説明

胸部検診用肌着

【課題】 一般検診や心電図検査の障害にならず、しかも装着者個々人の多様な体形、乳房サイズ、バストポイント位置などに的確に対応するよう自由度の高い調節機能を有する上、左右ポイントバッド部分の安定感を一段と高めて、検診中の女子生徒の不安やストレスをより効果的に解消できる新たな検診用肌着技術を提供する。
【解決手段】 ポイントバッド部3,3から脇帯部5,5を脇の下がわ所定位置まで延伸し、それらポイントバッド部3,3から脇帯部5,5に掛けての上下縁に通し孔6,6を形成してなる右用ポイントカップ2、および、該右用ポイントカップ2と左右対称形状、対称配置の左用ポイントカップ7を有し、それら左右各ポイントカップ2,7の上下各通し孔6,6,……に、2本のゴム紐8,8を適宜挿通し、各脇帯部5,5外端上下から導出したゴム紐8,8各端間を背面用ゴム帯9で繋いでなる胸部検診用肌着1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、衣類に関連するものであり、特に健康診断や検診の受診に際して着用可能な肌着を製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点では想定することができない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
我が国の小、中学校では、必ず就学時および毎学年4月の定期健康診断を行うことによって児童生徒の円滑な学校教育および学習能率の向上の実現に努めており、その受診率は極めて高く、海外児童生徒に比べて高水準の健康管理が実施され続けて来ていて、その診断内容も、身長、体重および座高、視力、聴力の計測検査や、耳鼻咽頭および皮膚疾患の有無、歯および口腔の疾病、異常の有無などの一般検診から、胸部エックス線撮影、心電図検査などといった精密検査の外、検尿、検便などといった内容までと多岐に亘って実施されてきている。
【0003】
中でも、薄手の無地Tシャツ1枚の着用の可能な胸囲計測やエックス線撮影などの場合と異なり、聴診や心電図検査を受ける際には、上半身の下着を全て脱いで受診する必要があることから、特に思春期に当たる小学校高学年から中学校の女子生徒は、制服の上着などを羽織って準備し、順番が来ると診察の直前に上半身裸になるというのが、これまでの一般的な受診方法となってきていて、特にこの受診方法は顧みられることもなく、ずっと続けられてきていたが、女子生徒の殆どは、診察のためとはいえ、裸になることに少なからず抵抗感を抱いており、女子生徒によっては極度の決断を要する一大事になってしまい、そのために不安と不快との感情に耐えきれず、診察日の前後に情緒不安定に陥ってしまう者すら出る有様であった。
【0004】
(従来の技術)
こうした状況を憂慮し、例えば、下記の特許文献(1)に提案されているものに代表されるように、左右のバストトップ部を結んだ線の下側のフロント部に設けられた第1の連結部材と、第1の連結部材より下側のフロント部のカップ部下部のアンダーバスト部近傍か、または、アンダーバスト部に設けられた第2の連結部材とにより、フロントオープンタイプのカップ部を互いに着脱可能に連結し、胸部の苦しさや暑さを感じたときや、病院での診察時などに、バストの造形力の大きな低下や着崩れを起こすことなく、簡単にアンダーバスト部の連結を解除して、緩めることができるようにしたカップ部を有する衣類や、同特許文献(2)に見られるような、全体が編地からなり、横方向に大きく伸縮可能な編組織によって編成された筒状形状のアンダー部を有し、各カップ部のバストポイントを頂点に略半円形状に区画された部分、前脇部および中心部は伸縮性の少ない編組織により編成し、それ以外の部分をプレーン編により編成してなり、体に無理なく、ソフトにフィットして着用感に優れたブラジャー、または、例えば、特許文献(3)のように、肩紐および胸バンドのみからなり、両肩紐の前部中途個所に乳首のみを隠すためのポイントを、上下移動自在に装着した軽量で風通しのよい簡易ブラジャーなどが散見される。
【0005】
しかし、前者、特許文献(1)に示されているようなカップ部を有する衣類や、特許文献(2)のブラジャーなどは、何れも聴診器や心電図検査機器のセンサーなどを装着するときにカップ部を開放したり、ずらしたりする必要があり、誤ってバストポイントを露出させてしまうことが懸念されることから、女子生徒の不安を完全に解消できるものとはならないという欠点があり、また、特許文献(3)に代表する簡易ブラジャーのようなものは、バストポイントのみを隠すのに有効で聴診の邪魔にならないという特徴を得ることができるものの、胸バンドが心電図検査機器のセンサー装着の障害になる虞があり、やはり胸バンドをずらす必要がでてくる可能性がある外、乳首を隠すポイントが自重や振動などによって不用意にズレ動いてしまうことが懸念されるものであった。
