説明

育成光線利用の仮設建屋式コンクリート製水棲生物小割養殖水槽

【課題】太陽光線を育成光線とする、方形の仮設建屋式コンクリート製水棲生物小割養殖水槽を提供する。
【解決手段】土木建築規格の所定寸法のL型コンクリートブロックLから、方形の小割養殖水槽本体1を作る。山形状又はドーム状の太陽光線透過性の仮設屋根を成形する。此れ等各建屋式水槽の内外を遠赤外線発生塗料で塗付し、建屋内に遠赤外線マイナスイオンを発生させる。槽内外を断熱化し、加熱装置を取り付けて養殖水温を所定温度に維持する。槽内に耕水機、濾過装置、前記加熱装置を取り付け、養殖昆布27及び人工昆布26を垂下して、養殖水槽内を耕作し、炭素同化作用を活発化して、水質の均質化、プランクトン、微生物の発生及び増殖を促進し、目的の水棲生物を放流して、エルトンの生態系ピラミッドの一部を派生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木建築用標準規格のL型コンクリートブロックを使用する経済的な野外設置の育成光線利用の仮設建屋式コンクリート製水棲生物小割養殖水槽に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水棲生物特に魚介類の養殖は、海洋特に内海の生簀、海岸線に沿って設けられた養殖池等で行われるのが普通であったが、近年、生物の種類例えば非回遊魚、底海魚、甲殻類、貝類等によっては、養殖技術の進歩に従い、普遍的且つ安定的にそれらの生活環境が、人工的に造成し得る様になると共に、陸上養殖、例えば建屋式人工池又はタンク等に依る養殖方式が採用される様に成って来ている。
【0003】
然しながら此等の施設は、広い建屋内に、大型水槽、大型用水浄化装置、水温調節装置、循環ポンプ、配管等の養殖設備を設置して構築せねば成らなかったので、建設用地代、建設費、維持費等が高価と成り、採算性が悪く、なかなか実業的に普及しないのが実情であった。
【0004】
この様な点を考慮して従来の技術は、先ず第一に、建屋の有効利用を最優先課題とし、多段式のコンクリート水槽を構築し、その外側を躯体壁で囲み巡らせただけの建屋としたり、廃校や使用しなくなった体育館等の公共施設を利用し、其の内部に養殖水槽等を設備して建設費を節約し、夫々の経営上の採算性を維持しようと試みたりしていた。
【0005】
又一方では、養殖水槽特にコンクリート水槽は、水圧の影響等を考慮して、円形水槽を使用するのが一般的であったが、作業効率及び建設経費等を考慮して、矩形又は正方形状の角型水槽を使用し、場合に依っては、輸送用コンテナ等を再使用し、養殖経費の逓減を計っているのが実情である。
【特許文献1】 特開2000−60355
【特許文献2】 特開平7−322788
【特許文献3】 特開平3−133326
【特許文献4】 特開2008−178382
【0006】
上記の如き多段式養殖水槽では、通常の建屋式養殖水槽と異なり、その敷地面積は縮小され、建設用地代は節約出来、更に其の養殖量も段数に応じて倍増されるかも知れないが、積層する水槽の数に比例して、水槽建物自体は不安定となるに加えて、それに加わる水圧も増大する一方であるから、耐用年数は極めて短期間とならざるを得ない欠点がある。
【0007】
更に又、[特許文献4]に示す運送用コンテナを再利用する養殖システムは、廃物利用する点で経済的技術と見做す事が出来るが、依然として此れを収納する大きな建屋を必要としているので、従来の技術とさして変らず、加えてコンテナ自体が再利用品であるから、耐用寿命が極めて短い欠点がある。
【0008】
従って最近では、此れ等養殖水槽を、単なるプールの様な貯水容器としてだけに考えず、その経済性、機能性、及び其の容量も合わせて考慮に入れながら、それを収容する建物との組合せセットに形成し、一個の小割養殖水槽として提供し、一層の利便性、経済性を追及する技術的傾向を帯びて来ている。
【0009】
この様な技術的傾向は、既に農業分野の園芸温室ハウスや、先行陸上養殖の養鰻水槽画実施されており、車えび陸上養殖に於いても、既に提案開示されている。
【特許文献5】 特開2004−329126
【特許文献6】 特開2006−217895
【0010】
然しながら、上記農業ハウスセット、養鰻水槽セット等では、ハウス幅の寸法に依って、天井、屋根、構造、高さ等が変化する様に成っており、台風や積雪に対応する大きさとして、12m以上の建物は少なく、12m以下が適当と考えられており、従って此れ等ハウスにセットされる水槽寸法は、10mの方形水槽が好ましいと考えられている。
【0011】
更に又、水槽の大きさとしては、高水温を維持する為には、小さい方が良く、内側側面には、加熱ヒーターを付ける事で加温し得る程度の大きさ、例えば10mが好ましい。
