説明

脂肪の減少および皮膚の引き締めのための方法および関連組成物

薬理学的に活性を有する界面活性剤を用いた、必要とする対象における、局在化した脂肪沈着物の減少、および弛緩性皮膚の引き締めに有用な組成物および方法が、開示される。薬理学的に活性を有する界面活性剤組成物は、追加的に、抗炎症剤、鎮痛薬、分散または抗分散剤、および薬学的に許容される賦形剤を含み得る。薬理学的に活性を有する界面活性剤組成物は、例えば、下眼瞼脂肪ヘルニア、脂肪異栄養症、および、セルライトに関連する脂肪沈着物を含む、局在化した脂肪の蓄積を処置するのに有用であり、かつ、脂肪吸引のような外科的手技を必要としない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2004年5月19日に提出された米国仮出願第60/572,879号の優先権を主張する、2005年2月8日に出願された第11/054,171号の一部継続出願である、2005年5月19日に出願された第11/134,727号の一部継続出願であり、それらは全体として参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
参照の組み入れ
本明細書において開示されるすべての参照は、任意およびすべての目的のために、全体として参照により組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
外見を改善するための外科的、および非外科的な手技が、人々が加齢し、かつ、体重が増えるにつれて流行的に増加してきている。脂肪吸引は人気のある美容外科の手技であり、吸引を使用し、かつ任意で、脂肪除去を援助するための溶液によって援助される、脂肪沈着物の外科的除去を含む。脂肪吸引は、カニューレ(cannula)が挿入される皮膚における切り口を通して脂肪を除去する外科的手技である。カニューレは吸引源に接続され、不必要な脂肪がカニューレを通して吸引されて、かつ廃棄される。脂肪吸引は、除去される脂肪の量および位置に依存して、全身または局所麻酔の下で行われる。しかしながら、脂肪吸引、および他の脂肪除去の外科的方法は、一時的な打撲傷、膨脹、麻痺、苦痛および焼けるような感覚、感染の危険、色素沈着の変化、肺に移動して死の原因となり得る脂肪塊または血餅の形成、ショック、または排出されなければならない体液の蓄積を導き得る過度の体液の消失、皮膚もしくは神経への摩擦による火傷または他の損傷、または、生命維持器官への穿孔傷を含む重大な有害事象と関連づけられる。追加的に、脂肪吸引は、患者が働いたり、またはある日常活動を行ったりすることができない1〜2週間の回復時間を必要とする。更に、脂肪吸引のような外科的手技は、局所および時には全身麻酔を必要とするため、重大な麻酔関連の危険が、外科的脂肪除去と関連づけられる。その上、脂肪吸引および他の強烈な体重の減量方法は、弛緩性皮膚をもたらす可能性がある。
【0004】
そのため、手術、または長引く回復時間を必要としない、局在化した脂肪蓄積を除去するため、ならびに弛緩性皮膚を引き締めるための組成物および方法を有することは、望ましいであろう。
【発明の開示】
【0005】
発明の概要
本発明は、皮下脂肪沈着物を減少させる、ならびに弛緩性皮膚を引き締めるための組成物、方法、およびキットを提供する。
【0006】
一つの局面において、本明細書における組成物は、溶液中にある。好ましくは、溶液は水性である。
【0007】
一つの態様において、本発明は、以下を含む皮下注射のための溶液に関連する:(i)治療的有効量の、一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤、または胆汁酸および/もしくは胆汁酸塩、またはデオキシコール酸もしくはその塩、またはデオキシコール酸ナトリウム;(ii)薬学的、獣医学的、または美容的賦形剤;および(iii)任意で、脂質、ここで、脂質と、胆汁酸または胆汁酸塩との比が1% w/w未満であって、かつ、溶液がリパーゼまたは補リパーゼを含まない。
【0008】
いくつかの態様において、上記の溶液は、以下からなる群より選択される第二の治療剤を更に含み得る:抗微生物剤、血管収縮薬、抗血栓剤、抗凝固剤、泡抑制剤、抗炎症剤、鎮痛薬、分散剤、抗分散剤、浸透増強剤、ステロイド、精神安定薬、筋弛緩薬、および抗下痢剤。
【0009】
いくつかの態様において、溶液は、500 mLまでの溶液を含む容器中にある。そのような容器は、注射器、または注射器を搭載可能な容器であり得る。
【0010】
いくつかの態様において、溶液は、以下からなる群より選択される胆汁酸を含む:デオキシコール酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、7-α-デヒドロキシレートケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、ジヒドロキシタウリン酸、トリヒドロキシタウリン酸、および、任意の上記のグリシン抱合体。
【0011】
いくつかの態様において、溶液は、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、リチウム(Li+)、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、バリウム(Ba2+)、ストロンチウム(Sr2+)、およびアンモニウム(NH4+)からなる群より選択される陽イオンを含む、胆汁酸塩を含む。好ましくは、上記の溶液が胆汁酸塩を含むとき、胆汁酸塩はデオキシコール酸ナトリウムである。
【0012】
いくつかの態様において、溶液は、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属を含む胆汁酸塩を含む。好ましくは、アルカリ金属は、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、およびリチウム(Li+)であるアルカリ金属からなる群より選択される。好ましくは、アルカリ土類金属は、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、バリウム(Ba2+)、およびストロンチウム(Sr2+)からなる群より選択される。
【0013】
組成物(例えば、溶液)は、治療的有効量の薬理学的界面活性剤(例えば、胆汁酸および/または胆汁酸塩)を含む。そのような治療的有効量は、皮下脂肪沈着物を減少させる、または弛緩性皮膚の領域を引き締めるのに有効である。
【0014】
本発明の溶液における胆汁酸または胆汁酸塩は、約0.001〜10、0.01〜5、または0.1〜2% w/w、w/v、またはv/vの濃度であり得る。好ましくは、上記の溶液における胆汁酸または胆汁酸塩は、約0.1〜5% w/w、またはより好ましくは約1% w/wの濃度であり得る。
【0015】
いくつかの態様において、本明細書における溶液は、脂質、リン脂質、またはホスファチジルコリンを含まない。いくつかの態様において、本明細書における溶液は、5% w/w、w/v、またはv/vまでの脂質、リン脂質、またはホスファチジルコリンを含む。
【0016】
一つの局面において、本発明は、対象の皮膚領域において皮膚条件の出現を減少させるための方法に関連する。そのような方法は、以下の段階を含む:該皮膚領域に、以下を含む組成物を局所的に投与する段階:(i)皮膚の引き締めに有効な量の、一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤、または胆汁酸および/もしくは胆汁酸塩、またはデオキシコール酸もしくはその塩、またはデオキシコール酸ナトリウム、(ii)薬学的、獣医学的、または美容的賦形剤、および(iii)任意で、脂質。
【0017】
いくつかの態様において、投与する段階は、皮下または経皮注射を経て、本明細書における組成物を送達する段階を含む。
【0018】
いくつかの態様において、投与する段階は、皮膚貼付剤、ポンプ、または皮下デポー(depot)を経て、本明細書における組成物を送達する段階を含む。
【0019】
いくつかの態様において、投与する段階は、局所的または皮下的に、本明細書における組成物を送達する段階を含む。
【0020】
いくつかの態様において、処置される、または改善される皮膚条件は、以下からなる群より選択される:弛緩性皮膚、皮膚の老化、皮膚の不整、およびしわ。
【0021】
いくつかの態様において、処置される皮膚の領域は、目の下、あごの下、腕の下、臀部、頬、額、ふくらはぎ、背中、腿、くるぶし、または腹部である。
【0022】
いくつかの態様において、皮膚領域において皮膚条件の出現を減少させるために使用される組成物は、皮膚引き締め溶液中への製剤である。
【0023】
そのような皮膚引き締め溶液は、以下からなる群より選択される第二の治療剤を更に含み得る:抗微生物剤、血管収縮薬、抗血栓剤、抗凝固剤、泡抑制剤、抗炎症剤、鎮痛薬、分散剤、抗分散剤、浸透増強剤、ステロイド、精神安定薬、筋弛緩薬、および抗下痢剤。
【0024】
いくつかの態様において、皮膚引き締め溶液は、500 mLまでの溶液を含む容器中にある。そのような容器は、注射器、または注射器を搭載可能な容器であり得る。
【0025】
いくつかの態様において、皮膚引き締め溶液は、以下からなる群より選択される胆汁酸を含む:デオキシコール酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、7-α-デヒドロキシレートケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、ジヒドロキシタウリン酸、トリヒドロキシタウリン酸、および、任意の上記のグリシン抱合体。
【0026】
いくつかの態様において、溶液は、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、リチウム(Li+)、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、バリウム(Ba2+)、ストロンチウム(Sr2+)、およびアンモニウム(NH4+)からなる群より選択される陽イオンを含む、胆汁酸塩を含む。好ましくは、上記の溶液が胆汁酸塩を含むとき、胆汁酸塩はデオキシコール酸ナトリウムである。
【0027】
いくつかの態様において、皮膚引き締め溶液は、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属を含む胆汁酸塩を含む。好ましくは、アルカリ金属は、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、およびリチウム(Li+)であるアルカリ金属からなる群より選択される。好ましくは、アルカリ土類金属は、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、バリウム(Ba2+)、およびストロンチウム(Sr2+)からなる群より選択される。
【0028】
いくつかの態様において、皮膚引き締め溶液は、治療的有効量の薬理学的界面活性剤(例えば、胆汁酸および/または胆汁酸塩)を含む。そのような治療的有効量は、弛緩性皮膚領域を引き締めるのに有効である。
【0029】
いくつかの態様において、皮膚引き締め溶液は、一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤(例えば、胆汁酸および/または、デオキシコール酸ナトリウムのような胆汁酸塩)を、約0.001〜10、0.01〜5、または0.1〜2% w/w、w/v、またはv/vの濃度で含む。好ましくは、皮膚引き締め溶液における一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤は、約0.1〜5% w/w、またはより好ましくは約1% w/wの濃度である。
【0030】
いくつかの態様において、皮膚引き締め溶液は、100、50、20、10、5、2、1、0.5、0.2、0.05、0.02、または0.01グラムまでの、一つまたは複数の界面活性剤、胆汁酸および/もしくは胆汁酸塩、デオキシコール酸もしくはその塩、またはデオキシコール酸ナトリウムを含む。
【0031】
いくつかの態様において、皮膚引き締め溶液は、脂質、リン脂質、またはホスファチジルコリンを含まない。いくつかの態様において、本明細書における溶液は、5% w/w、w/v、またはv/vまでの脂質、リン脂質、またはホスファチジルコリンを含む。
【0032】
一つの局面において、本発明は、対象において皮下脂肪沈着物を減少させるための方法に関連する。そのような方法は、被験者における皮下脂肪沈着物に、以下を含む組成物を局所的に投与する段階を含む:(i)脂肪の溶解に有効な量の、一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤、または胆汁酸および/もしくは胆汁酸塩、またはデオキシコール酸もしくはその塩、またはデオキシコール酸ナトリウム;(ii)薬学的、獣医学的、または美容的賦形剤;および(iii)任意で、脂質、ここで、脂質と、胆汁酸または胆汁酸塩との比が1% w/wまでであって、かつ、組成物がリパーゼまたは補リパーゼを含まない。
【0033】
いくつかの態様において、脂肪沈着物は、肥満症、脂肪再分布症候群、眼瞼脂肪ヘルニア、脂肪腫、ダーカム病、脂肪異栄養症、バッファロー瘤脂肪異栄養症、背側頸部の(dorsocervical)脂肪、内臓肥満症、豊胸、脂肪過剰症、体幹および腕の周りの拡散した体脂肪、および、セルライトと関連した脂肪沈着物からなる群より選択される条件と関連づけられる。
【0034】
いくつかの態様において、界面活性剤は、デオキシコール酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、7-α-デヒドロキシレートケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、ジヒドロキシタウリン酸、トリヒドロキシタウリン酸、および、任意の上記のグリシン抱合体からなる群より選択される胆汁酸を含む。
【0035】
いくつかの態様において、界面活性剤は、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、リチウム(Li+)、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、バリウム(Ba2+)、ストロンチウム(Sr2+)、およびアンモニウム(NH4+)からなる群より選択される陽イオンを含む、胆汁酸塩を含む。
【0036】
いくつかの態様において、界面活性剤は、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属である陽イオンを有する胆汁酸塩を含む。好ましくは、アルカリ金属は、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、またはリチウム(Li+)であり、および、アルカリ土類金属は、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、バリウム(Ba2+)、またはストロンチウム(Sr2+)である。より好ましくは、胆汁酸塩はデオキシコール酸ナトリウムである。
【0037】
いくつかの態様において、上記の方法は、対象に手術を行う段階を含まない。
【0038】
いくつかの態様において、投与する段階は、対象の目の下、あごの下、腕の下、臀部、ふくらはぎ、背中、腿、または腹部の領域へ局所的に(例えば、皮下または真皮下に)投与する段階を含む。投与は、皮下または経皮注射によってなされ得る。
【0039】
本明細書における組成物によって処置される対象は、ヒト、または、ネコ、イヌ、もしくはウマのような飼いならされた動物であり得る。いくつかの態様において、処置される対象は、ヒトHIV患者である。そのような患者は、HIVプロテアーゼ処置をこうむる、または、脂肪異栄養症を経験するか、もしくは経験しやすい可能性がある。
【0040】
いくつかの態様において、投与される組成物(例えば、溶液または水性溶液)は、5% w/w、w/v、またはv/vまでの、脂質、リン脂質、またはホスファチジルコリンを含む。好ましくは、投与される組成物(例えば、溶液または水性溶液)は、5% w/wまでのホスファチジルコリンを含む。
【0041】
いくつかの態様において、投与される組成物(例えば、溶液または水性溶液)は、0.001〜10、0.01〜5、または0.1〜2% w/w、w/v、またはv/vの界面活性剤、または胆汁酸および/もしくは胆汁酸塩を含む。より好ましくは、組成物(例えば、本明細書における溶液)は、約0.1〜5% w/w、またはより好ましくは約1% w/wの、デオキシコール酸ナトリウムのような胆汁酸塩を含む。
【0042】
好ましくは、ひとたび投与された組成物は、対象から除去されない。更に、本明細書における組成物は、好ましくは外科的手技(例えば、脂肪吸引)無しで投与される。
【0043】
いくつかの態様において、脂肪溶解溶液は、100、50、20、10、5、2、1、0.5、0.2、0.05、0.02、または0.01グラムまでの、一つまたは複数の界面活性剤、胆汁酸および/もしくは胆汁酸塩、デオキシコール酸もしくはその塩、またはデオキシコール酸ナトリウムを含む。
【0044】
一つの局面において、本発明は、以下を含む注射器を搭載可能な容器に関連する:(i)脂肪の溶解、または皮膚の引き締めに有効な量の、一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤、または胆汁酸および/もしくは胆汁酸塩、またはデオキシコール酸もしくはその塩、またはデオキシコール酸ナトリウム;(ii)薬学的、獣医学的、または美容的賦形剤;および(iii)任意で、脂質、ここで、該脂質に対する該胆汁酸または胆汁酸塩の比が1% w/wより大きく、かつ、溶液がリパーゼまたは補リパーゼを含まない。
【0045】
好ましくは、本明細書における一つまたは複数の界面活性剤は、デオキシコール酸ナトリウムを含む。
【0046】
好ましくは、容器は、500、200、100、50、20、10、5、2、または1 mLまでの、無菌である溶液を含む。
【0047】
いくつかの態様において、溶液は、有機溶媒、またはより好ましくはベンジルアルコールを含む。
【0048】
いくつかの態様において、溶液は、0.001〜10、0.01〜5、または0.1〜2% w/w、w/v、またはv/vの界面活性剤、または胆汁酸および/もしくは胆汁酸塩を含む。より好ましくは、溶液は、約0.1〜5% w/w、またはより好ましくは約1% w/wの、デオキシコール酸ナトリウムのような胆汁酸塩を含む。
【0049】
いくつかの態様において、溶液は、100、50、20、10、5、2、1、0.5、0.2、0.05、0.02、または0.01グラムまでの、一つまたは複数の界面活性剤、胆汁酸および/もしくは胆汁酸塩、デオキシコール酸もしくはその塩、またはデオキシコール酸ナトリウムを含む。
【0050】
参照による組み入れ
本明細書において言及されるすべての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物または特許出願が、参照により組み入れられるように具体的におよび個別に指示されたのと同程度に、参照により本明細書に組み入れられる。
【0051】
発明の詳細な説明
