要素は、縦軸線を画定する軸部分と、第1の係合構造を有する頭部部分と、その縦軸線に対する第1の角度を画定する部分とを含み、かつ、この第1の角度は約35度から約55度の間である。
【0007】
本発明は、その別の形態において、全肩関節形成術または半肩関節形成術で使用するための上腕骨インプラント構成要素を提供し、この上腕骨インプラント構成要素は、縦軸線を画定する軸部分と、第1の係合構造と、縦軸線に対して第1の角度を画定する表面とを有する頭部部分と、軸から分離しておりかつ第1の係合構造に固定されており、かつ、第1の表面と第2の表面との間に第2の角度を画定する第2の表面を有する第2の構成要素とを含む。
【0008】
本発明は、その別の形態において、全肩関節形成術または半肩関節形成術で使用するための上腕骨インプラント構成要素を提供し、この上腕骨インプラント構成要素は、縦軸線を画定する軸部分と、第1の係合構造を有する頭部部分と、軸から分離しておりかつ第1の係合構造に固定されており、かつ、約1度から約30度の間の縦軸線に対する前傾角度および後傾角度の一方を画定する表面を有する第2の表面とを含む。
【0009】
本発明は、その別の形態において、全肩関節形成術または半肩関節形成術で使用するための上腕骨インプラント構成要素を提供し、この上腕骨インプラント構成要素は、その遠位末端に向かって延びる軸部分と、近位末端に隣接した縫合糸溝を含む、その近位末端に位置した大きく拡大された頭部部分とを含む。
【0010】
本発明は、その別の形態において、全肩関節形成術で使用するための関節窩インプラント構成要素を提供し、この上腕骨インプラント構成要素は、その内側側部から延びる軸を有する本体と、実質的に凸状の座を中に含む本体内の少なくとも1つの穴と、この穴の中を通って延びることが可能な少なくとも1つのねじであって、ねじ山付きシャンクと、座に対して突き当たることが可能な少なくとも部分的に球形である頭部とを含むねじと、ねじの頭部が座に対して多軸的に移動できる第1の位置とねじ頭部が座に対して相対的な固定位置に保持される第2の位置との間を移動可能であるねじ保持器とを含む。
【0011】
本発明は、その別の形態において、全肩関節形成術で使用するための関節窩インプラント構成要素を提供し、この関節窩インプラント構成要素は、基部壁を有する実質的にカップ形の本体を含む基部部材と、基部壁の外側側部から延びる先細の環状壁と、基部部材の先細環状壁上に受けられることが可能である先細穴を含む内側側部を含む関節接合構成要素と、実質的に滑らかである連続した凸状の関節接合表面を画定する外側側部とを含む。
【0012】
本発明は、その別の形態において、肩の関節窩上に移植するための逆肩システムの関節窩構成要素を提供し、この関節窩構成要素は、骨に係合する第1の表面とこれとは反対側に位置した第2の表面とを含む関節窩基部であって、第1の表面から第2の表面に関節窩基部の中を通って延びる少なくとも1つの留め具受け穴を含み、この留め具受け穴の各々は、第2の表面の近位のねじ山付き部分と、このねじ山付き部分に隣接しておりかつこのねじ山付き部分に比較して第1の表面に対して近位である実質的に球形である部分とを含み、かつ、第2の表面から外方に延びる環状壁を有する関節窩基部と、関節接合表面を有しかつ穴を画定する関節窩球であって、関節窩基部に対して関節窩球を連結するために関節窩基部の管状壁がその穴の中に受け入れられる関節窩球と、頭部とねじ山付きシャンクとを有するねじであって、少なくとも1つの留め具受け穴の中を通って延び、関節窩内に挿入可能であり、かつ、その頭部は少なくとも部分的に球形である形状であり、かつ、少なくとも1つの留め具受け穴の球形部分内に保持されるように形状構成されているねじと、留め具受け穴のねじ山付き部分にねじ止め係合されている固着部材であって、留め具受け穴の中に留め具の頭部を固定するために留め具の頭部に突き当たる固着部材とを含む。
【0013】
本発明は、その別の形態において、肩の関節窩上に移植するための肩プロテーゼシステムの関節窩構成要素を提供し、この関節窩構成要素は、骨に係合する第1の表面とこれとは反対側に位置した第2の表面とを含む関節窩基部であって、第1の表面から第2の表面に関節窩基部の中を通って延びる少なくとも1つの留め具受け穴を含み、この留め具受け穴の各々は、第2の表面の近位のねじ山付き部分と、このねじ山付き部分に隣接しておりかつこのねじ山付き部分に比較して第1の表面に対して近位である実質的に球形である部分とを含む関節窩基部と、頭部とねじ山付きシャンクとを有するねじであって、このねじ山付きシャンクは少なくとも1つの留め具受け穴の中を通って延び、かつ、関節窩の中に挿入可能であり、かつ、その頭部は少なくとも部分的に球形である形状であり、かつ、少なくとも1つの留め具受け穴の球形部分内に保持されるように形状構成されているねじと、留め具受け穴のねじ山付き部分にねじ止め係合されている固着部材であって、ねじの頭部に突き当たり、かつ、留め具受け穴の球形部分内におけるその頭部の移動を制限する固着部材とを含む。
【0014】
本発明は、その別の形態において、上腕骨と肩甲骨とを含む肩関節の修復または置換のための逆肩プロテーゼシステムを提供し、この逆肩プロテーゼシステムは、肩甲骨上に取り付け可能である球アセンブリを含み、および、この球アセンブリは、骨に係合する第1の表面とこれとは反対側に位置した第2の表面とを含む関節窩基部であって、第1の表面から第2の表面にこの関節窩基部の中を通って延びる少なくとも1つの留め具受け穴を含み、この留め具受け穴の各々は、第2の表面の近位のねじ山付き部分と、このねじ山付き部分に隣接しておりかつこのねじ山付き部分に比較して第1の表面に対して近位である実質的に球形である部分とを含む関節窩基部と、関節接合表面を有しかつ第2の表面の近位の基部に着脱自在に取り付けられている関節窩球と、頭部とねじ山付きシャンクとを有するねじであって、このねじ山付きシャンクは少なくとも1つの留め具受け穴の中を通って延び、かつ、関節窩の中に挿入可能であり、かつ、その頭部は少なくとも部分的に球形の形状であり、かつ、少なくとも1つの留め具受け穴の球形部分内に保持されるように形状構成されているねじと、留め具受け穴のねじ山付き部分にねじ止め係合させられている固着部材であって、留め具の頭部に突き当たり、かつ、留め具受け穴の球形部分内におけるその頭部の移動を制限する固着部材とを含む。
【0015】
本発明は、その別の形態において、全肩関節形成術で使用するための関節窩インプラント構成要素を提供し、この関節窩インプラント構成要素は、骨に係合する第1の表面とこれとは反対側に位置した第2の表面とを含む関節窩基部であって、第2の表面から延びる第1の係合構造を有する関節窩基部と、関節接合表面と、第1の係合構造に係合するように形状構成されている第2の係合構造とを有する関節窩球と、関節窩構成要素を関節窩に固定するための多軸手段とを含む。
【0016】