その他の条件としては、安価で軽構造であると同時に堅牢で、安定した水質維持、気候変動に対応可能である事が好ましく、環境の浄化が容易で、逆流性底面の機能性が良く、水槽構造の断熱仕様が施され易く、内面の破損やPHの調整に適した防水施工等々を必要としている。
【0012】
この様な水槽内の水質維持、底質環境の浄化の為に、近時に於いては、水面及び水底間に循環、湧昇水流を派生させる耕水機等に依る物理的処理、微生物等に依る生物学的処理、及びその他の水質維持管理処理等の併用に依る水質浄化システムが提案され、一層向上した水棲生物養殖水槽の水産物生産技術が開示されている。
【特許文献7】 特開2005−319435
【特許文献8】 特開2007−37603
【特許文献9】 特開2010−88315
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
斯くの如き陸上水棲生物養殖水槽に於いて、本発明が解決しようとする課題は、先ず第一に、この種養殖水槽を内設する広大な建屋施設の不使用化若しくは縮小化に依る其の用地経費の削減にあり、第二には、此の目的を達成する為と養殖水槽保温、加熱用のエネルギー減少化の為の養殖水槽の小型化にある。
【0014】
更に第三には、斯くの如く小型化された(換言すれば小割化された)養殖水槽を、太陽光透過性の仮設屋根と連結セット化し、その養殖効率を高めると共に、此の小割養殖水槽を整然とした小割水槽集落状の個々別々仮設建屋として敷設し、伝染病の如き疾病の発生時には、其の被害を可及的に少なくすると共に、大量養殖に依る生産性の効率を高める事を課題とする。
【0015】
更に又、第四の課題は、斯くの如き小型水槽の製造に際して、土木、建築業界の規格品たるコンクリート製L型ブロックを使用して、従来の高価な丸型水槽に代えて、安価且つ堅牢な方形の養殖水槽を提供し、特定の水棲生物養殖生産コストを逓減せんとするものである。
【0016】
更に又本発明は、上記の如くして整えられた養殖条件の一層の合理化、養殖水槽の一層の効率化に加えて、前記太陽光線透過性の仮設建屋式小割養殖水槽の水中並びに透明仮設屋根空間の雰囲気を、可能な限り海洋性気候のそれに近似させて、仮設屋根を透過する育成光線を活性化させ、又一方では、槽内養殖水を耕水機で造波、造流して耕作すると同時に、適宜海藻を養殖して、底質の効率良いプランクトン化と水質の清浄化を図りながら、養殖生物のストレス回復と迅速な生長をはかり、最終的には、其の排水並びに残渣は、補助水槽に導入して濾過再生し、其の上澄み液は前記養殖水槽に返送してリサイクルすると同時に、其の残渣は固形化して排出し、ミネラル、有機物等を大量に含む有効な農業用肥料として再使用する事を課題とするものである。
【課題を解決する為の手段】
【0017】
斯くの如き課題を解決する為に本発明は、広大な敷地、建物を必要とする従来の建屋式養殖方式を改良して、農業施設園芸方式の太陽光取り入れ可能な安価且つ堅牢な仮設屋根付きコンクリート製水棲生物小割養殖水槽(以下、仮設建屋式小割養殖水槽と呼称する。)を建設し、更に其の内部に、養殖に必要な種々な環境調整機能、補強ー浄化機能、等々の機能を持たせると共に、地価の安い海浜等の野外に、多数のこの種養殖水槽セットを集落状に敷設して、前記仮設屋根を透過する太陽光を育成光として利用し、特定魚介類の陸上養殖の経済性、生産性を向上させた事を最大の特徴とする。
【0018】
更に又、上記仮設屋根付小割養殖水槽は、小型であるほど熱管理、環境管理がし易いので、此の水槽も又特定の寸法のそれを規格化し、前記規格化されたL型ブロック素材の使用と相俟って、一層の製造、敷設工程を簡素化し、この種陸上水棲生物養殖水槽施設の建設コストを大幅に低減させる事を更に他の特徴とする。
【0019】
更に又、斯くの如き陸上水棲生物養殖小割水槽施設は、可能な限り海中及び海浜の環境であるのが好ましいので、其の養殖雰囲気内で、遠赤外線を放射して常時海浜に似た環境を造りだし得る特殊塗料を塗布すると同時に、その雰囲気の流動性を常時維持する様に配慮する。
【0020】
又、槽内の水面には、所定位置にバイオファンの如き耕水機を設置して、養殖水の造波、造流を発生させて酸素溶存率を常に正常に維持し、底質プランクトンの光合成を正常に維持し、養殖水棲生物の育成を補助する一方、その水温を一定に維持すると共に、養殖水棲生物の糞、脱皮殻、フロッグ等を吸着濾過する濾過材を適当場所に設置して養殖水の清浄化を図ると共に、此れ等異物、ヘドロ等を補助水槽に移送して浄化水と残渣に分離し、前者は養殖水槽に、後者は取り出して固形化して農業用の肥料として再使用する如く構成する。
