説明

胴縁固定具及びその施工方法

【課題】本発明は、作業性を向上させるようにした胴縁固定具及びその施工方法を提供する。
【解決手段】胴縁固定具は、内周面6bに先端側から雌ねじ部6cが形成された底有の筒部6aにフランジ部6dが設けられたブラケット6と、ブラケット6の筒部6aの底部に形成された貫通孔6f内に筒部6aの先端側から挿入されて、コンクリート躯体2にねじ込まれるビス7と、ブラケット6の筒部6aの雌ねじ部6cに螺着されるボルト8と、ボルト8が貫通し且つ螺合する雌ねじ孔9aが形成され、胴縁11が固定されるプレート9と、を備えた構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート躯体(例えば鉄筋コンクリート壁)に装着された断熱材と外装材との間に通気性を確保するために利用される胴縁固定具及びその施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、特開2004−251031号公報がある。この公報に記載された胴縁固定具は、コンクリート躯体に固定されるアンカーボルトと、アンカーボルトの雄ねじ部に螺着されるブラケットと、ブラケットの雄ねじ部が貫通すると共に、ブラケットの雄ねじ部に螺着される座金押えナットによって断熱材に押し当てられる断熱材押え座金と、断熱材押え座金の装着後において、ブラケットの雄ねじ部に螺着される胴縁受け金具と、を備えている。そして、胴縁受け金具にハット型の胴縁がビスにより固定され、この胴縁にタイルなどの外装材を固定することができる。このような胴縁固定具を利用することで、断熱材と外装材との間に通気層を確保することができ、壁体内の湿気や外部から侵入する雨水などが通気層を通して排出され、これによって、快適性を維持しながら外装材やコンクリート躯体の耐久性の向上をも図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−251031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来の胴縁固定具には、ブラケットを保持するためにアンカーボルトが利用されているので、このアンカーボルトが、コンクリート躯体に対して垂直になるように水平方向に打ち込まれずに、斜めに打ち込まれると、ブラケットが傾いて固定されることになる。これによって、ブラケットのフランジ部がコンクリート躯体の表面に確実に当接されない事態が発生する虞がある。このような事態を回避させるためには、アンカーボルト用の下穴をコンクリート躯体にドリル加工する際に、ドリルビットが傾くことなく出来るだけ水平になっていることが肝要である。そして、傾いた下穴にアンカーボルトが装着されてしまった場合、アンカーボルトの水平出しをするために、ボルトの雄ねじ部をハンマーで叩くと、雄ねじ部が潰れてしまうので、別の場所に下穴をドリル加工して、アンカーボルトの打ち直し作業をしなければならない。このように、アンカーボルトを利用すると、胴縁固定具の組立精度が、コンクリート躯体に形成された下穴の影響を多大に受けることになるので、下穴を精度良くドリル加工しなければならず、そのことは、熟練した作業が要求され、作業効率が良いとは言えなかった。
【0005】
本発明は、作業性を向上させるようにした胴縁固定具及びその施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、コンクリート躯体に装着された断熱材と、胴縁によって支持された外装材との間で通気性を確保するために、胴縁をコンクリート躯体に固定するための胴縁固定具において、
内周面に先端側から雌ねじ部が形成された底有の筒部にフランジ部が設けられたブラケットと、
ブラケットの筒部の底部に形成された貫通孔内に筒部の先端側から挿入されて、コンクリート躯体にねじ込まれるビスと、
ブラケットの筒部の雌ねじ部に螺着されるボルトと、