【特許文献1】(1)特開2006−45741号公報 (2)特開平11−36106号公報 (3)登録実用新案第3123004号公報 (4)実用新案登録第3139872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種衣類やブラジャー類は、何れも聴診や心電図検査のときには、バンド部分やカップ部分を開放したり、ずらしたりして聴診器を当てたり、センサーを装着する必要があり、通常の装着状態を維持したまま検査を行うことができず、検査中に誤ってバストポイントを露出させてしまうという心配は拭いきれないことから、バストを露出させなければならないという女子生徒の不安や不快感といったストレスを完全に払拭できるものにはなっていない状況が、教職に身を置いていた当時から未だに放置されたまま、一向に改善の兆しが見出せない状況に推移している。
【0007】
前述のような状況の打開策として、本願出願人、発明者が永年に亘る教員生活で、毎年、春の定期健康診断毎に繰り返される女子生徒達の不安や不快感を痛感してきた経験から、バストポイントを確実に隠蔽でき、しかも一般検診や心電図検査の障害にならない新たな肌着を提供したいとの願いを叶えるべく、一早く特許文献(4)に示すとおりの新たな胸部検診用肌着を、自らが開発、実用化することに成功したが、この開発済みの肌着の場合は、装着対象者個々人の様々な体形や乳房のサイズ、バストポイントの位置などに自在に対応し易くするためと、胸部診断の邪魔にならないよう、前部や背部の傾斜紐、およびそれらの肩掛け部分をマスク用ゴム紐製としてあって、円錐状に形成した小型の左右ポイントパッドのサポート力に若干弱さがあり、装着中にズレ動いてしまうのではないかとの不安を残す結果となっていることから、こうした女子生徒の不安を完全に解消できるものとするには、更なる改善の必要性があるものと考えた。
【0008】
(発明の目的)
そこで、この発明は、一般検診や心電図検査の障害にならず、しかも装着者個々人の多様な体形、乳房サイズ、バストポイント位置などに的確に対応するよう自由度の高い調節機能を有する上、左右ポイントバッド部分の安定感を一段と高めて、検診中の女子生徒の不安やストレスをより効果的に解消できる新たな検診用肌着技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の胸部検診用肌着を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の胸部検診用肌着は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、着用時上がわとなる外周縁適所に肩帯用長さ調節機構兼用の肩帯繋着部を設けたポイントバッド部と、該ポイントバッド部の右がわから脇の下がわ所定位置まで延伸、一体形成した脇帯部とからなり、それらポイントバッド部から脇帯部に掛けての上下縁全長夫々に沿って連通する通し孔を形成してなる右用ポイントカップ、および、該右用ポイントカップと左右対称形状・構造で、同右用ポイントカップに対して左右対称配置とする左用ポイントカップを有すると共に、それら左右一対のポイントカップ相互における上下各通し孔には、夫々別々のゴム紐を挿通するようにし、一方のポイントカップ上縁の通し孔を潜らせたゴム紐は他方のポイントカップ下縁の通し孔に誘導し、一方のポイントカップ下縁の通し孔を潜らせたゴム紐は他方のポイントカップ上縁の通し孔に誘導するようにし、それら2本のゴム紐がポイントバッド部間で正面X字状に交叉させた上、各脇帯部外端上下から導出した夫々2本ずつのゴム紐各端間を背面用ゴム帯で繋いでなるものとした構成を要旨とする胸部検診用肌着である。
【0010】
この基本的な構成からなる胸部検診用肌着を表現を変えて示すと、着用時上がわとなる外周縁適所に肩帯用長さ調節機構兼用の肩帯繋着部を設けたポイントバッド部と、該ポイントバッド部の右がわから脇の下がわ所定位置まで延伸、一体形成した脇帯部とからなり、それらポイントバッド部から脇帯部に掛けての上下縁全長夫々に沿って連通する通し孔を形成してなる右用ポイントカップ、および、該右用ポイントカップと左右対称形状・構造で、同右用ポイントカップに対して左右対称配置とする左用ポイントカップを有すると共に、それら左右一対のポイントカップ相互における上下各通し孔には、夫々別々のゴム紐を挿通するようにし、一方のポイントカップ上縁の通し孔を潜らせたゴム紐は他方のポイントカップ下縁の通し孔に誘導し、一方のポイントカップ下縁の通し孔を潜らせたゴム紐は他方のポイントカップ上縁の通し孔に誘導するようにし、それら2本のゴム紐がポイントバッド部間で正面X字状に交叉させた上、各脇帯部外端上下から導出した夫々2本ずつのゴム紐各端間を背面用ゴム帯で繋いでなるものとし、装着したまま、人体および/または乳房のサイズに応じて左右の各ポイントカップを最適位置に調整可能となるようにした構成からなる胸部検診用肌着となる。
【0011】
