説明

脂肪含有量を減少した揚げ物食品

【課題】通常浸漬して揚げることによって用意される食品の食感、風味、及びその他の特徴を有する揚げ物食品を提供する。
【解決手段】
低脂肪又は無脂肪の揚げ物食品の製造方法、及び方法によって製造される製品であって、食品片を、タンパク質を含む水溶性粘着混合剤、及び食用の疎油性物質を含む油の吸収抑制剤でコーティングし、従来の脂肪分の高い揚げ物食品の食感、風味、及びその他の特徴をそのまま有しながら低脂肪或いは無脂肪の揚げ物食品を提供する。好ましい実施形態によると、水溶性粘着混合剤は、約65重量%〜約95重量%の水、約4重量%〜約25重量%のタンパク質、約0重量%〜約2重量%の親水コロイド、及び約0重量%〜約10重量%のタンパク質分解防止剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2005年10月4日付提出の米国仮特許出願60/723,881の便益を主張し、その全ての内容は、ここに、参照により取り入れられている。
【0002】
本発明は、一般に低脂肪揚げ物食品の製造方法、及び当該方法により製造される食品に関し、食品片は、タンパク質を含む水溶性粘着混合剤(aqueous adhesion mixture)、及び食用の疎油性物質を含む油の吸収を抑える薬剤(oil absorption minimizing agent)でコーティングされて、従来の脂肪分の高い製品、特に、通常浸漬して揚げることによって用意される食品の食感、風味、及びその他の特徴を有する揚げ物食品を提供する。
【背景技術】
【0003】
脂肪/油含有量を減らした製品が市場で知られているが、一般消費者の受容性は限られた状況にある。肥満及び低脂肪食に関連した健康問題への消費者の意識と関心の高まりにより、高脂肪揚げ物食品と感覚的に同様の食感、風味、及び外観を有しながら高レベルの脂肪/油を含まない食品への需要が増加している。
【0004】
スローンら(米国特許第5,059,435号及び同第5,141,759号)は、冷凍しコーティングしたジャガイモの調理方法で、ブランチングして部分的に脱水したジャガイモをα化された加工でんぷん、α化されたトウモロコシのでんぷん、米粉、及びその他任意の材料を含む水性のでんぷんスラリーでコーティングする方法を開示している。
【0005】
ロゴルスら(米国特許第6,022,569号)は、ブランチングしたジャガイモ片を乾燥し、でんぷんと米粉のスラリーでコーティングし、続いて、熱い油で揚げる方法を開示している。
【0006】
前記スローンら及びロゴルスらの文献は共に、すぐに食べられる製品の品質を高め、外側表面のパリパリ感を増加させることにより最終製品の受容性を向上させ、カットされたジャガイモの内側の柔らかさを維持するためのコーティングプロセスを開示している。特に、ジャガイモのでんぷん及びトウモロコシのでんぷんは、それぞれコーティングにパリッとした感覚を提供すると言われている。これらでんぷんは半調理段階前においてはα化されていないため、コーティングにより、加工中の細長い小片(Strip、以下ストリップと言う)の凝集が減少すると言われている。米粉は最終製品を柔らくすると言われている。
【0007】
ユウアンら(米国特許第4,283,425号)はポテトチップスの製造方法を開示しており、当該チップスは約10%の付加的な脂肪含有量を有している。任意の浸漬工程の後、生のジャガイモのチップスを球状タンパク質でコーティングすることによりチップスを製造する。球状タンパク質は、卵アルブミン、カゼイン酸ナトリウム、及び大豆タンパクなどの動物源又は植物源に由来する。任意で、食用油の層をタンパク質でコーティングされたチップスの表面上に適用してもよい。コーティングされたチップスを、次に、電子レンジを用いて調理する。
【0008】
オルソンら(米国特許第4,511,583号)は、ジャガイモのストリップを高分子溶液に少し浸し、水気を切り、乾燥した後揚げる方法を開示している。
【0009】
プロサイス(米国特許第4,917,908号)は、低脂肪、フレンチフライジャガイモ製品、及びジャガイモ片をポリビニルピロリドンでコーティングすることによる当該製品の製造方法を開示している。
【0010】
フィーニーら(米国特許第5,217,736号)は、一部の疎水性タンパク質を含むタンパクラテックス素材、油、及びその他の物質で食品をコーティングする方法を開示している。一実施形態では、揚げた時にジャガイモが吸収する脂肪/油を低減させるためにペクチンを加える。
【0011】
グリーンウェイら(米国特許第5,952,026号)は、ポテトチップスの製造方法を開示しており、約1mm〜約3mmの厚さのジャガイモのスライスを高強度の電子レンジで加熱し、多めの油で揚げたポテトチップスと同様の風味、色、及びパリパリ感を当該ポテトチップスが得るまで、チップスを断続的に加熱し、続いて断続的に冷却する。任意で、調理工程の実施前に、チップスを、塩、非球状タンパク質、香味料、香辛料、及び/又はビタミン添加剤を含む非球形タンパク質コーティングでコーティングしてもよい。
【0012】
ゲリッシュら(米国特許第6,290,999号)は、多価カチオンを含む親水コロイド及び架橋剤から成るゲルで食品をコーティングし、油の浸透を阻害し食品中の油の濃度を低減させる方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,059,435号明細書
【特許文献2】米国特許第5,141,759号明細書
【特許文献3】米国特許第6,022,569号明細書
【特許文献4】米国特許第4,283,425号明細書
【特許文献5】米国特許第4,511,583号明細書
【特許文献6】米国特許第4,917,908号明細書
【特許文献7】米国特許第5,217,736号明細書
【特許文献8】米国特許第5,952,026号明細書
【特許文献9】米国特許第6,290,999号明細書
【特許文献10】米国特許第3,600,193号明細書
【特許文献11】米国特許第3,922,370号明細書
【特許文献12】米国特許第3,348,950号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
揚げ物食品の調理が非常に進歩しているにもかかわらず、これら製品および当該製品の製造方法の改善の必要性がなお存在している。すなわち、パリパリ感、口ざわり及び風味の特徴を改善し、脂肪含有量を減少させ、潜在的に有害な副産物の生成をもたらす可能性がある状態になることを最小限にする等、栄養的側面における全体的な改善の必要性である。これら改善の必要な特徴の全ては、実行可能かつ効果的、及び管理可能なプロセスの結果得られ、また適切で効率の良い生産環境において、商品化に必要なレベルの生産高の生産へと現実的及び経済的に拡張可能であるプロセスの結果として得られる。また、改善されたパリパリ感及び風味の特徴、及び脂肪/油の吸収/摂取の減少によって特徴付けられる、新しいコーティング、衣用生地、パン粉づけ、乾燥した外層、及び粉末への必要性も存在している。さらに、脂肪分の高い製品及び一部の低脂肪食品の製造に用いられてきた従来の多めの油で揚げるプロセスによることを減らし、製品中の脂肪の量を調整する必要性もある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一態様は、低脂肪揚げ物食品の製造方法である。
【0016】
本発明の第1の実施形態はコーティングされた食品の製造方法に関し、複数の食品片を準備する工程、タンパク質を含む水溶性粘着混合剤、及び食用の疎油性物質を含む油の吸収抑制剤で食品片をコーティングする工程、コーティングを食品片に付着させる工程を含む。さらなる実施形態によると、低脂肪食品は、コーティングされた食品を電子レンジにかける、焼く、乾燥させる、照射する、又は揚げるなどの方法によって調理することにより製造される。
【0017】
本発明の第2の実施形態によると、複数の食品片、及びタンパク質及び食用の疎油性物質を含む油の吸収抑制剤を含むコーティングを含むコーティングされた食品が提供され、油で調理したときに、コーティングのない食品に比較して、コーティングされた食品によって吸収される脂肪は、コーティングにより減少する。さらに、コーティングされた食品は、その後調理されるように冷凍された状態で提供されてもよく、又は調理済みの低脂肪食品として提供されてもよい。
【0018】
本発明の第3の実施形態は、揚げた、低脂肪の、コーティングされた食品を提供するものである、食品片の外側表面は、外側表面に付着する粘着性のあるコーティングを形成するのに十分なタンパク質を含み、かつ油の吸収抑制剤における複数の粒子に付着するのに十分な粘着性を有する水溶性粘着混合剤でコーティングされ、油の吸収抑制剤は、食品片を熱い油に浸漬して揚げる場合に油をはじくのに十分な量の食用の疎油性物質を含む。
【0019】
本発明の第4の実施形態によると、食品は、a)食品を、それぞれが複数の食品表面を有する複数の片にカットする工程、b)約70重量%〜約95重量%の水、約0重量%〜約30重量%のタンパク質、約0重量%〜約5重量%のペクチン、及び約0.01重量%〜約1.0重量%のCaClを含む水性混合溶媒で複数の食品片をコーティングする工程、c)複数のコーティングされた食品片にα化された米粉をまぶす工程、及びd)コーティングされた食品片を調理する工程、を含むプロセスによって製造される。
【0020】
特に好ましい実施形態によると、揚げ物食品の製造方法は、1)複数の食品表面を、酵素水溶液にさらされる表面上のでんぷん量を減少するのに十分な量の活性酵素を含む酵素水溶液にさらす工程、及び2)複数の食品片をブランチングする工程、の一方又は両方をさらに含む。さらなる実施形態によると、低脂肪食片は、電子レンジにかける、焼く、乾燥させる、(赤外線)照射する、又は揚げるなどの方法によってコーティングされた食品を調理することにより製造される。
【0021】
本発明の第5の実施形態によると、冷凍及び前処理された食品の製造方法に関し、a)外側表面を有する複数の食品の食品片を準備する工程、b)複数の食品片を親水コロイドタンパク質(を含む水溶性粘着混合剤でコーティングする工程、c)表面にα化された米粉をまぶす工程、d)得られた、コーティングし米粉をまぶした食品片を部分的に乾燥する工程、及びe)最終調理の前に保存用に最終製品を冷凍する工程、を含む。
【0022】
特に好ましい実施形態によると、冷凍及び前処理された食品の製造方法はまた、1)複数の生の食品片の外側表面を活性酵素にさらすことによって複数の食品片を前処理する工程、及び2)複数の前処理された食品片をブランチングする工程、の一方又は両方をさらに含む。さらに好ましい実施形態によると、水溶性粘着混合剤は、約65重量%〜約95重量%の水、約4重量%〜約25重量%のタンパク質、約0重量%〜約2重量%の親水コロイド、及び約0重量%〜約10重量%のタンパク質分解防止剤を含む。
【0023】
