説明

背面EL照明手段を備えたキーボード装置

【課題】ELの発光面積を限りなく少なくして消費電力を低く抑えて光らせるべき個所(キートップの表示部分)を的確に光らせることのできる背面EL照明手段を備えたキーボード装置の提供。
【解決手段】EL発光ユニットは、各キートップ部の表面表示部に対応した独立した蛍光体層のアイランド部を備えており、該蛍光体層のアイランド部に夫々対応して、表面には表面透明電極部を備え且つ裏面には誘電体層を介して背面電極部を備えており、表面透明電極部には表面配線を配し、背面電極部には背面配線を配してなり、独立した蛍光体層のアイランド部を各キートップ部の下方に位置させて配置したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な構造の背面からのエレクトロルミネッセンス(electroluminescence、以下単に「EL」と称す)照明手段を備えたパソコン等のキーボード装置に関し、特に照明が必要なキーヘッド部分を局所的に照明する背面EL照明手段を備えたパソコン等のキーボード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパソコン等のキーボードは特別な照明手段を備えていないものが普通であり、夜間のパソコン使用時にはキーボード上のキー配列の視覚的確認には難しいものがあった。そこで、例えば特表平11−509352号公報(特許文献1)には、複数のキーパッドと、同複数のキーパッドのうちの少なくとも1つを押すことに反応して情報を表示するイルミネーテッド・パネルとを有するポータブル・デバイス内のエレクトロニック・ルミネッセンス・キーボード・システムを開示する。この発明に基づく改善はイルミネーテッド・パネルからの光線の一部を伝搬するコンダクタ・エレメントと、イルミネーテッド・パネルからの光線の一部によって複数のキーパッドを照明することにより、周囲領域が薄暗い際にキーボード上のキーパッドの視認を可能にすべくコンダクタ・エレメントに接続されたイルミネータ・エレメントとを含む。ELKシステムはポータブル・デバイス上における電力消費に影響を及ぼさない。1つの実施の形態において、ELKシステムはキーボードに対するバックライトを提供する。第2の実施の形態において、ELKシステムは光線をキーパットの頂部に対して提供することが開示されている。
【0003】
しかしながら、この方式では光線を伝搬するための手段が必須となる。そこで、例えば特表2004−500682号公報(特許文献2)には、キーボード用の周辺背面照明システムの実施態様が開示されている。この実施態様は、キースイッチ及びキーボードの外部に1つ以上の光放射パネルを備える。パネルはエレクトロルミネッセント材料であるのが好ましく、キースイッチのステム、または、使用中にステムが上下にスライドする空間の少なくとも2つの側部、好ましくは全ての側部を取り囲む。代替的には、エレクトロルミネッセントパネルは、複数のキースイッチの間及びそれらの下方をほぼ連続的に延びることができる。パネルは、ステムまたはキースイッチのキャップ内部まで延びることなく、キーキャップの下方を可能な限り遠くまで、ステムまたはステムパスの直近、または、キースイッチの下方を延びる。ELパネルは、電圧インバータを介してコンピュータキーボードのポートによって電力を供給されるのが好ましい。好ましくは、キースイッチは半透明か、または、部分的に半透明であり、ELパネル上のベースプレート(もしあれば)は、少なくとも部分的に半透明であるか透明である。こうして、光放射パネルからの光は、キーキャップの中央部の開口部またはライトパイプを上方に通過するのではなく、半透明のキーキャップを上方に向かって、好ましくはその外部表面の周囲に放射されるとした発明が開示されている。
【0004】
また、実用新案登録第3113481号公報(特許文献3)には、少なくとも一組以上の透光性を備えたボタンと、その底部に設置された透光性を備えたボタン回路板と、該ボタン回路板に一組以上の接続配線を介して接続された回路板と、該回路板に設置された少なくとも一組以上の発光体と、該回路板上に設置され、該発光体を制御し動態的に発光させる制御回路と、該回路板と透光性を備えたボタン回路板の間に設置された導光板と、を含み、該導光板の側面と該発光体が相互に密接して設置され、該発光体が発光すると、その発する光線が導光板内で均一に拡散され、透光性を備えた該ボタン回路板とボタンを介して散出され、該ボタンから散出される該光線が、明度が均一で照度が安定した光線であることを特徴とするボタン発光装置が開示されている。
【0005】
ここでは、EL照明では明度が低く、消費電力にも問題があることが指摘されている。
【0006】