より具体的には、着用時上がわとなる外周縁適所に肩帯用長さ調節機構兼用の肩帯繋着部を設けたポイントバッド部と、該ポイントバッド部の右がわから脇の下がわ所定位置まで延伸、一体形成した脇帯部とからなり、それらポイントバッド部から脇帯部に掛けての上下縁全長夫々に沿って連通する通し孔を形成してなる右用ポイントカップ、および、該右用ポイントカップと左右対称形状・構造で、同右用ポイントカップに対して左右対称配置とする左用ポイントカップを有すると共に、それら左右一対のポイントカップ相互における上下各通し孔には、夫々別々のゴム紐を挿通するようにし、一方のポイントカップ上縁の通し孔を潜らせたゴム紐は他方のポイントカップ下縁の通し孔に誘導し、一方のポイントカップ下縁の通し孔を潜らせたゴム紐は他方のポイントカップ上縁の通し孔に誘導するようにし、それら2本のゴム紐がポイントバッド部間で正面X字状に交叉させた上、各脇帯部外端上下から導出した夫々2本ずつのゴム紐各端間を背面用ゴム帯で繋ぐ一方、該背面用ゴム帯の左右適所から、夫々着用時に左右肩に別々に架け渡され、夫々が対応するポイントカップの各肩帯繋着部に到達可能で、吊り長さ調節自在とした左右一対の肩細帯を夫々分岐、縫着してなるものとした構成からなる胸部検診用肌着となる。
【発明の効果】
【0012】
以上のとおり、この発明の胸部検診用肌着によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、左右用ポイントカップの夫々を、それら左右用ポイントカップ上下縁夫々の通し孔に挿通したゴム紐に対して進退移動自在としてあり、左右用ポイントカップ夫々を個別に胸囲方向に左右移動調節可能なものとすることができる上、左右ポイントバッド部間で正面X字状に交叉する2本のゴム紐が、連結部分を小型化して診察の邪魔にならず、しかも、弱い締め付け力でも胸囲方向へのズレ動きをより確実に防止可能なものとすることができ、各ポイントバッド部から脇の下がわ所定位置まで延伸、一体化形成した各脇帯部が、ポイントバッド部のズレ動きや捩れ、反転、脱落などをより確実に防止すると共に、各脇帯部外端上下から導出した夫々2本ずつのゴム紐各端間を、背中に対応する範囲に配した背面用ゴム帯に繋ぐことにより、背中に面した場合に生ずる2本のゴム紐同士が寄り合わせ状となって過剰に締め付けてしまう弊害を確実に防止するようにし、一段と安定した着用感を得ることができ、聴診器による診察や心電図検査機のセンサー部取り付けなどの障害にならず、学校医や検査技師などが当該胸部検診用肌着に一切触れる必要がなく、全ての女子児童が安心してストレスのない受診することができるようになるという秀れた効果を発揮するものとなる。
【0013】
加えて、脇帯部の左右何れか一方の外端縦縁の上下長寸法をポイントバッド部直径の1/2に設定し、該外端縦縁の上下端から、ポイントバッド部上下外周縁夫々に至る上下外周縁を同ポイントバッド部円形外周縁との接線状に形成してなるものは、各脇帯部による左右ポイントバッド部のサポート力を格段に高めたものとすることができる上、各ポイントバッド部周辺の輪郭に角を形成せずに、滑らかな形状として肌への刺激を極力軽減したものとし、一層安心して着用できるものとするという特徴を得ることができる。
【0014】
そして、背面用ゴム帯の左右適所から夫々分岐するよう、着用時に左右肩に別々に架け渡され、夫々が対応する左右ポイントカップの各肩帯繋着部に到達可能で、吊り長さ調節自在とする左右一対の肩細帯の基端を縫着したものは、それら左右の肩細帯が、対応する左右ポイントカップを夫々吊り下げ保持するから、着用時に左右ポイントカップのズレ下がりなどを確実に防止し、より高い安心感が得られるものとなるようにした上、左右各ポイントバッド部の着用時に上がわとなる外周縁適所に設けたループ帯からなり、左右各ループ帯の中途部に、面ファスナーを有して巻き着け仮固定可能な結着テープを夫々着脱自在に装着し、左右各ループ帯に先端を通した左右各肩細帯中途部適所を夫々仮固定可能とする肩帯用長さ調節機構を兼ねるものとしたものでは、左右ポイントカップの吊り下げ位置を着用者の人体および/または乳房の様々なサイズに応じて自在且つ簡単に調節できるものにするという効果も得られる。
【0015】
また、左右ポイントカップが、夫々肌に刺激の少ない軟質天然繊維製メリヤス生地製や軟質スポンジ製またはガーゼ製などとした芯地、裏地、表地を組み合わせてなるものの場合には、充分な厚みを有する素材製のものとなり、高い保護、隠蔽性を確保し、耐久強度を高めたものとすることができ、さらに、合計2本のゴム紐の、正面でX字状に交叉する相互中途箇所に、絹製または人造絹製の細帯を蝶結びして摺動自在に結束可能とした整合用リボンで装飾するようにしたものは、左右ポイントカップ各ポイントバッド部同士の連結部分を安定化すると共に、装飾性を高め、感受性が高い女子生徒の抵抗感やストレスを大幅に軽減し、どの年齢層にも着用し易いものとすることができるという特徴を奏することとなる。
【0016】
そして、背面用ゴム帯が、左右肩細帯の延伸箇所毎に分割した左右一対の背帯部、および、同左右背帯部の対峙端間にゴム紐リングを組み込み、左右背帯部対峙端相互の上下縁同士を弾性的に連結してなるものでは、左右肩細帯の基端を各背帯部が確りとサポートすることができ、しかもゴム紐リングが左右背帯部間連結部分の柔軟性を高めて一段と着用し易くし、着用中の圧迫感を大巾に軽減して一層軽快に装着できるようなものとすることができるという効果を実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