添付図面と組み合わされた本発明の実施形態の後述の説明を参照することによって、本発明の上述の特徴および利点とその他の特徴および利点と、これらの利点および特徴を実現する方法とがより一層明らかになり、および、本発明自体がより適切に理解されるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
一致する照合記号が、幾つかの図において、一致している部品を示す。本明細書に示されている具体例が、本発明の例示的な実施形態を示し、および、こうした具体例が何らかの形で本発明の範囲を限定するものと解釈されてはならない。
【0018】
本明細書で使用される場合に、次の指示的な定義が使用される。「前側の」および「後側の」が、それぞれに、人体の前部により近いことと、人体の背部により近いこととを意味し、および、「近位の」および「遠位の」が、それぞれに、構造の付け根により近いことと、この付け根からより遠いこととを意味し、および、「内側の」および「外側の」が、それぞれに、矢状面により近いことと、矢状面からより遠いこととを意味する。矢状面は、体を右半分と左半分とに区分する体の中央を通る仮想的な垂直平面である。
【0019】
図1を参照すると、この図には「逆」全肩関節形成術のためのインプラントシステム30aが示されており、このインプラントシステムは、上腕骨の加工された近位末端と管との中に嵌め込まれるようになっている上腕骨構成要素32と、複数のねじを介して関節窩の加工された表面上に取り付けられている関節窩構成要素34とを含み、および、この上腕骨構成要素32は、自然の肩関節の動きを再現するように関節窩構成要素34の周りに関節接合する。さらに詳細に後述するように、上腕骨構成要素32は、一般的に、上腕骨軸36と、上腕骨軸36に嵌合されておりかつ凸状の関節接合表面を有する関節接合ライナ38とを含み、および、関節窩構成要素34は、一般的に、関節窩基部40と、関節窩基部40に嵌合されておりかつ凸状の関節接合表面を有する関節窩球42とを含み、および、関節接合ライナ38は関節窩球42の周りに関節接合する。
【0020】
図2を参照すると、従来通りの全肩関節形成術または半肩関節形成術のためのインプラントシステム30bが示されており、このインプラントシステム30bは、一般的に、従来通りの全肩関節形成術における従来通りの関節窩構成要素(図示されていない)に対して関節接合するか、または、半肩関節形成術において肩甲骨の無傷の関節窩に対して関節接合する、上腕骨構成要素32を含む。上腕骨構成要素32は、一般的に、上腕骨軸36と、アダプタインサート44と、アダプタインサート44に嵌合されておりかつ凸状の関節接合表面を有する上腕骨頭部45とを含む。
【0021】
図3から図5を参照すると、近位末端46と遠位末端48とを有する上腕骨軸36が示されている。上腕骨軸36は、近位末端46に位置した頭部部分50と、遠位末端48に向かって延びる軸部分52とを含む。図3から図5に示されている実施形態では、頭部部分50と軸部分52は単一の部品として一体的に形成されている。しかし、頭部部分50と軸部分52は、さらに、互いに接合されている別々の構成要素として形成されてもよい。上腕骨軸36と、本明細書で説明されているその他の構成要素とが、例えばチタンのような適切な生体適合性の金属、または、後述される他の材料から形成されるだろう。上腕骨軸36の頭部部分50は軸部分52に比較して大きく拡大されており、および、上腕骨軸36の近位末端46に向かって軸部分52から外方に朝顔形に開く。図3から見てとれるように、上腕骨の近位末端が切除されて、既知の器具(図示されていない)と方法とを使用して上腕骨管と上腕骨近位部末端とが加工された後に、軸部分52が上腕骨の加工された管の中に受け入れられ、および、頭部部分50が、切除された上腕骨の近位末端の円錐形に穴ぐりされた部分の中に受け入れられる。
【0022】
図4と図5とに示されているように、頭部部分50は、その近位末端の中に延びる内部空洞54を含み、この空洞54は、環状リブ58を有する第1の相対的により大きい直径の部分56と、先細穴60を画定する第2の相対的により小さい直径の部分とを含む。環状の外側リム62が、頭部部分50の近位末端46の周りに形成されており、および、上腕骨軸36を上腕骨の穴ぐりされて加工された管の中に嵌入するための嵌入器具(図示されていない)を固定および配置するために使用できる中央穴を有する器具座64を含む。複数の縫合糸穴66が外側リム62の中に画定されており、および、図3と図5に示されているように、縫合糸溝68が外側リム62の下方と付近とに配置されており、この縫合糸溝68の機能は後述されるだろう。
【0023】
上腕骨軸36は、これに加えて、その近位末端46に向かって、図5に最も適切に見てとれる複数の凹み部分を含み、この凹み部分内には、骨の代替物として使用可能な高度に多孔性である生体適合物質、および/または、上腕骨内での上腕骨軸36の骨統合(osseointegration)を補助する骨成長の促進のための細胞/組織受容性材料のパッドまたは被覆部分70が配置されている。こうした材料の一例が、Zimmer,Inc.(Warsaw,Indiana)から入手可能なTrabecular MetalTM技術を使用して生産される。このTrabecular MetalTMはZimmer Technology,Inc.の商標である。この材料は、膨張させられ、および、本明細書に開示内容が引例として組み入れられている米国特許第5,282,861号明細書に詳細に開示されている仕方で化学蒸着(「CVD」)プロセスによって、タンタル等のような生体適合性金属で被覆されている網状組織のガラス質炭素発泡体基体から形成されるだろう。当業者に明らかであるように、本明細書で説明する実施形態が多孔性タンタルを使用するが、ニオブのような他の金属、または、タンタルとニオブの合金、または、他の金属とタンタルとニオブの合金のような他の金属も使用可能である。
【0024】
図3と図5を参照すると、上腕骨軸36の頭部部分50は、さらに、必要に応じて上腕骨骨折の整復を補助するために縫合糸が中を通されることが可能な縫合糸穴74を有するその外側側部上にチタンのハブ部分72を含む。上腕骨軸36の頭部部分50の縫合糸穴66と縫合糸溝68は、上腕骨骨折の場合に上腕骨近位部を再建するために、または、軟部組織の連結のために、外科医によって使用されることもある。例えば、縫合糸穴66の1つまたは複数が、例えば、上腕骨軸36の周囲の様々な度合いの粗面を減少させるために、または、上腕骨軸36の周囲で軟部組織を固定するために、縫合糸溝68を使用して上腕骨上部の骨断片の周りに巻き付けられている縫合糸を固定するために使用されるだろう。さらに、外科医は、この目的のために必要に応じて、1つ、2つ、3つ、または、すべての縫合糸穴66を、単独で、または、互いに組み合わせて、または、縫合糸溝68と組み合わせて、選択的に使用できる。さらに、これに加えて、縫合糸溝68によって実現される上腕骨軸36の外側リム62の下方の軸方向の隙間が、例えば、骨折の整復のために、または、軟部組織の固定のために、上腕骨軸36の軸方向に沿って骨断片を引っ張る「引き下ろし(pull−down)」縫合糸のための1つまたは複数の縫合糸穴66を外科医が使用することを可能にする。