ボルトが貫通し且つ螺合する雌ねじ孔が形成され、胴縁が固定されるプレートと、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この胴縁固定具においては、ブラケットにフランジ部が設けられているので、コンクリート躯体の表面にフランジ部を当接させることで、ブラケットの着座安定性を確保することができる。また、このブラケットの筒部にボルトが螺着されるので、断熱材の厚さに応じてボルトの長さを設計変更するだけで、様々な厚みの断熱材に容易に適応させることができる。さらに、本発明に係る胴縁固定具では、ビスによってブラケットをコンクリート躯体に固定させる。ビスの採用によって、コスト低減を図ることは言うに及ばず、作業性が極めて良くなる。すなわち、ビスが水平に精度良くコンクリート躯体にねじ込まれなくとも、ビスの頭部でブラケットをコンクリート躯体に押さえ付けることができるので、ブラケットをコンクリート躯体に確実に固定させることができると同時に、従来の胴縁固定具に利用されていたアンカーボルトでは、水平出しやアンカー部の拡開作業を必要とし、このことが作業性を悪くしていたが、本願発明では、このような作業性の悪さが解消されている。また、ビスは、アンカーボルトに比べて軽量であり、作業負担も解消されている。
【0008】
また、筒部の内周面には、筒部の底面から雌ねじ部の終端までの間にネジ無し部が形成され、このネジ無し部の高さは、少なくともビスの頭部の高さ以上であると好適である。
このような構成を採用すると、ボルトの雄ねじ部をネジ無し部にねじ込むことで、ボルトの緩み止めを達成させることができる。ボルトのねじ込み量は、外から把握し難いので、このようなネジ無し部は、ボルトのねじ込みの目安にすることができる。また、ボルトの雄ねじ部をネジ無し部にねじ込んだときに、ビスの頭部にボルトの先端が当たらないように、ネジ無し部の高さを設定すると、ビスが水平に精度良くコンクリート躯体にねじ込まれなくとも、ボルトの締め込みの際に、ボルトの端部によってビスの頭部に無理な負荷が加わることがなく、ビスの頭部の潰れや捻れを防止して、ビスの耐久性を高めることができる。
【0009】
また、筒部内には、筒部の底面に当接するリング状のパッキンが挿入され、このパッキンの高さは、少なくともビスの頭部の高さ以上であると好適である。
このような構成を採用すると、ボルトの先端をパッキンに圧着させることで、ボルトの緩み止めを達成させることができる。ボルトのねじ込み量は、外から把握し難いので、このようなパッキンは、ボルトのねじ込みの目安にすることができる。また、パッキンの高さを変更するだけで、ビスの頭部にボルトの先端が当たらないように容易に設計変更することができる。そして、ビスの頭部にボルトの先端が当たらないようにすると、ビスが水平に精度良くコンクリート躯体にねじ込まれなくとも、ボルトの締め込みの際に、ビスの頭部に無理な負荷が加わることがなく、ビスの頭部の潰れや捻れを防止して、ビスの耐久性を高めることができる。さらに、パッキンの採用は、ボルトの雄ねじ部とブラケットの雌ねじ部との間の隙間をシールする機能も有し、ブラケットの筒部内に水が侵入して、ビスを腐食させたり、ビスを伝ってコンクリート躯体内に水が浸透することも防止できる。
【0010】
また、ブラケットには、筒部とフランジ部とを連結するリブが形成されていると好適である。
このような構成を採用すると、ブラケットのリブを断熱材にめり込ませることができるので、ブラケットに断熱材をしっかりと固定させることができる。
【0011】
本発明は、請求項1記載の胴縁固定具の施工方法において、
ブラケットのフランジ部をコンクリート躯体の表面に当接させた状態で、筒部の先端側からブラケットの貫通孔内にビスを差し込んで、ビスをコンクリート躯体にねじ込む工程と、
筒部の雌ねじ部にボルトを螺着させる工程と、
ボルトの雄ねじ部にプレートの雌ねじ孔を螺着させる工程と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
この胴縁固定具の施工方法においては、ブラケットのフランジ部をコンクリート躯体の表面に当接させた状態で、筒部の先端側からブラケットの貫通孔内にビスを差し込んで、ビスをコンクリート躯体にねじ込む。これによって、ブラケットがコンクリート躯体に固定される。その後、ブラケットの筒部の雌ねじ部にボルトを螺着させる。これによって、コンクリート躯体の表面に対してボルトが立設される。その後、ボルト及びブラケットの筒部で断熱材を突き通すようにして断熱材をコンクリート躯体に押し当てる。その後、ボルトの雄ねじ部にプレートの雌ねじ孔を螺着させる。このとき、プレートを回転させながら、ボルトにプレートを螺着させるが、コンクリート躯体の不陸や胴縁の高さ寸法などを考慮して、プレートのねじ込み量が決定される。そして、プレートには、胴縁がねじ又はビスで固定される。このねじ止めの際、胴縁とプレートとを正確に当接させるために、プレートを回転させながら、プレートの位置を再調整しても良い。また、胴縁には、タイル材などからなる外装材がボルト等で固定される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る胴縁固定具の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示された胴縁固定具の断面図である。
