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脂肪分解促進剤
説明

脂肪分解促進剤

【課題】本発明は、ラクトフェリンと他の成分との2成分を有効成分とし、それぞれ単独での作用を上回る十分な内臓脂肪分解促進作用を有する脂肪分解促進剤を提供することを目的とする。
【解決手段】ラクトフェリンとホップ抽出物とを有効成分とする脂肪分解促進剤;ホップ抽出物が、ホップ抽出物イソα酸画分、ホップ抽出物β酸画分、及びホップ抽出物キサントフモール画分からなる群より選ばれる1種以上を含む前記脂肪分解促進剤;前記脂肪分解促進剤を含む脂肪分解促進組成物;食品、飼料又は医薬品の形態である、前記脂肪分解促進剤又は前記脂肪分解促進組成物;ラクトフェリンとホップ抽出物とを食品又は飼料に添加して食品又は飼料に脂肪分解促進効果を付与する方法;ホップ抽出物が、ホップ抽出物イソα酸画分、ホップ抽出物β酸画分、ホップ抽出物キサントフモール画分からなる群より選ばれる1種以上を含有する、前記方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪分解促進剤に関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会では栄養摂取量が慢性的に多く、運動不足等で体内に脂肪を蓄積する傾向にある。特に内臓脂肪は、高血圧や高血糖、高脂血症などのリスクを高める悪玉のアディポサイトカインを分泌する組織である。そこで、内臓脂肪を無理なく減らすために有用な成分の開発が進められている。例えば、カテキン類を運動と共に摂取することで効果を発揮すること(非特許文献1)、ポリフェノール類が脂肪の吸収を抑制する(非特許文献2)、ホップエキスが肥満症及び体重増加の治療、予防、改善に有用であること(特許文献1及び2)、等の報告がある。
【0003】
ラクトフェリンは血行促進剤と組み合わせることにより、脂肪減少促進効果を発揮することが知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2003/068205号明細書
【特許文献2】特開2006−306800号公報
【特許文献3】特開2008−69121号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】International Journal of Obesi
【非特許文献2】薬理と治療 32(6),335−342(2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、カテキン単独、ポリフェノール単独、ホップエキス単独、及び、ラクトフェリンと血行促進剤との組み合わせのそれぞれによる、内臓脂肪低減効果は十分とはいえなかった。
【0007】
本発明は、ラクトフェリンと他の成分との脂肪分解促進剤であって、それぞれ単独での作用を上回る十分な内臓脂肪分解促進作用を有する脂肪分解促進剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の発明を提供する。
〔1〕ラクトフェリンとホップ抽出物とを有効成分とする脂肪分解促進剤。
〔2〕ホップ抽出物が、ホップ抽出物イソα酸画分、ホップ抽出物β酸画分、及びホップ抽出物キサントフモール画分からなる群より選ばれる1種以上を含む、上記〔1〕に記載の脂肪分解促進剤。
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕に記載の脂肪分解促進剤を含む脂肪分解促進組成物。
〔4〕食品、飼料又は医薬品の形態である、上記〔1〕若しくは〔2〕に記載の脂肪分解促進剤又は上記〔3〕に記載の脂肪分解促進組成物。
〔5〕ラクトフェリンとホップ抽出物とを食品又は飼料に添加して食品又は飼料に脂肪分解促進効果を付与する方法。
〔6〕ホップ抽出物が、ホップ抽出物イソα酸画分、ホップ抽出物β酸画分、ホップ抽出物キサントフモール画分からなる群より選ばれる1種以上を含有する、上記〔5〕に記載の食品又は飼料に脂肪分解促進効果を付与する方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の脂質分解促進剤は、ラクトフェリン単独での脂肪分解促進効果及びホップ抽出物単独での脂肪分解促進効果を上回るだけでなく、これらの効果の相加効果のみならず、予想外の相乗効果を発揮するので、食品、飼料、医薬品等の各用途に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の脂肪分解促進剤は、ラクトフェリンとホップ抽出物とを有効成分とする。
