説明

脂肪の減少を促進するための組成物及び方法

【課題】動物における脂肪の減少を促進するために有用な、食餌の提供。
【解決手段】全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約10g/Mcalで有する食餌であって、全アルギニンの全リシンに対する比が約0.6ないし約1.4でアルギニンを含み、全ロイシンの全リシンに対する比が約0.9ないし約2.2でロイシンを含み、全イソロイシンの全リシンに対する比が約0.2ないし約1でイソロイシンを含み、全バリンの全リシンに対する比が約0.4ないし約1.2でバリンを含んでなる食餌。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[0001] 本出願は、本明細書中に参考文献としてその全てが全ての目的のために援用される、2006年1月10日に出願された米国特許仮出願60/758274の利益を主張するものである。
【0002】
発明の背景
発明の分野
[0002] 本発明は、一般的に動物における体重の減少を促進するための食餌に、そして更に特に成体の動物における脂肪の減少を促進するための食餌に関する。本発明は、更に成体の動物における脂肪の減少を促進するための組成物、このような組成物を調製するための方法、このような食餌及び組成物を使用するための方法、このような食餌及び組成物を含んでなる製品、並びにこのような食餌、組成物、方法、及び製品についての情報を連絡するための手段にも関する。
【0003】
関連技術の説明
[0003] 過体重及び肥満体の動物は、体脂肪の過剰な量を蓄積している。過剰な体脂肪及び体重は、脂肪が蓄積した場合、体重の増加と関連する。体重は、いずれかの組織又は流体の蓄積によって増加することができるが、過体重の動物の大部分は、過剰の体脂肪の蓄積による過体重である。
【0004】
[0004] 過剰な体脂肪は、健康及び寿命に有害な影響を有し、そして肥満は、例えば高血圧、変性関節及び整形外科的疾病、心血管疾患並びに熱不耐性のような多くの疾病を伴う。従って、脂肪の減少及び全般的な体重の管理に対する戦略は、動物の短期及び長期の健康の両方、そして特に過体重及び肥満体の動物に対して非常に重要である。
【0005】
[0005] 異なった治療戦略が、脂肪の減少及び体重管理に向けて試みられている。いくつかのこのような戦略は、食品中の脂肪の量の減少に焦点を当てている。脂肪は、等しい重量の炭水化物及びタンパク質の約2.25倍のカロリーを有しているために、低脂肪食品は、カロリー密度を減少する。然しながら、低脂肪食品は、典型的にはカロリー的に濃厚な食物より口当たりがよくない。更に、低脂肪食品の消費は、典型的には不良な皮膚及び/又は毛皮の品質の原因となる。
【0006】
[0006] 他の体重及び脂肪減少戦略は、脂肪の量を減少しながら食品中の繊維の量を増加することに焦点を当てている。食物繊維は、カロリーを希釈し、より多い体積が胃腸管内に存在する結果として食物の消費を抑制し、満腹感を増加し、及び/又は脂肪、タンパク質、及び可溶性炭水化物の消化を妨害することによって、カロリーの利用可能量を減少することによって体重の減少を容易にすることができる。低脂肪/高繊維食品は、典型的にはカロリー的に濃厚な食品より口当たりがよくない。更に、低脂肪/高繊維食品は、典型的には低い消化性を有し、そして更に胃部不快感を起こすこともできる。
【0007】
[0007] なお他の体重及び脂肪減少戦略は、食品中の炭水化物を制約又は完全に排除しながら、タンパク質及び脂肪の量を増加することに焦点を当てている。これらの戦略は、過体重の動物が、多すぎる炭水化物を食すると言う理論に基づいている。炭水化物及び脂肪の両方は、エネルギーのために燃焼されるが、炭水化物が最初に使用される。前提は、炭水化物の取込みを徹底的に減少した場合、身体は、当然貯蔵された脂肪をより効率よく燃焼することによって、体重を減少するものであると言うことである。無又は低炭水化物ダイエットの短期及び長期の危険性についての議論がある。更に、このようなダイエット
は、入り混じった結果が報告されている。
【0008】
[0008] 従って、動物、特に過体重及び肥満体の成体の動物における脂肪の減少を促進するための別の組成物及び方法に対する必要性が存在する。
発明の概要
[0009] 成体の動物における脂肪の減少を促進するための食餌を提供することが、本発明の一つの目的である。
【0009】
[0010] 成体の動物における脂肪の減少を促進するための組成物を提供することが、本発明のもう一つの目的である。
[0011] 成体の動物における脂肪の減少を促進するための方法を提供することが、本発明のもう一つの目的である。
【0010】
[0012] 本発明の組成物、或いは共に、そして所望により製品の一部であるか又は一部ではない更なる成分と共に混合された場合、本発明の組成物を与える、二つ又はそれより多い成分を含んでなる製品を提供することが、本発明のもう一つの目的である。
【0011】
[0013] 本発明の組成物、方法、及び製品の情報を連絡するための手段を提供することが、本発明のもう一つの目的である。
[0014] 一つ又はそれより多いこれらの及び他の目的は、全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約10g/Mcalで有する組成物を使用すること、及び/又は全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約10g/Mcalで有する食餌を給餌することによって達成することができる。
【0012】
[0015] 本発明の更なる目的、特徴、及び利益は、当業者にとって明白となるものである。
発明の詳細な説明
[0016] 一つの側面において、本発明は、成体の動物における脂肪の減少を促進するための方法を提供する。ある態様において、動物は、いずれかの除脂肪筋肉(lean muscle mass)を減少することなく体重を減少することができる。他の態様において、動物は、脂肪を減少し、そして同時にその除脂肪筋肉の量を増加することができる。この方法は、最適な体重を有しているが、しかしその脂肪を減少することが望ましい成体の動物における脂肪の減少を促進するために適している。このような場合、典型的には、動物が、比較的少量の脂肪を減少し、そして所望により除脂肪筋肉を得ることが望ましい。この方法は、更に、過体重並びに肥満体の成体の動物における脂肪の減少を促進するためにも適している。このような場合、典型的には、過体重の動物が、最適な体重を有するために必要な量だけの脂肪を減少し、そして肥満体の動物が、少なくともより肥満体でなくなるために必要な量だけの脂肪を減少することが望ましい。理想的には、過体重及び肥満体の両方の動物が、このような動物に対して正常であると考えられる脂肪レベルまで戻すために必要とされるだけの量の脂肪を減少し、そして所望により、脂肪を減少しながら、その除脂肪筋肉を維持し、又は更なる除脂肪筋肉を得ることが望ましい。