本発明の実施形態の説明及び記載がなされている付随の説明的内容を参照することにより、本発明のさらなる特徴を理解することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
好ましい実施形態によれば、本発明は食品片を油(典型的には約300°F(約149℃)より高い温度)で揚げる工程を含むプロセスによって製造された従来の方法による製品の味、食感及び/又は外観を有する複数の食品片を提供する方法によって加工される低脂肪揚げ物食品に関する。
【0025】
驚くべきことに、本発明によれば、油又は油代用品などの脂肪との接触量を排除するか、あるいは任意で最小限に抑える、及び/又は制御するという条件、及び潜在的に有害な副産物を生成する可能性を制限するという条件のもと、原材料の一定の望ましい処理及びそれに続く調理を通して、高脂肪スナック及び食品の所望の高品質、風味、食感、外観、及び消費者受容性を維持することを見いだした。
【0026】
食品片を、好ましくはスラリー状の水性粘着混合剤、及び油の吸収抑制剤、好ましくは、約0.5重量%〜約5重量%、好ましくは約1重量%〜約3重量%のコーティング/まぶし粉の形状の脂肪をはじく物質であって、好ましくはα化された米粉でコーティングすることを組み合わせるプロセスにより、脂肪/油の摂取を予想外に減少できることを見いだした。またペクチン及び/又はタンパク質を含有する水性粘着混合剤を、α化された米粉と組み合わせて使用すると、コーティングされた食品片の特徴が驚くほど改善されることを見いだした。
【0027】
水性粘着混合剤は多種多様なタンパク質、親水コロイド、及びタンパク質分解防止剤を含むことができる。油の吸収抑制剤は、油に浸漬して調理する間の油の吸収を最小限にするのに有効である限り、当該技術分野で既知のあらゆる種類の小麦粉及びでんぷんを含むことができ、米粉、米でんぷん、ジャガイモ粉、小麦でんぷん、エンバク粉、エンバクでんぷん、トウモロコシ粉、トウモロコシでんぷん、及びタピオカでんぷんなどの、加工、非加工、及び派生的なでんぷんを含むがこれらに限定されない。本発明の一態様によると、α化された米粉が使用には好ましい。本発明の別の態様によると、α化された米粉の中でも高アミロペクチン及び/又は高アミロースの米粉が好ましい。この油の吸収抑制剤は、衣用生地をつける前に食品表面に適用するのが効果的であり、また衣用生地の表面に添加しても効果的である。油の吸収抑制剤はまた、衣用生地/コーティング混合物に構成成分として添加し、又は衣用生地/コーティング層の外側表面上に行うコーティングとして加えると脂肪含有量を低減するのに効果的である。
【0028】
さらに、親水コロイド及びタンパク質を含む固形成分含有量が約1%〜約10%のペクチン及び/又はタンパク質を有する親水コロイド及びタンパク質から成るフィルム形成水溶液を使用することにより、食品の衣用生地/パン粉づけ/コーティング組成物中に形成されるアクリルアミドを予想外に減少することを見いだした。
【0029】
驚くべきことに、好ましい実施形態によれば、本発明の組成物及び方法が、高品質、風味、食感、外観、及び消費者受容性を保つと同時に、コーティングされた食品の油/脂肪含有量を減少することを見いだした。好ましい実施形態において、上記効果は次の工程のいずれか一つの工程、単一工程の任意の組み合わせ、又は以下の全工程によって達成される:生の原材料の酵素による前処理;前処理中、ブランチング中、ブランチング後のさらなる処理中のいずれかにカチオンを適用する、及び/又は、カチオンを水溶性粘着混合剤中のタンパク質安定剤として適用する;親水コロイド、及び好ましくはタンパク質安定剤を好ましくはさらに含む水溶性粘着混合剤でコーティングする;油の吸収抑制剤を局所的に適用し、続いて部分的に乾燥し、部分的に焼き、又は部分的に揚げる;及び冷凍製品として冷凍、包装する、又はその後の調理用にコーティングされた食品を無菌包装すること。
【0030】
本発明の方法は、食用の本製品を製造するのに通常の揚げ油及び道具を使用することが可能である。或いは、従来の対流式オーブン、衝突加熱式オーブン、電子レンジ、又は(赤外線)照射オーブンを用いて製造した場合にさえ、加工食品中の脂肪/油含有量を低くすることも可能である。
【0031】
本発明は、外側表面を被膜コーティングした冷凍又は冷蔵食品の製造方法をさらに提供する。即ち:生の食品、好ましくはジャガイモをカットする;該生の食品を酵素及び/又はカチオンで処理する;食品をブランチングする;食品を本発明の水溶性粘着混合剤でコーティングする;コーティングされた食品に本発明の油吸収抑制剤をまぶす;コーティングされた/まぶされた食品を部分的に乾燥する、部分的に焼く、又は部分的に揚げる;及び冷蔵又は冷凍製品として販売するために食品を冷却/冷凍する。
【0032】
1.低脂肪揚げ物食品
本発明の一実施形態によると、複数の食品片;及び、タンパク質と食用の疎油性物質を含む油の吸収抑制剤から成り、食品片に提供されるコーティングを含むコーティングされた食品が提供され、コーティングなしの食品片に比べ、コーティングは、油で揚げたときにコーティングされた食品によって吸収される脂肪を減少させる。
【0033】
本発明の別の実施形態によると、揚げた、低脂肪の、コーティングされた食品が提供され、食品片の外側表面は、該外側表面に付着する粘着性があるコーティングを形成するのに十分なタンパク質を含む水溶性粘着混合剤でコーティングされ、該水溶性粘着混合剤は、油吸収抑制剤の複数の粒子に付着するのに十分なほど粘着性があり、さらに油の吸収抑制剤は、食品片を熱い油に浸漬して揚げる場合に油をはじくのに十分な量の食用の疎油性物質を含む。
【0034】
特に好ましい実施形態によると、水溶性粘着混合剤は、約65重量%〜約95重量%の水、約4重量%〜約25重量%のタンパク質、約0重量%〜約2重量%の親水コロイド、及び約0重量%〜約10重量%のタンパク質分解防止剤を含む。
【0035】
A.食品片
本発明によると、用語「食品片」は実質的にいかなる食品も包含することを意図する。好ましくは、食品片は、直接生の状態から成形又は再成形できるような食品片にカットされた又は形成されたものである。好ましい食品としては、ジャガイモ、ビート、かぼちゃ、トマト、キノコ、ズッキーニ、人参、ナス、りんご、洋梨、バナナ、スウェーデンカブ(rutabaga)、プランチーノ(plantain)、タロイモ、オクラ、玉ネギ、パースニップ(parsnip)、ヤムイモ、サツマイモ、ユッカ(yucca)、パパイア、マンゴ、パイナップル等が挙げられる。これら食品は、裏ごし、スライス、さいの目に切断、機械による成型、すりつぶし、粉末化、又は粉砕された果物類、野菜類、豆科植物、ナッツ、豆、種等を含み、例えば、豆、米、トウモロコシ、小麦等などの生産物を含む。生産物及び材料を、単独又は組み合わせて処理し、準備された生地又は混合物等の押し出し成型又はシーティングを介して食品組成物のシート、スライス、又は食品片を形成することが可能である。こうして形成した生地又は混合物は、次に、あらゆる所望の形状に押し出し成型又はカットする。粉又は生地を本プロセスに好適な形状に処理するためのこの基本手順には多くのバリエーションが存在する。例えば、それぞれ参照することにより本明細書に組み込まれる、米国特許第3,600,193号(トウモロコシ粉と香辛料との混合、同第3,922,370号(水、米及び米粉の混合)、及び同第3,348,950号(トウモロコシ、ショ糖、水、及びコーングリットの混合)を参照のこと。
【0036】
本発明による好ましい食品片は、野菜であり、特に好ましい野菜はジャガイモである。ジャガイモは、本発明の方法を用いて調理され、フレンチフライ、ハッシュ・ブラウン、又は揚げることで伝統的に調理されるあらゆるジャガイモ製品を製造する。ジャガイモの基体は、農場で生育されるあらゆる品種のジャガイモ(例えば、生のジャガイモ)であってよい。かかる品種には、ビンチ(Bintje)、ラセット・バーバンク(Russet Burbank)、ユーコンゴールド(Yukon Gold)、ケネベック(Kennebec)、ノーチップ(Norchip)、アトランティック(Atrantic)、シェポディー(Shepody)、セバゴ(Sebago)、レッド・ポンティアック(Red Pontiac)、レッド・ウェルバ(Red Warba)、アイリッシュ・カブラー(Irish Cobbler)“BC”、ノーゴールド・ラセット(Norgold Tusset)“BC”、ノーランド(Norland)、アトランティック(Atrantic)、ホワイト・ローズ(White Rose)、スペリアー(Superior)、センテニアル・ラセット(Centennial Russet)、ケズウィック(Keswick)“NB1”、グリーンマウンテン(Green Mountain)、ラ・ソーダ(La Soda)、レッド・ラ・ルージュ(Red La rouge)、レッド・ノールラン(Red Nordland)、レッド・ブリス(Red Bliss)、イエロー・フィンランド(Yellow finnish)、ルビー・クレスント(Ruby Crescent)、及びオーストラリア・クレスント(Australian Crescent)、ロシアン・ブルー(Russian Blue)、ペルーヴィアン・ブルー(Peruvian blue)、スペリアー(Superior)、カタディン(Katahdin)、並びにサツマイモの品種、例えば、ボールガール(Beauregard)、ジュエル(Jewel)、ネマゴールド(Nemagold)、センテニアル(Centennial)、エクセル(Excel)、リーガル(Regal)、サウザン・ディライト(Southern Delite)、エルナンデス(Hernandez)、バーダマン(Vardaman)、トラビス(Travis)、ホワイト・ディライト(White Delight)、スモア(Sumor)、ナンシー・ホール(Nancy Hall)、ピカディタ(Picadita)、カンペオン(Campeon)、スターリーフ(Star Leaf)/ボニアート(Boniato)、日本産紫イモ、中国産紫イモ及び沖縄の紫イモ等、が含まれるがこれらに限定されない。
【0037】
本発明はまた、魚肉、鶏肉、牛肉、豚肉、羊肉、及びその他の畜産物を包含する。ここで、本発明の方法によって製造可能な好ましい食品の例は、フライドチキン、チキンナゲット、チキンストリップ、フィッシュフィレ、フィッシュナゲット、メンチカツ、卵料理(たとえば、朝食のサンドウィッチ/マフィンで使用される卵料理)等を含む。さらにチーズ、並びに豆腐のように動物性食品の食感又は外観を有するように考案された様々な加工食品を含む。またドーナッツ、焼きペストリーなどの食品も本明細書に記載した方法に従って製造できることは容易に想定できる。本発明のコーティングは、従来衣用生地又はパン粉づけによるコーティングを用いて製造されていた食品に用いることができ、又は、食品の一部を形成する衣用生地又はパン粉の層の上部に用いる別個のコーティングとして、衣用生地又はパン粉づけに有利に取り入れることができることに留意すべきである。