【図3】胴縁固定具に適用されるブラケットを示す斜視図である。
【図4】(a)はブラケットの平面図、(b)はブラケットの断面図である。
【図5】本発明に係る胴縁固定具の施工方法を示す断面図である。
【図6】本発明に係る胴縁固定具の施工方法を示す断面図である。
【図7】パッキンが装着されたブラケットを示す断面図である。
【図8】他のブラケットを示す斜視図である。
【図9】さらに他のブラケットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る胴縁固定具及びその施工方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0016】
図1及び図2に示すように、胴縁固定具1は、建物のコンクリート躯体(例えばRC躯体)2に装着された耐火性の発泡プラスチック系断熱材(例えばフェノールフォームやウレタンフォームなど)3と外装材(例えばタイルやスパンドレルなど)4との間に通気性を確保するために利用される。このような胴縁固定具1を利用することで、断熱材3と外装材4との間に通気層Sを確保することができ、コンクリート躯体2や断熱材3内の湿気や外装材4から侵入する雨水などが通気層Sを通して排出される。これによって、快適性を維持しながらコンクリート躯体2、断熱材3及び外装材4の耐久性の向上をも図っている。
【0017】
この胴縁固定具1は、内周面6bに先端側から雌ねじ部6cが形成された底有の筒部6aにフランジ部6dが設けられたブラケット6と、ブラケット6の筒部6aの底部6eに形成された貫通孔6f内に筒部6aの先端側から挿入されて、コンクリート躯体2にねじ込まれるコンクリートビス7と、ブラケット6の筒部6aの雌ねじ部6cに螺着されるボルト8と、ボルト8が貫通し且つ螺合する雌ねじ孔9aが形成され、胴縁11が固定されるプレート9と、断熱材3をコンクリート躯体2に圧着させるための樹脂ディスク10と、を備えている。
【0018】
ブラケット6に固定されるボルト8の端部には、電動トルクレンチによるボルト締めを可能にする六角ナット部8aが設けられている。円板状の樹脂ディスク10には、このボルト8が貫通する貫通孔10aが設けられると共に、軽量化のために放射状に抜き穴10bが形成されている。この貫通孔10aは、ボルト8の直径より僅かに小さく形成され、これによって、樹脂ディスク10がボルト8から抜け難くなっている。
【0019】
また、金属板からなる正方形状のプレート9の中央に雌ねじ孔9aが形成されている。胴縁11の断面コ字状の本体部11bには、フランジ部11aが設けられ、金属製の胴縁11は、ハット形状になっている。このフランジ部11aには、ドリルねじ13が貫通する貫通孔11bが形成されている。このドリルねじ13は、プレート9をねじ切りしながらプレート9に胴縁11を固定する。
【0020】
図3及び図4に示すように、金属製のブラケット6は、内側に雌ねじ部6cが形成された円筒状の筒部6aを有し、この筒部6aの基端には円板状のフランジ部6dが設けられている。そして、筒部6aの底部6eの中央には、コンクリートビス7が挿入される貫通孔6fが形成され、この貫通孔6fによって、コンクリートビス7用の下穴13(図5参照)を容易にドリル加工することができる。
【0021】
更に、筒部6aの内周面6bには、筒部6aの底面6gから雌ねじ部6cの終端までの間にネジ無し部6Aが形成され、このネジ無し部6Aの高さHは、コンクリートビス7の頭部7aの高さB以上である。
【0022】
このような構成を採用すると、ボルト8の雄ねじ部8bをネジ無し部6Aにねじ込むことで、ボルト8の緩み止めを達成させることができる。ボルト8のねじ込み量は、外から把握し難いので、このようなネジ無し部6Aは、ボルト8のねじ込みの目安にすることができる。