【0013】
[0017] 上記で考察したように、本発明の脂肪の減少を促進するための方法は、成体の動物のために適している。成体の動物は、若年の成長及び発育を終了した後の、高齢及び老齢の動物を含むいずれかの年齢のものである。例えば、ネコ及びイヌの場合、これは、典型的には約1歳からその残りの生涯の年齢を意味する。高齢の動物は、加齢関連の疾病に対する増加した危険性を有する年齢のものであり、明白な加齢の肉体的又は行動的特徴を有し得るが、しかし有する必要はない。典型的には、品種にもよるが、高齢のイヌは、約7ないし約9歳の年齢のものであり、高齢の大型品種のイヌは、約5歳及びそれを超える年齢のものであり、そして高齢のネコは、約7ないし約11歳の年齢のものである。老
齢の動物は、関節炎、灰色の毛、等のような加齢の典型的な進行した徴候を示すもの、例えば約10歳及びそれを超えた年齢のイヌ、約7歳及びそれを超えた年齢の大型品種のイヌ、又は約12歳及びそれを超えた年齢のネコである。
【0014】
[0018] ある態様において、動物は、食肉目のメンバーである。あるこのような態様において、動物はイヌであり、そして他のこのような態様において、動物はネコである。本発明の脂肪の減少を促進する方法は、更にヒトを含む他の動物、並びに非ヒト動物、例えば非ヒト霊長類(例えば、チンパンジー及びサル)、伴侶及び使役動物(例えば、ウマ)、牧場動物(例えば、ヤギ、ヒツジ、ブタ、及びウシ)、並びに野生及び動物園動物(例えば、オオカミ、クマ、及びシカ)に対しても適している。本発明の脂肪の減少を促進する方法は、更に非哺乳類動物、例えば、伴侶、牧場、動物園、及び野性の鳥(鳴禽、オウム、アヒル、ガチョウ、シチメンチョウ、ニワトリ、及びダチョウ)に対しても適している。
【0015】
[0019] ある態様において、動物は、伴侶動物である。伴侶動物は、例えばペットとして飼われるいずれかの種の動物であることができる。伴侶動物は、更にその動物がもっぱらペットとして飼われているか否かに関わらず、各種の広く家畜化された種の動物、例えば、イヌ(イエイヌ)及びネコ(イエネコ)であることもできる。従って、伴侶動物は、例えば、使役犬、農場のネコ、並びにペットのネコ及びイヌを含む。
【0016】
[0020] ある態様において、動物は、過体重である。そしてあるこのような態様において、動物は、肥満体である。過体重の動物は、脂肪の過剰な蓄積の結果として、増加した体重を有する。過体重の動物は、典型的にはその最適体重より約10ないし約19%多い体重であり、そして肥満体の動物は、典型的にはその最適体重より少なくとも約20%多い体重である。
【0017】
[0021] 当業者は、過体重及び肥満体を定義するために、異なった方法を使用している。例えば、Small Animal Nutrition,(2005)の402−407頁を参照されたい。体重が体脂肪を測定するより容易であるために、最適体重に対する実際の体重を、肥満に対する判断基準として使用することができる。この方法を使用して、当業者は、典型的には実際の体重が、最適体重を約15ないし約30%超過した場合に肥満と定義している。最適体重を約10ないし約19%超えるネコ及びイヌを、過体重と考え;そして最適体重を約20%超えるネコ及びイヌを肥満体と考える。体重のパーセントとして表現される脂肪を、更に肥満を定義するために使用することもできる。当業者は、その体脂肪のパーセントが、全体重の約20ないし約30%を超えた場合、肥満体と考えている。イヌ及びネコの体組成の研究は、最適身体状態と判断される動物が、約15ないし約20%の体脂肪を有することを示している。過体重を、更にヒトにおける25ないし29.9kg/mの肥満度指数(BMI)として定義し、そして肥満を、30kg/m又はそれより多いBMIとして定義することもできる。このような定義は、特業者にとって公知である。Clinical Guidelines on the Identification,Evaluation,and Treatment of Overweight and Obesity in Adults,NIH Publication No 98−4083,September 1998を参照されたい。本発明の目的のために、当業者、例えば医療提供者が、その動物が過体重及び/又は肥満体であると決定した場合、当業者が使用した方法に関わらず、その動物は過体重又は肥満体であると考えるものである。
【0018】
[0022] 本発明の脂肪の減少を促進する方法は、全リシンの代謝可能なエネルギーに対する比を約6ないし約10g/Mcalで有する食餌を動物に給餌することを含んでなる。
【0019】
[0023] 動物の食餌は、動物によって消費されるあらゆるものを含んでいる。従って、動物の食餌は、一つ又はそれより多い組成物を含んでなることができる。動物によって消費される組成物は、例えば食品組成物であることができる。ある態様において、このような組成物は、アメリカ飼料検査官協会(AAFCO)によって推奨されている繁殖又は維持のための最低栄養レベルの要求に合致している。AAFCOの2005年公式刊行物の137−140を参照されたい。ある態様において、食品組成物は、乾燥食品を含んでなることができる。ある態様において、食品組成物は、湿潤食品を含んでなることができる。ある態様において、食品組成物は、半湿潤食品を含んでなることができる。ある態様において、動物の食餌の一部である組成物は、栄養補助剤、おやつ、スナック、或いは部分的に又は完全に食用の玩具を含んでなることができる。ある態様において、動物の食餌の一部である組成物は、一つ又はそれより多い食品の混合物を含んでなることができる。
【0020】
[0024] リシンは、均衡のとれた栄養のための動物の食餌中に必要な必須アミノ酸である。本発明によって与えられるリシンの全量(及び他のアミノ酸の全量)の値は、公認分析化学者協会によって確立されたアミノ酸分析法988.15(通常の及び硫黄含有アミノ酸)及び994.12(トリプトファン)を使用して決定される。分析の公式方法(1995)を参照されたい。
【0021】
