肺癌に対して化学療法を正確に適用するために遺伝子XPD/ERCC2の遺伝子多型を検定するための装置
本発明は、抗腫瘍医薬品の使用を伴う肺癌治療の技術分野に関し、より詳細には、XPD遺伝子について示される遺伝子多型に応じて各患者を最も有効な医薬品で治療するために使用することができる診断装置の開発に関する。本発明の検定装置は、XPD遺伝子のエキソン23(A−C、Lys751Gln)及びエキソン10(G−A、Asp312Asn)中の多型性変異体、及びPCR又は自動DNA配列決定を使用して前記遺伝子多型を検出するのに使用できる特異的なプライマーの開発に基づいている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗腫瘍薬物を用いた肺癌治療の技術分野の範囲に含まれており、詳細には、XPD遺伝子について示す多型に応じて最も有効な薬物で各患者を治療することを可能にする診断装置を開発する。
【背景技術】
【0002】
様々な抗腫瘍薬物が、発癌物質が行うのと同様の方式でDNAに損傷を与える。発癌物質又は細胞傷害性の抗腫瘍薬物を共有結合させると、化学的に改変された、付加体という用語(Philips、2002年)で知られているDNA塩基が形成される。シスプラチンは、DNA鎖間の結合を引き起こし、このような付加体が、シスプラチンの細胞傷害作用をもたらす(Siddik、2002年)。DNA修復系は、シスプラチン付加体を除去するために必須である。ヌクレオチド除去修復(NER)は、宿主を肺癌の発症から保護するための主要な経路であり、同時に、シスプラチンに対する耐性の生じる原理でもある。実際、ベンゾピレンジオールエポキシド(BPDE)付加体及びシスプラチン付加体の双方とも、効果的にRNAポリメラーゼIIを阻害し、したがって転写を無効にする(Hanawalt、2001年)。これらのDNA損傷はNER系によって除去される。NER系は、2つの代謝経路、すなわち転写共役修復(TCR)とゲノム全体の修復(GGR)(ダイアグラム1)に細分される。TCR(又はTC−NER)は、活性遺伝子のDNAを転写する鎖中の、転写を阻害している損傷を顕著に修復するが、GGR(又はGG−NER)は、活性遺伝子中の転写されない鎖中の損傷を修復し、転写機能の無いゲノム中の損傷も修復する(Cullinane他、1999年;May他、1993年;McKay他、1998年)。
(ダイアグラム1)
【0003】
ヒトでは、NERは太陽光の発癌作用に対する基本的な防御機序であり、修復経路中にある種の遺伝的欠陥があると、色素性乾皮症(XP)などの常染色体劣性遺伝性疾患に深刻な影響が生じる。実際、この疾患の患者は、日光過敏性であり、皮膚癌に対する感受性が異常に高く、罹患する頻度が高い。XPでは、NER経路で欠損し得る7種類の相補群がある。これらの遺伝子は、XPAからXPGまである。XP疾患では、これらの遺伝子が両方のNER経路で欠損している(Conforti他、2000年)。卵巣癌で、またより少ない頻度で結腸癌及び肺癌で、ヘテロ接合性の消失が種々のXP遺伝子で観察されている(Takebayashi他、2001年)。ヘテロ接合性の消失は転写が起こらないことに関係しており、これらの遺伝子の欠損は、卵巣癌で観察されたように、シスプラチンに対する感受性の増大を引き起こす。コケーン症候群(CS)は、NER系中の欠損に関連づけられている他の光過敏性疾患である。2種の遺伝子が同定されており、CSA及びCSBである。前記の遺伝子が改変されると、TCR経路においてそれらが関係する機能が乱される(Conforti他、2000年)。
【0004】
ダイアグラム1(Rajewsky及びMuller、2002年のものを改変)の左部分は、シスプラチンによって引き起こされた損傷を検出するための必須の経路であるTCR経路を示す(Cullinane他、1999年)。転写の際、RNAポリメラーゼIIが損傷を検出すると、特異的なCSA及びCSB転写因子が分子的NER経路中で活性化される(Furuta他、2002年;McKay他、2001年)。XP遺伝子はまた、ダイアグラム1の囲み部分で示されるように、TCR経路に関与している。本質的には、線維芽細胞中のどちらの経路(GGR及びTCR)においても様々な分子的欠損によって、正常な線維芽細胞中で生じる感受性に比べて、シスプラチンの細胞傷害性作用に対する感受性が増大する。XPA、XPD、XPF、又はXPG遺伝子のうちのどの遺伝子のどんな欠損によっても、シスプラチンの活性がかなり増大することが重要である(Furuta他、2002年)。
【0005】
一般的原則としては、癌治療、特に肺癌の治療で使用される細胞毒素の全体は、シスプラチン又はカルボプラチンを、最も重要なものを挙げれば標準的に臨床使用されるゲムシタビン、ドセタキセル、パクリタキセル、又はビノレルビンなど他の薬物と併用することを中心としている。しかし、転移性肺癌における化学療法の成果は非常に限られており、増殖抑制期間の中央値は5カ月を超えず、生存期間の中央値は8カ月及び10カ月を超えない。これらの生存予測期間の改善において、優れた組み合わせのタイプは無い。しかし、個体レベルで臨床的検証として、個々の事例では生存期間が有意に長いことが注目されている。単純なヌクレオチドの変化である遺伝子多型によって、個人差が生じ、それによって遺伝子の発現又は機能に違いが生じる。ゲノム中に極めて高率で存在するこのような遺伝子多型は、いまだ研究中である。将来的には3,000種以上の遺伝子多型が特徴づけられ、それが癌感受性、疾患の予後評価、及び治療反応の予測評価を判定するのに役立つ可能性がある。メッセンジャーRNA発現の段階では、GGR経路で作用するERCC1遺伝子の過剰発現により、胃癌、卵巣癌、及び肺癌においてシスプラスチンに対する耐性が生じることが確認されている(Lord他、2002年;Metzger他、1998年;Shirota他、2001年)。
【0006】
XPD遺伝子多型は、様々な研究でDNA修復能の減退と関連づけられている(Spitz他、2001年)。実際、この集団の約半分は、Lys751Lys遺伝子型を有し、また、正常なホモ接合体のAsp312Asp遺伝子型も有している。正常なホモ接合体遺伝子型を有するこのような患者又は人間は、極めて良い修復能を有し、したがって、シスプラチンに耐性となることができる(Bosken他、2002年)。修復能の増大は、機能分析によって測定することができ、非小細胞肺癌(NSCLC)におけるシスプラチンに対する耐性と関連づけられている(Zeng−Rong他、1995年)。修復能は、BPDEへの暴露によって損傷された遺伝子の再活性化を測定することによっても試験されており、肺癌患者の修復能レベルは、対照患者と比べて有意に低い(Wei他、1996年、2000年)。多くの研究により、修復能の減退及びDNA付加体レベルの増大が、肺癌の危険性を増大させることが示されている。したがって、NER経路中の重要遺伝子の基底発現は、肺癌の危険性と関係がある。肺癌患者75名及び対照患者95名のリンパ球中のERCC1、XPB、XPG、CSB、及びXPCの転写レベルを、RT−PCRによって測定した。その結果によれば、XPG及びCSBの発現レベルが、肺癌の場合に対照と比較して有意に低下することが示された(Cheng他、2000年)。XPA、XPB、XPC、XPD、XPF、XPG、ERCC1、及びCSB遺伝子のリンパ球中メッセンジャーRNAレベルが、ERCC1又はXPDのメッセンジャーRNAレベルと非常に有意な相関を示したこと、また、両方の遺伝子の発現がDNA修復能と相関関係があることが重要である(Vogel他、2000年)。
【0007】