【0021】
一方、此の水槽の水面下約5cmには、ロープを取り付けるか或いは簡単な筏を浮かべるかして、天然の海藻特に昆布を養殖するか、炭素繊維系の人工昆布を懸垂するかして、成長する水棲生物のストレス解消、産卵、保育、揺籃、隠れ家、食餌、として役立たせ、、又一方ではその光合成による酸素の発生、二酸化炭素、窒素、リン等の吸収、及びフロッグ、水棲生物糞、脱皮殻、異物等を吸着して、水槽内の水流を清浄化する如く構成する事を他の特徴とするものである。
【発明の効果】
【0022】
斯くの如くして製造され、敷設された本発明の仮設屋根付小割養殖水槽は、以下の如き優れた諸効果を備えている。
(1)・ 広大な建屋を必要としないので、経済的であり、仮設建築に関わらず堅牢である。
(2)・ 小割水槽の為、作業がし易く、熱管理、浄化管理、水質管理、造波、造流管理、植物プランクトン派生管理、等々の機能、環境管理がし易い。
(3)・ 水槽、其の製造素材が規格化されているので、製造、敷設、補修管理等が、安価、容易、且つ能率的である。
(4)・ 水槽が方形であるので、経済的で作業がし易い。
(5)・ 太陽光を取り入れる仮設屋根が設けられているので、熱管理費が少なくて済み、プランクトン、海藻の増殖(合成)も効果的である。
(6)・ 養殖施設が多数の小割水槽から成るので、伝染病等に依る被害が限定的なものと成る。
(7)・ 多種の水棲生物を養殖可能である。
(8)・ 水槽数の増減化により、生産量を調整出来、無理、無駄、むらの無い養殖密度で安定した養殖を行う事が出来る。
(9)・ 仮設建屋とする事で、不動産の軽減化が可能で、キャッシュフロー経営が可能である。
(10)・ 此の仮設建屋式水棲生物小割養殖水槽の内外には、遠赤外線発生塗料が塗布されているので、その室内には常に遠赤外線が存在してマイナスイオンを派生し続けると同時に、特定場所に装着された送風機により、そよ風の如く流動して、あたかも海浜の気象条件類似の雰囲気を醸成し、槽内の養殖海藻、養殖水棲生物、底質に、適正な育成太陽光線を浴びせて夫々の光合成、成育を促進させる。
(11)・ 上記養殖水槽は、内外共に断熱材で保温され、其の内側に加熱用の温水パイプが敷設されているので、水棲生物育成温度は適正に保持され、加えてその加熱エネルギーは、仮設屋根上の太陽パネルからの電力エネルギーで賄う事が出来るので、化石燃料ゼロ水棲生物養殖産業を維持する事が可能である。
(12)・ 前記水槽壁面、底面上には防水シートが貼着され、更に夫々の面上には、防染塗料、撥水性防染塗料が塗布されているので、水の腐敗物質の付着、水棲生物糞、残餌、脱皮殻、生物自体等の付着を防ぎ、これ等の流動性を増加させ、汚物回収除去を促進させ、接触型殺菌効果を向上させる。
(13)・ 水槽面下に海藻を養殖し、人工海藻を垂下しているので、養殖水棲生物の生長を助長し、水中の異物、汚物を吸着し、其の光合成に依り、水質の浄化及び底質の発生、増殖を補助し、結果的にエルトンの生態系維持に役立つている。
(14)・ バイオファンの如き耕水機を敷設し、水面造波、水中造流を発生させているので、底質プランクトンの増殖を促進し、水質の均質化が実行される。
(15)・ 前記加熱温水パイプの内側に化学繊維質の生物濾過材を、排水口近辺に水性シリカ、多種ミネラル剤から成る濾床を設置しているので、養殖水棲生物の流出を防ぎ、窒素、アンモニアの吸着分解と植物プランクトンの発生及びPHの調整に寄与する。
(16)・ 養殖水槽底部に微粒気泡吹込み用のパイプが装着されているので、これから吹き込まれるバブルに依って、底部傾斜を利用して、ヘドロ等の固形物を有効に中央排出ピッドに集める事が出来る。
(17)・ 排水中の汚物は、別途の補助槽でろ過清浄化し、此の浄化水は養殖水槽にリサイクルし、残渣は取り出して固化し、良好な農業用肥料として有効に使用する事が出来る。
【発明を実施する為の最良の形態】
【0023】
上記の如き作用及び効果を備えた本発明の仮設建屋式小割養殖水槽の最良の実施態様は、水棲生物養殖用水槽を、従来の如く広大な建屋式養殖システムとせず、加熱、保温、養殖環境調整、及び取扱操作等が容易である如く構成された小型のコンクリート製養殖水槽を使用すると共に、更に其の水槽上に、光透過性の仮設屋根をセットして、仮設建屋式小割コンクリート方形水槽として形成し、海岸線に近い野外に整然とした集落状に敷設して、能率よく管理し得る如く造成する。
【0024】
斯くの如く造成された仮設建屋式小割養殖水槽は又、夫々の構成部分、例えば光透過性屋根部、コンクリート水槽部を夫々規格化する事に依って、此等組立セット部分の生産原価を引き下げ、其の敷設並びに操作能率を向上させる様に構成する。
