説明

胞子、細菌、および/または真菌の安定な組成物

【課題】化学的洗浄剤と胞子、細菌、または真菌の両者を含む安定な洗浄用組成物を提供する。
【解決手段】胞子、細菌、または真菌;および、
硼酸塩、
を含む洗浄用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硼酸塩および胞子(細菌または真菌の)、増殖性細菌または真菌を含む安定な洗浄用組成物、ならびにこの組成物を使用する方法に関する。この組成物はさらにポリオールを含むことができる。
【背景技術】
【0002】
胞子、細菌、および真菌は、洗浄用組成物、特に排水管およびグリーストラップの洗浄に用いられる組成物において重要な役割を演じている。胞子、細菌、または真菌を含有する本発明に係る洗浄用組成物は、典型的には、生物学的成分の入った1個の容器と化学的洗浄剤の入った第二の容器を伴う「二部」製品として提供する。胞子、細菌、または真菌に及ぼす化学物質の有害作用のため、化学的洗浄剤と生物学的成分を混合し、しかる後その混合物を保存することは不可能である。化学的洗浄剤と胞子、細菌、または真菌の両者を含む安定な洗浄用組成物(例えば「一部」組成物)に対する要求が依然としてある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、硼酸塩および胞子(細菌または真菌の)、増殖性細菌または真菌を含む安定な洗浄用組成物、ならびにこの組成物を使用する方法に関するものである。この組成物はさらにポリオールを含むことができる。
【0004】
ある態様では、本組成物は硼酸塩と有効洗浄量の胞子、細菌または真菌を含む。この硼酸塩はアルカノールアミン硼酸塩を包含できる。この硼酸塩および/またはこの組成物は実質上ナトリウムイオンを含まない。ある態様では、本組成物は、9以上のpHにおいて適当な安定性を有する胞子(細菌または真菌の)、増殖性細菌または真菌を含む調製物を提供できる。ある態様では、本組成物は、約65wt%までの水分において適当な安定性を有する胞子(細菌または真菌の)、増殖性細菌または真菌を含む調製物を提供できる。
【0005】
本発明に係る洗浄用組成物はさらに、1種以上の非イオン性界面活性剤、シリコーン界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、およびヒドロトロープを含み得る。この洗浄用組成物は、1種以上の約0.003〜約35wt%の非イオン性界面活性剤、約0.0005〜約35wt%のシリコーン界面活性剤、約0.003〜約35wt%の陰イオン性界面活性剤、および約0.001〜約20wt%のヒドロトロープを含むことができる。この洗浄用組成物は非イオン性界面活性剤とシリコーン界面活性剤を含むことができる。この洗浄用組成物は、約0.5〜約35wt%の非イオン性界面活性剤および約0.1〜約35wt%のシリコーン界面活性剤を含むことができる。
【0006】
本発明は、洗浄しようとする表面または対象に、本発明に係る組成物を適用することを包含できる。適用する組成物は、安定化した微生物組成物または洗浄用組成物であってよい。洗浄しようとする表面または対象は、床、排水管、または床ドレンのうち1またはそれ以上を包含し得る。ある態様では、本方法は、表面の摩擦係数を大きくする事を包含できる。ある態様では、本方法は、グラウトを洗浄する事を包含し得る。ある態様では、当該表面またはグラウトは床または床張り材である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】レストラン厨房のタイルの摩擦係数(滑り抵抗)測定について得られた毎週の結果を示すグラフである。
【図2A】本発明の組成物がレストラン厨房のクォーリータイル床のグラウトを清浄化したことを示す図であり、図2Aは本組成物の適用前の床を示す。
【図2B】本発明の組成物がレストラン厨房のクォーリータイル床のグラウトを清浄化したことを示す図であり、図2Bは本組成物の適用後の床を示す。
【図3】従来の洗浄用組成物で洗浄した床の部分(左)および本発明に係る組成物で洗浄した部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
定義
本明細書中使用する微生物調製物とは、保存剤中に供することのできる、1種以上の胞子(細菌または真菌の)、増殖性細菌、または真菌を含む組成物を指す。本明細書中使用する細菌調製物とは、保存剤中に供することのできる、細菌胞子および/または増殖性細菌を含む組成物を指す。保存剤は例えば、商業的に供給される胞子(細菌または真菌の)、増殖性細菌、または真菌の調製物に使用する種々の保存剤組成物のうち任意のものを包含できる。このような保存剤は例えばキレート化剤、界面活性剤、緩衝剤、水などを包含できる。微生物調製物は例えば、脂肪、油、油脂、糖、蛋白、炭水化物などといった汚物を消化または分解できる。
【0009】
本明細書中使用する質量パーセント(wt%)、質量によるパーセント%(質量)などは、その物質の質量をその組成物の質量で除し、100を掛けた、ある物質の濃度を指す。
【0010】
本明細書中使用する硼酸の塩および硼酸塩は互換的に使用し、硼酸カリウム、モノエタノールアミン硼酸塩のような塩、または硼酸の中和によって得られる、もしくは硼酸の中和により得られる場合に視覚化され得るその他の塩を指す。本発明に係る組成物中の硼酸の塩または硼酸塩の質量パーセントは、負に荷電した硼素含有イオン、例えば硼酸塩および/または硼酸部分の質量パーセントとして、または、その硼酸塩全体、例えば負に荷電した部分と正に荷電した部分両方の質量パーセントとして表すことができる。好ましくはこの質量パーセントは硼酸塩全体を指す。クエン酸塩またはその他の酸の塩の質量パーセントもまたこのようにして表すことができ、好ましくはその酸塩全体に関して表す。本明細書中使用する「全硼素化合物」という語は、硼酸塩と硼酸部分の合計を指す。
【0011】
本明細書中使用する塩基性またはアルカリ性pHとは、7より高い、8より高いまたはこれに等しい、約8〜約9.5、約8〜約11、約9より高い、または約9〜約10.5のpHを指す。
【0012】
本明細書中使用する、実質上ナトリウムイオンを含まない、とは、約1wt%未満のナトリウムイオンを含む組成物を指す。本発明に係る組成物の態様は、1wt%未満のナトリウムイオン、0.75wt%未満のナトリウムイオン、0.5wt%未満のナトリウムイオン、0.25wt%未満のナトリウムイオン、0.2wt%未満のナトリウムイオン、0.15wt%未満のナトリウムイオン、0.1wt%未満のナトリウムイオン、0.05wt%未満のナトリウムイオンを包含できる。これらの量の各々は「約」という語によって修飾できる。
【0013】
本明細書中使用する「床張り材」または「床」という語は、人間がその上を歩くことのできる任意の水平表面を指す。床張り材または床は、無機材料、例えばセラミックタイルもしくは天然石(例えばクォーリータイル)、または有機材料、例えばエポキシ、ポリマー、ゴム、もしくは弾性材料でできていてよい。床張り材または床は、レストラン(例えばファストフードレストラン)、食品の加工および/または製造施設、屠畜場、缶詰工場、ショートニング生産プラント、厨房などといった種々の環境のうち任意の環境に存在するものであってよい。
【0014】
本明細書中使用する「摩擦係数」および「滑り抵抗」という句は、様々な標準的刊行物、例えばASTM標準D-2047、”Static Coefficient of Friction of Polish Coated Floor Surfaces as Measured by the James Machine”および、この試験により測定した静摩擦係数が0.5以上である床は危険性のない通路表面を提供すると認められるという事を指摘しているASTM委員会D-21による報告、のいずれかに関して定義できる。この値は、Robert J. BrungraberによるNBS技術注記895 “An Overview of Floor Slip-Resistance, With Annotated Bibliography”で適格とされ、その中で、0.5という値は安全係数である事、そしてこの値が0.3〜0.35より大である表面では、通常の歩幅をとる殆どの人間は滑る可能性が低いという事が指摘されている。その他の関連する、そして類似の標準には、ANSI 1264.2-2001、ASTM C1028-89、ASTM D2047-93、ASTM F1679-00(これはEnglish XL摩擦計に関するものである)、ASTM試験法F1677-96、およびUL 410(1992)がある。この段落中の標準の各々は引用により本明細書の一部とする。
【0015】
本明細書中使用する、本発明組成物中の成分量を修飾する、または本発明方法において使用する、「約」という語は、例えば、現実世界で濃縮液または使用溶液作製のために用いられる典型的な測定および材料取り扱い方法によって;これらの方法における不注意による過誤によって;該組成物の製造もしくは該方法の実施のために利用する成分の製造、原料、または純度の相違などによって起こり得る、数量の変動を指す。「約」という語で修飾されているか否かにかかわらず、請求項はその量の等価物を包含する。
【0016】
安定化微生物調製物
本発明は、硼酸塩および微生物を含む安定化微生物調製物に関するものである。この微生物は、胞子(細菌または真菌の)、増殖性細菌、または真菌の形態であってよい。この微生物調製物は、例えば、油脂、油(例えば植物油または動物性脂肪)、蛋白、炭水化物などといった汚物を消化または分解できる胞子または胞子混合物を含有できる。微生物調製物はさらに、油脂、油、脂肪、蛋白、炭水化物などといった汚物の分解を助ける酵素を産生することもできる。硼酸塩は、硼酸の様々な塩のいずれか、例えばある種のアルカリ金属塩またはアルカノールアミン塩を包含できる。硼酸の塩は、安定化微生物調製物を含有する洗浄用組成物のためにアルカリ性の供給源を提供できる。
【0017】
硼酸塩は、例えば洗浄用組成物に使用する従来の微生物調製物と比較して、有利な安定性をその微生物調製物に提供できる。例えば104の生菌または胞子で開始する従来の微生物調製物は、4ヶ月後には僅か103または102の生菌を含むことになり得る。即ち、1または2対数の活性生物体が失われ、この事が、除去、消化、または分解される汚物の量を減少させ得る。ある態様では、本発明に係る安定化微生物調製物は、4ヶ月の間に1もしくは2対数より少ない、または1対数より少ない活性しか喪失しない。この事が、微生物調製物を含有する製品に、より長い保存期間を提供する。
【0018】
ある態様では、本発明に係る安定化微生物調製物は、洗浄用組成物の1成分である。本発明に限定される訳ではないが、微生物調製物は洗浄用組成物中の洗浄性酵素の供給源と見なすことができる。このような洗浄用組成物は、in situでその微生物調製物が産生しないさらなる酵素を含有することもできる。この微生物調製物は例えば、プロテアーゼ、リパーゼ、および/またはアミラーゼといった酵素を産生できる。この組成物はまた、例えばプロテアーゼ、リパーゼ、および/またはアミラーゼといったその他の添加酵素を含有することもできる。本発明に限定される訳ではないが、この添加酵素は、洗浄用組成物の適用時に直ちに洗浄を奏功させると見なすことができ、そしてこの微生物調製物は、すすいだ後にも、洗浄される物体上に微生物が残留するため、持続性の洗浄を提供すると見なすことができる。
【0019】
殆どの洗浄剤は、単に汚物の除去を可能にするだけであり、これは実際には、汚物をある表面または場所(例えば床)から別の表面または場所(例えば排水管)に移動させるだけである。ある態様では、本発明に係る安定化微生物調製物を含有する洗浄用組成物は、酵素による持続的な汚物の分解により、汚物除去と持続的汚物低減を実現できる。本発明に係る安定化微生物調製物を含有する洗浄用組成物は、床洗浄剤として、グラウト洗浄剤として、床および排水管用複合洗浄剤ならびに脱脂剤/油脂消化剤として、グリーストラップ中の油脂消化剤として、排水および/または廃液処理(例えば脂肪、油、および油脂の低減)のために、都市の廃水処理において、動物性脂肪精製工場における油脂消化剤として、または、大型客船上での雑排水処理を包含する様々な目的に使用できる。
【0020】
本発明に限定される訳ではないが、本発明に係る安定な微生物組成物は、表面上の油脂または油を分解できると考えられる。油脂または油を分解することにより、その油脂または油に付着した他の汚物を遊離させることができる。したがって、本発明組成物は表面を洗浄できる。ある態様では、本発明は、本発明に係る安定な微生物組成物の反復適用を含む方法を包含する。例えば、本発明方法は毎日の適用を包含できる。5〜14日間の適用によって軽度に汚れた表面を清浄化できる。3〜6週間の適用によって重篤に汚れた表面を清浄化できる。
【0021】
硼酸塩
本発明は、塩基性pHでも改善された安定性の微生物調製物を提供する、1種以上の硼酸塩を使用する安定な微生物性洗浄用組成物に関するものである。好適な硼酸塩は、安定な微生物性洗浄溶液にアルカリ性を与える。このような塩は、アルカリ金属硼酸塩;アミン硼酸塩、好ましくはアルカノールアミン硼酸塩など;またはこれらの組み合わせを包含する。ある態様では、この硼酸塩は、硼酸カリウム、硼酸モノエタノールアンモニウム、硼酸ジエタノールアンモニウム、硼酸トリエタノールアンモニウムなど、またはこれらの組み合わせを包含する。ある態様では、この硼酸塩は硼酸モノエタノールアミンを包含する。
【0022】
硼酸塩、例えば硼酸カリウムまたは硼酸モノエタノールアミンは様々な経路によって取得できる。例えば、商業的に入手できる硼酸塩、例えば硼酸カリウムを該組成物に添加できる。或いは硼酸塩、例えば硼酸カリウムまたは硼酸モノエタノールアミンは、硼酸を塩基、例えば水酸化カリウムのようなカリウム含有塩基またはモノエタノールアミンのような塩基で中和することにより取得できる。
【0023】
ある態様では、硼酸塩は、5または10wt%を超えて、例えば11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20wt%を超えた濃度で本発明組成物に溶解する。本組成物に使用する硼酸塩は、最大その溶解度限界までの濃度で使用できる。ある態様では、硼酸塩は35wt%、例えば25、30、または35wt%までの濃度で本発明組成物中に溶解できる。ある態様では、硼酸塩は12〜35wt%、15〜30wt%、または20〜25wt%、好ましくは20〜25wt%で溶解できる。本組成物はさらに、「約」という語で修飾された硼酸塩の任意の量または範囲を含有できる。
【0024】
ある態様では、硼酸アルカノールアミン、例えば硼酸モノエタノールアミンは、他の硼酸塩、特に硼酸ナトリウムより高濃度で溶解する。硼酸アルカノールアミン、例えば硼酸モノエタノールアミンは、上に列挙した濃度、好ましくは約30質量パーセントまで、好ましくは約20〜約25質量パーセントの濃度で本発明に係る洗浄用組成物に使用でき且つ溶解する。ある態様では、この高い溶解度はアルカリ性pH、例えばpH約9〜約10.5で得られる。
【0025】
ある態様では、硼酸カリウムは、他の金属硼酸塩、特に他のアルカリ金属硼酸塩、特に硼酸ナトリウムより高い濃度で溶解する。硼酸カリウムは、上に列挙した濃度、好ましくは約25質量パーセントまで、好ましくは約15〜約25質量パーセントの濃度で本発明に係る酵素洗浄用組成物に使用でき且つ溶解する。ある態様では、この高い溶解度はアルカリ性pH、例えばpH約9〜約10.5で得られる。
【0026】
硼酸塩は、pHを約7以上、約8以上、約8〜約11、または約9〜10.5に維持するのに好適な他の緩衝系に比較して、微生物調製物に、塩基性pHで望ましい安定性の増大を提供できる。アルカリ性pHの維持はより大きな洗浄力を提供できる。
【0027】
本発明に係る安定な細菌組成物は実質上ナトリウムイオンを含まない。好都合なことには、実質上ナトリウムイオンを含まない組成物においては、硼酸塩はナトリウムイオン存在時よりも高濃度で溶解する。あいにくナトリウムイオンは塩類に対する一般的な対イオンである。故に、実質上ナトリウムイオンを含まない本発明組成物を提供するよう、注意を払わねばならない。例えば、本発明に係る、実質上ナトリウムイオンを含まない組成物は、試薬の酸型から製造でき、これをアルカノールアミンまたは水酸化カリウムにより適宜中和する。例えば、本発明に係る実質上ナトリウムイオンを含まない組成物は、ナトリウム塩以外の塩、例えばカリウムまたはアルカノールアミン塩から作製できる。ある態様では、本組成物は、硼酸ナトリウムが該組成物から沈殿しないレベルでナトリウムイオンを含む。このような低レベルのナトリウムを達成する一つの方法は、該組成物からナトリウム塩を排除、または両性界面活性剤以外のナトリウム塩を排除することである。好ましくは、両性界面活性剤由来のナトリウムがあっても本発明組成物は実質上ナトリウムイオンを含まない。本発明に係る実質上ナトリウムイオンを含まない洗浄用組成物は、約35質量パーセントまで、例えば約15〜約30質量パーセントの濃度で硼酸塩を含有できる。ある態様では、この高い溶解度は、アルカリ性pH、例えばpH約9〜約10.5で得られる。
【0028】
硼酸塩を含有し実質上ナトリウムイオンを含まない組成物は、pHを約7以上、約8以上、約8〜約11、または約9〜10.5に維持するのに好適な他の緩衝系に比較して、微生物調製物に、塩基性pHで望ましい安定性の増大を提供できる。アルカリ性pHの維持はより大きな洗浄力を提供できる。
【0029】
ある態様では、約5〜約35wt%、約10wt%〜約30wt%、約10wt%〜約20wt%、約5wt%〜約15wt%、または約15wt%〜約25wt%の硼酸アルカノールアミンが存在する。ある態様では、硼酸アルカノールアミンが該組成物の約5wt%、約10wt%、約15wt%、約20wt%、約25wt%、または約30wt%存在する。このような調合物は実質上ナトリウムイオンを含まない。本組成物はさらに、「約」という語で修飾されていない量または範囲の硼酸モノエタノールアミンを含有し得る。
【0030】
ある態様では、該組成物の約10wt%〜約30wt%、約10wt%〜約20wt%、約5wt%〜約15wt%、または約15wt%〜約25wt%の硼酸モノエタノールアミンが存在する。ある態様では、硼酸モノエタノールアミンが該組成物の約5wt%、約10wt%、約15wt%、約20wt%、約25wt%、または約30wt%存在する。このような調合物は実質上ナトリウムイオンを含まない。本組成物はさらに、「約」という語で修飾されていない量または範囲の硼酸モノエタノールアミンを含有し得る。
【0031】
ある態様では、約5wt%〜約35wt%、約10wt%〜約30wt%、約10wt%〜約20wt%、約5wt%〜約15wt%、または約15wt%〜約25wt%の硼酸塩が存在する。ある態様では、硼酸塩が該組成物の約5wt%、約10wt%、約15wt%、約20wt%、約25wt%、または約30wt%存在する。このような調合物は実質上ナトリウムイオンを含まない。本組成物はさらに、「約」という語で修飾されていない量または範囲の硼酸塩を含有し得る。
【0032】
微生物調製物
種々の胞子(細菌または真菌の)、増殖性細菌、または真菌のうち任意のものを本発明に係る安定化細菌組成物に使用することができる。例えば本組成物は、本調合物および意図する使用環境の中で生き延び得る、または、家庭、施設、および工業汚物または排水などに共通する脂質、蛋白、炭水化物、その他の有機物質などを消化、分解または分解促進できる、任意の生きている微生物またはその混合物を含有できる。多くの適当な菌株および種が知られている。
【0033】
好適な胞子(細菌または真菌の)、増殖性細菌または真菌は、Bacillus、Pseudomonas、Arthrobacter、Enterobacter、Citrobacter、Corynebacter、Nitrobacter、これらの混合物など;Acinetobacter、Aspergillus、Azospirillum、Burkholderia、Ceriporiopsis、Escherichia、Lactobacillus、Paenebacillus、Paracoccus、Rhodococcus、Syphingomonas、Streptococcus、Thiobacillus、Trichoderma、Xanthomonas、Lactobacillus、Nitrosomonas、Alcaliaens、Klebsiella、これらの混合物など;これらの混合物などを包含する。
【0034】
好適なBacillusは、Bacillus licheniformis、Bacillus subtilis、Bacillus polymyxaなど;Bacillus methanolicus、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus pasteurii、Bacillus laevolacticus、Bacillus megaterium、これらの混合物など;これらの混合物などを包含する。好適なPseudomonasは、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas alkanolytica、Pseudomonas dentrificans、これらの混合物などを包含する。好適なArthrobacterは、Arthrobacter paraffineus、Arthrobacter petroleophagus、Arthrobacter urbellus、Arthrobacter sp.、これらの混合物などを包含する。好適なEnterobacterは、Enterobacter cloacae、Enterobacter sp.、これらの混合物などを包含する。好適なCitrobacterは、Citrobacter amalonaticus、Citrobacter freundi、これらの混合物などを包含する。好適なCorynebacteriumはCorynebacterium alkanum、Corynebacterium fujiokense、Corynebacterium hydrocarbooxydano、Corynebacterium sp.、これらの混合物などを包含する。
【0035】
好適な胞子(細菌または真菌の)、増殖性細菌、または真菌は、ATCC受理番号21417、21424、27811、39326、6051a、21228、21331、35854、10410、12060、21551、21993、21036、29260、21034、13867、15590、21494、21495、21908、962、15337、27613、33241、25405、25406、25407、29935、21194、21496、21767、53586、55406、55405、55407、23842、23843、23844、23845、6452、6453、11859、23492を有するもの、これらの混合物などを包含する。
【0036】
本発明に使用できる好適な微生物は、米国特許第4655794、5449619、および5863882号;ならびに米国特許出願公開第20020182184、20030126688、および20030049832号に開示されているものを包含し、これらの内容は引用により本明細書の一部とする。
【0037】
好適な胞子(細菌または真菌の)、増殖性細菌、または真菌は、様々な供給源(例えばSybron Chemicals, Inc.、Semco Laboratories, Inc.、またはNovozymes)から商業的に入手できる。このような製品の商品名には、SPORZYME(登録商標) 1B、SPORZYME(登録商標) Ultra Base 2、SPORZYME(登録商標) EB、SPORZYME(登録商標) BCC、SPORZYME(登録商標) WC Wash、SPORZYME(登録商標) FE、BI-CHEM(登録商標) MSB、BI-CHEM(登録商標) Purta Treat、BI-CHEM(登録商標) BDO、BI-CHEM(登録商標) SANI-BAC(登録商標)、BI-CHEM(登録商標) BIO-SCRUB(登録商標)、BI-CHEM(登録商標) GC600L(登録商標)、BI-CHEM(登録商標) Bioclean、GREASE GUARD(登録商標)などが包含される。
【0038】
ある態様では、胞子(細菌または真菌の)、増殖性細菌、または真菌は、細胞外酵素、特にプロテアーゼ、アミラーゼおよびセルラーゼの高生産に特に適合したBacillus菌株を包含する。このような菌株は廃水処理製品に一般的である。この混合物は、Bacillus licheniformis、Bacillus subtilisおよびBacillus polymyxaを包含し得る。さらなる例として、Bacillus pasteuriiが高レベルのリパーゼ産生を示し;Bacillus laevolacticusが、より迅速な発芽サイクルを示し;Bacillus amyloliquefaciensが高レベルのプロテアーゼ産生を示し得る。
【0039】
処方中の胞子(細菌または真菌の)、増殖性細菌、または真菌の好適な濃度は、約1×103〜約1×109 CFU/mL、約1×104〜1×108 CFU/mL、約1×105 CFU/mL〜1×107 CFU/mL等を包含する。胞子(細菌または真菌の)、増殖性細菌、または真菌の商業的に入手可能な組成物を、有効な洗浄用組成、例えば約0.5〜約10wt%、約1〜約5(例えば4)wt%、約2〜約10wt%、約1〜約3wt%、または約2wt%で本組成物に使用することができる。本組成物は、約という語によって修飾されていないこれらの量または範囲を包含できる。
【0040】
安定化微生物調製物の態様
ある態様では、本発明に係る安定化微生物調製物は、微生物調製物(例えば細菌調製物、例えば胞子混合物)、硼酸塩(例えば、硼酸アルカノールアミン、例えば硼酸モノエタノールアミン)、および所望によるポリオール(例えばプロピレングリコール)を含有する。ある態様では、本発明に係る安定化微生物調製物は、約2〜約40wt%の硼酸塩、約3〜約15wt%の硼酸塩、約5〜約30wt%の硼酸塩、約5〜約25wt%の硼酸塩、約5〜約10wt%の硼酸塩、約10〜約15wt%の硼酸塩、または約25〜約30wt%の硼酸塩を含有する。ある態様では、本組成物は、約2〜約30wt%のポリオール、約2〜約10wt%のポリオール、約5〜約20wt%のポリオール、約5〜約10wt%のポリオール、または約10〜約20wt%のポリオールを含有する。ある態様では、本発明に係る安定化微生物調製物は、約2〜約40wt%のポリオール、約2〜約20wt%のポリオール、約2〜約15wt%のポリオール、約2〜約10wt%のポリオール、約3〜約10wt%のポリオール、約4〜約15wt%のポリオール、または約4〜約8wt%のポリオール、約4wt%のポリオール、約8wt%のポリオール、もしくは約12wt%のポリオールを含有する。ある態様では、本発明に係る安定化微生物調製物は、約10〜約95wt%の水、約15〜約75wt%の水、約15〜約35wt%の水、約25〜約75wt%の水、約40〜約70wt%の水、約45〜約65wt%の水、または約50、約55、約60、約65、もしくは約70wt%までの水を含有する。
【0041】
ある態様では、本発明に係る洗浄用組成物は、胞子、細菌、または真菌;および硼酸アルカノールアミンを含有する。ある態様では、本組成物は9以上のpH、例えば約9〜約10.5のpHを有することができる。ある態様では、本組成物は8以上のpH、例えば約8〜約9.5のpHを有し得る。本組成物はさらにポリオールを含有できる。ある態様では、ポリオールはプロピレングリコールを包含できる。本組成物はさらに約65wt%までの水を含有できる。
【0042】
ある態様では、硼酸アルカノールアミンは、硼酸モノエタノールアンモニウム、硼酸ジエタノールアンモニウム、硼酸トリエタノールアンモニウム、またはこれらの組み合わせを包含できる。本組成物は、約5〜約35wt%の硼酸アルカノールアミン、約10〜約30wt%の硼酸アルカノールアミン、または約15〜約25wt%の硼酸アルカノールアミンを含有できる。
【0043】
ある態様では、本発明に係る洗浄用組成物は、胞子、細菌、または真菌;および硼酸塩を含有し、実質上ナトリウムイオンを含まない。本組成物は9以上のpH、例えば約9〜約10.5のpHを有することができる。本組成物はさらにポリオールを含有できる。ある態様では、ポリオールはプロピレングリコールを包含できる。本組成物はさらに約65wt%までの水を含有できる。
【0044】
硼酸塩は硼酸カリウムを包含できる。硼酸カリウムは水酸化カリウムと硼酸の組み合わせを包含できる。本組成物は約5〜約35wt%の硼酸塩、約10〜約30wt%の硼酸塩、または約15〜約25wt%の硼酸塩を含有できる。
ある態様では、胞子または細菌は細菌胞子を包含できる。
【0045】
安定化微生物調製物を含有する洗浄用組成物
本発明はまた、本発明に係る安定化微生物調製物を含有する洗浄用組成物に関するものである。ある態様では、本発明に係る濃縮および希釈水性洗浄用組成物は、非イオン性界面活性剤およびシリコーン界面活性剤を包含する有効濃度の混合界面活性剤、および本発明に係る安定化微生物調製物を含有できる。これらの組成物はさらに、単相非分離水性溶液または懸濁液を維持できる、陰イオン性界面活性剤およびヒドロトロープまたは可溶化剤を含有できる。本発明に係る安定化微生物調製物を含有させることのできる好適な洗浄用組成物が米国特許第6425959および6506261号に記載されており、これらの内容は引用により本明細書の一部とする。
【0046】
ある態様では、本組成物および方法は非イオン性界面活性剤および非イオン性シリコーン界面活性剤を包含する。この組成物はさらに、陰イオン性界面活性剤およびヒドロトロープ(これは界面活性を殆ど持たない陰イオン化合物であってよい)、例えばアミンオキシド材料を含有することもできる。係る組成物をそのまま希釈剤なしで使用して、典型的には硬質の金属またはその他の硬質表面から複雑な油性または油脂性有機汚物および無機汚物を除去することができる。本組成物は、アルカリ性の供給源と、優れた洗浄性を得るための充分な混合を含むことができる。
【0047】
ある態様では、本発明に係る洗浄用組成物(濃縮液または希釈可能液)は、非イオン性界面活性剤と非イオン性シリコーン界面活性剤を含有する混合界面活性剤組成物を約0.003〜約70%(質量)含有できる。非イオン性界面活性剤はシリコーン部分を含まず、ブロック(EO)(PO)コポリマー、アルコールアルコキシラート、アルキルフェノールアルコキシラート、またはアミンアルコキシラート[ここでアルコキシラートは(EO)または(PO)部分である]であってよい。非イオン性シリコーン界面活性剤に対する非イオン性界面活性剤の質量比は、シリコーン界面活性剤またはそれらの混合物1質量部に対し非イオン性界面活性剤またはそれらの混合物約1〜約10質量部、好ましくは3〜7部とすることができる。このような組成物はさらに、約0.003〜約35wt%の1種以上の陰イオン性界面活性剤;約0.001〜約20質量%の1種以上の有効なヒドロトロープ;またはこれらの混合物を含有できる。ヒドロトロープはアルキルジメチルアミンオキシドとすることができる。ヒドロトロープは、キレート化剤と界面活性剤混合物を均一な単相水性組成物中に維持することができる。
【0048】
ある態様では、本発明に係る濃縮組成物は、約1〜約15wt%の1種以上の非イオン性シリコーン界面活性剤、約5〜約75wt%の1種以上の非イオン性界面活性剤、約5〜75wt%の1種以上の陰イオン性界面活性剤、および約2〜20wt%の1種以上のヒドロトロープ可溶化剤(例えばアミンオキシド材料)を含有できる。この態様では、非イオン性界面活性剤と非イオン性シリコーン界面活性剤の比は、非イオン性シリコーン界面活性剤1質量部に対し非イオン性界面活性剤約3〜約7質量部とすることができる。
【0049】
希釈水性調合組成物の態様では、水溶液は、シリコーン界面活性剤に対する陰イオン性界面活性剤の比を上の開示に従って維持しつつ、約0.0005〜約35wt%または約0.1〜約10wt%のシリコーン界面活性剤、約0.0003〜35wt%または約0.3〜30wt%の非イオン性界面活性剤、約0.003〜35wt%または約0.3〜30wt%の陰イオン性界面活性剤、および約0.001〜20wt%または0.2〜約30wt%のヒドロトロープ可溶化剤を含有することができる。
【0050】
ある態様では、洗浄剤濃縮液は水ベースで、約0.003〜35wt%または約0.1〜25wt%のキレート化剤または金属イオン封鎖剤;約0.003〜35wt%または約0.3〜30wt%の非イオン性界面活性剤;約0.0005〜35wt%または約0.01〜10wt%の非イオン性シリコーン界面活性剤;約0.003〜30wt%の陰イオン性界面活性剤;および約0.001〜20wt%または約0.2〜30wt%のヒドロトロープもしくは界面活性剤可溶化剤(例えばアミンオキシド)を含有できる。
【0051】
洗浄剤濃縮液は、そのまま、または、上に開示した希釈活性水性洗浄剤の取得にとって充分な割合の用水で希釈することができる。本発明の文脈中、「そのまま」という語は、水性媒質のような希釈剤が実質上存在しないことを意味する。得られた希釈洗浄剤を汚物除去のために、汚れた基質に適用することができる。
【0052】
この特許出願の目的のため、洗浄用組成物はキレート化剤、非イオン性/非イオン性シリコーン界面活性剤混合物、陰イオン性界面活性剤、およびヒドロトロープ(例えばアミンオキシド)を含有できる。このような態様は、耐腐蝕性表面からの汚物除去に有用となり得る。キレート化剤はカリウム塩とすることができる。同様に、ヒドロトロープもカリウム塩とすることができる。
【0053】
洗浄用組成物の態様
ある態様では、本発明に係る洗浄用組成物は下の表に列挙した成分と量によって表現できる。安定化微生物組成物の成分は、下の表には記載しないが、上記のように存在している。これらの表中の量または範囲もまた、約という語によって修飾できる。
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