本発明は、ヒトのような動物における、局在化した脂肪蓄積および弛緩性皮膚の問題を扱う。一つの局面において、本発明は、脂肪沈着物を減少させ、かつ皮膚を引き締めるための組成物を提供する。そのような組成物は、一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤、より好ましくは胆汁酸もしくは胆汁酸塩、より好ましくはデオキシコール酸もしくはその塩、または、より好ましくはデオキシコール酸ナトリウムを含み、実質的にそれらからなり、またはそれらからなる。組成物におけるそのような界面活性剤の量は、皮下脂肪沈着物を溶解する、もしくは減少させる、または、弛緩性皮膚を引き締めるための有効量である。そのような有効量は、部分的に、標的部位の位置、標的部位のサイズ、処置の長さなどに依存するであろう。態様のいくつかにおいて、組成物は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の薬理学的に活性を有する界面活性剤を含む。
【0052】
薬理学的に活性を有する、および生物学的に適合性を有する界面活性剤は、脂肪親和性界面活性剤(イオン性または非イオン性いずれか)、親水性界面活性剤(イオン性または非イオン性いずれか)、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、グリセリド、胆汁酸、および胆汁酸塩を含むが、それらに限定されない。
【0053】
脂肪親和性界面活性剤の非限定的な例は、とりわけ、アルコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸、胆汁酸、グリセリン脂肪酸エステル、アセチル化グリセリン脂肪酸エステル、低級アルコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールグリセリン脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリド、モノ/ジグリセリドの乳酸誘導体、プロピレングリコールジグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、トランスエステル化された植物油、ステロール、ステロール誘導体、糖エステル、糖エーテル、スクログリセリド(sucroglyceride)、ポリオキシエチレン植物油、ポリオキシエチレン硬化植物油、多価アルコールと、脂肪酸、グリセリド、植物油、硬化植物油、およびステロールからなる群の少なくとも一つの要素との反応混合物、ならびに、それらの混合物を含む。
【0054】
非イオン性脂肪親和性界面活性剤の非限定的な例は、とりわけ、アルキルグルコシド、アルキルマルトシド、アルキルチオグルコシド、ラウリルマクロゴールグリセリド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリド、ポリオキシエチレンステロール、それらの誘導体および類似体、ポリオキシエチレン植物油、ポリオキシエチレン硬化植物油、多価アルコールと、脂肪酸、グリセリド、植物油、硬化植物油、およびステロールからなる群の少なくとも一つの要素との反応混合物、トコフェロールポリエチレングリコールサクシネート、糖エステル、糖エーテル、スクログリセリド、ならびにそれらの混合物を含む。
【0055】
イオン性親水性界面活性剤の非限定的な例は、とりわけ、アルキルアンモニウム塩、胆汁酸および胆汁酸塩、それらの類似体および誘導体、アミノ酸、カルニチン、オリゴペプチド、およびポリペプチドの脂肪酸誘導体、アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドのグリセリド誘導体、アシルラクチレート、モノ-、ジグリセリドのモノ-、ジアセチル化酒石酸エステル、サクシニル化(succinoylated)モノグリセリド、モノ-、ジグリセリドのクエン酸エステル、アルギン酸塩、プロピレングリコールアルギナート、レシチンおよび硬化レシチン、リゾレシチンおよび硬化リゾレシチン、リゾリン脂質およびそれらの誘導体、リン脂質およびそれらの誘導体、アルキル硫酸塩、脂肪酸塩、ドキュセートナトリウム、ならびにそれらの混合物を含む。
【0056】
イオン性界面活性剤の非限定的な例は、コーレート、デオキシコール酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、およびC-16 TABを含むが、それらに限定されない。好ましい態様において、本発明の態様において有用なイオン性界面活性剤の非限定的な例は、デオキシコール酸ナトリウムである。
【0057】
非イオン性界面活性剤の非限定的な例は、Brij35、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテルのようなn-アルキルPEOモノエーテル、Lubrol PX、Lubrol WX、nonidet P-40、オクチルフェノールポリ(エチレングリコールエーテル)n10およびオクチルフェノールポリ(エチレングリコールエーテル)n7のようなn-アルキルフェニルPEO、テトラメチルブチルフェニルPEO、n-オクチルグルコシド、オクチル-チオグルコピラノシド、tween-80およびtween-20、ならびにアルキルアリールポリエーテルアルコール(TritonX-100)を含むが、それらに限定されない。
【0058】
双性イオン性界面活性剤の非限定的な例は、3-[(3-コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパン-スルホネート(CHAPS)、N-テトラデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニウ-1-プロパンスルホネート、コール酸スルホベタイン、ラウリルジメチルベタイン(Empigen BB)およびzwittergent3-14を含むが、それらに限定されない。
【0059】
グリセリドの非限定的な例は、とりわけ、モノ-、ジ-、またはトリ-グリセリドを含む。そのようなトリグリセリドは、とりわけ、植物油、魚油、動物脂、硬化植物油、部分的硬化植物油、合成トリグリセリド、修飾されたトリグリセリド、分画されたトリグリセリド、およびそれらの混合物を含む。
【0060】
胆汁酸の非限定的な例は、ウルソデオキシコール酸、コール酸、グリコール酸、アルコール酸、タウロコール酸、デオキシコール酸、グリコデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、グリコケノデオキシコール酸、およびタウロケノデオキシコール酸、ウルソコール酸、7-オキソリトコール酸、リトコール酸3-サルフェート、ノルコール酸、ビスノルコール酸、ヒオコール酸、およびヒオデオキシコール酸を含む。
【0061】
好ましい態様において、本明細書における組成物は、薬学的に許容される界面活性剤の塩およびエステルを含み、実質的にそれらからなり、またはそれらからなる。そのような塩およびエステルは、健全な医療判断の範囲内であり、不適当な毒性、刺激、アレルギー応答などが無く、ヒトおよび動物の組織に接触した使用に適し、妥当な恩恵/リスクの比に釣り合い、かつ、意図された使用に有効である塩およびエステルであることが意味される。好ましくは、本明細書における組成物は、胆汁酸塩、またはより好ましくはデオキシコール酸塩、またはより好ましくはデオキシコール酸ナトリウムを含み、実質的にそれらからなり、またはそれらからなる。
【0062】
界面活性剤の中で、胆汁酸塩は、脂質二重膜の特に強い可溶化剤であるため、好ましい。すべての生物学上の細胞膜は、同一の二重脂質構造から構成され、かつ、そのために界面活性剤による可溶化の対象である。界面活性剤による細胞膜の可溶化は、脂質二重膜の間への界面活性剤の分配、二重層の不安定化、崩壊、およびその後の混合ミセル(界面活性剤および細胞膜脂質から構成される)の形成を含む。胆汁酸塩、および他の界面活性剤は、不混和性材料の境界で表面張力を減少させ、かつ、大きな集合体のだんだんより小さな粒子への分解を可能にする。組織において、これらの薬剤は、細胞膜を分解し、かつ、細胞溶解を引き起こす。炎症応答が生じ、体に界面活性剤により可溶化された材料を除去するようにさせる。
【0063】
胆汁酸塩は、ホスファチジルコリン(PC)、およびより最近では、アンホテリシンB、Taxol、およびジアゼパムのような薬剤の水溶性を改善するために使用されてきた。高度に精製されたホスファチジルコリンは、補助的な胆汁酸塩デオキシコール酸ナトリウム、抗微生物剤、ベンジルアルコール、および水と混合されて、迅速に滅菌され、かつ静脈投与に使用され得る安定な混合ミセル調製物を形成し得る。EssentialeおよびLipostabilとして公知であるこの混合物の薬学的調製物は、それぞれ肝疾患および脂肪過剰症の処置に関して他の国で市販されている。
【0064】
胆汁酸塩は、無機塩基、アンモニア、有機塩基、塩基性アミノ酸などのような陽イオンとの組み合わせで、胆汁酸より形成されてもよい。無機塩基の例は、アルカリ金属(例えば、Li+、Na+、およびK+)およびアルカリ土類金属(例えば、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+)を含む。有機塩基の例は、プロカイン、2-フェニルエチルベンジルアミン、ジベンジルエチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ポリヒドロキシアルキルアミン、およびN-メチルグルコサミンを含む。塩基性アミノ酸の例は、リジン、アルギニン、オルニチン、およびヒスチジンを含む。他の塩の例は、ハロゲンイオンを含む。胆汁酸と結合して胆汁酸塩を形成し得る塩の非限定的な例は、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、フッ化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、二クロム酸カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、臭化マグネシウム、塩化マグネシウム、ヨウ化カリウム、フッ化ナトリウム、塩酸ヒドロキシルアミン、フッ化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸二アンモニウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化リチウム、臭化リチウム、およびヨウ化リチウムを含むが、それらに限定されない。いくつかの態様において、胆汁酸と結合して胆汁酸塩を形成する塩イオンは、陽イオンである。陽イオンの非限定的な例は、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、リチウム(Li+)、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、バリウム(Ba2+)、ストロンチウム(Sr2+)、およびアンモニウム(NH4+)を含む。
【0065】
胆汁酸および陽イオンの化合により形成され得る胆汁酸塩の例は、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、ケノデオキシコール酸ナトリウム、7-α-デヒドロキシレートケノデオキシコール酸ナトリウム、リトコール酸ナトリウム、ウルソデオキシコール酸ナトリウム、デオキシコール酸カリウム、コール酸カリウム、ケノデオキシコール酸カリウム、7-α-デヒドロキシレートケノデオキシコール酸カリウム、リトコール酸カリウム、ウルソデオキシコール酸カリウム、デオキシコール酸リチウム、コール酸リチウム、ケノデオキシコール酸リチウム、7-α-デヒドロキシレートケノデオキシコール酸リチウム、リトコール酸リチウム、ウルソデオキシコール酸リチウム、デオキシコール酸マグネシウム、コール酸マグネシウム、ケノデオキシコール酸マグネシウム、7-α-デヒドロキシレートケノデオキシコール酸マグネシウム、リトコール酸マグネシウム、ウルソデオキシコール酸マグネシウム、コール酸アンモニウム、デオキシコール酸アンモニウム、コール酸アンモニウム、ケノデオキシコール酸アンモニウム、7-α-デヒドロキシレートケノデオキシコール酸アンモニウム、リトコール酸アンモニウム、ウルソデオキシコール酸アンモニウム、任意の上記の、ジヒドロキシ-、およびトリヒドロキシ-、ならびにタウリンまたはグリシン抱合体を含むが、それらに限定されない。好ましくは、本発明の胆汁酸塩は、デオキシコール酸ナトリウムである。上記の胆汁酸塩の任意が、本明細書における組成物において使用され得る。
【0066】
胆汁酸塩の他の例は、1〜3個のヒドロキシル基、およびカルボキシル基で終わる5個の炭素原子の側鎖を有し、グリシンまたはタウリンに抱合され得るステロイドを含む。
【0067】
いくつかの態様において、本明細書における組成物は、一つまたは複数の胆汁酸のエステルを含み、実質的にそれらからなり、またはそれらからなる。そのようなエステルは、置換されてもよいC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C3-C10シクロアルキル、C3-C10シクロアルキル(C1-C6)アルキル、置換されてもよいC6-C10アリール、置換されてもよいC7-C12アルアルキル、ジ(C6-C10)アリールメチル、トリ(C6-C10)アリールメチル、または置換されたシリルと、COOH基の水素を有する胆汁酸との化合によって形成されるエステルを含むが、それらに限定されない。
【0068】
置換されてもよいC1-6アルキルの例は、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、およびn-ヘキシルを含み、それぞれが、ベンジルオキシ、C1-4アルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル)、トリメチルシリル、ハロゲン(例えば、F、Cl、およびBr)、アセチル、ニトロベンゾイル、メシルベンゾイル、フタルイミド、サクシニルイミド(succinoylimide)、ベンゼンスルホニル、フェニルチオ、ジ-C1-4アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ)、ピリジル、C1-4アルキルスルフィニル(例えば、メタンスルフィニル)、シアノなどで置換されてもよい。そのような置換されたC1-6アルキルは、例えば、ベンジルオキシメチル、2-メタンスルホニルエチル、2-トリメチルシリルエチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-ヨードエチル、アセチルメチル、p-ニトロベンゾイルメチル、p-メシルベンゾイルメチル、フタルイミドメチル、サクシニルイミドメチル、ベンゼンスルホニルメチル、フェニルチオメチル、および1-ジメチルアミノエチルを含む。上記のC2-6アルケニルは、例えば、ビニル、アリール、1-プロペニル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、1,1-ジメチルアリール、3-メチル、および3-ブテニルを含む。上記のC3-10シクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニル、およびアダマンチルを含む。上記のC3-10シクロアルキル(C1-6)アルキルは、例えば、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、およびシクロヘキシルメチルを含む。上記のC6-10アリールは、例えば、フェニル、ナフチル、8-ナフチル、および、ビフェニルを含み、それぞれが、ニトロ、ハロゲン(例えば、F、Cl、およびBr)などで置換されてもよく、かつ、そのような置換されたアリールは、例えば、p-ニトロフェニル、およびp-クロロフェニルを含む。上記の、置換されてもよいC7-12アルアルキルは、例えば、ベンジル、1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、フェニルプロピル、およびナフチルメチルを含み、それぞれが、ニトロ、C1-4アルコキシ(例えば、メトキシ)、C1-4アルキル(例えば、メチル、エチル)、ヒドロキシなどで置換されてもよい。そのような置換基は、p-ニトロベンジル、p-メトキシベンジル(PMB)、または3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルによって例示される。上記のジ(C6-10アリール)メチルは、ベンズヒドリルを含み、および、C6-10アリールメチルは、トリチルを含み、および、置換されたシリルは、トリメチルシチルおよびtert-ブチルジメチルシリルを含む。活性を有するエステルの例は、有機リン酸エステル(例えば、ジエトキシリン酸エステルおよびジフェノキシリン酸エステル)、シアノメチルエステルを含み、および、活性を有するチオエステルは、芳香族複素環チオ化合物で形成されるエステル(例えば、2-ピリジルチオエステル)を含む。
【0069】
胆汁酸の誘導体もまた、界面活性剤として使用され得る。そのような誘導体は、胆汁酸ハロゲン化物、胆汁酸アジ化物、胆汁酸無水物、混合胆汁酸無水物、胆汁酸アミド、および胆汁酸チオエステルを含む。胆汁酸ハロゲン化物は、デオキシコール酸塩化物のような胆汁酸塩化物、および、デオキシコール酸臭化物のような胆汁酸臭化物を含む;混合胆汁酸無水物は、混合モノアルキルカルボン酸無水物、混合脂肪族カルボン酸無水物、芳香族カルボン酸無水物、有機スルホン酸無水物を含み、かつ、活性を有するアミドは、N原子を含む複素環化合物で形成されるアミドを含む。
【0070】
薬理学的に活性を有する界面活性剤(胆汁酸および胆汁酸塩を含む)は、好ましくはミセル形成化合物である。ミセルは、通常は水に溶解しない疎水性分子(例えば、細胞膜を含む脂質)の溶解性を、その疎水性部分を水性溶媒(例えば、水)から覆い隠すことによって、有意に増加し得る。いくつかの態様において、本明細書における組成物は、均質のミセル(単一の界面活性剤により生産されるミセル)を含む。いくつかの態様において、本明細書における組成物は、混合ミセル形態(二つまたはそれ以上の化合物(そのうち一つが界面活性剤である)により生産されるミセル)を含む。
【0071】
いくつかの態様において、組成物は、平均サイズが10-9 m〜10-5 m、10-6、5 x 10-9 m〜10-6 m、10 x 10-9 m〜10-7、または50 x 10-9〜10 x 10-8 mの範囲のミセルを含む。いくつかの態様において、本発明の組成物におけるミセルの平均サイズは、10-5、10-6、10-7、10-8、10-9 mまでであってもよい。いくつかの態様において、本発明の組成物におけるミセルの平均サイズは、10-5、10-6、10-7、10-8、10-9 mより大きくてもよい。更に、ミセルの形は、変化し得、かつ、例えば、扁長、扁球、または球状であり得る;球状ミセルが、最も典型的である。
【0072】
下記の表1は、本発明によって企図されるいくつかの界面活性剤、これらの界面活性剤のモノマーとしてのモノマー分子量、および、界面活性剤が大部分はミセルの形態にある最低濃度である、臨界ミセル濃度(CMC)を示す。
【0073】
【表1】

【0074】
いくつかの態様において、組成物における一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤(例えば、胆汁酸または胆汁酸塩)の濃度は、ほぼCMC濃度(すなわち、+/- 5 mM)、またはCMCレベルより上(例えばCMC濃度レベルの上1、5、10、15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、99、150、200、400、800、1600、3200、6800、13,600、27,200、または54,400%より高い)となる。
【0075】
