説明

胸膜滲出の治療装置,治療方法及び材料

【課題】
【解決手段】本発明は、接着材料を患者の胸膜空間に経皮的に送り出すステップを備える胸膜滲出の患者を治療する方法を開示する。本発明の方法の任意の実施の形態を実行するのに適した接着材料は、ヒドロゲル、コラーゲン、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコリド)、シアノアクリレート、グルタルアルデヒド、PEG、タンパク質、多糖類及びそれらの誘導体から成る群から選ぶことができる。本発明は、胸膜空間を画成する胸膜に接着し得るようにされた接着材料と、接着材料を胸膜空間に送り出し得るようにされた胸膜空間のアクセス部材とを備える胸膜滲出の治療装置も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、胸膜滲出の治療時に使用される方法、装置及び材料に関する。
【背景技術】
【0002】
胸腔内にて臓側胸膜の層は、肺の表面を覆い、壁側胸膜の層は、肋骨及び横隔膜の内部を含んで、胸腔の内面を裏当てする。これらの平滑な薄膜は、通常、呼吸と共に肺が膨張し且つ収縮するとき、肺の表面とその周囲物との間の摩擦を減少させるのを助ける少量の透明な血漿状の胸膜液を保持している。臓側胸膜と壁側胸膜との間の異常な量の流体の蓄積分は胸膜滲出と称される。例えば、肺癌患者は、胸膜空間内に侵入する透明な流体を生じさせる複数の壁側又は臓側の病変部を有することがある。
【0003】
胸膜滲出の病因は、様々であり、特に、うっ血性心不全、肺炎、及び肺の悪性腫瘍を含む。胸膜滲出の患者は、呼吸困難、最小程度から軽度な胸部の痛み、打診上の濁音界及び胸膜摩擦音及び(又は)縦隔移動の可能性を呈することがしばしばである。滲出の存在は、全体として、胸部X線写真又はCTにて確認することができる。胸膜滲出流体の量が肺を圧縮し、これにより肺の膨張を制限する傾向のため、罹患及び死亡の可能性が顕著である。
【0004】
胸膜滲出が再発し又は進行性の肺の悪性腫瘍により引き起こされるならば、一般に胸膜癒着術が必要とされる。胸膜癒着術は、胸膜流体を排出し且つ硬化剤を2つの胸膜の間に導入し、瘢痕反応を引き起こし、この瘢痕反応は、2つの層を互いに効果的に融合させるステップを含む治療方法である。その目的は、胸膜空間を閉塞し且つ胸膜液が再度、胸膜空間に入るのを防止することである。例えば、胸膜滲出に対する幾つかの先行の治療法を記載する米国特許明細書5,484,401号を参照。現在の治療法は、例えば、流体を排出するための外科的介入法、胸膜空間内へのタルクの分配、真空圧による吸引、及び次に、病院内での患者の監視を含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
化学的胸膜癒着術を実行するため、放射線アイソトープ、テトラサイクリン、化学的療法剤及びタルクを含む多岐に亙る薬剤が現在、使用されている。胸膜癒着術が成功するためには、2つのことが必要である。すなわち(1)硬化剤を胸膜表面を渡って均一に分配しなければならないこと、(2)術後、肺は、依然として、効果的に膨張し得なければならないことである。
【0006】
胸膜滲出の治療は、胸部チューブを胸壁を通して胸膜空間内に導入し、その後、流体を排出することを含む。次に、胸部チューブを締結して、肺が部分的に萎むのを許容する。硬化剤を保持する注射器を胸部チューブに取り付け、薬剤を胸膜空間内中に吹き込む。胸部チューブの締結を外し、肺が完全に拡張し且つ、薬剤を胸膜空間内に更に吸引するのを許容する。患者は、次の数時間、ベッドにて回転させ、薬剤の均一の分配を助け得るようにする。胸膜空間から除去される流体の量が1日当たり100cm以下となったとき、胸部チューブを除去する。この胸膜癒着術は、ベッドサイドにて行うことができる。
【0007】
硬化剤は、胸膜に刺激を与え、最終的に、胸膜が炎症を引き起こし且つ瘢痕が生じるようにし、このことは、層を互いに融合させることになる。タルクは、最も一般的に使用されている硬化剤であり、90%の成功率が報告されている。タルクは、高い成功率を実証しているものの、この術と関係した合併症があり、その殆どは、硬化剤及びその作用の性質によって引き起こされている。患者は、一般に、薬剤を分配する間、極めて刺激性で且つ炎症性である痛みを経験し、このため、術の前に、通常、麻酔剤が投与される。また、多分、この術に起因するであろう胸膜炎のため、一般的に、タルク胸膜癒着術を受ける患者の30%以上に発熱が見られる。発熱は、一般に、約48時間、継続する。
【0008】
殆どの硬化剤、特にタルクは、流れないため、そのタルクを均一に分配することは難しい。タルクは、食塩水と良好に混合せず、また、塊状となる傾向がある。胸膜癒着術が部分的にのみ成功であるとき、部分的に捕捉された肺に起因して肺の不完全な膨張が生じる可能性がある。
【0009】
更に、胸膜癒着術は、数日間に渡って実施される。瘢痕作用の完全な硬化が生じるのを待つ間、患者は、部分的に又は完全に呼吸不全となる危険性がある。このため、この期間の間、入院及び正確なモニタリングが必要とされる。
【0010】
このため、部分的又は完全な呼吸不全の危険性を減少させる硬化剤を分配する装置が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、胸膜滲出を治療する方法、材料及び装置を提供するものである。その他の方法及び組成物は、次の米国特許明細書にも記載されている。すなわち、2005年7月8日付けで出願された、「密封機能を有する肺装置(Lung Device with Sealing Features)」という名称の米国特許出願明細書11/ (代理人事件番号30689−707.201);2005年6月14日付けで出願された、「気管支内肺容量減少システム(Intra−Bronchial Lung Volume Reduction System)」という名称の米国特許出願明細書11/153,235号;2004年12月8日付けで出願された、「組成物を使用して損傷した肺組織にターゲットする方法(Targeting Damaged Lung Tissue Using Compositions)」という名称の米国特許出願明細書11/008,577号;2004年12月8日付けで出願された、「損傷した肺組織にターゲットする方法(Targeting Damaged Lung Tissue)」という名称の米国特許出願明細書11/008,092号;2004年12月8日付けで出願された、「組成物を使用して損傷した肺組織にターゲットする箇所(Targeting Sites of Damaged Lung Tissue Using Composition)」という名称の米国特許出願明細書11/008,094号;2004年12月8日付けで出願された、「損傷した肺組織にターゲットする箇所(Targeting Sites of Damaged Lung Tissue)」という名称の米国特許出願明細書11/008,578号;2004年12月8日付けで出願された、「組成物を使用して損傷した肺組織を映像化する方法(Imaging Damaged Lung Tissue Using Compositions)」という名称の米国特許出願明細書11/008,649号;2004年12月8日付けで出願された、「損傷した肺組織を映像化する方法(Imaging Damaged Lung Tissue)」という名称の米国特許出願明細書11/008,777号;2004年12月8日付けで出願された、「糊組成物を使用する肺容量減少法(Lung Volume Reduction Using Glue Compositions)」という名称の米国特許出願明細書11/008,093号;2004年12月8日付けで出願された、「肺容量減少用の糊組成物(Glue Composition for Lung Volume Reduction)」という名称の米国特許出願明細書11/008,087号;2004年12月8日付けで出願された、「肺容量減少用の糊組成物(Glue Composition for Lung Volume Reduction)」という名称の米国特許出願明細書11/008,580号;及び2004年12月8日付けで出願された、「糊組成物を使用する肺容量減少法(Lung Volume Reduction Using Glue Composition)」という名称の米国特許出願明細書11/008,782号である。