【0025】
更に又、此の種仮設建屋式小割養殖水槽は、方形状コンクリート水槽として形成する一方、それを構成するコンクリート素材は、土木事業に使用される規格L型ブロックを使用して造成し、其の製造を能率化し、製造原価を逓減する様に配慮する。
【0026】
他方、此の水槽内の水量に依って変化する水圧に対応する為に、其の構成素材のL型ブロックを、1個若しくは背中合わせの2個を一セットとする一組を基材とし、夫々を加工するかせずして、適当数を方形に連結固着して構成し、所望の耐圧性の仮設屋根付養殖水槽本体を形成する。
【0027】
此れ等水槽内の環境は、略建屋水槽の従来技術に類似した加熱、保温、浄化、濾過、造波、造流、底質改善等の手段を付設し、更には、養殖昆布、人昆布を垂下して、前記仮設屋根を透過する太陽光の影響の下、水中植物の炭素同化作用を促進させて、底質プランクトンの増殖、水質浄化、均質化を図り、養殖水棲生物のストレスの解消、産卵、保育、等の条件を整えて、短期間に良好な成魚を提供し得る如く構成する。
【0028】
尚、仮設建屋並びに水槽内外には、遠赤外線派生塗料を塗布して、常時遠赤外線の存在のもとに其の雰囲気をマイナスイオン化して、海洋気候類似の雰囲気を造成し、室内の適当場所に装着された送風機で、常時それを流動させて、養殖水棲生物の生長最適環境を醸成する如く構成した事を更なる他の特徴とするものである。
以下、本発明の好個の実施態様を図面を参照して詳述する。
【実施例】
【0029】
本発明のコンクリート製の仮設屋根付小割養殖水槽(T)(T)は、図1に示す様に、主として農業用温室ハウスの如く、屋外用地に建設されたコンクリート製の小型方形養殖水槽本体(1)(1)・・と、太陽光透過性部材例えば透明な合成樹脂部材より成る三角形状又はドーム状の組立式仮設屋根(2)(2)・・・とを、適当に連結組合せた簡易仮設屋根付養殖水槽である。
【0030】
この様な養殖水槽本体(1)(1)は、本来水圧を考慮して、円形水槽として形成されるが、本発明に於いては、其の製造の安易性、製造経費、使用素材、寸法、使用勝手等を考慮して、図4に示す如き所定方形寸法(正方形又は矩形)に形成され、採水に便利な海浜等の屋外に整然とした集落状に敷設される。
【0031】
本来、建屋式養殖水槽は、広い敷地と広大な建物の中に建設された円形の大養殖池状に形成して、養殖水棲生物の習性に可能な限り適応し、其のストレスを廃除する様に形成しているが、この様な養殖システムでは、熱管理、その他の環境管理が難しく、経費も掛り、伝染病等が発生した場合には、その被害も甚大である為、本発明に於いては、農業用温室ハウス及び養鰻ハウスの先例を参照して、前記養殖水槽本体(1)(1)は、其の幅を12m以下、好ましくは10mの底面を持つ方形の小割養殖水槽とし、熱管理、環境管理が容易と成る様に形成される。
【0032】
又一方、前記養殖水槽(1)(1)は、其の製造コストを逓減する為に、図2に示す土木、建築用に使用する規格化されたコンクリート製のL型ブロック(L)(以下、L型ブロックと呼称する。)を使用し、後述する様に、部分的に切断加工するか或いは加工せず、必要個数を相互に連結して、方形の養殖水槽容器として提供される。
【0033】
又、此のL型ブロック(別名L型擁壁)(L)は、下表の如く規格化されているので、製造する養殖水槽本体(1)(1)の容量に応じて適宜選定されるが、本発明では、説明の簡易性から、製品名SL−1000のブロックを使用して説明するものとする。
【0033】

【0034】
図2及び図3に示す如く、本例に使用するL型ブロック(L)「規格商品名:SL−1000」は、夫々の外面即ち垂直外面及び水平外面(9)(10)の面積は、1m(H)x 2m(W); 0.7m(B)x 2m(W)の寸法を持ち、夫々両面の厚み(t3)(t1)及び(t4)(t2)は、両者共に0.08m、0.09mの寸法より成り、角取り隅部(11)に向い末広状に傾斜した構造より成る。
【0035】
更に又、貯水量が多くなり、水槽の側面を構成する前記L型ブロック単位の各垂直面(9)にかかる水圧が増大する様な場合には、図3に示す如く、上記SL−1000型ブロック2個(L‘)(L‘)を、背中合わせの逆T字状に接合し、此の背中合わせ接合L型ブロック(以下、逆T字状接合ブロックと呼称する)を一単位とし、其の耐圧性を増大させ、やや大型の養殖水槽の製造に対応させる事が出来る。
【0036】
図4には、この種逆T字状接合ブロック(L‘)を5個利用し、一辺10m、高さ1mの立方体即ち100mの方形養殖水槽本体(1’)の組立平面図が示されている。