いくつかの態様において、組成物における界面活性剤(例えば、胆汁酸および胆汁酸塩)の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または99%が、ミセル形態にある。他の態様において、組成物における界面活性剤(例えば、胆汁酸および/または胆汁酸塩)の90、80、70、60、50、40、30、20、10、または5%までが、ミセル形態にある。他の態様において、組成物の界面活性剤(例えば、胆汁酸および胆汁酸塩)の約10〜90、20〜80、30〜70、40〜60、または約50%が、ミセル形態にある。
【0076】
いくつかの態様において、本発明の組成物におけるミセルの平均分子量は、100,000、50,000、40,000、30,000、20,000、10,000、9,000、8,000、7,000、6,000、5,000、4,000、3,000、2,000、1,000、または500ダルトン(D)までであってもよい。いくつかの態様において、本発明の組成物におけるミセルの平均分子量は、500、1,000、1,500、2,000、2,500、3,000、3,500、4,000、4,500、5,000、5,500、6,000、6,500、7,000、7,500、8,000、8,500、9,000、9,500、10,000、または15,000 Dより大きくてもよい。いくつかの態様において、本発明の組成物におけるミセルの平均分子量は、100〜20,000、1,000〜10,000、2,000〜1,000、または3,000〜5,000 Dの範囲であってもよい。
【0077】
本明細書における任意の態様において、一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤(例えば、胆汁酸および/もしくは胆汁酸塩、またはより好ましくはデオキシコール酸ナトリウム)の濃度は、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001、0.0009、0.0008、0.0007、0.0006、0.0005、0.0004、0.0003、0.0002、または0.0001% w/w、w/v、またはv/vまでであり得る。好ましくは、本明細書における組成物は、デオキシコール酸ナトリウムのような胆汁酸塩を含み、胆汁酸塩の濃度は、5、4、3、2、または1% w/wまでである。
【0078】
本明細書における任意の態様において、一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤(例えば、胆汁酸および/もしくは胆汁酸塩、またはより好ましくはデオキシコール酸ナトリウム)の濃度は、0.0001、0.0002、0.0003、0.0004、0.0005、0.0006、0.0007、0.0008、0.0009、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.20、0.30、0.40、0.50、0.60、0.70、0.80、0.90、1.00、1.25、1.50、1.75、2.00、2.25、2.50、2.75、3.00、3.25、3.50、3.75、4.00、4.25、4.50、4.75、5.00、5.25、5.50、5.75、6.00、6.25、6.50、6.75、7.00、7.25、7.50、7.75、8.00、8.25、8.50、8.75、9.00、9.25、9.50、9.75、または10.00% w/w、w/v、またはv/vより高い。好ましくは、本明細書における組成物は、一つまたは複数の、デオキシコール酸ナトリウムのような胆汁酸塩を、0.0001、0.001、0.01、または0.1% w/wより高い濃度で含む。
【0079】
本明細書における任意の態様において、薬理学的に活性を有する界面活性剤(例えば、胆汁酸および/または胆汁酸塩)の濃度は、およそ0.0001〜50、0.001〜40、0.01〜30、0.02〜29、0.03〜28、0.04〜27、0.05〜26、0.06〜25、0.07〜24、0.08〜23、0.09〜22、0.1〜21、0.2〜20、0.3〜19、0.4〜18、0.5〜17、0.6〜16、0.7〜15、0.8〜14、0.9〜12の範囲、またはおよそ1〜10% w/w、w/v、またはv/vの範囲である。好ましくは、本発明の組成物における一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤(例えば、胆汁酸または胆汁酸塩)の濃度は、およそ0.005〜15%、0.01〜10%、0.05〜15%、0.10〜1%、0.1〜10%、または0.5〜1%、0.5〜5% w/w、w/v、またはv/vの範囲である。最終濃度は、標的部位の位置およびサイズを含むが、それらに限定されない、当業者に公知である多くの要素に依存することが理解される。
【0080】
いくつかの態様において、組成物は、10、9.5、9.0、8.5、8.0、7.5、7.0、6.5、6.0、5.5、5.0、4.5、4.0、3.5、3.0、2.5、2.0、1.5、1.0、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.65、0.6、0.55、0.5、0.45、0.4、0.35、0.3、0.25、0.2、0.15、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001、0.0009、0.0008、0.0007、0.0006、0.0005、0.0004、0.0003、0.0002、または0.0001グラムまでの、一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤(例えば、胆汁酸および/または胆汁酸塩)、またはより好ましくは、5、4、3、2、1、0.5、0.4、0.3、0.2、または0.1グラムまでの、デオキシコール酸ナトリウムのような胆汁酸塩を含む。
【0081】
いくつかの態様において、組成物は、0.0001、0.0002、0.0003、0.0004、0.0005、0.0006、0.0007、0.0008、0.0009、0.001、0.0015、0.002、0.0025、0.003、0.0035、0.004、0.0045、0.005、0.0055、0.006、0.0065、0.007、0.0075、0.008、0.0085、0.009、0.0095、0.01、0.015、0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045、0.05、0.055、0.06、0.065、0.07、0.075、0.08、0.085、0.09、0.095、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、または10.0グラムより多い、一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤(例えば、胆汁酸または胆汁酸塩)、またはより好ましくは、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、または0.09グラムより多くを含む。
【0082】
いくつかの態様において、本明細書における組成物は、0.0001〜10、0.0005〜5、0.001〜8、0.005〜7、0.01〜6、0.05〜5、0.1〜4、0.5〜4、または1〜3グラムの間の、一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤(例えば、胆汁酸および/または胆汁酸塩)、またはより好ましくは、0.001〜10、0.002〜9、0.003〜8、0.004〜7、0.005〜6、0.006〜5、0.007〜4、0.008〜3、0.009〜2、0.01〜1、0.02〜0.5、0.03〜0.4、0.04〜0.3、0.05〜0.2、または0.06〜0.1グラムの間の、一つまたは複数の界面活性剤(例えば、デオキシコール酸ナトリウム)を含む。
【0083】
本明細書におけるいくつかの態様において、組成物は、一つまたは複数の脂質、リン脂質、またはホスファチジルコリンを含む。好ましくは、組成物における脂質、リン脂質、またはホスファチジルコリンの量は、50、40、30、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.65、0.6、0.55、0.5、0.45、0.4、0.35、0.3、0.25、0.2、0.15、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001、0.0009、0.0008、0.0007、0.0006、0.0005、0.0004、0.0003、0.0002、または0.0001%(w/w、w/v、またはv/v)までの濃度である。好ましい態様において、組成物における脂質、リン脂質、またはホスファチジルコリンの量は、5%(w/w、w/v、またはv/v)までである。例えば、本発明は、一つまたは複数の界面活性剤、好ましくは胆汁酸塩、またはより好ましくはデオキシコール酸ナトリウムを含む組成物であって、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4.0、3.0、2.0、または1.0%までの脂質またはリン脂質またはホスファチジルコリンを含む組成物を企図する。
【0084】
いくつかの態様において、界面活性剤と、脂質、リン脂質、またはホスファチジルコリンとの間の比は、質量で、脂質、リン脂質、またはホスファチジルコリンそれぞれより多い界面活性剤が存在するようになる。例えば、いくつかの態様において、界面活性剤と、脂質、リン脂質、またはホスファチジルコリンとの質量比(% w/w)は、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、または3.0% w/wより大きい。例えば、いくつかの態様において、本明細書における組成物は、5% w/wのデオキシコール酸ナトリウム、および4% w/wのホスファチジルコリンを含み得る。いくつかの態様において、界面活性剤と、脂質、リン脂質、またはホスファチジルコリンとの% w/vの比は、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、または3.0% w/vより大きい。更に、いくつかの態様において、界面活性剤と、脂質、リン脂質、またはホスファチジルコリンとの% v/vの比は、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、または3.0% v/vより大きい。
【0085】
いくつかの態様において、本明細書における組成物は、ホスファチジルコリン、リン脂質、または脂質を含まない。いくつかの態様において、本明細書における組成物は、リパーゼもしくは補リパーゼ、リパーゼおよび補リパーゼ、血小板活性化因子阻害剤、またはすべての酵素を含まない。いくつかの態様において、本明細書における組成物は、テストステロン、プロスタグランジン、プロゲステロン、エストロゲン、またはステロイドを含まない。いくつかの態様において、本明細書における組成物は、チロキサポール、または別のアルキルアリールポリエーテルアルコールを含まない。いくつかの態様において、本明細書における組成物は、カルプロフェン、非ステロイド系抗炎症化合物、または任意の抗炎症化合物を含まない。いくつかの態様において、本明細書における組成物は、脂質、油、脂肪酸、トリグリセリド、またはポリアクリルアミド、またはそれらの組み合わせを含まない。上記の任意、または上記のすべては、本明細書における組成物から除外されてもよい。
【0086】
本明細書における組成物は、当技術分野において公知である任意の手段によって、様々なタイプの送達、例えば、局所的、皮下、真皮下、脂肪細胞内、筋肉内などのために製剤化され得る。そのような製剤は、錠剤、パウダー、ゲル、溶液、クリーム、吸入剤、軟膏などの形態であり得る。好ましくは薬理学的に活性を有する界面活性剤、より好ましくは胆汁酸および/もしくは胆汁酸塩、より好ましくはデオキシコール酸もしくはその塩、またはより好ましくはデオキシコール酸ナトリウムは、溶液中に製剤化される。好ましくは、そのような溶液は、水性である。本明細書において使用されるとき、「水性」という用語は、固体または液体を、溶けたまたは溶解された物質の分子が水分子の間に分散されるように水に溶解することによって調製される均質の混合物である溶液のことを指す。本発明の組成物のための薬理学的に許容される水性媒体は、例えば、界面活性剤を溶解し得、かつ、その製剤を受容する特定の個体にとって毒性でない任意の液体溶液を含み得る。薬学的に許容される水性媒体の例は、非限定的に、生理食塩水、水、ベンジルアルコール、および酢酸を含む。典型的には、薬学的に許容される水性媒体は、無菌である。
【0087】
いくつかの態様において、本明細書における組成物は、一つまたは複数の獣医学的賦形剤とともに獣医学的適用のために製剤化される。いくつかの態様において、本明細書における組成物は、一つまたは複数の美容的賦形剤とともに美容的適用のために製剤化される。ヒトへの送達のために(例えば、経皮的にまたは皮下的に)、本明細書における組成物は、一つまたは複数の薬学的賦形剤とともに製剤化される。
【0088】
薬学的賦形剤の例は、以下を含む:緩衝液、希釈剤、潤滑剤、可溶化剤、溶媒;表面活性剤、浸透増強剤、ポリマー、分散剤、湿潤剤、乳化および懸濁剤、ならびに保存剤。分散剤の例は、ヒアルロニダーゼおよびコラゲナーゼを含むが、それらに限定されない。ヒアルロニダーゼは、組織の透過性、および他の薬剤の拡散または分散を増加させるために機能する。コラゲナーゼは、皮下脂肪より脂肪細胞を単離するために使用され、脂肪細胞自体への溶解効果は有さない。追加的に、ヒアルロニダーゼおよびコラゲナーゼは、本発明の界面活性剤製剤での処置の後に、壊死性組織の減少を加速することによって、回復を促進し得る。いくつかの態様において、コラゲナーゼのような分散剤は、本明細書における界面活性剤の投与に先立って、投与される。これは、細胞外マトリクスから脂肪細胞を遊離させ、界面活性剤への曝露を増強するのを助長する可能性がある。
【0089】
湿潤剤の例は、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、グリコールエーテル、アルキレングリコール、低級アルコール、および非イオン性表面活性剤を含むが、それらに限定されない。更に、他のアルコール、水溶性有機溶媒、陰イオン性表面活性剤、陽イオン性表面活性剤、双性表面活性剤、および糖が、単独で、または、それらの二つもしくはそれ以上の組み合わせで使用されてもよい。低級アルコールのいくつかの例は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、イソペンチルアルコール、tert-ペンチルアルコール、3-メチル-2-ブタノール、ネオペンチルアルコール、および、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、へキシレングリコール、チオジグリコール、グリセリン、および1,2,6-ヘキサントリオールのような水溶性有機溶媒を含むが、それらに限定されない。好ましい態様において、賦形剤は、有機溶媒、より好ましくは有機アルコール、またはより好ましくはベンジルアルコールである。
【0090】
潤滑剤の例は、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、およびシリカゲルを含むが、それらに限定されない。
【0091】
保存剤の例は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール、パラオキシ安息香酸エステルなどを含むが、それらに限定されない。浸透増強剤のほんの少数の例は、ジメチルスルホキシド、n-デシルメチルスルホキシド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-メチル-2-ピロリドン、およびオクチルフェニルポリエチレングリコールであるが、それらに限定されない。
【0092】
適当な乳化剤の例は、ラウリル硫酸ナトリウム、セチルステアリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸スクロース、ポリソルベート80を含むが、それらに限定されない。
【0093】
陰イオン性表面活性剤の例は、脂肪酸石鹸、N-アシルアミノ酸、アルキルエーテルカルボキシレート、アシル化ペプチド、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート、ナフタレンスルホネート-ホルマリン重合縮合物、メラミンスルホネート-ホルマリン重合縮合物、ジアルキルスルホサクシニックエステル塩、アルキルスルホアセテート、α-オレフィンスルホネート、N-アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテルサルフェート、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、およびアルキルリン酸エステル塩を含むが、それらに限定されない。
【0094】
非イオン性表面活性剤の例は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、単鎖長ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン第二級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノール-ホルマリン縮合物のエチレンオキシド誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、スクロース脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、レシチン、ゼラチン、およびヒアルロン酸を含むが、それらに限定されない。上記の任意およびすべては、適切なようにお互いに組み合わせで使用されてもよい。
【0095】
適当な賦形剤の他の例は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、スターチ、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギナート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、ホスファチジルコリン、セルロース、滅菌水、シロップ、およびメチルセルロースを含む。
【0096】