本明細書に記載したものとは異なる他の遺伝子多型の検出に基づく、肺癌の診断方法に関する特許(国際公開第97/25442号)、及び他のタイプの腫瘍の診断方法に関する特許(国際公開第97/38125号、国際公開第95/16739号)がある。他の薬物(スタチン)に対するある種の患者の反応を知るために、やはり他の遺伝子における遺伝子多型の検出を使用する他の特許もまた見出されているが、本出願人は、どの肺癌患者がある種の又は別の抗腫瘍治療の影響をより受けやすいかを判定する特許を承知していない。
(参考文献)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
実施した研究において、遺伝薬理学的予測価値があるXP遺伝子の遺伝子多型性変異体を発見した。XPD遺伝子のエキソン23(A−C、Lys751Gln)及びエキソン10(G−A、Asp312Ans)での遺伝子多型を試験した。図1及び図2は、それぞれ、自動配列決定により実施した、コドン312及び751でのXPD遺伝子多型の2例の同定例を示す。ダイアグラム2は、様々なDNA修復代謝経路、及び前記経路中でXPD遺伝子が占める位置を示す。米国国立癌研究所(National Cancer Institute)の様々な腫瘍の細胞系パネルのスクリーニングにより、XPA、XPB、XPD、及びERCC1のうちでXPDの過剰発現だけがアルキル化剤に対する耐性と相関していることが明らかにされている(Aloyz他、2002年)ことから、XPD遺伝子多型の調査に対する臨床的関心は強まっている。
(ダイアグラム2)
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ヒトXPD/ERCC2遺伝子のLys751Gln及びAsp312Asn遺伝子多型の分類
【0010】
1.ERCC2/XPD遺伝子座の遺伝子情報
この遺伝子に対応するDNA、RNA、及び蛋白質の配列情報は、ウェブページwww.ncbi.nlm.nih.gov/locuslink/refseq.html、にLocus ID 2068として詳述されており、以下に要約する。
ERCC2/XPD−除去修復補完交配げっ歯類修復欠損相補群2(色素性乾皮症D)
NCBI参照配列(RefSeq):
mRNA:NM_000400
蛋白質: NP_000391
ジェンバンク(GenBank) 供給:X52221、X52222
mRNA:NM_000400
蛋白質:NP_000391
ジェンバンク(GenBank)ヌクレオチド配列:
ヌクレオチド:L47234(タイプg)、BC008346(タイプm)、X52221(タイプm)、X52222(タイプm)
他のリンク:
OMIM:126340
ユニジーン(UniGene):Hs 99987
【0011】
2.DNAを得るための生物試料
2種の遺伝子多型Lys751Gln及びAsp312Asnを分類するのに使用するDNAは、末梢血液由来の有核細胞から得た。
【0012】
このDNAを得、続いて分類するために、ヒト生体の他のどんな有核細胞のタイプも使用できることは指摘しておきたい。
【0013】
3.血液抽出
末梢血液を、K3/EDTA入りバキュティナ型チューブ(ベクトン・ディッキンソンシステムズ(Becton Dickinson Systems);参照番号36752又は368457)中に集める。続いてそれを、室温、2,500rpmで15分間遠心分離し、血漿分画を捨てる。2倍体積量の赤血球溶解用溶液(155mM NH4Cl、0.1mM EDTA、10mM Hepes、pH=7.4)を細胞分画に加え、それを回転台にのせて30分間室温でインキュベートする。次にその試料を、室温、3,000rpmで10分間遠心分離し、上清を捨て、得られた細胞沈殿物を1mlの赤血球溶解用溶液に再懸濁させる。室温で10分間、3,000rpmの遠心分離を再度行い、上清を捨てる。得られた沈殿物が、赤血球を含まない細胞分画となる。
【0014】
4.DNA抽出
DNAを、末梢血液の有核細胞から抽出し、市販のキットQIAmp(登録商標)DNA血液Mini−kit(QIAmp DNA blood Mini−kit)(キアゲン;参照番号51104又は51106)を用いて、製造業者の取り扱い説明書に従い精製する。
【0015】
5.Lys751Gln及びAsp312Asn遺伝子多型の分類
エキソン10のAsp312Asn遺伝子多型を分類するのに、以下のPCR反応条件を使用した(最終反応体積25μl):900nMのプライマー SEQ ID NO.1:ACGCCCACCTGGCCA、900nMのプライマー SEQ ID NO.2:GGCGGGAAAGGGACTGG、300nMのTaqMan MGB(商標) VICプローブ SEQ ID NO.3:CCGTGCTGCCCGACGAAGT TAMRA、300nMのTaqMan MGB(商標) 6−FAM プローブ SEQ ID NO.4 CCCGTGCTGCCCAACGAAG TAMRA、12.5μlのTaqMan ユニバーサル PCR マスターミックス(TaqMan Universal PCR Master Mix)(アプライドバイオシステムズ;参照番号4304437)、及び200ngのDNA。PCRサイクル(50℃で2分間、95℃で10分間、[92℃で15秒間、60℃で1分間]を40サイクル)及び遺伝子多型分析は、ABI Prism 7000 配列検出システム装置(ABI Prism 7000 Sequence Detection System equipment)(アプライドバイオシステムズ)で対立遺伝子識別プログラム(Allelic Discrimination program)(アプライドバイオシステムズ)を用いて行った。
【0016】
エキソン23のLys751Gln遺伝子多型を分類するのに、以下のPCR反応条件を使用した(最終反応体積25μl):900nMのプライマー SEQ ID NO.5:GCCTGGAGCAGCTAGAATCAGA、900nMのプライマー SEQ ID NO.6:CACTCAGAGCTGCTGAGCAATC、300nMのTaqMan MGB(商標) VIC プローブ SEQ ID NO.7:TATCCTCTGCAGCGTC TAMRA、300nMのTaqMan MGB(商標) 6−FAM プローブ SEQ ID NO.8:CTATCCTCTTCAGCGTC TAMRA、12.5μlのTaqMan ユニバーサル PCR マスターミックス(TaqMan Universal PCR Master Mix)(アプライドバイオシステムズ;参照番号4304437)、及び200ngのDNA。PCRサイクル(50℃で2分間、95℃で10分間、[92℃で15秒間、60℃で1分間]を40サイクル)及び遺伝子多型分析は、ABI Prism 7000 配列検出システム装置(ABI Prism 7000 Sequence Detection System equipment)(アプライドバイオシステムズ)で対立遺伝子識別プログラム(Allelic Discrimination program)(アプライドバイオシステムズ)を用いて行った。
【0017】
どちらの場合も、プライマー及びプローブのデザインは、PrimerExpress(商標)コンピュータプログラム(アプライドバイオシステムズ)を用いて、販売元の取り扱い説明書に従い前述した参照DNA配列を使用して行った。プライマー及びプローブの特異性は、前もって、BLASTコンピュータプログラム(www.ncbi.nlm.nih.gov/blast)によって試験した。全ての場合で、プライマーとプローブの双方が、ERCC2/XPD遺伝子の試験対象である領域2箇所のそれぞれ1箇所に独自の特異性を示した。
【0018】