右用ポイントカップは、定期健康診断などにおける聴診や心電図検査などの障害とならない範囲で、乳頭およびその近傍を常時隠蔽可能として皮膚への強い締め付けや擦れなどの刺激を抑えた装着を可能とする機能を果たし、右がわの少なくとも乳頭およびその近傍を隠蔽可能なポイントバッド部と、同ポイントバッド部の右がわから脇の下がわ所定位置まで延伸、一体形成した脇帯部とからなるものとしなければならず、該ポイントバッド部の着用時上がわとなる外周縁適所に肩帯用長さ調節機構兼用の肩帯繋着部を設け、ポイントバッド部および脇帯部の上下縁全長夫々に沿って連通し、夫々にゴム紐を挿通可能とした通し孔を形成してなるものとすべきであり、また、同上下縁全長夫々に沿って軟質パイプ体を一体化して通し孔を形成したものとすることが可能で、後述する実施例に示すように、軟質天然繊維製メリヤス生地または軟質スポンジのシート状素材からなる芯地を内蔵し、裏面にガーゼ製の裏地、表面にガーゼ製または合成繊維製の表地を有するものとするのが望ましい。
【0018】
肩帯繋着部は、ポイントバッド部の着用時上がわとなる外周縁適所に、左右対応するがわの肩細帯を着脱自在、且つ、吊り長さ調節自在とするよう繋着可能とするもので、肩帯用長さ調節機構を兼用するものとすべきであり、バックルなどの金具類を利用きるが、肌に接触しても安全な程度に柔軟性を有し、アレルギーの原因とならない素材からなるものとするのが望ましく、例えば、各種天然繊維製または合成繊維製の結び紐類などを縫着したものとすることが可能である外、後述する実施例に示すように、ポイントバッド部の着用時に上がわとなる外周縁適所に設けたループ帯からなり、左右各ループ帯の中途部に、面ファスナーを有して巻き着け仮固定可能な結着テープを夫々着脱自在に装着し、左右各ループ帯に先端を通した左右各肩細帯中途部適所を夫々仮固定可能とする肩帯用長さ調節機構を兼ねたものとすることができる。
【0019】
肩細帯は、左右用ポイントカップの各ポイントバッド部着用時上がわとなる外周縁適所を吊下して安定的に保持可能とするものであり、肌に接触しても安全な程度に柔軟でアレルギーの原因とならない素材からなるものとすべきであり、例えば、通気性の良い各種天然繊維製または合成繊維製の帯からなるものとするのが望ましいが、天然ゴム製や軟質合成樹脂製などの伸縮性の帯からなるものとすることが可能であり、より具体的には、2本の肩細帯の各端部を背面用ゴム帯の左右対応する適所に夫々結合し、それら肩細帯の中途部を着用時に、左右の肩に夫々掛けるようにして先端がわを胸がわに垂らし、左右各肩帯繋着部に到達可能なものとするか、または2本の肩細帯を背中がわでX字状に交叉させて各肩細帯の中途部を左右入れ変えて左右の肩に夫々掛けるようにして胸がわに垂らし、左右各肩帯繋着部に到達可能なものとするか、または1本の肩細帯を着用時に首に架け、胸がわに垂らした左右端を夫々対応する各肩帯繋着部に到達可能なものとするかの何れかとすることができる。
【0020】
ループ帯は、ポイントバッド部の着用時に上がわとなる外周縁適所に、着用者の背面がわから左右対応するがわの肩上を回り込んで胸がわに垂れ下げた肩細帯の端がわを、その長さが調節可能な状態で仮繋着可能とするものであり、柔軟性を有する素材製のものとしなければならず、例えば、ガーゼ製帯、布製帯、ゴム製帯、軟質合成樹脂製帯、または、それらの組合せからなる筒帯などからなるものとするのが望ましく、結着テープは、ループ帯に挿し通した肩細帯の中途部適所を開放自在に仮固定可能とするものであり、着脱容易なものとするには、後述する実施例に示すように、面ファスナーを有して着脱自在に巻き着け仮固定可能なものとするのが良い。
【0021】
脇帯部は、一体化形成したポイントバッド部を脇の下がわから、その装着状態を安定に維持できるよう確りとサポート可能とするものであり、着用中に容易に捩れないよう形状維持可能な所定巾帯状としたものとしなければならず、胸囲方向に同一上下長寸法の矩形帯状のものとしたり、または、ポイントバッド部の上下直径を底辺とする二等辺三角形状のものとしたりすることが可能であるが、さらに着用時のフィット感や安定感などを得るには、後述する実施例に示すように、その左右何れか一方の外端縦縁の上下長寸法をポイントバッド部直径の1/2に設定し、該外端縦縁の上下端から、ポイントバッド部上下外周縁夫々に至る上下外周縁を同ポイントバッド部円形外周縁との接線状に形成してなるものとするのが望ましい。
【0022】
上下通し孔は、ポイントカップの上下縁に沿ってゴム紐を、その紐長寸法方向に進退自在に挿通可能であり、且つ、着用時のゴム紐圧力でポイントカップを安定的に保持するに充分な摩擦力を発生可能とするものであり、挿通対象となるゴム紐を装着可能な内径の筒状に形成しなければならず、ポイントカップ製造と共に同一の布地などから一体的に縫製したものとすることができる外、各種合成樹脂製、各種ゴム製、各種布製などからなる別体チューブをポイントカップの上下縁に沿って貼着、熔着または縫着などして一体化したものとすることができる。
【0023】