【0038】
B.水溶性粘着混合剤
本発明の水溶性粘着混合剤はタンパク質を含み、好ましくはさらに親水コロイドも含む。任意にタンパク質安定剤を含んでもよい。
【0039】
水溶性粘着混合剤に含まれるタンパク質は、米タンパク質、トウモロコシタンパク質、卵タンパク質、乳タンパク質、大豆タンパク質、及び小麦タンパク質を含むがこれらに限定されない各種野菜源及び動物源から選択することができる。かかるタンパク質は、被膜の強さを増強し、構造を提供し、パリパリ感を向上させ、パリパリ感の維持を持続させるためにコーティング組成物中の水溶性粘着混合剤中に提供されるあらゆる親水コロイドと相互作用することが可能である。ある一部のタンパク質における親水性は、親水性が脂質バリアとして機能することが可能であるという理由から望ましい。米タンパク質、小麦タンパク質及び/又は卵白のアルブミンが好ましい実施形態で使用される。
【0040】
水溶性粘着混合剤に用いられる親水コロイドには、ゴムの木の自然押出し物/抽出物;種、根、又は海藻の抽出物;ペクチン;ゼラチン;でんぷん;微生物発酵ゴム(例えば、キサンタンゴム、デキストラン等);変性ゴム又はセルロース誘導体;でんぷん誘導体;アルギン酸、合成化学ゴム;ポリビニルアルコール等が挙げられる。高エステルペクチンは、本発明の一部の実施形態によって親水コロイドとして使用されるのに好ましく、現在、水溶性粘着混合剤中の安定化タンパク質として最も好適であると考えられている。
【0041】
タンパク質分解防止剤は、食品片上のコーティング中のタンパク質の分離を最小限にすると考えられている化合物である。水溶性粘着混合剤に含有させるのに好ましい本発明のタンパク質分解防止剤は、塩の形態で供給されるカチオン(好ましくは、塩化カルシウム(CaCl)として供給されるカルシウム)、でんぷん、ゴム、タンパク質等を含むが、これらに限定されず、安定化が求められる下層コーティング中のタンパク質、及びかかるタンパク質の性質によって決定する。好適なタンパク質分解防止剤のその他の材料には、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース、微結晶性セルロース等が挙げられる。
【0042】
本発明の水溶性粘着混合剤に用いる任意の追加的材料としては、マルトデキストリン、デキストリン、微結晶性セルロース、及びヒドロキシプロピル・メチルセルロースを含む親水コロイド及びキサンタンゴム、グアーガム等を含むガムが含まれ、コーティングされた製品の改良構造及び品質保持をもたらすために使用される。
【0043】
リン酸ナトリウムアルミニウム(SALP)、硫酸ナトリウムアルミニウム(SAS)、酸性ピロリン酸ナトリウム(SAPP)、第二リン酸カルシウム(DCP)、及びクリームオブターター(酒石酸水素カリウム)を含む群の、発酵用酸の添加された又は添加されていない重炭酸ナトリウムのような好適な膨脹剤を、食感、風味、及び油のバリアをさらに改良するために、本発明の水溶性粘着混合剤に組み込んでもよい。
【0044】
C.食用の疎油性物質
食品片の外側表面に油吸収抑制剤又は油をはじく粒子を塗布することにより、パリパリ感、食感及び外観が向上する。油吸収抑制剤は、油及び/又は脂肪に対する限られた親和性しか有しておらず、従って、効果を発揮するのに充分な量を食品片の外側表面に用いて熱い油で調理した場合、完全にコーティングされた食品片が吸収する油及び/又は脂肪の量を最小限にすると考えられている化合物である。本発明の好ましい油吸収抑制剤には、高アミロース粉又はでんぷん;Hi−Maize Corn Starchトウモロコシでんぷん;タピオカでんぷん;ジャガイモでんぷん等;高アミロースのその他の非加工粉及びでんぷん;好ましくは約70%〜80%以上の高アミロース含有量の加工粉及びでんぷん;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース等(かかる薬剤が食品中に許容可能な程度、及びかかる薬剤が良好な膜形成剤としての機能を果たす程度);好ましくはPac−Star(登録商標)α化された米粉、加工小麦デンプン、例えば、Repel(商標) A等、最も好ましくはPac−Star(登録商標)α化された米粉、が挙げられる。
【0045】
本発明の一態様によると、食品片に適用される食用の疎油性物質は米粉である。本発明の好ましい態様によると、食用の疎油性物質はα化された米粉である。本発明の特に好ましい態様によると、高アミロペクチン米粉が食用の疎油性物質として使用される。疎油性を持つα化された米粉粒子は、フライ中に最終製品に吸収される油/脂肪の量を減少させる。本発明で使用するのに好適な米粉には、長粒米粉、中粒米粉、短粒米粉、又はもち米粉を含む。その他の粉及びデンプンの種類を本発明のコーティングの配合を作るのに任意に用いることもでき、ジャガイモでんぷん、ジャガイモ粉、小麦粉、小麦でんぷん、エンバク粉、エンバクでんぷん、トウモロコシ粉、トウモロコシでんぷん等を含むがこれらに限定されない。これらのでんぷんは、アセチル化又はその他の手段によって架橋及び/又は置換することができる。
【0046】
D.コーティングされた食品片
別途食品に塗布する場合、水溶性粘着混合剤及び油吸収抑制剤から成るコーティングは、好ましくは食品の油含有量を所望のレベルに減少させるのに有効な厚さ、好ましくは約25μ〜約1.3mmの厚さで行う。好ましい実施形態によると、コーティングの厚さは約0.25mmである。
【0047】
膜形成コーティング及び油をはじく粒子は、有効なキャリア及び追加的な栄養、風味、色、抗酸化物質、抗菌剤等としての可能性を有し、栄養価、味、品質、及び食品の安全性を高める。したがって、コーティングは、任意でこれらの追加添加物の1以上を含んでもよい。
【0048】
本発明のコーティングは、更に他のコーティング、例えば、チキンストリップ、フライドチキン、チキンナゲット、チキンパテ、フィッシュフィレ、フィッシュナゲット、ソールズベリーステーキパテ、全ての種類の揚げた果物及び野菜製品、朝食のサンドウィッチ/マフィンに用いるような卵料理、チーズ製品、ドーナッツ、焼きペストリー、及び関連商品などの加工食品を非限定的に含む最終製品の一部となる衣用生地またはパン粉の層に加えて用いることもできる。これらの実施形態では、本発明のコーティングは衣用生地又はパン粉の層に混ぜ込んでもよく、又は衣用生地又はパン粉の層の上に塗布してもよい。或いは、いくつかの実施形態として、従来の衣用生地又はパン粉の層の下にコーティングを塗布してもよい。衣用生地又はパン粉の層に混ぜ込む場合には、パン粉/衣用生地と本発明のコーティングを行ったときの層の厚さは、食品の油含有量を所望のレベルに減少させるのに十分である厚さであることが好ましい一方、食品の特徴を妨げない厚さが好ましい。
【0049】
2.低脂肪揚げ物食品の製造方法
本発明の一実施形態は、コーティングされた食品の製造方法であり、(a)複数の食品片を準備する工程;(b)タンパク質を含む水溶性粘着混合剤、及び食用の疎油性物質を含む油吸収抑制剤で食品片をコーティングする工程;及び(c)コーティングを食品片に付着させる工程、を含む。関連する実施形態によると、低脂肪食品は、コーティングされた食品を電子レンジにかける、焼く、乾燥させる、照射する、又は揚げるなどの方法によって調理することにより製造される。
【0050】
本発明の別の実施形態によると、(a)複数の食品片、及び(b)タンパク質と油吸収抑制剤を含み前記食品片に塗布されるコーティング、からなるコーティングされた食品が提供され、前記油吸収抑制剤は食用の疎油性物質を含んでいる。コーティングなしの食品片に比べ、コーティングにより、油で調理したとときにコーティング食品が吸収する脂肪を減少させる。関連する実施形態によると、コーティングされた食品は、その後の調理に用いるように冷凍形態で提供されてもよく、又は完全に又は部分的に調理済みの低脂肪食品として提供されてもよい。
【0051】
本発明のさらなる実施形態によると、揚げ物食品は、a)食品を、それぞれが複数の食品表面を有する複数の片にカットする工程、b)約70重量%〜約95重量%の水、約0重量%〜約30重量%のタンパク質、約0重量%〜約5重量%のペクチン、及び約0.01重量%〜約1.0重量%のCaClを含む水性混合溶媒で複数の食品片をコーティングする工程、c)複数のコーティングされた食品片にα化された米粉をまぶす工程、及び(d)コーティングされた食品片を熱い油に浸漬して揚げる工程、を含むプロセスによって製造される。特に好ましい実施形態によると、当該プロセスは次の追加的工程の一方又は両方をさらに含んでもよい:1)複数の食品表面の一部を、酵素水溶液にさらされる表面上のでんぷんの量を削減するのに十分な量の活性酵素を含む酵素水溶液にさらす工程、及び2)複数の食品片をブランチングする工程。
【0052】
本発明のさらなる実施形態によると、冷凍され、前処理された食品の製造方法が、a)外側表面を有する、食品の複数の食品片を提供する工程、b)複数の生の食品片の外側表面を活性酵素にさらすことによって複数の食品片を前処理する工程、c)複数の前処理された食品片をブランチングする工程、d)前処理した複数の食品片を、親水コロイドタンパク質を含む水溶性粘着混合剤でコーティングする工程、e)表面にα化された米粉をまぶす工程、及びf)得られたコーティングされ、まぶされた食品を部分的に乾燥する工程、及びg)最終調理の前に保存用に最終製品を冷凍する工程、を含む。
【0053】
一般的に、本発明の方法は、従来揚げることによって調理してきたあらゆる食品に適用することが可能である。食品の型には、例えば、スティック(stick)、ストリップ、チップ、クリンクルカット(crinkle cut)、格子柄(waffle)、フレーク等が挙げられる。さいの目に切られ、細断され、或いは刻まれた材料を個々に加工することができ、又はさらなる加工のためにパテ、棒状(bar)、円形、例えば、Tater Tots(登録商標)状又はTater Germ(登録商標)状に押圧することができる。本発明の方法は、家庭で揚げ物又はフライドポテト・スクエア(fried potato square)を調理するために用いることも可能である。これらの方法は、パン粉、衣用生地、又はその他のコーティングを、調理前に食品に塗布することにより従来の食品を調理するために用いることも可能である。
【0054】
A.食品片の用意
食品片を食材からカット、成型、又は成形する。食材が生の植物性素材の場合は、食品片を好ましくは洗浄し、任意で皮を剥いてカットする。食材がジャガイモの場合は、好ましくは、フレンチフライ等用に所望の寸法及び形にスライス、スティック、又はストリップにカットする。カット、成型、又は成形の後、用意した食品片を任意で水などの水溶液に接触させて遊離したでんぷん及び食品の表面に存在するその他の化合物を除去する。遊離したでんぷんを除去することは、少なくとも食品片の表面に存在する酵素の量を減らすという理由から効果があり、また遊離したでんぷんは食品片を乾燥させた後に粉っぽい外観を残す場合があるという理由から効果的である。食品片が動物性食品から形成される場合は、食品片を好ましくは洗浄及びカットし、任意で加熱処理してもよい。