部分を挿入して連結固定され、底面10m、高さ1mの方形の小割養殖水槽本体(1‘)として形成されたものである。
【0037】
此の様な養殖水槽本体(1‘)「図1では(1)」は、以下に詳述する如く、給、排水装置、加熱装置、ろ過装置、造流、造波装置、循環装置、断熱手段、防水並びに内面保護手段等々の養殖環境調整手段又は補強手段を取り付けた後、太陽光線(S)を透過する材質で製造された三角状又はドーム状の仮説屋根(3)を、適当な支柱上に取り付けて、農業園芸ハウス式又は仮設建屋式コンクリート製小割養殖水槽(T)(T)として、海水取り込み可能且つ安価な野外用地上に整然と集落状に敷設される。
【0038】
又、前記太陽光透過性三角屋根(4)の一部には、太陽光発電パネル(5)を取り付けて、使用電力の一部として発電する事も出来き、前記方形養殖水槽本体(1)(1)は、更に排水パイプ(6)を経て補助水槽(2)に連結され、その槽内で発生するヘドロ、残渣、養殖水棲生物の糞、脱皮殻、異物等を含む排水は濾過浄化され、其の上澄み液は返還パイプ(7)を通って養殖水槽本体にリサイクされ、残渣は(8)で示す如く取り出されて固形化され、多種類のミネラル、有機残渣等を含む良好な農業用肥料として使用される。
【0039】
又一方、微生物、プランクトン及び養殖水棲生物等の生長に重大な影響を与える此の仮設建屋式小割養殖水槽全体の加熱、保温方式は、図1、図4特に図5に示す如く、太陽育成光の熱エネルギーを、極く自然の海洋性気候の作用、効果に近似の状態で利用する如く行われると同時に、温水パイプ等で加温した水槽本体の熱を外部に逃がさず、又外部から影響されない様に配慮されるのが好ましい。
【0040】
従って先ず第一に、前記養殖水槽本体(1)の構築素材として、2個の規格L型ブロックSL−1000を背中合わせに接合して構成された、前記逆T字型コンクリートブロック(L’)を使用する場合には、其の背中合わせの接合面に、適

止すると同時に、其の底面にも断熱材(14)を貼着して、土中への熱の逃散をも防止する。
【0041】
更に又此の養殖槽内壁面上には、適当な取り付け面(15)に装着された複数層の温水加熱パイプ(13)(13)・・が装着され、前記太陽光発電パネルからの電力で加熱される電気ボイラーからの温水により、適当水温例えば18C°〜40C°の温度に加熱−保温される。
【0042】
又一方では、、前記仮設屋根(3)若しくは(R)を透過した太陽光(S)(S)・・・は、仮設建屋内部を加熱すると同時に、此処に塗布された例えば商品名「S・O・D・LIQID(エス・オー・ディー・リキッド)」(4)(4)・・から、遠赤外線マイナスイオンを発生させて、養殖水槽周辺の雰囲気を、海洋性気候に近似する雰囲気に変成し、屋根裏に設置された送風機(29)に依って微風化されて巡回し、槽内の水棲生物、養殖海藻、プランクトン等のストレスを解消し、その生長、増殖を助長する。
【0043】
此れ等太陽育成光透過用の仮設屋根は、図1の如く養殖水槽本体(1)(1)・・・当り1個の屋根として構築しても良いが、図5に示す様に、養殖水槽1個当たり、2個乃至3個の山形屋根(T)・・として形成し、其の集光量を増大して、建屋内の熱効率を向上させると同時に、屋根に降る雨水を、其の谷間の樋を介して集水し、養殖槽用水として利用する様に構築するのが有利である。
【0044】
更に又、これ等の仮設建屋には、(SP)(SP)・・で示す如く、太陽光発電パネルを設備して発電し、養殖水槽の電力エネルギーとして利用する様に構成すると共に、夫々の仮設屋根の内側に(BP)(BP)・・で示す如く、巻き取り式又は開閉式の透過太陽光遮断装置を装着して、此の仮設建屋内部の室温を適宜適当温度に調節し得る如く構成する事も可能である。
【0045】
他方、斯くの如き養殖水槽の水中内で発生するごみ、汚物、養殖水棲生物の糞、脱皮殻、フロッグ、水棲生物自体等は、前記加熱用温水パイプ(13)(13)・・の内側及び養殖排水口上方に設けられた、化学繊維マット濾過材(16)と、水性シリカ、多数のミネラルを包含する濾過床(28)とに依り、吸着ー濾過され、又、後者に吸着された窒素、アンモニア等は、此の床上で接触的に分解されて水槽内の水質を浄化し、又一方では、後者のシリカ成分に依って植物プランクトン(23)が発生し、此の発生に連鎖して、此れを食餌とする動物プランクトン(24)も又発生し、後述する養殖水槽内に造流される循環−湧昇水中の活性化酸素を取り込んで活発に増殖する。
【0046】