いくつかの態様において、本明細書における組成物は、以下を含む:(i)治療的有効量の、一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤(例えば、胆汁酸および/または胆汁酸塩);(ii)一つまたは複数の、薬学的、獣医学的、または美容的賦形剤;および任意で、一つまたは複数の脂質、ここで、脂質と薬理学的に活性を有する界面活性剤との比が1% w/w、w/v、またはv/vまで(しかし任意で含まない)であって、かつ、溶液がリパーゼまたは補リパーゼを含まない。薬理学的に活性を有する界面活性剤が胆汁酸であるとき、いくつかの態様において、胆汁酸は、以下からなる群より選択される:デオキシコール酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、7-α-デヒドロキシレートケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、ジヒドロキシタウリン酸、トリヒドロキシタウリン酸、および上記の任意のグリシン抱合体。薬理学的に活性を有する界面活性剤が胆汁酸塩であるとき、塩は、好ましくは、上記で列挙された胆汁酸との組み合わせで、以下からなる群より選択される陽イオンを含む:ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、リチウム(Li+)、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、バリウム(Ba2+)、ストロンチウム(Sr2+)、およびアンモニウム(NH4+)。いくつかの態様において、陽イオンは、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、およびリチウム(Li+)であるアルカリ金属からなる群より選択されるような、アルカリ金属である。いくつかの態様において、陽イオンは、以下からなる群より選択されるような、アルカリ土類金属である:マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、バリウム(Ba2+)、およびストロンチウム(Sr2+)。好ましくは、溶液は、胆汁酸塩を含み、ここにおいて胆汁酸塩はデオキシコール酸ナトリウムである。
【0097】
薬理学的に活性を有する界面活性剤、より好ましくは胆汁酸および/もしくは胆汁酸塩、より好ましくはデオキシコール酸もしくはその塩、またはより好ましくはデオキシコール酸ナトリウムは、治療的有効量が対象に送達されるような様々な濃度で投与される。治療的有効量は、皮下脂肪沈着物のサイズを減少させる、または、弛緩性皮膚の量もしくは外見を減少させるために有効な界面活性剤の量である。いくつかの態様において、治療的有効量の界面活性剤を有する組成物は、約0.001〜10、0.01〜5、または0.01および2% w/w、w/v、またはv/vの間の界面活性剤を含む。いくつかの態様において、治療的有効量の界面活性剤は、5、2、1、0.5、0.2、0.1、0.05、0.02、または0.01グラム未満の界面活性剤である。一つまたは複数の脂質がまた組成物に含まれる場合、界面活性剤と脂質との質量比は、好ましくは1% w/w、w/v、またはv/vより大きい。例えば、本発明の溶液は、約5%の胆汁酸塩(例えば、デオキシコール酸ナトリウム)、および、5% w/w、w/v、またはv/vまでであるが含まない、脂質、リン脂質、ホスファチジルコリンを含み得る。
【0098】
組成物が溶液(好ましくは水性溶液)として製剤化されるとき、組成物は、注射器、または注射器を搭載可能な容器のような容器中にあってもよい。本明細書における、容器における溶液または溶液の単位投与量は、好ましくは、500、250、100、25、10、または2.5 mLまでである。
【0099】
界面活性剤の他に、本明細書における組成物/溶液はまた、追加的な活性成分、または第二の治療剤を含み得る。いくつかの態様において、そのような第二の治療剤は、以下からなる群より選択される:抗微生物剤、血管収縮薬、抗血栓剤、抗凝固剤、泡抑制剤、抗炎症剤、鎮痛薬、分散剤、抗分散剤、浸透増強剤、ステロイド、精神安定薬、筋弛緩薬、および抗下痢剤。
【0100】
追加的な活性成分
本発明のいくつかの態様において、組成物は、例えば、抗微生物剤、血管収縮薬、抗血栓剤、抗凝固剤、泡抑制剤、抗炎症剤、鎮痛薬、分散剤、抗分散剤、浸透増強剤、ステロイド、精神安定薬、筋弛緩薬、および抗下痢剤のような、一つまたは複数の追加的な活性成分と、共製剤化、共投与、および/または共市販され得る。
【0101】
本明細書における組成物、方法、およびキットにおける使用に適当な抗微生物剤の例は、抗細菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤などを含むが、それらに限定されず、かつ、好ましくは広いスペクトルの微生物に対して効果的である。
【0102】
本明細書における組成物、方法、およびキットで使用され得る抗真菌剤の例は、ジチオカルバメート、フタルイミド、ジカルボキシミド、有機ホスフェート、ベンズイミダゾール、カルボキサニリド、フェニルアミド、ホスファイトなどを含む。
【0103】
抗細菌剤の例は、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、スルホンアミド、マクロライド、テトラサイクリン、リンコシド(lincoside)、キノロン、クロラムフェニコール、バンコマイシン、メトロニダゾール、リファンピン、イソニアジド、スペクチノマイシン、トリメトプリム、スルファメトキサゾール、ペネム、カルバペネム、モノバクタムムピロシン、硫酸ネオマイシンバシトラシン、ポリミキシンB、l-オフロキサシン、テトラサイクリン(塩酸クロルテトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、および塩酸テトラサイクリン)、リン酸クリンダマイシン、硫酸ゲンタマイシン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ヘキシルレゾルシノール、塩化メチルベンゼトニウム、フェノール、第四級アンモニウム化合物、トリクロカーボン(triclocarbon)、トリクロサン、ティーツリーオイル(tea tree oil)、およびそれらの薬学的に許容される塩、ならびに、それらの薬学的に許容される塩およびエステルを含むが、それらに限定されない。
【0104】
抗細菌剤の他の例は、アクロフロキサシン(Acrofloxacin)、アモキシシリンおよびクラブロン酸(clavulonic acid)(すなわち、Augmentin)、アミカシン、アンピシリン、アパラシリン、アプラマイシン、アストロマイシン、アルベカシン、アスポキシシリン、アジドジリン(Azidozillin)、アジスロマイシン、アズロシリン、バシトラシン、ベンザチンペニシリン、ベンジルペニシリン、カルベンシリン(Carbencillin)、セファクロール、セファドロキシル、セファレキシン、セファマンドール、セファパリン(Cefaparin)、セファトリジン、セファゾリン、セフブペラゾン、セフカペン、セフジニル、セフジトレン、セファピム、セファタメト、セフィキシム、セフメタゾール、セフミノクス、セフォペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォテタン、セフォチアム、セフォキシチン、セフピミゾール、セフピラミド、セフポドキシム、セフプロジル、セフラジン、セフロキサジン、セフスロジン、セフタジジム、セフトリアキソン、セフロキシム、クロラムフェニコール、クロルテトラサイクリン、シクラシリン、シノキサシン、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クレミゾールペニシリン、クリンダマイシン、クロキサシリン、ダプトマイシン、デメクロサイクリン、デスキノロン(Desquinolone)、ジベカシン、ジクロキサシリン、ジリスロマイシン、ドキシサイクリン、エノキサシン、エピシリン、エリスロマイシン(Erthromycin)、エタンブトール、フレロキサシン、フロモキセフ、フルクロキサシリン、フルメキン、フルリスロマイシン、ホスホマイシン、ホスミドマイシン、フシジン酸、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン(Gemifloxaxin)、ゲンタマイシン、イミペネム、イミペネムおよびシリスタチン(Cilistatin)の組み合わせ、イセパマイシン、イソニアジド、ジョサマイシン、カナマイシン、カスガマイシン、キタサマイシン、ラタモキセフ、レボフロキサシン、リンコマイシン、リネゾリド、ロメフロキサシン、ロラカルバフ(Loracarbaf)、リメサイクリン、メシリナム、メロペネム、メタサイクリン、メチシリン、メトロニダゾール、メズロシリン、ミデカマイシン、ミノサイクリン、ミオカマイシン(Miokamycin)、モキシフロキサシン、ナフシリン、ナフシリン、ナリジクス酸、ネオマイシン、ネチルマイシン、ノルフロキサシン、ノボビオシン、オフラキサシン(Oflaxacin)、オレアンドマイシン、オキサシリン、オキソリニン酸、オキシテトラサイクリン、パロマイシン(Paromycin)、パズフロキサシン、ペフロキサシン、ペニシリンG、ペニシリンV、フェネチシリン、フェノキシメチルペニシリン、ピペミド酸、ピペラシリン、ピペラリシンおよびタゾバクタムの組み合わせ、ピロミド酸、プロカインペニシリン、プロピシリン、ピリメタミン、リファブチン、リファミド(Rifamide)、リファンピシン、リファマイシンSV、リファペンテン(Rifapentene)、ロキタマイシン、ロリテトラサイクリン、ロキシスロマイシン、ルフロキサシン、シタフロキサシン、スパルフロキサシン、スペクチノマイシン、スピラマイシン、スルファジアジン、スルファドキシン、スルファメトキサゾール、シソマイシン、ストレプトマイシン、スルファメトキサゾール、スルフィソキサゾール、Synercid(キヌプリスタン(Quinupristan)-ダルホプリスタン(Dalfopristan)の組み合わせ)、テイコプラニン、テリスロマイシン、テモシリン、テトラサイクリン、テトロキソプリム、チアンフェニコール、チカルシリン、チゲサイクリン、トブラマイシン、トスフロキサシン、トリメトプリム、トリメトレキサート、トロバフロキサシン、バンコマイシン、およびベルダマイシンを含むが、それらに限定されない。
【0105】
本発明の組成物、方法、およびキットで使用され得る血管収縮薬剤の例は、ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、およびメチセルジド、ならびに、それらの薬学的に許容される塩を含む。
【0106】
本発明の組成物、方法、およびキットで使用され得る抗血栓剤の例は、アルガトロバン、イロプロスト、ラミフィバン、タプロステン、チロフィバン、組織プラスミノーゲン活性化因子(天然または組換え)、テネクテプラーゼ(TNK)、およびラノテプラーゼ(nPA)、第VIIa因子阻害剤、第Xa因子阻害剤、トロンビン阻害剤(ヒルジンおよびアルガトロバンのような)、PAI-1阻害剤(すなわち、組織プラスミノーゲン活性化因子阻害剤の不活性化剤)、α2-抗プラスミン阻害剤、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼおよびプロウロキナーゼ、およびアニソイル化(anisoylated)プラスミノーゲンストレプトキナーゼ活性化因子複合体、抗血液凝固薬(例えば、ヒルジン、ヘパリンなど)、プラスミノーゲン活性化因子(例えば、t-PA、ウロキナーゼなど)、フィブリン溶解性酵素(例えば、プラスミン、サブチリシンなど)、抗血小板凝集剤(例えば、プロスタサイクリン、アスピリンなど)などを含む。
【0107】
本発明の組成物、方法、およびキットで使用され得る抗凝固剤の例は、シロスタゾール、クロピドグレル、チクロピジン、チロフィバン、エプチフィバチド、アブシキシマブ、アナグレリド、ジピリダモール、アスピリン、ジピリダモール/アスピリン、ダルテパリン、エノキサパリン、チンザパリン、ヘパリン(様々な)、ダナパロイド、アンチトロンビンIII、レピルジン、アルガトロバン、ビバリルジン、ワルファリン、アニシジオン(anisidione)、アルテプラーゼ、レテプラーゼ、テネクテプラーゼ、ドロトレコギン、アニストレプラーゼ、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、およびそれらの組み合わせを含む。
【0108】
本発明の組成物、方法、およびキットで使用され得る泡抑制剤の例は、モノカルボキシル脂肪酸およびその可溶性塩を含む。モノカルボキシル脂肪酸およびその塩は、約1〜約50個の炭素原子、約10〜約24個の炭素原子、または約12〜約18個の炭素原子のヒドロカルビル鎖を有し得る。適当な塩は、ナトリウム、カリウム、およびリチウム塩のようなアルカリ金属塩、ならびに、アンモニウムおよびアルカノールアンモニウム塩を含む。追加的な泡抑制剤は、例えば、パラフィンのような高分子量炭化水素、脂肪酸エステル(例えば、脂肪酸トリグリセリド)、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C18-C40ケトン(例えば、ステアロン)などを含む。他の泡抑制剤は、トリ-〜ヘキサ-アルキルメラミン、または、塩化シアヌルと、1〜24個の炭素原子を含む1〜5または2〜3モルの一級または二級アミンとの産物として形成されるジ-〜テトラ-アルキルジアミンクロルトリアジンのようなN-アルキル化アミノトリアジン、プロピレンオキシド、ならびに、モノステアリルアルコールリン酸エステル、およびモノステアリルジ-アルカリ金属(例えば、K+、Na+、およびLi+)リン酸およびリン酸エステルのような、モノステアリルリン酸を含む。パラフィン(真のパラフィンと環状炭化水素との混合物を含む)およびハロパラフィンのような炭化水素は、液体形態で利用され得る。好ましくは約100℃より下の融点を有する蝋質の炭水化物を利用することもまた公知である。炭化水素は、界面活性剤組成物のための泡抑制剤の好ましいカテゴリーを構成する。炭化水素は、約12〜約70個の炭素原子を有する、脂肪族、脂環式、芳香族、および複素環式の、飽和または不飽和炭化水素を含み得る。泡抑制剤のもう一つの例は、シリコーン泡抑制剤を含む。このカテゴリーは、ポリジメチルシロキサンのようなポリ有機シロキサン油、ポリ有機シロキサン油または樹脂の分散物または乳濁液、および、ポリ有機シロキサンのシリカ粒子との組み合わせであって、ポリ有機シロキサンがシリカ上に化学吸着または融合されている組み合わせの使用を含む。例はまた、シリコーン、およびシリカ‐シリコーン混合物を含むが、それらに限定されない。シリコーンは、アルキル化ポリシロキサン材料によって一般に代表され得、一方シリカは、シリカエーロゲルおよびキセロゲル、ならびに様々なタイプの疎水性シリカによって例証される微細に分類された形態で通常使用される。シリコーン泡制御剤、DC-544は、シロキサン‐グリコールコポリマーであり、Dow Corningより市販されている。他の泡抑制剤は、シリコーン油と2-アルキル-アルカノールとの混合物を含む。適当な2-アルキル-アルカノールは、市販されている2-ブチル-オクタノールである。
【0109】
本明細書における組成物、方法、およびキットで使用され得る抗分散剤の例は、スクロース、グリセロール、およびグリセリンを含むが、それらに限定されない。
【0110】
本明細書における組成物、方法、およびキットで使用され得るステロイドの例は、ベタメタゾン、クロロプレドニゾン、クロコルトロン、コルチゾン、デソニド、デキサメタゾン、デスオキシメタゾン、ジフルプレドナート、エストラジオール、フルドロコルチゾン、フルメタゾン、フルニソリド、フルオコルトロン、フルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレグナン-3-α-オール-20-オン、テストステロン、およびトリアムシノロン、エストラジオール、エストロン、エストリオール、ポリエストラジオール、ポリエストリオール、ジエネストロール、ジエチルスチルベストロール、ジヒドロエルゴステロン、シプロテロン、ダナゾール、テストステロン、プロゲステロン、ノルエチンドロン、レボノルゲストロール(levonorgestrol)、エチノジオール、ノルゲスチメート、ゲスタニン(gestanin)、3-ケトン-デソゲストレル、デメゲストン、プロメトエストロール(promethoestrol)、テストステロン、スピロノラクトン、およびそのエステル、ブデソニド、ロフレポニド、パルミチン酸ロフレポニド、シクレソニド、フロ酸モメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、チプレダン(tipredane)、フルオシノロンアセトニド、フルニソリド、フルメタゾン、デキサメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、デフラザコート、コルチバゾール、または、コルチゾールおよび/またはヒドロコルチゾール、プレドニゾン、酢酸フルオロメトロン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、スプロフェン、フルオロメトロン、およびメドリゾン、任意でその純粋な異性体形態(そのような形態が存在する場合)、およびそれらの薬学的に許容される塩を含むが、それらに限定されない。
【0111】
本明細書における組成物、方法、およびキットで使用され得る抗炎症剤の例は、ステロイド系および非ステロイド系双方の抗炎症剤を含む。適当なステロイド系抗炎症剤は、ヒドロコルチゾンのようなコルチコステロイド、ヒドロキシルトリアムシノロンアルファメチルデキサメタゾン、リン酸デキサメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、吉草酸クロベタゾール、デソニド、デスオキシメタゾン(desoxymethasone)、酢酸デオキシコルチコステロン、デキサメタゾン、ジクロリゾン、二酢酸ジフロラゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルアドレノロン(fluadrenolone)、フルクラロロンアセトニド(fluclarolone acetonide)、フルドロコルチゾン、フルメタゾンピバレート、フルオシノロンアセトニド(fluosinolone acetonide)、フルオシノニド、フルコルチンブチルエステル(flucortine butylester)、フルオコルトロン、酢酸フルプレドニデン(フルプレドニリデン)、フルランドレノロン(flurandrenolone)、ハルシノニド、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、コルチゾン、コルトドキソン、フルセトニド(flucetonide)、フルドロコルチゾン、二酢酸ジフルオロゾン(difluorosone diacetate)、フルルアドレナロンアセトニド(fluradrenalone acetonide)、メドリゾン、アムシアフェル(amciafel)、アムシナフィド(amcinafide)、ベタメゾンおよびそのエステルの平衡、クロルプレドニゾン(chlorprednisone)、酢酸クロルプレドニゾン、クロコルテロン(clocortelone)、クレスシノロン(clescinolone)、ジクロリゾン、ジフルプレドナート(difluprednate)、フルクロロニド(flucloronide)、フルニソリド、フルオロメタロン、フルペロロン、フルプレドニゾロン、吉草酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンシクロペンチルプロプリオネート(cyclopentylproprionate)、ヒドロコルタメート、メプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、トリアムシノロン、およびそれらの混合物を含むが、それらに限定されない。
【0112】