[0025] 食餌(又は食餌が単一の組成物からなる場合は組成物)の代謝可能エネルギー(ME)は、糞、尿、及び可燃性ガス中に排出されるエネルギーを差引いた後の食餌(又は組成物)の消費において動物にとって利用可能なエネルギーである。代謝可能エネルギー値は、AAFCOによって確立されたプロトコルによって決定される。
【0022】
[0026] 全リシンの代謝可能エネルギーに対する比は、食餌(又は組成物)の代謝可能エネルギー含有量に対する食餌(又は組成物)中に存在するリシンの全量である。本明細書中で意図するような典型的なイヌ又はネコの食餌は、2000ないし5000kcal/kgの代謝可能エネルギーを含有することができる。当業者は、二つ又はそれより多い組成物を含む食餌の全リシンの代謝可能物に対する比を決定することができる。そして、当業者は、更に動物の食餌が単一の組成物からなる場合、食餌の全リシンの代謝可能エネルギーに対する比が、組成物の全リシンの代謝可能エネルギーに対する比と等しいことを理解する。これが、全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約10g/Mcalで有する場合、このような組成物は、本発明の脂肪の減少を促進するための方法のために適したものである。ある態様において、脂肪の減少を促進するための方法は、全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約10g/Mcalで有する単一の組成物を、例えば動物が所望の量の脂肪を減少するまで、動物に給餌することを含んでなる。他の態様において、それぞれが全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約10g/Mcalで有する異なった組成物が、異なった時間間隔で動物に給餌される。
【0023】
[0027] 本発明の脂肪の減少を促進するための方法のある態様において、食餌は、全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約10g/Mcalで有する組成物を含んでなる。あるこのような態様において、この食餌は、全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約10g/Mcalで有する組成物からなる。
【0024】
[0028] 脂肪の減少を促進するための方法のある態様において、食餌は、全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約8g/Mcalので有する。あるこのような態様において、食餌は、全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約7.5g/Mcalで有する。他のこのような態様において、食餌は、全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約7g/Mcalで有する。更なるこのような態様において、食餌は、全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約6.5g/Mca
lで有する。上記で考察したように、食餌は、一つ又はそれより多い組成物を含んでなることができる。
【0025】
[0029] 本発明の脂肪の減少を促進するための方法のある態様において、食餌は、更に全アルギニンの全リシンに対する比が約0.6ないし約1.4でアルギニンを含んでなる。アルギニンは、均衡のとれた栄養のための動物の食餌中に必要な必須アミノ酸である。全アルギニンの全リシンに対する比は、食餌中に存在するリシンの全量と比較した食餌中に存在するアルギニンの全量である。ある態様において、食餌は、繁殖及び維持のためのAAFCOの最低推奨許可値と等しい又はそれより高い量のアルギニンを含んでなる。あるこのような態様において、食餌は、繁殖及び維持のためのAAFCOの最低許可量より約100%高い、約150%高い、約200%高い、約250%高い、約300%高い、約350%高い、約400%高い、約450%高いまでの量のアルギニンを含んでなる。イヌに対する繁殖又は維持のためのAAFCOの最低アルギニン許可量は、それぞれ0.62%及び0.51%である(3.5kcalのME/g乾燥物の食餌のエネルギー密度を仮定して)。ネコに対する繁殖又は維持のためのAAFCOの最低アルギニン許可量は、それぞれ1.25%及び1.04%である(4.0kcalのME/g乾燥物の食餌のエネルギー密度を仮定して)。ある態様において、食餌は、全アルギニンの全リシンに対する量が約0.6ないし約1でアルギニンを含んでなる。ある態様において、食餌は、全アルギニンの全リシンに対する量が約0.8ないし約1.2でアルギニンを含んでなる。ある態様において、食餌は、全アルギニンに対する全リシンの量が約0.7ないし約1.1でアルギニンを含んでなる。
【0026】
[0030] 本発明の脂肪の減少を促進するための方法のある態様において、食餌は、更に全ロイシンの全リシンに対する比が約0.9ないし約2.2でロイシンを含んでなる。ロイシンは、均衡のとれた栄養のための動物の食餌中に必要な必須の分枝鎖アミノ酸である。全ロイシンの全リシンに対する比は、食餌中に存在するリシンの全量と比較した食餌中に存在するロイシンの全量である。ある態様において、食餌は、繁殖及び維持のためのAAFCOの最低推奨許可値と等しい又はそれより高い量のロイシンを含んでなる。あるこのような態様において、食餌は、繁殖及び維持のためのAAFCOの最低許可量より約100%高い、約150%高い、約200%高い、約250%高い、約300%高い、約350%高い、約400%高い、約450%高い、約500%高い、約600%高い、約700%高い、約750%高い、又は約800%高いまでの量のロイシンを含んでなる。イヌに対する繁殖又は維持のためのAAFCOの最低ロイシン許可量は、それぞれ0.72%及び0.59%である(3.5kcalのME/g乾燥物の食餌のエネルギー密度を仮定して)。ネコに対する繁殖又は維持のためのAAFCOの最低ロイシン許可量は、1.25%である(4.0kcalのME/g乾燥物の食餌のエネルギー密度を仮定して)。ある態様において、食餌は、全ロイシンの全リシンに対する量が約0.9ないし約1.4でロイシンを含んでなる。ある態様において、食餌は、全ロイシンの全リシンに対する量が約1.6ないし約2でロイシンを含んでなる。ある態様において、食餌は、全ロイシンの全リシンに対する量が約0.9ないし約1.9でロイシンを含んでなる。
【0027】