【0055】
B.酵素及び/又はカチオン処理
用意した食品片を酵素溶液又はカチオンを含む溶液、より好ましくは酵素とカチオンの両方の溶液に浸してもよい。
【0056】
本発明の方法で使用する酵素は、当該使用に適切ないかなる形態でもよく、例えば、乾燥粉末、凝集粉、又は粒状体、特に非発塵性の粒状体、液体、特に安定化液、又は保護酵素の形態でもよい。粒状体及び凝集粉は従来の方法、例えば、酵素を流動層造粒機の中のキャリア上にスプレーすることによって用意することができる。キャリアは好適な粒径を有する粒子コアからなってもよい。キャリアは可溶性又は不溶性、例えば、塩(例えば、NaCl又は硫酸ナトリウム)、砂糖(例えば、スクロース又はラクトース)、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、でんぷん、米、トウモロコシ粉、大豆等でもよい。酵素は徐放製剤に含まれていてもよい。徐放製剤の調製方法は当該技術分野で既知である。液体酵素製剤は、例えば、栄養的に許容可能な安定剤、例えば、砂糖、糖アルコール又は別のポリオール、及び/又は乳酸、或いは確立された方法によるその他の有機酸、を添加することにより安定化させることができる。
【0057】
好ましい実施形態において、もしブランチング工程を採用する場合、酵素処理はブランチングの前に実施する。代替的な実施形態では、酵素処理はブランチングと同時に、又はブランチングの後の追加処理として実施する。
【0058】
本発明により使用するのに好適な酵素、酵素の形態、商業的入手性等は、それぞれ参照することにより本明細書に組み込まれる、米国特許第4,058,631号、同第5,312,631号、及び同第7,056,544号に列挙された1以上の酵素から選択される。好ましくは、酵素は、米国特許第5,441,758号に記載されている高温アミラーゼなどの高温酵素以外である。しかしながら、一定の環境下では本発明で使用する酵素は、本明細書で述べる高温酵素の使用に限られない。本発明において好ましい酵素は、アミラーゼ、セルロース、インベルターゼ、ペクチナーゼ、及びアミログルコシダーゼなどで、この中でアミラーゼが最も好ましい。1以上の酵素が約0.1重量%〜約5重量%の濃度で溶液中に存在することが好ましい。酵素は、好ましくは、次の利点の少なくとも一つをもたらす量で使用する:パリパリ感を増強する、粘着性を減少する(このことが加工に役立つ)、及び最終製品の色を向上させる。
【0059】
本発明によると、酵素溶液は1以上のカチオンをさらに含んでもよく、また酵素なしでカチオンを溶液中に用いても良い。用語「カチオン生成化合物」は、周囲温度で、又は加熱した状態で、のいずれかにおけるカチオンとアニオンの分離を介して、溶液中にカチオンが生成される化合物を含むことを意図する。本発明におけるカチオン生成化合物は、リチウム、ナトリウム、及び/又はカリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム及び/又はカルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;アルミニウム化合物;及び窒素、リン、及び/又はビスマス化合物(例えば、アンモニウム)などの第VA族金属化合物が好適であるが、これらに限定されるものではない。前記化合物一式においてより好ましいのはカルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、アルミニウム化合物、及び窒素化合物であり、カルシウム塩が最も好ましい。好ましくは、1以上のカチオンが約0.1重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約2.5重量%の濃度で溶液中に存在する状態である。より好ましくは、カチオンを、少なくとも約0.2%、より好ましくは少なくとも約0.3%の濃度で水溶性粘着混合剤に添加し、特に、カチオンを溶液の約0.8重量%以内の量で提供するのが特に好ましい。カチオンは好ましくはタンパク質、或いはタンパク質−親水コロイドマトリックス又は混合物を安定させるのに十分な架橋を提供する。理論に縛られることなしに、任意のカチオンは酵素の働きを促進して溶液に浸す時間を減縮し、さらにカットされた食品片をより固く剛性があるものとし、それにより加工が簡単になると考えられている。さらに、カチオンは酵素的褐変も減少し、同時に食品の栄養的側面に寄与できるものである。
【0060】
食品片を、任意で上記のようなカチオンを含む酵素溶液、又は酵素を有さないカチオン溶液に浸すことにより、様々な改良された特徴を食品に持たすことができる。用語「改良された特徴」は、本明細書において、かかる溶液で処理されていない食品片の食品に比べて、1以上の酵素及び/またはカチオンの作用によって変化する、食品のあらゆる特徴として定義される。改良された特徴には、パリパリ感の増加、ベタツキ感の減少、原材料及び/又はブランチング材料の硬度の増加、酵素反応及び/又はメイラード反応による褐色化の減少、色の明るさの増加、色の保持力の増加、着色強化の増加、退色の減少、硬さの増加、ゴツゴツした又はなめらかな外観の増強、改良された風味、及び脂肪含有量の減少が挙げられるがこれらに限定されない。これらの用語の多くは米国特許第7,056,544号により十分に定義されており、当該特許は参照することにより本明細書に組み込まれる。その他の用語は、当業者には明らかであろう慣例的意味に従って定義される。
【0061】
改良された特徴は、本発明の方法によって調理された食品と、従来の方法によって調理された食品を比較することにより判断することが可能である。本発明の方法により得た改良特徴を判断する技術を本明細書で説明する。感覚的な特徴は食品業界において確立された技法を用いて評価することができ、例えば、感覚評価装置の訓練パネルの使用を含めることができる。その他の方法には、食感(テクスチャー)解析及び本明細書の以下で開示されるような比較が含まれ得る。
【0062】
好ましくは、酵素溶液(カチオンを含む又は含まない)、又はカチオン溶液に、食品片を約0.5分〜約30分浸し、より好ましくは約0.5分〜約15分、最も好ましくは約0.5分〜約5分間浸す。食品の特定の特徴(1又は複数の特徴)を改良するための、所与の酵素又はカチオンへの適切な浸漬は、当該酵素又はカチオンによって決定する。当業者は当該技術分野で既知の方法に基づいて酵素又はカチオンへの好適な浸漬を決定することができる。
【0063】
代替的な実施形態では、ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸、リン、マグネシウム、銅、カルシウム、スズ、鉄等のビタミン及びミネラルを含むその他の栄養素を、かかるビタミン及びミネラルを酵素処理、カチオン処理及び/又はブランチングプロセスにおいて、又は追加の工程において食品片に注入するか、或いは所望のビタミン及び/又はミネラルを含んだ化合物を調理前の又は調理後の食品片にスプレーするかのいずれかによって、本発明の製品に加えることが可能である。この方法によって製品が栄養的に強化され、より健康的な食品を製造することが可能となる。別の実施形態では、塩(NaCl)、砂糖、ハーブ抽出物、果物抽出物、野菜抽出物等、又はこれらを組み合わせた調味料のブレンドは、カットされた食品片を、塩、砂糖、ハーブ、果物、野菜等のそれぞれと共に浸し、又は漬けることにより食品に取り込むことが可能であるので、ブランチング水の中でこれら調味料成分を食品片の中に取り込むこと、及び/又はブランチング工程に続いて、カットされた食品片に風味を取り込む別個の工程を設けることにより、これら風味成分を食品片の中に取り込むこと、のいずれかが可能である。或いは、水溶性又は非水溶性の濃縮された風味抽出物にカットした食品片を漬けてもよい。さらに別の実施形態では、本発明の食品をチョコレート、カラメル、シロップ、及び果物又は野菜から製造したコーティング又は任意のその他の同様のカバーリングでコーティングし、それにより脂肪を含まない、或いは低脂肪又は高脂肪の、異なる新規のグルメ志向のスナックを創作することが可能である。
【0064】
C.ブランチング
本発明の方法により製造し得る全ての製品がブランチング工程を必要とするわけではないが、本発明のいくつかの実施形態は、食品片をブランチする工程を含んでいる。ブランチング工程が好ましい又は好適である場合は、次のいずれかを達成するのに十分な期間食品片をブランチする:1)小片の表面に自然発生する酵素を不活性化する及び/又は上記の酵素処理中に添加されたあらゆる酵素を不活性化する;2)自然発生するでんぷんの少なくとも一部をゼラチン化する;3)メイラード褐変反応及びアクリルアミドの形成の可能性を減少させるために過剰な遊離糖類を除去する;及び4)食感及び風味を改良する。典型的には、上記にて定義したように、約0.5重量%〜約8重量%、より好ましくは約2重量%〜約5重量%、最も好ましくは約3重量%の1以上のカチオンを含有する水溶液に浸すことにより、食品片をブランチする。好ましい実施形態では、カチオンはNaCl、KCl、MgCl、及びCaClから選択される。ブランチングは、好ましくは約60℃〜約120℃、より好ましくは約70℃〜約100℃の温度で実施される。
【0065】
別の実施形態では、ブランチングは、所望のブランチングの量によって、好ましくは約30秒〜約10分、より好ましくは約40秒〜約3分の間、蒸気(周囲圧力以上)にさらすことにより実施する。或いは、電子レンジ、オーム加熱、超高温の蒸気、赤外線加熱等など任意の既知のブランチング方法を本発明で用いることが可能である。
【0066】
次に、好ましくは食品片の水気を切る又は食品片をエアカーテンの下で過剰な水分を除去する。別の実施形態では、過剰な水分を除去する既知のいずれかの方法を用いることができる。ブランチング前、ブランチング中、又はブランチング後に塩を添加することが可能である。食品に使用するのに好適な任意の塩を使用可能であるが、NaCl、KCl、MgCl、CaCl等が好ましい。
【0067】
生の、酵素処理された食品片を、カルシウム、マグネシウム等などの少なくとも一つのカチオンを含む溶液の中でブランチングすることが可能である。ブランチング溶液は、最終製品に望ましいと考えられる塩、香料添加剤、色、望ましい油等を含むこともできる。或いは、ブランチングした食品片を溶液の中にさっと浸ける、又はカチオンを含む粉末でまぶすことが可能である。
【0068】
D.コーティングの準備及び適用