6.自動DNA配列決定による分析の確認
得られた結果の確認として、あらかじめ分析した(前項を参照)DNA100サンプル中のLys751Gln及びAsp312Asn遺伝子多型に相当するDNA断片を、配列決定した。
【0019】
第1に、Asp312Asn遺伝子多型がマップされているXPD/ERCC2遺伝子のエキソン10断片を、PCR技術によって増幅した。PCR反応条件は、以下のとおりであった(最終体積50μl):0.25μMのプライマー SEQ ID NO.1、0.25μMのプライマー SEQ ID NO.2、5μlのPCRバッファー(67mM Tris−HCl、16.6mM (NH4)2SO4、0.1% Tween20)(エコジェン(Ecogen);参照番号ETAQ−500)、1mM MgCl2(エコジェン(Ecogen);参照番号ETAQ−500)、0.12mMのPCRヌクレオチドミックス(Nucleotide Mix)(ロシュ;参照番号1581295)、1ユニットのEcoTaq DNA ポリメラーゼ(EcoTaq DNA Polymerase)(エコジェン(Ecogen);参照番号ETAQ−500)、及び200ngのDNA。使用したPCRサイクルは、95℃で5分間、[94℃で30秒間、60℃で45秒間、72℃で1分間]を35サイクル、74℃を7分間であった。
【0020】
第2に、Lys751Gln遺伝子多型がマップされているXPD/ERCC2遺伝子のエキソン23断片を、PCR技術によって増幅した。PCR反応条件は、以下のとおりであった(最終体積50μl):0.25μMのプライマー SEQ ID NO.6、0.25μMのプライマー SEQ ID NO.7、5μlのPCRバッファー(67mM Tris−HCl、16.6mM (NH4)2SO4、0.1% Tween20)(エコジェン(Ecogen);参照番号ETAQ−500)、1mM MgCl2(エコジェン(Ecogen);参照番号ETAQ−500)、0.12mMのPCRヌクレオチドミックス(Nucleotide Mix)(ロシュ;参照番号1581295)、1ユニットのEcoTaq DNA ポリメラーゼ(EcoTaq DNA Polymerase)(エコジェン(Ecogen);参照番号ETAQ−500)及び200ngのDNA。使用したPCRサイクルは、95℃で5分間、[94℃で30秒間、64℃で45秒間、72℃で1分間]を35サイクル、74℃を7分間であった。
【0021】
PCR生成物の完全性を、1.5%−TBEアガロースゲル中での電気泳動とそれに続く1%臭化エチジウムによる染色の後に、UVトランスイルミネーターで分析した。
【0022】
得られたPCR生成物を、以下に詳しく記載する配列決定反応に使用した。第1に、この生成物を、4μlのExoSap−IT(USB;参照番号7820)を10μlの対応するPCR生成物に加えることによって精製し、続いて、37℃で45分間、80℃で15分間インキュベートした。4μlのBigDyeターミネーター溶液、バージョン3.0(BigDye Terminator solution, version 3.0)(アプライドバイオシステムズ;参照番号439024801024)及び3.2pmolの対応するプライマー(この場合、PCR増幅で使用したのと同じプライマー、フォワード型とリバース型の双方を、別々の反応で使用した)を、500〜600ngの精製したPCR生成物に加えた。この配列決定反応のためのPCRサイクルは、94℃で5分間、[96℃で10秒間、50℃で5秒間、60℃で4分間]を32サイクルであった。
【0023】
配列決定反応を終えた後、62.5μlの96%エタノール、3μlの3M酢酸ナトリウムバッファー pH4.6、及び24.5μlの二回蒸留水を加えて生成物を沈殿させた。室温で30分間インキュベーションした後、それらを室温、14,000rpmで30分間遠心分離し、上清を捨て、250μlの70%エタノールで洗浄を行った。次いで、その試料を室温、14,000rpmで5分間遠心分離し、エタノール残留物を捨て(沈殿物を放置して完全に乾燥させ)、15μlのTSR添加バッファー(アプライドバイオシステムズ;参照番号401674)を加える。それらを最後に95℃で3分間インキュベートしてから、ABI Prism 310配列検出システム(ABI Prism 310 Sequence Detection System)自動キャピラリ型装置(アプライドバイオシステムズ)中に注入する。自動配列決定の結果を、Sequencing Analysis 4.3.1プログラム(アプライドバイオシステムズ)を用いて分析した。
【0024】
分析した全ての事例で、各試料の2種の遺伝子多型をフォワードプライマー及びリバースプライマーの双方を用いて配列決定した。全ての事例の結果は互いに一致しており、リアルタイムPCR定量分析によって得られた結果とも一致していた。
【0025】
結果
XPDの対立遺伝子変異体が転移性肺癌の化学療法処置後の生存に影響し得ることを確認するために、転移性肺癌患者における3種の試験を2001年8月に開始した。これら3種の異なる試験は、ゲムシタビン及びシスプラチンを用いる第1の試験、ビノレルビン及びシスプラチンを用いる第2の試験、並びにドセタキセル及びシスプラチンを用いる第3の試験である。ネオアジュバント化学療法の後に手術を受けた局所進行型肺癌の患者100名も、レトロスペクティブ解析を行った。手術のみによる治療又は術前若しくは術後化学療法による治療を受けた、初期段階の患者約150名も分析し、その概要は付表に含まれる。
【0026】
これまでで最も有意なデータは、ゲムシタビン及びシスプラチンを用いた治療を受けたステージIVの肺癌患者の試験から得られたデータである。2001年8月から2002年7月までの間に、250名の患者を対象とし、その内の109名に関する最終データが得られた。添付した表1は、年齢、全身状態、組織型、及び転移に関する通常の特徴である、これらの患者の臨床的特徴を示す。表IIは、様々な遺伝子多型の頻度を示す。ERCC1遺伝子の118位の多型も、分析した。エキソン23及び10におけるXPD遺伝子多型の頻度から、正常なホモ接合体遺伝子型が50%を占め、ヘテロ接合体変異体が40%であることが分かる(表II)。以下の図に、生存期間中央値が10.7カ月、範囲が8.9〜12.5カ月である患者109名(図3)の全生存期間を順に示す。ERCC1遺伝子の遺伝子多型による差は、有意ではない(図4)。しかし、コドン751のXPD遺伝子多型について生存期間を分析すると、Lys/Lys遺伝子型の患者59名の生存期間中央値は10.7カ月であるのに対し、Lys/Glnヘテロ接合体の患者40名では、生存期間はより長く中央値に未到達である(図5)。少数患者群(10名)はホモ接合体のGln/Gln変異体であり、生存期間中央値は2.1カ月である(p=0.0009)ことも発見されている(図5)。同様の有意な差がコドン312についても認められている。対応する図を参照されたい(p=0.003)(図6)。同様にして増殖抑制期間を分析すると、全体では、増殖抑制期間は中央値が4カ月、範囲が3.2〜4.8カ月である(図7)。ERCC1遺伝子型による差は無い(図8)。しかし、遺伝子型に基づくと、コドン751で大きな差が観察されており、Lys/Lysの患者59名では中央値が2.9カ月であるのに対し、Lys/Glnの患者40名では中央値が7.4カ月に上昇する。この差は非常に有意である(p=0.03)(図9)。コドン312におけるXPD遺伝子多型の増殖抑制期間も示すが、この場合生存期間の差は有意ではない(図10)。この試験の結論は、2種の患者グループを区別しているので明瞭である。一部の患者は全体の反応及び生存期間をはるかに上回る反応及び生存期間を示し、ゲムシタビン及びシスプラチンでは非常に良い結果が得られたが、他方の患者群では、通常許容される生存期間中央値をはるかに下回る不十分な結果に照らすと、前記の治療は明らかに禁忌とされるはずである。