左用ポイントカップは、前記右用ポイントカップと同様に、定期健康診断などにおける聴診や心電図検査など診察の障害とならない範囲で、乳頭およびその近傍を常時隠蔽可能として皮膚への強い締め付けや擦れなどの刺激を抑えた装着を可能とする機能を果たすもので、当該右用ポイントカップと左右対称形状・構造で同一材質とした同右用ポイントカップに対して左右対称配置とし、左がわの少なくとも乳頭およびその近傍を隠蔽可能なポイントバッド部と、同ポイントバッド部の右がわから脇の下がわ所定位置まで延伸、一体形成した脇帯部とからなるものとしなければならない。
【0024】
ゴム紐は、当該胸部検診用肌着の着用胸囲を着用者の体形に応じて伸縮自在とし、左右用ポイントカップ同士を、胸囲方向左右に近接、離隔移動自在、および、各ポイントカップ双方の上下縁に沿って弾性的装着摩擦力を発揮可能とするものであり、充分な強度と柔軟性とをもって肌に刺激を与えないよう装着可能なものとしなければならず、後述する実施例に示すように、例えば、2本のゴム紐からなり、1本のゴム紐を左右何れか一方のポイントカップ上縁の通し孔に潜らせ、他方のポイントカップ下縁の通し孔に誘導し、別の1本ゴム紐は、同一方のポイントカップ下縁の通し孔に潜らせ、他方のポイントカップ上縁の通し孔に誘導するようにし、それら2本のゴム紐がポイントバッド部間で正面X字状に交叉させた上、各脇帯部外端上下から導出した夫々2本ずつのゴム紐各端間を背面用ゴム帯で繋いでなるものとすべきであり、さらに、合計2本のゴム紐の、正面でX字状に交叉する相互中途箇所に、絹製または人造絹製の細帯を蝶結びして摺動自在に結束可能とした整合用リボンで装飾してなるものとすることができる。
【0025】
整合用リボンは、2本のゴム紐の、正面でX字状に交叉する相互中途箇所を、摺動自在に結束可能とするものであり、胸部中央の配置となるものであるから、装飾を兼ねたものとするのが望ましく、肌に接しても安全な各種天然繊維、各種合成繊維、各種軟質合成樹脂などからなる柔軟素材製のものとすべきであり、人造絹製の細帯を蝶結びにしたものの外、各種装飾品を中途適所装着して結着可能とした縛り紐や、面ファスナを有して捲着状に仮固定可能とした縛り帯、縛り環、合成樹脂製短尺パイプなど様々な形状、構造のものとすることができる。
【0026】
背面用ゴム帯は、左右用ポイントカップ夫々の上下各通し孔に、左右各ポイントバッド部間で正面X字状に交叉するよう挿し通した2本のゴム紐の各左右端同士を、着用時に胸囲を一周してフィットするよう装着可能とする機能を発揮するものであり、肌に締め付けによる刺激を与えない程度で、しかも充分な強度をもって安定に着用可能であって、それ自体に着用時胸囲方向に伸縮自在なものとすべきで、2本のゴム紐の各左右端同士を着用者背面がわとなる長さまで延伸し、対応するゴム紐端同士を互いに連結したものとすることができる外、2本のゴム紐の各左右端同士を1本の比較的細巾のゴム帯の両端に結合したものなどとすることができ、左右肩細帯の基端を結合する箇所夫々に、肩細帯用の着脱機構や、その長さ調節機構などを設けたものとすることが可能であり、後述する実施例に示すように、左右肩細帯の延伸箇所毎に分割した左右一対の背帯部、および、同左右背帯部の対峙端間にゴム紐リングを組み込み、左右背帯部対峙端相互の上下縁同士を弾性的に連結してなるものとすることができる。
【0027】
ゴム紐リングは、左右に分割した背面用ゴム帯の左右背帯部の対峙端間を細く柔軟性のあるゴム紐で連結可能とするものであり、輪ゴムからなるものとすることができる外、後述する実施例にも示すように、適宜長の紐状ゴムの両端同士を輪状に結合したもので、左右背帯部対峙端相互の上下縁同士を弾性的に連結してなるものとすることができる。
前記各種ゴム紐やゴム帯は、何れも肌に不要な刺激を与えない良質素材製のものとすべきであり、例えば、天然ゴムまたは合成ゴムの表面に、通気性や吸湿性のある天然繊維または合成繊維製の皮膜を形成したものとすべきである。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【実施例1】
【0028】
図1の正面方向から見た胸部検診用肌着の斜視図、図2のポイントカップ用型紙の正面図、図3の分解状態のポイントカップの斜視図、図4のポイントカップの斜視図、図5の裏面がわから見たポイントカップの斜視図、および、図6の着用状態の胸部検診用肌着の斜視図に示す事例は、ポイントバッド部3,3から脇帯部5,5を脇の下がわ所定位置まで延伸し、それらポイントバッド部3,3から脇帯部5,5に掛けての上下縁に通し孔6,6を形成してなる右用ポイントカップ2、および、該右用ポイントカップ2と左右対称形状、対称配置の左用ポイントカップ7を有し、それら左右各ポイントカップ2,7の上下各通し孔6,6,……に、2本のゴム紐8,8を適宜挿通し、各脇帯部5,5外端上下から導出したゴム紐8,8各端間を背面用ゴム帯9で繋いでなるものとした、この発明の胸部検診用肌着1における代表的な一実施例を示すものである。
【0029】
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明の胸部検診用肌着1の左右用ポイントカップ2,7は、互いに左右対称形状・構造で、着用時に左右対称配置となるよう形成してなるものであり、この中、右胸に装着可能となる右用ポイントカップ2用の型紙(A)は、図2中に示すものとなって、左用ポイントカップ7用の型紙は、図2中に示す形状を左右反転させたものとなる。