水溶性粘着混合剤又はコーティング混合剤を、様々な固形材料を乾式混合して準備することができる。次に、コーティングする衣用生地に適切な粘度を提供するように選択した量の水を乾燥原料に徐々に加える。コーティングする衣用生地は、約65重量%〜約95重量%の水、約4重量%〜約25重量%のタンパク質、約0重量%〜約2重量%の親水コロイド、及び約0重量%〜約10重量%のタンパク質分解防止剤を含んでもよい。本発明の好ましい態様によると、約80重量部〜約90重量部の水、約10重量部〜約20重量部の固形材料を含む水性スラリーが、食品片のコーティングに特に好ましい粘度を示すことを見いだした。しかしながら、スラリーの固形成分含有量はコーティングされる特定の食品片、及び最終食品の所望の特徴によって変更される。
【0069】
水溶性粘着混合剤又は被膜形成混合物を食品片に適用する方法は、食品片の寸法、形状、及びその他の特徴により異なる。適用する方法は、ディッピング、スプレー、エンローブ(enrobing)等であるがこれらに限定されず、当該技術分野で周知のあらゆる方法を含む。必要ではないが、被膜形成混合物の複数層を使用してもよい。適用の際、水溶性被膜形成混合物は食品片に膜を形成するだけではなく、典型的には食品片の最上層に浸透し、好ましくは前処理から存在している架橋剤と反応する。適用する被膜形成コーティング/混合物の量、浸透の深さ、及び架橋は、一般に、取り込む油の量、従って被膜形成により食品片に簡単に吸収されるのを防ぐ油の量、即ち油の減少量に関連する。
【0070】
油の吸収を抑える又は油をはじく粒子は、衣用生地/コーティングの塗付の前に食品片に適用し、表面直下にバリアを作ることができる。この場合、該粒子により、パリパリ感が長時間持続する製品となる。本発明のさらなる態様によると、油の吸収を抑える粒子を、衣用生地/コーティングの塗付の後、又は衣用生地/コーティングと同時に適用することが可能である。約0.5%〜約5%、より好ましくは約0.6%〜約3.0%、最も好ましくは約1.0%〜約2.5%のα化(ゲル化の前)米粉を含み、脂肪をはじく物質を、食品表面にコーティングすることにより、揚げ油に浸して揚げている間の脂肪/油の吸収が予想外に減少できることを見いだした。この脂肪をはじく物質は、製品の最終的な外側表面、又は製品と衣用生地を含む油の吸収を抑える薬剤間に適用することが可能である。
【0071】
E.さっと揚げる
最終乾燥/硬化工程を行わずに、製品の個々の複数片が容易に分離するように、衣用生地/コーティング塗付後のプロセスに、短時間で揚げるプロセスを任意で含ませてもよい。この短時間で揚げるプロセスは、衣用生地/コーティングを製品に落ち着かせて水分を製品に閉じ込める。
【0072】
さらに、本発明は本願に記載された食品のいずれかを短時間で揚げることを企図しており、住居(例えば、家庭)、小売店、又は商業的環境において実施されてもよい。
【0073】
F.乾燥/硬化
乾燥/硬化工程は、食品片を水性スラリー及び油の吸収抑制剤剤でコーティングした後に使用してもよい。乾燥/硬化は、熱、空気流、又はこれらの組み合わせを使用してもよく、油の吸収/吸着を阻害するようなより密集したバリアを作り、食品片上のコーティングが共に付着すること、又は加工工程中に食品片からコーティングが分離することを防ぐ。乾燥工程により、所望の加工物に応じて、コーティングされた食品片の全部又は一部を乾燥する。
【0074】
乾燥は、衝突加熱式調理などの方法及びその他既知の方法によって実施可能である。本発明の一実施形態において、食品片のコーティングは、強制空気対流式オーブン、流動床乾燥機/オーブン、振動流動床乾燥機/オーブン、衝突加熱式乾燥機/オーブン、パルス流動床乾燥機/オーブン(例えば、エアロパルス乾燥機)、回転式乾燥機/オーブン、回転スパイラルドラム式乾燥機/オーブン、棚型オーブン、静置乾燥機/オーブン、スパイラルロースター/乾燥機(例えば、FMC Spiral Roto-Louvre Roaster/Dryersなど)、マイクロウェーヴ乾燥機/オーブン、赤外線乾燥機/オーブン、超高温エアレス乾燥機、真空乾燥機、真空ベルト乾燥機、及びオーム乾燥機から選択するそれぞれ1以上の乾燥機又はオーブンで乾燥する。この段階では、コーティングされた食品片は1分間に約300フィート(約91.50メートル)〜約15,000フィートの気流速度にさらされる。
【0075】
他の乾燥機、例えば、Applied Chemical Technologies、Carrier Vibrating Inc.、The Dupps company等から市販されているような、あらゆる同様の種類の回転式乾燥機又は回転ドラム式乾燥機、“気流乾燥機”、エアレス(airless)乾燥機又は超高温スチーム乾燥機等を乾燥機に変えて使用することができる。或いは、電子レンジ、赤外線、衝突加熱式、振動衝突加熱式、棚型オーブン、対流式オーブン、工業用オーブン、静置オーブン、流動床又は振動流動床乾燥機、真空乾燥機、真空ベルト乾燥機等を、コーティングをカットされた食品片に付着させるプロセスで使用することができ、それぞれ異なる程度の効率及び生産量となる。適用可能であれば、本発明の様々な実施形態に関連して本明細書中で記載された装置のあらゆるバージョン、例えば、バッチ又は連続処理装置、静置又は振動装置様式等を使用することが可能である。
【0076】
Drying Technologies, Inc.から入手可能な水分センシング装置(例えば、DTI500、DTI5000)等を回転式乾燥機等の内側に設置して、オートマチックベースで、適切な条件を確実にすることもできる。
【0077】
好ましい実施形態において、乾燥した食品片は、次に、ベルトコンベア又はその他の運搬装置又は方法を介して、衝突加熱式オーブン、流動床乾燥機/オーブン、又はその他任意の同様の装置に移される。水分低減がなされた食品は、続いて周囲温度又は引き下げられた温度のいずれかまで冷され、好みにより任意で味付けされ、配送、最終調理及び消費用に梱包される。
【0078】
G.冷蔵/冷凍
コーティングされた食品は、任意で冷蔵又は冷凍された後包装され、最終消費用の準備時まで保存される。好ましい実施形態によると、コーティングされた食品は従来の方法を用いて0°F以下の温度で冷凍保存される。
【0079】
H.食品の調理
最終消費するためにコーティングされた食品を揚げる又は電子レンジ、対流式オーブン、衝突加熱式オーブン、赤外線オーブン、又は同様の加熱装置で焼く。かかる調理の後、本発明によるコーティングされた食品片は、パリッとした外層、湿って柔らかい内側、及び向上した風味特性を有する。好ましい実施形態によると、食品は、低脂肪/油含有量、及び/又は増加したカルシウム及びタンパク質レベルといった改良された栄養的側面を有する。
【0080】
I.フレンチフライ製造のための好ましい方法
本発明の方法によるフレンチフライの特に好ましい製造方法を以下に説明する。
【0081】
栽培保存(Grower Storage):加工のためにジャガイモが到着する。収穫時期の間、ジャガイモは農場から直接送られてくるが、一年のその他の時期は貯蔵設備から運搬される。
【0082】
USDA検査:未加工のジャガイモのサンプルを等級付けのために採取し、栽培価格(grower payment)を決定するためにテストする。
【0083】
生のジャガイモの受領:未加工のジャガイモをトラックから下ろして簡単に洗浄する。
【0084】
皮を剥く:未加工のジャガイモを洗い、皮を除去するためにスチーム・ピーラーに入れることができる。
【0085】
スクラビング(Scrubbing):残り全ての皮を除去するためにジャガイモを機械でこすることができる。
【0086】
スペック表:ジャガイモの腐敗及び病害を手作業で検査する。
【0087】
カット:丸ごとのジャガイモをフレンチフライ用ストリップにカットする。
【0088】
自動欠陥品除去(Automatic defect Removal)(ADR):欠陥品を調べるために個々のストリップを電子的に調べる。
【0089】
シェイキング(shaking):小さすぎる又は、形が壊れたものをメインの加工ラインから除去し、ハッシュ・ブラウン、冷凍ミニフライドポテト(Tater tot)等の他の商品において使用する。
【0090】
酵素処理:ジャガイモのストリップを酵素/カルシウム溶液(0.5%のアミラーゼ及び1%の塩化カルシウム溶液(32%CaCl水溶液))に2分〜3分浸ける。
【0091】
ブランチング:ジャガイモのストリップを180°F〜200°Fで2分間ブランチングして天然糖、不活性酵素を除去し、良好な食間を生み出す。
【0092】
水分除去:コーティングされたジャガイモのストリップを乾燥機又はオーブンに入れて水分を除去する。(この工程は任意である)
【0093】
コーティング:ブランチングしたジャガイモのストリップを米粉及びあらゆる任意の材料でまぶす。これはペクチン/タンパク質/膜形成溶液でのコーティング前、コーティング中、又はコーティング後に行ってもよい。
【0094】
次のコーティングには2つの選択肢がある。
【0095】
乾燥:コーティングされたジャガイモのストリップを乾燥機又はオーブンに入れて水分を除去する。
【0096】
短時間で揚げる:衣用生地でコーティング後、ジャガイモのストリップを350°F〜400°Fの温度で短時間(15秒〜30秒)揚げる。
【0097】
J.食品の分析
対流式オーブン方法を用いてサンプルの水分を分析するための多くの実施例を適用する;挽いて粉にしたサンプル(例えば、4g、3回実施)を対流式オーブンの中で制御された条件の下(例えば、100℃で24時間)で加熱した結果失った重量を測定する。失った重量の百分率をサンプル中の水分の百分率として報告する。この「水分測定法(moisture method)」は「Gravimetric Determination of Water by Drying and Weighing: Measuring Moisture using a Convection Oven」(R.P.Ruis, Current Protocols in Food Analytical Chemistry, John Wiley and Sons, 2003, pp.A1.1.1.)に開示されている方法に基づく。
【0098】
これらの実施例の中で、「Extraction and measurement of total Lipids」(F.I. Shahii, Current Protocols in Food Analytical Chemistry, John Wiley and sons, 2003、pp。D1.1.4)に記載のクロロホルム抽出法のバリエーションを使用して脂肪についても分析する。
【0099】
抽出前に、サンプルをブレンダーで粉にする。
1.クロロホルム:メタノールの割合が2:1の溶液を用意する。
2.粉砕したサンプル10gを測ってフラスコに入れる;2:1のクロロホルム/メタノール溶液50mlを加える。
3.カバーをして1時間攪拌する。
4.ろ紙を通して清潔なフラスコに流し込む。