【表1】
【表2】
【0027】
やはり2001年8月に開始した、第2のステージIVの肺癌試験では、シスプラチン及びビノレルビンを用いて治療した約100名の患者を分析し、これらの患者の予備的結果が得られる。XPD遺伝子型に基づくビノレルビンの効果から見て、予後不良のLys/Lys患者をゲムシタビン及びシスプラチンで治療するとき、この場合にビノレルビンを使用すると、反対の現象が起こり、Lys/Lys患者群で10カ月の増殖抑制期間が得られるが、この患者群をゲムシタビン及びシスプラチンを用いた試験で治療すると前記の増殖抑制期間中央値はわずか2.9カ月であることが示されている。対応する図11及び12を参照のこと。
【0028】
最後に、局所進行型ステージIII肺癌患者におけるXPD遺伝子多型の結果もまた示されており、同様に生存期間が遺伝子型によって変動している。ドセタキセルをゲムシタビン及びシスプラチンの組み合わせに加えることによって、増殖抑制期間は、Lys/Lys及びAsp/Aspの患者又はLys/Lysホモ接合体の患者において有意に長くなる。対応する図13及び14を参照のこと。
【0029】
臨床応用
これらの結果は、肺癌の個別の遺伝薬理学的予測を初めて明確に示す。第1に、Lys751Gln XPD遺伝子型から、ゲムシタビン及びシスプラチンを用いて治療すると標準よりかなり大きな効果及びかなり長い生存期間が予測される。第2に、前記の組み合わせは、他の遺伝子型Lys751Lys及びGln751Glnでは、明らかに禁忌とされる。臨床的結果はまた、Lys751Lys患者がビノレルビン及びシスプラチン又はドセタキセル及びシスプラチンの組み合わせに非常に有利に反応することを示す。最後として第3に、Gln751Gln遺伝子型の少数患者群は、シスプラチンを用いたどんな組み合わせの化学療法によっても生存期間が非常に短く、したがって、シスプラチン無しの組み合わせによって治療すべきであることが確認されている。
【0030】
XPD遺伝子多型の遺伝的試験は、癌患者、特に肺癌患者で化学療法を実施する前に、薬物を適切に選択するために絶対に必要である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】アミノ酸変化Asp→Asnを引き起こすG→A置換による、コドン312におけるXPD312遺伝子多型を示す図である。
【図2】アミノ酸変化Lys→Glnを引き起こすA→C置換による、コドン751におけるXPD751遺伝子多型を示す図である。
【図3】ゲムシタビン/シスプラチン使用時の全生存期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図4】ERCC1遺伝子型による生存期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図5】XPD751遺伝子型による生存期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図6】XPD312遺伝子型による生存期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図7】増殖抑制期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図8】ERCC1遺伝子型による増殖抑制期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図9】XPD751遺伝子型による増殖抑制期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図10】XPD312遺伝子型による増殖抑制期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図11】ビノレルビン/シスプラチン使用時のXPD751遺伝子型による増殖抑制期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図12】ゲムシタビン/シスプラチン使用時のXPD751遺伝子型による増殖抑制期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図13】ゲムシタビン/シスプラチン/ドセタキセル使用時のXPD751遺伝子型による増殖抑制期間を示す図である(横座標:週;縦座標:確率)。
【図14】XPD751及び312遺伝子型による増殖抑制期間を示す図である(横座標:週;縦座標:確率)。
【配列表】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗腫瘍薬物を用いた肺癌治療の技術分野の範囲に含まれており、詳細には、XPD遺伝子について示す多型に応じて最も有効な薬物で各患者を治療することを可能にする診断装置を開発する。
【背景技術】
【0002】
様々な抗腫瘍薬物が、発癌物質が行うのと同様の方式でDNAに損傷を与える。発癌物質又は細胞傷害性の抗腫瘍薬物を共有結合させると、化学的に改変された、付加体という用語(Philips、2002年)で知られているDNA塩基が形成される。シスプラチンは、DNA鎖間の結合を引き起こし、このような付加体が、シスプラチンの細胞傷害作用をもたらす(Siddik、2002年)。DNA修復系は、シスプラチン付加体を除去するために必須である。ヌクレオチド除去修復(NER)は、宿主を肺癌の発症から保護するための主要な経路であり、同時に、シスプラチンに対する耐性の生じる原理でもある。実際、ベンゾピレンジオールエポキシド(BPDE)付加体及びシスプラチン付加体の双方とも、効果的にRNAポリメラーゼIIを阻害し、したがって転写を無効にする(Hanawalt、2001年)。これらのDNA損傷はNER系によって除去される。NER系は、2つの代謝経路、すなわち転写共役修復(TCR)とゲノム全体の修復(GGR)(ダイアグラム1)に細分される。TCR(又はTC−NER)は、活性遺伝子のDNAを転写する鎖中の、転写を阻害している損傷を顕著に修復するが、GGR(又はGG−NER)は、活性遺伝子中の転写されない鎖中の損傷を修復し、転写機能の無いゲノム中の損傷も修復する(Cullinane他、1999年;May他、1993年;McKay他、1998年)。
(ダイアグラム1)
【0003】
ヒトでは、NERは太陽光の発癌作用に対する基本的な防御機序であり、修復経路中にある種の遺伝的欠陥があると、色素性乾皮症(XP)などの常染色体劣性遺伝性疾患に深刻な影響が生じる。実際、この疾患の患者は、日光過敏性であり、皮膚癌に対する感受性が異常に高く、罹患する頻度が高い。XPでは、NER経路で欠損し得る7種類の相補群がある。これらの遺伝子は、XPAからXPGまである。XP疾患では、これらの遺伝子が両方のNER経路で欠損している(Conforti他、2000年)。卵巣癌で、またより少ない頻度で結腸癌及び肺癌で、ヘテロ接合性の消失が種々のXP遺伝子で観察されている(Takebayashi他、2001年)。ヘテロ接合性の消失は転写が起こらないことに関係しており、これらの遺伝子の欠損は、卵巣癌で観察されたように、シスプラチンに対する感受性の増大を引き起こす。コケーン症候群(CS)は、NER系中の欠損に関連づけられている他の光過敏性疾患である。2種の遺伝子が同定されており、CSA及びCSBである。前記の遺伝子が改変されると、TCR経路においてそれらが関係する機能が乱される(Conforti他、2000年)。