【0011】
ラクトフェリンとしては、市販のラクトフェリン;哺乳類(例えば人、牛、羊、山羊、馬等)の初乳、移行乳、常乳、末期乳等又はこれらの乳の処理物である脱脂乳、ホエー等から、常法(例えば、イオン交換クロマトグラフィー)により分離したラクトフェリン;植物(トマト、イネ、タバコ)から生産されたラクトフェリン;遺伝子組み換えによって得られたラクトフェリン;が例示される。ラクトフェリンは、市販品を使用してもよいし、公知の方法により調製して使用することができる。
【0012】
ラクトフェリンは上記具体例のものを1種単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。なお、ラクトフェリンとしては、牛由来のラクトフェリンが好ましい。
【0013】
本発明の脂肪分解促進剤におけるラクトフェリンの配合量は、1日あたりのヒトの摂取量として、通常5mg〜5,000mg/dayであり、望ましくは50mg〜1,000mg/dayであり、更に望ましくは100mg〜500mg/dayである。この範囲であることにより、脂肪分解促進効果が顕著に優れた脂肪分解促進剤が得られる。また、該剤のコスト、安全性等の面でも好ましい。
【0014】
ホップ抽出物は、ホップの植物体の全部または一部から抽出される成分である。ホップはヨーロッパ原産のアサ科に分類される多年草(学名Humulus lupulus)であり、その毬果(雌花が成熟したもの)を指してホップと呼ぶのが一般的である。ホップの植物体の抽出部位に限定は無いが、毬果または毬果を含む部分であることが好ましい。ホップの植物体は、抽出部先出し圧縮、粉砕を行ってもよい。抽出方法としては、溶媒による抽出法や超臨界二酸化炭素抽出法などをあげられる。溶媒としては、例えば、水、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の炭素数1〜4の低級アルコール)、酢酸エチルエステル等の低級アルキルエステル、エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのグリコール類、アセトン、酢酸等の極性溶媒、ベンゼンやヘキサン等の炭化水素、エチルエーテルや石油エーテルなどのエーテル等が挙げられる。溶媒による抽出や超臨界二酸化炭素抽出を行った後は、必要に応じて、濾過処理、減圧等濃縮処理などを行ってもよい。
【0015】
ホップ抽出物としては、上記のようにしてホップの植物体から溶媒抽出される画分(ホップ粗抽出物)をそのまま利用することができるが、ホップ粗抽出物に精製処理を行って得られる画分を利用してもよい。このような画分としては、例えば、ホップ抽出物イソα酸画分、ホップ抽出物β酸画分、及びホップ抽出物キサントフモール画分が挙げられる。ホップ抽出物イソα酸画分は、ホップ抽出物のうち、イソα酸(例えば、イソフムロン、イソコフムロン、イソアドフムロンなど)又はその誘導体を主成分とする画分である。ホップ抽出物β酸画分は、ホップ抽出物のうち、β酸(特許文献1(国際公開第2003/068205号)の式(I)の化合物、例えば、ルプロン類又はその誘導体)を主成分とする画分である。ホップ抽出物キサントフモール画分とは、ホップ抽出物のうち、キサントフモールを主成分とする画分である。また、ホップ粗抽出物あるいはα酸画分をアルカリ存在下または酸化マグネシウム存在下で加熱し、更に異性化し、高含量のイソα酸を得ても良い。これらは1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいし、ホップ粗抽出物と組み合わせて用いてもよい。ホップ抽出物イソα酸画分、ホップ抽出物β酸画分、及びホップ抽出物キサントフモール画分を得るための精製処理としては、例えば、高速液体クロマトグラフィー等の処理が挙げられる。また、ホップ粗抽出物、ホップ抽出物イソα酸画分、ホップ抽出物β酸画分、及びホップ抽出物キサントフモール画分の各抽出物は、市販品を用いることもできる。例えば、ホップ粗抽出物は丸善製薬株式会社から入手することができる。ホップ抽出物イソα酸画分、ホップ抽出物β酸画分、及びホップ抽出物キサントフモール画分は、Hopsteiner社からそれぞれ入手することができる。
【0016】
ホップ抽出物は、ホップ抽出物イソα酸画分、ホップ抽出物β酸画分、及びホップ抽出物キサントフモール画分の抽出物からなる群から選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、ホップ抽出物β酸画分単独、又はホップ抽出物β酸画分を含む2種以上のホップ抽出物の組み合わせであることがより好ましい。