[0031] 本発明の脂肪の減少を促進するための方法のある態様において、食餌は、更に全イソロイシンの全リシンに対する比が約0.2ないし約1でイソロイシンを含んでなる。イソロイシンは、均衡のとれた栄養のための動物の食餌中に必要な必須の分枝鎖アミノ酸である。全イソロイシンの全リシンに対する比は、食餌中に存在するリシンの全量と比較した食餌中に存在するイソロイシンの全量である。ある態様において、食餌は、繁殖及び維持のためのAAFCOの最低推奨許可値と等しい又はそれより高い量のイソロイシンを含んでなる。あるこのような態様において、食餌は、繁殖及び維持のためのAAFCOの最低許可量より約100%高い、約150%高い、又は約200%高いまでの量のイソロイシンを含んでなる。イヌに対する繁殖又は維持のためのAAFCOの最低イソロイシ
ン許可量は、それぞれ0.45%及び0.37%である(3.5kcalのME/g乾燥物の食餌のエネルギー密度を仮定して)。ネコに対する繁殖又は維持のためのAAFCOの最低イソロイシン許可量は、0.52%である(4.0kcalのME/g乾燥物の食餌のエネルギー密度を仮定して)。ある態様において、食餌は、全イソロイシンの全リシンに対する量が約0.2ないし約0.6でイソロイシンを含んでなる。ある態様において、食餌は、全イソロイシンの全リシンに対する量が約0.5ないし約1でイソロイシンを含んでなる。ある態様において、食餌は、全イソロイシンの全リシンに対する量が約0.3ないし約0.7でイソロイシンを含んでなる。
【0028】
[0032] 本発明の脂肪の減少を促進するための方法のある態様において、食餌は、更に全バリンの全リシンに対する比が約0.4ないし約1.2でバリンを含んでなる。バリンは、均衡のとれた栄養のための動物の食餌中に必要な必須の分枝鎖アミノ酸である。全バリンの全リシンに対する比は、食餌中に存在するリシンの全量と比較した食餌中に存在するバリンの全量である。ある態様において、食餌は、繁殖及び維持のためのAAFCOの最低推奨許可値と等しい又はそれより高い量のバリンを含んでなる。あるこのような態様において、食餌は、繁殖及び維持のためのAAFCOの最低許可量より約100%高い、約150%高い、約200%高い、約250%高い、約300%高い、約350%高い、約400%高い、又は約450%高いまでの量のバリンを含んでなる。イヌに対する繁殖又は維持のためのAAFCOの最低バリン許可量は、それぞれ0.48%及び0.39%である(3.5kcalのME/g乾燥物の食餌のエネルギー密度を仮定して)。ネコに対する繁殖又は維持のためのAAFCOの最低バリン許可量は、0.62%である(4.0kcalのME/g乾燥物の食餌のエネルギー密度を仮定して)。ある態様において、食餌は、全バリンの全リシンに対する量が約0.4ないし約0.8でバリンを含んでなる。ある態様において、食餌は、全バリンの全リシンに対する量が約0.6ないし約1でバリンを含んでなる。ある態様において、食餌は、全バリンの全リシンに対する量が約0.4ないし約0.9でバリンを含んでなる。
【0029】
[0033] 本発明の脂肪の減少を促進するための方法のある態様において、食餌は、上記で考察したとおりの量のアルギニン、ロイシン、イソロイシン、及びバリンの一つ又はそれより多くを含んでなる。あるこのような態様において、食餌は、全アルギニン足すロイシン足すイソロイシン足すバリンの、全リシンに対する比が約3ないし約6で、アルギニン、ロイシン、イソロイシン、及びバリンを含んでなる。全アルギニン足すロイシン足すイソロイシン足すバリンの、全リシンに対する比は、食餌中に存在するリシンの全量と比較した食餌中に存在するアルギニン足すロイシン足すイソロイシン足すバリンの量である。あるこのような態様において、全アルギニン足すロイシン足すイソロイシン足すバリンの全リシンに対する比は約3ないし約5。
【0030】
[0034] ある場合、本発明の食餌(単一組成物からなる食餌を含む)を、動物の除脂肪筋肉を増加することができる一つ又はそれより多い薬剤の投与と組合わせて、動物に給餌することが好ましいことであることができる。同様に、本発明の食餌を、動物が脂肪の増加を減少することを援助することができる一つ又はそれより多い薬剤の投与と組合わせて動物に給餌することが好ましいことであることができる。更に、動物が一つ又はそれより多い疾病に罹患した場合、本発明の食餌を、動物の健康を促進することを援助することができる一つ又はそれより多い薬剤の投与と組合わせて、動物に給餌することが必要となることがある。
【0031】
[0035] 従って、ある態様において、脂肪の減少を促進するための方法は、更に、動物の除脂肪筋肉を増加する、脂肪の増加を減少する、及び/又は健康又はウェルネスを向上するための一つ又はそれより多い薬剤を、動物に投与することを含んでなる。健康は、疾病又は虚弱質の非存在を指す。ウェルネスは、単に虚弱質の非存在だけでなく、動物の完
全な肉体的、精神的、及び社会的幸福感を指す。用語“組合わせて”は、薬剤が、本発明の食餌(食餌の一部である特別な組成物を含む)と共に、或いは食餌又は組成物と別個のいずれかで、同時に又は異なった頻度で、同一の又は異なった投与の経路によって、そして食餌又は組成物と同時に若しくはほぼ同一時間に、或いは定期的にのいずれかで、動物に投与されることを意味する。“ほぼ同時に”は、一般的に薬剤が、本発明の食餌又は組成物が動物に投与されるときに、或いは食餌又は組成物の動物への給餌の72時間内に、動物に投与されることを意味する。“定期的に”は、一般的に、薬剤がその薬剤の投与のために適した投与計画に従って動物に投与され、一方本発明の食餌又は組成物を、動物に、その動物のために適当なように日常的に給餌することを意味する。従って、用語“組合わせて”は、具体的には、薬剤が所定の時間の期間に動物に投与され、一方食餌又は組成物が、動物に、これが所望の量の脂肪を減少するまで給餌される状況を含む。二つ又はそれより多い薬物が動物に投与される場合、それぞれの薬剤の投与計画及び投与の経路は、変化することができる。更に、本発明の一つの食餌又は組成物は、特定の薬物が動物に投与されている間、本発明のもう一つの食餌又は組成物に置換えることができる。
【0032】
[0036] ある態様において、除脂肪筋肉を増加する及び/又は脂肪の増加を減少するための薬剤は、カルニチンを含んでなる。カルニチン、又はL−カルニチンは、身体中でリシン及びメチオニンから合成されるビタミン様化合物である。カルニチンは、長鎖脂肪酸に接続し、そしてこれを細胞のミトコンドリアに運搬し、ここで脂肪酸は酸化によって分解され、そして骨格筋、心臓、及び肝臓を含む全ての組織のためのエネルギーに転換される。この過程によって、カルニチンは、体脂肪の貯蔵及び血流中の脂肪の量の減少を援助する。