【0012】
本発明の1つの形態は、接着材料を患者の胸膜空間内に経皮的に送り出すステップを備える、胸膜滲出の患者を治療する方法を提供する。この送り出しステップは、また、接着材料を送り出し装置から胸膜空間内に放出するステップを備えることができ、また、放出するステップの前に、接着材料の成分を送り出し装置内にて混合するステップを更に備えている。幾つかの実施の形態において、本発明の方法を実施する間、送り出し装置は、送り出し形態から作用可能な形態に変換する。この方法の更なる実施の形態は、胸膜空間のアクセス部材を患者の体内に経皮的に挿入するステップを更に含むことができる。本発明の1つの実施の形態を実施するとき、接着材料を胸膜空間内に送り出す前に、吸引力を胸膜空間に加えることができる。吸引力を加えるとき、その吸引力は、胸膜空間のアクセス部材を通じて加えることができる。更に、この方法の送り出すステップは、接着材料を胸膜空間のアクセス部材を通じて送り出すステップを備えることができる。この方法の1つの実施の形態は、線維症誘発材料を胸膜空間に送り出すことなく、接着材料を胸膜空間に送り出すステップを含むこともできる。接着材料は、胸膜空間内にて拡げることができる。本発明の方法の実施の形態の任意のものに適した接着材料は、10.342kPa(1.5psi)まで又はそれ以上の強度値を有し、好ましくは、1.379ないし4.137kPa(0.2ないし0.6psi)の範囲の強度値を有するものとする。更に、本発明の方法に適した実施の形態の任意のものに適した接着材料は、1.1センチポイズ以上の粘度レベルを有するものである。更に、本発明の方法の任意のものを実施するのに適した材料は、ヒドロゲル、タンパク質、ポリマー及び架橋結合剤から成る群から選ぶことができる。ヒドロゲル接着剤は、ヒアルロン(hyalurons)、ヒアルロン酸、アルギン酸塩、キチン、キトサン、及びそれらの誘導体から成る群から選ばれた材料を含むことができる。タンパク質材料は、アルブミン、豚アルブミン、コラーゲン、ゼラチンから成る群から選ぶことができる材料である。ポリマー材料は、ポリ(乳酸)及びポリ(グリコリド)から成る群から選んだ材料である。架橋結合剤は、グルタルアルデヒド及び安定的なポリアルデヒドから成る群から選ぶことのできる材料である。
【0013】
本発明の別の形態は、胸膜空間を画成する胸膜に接着し得るようにされた接着材料と、接着材料を胸膜空間まで送り出し得るようにされた胸膜空間のアクセス部材とを備える胸膜滲出治療装置を含む。該装置の1つの実施の形態において、胸膜空間のアクセス部材は接着材料の送り出し装置を備えている。更に、接着材料の送り出し装置は注射器を備えている。本発明の実施の形態に適した接着材料は、2つ又はより多くの成分を備え、送り出し装置は、接着材料を患者の体内に注入する前に2つの成分を混合させ得るようにされた混合要素を備えている。本発明の1つの実施の形態の胸膜空間のアクセス部材は、胸部チューブを備えることができる。更に、本発明の装置は吸引装置を備えることができる。吸引装置が提供される場合、装置は胸膜空間のアクセス部材を通して吸引力を加え得るようにすることができる。また、接着材料を胸膜空間内にて拡げ得るようにされた拡げ要素を設けることもできる。例えば、胸膜空間のアクセス部材はカテーテルとすることができる。ループ、S字形、V字形を含むが、これらにのみ限定されない色々な形状の胸膜空間のアクセス部材を採用することができる。更に、この形状は、その内部に含まれた曲がり部、引っ張りワイヤ及び(又は)記憶要素を形成するアクチュエータを備えることができる。更に、本発明の1つの実施の形態の装置に適した接着剤にて使用するのに適した材料は、ヒドロゲル、タンパク質及び架橋結合剤から成る群から選ぶことができる。ポリ(乳酸)、ポリ(グリコリド)のようなポリマーを提供することもできる。
【0014】
本明細書にて記載した全ての刊行物及び特許出願明細書は、その個別の刊行物又は特許出願明細書の各々が具体的に且つ個別に参考として引用し含まれている場合と同程度に参考として引用し本明細書に含めてある。
【0015】
本発明の新規な特徴は、特許請求の範囲に具体的に記載されている。本発明の特徴及び有利な効果は、本発明の原理が利用される一例としての実施の形態を記載する以下の詳細な説明及び添付図面を参照することにより、一層良く理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、液体又は気体の通過を阻止するシーラントして接着剤のような適宜な接着剤を使用して胸膜を互いに接着することにより、胸膜滲出を治療する方法、材料及び装置を提供するものである。この方法にて使用される材料は、3日以内、より好ましくは2日以内、更により好ましくは1日以内、最も好ましくは1時間以内にて硬化する急速発動性接着剤を含む。特定の硬化時間は、完全に硬化する前に糊の分配を許容するよう調節可能である。一部の糊のフォーミュレーションは、糊の硬化を引き起こすため、補助的な光源、プライマー、触媒、高周波数エネルギ、電気エネルギ又は放射線を必要とすることがある。
【0017】
本発明と共に使用される糊のフォーミュレーションは、固体、半固体、ヒドロゲル、発泡剤、寒天又はゾル−ゲルを含むことができる。一部の接着剤フォーミュレーションは、湿った又は乾燥した組織表面の状態にて作用する。一部の接着剤フォーミュレーションは、活発な出血を停止させることもできる(止血効果を提供する)。糊は生体適合性であることが好ましく、また、湿った状態にて組織を成功裏に融合させることができる。糊は、胸膜組織の線維症、炎症又は瘢痕を引き起こすことなく胸膜を接着する。糊は可撓性であり且つ組織の幾何学的形態に順応可能であり、また、これらは高引っ張り強度を有する。糊を送り出して糊を組織内に押し込むため、溶剤を使用することができる。
【0018】
1つの好ましい実施の形態は、糊が施される生物組織に架橋結合する(化学的に接合する)糊のフォーミュレーションである。より具体的には、接着剤は、コラーゲンとの架橋結合を許容するか又は融合すべき隣接した2つの組織表面にてコラーゲンの架橋結合を促進し且つ確実な接着を許容するものとする。
【0019】
別の好ましい実施の形態は、放射線不透過性成分を有し、このため、糊付けした境界面は、術の間、又は術後、x線利用の映像技術を使用して識別することができるようにする糊のフォーミュレーションである。添加剤は、タンタル、白金、ビスマス、放射線不透過性金属及びポリマーを含むことができる。ポリマーは、例えば、ポリ(乳酸)及びポリ(グリコリド)を含むことができる。化学剤及び薬剤をプライマーとして添加することもできる。
【0020】