【0017】
ホップ抽出物の配合量は、1日あたりのヒトの摂取量として、通常0.1mg〜5,000mg/dayであり、望ましくは、1mg〜500mg/dayであり、更に望ましくは、10mg〜50mg/dayである。この範囲であることにより、脂肪分解促進効果が顕著に優れた脂肪分解促進剤が得られる。また、該剤のコスト、安全性等の面でも問題がない。
【0018】
ラクトフェリンとホップ抽出物の配合比は、1日あたりのヒトの摂取量として、通常50000:1〜1:1000であり、望ましくは1000:1〜1:100であり、更に望ましくは50:1〜1:1であり、更により望ましくは50:1〜3:1である。この範囲であることにより、脂肪分解促進効果が顕著に優れた脂肪分解促進剤が得られる。
【0019】
本発明の脂肪分解促進剤は、脂肪の分解を促進する。本発明において脂肪の分解を促進する、とは、生体における脂肪の分解の程度(速度、量など)が通常よりも増加することを意味する。
【0020】
本発明の脂肪分解促進剤が脂肪の分解を促進することの確認は、例えば、実施例のようにして行うことができる。すなわち、ラット腸間膜脂肪組織から調製した前駆脂肪細胞に対して試料を添加し、グリセロールを定量する。定量にはF−キット グリセロール(ロシュ社製、製品番号:14820)等の市販キットを用いてもよい。得られるグリセロールの量が試料を添加しなかった場合のグリセロールの量と比較して多い場合には、脂肪の分解を促進したことが確認できる。
【0021】
本発明の脂肪分解促進剤の対象は特には限定されない。ヒトまたはヒト以外の脊椎動物に対し有用である。また対象であるヒトまたはヒト以外の脊椎動物の健康状態についても特に問わない。
【0022】
本発明の脂肪分解促進剤は、有効成分としてのラクトフェリン及びホップ抽出物を、薬学的に許容される担体が配合され得る。薬学的に許容される担体としては、例えば油性成分、滑沢剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤などが挙げられる。また、甘味剤、酸味剤、香味剤、着色剤、色素等の添加物を適宜、適量含有してもよい。
【0023】
油性成分としては、各種脂肪酸エステル、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール等が例示される。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(マクロゴール)、タルク等が例示される。
【0024】
結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、デンプン、デキストリン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、トラガント、精製ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、エチルセルロース、プルラン、ポリエチレングリコール(マクロゴール)等が例示される。
【0025】
崩壊剤としては、カルボキシメチルセルロースカルシウム(カルメロースカルシウム)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(カルメロースナトリウム)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋型カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロースナトリウム)、粉末セルロース、セルロースまたはその誘導体、架橋型ポリビニルピロリドン(クロスポピドン)、デンプン、カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ、寒天等が例示される。
【0026】
賦形剤としては、下記のものが例示される:
結晶セルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム等の多糖類;
α化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、コーンスターチ、ポテトスターチ等のスターチ及びその誘導体;
ショ糖、グルコース、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、ラクチトール、トレハロース、パラチノース、パラチニット(還元パラチノース)、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、乳糖、果糖、粉末還元麦芽糖水飴等の糖類および糖アルコール類;