【0033】
[0037] ある態様において、除脂肪筋肉を増加する及び/又は脂肪の増加を減少するための薬剤は、クロムを含んでなる。クロムは、微量元素であり、そしてインスリンのための補因子であり、これは、今度はタンパク質、脂肪、及び炭水化物の代謝を調節する。クロムは、動物が、体脂肪を減少し、除脂肪筋肉を維持及び構築し、上昇した血糖を低下し、そして血液のコレステロールレベルを減少することを援助する。ピコリン酸クロム又はポリニコチン酸クロムとしてのクロムの投与は、消化系におけるクロムの吸収を容易にすることができる。
【0034】
[0038] 健康又はウェルネスを向上するための薬剤は、例えば、動物の認知機能又は動物の髪又は毛の概観及び太さを改良することができ、或いは動物が罹患している疾病を回復又は治療することができる。
【0035】
[0039] ある態様において、健康又はウェルネスを向上するための薬剤は、一つ又はそれより多い抗酸化物質を含んでなる。抗酸化物質は、フリーラジカルの形成を防止し、又はそれをクエンチする栄養又は非栄養物質である。例えば、ビタミンEは、グルタチオンペルオキシダーゼとの組合せで働いて、反応性酸素及び多不飽和の膜のリン脂質の酸化を開始する他のフリーラジカルの有害な影響に対して細胞を保護する。ビタミンEは、α−、β−、γ−、又はδ−トコフェロール、α−、β−、γ−、又はδ−トコトリエノール、或いはこれらの異性体の形態のいずれかの混合物の形態で投与することができる。もう一つの抗酸化物質、ビタミンCは、好中球の酸化的バーストによって誘導されるフリーラジカル損傷に対して保護し、そして白血球の食作用効果を刺激し、従って免疫機能において役割を演じる。ビタミンC(そして特にL−アスコルビン酸)は、例えば、ナトリウム、カルシウム、亜鉛、又は鉄塩、或いはステアリン酸又はパルミチン酸エステルのような塩又はエステルの形態で投与することができる。
【0036】
[0040] ある態様において、健康又はウェルネスを向上するための薬剤は、例えば、オメガ−6又はオメガ−3脂肪酸のような一つ又はそれより多い必須脂肪酸を含んでなる。
オメガ−6必須脂肪酸は、例えば、リノール酸及びアラキドン酸を含み;そしてオメガ−3必須脂肪酸は、例えば、アルファ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、及びドコサヘキサエン酸を含む。必須脂肪酸は、代謝されて、重要な生物学的に活性な化合物を形成することができる基質として貢献する。アラキドン酸、ガンマ−リノレン酸、及びエイコサペンタエン酸は、局所ホルモン及び炎症の仲介物質として機能する免疫調節分子の重要な基であるエイコサノイドの合成のための前駆体として作用する。リノール酸は、外皮角化膜のセラミドに組込まれ、これは、皮膚からの水及び他の栄養分の喪失を防止する基本的障壁機能を勤める。必須脂肪酸は、各種の誘導体、例えば、無機及び有機酸の塩、リン脂質エステル、エーテル、並びにステロール誘導体の形態で使用することができる。リノール酸及びリノレン酸は、例えばホスファチダル(phosphatidal)コリンエステル、ホスファチダル(phosphatidal)エーテル、及びシポルステロール(sipolsterol)エステルとして使用することができる。
【0037】
[0041] もう一つの側面において、本発明は、成体の動物における脂肪の減少を促進するために適した食餌及び組成物を提供する。これらの食餌及び組成物は、成体の動物における脂肪の減少を促進するための方法の関連において先に記載されている。更に具体的には、本発明の食餌は、全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約10g/Mcalで有する食餌である。上記で考察したように、食餌が一つより多い組成物を含んでなる場合、食餌の全リシンの代謝可能物に対する比は、全てのこれらの組成物中に存在するリシン及び代謝可能エネルギーの量を考慮して決定される。
【0038】
[0042] 更に、上記で考察したように、本発明の食餌が、単一の組成物からなる場合、組成物は、約6ないし約10g/Mcalの全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を有する。ある態様において、組成物は、約6ないし約8g/Mcalの全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を有する。あるこのような態様において、組成物は、約6ないし約7.5g/Mcalの全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を有する。他のこのような態様において、組成物は、約6ないし約7g/Mcalの全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を有する。更なるこのような態様において、組成物は、約6ないし約6.5g/Mcalの全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を有する。
【0039】
[0043] ある態様において、組成物は、更に全アルギニンの全リシンに対する比が約0.6ないし約1.4でアルギニンを含んでなる。ある態様において、組成物は、全アルギニンの全リシンに対する量が約0.6ないし約1でアルギニンを含んでなる。ある態様において、組成物は、全アルギニンの全リシンに対する量が約0.8ないし約1.2でアルギニンを含んでなる。ある態様において、組成物は、全アルギニンの全リシンに対する量が約0.7ないし約1.1でアルギニンを含んでなる。
【0040】
[0044] ある態様において、組成物は、更に全ロイシンの全リシンに対する比が約0.9ないし約2.2でロイシンを含んでなる。ある態様において、組成物は、全ロイシンの全リシンに対する量が約0.9ないし約1.4でロイシンを含んでなる。ある態様において、組成物は、全ロイシンの全リシンに対する量が約1.6ないし約2でロイシンを含んでなる。ある態様において、組成物は、全ロイシンの全リシンに対する量が約0.9ないし約1.9でロイシンを含んでなる。
【0041】
[0045] ある態様において、組成物は、更に全イソロイシンの全リシンに対する比が約0.2ないし約1でイソロイシンを含んでなる。ある態様において、組成物は、全イソロイシンの全リシンに対する量が約0.2ないし約0.6でイソロイシンを含んでなる。ある態様において、組成物は、全イソロイシンの全リシンに対する量が約0.5ないし約1でイソロイシンを含んでなる。ある態様において、組成物は、全イソロイシンの全リシンに対する量が約0.3ないし約0.7でイソロイシンを含んでなる。