多くの代替的な糊のフォーミュレーションは、これらの目的を実現するのに適しているが、1つの好ましい糊のフォーミュレーションは、グルタルアルデヒド又は安定的なポリアルデヒドのような架橋結合剤と、豚アルブミン及びコラーゲンを含むアルブミンのようなタンパク質との組み合わせから成り、追加的な添加物を含み又は含まないものである。胸膜融合に適したかかる材料の1つは、米国特許出願公告明細書2004/0081676号に記載されている。該材料は、炎症又は熱を引き起こし又は必要とせず、典型的に数分以内にて硬化して胸膜層を融合させるバイオロジック糊として特異的に作用する。糊の本来的な粘度はターゲット肺領域を渡って急速又は遅い拡がりを許容し得るよう調節することができる。糊は、血管及び気管/気管支の麻酔のため及び肺構造体を空気の漏れ、出血又は流体の漏洩から密封するといったその他の目的に使用することができる。適するであろう別の接着剤は、シアノアクリレート接着剤である。
【0021】
エラスチン、フィブリン、糖タンパク質、リポソーム、トロンビン、カルシウム、神経弛緩薬、ビタミン、成長因子、糖質コルチコステロイド、ステロイド、抗生物質、抗菌化合物、殺菌作用及び静菌性化合物、抗ウイルス化合物、抗真菌薬、抗寄生虫性化合物、腫瘍破壊性化合物、抗腫瘍性化合物、毒素、酵素、酵素阻害薬、タンパク質、ペプチド、無機物、神経伝達物質、リポタンパク質、糖タンパク質、免疫賦活剤、免疫グロブリン及びそれらの断片、染料、放射性同位体標識、放射線不透過性化合物、蛍光化合物、脂肪酸、多糖類、細胞受容体結合分子、抗炎症薬、抗緑内障化合物、散瞳薬化合物、麻酔薬、核酸、ポリ核酸を含むことのできるその他の添加剤と上述した成分の任意の1つの組み合わせのような、代替的な糊のフォーミュレーションがこれらの目的を実現するのに適している。
【0022】
糊は、アプリケータ内にて単一部分又は2つの液体部分として滅菌状態に包装することができる。2つの部分のフォーミュレーションを送り出すとき、液体成分は、アプリケータ又は攪拌又は混合ノズル装置によって送り出されるときに混合させることができる。施した後、フォーミュレーションは急速に又はゆっくりと凝固して可撓性の固体接着剤となることができる。接着剤は、予め混合させ且つその後に施してもよい。糊は、独立的に施すことができる2つの部分溶液として調合することができる。これを行うとき、第一の部分を施し且つ第二の部分が施される前に拡がる時間を許容する。
【0023】
本発明と共に使用される装置は、糊を導入し又は臓側又は壁側胸膜の表面上にて均一に拡げることが好ましい。胸膜滲出糊は、注射器、カテーテル(例えば、患者の胸部チューブを通じて)又はその他のアプリケータを介してより効果的に又は液体として大きい器官の表面を覆うようにエアロゾルの形態にて施すことができる。
【0024】
図1には、患者の胸腔の側方断面図が示されている。肺8の胸膜空間10は、臓側胸膜12と、壁側胸膜14とにより画成される。胸部チューブ16は胸膜空間内に経皮的に挿入されている。吸引源18から加えられた吸引力を使用して余剰な流体を胸膜空間から胸部チューブ16の穴21を通して吸引管20及び流体容器22内に吸引することができる。
【0025】
その末端に複数の穴26を有するデリバリーカテーテル24が胸部チューブ16を通して胸膜空間内に挿入される。2つの部分注射器28を使用して接着材料をデリバリーカテーテル24を通して胸膜空間内に送り出すことができる。上述したように、接着材料は、線維化誘発又は炎症性材料を含まない糊であることが好ましい。糊の硬化は、胸膜14、12を接着させ、これにより胸膜空間が再度余剰な流体にて充填される可能性を減少させることになる。
【0026】
胸膜の十分な接着を保証するため、1つ以上の装置を使用して接着材料を胸膜空間内に導入することができる。例えば、第二の注射器30及びデリバリーカテーテル32を図2に示すように、図1の装置と共に使用することができる。これと代替的に、図3に示すように、接着剤のデリバリーカテーテル24に対して別個の胸部チューブ40を使用してもよい。糊42は、図4に示すように、胸膜空間10の実質的に全てに渡って拡がることが好ましい。糊42は、また接着剤及び繊維の複合材を形成する繊維補強成分41を含む。繊維補強材は、当該技術の当業者に理解されるように、短繊維又は長繊維、ガラス、ポリマー、セラミック、金属及びその他の適宜な材料を含むことができる。繊維は、補強材として作用し、シーラントは複合材中の基質材料として作用する。このことは、表面又は空隙間の距離が長いとき、有益である。
【0027】
図5ないし図9には、本発明と共に使用される接着剤のデリバリーカテーテルの代替的な実施の形態が示されている。図5において、デリバリーカテーテル50は、カテーテルがS字形を形成するように1つ又はより多くの曲がり部を有している。この実施の形態において、図5に示した形状は、カテーテルの作用可能な形態である。使用する前、カテーテル50は真っ直ぐにして送り出し形態とし、且つ胸部チューブを通して経皮的に患者の胸膜空間内に挿入し、その後、その作用可能な形態を形成する(又は形成される)ことができることが好ましい。カテーテル50の穴52は、注射器からのように、糊又はその他の接着剤を圧力下にて送り出すことを許容する。カテーテルの形状及び穴の分布は接着材料の均一な分配を保証するのに役立つ。更に、カテーテルは、接着材料を導入した後、胸膜空間内にて動かし、胸膜空間内にて材料を鋤き又は拡げることができる。カテーテル50は、患者から除去するとき、その送り出し形態に戻る。
【0028】
図6には、作用可能な形態にあるときのデリバリーカーテル60が示されている。この形態において、カテーテルは分割され且つ合わさって楕円形又はハート形を形成する2つの分岐部62、64を有している。カテーテル60は、分岐部62、64を共に動かして、真っ直ぐにてして経皮的に送り出すための送り出し形態となるようにし、次に、引っ張りワイヤ又はその他のアクチュエータ66を動かすことにより、その作用可能な形態に動かすことができる。その他の実施の形態において、カテーテル60の穴68は、注射器からのように、糊又はその他の接着剤を圧力下にて送り出すことを許容する。カテーテルの形状及び穴の分布状態は、接着材料を均一に分配するのを保証するのを助ける。更に、カテーテルは接着材料を導入した後、胸膜空間内にて動かし、胸膜空間内にて材料を鋤き又は拡げることができる。カテーテル60は、患者から除去するため、アクチュエータ66によりその送り出し形態に戻す。
【0029】
図7には、ばね要素76、78(例えば、ニチノール(Nitinol)又は何らかのその他の形状記憶材料で出来ている)により分離された作用可能な形態となった2つの分岐部72、74を有するデリバリーカテーテル70が示されている。カテーテル70は、分岐部72、74を共にばね要素の作用に抗して動かすことにより、真っ直ぐにして送り出し形態にし、次に、胸膜空間内に入ったならば、その作用可能な形態をとることが許容される。カテーテル70の穴79は、注射器からのような、糊又はその他の接着剤を圧力下にて送り出すことを許容する。その他の実施の形態におけるように、カテーテルの形状及び穴の分布状態は、接着材料を均一に分配することを保証するのを助ける。更に、カテーテルは接着材料を導入した後、胸膜空間内にて動かし、胸膜空間内にて材料を鋤き又は拡げることができる。カテーテル70は、カテーテル70を胸部チューブの末端内に引き戻すことにより生じた内方へのカム作用動作によるように、患者から除去するため、その送り出し形態に戻す。
【0030】