更に又、斯くの如く内装された此の養殖水槽の内面上には、養殖水の物理的、化学的作用を防止する防水シート(17)(17){図7参照}を貼着し、更に其の内壁表面上には、防汚塗料及び遠赤外線発生塗料を塗布し、、其の底面の前記防水シート(17‘)上には、撥水性防汚塗料を塗布して、水中の腐敗物質の付着を防止すると共に接触型殺菌効果をも高め、更には前記塗装遠赤外線の効果により養殖水質を活性化し、他方では養殖水性生物自体は勿論、其の糞、残餌、脱皮殻等の付着を防止し、汚物、ヘドロ等の底質の流動性、回収性を向上させる。
【0047】
更に、前記した仮設屋根(3)又は(R)を透過し、その光量を調節された太陽育成光(S)は、その屋根裏の適所に設けられた送風機(29)に依って微風化された室内空気と共に、此の仮設建屋式養殖水槽全体に塗付された前記S・O・D・リキッド塗料からの遠赤外線で活性化され、仮設建屋内の雰囲気を、過剰なマイナスイオンを含んだ自然の海洋性気象型に変化させて、養殖される海藻、海洋水棲生物、プランクトン等の養殖、増殖条件を好適化する様に作用する。
【0048】
斯くの如き建屋内の配慮に加え、此の養殖水槽本体(1)内の水面には、適当寸法、適当形状の耕水機(BF)が設置され、ゆっくりと回転して、図7に示す如く、其の水面には連続波頭(32)を、水中には、矢印(29)で示す養殖水の循環−湧昇流を夫々派生させ、上記活性化された海洋性気象型の仮設建屋内の空気を、積極的に取り込むと同時に、以下に詳述する槽内の養殖昆布等の炭素同化作用からの酸素共々、底質層(31)へと搬送して、ヘドロ、微生物、プランクト等の発生、増殖、育成等を活性化し、此処で発生する二酸化炭素、窒素、アンモニア、リン、等を、前記湧昇流で上方へ搬送して濾過し、吸収し、吸着し、消化しいて、常時養殖水の水質を均質化する様に作用する。
【0049】
他方、此の水槽の所定深さには、ロープ又は適当な養殖筏等に炭素繊維より成る人工昆布(26)を垂下すると共に、天然昆布(26)を養殖繁茂させ、共に養殖水棲生物幼稚魚或いは稚海老の揺籃、隠れ家、等の場或いは親海老の安全な産卵の場を提供し、夫々の生活、成長時のストレスを解消する様に構成し、更には、前記耕水機(BF)から派生され、養殖水槽の内壁、温水パイプ取付け面(15)或いは養殖水棲生物濾過材(16)等に衝突し、次いで底質層(31)に接触して、上昇する湧昇流(29)と共に運ばれる、動物プランクトン等からの二酸化炭素(CO2)、糞、窒素、リン、その他の汚染物質等々を、吸収又は吸着して、槽内の水質を浄化ー均質化し、特に後者の養殖昆布は、自ら酸素(O2)を放出して底質微生物を活性化する一方、養殖水棲生物例えばバナメイの食餌として利用されている。
【0050】
この様に設備された前記養殖水槽本体(1)内は、前記した遠赤外線の派生に依って活性化された太陽育成光(S)のエネルギーを受けた養殖昆布の光合成と、耕水機(BF)の造波、造流に依る、これ又活性化された海洋性気候型の空気の取り込み作用とに依り、一種の酸素(O2))生産水圏が形成され、此の水圏内に、水性シリカと多種ミネラルを包含する濾過床(28)を存在させる事に依り、図6に示す如く、ヘドロ(18)上に植物プランクトン(23)−動物プランクトン(24)−ミジンコ、アカムシ、ゴカイ等の小水棲生物(25)の食物連鎖生態系が誘発され、此の連鎖生態系内に、目的とする養殖水棲生物例えば、バナメイ(Ba)を放流すれば、この小水棲生物を捕食してエルトンの生態連鎖ピラミッドの一部を形成する。
この際、植物プランクトン(23)から発生する酸素(O2)は、動物プランクトン(24)以降の植連鎖水棲生物呼吸用に使用され、此れ等生物の呼吸に依って排出される二酸化炭素(CO2)は、前者の炭素同化作用に取り込まれて消費される。
尚、図6に示す符号(S)は、太陽光透過性の仮設屋根(3)又は(R)から取り込まれ、仮設建屋内で遠赤外線イオンで活性化された太陽育成光線を表している。
【0051】
又、養殖海老“バナメイ”(Ba)等の糞、尿、脱皮殻等は、沈降して底質のヘドロ(28)として堆積するが、此の底質は図7に特に詳細に記載した如く、養殖槽の底部に設けられた導入管(33)からのマイクロバブルに依り、撥水汚染塗装された防水シート(17)の貼着された傾斜底面上を流動させられて、中央排水口近辺に符号(18)で示された如く集められ、吸引ポンプ(図示せず)に依って排水パイプ(19)を経て補助水槽(20)に送り込まれ、図1及び図5の実施態様と同様に、適当に濾過清浄化された後、其の上澄み液は養殖水槽本体(1)に導管(21)(図5参照)を通ってリサイクルされ、又其の濾過残渣は、矢印(22)で示す如く、完全な天然有機素材、リン、カルシュウム、水勢生物糞、尿、脱皮殻、多種類のミネラル等の有効成分を含む優良な有機肥料として取り出され、固形化された後農業用肥料として使用される。
【0052】