【0042】
[0046] ある態様において、組成物は、更に全バリンの全リシンに対する比が約0.4ないし約1.2でバリンを含んでなる。ある態様において、組成物は、全バリンの全リシンに対する量が約0.4ないし約0.8でバリンを含んでなる。ある態様において、組成物は、全バリンの全リシンに対する量が約0.6ないし約1でバリンを含んでなる。ある態様において、組成物は、全バリンの全リシンに対する量が約0.4ないし約0.9でバリンを含んでなる。
【0043】
[0047] ある態様において、組成物は、上記で考察したとおりの量のアルギニン、ロイシン、イソロイシン、及びバリンの一つ又はそれより多くを含んでなる。あるこのような態様において、組成物は、全アルギニン足すロイシン足すイソロイシン足すバリンの全リシンに対する比が約3ないし約6で、アルギニン、ロイシン、イソロイシン、及びバリンを含んでなる。全アルギニン足すロイシン足すイソロイシン足すバリンの全リシンに対する比は、組成物中に存在するリシンの全量と比較した組成物中に存在するアルギニン足すロイシン足すイソロイシン足すバリンの量である。あるこのような態様において、全アルギニン足すロイシン足すイソロイシン足すバリンの全リシンに対する比が約3ないし約5。
【0044】
[0048] 更なる側面において、本発明は、上記で考察した脂肪の減少を促進するための方法において使用するために適した組成物を調製するための方法を提供する。このような組成物は、例えば、混合した場合、本発明の組成物を得る二つ又はそれより多い成分(食品組成物を含む)を混合することによって、或いは更なる成分(類)、例えばアミノ酸を含む一つ又はそれより多い食品組成物を混合することによって調製することができる。このような組成物は、例えば、Small Animal Nutrition(2000)の127−46頁中で考察されている方法の一つ又はそれより多くによって調製することができる。
【0045】
[0049] 更なる側面において、本発明は、全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約10g/Mcalで有する組成物を調製するためのリシンの使用を提供する。本発明の方法、食餌、及び組成物の関連において上記で考察したように、このような組成物は、成体の動物における脂肪の減少を促進するために有用である。ある態様において、組成物は、動物の除脂肪筋肉の量を維持しながら、脂肪の減少を促進するために有用である。他の態様において、組成物は、動物の除脂肪筋肉の量を増加しながら、脂肪の減少を促進するために有用である。
【0046】
[0050] 更なる側面において、本発明は、製品、例えば成体の動物における脂肪の減少を促進するためのキットを提供する。キットは、共に、そして所望によりキットの一部であるか又は一部ではない更なる成分と共に混合された場合、本発明の組成物を与える、二つ又はそれより多い成分を含んでなる。混合される二つ又はそれより多い成分の一つは、例えば、純粋なリシン又はその誘導体、或いはリシン、及び所望により更なるアミノ酸を含んでなる組成物であることができる。混合される二つ又はそれより多い成分の他の一つは、例えば、食品組成物であることができる。本発明の組成物を調製するために、キットの一部ではない更なる成分が必要な場合、キットは、これらの成分を如何にして入手し、そして使用するかについて指示を提供する。
【0047】
[0051] ある態様において、キットは、更に動物の除脂肪筋肉を増加する、脂肪の増加を減少する及び/又は健康又はウェルスを促進するための薬剤を含んでなる。適した薬剤は、本発明の脂肪の減少を促進するための方法の関連において、上記で考察されている。
【0048】
[0052] ある態様において、キットは、更に(1)本発明の組成物を、二つ又はそれよ
り多い成分、及び所望により、キットの一部である、又は一部ではない更なる成分を混合することによって調製すること、(2)脂肪の減少を促進するために成体の動物に本発明の食餌又は組成物を給餌すること、(3)前記動物の除脂肪筋肉を増加する、脂肪の増加を減少する、及び/又は健康又はウェルネスを向上するための薬剤を、本発明の食餌又は組成物を動物に給餌することと組合わせて投与すること、(4)本発明の食餌又は組成物を動物に給餌することによって成体の動物における脂肪の減少を促進すること、及び(5)前記動物の除脂肪筋肉を増加する、脂肪の増加を減少する、及び/又は健康又はウェルネスを向上するための薬剤を、本発明の食餌又は組成物を動物に給餌することと組合わせて投与することによって、成体の動物における脂肪の減少を促進すること、の一つ又はそれより多くのための指示を含んでなる。
【0049】
[0053] ある態様において、キットは、単一の包装中の別個の容器、又は仮想的包装中の別個の容器中に、全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約10g/Mcalで有する組成物、或いは、共に、そして所望によりキットの一部であるか又は一部ではない更なる成分と共に混合された場合、全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約10g/Mcalで有する組成物を与える、二つ又はそれより多い成分、並びに(1)前記の動物に前記の組成物を給餌するための指示、(2)前記の成分を混合することによって組成物を製造するための指示、(3)前記の動物の除脂肪筋肉を増加する、脂肪の増加を減少する、及び/又は健康又はウェルネスを向上するための一つ又はそれより多い薬剤、並びに(4)前記組成物を給餌することと組合わせて薬剤(類)を投与するための指示、の一つ又はそれより多くを、単一包装中の別個の容器中に或いは仮想的包装中の別個の容器に適宜に含んでなる。
【0050】
[0054] 用語“単一の包装”は、一般的にキットの要素が、一つ又はそれより多い容器の中に、或いは容器と共に、物理的に伴われ、そして製造、配布、販売、又は使用の単位として考えられることを意味する。容器は、例えば、袋、箱、ビン、収縮ラップ包装、ホッチキス止め又は他の固定要素、及びこれらの組合せを含む。単一包装は、例えば、製造、配布、販売、又は使用のための単位として考えられるように、物理的に結合されている容器又は個別の食品組成物であることができる。用語“仮想的包装”は、一般的にキットの要素が、如何にして更なる要素を入手するかを使用者に指示する、一つ又はそれより多い物理的或いは仮想的キットの要素についての使用法についての指示を伴うことを意味する;例えば袋中に、一つの要素、及びキットを如何に使用するかの指示を得るために、ウェブサイトに行き、記録されたメッセージに接触すること、画像メッセージを見ること、或いは介護者と接触することを、使用者に指示する指令を含有する。キットが仮想的包装を含んでなる場合、キットは、一つ又はそれより多い物理的キットの要素を伴う仮想的環境における指示に制約される。
