説明

能動薬物放出型サーモロッドの製造方法およびそのサーモロッド

薬物を温度に応じて能動的に放出させる能動薬物放出型サーモロッドおよびその製造方法を開示する。誘導磁場内で渦電流損失とヒステリシス損失によって熱を発生させるサーモロッドの製造方法は、前記サーモロッドを一定の形状に加工する段階と、薬物と前記薬物の支持体の役割を果たす高分子物質とを混合して薬物混合試片を製造する段階と、前記薬物混合試片を用いて前記サーモロッドの表面に薬物混合層を形成する段階とを含んでなる。したがって、これにより製造されたサーモロッドおよびその製造方法は、36.5℃以上の局所温熱療法を実施することができるとともに、温度に応じて能動的に薬物放出調節が可能であって効果的に疾患部位の薬物治療と抗癌薬物治療を実施することができる。また、 生体組織の病変部位に薬物放出サーモロッドを施術して治療すると、休止期の腫瘍細胞が温熱療法によって治療可能であるうえ、能動的な薬物放出によって患部に薬物を伝達する効率が高いため、一般な方法で薬物を投与する場合に派生する血中薬物濃度の増加による毒性誘発を最小化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物を温度に応じて能動的に放出させる能動薬物放出型サーモロッドおよびその製造方法に係り、特に、サーモロッドの表層に薬物混合層、または薬物混合層およびコーティング層を形成し、一定の温度で薬物を能動的に一定の濃度で放出させる能動薬物放出型サーモロッドおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、腫瘍治療のための癌化学療法にはパクリタキセル(Paclitaxel)が用いられる。パクリタキセルを用いた化学療法は、通常、3週間毎に用量135〜175mg/mのパクタキセルを3時間以上にわたって静脈注射して体内に全身投与することにより行われている。この場合、パクリタキセルは、約4〜6回以上(6ヶ月以上の治療)繰返し投与される。体内に投与されたパクリタキセルは、複合的な生理学的過程を経て患部に到達して薬効を発揮する。
【0003】
癌治療過程で血中のパクリタキセル濃度が引き続き増加して薬効を発揮し始め、その濃度がさらに増加して毒性を示す水準に到達すると、骨髄の生成を抑制して白血球の数を減少させるうえ、脱毛や抹消神経障害、筋肉痛などの副作用を誘発する。
【0004】
また、前記パクリタキセルを含んで大部分の抗癌剤は、増殖しない休止期の細胞に対しては効果を示さず、増殖する細胞に対して死滅効果を示すため、細胞分裂速度の非常に遅い腫瘍、例えば前立腺癌などには癌化学療法の効果が少ないことが報告されている。すなわち、細胞分裂速度の遅い腫瘍、例えば前立腺癌などの治療における最も大きい問題点は、細胞分裂による新しい細胞が死滅するのではなく、古い腫瘍細胞が死滅しないことである。
【0005】
現在、前立腺癌の治療のために、多様な最小侵襲的切除施術(Minimally invasive ablation technologies)が研究されている。例えば、放射能同位元素を用いた埋め込み型インプラント(radioactive seed implantation)によって生体組織の内部で近接治療する方法、高線量率近接治療法(High dose rate brachy-therapy)、冷凍療法(Cryoablation)などがある。
【0006】
放射性同位元素インプラントは、組織内に、ヨード−125、パラジウム−103で製作されたインプラントを挿入して腫瘍を治療するのに用いられるが、癌の除去に必要な適正の線量を把握することができないという欠点がある。高線量の近接治療にはイリジウム−192インプラントを使用し、限時的に導尿カテーテルから放射性インプラントを除去する技術的難しさが残っている。
【0007】
冷凍療法は、6〜8インチ程度のチューブを直腸を介して前立腺内に挿入し、このチューブを通して液体窒素を循環させて冷凍させる治療法であって、過程が簡単で合併症が少ないが、治療後に膀胱が閉鎖される副作用が発生し、これにより導尿カテーテルの挿入が長期的に必要とされる場合がある。米国では、前立腺癌患者のうち、冷凍療法で治療を受ける比率は約30%に達し、これらの中でも尿失禁症状が誘発される場合が27%に達する。