【0023】
また、ボルト8の雄ねじ部8bをネジ無し部6Aにねじ込んだときに、コンクリートビス7の頭部7aにボルト8の先端8c(図4(b)の一点鎖線参照)が当たらないように、ネジ無し部6Aの高さHを設定すると、ボルト8の締め込みの際に、ボルト8によってコンクリートビス7の頭部7aに無理な負荷が加わることがなく、コンクリートビス7の頭部7aの潰れや捻れを防止して、コンクリートビス7の耐久性を高めることができる。
【0024】
前述した胴縁固定具1においては、ブラケット6にフランジ部6dが設けられているので、コンクリート躯体2の表面にフランジ部6dを当接させることで、ブラケット6の着座安定性を確保することができる。また、このブラケット6の筒部6aにボルト8が螺着されるので、断熱材3の厚さに応じてボルト8の長さを設計変更するだけで、様々な厚みの断熱材3に容易に適応させることができる。
【0025】
さらに、ブラケット6をコンクリート躯体2に固定するためにコンクリートビス7を採用することによって、コスト低減を図ることは言うに及ばず、作業性が極めて良くなる。すなわち、コンクリートビス7が水平にならずに傾いて、コンクリート躯体2にねじ込まれても、コンクリートビス7の頭部7aでブラケット6をコンクリート躯体2に強く押し付けることができるので、ブラケット6をコンクリート躯体2に容易且つ確実に固定させることができる。そして、従来の胴縁固定具に利用されていたアンカーボルトでは、水平出しやアンカー部の拡開作業を必要とし、このことが作業性を悪くしていたが、本発明の胴縁固定具1では、このような作業性の悪さが解消されている。また、コンクリートビス7は、アンカーボルトに比べて軽量であり、作業負担も解消されている。
【0026】
次に、胴縁固定具1の施工方法について説明する。
【0027】
図5(a)に示すように、コンクリート躯体2の所定位置に電動ドリルによって略水平に下穴13を形成する。その後、図5(b)に示すように、ブラケット6のフランジ部6dをコンクリート躯体2の表面に当接させた状態で、筒部6aの先端側からブラケット6の貫通孔6f内にコンクリートビス7を差し込んで、コンクリートビス7をコンクリート躯体2の下穴13にねじ込む。これによって、ブラケット6がコンクリート躯体2に固定される。
【0028】
その後、図5(c)に示すように、ブラケット6の筒部6aの雌ねじ部6cにボルト8の雄ねじ部8bを螺着させる。これによって、コンクリート躯体2の表面に対してボルト8が立設される。この状態で、図6(d)に示すように、ボルト8及びブラケット6の筒部6aで断熱材3を突き通すようにして、断熱材3をコンクリート躯体2に押し当てる。断熱材3は、発泡プラスチック系であるから、ボルト8によって容易に突き破ることができる。
【0029】
その後、図6(e)に示すように、円板状の樹脂ディスク10の貫通孔10a内にボルト8を差し込むようにして、樹脂ディスク10を断熱材3の表面に強く押し当てる。これによって、コンクリート躯体2に断熱材3をしっかりと圧着させることができる。
【0030】
その後、ボルト8の雄ねじ部8bにプレート9の雌ねじ孔9aを螺着させる。このとき、プレート9を回転させながら、ボルト8にプレート9を螺着させるが、コンクリート躯体2の不陸や胴縁11の高さ寸法などを考慮して、プレート9のねじ込み量が決定される。
【0031】
その後、図6(e)に示すように、胴縁11のフランジ部11aの貫通孔11bに挿入されたドリルねじ13がプレート9をねじ切りしながらプレート9に螺合され、プレート9に胴縁11のフランジ部11aがドリルねじ13で固定される。このねじ止めの際、胴縁11とプレート9とを的確に当接させるために、プレート9を回転させながら、プレート9の位置を再調整しても良い。そして、胴縁11の本体部11bに外装材4をボルト等で固定する。
【0032】
本発明は、前述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。例えば、筒部6a内には、筒部6aの底面6gに当接するリング状のパッキン30が挿入され、樹脂又はゴムからなるパッキン30の高さは、少なくともコンクリートビス7の頭部7aの高さB以上である。
【0033】