【0004】
ダイアグラム1(Rajewsky及びMuller、2002年のものを改変)の左部分は、シスプラチンによって引き起こされた損傷を検出するための必須の経路であるTCR経路を示す(Cullinane他、1999年)。転写の際、RNAポリメラーゼIIが損傷を検出すると、特異的なCSA及びCSB転写因子が分子的NER経路中で活性化される(Furuta他、2002年;McKay他、2001年)。XP遺伝子はまた、ダイアグラム1の囲み部分で示されるように、TCR経路に関与している。本質的には、線維芽細胞中のどちらの経路(GGR及びTCR)においても様々な分子的欠損によって、正常な線維芽細胞中で生じる感受性に比べて、シスプラチンの細胞傷害性作用に対する感受性が増大する。XPA、XPD、XPF、又はXPG遺伝子のうちのどの遺伝子のどんな欠損によっても、シスプラチンの活性がかなり増大することが重要である(Furuta他、2002年)。
【0005】
一般的原則としては、癌治療、特に肺癌の治療で使用される細胞毒素の全体は、シスプラチン又はカルボプラチンを、最も重要なものを挙げれば標準的に臨床使用されるゲムシタビン、ドセタキセル、パクリタキセル、又はビノレルビンなど他の薬物と併用することを中心としている。しかし、転移性肺癌における化学療法の成果は非常に限られており、増殖抑制期間の中央値は5カ月を超えず、生存期間の中央値は8カ月及び10カ月を超えない。これらの生存予測期間の改善において、優れた組み合わせのタイプは無い。しかし、個体レベルで臨床的検証として、個々の事例では生存期間が有意に長いことが注目されている。単純なヌクレオチドの変化である遺伝子多型によって、個人差が生じ、それによって遺伝子の発現又は機能に違いが生じる。ゲノム中に極めて高率で存在するこのような遺伝子多型は、いまだ研究中である。将来的には3,000種以上の遺伝子多型が特徴づけられ、それが癌感受性、疾患の予後評価、及び治療反応の予測評価を判定するのに役立つ可能性がある。メッセンジャーRNA発現の段階では、GGR経路で作用するERCC1遺伝子の過剰発現により、胃癌、卵巣癌、及び肺癌においてシスプラスチンに対する耐性が生じることが確認されている(Lord他、2002年;Metzger他、1998年;Shirota他、2001年)。
【0006】
XPD遺伝子多型は、様々な研究でDNA修復能の減退と関連づけられている(Spitz他、2001年)。実際、この集団の約半分は、Lys751Lys遺伝子型を有し、また、正常なホモ接合体のAsp312Asp遺伝子型も有している。正常なホモ接合体遺伝子型を有するこのような患者又は人間は、極めて良い修復能を有し、したがって、シスプラチンに耐性となることができる(Bosken他、2002年)。修復能の増大は、機能分析によって測定することができ、非小細胞肺癌(NSCLC)におけるシスプラチンに対する耐性と関連づけられている(Zeng−Rong他、1995年)。修復能は、BPDEへの暴露によって損傷された遺伝子の再活性化を測定することによっても試験されており、肺癌患者の修復能レベルは、対照患者と比べて有意に低い(Wei他、1996年、2000年)。多くの研究により、修復能の減退及びDNA付加体レベルの増大が、肺癌の危険性を増大させることが示されている。したがって、NER経路中の重要遺伝子の基底発現は、肺癌の危険性と関係がある。肺癌患者75名及び対照患者95名のリンパ球中のERCC1、XPB、XPG、CSB、及びXPCの転写レベルを、RT−PCRによって測定した。その結果によれば、XPG及びCSBの発現レベルが、肺癌の場合に対照と比較して有意に低下することが示された(Cheng他、2000年)。XPA、XPB、XPC、XPD、XPF、XPG、ERCC1、及びCSB遺伝子のリンパ球中メッセンジャーRNAレベルが、ERCC1又はXPDのメッセンジャーRNAレベルと非常に有意な相関を示したこと、また、両方の遺伝子の発現がDNA修復能と相関関係があることが重要である(Vogel他、2000年)。
【0007】
本明細書に記載したものとは異なる他の遺伝子多型の検出に基づく、肺癌の診断方法に関する特許(国際公開第97/25442号)、及び他のタイプの腫瘍の診断方法に関する特許(国際公開第97/38125号、国際公開第95/16739号)がある。他の薬物(スタチン)に対するある種の患者の反応を知るために、やはり他の遺伝子における遺伝子多型の検出を使用する他の特許もまた見出されているが、本出願人は、どの肺癌患者がある種の又は別の抗腫瘍治療の影響をより受けやすいかを判定する特許を承知していない。
(参考文献)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
実施した研究において、遺伝薬理学的予測価値があるXP遺伝子の遺伝子多型性変異体を発見した。XPD遺伝子のエキソン23(A−C、Lys751Gln)及びエキソン10(G−A、Asp312Ans)での遺伝子多型を試験した。図1及び図2は、それぞれ、自動配列決定により実施した、コドン312及び751でのXPD遺伝子多型の2例の同定例を示す。ダイアグラム2は、様々なDNA修復代謝経路、及び前記経路中でXPD遺伝子が占める位置を示す。米国国立癌研究所(National Cancer Institute)の様々な腫瘍の細胞系パネルのスクリーニングにより、XPA、XPB、XPD、及びERCC1のうちでXPDの過剰発現だけがアルキル化剤に対する耐性と相関していることが明らかにされている(Aloyz他、2002年)ことから、XPD遺伝子多型の調査に対する臨床的関心は強まっている。
(ダイアグラム2)
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ヒトXPD/ERCC2遺伝子のLys751Gln及びAsp312Asn遺伝子多型の分類
【0010】
1.ERCC2/XPD遺伝子座の遺伝子情報
この遺伝子に対応するDNA、RNA、及び蛋白質の配列情報は、ウェブページwww.ncbi.nlm.nih.gov/locuslink/refseq.html、にLocus ID 2068として詳述されており、以下に要約する。
ERCC2/XPD−除去修復補完交配げっ歯類修復欠損相補群2(色素性乾皮症D)
NCBI参照配列(RefSeq):
mRNA:NM_000400
蛋白質: NP_000391
ジェンバンク(GenBank) 供給:X52221、X52222
mRNA:NM_000400
蛋白質:NP_000391
ジェンバンク(GenBank)ヌクレオチド配列:
ヌクレオチド:L47234(タイプg)、BC008346(タイプm)、X52221(タイプm)、X52222(タイプm)
他のリンク:
OMIM:126340
ユニジーン(UniGene):Hs 99987
【0011】
2.DNAを得るための生物試料
2種の遺伝子多型Lys751Gln及びAsp312Asnを分類するのに使用するDNAは、末梢血液由来の有核細胞から得た。
【0012】
このDNAを得、続いて分類するために、ヒト生体の他のどんな有核細胞のタイプも使用できることは指摘しておきたい。
【0013】
3.血液抽出
末梢血液を、K3/EDTA入りバキュティナ型チューブ(ベクトン・ディッキンソンシステムズ(Becton Dickinson Systems);参照番号36752又は368457)中に集める。続いてそれを、室温、2,500rpmで15分間遠心分離し、血漿分画を捨てる。2倍体積量の赤血球溶解用溶液(155mM NH4Cl、0.1mM EDTA、10mM Hepes、pH=7.4)を細胞分画に加え、それを回転台にのせて30分間室温でインキュベートする。次にその試料を、室温、3,000rpmで10分間遠心分離し、上清を捨て、得られた細胞沈殿物を1mlの赤血球溶解用溶液に再懸濁させる。室温で10分間、3,000rpmの遠心分離を再度行い、上清を捨てる。得られた沈殿物が、赤血球を含まない細胞分画となる。