このような副作用を最小化するためには、冷凍治療の際に尿道周辺の組織を適切に加熱して組織の破壊を保護しなければならないという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、その目的は、サーモロッドの表層に薬物混合層を形成し、一定の温度で薬物を能動的に一定の濃度で放出させる能動薬物放出型サーモロッド、およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、薬物の放出量を調節するために、前記薬物混合層の表層にコーティング層をさらに形成した能動薬物放出型サーモロッド、およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、誘導磁場内で渦電流損失とヒステリシス損失によって熱を発生させる薬物放出型サーモロッドの製造方法において、前記サーモロッドを一定の形状に加工する第1段階と、薬物と前記薬物の支持体の役割を果たす高分子物質とを混合して薬物混合試片を製造する第2段階と、前記薬物混合試片を用いて前記サーモロッドの表面に薬物混合層を形成する第3段階とを含んでなる、能動薬物放出型サーモロッドの製造方法、およびこれにより製造された能動薬物放出型サーモロッドを提供する。
【0011】
前記サーモロッドは、鉄、ステンレス鋼、二相ステンレス鋼、ニッケル−銅合金、鉄−ニッケル合金、パラジウム−コバルト合金、鉄−クロム合金、および鉄−コバルト合金よりなる群から選ばれたいずれか一つで構成されることが好ましく、前記サーモロッドは、線状、板状、コイル状、およびチューブ状よりなる群から選ばれたいずれか一つの形状に加工されることが好ましい。
また、前記高分子物質はポリエチレン酢酸ビニル(polyethylene-co-vinyl acetate)であることが好ましい。
【0012】
また、前記薬物混合層の表面に、浸漬コーティングのための高分子物質からなるコーティング層をさらに形成することが好ましく、前記コーティング層は、テトラヒドロフランにポリエチレン酢酸ビニル、ポリイソブチルメタクリレート、またはこれらの混合物を溶解させた浸漬コーティング溶液から形成されることが好ましい。
ここで、前記能動薬物放出型サーモロッドは温度に応じて薬物放出速度が制御されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
上述したように、本発明は、36.5℃以上の局所温熱療法(local hyperthermia)を実施することができるとともに、温度に応じて能動的に薬物放出調節(Active drug release delivery)が可能であって効果的に疾患部位の薬物治療と抗癌薬物治療を実施することができるという効果がある。
【0014】
また、本発明は、生体組織の病変部位に薬物放出サーモロッドを施術して治療すると、休止期の腫瘍細胞が温熱療法によって治療可能であるうえ、能動的な薬物放出によって患部への薬物伝達効率が向上するため、一般な方法で薬物を投与する場合に派生する血中薬物濃度の増加による毒性誘発を最小化することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る能動薬物放出型サーモロッドを示す断面図である。
【図2】本発明によって薬物混合層が形成された二相ステンレス鋼サーモロッドの表面および断面SEM写真である。
【図3】本発明によって薬物混合層が形成された二相ステンレス鋼サーモロッドの表面および断面SEM写真である。
【図4】本発明に係るPDMTの表面および断面SEM写真である。
【図5】本発明に係るPDMTの表面および断面SEM写真である。
【図6】本発明に係るHPDMTの表面および断面SEM写真である。
【図7】本発明に係るHPDMTの表面および断面SEM写真である。
【図8】本発明に係るPDMTとHPDMTの薬物放出前と後の重量差を計算したデータを示す図である。
【図9】本発明に係るPDMTとHPDMTの薬物放出前と後の重量差を計算したデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施例について詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明に係る能動薬物放出型サーモロッドを示す断面図である。図1の(a)はサーモロッドの側面にのみ薬物混合層20およびコーティング層30を形成したものであり、図1の(b)はサーモロッドの全面に薬物混合層20およびコーティング層30を形成したものである。
【0018】
図1に示すように、本発明に係る能動薬物放出型サーモロッドは、特に誘導磁場内で渦電流損失とヒステリシス損失によって熱を発生させる薬物放出型サーモロッドに関するもので、サーモロッドの表面に薬物混合層20のみが形成され、或いは薬物の放出量調節のために薬物混合層20とコーティング層30が共に形成され得る。