【0056】
【表3】

【0057】
【表4】

【0058】
【表5】

【0059】
上の表は本発明に係る洗浄用組成物のための有用な組成物を示している。表にはある特定の成分の量を列挙してあり、本発明に係る安定な微生物組成物は、胞子、細菌または真菌および硼酸塩をも含有している。このような組成物は有機汚物または油脂の除去剤として使用できる。上に開示した界面活性剤混合物とは、先に開示した比率での、非イオン性およびシリコーン非イオン性界面活性剤の組み合わせを指す。さらに、キレート化剤は有用であるが必要である訳ではない。キレート化剤はキレート化と汚物除去を可能にするが、ある種の表面に対し腐食またはその他の化学的悪影響を与える。
【0060】
ある態様では、本発明に係る洗浄用組成物は、胞子、細菌、または真菌;および硼酸塩、例えば硼酸アルカノールアミンを含有する。ある態様では、本組成物は、約0.003〜約35wt%の非イオン性界面活性剤、例えば約0.5〜約35wt%の非イオン性界面活性剤をも含有できる。非イオン性界面活性剤は、少なくとも(EO)y(PO)z[式中、yおよびzは独立に2〜100の間である]を含む非イオン性ブロックコポリマー;2〜15モルのエチレンオキシドを有するC6-24アルキルフェノールアルコキシラート;2〜15モルのエチレンオキシドを有するC6-24アルコールアルコキシラート;2〜20モルのエチレンオキシドを有するアルコキシル化アミン;またはこれらの混合物を包含できる。
【0061】
ある態様では、本組成物はさらに、約0.0005〜約35wt%のシリコーン界面活性剤、例えば約0.1〜約35wt%のシリコーン界面活性剤を含有できる。このシリコーン界面活性剤は、シリコーン主鎖と、約2〜100モルまでのアルキレンオキシドを有する少なくとも1個のペンダントアルキレンオキシド基を含み得る。このペンダントアルキレンオキシド基は(EO)n[式中、nは3〜75である]を包含し得る。
【0062】
ある態様では、本組成物はさらに、約0.003〜約35wt%の陰イオン性界面活性剤、例えば約0.5〜約35wt%の陰イオン性界面活性剤を含有できる。陰イオン性界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホネート;αオレフィンスルホネート;アルキルスルフェート;第二アルカンスルホネート;スルホスクシネート;またはこれらの混合物を包含できる。陰イオン性界面活性剤はアルカノールアンモニウムアルキルベンゼンスルホネートを包含できる。陰イオン性界面活性剤はモノエタノールアンモニウムアルキルベンゼンスルホネートを包含できる。
【0063】
ある態様では、本組成物はさらに約0.001〜約20wt%のヒドロトロープ、例えば約0.1〜約20wt%のヒドロトロープを含有できる。ヒドロトロープは、C6-24アルキルジメチルアミンオキシド;アルキル化ジフェニルオキシドジスルホネート;またはこれらの混合物を包含できる。ヒドロトロープは、イソアルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤を包含できる。ヒドロトロープはイソ-C10-14アルキルジメチルアミンオキシドを包含できる。ヒドロトロープはアルキル化ジフェニルオキシドジスルホン酸またはその塩を包含できる。
【0064】
ある態様では、本組成物はさらに、約0.5〜約35wt%の非イオン性界面活性剤および約0.1〜約35wt%のシリコーン界面活性剤を含有できる。この態様では、非イオン性界面活性剤は少なくとも(EO)y(PO)zを含む非イオン性ブロックコポリマー;2〜15モルのエチレンオキシドを有するC6-24アルキルフェノールアルコキシラート;2〜15モルのエチレンオキシドを有するC6-24アルコールアルコキシラート;2〜20モルのエチレンオキシドを有するアルコキシル化アミン;またはこれらの混合物を包含できる。この態様では、シリコーン界面活性剤は、シリコーン主鎖と、約2〜100モルまでのアルキレンオキシドを有する少なくとも1個のペンダントアルキレンオキシド基を含み得る。
【0065】
この態様では、非イオン性シリコーン界面活性剤に対する非イオン性界面活性剤の質量比は、シリコーン界面活性剤1部に対し非イオン性界面活性剤約0.1〜約10質量部とすることができる。ある態様では、非イオン性シリコーン界面活性剤に対する非イオン性界面活性剤の質量比は、シリコーン界面活性剤1部に対し非イオン性界面活性剤約3〜約7質量部とすることができる。
【0066】
ある態様では、本組成物はさらに、約0.5〜約35wt%の非イオン性界面活性剤、約0.1〜約35wt%のシリコーン界面活性剤、約0.5〜約35wt%の陰イオン性界面活性剤、および約0.1〜約20wt%のヒドロトロープを含有できる。
【0067】
安定化微生物調製物の成分
本発明に係る安定化微生物調製物および/または洗浄用組成物は、洗浄またはその他の用途のために有用となり得る種々の成分を含有できる。このような成分は、酵素、界面活性剤、ヒドロトロープ、キレート化剤、二価陽イオン、ポリオール、美観向上剤、溶媒、保存料などを包含できる。
【0068】
ある態様では、本組成物はさらに、有効量の1種以上の溶媒;有効量の1種以上の酵素、有効量の1種以上の抗菌剤;有効量の1種以上のキレート化剤;またはこれらの混合物を含有できる。本組成物は約0.1〜30wt%のキレート化剤を含有できる。キレート化剤はカルボキシ基を有する小さなもしくはポリマー化合物またはその混合物を包含できる。
【0069】
酵素は洗浄性酵素を包含できる。洗浄性酵素はプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ、グルコナーゼ、またはこれらの混合物を包含できる。洗浄性酵素はアルカリ性プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、またはこれらの混合物を包含できる。
【0070】
ある態様では、本組成物はさらに、カルシウムイオンの供給体、ポリオール、ビルダー、色素、またはこれらの組み合わせもしくは混合物を含有できる。
【0071】
界面活性剤
本発明に係る界面活性剤または界面活性剤混合物は、水溶性もしくは水分散性非イオン性、半極性非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、両性、または双性イオン性界面活性剤;またはこれらの任意の組み合わせから選択できる。本発明に係る方法および生成物で使用するために選択する特定の界面活性剤または界面活性剤混合物は、製造方法、生成物の物理的形態、使用pH、使用温度、発泡制御、および汚物の種類を包含する最終使用条件に依存し得る。本発明に係る洗浄用組成物中に配合する界面活性剤は、好ましくは酵素適合性であり、該組成物中の酵素の基質ではなく、そしてその酵素のインヒビターまたは不活性化剤ではない。例えば、本組成物にプロテアーゼおよびアミラーゼを使用する場合、界面活性剤は好ましくはペプチドおよびグリコシド結合を持たない。加えて、ある種の陽イオン性界面活性剤は酵素の有効性を減少させることが知られている。
【0072】
一般に、本発明に係る安定化組成物において有用な界面活性剤または界面活性剤混合物の濃度は、該組成物の約0.5%から約40%(質量)まで、好ましくは約2%〜約10%、好ましくは約5%〜約8%の範囲である。これらのパーセンテージは商業的に入手し得る界面活性剤組成物のパーセンテージを意味し、それらは実際の界面活性剤に加えて溶媒、色素、着臭剤などを含有し得る。この場合、実際の界面活性剤化学物質のパーセンテージは記載したパーセンテージより少なくなり得る。これらのパーセンテージが実際の界面活性剤化学物質のパーセンテージを指すこともある。
【0073】
非イオン性界面活性剤
本発明において有用な非イオン性界面活性剤は、一般に有機疎水性基と有機親水性基の存在を特徴とし、典型的には、有機脂肪族、アルキル芳香族またはポリオキシアルキレン疎水性化合物と親水性アルカリ性オキシド部分(常套的にはエチレンオキシドまたはその多水和生成物、ポリエチレングリコール)の縮合によって生成される。事実上、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、または反応性水素原子を有するアミド基を有する任意の疎水性化合物が、エチレンオキシドもしくはその多水和付加物、またはそのアルコキシレンとの混合物、例えばプロピレンオキシドと縮合して、非イオン性界面活性剤を形成できる。親水性と疎水性のバランスが望ましい程度である水分散性または水溶性化合物を生成させるため、特定の疎水性化合物と縮合する親水性ポリオキシアルキレン部分の長さを容易に調節することができる。
【0074】
EOPO非イオン性界面活性剤
シリコーン界面活性剤と共に使用する有用な非イオン性界面活性剤の一例は、エチレンオキシド、プロピレンオキシドから製造される、グラフト部分ホモポリマーまたはブロックもしくはヘテロコポリマーのポリエーテル化合物である。このようなポリエーテル化合物は、ポリアルキレンオキシドポリマー、ポリオキシアルキレンポリマー、またはポリアルキレングリコールポリマーとして知られている。そのような非イオン性界面活性剤は約500〜約15000の範囲の分子量を有する。ある種のポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレングリコールポリマー非イオン性界面活性剤が特に有用であることが見いだされている。少なくとも1個のポリオキシプロピレンブロックを含み、且つこのポリオキシプロピレンブロックに結合した少なくとも1個の別のポリオキシエチレンブロックを有する界面活性剤を使用できる。分子中にさらなるポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンのブロックが存在し得る。約500〜約15000の範囲の平均分子量を持つこれらの材料は、BASF Corporationにより製造されるPLURONIC(登録商標)として一般に入手でき、その他、化学物質供給業者の様々な登録商標の下に入手できる。さらに、PLURONIC(登録商標) R(逆のPLURONIC構造)もまた本発明組成物に有用である。加えて、アルコールおよびアルキルフェノールと共に使用するアルキレンオキシド基、脂肪酸またはその他のこのような基も有用である。有用な界面活性剤は、キャップを有するポリアルコキシル化C6-24直鎖アルコールを包含できる。この界面活性剤はポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレン単位でできており、エーテル末端基を形成する一般的物質でキャッピングされていてよい。この界面活性剤の有用な種は、(PO)x化合物またはベンジルエーテル化合物ポリエトキシル化C12-14直鎖アルコールであり、米国特許第3444247号を参照されたい。特に有用なポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロックポリマーは、ポリオキシプロピレン単位の中心ブロックと、この中心ブロックの両側にあるポリオキシエチレン単位のブロックを含むプロックポリマーである。
【0075】
これらのコポリマーは下に示す式:
(EO)n-(PO)m-(EO)n
[式中、mは21〜54の整数であり;nは7〜128の整数である]
を有する。さらなる有用なブロックコポリマーは、ポリオキシエチレン単位の中心ブロックと、この中心ブロックの両側にポリオキシプロピレン単位のブロックを持つプロックポリマーである。このコポリマーは下に示す式:
(PO)n-(EO)m-(PO)n
[式中、mは14〜164の整数であり;nは9〜22の整数である]
を有する。
【0076】
本発明組成物に使用するための一つの好適な非イオン性界面活性剤は、式:
【化1】