適当な非ステロイド系抗炎症剤は、ピロキシカム、イソキシカム、トネキシカム(tonexicam)、スドキシカム、およびCP-14,304のようなオキシカム;サリチル酸、アスピリン、disalcid、ベノリラート(benorylate)、trilisate、サファプリン(safapryn)、solprin、ジフルニサル、およびフェンドサールのようなサリチレート;ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、イソキセパク、フロフェナク、チオピナク、ジドメタシン、アセマタシン(acematacin)、フェンチアザク、ゾメピラクト(zomepiract)、クリダナク、オキセピナク、およびフェルビナクのような酢酸誘導体;メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルミン酸、およびトルフェナム酸のようなフェナメート(fenamate);イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、およびチアプロフェニック(tiaprofenic)のようなプロピオン酸誘導体;ならびに、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェプラゾン、アザプロパゾン、およびトリメタゾン(trimethazone)のようなピラゾールを含むが、それらに限定されない。これらの非ステロイド系抗炎症剤の混合物はまた、それらの薬学的に許容される塩およびエステルと同様に使用され得る。
【0113】
炎症による不快感を減少させるための、本発明の組成物、方法、およびキットで使用され得る鎮痛薬の例は、リドカイン、メピバカイン、ブピバカイン、プロカイン、クロロプロカイン、エチドカイン、プリロカインジクロニン、ヘキシルカイン、プロカイン、コカイン、ケタミン、モルヒネ、プラモキシン、プロポフォール(propophol)、フェノール、ナロキソン、メペリジン、ブトルファノールまたはペンタゾシン、または、モルヒネ-6-グルクロニド、コデイン、ジヒドロコデイン、ジアモルヒネ、デキストロプロポキシフェン、ペチジン、フェンタニル、アルフェンタニル、アルファプロジン、ブプレノルフィン、デキストロモルアミド、ジフェノキシラート、ジピパノン、ヘロイン(ジアセチルモルヒネ)、ヒドロコドン(ジヒドロコデイノン)、ヒドロモルホン(ジヒドロモルフィノン)、レボルファノール、メプタジノール、メタドン、メトポン(メチルジヒドロモルフィノン)、ナルブフィン、オキシコドン(ジヒドロヒドロキシコデイノン)、オキシモルホン(ジヒドロヒドロキシモルフィノン)、フェナドキソン、フェナゾシン、レミフェンタニル、トラマドール、テトラカイン、およびそれらの混合物、ならびに、それらの薬学的に許容される塩およびエステルを含むが、それらに限定されない。好ましい態様において、組成物は、リドカイン、ヒドロモルホン、オキシコドン、モルヒネ、およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される鎮痛薬を含む。
【0114】
本明細書における組成物、方法、およびキットに含まれてもよい精神安定薬および鎮静薬の例は、クロルジアゼポキシド、ベナクチジン、ベンズキナミド、フルラゼパム、ヒドロキシジン、ロクサピン、プロマジン、ならびにそれらの許容される塩およびエステルを含むが、それらに限定されない。
【0115】
本明細書における組成物、方法、およびキットに含まれ得る筋弛緩薬の例は、シンナメドリン、シクロベンザプリン、フラボキセート、オルフェナドリン、パパベリン、メベベリン、イダベリン、リトドリン、デフェノキシラート(dephenoxylate)、ダントロレン、アズモレン、およびそれらの薬学的に許容される塩を含むが、それらに限定されない。
【0116】
本明細書における組成物、方法、およびキットに含まれ得る抗下痢剤の例は、ロペラミド、およびその薬学的に許容される塩を含むが、それらに限定されない。
【0117】
本明細書における例、および他の活性を有する薬剤は、一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤(例えば、胆汁酸または胆汁酸塩)とともに共製剤化、または共投与され得る。界面活性剤(例えば、胆汁酸塩)とともに共製剤化されるとき、追加的な薬剤は、組成物の20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001、0.0009、0.0008、0.0007、0.0006、0.0005、0.0004、0.0003、0.0002、もしくは0.0001% w/w、w/v、もしくはv/vまで、または、0.0001、0.0002、0.0003、0.0004、0.0005、0.0006、0.0007、0.0008、0.0009、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、1.25、1.50、1.75、2.0、2.25、2.50、2.75、3.0、3.25、3.50、3.75、4.0、4.25、4.50、4.75、5.0、5.25、5.50、5.75、6.0、6.25、6.50、6.75、7.0、7.25、7.50、7.75、8.0、8.25、8.50、8.75、9.0、9.25、9.50、9.75、10、10.25、10.50、10.75、11、11.25、11.50、11.75、12、12.25、12.50、12.75、13、13.25、13.50、13.75、14、14.25、14.50、14.75、15、15.25、15.50、15.75、16、16.25、16.50、16.75、17、17.25、17.50、17.75、18、18.25、18.50、18.75、19、19.25、19.50、19.75、もしくは20%(w/w、w/v、もしくはv/v)より多量であり得る。
【0118】
いくつかの態様において、追加的な活性成分は、組成物のおよそ0.001〜50、0.001〜40、0.01〜30、0.02〜29、0.03〜28、0.04〜27、0.05〜26、0.06〜25、0.07〜24、0.08〜23、0.09〜22、0.1〜21、0.2〜20、0.3〜19、0.4〜18、0.5〜17、0.6〜16、0.7〜15、0.8〜14、0.9〜12、または1〜10% w/w、w/v、またはv/vの範囲の濃度であるように、一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤(例えば、胆汁酸または胆汁酸塩)とともに共製剤化される。
【0119】
いくつかの態様において、組成物は、10、9.5、9.0、8.5、8.0、7.5、7.0、6.5、6.0、5.5、5.0、4.5、4.0、3.5、3.0、2.5、2.0、1.5、1.0、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.65、0.6、0.55、0.5、0.45、0.4、0.35、0.3、0.25、0.2、0.15、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001、0.0009、0.0008、0.0007、0.0006、0.0005、0.0004、0.0003、0.0002、もしくは0.0001グラムまでの界面活性剤でない活性成分、または、0.0001、0.0002、0.0003、0.0004、0.0005、0.0006、0.0007、0.0008、0.0009、0.001、0.0015、0.002、0.0025、0.003、0.0035、0.004、0.0045、0.005、0.0055、0.006、0.0065、0.007、0.0075、0.008、0.0085、0.009、0.0095、0.01、0.015、0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045、0.05、0.055、0.06、0.065、0.07、0.075、0.08、0.085、0.09、0.095、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、もしくは10グラムより多い追加的な活性成分、または、約0.0001〜10、0.0005〜9、0.001〜8、0.005〜7、0.01〜6、0.05〜5、0.1〜4、0.5〜4、もしくは1〜3グラムの間の範囲の界面活性剤でない活性成分を含む。
【0120】
いくつかの態様において、本明細書における薬理学的に活性を有する界面活性剤(例えば、胆汁酸および胆汁酸塩)は、直接的に脂肪沈着物へ、または弛緩性皮膚の下への皮下または真皮下注射のために製剤化される。注射のための製剤は、単位剤形で、例えば、アンプル、注射器を搭載可能な容器、または多用量容器中に、追加された保存剤と共にあり得る。注射可能な製剤は、油性、または水性媒体において、懸濁液、溶液、または乳濁液のような形態を取り得、および、懸濁剤、安定剤、抗分散剤、および/または分散剤のような薬剤を含み得る。そのような製剤は、本明細書における組成物(例えば、デオキシコール酸またはその塩)が脈管系に入ることを予防するために、血管収縮薬のような活性を有する薬剤を更に含み得る。
【0121】
本発明の組成物は、当技術分野において公知である手技を使用することによって、患者へ投与後の活性成分の迅速な、持続された、または遅延された放出を提供するように製剤化され得る。いくつかの態様において、本明細書における組成物は、緩慢な放出のために製剤化される。緩慢放出製剤、または生分解性の制御放出剤形は、インビボで、処置の望ましい部位において、脂肪を可溶化するのに有効な量の胆汁酸または胆汁酸塩の効果を延長するための組成物を提供する。いくつかの態様において、本明細書における界面活性剤(例えば、胆汁酸またはその塩)は、界面活性剤の効果の持続時間を更に延長するのに有効な薬学的に許容される増強剤とともに製剤化される。制御放出製剤は、平板(slab)、棒(rod)、ペレット剤、微粒子(例えば、マイクロスフェア、マイクロカプセル)、球状、ペースト溶液、スプレー、貼付剤などに形成され得る。そのような製剤は、等張生理食塩水、または他の生理学的緩衝液、または皮下注射、貼付剤、ポンプ、もしくはデポーに許容される溶液において懸濁液を形成するように使用され得る。
【0122】
緩慢放出製剤は、本明細書における組成物(例えば、持続放出形態に胆汁酸または胆汁酸塩で充填された注射可能なマイクロスフェア)を、処置を提供するために、標的部位の、または隣接した部位に接触させる、移植する、挿入する、または注射することによって投与され得る。いくつかの態様において、本明細書における組成物は、インサイチューゲル移植を用いて標的部位へ投与される。いくつかの態様において、薬理学的に活性を有する組成物は、ポリ(DL-ラクチド-コ-グリコリド);ポリ(ラクチド-コ-グリコリド);ポリ(DL-ラクチド);ポリ(L-ラクチド);ポリ(グリコリド);ポリ(ε-カプロラクトン);ポリ(DL-ラクチド-コ-カプロラクトン)のような、しかしそれらに限定されないポリマー担体に封入される。
【0123】
単位用量
本発明はまた、本明細書における組成物の単位用量を企図する。そのような単位用量は、好ましくは容器、注射器、または注射器を搭載可能な容器中にある。そのような単位用量は、例えば、500、400、300、200、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001、0.0009、0.0008、0.0007、0.0006、0.0005、0.0004、0.0003、0.0002、または0.0001 mLまでの総体積を有し得る。いくつかの態様において、単位用量は、標的部位あたり0.0001〜500、0.0005〜400、0.001〜300、0.005〜200、0.01〜100、0.05〜90、0.06〜80、0.07〜70、0.08〜60、0.09〜50、0.1〜40、0.2〜30、0.3〜29、0.4〜28、0.5〜27、0.6〜26、0.7〜25、0.8〜24、0.9〜23、10〜22、11〜21、12〜20、13〜19、14〜18、または15〜17 mLの範囲の総体積を有する。他の態様は、0.01〜30、0.02〜20、0.03〜10、0.4〜5、または0.5〜1 mL総体積の範囲で総体積を有する単位用量を企図する。いくつかの態様において、単位用量は、0.0001、0.0002、0.0005、0.001、0.002、0.005、0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20、50、100 mLより多量の総体積を有する。好ましくは、単位用量は、1.0、0.8、0.6、0.4、または0.2までの総体積を有する。
【0124】
単位用量は、治療的有効量において、一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤(例えば、胆汁酸および胆汁酸塩、またはより好ましくはデオキシコール酸もしくはその塩)の量を含み、実質的にそれからなり、またはそれからなる。そのような量は、当業者によって決定され得、かつ、部分的に、脂肪沈着物または弛緩性皮膚の位置、脂肪沈着物または弛緩性皮膚のサイズ、および活性を有する薬剤の濃度に依存するであろう。
【0125】
いくつかの態様において、単位用量は、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001、0.0009、0.0008、0.0007、0.0006、0.0005、0.0004、0.0003、0.0002、または0.0001グラムまでの、薬理学的に活性を有する界面活性剤を含む。いくつかの態様において、単位用量は、およそ0.00001〜10、0.00005〜1.0、0.0001〜0.5、0.0005〜0.1、0.001〜0.05、または0.005〜0.01グラムの範囲を含む。好ましくは、単位用量は、約0.01グラムの胆汁酸または胆汁酸塩(例えば、デオキシコール酸ナトリウム)を含む。
【0126】
単位用量は、リン脂質のような脂質、またはより好ましくはホスファチジルコリンを更に含み得る。そのような脂質は、本明細書において同定された量および濃度で加えられ得る。しかしながら、好ましい態様において、単位用量は、5% w/w、w/v、またはv/vまでの脂質、リン脂質、またはホスファチジルコリンを有する。好ましくは、単位用量における界面活性剤の% w/wと脂質(例えば、ホスファチジルコリン)の% w/wとの比は、1より大きく、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、または3.0より大きい。
【0127】
使用
本明細書における組成物は、対象において、皮膚条件の出現を予防する、または減少させるため、睡眠時無呼吸症状を予防する、または減少させるため、および、脂肪条件の出現または影響を予防する、または減少させるために使用され得る。そのような対象は、動物、より好ましくは哺乳動物、より好ましくは霊長類(例えば、サル、チンパンジーなど)、飼いならされた動物(例えば、イヌ、ネコ、ウマなど)、農場の動物(例えば、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウシなど)、実験動物(例えば、マウス、ラットなど)、またはより好ましくはヒトであり得る。
【0128】
いくつかの態様において、本明細書における組成物は、弛緩性皮膚、皮膚の老化、皮膚の不整、およびしわからなる群より選択される皮膚条件の出現を予防する、または減少させるために使用される。そのような方法は、関心対象の皮膚領域に、以下を含む本発明の組成物を局所的に投与する段階を含む:(i)一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤、より好ましくは一つまたは複数の胆汁酸または胆汁酸塩、より好ましくはデオキシコール酸またはその塩、またはより好ましくはデオキシコール酸ナトリウム;(ii)薬学的、美容的、または獣医学的賦形剤、および(iii)任意で、一つまたは複数の脂質。一つまたは複数の界面活性剤は、皮膚の引き締めに有効な量で投与される。いくつかの態様において、5、4、3、2、1、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.04、0.03、0.02、または0.01グラムまでの界面活性剤が投与される。いくつかの態様において、組成物は、5、4、3、2、1、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.04、0.03、0.02、または0.01% w/w、w/v、またはv/vまでの界面活性剤を含む。一つまたは複数の脂質が任意で含まれるとき、そのような脂質は、リン脂質、またはより好ましくはホスファチジルコリンであり得る。送達される組成物における界面活性剤の脂質に対する質量または体積比(例えば、% w/w、w/v、またはv/v)は、好ましくは1より大きい。いくつかの態様において、組成物は、5、4、3、2、1、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.04、0.03、0.02、または0.01% w/w、w/v、またはv/vまでの脂質、リン脂質、またはホスファチジルコリンを含む。上記の態様の任意において、投与される組成物は、好ましくは水性溶液中にある。そのような溶液は、好ましくは、500 mL、100 mL、50 mL、10 mL、または5 mLまでの総体積を有する。
【0129】
上記の組成物は、瘢痕形成を引き起こす炎症応答を起こすために、好ましくは標的範囲に局所的に投与される。瘢痕の形成は、特に皮膚がほとんどまたは全く張りが無く、かつ、瘢痕収縮に対してほとんど抵抗性を提供しない範囲において、皮膚の引き締めをもたらす。そのような処置は、例えば、多体積の脂肪吸引を含むが、それに限定されない、一般的に行われる脂肪処置のような、多数の臨床上のシナリオと関連性があってもよい。後者は、処置後の皮膚の弛緩(脂肪除去の範囲における弛緩性皮膚)および皮膚表面の不整と関連づけられてもよい。このように、いくつかの態様において、治療的有効量の界面活性剤または胆汁酸塩を含む組成物は、脂肪吸引手技の完了後に脂肪吸引部位へ投与されてもよい。
【0130】
いくつかの態様において、標的範囲は、目の下、あごの下、腕の下、臀部、ふくらはぎ、背中、腿、腹部、頬、額の範囲、または、老化、しわ、弛緩性皮膚、もしくは皮膚の不整を示す任意の他の皮膚領域である。
【0131】
いくつかの態様において、本明細書における組成物は、皮下注射、ポンプ、貼付剤、または皮下デポーを経て標的範囲に送達される。いくつかの態様において、本明細書における組成物は、局所的に投与される。
【0132】
一つの局面において、本明細書における組成物は、対象において皮下脂肪沈着物を減少させるために使用される。皮下脂肪沈着物は、例えば、肥満症、脂肪再分布症候群、眼瞼脂肪ヘルニア、脂肪腫、脂肪異栄養症(バッファロー瘤脂肪異栄養症を含む)、背側頸部の脂肪、内臓肥満症、豊胸、脂肪過剰症、体幹および腕の周りの拡散した体脂肪、セルライトと関連した脂肪沈着物、ダーカム病、マーデルング頚、脂肪浮腫、圧迫性結節、ロノワクレレー症候群、および眼瞼黄色板症のような脂肪条件と関連づけられ得る。皮下脂肪沈着物は、目の下、あごの下、腕の下、臀部、ふくらはぎ、背中、腿、腹部、頬、額、「腹周りの贅肉」、くるぶし、指、唇、気管などを含むが、それらに限定されない体の範囲に位置され得る。
【0133】
皮下脂肪沈着物は、脂肪沈着物に、以下を含む組成物を局所的に投与することによって減少され得る:(i)一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤、より好ましくは一つまたは複数の胆汁酸またはその塩、より好ましくはデオキシコール酸またはその塩、またはより好ましくはデオキシコール酸ナトリウム;(ii)薬学的または獣医学的賦形剤;および(iii)任意で、脂質、ここで、脂質と、胆汁酸または胆汁酸塩との比が1% w/wまでである。好ましくは、組成物は、リパーゼまたは補リパーゼを含まない。上記の方法は、好ましくは、対象に手術(例えば、脂肪吸引)を行う段階を含まない。
【0134】