粉末セルロース、部分α化デンプン、エチルセルロース等のセルロース及びその誘導体;
軽質無水ケイ酸、酸化チタン、水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、三ケイ酸アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリン、カカオ脂、クエン酸またはその塩、ステアリン酸またはその塩、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム。
【0027】
甘味料としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ステビア、ソーマチン等が例示される。酸味料としては、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸等が例示される。香味剤としては、メントール、カンフル、ボルネオール、リモネン等のモノテルペン類、各種香料等が例示される。
【0028】
本発明の脂肪分解促進剤の剤型は、特に限定されるものではなく、投与形態に応じて適宜選択され得る。経口投与の場合、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、シロップ剤、徐放性錠、タブレット、咀嚼錠剤またはドロップ剤等が挙げられる。
【0029】
脂肪分解促進剤の製造方法は、特に限定されるものではなく、剤型に合わせて適宜選択され得る。例えば剤型がタブレットの場合、ラクトフェリンおよび必要に応じて配合され得る任意の成分を混合した後この混合物を圧縮成形してタブレットを得る方法、さらに上記のように圧縮成形後に得られるタブレットを腸溶性成分によりコーティングする方法(腸溶剤とする方法)等が挙げられ、後者の方法が好ましい。腸溶性成分としては、シェラック、ヒドロキシメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルセルロース、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、ビール酵母細胞壁(例えば、商品名イーストラップなど)、タピオカデンプン、ゼラチン、ペクチン等が挙げられ、中でもシェラックが好ましい。なお、腸溶剤であるか否かは、第14改正日本薬局方 崩壊試験法により確認可能である。
【0030】
本発明の脂肪分解促進剤は、脂肪の分解に対し優れた促進効果を示す。よって、肥満の予防、治療のために有効である。本発明の脂肪分解促進剤によれば、内臓脂肪の減少効果が期待できるので、高血圧、高血糖、高脂血症などの生活習慣病の予防、治療を効率的に図ることができるものと期待される。
【0031】
投与方法は、ポリフェノール及びホップ抽出物の配合濃度や、剤型、投与対象者の年齢、体重、性別、運動前に服用する場合には運動の負荷などの条件により適宜定めることができる。例えば剤型がタブレットの場合、水等と一緒に服用することが好ましい。投与間隔は適宜定めることができ、食事の前、食事の後、および食間のいずれであってもよい。
【0032】
なお、本発明の脂肪分解促進剤の投与の他に、他の脂肪分解促進剤又は組成物の投与を組み合わせてもよい。或いは、本発明の脂肪分解促進剤と、ラクトフェリン及びホップ抽出物の組み合わせを有効成分とする、本発明の脂肪分解促進剤以外の脂肪分解促進剤又は脂肪分解促進組成物とを組み合わせた、脂肪分解促進組成物としてもよい。
【0033】
ヒトまたはヒト以外の脊椎動物に対して脂肪分解促進剤又は脂肪分解促進組成物を与えることにより、脂肪の分解が促進され得る。よって本発明の脂肪分解促進剤又は脂肪分解促進組成物は医薬、医薬部外品、食品、飼料としても有用である。
【0034】
食品は、通常は加工食品であり、いわゆる健康食品が含まれるほか、機能性食品、保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品、栄養補助食品が含まれる。
【0035】
ここで、脂肪分解促進剤又は脂肪分解促進組成物を含む食品の摂取時期は、特には限定されない。例えば、食事の前後に摂取することもできるし、運動の前後に摂取することもできる。
【0036】
食品とする場合には、本発明の効果の表示を付しておくことが好ましい。本発明の効果の表示としては、例えば、脂肪の分解を促進するために用いられるものである旨の表示が挙げられる。
【0037】