5.最初のフラスコをすすぎ、残った固形物を少量の2:1のクロロホルム:メタノール溶液の入った新しいフラスコに入れる。
6.30ml〜35mlの蒸留水を加えて混合する。
7.4℃で一晩放置する。
8.水流吸引器及びガラスピペットを用いて水とメタノールを含み安定した最上層を除去する。
9.新しい丸底フラスコの重量を計測して記録する。
10.残った溶液をろ紙を通して9.の新しいフラスコに流し込み、残ったクロロホルム(及び脂肪)の層を硫酸ナトリウム上に移し、残った水を除去する。追加のクロロホルムを用いて全ての脂肪を洗浄してフラスコに入れる。
11.50℃/80rpmのエバポレータ(rotovap)を用いて残ったクロロホルムを(蒸発させて)除去する。
12.化学排気タンク(chemical fume hood)内にフラスコを一晩定置し、全ての残ったクロロホルムを完全に蒸発させる。
13.乾燥が完了した後のフラスコの重量を計測し、記録して脂肪の量を決定する。
【実施例】
【0100】
ここで、本発明の特に好ましい実施形態を次の非限定的な実施例に関して説明する。
【0101】
実施例1−フレンチフライ:タンパク質/親水コロイド(水溶性)の衣用生地を適用する前にカチオン及び酵素で前処理する。
【0102】
生のジャガイモ(品種:ラセット・バーバンク(Russet Burbank))を洗い、皮をむき、次に、約3/16(0.18)インチの正方形の断面及び約2.5インチ〜約4インチの長さを有する3/8インチのフレンチフライ用の細長い一片(strip)(以下ストリップと言う)にカットした。すすいだ後、約507gのこれらジャガイモのストリップを、1000gの水(43℃(110°F))、5gのアミラーゼ(American labs. Inc., 乾燥バクテリアアミラーゼ−60,000BAU/g、lot #5175-04)、及び2gの無水塩化カルシウム(Alfa Aesar, A Johnson Mattey Company, Ward Hill, Maine, Stock # 12316)から成る水溶液に3分間浸けて前処理した。前処理したジャガイモのストリップを、次に、93℃(200°F)の水で2分半ブランチングした。ブランチングの後、ジャガイモのストリップの水気を切り、衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、Model No.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)に入れ、135℃(275°F)に設定して5分間乾燥し、水分を163.66g減らした。部分的に脱水したジャガイモのストリップを、続いて、88%の水、10.9%の小麦タンパク質(Arize(商標)小麦タンパク分離物、Lot # 7092、MGM Ingredients, Atchison, KS)、0.6%の高エステルペクチン(High Ester pectin)(Grindsted(登録商標)AMD783、Danisco Food Ingredients, lot # 41P088)、及び0.50%の塩化カルシウム溶液(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)から構成される衣用生地でコーティングした。コーティングの後、ジャガイモのストリップを135℃(275°F)の衝突加熱式オーブンで5分間さらに乾燥した。冷ました後、加工済みのフレンチフライを冷凍庫で保存した。最終重量は251.31gであった。
【0103】
その後、フライを冷凍庫から取り出し、176℃(350°F)のキャノーラ油で1分30秒揚げた。脂肪含有量が4.6%、最終水分量が54.9%となった。知覚専門家(Sensory Professional)の評価により、サンプルは均一であり、黄金色、パリッとした食感、及び好ましいフライドポテトの風味を有していると判定された。
【0104】
実施例2−フレンチフライ:前処理なしで水溶性タンパク質/親水コロイド/米粉の衣用生地を適用する。
【0105】
生のジャガイモ(品種:ラセット・バーバンク(Russet Burbank))を洗い、皮をむき、次に、約3/16(0.18)インチの正方形の断面及び約2.5インチ〜約4インチの長さを有する3/8インチのフレンチフライ用のストリップにカットした。すすいだ後、約408gのこれらジャガイモのストリップを93℃(200°F)の水で2分半ブランチングした。ブランチングの後、ジャガイモのストリップの水気を切り、衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、Model No.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)に入れ、135℃(275°F)に設定して7分間乾燥し、水分を133.44g減らした。部分的に脱水したジャガイモのストリップを、続いて、88%の水、10.2%の小麦タンパク質(アライズ(Arize)(商標)小麦タンパク分離物、Lot # 7092、MGM Ingredients, Atchison, KS)、4.62%のα化された米粉(Pack Star(登録商標)、PGP International, Woodland, CA)、2.12%の塩化カルシウム溶液(DSM food Specialtiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)、及び0.56%の高エステルペクチン(Grindsted(登録商標)AMD783、Danisco,lot # 41P088)から構成される水溶性粘着混合物でコーティングした。衣用生地でコーティング後、ジャガイモのストリップを135℃(275°F)の衝突加熱式オーブンで7分間さらに乾燥した。冷ました後、加工済みのフレンチフライを冷凍庫で保存した。最終重量は181.6gであった。
【0106】
その後、フライを冷凍庫から取り出し、176℃(350°F)のキャノーラ油で1分揚げた。脂肪含有量が2.7%、最終水分量が51.0%となった。感覚のプロの評価により、サンプルは黄金色、パリッとしたテクスリャー、及び好ましいフライドポテトの風味を有していると判定された。
【0107】
実施例3−フレンチフライ:酵素/カチオン溶液で前処理し、水溶性タンパク質/親水コロイド層(barrier)でコーティングし、米粉をまぶした。
【0108】
生のジャガイモ(品種:ラセット・バーバンク(Russet Burbank))を洗い、皮をむき、次に、約3/16(0.18)インチの正方形の断面及び約2.5インチ〜約4インチの長さを有する3/8インチのフレンチフライ用のストリップにカットした。すすいだ後、約501gのこれらジャガイモのストリップを、1000gの水(43℃(110°F))、5gのアミラーゼ(American labs. Inc., 乾燥バクテリアアミラーゼ−60,000BAU/g、lot # 5175-4)、及び2gの無水塩化カルシウム(Alfa Aesar, A Johnson Mattey Company, Ward Hill, Maine, Stock # 12316)から成る水溶液に3分間浸けて前処理した。前処理したジャガイモのストリップを、次に、93℃(200°F)の水で2分半ブランチングした。ブランチングの後、ジャガイモのストリップの水気を切り、衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、Model #.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)に入れ、135℃(275°F)に設定して5分間乾燥し、水分を160.82g減らした。部分的に脱水したジャガイモのストリップを、続いて、88%の水、10.9%の小麦タンパク質(Arize(商標)小麦タンパク分離物、Lot #7092、MGM Ingredients, Atchison, KS)、0.6%の高エステルペクチン(Grindsted(登録商標)AMD783、Danisco Food Ingredients, lot # 41P088)、及び0.50%の塩化カルシウム溶液(DSM food Specialtiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)から構成される衣用生地でコーティングした。コーティングの後、粒子の細かいα化された米粉(Pac Star(登録商標)、PGP International, Woodland, CA)の粉付けをコーティングの表面に適用した。コーティングされた/粉をまぶされたポテトストリップを、次に135℃(275°F)の衝突加熱式オーブンでさらに5分間乾燥した。冷ました後、加工済みのフレンチフライを冷凍庫で保存した。最終重量は300.62gであった。
【0109】
その後、フライを冷凍庫から取り出し、176℃(350°F)のキャノーラ油で1分45秒揚げた。脂肪含有量が6.8%、最終水分量が50.4%となった。知覚専門家の評価により、サンプルは均一で、黄金色、パリッとした食感及び好ましいフライドポテトの風味を有していると判定された。
【0110】
実施例4−フレンチフライ:酵素での前処理なしで、塩化カルシウム含有の水でブランチングし、水溶性タンパク質/親水コロイド層でコーティングし、Repel(商標) A、加工小麦のでんぷん)をまぶした。
【0111】
生のジャガイモ(品種:ラセット・バーバンク(Russet Burbank))を洗い、皮をむき、次に、約3/16(0.18)インチの正方形の断面及び約2.5インチ〜約4インチの長さを有する3/8インチのフレンチフライ用のストリップにカットした。すすいだ後、約200gのこれらジャガイモのストリップを、塩化カルシウム5%を含む93℃(200°F)の水で1分間ブランチングした。ブランチングの後、ジャガイモのストリップの水気を切り、89.5%の水、10.0%の小麦タンパク質(アライズ(Arize)(商標)小麦タンパク分離物、Lot # 7092、MGP Ingredients, Atchison, KS)、0.5%の高エステルペクチン(Grindsted(登録商標)AMD783、Danisco,lot # 41P088)、及び0.45%の塩化カルシウム溶液(DSM food Specialtiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)で構成される衣用生地でコーティングした。コーティングの後、粒子の細かい加工小麦のでんぷん(Repel(商標) A、MGP Ingredients, Atchison, KS)をコーティングの表面に適用した。コーティングされた/粉をまぶされたポテトストリップを、次に146℃(295°F)の衝突加熱式オーブンで12分間乾燥した。冷ました後、加工済みのフレンチフライを冷凍庫で保存した。最終重量は144.75gであった。
【0112】