さらに、特開2000−207101号公報(特許文献4)には、キー位置の認識性を向上し、操作性を向上し、イルミネーションとしての性能を有し,デザイン性およびファッション性を向上するキーボード装置が開示されている。これは、キートップにより操作される複数のキースイッチを有し、これらキートップにより構成される操作面をその下側から照明するELシートからなるバックライト手段を有し、キースイッチには、透過性を有するキートップと不透性を有する文字部分とを設け、バックライト手段が、キー配置に対応してその発光位置を設定可能に配される。
【0007】
また、EL発光シートをキーボードの背面照明として利用する技術については非特許文献1及び2においても紹介されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表平11−509352号公報
【特許文献2】特表2004−500682号公報
【特許文献3】実用新案登録第3113481号公報
【特許文献4】特開2000−207101号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】http://community.livejournal.com/optimus_project/
【非特許文献2】http://www.nm−switch.com/elsheet.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、ELの発光面積を限りなく少なくして消費電力を低く抑えて光らせるべき個所(キートップの表示部分)を的確に光らせることのできる背面EL照明手段を備えたキーボード装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の背面EL照明手段を備えたキーボード装置は、夫々独立したキートップ部と、該キートップ部を背面から照明するEL発光ユニットと、キートップ
前記EL発光ユニットは、前記独立した各キートップ部の表面表示部(キートップ部に表示された文字等)に対応した独立した蛍光体層のアイランド部を備えており、該蛍光体層のアイランド部に夫々対応して、表面には表面透明電極部を備え且つ裏面には誘電体層を介して背面電極部を備えており、前記表面透明電極部には表面配線を配し、前記背面電極部には背面配線を配してなり、
部の押下操作を検知するメンブレンとからなるキーボード装置であって、
前記独立した蛍光体層のアイランド部を前記各キートップ部の表面表示部(キートップ部に表示された文字等)の下方に位置させて配置したことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の背面EL照明手段を備えたキーボード装置は、前記EL発光ユニットの表面配線は前記表面透明電極の周辺後方に覆いかぶされて形成されていることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の背面EL照明手段を備えたキーボード装置は、前記メンブレンを前記EL発光ユニットの上方に配置したことを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明の背面EL照明手段を備えたキーボード装置は、前記メンブレンを前記EL発光ユニットの下方に配置したことを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の背面EL照明手段を備えたキーボード装置は、前記キートップをベースプレートに対して取り付けるために、該ベースプレートから立ち上がった複数本の柱状体を、前記EL発光ユニットを貫通して配置させ、且つ前記蛍光体層のアイランド部を避けてする配置したことを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明の背面EL照明手段を備えたキーボード装置は、夫々独立したキートップ部と、該キートップ部を背面から照明するEL発光ユニットと、キートップ部の押下操作を検知するメンブレンとからなるキーボード装置であって、
前記EL発光ユニットは、前記各キートップ部の表面表示部(キートップ部に表示された文字等)に対応した独立した蛍光体層のアイランド部を備えており、該蛍光体層のアイランド部に夫々対応して、表面には表面透明電極部を備え且つ裏面には誘電体層を介して背面電極部を備えており、前記表面透明電極部には表面配線を配し、前記背面電極部には背面配線を配してなり、
前記独立した蛍光体層のアイランド部を前記各キートップ部の表面表示部(キートップ部に表示された文字等)の下方に位置させて配置し、
前記EL発光ユニットの表面配線は、当該キーボード装置のキー配列の一方の側面方向より配線されており、背面配線は、当該キーボード装置のキー配列の他方の側面方向より配線されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、以上のような構成により、夜間においてもパソコン等のキーボード装置のキーボード配列が目視で確認できるように背面照明を行うことができるという効果を奏するものである。
【0018】