【0025】
図3を参照すると、上腕骨軸36の頭部部分50の近位末端における外側リム62は実質的に平らなまたは平面の表面を画定し、この表面は、図示されているように、全肩関節形成術時または半肩関節形成術時に上腕骨軸36が移植される時に上腕骨近位部Hを切除するために切除切れ目を外科医がそれに沿って形成する切除切れ目線L2−L2に実質的に沿って配置されている。第1の首角度αが、切除切れ目線L2−L2に沿った外側リム62の表面と上腕骨軸36の縦軸線L1−L1と間の内側/外側面において画定されている。この首角度αは約35度、約40度、または、約45度ほどの小ささであり、および、後述するように、上腕骨軸36が従来の肩関節形成術または半肩関節形成術で使用される時には約50度または約55度ほどの大きさだろう。図3の実施形態と、後述する図8Bおよび図8Cとにおいては、首角度αは約53度である。さらに、後述するように、関節接合ライナが、「逆」肩関節形成術により一層適している上腕骨軸36の縦軸線L1−L1に対するより大きい首角度を実現するために使用されるだろう。
【0026】
図6Aと図6Bとを参照すると、例えば超高分子量ポリエチレン(「UHMWPE」)の単一の一体状部品で形成されることがある本体76を含む、上腕骨軸36に対する嵌合のための関節接合ライナ38の近位斜視図と遠位斜視図とがそれぞれに示されている。上腕骨ライナ38の近位末端は、関節窩構成要素34の関節窩球42(図1)に対して関節接合するための凸状の関節接合表面78を含む。関節接合ライナ38の遠位末端は、その周りに間隔を置いて配置されている複数のばね指片80と、上腕骨軸36の先細穴60内での締まりばめを実現するために非先細になっていることもある柱82をと含む。関節接合ライナ38は、さらに、後述する仕方で関節接合ライナ38が上腕骨軸36に取り付けられる時に上腕骨軸36の縫合糸穴66に到達するための隙間を提供するための、本体76の外側周縁の周りに配置されている複数の凹み84を含む。
【0027】
さらに図7と図8とを参照すると、関節接合ライナ38が、嵌入器具(図示されていない)を使用することによって上腕骨軸36に取り付け可能であり、この嵌入器具は、関節接合表面78によって画定されている空洞内に嵌合する第1の部分と、上腕骨軸36に対して相対的に関節接合ライナ38を回転によって配置するために関節接合ライナ38の本体76の外側周縁内のノッチ86の中と上腕骨軸36の器具座64の穴の中とを通して挿入可能である第2の尖端型の部分とを含むだろうし、および、関節接合ライナ38の柱82は、締まりばめによって上腕骨軸36の先細穴60の内に受け入れられる。その次に、関節接合ライナ38は、上腕骨軸36に対して関節接合ライナ38を軸方向に固定するように関節接合ライナ38のばね指片80が上腕骨軸36の環状リブ58の背後に弾性的に係合するまで、上腕骨軸36の内部空洞54の中に嵌入され、および、上腕骨軸36に対する関節接合ライナ38の相対的な回転が、関節接合ライナ38のノッチ86内の上腕骨軸36の器具座64の係合によって防止される。
【0028】
図6Aから図8Cに示されているように、関節接合ライナ38は、実質的にくさび形であり、図8Bと図8Cとに示されているように上腕骨軸36の頭部部分50の外側リム62に突き当たっている環状の下部表面83と、この下部表面83とは反対側に位置した環状の上部表面85とを有する。図8Bと図8Cとに示されているように、下部表面83と上部表面85は共に、内側/外側面においてこれらの表面の間の角度γを画定し、この角度γは約1度または約5度の小ささであることがあり、または、約15度、約30度、約35度の大きさであることがあり、または、例えばこれらの間の任意の1度の増分でサイズ決定されることがある。図8Bの実施形態では、第1の関節接合ライナ38aは約7度の角度γを画定し、および、図8Cの実施形態では、第2の関節接合ライナ38bは約12度の角度γを画定する。第1の関節接合ライナ38aと第2の関節接合ライナ38bのさらなる詳細事項を後述する。関節接合ライナ38a、38bが上述した仕方で上腕骨軸36の頭部部分50に固定される時には、関節接合ライナの上部表面85が、上腕骨軸36の縦軸線L1−L1に対して第2の首角度βを画定し、または言い換えると、上腕骨軸36の縦軸線L1−L1と切除切れ目線L2−L2に沿った外側リム62との間の第1の首角度αと、関節接合ライナ38の角度γとが組み合わさって、第2の首角度βを画定する。関節接合ライナ38の第1の首角度αと首角度γの場合と同様に、第2の首角度βは内側/外側面内にある。第2の首角度βは、約55度または約60度の小ささであることがあり、または、上腕骨軸36が「逆」肩関節形成術のために形状構成されている時には約65度または約70度の大きさであることがあり、および、関節接合ライナ38は、肩関節のための適正な安定性を実現するために様々な角度γを有する複数の関節接合ライナ38から選択されてもよい。図8Bの実施形態では、第2の首角度βは約60度であり、および、図8Cの実施形態では、第2の首角度βは約65度である。
【0029】
関節接合ライナ38は、例えば特定の患者の解剖学的構造および/または関節再建の必要性に関する適正にサイズ決定された関節接合ライナを提供するために、異なるサイズの直径と高さとを有する複数の互いに異なるサイズの関節接合ライナから外科医によって選択されるだろう。これに加えて、複数の試験用または仮の関節接合ライナ(図示されていない)が本インプラントシステムにと共に提供されてもよく、この試験用または仮の関節接合ライナは、ばね指片80および/または柱82を持たないが、その他の点では移植される関節接合ライナ38と実質的に同一である。このようにして、外科医は、移植される関節接合ライナの適正なサイズを決定するために、関節形成術処置中にこのような仮の関節接合ライナを使用し、その後での所望の関節接合ライナを選択し、および、上述した仕方でこの関節接合ライナを上腕骨軸3に固定するだろう。
【0030】
図8Bと図8Cとを参照すると、2つの異なるサイズの関節接合ライナ38a、38bとが示されており、これらの関節接合ライナ38a、38bは、その関節接合表面78a、78bの直径を除いて構造的に同一である。一実施形態では、関節接合ライナ38aは、36mmの直径D1を有する関節接合表面78aを有し、および、関節接合ライナ38bは、40mmの直径D2を有する関節接合表面78bを有する。しかし、関節接合ライナ38の直径は約30mm、約32mm、または、約34mmの小ささであることがあり、または、約50mm、約55mm、または、約60mmの大きさであることがあり、または、例えばこれらの間の任意の1度の増分でサイズ決定されることがある。関節接合ライナ38aは、典型的には、大半の患者において使用できるが、しかし、関節接合ライナ38bは、比較的により体が大きい患者において、または、より大きい直径の関節接合表面が例えばより大きい関節安定性を実現するために必要とされるような場合に、使用されるだろう。有利であることに、関節接合ライナ38a、38bを上腕骨軸36の頭部部分50に固定する上述の構造が同一なので、外科医は、関節接合ライナ38a、関節接合ライナ38b、または、特定の患者の解剖学的な必要性に基づいて異なるサイズまたは異なる寸法の関節接合表面(図示されていない)を有する関節接合ライナから、適切な関節接合ライナを手術中に選択するだろう。したがって、上腕骨軸36に適合可能である、様々な関節接合表面直径または他の寸法を有する、一連の関節接合ライナが提供されるだろう。