その後、フライを冷凍庫から取り出し、182℃(360°F)のキャノーラ油で1分30秒揚げた。脂肪含有量が7.2%となった。知覚専門家の評価により、サンプルは均一で、黄金色、パリッとした食間及び好ましいフライドポテトの風味を有していると判定された。
【0113】
実施例5−フレンチフライ:酵素/カチオン溶液で前処理し、乾燥タンパク質/親水コロイドのブレンドでコーティングしてジャガイモの水分を利用してフィルムを作成し、ジャガイモの水分量を減少させた。
【0114】
生のジャガイモ(品種:ラセット・バーバンク(Russet Burbank))を洗い、皮をむき、次に、約3/16(0.18)インチの正方形の断面及び約2.5インチ〜約4インチの長さを有する3/8インチのフレンチフライ用のストリップにカットした。すすいだ後、約415gのこれらジャガイモのストリップを、1000gの水(43℃(110°F))、5gのアミラーゼ(American labs. Inc., バクテリアアミラーゼ −60,000BAU/g、lot # 5175-04)、及び2gの無水塩化カルシウム(Alfa Aesar, A Johnson Mattey Company, Ward Hill, Maine, Stock # 12316)から成る水溶液に3分間浸けて前処理した。前処理したジャガイモのストリップを、次に、93℃(200°F)の水で2分半ブランチングした。ブランチングの後、ジャガイモのストリップの水気を切り、衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、Model #.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)に入れ、135℃(275°F)に設定して3分間乾燥し、水分を96g減らした。部分的に脱水した後、ジャガイモのストリップを、乾燥重量ベースで、91.0%の小麦タンパク質(Arize(商標)小麦タンパク分離物、Lot #7092、MGP Ingredients, Atchison, KS)及び9.0%の高エステルペクチン(Grindsted(登録商標)AMD783、Danisco,Food Ingredients lot # 41P088)から構成される乾燥ブレンドでコーティングした。約15gの乾燥ブレンドをコーティングのために使用した。コーティングされたポテトストリップを、次に135℃(275°F)の衝突加熱式オーブンで7分間乾燥し、続いて冷凍した。冷凍後の最終重量は193.5gであった。
【0115】
その後、フライを冷凍庫から取り出し、176℃(350°F)のキャノーラ油で1分30秒揚げた。脂肪含有量が5.9%、最終水分量が45.1%となった。知覚専門家の評価により、サンプルは、黄金色、パリッとした食感、及び好ましいフライドポテトの風味を有していると判定された。
【0116】
実施例6−フレンチフライ:酵素/カチオン溶液で前処理し、スチームブランチングし、乾燥し、米粉をまぶし、水溶性タンパク質/親水コロイド層でコーティングし、短時間で揚げて冷凍した。
【0117】
生のジャガイモ(品種:ラセット・バーバンク(Russet Burbank))を洗い、皮をむき、次に、約3/16(0.18)インチの正方形の断面及び約2.5インチ〜約4インチの長さを有する3/8インチのフレンチフライ用のストリップにカットした。すすいだ後、約1500gのこれらジャガイモのストリップを、3000gの水(43℃(110°F))、15gのアミラーゼ(American Labs. Inc., 乾燥バクテリアアミラーゼ−60,000BAU/g、lot #5175-04)、及び18gの液体塩化カルシウム((DSM food Specialtiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)から成る水溶液に3分間浸けて前処理した。前処理したジャガイモのストリップを、次に、M−6デキシー(M-6 Dixie)ベジタブルブランチャー/クーラー(Dixie Canning Company, Athens Georgia, 30603)で2分間スチームブランチングした。ブランチングの後、ジャガイモのストリップを衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、Model No.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)に入れ、163℃(325°F)に設定して5分間乾燥し、水分を548.8g減らした。部分的に脱水したジャガイモのストリップを、続いて、合計ピックアップ量(total pickup)約70gのα化された米粉(Pack Star(登録商標)、PGP International, Woodland, CA)の薄層でまぶした。これら部分的に乾燥し、米粉でコーティングしたストリップを、次に、2200gの水、250gの米タンパク質N70(RemyPro)、25gの高エステルペクチン(Grindsted(登録商標)AMD783、Danisco Food Ingredients, lot # 41P088)、及びさらなる50gの水で希薄した5gの塩化カルシウム溶液(DSM food Specialtiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)から構成される衣用生地でコーティングした。衣用生地を約7.5%のピックアップ量又は塗布量で適用した。コーティング直後に、衣用生地でコーティングしたポテトストリップを、業務用フライヤーを用いて375°Fのキャノーラ油で15秒揚げた。油を切った後、フレンチフライを直ちに冷凍庫に入れ、後で重さを量って袋詰めした。最終重量は900.4gであった。
【0118】
翌日、フレンチフライを176℃(350°F)のキャノーラ油で1分間揚げた。知覚専門家の評価により、サンプルは均一であり、黄金色、パリッとしたテクスリャー、及び好ましいフライドポテトの風味を有していると判定された。
【0119】
実施例7−フレンチフライ:ハッシュ・ブラウン・スクエア(Hash Brown Square):酵素/カチオンで前処理し、スチームブランチングし、米粉をまぶし、水溶性タンパク質/親水コロイド層でコーティングし、さっと揚げて冷凍した。
【0120】
生のジャガイモ(品種:ラセット・バーバンク(Russet Burbank))を洗い、皮をむき、次に、小さい1/8インチ片に切り刻んだ。すすいだ後、約2000gのこれらジャガイモ片を、3000gの水(43℃(110°F))、15gのアミラーゼ(American labs. Inc., 乾燥バクテリアアミラーゼ−60,000BAU/g、lot #5175-04)、及び18gの液体塩化カルシウム(DSM food Specialtiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)から成る水溶液に3分間浸けて前処理した。前処理したジャガイモ片を、次に、M−6デキシー(M-6 Dixie)ベジタブルブランチャー/クーラー(Dixie Canning Company, Athens Georgia, 30603)で45秒間スチームブランチングした。ブランチングの後、ジャガイモ片を100gのα化された米粉(Pack Star(登録商標)、PGP International, Woodland, CA)と混合した。混合物を約1/2インチの厚さの平らなシート状に押圧し、続いて、幅約21/2インチ×長さ3インチの棒状(bar)に分割した。これら棒状の混合物を衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、Model #.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)に入れ、162℃(325°F)に設定して5分間乾燥し、水分を285g減らした。棒状のポテト(potato bar)を、合計ピックアップ量約57gのα化された米粉(Pac Star(登録商標)、PGP International, Woodland, CA)の薄層でまぶした。次に、棒状のポテトを、2200gの水、250gの米タンパク質N70(RemyPro)、25gの高エステルペクチン(Grindsted(登録商標)AMD783、Danisco, lot # 41P088)、及びさらなる50gの水で希薄した5gの塩化カルシウム溶液(DSM food Specialtiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)から構成される衣用生地でコーティングした。衣用生地を約7.5%のピックアップ量又は塗布量で適用した。コーティング直後に、衣用生地でコーティングした棒状のポテトを、業務用フライヤを用いて375°Fのキャノーラ油で15秒揚げた。油を切った後、フレンチフライを直ちに冷凍庫に入れ、後で重さを量って袋詰めした。最終重量は1600gであった。
【0121】
翌日、ハッシュ・ブラウン・スクエアを176℃(350°F)のキャノーラ油で1分半揚げた。知覚専門家の評価により、サンプルは均一であり、黄金色、パリッとした食感及び好ましいフライドポテトの風味を有していると判定された。
【0122】
実施例8−チキンス・ストリップ・トライアル(Chicken Strip Trial):蒸した鶏のムネ肉に米粉をまぶし、水溶性タンパク質/親水コロイド層でコーティングし、短時間で揚げて冷凍した。
【0123】
約1000gの鶏のムネ肉を生の鶏ムネ肉の塊(複数)からカットし、10分間蒸して完全に火を通した。これら鶏肉のストリップを衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、Model #.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)に入れ、163℃(325°F)に設定して5分間乾燥し、水分を125.8g減らした。乾燥後、鶏肉のストリップを、合計ピックアップ量約110gのα化された米粉(Pack Star(登録商標)、PGP International, Woodland, CA)の薄層でまぶした。これら完全に火を通して米粉でコーティングした鶏肉のストリップを、2250gの水、250gの米タンパク質N70(RemyPro)、25gの高エステルペクチン(Grindsted(登録商標)AMD783、Danisco Food Ingredients, lot # 41P088)、50gのα化米粉、及びさらなる50gの水で希薄した5gの塩化カルシウム溶液(DSM food Specialtiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)から構成される衣用生地でコーティングした。衣用生地を約10.0%のピックアップ量又は塗布量で適用した。コーティング直後に、衣用生地でコーティングした鶏肉のストリップを、業務用フライヤを用いて375°Fのキャノーラ油で15秒揚げた。油を切った後、鶏肉のストリップを直ちに冷凍庫に入れ、後で重さを量って袋詰めした。最終重量は859.0gであった。