【0014】
4.DNA抽出
DNAを、末梢血液の有核細胞から抽出し、市販のキットQIAmp(登録商標)DNA血液Mini−kit(QIAmp DNA blood Mini−kit)(キアゲン;参照番号51104又は51106)を用いて、製造業者の取り扱い説明書に従い精製する。
【0015】
5.Lys751Gln及びAsp312Asn遺伝子多型の分類
エキソン10のAsp312Asn遺伝子多型を分類するのに、以下のPCR反応条件を使用した(最終反応体積25μl):900nMのプライマー SEQ ID NO.1:ACGCCCACCTGGCCA、900nMのプライマー SEQ ID NO.2:GGCGGGAAAGGGACTGG、300nMのTaqMan MGB(商標) VICプローブ SEQ ID NO.3:CCGTGCTGCCCGACGAAGT TAMRA、300nMのTaqMan MGB(商標) 6−FAM プローブ SEQ ID NO.4 CCCGTGCTGCCCAACGAAG TAMRA、12.5μlのTaqMan ユニバーサル PCR マスターミックス(TaqMan Universal PCR Master Mix)(アプライドバイオシステムズ;参照番号4304437)、及び200ngのDNA。PCRサイクル(50℃で2分間、95℃で10分間、[92℃で15秒間、60℃で1分間]を40サイクル)及び遺伝子多型分析は、ABI Prism 7000 配列検出システム装置(ABI Prism 7000 Sequence Detection System equipment)(アプライドバイオシステムズ)で対立遺伝子識別プログラム(Allelic Discrimination program)(アプライドバイオシステムズ)を用いて行った。
【0016】
エキソン23のLys751Gln遺伝子多型を分類するのに、以下のPCR反応条件を使用した(最終反応体積25μl):900nMのプライマー SEQ ID NO.5:GCCTGGAGCAGCTAGAATCAGA、900nMのプライマー SEQ ID NO.6:CACTCAGAGCTGCTGAGCAATC、300nMのTaqMan MGB(商標) VIC プローブ SEQ ID NO.7:TATCCTCTGCAGCGTC TAMRA、300nMのTaqMan MGB(商標) 6−FAM プローブ SEQ ID NO.8:CTATCCTCTTCAGCGTC TAMRA、12.5μlのTaqMan ユニバーサル PCR マスターミックス(TaqMan Universal PCR Master Mix)(アプライドバイオシステムズ;参照番号4304437)、及び200ngのDNA。PCRサイクル(50℃で2分間、95℃で10分間、[92℃で15秒間、60℃で1分間]を40サイクル)及び遺伝子多型分析は、ABI Prism 7000 配列検出システム装置(ABI Prism 7000 Sequence Detection System equipment)(アプライドバイオシステムズ)で対立遺伝子識別プログラム(Allelic Discrimination program)(アプライドバイオシステムズ)を用いて行った。
【0017】
どちらの場合も、プライマー及びプローブのデザインは、PrimerExpress(商標)コンピュータプログラム(アプライドバイオシステムズ)を用いて、販売元の取り扱い説明書に従い前述した参照DNA配列を使用して行った。プライマー及びプローブの特異性は、前もって、BLASTコンピュータプログラム(www.ncbi.nlm.nih.gov/blast)によって試験した。全ての場合で、プライマーとプローブの双方が、ERCC2/XPD遺伝子の試験対象である領域2箇所のそれぞれ1箇所に独自の特異性を示した。
【0018】
6.自動DNA配列決定による分析の確認
得られた結果の確認として、あらかじめ分析した(前項を参照)DNA100サンプル中のLys751Gln及びAsp312Asn遺伝子多型に相当するDNA断片を、配列決定した。
【0019】
第1に、Asp312Asn遺伝子多型がマップされているXPD/ERCC2遺伝子のエキソン10断片を、PCR技術によって増幅した。PCR反応条件は、以下のとおりであった(最終体積50μl):0.25μMのプライマー SEQ ID NO.1、0.25μMのプライマー SEQ ID NO.2、5μlのPCRバッファー(67mM Tris−HCl、16.6mM (NH4)2SO4、0.1% Tween20)(エコジェン(Ecogen);参照番号ETAQ−500)、1mM MgCl2(エコジェン(Ecogen);参照番号ETAQ−500)、0.12mMのPCRヌクレオチドミックス(Nucleotide Mix)(ロシュ;参照番号1581295)、1ユニットのEcoTaq DNA ポリメラーゼ(EcoTaq DNA Polymerase)(エコジェン(Ecogen);参照番号ETAQ−500)、及び200ngのDNA。使用したPCRサイクルは、95℃で5分間、[94℃で30秒間、60℃で45秒間、72℃で1分間]を35サイクル、74℃を7分間であった。
【0020】
第2に、Lys751Gln遺伝子多型がマップされているXPD/ERCC2遺伝子のエキソン23断片を、PCR技術によって増幅した。PCR反応条件は、以下のとおりであった(最終体積50μl):0.25μMのプライマー SEQ ID NO.6、0.25μMのプライマー SEQ ID NO.7、5μlのPCRバッファー(67mM Tris−HCl、16.6mM (NH4)2SO4、0.1% Tween20)(エコジェン(Ecogen);参照番号ETAQ−500)、1mM MgCl2(エコジェン(Ecogen);参照番号ETAQ−500)、0.12mMのPCRヌクレオチドミックス(Nucleotide Mix)(ロシュ;参照番号1581295)、1ユニットのEcoTaq DNA ポリメラーゼ(EcoTaq DNA Polymerase)(エコジェン(Ecogen);参照番号ETAQ−500)及び200ngのDNA。使用したPCRサイクルは、95℃で5分間、[94℃で30秒間、64℃で45秒間、72℃で1分間]を35サイクル、74℃を7分間であった。
【0021】
PCR生成物の完全性を、1.5%−TBEアガロースゲル中での電気泳動とそれに続く1%臭化エチジウムによる染色の後に、UVトランスイルミネーターで分析した。
【0022】
得られたPCR生成物を、以下に詳しく記載する配列決定反応に使用した。第1に、この生成物を、4μlのExoSap−IT(USB;参照番号7820)を10μlの対応するPCR生成物に加えることによって精製し、続いて、37℃で45分間、80℃で15分間インキュベートした。4μlのBigDyeターミネーター溶液、バージョン3.0(BigDye Terminator solution, version 3.0)(アプライドバイオシステムズ;参照番号439024801024)及び3.2pmolの対応するプライマー(この場合、PCR増幅で使用したのと同じプライマー、フォワード型とリバース型の双方を、別々の反応で使用した)を、500〜600ngの精製したPCR生成物に加えた。この配列決定反応のためのPCRサイクルは、94℃で5分間、[96℃で10秒間、50℃で5秒間、60℃で4分間]を32サイクルであった。