【0019】
前記サーモロッドは、誘導磁場内で発熱しながら発熱量の調節がなされる金属または非金属物質などを使用することができ、好ましくは、鉄、ステンレス鋼、二相ステンレス鋼、ニッケル−銅合金、鉄−ニッケル合金、パラジウム−コバルト合金、鉄−クロム合金、および鉄−コバルト合金よりなる群からいずれか一つを選択して使用する。特に、二相ステンレス鋼(DSS)は、磁性体としてのα相と非磁性体としてのγ相とが混合された組織を持つステンレス鋼であって、鉄、クロムおよびニッケルが主成分を成す。
【0020】
前記サーモロッドは、治療目的、用途および病変部位に応じて、線状、板状、コイル状、チューブ状などの多様な形状に加工することができ、本発明の好適な実施例としては、二相ステンレス鋼を用いて円柱状に加工したもので、一定の直径および長さに加工する。直径約1.0mmおよび長さ約10.0mmのワイヤーを使用する。
【0021】
前記二相ステンレス鋼で製作されたサーモロッドが発熱する原理は、誘導磁場が発生しているコイルの内部に置かれた金属サーモロッドの表面に渦電流が生成され、この渦電流のジュール熱によって熱が発生する。サーモロッドの表面に発生する渦電流の大きさはサーモロッドの磁気的特性および印加された誘導磁場の強度によって変わる。
【0022】
渦電流が最も多く生成される表面からの熱発生が最も多く、内部に入り込むほど逆起電力が発生して指数的に減少する。物理的な温度変化に応じて磁気変態が現れるキュリー温度付近ではジュール熱の発生が急激に変化するため、サーモロッドは一定の温度を保つことができる。
【0023】
また、二相ステンレス鋼は、磁性を示す結晶組織と非磁性を示す結晶組織とが共存するため、結晶組織の磁性比率を調節すると発熱量を調節することができ、このような特性を利用すると、一定の温度を保つことが可能なサーモロッドを製作することができる。
【0024】
サーモロッドの発熱温度は、素材の化学的組成や熱処理条件、外部形状、誘導磁場の強さおよび周波数、磁場とサーモロッドとの交差角などによって変化させることができる。このように一定の温度を保つことが可能なサーモロッドの表面に薬物をコートして生体組織に挿入すると、サーモロッドの温度変化に応じて薬物の放出速度が変わる能動薬物放出(active drug release)を実現することができる。
前記一定の直径および長さに二相ステンレス鋼が加工されると、前記二相ステンレス鋼の表面に薬物混合層を形成させる薬物混合試片を製造する。
【0025】
前記薬物混合試片は、薬物と前記薬物の支持体の役割を果たす高分子物質とを混合して製作し、治療対象の病変に応じて、投与しようとする薬物を使用すればよい。ここでは、化学療法のためのサーモロッドで抗癌剤を薬物として使用する場合、タキサン系のパクリタキセル(Paclitaxel)またはドセタキセル(Docetaxel)のパウダーの形で使用し、本発明の実施例では、前記抗癌剤と同様の疎水性を示すエリスロマイシン(Erythromycin)とアセトアミノフェン(Acetaminophen)を使用する。表1はこれらの薬物の特性を示す。
【0026】
【表1】

【0027】
前記薬物混合試片を製造するための高分子物質は、特定の温度(ガラス転移温度)で薬物を支持する能力が減少して薬物からガラス化される物質を使用し、経済的で薬物に対して安定的なビーズ形態のポリエチレン酢酸ビニル(Poly ethylene-co-vinyl acetate、以下「PEVA」という)を使用することが好ましい。
【0028】
前記PEVAは粉砕機を用いて粉末状に製造し、アセトアミノフェンは常温で粉砕機を用いて粉末を製造した。その後、ASTM Sieve No.60によって濾された125〜250μmサイズの薬物粉末とPEVA粉末を確保し、ミキサーとバイブレーターで混合して薬物混合試片を準備した。
【0029】
前記薬物混合試片を用いて前記二相ステンレス鋼サーモロッドの表面に薬物混合層を形成する。前記薬物混合層は、シリンダー状のモールド(I.D.;Φ1.5mm、O.D.:Φ30mm)に薬物混合試片の粉末を適量挿入した後、モールドを約90℃の温度で1.5kgの圧縮荷重を加えながら約15分間維持した。加温加圧が終わった後、試片を常温に冷却させる方法によって二相ステンレス鋼(Φ1.0mm、長さ43.0mm)素材の表面に薬物混合層(厚さ0.27mm)を形成することにより、薬物混合層の形成された二相ステンレス鋼サーモロッド(Drug Mixture thermo-rod、以下「DMT」という)を完成した。