このように、本発明の脂肪分解促進剤又は脂肪分解促進組成物は、食品としてヒトに投与し、摂取させることによって、体内の脂肪の分解を促進する。従って、本発明の食品は、肥満防止用の各種食品として有用である。
【0038】
また、本発明の脂肪分解促進剤又は脂肪分解促進組成物は、ヒト以外の脊椎動物(例えばペット)に投与しても体内の脂肪の分解を促進する効果が期待できるので、飼料としても有用である。
【0039】
さらに、本発明の脂肪分解促進剤又は脂肪分解促進組成物のラクトフェリン及びホップ抽出物は、通常の食品や飼料に添加することにより、その食品や飼料に、脂肪分解促進効果を付与することができる。
【実施例】
【0040】
以下に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【0041】
実験例1〜4及び比較実験例1〜4
表1に示す各サンプルの単独評価、及び、ラクトフェリンとの複合評価(比較実験例1を除く)を行った。単独評価における各サンプルの濃度は10ppm、3ppm、1ppmであり、複合評価における濃度は、ラクトフェリン10ppmと各サンプル10ppmの組み合わせ、ラクトフェリン10ppmと各サンプル3ppmの組み合わせ、ラクトフェリン10ppmと各サンプル1ppmの組み合わせ、ラクトフェリン1ppmと各サンプル10ppmの組み合わせ、ラクトフェリン1ppmと各サンプル3ppmの組み合わせ、及びラクトフェリン1ppmと各サンプル1ppmの組み合わせ、とした。
【0042】
・サンプルの調製
サンプルのうち、ラクトフェリンはFrieslandCampina Domo製、ショウガエキスは日本粉末薬品株式会社製、エピガロカテキンガレートは和光純薬工業株式会社製、クロロゲン酸は和光純薬工業株式会社製のものを用いた。
各サンプルの濃度の調整は、水またはDMSOに溶解させることにより行った。
【0043】
ホップ粗抽出物は丸善製薬株式会社製、ホップ抽出物イソα酸画分、ホップ抽出物β酸画分、及びホップ抽出物キサントフモール画分は、Hopsteiner社製のものを用いた。
各サンプルの濃度の調整は、水またはDMSOに溶解させることにより行った。
【0044】
ラットから腸間膜脂肪組織を摘出し、抗生物質を添加した生理食塩水にて血液や毛を洗浄し、組織を細断した。コラゲナーゼを添加した溶液でインキュベートし組織を分散した。セルストレーナーで溶け残った組織を濾過後,DMEM培地を添加して粘性を下げ、遠心分離を行った。
【0045】
得られた前駆細胞を洗浄後、内臓脂肪分化用培地(Visceral Adipocyte Culture Medium、プライマリーセル(株)製、code:VACMR)にて静かに懸濁した。6×106cells/24wellとなるように調整し、500μL/wellで培養した。培養開始6日後、脂肪細胞が脂肪滴を蓄積しているのを確認後、各種サンプルを含む培地に培地交換した。培地交換してから48時間後に培養上清を回収、培養を終了した。すべての培養において細胞障害性のないことを目視にて確認した。
【0046】
なお、前駆脂肪細胞の初代培養にあたり、Shimizu K,Sakai M,Ando M et al.(2006)Newly developed primary culture of rat visceral adipocytes and their in vitro characteristics.Cell Biol Int 30,381−388及び特開2005−328806号公報を参照した。
【0047】
脂肪の分解量は、培養上清中のグリセロールを定量することで行った。グリセロールの定量は、F−キット グリセロール(ロシュ社製、製品番号:14820)を用いて行った。吸光度の測定はNovaspec Plus(GEヘルスケア社製)で行った。添加群の効果の値は、無添加群のグリセロール量を0%としたときの相対値として表記した。
【0048】
なお、脂肪細胞の培養上清のグリセロール定量により脂肪の分解量を測定するにあたり、Okazaki H,Igarashi M,Nishi M et al.(2006)Identification of a novel member of the carboxylesterase family that hydrolyzes triacylglycerol:a potential role in adipocyte lipolysis.Diabetes.55,2091−7.を参照した。
【0049】
【表1】

【0050】