【0030】
図2中に示す、右用ポイントカップ2の型紙Aの形状は、そのポイントバッド部3の半径Bを4cmとし、その中心点から、同図2中に二点鎖線矢印で示す、生地の経糸方向Cに対する時計回り円周上の狭巾円周長D(2cm)の概略扇形の切り込みEを入れ、該切り欠き部Eから反時計回りに2cm巾Fの位置に、開口巾寸法Gが1.2cmの下中央がわ開口62の形成位置を設定し、当該ポイントバッド部3の半径(B)4cm円から、図示しない緯糸方向(経糸方向Cに直交)に対する角度Hが30°(経糸方向Cに対する角度Jが60°)の方向に長さKが10.5cmの脇帯部5を形成し、該脇帯部5の端部の上下巾寸法Lが4cmで、該脇帯部5の端部上下角部分から夫々、当該ポイントバッド部3の半径(B)4cm円に接線を形成するよう上下縁を形成し、同当該ポイントバッド部3半径(B)4cm円と脇帯部5上縁が交わる箇所から時計回り方向にの2cmの円周長さM範囲に肩帯繋着部4のループ帯41の縫着位置を設定し、さらに、同時計回り寸法N(1.5cm)の位置に、開口巾寸法Pが1.2cmの上中央がわ開口60の形成位置を設定し、前記脇帯部5の端部上角部分に、上周回り端がわ開口61、脇帯部5の端部下角部分に、下周回り端がわ開口63を夫々形成可能とするよう、当該型紙Aの全周囲に小幅の縫着代Qを形成したものとしてある。
【0031】
図2および図3に示してあるように、当該型紙Aに基づいて裁断し、切り欠き部Eを縫合した軟質天然繊維製メリヤス生地または軟質スポンジのシート状素材からなる芯地70は、そのポイントバッド部3の着用時上がわ配置となる、当該円周長さMに、ガーゼ筒製のループ帯41の両端を束ねるよう縫着し、同じ型紙Aに基づいて裁断、縫製したガーゼ製の裏地71、表地72で挟み込むよう縫着し、図4に示すように、右用ポイントカップ2を得たものとし、該右用ポイントカップ2の上下縁には、芯地70上下周縁と表地72上下周縁との間に沿って筒状をなす上下通し孔6,6、および、それらの上中央がわ開口60、上周回り端がわ開口61、下中央がわ開口62、下周回り端がわ開口63を夫々開口したものとしてある。
【0032】
図5に示すように、右用ポイントカップ2の上下通し孔6,6には、夫々1本ずつ合計2本のマスク用ゴム紐8,8を進退自在に挿し通したものとし、図1および図6に示すように、左右対称形状、構造に形成した左右用各ポイントカップ2,7の左右ポイントバッド部3,3間で、2本のゴム紐8,8を正面X字状に交叉させると共に、右用ポイントカップ2上縁の通し孔6を潜らせ、上中央がわ開口60から導出したゴム紐8は左用ポイントカップ7下縁の下中央がわ開口62から通し孔6に誘導し、右用ポイントカップ2下縁の通し孔6を潜らせ、下中央がわ開口62から導出したゴム紐8は左用ポイントカップ7上縁の通し孔6に誘導するようにして組み立て、さらに、それら2本のゴム紐8,8の正面でX字状に交叉する相互中途箇所に、絹製または人造絹製の細帯を蝶結びして摺動自在に結束可能とした整合用リボン80で装飾した上、左右用各ポイントカップ2,7の各脇帯部5,5外端上下の上下周回り端がわ開口61,63から導出した夫々2本ずつのゴム紐8,8各端間を背面用ゴム帯9で繋いでなるものとしてある。
【0033】
図1に示すように、背面用ゴム帯9は、上下巾が各脇帯部5,5の外端上下巾4cmと同等巾寸法のゴム帯製で、胸囲回り方向寸法を2分割状とした左右一対の背帯部90,90、および、同左右背帯部90,90の対峙端間にゴム紐リング91を組み込み、左右背帯部90,90対峙端相互の上下縁同士を弾性的に連結してなるものとし、各の背帯部90,90の中途適所の上縁付近には、綿帯製所定長の左右肩細帯40,40の基端を夫々縫着したものとしてあり、各左右用ポイントカップ2,7上縁の左右各ループ帯41,41には、夫々面ファスナー43,43を有して巻き着け仮固定可能な結着テープ42,42を夫々着脱自在に装着し、左右各ループ帯41,41に先端を通した左右各肩細帯40,40中途部適所を夫々仮固定可能とする肩帯用長さ調節機構を兼ねたものとしてある。
【0034】
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の胸部検診用肌着1は、図1および図6に示すように、着用する際に、左右用ポイントカップ2,7を左右胸部に合わせるように、2本のゴム紐8,8および背面用ゴム帯9(左右背帯部90,90、ゴム紐リング91)の伸縮性を利用して胸周囲に装着すると共に、図6中の実線矢印に示すよう、2本のゴム紐8,8に沿って左右用ポイントカップ2,7を胸囲方向に進退移動させながら、各ポイントバッド部3,3が夫々左右乳頭およびその近傍を隠蔽する位置に調節した上、整合用リボン80を左右用ポイントカップ2,7間の中央に配置するよう調節し、2本のゴム紐8,8の正面X字状の交叉位置を左右中央に配置させたものとし、さらに、左右背帯部90,90の左右肩細帯40,40の各先端がわを左右肩に別々に架け渡し、左右肩細帯40,40各先端を対応する左右用ポイントカップ2,7の各ループ帯41,41に挿し通して吊り長さを調節してから、各ループ帯41,41と、それらに挿通した左右肩細帯40,40の中途箇所夫々とを左右結着テープ42,42で巻き着け、左右結着テープ42,42の各面ファスナー43,43によって夫々接着状に仮固定し、充分な吊り下げ強度を確保するように着用することが可能である。