【0030】
図2および図3はそれぞれ前記薬物混合層の形成された二相ステンレス鋼サーモロッドの表面および断面SEM写真である。図2および図3に示すように、大抵において50μm以内の薬物粒子を見ることができた。
【0031】
一方、前記薬物混合物の形成された二相ステンレス鋼の表面に、高分子物質からなるコーティング層をさらに形成することもできる。前記コーティング層は、二相ステンレス鋼サーモロッドに形成された薬物混合層の薬物の放出速度、特にバースト放出を抑えるためのもので、厚さなどを調節して放出速度を制御し得るようにしたものである。
【0032】
前記コーティング層のための高分子物質は、特定の温度(ガラス転移温度)でガラス化される物質を使用し、温度および放出薬物に対して安定的なビーズ形態のポリエチレン酢酸ビニル(以下、「PEVA」という)と結晶形態のポリイソブチルメタクリレート(以下、「PBMA」という)をAldrichから購入して使用した。高分子を溶かす有機溶媒としてはテトラヒドロフラン(以下、「THF」という)を用いて浸漬コーティング用高分子溶液を製造した。表2は薬物コーティングのための高物質の特性を示す。
<PEVAの化学構造>

<PBMAの化学構造>

【0033】
【表2】

【0034】
前記浸漬コーティング用高分子溶液は、容量100mLのビーカーに20mLのTHFを注ぎ、恒温槽(Jeio tech co.)を用いて50℃に温度を維持させる。そして、PEVA/THF(PEVA:THFの体積比は3:97)、PEVA/PBMA/THF(PEVA:PBMA:THFの体積比は2.1:0.9:97)、PEVA/PBMA/THF(PEVA:PBMA:THFの体積比は0.9:2.1:97)の比率で高分子物質を有機溶媒に完全に溶かして3種の浸漬コーティング用高分子溶液を製造した。前記薬物混合層の形成された二相ステンレス鋼を前記3種の溶液にそれぞれ5秒間浸漬させた後、6時間以上常温乾燥させて浸漬コーティング層を形成した。
【0035】
これにより、PEVA/THF(PEVA:THFの体積比は3:97)溶液で浸漬コーティングされたサーモロッド(以下、「PDMT」という)、PEVA/PBMA/THF(PEVA:PBMA:THFの体積比は2.1:0.9:97)溶液で浸漬コーティングされたサーモロッド(以下、「HPDMT」という)、PEVA/PBMA/THF(PEVA:PBMA:THFの体積比は0.9:2.1:97)溶液で浸漬コーティングされたサーモロッド(以下、「LPDMT」という)を製作した。
【0036】
図4および図5はPDMTの表面および断面SEM写真を示すもので、サーモロッドの表面上では20μm以内の小さいアセトアミノフェン粒子が少量観察され、PDMTの断面写真からは薬物混合層とコーティング層がはっきりと観察された。
【0037】
図6および図7はHPDMTの表面および断面SEM写真を示すもので、PDMTと同様に、サーモロッドの表面では小さいアセトアミノフェン粒子が観察され、HPDMTの断面写真からもアセトアミノフェンパウダーが観察された。
【0038】
図8および図9はそれぞれPDMTとHPDMTの薬物放出前と後の重量差を計算したもので、PDMTは60分経過平均薬物放出量が36.5℃条件で0.30mg、50℃条件では0.64mgであり、50℃における放出量が36.5℃のときより2倍以上高かった。HPDMTの平均薬物放出量は36.5℃で0.36mg、50℃では0.54mgであり、2つの温度による放出量の差異は0.18mgであって、PDMTの2つの温度内薬物放出量の差(0.34mg)の約1/2水準と低かった。よって、2次浸漬コーティング条件に応じて温度変化による薬物放出量が変わることを確認することができた。
【0039】
薬物放出試験によって得られた拡散係数を比較した結果、浸漬コーティング層の形成されたサーモロッドは、全体的に浸漬コーティングを実施せず単一薬物混合層のみが形成されたサーモロッドより低かった。
【0040】
前述したように薬物混合層の形成されたサーモロッドは、36.5℃以上の局所温熱療法(local hyperthermia)を行うことができるとともに、コーティング条件に応じて能動的に薬物放出調節が可能であって効果的に薬物治療を行うことができる。
【符号の説明】
【0041】
10:二相ステンレス鋼
20:薬物混合層