【0031】
採用随意に、後述する様々なサイズのスペーサ90(図9A−11)が、関節接合ライナ38の高さが肩関節上の増大された張力が実現するのには十分でない場合に、必要に応じて肩関節上の増大された張力を実現するために使用されることがある。図9Aと図9Bとを参照すると、例えばチタンで形成されることがある本体92を含むスペーサ90の近位斜視図と遠位斜視図とがそれぞれに示されている。スペーサ90の近位末端は、上腕骨軸36の内部空洞54、および、特に上述した上腕骨軸36の環状リブ58と穴60を寸法的に再現する環状リブ96と穴98とを有する内部空洞94を含む。これに加えて、スペーサ90は、上述した上腕骨軸36の器具座64を再現する器具座100を含む。スペーサ90の遠位末端は、上腕骨軸36の先細穴60内に固着的に嵌合するための先細軸102を含む。スペーサ90の本体92は、スペーサ90が後述の仕方で上腕骨軸36に連結される時に上腕骨軸36の縫合糸穴66に到達するための隙間を提供するために、本体92の外側周縁の付近に配置されている複数の凹み104を含む。
【0032】
図10と図11とをさらに参照すると、使用時には、スペーサ90は、上述の関節接合ライナ38と実質的に同じ仕方で適切な器具(図示されていない)を使用して上腕骨軸36に嵌合されることができ、スペーサ90の先細軸102は上腕骨軸36の先細穴60内の先細固着嵌合を実現し、および、スペーサ90と上腕骨軸36との間の相対的な回転が、スペーサ90の座100の反対側に配置されているスペーサ90のノッチ106(図9B)内の上腕骨軸36の器具座64の係合によって防止される。この後に、選択された関節接合ライナ38が、上腕骨軸36に対する関節接合ライナ38の取り付けに関して上述した仕方と同一の仕方で、すなわち、関節接合ライナ38のばね指片80をスペーサ90の環状リブ96に係合させることと、スペーサ90の穴98の中に関節接合ライナ38の柱82を受け入れることとによって、スペーサ90の内部空洞の中に取り付けられるだろう。スペーサ90は、さらに、上腕骨軸36からスペーサ90を取り外すために取り出し器具(図示されていない)のねじ山付き末端のねじ込み式の受け入れのために使用できるねじ山付きの中央穴108も含むだろうし、これによって、ねじ山付き穴108の中を通して取り出し器具のねじ山付き末端をねじ込む時に、このねじ山付き末端が上腕骨軸36の先細穴36の底部に突き当たって底打ちし、上腕骨軸36からスペーサ90を係合解除するだろう。
【0033】
図12Aと図12Bとを参照すると、アダプタインサート44の遠位図と近位図とが示されており、アダプタインサート44は、従来通りの全肩関節形成術または半肩関節形成術で使用する上腕骨軸36を形状構成するために上腕骨頭部45との接触面を提供するように、上腕骨軸36と共に使用されるだろう。アダプタインサート44の近位末端は第1の先細軸110を含み、および、アダプタインサート44の遠位末端は第2の先細軸112を含み、中央穴114がその先細軸112の中を通って延びる。さらに、図13と図14とを参照すると、アダプタインサート44の遠位末端が上腕骨軸36の内部空洞54内に受け入れられる時に、アダプタインサート44の第2の先細軸112が上腕骨軸36の先細穴60の中に固着的に嵌合可能である。この後に、上腕骨アセンブリを完成させるために、遠位先細穴116と近位凸状関節接合表面118とを含む上腕骨頭部45が、アダプタインサート44の第1の先細軸110上に嵌合させられるだろう。使用時には、上述したように、上腕骨頭部45の凸状の関節接合表面118が、従来通りの全肩関節形成術において従来通りの関節窩構成要素(図示されていない)に対して関節接合するか、または、半肩関節形成術において肩甲骨の無傷の関節窩に対して関節接合する。アダプタインサート44は、さらに、上腕骨軸36からのスペーサ90の取り除きに関して上述した仕方と同様の仕方でねじ山付き取り出し器具(図示されていない)を使用して、上腕骨軸36からアダプタインサート44が取り外されることを可能にするために、中央穴114内のねじ山120(図12A)を含む。
【0034】
後述するように、本肩インプラントシステムの関節接合ライナとアダプタインサートは、さらに、前傾または後傾の特徴も含むだろう。図23と図24とを参照すると、関節接合ライナとアダプタインサートとのさらに別の実施形態が示されており、この実施形態の各々は、前傾または後傾を実現するために、上腕骨軸36の縦軸線L1−L1に対して前側/後側面において傾斜させられている。
【0035】
図23を参照すると、上腕骨軸36に連結されている関節接合ライナ38cが示されており、この関節接合ライナ38cは、後述の相違点を除いて、上述の関節接合ライナ38と同一である。関節接合ライナ38cの本体76は、上腕骨軸36の縦軸線L1−L1に対して前側/後側面において角度Δに方向配置されている凹状の関節接合表面78cを含む。明確に述べると、関節接合表面78cに対して垂直でありかつその中央を通過する線L3−L3は、上腕骨軸36の縦軸線L1−L1に対して角度Δを画定する。角度Δは、前傾のために関節接合表面78cの前側向きの方向配置を画定するか、または、図23に示されているように、角度Δは、後傾のために関節接合表面78cの後側向きの方向配置を画定するだろう。角度Δは約1度、約5度、または、約10度の小ささであることがあり、または、約20度、約25度、または、約30度の大きさであることがあり、または、例えば、これらの間の任意の1度の増分でサイズ決定されることがある。図23の実施形態では、角度Δは約20度である。これに加えて、図23に示されているように、本明細書に開示されている関節接合ライナ38は、上腕骨軸36の縦軸線L1−L1に対して前側/後側面における上述の前傾または後傾角度Δと、上腕骨軸36の縦軸線L1−L1に対して内側/外側面における上述の前傾または後傾角度γとの両方を含むだろう。このようにして、関節接合ライナ38cは、「逆」全関節形成術における前傾または後傾を実現するために使用されることが可能である。
【0036】