【0023】
配列決定反応を終えた後、62.5μlの96%エタノール、3μlの3M酢酸ナトリウムバッファー pH4.6、及び24.5μlの二回蒸留水を加えて生成物を沈殿させた。室温で30分間インキュベーションした後、それらを室温、14,000rpmで30分間遠心分離し、上清を捨て、250μlの70%エタノールで洗浄を行った。次いで、その試料を室温、14,000rpmで5分間遠心分離し、エタノール残留物を捨て(沈殿物を放置して完全に乾燥させ)、15μlのTSR添加バッファー(アプライドバイオシステムズ;参照番号401674)を加える。それらを最後に95℃で3分間インキュベートしてから、ABI Prism 310配列検出システム(ABI Prism 310 Sequence Detection System)自動キャピラリ型装置(アプライドバイオシステムズ)中に注入する。自動配列決定の結果を、Sequencing Analysis 4.3.1プログラム(アプライドバイオシステムズ)を用いて分析した。
【0024】
分析した全ての事例で、各試料の2種の遺伝子多型をフォワードプライマー及びリバースプライマーの双方を用いて配列決定した。全ての事例の結果は互いに一致しており、リアルタイムPCR定量分析によって得られた結果とも一致していた。
【0025】
結果
XPDの対立遺伝子変異体が転移性肺癌の化学療法処置後の生存に影響し得ることを確認するために、転移性肺癌患者における3種の試験を2001年8月に開始した。これら3種の異なる試験は、ゲムシタビン及びシスプラチンを用いる第1の試験、ビノレルビン及びシスプラチンを用いる第2の試験、並びにドセタキセル及びシスプラチンを用いる第3の試験である。ネオアジュバント化学療法の後に手術を受けた局所進行型肺癌の患者100名も、レトロスペクティブ解析を行った。手術のみによる治療又は術前若しくは術後化学療法による治療を受けた、初期段階の患者約150名も分析し、その概要は付表に含まれる。
【0026】
これまでで最も有意なデータは、ゲムシタビン及びシスプラチンを用いた治療を受けたステージIVの肺癌患者の試験から得られたデータである。2001年8月から2002年7月までの間に、250名の患者を対象とし、その内の109名に関する最終データが得られた。添付した表1は、年齢、全身状態、組織型、及び転移に関する通常の特徴である、これらの患者の臨床的特徴を示す。表IIは、様々な遺伝子多型の頻度を示す。ERCC1遺伝子の118位の多型も、分析した。エキソン23及び10におけるXPD遺伝子多型の頻度から、正常なホモ接合体遺伝子型が50%を占め、ヘテロ接合体変異体が40%であることが分かる(表II)。以下の図に、生存期間中央値が10.7カ月、範囲が8.9〜12.5カ月である患者109名(図3)の全生存期間を順に示す。ERCC1遺伝子の遺伝子多型による差は、有意ではない(図4)。しかし、コドン751のXPD遺伝子多型について生存期間を分析すると、Lys/Lys遺伝子型の患者59名の生存期間中央値は10.7カ月であるのに対し、Lys/Glnヘテロ接合体の患者40名では、生存期間はより長く中央値に未到達である(図5)。少数患者群(10名)はホモ接合体のGln/Gln変異体であり、生存期間中央値は2.1カ月である(p=0.0009)ことも発見されている(図5)。同様の有意な差がコドン312についても認められている。対応する図を参照されたい(p=0.003)(図6)。同様にして増殖抑制期間を分析すると、全体では、増殖抑制期間は中央値が4カ月、範囲が3.2〜4.8カ月である(図7)。ERCC1遺伝子型による差は無い(図8)。しかし、遺伝子型に基づくと、コドン751で大きな差が観察されており、Lys/Lysの患者59名では中央値が2.9カ月であるのに対し、Lys/Glnの患者40名では中央値が7.4カ月に上昇する。この差は非常に有意である(p=0.03)(図9)。コドン312におけるXPD遺伝子多型の増殖抑制期間も示すが、この場合生存期間の差は有意ではない(図10)。この試験の結論は、2種の患者グループを区別しているので明瞭である。一部の患者は全体の反応及び生存期間をはるかに上回る反応及び生存期間を示し、ゲムシタビン及びシスプラチンでは非常に良い結果が得られたが、他方の患者群では、通常許容される生存期間中央値をはるかに下回る不十分な結果に照らすと、前記の治療は明らかに禁忌とされるはずである。
【表1】
【表2】
【0027】
やはり2001年8月に開始した、第2のステージIVの肺癌試験では、シスプラチン及びビノレルビンを用いて治療した約100名の患者を分析し、これらの患者の予備的結果が得られる。XPD遺伝子型に基づくビノレルビンの効果から見て、予後不良のLys/Lys患者をゲムシタビン及びシスプラチンで治療するとき、この場合にビノレルビンを使用すると、反対の現象が起こり、Lys/Lys患者群で10カ月の増殖抑制期間が得られるが、この患者群をゲムシタビン及びシスプラチンを用いた試験で治療すると前記の増殖抑制期間中央値はわずか2.9カ月であることが示されている。対応する図11及び12を参照のこと。
【0028】
最後に、局所進行型ステージIII肺癌患者におけるXPD遺伝子多型の結果もまた示されており、同様に生存期間が遺伝子型によって変動している。ドセタキセルをゲムシタビン及びシスプラチンの組み合わせに加えることによって、増殖抑制期間は、Lys/Lys及びAsp/Aspの患者又はLys/Lysホモ接合体の患者において有意に長くなる。対応する図13及び14を参照のこと。
【0029】
臨床応用
これらの結果は、肺癌の個別の遺伝薬理学的予測を初めて明確に示す。第1に、Lys751Gln XPD遺伝子型から、ゲムシタビン及びシスプラチンを用いて治療すると標準よりかなり大きな効果及びかなり長い生存期間が予測される。第2に、前記の組み合わせは、他の遺伝子型Lys751Lys及びGln751Glnでは、明らかに禁忌とされる。臨床的結果はまた、Lys751Lys患者がビノレルビン及びシスプラチン又はドセタキセル及びシスプラチンの組み合わせに非常に有利に反応することを示す。最後として第3に、Gln751Gln遺伝子型の少数患者群は、シスプラチンを用いたどんな組み合わせの化学療法によっても生存期間が非常に短く、したがって、シスプラチン無しの組み合わせによって治療すべきであることが確認されている。
【0030】
XPD遺伝子多型の遺伝的試験は、癌患者、特に肺癌患者で化学療法を実施する前に、薬物を適切に選択するために絶対に必要である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】アミノ酸変化Asp→Asnを引き起こすG→A置換による、コドン312におけるXPD312遺伝子多型を示す図である。
【図2】アミノ酸変化Lys→Glnを引き起こすA→C置換による、コドン751におけるXPD751遺伝子多型を示す図である。