【0035】
左右用ポイントカップ2,7は、各ポイントバッド部3,3夫々から脇帯部5,5を一体的に形成してあるから、格段に安定した装着感を得ることができ、左右ポイントバッド部3,3のズレ動きや脱落、捩れ、反転などの発生を確実に防止できるものとなり、図2中の二点鎖線矢印Cおよび図3に示すように、軟質天然繊維製メリヤス生地製とした場合の芯地70、および、ガーゼ製の裏地71、表地72が、それら素材生地の経糸方向Cに対して、型紙Aの着用時吊り下げ上下方向を一致するよう60°(角度J)傾けて裁断してあるから、それ以外の角度に型紙Aを置いて裁断した場合よりも格段に高い耐久強度を確保することができる上、各裏地71,71、各ループ帯41,41をガーゼ製としてあるから肌に優しく、しかも左右用ポイントカップ2,7の各上下通し孔6,6,……に通した2本のマスク用ゴム紐8,8が、過剰な締め付けを防いで通気性を十分に確保し、ゆったりとサポートするものとなり、痒みやアレルギーなどの発生を確実に防止できる。
【0036】
図1に示すように、背面用ゴム帯9を左右背帯部90,90、および、同左右背帯部90,90の対峙端間に組み込んだゴム紐リング91からなるものとしたから、左右背帯部90,90が高いサポート力を発揮して左右肩細帯40,40各基端を安定保持可能なものとし、一段と安定感のある着用を実現化できるという効果が得られる。
【0037】
(結 び)
叙述の如く、この発明の胸部検診用肌着は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの検診用の肌着技術に比較して、バストトップをより確実に隠蔽し、聴診器による診察や心電図検査機のセンサー部取り付けなどの障害にならず、さらに、軽量且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができ、毎年行われる定期健康診断のとき、上半身裸になって検診を受けなければならないという女子生徒達の苦痛を大幅に和らげることになるため、これまでこうした児童生徒の心の問題に気付きながら対応する術をもたなかった小中学校は固よりのこと、各種医療機関や介護施設、バストトップに障害を持つ人々や高齢者、あるいはリラックスタイムにバストを締め付けず、通気性に秀れた肌着を所望する女性などからは勿論のこと、こうしたニーズに応えようとする肌着業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図面は、この発明の胸部検診用肌着の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【図1】正面方向から見た胸部検診用肌着を示す斜視図である。
【図2】ポイントカップ用の型紙を示す正面図である。
【図3】生地の組み合わせ状態にあるポイントカップを示す斜視図である。
【図4】ポイントカップを示す斜視図である。
【図5】裏面地がわから見たポイントカップを示す斜視図である。
【図6】着用状体の胸部検診用肌着を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
1 胸部検診用肌着
2 右用ポイントカップ
3 ポイントバッド部
4 肩帯繋着部(肩帯用長さ調節機構兼用)
40 同 肩細帯
41 同 ループ帯
42 同 結着テープ
43 同 面ファスナー
5 脇帯部
6 上下通し孔
60 同 上中央がわ開口
61 同 上周回り端がわ開口
62 同 下中央がわ開口
63 同 下周回り端がわ開口
7 左用ポイントカップ
70 同 芯地
71 同 裏地
72 同 表地
8 ゴム紐
80 同 整合用リボン
9 背面用ゴム帯
90 同 左右背帯部
91 同 ゴム紐リング
A 型紙
B ポイントバッド部3の半径
C 経糸方向
D 切り込み扇形円周長
E 切り欠き部
F 切り欠きからの周回り寸法
G 下中央がわ開口62の開口巾寸法
H 緯糸に対する角度(30°)
J 経糸に対する角度(60°)
K 脇帯部5の長さ
L 脇帯部5の端部の上下巾寸法
M ループ帯41縫着範囲の円周長さ
N 反時計回り寸法
P 上中央がわ開口60の開口巾寸法
Q 縫着代