[式中、R’はC2-24脂肪族基であり、そしてAOは、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、ヘテロ混合EOPO基またはブロックEO-PO、PO-EO、EOPOEOもしくはPOEOPO基であり、そしてZはHまたは(AO)、ベンジルもしくはその他のキャップを表す]
で示されるアルキルフェノールアルコキシラートを包含する。好適な非イオン性界面活性剤は、式:
【化2】

[式中、R1はC6-18脂肪族基、好ましくはC6-12脂肪族基であり、そしてnは約2〜約24の整数である]
で示されるアルキルフェノールエトキシラートを包含する。係る界面活性剤の主たる例は、エトキシラート基に2.5〜14.5モルのEOを有するノニルフェノールエトキシラートである。このエトキシラート基は、(PO)x基[xは2.5〜12.5である]またはベンジル部分でキャッピングされ得る。
【0077】
アルコキシル化アミン
本組成物は種々のアルコキシル化アミンを含み得る。ある態様では、このアルコキシル化アミンは一般式I:N(R1)(R2)(R3)(R4)[式中、R1、R2、またはR3のうち少なくとも1個はアルコキシラートまたはエーテル部分を含む。R4は水素、直鎖もしくは分枝アルキル、または直鎖もしくは分枝アルキルアリールであってよい]を有する。アルコキシル化アミンは第一、第二、または第三アミンであってよい。ある態様では、アルコキシル化アミンは第三アミンである。ある態様では、R2およびR3は、アルコキシラート部分、例えば1種以上のエトキシラート部分、1種以上のプロポキシラート部分、またはこれらの組み合わせを包含し、そしてR4は水素である。例えば、R1、R2、またはR3のうち1個はエーテル部分を含み、他の2個は1種以上のエトキシラート部分、1種以上のプロポキシラート部分、またはこれらの組み合わせを包含できる。
【0078】
さらなる例として、アルコキシル化アミンはそれぞれ一般式IIa、IIb、またはIIc:
IIa R5--(PO)sN--(EO)tH
IIb R5--(PO)sN--(EO)tH(EO)uH
IIc R5--N(EO)tH
[式中、R5はアルキル、アルケニルもしくはその他の脂肪族基、または8〜20または12〜14の炭素原子を有するアルキルアリール基であり、EOはオキシエチレンであり、POはオキシプロピレンであり、sは1〜20、2〜12、または2〜5であり、tは1〜20、1〜10、2〜12、または2〜5であり、そしてうは1〜20、1〜10、2〜12、または2〜5である]で表すことができる。これらの化合物の範囲に関する他の変形は、式IId:
R5--(PO)v--N[(EO)wH][(EO)zH]
[式中、R5は前記と同意義であり、vは1〜20(例えば、1、2、3、もしくは4、またはある態様では2)であり、そしてwおよびzは独立に1〜20、1〜10、2〜12、または2〜5である]で表すことができる。
【0079】
ある態様では、アルコキシル化アミンはエーテルアミンアルコキシラートである。エーテルアミンアルコキシラートは式III:
【化3】

を有し得る。式IIIでは、R1は直鎖または分枝アルキルまたはアルキルアリールであってよく;R2はその存在毎に個別に水素または1〜6個の炭素を有するアルキルであってよく;R3はその存在毎に個別に水素または1〜6個の炭素を有するアルキルであってよく;mは平均して約1〜約20までであってよく;xおよびyは各々独立に、平均して1〜約20までであってよく;そしてx+yは平均して約2〜約40までであってよい。
【0080】
ある態様では、式IIIにおいて、R1は、8〜24個の炭素原子を有するアルキル、約7〜約30個の炭素原子を有するアルキルアリール、またはアルキルアリール(例えばアルキル基で二置換されたアルキルアリール)であってよく;R2は1もしくは2個の炭素原子を含むか、または水素であってよく;R3は水素、1または2個の炭素を含むアルキルであってよく;そしてx+yは約1〜約3の範囲であってよい。
【0081】
このようなエーテルアミンアルコキシラートは米国特許第6060625および6063145号に記載されている。
【0082】
ある態様では、式IIIにおいてR1は、6〜24個の炭素原子を有するアルキル、約7〜約30個の炭素原子を有するアルキルアリール、またはアルキルアリール(例えば、アルキル基で二置換されたアルキルアリール)であってよく;R2は、1または2個の炭素原子を含むか、または水素であってよく;R3は、水素、1または2個の炭素を含むアルキルであってよく;そしてx+yは約1〜約20の範囲であってよい。
【0083】
ある態様では、式IIIにおいて、mは0〜約20であってよく、そしてxおよびyは各々独立に、平均して0〜約20までであってよい。ある態様では、アルコキシ部分は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、またはブチレンオキシド単位でキャッピングまたは終結していてよい。
【0084】
ある態様では、式IIIにおいて、R1はC6-C20アルキルまたはC9-C13アルキル、例えば直鎖アルキルであってよく;R2はCH3であってよく;mは約1〜約10であってよく;R3は水素であってよく;そしてx+yは約5〜約12の範囲であってよい。
【0085】
ある態様では、式IIIにおいて、R1はC6-14アルキルまたはC7-C14アルキル、例えば直鎖アルキルであってよく;R2はCH3であってよく;mは約1〜約10であってよく;R3は水素であってよく;そしてx+yは約2〜約12の範囲であってよい。ある態様では、このようなエーテルアミンアルコキシラートは、プロピレンオキシドまたはブチレンオキシド単位で終結したアルコキシラート部分を包含し、これは低発泡性組成物を提供する。
【0086】
ある態様では、式IIIにおいて、R1はC6-14アルキル、例えば直鎖アルキルであってよく;R2はCH3であってよく;mは約1〜約10であってよく;R3は水素であってよく;そしてx+yは約2〜約20の範囲であってよい。
【0087】
ある態様では、アルコキシル化アミンはC12〜C14プロポキシアミンエトキシラートであってよく、ここで式III中、R1はC12-14アルキル、例えば直鎖アルキルであってよく;R2はCH3であってよく;mは約10であってよく;R3は水素であってよく;xは約2.5であってよく、そしてyは約2.5であってよい。
【0088】
ある態様では、アルコキシル化アミンはC12〜C14プロポキシアミンエトキシラートであってよく、ここで式III中、R1はC12-14アルキル、例えば直鎖アルキルであってよく;R2はCH3であってよく;mは約5であってよく;R3は水素であってよく;xは約2.5であってよく、そしてyは約2.5であってよい。
【0089】
ある態様では、アルコキシル化アミンはC12〜C14プロポキシアミンエトキシラートであってよく、ここで式III中、R1はC12-14アルキル、例えば直鎖アルキルであってよく;R2はCH3であってよく;mは約2であってよく;R3は水素であってよく;xは約2.5であってよく、そしてyは約2.5であってよい。
【0090】
ある態様では、式IIIにおいて、R1は分枝C10アルキルであってよく;R2はCH2であってよく;mは1であってよく;R3は水素であってよく;そしてx+yは約5であってよい。このようなアルコキシル化アミンは、ポリ(5)オキシエチレンイソデシルオキシプロピルアミンとして知られる第三エトキシル化アミンであってよい。
【0091】
ある態様では、アルコキシル化アミンは式:R-(PO)-N-(EO)x[式中、x=1〜7モルのエチレンオキシドである]で示される第二エトキシル化アミンであってよい。
【0092】
ある態様では、アルコキシル化アミンは式R-O-CH2CH2CH2N(H)(CH2CH2CH2NH2)[式中、Rは例えば分枝C10アルキルである]で示されるジアミンであってよい。
【0093】
ある態様では、式IIIで示されるエーテルアミンアルコキシラートは式IV:
【化4】

で示されるエーテルアミンエトキシラートプロポキシラートである。式IVにおいて、R6は直鎖または分枝アルキルまたはアルキルアリールであってよく;aは平均して約1〜約20までであってよく;xおよびyは各々独立に、平均して0〜約10までであってよく;そしてx+yは平均して約1〜約20までであってよい。このようなエーテルアミンアルコキシラートは、エーテルアミンエトキシラートプロポキシラートと称することができる。ある態様では、アルコキシ部分がエチレンオキシド、プロピレンオキシド、またはブチレンオキシド単位でキャッピングまたは終結している。
【0094】
ある態様では、アルコキシル化アミンは、式:R-(PO)2N[EO]2.5-H[EO]2.5-Hで示されるC12〜C14プロポキシアミンエトキシラートであってよい。ある態様では、アルコキシル化アミンは、式:R-(PO)10N[EO]2.5-H[EO]2.5-Hで示されるC12〜C14プロポキシアミンエトキシラートであってよい。ある態様では、アルコキシル化アミンは、式:R-(PO)5N[EO]2.5-H[EO]2.5-Hで示されるC12〜C14プロポキシアミンエトキシラートであってよい。ある態様では、アルコキシル化アミンはポリ(5)オキシエチレンイソデシルオキシプロピルアミンとして知られる第三エトキシ化アミンであってよく、これはエーテル性酸素から離れた分枝C10H21アルキル基を持っている。ある態様では、アルコキシル化アミンは式R-O-CH2CH2CH2N(H)(CH2CH2CH2NH2)[式中、Rは分枝C10アルキルである]で示されるジアミンであってよい。ある態様では、アルコキシル化アミンはイソ-(2-ヒドロキシエチル)イソデシルオキシプロピルアミンとして知られる第三エトキシ化アミンであってよく、これはエーテル性酸素から離れた分枝C1021アルキル基を持っている。
【0095】
エーテルアミンアルコキシラートは例えば、Surfonic(Huntsman Chemical)またはTomah EtherまたはEthoxylated Amineといった商品名の下に商業的に入手できる。
【0096】
ある態様では、アルコキシル化アミンはアルキルアミンアルコキシラートである。好適なアルキルアミンアルコキシラートは式V:
【化5】

を有し得る。式Vにおいて、R1は直鎖もしくは分枝アルキルまたはアルキルアリールであってよく;R3は各存在毎に個別に水素または1〜6個の炭素を有するアルキルであってよく;xおよびyは各々独立に、平均して0〜約25までであってよく;そしてx+yは平均して約1〜約50までであってよい。ある態様では、式Vにおいて、xおよびyは各々独立に、平均して0〜約10までであってよく;そしてx+yは平均して約1〜約20までであってよい。ある態様では、アルコキシ部分がエチレンオキシド、プロピレンオキシド、またはブチレンオキシド単位でキャッピングまたは終結している。
【0097】
ある態様では、式Vのアルキルアミンアルコキシラートは式VI:
【化6】

で示されるアルキルアミンエトキシラートプロポキシラートである。式VIにおいて、R6は直鎖または分枝アルキルまたはアルキルアリール(例えばC18アルキル)であってよく;xおよびyは各々独立に、平均して0〜約25までであってよく;そしてx+yは平均して約1〜約50までであってよい。ある態様では、式VIにおいて、xおよびyは各々独立に、平均して0〜約10または20までであってよく;そしてx+yは平均して約1〜約20または40までであってよい。このようなエーテルアミンアルコキシラートはアミンエトキシラートプロポキシラートと称することができる。
【0098】
一つのこのようなアルキルアミンエトキシラートプロポキシラートは、化学名N,N-ビス-2(ω-ヒドロキシポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン)エチルアルキルアミンまたはN,N-ビス(ポリオキシエチレン/プロピレン)獣脂アルキルアミン、CAS番号68213-26-3、および/または化学式C64H130O18によって表現できる。
【0099】
アルキルアミンアルコキシラートは例えばArmoblen(Akzo Nobel)のような商品名の下に商業的に入手できる。Armoblen 600はアルキルアミンエトキシラートプロポキシラートと呼ばれている。
【0100】
ある態様では、このアルコキシル化アミンはエーテルアミンである。好適なエーテルアミンは一般式VII:M(R1)(R2)(R3)[式中、R1、R2、またはR3のうち少なくとも1個はエーテル部分を含む]を有することができる。ある態様では、R1はエーテル部分を含み、そしてR2およびR3は水素である。このようなエーテルアミンは式VIII:
R4O(R5)NH2
を有し得る。式VIIIにおいて、R4はC1〜C13アリールアルキルまたはアルキル(直鎖または分枝鎖)であってよく、R5はC1〜C6アルキル(直鎖または分枝鎖)であってよい。
エーテルアミンは例えばTomah3 Productsから商業的に入手できる。
【0101】
好適なアルコキシル化アミンは、エトキシ化アミン、プロポキシ化アミン、エトキシ化プロポキシ化アミン、アルコキシル化アルキルアミン、エトキシ化アルキルアミン、プロポキシ化アルキルアミン、エトキシ化プロポキシ化アルキルアミン、エトキシ化プロポキシ化四級アンモニウム化合物、エーテルアミン(第一、第二、または第三)、エーテルアミンアルコキシラート、エーテルアミンエトキシラート、エーテルアミンプロポキシラート、アルコキシル化エーテルアミン、アルキルエーテルアミンアルコキシラート、アルキルプロポキシアミンアルコキシラート、アルキルアルコキシエーテルアミンアルコキシラート等として知られるアミンを包含できる。
【0102】
さらなる非イオン性界面活性剤
本発明におけるさらなる有用な非イオン性界面活性剤は、約8〜約18個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分枝鎖カルボン酸1モルと、約6〜約50モルのエチレンオキシドの縮合生成物を包含する。この酸部分は上の定義による炭素原子の範囲にある酸の混合物で構成されるか、または、その範囲内の特定数の炭素原子を有する1種類の酸で構成される。この化学の商業的化合物の例は、Henkel Corporationの製造する商品名Nopalcol(登録商標)およびLipo Chemicals, Inc.の製造する商品名Lipopeg(登録商標)の下に市場で入手できる。
【0103】
エトキシ化カルボン酸に加えて、一般的に呼称されるポリエチレングリコールエステル類、ならびにグリセリド、グリセリン、および多価(糖質またはソルビタン/ソルビトール)アルコールとの反応により形成されるその他のアルカン酸エステル類が、特化された態様、特に間接的食品添加物のために本発明への適用を有する。これらのエステル部分は全て分子上に1以上の反応性水素部位を持ち、さらなるアシル化またはエチレンオキシド(アルコキシド)付加を受けてこれらの物質の親水性を制御する。アミラーゼおよび/またはリパーゼ酵素を含有する本発明組成物にこれらの脂肪酸エステルまたはアシル化炭水化物を付加する際には、非適合性である可能性があるため、注意を払わねばならない。
【0104】
非イオン性低発泡性界面活性剤の例は、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ベンジルクロリドといった小さな疎水性分子;および1〜約5個の炭素原子を含む短鎖脂肪酸、アルコールまたはハロゲン化アルキル;およびこれらの混合物との反応により発泡を低下させるため、末端ヒドロキシ基または基群(多官能性部分の)を「キャッピング」または「末端ブロッキング」によって修飾した、前記の非イオン性界面活性剤を包含する。末端ヒドロキシ基をクロリド基に変換する、塩化チオニルのような反応体もまた包含される。末端ヒドロキシ基に対するこのような修飾は、全ブロック、ブロック-ヘテロ、ヘテロ-ブロックまたは全ヘテロ非イオン性物質を導くことができる。
【0105】
本組成物での使用に好適なポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤は、構造式 R2CONR1Z[式中、R1はH、C1-C4ヒドロカルビル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、エトキシ、プロポキシ基、またはこれらの混合物であり;R2はC5-C31ヒドロカルビル(これは直鎖であってよい)であり;そしてZは、鎖に直接結合した少なくとも3個のヒドロキシを有する直鎖ヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビルである]を有するもの、またはそのアルコキシル化誘導体(好ましくはエトキシ化またはプロポキシ化)を包含する。Zは還元糖から還元的アミノ化反応で誘導でき、例えばグリシチル部分であってよい。
【0106】
好適な非イオン性アルキル多糖界面活性剤、特に本組成物での使用に好適なものは、米国特許第4565647号(Llenado、1986年1月21日登録)に開示されているものを包含する。これらの界面活性剤は、約6〜約30個の炭素原子および多糖、例えばポリグリコシドを含む疎水性基、約1.3〜約10個の糖単位を含む親水性基を含む。5または6個の炭素原子を含む任意の還元糖を使用でき、例えばグルコース、ガラクトースおよびガラクトシル部分をグルコシル部分と置換することができる(所望によりこの疎水性基を2、3、4位などに結合させ、それによりグルコースまたはガラクトースをグルコシドまたはガラクトシドに向かい合わせてもよい)。糖間結合は、例えばさらなる糖単位のある位置と、前記糖単位上の2、3、4、および/または6位の間であってよい。
【0107】
本組成物での使用に好適な脂肪酸アミド界面活性剤は、式:R6CON(R7)2[式中、R6は7〜21個の炭素原子を含むアルキル基であり、各々のR7は個別に水素、C1-C4アルキル、C1-C4ヒドロキシアルキル、または-(C2H4O)xH[式中、xは1〜3の範囲にある]である]を有するものを包含する。
【0108】
論文Nonionic Surfactants, edited by Schick, M.J., Vol. 1 of the Surfactant Science Series, Marcel Dekker, Inc., New York, 1983は、本発明の実施に一般的に使用できる多岐にわたる非イオン性化合物に関する優れた参考文献である。非イオン性物質の種類、およびこれらの界面活性剤の種の典型的な一覧表が米国特許第3929678号(LaughlinおよびHeuring、1975年12月30日登録)に記載されている。さらなる例が”Surface Active Agents and Detergents”(Vol.IおよびII、Schwartz、PerryおよびBerch)に記載されている。
【0109】
半極性非イオン性界面活性剤
半極性型の非イオン性界面活性剤は、本発明に係る組成物において有用なもう一つの種類の非イオン性界面活性剤である。一般的に、半極性非イオン性物質は高度な発泡性物質および泡安定剤であって、この事がCIP系へのそれらの適用を制限する。しかしながら高発泡洗浄法のために設計された本発明に係る組成物態様の中では、半極性非イオン性物質が直ちに有用性を持つことになる。半極性非イオン性界面活性剤は、アミンオキシド、ホスフィンオキシド、スルホキシドおよびこれらのアルコキシル化誘導体を包含する。
【0110】
アミンオキシドは、一般式:
【化7】