表1に示すように、実験例1の複合評価(+ラクトフェリン10ppm)における脂肪分解促進率は、単独評価における脂肪分解促進率を上回るだけでなく、比較実験例1のラクトフェリン10ppmの単独評価における脂肪分解促進率に実験例1の単独評価における脂肪分解促進率(添加量10ppm)を加えて得られる数値をも上回っていた。実験例2、実験例3及び実験例4においても同様であった。実験例1〜4の複合評価(+ラクトフェリン1ppm)における脂肪分解促進率も同様に、単独評価における脂肪分解促進率を上回るだけでなく、比較実験例1のラクトフェリン10ppmの単独評価における脂肪分解促進率に実験例1〜4の単独評価(添加量1ppm)における脂肪分解促進率を加えて得られる数値をも上回っていた。この結果は、本発明においてラクトフェリンとホップ抽出物との組み合わせが、ラクトフェリン単独、又はホップ抽出物単独での脂肪分解促進効果からは予想外の顕著な相乗効果を発揮することを示している。
【0051】
実験例1〜4のうち、実験例3におけるラクトフェリン(濃度10ppm)とホップ抽出物β酸画分(濃度10ppm)の複合評価の結果(132.7%)は、ホップ抽出物β酸画分(濃度10ppm)の単独評価の結果(60.98%)の2倍以上であるだけでなく、該単独評価の結果(60.98%)に実験例1におけるラクトフェリン(濃度10ppm)の結果(12.1%)を加えた数値を大幅に上回っていた。この結果は、本発明においてラクトフェリンとホップ抽出物β酸画分との組み合わせが特に顕著な相乗効果を発揮することを示している。
【0052】
比較実験例2の複合評価における脂肪分解促進率は実験例1〜4の複合評価と比較して低かった。また、比較実験例1のラクトフェリン単独評価の脂肪分解促進率と、比較実験例2の単独評価の脂肪分解促進率を加えた数値よりもむしろ低かった。ショウガエキスは脂肪分解促進作用を示すことが知られている。しかしこの結果は、本実験系ではショウガエキス単独の脂肪分解促進作用が低いこと、及び、ショウガエキスとラクトフェリンとを併用しても相乗効果が得られないことを示している。
【0053】
比較実験例3、4においても比較実験例2と同様に、脂肪分解促進率が実験例1〜4の複合評価と比較して低かったことから、緑茶ポリフェノールの1種であるエピガロカテキンガレートやコーヒーポリフェノールの1種であるクロロゲン酸も、本実験系では単独での脂肪分解促進作用は低く、また、ラクトフェリンと併用しても相乗効果が得られないことを示している。
【0054】
実験例5〜8〔ホップ抽出物が2種類以上の場合の脂肪分解促進率〕
表2に示す各サンプルを用いて、実験例1と同様に複合評価を行った。結果を表2に示す。
【0055】
【表2】

【0056】
表2から以下のことが明らかである。実験例5〜8の評価結果はいずれも90を超えていたことから、本発明において、2種類以上のホップ抽出物をラクトフェリンに組み合わせることによっても顕著な脂肪分解促進効果が発揮されることが分かる。中でも、実験例5,7,8は100を上回っていたことから、本発明においては、ホップ抽出物としてホップ抽出物β酸画分を含むことにより、より顕著な脂肪分解促進率が得られることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラクトフェリンとホップ抽出物とを有効成分とする脂肪分解促進剤。
【請求項2】
ホップ抽出物が、ホップ抽出物イソα酸画分、ホップ抽出物β酸画分、及びホップ抽出物キサントフモール画分からなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項1に記載の脂肪分解促進剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の脂肪分解促進剤を含む脂肪分解促進組成物。
【請求項4】
食品、飼料又は医薬品の形態である、請求項1若しくは2に記載の脂肪分解促進剤又は請求項3に記載の脂肪分解促進組成物。
【請求項5】
ラクトフェリンとホップ抽出物とを食品又は飼料に添加して食品又は飼料に脂肪分解促進効果を付与する方法。
【請求項6】
ホップ抽出物が、ホップ抽出物イソα酸画分、ホップ抽出物β酸画分、ホップ抽出物キサントフモール画分からなる群より選ばれる1種以上を含有する、請求項5に記載の食品又は飼料に脂肪分解促進効果を付与する方法。

【公開番号】特開2013−43850(P2013−43850A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181826(P2011−181826)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】