30:コーティング層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導磁場内で渦電流損失とヒステリシス損失によって熱を発生させる薬物放出型サーモロッドの製造方法において、
前記サーモロッドを一定の形状に加工する第1段階と、
薬物と前記薬物の支持体の役割を果たす高分子物質とを混合して薬物混合試片を製造する第2段階と、
前記薬物混合試片を用いて前記サーモロッドの表面に薬物混合層を形成する第3段階とを含んでなることを特徴とする能動薬物放出型サーモロッドの製造方法。
【請求項2】
前記サーモロッドは、鉄、ステンレス鋼、二相ステンレス鋼、ニッケル−銅合金、鉄−ニッケル合金、パラジウム−コバルト合金、鉄−クロム合金、および鉄−コバルト合金よりなる群から選ばれたいずれか一つで構成されることを特徴とする請求項1に記載の能動薬物放出型サーモロッドの製造方法。
【請求項3】
前記サーモロッドは、線状、板状、コイル状、およびチューブ状よりなる群から選ばれたいずれか一つの形状に加工されることを特徴とする請求項1に記載の能動薬物放出型サーモロッドの製造方法。
【請求項4】
前記高分子物質は、ポリエチレン酢酸ビニル(polyethylene-co-vinyl acetate)であることを特徴とする請求項1に記載の能動薬物放出型サーモロッドの製造方法。
【請求項5】
前記薬物混合層の表面に、浸漬コーティングのための高分子物質からなるコーティング層をさらに形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の能動薬物放出型サーモロッドの製造方法。
【請求項6】
前記コーティング層は、テトラヒドロフランにポリエチレン酢酸ビニル、ポリイソブチルメタクリレート、またはこれらの混合物を溶解させた浸漬コーティング溶液から形成されることを特徴とする請求項5に記載の能動薬物放出型サーモロッドの製造方法。
【請求項7】
誘導磁場内で渦電流損失とヒステリシス損失によって熱を発生させる薬物放出型サーモロッドにおいて、
薬物と前記薬物の支持体の役割を果たす高分子物質とを混合した薬物混合試片を前記サーモロッドの表面に塗布して薬物混合層を形成したことを特徴とする能動薬物放出型サーモロッド。
【請求項8】
前記サーモロッドは、鉄、ステンレス鋼、二相ステンレス鋼、ニッケル−銅合金、鉄−ニッケル合金、パラジウム−コバルト合金、鉄−クロム合金、および鉄−コバルト合金よりなる群から選ばれたいずれか一つで構成されることを特徴とする請求項7に記載の能動薬物放出型サーモロッド。
【請求項9】
前記サーモロッドは、線状、板状、コイル状、およびチューブ状よりなる群から選ばれたいずれか一つの形状に加工されることを特徴とする請求項7に記載の能動薬物放出型サーモロッド。
【請求項10】
前記高分子物質は、ポリエチレン酢酸ビニル(polyethylene-co-vinyl acetate)であることを特徴とする請求項7に記載の能動薬物放出型サーモロッド。
【請求項11】
前記薬物混合層の表面に、浸漬コーティングのための高分子物質からなるコーティング層をさらに形成したことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の能動薬物放出型サーモロッド。
【請求項12】
前記コーティング層は、テトラヒドロフランにポリエチレン酢酸ビニル、ポリイソブチルメタクリレート、またはこれらの混合物を溶解させた浸漬コーティング溶液から形成されることを特徴とする請求項11に記載の能動薬物放出型サーモロッド。
【請求項13】
前記能動薬物放出型サーモロッドは、温度に応じて薬物放出速度が制御されることを特徴とする請求項11に記載の能動薬物放出型サーモロッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−510736(P2011−510736A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544877(P2010−544877)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【国際出願番号】PCT/KR2008/006356
【国際公開番号】WO2009/142366
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(510209063)コリア サンサ シーオー., エルティーディー. (1)
【出願人】(510209074)
【Fターム(参考)】