図24を参照すると、後述の相違点を除いて上述のアダプタインサート44と同一であるアダプタインサート44aが上腕骨軸36に取り付けられた形で示されている。アダプタインサート44aは、上腕骨軸36の縦軸線L1−L1に対して前側/後側面において角度Δにアダプタインサート44aの第1の先細軸110を位置決めする傾斜した本体部分111を含む。明確に述べると、アダプタインサート44aの縦軸線と先細軸110とに沿って延びる線L3−L3は、上腕骨軸36の縦軸線L1−L1に対して角度Δを画定する。角度Δは、前傾のために第1の先細軸110の内側向きの方向配置を画定するだろうし、または、図24に示すように、角度Δは後傾のために第1の先細軸110の後側向きの方向配置を画定するだろう。角度Δは、約1度、約5度、または、約10度の小ささであることがあり、または、約20度、約25度、または、約30度の大きさであることがあり、または、例えば、これらの間の任意の1度の増分でサイズ決定されることがある。図23の実施形態では、角度Δは約20度である。凸状の関節接合表面118を有する上腕骨頭部45が、上述の仕方でアダプタインサート44aの第1の先細軸110に取り付けられており、および、アダプタインサート44aによって画定されている前傾または後傾角度にしたがって方向配置されているだろう。これに加えて、本明細書に開示されている関節接合ライナ38と同様に、アダプタインサート44aは、上腕骨軸36の縦軸線L1−L1に対して前側/後側面における上述した前傾または後傾角度Δと、上腕骨軸36の縦軸線L1−L1に対して内側/外側面における角度との両方を含むだろう。このようにして、アダプタインサート44aは、従来通りの全肩関節形成術または半関節形成術における前傾または後傾を実現するために使用されることが可能である。
【0037】
有利なことに、上腕骨軸36は、「逆」全肩関節形成術、従来通りの全肩関節形成術、または、半肩関節形成術で使用するために上腕骨軸36を形状構成するように、上述の仕方で様々なモジュール型の構成要素と共に使用できる汎用の上腕骨インプラントプラットフォームとしての役割を果たす上腕骨構成要素を提供する。したがって、上腕骨軸36が図3に示されているように上腕骨近位部内に移植されると、この上腕骨軸36は、上述の構成要素を使用することによって患者の必要に応じて、図1と図6aから図11とに示されているように、「逆」全肩関節形成術のために形状構成されることができ、または、図2と図12Aから図14とに示されているように、従来通りの全肩関節形成術または半肩関節形成術のために、形状構成されることができる。
【0038】
さらに、上腕骨軸36は、移植が完了すると、任意の必要な修正処置全体を通して移植状態のままであることが可能であり、および、上腕骨軸36自体を置換する必要なしに上述の様々なモジュール型構成要素の2つ以上を置き換えることによって、必要に応じてあらゆる修正を外科医が行うことを可能にする。例えば、患者が最初に半肩関節形成術を受け終わった後で「逆」全肩関節形成術を受けるために修正を必要としている場合に、上腕骨頭部45が取り外され、その次に、アダプタインサート44が取り外される。この後に、関節接合ライナ38と採用随意にスペーサ90とが、患者の上腕骨から上腕骨軸36を取り外す必要なしに、上述の仕方で上腕骨軸36に取り付けられる。同様の処置が、従来通りの全肩関節形成術を「逆」全肩関節形成術に変換するために使用されるだろう。
【0039】
上腕骨軸36の1つの顕著な利点が、上述したように、この上腕骨軸36の近位表面が、切除された上腕骨の切除切れ目線L2−L2に実質的に沿って位置するということである。したがって、本明細書に開示されている様々なモジュール型構成要素が、上腕骨近位部Hの周囲の骨を取り外す必要なしに、および/または、上腕骨H内の移植された上腕骨軸36の位置を置換または変更する必要なしに、切除切れ目線L2−L2の上方の移植された上腕骨軸36の上に、取り付けられるか、取り除かれるか、および/または、置き換えられるだろう。
【0040】
図15から図22を参照すると、関節窩構成要素34(図22)が示されており、この関節窩構成要素34は、図15から図17と図22とに示されている関節窩基部40と、図18と図22とに示されている関節窩球42と一般的に含む。図15から図17を参照すると、関節窩基部40は、例えばチタンのような生体適合性の金属で作られることがある本体130を含み、および、その内側側部から突き出る軸部分132(図17)と、その外側側部から突き出る先細の環状壁134とを含む。軸部分132を含む、関節窩基部40の本体130の内側側部は、関節窩基部40を関節窩と骨統合させるように、関節窩から関節窩基部40の中と周囲とへの骨の内方成長を促進するために、Zimmer,Inc.(Warsaw,Indiana)から入手可能なTrabecular MetalTM技術を使用して生産される、上述の高度に多孔性である生体適合物質のパッドまたは被覆部分135を含むだろう。典型的には、関節窩は、関節窩本体130の軸部分132を受け入れるための関節窩内の穴を加工することと、後述するように本体130の実質的に平らな平面の内側側部が嵌合させられることが可能な関節窩上の実施的に平らな平面表面を加工するためにリーマ(図示されていない)で関節窩を穴ぐりすることとによって、関節窩が関節窩構成要素34の取り付けのために準備される。
【0041】
関節窩基部40の本体130はその中を通る1対の穴136を含み、および、この1対の穴136は、図17に最も適切に見てとれるように、第1のねじ山付き部分138と、関節窩基部40の内側側部に向かって外向きに開くように先細になっている第2の部分140とを含む。穴136は、これに加えて、穴136の第1および第2の部分138、140の間に位置しているねじ頭部座142を含む。図示しているように、ねじ頭部座142は、少なくとも部分的に球形である形状を有するが、傾斜しているかまたは先細である輪郭も有することがある。関節窩基部40を関節窩に固定するために、図19に示されている1対の多軸ねじ144が備えられており、この多軸ねじの各々は、多角形の取り付け具148のような工具係合構造を有する実質的に球形である頭部146と、ねじ山付きシャンク150とを含む。図20と図21とに示すねじロック152も備えられており、および、このねじロック152は、後述するように、穴136のねじ山付き部分138とねじ144の頭部146と共に協働してねじ144の位置を固定する。各々のねじロック152は、一般的に、外部ねじ山154と、半球形の凹状の座156と、多角形の取り付け具158のような器具係合構造とを含む。
【0042】