更に水中のリン、窒素等は、凝集してフロッグ(30)を形成し、耕水機で発生する湧昇流(29)に運ばれて水中の残餌、糞、等を吸着して上昇し、養殖昆布(27)、人工昆布(26)に二酸化炭素(CO2)等と共に吸収、吸着されて、前者に於いては其の養分として消費され、養殖水槽の水質浄化に多大に貢献している。
【0053】
此の様な海洋性気候に近似する太陽光育成環境を整えられ、その水温を約18℃乃至45℃、有利には28℃以上に維持されたコンクリート製小割養殖水槽内で、例えば上記したO2生産型で、本来、化石燃料、食餌、並びに養殖肥料の何れも使用する必要なく、図6のエルトンの生態系ピラミットに従う、経済的で飼育容易な海老、“バナメイ”の養殖例を示すと、以下の如くである
【0054】
一般に、此のバナメイの養殖生産方法は、成長に合わせて次の5段階即ち、(1)ノープリウス:(2)稚エビ(1mm):(3)子エビ(1cm):(4)若エビ(10cm):(5)親エビ(15cm):に分けて飼育され、夫々の段階での飼料、水質、水温等を調整しながら、養殖密度、生存率が向上する様に養殖される。
【0055】
一例として、管理段階(1)(2)は、種苗生産業者が管理生産し、段階(3)の子エビ(1cm)の段階から養殖する方法を以下に例示する。
此の場合の養殖期間及び放流密度は、以下の如くであった。
(3)小エビ(1〜10cm): m2当り1,000匹: 1ヶ月間
(4)若エビ(10〜15cm): m2当り500匹: 1ヶ月間
(5)親エビ(15〜20cm): m2当り400匹: 1ヶ月以上
(但し放流密度は、全体の中で調整、分養する。)
【0056】
上記の如き各成長期生産密度を基本として、生産初心者向けとしての養殖方法は、(3)(4)の段階を分養しないで、1水槽(100m2)で飼育し、受注の多い1匹15gで漁協等の販売窓口業者に引渡し、需要家の要求に応じて飼育成長させて出荷する如く生産する。
上記の如き生産目途で、本発明小割養殖水槽(100m2)1個当りの(3)(4)段階養殖生産数は、年間30万匹で6回出荷が可能である。
又、上記小割養殖水槽3個での分養飼育時の1槽当りの生産数は、年間60万匹で、出荷回数は12回とする事が出来る。
【0057】
上記の生産方法に従い、当該養殖水槽は、1槽当り約1000万円と概算されるので、其のランニングコスト及び収益概算は、以下の如く算出される。
即ち、総じて上記設備に依る15gの“バナメイ”の1匹当りの生産原価は、約10〜11円と算出され、kg当り600〜700円(人件費は含まず)と計算されている。
一方、最終養殖並びに出荷業者である漁協の前記養殖業者からの引き取り価格は、kg当たり1,300円であるから、1匹当たり約20円と成り、養殖者の差益は、1匹当たり9〜10円と計算され、養殖量30万匹の90%を収益とすると、270万円、生産量60万匹の場合は、其の収益率を80%として、年間510万円の収益を揚げる事が出来る。
尚、“バナメイ”は、適宜其の飼料を与え、養殖水槽に適量の液肥を投入する事に依り、其の出荷期間を短縮する事が出来、水槽内での養殖される海藻は、“バナメイ”と同温度帯域の海藻”キリンサイ“を利用する事が出来る利益も又付帯している。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】 本発明の育成光線利用の架設建屋式コンクリート製水棲生物小割養殖水槽の正面図である。
【図2】 図1の養殖水槽本体造成用の規格コンクリートL型ブロックSL−1000の正面図である。
【図3】 図2のL型ブロック2個を断熱材を挟んで背中合わに接合した逆T字型接合ブロックの正面図である。
【図4】 図3の逆T字型接合ブロック5個を連結して、一辺10mの側壁とし、此の側壁4辺を加工するかせずして方形に接合して形成した水棲生物小割養殖水槽の平面図である。
【図5】 図4の養殖水槽本体に、太陽光透過性素材より成る仮設屋根を組み合わせて造成した、育成光線利用の架設建屋式コンクリート製水棲生物小割養殖水槽の他の実施態様の正面図である。
【図6】 エルトンの生態系ピラミッドの説明図である。
【図7】 図5の養殖水槽本体の内部説明用の一部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0059】
T 育成光線利用の架設建屋式コンクリート製水棲生物小割養殖水槽
1 上記養殖水槽本体
R 太陽光透過性仮設屋根
SP 太陽光発電パネル
BP 透過太陽光遮蔽手段
L‘ 逆T字型接合ブロック
13 加熱温水パイプ
14 断熱材
15 加熱温水パイプ取付面
16 化学繊維マット濾過材
17 防水シート
18 ヘドロ
19 排水パイプ
20 補助水槽
23 植物プランクトン
24 動物プランクトン