さらに、本発明は、ELによる照明のために比較的安価で構造も簡単な装置を達成することが可能であり、照明が必要とされる最小限の部分を背面から照明することにより消費電力が小さくとも有効な照明が達成されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の背面EL照明手段を備えたキーボード装置の外観図である。
【図2】本発明の背面EL照明手段を備えたキーボード装置のEL発光部の配置と給電配線パターンの構成図である。
【図3】(A)は、本発明のキーボード装置に用いられる背面EL照明手段のEL発光ユニットの構成を示す断面図、(B)は特定のキーに対するEL発光面の構成と背面電極の関係を示す透視図である。
【図4】(A)(B)(C)本発明のEL発光ユニット40をキーボード装置として構成する場合の各実施例としての断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0020】
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。本発明の具体的実施例は、図1及び図2に示すように、パソコンのキーボード装置に適用したものである。
【0021】
パソコンには、通常、文字入力手段としてキーボード装置が用いられている。このキーボード装置には各国の使用言語により、またメーカーやモデルにより種類(キー配列、キー数等)の相違するものが用いられている。しかしながら、機能を高め入力を簡単にするために、100個以上のキー配列としたものが一般的に用いられている。
【0022】
図1は、パソコンに用いられる日本語配列のキーボード装置の外観図である。図1にはテンキー配列を備えていないが、テンキー配列を備えるか否かが本発明に関係がるものではない。図2は、図1の日本語配列のキーボードに適用された本発明の背面EL照明手段のEL蛍光面の配置とそれに対する給電配線パターンを示す。この給電配線パターンにおいて実線で示す配線10が表面配線(Ag)であり、点線で示す配線20が裏面配線(Ag)である。
【0023】
図3(A)は、本発明のキーボード装置に用いられる背面EL照明手段のEL発光ユニット40の構成を示す断面図である。本発明のキーボード装置は図3(A)に示すEL発光ユニット40にメンブレン50とキートップ60等を組み合わせて構成するものである。
【0024】
本発明の基本ユニットであるEL発光ユニット40の構成は、背面保護フィルム31上に背面絶縁層(UVレジスト層)32が設けられており、その背面絶縁層(UVレジスト層)32上には、背面配線(Ag)20が配線されている。背面配線(Ag)20はキーボード装置全面に行き渡っており、キーボード装置のキートップ対応位置には、背面電極(カーボン)21,21,21・・・が設けられている。各背面電極(カーボン)21,21,21・・・は、背面配線(Ag)20により電源の一方の極に接続されている。その上には、誘電体層33が設けられ、その上にはキートップ対応位置に個々に配置された蛍光体層12,12,12・・・が設けられている。この蛍光体層12,12,12・・・と同じ層位置に背面絶縁層(UVレジスト層)34が設けられている。各蛍光体層12,12,12・・・に対応した位置には、透明電極11,11,11・・・が設けられている。各透明電極11,11,11・・・は、表面配線(Ag)10によって電源の他方の極に接続されている。一番上の表面には、ベースとなるPETフィルム(75μ)35が配されている。
【0025】
以上は、本発明の背面EL照明手段を備えたキーボード装置に組み込まれた状態における上下関係を理解し易くするための図面表示及び説明となっているが、実際の製造段階においては、ベースPETフィルム35上に各層をシルク印刷技術等により積層して生産する。
【0026】
ところで、EL照明手段としての消費電力は蛍光体層の発光面積に大きく依存することが分かっている。しかしながら、先行する特許文献や非特許文献で示されているEL発光層はシート面全面が発光面として構成されているものが多く最大限発光面を少なくしようとする工夫には欠けている。
【0027】
そこで、本発明においては、特にパソコンのキーボード装置として、発光面が小さな背面EL発光手段を提供しようとしている。パソコンのキーボード装置は、一つ一つのキートップ面は小さいが全体の占める面積は大きい。そこで一つ一つのキートップ面を照明することが考えられるが、一つ一つは小さな面積であるが100個以上の表示面となると、集計すると大きな蛍光面が必要となってくる。そこで、発光面をより小さく構成するためには、発光が必要な部分に対して、背面直下から直接的に照明するのが好ましい。そこで、本発明においては、特定のキー配列のキートップ上の表示部分(照明必要部分)に対応した蛍光体層を構成したものである。
【0028】
図3(B)は、特定のキー(図2に示した日本語配列の一つの特定キーとして左人差し指の対応位置であるFキー)に対するEL発光面(蛍光体層)の構成と背面電極(カーボン)の配置関係を示す透視図である。通常、Fキーは左上にアルファベットの「F」が表示され右下に平仮名の「は」が表示されている。