[式中、矢印は半極性結合の常套的表現であり;そしてR1、R2、およびR3は脂肪族、芳香族、ヘテロ環式、脂環式、またはこれらの組み合わせであってよい]
に対応する第三アミンオキシドである。一般に洗浄剤目的のアミンオキシドのためには、R1は約8〜約24個の炭素原子を有するアルキルラジカルであり;R2およびR3は1〜3個の炭素原子を有するアルキルもしくはヒドロキシアルキルまたはこれらの混合物であり;R2およびR3は例えば酸素または窒素原子を介して互いに結合して環構造を形成でき;R4は2または3個の炭素原子を含むアルカリ性またはヒドロキシアルキレン基であり;そしてnは0〜約20の範囲である。
【0111】
有用な水溶性アミンオキシド界面活性剤はココナツまたは獣脂アルキルジ-(低級アルキル)アミンオキシドから選ばれ、その具体例はドデシルジメチルアミンオキシド、トリデシルジメチルアミンオキシド、エトラデシルジメチルアミンオキシド、ペンタデシルジメチルアミンオキシド、ヘキサデシルジメチルアミンオキシド、ヘプタデシルジメチルアミンオキシド、オクタデシルジメチルアミンオキシド、ドデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジプロピルアミンオキシド、ヘキサデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジブチルアミンオキシド、オクタデシルジブチルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-ドデコキシ-1-ヒドロキシプロピルアミンオキシド、ジメチル-(2-ヒドロキシドデシル)アミンオキシド、3,6,9-トリオクタデシルジメチルアミンオキシドおよび3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピルジ-(2-ヒドロキシエチル)アミンオキシドである。
【0112】
有用な半極性非イオン性界面活性剤はさらに、以下の構造:
【化8】

[式中、矢印は半極性結合の常套的表現であり;そしてR1は鎖長の範囲が10〜約24個の炭素原子であるアルキル、アルケニルまたはヒドロキシアルキル部分であり;そしてR2およびR3は各々1〜3個の炭素原子を含むアルキルもしくはヒドロキシアルキルから個別に選ばれるアルキル部分である]
を有する水溶性ホスフィンオキシドを包含する。
【0113】
有用なホスフィンオキシドの例は、ジメチルデシルホスフィンオキシド、ジメチルテトラデシルホスフィンオキシド、メチルエチルテトラデシルホスフィンオキシド、ジメチルヘキサデシルホスフィンオキシド、ジエチル-2-ヒドロキシオクチルデシルホスフィンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)ドデシルホスフィンオキシド、およびビス(ヒドロキシメチル)テトラデシルホスフィンオキシドを包含する。
【0114】
本発明において有用な半極性非イオン性界面活性剤はさらに、構造:
【化9】

[式中、矢印は半極性結合の常套的表現であり;そしてR1は約8〜約28個の炭素原子、0〜約5個のエーテル結合および0〜約2個のヒドロキシ置換基を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル部分であり;そしてR2は1〜3個の炭素原子を有するアルキルおよびヒドロキシアルキル基から成るアルキル部分である]
を有する水溶性スルホキシド化合物をも包含する。
【0115】
これらのスルホキシドの有用な例は、ドデシルメチルスルホキシド;3-ヒドロキシトリデシルメチルスルホキシド;3-メトキシトリデシルメチルスルホキシド;および3-ヒドロキシ-4-ドデコキシブチルメチルスルホキシドを包含する。
【0116】
本発明に係る組成物にとって好ましい半極性非イオン性界面活性剤はジメチルアミンオキシド、例えばラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、セチルジメチルアミンオキシド、これらの組み合わせなどを包含する。
【0117】
シリコーン界面活性剤
シリコーン界面活性剤は修飾ジアルキル、例えばジメチルポリシロキサンを包含できる。ポリシロキサン疎水性基は、1またはそれ以上の親水性ペンダントポリアルキレンオキシド基または基群で修飾することができる。このような界面活性剤は低い表面張力、高い濡れ、高い展開性、消泡性および優れた汚物除去を提供できる。本発明に係るシリコーン界面活性剤は、ポリジアルキルシロキサン、例えばヒドロシリル化反応によってポリエーテル、典型的にはポリアルキレンオキシド基を結合させたポリジメチルシロキサンを包含する。このプロセスによってアルキルペンダント(AP型)コポリマーが生成するが、この場合、加水分解に対して安定な一連のSi-C結合を介して、ポリアルキレンオキシド基がシロキサンバックボーンに沿って結合している。
【0118】
これらの非イオン性置換ポリジアルキルシロキサン生成物は以下の一般式:
【化10】

[式中、PEは非イオン性基、例えば-CH2-(CH2)p-O-(EO)m(PO)n-Z[式中、EOはエチレンオキシドを表し、POはプロピレンオキシドを表す]を表し、xは約0〜約100の範囲の数であり、yは約1〜100の範囲の数であり、m、nおよびpは約0〜約50の範囲の数であり、m+n≧1であり、そしてZは水素またはR[ここで各々のRは独立に低級(C1-6)直鎖または分枝アルキルを表す]を表す]
を有する。このような界面活性剤は約500〜20000の分子量(Mn)を持つ。
【0119】
その他のシリコーン非イオン性界面活性剤は、式:
【化11】

[式中、xは約0〜約100の範囲の数を表し、yは約1〜約100の範囲の数を表し、aおよびbは個別に約0〜約60の範囲の数を表し、a+b≧1であり、そして各々のRは独立にHまたは低級直鎖または分枝(C1-6)アルキルである]
を有する。第二の種類の非イオン性シリコーン界面活性剤は、アルコキシ末端ブロックされたもの(AEB型)であるが、これは、Si-O-結合が中性またはわずかにアルカリ性の条件下での加水分解に対して限定された抵抗性を供与し、それでいて酸性環境では速やかに分解するため、あまり好ましくない。
【0120】
好適な界面活性剤が、商品名SILWET(登録商標)、商品名TEGOPREN(登録商標)または商品名ABIL(登録商標) Bの下に販売されている。一つの有用な界面活性剤SILWET(登録商標) L77は、式:
(CH3)3Si-O(CH3)Si(R1)O-Si(CH3)3
[式中、R1=-CH2CH2CH2-O-[CH2CH2O]zCH3[式中、zは4〜16、好ましくは4〜12、最も好ましくは7〜9である]である]
を有する。
【0121】
その他の有用な界面活性剤は、TEGOPREN 5840(登録商標)、ABIL B-8843(登録商標)、ABIL B-8852(登録商標)およびABIL B-8863(登録商標)を包含する。
【0122】
陰イオン性界面活性剤
疎水性物質上の電荷が陰性であるため陰イオン性物質と分類されている界面活性物質;または、pHが中性またはそれ以上に上昇しない限り分子の疎水性部分が電荷を持たない界面活性剤もまた本発明において有用である(例えばカルボン酸)。カルボキシラート、スルホネート、スルフェートおよびホスファートは、陰イオン性界面活性剤中に見いだされる極性(親水性)可溶化基である。これらの極性基に随伴する陽イオン(対イオン)のうち、ナトリウム、リチウムおよびカリウムが水溶性を付与し;アンモニウムおよび置換アンモニウムイオンが水および油両者への溶解性を提供し;そしてカルシウム、バリウム、およびマグネシウムが油溶解性を促進する。
【0123】
陰イオン性物質は優れた洗浄用界面活性剤であり、故に強力な洗浄用組成物の添加物として好まれる。ところが、一般に陰イオン性物質は高い発泡プロファイルを持ち、これが、厳密な発泡制御を必要とするCIP回路のような洗浄系におけるこれらの単独使用または高濃度レベルでの使用を限定する。さらに、陰イオン性界面活性化合物は、該組成物内の洗浄性以外に特別な化学的または物理的性質を付与し得る。陰イオン性物質はゲル化剤として、またはゲル化もしくは増粘系の一部として利用できる。陰イオン性物質は優れた可溶化剤であり、ヒドロトロープ効果および曇点制御に使用できる。
【0124】
嵩高い商業的陰イオン性界面活性剤の大半は、5つの大きな化学的クラスおよびさらなる下位群に細分することができ、これらは”Surfactant Encyclopedia”, Cosmetics & Toiletries, Vol. 104(2) 71-86(1989)に記載されている。第一のクラスはアシルアミノ酸(および塩)、例えばアシルグルアマート、アシルペプチド、サルコシナート(例えばN-アシルサルコシナート)、タウラート(例えば、N-アシルタウラートおよびメチルタウリドの脂肪酸アミド)などを包含する。第二のクラスは、カルボン酸(および塩)、例えばアルカン酸(およびアルカノアート)、エステルカルボン酸(例えばアルキルスクシナート)、エーテルカルボン酸などを包含する。第三のクラスは燐酸エステルおよびこれらの塩を包含する。第四のクラスは、スルホン酸(および塩)、例えばイセチオナート(例えばアシルイセチオナート)、アルキルアリールスルホネート、アルキルスルホネート、スルホスクシナート(例えばスルホスクシナートのモノエステルおよびジエステル)などを包含する。第五のクラスは、硫酸エステル(および塩)、例えばアルキルエーテルスルフェート、アルキルスルフェートなどを包含する。これらの陰イオン性界面活性剤のクラスをそれぞれ本組成物に使用できるが、これらの陰イオン性界面活性剤のうち幾らかは該酵素と不適合性であるかも知れないことに留意すべきである。例えば、アシルアミノ酸および塩はこれらのペプチド構造のため、蛋白分解酵素とは不適合性となり得る。
【0125】
本組成物での使用に好適な陰イオン性スルフェート界面活性剤は、直鎖および分枝第一および第二アルキルスルフェート、アルキルエトキシスルフェート、脂肪族オレイルグリセロールスルフェート、アルキルフェノールエチレンオキシドエーテルスルフェート、C5-C17アシル-N-(C1-C4アルキル)および-N-(C1-C2ヒドロキシアルキル)グルカミンスルフェート、ならびにアルキル多糖のスルフェート、例えばアルキルポリグルコシドのスルフェート(本明細書に非イオン性非硫酸化化合物が記載されている)を包含する。
【0126】
好適な合成水溶性陰イオン性洗浄用化合物の例は、直鎖または分枝鎖のアルキル基に約5〜約18個の炭素原子を含むアルキルベンゼンスルホネートのようなアルキル単核芳香族スルホネートの、アンモニウムおよび置換アンモニウム(例えばモノ-、ジ-およびトリエタノールアミン)およびアルカリ金属(例えばナトリウム、リチウムおよびカリウム)塩、例えばアルキルベンゼンスルホネートまたはアルキルトルエン、キシレン、クメンおよびフェノールスルホネートの塩;アルキルナフタレンスルホネート、ジアミルナフタレンスルホネート、およびジノニルナフタレンスルホネートおよびアルコキシル化誘導体を包含する。
【0127】
本組成物に使用するために好適な陰イオン性カルボキシラート界面活性剤は、アルキルエトキシカルボキシラート、アルキルポリエトキシポリカルボキシラート界面活性剤および石鹸(例えばアルキルカルボキシル)を包含する。本組成物中で有用な第二石鹸界面活性剤(例えばアルキルカルボキシ界面活性剤)は、第二炭素に結合したカルボキシ単位を含むものを包含する。第二炭素は、p-オクチル安息香酸、またはアルキル置換シクロヘキシルカルボキシラートの場合のように環構造であってもよい。第二石鹸界面活性剤は典型的にはエーテル結合、エステル結合およびヒドロキシ基を含まない。さらに、これらは典型的には頭部基(両親媒性部分)に窒素原子を欠失している。好適な第二石鹸界面活性剤は典型的には合計11〜13個の炭素原子を含むが、より多くの炭素原子(例えば16個まで)が存在してもよい。
【0128】
本組成物での使用に好適なその他の陰イオン性洗浄剤は、オレフィンスルホネート、例えば長鎖アルケンスルホネート、長鎖ヒドロキシアルカンスルホネートまたはアルケンスルホネートとヒドロキシアルカンスルホネートの混合物を包含する。アルキルスルフェート、アルキルポリ(エチレンオキシ)エーテルスルフェートおよび芳香族ポリ(エチレンオキシ)スルフェート、例えばエチレンオキシドとノニルフェノールのスルフェートまたは縮合生成物(通常、1分子につき1〜6個のオキシエチレン基を有する)もまた包含される。樹脂酸および水素化樹脂酸、例えばロジン、水素化ロジン、ならびに獣脂油に存在またはそこから誘導される樹脂酸および水素化樹脂酸もまた好適である。
【0129】
特定の処方およびその中の要求に応じて特定の塩を適切に選択する。
好適な陰イオン性界面活性剤のさらなる例が”Surface Active Agents and Detergents”(Vol.I and II by Schwartz, Perry and Berch)に記載されている。種々のこのような界面活性剤はまた、米国特許第3929678号(1975年12月30日登録、Laughlin, et al.、 23欄58行〜29欄23行)に概括的に開示されている。
【0130】
ある態様では、本組成物はアルキルもしくはアルキルアリールスルホネートまたは置換スルフェートおよび硫酸化生成物を包含する。ある態様では、本組成物は直鎖アルカンスルホネート、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、αオレフィンスルホネート、アルキルスルフェート、第二アルカンスルフェートもしくはスルホネート、またはスルホスクシナートを包含する。
【0131】
陽イオン性界面活性剤
当該分子のヒドロトロープ部分の電荷が正である場合、その界面活性物質を陽イオン性と分類する。pHが中性付近またはさらに低下しない限りヒドロトロープが電荷を持たず、そのとき陽イオン性である(例えばアルキルアミン)界面活性剤もまたこの群に包含され得る。理論上は陽イオン性界面活性剤は「オニウム」構造RnX+Y-を含む元素の任意の組み合わせから合成でき、窒素(アンモニウム)以外の化合物、例えば燐(ホスホニウム)および硫黄(スルホニウム)を包含できる。実際には、陽イオン性界面活性剤の分野は窒素含有化合物が優位を占めており、これは恐らく窒素系陽イオン物質に至る合成系路が単純且つ直接的であり、高収率の生成物を与え、その事が生成物をより安価としているためであろう。
【0132】
陽イオン性界面活性剤は好ましくは、少なくとも1個の長い炭素鎖疎水性基および少なくとも1個の正に荷電した窒素を含む化合物を包含し、より好ましくはこれらを指す。長い炭素鎖基は、単純な置換により窒素原子に直接結合でき;またはより好ましくはいわゆる断続的アルキルアミンおよびアミドアミン中の架橋官能基または官能基群により間接的に結合できる。係る官能基は当該分子を、より親水性および/または水分散性とし、共同界面活性剤混合物によってより容易に水溶性とし、そして/または水溶性とすることができる。水溶性を増大させるため、さらなる第一、第二または第三アミノ基を導入し、またはアミノ窒素を低分子量アルキル基で四級化することができる。さらに、この窒素は、様々な不飽和度を持つ分枝鎖もしくは直鎖部分の一部であっても、または、飽和もしくは不飽和ヘテロ環の一部であってもよい。加えて、陽イオン性界面活性剤は、1以上の陽イオン性窒素原子を有する複雑な結合を含むこともできる。
【0133】
アミンオキシド、両性化合物および双性イオンとして分類される界面活性化合物は、中性付近〜酸性pHの溶液中でそれ自身典型的には陽イオン性であり、界面活性剤の分類が部分重複し得る。ポリオキシエチル化陽イオン性界面活性剤は一般にアルカリ性溶液中では非イオン性界面活性剤のようにふるまい、酸性溶液中では陽イオン性界面活性剤のようにふるまう。
【0134】
最も単純な陽イオンアミン、アミン塩および四級アンモニウム化合物は、模式的に:
【化12】

[式中、Rは長鎖アルキルであり、R’、R”、およびR”’は、長鎖アルキルまたはより短いアルキルもしくはアリール基または水素であってよく、そしてXは陰イオンを表す]
のように描くことができる。アミン塩および四級アンモニウム化合物は、高度に水溶性であるため有用である。
【0135】
嵩高い商業的陽イオン性界面活性剤の大半は、当業者に知られ”Surfactant Encyclopedia”, Cosmetics & Toiletries, Vol. 104(2) 86-96(1989)に記載されている4つの大きなクラスとさらなる下位群に細分することができる。第一のクラスはアルキルアミンとその塩を包含する。第二のクラスはアルキルイミダゾリンを包含する。第三のクラスはエトキシ化アミンを包含する。第四のクラスは四級化合物、例えばアルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンゼン塩、ヘテロ環式アンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩などを包含する。陽イオン性界面活性剤は本組成物に有益となり得る様々な性質を持つことがわかっている。これらの望ましい性質には、中性またはこれ以下のpHの組成物中での洗浄力、抗菌性、他の物質と共同した増粘性またはゲル化能などが包含される。
【0136】
本発明に係る組成物において有用な陽イオン性界面活性剤は、式:R1mR2xYLZ[式中、各々のR1は、所望により3個までのフェニルまたはヒドロキシ基で置換されていてもよい、そして所望により4個までの以下の構造:
【化13】

またはこれらの構造の異性体もしくは混合物で中断されていてもよい、直鎖もしくは分枝アルキルもしくはアルケニル基を含み、且つ約8〜22個の炭素原子を含む有機基である]
を有するものを包含する。R1基はさらに12個までのエトキシ基を含むことができる。mは1〜3までの数である。好ましくはmが2の場合は分子中の最大1個のR1基が16またはそれ以上の炭素原子を有し、またはmが3の場合は12以上の炭素原子を有する。各々のR2は、1〜4個までの炭素原子を含むアルキルまたはヒドロキシアルキル基であるか、または、分子中の最大1個のR2がベンジルであるベンジル基であり、そしてxは0〜11まで、好ましくは0から6までの数である。Y基上の残りの任意の炭素原子位置は水素で占められている。
【0137】
Yは、
【化14】

またはこれらの混合物を包含する基であってよいが、これらに限定される訳ではない。好ましくはLは1または2であり、Y基は、1〜22個の炭素原子を有し、Lが2の場合は2個の遊離炭素単結合を有する、R1およびR2類似体(好ましくはアルキレンまたはアルケニレン)から選ばれる部分によって隔てられている。Zは、その陽イオン成分に電気的中性を与える数の、水溶性陰イオン、例えばハロゲン化物、スルフェート、メチルスルフェート、ヒドロキシド、またはニトラート陰イオン、特に好ましくは塩化物、臭化物、沃化物、スルフェートまたはメチルスルフェート陰イオンである。
【0138】
両性界面活性剤
両性(amphoteric)または両性(ampholytic)界面活性剤は、塩基性および酸性親水性基と有機疎水性基の両者を含む。これらのイオン実体は、他の種の界面活性剤に関して本明細書で記載した任意の陰イオンまたは陽イオン基であってよい。塩基性窒素および酸性カルボキシラート基が、塩基性および酸性親水性基として利用される典型的な官能基である。少数の界面活性剤では、スルホネート、スルフェート、ホスホナートまたはホスファートが負の電荷を与える。
【0139】
両性界面活性剤は脂肪族第二および第三アミンの誘導体として広汎に記載することができ、そこでは、脂肪族ラジカルは直鎖または分枝鎖であってよく、脂肪族置換基のうち1個は約8〜18個の炭素原子を含み、1個は陰イオン性水可溶化基、例えばカルボキシ、スルホ、スルフェート、ホスファート、またはホスホノを含む。両性界面活性剤は当業者に知られる2つの大きなクラスに細分され、”Surfactant Encyclopedia”, Cosmetics & Toiletries, Vol. 104(2) 69-71(1989)に記載されている。第一のクラスはアシル/ジアルキルエチレンジアミン誘導体(例えば2-アルキルヒドロキシエチルイミダゾリン誘導体)およびこれらの塩を包含する。第二のクラスはN-アルキルアミノ酸およびこれらの塩を包含する。幾つかの両性界面活性剤は両方のクラスに当てはまると考えられる。
【0140】
両性界面活性剤は当業者に知られる方法で合成できる。例えば、長鎖カルボン酸(または誘導体)をジアルキルエチレンジアミンと縮合および閉環させることによって2-アルキルヒドロキシエチルイミダゾリンを合成する。その後このイミダゾリン環を例えばクロロ酢酸または酢酸エチルでアルキル化することにより加水分解および開環して、商業用の両性界面活性剤が誘導体化できる。アルキル化の際、1または2個のカルボキシアルキル基が反応して第三アミンを形成するが、異なるアルキル化剤とのエーテル結合は異なる第三アミンを生成する。
【0141】
一般に本発明への適用性を有する長鎖イミダゾール誘導体は、一般式:
【化15】