図8には、ばね要素86によって作用可能な形態に分離された2つの分岐部82、84を有するデリバリーカテーテル80が示されている。カテーテル80は、分岐部82、84を互いにばね要素の動作に抗して動かすことにより真っ直ぐにして送り出し形態にし、その後、胸膜空間に入ったならば、その作用可能な形態をとることを許容する。その他の実施の形態におけるように、カテーテル80の穴88は、注射器からのように、糊又はその他の接着剤を圧力下にて送り出すことを許容する。カテーテルの形状及び穴の分布状態は、接着材料を均一に分配するのを保証するのを助ける。更に、カテーテルは、接着材料を導入した後、胸膜空間内にて動かして、胸膜空間内にて材料を鋤き又は拡げることができる。カテーテル80は、カテーテル80を胸部チューブの末端内に引き戻すことにより生じた内方へのカム作用動作を利用する等によって、患者から除去し得るようその送り出し形態に戻す。
【0031】
図9には、4つの分岐部91ないし94と、これらの分岐部を図示した作用可能な形態に分離する3つのばね要素95ないし97とを有する、図8に示したものと同様のデリバリーカテーテル90が示されている。カテーテル90の穴98は、注射器からのように、糊又はその他の接着剤を圧力下にて送り出すことを許容する。カテーテルの形状及び穴の分布状態は、接着材料を均一に分配するのを保証するのを助ける。更に、接着材料を導入した後、カテーテルを胸膜空間内にて動かして、胸膜空間内にて材料を鋤き又は拡げることができる。カテーテル90は、カテーテル90を胸部チューブの末端内に引き戻すことによって生じた内方へのカム作用動作を利用する等により、患者から除去し得るようその送り出し形態に戻す。
【0032】
デリバリーカテーテルの穴の配置は、胸膜空間内にて接着材料を均一に分配するのを助け得るように改変することができる。例えば、図10には、カテーテル100の穴102がカテーテル100の曲がり部の外方に面する側に沿って配置された状態が示され、また、図11には、穴112がカテーテル110の回りでら旋状の状態にて示されている。
【0033】
多数の接着材料の送り出し穴を有するデリバリーカテーテルの1つの代替例として、デリバリーカテーテルは、単一の送り出しポートを有するものとしてもよい。例えば、図12に示したデリバリーカテーテル120は、送り出し通路122を有しており、該送り出し通路は、狭小部分124を通して胸膜空間の回りに接着材料128を噴霧する形態とされた単一の送り出しノズル126に達する。
【0034】
一部の接着剤は、2成分組成物として形成することができる。図13には、2つの通路132、134を有するデリバリーカテーテル130が示されている。2成分接着剤組成物の2つの部分は、カテーテル130の別個の通路を通して下方に送り出し、次に、混合チャンバ136内にて混合するのを許容し、その後、ノズル又は送り出しポート138から噴霧する。
【0035】
図14には、共通のアクチュエータ145により互いに接続されたプランジャ143、144を動かすことにより、2成分接着剤の2つの部分が別個の注射器チャンバ141、142から送り出される、1つの代替的な接着剤の送り出しシステム140が示されている。接着剤成分は、密封した先端146、147から着脱可能な混合チャンバ148内に噴射される。混合チャンバ148は、該混合チャンバ148が注射器と接続されたとき、先端146、147と相互作用してそれらのシールを破断させる二股部(図示せず)を有することができる。混合チャンバ148内の反らせ板149又はその他の混合装置は、接着剤成分を完全に混合するのを保証するのを助ける。混合チャンバ148は患者の胸膜空間内に挿入することのできるデリバリーカテーテル152と接続する。混合チャンバは、多孔質プラグ又はその他のフィルタ150と、その末端の空気抜き穴151とを有することができる。適宜なプラグは、ゼン−プローブ(Gen−Probe)から入手可能なマイクロフィルタである。フィルタの性質は、糊が該フィルタを通して軸方向に押し出される間、糊の軸線に対して横方向のフィルタを通して空気を分散させることができるようなものである。
【0036】
図15には、胸膜空間内にて肺の前側部158及び後側部159の回りにて拡がり且つ取り巻く分岐部155、156を有する接着剤デリバリーカテーテル154が示されている。接着材料は、注射器157からカテーテル154の分岐部155、156の穴(図示せず)を介して胸膜空間に送り出すことができる。
【0037】
図16には、胸部チューブを使用せず、胸膜空間161に対する経皮的アクセス部を提供する接着剤の送り出し装置160が示されている。装置160は、患者の皮膚163を突き刺すことができる鋭角な面取り加工した末端162を有している。プランジャ164を装置160の注射器部分165内にて動かし、接着材料166を多孔質プラグ167又はその他のフィルタを通して患者の体内に動かすことができる。空気抜き穴168を設けて、取り込まれた空気が逃げるのを許容することができる。
【0038】
当該技術の当業者に理解されるように、送り出し装置は、胸膜空間内の流体を排出する単一のチューブを使用することにより使用し、また、次に、液体又は気体の通過を防止するシーラントとして作用する接着材料を送り出すことができる。これと代替的に、流体を胸膜空間内に残し、また、送り出し装置を胸膜層の間に挿入し、次に、シーラントを送り出す前に操作してその位置に入るようにすることができる。この過程において、シーラントを送り出す前に胸膜空間から流体を排出することが望ましいであろう。適宜なシーラントは、約20秒ないし1分以内に硬化し、呼吸する間、肺の動きによる影響を受けることなく治療過程を続行することを可能にする。
【0039】
多くの代替的なシーラントのフォーミュレーションがこの目的に適しているが、1つの好ましいシーラントは、添加剤を使用し又は使用せずに安定的なポリアルデヒド、アルブミン及びコラーゲンの組合わせ体から主として成るものである。シーラントは、血栓形成カスケードを開始させ又は加速してシーラントを止血剤として使用することができるようにする薬剤を有することができる。例えば、適宜な材料は、米国特許出願公告明細書2004/0081676号に記載されている。このシーラントは、炎症又は発熱を生じることなく、数分以内にて硬化して胸膜層を密封するバイオロジック接着剤として作用する。糊の本来的な粘度は、上記に示し、また、1.1センチポイズ以上の糊粘度を有するもののように、送り出しシステムを通して急速に又はゆっくりと送り出すことを許容するよう調節することができる。この糊フォーミュレーションは肺の全ての組織及び肺系統並びに肺血管組織内の構造体と共に使用するのに適している。該フォーミュレーションは、血管及び気管/気管支の麻酔、また、肺構造体を空気の漏洩、出血又は流体の漏洩から密封することを含む任意の接着剤又は接着防止目的のため、調合し且つ使用することも可能である。理想的には、シーラントは数分以内にて硬化し、湿気がある又は濡れた環境にて十分に作用し、また、空気又は流体が胸膜空間に入るのを妨害するようにする。典型的に、糊は、豚アルブミンを含む架橋結合したアルブミンから成るグルタルアルデヒドの凝縮生成物から成るものである。糊の接着値は、10.342kPa(1.5psi)以上、より好ましくは、1.379ないし4.137kPa(0.2ないし0.6psi)の範囲とすることができる。
【0040】