【0029】
つまり、Fキー対応の蛍光体層の形状においては、左上に表示されているアルファベットの「F」の部分と、右下に表示されている平仮名の「は」の部分を背面から照明するように図3(B)の如き形状(左上の大き目の四角形11aと右下の小さめの四角形11bとの連結形状)のアイランド部11としている。また、図示はしないが、テンキーが配置されていないJキーにおいては、左上に表示されているアルファベットの「J」の部分と、右下に表示されている平仮名の「ま」の部分と、中央にテンキーとして表示されている数字の「1」の部分を背面から照明するような形状(左上の大き目の四角形と中央部の小さい四角形と左下の小さめの四角形との連結形状)のアイランド部としている。このように、基本的には照明するべき文字(或いは文字列)に対応した四角形(正方形でも長方形でも良い)を複数連結した蛍光面のアイランド部形状としている。勿論、このアイランド部は、一つの四角形で済む場合もあり、文字の配置によっては、キートップ全体を照明すべきアイランド部とするべき場合もある。いずれにしても、各キートップ面の表示に対応した蛍光体層を適宜アイランド部12,12,12・・・として形成することが望ましい。
【0030】
これらの多数の蛍光体層アイランド部12,12,12・・・に対しては、給電のために略キートップ部の形状に合わせた形状の表面透明電極アイランド部11,11,11・・・(図2においては図面の煩雑化防止のために表示していない)及び背面電極アイランド部21,21,21・・・(図2においては図面の煩雑化防止のために表示していない)が形成されている。そして、これ等の各表面透明電極アイランド部11,11,11・・・に対してはAgの表面配線(図2の実線部)が設けられ、各背面電極アイランド部21,21,21・・・に対してはAgの背面配線(図2の点線部)が設けられている。これによりEL蛍光体層の各アイランド部12,12,12・・・に対する給電を可能にしている。
【0031】
本発明はこのようにして、EL蛍光体層をキーボード装置全体に構成するのではなく、各キーボードの下の、表示すべき文字部分のみにアイランド状に配置することにより全体としての蛍光面積を小さく構成した。
【0032】
本発明の基本ユニットであるEL発光ユニット40の構成は、図3(A)において明らかなように、蛍光体層のアイランド部12と表面透明電極11とは同じ大きさではなく、表面透明電極11の周辺部の蛍光体層12側及び、表面配線10は絶縁層32のUVレジストが覆いかぶされている。
【0033】
従来の構成では透明電極11より背面電極21を小さくして発光部を形成しているのが一般的である。しかしながら、この構成では背面電極21外周の電流密度が高いため外周部の効率が悪くなっていた。そのため、今回のキーボードのように、キーの数が80〜110とキー数が極めて多いために、外周部の距離は大きくなり、大幅な電気的ロスとなり効率を悪くしていた。
【0034】
そこで本発明においては、背面電極をより大きく設定し、その電流密度が高く効率の悪い外周部を絶縁層32で覆いながら発光部を形成することで、発光部以外の表面透明電極11及び表面配線10と絶縁層32で覆うことにより不要な電気的ロスを減少させたものである。本発明においては、これを80〜110と多数あるキーに適用することで大幅なロスの減少をすることができ、従来の構成に比べ大幅に効率を上げることができた。
【0035】
本発明においては、キーボ−ド装置の100以上のキーボードに対応した蛍光体層のアイランド部12,12,12・・・に対する給電のために表面配線10(実線)と裏面配線20(点線)とを、図2に記載したように櫛型に配置させて、表裏での重なりを少なくなるように配置した。
【0036】
表面配線10と裏面配線20を流れる電流にはフレミングの法則によると、電流の向きに対し右回りの磁界が発生する。そのため、近傍に配置される表面配線10と裏面配線20とを、電流が同じ方向に流れるように配置してしまうとその磁界の波によりEL発光シートが振動し、ノイズを発生の原因となることが考えられる。そこで、近傍に配置される表面配線10と裏面配線20とを図2のように櫛型に配置し電流の向きを反対にすることで、表面配線10と裏面配線20の電流から発生する磁界の回転を反対にしてぶつけ合い相殺させることでEL発光シートに発生するノイズを軽減することができる。
【0037】
次に、以上のような構成のEL発光ユニット40を、本発明のキーボード装置として構成する場合の3つの実施例を説明する。
【0038】
図4(A)は、第1の実施例を示す断面構成図であり、EL発光ユニット40の上にメンブレン50を配置したものであり、ベースプレート70もEL発光ユニット40の上に配置した構成のものである。この場合にはベースプレート70は透明な材質で構成する必要がある。また、ベースプレート70に対してキートップ60を取り付けるために、ベースプレート70から立ち上がった柱状体62,62を設けている。この柱状体62,62は、各蛍光体層のアイランド部12,12,12・・・を邪魔しないように配置する必要があり、2,3本程度の柱状体62,62により取り付けを実現している。また、各キートップ60の下面にはラバースプリング61が夫々配置されており、押下時にクリック感を出すようにしている。