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用時上がわとなる外周縁適所に肩帯用長さ調節機構兼用の肩帯繋着部を設けたポイントバッド部と、該ポイントバッド部の右がわから脇の下がわ所定位置まで延伸、一体形成した脇帯部とからなり、それらポイントバッド部から脇帯部に掛けての上下縁全長夫々に沿って連通する通し孔を形成してなる右用ポイントカップ、および、該右用ポイントカップと左右対称形状・構造で、同右用ポイントカップに対して左右対称配置とする左用ポイントカップを有すると共に、それら左右一対のポイントカップ相互における上下各通し孔には、夫々別々のゴム紐を挿通するようにし、一方のポイントカップ上縁の通し孔を潜らせたゴム紐は他方のポイントカップ下縁の通し孔に誘導し、一方のポイントカップ下縁の通し孔を潜らせたゴム紐は他方のポイントカップ上縁の通し孔に誘導するようにし、それら2本のゴム紐がポイントバッド部間で正面X字状に交叉させた上、各脇帯部外端上下から導出した夫々2本ずつのゴム紐各端間を背面用ゴム帯で繋いでなるものとしたことを特徴とする胸部検診用肌着。
【請求項2】
着用時上がわとなる外周縁適所に肩帯用長さ調節機構兼用の肩帯繋着部を設けたポイントバッド部と、該ポイントバッド部の右がわから脇の下がわ所定位置まで延伸、一体形成した脇帯部とからなり、それらポイントバッド部から脇帯部に掛けての上下縁全長夫々に沿って連通する通し孔を形成してなる右用ポイントカップ、および、該右用ポイントカップと左右対称形状・構造で、同右用ポイントカップに対して左右対称配置とする左用ポイントカップを有すると共に、それら左右一対のポイントカップ相互における上下各通し孔には、夫々別々のゴム紐を挿通するようにし、一方のポイントカップ上縁の通し孔を潜らせたゴム紐は他方のポイントカップ下縁の通し孔に誘導し、一方のポイントカップ下縁の通し孔を潜らせたゴム紐は他方のポイントカップ上縁の通し孔に誘導するようにし、それら2本のゴム紐がポイントバッド部間で正面X字状に交叉させた上、各脇帯部外端上下から導出した夫々2本ずつのゴム紐各端間を背面用ゴム帯で繋いでなるものとし、装着したまま、人体および/または乳房のサイズに応じて左右の各ポイントカップを最適位置に調整可能となるようにしたことを特徴とする胸部検診用肌着。
【請求項3】
着用時上がわとなる外周縁適所に肩帯用長さ調節機構兼用の肩帯繋着部を設けたポイントバッド部と、該ポイントバッド部の右がわから脇の下がわ所定位置まで延伸、一体形成した脇帯部とからなり、それらポイントバッド部から脇帯部に掛けての上下縁全長夫々に沿って連通する通し孔を形成してなる右用ポイントカップ、および、該右用ポイントカップと左右対称形状・構造で、同右用ポイントカップに対して左右対称配置とする左用ポイントカップを有すると共に、それら左右一対のポイントカップ相互における上下各通し孔には、夫々別々のゴム紐を挿通するようにし、一方のポイントカップ上縁の通し孔を潜らせたゴム紐は他方のポイントカップ下縁の通し孔に誘導し、一方のポイントカップ下縁の通し孔を潜らせたゴム紐は他方のポイントカップ上縁の通し孔に誘導するようにし、それら2本のゴム紐がポイントバッド部間で正面X字状に交叉させた上、各脇帯部外端上下から導出した夫々2本ずつのゴム紐各端間を背面用ゴム帯で繋ぐ一方、該背面用ゴム帯の左右適所から、夫々着用時に左右肩に別々に架け渡され、夫々が対応するポイントカップの各肩帯繋着部に到達可能で、吊り長さ調節自在とした左右一対の肩細帯を夫々分岐、縫着してなるものとしたことを特徴とする胸部検診用肌着。
【請求項4】
左右用の各ポイントカップが、軟質天然繊維製メリヤス生地または軟質スポンジのシート状素材からなる芯地を内蔵し、裏面にガーゼ製の裏地、表面にガーゼ製または合成繊維製の表地を有するものとしてなる、請求項1ないし3何れか一項記載の胸部検診用肌着。
【請求項5】
合計2本のゴム紐の、正面でX字状に交叉する相互中途箇所に、絹製または人造絹製の細帯を蝶結びして摺動自在に結束可能とした整合用リボンで装飾してなるものとした、請求項1ないし4何れか一項記載の胸部検診用肌着。
【請求項6】
肩帯繋着部が、左右各ポイントバッド部の着用時に上がわとなる外周縁適所に設けたループ帯からなり、左右各ループ帯の中途部に、面ファスナーを有して巻き着け仮固定可能な結着テープを夫々着脱自在に装着し、左右各ループ帯に先端を通した左右各肩細帯中途部適所を夫々仮固定可能とする肩帯用長さ調節機構を兼ねたものとしてなる、請求項1ないし5何れか一項記載の胸部検診用肌着。
【請求項7】
脇帯部が、その左右何れか一方の外端縦縁の上下長寸法をポイントバッド部直径の1/2に設定し、該外端縦縁の上下端から、ポイントバッド部上下外周縁夫々に至る上下外周縁を同ポイントバッド部円形外周縁との接線状に形成してなるものとした、請求項1ないし6何れか一項記載の胸部検診用肌着。
【請求項8】
背面用ゴム帯が、左右肩細帯の延伸箇所毎に分割した左右一対の背帯部、および、同左右背帯部の対峙端間にゴム紐リングを組み込み、左右背帯部対峙端相互の上下縁同士を弾性的に連結してなるものとした、請求項1ないし7何れか一項記載の胸部検診用肌着。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−184835(P2011−184835A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53858(P2010−53858)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(510067005)
【Fターム(参考)】