上述したように、本発明と共に2部分シーラントを使用することができる。この出願用のシーラント成分は、フィブリン/トロンビン、活性化したPEG/PEG−ジアミン、アルブミン/PEG、及びアルブミン/グルタルアルデヒドシーラントを含むことができる。シーラントはカルボキシメチルキチン及びキトサン(1ないし100%の脱アセチル基)を含むが、これらにのみ限定されないキチン誘導体のような止血性薬剤を含むことができる植え込み可能な材料である。シーラント材料は、また、粘度、硬化時間、接着及び生体適合性に影響を与える添加剤を含むことができる。アルブミン成分は、10ないし50%の重量対重量比にて調合することができ、この場合、残る質量平衡は、塩、緩衝剤、及び添加剤又はそれらの組合わせの水溶性溶液である。シーラントのその他の成分は、1ないし25%の重量対容積比にてグルタルアルデヒド又はその誘導体を保持する架橋結合剤であり、この場合、残量は、添加剤を有し又は有しない、塩又は緩衝剤の水溶液又はそれらの組合わせ体である。これらの溶液はディスペンサから施すことができ、該ディスペンサは、一単位容積の架橋結合剤溶液当たり一単位容積のタンパク質溶液の比(1対1 タンパク質:架橋結合剤)にて送り出し、また、一単位容積の架橋結合剤溶液当たり10単位容積のタンパク質溶液までの比にて施すことができる。更に混合効率を向上させるヘリカル又はその他の幾何学的形態の装置にて溶液をスタティックミキシング先端を通すことにより、混合させることができる。これらの溶液から作成されたシーラントは、5ないし45%のタンパク質と、0.5ないし14%の架橋結合剤とを含む。
【0041】
その他の適宜なシーラント及びその他の薬剤は、米国特許出願公告明細書2004/0052850号、米国特許出願公告明細書2004/0081676号、USSN11/008,577号、USSN11/008,092号、USSN11/008,094号、USSN11/008,578号、USSN11/008,649号、USSN11/008,777号、USSN11/008,087号、USSN11/008,093号、USSN11/008,580号、USSN11/008,782号に記載されている。
【0042】
糊組成物のような凝固する材料は、典型的に、肺の組織の本来的な剛性よりも硬い構造体を形成する。具体的には、肺実質(肺胞嚢及びコラーゲンから成っている)部分を引っ張り試験した結果、複合材の剛性は極めて低いことが分かる。重なり合う生体適合性材料又は肺の組織よりも硬い構造体を形成する薬剤が組み合わされたとき、弾性率の不一致は、刺激、炎症、組織の増厚化、線維症、肺容量の減少を促進し且つ維持する形態変更カスケード及び接着状態を引き起こす。乾燥したすなわち2センチポイズ以上の粘度レベル(動粘度の測定値)を維持する組成物は、せん断作用を発生させ、この剛性の不一致は接着を促進するようにする。10センチポイズ以上の濃い薬剤及びヒドロゲル材料は、一層良く作用する。採用したグルタアルデヒド接着剤技術は、15センチポイズ粘度及び150センチポイズ以上の高レベルを有する組成物を生じさせることができる。接着剤の架橋結合の性質を増大させることにより、凝固してゲル又はより硬い物質となる薬剤を送り出すことができる。ゲル化してHOの10ないし20センチメートル以上の弾性率を有する固体を生じさせる材料は、これと同一の効果を生じさせる。水20ないし100cmの範囲にてより硬い材料が一層良い。水100cmよりも硬い材料であることが好ましい。これらの効果を促進させる粘度促進剤を有する植え込み可能な材料が製造可能である。
【0043】
これら薬剤の多くは、組織の結合が生じさせ、恒久的な胸膜接合状態を維持するのを助ける局所的な接着又は生体応答性を形成する。これらの材料を導入することは、組織の形態変更カスケード過程の1つ又はより多くの要素を開始させることになる。この過程は、以下の1つ又はより多くを含む細胞レスポンデントを補充するに至る組織のポリマーの分解及び(又は)壊死を含む。すなわち、好中球、白血球、マクロファージ、CD8+、MMP、インタールーケン、サイトカイン及びプロトシリン(protocylin)である。次に、組織は形態変更し、最終的に、組織の接着状態を形成するに至る組織の形成及び増厚化を開始させる。
【0044】
この効果を開始させることのできるその他の材料は、カドミウム、スモーク形成物、タール、アルコールのような組織を刺激する材料、溶剤、有機質溶剤、酸、塩基性である材料及び酸性の材料である。これらの材料は、1ないし6.9の範囲のpHレベルを有する化合物又は組成物を含み、1に最も近い材料が好ましい酸性材料である。更に、7.5ないし14の範囲のpHレベルを有する化合物又は材料は極めて良好に作用し、14に最も近い材料が最も良好に機能する。
【0045】
生体適合性材料から成る植え込み可能なヒドロゲルや液体からゲル又は固体接着剤のようなその他の固体まで物理的転位を受ける植え込み可能な液体のような本発明の接着剤材料を施すとき、堆積状態の制御が極めて重要である。堆積を制御する方法は、シーラントを管腔を保持する適宜な装置に通し、また、植え込み可能な材料の1つ又はより多くの成分の粘度を増加させる薬剤を添加することを通じて局所的に分与するステップを含む。かかる薬剤は水の粘度よりも大きい粘度を有する生体適合性材料を含み、また、グリセロール、タンパク質のような重合系材料、カルボキシレート系ポリマー及びその誘導体、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレン酸化物(PEO)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール、「米国薬局方(United States Pharmacopia)」及びA.H.キベ(Kibbe)編集による「医療賦形剤のハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Excipients)」に記載されたような、その他の成分を含む合成材料を含む。粘度を制御するその他の材料は、油、油脂及びオレイン酸、及びホスホコリンを含む脂肪酸を含む。相分離は、ポリソルビン酸塩を含む乳化剤にて制御することができる。2つ又はより多くの成分を混合することにより作成されたシーラントの場合、1つ又はより多くの成分の粘度は、施した後の拡がりを制御すべく適宜な薬剤を添加することにより改変することができる。これら成分の粘度は、1ないし1000センチストーク(動粘度の測定値)の範囲とすることができる。
【0046】
2つ又はより多くの粘度を含むシーラントを堆積させ且つ拡がりを制御することは、混合したシーラントのゲル時間、すなわち硬化時間により実行することもできる。硬化時間が短いシーラントは、硬化時間が長いシーラントよりも好ましい。硬化時間の改質剤が存在しないフォーミュレーションに対して硬化時間を減少させ又は増加させる薬剤を含む、硬化時間の改質剤を添加することにより硬化時間を制御することができる。硬化時間を減少させる薬剤の一例は、カルボキシメチルセルロースである。硬化時間を増加させる薬剤の一例は、グリセロールである。
【0047】
現在、加工され且つ一部の商業的シーラントにて使用されている、グルタルアルデヒドは炎症の再発を引き起こす可逆反応を受ける。これらの性質は、グルタルアルデヒドの化学的改質によって改良することができる。かかる改質の1つは、G.T.ハマーソン(Hermanson)による「生物共役技術(Bioconjugate Techniques)」に記載されたようにグルタルアルデヒドの凝縮反応を含む。この凝縮は、酸又は塩基を含む水溶性溶液中でグルタルアルデヒドの誘導体を形成するステップを含む。この反応は、約280及び234ナノメートルの紫外線分光測定法により監視することができる。280ナノメートルのとき、純粋なグルタルアルデヒドは顕著な吸収率を有し、また、0.5%の重量対容積比の水溶性溶液として測定したとき、234ナノメートルにて殆ど又は全く吸収率を示さない。グルタルアルデヒドを化学的に改質したとき、グルタルアルデヒドは234ナノメートルにて顕著な吸収率を有する。これらの誘導体は、アルブミンを含むタンパク質のような求核基質と共に使用したとき、効果的な架橋結合剤である。更に、グルタルアルデヒド誘導体から作成されたシーラントは、化学的又は機械的手段、或いは化学的及び機械的手段の組み合わせを通じてin vivoの接着剤である。