25 ミジンコ等の小微生物
BF 耕水機
26 人工昆布
27 養殖昆布
28 水性シリカ・ミネラル包含濾過床
Ba バナメイ
31 底質層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A): 2個の規格化されたコンクリートL型ブロックを、断熱材を挟んで背中合わせに接合して一個の逆T字型接合ブロックを形成し。
(B): 此の逆T字型接合ブロックの復数個を、加工するかせずして相互に連結し、方形のコンクリート製水棲生物小割養殖水槽本体を形成すると共に、
(C): 太陽光透過性の素材より成る三角形状、波型形状或いはドーム形状の仮設屋根を形成し、
(D): 此の仮設屋根を、前記小割養殖水槽本体と組み合わせて、仮設建屋式水棲生物小割養殖水槽を建設し、
(E): 此の小割養殖水槽の底面も又断熱材で被覆し、
(F): 前記仮設建屋及び此の小割養殖水槽両者を、遠赤外線派生塗料を吹き付けて塗装被覆すると共に、後者の内外壁面及び底面に、防水シートを貼着した後、
(G): 更にその内壁面上に、電気ボイラー温水パイプと微生物濾過用の濾過材とを、順次平行して相似形状に装着すると共に、其の底面の排水口の上部には、水性シリカ及び復数のミネラルを含有する濾過床を付設し、
(H): 斯くの如く構成された前記養殖水槽の水面の所定位置に、養殖水の造波、造流用の降水機を、水面下所定深さには、養殖海藻及び/又は人工海藻を養殖及び/又は垂下する為の養殖ロープを装着し、
(I): 前記排水口は、吸引ポンプ及び排水管を介して、別途に設けられた補助水槽に連結し、此の補助水槽に於いて、排水及び廃棄物を適宜処理して、有効に再利用する如く構成した事を特徴とする育成光線利用の仮設建屋式コンクリート製水棲生物小割養殖水槽。
【請求項2】
前記規格化されたコンクリート製L型ブロックが、商品名SL−1000乃至SL1500、特にSL1000である事を特徴とする請求項1記載の養殖水槽。
【請求項3】
前記太陽光線透過性の仮設屋根は、ガラス、ビニールシートまたは此れ等に均等な物質である事を特徴とする請求項1又は2記載の養殖水槽。
【請求項4】
前記仮設屋根の内側に、太陽光線透過量を調節する為の開閉自在又は巻き取り自在の太陽光線遮蔽手段を付設した事を特徴とする請求項1乃至3何れか一項に記載の養殖水槽。
【請求項5】
前記仮設建屋内又は仮設屋根の適当位置に風量調節自在の送風機を装着して、適量の風を常時送風し、透明の仮設屋根からの太陽光線と、仮設建屋及び養殖水槽から派生する遠赤外線と、耕水機に依る造波、造流等との作用と相俟って、養殖水槽内の雰囲気を、海洋性気候類似の効果を造成させる事を特徴とする請求項1乃至4何れかに一項に記載の養殖水槽。
【請求項6】
前記養殖水槽の内壁面上に貼着され、遠赤外線派生塗料を吹き付けられた防水シート上に、更に防汚塗料を塗布して、水の腐敗物質の付着を防ぎ、有害細菌を殺菌し、水質を活性化する事を特徴とする請求項1乃至4何れか一項に記載の養殖水槽。
【請求項7】
前記養殖水槽の内側底面上に貼着され、遠赤外線派生塗料を吹きつけら得た防水シート上に、更に無害の撥水性防腐塗料を吹きつけ塗布して、養殖生物の糞、残餌、生物自体の付着を防止し、此れ等汚物及び生体の流動、遊泳を容易化し、汚物などの回収、除去を容易にした事を特徴とする請求項1乃至5何れか一項に記載の養殖水槽。
【請求項8】
前記養殖水槽内部の適当位置に微細気泡を噴出するミクロバブル供給手段を設け、槽内の傾斜面上に噴出させて、底質固形物を傾斜面上から流動させて槽底中央のピット内に集めると同時に、底質物に酸素を供給する如く構成した事を特徴とする請求項1乃至6何れかに記載の養殖水槽。
【請求項10】
前記補助水槽は、送付された排水を適当な凝集材で凝集し、濾過して浄化水、排水、残渣に分別して、浄化水は前記養殖槽に返送し、排水は無毒化して流出し、残渣は固形化して農業用肥料として回収する如く作用する事を特徴とする請求項1乃至8何れかに記載の養殖水槽。
【請求項11】
養殖する水棲生物が、非回遊魚、底海魚、貝類、甲殻類特にバナメイである事を特徴とする請求項1乃至10何れかに記載の養殖水槽。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−165734(P2012−165734A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46955(P2011−46955)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(505198400)有限会社ユア (5)
【Fターム(参考)】