[式中、Rは約8〜18個の炭素原子を含む非環式疎水性基であり、そしてMはこの陰イオンの電荷を中和する陽イオン、一般にナトリウムである]を有する。本組成物に利用可能な、イミダゾリンから誘導できる卓越した商業用両性物質は、例えば:ココアンホプロピオナート、ココアンホカルボキシ-プロピオナート、ココアンホグリシナート、ココアンホカルボキシ-グリシナート、ココアンホプロピル-スルホネート、およびココアンホカルボキシ-プロピオン酸を包含する。好ましいアンホカルボン酸は脂肪族イミダゾリンから生成され、その場合、アンホジカルボン酸のジカルボン酸官能性は二酢酸および/またはジプロピオン酸である。
【0142】
本明細書前記に記載のカルボキシメチル化化合物(グリシナート)はベタインと呼ばれる。ベタインは、双性イオン性界面活性剤と題した本明細書下記の項に記載する両性物質の特別なクラスである。
【0143】
長鎖N-アルキルアミノ酸は、脂肪族アミンRNH2[式中、R=C8-C18直鎖または分枝鎖アルキルである]をハロゲン化カルボン酸と反応させることにより容易に製造できる。アミノ酸の第一アミノ基のアルキル化は第二および第三アミンを導く。アルキル置換基は、1以上の反応性窒素中心を提供するさらなるアミノ基を有するかも知れない。最も商業的なN-アルキルアミン酸はβ-アラニンまたはβ-N-(2-カルボキシエチル)アラニンのアルキル誘導体である。本発明に適用できる商業用N-アルキルアミノ酸両性物質の例は、β-アミノジプロピオン酸アルキルRN(C2H4COOM)2およびRNHC2H4COOMを包含する。これらにおいてRは好ましくは約8〜約18個の炭素原子を含む非環式疎水性基であり、そしてMはこの陰イオンの電荷を中和する陽イオンである。
【0144】
好ましい両性界面活性剤は、ココナツ油またはココナツ脂肪酸といったココナツ製品から誘導されるものを包含する。これらのココナツ誘導界面活性剤のうち、構造の一部にエチレンジアミン部分、アルカノールアミン部分、アミノ酸部分、好ましくはグリシン、またはこれらの組み合わせ;ならびに約8〜18個(好ましくは12個)の炭素原子を有する脂肪族置換基を含むものがより好ましい。このような界面活性剤はアルキルアンホジカルボン酸であるとも考えられる。ココアンホジプロピオン酸二ナトリウムが最も好ましい両性界面活性剤の一つであり、これはRhodia Inc., Cranbury, N.J.から商品名Miranol(登録商標) FBSの下に商業的に入手できる。化学名ココアンホ二酢酸二ナトリウムを持つ別の最も好ましいココナツ誘導両性界面活性剤が、やはりRhodia Inc., Cranbury, N.J.から商品名Miranol(登録商標) C2M-SF Conc. の下に販売されている。
【0145】
両性物質のクラスの典型的な一覧、およびこれら界面活性剤の種が、米国特許第3929678号(LaughlinおよびHeuring、1975年12月30日登録)に記載されている。さらなる例が、”Surface Active Agents and Detergents” (Vol. IおよびII、Schwartz、PerryおよびBerch)に記載されている。
【0146】
双性イオン性界面活性剤
双性イオン性界面活性剤は、両性界面活性剤の部分集合であると考えることができる。双性イオン性界面活性剤は、第二および第三アミンの誘導体、ヘテロ環式第二および第三アミンの誘導体、または四級アンモニウム、四級ホスホニウムもしくは第三スルホニウム化合物の誘導体として広範囲に記載することができる。典型的には、双性イオン性界面活性剤は、正に荷電した四級アンモニウム、または幾つかの場合にはスルホニウムまたはホスホニウムイオン;負に荷電したカルボキシ基;およびアルキル基を包含する。双性イオンは一般に陽イオンおよび陰イオン基を含み、これらはその分子の等電点領域で殆ど同程度にイオン化し、正-負の電荷中心の間に強い「分子内塩」引力を発生させ得る。このような双性イオン性合成界面活性剤の例には脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、およびスルホニウム化合物の誘導体[ここで、脂肪族ラジカルは直鎖または分枝鎖であってよく、また、脂肪族置換基の一つは8〜18個の炭素原子を含み、そして一つは陰イオン性水可溶化基、例えばカルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスファート、またはホスホナートを含む]がある。ベタインおよびスルタイン界面活性剤は本発明での使用のための双性イオン性界面活性剤の例である。
【0147】
これらの化合物の一般式は、
【化16】

[式中、R1は、0〜10個のエチレンオキシド部分と0〜1個のグリセリル部分を持つ、8〜18個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、またはヒドロキシアルキルラジカルを含み;Yは、窒素、燐、および硫黄原子より成る群から選ばれ;R2は1〜3個の炭素原子を含むアルキルまたはモノヒドロキシアルキル基であり;xは、Yが硫黄原子である時1であり、Yが窒素または燐原子である時2であり、R3は1〜4個の炭素原子を有するアルキレンまたはヒドロキシアルキレンまたはヒドロキシアルキレンであり、そしてZはカルボキシラート、スルホネート、スルフェート、ホスホナート、およびホスファート基より成る群から選ばれるラジカルである]
である。
【0148】
上に列挙した構造を持つ双性イオン性界面活性剤の例は、4-[N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-N-オクタデシルアンモニオ]-ブタン-1-カルボキシラート;5-[S-3-ヒドロキシプロピル-S-ヘキサデシルスルホニオ]-3-ヒドロキシペンタン-1-スルフェート;3-[P,P-ジエチル-P-3,6,9-トリオキサテトラコサンホスホニオ]-2-ヒドロキシプロパン-1-ホスファート;3-[N,N-ジプロピル-N-3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピル-アンモニオ]-プロパン-1-ホスホナート;3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニオ)-プロパン-1-スルホネート;3-(N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアンモニオ)-2-ヒドロキシ-プロパン-1-スルホネート;4-[N,N-ジ(2,(2-ヒドロキシエチル)-N(2-ヒドロキシドデシル)アンモニオ]-ブタン-1-カルボキシラート;3-[S-エチル-S-(3-ドデコキシ-2-ヒドロキシプロピル)スルホニオ]-プロパン-1-ホスファート;3-[P,P-ジメチル-P-ドデシルホスホニオ]-プロパン-1-ホスホナート;およびS[N,N-ジ(3-ヒドロキシプロピル)-N-ヘキサデシルアンモニオ]-2-ヒドロキシ-ペンタン-1-スルフェートを包含する。上記の洗浄界面活性剤に含まれるアルキル基は直鎖または分枝鎖であってよく、そして飽和または不飽和であってよい。
【0149】
本組成物での使用に好適な双性イオン性界面活性剤は、一般構造:
【化17】

を有するベタインを包含する。これらの界面活性剤ベタインは、典型的には、極端なpHで強い陽イオンまたは陰イオンの性質を示さず、また、それらの等電点範囲で水溶性の低下を示すこともない。「外部」四級アンモニウム塩と異なりベタインは陰イオンとの適合性がある。好適なベタインの例は、ココナツアシルアミドプロピルジメチルベタイン;ヘキサデシルジメチルベタイン;C12-14アシルアミドプロピルベタイン;C8-14アシルアミドヘキシルジエチルベタイン;4-C14-16アシルメチルアミドジエチルアンモニオ-1-カルボキシブタン;C16-18アシルアミドジメチルベタイン;C12-16アシルアミドペンタンジエチルベタイン;およびC12-16アシルメチルアミドジメチルベタイン;を包含する。
【0150】
本発明において有用なスルタインは式:(R(R1)2N+R2SO3-[式中、RはC6-C18ヒドロカルビル基であり、各々のR1は典型的には個別にC1-C3アルキル、例えばメチルであり、そしてR2はC1-C6ヒドロカルビル基、例えばC1-C3アルキレンまたはヒドロキシアルキレン基である]を有する化合物を包含する。
【0151】
双性イオンのクラスおよびこれらの界面活性剤種の典型的な一覧が米国特許第3929678号(LaughlinおよびHeuring、1975年12月30日登録)に記載されている。さらなる例が”Surface Active Agents and Detergents”(Vol.IおよびII、Schwartz、PerryおよびBerch)に記載されている。
【0152】
界面活性剤組成物
上記の界面活性剤を単独でまたは組み合わせて、本発明に係る実施および用途に使用することができる。特に、非イオン性物質と陰イオン性物質は組み合わせて使用できる。半極性非イオン性、陽イオン性、両性および双性イオン性界面活性剤は非イオン性または陰イオン性物質と組み合わせて利用できる。上の例は本発明の範囲内に適用できる数多くの界面活性剤の特別な例であるに過ぎない。前記の有機界面活性剤化合物を、開示した用途を有する本発明に係る幾つかの商業的に望ましい組成物型のいずれかに調合することができる。前記組成物は、汚れた表面のための、濃縮された形態の洗浄処理剤を含み、これは、水に分散または溶解し、比例混合器具で適切に希釈し、そして標的表面に溶液として送達させる時、ゲルまたは泡が洗浄を可能にする。この洗浄処理剤は一つの生成物より成るか、または各々の比率を用いる二生成物系を含む。該生成物は典型的には液体またはエマルジョンの濃縮物である。
【0153】
ヒドロトロープ
単相の原組成物または水性組成物を維持するため、この調合物にヒドロトロープ剤をしばしば利用する。このような物質もまた本発明に利用することができる。屈水性とは、ある物質が不溶性の傾向にある液相中への、その物質の溶解性または混和性を改善する材料の能力に関する性質である。屈水性を提供する物質はヒドロトロープと呼ばれ、可溶化されるべき材料よりも相対的に低い濃度で使用する。ヒドロトロープは、調合物を改変して不溶性物質の溶解度を高め、またはミセルもしくは混合ミセル構造を創成して、その不溶性物質の安定な懸濁液を生成させる。この発明において、調合物製造の際および使用場所に分散させる際の両方で、ヒドロトロープは、調合物の成分を均質な溶液に維持するのに最も有用である。ヒドロトロープ可溶化剤は、水性または非水性形態で組成物全体に成分を均一に分散させた単相溶液を維持することができる。
【0154】
好ましいヒドロトロープ可溶化剤は、約0.1〜約30wt%で使用し、例えば小分子陰イオン性界面活性剤および半極性非イオン性界面活性剤を包含する。ヒドロトロープ可溶化剤の最も好ましい範囲は約1〜約20wt%である。ヒドロトロープ材料は、広いスペクトルの化学分子型でヒドロトロープ性を示すことが比較的よく知られている。ヒドロトロープは一般にエーテル化合物、アルコール化合物、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤およびその他の材料を包含する。本発明に使用するための一つの重要なヒドロトロープ可溶化剤にアミンオキシド材料がある。小分子陰イオン性界面活性剤は、芳香族スルホン酸またはスルホン化ヒドロトロープ、例えばC1-5置換ベンゼンスルホン酸またはナフタレンスルホン酸を包含する。このようなヒドロトロープの例はキシレンスルホン酸またはナフタレンスルホン酸またはこれらの塩である。
【0155】
半極性型の非イオン性界面活性剤は、アミンオキシドヒドロトロープ、例えば一般式:
【化18】

[式中、nは0〜25であり、矢印は半極性結合の常套的表現であり;そしてR1、R2、およびR3は脂肪族、芳香族、ヘテロ環式、脂環式、またはこれらの組み合わせである]
に対応する第三アミンオキシドを包含する。一般に洗浄剤目的のアミンオキシドのためには、R1は約8〜約24個の炭素原子を有する分枝もしくは直鎖、脂肪族またはアルキルラジカルであり;R2およびR3は1〜3個の炭素原子を有するアルキルもしくはヒドロキシアルキルおよびこれらの混合物より成る群から選ばれ;R4は2〜3個の炭素原子を含むアルキレンまたはヒドロキシアルキレン基であり;そしてnは0〜約20の範囲である。有用な水溶性アミンオキシドヒドロトロープは、アルキルジ-(低級アルキル)アミンオキシドから選ばれ、その具体例は、C10-14イソアルキルジメチルアミンオキシド(イソ-ドデシル)ジメチルアミンオキシド - Barlox 12i、n-デシルジメチルアミンオキシド、ドデシルジメチルアミンオキシド、トリデシルジメチルアミンオキシド、テトラデシルジメチルアミンオキシド、ペンタデシルジメチルアミンオキシド、ヘキサデシルジメチルアミンオキシド、ヘプタデシルジメチルアミンオキシド、オクタデシルジメチルアミンオキシド、ドデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジプロピルアミンオキシド、ヘキサデシルジプロピルアミンオキシド、テトラデシルジブチルアミンオキシド、オクタデシルジブチルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキシド、ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-ドデコキシ-1-ヒドロキシプロピルアミンオキシド、ジメチル-(2-ヒドロキシドデシル)アミンオキシドおよび3,6,9-トリオクタデシルジメチルアミンオキシドである。上記のうち最も好ましいのはイソドデシルジメチルアミンオキシド(Barlox 12i)である。物理的単相の完全性および保存安定性を維持するため、本発明に係る組成物に他のヒドロトロープまたはカプラーを一般的に使用することができる。この目的のため、製剤設計分野の当業者に知られる多数の成分、例えば単官能性および多官能性アルコールを利用できる。これらは好ましくは約1〜約6個の炭素原子および1〜約6個のヒドロキシ基を含んでいる。例には、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、マンニトールおよびグルコースがある。高級グリコール、ポリグリコール、ポリオキシド、グリコールエーテルおよびプロピレングリコールエーテルもまた有用である。さらなる有用なヒドロトロープは、遊離酸およびスルホン化アルキルアリールのアルカリ金属塩、例えばアルキル化ジフェニルオキシドスルホネート、トルエン、キシレン、クメンおよびフェノールまたはフェノールエーテルスルホネートまたはアルコキシル化ジフェニルオキシドジスルホネート(Dowfax材料);アルキルおよびジアルキルナフタレンスルホネートおよびアルコキシル化誘導体を包含する。ヒドロトロープとして使用するこれらのスルホネート材料は典型的には強力な界面活性剤のようなものであるとは考えられない。これらの材料は、界面活性剤の性質ではなくヒドロトロープの性質を提供するよう設計された随伴疎水性基を有するスルホネートである。この事に留意すると、これらの材料は典型的には界面活性組成物ではないと考えられる。
【0156】
金属イオン封鎖剤
本発明に係る洗浄用組成物は金属イオン封鎖剤を含有できる。一般に金属イオン封鎖剤とは、天然水に普通に見いだされる金属イオンを配位(即ち、結合)させ、その金属イオンが洗浄用組成物中の他の洗浄成分の作用を妨害することを防ぐことのできる分子である。幾つかのキレート化剤/金属イオン封鎖剤は、有効量を含有させる時、閾値剤としても機能できる。キレート化剤/金属イオン封鎖剤のさらなる説明については、Kirk-Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology, Third Edition, volume 5, pages 339-366 and volume 23, pages 319-320を参照されたい。
【0157】
本発明に係る混成洗浄用組成物には、例えば有機ホスホナート、アミノカルボン酸、縮合ホスファート、無機ビルダー、ポリマー性ポリカルボキシラート、ジまたはトリカルボン酸、これらの混合物等を包含する種々の金属イオン封鎖剤を使用できる。このような金属イオン封鎖剤およびビルダーは商業的に入手できる。ある態様では、本発明に係る混成洗浄用組成物は、約5〜約50wt%、約30〜約50wt%、約10〜約45wt%、または約20〜約40wt%の金属イオン封鎖剤を含有する。ある態様では、本発明に係る混成洗浄用組成物は、約20wt%、約25wt%、約30wt%、約35wt%、または約40wt%の金属イオン封鎖剤を含有する。この組成物は、約という語で修飾されないこれらの範囲または量のいずれかを含有できる。
【0158】
好適な縮合ホスファートには、オルト燐酸ナトリウムおよびカリウム、ピロ燐酸ナトリウムおよびカリウム、トリポリ燐酸ナトリウムおよびカリウム、ヘキサメタ燐酸ナトリウム、例えばトリポリ燐酸塩がある。ある態様では、本発明に係る混成洗浄用組成物は、ビルダー、キレート化剤、または金属イオン封鎖剤として、縮合燐酸塩、例えばトリポリ燐酸ナトリウムを含有する。
【0159】
金属イオン封鎖剤としての使用に好適なポリカルボキシラートは、例えばポリアクリル酸、マレイン/オレフィンコポリマー、アクリル/マレインコポリマー、ポリメタクリル酸、アクリル酸-メタクリル酸コポリマー、加水分解されたポリアクリルアミド、加水分解されたポリメタクリルアミド、加水分解されたポリアミド-メタクリルアミドコポリマー、加水分解されたポリアクリロニトリル、加水分解されたポリメタクリロニトリル、加水分解されたアクリロニトリル-メタクリロニトリルコポリマー、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、アクリル酸とイタコン酸のコポリマー、等を包含する。ある態様では、ポリカルボキシラートはポリアクリラートを包含する。
【0160】
好適なジ-またはトリカルボン酸は、蓚酸、クエン酸、またはこれらの塩を包含する。ある態様では、使用組成物中の鉄のレベルを低減するため、または洗浄する物品から鉄汚物を除去するために蓚酸を利用できる。例えば、蓚酸は鉄制御サワーまたは鉄除去剤の一部となり得る。
【0161】
ある態様では、本発明に係る混成洗浄用組成物は、金属イオン封鎖剤またはビルダーとして縮合ホスファートおよびポリアクリラート、または別のポリマー、例えばトリポリ燐酸ナトリウムおよびポリアクリル酸ナトリウムを含有する。
【0162】
ビルダーは有機ホスホナート、例えば有機ホスホン酸およびそのアルカリ金属塩を包含できる。好適な有機ホスホナートの幾つかの例には、
1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸:CH3C(OH)[PO(OH)2]2
アミノトリ(メチレンホスホン酸):N[CH2PO(OH)2]3
アミノトリ(メチレンホスホナート), ナトリウム塩
【化19】

2-ヒドロキシエチルイミノビス(メチレンホスホン酸):
HOCH2CH2N[CH2PO(OH)2]2
ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸):
(HO)2POCH2N[CH2CH2N[CH2PO(OH)2]2]2
ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホナート), ナトリウム塩:C9H(28-x)N3NaxO15P5(x=7);
ヘキサメチレンジアミン(テトラメチレンホスホナート), カリウム塩:C10H(28-x)N2KxO12P4(x=6);
ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(ペンタメチレンホスホン酸):(HO2)POCH2N[(CH2)6N[CH2PO(OH)2]2]2;および、
燐酸H3PO3;およびその他の類似の有機ホスホナート、ならびにそれらの混合物、
がある。
【0163】
金属イオン封鎖剤はアミノカルボン酸型金属イオン封鎖剤であってよく、またはこれを包含できる。好適なアミノカルボン酸型金属イオン封鎖剤は、この酸またはそのアルカリ金属塩、例えばアミノ酢酸およびその塩を包含する。幾つかの例には以下のようなもの:
N-ヒドロキシエチルアミノ二酢酸;
ヒドロキシエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA);
メチルグリシン二酢酸(MGDA);
エチレンジアミン四酢酸(EDTA);
N-ヒドロキシエチル-エチレンジアミン三酢酸(HEDTA);
ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA);および、
アラニン-N,N-二酢酸;
イミド二琥珀酸;等、および、
これらの混合物、
がある。
【0164】
一つの有用なビルダー/キレート化剤またはその塩には、その塩および誘導体を包含する、ポリマーホスフィノカルボン酸がある。このような材料は、アクリル酸のような不飽和カルボン酸モノマーを、以下の式;
【化20】