【0048】
植え込み可能な材料は、接着剤、糊及びシーラントである。本発明に対し、植え込み可能な材料は、ヒドロゲル、タンパク質又はその他の適合性材料から成るものとすることができ、また、患者に有益となるように病変組織内に植え込むことができることが、シーラントを含む組織内に投与される薬剤を含む。ヒドロゲルの例は、カルボキシレート系材料を含む自然の由来物から作成されたものを含む。かかる材料は、ヒアルロナン、ヒアルロン酸、アルギン酸塩、キチン、キトサン及びその他の誘導体を含む。本発明を可能にするタンパク質は、豚アルブミンを含むアルブミン、コラーゲン、ゼラチン及び架橋結合することができ又は水の粘度よりも大きい粘度を有する溶液を形成することもできるその他のタンパク質を含む。その他の植え込み可能な材料は、粘性溶液、ゲル又は固体が形成されるように2つ又はより多くの成分を混合することにより作成されたものを含む。かかる植え込み可能な材料は、タンパク質基層から作成され、ここで、タンパク質は、自然、合成又は半合成過程から得られる。タンパク質はまた、遺伝子組み換えDNA技術から得ることもでき、また、細胞培養過程から、また、遺伝子導入植物及び動物から隔離することもできる。タンパク質の例は、アルブミン、コラーゲン及びゼラチンを含む。植え込み可能な材料の前駆体の一部として採用される架橋結合剤は、アルデヒド、ポリアルデヒド、エステル及びタンパク質の架橋結合に適したその他の化学的官能基を含む。ホモ2官能基の架橋結合剤の例は、G.T.ハマーソンによる「生物共役技術」に記載されている。
【0049】
本発明の材料、すなわち架橋結合したタンパク質接着剤及び熱処理したグルタルアルデヒド糊は、膨潤試験を受けたとき、100以下のパーセント範囲の値を有する。膨潤試験値を決定するため、材料は水中に配置し且つ加水化するのを許容する。次に、加水化した材料を計量する。加水化した材料を計量するステップの後に、加水化した材料を乾燥させ(例えば、加熱により)、再度、計量して乾燥重量を決定する。これら2つの重量(加水化状態対乾燥状態)の比は膨潤試験結果を含み、また、材料がその重量のパーセントにて吸収することのできる水分量を示す。このように、例えば、殆どの非グルタルアルデヒド糊は、典型的に100ないし150%の膨潤試験を有し、このことは糊を水分環境にて分離させることになる。フィブリン系糊は、更に高い膨潤試験値を有する。本発明の架橋結合したアルブミン系糊は、糊が水分環境内にて一層良く機能するのを可能にするより低い膨潤試験値を有し、膨潤試験値は、−50%ないし100%の範囲にある。
【0050】
架橋結合剤及び基層を含むインプラント構成要素は、pHを調節し且つ(又は)1ないし500mMの適宜な緩衝剤を添加することにより、5ないし10の範囲のpHにて調合することができる。緩衝剤の例は、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、ホウ酸塩又はイミダゾール又はそれら混合体を含む。更に、1つ又はより多くの成分の安定性を向上させるため、添加剤又は安定化剤を添加することができる。更に、材料を検出することを許容するため、造影剤を添加することもできる。かかる造影剤は、ヨード、ヨード化合物、ガドリニウムのような金属、放射線同位体及びガンマシンチグラフィー、磁気共鳴映像法、蛍光透視法、CT、SPECT及びその他の画像形態用のその他の化合物を含む。更に、材料は、機械的性質が植え込み可能な材料が適用される特定の組織にて適用するのに適するように調合することができる。かかる性質は、弾性、弾性率、剛性、脆弱性、歪み、凝集、接着及び応力を含む。性質を改質する薬剤は、フィラー、可塑性剤、及び接着改質剤を含む。更に、インプラントは、自然の応答性を誘発させ得るようにインプラントに添加することのできる化学剤を添加し又は添加せずに、自然の接着機構を誘発させることもできる。かかる薬剤は、100nmないし1ミリメートルの範囲の粒子を含む。薬剤は、また、自然の応答を誘発させる化学的又は生物化学的剤(タンパク質又は核酸)を含む。かかる薬剤の例は、ブレオマイシン、サイトカイン及びケモカイン、及び単鎖RNA分子を含む。
【0051】
一部の実施の形態において、生体液のような水溶性流体の存在下にて膨張し又は膨潤する生物分解性シーラントを使用することが望ましいであろう。この型式の一般的に使用されているシーラントは、自然及び合成ヒドロゲルの双方を含む。合成ヒドロゲルは、次の型式のポリマーから作成することができ、またこれらは、全体として非生物分解性であると考えられる。すなわち、ポリ(グリセリルメタクリル樹脂)ポリ(アクリルアミド)ポリ(メタアクリルアミド)、誘導体ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、アニオン性及びカチオン性ヒドロゲルポリ(ビニルアルコール)ポリ(エチレングリコール)ジアクリレートのようなポリ(ヒドロキシアルキルメチルアクリレート)、及びポリ(エチレンオキサイド)−ポリ(プロピレンオキサイド)−ポリ(エチレンオキサイド)及びポリ(プロピレンオキサイド)−ポリ(エチレンオキサイド)−ポリ(プロピレンオキサイド)ブロックから構成されたブロック共ポリマーからのそれぞれの誘導体である。これら材料の全ては、エチレングリコールジメタアクリレート又はメチレン−ビス−アクリルアミドのような薬剤と架橋結合することができる。生物分解性の合成ヒドロゲルは、次のモノマーの1つ又はより多くを含有することにより上述したもののようなポリマーから作成することができる。すなわち、グリコリド、ラクチド、e−カプロラクトン、p−ジオキサノン及びトリメチレンカルボネートレン(Trimethylene Carbonateln)添加物である。自然の生成物に基づく一例としてのヒドロゲルは、ゼラチンのようなポリペプチド及びでん粉及びデキストランのような多糖類を含む。これら自然の生成物は、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド及び種々のその他のジアルデヒドと架橋結合することにより更に処理することができる。
【0052】
本発明の生物学的に適合可能なシーラントはまた、検出可能な標識を備えることもできる。本発明にて使用するのに適した検出可能な標識は、分光測定法、光化学的、生物化学的、免疫学的、電気、光学又は化学的手段によって検出可能な任意の組成物を含む。当該技術にて多岐に亙る検出可能な標識が既知であり、これらは、発光標識、放射性同位体標識、及び酵素系標識を含む。好ましい実施の形態において、蛍光性の染料又は標識を採用することを望むであろう。これら一例としての標識は、当該技術の当業者に周知の多数の手段によって組み込むことができる。これと代替的に、標識は、シーラント分子に対して化学的に共役させてもよい。
【0053】
胸膜領域を映像化するため、検出可能な標識を使用することが特に望ましい。特定の映像化手段は、使用される特定の標識の型式に依存する。例えば、放射性標識はX線影像法により検出することができる。蛍光性標識は当該分野の当業者が一般的に採用する蛍光透視装置アレイによって検出することができる。