このようなパッキン30にボルト8の先端8cを圧着させることで、ボルト8の緩み止めを達成させることができる。ボルト8のねじ込み量は、外から把握し難いので、このようなパッキン30は、ボルト8のねじ込みの目安にすることができる。また、パッキン30の高さを変更するだけで、コンクリートビス7の頭部7aにボルト8の先端が当たらないように容易に設計変更することができる。そして、パッキン30の採用は、ボルト8の雄ねじ部8bとブラケット6の雌ねじ部6cとの間の隙間をシールする機能も有し、ブラケット6の筒部6a内に水が侵入して、コンクリートビス7を腐食させたり、コンクリートビス7を伝ってコンクリート躯体2内に水が浸透することも防止できる。これにより、耐久性を高めることができる。
【0034】
図8に示すように、他のブラケット40には、筒部6aとフランジ部6dとを連結するリブ41が4本形成されている。このリブ41は、直角三角形状をなし、フランジ6d上に90度毎で等間隔に配置されている。リブ41の頂点が筒部6aの先端とフランジ部6dの外周とに位置することで、ブラケット40のリブ41が断熱材3に切り込むように、リブ41を断熱材3に容易にめり込ませることができ、これによって、ブラケット40に断熱材3をしっかりと固定させることができる。
【0035】
図9に示すように、さらに他のブラケット50として、筒部6aの雌ねじ部6cの途中に突起部51を設けることで、ボルト8の緩み止めを達成させることができる。
【符号の説明】
【0036】
1…胴縁固定具 2…コンクリート躯体 3…断熱材 4…外装材 6,40,50…ブラケット 6A…ネジ無し部 6a…筒部 6b…内周面 6c…雌ねじ部 6d…フランジ部 6e…底部 6f…貫通孔 6g…底面 7…コンクリートビス(ビス) 7a…ビスの頭部 8…ボルト 8b…雄ねじ部 9…プレート 9a…雌ねじ孔 11…胴縁 30…パッキン 40…ブラケット 41…リブ 50…ブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート躯体に装着された断熱材と、胴縁によって支持された外装材との間で通気性を確保するために、前記胴縁を前記コンクリート躯体に固定するための胴縁固定具において、
内周面に先端側から雌ねじ部が形成された底有の筒部にフランジ部が設けられたブラケットと、
前記ブラケットの前記筒部の底部に形成された貫通孔内に前記筒部の先端側から挿入されて、前記コンクリート躯体にねじ込まれるビスと、
前記ブラケットの前記筒部の前記雌ねじ部に螺着されるボルトと、
前記ボルトが貫通し且つ螺合する雌ねじ孔が形成され、前記胴縁が固定されるプレートと、を備えたことを特徴とする胴縁固定具。
【請求項2】
前記筒部の前記内周面には、前記筒部の底面から前記雌ねじ部の終端までの間にネジ無し部が形成され、このネジ無し部の高さは、少なくとも前記ビスの頭部の高さ以上であることを特徴とする請求項1記載の胴縁固定具。
【請求項3】
前記筒部内には、前記筒部の底面に当接するリング状のパッキンが挿入され、このパッキンの高さは、少なくとも前記ビスの頭部の高さ以上であることを特徴とする請求項1記載の胴縁固定具。
【請求項4】
ブラケットには、前記筒部と前記フランジ部とを連結するリブが形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の胴縁固定具。
【請求項5】
請求項1記載の胴縁固定具の施工方法において、
前記ブラケットの前記フランジ部を前記コンクリート躯体の表面に当接させた状態で、前記筒部の先端側から前記ブラケットの前記貫通孔内にビスを差し込んで、前記ビスを前記コンクリート躯体にねじ込む工程と、
前記筒部の前記雌ねじ部に前記ボルトを螺着させる工程と、
前記ボルトの雄ねじ部に前記プレートの前記雌ねじ孔を螺着させる工程と、を備えたことを特徴とする胴縁固定具の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−132777(P2011−132777A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294953(P2009−294953)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(390018717)旭化成建材株式会社 (249)
【Fターム(参考)】