図22を参照すると、左側における固着位置にあるねじ144とねじ頭部ロック152と、右側における固着解除位置にあるねじ144とねじ頭部ロック152とを伴っている、関節窩基部40が示されている。加工された関節窩に関節窩基部40を固定するために、各々のねじ144が、本体130内のそれぞれの穴136の中を通して適切な器具(図示されていない)を使用して挿入されており、および、関節窩内の事前形成された穴の中にねじ込まれている。穴136の先細の第2の部分140が、その軸部分132に沿って画定されているように、関節窩基部40の縦軸線から30度の角度までのねじ144の多軸的な位置決めに適合する。有利であることに、ねじ144の多軸的な位置決めに関節窩基部40が適合することが可能であることが、外科医が、患者の解剖学的構造に合致することが必要とされているねじ144の最適角度を決定することと、および/または、関節窩基部40を関節窩に固定するために使用可能な骨幹(bone stock)を最も効果的に利用することを可能にする。この後に、図22の左側を参照すると、ねじ144の頭部146に対してねじ頭部ロック152の座156を堅固に係合させるために適切な器具(図示されていない)を使用して、および、これによって、選択された固定位置にねじ頭部146を固定するために、および、関節窩基部40に対してねじ144の位置を相対的に固定するために、穴136内の座142に対してねじ頭部146を堅固に押し付けることによって、ねじロック152が穴136のねじ山付きの第1の部分138の中にねじ込まれる。
【0043】
有利であることに、図17と図22とに見てとれるように、関節窩基部40の本体130が、ねじ144の多軸的な位置決めに適合するために穴136の先細の第2の部分140を含み、かつ、ねじ座142が関節窩基部40の本体130の内側側部の中に凹まされて形成されているので、関節窩基部40は、実質的に平面の内側側部160を含むだろうし、および、穴136の先細の第2の部分140がねじ144の多軸的な位置決めに適合する。関節窩基部40の平らな内側側部160は、平面リーマ(図示されていない)によって加工されることがある関節窩の平らな平面に突き当たる形で関節窩基部40が据え付けられることを可能にし、および、ねじ144の多軸的な位置決めに適合するために関節窩基部40の内側側部から隆起部分または他の突起物が突き出る必要性を排除するが、この隆起部分または他の突起物が突き出る必要性は、適合するための追加の関節窩加工段階を必要とする。
【0044】
図18と図22とを参照すると、関節窩球42が、一般的に、中を延びる先細の内部穴162を有する内側側部を含み、この内部穴162は関節窩球42の縦軸線と整合させられているか、または、関節窩球42の縦軸線に対してオフセットしているだろう。さらに、関節窩球42は、凸状の関節接合表面164を有する外側側部を含む。関節窩球42は、特定の患者の解剖学的構造のために必要とされる最適な関節窩球を外科医が選択することを可能にするように、様々な直径と、様々な高さと、内部穴162に関する様々なオフセットとのような様々な異なるサイズで提供されるだろう。関節窩球は、関節窩基部40の協働的に先細の環状壁134の上に関節窩球42の先細穴162を固着的に嵌合させることによって、関節窩基部40上に嵌合させられる。有利であることに、関節窩球42の穴162と関節窩基部40の環状壁134との間の上述の連結が、例えば留め具の受け入れのための開口を中に持たない実質的に滑らかで連続した関節接合表面164を関節窩球42が有することを可能にする。
【0045】
本発明を好ましい設計を有するとして説明してきたが、本発明は、本開示内容の着想と範囲との中でさらに変更されることが可能である。したがって、本出願は、本発明の一般的な原理を使用する本発明のあらゆる変型と使用と適用とをその範囲内に含むことが意図されている。さらに、本出願は、本発明が関係しておりかつ添付されている特許請求項の範囲内に含まれる、当業の公知または通例の慣行に関連している本開示内容からの逸脱をその範囲内に含むことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、上腕骨構成要素と関節窩構成要素とを含む、本発明による「逆」全肩関節形成術インプラントシステムの斜視図である。
【図2】図2は、従来通りの全肩関節形成術インプラントシステムまたは半肩関節形成術システムの上腕骨構成要素の斜視図である。
【図3】図3は、上腕骨の輪郭をさらに示す、内側/外側面を通る上腕骨軸の側面図である。
【図4】図4は、上腕骨軸の近位末端の斜視図である。
【図5】図5は、上腕骨軸の近位末端を示す、内側/外側面を通る断面図である。
【図6A】図6Aは、関節接合ライナの近位末端の斜視図である。
【図6B】図6Bは、図6Aの関節接合ライナの遠位末端の斜視図である。
【図7】図7は、上腕骨軸と関節接合ライナとの分解組立図である。
【図8A】図8Aは、上腕骨軸と関節接合ライナとの間の連結を示す、内側/外側面を通る部分断面図である。
【図8B】図8Bは、図7の上腕骨軸と関節接合ライナとの間の連結を示す、内側/外側面を通る部分断面図である。
【図8C】図8Cは、上腕骨軸と第2の関節接合ライナとの間の連結を示す、内側/外側面を通る部分断面図である。
【図9A】図9Aは、スペーサの近位末端の斜視図である。
【図9B】図9Bは、図9Aのスペーサの遠位末端の斜視図である。
【図10】図10は、上腕骨軸とスペーサの分解組立図である。
【図11】図11は、図10の上腕骨軸とスペーサとの間の連結を示し、および、さらに、スペーサと関節接合ライナとの間の連結を示す、内側/外側面を通る部分断面図である。
【図12A】図12Aは、アダプタインサートの遠位末端の斜視図である。
【図12B】図12Bは、図12Bのアダプタインサートの近位末端の斜視図である。
【図13】図13は、上腕骨軸とアダプタインサートと上腕骨頭部との分解組立図である。
【図14】図14は、図13の上腕骨軸とアダプタインサートと上腕骨頭部との間の連結を示す、内側/外側面を通る部分断面図である。
【図15】図15は、関節窩基部の外側側部の斜視図である。
【図16】図16は、関節窩基部の内側側部の斜視図である。
【図17】図17は、関節窩基部の断面図である。
【図18】図18は、関節窩球の内側側部の斜視図である。
【図19】図19は、ねじの斜視図である。
【図20】図20は、ねじロックの第1の斜視図である。
【図21】図21は、ねじロックの第2の斜視図である。
【図22】図22は、関節窩基部とねじと関節窩球との間の連結を示し、および、さらに、左側における固着位置にあるねじとねじ頭部ロックと、右側における固着解除位置にあるねじとねじ頭部ロックとを示す、関節窩構成要素を通る断面図である。
【図23】図23は、さらに別の実施形態による上腕骨軸と関節接合ライナとの間の連結を示す、前側/後側面を通る部分断面図である。
【図24】図24は、さらに別の実施形態による上腕骨軸とアダプタインサートとの間の連結を示す、前側/後側面を通る部分断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全肩関節形成術または半肩関節形成術で使用するための上腕骨インプラント構成要素(32)であって、
その遠位末端に向かって延びる軸部分(36)と、その近位末端に位置した頭部部分(50)と、第2の構成要素(38、90、44)とを有する上腕骨インプラント構成要素において、
前記頭部部分は、第1の係合構造(58)と第1の先細穴(60)とを有する内部空洞(54)を有し、および、前記第2の構成要素は、前記内部空洞内に受け入れられており、かつ、前記第1の先細穴の中に受け入れられている第1の軸(82、102、112)を含むことを特徴とする、