[式中、R1は基OX[式中、Xは水素または1〜4個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝アルキル基であり;そしてR3は水素、1〜8個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝アルキル基、5〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル基、フェニル基、ベンジル基または-OX基[式中、Xは水素または1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝アルキル基である]である]
によって一般的に表される次亜燐酸またはその誘導体と反応させることによって製造できる。ポリホスフィノカルボン酸の塩もまた、記載したように利用できる。このような材料の一つの好ましい態様がBelsperse(登録商標)-161である。
【0165】
金属イオン封鎖剤は生分解性金属イオン封鎖剤であってよく、またはこれを包含できる。好適な生分解性金属イオン封鎖剤にはメチルグリシン二酢酸またはその塩がある。このような金属イオン封鎖剤は、例えば商品名Trilon ESの下に商業的に入手できる。
【0166】
酵素
本発明に係る洗浄用組成物は1種以上の酵素を含有でき、これは、蛋白性、炭水化物性、またはトリグリセリド性の汚れを基質から取り除くため;洗浄、脱染、および予浸のために望ましい活性を提供できる。本発明に限定される訳ではないが、本発明に係る洗浄用組成物に適した酵素は、表面または織物上で遭遇した1種以上の残留汚物を分解または変化させ、そうすることによりその汚物を除去、または、その汚物を界面活性剤もしくは該洗浄用組成物の他の成分が除去し易くすることによって作用できる。残留汚物の分解および変化の両方が、その汚物と洗浄すべき表面または織物を結び付けている物理化学的力を低下させることにより、洗浄性を改善できる。即ち汚物がより水溶性となる。例えば、1種以上のプロテアーゼが、残留汚物に存在する複雑な高分子蛋白構造を開裂して、より単純な短鎖分子とすることができるが、この短鎖分子は、そのプロテアーゼを含有する洗浄溶液によって、自身、表面からより容易に脱着、可溶化、またはその他の手段で容易に除去される。
【0167】
好適な酵素は、任意の適当な起源、例えば植物性、動物性、細菌性、真菌性または酵母起源の、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、グルコナーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ、またはこれらの混合物を包含できる。好ましい選択は、pH活性および/または安定性の最適条件、熱安定性、および、活性洗浄剤、ビルダーなどに対する安定性といった因子に影響を受ける。この点で、細菌または真菌性酵素、例えば細菌アミラーゼおよびプロテアーゼ、ならびに真菌セルラーゼが好ましい。好ましくは、酵素はプロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、またはこれらの組み合わせである。
【0168】
本明細書で使用する「洗浄性酵素」とは、クリーニング店、織物、器物洗浄、現場での洗浄、排水管、床、カーペット、医療または歯科医療器具、肉切り器具、硬質表面、介護などのための組成物の成分として、洗浄、脱染またはその他の有益な効果を持つ酵素を意味する。好適な洗浄性酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼのような加水分解酵素またはこれらの組み合わせを包含する。
【0169】
通常、酵素は、洗浄または予浸操作の間に有効な洗浄が奏功するに充分な量を、本発明に係る組成物に配合する。洗浄有効な量とは、洗浄しようとする材料に、清浄な、清潔な、そして好ましくは腐食のない外観を作り出す量を指す。洗浄有効量はさらに、基質に対して、洗浄、汚れ除去、汚物除去、漂白、脱臭、または新鮮性改善効果を作り出す量を指す。典型的にはこのような洗浄効果は、洗浄用組成物の約0.1%〜約3%(質量)、好ましくは約1%〜約3%(質量)の酵素量で達成できる。高濃縮洗浄処方では、より高い活性物質レベルもまた望ましいかも知れない。
【0170】
商業的酵素、例えばアルカリプロテアーゼは、液体または乾燥形態で取得でき、未加工水溶液として、または、取り揃えられた、精製された、加工された、そして調合した形態で販売され、約2%〜約80%(質量)の活性な酵素を、一般的には安定剤、緩衝剤、補助因子、不純物および不活性媒質と共に含有する。実際の活性酵素含有量は製造方法に依存し、その組成物が所望の酵素活性を有するとすれば決定的ではない。本発明に係る方法および生成物に使用するために選択する具体的な酵素は、生成物の物理的形態、使用pH、使用温度、および消化、分解または変化させようとする汚物の種類を包含する最終的な用途条件に依存する。酵素は、任意の与えられた一連の用途条件について最適の活性と安定性を提供するよう選択することができる。
【0171】
本発明の組成物は好ましくは少なくとも一つのプロテアーゼを含有する。驚くべき事に本発明の組成物はさらに、実質上長い保存期間の間プロテアーゼを安定化するのみならず、蛋白の消化および汚物除去の亢進に対するプロテアーゼの活性を著しく増強することが見いだされた。さらに、1種以上のさらなる酵素、例えばアミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ、エンドグルカナーゼ酵素およびこれらの混合物、好ましくはリパーゼまたはアミラーゼ酵素の存在時には、プロテアーゼ活性の亢進が起こる。
【0172】
酵素は洗浄用組成物が標的とする汚物の種類または洗浄しようとする部位もしくは表面に存在する汚物の種類を考慮して選択できる。本発明に限定される訳ではないが、アミラーゼは、例えば馬鈴薯、パスタ、オートミール、ベビーフード、グレービー、チョコレートなどのような澱粉を含有する汚物の洗浄に好都合となり得ると考えられる。本発明に限定される訳ではないが、プロテアーゼは、例えば血液、皮膚落屑、粘液、草、食物(例えば、卵、牛乳、ほうれん草、肉の残留物、トマトソース)などのような蛋白を含有する汚物の洗浄に好都合となり得ると考えられる。本発明に限定される訳ではないが、リパーゼは、例えば動物性もしくは植物性脂肪、油、またはロウ(例えば、サラダドレッシング、バター、ラード、チョコレート、口紅)などのような、脂肪、油、またはロウを含有する汚物の洗浄に好都合となり得ると考えられる。本発明に限定される訳ではないが、セルラーゼは、セルロースを含有する、または他の汚物の付着点として働くセルロース繊維を含有する汚物の洗浄に好都合となり得ると考えられる。
【0173】
酵素に関する価値ある参考文献は、”Industrial Enzymes”, Scott, D., in Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 3rd Edition, (editors Grayson, M. and EcKroth, D.) Vol. 9, pp. 173-224, John Wiley & Sons, New York, 1980である。
【0174】
プロテアーゼ
本発明組成物に好適なプロテアーゼは、植物、動物、または微生物から誘導することができる。好ましくはプロテアーゼは微生物、例えば酵母、糸状菌、または細菌から誘導する。好ましいプロテアーゼは、Bacillus菌株、例えばBacillus subtilisまたはBacillus licheniformisから誘導する、アルカリ性pHで活性なセリンプロテアーゼを包含し、これらの好ましいプロテアーゼは天然および組換えサブチリシンを包含する。このプロテアーゼは精製品または微生物抽出物の一成分であってよく、野生型または変異体(化学的または組換え)のいずれであってもよい。好ましいプロテアーゼは、金属キレート化剤(金属イオン封鎖剤)またはチオール毒素による阻害も、金属イオンまたは還元剤による活性化も受けず、広範な基質特異性を持ち、ジイソプロピルフルオロホスファート(DFP)で阻害され、エンドペプチダーゼであり、約20000〜約40000の分子量範囲であり、そして約6〜約12のpHおよび約20℃〜約80℃の範囲の温度で活性である。
【0175】
本発明組成物に利用できる蛋白分解酵素の例(商品名)は、Savinase(登録商標);Bacillus lentus型から誘導されるプロテアーゼ、例えばMaxacal(登録商標)、Opticlean(登録商標)、Durazym(登録商標)、およびProperase(登録商標);Bacillus licheniformisから誘導されるプロテアーゼ、例えばAlcalase(登録商標)およびMaxatase(登録商標);ならびにBacillus amyloliquefaciensから誘導されるプロテアーゼ、例えばPrimase(登録商標)を包含する。好ましい市販のプロテアーゼ酵素は、Novo Industries A/S(デンマーク)により商品名Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、またはEsperase(登録商標)で販売されているもの;Gist-Brocades(オランダ)により商品名Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、またはMaxapem(登録商標)で販売されているもの;Genencor Internationalにより商品名Purafect(登録商標)、Purafect OX、およびProperaseで販売されているもの;Solvay Enzymesにより商品名Opticlean(登録商標)またはOptimase(登録商標)で販売されているものを包含する。このようなプロテアーゼの混合物もまた使用できる。例えば、Purafect(登録商標)は、約30℃〜約65℃の低温洗浄プログラムにおいて適用を有する本発明に係る洗浄組成物での使用に好ましいアルカリプロテアーゼであるが;一方Esperase(登録商標)は、約50℃〜約85℃の高温洗浄溶液のために選択されるアルカリプロテアーゼである。好適な洗浄性プロテアーゼは、NovoのGB1243784、WO9203529A(酵素/インヒビター系)、WO9318140A、およびWO9425583(組換えトリプシン様プロテアーゼ);Procter & GambleのWO9510591A、WO9507791(吸着性が低く加水分解性の高いプロテアーゼ)、WO95/30010、WO95/30011、WO95/29979;Genencor InternationalのWO95/10615(Bacillus amyloliquefaciensサブチリシン);EP130756A(プロテアーゼA);EP303761A( プロテアーゼB);ならびにEP130756Aを包含する特許公開に記載されている。本組成物に使用する変異体プロテアーゼは、好ましくはこれら参考文献中のプロテアーゼのアミノ酸配列と、少なくとも80%相同的、好ましくは少なくとも80%の配列一致を有する。
【0176】
本発明の好ましい態様では、本発明組成物中に存在する市販アルカリプロテアーゼの量は、洗浄溶液の約0.1%(質量)から約3%(質量)まで、好ましくは約1%〜約3%(質量)、好ましくは市販の酵素生成物溶液の約2%(質量)である。典型的な商業的に入手し得る洗浄用酵素は約5〜10%の活性酵素を含有する。
【0177】
必要な市販アルカリプロテアーゼの質量パーセントの樹立は、本明細書に教示される態様を作り出すための実用的利便性があるが、市販プロテアーゼ濃縮物の変動、およびin-situ環境添加物、およびプロテアーゼ活性への負の影響は、酵素活性を定量して、残留汚物除去能力に対する、そして好ましい態様内での酵素安定性に対する;そして濃縮物の場合には使用希釈溶液に対する相関を確立するための、より明敏なプロテアーゼ検定の分析技術を必要とする。本発明に使用するためのプロテアーゼの活性は、活性単位、より具体的には、当分野で周知のアゾカゼイン検定活性単位であるKilo-Novo Protease Unit(KNPU)によって容易に表現できる。アゾカゼイン検定法についてのより詳細な説明は、”The Use of Azoalbumin as a Substrate in the Colorimetric Determination of Peptic and Tryptic Activity”なる表題の刊行物(Tomarelli, R.M., Charney, J., and Harding, M.L., J. Lab. Clin. Chem. 34, 428(1949))に見いだすことができる。
【0178】
本発明の好ましい態様では、使用溶液中に存在するプロテアーゼ活性は、約1×10-5KNPU/gm溶液〜約4×10-3KNPU/gm溶液の範囲である。
【0179】
当然、異なる蛋白分解酵素の混合物を本発明に組み入れることができる。上記に様々な具体的酵素を記載してきたが、該組成物に所望の蛋白分解活性を付与できる任意のプロテアーゼを使用できる事、そして本発明に係るこの態様が、蛋白分解酵素の特定の選択によって限定されるものでは決してないことを理解されたい。
【0180】
アミラーゼ
本発明組成物に好適なアミラーゼは、植物、動物、または微生物から誘導することができる。好ましくはアミラーゼは微生物、例えば酵母、糸状菌、または細菌から誘導する。好ましいアミラーゼは、Bacillus、例えばB. licheniformis、B. amyloliquefaciens、B. subtilis、またはB. stearothermophilusから誘導するものを包含する。このアミラーゼは精製品または微生物抽出物の一成分であってよく、野生型または変異体(化学的または組換え)のいずれであってもよいが、洗浄または予浸条件下で野生型アミラーゼよりも安定な変異体が好ましい。
【0181】
本発明組成物に利用できるアミラーゼ酵素の例は、Gist-Brocades(登録商標)(オランダ)により商品名Rapidaseで販売されているもの;Novoにより商品名Termamyl(登録商標)、Fungamyl(登録商標)またはDuramyl(登録商標)で販売されているもの; Genencor のPurastar STLまたはPurastar OXAMなどを包含する。商業的に入手できる好ましいアミラーゼ酵素は、Novoにより商品名Duramyl(登録商標)で販売されている安定性亢進変異体アミラーゼを包含する。アミラーゼの混合物もまた使用できる。
【0182】
本発明組成物にとって好適なアミラーゼは、NovoのWO95/26397、PCT/DK96/00056、およびGB1296839に記載のα-アミラーゼ;ならびにJ. Biol. Chem., 260(11):6518-6521(1985);NovoのWO9510603A、WO9509909AおよびWO9402597;WO9402597に開示の参考文献;ならびにGenencor InternationalのWO9418314に記載の安定性亢進アミラーゼを包含する。本組成物に使用する変異体α-アミラーゼはこれら参考文献中の蛋白のアミノ酸配列と、少なくとも80%相同的、好ましくは少なくとも80%の配列一致を有する。
【0183】
本発明組成物での使用に好適なアミラーゼは、ある種のアミラーゼ、例えばTermamyl(登録商標)に比較して亢進した安定性を有する。亢進した安定性とは、1種以上の、酸化安定性、例えばpH9〜10の緩衝化溶液中で過酸化水素/テトラアセチルエチレンジアミンに対する酸化安定性;熱安定性、例えば約60℃といった一般的な洗浄温度での熱安定性;および/またはアルカリ安定性、例えば約8〜約11のpHでのアルカリ安定性(各々適当な対照アミラーゼ、例えばTermamyl(登録商標)と比較)における、顕著なまたは測定可能な改善を指す。安定性は当業者に知られる方法により測定できる。本発明組成物に使用するための好適な安定性亢進アミラーゼは、25℃〜55℃の温度範囲および約8〜約10のpH範囲で、Termamyl(登録商標)の比活性よりも少なくとも25%高い比活性を有する。このような比較のためのアミラーゼ活性は、当業者に知られる検定および/または商業的に入手可能な例えばPhadebas(登録商標) I-アミラーゼ検定によって測定できる。
【0184】
ある態様では、本発明組成物中に存在する市販アミラーゼの量は、洗浄溶液の約0.1%(質量)〜約3%(質量)、好ましくはその市販酵素生成物の溶液の約1%〜約3%(質量)の範囲、好ましくは約2%(質量)である。典型的な商業的に入手できる洗浄用酵素は約0.25-5%の活性アミラーゼを含有する。
【0185】
必要なアミラーゼの質量パーセントの樹立は、本明細書に教示される態様を作り出すための実用的利便性があるが、市販アミラーゼ濃縮物の変動、およびin-situ環境添加物、およびアミラーゼ活性への負の影響は、酵素活性を定量して、残留汚物除去能力に対する、そしてその態様内での酵素安定性に対する;そして濃縮物の場合には使用希釈溶液に対する相関を確立するための、より明敏なアミラーゼ検定の分析技術を必要とする。本発明に使用するためのアミラーゼの活性は、既知の単位で、または既知のアミラーゼ検定および/または商業的に入手できる検定、例えばPhadebas(登録商標)α-アミラーゼ検定によって表現できる。
【0186】
当然、異なるアミラーゼ酵素の混合物を本発明に組み入れることができる。上記に様々な具体的酵素を記載してきたが、該組成物に所望のアミラーゼ活性を付与できる任意のアミラーゼを使用できる事、そして本発明に係るこの態様が、アミラーゼ酵素の特定の選択によって限定されるものでは決してないことを理解されたい。
【0187】
セルラーゼ
本発明組成物に好適なセルラーゼは植物、動物、または微生物から誘導することができる。このセルラーゼは微生物、例えば真菌または細菌から誘導できる。好適なセルラーゼは、真菌、例えばHumicola insolens、Humicola菌株DSM1800、または、Aeromonas属に属するセルラーゼ212-産生真菌から誘導されるセルラーゼ、および、海洋性軟体動物Dolabella Auricula Solanderの肝膵から抽出されるセルラーゼを包含する。このセルラーゼは精製品または抽出物の一成分であってよく、野生型または変異体(化学的または組換え)のいずれであってもよい。
【0188】
本発明組成物に利用できるセルラーゼ酵素の例は、NovoのCarezyme(登録商標)またはCelluzyme(登録商標)、またはGenencor のCellulaseなどの商品名の下に販売されているものを包含する。セルラーゼの混合物も使用できる。好適なセルラーゼは、Novoの米国特許第4435307号、GB-A-2.075.028、GB-A-2.095.275、DE-OS-2.247.832、WO9117243、およびWO9414951A(安定化セルラーゼ)を包含する特許文書に記載されている。
【0189】
ある態様では、本発明組成物中に存在する市販セルラーゼの量は、洗浄溶液の約0.1%(質量)〜約3%(質量)、好ましくはその市販酵素生成物の溶液の約1%〜約3%(質量)の範囲である。典型的な商業的に入手できる洗浄用酵素は約5〜10%の活性酵素を含有する。
【0190】
必要なセルラーゼの質量パーセントの樹立は、本明細書に教示される態様を作り出すための実用的利便性があるが、市販セルラーゼ濃縮物の変動、およびin-situ環境添加物、およびセルラーゼ活性への負の影響は、酵素活性を定量して、残留汚物除去能力に対する、そしてその態様内での酵素安定性に対する;そして濃縮物の場合には使用希釈溶液に対する相関を確立するための、より明敏なセルラーゼ検定の分析技術を必要とする。本発明に使用するためのセルラーゼの活性は、既知の単位で、または既知のもしくは商業的に入手できるセルラーゼ検定によって表現できる。
【0191】
当然、異なるセルラーゼ酵素の混合物を本発明に組み入れることができる。上記に様々な具体的酵素を記載してきたが、該組成物に所望のセルラーゼ活性を付与できる任意のセルラーゼを使用できる事、そして本発明に係るこの態様が、セルラーゼ酵素の特定の選択によって限定されるものでは決してないことを理解されたい。
【0192】
リパーゼ
本発明組成物に好適なリパーゼは、植物、動物、または微生物から誘導することができる。ある態様では、このリパーゼは微生物、例えば真菌または細菌から誘導できる。好適なリパーゼは、Pseudomonas、例えばPseudomonas stutzeri ATCC 19.154から、またはHumicola、例えばHumicola lanuginosa(典型的にはAspergillus oryzaeにおいて組換え産生される)から誘導されるものを包含する。このリパーゼは精製品または抽出物の一成分であってよく、野生型または変異体(化学的または組換え)のいずれであってもよい。
【0193】
本発明組成物に利用できるリパーゼ酵素の例は、Amano Pharmaceutical Co.Ltd., Nagoya, Japanにより商品名Lipase P “Amano”もしくは”Amano-P”の下に販売、または、Novoにより商品名Lipolase(登録商標)の下に販売されているもの等を包含する。本組成物に使用できるその他の商業的に入手可能なリパーゼは、Amano-CES、Chromobacter viscosum、例えばChromobacter viscosum var. lipolyticum NRRLB 3673から誘導されるToyo Jozo Co., Tagata, Japanのリパーゼ;U.S. Biochemical Corp., U.S.A.およびDisoynth Co., のChromobacter viscosumリパーゼならびにPseudomonas gladioli またはHumicola lanuginosaから誘導されるリパーゼを包含する。
【0194】
好適なリパーゼがNovoにより商品名Lipolase(登録商標)の下に販売されている。好適なリパーゼが、NovoのWO9414951A(安定化リパーゼ)、Amano Pharmaceutical Co. Ltd.のWO9205249、RD94359044、GB1372034、日本国特許公開5320487(1978年2月24日公開)、およびEP341947を包含する特許文書に記載されている。
【0195】
ある態様では、本発明組成物中に存在する市販リパーゼの量は、洗浄溶液の約0.1%(質量)〜約3%(質量)、好ましくはその市販酵素生成物の溶液の約1%〜約3%(質量)の範囲である。典型的な商業的に入手できる洗浄用酵素は約5〜10%の活性酵素を含有する。
【0196】
必要なリパーゼの質量パーセントの樹立は、本明細書に教示される態様を作り出すための実用的利便性があるが、市販リパーゼ濃縮物の変動、およびin-situ環境添加物、およびリパーゼ活性への負の影響は、酵素活性を定量して、残留汚物除去能力に対する、そしてその態様内での酵素安定性に対する;そして濃縮物の場合には使用希釈溶液に対する相関を確立するための、より明敏なリパーゼ検定の分析技術を必要とする。本発明に使用するためのリパーゼの活性は、既知の単位で、または既知のリパーゼ検定もしくは商業的に入手できるリパーゼ検定によって表現できる。
【0197】
当然、異なるリパーゼ酵素の混合物を本発明に組み入れることができる。上記に様々な具体的酵素を記載してきたが、該組成物に所望のリパーゼ活性を付与できる任意のリパーゼを使用できる事、そして本発明に係るこの態様が、リパーゼ酵素の特定の選択によって限定されるものでは決してないことを理解されたい。
【0198】
さらなる酵素