好ましくは、一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤は、5、4、3、2、1、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.04、0.03、0.02、または0.01グラムまでの界面活性剤のような、脂肪の溶解に有効な量で投与される。いくつかの態様において、組成物は、5、4、3、2、1、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.04、0.03、0.02、または0.01% w/w、w/v、またはv/vまでの界面活性剤を含む。好ましくは、組成物は、約0.001〜10% w/wの間の界面活性剤もしくは胆汁酸塩、またはより好ましくは、約0.01と5% w/wとの間の界面活性剤もしくは胆汁酸塩を含む。
【0135】
一つまたは複数の脂質が任意で含まれるとき、そのような脂質は、リン脂質、またはより好ましくはホスファチジルコリンであり得る。送達される組成物における脂質に対する界面活性剤の質量または体積比(例えば、% w/w、w/v、またはv/v)は、好ましくは1より大きい。いくつかの態様において、組成物は、5、4、3、2、1、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.04、0.03、0.02、または0.01% w/w、w/v、またはv/vまでの脂質、リン脂質、またはホスファチジルコリンを含む。上記の態様の任意において、投与される組成物は、好ましくは溶液中に、またはより好ましくは水性溶液中にある。そのような溶液は、好ましくは500 mL、100 mL、50 mL、10 mL、または5 mLまでの総体積を有する。
【0136】
皮下脂肪沈着物は、肥満症、脂肪再分布症候群、眼瞼脂肪ヘルニア、脂肪腫、ダーカム病、脂肪異栄養症、バッファロー瘤脂肪異栄養症、背側頸部の脂肪、内臓肥満症、豊胸、脂肪過剰症、体幹および腕の周りの拡散した体脂肪、および、セルライトと関連した脂肪沈着物からなる群より選択される脂肪条件と関連づけられ得る。このように、本明細書における組成物は、そのような条件と関連した条件を処置する、または改善するために使用され得る。いくつかの態様において、本明細書における組成物は、前記対象の目の下、あごの下、腕の下、臀部、ふくらはぎ、背中、腿、または腹部に、そのような部位における皮下脂肪沈着物を減少させるために局所的に投与される。
【0137】
例えば、いくつかの態様において、本明細書における組成物(例えば、薬理学的に活性を有する界面活性剤、またはより好ましくは胆汁酸塩、またはより好ましくはデオキシコール酸ナトリウム)は、ヒトHIV患者のような対象において脂肪異栄養症条件を処置する、または改善するために使用される。脂肪異栄養症は、しばしばHIV処置(例えば、プロテアーゼ阻害剤での処置)からの副作用である条件である。脂肪異栄養症は、局所または全身の皮下脂肪の損失、または異常な脂肪再分布および代謝障害によって特徴づけられる。脂肪異栄養症の徴候は、顔、腕および脚からの組織の損失(くぼんだ目、および突き出した頬骨の外見をもたらし得る)を伴う膨張した腹部を含み得る。脂肪異栄養症の他の徴候は、首の後ろの脂肪蓄積を含み、これは時にはバッファロー瘤(拡散した脂肪蓄積)として称される。女性のHIV患者はまた、脂肪異栄養症候群に帰する豊胸のために処置されてもよい。
【0138】
いくつかの態様において、本明細書における組成物は、脂肪腫を処置するために使用される。脂肪腫は、良性の腫瘍性増殖である脂肪蓄積に局在化する。様々な形態の脂肪腫が存在し、かつ、いくつかの態様において;本明細書における組成物は、多発性家族性脂肪腫症を処置するために使用される。
【0139】
いくつかの態様において、本明細書における組成物は、ネコ、イヌ、またはウマのような動物において脂肪を予防、処置、または改善するために使用される。
【0140】
いくつかの態様において、本明細書における組成物は、閉塞性睡眠時無呼吸を処置するために使用される。閉塞性睡眠時無呼吸は、上気道(喉)の閉塞および/または虚脱による睡眠中の呼吸における反復性の休止によって特徴づけられ、通常、血中酸素飽和における減少を伴い、および、呼吸するための覚醒が続く。肥満の人々にしばしば影響を及ぼす危険な(時には命を脅かす)条件である。肥満の人々は、気管の周りに大量の脂肪を有しており、この脂肪が、睡眠中に筋肉が弛緩したときに気道を虚脱させるようにする可能性がある。一つの態様において、本明細書における組成物(例えば、デオキシコール酸ナトリウム)は、気管の周りの脂肪を溶解することによって、閉塞性睡眠時無呼吸を処置するために使用される。そのような態様において、本発明の組成物は、治療的有効量で気管の周りの脂肪の標的部位に局所的に(例えば、注射を経て)投与される。
【0141】
脂肪条件の処置のために、本明細書における組成物(例えば、薬理学的に活性を有する界面活性剤、胆汁酸塩、またはデオキシコール酸ナトリウム)は、好ましくは脂肪蓄積の部位に局所的に投与される。局所的な送達は、例えば、皮下または経皮注射、外用または内用ポンプ、皮膚貼付剤、皮下デポー、または、当技術分野において公知である任意の他の手段を経てなされ得る。
【0142】
いくつかの態様において、本明細書にける組成物は、皮膚貼付剤を経て送達される。皮膚貼付剤は、自己粘着性単位であり、かつ、患者の体に身に付けられる。皮膚貼付剤は、小容量の薬物を皮膚へ送達し、そこでその後皮膚中へ拡散する。貼付剤は、一連の薄い、柔軟なフィルム:支持層、薬物リザーバ、速度制御フィルムおよび粘着剤を組み入れる。皮膚を通しての薬物の浸透を更に増加させるために、増強剤が加えられてもよい。貼付剤は、無傷な皮膚を通して能動的に薬物を輸送するために、低レベル電子エネルギーと共役され得る。
【0143】
いくつかの態様において、本明細書における組成物は、外用または内用ポンプを経て送達される。ポンプは、小さなカテーテルを経て体内に薬物を送達する専門の装置である。例えば、点滴ポンプは、正確な投与量および送達速度で薬物を送達するためにプログラムされ得る。これらのポンプは、必要に従って薬物の送達を制御するフィードバック装置を有してもよい。ポンプのサイズは、薬物の量および予定される処置の長さに依存する。
【0144】
いくつかの態様において、本明細書における組成物は、デポーを経て送達される。デポーは、治療のための薬物の送達を可能にするために使用される、非生分解性および浸透性に駆動される移植片である。デポーは、浸透によって作動され、小型の金属合金シリンダーを組み入れ、かつ、数日から1年まで連続的な薬物の送達を提供し得る。いくつかの態様において、本明細書における組成物は、非経口的に投与されてもよい。投与の非経口的経路は、静脈内、皮下、筋肉内、腹腔内などのような、しかしそれらに限定されない、体の様々な区画への注射を含む。
【0145】
一つの例において、各1 mLまでの2回の注射があごの下に投与され、ここで、各注射は、0.005〜0.5の間、またはより好ましくは0.002〜0.08グラムの間のデオキシコール酸ナトリウムを含む。もう一つの態様において、2 mLの1% w/wデオキシコール酸ナトリウムの3回の処置が、頬範囲に投与される。
【0146】
本明細書における任意の態様において、治療的療法は、一つまたは複数の単位用量を標的部位に投与する段階を含み得る。標的部位は、例えば、0.1 cm2〜約5 cm2であり得る。本明細書における組成物は、本明細書において開示されるように、同一の、隣接した、または近くの標的部位に、様々な間隔、投与量、体積で投与されてもよい。組成物は、送達されるとき、例えば、真皮の下0.1〜4、0.2〜3.5、0.3〜3、0.4〜2.5、または0.5〜2インチを含む、真皮の下様々なレベルで投与され得る。
【0147】
例えば、いくつかの態様において、100、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、または0.01 mLまでの溶液が、標的部位(例えば、脂肪蓄積または弛緩性皮膚の部位)に局所的に一度に送達される。溶液は、一つまたは複数の薬理学的に活性を有する界面活性剤(例えば、胆汁酸もしくはその塩、またはより好ましくはデオキシコール酸もしくはその塩、より好ましくはデオキシコール酸ナトリウム)を含み得、実質的にそれらからなり得、またはそれらからなり得、ここで、溶液は、5、4、3、2、1% w/wまでの界面活性剤を含む。そのような溶液は、5% w/w、w/v、またはv/vまでの脂質、またはリン脂質、またはホスファチジルコリンを含み得、または、いくつかの態様においてはホスファチジルコリンを含まない。いくつかの態様において、本明細書における組成物(例えば、溶液)は、リパーゼもしくは補リパーゼを含まず、または、補リパーゼを含まずリパーゼを含む。いくつかの態様において、本明細書における組成物(例えば、溶液)は、酵素を含まない。いくつかの態様において、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、または0.01グラムまでの本明細書における界面活性剤(好ましくは胆汁酸または胆汁酸塩)が、標的部位に局所的に一度に投与される。他の態様において、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、または0.01 gより多くが、標的部位に一度に送達される。一般に、投与される処置の総体積、単位用量、および数は、標的部位における脂肪の量、標的部位の位置、脂肪組成物のタイプ、および望ましい結果に依存して変化するであろう。一般に、処置される脂肪の量が多ければ多いほど、投与される用量は多い。また、標的範囲における弛緩性皮膚の量が多ければ多いほど、送達されるであろう用量は多く、または注射の数は多い。本明細書における組成物および単位投与量は、処置療法の一部として個体に投与されてもよく、同時に、処置療法の一部として個体から必ずしも能動的に除去(例えば、吸引を経て)されないことが、注目されるべきである。
【0148】
本明細書における任意の態様において、治療的療法は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10単位用量の標的部位への投与を含み得る。そのような単位用量は、同時に、または期間を渡って送達され得る。例えば、投与は、1時間、1日、1週間、1ヶ月、または1年に1、2、3、または4回起こり得る。いくつかの態様において、複数の投与は、1時間、1日、1週間、1ヶ月、または1年に、1〜100、2〜50、3〜30、4〜20、5〜10回の間の標的部位への投与を含む。いくつかの態様において、複数の投与は、1年、1週間、1日、または1時間に、10、9、8、7、6、5、4、3、または2回までの標的部位への投与を含む。治療的療法における投与の総数は、1年、6ヶ月、5ヶ月、4ヶ月、3ヶ月、2ヶ月、1ヶ月、3週間、2週間、または1週間、またはそれより短い期間で完了され得る。
【0149】
本明細書における任意の態様において、方法は、対象における一つまたは複数の局在化脂肪沈着物の外科的除去を含まない。脂肪減少の非外科的方法は、脂肪吸引、脂肪形成外科術(lipoplasty)、または吸引脂肪除去を含まない。例えば、いくつかの態様において、本明細書における非外科的方法は、脂肪吸引を含まない。いくつかの態様において、本明細書における方法はまた、脂肪を減少させるための非侵襲性の手段、例えば、ウルトラソニフィケーション(ultrasonification)を排除する。他の態様において、非侵襲性の手段は、本明細書における組成物とともに使用され得る。
【0150】
開示される任意の処置は、追加的な活性成分を患者へ更に投与することによって、補われてもよい。そのような追加的な薬剤は、本明細書における組成物と別々に、または組み合わせて投与され得る。第二の薬剤は、局所的にまたは全身に投与され得る。いくつかの態様において、第二の薬剤は、界面活性剤と共製剤化される。他の態様において、第二の薬剤は、界面活性剤の投与に先立って、それと同時に、またはその後に投与される。
【0151】
キット
図11は、皮下脂肪の非外科的減少および/または弛緩性皮膚の引き締めのためのキット101の実例である。キット101は、一つまたは複数の容器102を含む。例えば、第一の容器102は、治療的有効量の薬理学的に活性を有する界面活性剤(例えば、胆汁酸およびその塩)、および5% w/vまでのホスファチジルコリンを含み得、ならびに、第二の容器102は、治療的有効量の薬理学的に活性を有する界面活性剤を含み得、かつホスファチジルコリンを含まなくてもよい。容器102は、好ましくは注射器を搭載可能である。容器102は、一つまたは複数の単位用量をそれぞれ保持し得る。例えば、容器102は、500、100、20、10、5、または1 mLまでを保持し得る。
【0152】
いくつかの態様において、容器102は、一つまたは複数の追加的な活性成分を、本明細書における一つまたは複数の界面活性剤と独立して、または組み合わせてのいずれかで含み得る。追加的な活性成分の例は、抗微生物剤、抗血栓剤、抗凝固剤、泡抑制剤、抗炎症剤、鎮痛薬、麻酔薬、抗分散剤、分散剤、浸透増強剤、ステロイド、精神安定薬、筋弛緩薬、および抗下痢剤を含む。
【0153】
一つの例において、容器102は、5% w/vまでのリン脂質(例えば、ホスファチジルコリン)を含み、またはリン脂質(例えば、ホスファチジルコリン)を含まず、かつ、10、5.0、1.0、または0.5% w/wまでの界面活性剤を含む。
【0154】
一つの例において、容器102は、0.01、0.1、1.0、2.0、3.0、4.0、または5.0% w/w、w/v、またはv/vより多い薬理学的に活性を有する界面活性剤(例えば、胆汁酸または胆汁酸塩)を含み、かつ、5% w/vまでのリン脂質(例えば、ホスファチジルコリン)を含むか、またはリン脂質((例えば、ホスファチジルコリン)を含まない。
【0155】
容器102の溶液は、使用のための説明書103に従って投与される。使用のための説明書103は、例えば、標的部位の位置、処置される動物、望ましい結果、標的部位のサイズ、組成物における界面活性剤の濃度などに依存してもよい投薬指示を提供し得る。好ましくは、使用のための説明書103は、ヒト、イヌ、ネコ、またはウマのような動物の処置のためである。使用のための説明書103はまた、他の飼いならされた動物、および/または農場の動物の処置のための情報を含む。使用のための説明書103はまた、例えば、目の下、あごの下、腕の下、臀部、頬、額、ふくらはぎ、背中、腿、くるぶし、または腹部に局在化する脂肪沈着物、または弛緩性皮膚の範囲のような具体的な標的部位を処置するために、本明細書における組成物の使用に関する情報を含む。いくつかの態様において、使用のための説明書103は、肥満症、脂肪再分布症候群、背側頸部の脂肪、内臓肥満症、豊胸、脂肪過剰症、眼瞼脂肪ヘルニア、脂肪腫、脂肪異栄養症、バッファロー瘤脂肪異栄養症、体幹および腕の周りの拡散した体脂肪、または、セルライトと関連した脂肪沈着物の脂肪条件を処置するために、本明細書における組成物の使用についての説明を詳述する。
【0156】
いくつかの態様において、使用のための説明書103は、弛緩性皮膚、皮膚の老化、皮膚の不整、およびしわからなる群より選択される皮膚条件を処置するために、本明細書における組成物の使用についての説明を詳述する。
【0157】
使用のための説明書103は、もしあれば、容器102の妥当な希釈剤および希釈の体積に関する情報を含んでもよい。使用のための説明書103はまた、投与の頻度および投与量のような、本明細書における組成物の妥当な投与に関する情報を提供してもよい。
【0158】
キット101は、本明細書における組成物(例えば、容器102中にあるもの)を脂肪蓄積または弛緩性皮膚の標的部位に送達するために、代替的に、または容器102に加えて、一つまたは複数の、注射器104または他の適当な送達装置(例えば、貼付剤、皮下デポー)を含み得る。いくつかの態様において、注射器または他の送達装置104は、一つまたは複数の単位用量の本明細書における組成物で予め充填されてもよい。
【0159】
好ましくは、キットは、0.1〜10%の間の胆汁酸もしくは塩、またはより好ましくはデオキシコール酸もしくはその塩、またはデオキシコール酸ナトリウムを含む、100 mLまでの総体積を有する溶液の局所皮下注射のための、一つまたは複数の注射器を含む。溶液は、好ましくは、リパーゼもしくは補リパーゼ、または双方を含まない。溶液は、好ましくは、ホスファチジルコリンを含むか、または含まない。
【0160】
本発明は、薬理学的に活性を有する界面活性剤および5% w/vまでのホスファチジルコリンを含む第一の容器、ならびに、哺乳動物において手術の使用無しで皮下脂肪沈着物を減少させるための書面の説明書を有するキットを企図する。好ましくは、本明細書におけるキットは、例えば、ヒト、ウマ、イヌ、またはネコのような様々な哺乳動物において脂肪沈着物を減少させるために使用されてもよい。いくつかの態様において、哺乳動物は、ヒトである。
【0161】
いくつかの好ましい態様において、第一の容器は、500 mLまでの総体積を有し、および/または、注射可能な製剤として提供される。他の好ましい態様において、第一の容器は、ホスファチジルコリンの% w/vよりも多い% w/vの界面活性剤を含んでもよく、またはホスファチジルコリンを含まなくてもよい。一つの好ましい態様において、本発明は、臨界ミセル濃度(CMC)を超える濃度で、界面活性剤を提供する。キットは、例えば、脂肪親和性界面活性剤、親水性界面活性剤、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、グリセリド、胆汁酸塩、および双性イオン性界面活性剤のような、様々な薬理学的に活性を有する界面活性剤を含んでもよい。より好ましい態様において、活性を有する界面活性剤は、胆汁酸塩、最も好ましくはデオキシコール酸ナトリウムである。本明細書におけるキットにおける第一の容器は、いくつかの態様において、3 gまでの界面活性剤を含んでもよい。他の態様において、本明細書におけるキットにおける第一の容器は、0.0002 gより多い界面活性剤を含んでもよい。本明細書における任意の態様において、第一の容器は、第二の界面活性剤を更に含んでもよい。
【0162】
好ましくは、第一の容器は、例えば、抗微生物剤、血管収縮薬、抗血栓剤、抗凝固剤、泡抑制剤、抗炎症剤、鎮痛薬、分散剤、抗分散剤、浸透増強剤、ステロイド、精神安定薬、筋弛緩薬、および抗下痢剤のような第二の治療剤を更に含んでもよい。いくつかの態様において、第二の治療剤は、鎮痛薬、抗微生物剤、または抗炎症剤である。より好ましくは、第二の治療剤は、鎮痛薬、または最も好ましくはリドカインである。もう一つの態様において、キットは、本明細書において説明されるような第二の治療剤を含む第二の容器を提供する。
【0163】
本発明の一つの態様は、哺乳動物の目、あご、または腕の下、ならびに臀部、ふくらはぎ、背中、腿、くるぶし、または腹部の脂肪沈着物を減少させるための、本明細書におけるキットを企図する。もう一つの態様において、キットは、例えば、眼瞼脂肪ヘルニア、脂肪腫、脂肪異栄養症、バッファロー瘤脂肪異栄養症、体幹および腕の周りの拡散した体脂肪、または、セルライトと関連した脂肪沈着物のような、具体的なタイプの脂肪沈着物を減少させてもよい。
【0164】
事業方法
本明細書において開示される方法およびキットは、事業サービスを行う、および/または商業製品を販売するために使用され得る。
【0165】