【0054】
理想的には、シーラントの組成物は、シーラントが湿った組織環境にて機能することを可能にするものとする。当該技術にて既知であり且つ上述したように、フィブリン糊単独では、湿った環境にて十分に作用せず、このため、その湿った環境にて機能し得ないことを理由として多くの医療分野にて使用することが放棄されていた。装置及び方法と組み合わせて使用される本発明のシーラントは、湿った環境にて優れた接着性を提供する。シーラントの接着性は、フィブリンが湿った組織にて提供する低い閾値を上回る。
【0055】
装置及び方法と共に使用される適宜なシーラントを決定するとき、薄いコラーゲン系組織(例えば、幅25.4mm(1インチ)×長さ50.8mm(2インチ))の2つの片を水(HO)又は食塩水に浸漬させる。次に、試験すべき糊又は接着剤を片の1つの表面に取り付け、その2つの片を水浴中で互いに配置する。試験環境及び材料は、19.44ないし20.55℃(67ないし69°F)に維持する。コラーゲンの2つの層の間の糊又はシーラントの接合部は、組織を流体から除去する2分間以内に、乾燥による利点を伴わずに、除去する。試験部分は、両端から伸びる余剰な組織と糊付けされる、重層する6.5416平方センチメートル(1平方インチ)のものであり、このため、2つの片を独立的に把持することができる。端部を把持し且つ反対方向に引張って25.4mm(1インチ)の部分をせん断するのに必要な力を試験する。その結果は、せん断応力又はせん断圧力として測定し、単位面積当たりのポンド力として記録する。この方法を使用して試験した、現在利用可能なフィブリン糊は、約0.0ないし1.379kPa(0.2ポンド力/平方インチ)にて破断する。本発明に適した組成物を有するシーラント及び糊は、フォーミュレーションに依存して0.2以上及び3.0以上のレベルにて破損する。
【0056】
別の実施の形態にて使用するのに適したシーラントを決定するとき、そのシーラントは、MEM回避試験及び寒天重層試験に基づいて、生体適合性を試験する。
MEM回避試験において、約<0.5mm:120cmの均一な表面積及び厚さを有する固体、>0.5mm:60cmの均一な表面積及び厚さを有する固体、均一な表面積無しの4グラムの固体又は10mL以内の液体を試験する。試料は、血漿補充した哺乳類細胞培養媒質(MEM)内にて抽出する。抽出は、所望であれば、血漿無しにて0.9%食塩水又は細胞培養媒質内にて実行することができる。次に、試料は5±1%CO内にて37±1℃にて24ないし25時間にて抽出する。次に、抽出液をろ過し、L−929細胞の単一層(マウスの線維芽細胞)と接触する位置に配置する。細胞は、48±3時間、72±3時間、又は所望の任意の培養時間、5±1%CO内で37±2℃にて培養する。次に、細胞変性効果について細胞の点数を付ける。L929細胞系は、その試験用として最も一般的に使用されるが、当該技術の当業者により理解されるように、その他の細胞系も同様に適している。
【0057】
300mm又は300mgの固体及び3mLの液体に対し寒天重層試験が通常、使用される。寒天重層試験において、細胞培養媒質と混合させた寒天層をL929細胞(マウスの線維芽細胞)の単一層の頂部に配置する。試料は、寒天層の頂部に配置する。細胞は、5±1%CO内にて37±1℃にて最小限24時間培養する。細胞変性効果について細胞の点数を付ける。L929細胞系は、試験のため最も一般的に使用される。しかし、当該技術の当業者に理解されるように、本発明の範囲から逸脱せずに、その他の細胞系を使用することができる。
【0058】
MEM回避試験又は寒天重層試験結果の何れかを使用して、組成物中の接着状態を向上させるためシーラントがグルタルアルデヒドを有する場合でさえ、シーラントは、0ないし4のスケールにて0又は1の細胞毒性を有する必要がある。
【0059】
投与した薬理学的に活性な成分及び使用した投薬量は、勿論、選んだ特定の薬剤、年齢及び全身状態、試験される被験者の薬理学的状態、被験者の状態の重症度及び処方する外科医の判断に依存することになろう。
【0060】
特定の一例としての実施の形態及び特定の一例としての実施方法に関する上記の説明は、当該技術の通常の知識を有する外科医に対する1つの指針として掲げたものであり、何ら限定することを意味するものではない。
【0061】
本発明の好ましい実施の形態を本明細書にて示し且つ説明したが、当該技術の当業者には、かかる実施の形態は単に一例としてのみ掲げたものであることが明らかであろう。本発明から逸脱せずに、今や、多数の改変例、変更及び置換が当該技術の当業者により案出されよう。本明細書に記載した本発明の形態に対する色々な代替的な実施の形態は、本発明を実施するときに採用可能であることも理解すべきである。特許請求の範囲は、本発明の範囲を規定するものであり、これら請求の範囲及びその等価物に属する方法及び構造体がこれによってカバーされることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の1つの実施の形態に従った装置を示す、患者の肺及び胸腔を示す側方断面図である。
【図2】本発明の別の実施の形態に従った装置を示す、患者の肺及び胸腔の側方断面図である。
【図3】本発明の更に別の形態に従った装置を示す、患者の肺及び胸腔の側方断面図である。
【図4】繊維補強部を有する本発明の更に別の実施の形態に従った装置を示す、患者の肺及び胸腔の側方断面図である。
【図5】本発明の1つの実施の形態に従った接着剤デリバリーカテーテルの1つの実施の形態を示す図である。
【図6】本発明の別の実施の形態に従った接着剤デリバリーカテーテルの1つの実施の形態を示す図である。
【図7】本発明の別の実施の形態に従った接着剤デリバリーカテーテルの1つの実施の形態を示す図である。
【図8】本発明の1つの実施の形態に従った接着剤デリバリーカテーテルの更に別の実施の形態を示す図である。
【図9】本発明の1つの実施の形態に従った接着剤デリバリーカテーテルの更に別の実施の形態を示す図である。
【図10】接着剤デリバリーカテーテルにおける穴の配置を示す図である。
【図11】接着剤デリバリーカテーテルにおける穴の代替的な配置を示す図である。
【図12】狭小な送り出しポートを有する送り出し通路を示す図である。
【図13】二重通路の送り出し通路の図である。
【図14】本発明の1つの実施の形態に従った接着剤送り出しシステムの図である。
【図15】接着剤を肺胸膜に送り出す接着剤デリバリーカテーテルの図である。
【図16】胸膜空間への経皮的アクセスを実現する接着剤送り出し装置の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着材料を患者の胸膜空間に経皮的に送り出すステップを備える、胸膜滲出の患者の治療方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
送り出すステップは、接着材料を送り出し装置から胸膜空間内に噴射するステップを備える、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
噴射するステップの前に、送り出し装置内にて接着材料の成分を混合するステップを更に備える、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、
送り出し装置を送り出し形態から作用可能な形態に動かすステップを更に備える、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