本組成物における使用にとって好適なさらなる酵素は、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、グルコナーゼ等を包含する。好適なクチナーゼ酵素がGenencorのWO8809367Aに記載されている。既知のペルオキシダーゼには、西洋ワサビペルオキシダーゼ、リグニナーゼ、およびハロペルオキシダーゼ、例えばクロロまたはブロモペルオキシダーゼがある。組成物にとって好適なペルオキシダーゼがNovoのWO89099813AおよびWO8909813Aに開示されている。ペルオキシダーゼ酵素は酸素供給源、例えば過炭酸塩、過硼酸塩、過酸化水素などと組み合わせて使用できる。本組成物への配合にとって好適なさらなる酵素が、Genencor InternationalのWO9307263AおよびWO9307260A、NovoのWO8908694A、およびMcCarty et al.の米国特許第3553139号、Place et al.の米国特許第4101457号、Hughesの米国特許第4507219号、およびHora et al.の米国特許第4261868号に開示されている。
【0199】
本発明に係る組成物に好適なさらなる酵素、例えばクチナーゼまたはペルオキシダーゼは、植物、動物、または微生物から誘導することができる。好ましくは、この酵素は微生物から誘導する。この酵素は精製品または抽出物の一成分であってよく、野生型または変異体(化学的または組換え)のいずれであってもよい。本発明の好ましい態様では、本発明組成物中に存在する市販のさらなる酵素、例えばクチナーゼまたはペルオキシダーゼの量は、洗浄溶液の約0.1%(質量)〜約3%(質量)、好ましくはその市販酵素生成物の溶液の約1%〜約3%(質量)の範囲である。典型的な商業的に入手できる洗浄用酵素は約5〜10%の活性酵素を含有する。
【0200】
必要なさらなる酵素、例えばクチナーゼまたはペルオキシダーゼの質量パーセントの樹立は、本明細書に教示される態様を作り出すための実用的利便性があるが、市販のさらなる酵素の濃縮物の変動、およびin-situ環境添加物、およびそれらの活性への負の影響は、酵素活性を定量して、残留汚物除去能力に対する、そしてその態様内での酵素安定性に対する;そして濃縮物の場合には使用希釈溶液に対する相関を確立するための、より明敏な酵素検定の分析技術を必要とする。本発明に使用するためのさらなる酵素、例えばクチナーゼまたはペルオキシダーゼの活性は、既知の単位で、または既知のもしくは商業的に入手できる検定によって表現できる。
【0201】
当然、異なるさらなる酵素の混合物を本発明に組み入れることができる。上記に様々な具体的酵素を記載してきたが、該組成物に所望の酵素活性を付与できる任意のさらなる酵素を使用できる事、そして本発明に係るこの態様が、特定の酵素の選択によって限定されるものでは決してないことを理解されたい。
【0202】
酵素安定化系
本組成物はまた、1種以上の酵素を安定化させる成分をも含有できる。例えば、本発明に係る洗浄用組成物は、カルシウムおよび/またはマグネシウムイオンの水溶性供給源を含有できる。カルシウムイオンは一般にマグネシウムイオンより有効であり、1種類の陽イオンだけを使用しようとするならば、本発明においてはこれが好ましい。組成物、特に液体は、完成した組成物1リットルにつき約1〜約30、好ましくは約2〜約20、より好ましくは約8〜約12ミリモルのカルシウムイオンを含有できるが、配合する酵素の多様性、種類およびレベルを包含する因子に応じて変化させることができる。好ましくは、例えば塩化カルシウム、水酸化カルシウム、蟻酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、水酸化カルシウムおよび酢酸カルシウムを包含する水溶性カルシウムまたはマグネシウム塩を使用し;より一般的には、硫酸カルシウムまたは列挙したカルシウム塩に対応するマグネシウム塩を使用できる。例えばある種の界面活性剤が油汚れを分解する作用を促進するため、さらに増大させたレベルのカルシウムおよび/またはマグネシウムもむろん有用となり得る。
【0203】
ある種の洗浄用組成物、例えば器物洗浄用組成物の安定化系には、多くの上水道に存在する塩素漂白剤種が、特にアルカリ条件下で酵素を攻撃して不活性化することを防ぐために添加する、0〜約10%、好ましくは約0.01%〜約6%(質量)の塩素漂白剤捕捉剤をさらに含有させることができる。水中の塩素レベルは、典型的には約0.5ppm〜約1.75ppmというように低いかも知れないが、例えば器物の洗浄中に酵素との接触に至る水の総体積中で利用可能な塩素は相対的に大量であり、したがって使用中の塩素に対する酵素の安定性が問題となり得る。
【0204】
好適な塩素捕捉陰イオンは広く知られており、容易に入手でき、そして、使用する場合は、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、チオ亜硫酸塩、チオ硫酸塩、沃化物などを伴うアンモニウム陽イオンを含む塩類であってよい。カルバマート、アスコルビン酸塩などの酸化防止剤、有機アミン、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはそのアルカリ金属塩、モノエタノールアミン(MEA)、およびその混合物も同様に使用できる。同様に、異なる酵素が最大の適合性を有するよう、特別な酵素阻害系を組み込むこともできる。その他の常套的捕捉剤、例えば重硫酸塩、硝酸塩、塩化物、過酸化水素供給源、例えば過硼酸ナトリウム四水和物、過硼酸ナトリウム一水和物および過炭酸ナトリウム、ならびに燐酸塩、縮合燐酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、蟻酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、サリチル酸塩などおよびこれらの混合物も、所望により使用することができる。
【0205】
一般に、塩素捕捉機能は、より良く理解されている機能の下に別個に列挙されている成分によって遂行され得るため、この機能を所望の程度まで遂行する化合物が本発明に係る酵素含有態様に存在しないのでない限り、別個の塩素捕捉剤を添加する必要はなく、該化合物が存在しない場合でも、捕捉剤は最適な結果を得るためだけに添加する。さらに、処方者は、調合する際に他の反応性成分と到底両立し難い酵素捕捉剤または安定剤の使用を回避するにあたり、化学者の通常の技術を行使するであろう。アンモニウム塩の使用に関しては、このような塩を単純に該組成物と混合できるが、これは保存中に水を吸着し、そして/またはアンモニアを遊離させる。したがって、このような材料は、もし存在するとすれば、米国特許第4652392号(Baginski et al.)に記載のような粒子中に保護されるのが望ましい。
【0206】
二価イオン
本発明に係る洗浄用組成物は二価イオン、例えばカルシウムおよびマグネシウムイオンを該組成物の0.05%〜5%(質量)、0.1%〜1%(質量)、または約0.25%(質量)のレベルで含有できる。ある態様では、カルシウムイオンを本組成物に含有させることができる。カルシウムイオンは例えば塩化物、水酸化物、酸化物、蟻酸塩もしくは酢酸塩、または硝酸塩、好ましくは塩化物として添加できる。
【0207】
ポリオール
本発明に係る安定化微生物調製物または洗浄用組成物はポリオールを含有することもできる。ポリオールは例えば該組成物にさらなる安定性とヒドロトロープ性を提供する。好適なポリオールは、グリセリン;グリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、またはヘキシレングリコール;ソルビトール;アルキルポリグリコシド;およびこれらの混合物を包含する。ある態様では、ポリオールはプロピレングリコールを包含する。
【0208】
本発明に従うポリオールとしての使用に好適なアルキルポリグリコシドは、式:
(G)x-O-R
[式中、Gは5または6個の炭素原子を含む還元糖、例えばペントースまたはヘキソースから誘導された基であり、Rは6〜20個の炭素原子を含む脂肪族基であり、そしてxはポリグリコシド中の単糖反復単位の数を表す、ポリグリコシドの重合度(DP)である]
を有するものを包含する。好ましくは、xは約0.5〜約10である。ある態様では、Rは10-16個の炭素原子を含み、そしてxは0.5〜3である。
【0209】
ある態様では、ポリオールはポリエーテルの形態をとっていてよい。好適なポリエーテルはポリエチレングリコールである。好適なポリエーテルは、溶媒または共溶媒として下に列挙するものを包含する。
【0210】
ある態様では、本組成物は約2〜約30wt%のポリオール、約2〜約10wt%のポリオール、約5〜約20wt%のポリオール、約5〜約10wt%のポリオール、または約10〜約20wt%のポリオールを含有する。ある態様では、本発明に係る安定化微生物調製物は、約2〜約40wt%のポリオール、約2〜約20wt%のポリオール、約2〜約15wt%のポリオール、約2〜約10wt%のポリオール、約3〜約10wt%のポリオール、約4〜約15wt%のポリオール、または約4〜約8wt%のポリオール、約4wt%のポリオール、約8wt%のポリオール、または約12wt%のポリオールを含有する。本組成物は、約という語で修飾されていないこれらの範囲または量のいずれかを含有できる。
【0211】
溶媒または共溶媒
本発明に係るある種の汚物除去性を増強するため、溶媒または共溶媒を使用することができる。好ましい共溶媒はアルコールならびにアルキレングリコール、ジアルキレングリコール、トリアルキレングリコールなどのモノおよびジアルキルエーテルである。本発明において共溶媒として有用なアルコールには、メタノール、エタノール、プロパノールおよびイソプロパノールがある。エチレングリコールおよびジエチレングリコールのモノおよびジアルキルエーテルが本発明において特に有用であり、これらはポリグリム、セロソルブ、およびカルビトールといった慣用名を持っている。このクラスの共溶媒の代表例は、メチルセロソルブ、ブチルカルビトール、ジブチルカルビトール、ジグリム、トリグリム等を包含する。本発明に係る様々な組成物には非水性液体溶媒を使用できる。これらは高級グリコール、ポリグリコール、ポリオキシドおよびグリコールエーテルを包含する。好適な物質は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル(PM)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPM)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PMA)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(CPMA)、エチレングリコールn-ブチルエーテルおよびエチレングリコールn-プロピルエーテルである。その他の有用な溶媒は、エチレンオキシド/プロピレンオキシド、Dow Chemical社製のSynalox(登録商標)溶媒系(例えばSynalox(登録商標) 50-50B)のような液体ランダムコポリマーである。その他の好適な溶媒は、プロピレングリコールエーテル、例えばPnB、DPnBおよびTPnB(Dow Chemicalが商品名Dowanol(登録商標)の下に販売しているプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル)である。Dow Chemical社製のトリプロピレングリコールモノメチルエーテル”Dowanol TPM(登録商標)”もまた好適である。
【0212】
本発明と共に使用する好適な溶媒は、DPnB、PnB、D-リモネン、n-メチルピロリドン、プロピレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル等を包含する非VOCまたは低VOCを包含する。
【0213】
酸剤
本発明に係る洗浄剤を適当なpHに維持するため、酸剤またはアルカリ剤を使用する。慎重なpH制御が洗浄を向上させ得る。本発明に係る洗浄剤の製造に使用する酸性成分または酸剤は、本発明に係る水性系に溶解してpHを下方に調節することのできる酸を包含する。好ましくは、一般的な市販の無機および有機弱酸が使用できる。有用な無機弱酸には燐酸およびスルファミン酸がある。有用な有機弱酸には、酢酸、ヒドロキシ酢酸、クエン酸、酒石酸などがある。有用であることが判明した酸剤は、有機および無機酸、例えばクエン酸、乳酸、酢酸、グリコール酸、アジピン酸、酒石酸、コハク酸、プロピオン酸、マレイン酸、アルカンスルホン酸、シクロアルカンスルホン酸、および燐酸などまたはこれらの混合物を包含する。
【0214】
さらなるアルカリ性供給源
pH調節に使用できるアルカリ性材料は、弱および強アルカリ性材料の両者を包含する。このような材料は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムといった強塩基、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、セスキ炭酸ナトリウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、燐酸ナトリウム、および燐酸カリウムといったアルカリ金属塩、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミンなどといった有機塩基を包含し、アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属塩が一般的である。
【0215】
さらなるアルカリ性供給源は水酸化カリウムまたは塩基性カリウム塩、例えば炭酸カリウム、重炭酸カリウム、燐酸カリウムなどを包含できる。
【0216】
増粘またはゲル化剤
好適な増粘剤は、接触領域の食品またはその他の感受性ある製品と共存できない成分を含まないものを包含する。加えて、増粘剤は本組成物の胞子の成長を阻害してはならない。一般に本発明で使用できる増粘剤は、天然ゴム、例えばキサンタンガム、グアガム、改質グア、またはその他の植物粘液由来のゴム;改質ゴム;多糖類性増粘剤、例えばアルギン酸塩、澱粉、およびセルロース性ポリマー(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等);ポリアクリル酸塩増粘剤;結合性増粘剤;およびヒドロコロイド増粘剤、例えばペクチンを包含する。一般に、本発明に係る組成物または方法に使用する増粘剤の濃度は、最終組成物の望ましい粘度によって規定される。しかしながら一般的な指針として、本組成物中の増粘剤の粘度は約0.05wt%〜約3wt%、約0.1wt%〜約2wt%、または約0.1wt%〜約0.5wt%の範囲である。
【0217】
色素
本発明組成物は色素をも含有できる。色素は、包装、分注器、および/または該組成物に至るラインにある該組成物の視認性を都合よく提供する。Acid Green 25およびDirect Blue 86を包含する多岐にわたる色素が好適である。
【0218】
使用組成物
本発明に係る組成物および方法は、様々な基質から複雑な有機または油脂性汚物および無機汚物を除去するのに適している。本発明の組成物は、そのまま(即ち、水性希釈剤のような希釈剤なしで)使用でき、または水もしくはその他の液体媒質で希釈して脱脂水溶液を生成させることもできる。さらに、本発明に係るこの脱脂組成物を、基質を洗浄するための他の調合洗浄用組成物と共に添加物として使用することができる。
【0219】
本発明に係る、油脂除去用有機および無機汚物洗浄組成物は、調合洗浄材料のための油脂除去添加剤として使用できる。このような洗浄材料は産業界では一般的であり、硬質表面洗浄剤、クリーニング用洗剤、家庭での使用および施設での適用のための汎用洗浄剤、床洗浄剤、ガラスクリーナー等を包含する。本発明に係る組成物は、約0.1〜約20wt%の本発明組成物を常套的洗浄剤調合物に添加することにより、添加物として使用できる。本発明に係る材料は、水溶液のみで強度に希釈、またはガラスクリーナー、硬質表面洗浄剤、汎用洗浄剤、もしくはクリーニング用洗剤といった調合物に強度に希釈した場合でさえ、濃縮材料と殆ど同程度に有効な、並はずれた油脂除去力を提供できる。
【0220】
本発明に係る組成物は、そのままの濃度で(そのまま、即ち水性希釈剤不在下で)使用できる。本発明組成物は典型的には硬質表面、例えばガラス、金属、混成品、木材などの表面の、有機または油脂性汚物に直接適用する。有機または油脂性汚物と結びついた本組成物は、いかなる汚物/硬質表面の界面結合をも低下させ、複雑な汚物の粘着性を低下させ、汚物の粘度を低下させ、その結果、物理的な除去を比較的容易にする。
【0221】
使用組成物は上に列挙した成分のwt%量のいずれかを希釈量で除したものを含有し、wt%またはppmで表すことができる。特に、硼酸塩および微生物成分または胞子について上に列挙した量は、濃縮組成物のためのものである。例えば、使用組成物は、上に列挙したwt%量のいずれかを個別に10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、または10000で除した量を含有できる。ある態様では、希釈は、使用組成物1ガロンに対して濃縮液2オンスの割合である。
【0222】
発泡
ある態様では、本組成物を希釈剤と混合して、発泡器で使用する使用組成物を生成することができる。発泡適用は、例えばタンク発泡器または吸気壁掛け式発泡器(例えばトリガー吸入器の発泡器ノズルを使用する)のような泡適用器具を使用して達成できる。発泡適用は、使用組成物を15ガロンの泡適用圧力容器、例えば混合プロペラを有する15ガロン容量ステンレススチール圧力容器にこの使用組成物を入れることによって達成できる。次いでこの発泡組成物を、発泡トリガー吸入器を介して分注する。壁掛け式発泡器は、タンクまたはラインから泡を噴出させるために空気を使用できる。ある態様では、圧縮空気をこの混合物中に注入し、次いで泡適用器具、例えばタンク発泡器または吸気壁掛け式発泡器によって対象に適用することができる。
【0223】
泡の発生をさせるため本発明に従って使用できる機械的発泡ヘッドは、空気と発泡組成物の混合を惹起し発泡した組成物を作り出すようなヘッドを包含する。即ち、機械的発泡ヘッドは、混合室で空気と発泡組成物の混合を惹起し、次いで開口部を通過させて泡を作り出す。
【0224】
本発明に従って使用できる好適な機械的発泡ヘッドは、Pompano Beach, FloridaのAirspray Internaional, Inc.、およびCrown Cork and Seal Co.の一部門であるZeller Plastikから入手できるものを包含する。本発明に従って使用できる好適な機械的発泡ヘッドが、例えば米国特許第D-452822号;米国特許第D-452653号;米国特許第D-456260号;および米国特許第6053364号に記載されている。本発明に従って使用できる機械的発泡ヘッドは、発泡組成物と空気の混合を惹起し泡を作り出す引き金に指で圧力を加えることにより始動する、または始動が意図されるようなヘッドを包含する。即ち、人間の指の圧力が引き金を押し下げ、それにより発泡組成物と空気がヘッド内に吸引され、発泡組成物と空気の混合が惹起されて泡を作り出す。
【0225】
本組成物を使用する方法
ある態様では、この洗浄用組成物を、ひどい汚れの沈着に直接適用し、汚物を軟化させ除去を促進させる。いったんこの組成物が汚れの剥離性の亢進を可能にしたならば、この洗浄剤および除去された汚物はすすぎ工程で容易に除去できる。ある態様では、すすぎを省略できる。即ち、本組成物を適用し、その表面をすすがなくてよい。非イオン性界面活性剤、非イオン性シリコーン界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、およびヒドロトロープを含有する本発明に係る組成物は、有機、油性または油脂性汚物の除去のため、硬質表面に直接接触させることができる。基質に応じて、係る組成物はさらにキレート化剤を含有させて、非イオン性界面活性剤および非イオン性シリコーン界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、ヒドロトロープ可溶化剤およびキレート化剤を含有する最終調合物を得ることができる。これらの組成物は実質上非腐蝕性である表面、例えばプラスチック、木材、被覆木材、ステンレススチール、混成材料、織物、セメントおよびその他に使用できる。
【0226】
ある態様では、本発明方法は硬質表面を洗浄する方法を包含する。この方法は、胞子または細菌;硼酸塩;約0.5〜約35wt%の非イオン性界面活性剤;および約0.1〜約35wt%のシリコーン界面活性剤を含有する洗浄用組成物を該表面に適用することを包含できる。この方法は該組成物を床、排水管、またはこれらの組み合わせに適用することを包含できる。
【0227】
ある態様では、本方法は、床の洗浄方法を包含する。このような方法は床の摩擦係数を大きくすることを包含できる。このような方法は、タイル床のグラウトを洗浄する事を包含できる。グラウトの洗浄は、その本来の色をより見せるようにすることを包含できる。この方法は本発明に係る安定化胞子組成物を床に適用することを包含する。ある態様では、この方法はすすぎを含まない(例えば、省略する)。ある態様では、この方法は、濡れた時に滑り易くなる薄膜を床(例えばタイル)から効果的に取り除くことを包含できる。この方法は、床材を洗浄して摩擦係数を大きくすることを包含できる。
【0228】
ある態様では、本発明に係る硬質表面の洗浄方法は、本組成物を浴室表面、例えば壁、床、または付属設備に適用することを包含できる。この浴室表面はシャワー室の壁または表面であってもよい。浴室表面はタイル製の壁であってもよい。垂直表面に使用するための組成物は、増粘剤、湿潤剤、または発泡性界面活性剤を含有できる。垂直表面への該組成物の適用は、この組成物の発泡を包含できる。ある態様では、本組成物は増粘剤または湿潤剤を含有し、これらが組成物を水平または垂直表面に保持することを助ける。
【0229】
ある態様では、本方法は、本組成物を油脂または油のある表面に適用することを包含できる。このような表面は、床、駐車場、ドライブスルーパッド、車庫の床、駐機場の床などを包含する。
【0230】
ある態様では、本方法は表面に本組成物をスプレーまたは霧吹きすることを包含する。
【0231】
ある態様では、本方法は、安定化微生物組成物を表面に適用し、その表面を長期間、例えば1または2時間から約8〜約16時間まで湿潤状態に保つ事を包含する。表面の湿潤状態の保持は、例えば霧吹きによって該組成物を反復適用することによって達成できる。表面の湿潤状態の保持は、該組成物で湿らせたスポンジ、ぼろきれ、またはモップを長時間該表面に接触させることによって達成できる。表面の湿潤状態の保持は、持続性安定化微生物組成物の適用によって達成できる。持続性安定化微生物組成物は該表面にとどまりこの表面を湿潤状態に保つ。例えば、濃厚化した組成物およびある種の発泡した組成物は表面にとどまりその表面を湿潤状態に保つ。本組成物が長時間存在すると、乾燥または蒸発する組成物に比較して、より迅速な洗浄が可能となる。
【0232】
本発明は以下の実施例を参考にしてより良く理解できる。これらの実施例は本発明の特別な態様の代表である事を意図しており、本発明の範囲の限定を意図するものではない。
【実施例】
【0233】
実施例1 - 硼酸塩は微生物調製物を安定化する
本発明に係る組成物が、微生物調製物、特に油脂消化性胞子組成物を安定化する事を証明した。
【0234】
材料および方法
この実験では、細菌胞子を含む様々な洗浄用組成物から導いた好気性生菌数を、該組成物の経時有りまたは無しで評価した。生存胞子を含有する組成物は、平板培養中の成長培地に暗色領域を作り出す、脂肪分解活性を持つ細菌コロニーを生成した。この暗色領域は遊離脂肪酸の産生によるものであった。対照には、水に懸濁した胞子または細菌および常套的細菌性洗浄用組成物を含有させた。
【0235】
試験方法は、”Lipolytic Microorganisms”, Compendium of Methods for the Microbiological Examination of Foods, Third edition, 1992, p.183からの標準プロトコルであった。簡潔に述べると、脂肪分解性寒天平板を作製した。この平板に被検細菌懸濁液を接種し、乾燥させた。この接種表面に栄養寒天を注いだ。平板を室温でインキュベートして細菌を増殖させ、脂肪分解性コロニーの出現について調べた。脂肪分解性コロニーは、周囲の暗青色領域によって確認した。
【0236】
この実施例では以下の組成物を製造し、試験した:
【表6】