いくつかの態様において、本発明は、本明細書におけるキットを販売する、または処置サービスを提供する事業方法を企図する。例えば、事業は、本明細書において説明される組成物に基づく製剤を作製し得る。そして、本明細書における事業方法は、そのような製剤を含むキットを製造し得、かつ、料金と引替えにそのようなキットを販売し得る。いくつかの態様において、事業方法は、第三者がキットを製造することを許諾する。いくつかの態様において、事業は、そのようなキットを販売するように販売サポートと契約する。
【0166】
事業は、代替的に、または追加的に、サービス料金と引替えに処置サービスを行い得る。サービスは、患者に直接に提供され得、かつ、料金は、手技の長さ、および/または使用される活性を有する界面活性剤の量に依存して変化し得る。
【0167】
本明細書および実施例を読み、かつ理解した後に、当業者には明らかな態様であろう、本発明を用いる多くの他の態様および方法が存在することが理解される。以下の実施例は、本発明の一つまたは複数の態様を例証するように意味され、本発明を下記に説明されるものに限定するようには意味されない。
【0168】
実施例
実施例1
デオキシコール酸ナトリウムおよびホスファチジルコリン製剤
ホスファチジルコリン胆汁酸塩製剤(PBF)(滅菌水中、5.0%の高度に精製された大豆由来PC、4.75%のデオキシコール酸ナトリウム、および0.9%のベンジルアルコール、表2)は、Hopewell Pharmacy, Hopewell, NJより取得された。デオキシコール酸ナトリウムおよびTriton X-100界面活性剤(Triton、アルキルアリールポリエーテルアルコール)は、Sigma-Aldrich Corp.(St. Louis, MO)より取得された。Empigen BB界面活性剤(Empigen、ラウリルジメチルベタイン)は、Calbiochem, Biosciences, Inc.,(La Jolla, CA)より取得された。注射可能なPBF溶液は、下記の表2に従って作製された。ストック試薬(5%希釈)は、PBS緩衝液中に調製された。
【0169】
(表2)注射可能なPBF

【0170】
(a)ホスファチジルコリン、(b)デオキシコール酸ナトリウム、および(c)ベンジルアルコールの分子構造が、図1に示される。
【0171】
実施例2
デオキシコール酸ナトリウムおよびホスファチジルコリン溶液の培養細胞における効果
界面活性剤処置後の細胞生存率を測定するため、HaCaTヒトケラチノサイト細胞が、10%ウシ胎仔血清、ペニシリン、およびストレプトマイシンが追加されたDMEM(Dulbecco変法イーグル培地)中で培養された。HaCaT細胞は、6穴プレートで培養され、MTSアッセイ(代謝的に活性を有する細胞によって生物還元される(bioproduced)と色の変化を生じるテトラゾリウム化合物を用いる(CellTiter 96 Aqueous Non-Radioactive Cell Proliferation Assay, Promega, Corp. Madison, WI))を用いた細胞生存率の決定に先立って、37℃で30分間、0、0.005、0.050、または0.500%のPBFまたはデオキシコール酸ナトリウムとともにインキュベーションされた。細胞生存率は、37℃でのアッセイとの4時間のインキュベーションの後に、吸光度分光光度計によって(490 nmで)決定された。新鮮な組織における細胞生存率を決定するために、脂肪標本が、4時間24穴プレートで、ストック試薬およびMTSアッセイとともにインキュベーションされた。その後、組織標本は色の変化について視覚化され、かつ、上清におけるMTSの量が吸光度によって(490 nmで)測定された。すべての研究は三連で行われた。490 nmでの吸光度(OD 490)は、培養物における生細胞の数に比例する。対照、および0.005%希釈の双方の化合物において匹敵するOD 490が存在し(図2a)、この濃度ではこれらの物質は細胞生存率にほとんど影響が無いことを示した。細胞生存率は、0.05%および0.5%濃度の双方の溶液で、累進的に減少した。
【0172】
界面活性剤処置に応答する細胞溶解が、示された細胞希釈で30分間、37℃で試薬とインキュベーションされたHaCaT細胞において決定された。培養細胞における溶解は、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)アッセイを用いて測定され、および、組織中では無傷の細胞膜を有する細胞中に保持される蛍光マーカーであるカルセインを用いて測定された。LDHアッセイは、細胞が溶解される際に放出される細胞質酵素であるLDHの活性を測定する。乳酸デヒドロゲナーゼの放出は、製造業者によって推奨されるように、LDHアッセイとの1時間のインキュベーションの後に、吸光度(490 nmでの)によって測定された(CytoTox 96 Non-Radioactive Cytotoxicity Assay, Promega)。すべての研究は三連で行われた。LDHの放出は、490 nmでの吸光度(OD 490)と正比例する。無傷の組織への浸透が限定要因である可能性が高いため、細胞に影響を及ぼすのに必要な試薬(PBFおよびデオキシコーレート)の希釈度を決定するために、細胞培養が使用された。図2aに示されるように、デオキシコール酸ナトリウムは、完全なPBFとほぼ同等に、培養細胞の生存率を非常に減少させた。この知見は、ブタの脂肪をPBFおよびデオキシコーレートに曝露することによって、組織において再現された(図3)。これらの結果は、デオキシコール酸ナトリウムがPBFにおいて主要な、活性的な役割を演ずるという予想外の所見を支持する。対照の細胞、および0.005%希釈の双方の化合物とインキュベーションされた細胞から、最少のLDH放出があった(図2b)。更に、PBFおよびデオキシコーレート双方で処置された細胞培養は、細胞溶解において濃度依存性の増加を示した(図2b)。更に、これらの薬剤で処置された培養細胞において観察された直接的な溶解効果は、内因性リパーゼとは独立した活性を示唆する。0.05%および0.5%のPBFおよびデオキシコーレートでは、累進的により多くの放出されたLDHが存在した。細胞培養においてPBFの効果をデオキシコーレートと比較すると、デオキシコール酸が同様の細胞生存率の減少をもたらすが、より少ない細胞溶解をもたらすという驚くべき結果が導かれた。これらのデータは、デオキシコーレートがPBFにおいて活性要素として働くことを予想外に示す。
【0173】
実施例3
デオキシコール酸ナトリウムおよびホスファチジルコリン溶液のブタ組織における効果
ブタ組織は、屠殺後直ちに取得され、剪毛され、かつ、使用前最長4時間の間、氷上に置かれた。脂肪標本は、メスでパンチ生検の表皮および真皮を除去することによって取得され、かつ、整えられた。脂肪標本は、1時間、37℃でCalcein-AM(Sigma)とインキュベーションすることによって、カルセイン色素で充填された。ストック試薬が脂肪標本に加えられ、30分間37℃で穏やかに攪拌しながらインキュベーションされた。カルセインの保持は、紫色(411 nm)の光を用い、かつ、発光フィルターを用いて放射された緑色(500 nm)の光を視覚的に観察する組織蛍光によって決定された。
【0174】
組織学は、ストック試薬溶液(0.5 mL)を完全な厚さのブタ皮膚へ様々なレベルで(表皮、真皮、および皮下組織)、1.0 mLの注射器および30ゲージ、0.5インチの針を用いて注射することによって行われた。針の深さは、標的組織を飽和させる目的で、ブタ組織の端に沿って視覚化された。PBSとの37℃でのインキュベーション1時間後に、多数の5.0 mm生検標本が注射された部位から取得され、各条件は三連で行われた。組織はホルムアルデヒド中で固定され、パラフィン包埋され、かつ、ヘマトキシリン-エオシンで染色された。標本は、処置プロトコールを知らされていない、評議会で認定された(board-certified)皮膚病理学者によって評価された。
【0175】
これらの界面活性剤物質の培養細胞に対する効果が組織においても同様か否かを決定するために、新鮮なブタ皮膚が使用された。図3aは、MTSアッセイを用いた、PBS緩衝液(陰性対照)で処置された脂肪組織における濃い紫色の色素の産生(生細胞を示す)を示す。PBFおよびデオキシコーレートの5%溶液およびTriton界面活性剤(陽性対照)は、処置された脂肪標本において、匹敵する紫色の色素の減少(細胞死を示す)を示した。溶液の間の脂肪細胞生存率における差異は、処置された脂肪標本から回収された上清の吸光度(490での)を測定することによって定量化された(図3b)。すべての試薬は、新鮮な組織の脂肪細胞生存率に対して有意な影響を及ぼした。
【0176】
細胞溶解は、カルセイン色素放出アッセイを用いて確認された。カルセインは、加水分解後に蛍光性となり、かつ、無傷の細胞膜を有する細胞に保持される。死んだ細胞は標識せず、かつ、細胞溶解を引き起こす条件の下で失われるため、色素カルセインで充填された脂肪組織試料における緑色の蛍光の減少は、細胞溶解を示す(図4)。デオキシコーレート、PBF、およびTriton界面活性剤(陽性対照)で処置された試料は、同様の蛍光の減少を示した。
【0177】
PBF、デオキシコーレート、およびEmpigenの注射に起因する組織学的な変化が、図5に示される。ホスファチジルコリン胆汁酸塩製剤(図5b)およびデオキシコーレート(図5d)は、二つのよく特徴づけられた実験用界面活性剤であるEmpigen(図5g)およびTriton(示されていない)によって引き起こされるのと同様の組織学的効果を生じた。これらの変化は、脂肪および筋肉双方において明白であった。PBF(図5b)およびデオキシコーレート(図5d)双方の注射後に、正常な小葉構造の破壊を伴う脂肪細胞細胞膜の顕著なぼやけ(blurring)、および溶解が見られた。図5fは、PBF注射後の、筋繊維の混乱および萎縮を示す。筋組織における同様の変化が、デオキシコーレートならびに、TritonおよびEmpigen界面活性剤で処置された標本において見られた。繊維芽細胞核染色の減少および皮膚コラーゲンの硝子質化(hyalinization)を引き起こしたEmpigenを除いては、試薬の注射後に、表皮、真皮、または付属器構造において変化は無かった。更に、臨床報告より、紅班または水腫のような活発な炎症応答が、界面活性剤での注射後に起きることが明らかである。反復された炎症は、特に多数の注射後に、潜在的に繊維症を導き得る。繊維症は、結局数ヶ月に渡って分割したPBF投与後の注射部位に堅い小結節を発生した数人の患者において報告されている。
【0178】
組織学的な知見は、注射可能なPBFおよびデオキシコーレート単独は、脂肪および筋肉において構造的破壊をもたらすが、表皮、真皮または付属器には明らかな影響を及ぼさないことを示す(図5)。しかしながら、強力な実験用界面活性剤であるEmpigen BBは、皮膚コラーゲン(結合組織)に対して甚大な組織学的影響を及ぼした。または、脂肪および筋肉は、試験された濃度(臨床診療において使用されるのと同様)で、これらの他の構造よりも界面活性剤処置に対してより高感受性であり得る。
【0179】
新鮮な組織標本および細胞培養を利用した一連の実験室実験を通して、脂肪溶解について皮下注射において一般に使用されるPBFは、主として細胞膜の非特異的溶解を引き起こすことによって働くことが、示されている。細胞膜は、すべての組織タイプの構成物である;特に、本発明者らは、これらの界面活性剤が、脂肪、筋肉、および結合組織の可溶化を引き起こすことを示した。そのため、ホスファチジルコリンを溶解するために使用される製剤の胆汁酸塩成分であるデオキシコール酸ナトリウムは、これらの先行技術製剤の主要な活性成分であった。この結論は、胆汁酸塩のような薬理学的に活性を有する界面活性剤が細胞膜の強力な可溶化剤であるという事実によって支持される。
【0180】
実施例4
デオキシコール酸ナトリウム組成物を用いた臨床経験
脂肪腫、良性の単離された脂肪組織のコレクションを有する患者が、ホスファチジルコリンを含まないデオキシコール酸ナトリウム(DC)溶液を直接脂肪腫へ注射された。この研究の結果は、動物組織における脂肪で見られたデオキシコーレートの界面活性剤効果が、ヒトにおいて臨床的に再現可能であることを示す。すべての注射された脂肪腫は、様々な濃度のデオキシコーレートでの少なくとも1回の処置後に、サイズにおいて減少した(表3)。1% DCで注射された1人の患者由来の脂肪腫が、処置後に摘出されて、病理学的および組織学的解析が行われた。摘出された脂肪腫の中で、壊死が、出血のはっきり区別された範囲および、色においてより明るい正常脂肪腫脂肪とは対照をなす脂肪腫脂肪の中部へ伸長する側面の端における壊死ととともに、大まかに見られる(図6a)。組織学的解析(図6b)は、よく規定された出血の範囲、および壊死性脂肪、ならびに、隣接した通常の円形の明瞭な脂肪細胞とは対照をなす有意な炎症反応を明らかにする。
【0181】
(表3)DC処置後の脂肪腫のサイズにおける減少

【0182】
実施例5
デオキシコール酸ナトリウム組成物を用いたHIV患者における脂肪異栄養症の処置
マスター筋肉(master muscle)のちょうど腹側の顔に対称性の脂肪沈着物を有する(言わば頬に、シマリス(chipmunk)の口の中のどんぐりのように)HIV脂肪異栄養症患者が、1%のデオキシコーレートを注射された。1ヶ月の追跡調査で、両側の沈着物体積において50%の明白な減少があった。この研究の結果は、動物組織における脂肪で見られるデオキシコーレートの効果が、ヒトにおいて臨床的に再現可能であることを示す。
【0183】
実施例6
デオキシコール酸ナトリウムおよびデオキシコール酸ナトリウム‐ホスファチジルコリン溶液のメラニン細胞に対する効果
96穴ディッシュ上、メラニン細胞培地中のメラニン細胞は、37℃で、加湿された5% CO2インキュベーターにおいて1週間で分化した。培地が吸引され、1xPBSで1回洗浄された。細胞は、1xPBS中の、1% PCを含む、または含まない、異なる濃度のDC(0〜0.5%)で処置された。各処置は、三連でなされた(表4)。プレートが、37℃で、加湿された5% CO2インキュベーターにおいて30分間インキュベーションされた。インキュベーションされたプレートが、吸引されて、1xPBSで洗浄された。
【0184】
10 mLのMTS(3-(4,5-ジメチル-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム、分子内塩)アッセイ溶液が調製(Mel 1xPBSあたり40 uLのMTS(Promega, Madison WI)が混合)された。100 ulのMTS溶液が、プレートの各ウェルに加えられた。プレートが、37℃インキュベーター(加湿されていない)で120分間インキュベーションされた。OD値は分光光度計を用いて490 nmで得られた。
【0185】
図7は、デオキシコール酸ナトリウム溶液、および1%ホスファチジルコリンを伴うデオキシコール酸ナトリウム溶液におけるメラニン細胞の生存を示す。A375Pはメラノーマ細胞株である(Pは低転移性を表わす)。y軸上で、1は、DCが加えられないときの100%の生存を表わす。すべての%濃度は、w/v%である。メラニン細胞細胞株についてのデオキシコール酸ナトリウム溶液のみのLD50(50%の脂肪細胞が死ぬ濃度)は、約0.04%デオキシコール酸ナトリウムであることが見出された。1%ホスファチジルコリンを伴うデオキシコール酸ナトリウム溶液の添加は、LD50を5〜6倍まで増加する。
【0186】
この研究の結果は、1%ホスファチジルコリンの添加が、インビトロでアポトーシスを阻害する、すなわち、PCの存在は、DCがメラニン細胞を殺傷するのを5倍困難にすることを示し、PCがDCの細胞殺傷能力を損ない、および、従って増強しないことを示す。
【0187】
(表4)DCのみおよびDC + 1% PCで処置後のメラニン細胞

【0188】
実施例7
デオキシコール酸ナトリウムおよびデオキシコール酸ナトリウム‐ホスファチジルコリン溶液の脂肪細胞に対する効果
96穴ディッシュ上、脂肪細胞培地中の脂肪細胞は、37℃で、加湿された5% CO2インキュベーターにおいて1週間で分化した。培地が吸引され、1xPBSで1回洗浄された。細胞は、1xPBS中の、1% PCを含む、または含まない、異なる濃度のDC(0〜0.5%)で処置された。各処置は、三連でなされた(表5)。プレートが、37℃で、加湿された5% CO2インキュベーターにおいて30分間インキュベーションされた。インキュベーションされたプレートが、吸引されて、1xPBSで洗浄された。
【0189】
10 mLのMTS(3-(4,5-ジメチル-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム、分子内塩)アッセイ溶液が調製(lmLの1xPBSあたり40 uLのMTS(Promega, Madison WI)が混合)された。100 ulのMTS溶液が、プレートの各ウェルに加えられた。プレートが、37℃インキュベーター(加湿されていない)で120分間インキュベーションされた。OD値は分光光度計を用いて490 nmで得られた。
【0190】
図8は、デオキシコール酸ナトリウム溶液、および1%ホスファチジルコリンを伴うデオキシコール酸ナトリウム溶液における脂肪細胞の生存を示す。脂肪細胞は、DCでの処置前にインビトロで培養されて成熟したプライマリー(primary)(すなわち、新しくヒトから採取された)脂肪細胞である。y軸上で、1は、DCが加えられないときの100%の生存を表わす。すべての%濃度は、w/v%である。脂肪細胞細胞株についてのデオキシコール酸ナトリウム溶液のみのLD50(50%の脂肪細胞が死ぬ濃度)は、約0.02%デオキシコール酸ナトリウムであることが見出された。1%ホスファチジルコリンを伴うデオキシコール酸ナトリウム溶液の添加は、LD50を5〜6倍まで増加する。
【0191】
この研究の結果は、1%ホスファチジルコリンの添加が、インビトロでアポトーシスを阻害する、すなわち、PCの存在は、DCが脂肪細胞を殺傷するのを5倍困難にすることを示し、PCがDCの脂肪細胞殺傷能力を損ない、および、従って増強しないことを示す。
【0192】
(表5)DCのみおよびDC + 1% PCで処置後の脂肪細胞

【0193】
実施例8
4.75%デオキシコール酸ナトリウム溶液へのホスファチジルコリンの添加の、生存脂肪細胞に対する効果
図9は、ホスファチジルコリンが4.75%デオキシコール酸ナトリウム溶液に加えられた際の脂肪細胞の生存を示す。y軸上で、1は、100%の生存を表わす。すべての%濃度は、w/v%である。DCおよびPCの非存在下での細胞の生存は、平均0.113である。
【0194】
この研究の結果は、デオキシコーレートが培養脂肪細胞の100%脂肪溶解を媒介するのに必要および十分双方であるため、デオキシコール酸ナトリウム溶液へのホスファチジルコリンの添加は、インビトロでの脂肪溶解に必ずしも寄与しないことを示す。更に、これらのデータ(表6)の徹底的な考察は、5%のホスファチジルコリンが、実際には脂肪溶解をわずかに阻害することを示し、このことは、ホスファチジルコリンの添加によって与えられるLD50における5〜6倍の増加(実施例7において示されたように)の観点から、驚くべきことではない。これらのデータは、デオキシコール酸ナトリウムが脂肪溶解についての活性成分であり、かつ、ホスファチジルコリンは不必要なだけでなく、実際に脂肪除去を阻害するという概念を集合的に支持する。
【0195】
(表6)4.75% DCへのPCの添加後の脂肪細胞

【0196】
実施例9
ヒト脂肪腫脂肪とのプレインキュベーションによる脂肪溶解の阻害
実験は、一連の不死化メラニン細胞細胞株に対して行われた。切除されたヒト脂肪腫がすりつぶされ、DCを含む培地がヒト脂肪と混合されて、かつ、24時間攪拌された。材料は、不溶性含有物をペレットにするために遠心分離された。その後、上清が、培養メラニン細胞の上に加えられた。対照は、脂肪塊に曝露されていない同一のDCを含む培地であった。また、脂肪単独(培地無し)が、対照として加えられた。