胸膜空間のアクセス部材を患者の体内に経皮的に挿入するステップを更に備える、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
接着材料を胸膜空間に送り出す前に、吸引力を胸膜空間に加えるステップを更に備える、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
吸引力を加えるステップは、吸引力を胸膜空間のアクセス部材を通して加えるステップを備え、送り出すステップは接着材料を胸膜空間のアクセス部材を通して送り出すステップを備える、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
送り出すステップは、線維症誘発材料(fibrosis inducing material)を胸膜空間内に送り出さずに、接着材料を胸膜空間内に送り出すステップを備える、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
接着材料を胸膜空間内にて拡げるステップを更に備える、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
送り出すステップは、10.34kPa(1.5psi)までの接着強度を有する接着材料を送り出すステップを備える、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
送り出すステップは、1.38ないし4.12kPa(0.2ないし0.6psi)範囲の接着強度を有する接着材料を送り出すステップを備える、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、
送り出すステップは、1.1センチポイズ以上の粘度レベルを有する接着材料を送り出すステップを備える、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、
接着材料は、ヒドロゲル(hydrogels)、タンパク質、ポリマー及び架橋結合剤から成る群から選ばれた材料を備える、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
ヒドロゲル材料は、ヒアルロン(hyalurons)、ヒアルロン酸(hyalyronic acid)、アルギン酸塩(alginates)、キチン(chitins)、キトサン(chitosans)及びそれらの誘導体から成る群から選ばれた材料を備える、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法において、
タンパク質材料は、アルブミン、豚アルブミン、コラーゲン及びゼラチンから成る群から選ばれた材料を備える、方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法において、
ポリマー材料は、ポリ(乳酸)及びポリ(グリコリド)から成る群から選ばれた材料を備える、方法。
【請求項17】
請求項13に記載の方法において、
架橋結合材料は、グルタルアルデヒド(glutaraldehyde)及び安定的なポリアルデヒドから成る群から選ばれた材料を備える、方法。
【請求項18】
胸膜空間を画成する胸膜に接着し得るようにされた接着材料と、接着材料を胸膜空間に送り出し得るようにされた胸膜空間のアクセス部材とを備える胸膜滲出の治療装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置において、
胸膜空間のアクセス部材は、接着材料の送り出し装置を備える、装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置において、
接着材料の送り出し装置は注射器を備える、装置。
【請求項21】
請求項19に記載の装置において、
接着材料は2成分を備え、前記送り出し装置は、接着材料を患者に注射する前に、前記2成分を混合し得るようにされた混合要素を備える、装置。
【請求項22】
請求項18に記載の装置において、
胸膜空間のアクセス部材は胸部チューブを備える、装置。
【請求項23】
請求項18に記載の装置において、
吸引装置を更に備える、装置。
【請求項24】
請求項23に記載の装置において、
吸引装置は、吸引力を胸膜空間のアクセス部材を通して加え得るようにされる、装置。
【請求項25】
請求項18に記載の装置において、
接着材料を胸膜空間内にて拡げ得るようにされた拡げ要素を更に備える、装置。
【請求項26】
請求項25に記載の装置において、
胸膜空間のアクセス部材はカテーテルを備え、拡げ要素はカテーテルに形成された曲がり部を備える、装置。
【請求項27】
請求項26に記載の装置において、
曲がり部はループである、装置。
【請求項28】
請求項26に記載の装置において、
曲がり部はS字形である、装置。
【請求項29】
請求項26に記載の装置において、
曲がり部はV字形である、装置。
【請求項30】
請求項26に記載の装置において、
胸膜空間のアクセス部材は曲がり部を形成するアクチュエータを更に備える、装置。
【請求項31】
請求項30に記載の装置において、
アクチュエータは引っ張りワイヤーを備える、装置。
【請求項32】
請求項29に記載の装置において、
アクチュエータは形状記憶要素を備える、装置。
【請求項33】
請求項30に記載の装置において、
送り出すステップは、10.34kPa(1.5psi)までの接着強度を有する接着材料を送り出すステップを備える、装置。
【請求項34】
請求項30に記載の装置において、
送り出すステップは、1.38ないし4.12kPa(0.2ないし0.6psi)の範囲の接着強度を有する接着材料を送り出すステップを備える、装置。
【請求項35】
請求項29に記載の装置において、
送り出すステップは、1.1センチポイズ以上の粘度レベルを有する接着材料を送り出すステップを備える、装置。
【請求項36】
請求項18に記載の装置において、
接着材料は、ヒドロゲル、タンパク質、ポリマー及び架橋結合剤から成る群から選ばれた材料を備える、装置。
【請求項37】
請求項36に記載の装置において、
ヒドロゲル材料は、ヒアルロン(hyalurons)、ヒアルロン酸、アルギン酸塩、キチン、キトサン及びそれらの誘導体から成る群から選ばれた材料を備える、装置。
【請求項38】
請求項36に記載の方法において、
タンパク質材料は、アルブミン、豚アルブミン、コラーゲン及びゼラチンから成る群から選ばれた材料を備える、方法。
【請求項39】
請求項36に記載の方法において、
ポリマー材料は、ポリ(乳酸)及びポリ(グリコリド)から成る群から選ばれた材料を備える、方法。
【請求項40】
請求項36に記載の方法において、
架橋結合剤材料は、グルタルアルデヒド及び安定的なポリアルデヒドから成る群から選ばれた材料を備える、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公表番号】特表2008−509711(P2008−509711A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520516(P2007−520516)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/024172
【国際公開番号】WO2006/014567
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(506413203)ヌームアールエックス・インコーポレーテッド (9)
【Fターム(参考)】