【0039】
図4(B)は、第2の実施例を示す断面構成図であり、EL発光ユニット40の上にメンブレン50を配置したものであるが、ベースプレート70はEL発光ユニット40の下に配置した構成のものである。この場合は、ベースプレート70に対してキートップ60を取り付けるために、ベースプレート70から立ち上がった柱状体62,62を、EL発光ユニット40を貫通して配置する必要がある。よって、この場合は、特に、柱状体62,62は、各蛍光体層のアイランド部12,12,12・・・を邪魔しないように、各蛍光体層のアイランド部12,12,12・・・を避けて配置する必要性が高くなる。
【0040】
図4(C)は、第3の実施例を示す断面構成図であり、EL発光ユニット40の下にメンブレン50を配置したものであり、ベースプレート70もEL発光ユニット40の下に配置した構成のものである。この実施例は、蛍光体層のアイランド部12,12,12・・・が上層に位置されうるので、照明装置としての輝度を明るく保つのに有利である。
【符号の説明】
【0041】
10 表面配線
11 表面透明電極
12 蛍光体層(アイランド部)
20 背面配線
21 背面電極
31 背面保護フィルム
32,34 背面絶縁層(UVレジスト)
33 誘電体層
35 ベースPETフィルム
40 EL発光ユニット
50 メンブレン
60 キートップ
61 ラバースプリング
62 柱状体
70 ベースプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キートップ部と、該キートップ部を背面から照明するEL発光ユニットと、キートップ部の押下操作を検知するメンブレンとからなるキーボード装置であって、
前記EL発光ユニットは、前記各キートップ部の表面表示部に対応した独立した蛍光体層のアイランド部を備えており、該蛍光体層のアイランド部に夫々対応して、表面には表面透明電極部を備え且つ裏面には誘電体層を介して背面電極部を備えており、前記表面透明電極部には表面配線を配し、前記背面電極部には背面配線を配してなり、
前記独立した蛍光体層のアイランド部を前記各キートップ部の下方に位置させて配置したことを特徴とする背面EL照明手段を備えたキーボード装置。
【請求項2】
前記EL発光ユニットの表面配線は前記表面透明電極の周辺後方に覆いかぶされて形成されていることを特徴とする請求項1記載の背面EL照明手段を備えたキーボード装置。
【請求項3】
前記メンブレンを前記EL発光ユニットの上方に配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の背面EL照明手段を備えたキーボード装置。
【請求項4】
前記メンブレンを前記EL発光ユニットの下方に配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の背面EL照明手段を備えたキーボード装置。
【請求項5】
前記キートップをベースプレートに対して取り付けるために、該ベースプレートから立ち上がった複数本の柱状体を、前記EL発光ユニットを貫通して配置させ、且つ前記蛍光体層のアイランド部を避けてする配置したことを特徴とする請求項4記載の背面EL照明手段を備えたキーボード装置。
【請求項6】
キートップ部と、該キートップ部を背面から照明するEL発光ユニットと、キートップ部の押下操作を検知するメンブレンとからなるキーボード装置であって、
前記EL発光ユニットは、前記各キートップ部の表面表示部に対応した独立した蛍光体層のアイランド部を備えており、該蛍光体層のアイランド部に夫々対応して、表面には表面透明電極部を備え且つ裏面には誘電体層を介して背面電極部を備えており、前記表面透明電極部には表面配線を配し、前記背面電極部には背面配線を配してなり、
前記独立した蛍光体層のアイランド部を前記各キートップ部の下方に位置させて配置し、
前記EL発光ユニットの表面配線は、当該キーボード装置のキー配列の一方の側面方向より配線されており、背面配線は、当該キーボード装置のキー配列の他方の側面方向より配線されていることを特徴とする背面EL照明手段を備えたキーボード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−191845(P2011−191845A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55429(P2010−55429)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(307037624)株式会社 函館セコニック (8)
【Fターム(参考)】