【図3】ゲムシタビン/シスプラチン使用時の全生存期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図4】ERCC1遺伝子型による生存期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図5】XPD751遺伝子型による生存期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図6】XPD312遺伝子型による生存期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図7】増殖抑制期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図8】ERCC1遺伝子型による増殖抑制期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図9】XPD751遺伝子型による増殖抑制期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図10】XPD312遺伝子型による増殖抑制期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図11】ビノレルビン/シスプラチン使用時のXPD751遺伝子型による増殖抑制期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図12】ゲムシタビン/シスプラチン使用時のXPD751遺伝子型による増殖抑制期間を示す図である(横座標:月;縦座標:確率)。
【図13】ゲムシタビン/シスプラチン/ドセタキセル使用時のXPD751遺伝子型による増殖抑制期間を示す図である(横座標:週;縦座標:確率)。
【図14】XPD751及び312遺伝子型による増殖抑制期間を示す図である(横座標:週;縦座標:確率)。
【配列表】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺伝子多型及び/又はジェンバンク(GenBank)配列X52221及びX52222により遺伝子座が定義されているERCC2/XPD修復遺伝子のヘテロ接合性消失の検出に基づいて、肺癌に有用な抗腫瘍薬物の治療反応に対する遺伝的素因を検出するための検定装置であって、SEQ ID NO.1及びSEQ ID NO.2、又はSEQ ID NO.5及びSEQ ID NO.6から選択されるオリゴヌクレオチドプローブのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする検定装置。
【請求項2】
前記プローブが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術でヒトDNA試料マッピングプライマーとして使用されることを特徴とする、検定装置。
【請求項3】
前記プローブが、自動配列決定技術でヒトDNA試料マッピングプライマーとして使用されることを特徴とする、検定装置。
【請求項4】
Lys751Gln又はAsp312Asn遺伝子多型を、それぞれ各プライマー対を用いて検出することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載の検定装置。
【請求項5】
前記抗腫瘍薬物が、シスプラチンと、ゲムシタビン、ビノレルビン、又はドセタキセルから選択される第2の抗腫瘍化合物との組み合わせであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載の検定装置。
【請求項6】
SEQ ID NO.1、SEQ ID NO.2、SEQ ID NO.5、及びSEQ ID NO.6によって示される配列を特徴とする、抗腫瘍薬物への反応に対する遺伝的素因を検出するためのオリゴヌクレオチドプライマー。
【請求項7】
前記抗腫瘍薬物が、シスプラチンと、ゲムシタビン、ビノレルビン、又はドセタキセルから選択される第2の抗腫瘍化合物との組み合わせであることを特徴とする、請求項6に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項8】
SEQ ID NO.3、SEQ ID NO.4、SEQ ID NO.7、又はQ ID NO.8によって示されるオリゴヌクレオチドの、抗腫瘍薬物への反応に対する遺伝的素因を検出するためのプライマーとしての使用。
【請求項9】
前記抗腫瘍薬物が、シスプラチンと、ゲムシタビン、ビノレルビン、又はドセタキセルから選択される第2の抗腫瘍化合物との組み合わせであることを特徴とする、請求項3に記載の使用。
【請求項1】
遺伝子多型及び/又はジェンバンク(GenBank)配列X52221及びX52222により遺伝子座が定義されているERCC2/XPD修復遺伝子のヘテロ接合性消失の検出に基づいて、肺癌に有用な抗腫瘍薬物の治療反応に対する遺伝的素因を検出するための検定装置であって、SEQ ID NO.1及びSEQ ID NO.2、又はSEQ ID NO.5及びSEQ ID NO.6から選択されるオリゴヌクレオチドプローブのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする検定装置。
【請求項2】
前記プローブが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術でヒトDNA試料マッピングプライマーとして使用されることを特徴とする、検定装置。
【請求項3】
前記プローブが、自動配列決定技術でヒトDNA試料マッピングプライマーとして使用されることを特徴とする、検定装置。
【請求項4】
Lys751Gln又はAsp312Asn遺伝子多型を、それぞれ各プライマー対を用いて検出することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載の検定装置。
【請求項5】
前記抗腫瘍薬物が、シスプラチンと、ゲムシタビン、ビノレルビン、又はドセタキセルから選択される第2の抗腫瘍化合物との組み合わせであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載の検定装置。
【請求項6】
SEQ ID NO.1、SEQ ID NO.2、SEQ ID NO.5、及びSEQ ID NO.6によって示される配列を特徴とする、抗腫瘍薬物への反応に対する遺伝的素因を検出するためのオリゴヌクレオチドプライマー。
【請求項7】
前記抗腫瘍薬物が、シスプラチンと、ゲムシタビン、ビノレルビン、又はドセタキセルから選択される第2の抗腫瘍化合物との組み合わせであることを特徴とする、請求項6に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項8】
SEQ ID NO.3、SEQ ID NO.4、SEQ ID NO.7、又はQ ID NO.8によって示されるオリゴヌクレオチドの、抗腫瘍薬物への反応に対する遺伝的素因を検出するためのプライマーとしての使用。
【請求項9】
前記抗腫瘍薬物が、シスプラチンと、ゲムシタビン、ビノレルビン、又はドセタキセルから選択される第2の抗腫瘍化合物との組み合わせであることを特徴とする、請求項3に記載の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2006−514825(P2006−514825A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−566061(P2004−566061)
【出願日】平成15年12月29日(2003.12.29)
【国際出願番号】PCT/ES2003/000666
【国際公開番号】WO2004/063395
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(505260305)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年12月29日(2003.12.29)
【国際出願番号】PCT/ES2003/000666
【国際公開番号】WO2004/063395
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(505260305)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]