上腕骨インプラント構成要素。
【請求項2】
前記頭部部分(50)は前記軸部分(36)に比較して大きく拡大されていることを特徴とする請求項1に記載の上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項3】
前記第2の構成要素は、前記第1の係合構造(58)に係合する第2の係合構造(80)を有する第1の側部と、実質的に凹状の関節接合表面(78)を画定する、反対側の第2の側部とを含む、関節接合ライナ(38)であることを特徴とする請求項1に記載の上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項4】
前記第1の係合構造は環状リブ(58)と複数のばね指片との一方であり、および、前記第2の係合構造は前記環状リブ(58)と前記複数のばね指片(80)との他方であることを特徴とする請求項3に記載の上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項5】
前記関節接合ライナ(38)は、
前記第2の係合構造(80)と、約36mmの直径を有する関節接合表面(78)とを有する第1の関節接合ライナと、
前記第2の係合構造と、約40mmの直径を有する関節接合表面とを有する第1の関節接合ライナと、
から選択されることを特徴とする請求項3に記載の上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項6】
前記第2の構成要素は、前記第1の軸(102)とは反対側に位置したその側部上に第3の係合構造(96)と第2の穴(98)とを有する内部空洞(94)を含むスペーサ(90)であり、および、前記第3の係合構造は前記第1の係合構造(58)と同一であることを特徴とする請求項1に記載の上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項7】
前記スペーサ(90)は、様々なサイズ寸法の複数のスペーサから選択され、および、前記スペーサの各々は前記第3の係合構造(96)と前記第2の先細穴(98)とを含むことを特徴とする請求項6に記載の上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項8】
前記第2の構成要素は、前記第1の軸(112)とは反対側に位置した前記第2の構成要素の側部から延びる第2の先細軸(110)を含むアダプタ構成要素(44)であることを特徴とする請求項1に記載の上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項9】
関節接合構成要素(45)が、前記第2の先細軸(110)の上に受けられる先細穴(116)と、実質的に凸状の関節接合表面(118)とを含むことを特徴とする請求項8に記載の上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項10】
縦軸線(L1)を画定する軸部分(36)と頭部部分(50)とを有する全肩関節形成術または半肩関節形成術で使用するための上腕骨インプラント構成要素(32)において、前記頭部部分は、第1の係合構造(58)と、前記縦軸線に対する第1の角度(α)を画定する部分(62)とを有し、および、前記第1の角度は約35度から約55度の間であることを特徴とする上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項11】
前記部分は前記インプラントの近位表面(62)であり、および、前記近位表面は、上腕骨内に前記上腕骨インプラント構成要素が移植される時に実質的に上腕骨の切除切れ目に沿って配置されるようになっていることを特徴とする請求項10に記載の上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項12】
前記第1の角度(α)は約50度から約55度の間であることを特徴とする請求項10に記載の上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項13】
前記第1の角度(α)は約53度であることを特徴とする請求項10に記載の上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項14】
関節接合ライナ(38)は前記頭部部分(50)に取り付けられており、および、前記関節接合ライナは、第2の角度(γ)を画定する実質的にくさび形の輪郭を有し、および、前記第2の角度と前記第1の角度(α)は組み合わさって第3の角度(β)を画定し、および、前記第3の角度は約55度から約70度の間であることを特徴とする請求項10に記載の上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項15】
前記第3の角度(β)は約60度から約65度の間であることを特徴とする請求項14に記載の上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項16】
前記第3の角度(β)は約60度であることを特徴とする請求項14に記載の上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項17】
縦軸線(L1)を画定する軸部分(36)と頭部部分(50)とを有する全肩関節形成術または半肩関節形成術で使用するための上腕骨インプラント構成要素(32)において、前記頭部部分は、第1の係合構造(58)と、前記縦軸線に対する第1の角度(α)を画定する第1の表面(62)と、前記軸部分から分離しておりかつ前記第1の係合構造に固定されている第2の構成要素(38、90、44)とを有し、および、前記第2の構成要素は、前記第1の表面と前記第2の表面との間に第2の角度(γ)を画定する第2の表面(85)を有することを特徴とする上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項18】
前記第1の角度(α)は約35度から約55度の間であり、および、前記第2の角度(γ)は約1度から約35度の間であることを特徴とする請求項17に記載の上腕骨構成要素(32)。
【請求項19】
前記第2の表面(85)は、前記第2の表面と前記軸部分の前記縦軸線(L1)との間の第3の角度(β)を画定し、および、前記第3の角度は約55度から約70度の間であることを特徴とする請求項17に記載の上腕骨構成要素(32)。
【請求項20】
縦軸線(L1)を画定する軸部分(36)と頭部部分(50)とを有する全肩関節形成術または半肩関節形成術で使用するための上腕骨インプラント構成要素(32)において、前記頭部部分は、第1の係合構造(58)と、前記軸部分から分離している第2の構成要素(38、90、44)とを有し、および、前記第2の構成要素は前記第1の係合構造に固定されており、および、前記第2の構成要素は、約1度から約30度の間の、前記縦軸線に対する前傾角度および後傾角度(Δ)の一方を画定する表面(85)を有することを特徴とする上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項21】