【0051】
[0055] 更なる側面において、本発明は、(1)成体の動物における脂肪の減少を促進するための本発明の食餌、組成物、及び/又はキットを使用すること、或いは(2)成体の動物の除脂肪筋肉を増加する、脂肪の増加を減少する、及び/又は健康又はウェルネスを向上するための一つ又はそれより多い薬剤を、本発明の食餌又は組成物と組合せて使用することのための情報又は指示を連絡するための手段を提供し、この手段は、情報又は指示を含有する文書、デジタル記憶媒体、音声提示、又は画象表示を含んでなる。ある態様において、連絡手段は、情報又は指示を含有する文書、デジタル記憶媒体、光記憶媒体、音響提示、又は画象表示を含んでなる。好ましくは、連絡手段は、このような情報又は指示を含有する表示されたウェブサイト又はパンフレット、製品ラベル、包装挿入物、広告、或いは画像表示である。有用な情報又は指示は、例えば、(1)本発明の組成物、方法、又はキットを如何に使用するかの情報及び指示、及び(2)彼等が本発明及びその使用について疑問を有した場合の、動物の介護者のための接触情報を含む。
【0052】
[0056] 他に記述しない限り、本明細書中に表示される全てのパーセントは、乾燥物基準の重量パーセントである。用語“乾燥物基準”(DMB)は、組成物中の成分の濃度が、組成物中のいずれかの水分も除去された後に測定されたことを意味する。
【0053】
[0057] 本発明は、本明細書中に記載された特定の方法論、プロトコル、及び試薬に、これらを変更することができるために、制約されるものではない。更に本明細書中に使用される用語は、特定の態様を記載する目的のためのみのものであり、そして本発明の範囲を制約する意図はない。本明細書中で、そして特許請求の範囲において使用される場合、単数の形態は、文脈が明確に他に指示していない限り、複数の言及を含む。同様に、用語“含んでなる”は、排他的ではなく、包括的に翻訳されるべきである。
【0054】
[0058] 他に規定しない限り、本明細書中で使用される全ての技術的及び科学的用語並びにいずれかの頭字語は、本発明の分野における当業者によって普通に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書中に記載されたものと同様な又は等価ないずれかの方法及び物質も、本発明の実施において使用することができ、好ましい方法、装置、及び物質は、本明細書中に記載されている。
【0055】
[0059] 本明細書中に記述された全ての特許、特許出願、及び他の参考文献は、化合物、方法、技法、手順、技術、物品、並びに本発明において使用することができるその中に開示されている他の組成物及び方法を記載し、そして開示する目的のために、法律的に許される範囲で、本明細書中に参考文献として援用される。然しながら、本明細書中の記載が、本発明が、従来の発明によってこのような開示に先行する権利を与えられないことへの承認として解釈されるべきではない。
【0056】
実施例
[0060] 本発明は、以下のその好ましい態様の実施例によって更に例示することができが、しかしこれらの実施例が、例示の目的のためのみに含まれ、そして他に具体的に示されない限り、本発明の範囲を制約する意図はないことは理解されるものである。
【0057】
実施例1
[0061] 37%より多い体脂肪(全体重の)を持つ24匹のイヌ(平均年齢7歳)を、三つのグループに分け、そして次いで食品A、B、又はCを、最適体重(即ち、20%の体脂肪)がそれより早く達成されない限り、3ヶ月間それぞれ給餌する。食品A、B、Cは、維持のためのAAFCOの最低栄養必要量に合致する乾燥ドッグフードとして処方されている。食品食品A、B、及びCの栄養分析の結果を、表1に示す。食品Aは、対照の高繊維、低脂肪食品である。
【0058】
【表1】

【0059】
[0062] 平均の毎日の摂取量は、食品Aに対して269g、食品Bに対して193g、そして食品Cに対して169gである。全てのイヌは、二重エネルギーX線吸収測定(DEXA)並びに化学スクリーニング分析を0、30、60、及び90日目に受ける。DEXAの結果を表2及び3に示す。これらの結果は、約6g/Mcal又はそれより高い全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を有する食餌を動物に給餌することが、体重及び脂肪の減少となることを証明する。結果は、更にこのような食餌が、エネルギーの希釈を必要としないことを証明している(即ち、体重又は脂肪の減少を達成するために、動物の食餌中の繊維の量を増加する必要がない)。結果は、更に全リシンの代謝可能なエネルギーに対する比が、タンパク質の代謝可能なエネルギーに対する比と無関係であり、そして約6g/Mcal又はそれより高い全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を、各種のタンパク質濃度において達成することができることを証明している。
【0060】
【表2】

【0061】
【表3】

【0062】
[0063] 本明細書において、本発明の典型的な好ましい態様が開示され、そして具体的な用語が使用されているが、これらは、一般的な、そして説明的な意味においてのみ使用され、そして制約の目的のためではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲中に記載されている。明らかに、本発明の多くの改変及び変更が上記の教示に照らして可能である。従って、特許請求の範囲の範囲内で、具体的に記載された以外に本発明を実施することができることは理解されることである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成体の動物における脂肪の減少を促進するための方法であって、全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約10g/Mcalで有する食餌を、前記動物に給餌することを含んでなる、前記方法。
【請求項2】