【0237】
対照組成物8は、水に2wt%の胞子混合物を含有させた。対照組成物9は、水に2wt%のプロテアーゼを含有させた。対照組成物10は、水に2wt%の胞子混合物および2wt%のプロテアーゼを含有させた。
各組成物を、細菌増殖の試験用に2wt%に希釈した。
【0238】
結果
表1〜3は、上記の組成物、対照調合物、および市販調合物中での胞子混合物の生存性試験の結果を示している。
【0239】
【表7】

【0240】
【表8】

【0241】
【表9】

【0242】
結論
硼酸アミン塩は油脂消化性細菌の胞子およびこの細菌自身を安定化する。硼酸アミン塩と胞子混合物を含有する濃縮液組成物で安定性の増大が観察された。例えば、6日間経時した処方5(硼酸塩無し)の試料は約1対数の細菌活性を喪失した。意外なことに、硼酸アミン塩を含有する処方1の6日間経時試料は完全な細菌活性を維持した。即ち、これは新たに作製した試料と同程度の活性を維持した。
【0243】
洗浄剤(これは硼酸塩を含有していなかった)を含有する市販の胞子混合物中の細菌活性の低下は顕著であった。4ヶ月間経時した試料は約1対数の細菌活性を喪失していた。不明期間経時した試料は約2対数の細菌活性を喪失していた。
【0244】
意外なことに、限られた溶解度の硼酸アミン塩はシリコーン界面活性剤を含む組成物には可溶性であった。
【0245】
実施例2 - ポリオールを含有する硼酸塩組成物は微生物調製物を安定化する
硼酸塩とポリオールの両者を含有する本発明に従う組成物が、微生物調製物、特に油脂消化性胞子組成物を安定化することを証明した。
【0246】
材料および方法
様々な濃度の硼酸塩対イオン(例えばアルカノールアミン)およびポリオール(例えばポリエチレングリコール)を含有させる以外は実施例1に列挙した一般処方に従って組成物を作製した。組成物の作製後、様々な時間に脂肪分解活性を測定することにより、これらの組成物の安定性を決定した。組成物には一般に2wt%胞子混合物を含有させた。各組成物を細菌増殖試験のために2wt%に希釈したが、これは実施例1の記載と同様に実施した。
【0247】
この実施例で以下の組成物を作製し、試験した。
【表10】

【0248】
結果
表4〜8は、組成物11〜20における胞子混合物の生存性試験の結果を示している。
【0249】
【表11】

【0250】
【表12】

【0251】
【表13】

【0252】
【表14】

【0253】
【表15】

【0254】
結論
8週間までの組成物の経時では、細菌増殖の低下は僅かであった。12週間経時後では、細菌増殖に、より著しい低下が観察された。例えば、組成物番号13、14、16、17、18、19および20については、細菌増殖が1対数より大きく、またはこれに等しく低下した。これは、組成物番号11、12、および15が、12週間経時後に最大安定を示したことを意味している。これらの結果は、硼酸塩(例えばアルカノールアミン硼酸塩)が胞子混合物を安定化することを裏付けるものである。
【0255】
興味深いことに、ポリオールを欠く組成物の各々は1対数より大きな低下を示した。これは、ポリオールが胞子混合物の安定化に寄与していることを示している。
【0256】
興味深いことに、本組成物はpH9.5以上、pH10、そしてpH10.5においてさえ胞子混合物を安定化した。例えば、組成物12は、約pH10で16週間まで胞子混合物を安定化した。
【0257】
実施例3 - 硼酸塩組成物は塩基性pHで微生物調製物を安定化する
硼酸塩とポリオールの両者を含有する本発明に従う組成物が、広範囲の塩基性pHで、微生物調製物、特に油脂消化性胞子組成物を安定化することを証明した。
【0258】
材料および方法
様々なpHを採用する以外は実施例1に列挙した一般処方に従って組成物を作製した。組成物の作製後、様々な時間に脂肪分解活性を測定することにより、これらの組成物の安定性を決定した。組成物には一般に2wt%胞子混合物を含有させた。各組成物を細菌増殖試験のために2wt%に希釈したが、これは実施例1の記載と同様に実施した。
【0259】
この実施例で以下の組成物を作製し、試験した。
【表16】

【0260】
結果
表9および10は、組成物21〜25における胞子混合物の生存性試験の結果を示している。
【0261】
【表17】

【0262】
【表18】

【0263】
結論
硼酸塩およびポリオールを含有する本組成物は、少なくとも約14週間経時の間、pH7〜9において胞子混合物に対する有効な安定性を提供した。
【0264】
実施例4 - リパーゼを添加した安定化微生物組成物
硼酸塩、ポリオール、およびリパーゼを含有する本発明に係る組成物を作製し、安定且つ有効な洗浄剤であることを示した(組成物26および27)。これらのリパーゼ含有組成物は、以下の量の成分を含有しており、そしてさらなるリパーゼ含有組成物(28-31)は以下の量の成分を含有することができる:
【0265】
【表19】

【0266】
実施例5 - 安定化微生物組成物は床の滑り抵抗を増大させる
硼酸塩、ポリオール、およびリパーゼを含有する本発明に係る組成物がタイル床の滑り抵抗を著しく増大させるのに有効であることを示した。
【0267】
材料および方法
組成物33を含有する使用希釈液(濃縮液2oz/galまたは1.6%)を、タイル床、具体的にはクォーリータイルの床にすすぎ無しで毎日適用した。5軒のレストランの厨房で、乾燥および湿潤滑り抵抗の測定を6週間にわたって実施した。この6週間には、基線測定の2週間と組成物33の適用後の測定4週間が含まれていた。本組成物で洗浄する前に(例えば、基線の期間およびその前)、この床を常套的な市販の床洗浄用組成物で毎日洗浄した。
【0268】
ASTM F1679-02に従い、English XL Variable Incidence Tribometerを用いて、滑り抵抗を摩擦係数(COF)として測定した。各レストラン厨房で15枚のクォーリータイルを選択した。主要通路および懸念される領域(例えば揚げ鍋のそば)で、タイルを5枚毎に選択した。各レストランにある同じ15枚のタイルを毎週COFについて評価した。各タイルのCOFを、それぞれ90゜離れた4方向に1回ずつ、4回測定した。各タイルは湿潤および乾燥の両方の状態で測定した。各々の状態での60の測定値をレストラン毎に平均し、5軒のレストランについての結果を平均した。
【0269】
結果
図1は、5軒のレストランの各々において、15枚のタイルのCOF(滑り抵抗)として得られた毎週の結果を示している。乾燥タイルのCOFは、4週間の試験期間で平均基線値0.60から0.81へと改善した。湿潤タイルのCOFは、4週間の試験期間で平均基線値0.38から0.56へと改善した。これらの増大はそれぞれ99%を超える信頼レベルで有意である。
【0270】
結論
本発明に係る組成物は、滑り易い表面、例えばレストラン厨房の床の摩擦係数を著しく増大させる。
【0271】
実施例6 - 安定化微生物組成物はグラウトを清浄化する
硼酸塩、ポリオール、およびリパーゼを含有する本発明に係る組成物が、タイル間のグラウトの洗浄に有効であることを示した。
【0272】
材料および方法
実施例5に記載のように、組成物33の使用希釈液(濃縮液2oz/galまたは1.6%)を、タイル床、具体的にはクォーリータイルの床にすすぎ無しで適用した。本組成物の適用の前および後にこのタイルを撮影した。
【0273】
結果
図2Aおよび2Bの写真は、本組成物がレストラン厨房のクォーリータイル床のグラウトを清浄化したことを示している。図2Aは本組成物の適用前の床を示す。図2Bは本組成物の適用後の床を示す。
【0274】
図3は、従来の洗浄用組成物で洗浄した床の部分(左)および組成物33で洗浄した部分を示している。組成物33はグラウトを清浄化したが、従来の組成物は清浄化しなかった。
【0275】
結論
本組成物は常套的組成物より有効にタイルグラウトを清浄化する。
【0276】
実施例7 - 安定化微生物組成物は床を清浄化する
硼酸塩、ポリオール、および胞子を含有する本発明に係る組成物が、床の洗浄に有効であることを示した。
【0277】
材料および方法
組成物34の使用希釈液(濃縮液2oz/galまたは1.6%)を、タイル床、具体的にはクォーリータイルの床にすすぎ無しで適用した。本組成物の適用の前および後にこの床を評価した。
【0278】
【表20】

【0279】
結果
組成物34は床を清浄化した。
【0280】
結論
本組成物は常套的組成物より有効に床を清浄化する。
【0281】
本明細書および付記する請求項で使用する単数形”a”、”an”、および”the”は、文脈が明らかにそれに反する旨を述べていない限り、複数の指示対象を包含するという事に留意すべきである。したがって、例えば「化合物(a compound)」を含む組成物への言及は、2またはそれ以上の化合物の混合物を包含する。”or”という語は一般に、文脈が明らかにそれに反する旨を述べていない限り、”および/または”を包含する意味で使用するという事にも留意すべきである。
【0282】
本明細書中の刊行物および特許出願は全て、本発明の属する分野において通常の知識を有する者のレベルを示している。
【0283】
本発明を様々な具体的且つ好ましい態様および技術を参考に記載してきた。しかしながら、本発明の精神および範囲内にとどまっている限り、多くの変化および修飾を施し得ることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胞子、細菌、または真菌;および、
硼酸アルカノールアミン、
を含む洗浄用組成物。
【請求項2】
pHが8以上である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
さらにポリオールを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリオールがプロピレングリコールを含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
約65wt%までの水をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記硼酸アルカノールアミンが硼酸モノエタノールアンモニウム、硼酸ジエタノールアンモニウム、硼酸トリエタノールアンモニウム、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
約5〜約35wt%の硼酸アルカノールアミンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記胞子または細菌が細菌胞子を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
約0.003〜約35wt%の非イオン性界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記非イオン性界面活性剤が、
少なくとも(EO)y(PO)z[式中、yおよびzは独立に2〜100の間である]を含む非イオン性ブロックコポリマー;
2〜15モルのエチレンオキシドを有するC6-24アルキルフェノールアルコキシラート;
2〜15モルのエチレンオキシドを有するC6-24アルコールアルコキシラート;
2〜20モルのエチレンオキシドを有するアルコキシル化アミン;
またはこれらの混合物、
を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
約0.0005〜約35wt%のシリコーン界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記シリコーン界面活性剤が、シリコーン主鎖と、約2〜100モルのアルキレンオキシドを有する少なくとも1個のペンダントアルキレンオキシド基を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記ペンダントアルキレンオキシド基が(EO)n[式中、nは3〜75である]を含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
約0.003〜約35wt%の陰イオン性界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記陰イオン性界面活性剤が、
直鎖アルキルベンゼンスルホネート;
αオレフィンスルホネート;
アルキルスルフェート;
第二アルカンスルホネート;
スルホスクシネート;または、
これらの混合物、
を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
約0.001〜約20wt%のヒドロトロープをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
約0.1〜約20wt%のヒドロトロープを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記ヒドロトロープが、
6-24アルキルジメチルアミンオキシド;
アルキル化ジフェニルオキシドジスルホネート;または、
これらの混合物、
を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
約0.5〜約35wt%の非イオン性界面活性剤;および、
約0.1〜約35wt%のシリコーン界面活性剤、
をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記非イオン性界面活性剤が、
少なくとも(EO)y(PO)zを含む非イオン性ブロックコポリマー;
2〜15モルのエチレンオキシドを有するC6-24アルキルフェノールアルコキシラート;
2〜15モルのエチレンオキシドを有するC6-24アルコールアルコキシラート;
2〜20モルのエチレンオキシドを有するアルコキシル化アミン;または、
これらの混合物、
を含み;
前記シリコーン界面活性剤が、シリコーン主鎖と、約2〜100モルのアルキレンオキシドを有する少なくとも1個のペンダントアルキレンオキシド基を含み;そして、
前記非イオン性シリコーン界面活性剤に対する前記非イオン性界面活性剤の質量比が、シリコーン界面活性剤1部に対し非イオン性界面活性剤約0.1〜約10質量部である、
請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
約0.5〜約35wt%の非イオン性界面活性剤;
約0.1〜約35wt%のシリコーン界面活性剤;
約0.5〜約35wt%の陰イオン性界面活性剤;および、
約0.1〜約20wt%のヒドロトロープ、
をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記非イオン性界面活性剤が、
少なくとも(EO)y(PO)zを含む非イオン性ブロックコポリマー;
2〜15モルのエチレンオキシドを有するC6-24アルキルフェノールアルコキシラート;
2〜15モルのエチレンオキシドを有するC6-24アルコールアルコキシラート;
2〜20モルのエチレンオキシドを有するアルコキシル化アミン;または、
これらの混合物、
を含み;
前記シリコーン界面活性剤が、シリコーン主鎖と、約2〜100モルのアルキレンオキシドを有する少なくとも1個のペンダントアルキレンオキシド基を含み;
前記非イオン性シリコーン界面活性剤に対する前記非イオン性界面活性剤の質量比が、シリコーン界面活性剤1部に対し非イオン性界面活性剤約3〜7質量部であり;
前記陰イオン性界面活性剤が、アルカノールアンモニウムアルキルベンゼンスルホネートを含み;そして、
前記ヒドロトロープが、
6-24アルキルジメチルアミンオキシド;
アルキル化ジフェニルオキシドジスルホネート;または、
これらの混合物、
を含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
有効量の1種以上の溶媒;
有効量の1種以上の酵素;
有効量の1種以上の抗菌剤;
有効量の1種以上のキレート化剤;または、
これらの混合物、
をさらに含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項24】
洗浄性酵素をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
前記洗浄性酵素が、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ、グルコナーゼ、またはこれらの混合物を含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
胞子または細菌;および、
硼酸塩;
を含み、ナトリウムイオンを実質上含まない、洗浄用組成物。
【請求項27】
pHが8以上である、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
ポリオールをさらに含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項29】
前記ポリオールがプロピレングリコールを含む、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
約65wt%までの水をさらに含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項31】
前記硼酸塩が、アルカリ金属硼酸塩、アルカノールアミン硼酸塩、またはこれらの組み合わせを含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項32】
前記硼酸塩が、モノエタノールアンモニウム硼酸塩、ジエタノールアンモニウム硼酸塩、トリエタノールアンモニウム硼酸塩、またはこれらの組み合わせを含む、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記硼酸塩が硼酸カリウムを含む、請求項31に記載の組成物。
【請求項34】
前記硼酸カリウムが水酸化カリウムと硼酸の組み合わせを含む、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
約5〜約35wt%の硼酸塩を含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項36】
前記胞子または細菌が細菌胞子を含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項37】
約0.5〜約35wt%の非イオン性界面活性剤;および、
約0.1〜約35wt%のシリコーン界面活性剤、
をさらに含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項38】
前記非イオン性界面活性剤が、
少なくとも(EO)y(PO)zを含む非イオン性ブロックコポリマー;
2〜15モルのエチレンオキシドを有するC6-24アルキルフェノールアルコキシラート;
2〜15モルのエチレンオキシドを有するC6-24アルコールアルコキシラート;
2〜20モルのエチレンオキシドを有するアルコキシル化アミン;または、
これらの混合物、
を含み;
前記シリコーン界面活性剤が、シリコーン主鎖と、約2〜100モルのアルキレンオキシドを有する少なくとも1個のペンダントアルキレンオキシド基を含み;そして、
前記非イオン性シリコーン界面活性剤に対する前記非イオン性界面活性剤の質量比が、シリコーン界面活性剤1部に対し非イオン性界面活性剤約0.1〜約10質量部である、
請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
約0.5〜約35wt%の非イオン性界面活性剤;
約0.1〜約35wt%のシリコーン界面活性剤;
約0.5〜約35wt%の陰イオン性界面活性剤;および、
約0.1〜約20wt%のヒドロトロープ、
をさらに含む請求項26に記載の組成物。
【請求項40】
前記非イオン性界面活性剤が、
少なくとも(EO)y(PO)zを含む非イオン性ブロックコポリマー;
2〜15モルのエチレンオキシドを有するC6-24アルキルフェノールアルコキシラート;
2〜15モルのエチレンオキシドを有するC6-24アルコールアルコキシラート;
2〜20モルのエチレンオキシドを有するアルコキシル化アミン;または、
これらの混合物、
を含み;
前記シリコーン界面活性剤が、シリコーン主鎖バックボーンと、約2〜100モルのアルキレンオキシドを有する少なくとも1個のペンダントアルキレンオキシド基を含み;
前記非イオン性シリコーン界面活性剤に対する前記非イオン性界面活性剤の質量比が、シリコーン界面活性剤1部に対し非イオン性界面活性剤約3〜7質量部であり;
前記陰イオン性界面活性剤が、アルカノールアンモニウムアルキルベンゼンスルホネートを含み;そして、
前記ヒドロトロープが、
6-24アルキルジメチルアミンオキシド;
アルキル化ジフェニルオキシドジスルホネート;または、
これらの混合物、
を含む、請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
洗浄性酵素をさらに含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項42】
胞子または細菌;
硼酸塩;
約0.5〜約35wt%の非イオン性界面活性剤;および、
約0.1〜約35wt%のシリコーン界面活性剤、
を含む洗浄用組成物を表面に適用することを含む、硬質表面を洗浄する方法。
【請求項43】
前記組成物を床、排水管、またはこれらの組み合わせに適用することを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
胞子または細菌;および、
硼酸塩、
を含む洗浄用組成物。
【請求項45】
胞子または細菌;
硼酸塩;
約0.5〜約35wt%の非イオン性界面活性剤;および、
約0.1〜約35wt%のシリコーン界面活性剤、
を含む洗浄用組成物を表面に適用することを含む、硬質表面の摩擦係数を増大させる方法。
【請求項46】
前記組成物を床、排水管、またはこれらの組み合わせに適用することを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
胞子または細菌;
硼酸塩;
約0.5〜約35wt%の非イオン性界面活性剤;および、
約0.1〜約35wt%のシリコーン界面活性剤、
を含む洗浄用組成物をグラウトに適用することを含む、グラウトを洗浄する方法。
【請求項48】
前記組成物をタイルを張った表面に適用することを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記組成物をタイルを張った床に適用することを含む、請求項48に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−7049(P2013−7049A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−195696(P2012−195696)
【出願日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【分割の表示】特願2006−536695(P2006−536695)の分割
【原出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】