【0197】
図10は、0.1% DCの脂肪とのプレインキュベーション(表7)が、殺傷を減少させるように見えることを示す。それは、何らかの形態の阻害剤を放出することによる可能性がある(例えば、実施例7は、PCがインビトロでDCの殺傷を阻害することを示す)、または、遠心分離において除去された脂肪ペレットにDCが保持されることによる可能性がある。しかし、可能性として直接阻害(PCのように)または隔離(すなわち、脂肪ペレット中へ)によって、脂肪の存在がDCの殺傷特性を限定することが、この実験において明らかである。このことは、DCの脂肪への注射が周囲の組織を残すという観察を更に説明し得る。
【0198】
(表7)ヒト脂肪腫脂肪とのプレインキュベーションによる脂肪溶解の阻害

【0199】
実施例10
デオキシコール酸ナトリウム組成物を用いたヒト脂肪腫研究
12個の脂肪腫を有する6人の患者が、6ヶ月の期間に渡って、デオキシコール酸ナトリウム(DC)溶液を注射された。すべての注射された脂肪腫は、少なくとも1回の処置後にサイズにおいて減少した(表8)。測定は、物理的測定および超音波イメージングによってなされた。この研究の結果は、動物組織における脂肪で見られるデオキシコーレートの界面活性剤効果が、ヒトにおいて臨床的に再現可能であること、および処置後の脂肪腫のサイズにおいて有意な減少があることを示す。
【0200】
(表8)デオキシコール酸ナトリウム組成物を用いたヒト脂肪腫研究

【0201】
別の方法で指示されない限り、明細書および特許請求の範囲において使用される、成分の量、分子量のような特性、反応条件などを表わすすべての数字は、すべての例において「約」という用語によって修飾されているとして理解されるべきである。従って、そうでないと指示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲において示される数値パラメーターは、本発明によって取得されるように探求される望ましい特性に依存して変化してもよい概数である。少なくとも、および、同等物の教義の特許請求の範囲への適用を限定するための企図としてではなく、各数値パラメーターは、少なくとも、報告された有意な桁(digit)の数を考えて、かつ、通常の誤差調整技術を適用することによって、解釈されるべきである。本発明の広い範囲を示す数値範囲およびパラメーターは概数であるにもかかわらず、具体的な実施例において示された絶対値サイズ(cm)は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、任意の絶対値は、それぞれの試験測定において見出される標準偏差に必然的に起因する一定の誤りを内在的に含む。
【0202】
本発明を説明する文脈において(特に添付の特許請求の範囲の文脈において)使用される"a"および"an"および"the"および同様の指示物の用語は、本明細書において別の方法で指示されない限り、または文脈によって明らかに否定されない限り、単数形および複数形双方を包含するように解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の引用は、単に、範囲内に含まれるそれぞれの分離した値に個別に言及することの省略表現法として役立つように意図されるに過ぎない。本明細書において別の方法で指示されない限り、それぞれの個別の値は、本明細書において個別に列挙されたかのように、本明細書に組み入れられる。本明細書において説明されたすべての方法は、本明細書において別の方法で指示されない限り、またはさもなければ文脈によって明らかに否定されない限り、任意の適当な順序で行われ得る。本明細書において提供される任意のおよびすべての例、または例示的な言い回し(例えば「のような」)の使用は、単に、本発明をよりよく明らかにするよう意図されるに過ぎず、別の方法で特許請求される本発明の範囲に対して限定を提示しない。本明細書におけるどの言い回しも、本発明の実施に不可欠な任意の特許請求されていない要素を指示するように解釈されるべきではない。
【0203】
本明細書において開示される本発明の代替的な要素および態様の群分けは、限定として解釈されるべきではない。各群の部分は、個別に、または、本明細書において見出される群の他の部分、もしくは他の要素との任意の組み合わせにおいて、言及され、かつ、特許請求されてもよい。群の一つもしくは複数の部分は、利便性および/または特許性の理由で、群に含められてもよいし、または群から削除されてもよい。任意のそのような包含または削除が起きるとき、明細書は、修飾された群を含み、したがって、添付された特許請求の範囲において使用されるすべてのMarkush群の記載要件を満たすように、本明細書において考えられる。
【0204】
本発明の好ましい態様は、本発明を実施するために本発明者らに知られている最良の形態を含んで、本明細書において説明される。もちろん、好ましい態様についての変種が、先立つ説明を読むと同時に当業者には明白になるであろう。本発明者は、当業者がそのような変種を適切に使用することを期待し、かつ、本発明者らは、本発明が、本明細書において具体的に説明されるのとは別の方法で実施されることを意図する。従って、本発明は、適用可能な法律によって許可されるように、本明細書に添付される特許請求の範囲において引用される対象事項のすべての修飾および同等のものを含む。更に、上記で説明された要素の、そのすべての可能な変種における任意の組み合わせが、本明細書において別の方法で指示されない限り、またはさもなければ文脈によって明らかに否定されない限り、本明細書によって包含される。
【0205】
更に、本明細書を通して、特許および印刷刊行物に多数の参照がなされている。上記で引用された各参照および印刷刊行物は、個別に、全体として参照により本明細書に組み入れられる。
【0206】
結びに、本明細書において開示される本発明の態様は、本発明の原理の例証となることが理解されるべきである。使用されてもよい他の修飾は、本発明の範囲内である。従って、本発明の代替的な配置が、例として、しかし限定することなく、本明細書における開示に従って利用されてもよい。従って、本発明は、示され、かつ記載された通りには正確には限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0207】
【図1】(a)ホスファチジルコリン、(b)デオキシコール酸ナトリウム、および(c)ベンジルアルコールの分子構造を示す。
【図2】本発明の開示に従った、ホスファチジルコリン胆汁酸塩製剤(PBF)(滅菌水中、5.0%の高度に精製された大豆由来PC、4.75%のデオキシコール酸ナトリウム、および0.9%のベンジルアルコール)、およびデオキシコール酸ナトリウム単独の、培養細胞の生存率に対する効果を示す:(a)PBFおよびデオキシコール酸ナトリウム単独に曝露されたケラチノサイトの生存率を測定したMTSアッセイ;(b)PBFおよびデオキシコール酸ナトリウム単独に曝露された細胞による乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の放出を測定したLDHアッセイ。
【図3】本発明の開示に従った、PBFおよびデオキシコール酸ナトリウム単独の、プライマリーブタ脂肪組織に対する効果を示す:(a)陰性対照としてのPBS緩衝液(−対照)、デオキシコール酸ナトリウム単独(DC)、PBF、および陽性対照としてのTriton界面活性剤(+対照)で処置された脂肪標本において、紫の色素を生産して生細胞を示す、MTSアッセイ;(b)異なる処置の間での脂肪細胞生存率の比較。
【図4】本発明の開示に従った、デオキシコール酸ナトリウム単独(DC)、PBF、陽性対照としてのTriton界面活性剤(+対照)、および陰性対照としてのPBS緩衝液(−対照)で処置された脂肪標本におけるカルセイン蛍光を示す。
【図5】以下を示す処置後のブタ皮膚生検材料の光学顕微鏡観察を示す:(a)対照の脂肪細胞、および(b)PBF注射後の脂肪細胞(H&E、原倍率、x20);(c)対照の脂肪細胞、および(d)デオキシコール酸ナトリウム単独の注射後の脂肪細胞(H&E、原倍率、x10);(e)対照の筋肉、および(f)ホスファチジルコリン単独の注射後の筋肉(H&E、原倍率、x10);(g)Empigen界面活性剤での注射後の脂肪(H&E、原倍率、x20)。
【図6】本発明の開示に従った、デオキシコーレートで注射後2日の患者から除去された脂肪腫を示す:(a)肉眼的病理、および(b)組織構造(H&E、原倍率、x20)。
【図7】デオキシコール酸ナトリウムのみ、およびデオキシコール酸ナトリウム - 1%ホスファチジルコリン溶液のメラニン細胞に対する効果を示す。
【図8】デオキシコール酸ナトリウムのみ、およびデオキシコール酸ナトリウム - 1%ホスファチジルコリン溶液の脂肪細胞に対する効果を示す。
【図9】4.75%デオキシコール酸ナトリウム溶液へのホスファチジルコリンの添加の、生存脂肪細胞に対する効果を示す。
【図10】ヒト脂肪腫脂肪とのプレインキュベーションによる脂肪溶解の阻害を示す。
【図11】皮下脂肪蓄積を減少させるためのキットを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む、皮下注射のための薬学的溶液:
薬学的有効量の胆汁酸またはその塩;
薬学的賦形剤;および、
任意で、脂質、
ここで、脂質と、胆汁酸または胆汁酸塩との比が1% w/w未満であって、かつ、溶液がリパーゼまたは補リパーゼを含まない。
【請求項2】
溶液が、以下からなる群より選択される第二の治療剤を更に含む、請求項1記載の溶液:抗微生物剤、血管収縮薬、抗血栓剤、抗凝固剤、泡抑制剤、抗炎症剤、鎮痛薬、分散剤、抗分散剤、浸透増強剤、ステロイド、精神安定薬、筋弛緩薬、および抗下痢剤。
【請求項3】
溶液が、500 mLまでの溶液を含む容器中にある、請求項1記載の溶液。
【請求項4】
胆汁酸が、以下からなる群より選択される、請求項1記載の溶液:デオキシコール酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、7-α-デヒドロキシレートケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、ジヒドロキシタウリン酸、トリヒドロキシタウリン酸、および、任意の上記のグリシン抱合体。
【請求項5】
胆汁酸塩が、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、リチウム(Li+)、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、バリウム(Ba2+)、ストロンチウム(Sr2+)、およびアンモニウム(NH4+)からなる群より選択される陽イオンを含む、請求項1記載の溶液。
【請求項6】
胆汁酸塩が、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属を含む、請求項1記載の溶液。
【請求項7】
アルカリ金属が、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、およびリチウム(Li+)であるアルカリ金属からなる群より選択される、請求項6記載の溶液。
【請求項8】
アルカリ土類金属が、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、バリウム(Ba2+)、およびストロンチウム(Sr2+)からなる群より選択される、請求項6記載の溶液。
【請求項9】
胆汁酸塩が、デオキシコール酸ナトリウムである、請求項1記載の溶液。
【請求項10】
5% w/wまでの脂質を含む、請求項1記載の溶液。
【請求項11】
脂質が、ホスファチジルコリンである、請求項1記載の溶液。
【請求項12】
胆汁酸または胆汁酸塩が、約0.001% w/w〜約10% w/wの濃度である、請求項1記載の溶液。
【請求項13】
胆汁酸またはその塩が、約0.01% w/w〜約5% w/wの濃度である、請求項1記載の溶液。
【請求項14】
水性である、請求項1記載の溶液。
【請求項15】
薬学的有効量が、脂肪の溶解、および皮膚の引き締めに有効である、請求項1記載の溶液。
【請求項16】
以下の段階を含む、対象の皮膚領域において皮膚条件の出現を減少させるための方法:
該皮膚領域に、以下を含む組成物を局所的に投与する段階:
(i)皮膚の引き締めに有効な量の、少なくとも一つの胆汁酸または胆汁酸塩、
(ii)薬学的賦形剤、および
(iii)任意で、脂質。
【請求項17】
投与する段階が、皮下または経皮注射を経て組成物を送達する段階を含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
投与する段階が、皮膚貼付剤、ポンプ、または皮下デポーを経て組成物を送達する段階を含む、請求項16記載の方法。
【請求項19】
投与する段階が、局所的または皮下的に組成物を送達する段階を含む、請求項16記載の方法。
【請求項20】
皮膚条件が、以下からなる群より選択される、請求項16記載の方法:弛緩性皮膚、皮膚の老化、皮膚の不整、およびしわ。
【請求項21】
皮膚の領域が、目の下、あごの下、腕の下、臀部、頬、額、ふくらはぎ、背中、腿、くるぶし、または腹部である、請求項16記載の方法。
【請求項22】
胆汁酸が、デオキシコール酸である、請求項16記載の方法。
【請求項23】
胆汁酸塩が、デオキシコール酸ナトリウムである、請求項16記載の方法。
【請求項24】
胆汁酸塩が、デオキシコール酸ナトリウムであり、かつ、5% w/wまでである、請求項16記載の方法。
【請求項25】
脂質、および胆汁酸または胆汁酸塩の比が、1% w/wまでである、請求項16記載の方法。
【請求項26】
脂質が、ホスファチジルコリンである、請求項16記載の方法。
【請求項27】
脂質が、ホスファチジルコリンであり、かつ、5% w/wまでである、請求項16記載の方法。
【請求項28】
組成物が、水性溶液である、請求項16記載の方法。
【請求項29】
水性溶液が、500 mLまでの総体積を有する、請求項18記載の方法。
【請求項30】
以下の段階を含む、対象において皮下脂肪沈着物を減少させるための方法:
該皮下脂肪沈着物に、以下を含む組成物を局所的に投与する段階:
(i)脂肪の溶解に有効な量の、一つまたは複数の胆汁酸または胆汁酸塩;
(ii)薬学的または獣医学的賦形剤;および
(iii)任意で、脂質、
ここで、脂質と、胆汁酸または胆汁酸塩との比が1% w/wまでであって、かつ、組成物がリパーゼまたは補リパーゼを含まない。
【請求項31】
条件が、肥満症、脂肪再分布症候群、眼瞼脂肪ヘルニア、脂肪腫、ダーカム病、脂肪異栄養症、バッファロー瘤脂肪異栄養症、背側頸部の脂肪、内臓肥満症、豊胸、脂肪過剰症、体幹および腕の周りの拡散した体脂肪、および、セルライトと関連した脂肪沈着物からなる群より選択される、請求項30記載の方法。
【請求項32】
胆汁酸が、デオキシコール酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、7-α-デヒドロキシレートケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、ジヒドロキシタウリン酸、トリヒドロキシタウリン酸、および、任意の上記のグリシン抱合体からなる群より選択される、請求項30記載の方法。
【請求項33】
胆汁酸塩が、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、リチウム(Li+)、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、バリウム(Ba2+)、ストロンチウム(Sr2+)、およびアンモニウム(NH4+)からなる群より選択される陽イオンを含む、請求項30記載の方法。
【請求項34】
胆汁酸塩が、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属を含む、請求項30記載の方法。
【請求項35】
アルカリ金属が、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、またはリチウム(Li+)である、請求項34記載の方法。
【請求項36】
アルカリ土類金属が、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、バリウム(Ba2+)、またはストロンチウム(Sr2+)である、請求項34記載の方法。
【請求項37】
胆汁酸塩が、デオキシコール酸ナトリウムである、請求項30記載の方法。
【請求項38】
対象に手術を行う段階を含まない、請求項30記載の方法。
【請求項39】
組成物が、対象の目の下、あごの下、腕の下、臀部、ふくらはぎ、背中、腿、または腹部に局所的に投与される、請求項30記載の方法。
【請求項40】
投与する段階が、皮下または経皮注射による、請求項30記載の方法。
【請求項41】
対象が、ヒト、ネコ、イヌ、またはウマである、請求項30記載の方法。
【請求項42】
対象が、ヒトHIV患者である、請求項30記載の方法。
【請求項43】
組成物が、5% w/wまでの脂質を含む、請求項30記載の方法。
【請求項44】
脂質が、ホスファチジルコリンであり、かつ、組成物が、5% w/wまでの該脂質を含む、請求項30記載の方法。
【請求項45】
組成物が、約0.001% w/w〜約10% w/wの胆汁酸または胆汁酸塩を含む、請求項30記載の方法。
【請求項46】
組成物が、約0.01% w/wと約5% w/wとの間の胆汁酸または胆汁酸塩を含む、請求項30記載の方法。
【請求項47】
組成物が、溶液中にある、請求項30記載の方法。
【請求項48】
溶液が、水性である、請求項47記載の方法。
【請求項49】
以下を含む、注射器を搭載可能な容器:
脂肪の溶解、または皮膚の引き締めに有効な量の、胆汁酸または胆汁酸塩;
薬学的または獣医学的賦形剤;および
任意で、脂質、
ここで、該脂質に対する該胆汁酸または胆汁酸塩の比が1% w/wより大きく、かつ、溶液がリパーゼまたは補リパーゼを含まない。
【請求項50】
胆汁酸塩が、デオキシコール酸ナトリウムである、請求項47記載の注射器を搭載可能な容器。
【請求項51】
有機溶媒を更に含む、請求項47記載の注射器を搭載可能な容器。
【請求項52】
10 gまでの胆汁酸または胆汁酸塩を含む、請求項47記載の注射器を搭載可能な容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−530005(P2008−530005A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554074(P2007−554074)
【出願日】平成17年11月23日(2005.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/042665
【国際公開番号】WO2006/086038
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(502170175)ロサンゼルス バイオメディカル リサーチ インスティテュート アット ハーバー− ユーシーエルエー メディカル センター (11)
【出願人】(592130699)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (364)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of The University of California
【Fターム(参考)】