前記動物が、その除脂肪筋肉の量を維持し又は増加しながら脂肪を減少する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記食餌が、全アルギニンの全リシンに対する比が約0.6ないし約1.4でアルギニンを含んでなる、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記食餌が、全ロイシンの全リシンに対する比が約0.9ないし約2.2でロイシンを含んでなる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記食餌が、全イソロイシンの全リシンに対する比が約0.2ないし約1でイソロイシンを含んでなる、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記食餌が、全バリンの全リシンに対する比が約0.4ないし約1.2でバリンを含んでなる、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記食餌が、全アルギニン足すロイシン足すイソロイシン足すバリンの、全リシンとに対する比が約3ないし約6で、アルギニン、ロイシン、イソロイシン、及びバリンを含んでなる、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記動物が、イヌ又はネコである、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記動物が、過体重である、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記動物が、肥満体である、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
更に、前記動物に、前記動物の除脂肪筋肉を増加する、脂肪の増加を減少する、及び/又は健康又はウェルネスを向上するための一つ若しくはそれより多い薬剤を投与することを含んでなる、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
成体の動物における脂肪の減少を促進するための組成物であって、全リシンの代謝可能エネルギーに対する比が約6ないし約10g/Mcalである、前記組成物。
【請求項13】
前記組成物が、全アルギニンの全リシンに対する比が約0.6ないし約1.4でアルギニンを含んでなる、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、全ロイシンの全リシンに対する比が約0.9ないし約2.2でロイシンを含んでなる、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、全イソロイシンの全リシンに対する比が約0.2ないし約1でイソロイシンを含んでなる、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、全バリンの全リシンに対する比が約0.4ないし約1.2でバリンを含んでなる、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、全アルギニン足すロイシン足すイソロイシン足すバリンの全リシンに対する比が約3ないし約6で、アルギニン、ロイシン、イソロイシン、及びバリンを含んでなる、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記動物が、イヌ又はネコである、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、食品組成物である、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
請求項11に記載の組成物、或いは、共に、そして所望によりキットの一部であるか又は一部ではない更なる成分と共に混合された場合、請求項11の組成物を与える、二つ又はそれより多い成分、並びに、(1)前記動物に前記組成物を給餌するための指示、(2)前記成分を混合することによって組成物を製造するための指示、(3)前記動物の除脂肪筋肉を増加する、脂肪の増加を減少する、及び/又は健康又はウェルネスを向上するための一つ又はそれより多い薬剤、並びに(4)前記組成物を給餌することと組合わせて薬剤(類)を投与するための指示、の一つ又はそれ以上を、単一包装中の別個の容器中に或いは仮想的包装中の別個の容器に適宜に含んでなる、成体の動物における脂肪の減少を促進するためのキット。
【請求項21】
(1)成体の動物における脂肪の減少を促進するために、全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約10g/Mcalで有する食餌を使用すること、(2)請求項19に記載のキットを使用すること、又は(3)全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約10g/Mcalで有する食餌と組合わせて、成体の動物の除脂肪筋肉を増加する、脂肪の増加を減少する、及び/又は健康又はウェルネスを向上するための一つ若しくはそれより多い薬剤を使用することについての情報或いは指示を連絡するための手段であって、前記情報又は指示を含有する文書、デジタル記憶媒体、音声提示、或いは画像表示を含んでなる、前記手段。
【請求項22】
全リシンの代謝可能エネルギーに対する比を約6ないし約10g/Mcalで有する組成物を調製するためのリシンの使用。
【請求項23】
前記組成物が、成体の動物における脂肪の減少を促進するために有用である、請求項21に記載の使用。
【請求項24】
前記組成物が、前記動物の除脂肪筋肉の量を維持又は増加しながら、成体の動物における脂肪の減少を促進するために有用である、請求項21に記載の使用。

【公開番号】特開2013−47251(P2013−47251A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−233159(P2012−233159)
【出願日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【分割の表示】特願2008−550487(P2008−550487)の分割
【原出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(502329223)ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】