前記前傾角度および後傾角度(Δ)の一方は約20度であることを特徴とする請求項20に記載の上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項22】
前記第2の構成要素は、凹状の関節接合表面(78)を含む関節接合ライナ(38)であることを特徴とする請求項20に記載の上腕骨構成要素(32)。
【請求項23】
前記第2の構成要素は、凸状の関節接合表面を含む関節接合構成要素(45)を受け入れるための第3の係合構造(110)を含むアダプタインサート(44)であることを特徴とする請求項20に記載の上腕骨構成要素(32)。
【請求項24】
遠位末端に向かって延びる軸部分(36)と近位末端における頭部部分(50)とを有する、半肩関節形成術または全肩関節形成術で使用するための上腕骨インプラント構成要素(32)において、前記頭部部分は前記軸部分に比較して大きく拡大されており、かつ、前記近位末端に隣接した縫合糸溝(68)を含むことを特徴とする上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項25】
前記縫合糸溝(68)に隣接した前記頭部部分の外側周縁の周りに配置されている複数の縫合糸穴(66)を特徴とする請求項24に記載の上腕骨インプラント構成要素(32)。
【請求項26】
本体(130)と、前記本体内の少なくとも1つの穴(136)と、前記穴の中を通って延びることが可能な少なくとも1つのねじ(114)とを有する、全肩関節形成術で使用するための関節窩インプラント構成要素(40)において、前記本体は、前記本体の内側側部から延びる軸(132)を有し、前記本体内の前記少なくとも1つの穴は、その中に少なくとも部分的に球形である座(142)を含み、前記少なくとも1つのねじは前記穴の中を通って延びることが可能であり、前記ねじは、ねじ山付きシャンク(150)と少なくとも部分的に球形である頭部(146)とを含み、前記頭部は前記座に対して突き当たることが可能であり、ねじ保持器(152)が、前記ねじ頭部が前記座に対して多軸的に移動できる第1の位置と、前記ねじ頭部が前記座に対して相対的な固定位置に保持される第2の位置との間を移動することが可能であることを特徴とする関節窩インプラント構成要素(40)。
【請求項27】
環状壁(134)が前記本体(130)の外側側部から延び、および、前記環状壁は関節窩球(42)と接触するための寸法と形状にされていることを特徴とする請求項26に記載の関節窩インプラント構成要素(40)。
【請求項28】
前記環状壁(134)は先細であることを特徴とする請求項27に記載の関節窩インプラント構成要素(40)。
【請求項29】
前記本体(130)の前記内側側部は前記軸(132)の周りで実質的に平らであることを特徴とする請求項26に記載の関節窩インプラント構成要素(40)。
【請求項30】
基部部材(40)と関節接合構成要素(42)とを有する全肩関節形成術で使用するための関節窩インプラント構成要素において、前記基部部材は、基部壁を有する実質的にカップ形の本体(130)と、前記基部壁の外側側部から延びる先細の環状壁(134)とを含み、および、前記関節接合構成要素(42)は、前記基部部材の前記先細の環状壁の上に受けられることが可能な先細穴(162)を含む内側側部と、実質的に滑らかな連続した凸状の関節接合表面(164)を画定する外側側部とを含むことを特徴とする関節窩インプラント構成要素。
【請求項31】
前記基部部材(40)は、さらに、前記基部壁の内側側部から延びる軸(132)を備えることを特徴とする請求項30に記載の関節窩インプラント構成要素。
【請求項32】
前記関節窩基部(40)は、前記軸(132)の周りの実質的に平らな内側壁を含むことを特徴とする請求項31に記載の関節窩インプラント構成要素。
【請求項33】
前記関節接合構成要素(42)は、様々なサイズ寸法の複数の関節接合構成要素から選択されることを特徴とする請求項30に記載の関節窩インプラント構成要素。
【請求項34】
全肩関節形成術で使用するための関節窩インプラント構成要素であって、前記関節窩構成要素は、骨に係合する第1の表面(135)とこれとは反対側に位置した第2の表面とを含む関節窩基部(40)と、関節接合表面(134)を有する関節窩球(42)とを有する関節窩インプラント構成要素において、前記関節窩基部は、前記第2の表面から延びる第1の係合構造(134)を有し、前記関節窩球は、前記第1の係合構造に係合するように形状構成されている第2の係合構造(162)と、前記関節窩構成要素を関節窩に固定するための多軸手段(136、144)とを有することを特徴とする関節窩インプラント構成要素。
【請求項35】
前記多軸手段(136、144)は、頭部(146)とねじ山付きシャンク(150)とを有し、かつ、前記関節窩基部(40)内の少なくとも1つの留め具受け穴(136)の中を通って延び、かつ、関節窩の中に挿入可能であるねじ(144)を含み、および、前記少なくとも1つの留め具受け穴は、その中の少なくとも部分的に球形である座(142)によって特徴付けられており、および、前記頭部は少なくとも部分的に球形の形状であり、かつ、前記少なくとも1つの留め具受け穴の前記座の上に保持されるように形状構成されていることを特徴とする請求項34に記載の関節窩インプラント。
【請求項36】
前記多軸手段(136、144)は、複数の軸方向(152)の1つにおいて前記ねじを固着させるための手段を含むことを特徴とする請求項35に記載の関節窩インプラント。
【請求項37】
前記固着手段は、下部表面を有する固着部材(152)を含み、および、前記下部表面はドーム形の凹み(156)を画定し、および、前記ドーム形の凹みは、前記ねじ(144)の前記頭部(146)の少なくとも一部分とマタブル(matable)であることを特徴とする請求項36に記載の関節窩構成要素。
【請求項38】
前記基部(40)は、前記骨係合表面(135)から外方に延びる軸(132)を含むことを特徴とする請求項35に記載の関節窩構成要素。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2009−523578(P2009−523578A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551524(P2008−551524)
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/060672
【国際公開番号】WO2007/084939
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(508041208)ジンマー テクノロジー,インコーポレイティド (10)
【Fターム(参考)】