【0124】
翌日、鶏肉のストリップを176℃(350°F)のキャノーラ油で2分間揚げた。知覚専門家の評価により、サンプルは均一であり、黄金色、パリッとした食感、しっとりした鶏肉の中心部、及び好ましいフライドチキンの風味を有していると判定された。
【0125】
本発明を特定の実施形態と共に説明してきたが、本発明のコーティングされた低脂肪食品、並びにそれらの製造方法の多くの代替物、変形、及び変更が、上記の説明に鑑みて当業者には明白であることは明らかである。したがって、全ての別の手段、変形、及び変更を添付の特許請求の範囲に含むことを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティングされた食品の製造方法であって、
(a)複数の食品片を提供する工程、
(b)タンパク質を含む水溶性粘着混合剤、及び食用の疎油性物質を含む油の吸収抑制剤剤で食品片をコーティングする工程、及び
(c)コーティングを食品片に付着させる工程、
を含む方法。
【請求項2】
コーティング工程(b)の前に、複数の食品片の表面をコーティングするために、複数の食品片を1以上の酵素を含む溶液に浸す工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コーティング工程(b)の前に、食品片の表面上のあらゆる酵素を不活性化するのに十分な時間、複数の食品片をブランチングする工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ブランチング工程が、カチオン、塩、香料添加剤、色、及び油から成る群からそれぞれ個別に選択される1以上の材料を含む溶液中で行なわれる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
溶液がカチオンをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
水溶性粘着混合剤がカチオンをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
油の吸収抑制剤が水溶性粘着混合剤より前に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
油の吸収抑制剤が水溶性粘着混合剤より後に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
油の吸収抑制剤が水溶性粘着混合剤と同時に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
水溶性粘着混合剤が親水コロイドをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
水溶性粘着混合剤が、最大約20重量%の親水コロイド、及び少なくとも約80重量%のタンパク質の固形成分含有量を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
親水コロイドが、ペクチン、ゼラチン、でんぷん、ゴム、アルギン酸、セルロース高分子、及びポリビニルアルコールから成る群から個別に選択される少なくとも一つの物質を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
タンパク質が、米タンパク質、トウモロコシタンパク質、卵タンパク質、乳タンパク質、大豆タンパク質、及び小麦タンパク質から成る群から個別に選択される少なくとも一つの物質を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
水溶性粘着混合剤が、約65重量%〜約95重量%の水、約4重量%〜約25重量%のタンパク質、約0重量%〜約2重量%の親水コロイドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
水溶性粘着混合剤が、タンパク質分解防止剤、膨張剤、カチオン、着色剤、香料添加剤、抗酸化物質、及び抗菌剤から成る群からそれぞれ個別に選択される1以上の添加剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
水溶性粘着混合剤が、最大約10重量%の量でタンパク質分解防止剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
水溶性粘着混合剤が、最大約10重量%の量でタンパク質分解防止剤をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
油の吸収抑制剤が、米粉、米でんぷん、ジャガイモ粉、小麦でんぷん、エンバク粉、エンバクでんぷん、トウモロコシ粉、トウモロコシでんぷん、及びタピオカでんぷんから成る群から個別に選択される1以上の物質を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
油の吸収抑制剤がα化された米粉を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
α化された米粉が、コーティングされた食品の約0.5重量%〜約5重量%の量で食品片にコーティングされる、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
油の吸収抑制剤が、コーティングされた食品の約0.5重量%〜約5重量%の量で食品片にコーティングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記付着工程(c)が、コーティングを食品片に付着させるのに十分な時間、コーティングされた食品片を硬化させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記硬化工程が、強制空気対流式オーブン、流動床乾燥機/オーブン、振動流動床乾燥機/オーブン、衝突加熱式乾燥機/オーブン、パルス流動床乾燥機/オーブン、回転式乾燥機/オーブン、回転ドラム式乾燥機/オーブン、回転スパイラルドラム式乾燥機/オーブン、棚型オーブン、静置乾燥機/オーブン、スパイラルロースター/乾燥機、マイクロウェーヴ乾燥機/オーブン、赤外線乾燥機/オーブン、超高温エアレス乾燥機、真空乾燥機及び真空ベルト乾燥機から成る群から個別に選択される1以上の乾燥機又はオーブンの中にコーティングされた食品片を定置することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
コーティングされた食品片が、続いて、電子レンジにかける、焼く、及び揚げるの中から個別に選択される少なくとも一つの方法によって調理される、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
コーティングされた食品片が、続いて、揚げることによって調理される、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
請求項24に記載の方法によって製造される食品。
【請求項27】
請求項25に記載の方法によって製造される食品。
【請求項28】
コーティングされた食品であって、
複数の食品片及びタンパク質及び食用の疎油性物質を含む油の吸収抑制剤を含む食品片に適用されるコーティングを含む食品であって、
コーティングなしの食品片に比べ、コーティングにより油で調理したときにコーティングされた食品によって吸収される脂肪を減少する食品。
【請求項29】
コーティングされた食品が未調理で冷凍されている、請求項28に記載のコーティングされた食品。
【請求項30】
コーティングされた食品が油で揚げられている、請求項28に記載のコーティングされた食品。
【請求項31】
揚げた、低脂肪の、コーティングされた食品であって、食品片の外側表面及び油吸収抑制剤の複数の粒子に付着する粘着性のコーティングを形成するタンパク質を含む水溶性粘着混合剤でコーティングされた外側表面を有する食品片、及び該食品片を熱い油に浸漬して揚げる場合に、油をはじく食用の疎油性物質を含む油の吸収抑制剤を含む食品。
【請求項32】
水溶性粘着混合剤が、約65重量%〜約95重量%の水、約4重量%〜約25重量%のタンパク質、約0重量%〜約2重量%の親水コロイド、及び約0重量%〜約10重量%のタンパク質分解防止剤を含む、請求項31に記載の揚げた、低脂肪の、コーティングされた食品。
【請求項33】
油の吸収を抑える薬剤がα化された米粉を含む、請求項32に記載の揚げた、低脂肪の、コーティングされた食品。
【請求項34】
揚げ物食品の製造方法であって、
(a)複数の食品片を提供する工程であって、食品片の各片が複数の食品表面を有する工程、
(b)約70重量%〜約95重量%の水、約0重量%〜約30重量%のタンパク質、約0重量%〜約5重量%のペクチン、及び約0.01重量%〜約1.0重量%のCaClを含む水性混合溶媒で複数の食品片をコーティングする工程、
(c)複数のコーティングされた食品片にα化された米粉をまぶす工程、及び
(d)コーティングされた食品片を熱い油に浸漬して揚げる工程、
を含む方法。
【請求項35】
複数の食品表面の一部を酵素水溶液にさらす工程をさらに含み、前記酵素水溶液は当該水溶液にさらされる表面上のでんぷんの量を減少するのに十分な量の活性酵素を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
複数の食品片をブランチングする工程をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
冷凍され、前処理された食品の製造方法であって、
(a)生の食品を外側表面を有する複数の食品片にカットする工程、
(b)複数の生の食品片の外側表面を活性酵素にさらすことによって複数の食品片を前処理する工程、
(c)複数の前処理された食品片をブランチングする工程、
(d)複数の前処理された食品片を親水コロイドタンパク質を含む水溶性粘着混合剤でコーティングする工程、
(e)コーティングされ、前処理された食品片の外側表面をα化米粉でまぶす工程、
(f)まぶされ、コーティングされ、前処理された前記食品片を部分的に乾燥する工程、及び
(g)乾燥され、まぶされ、コーティングされ、前処理された前記食品片を最終調理の前に保存用に冷凍する工程、
を含む方法。

【公開番号】特開2013−74896(P2013−74896A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−277083(P2012−277083)
【出願日】平成24年12月19日(2012.12.19)
【分割の表示】特願2008−534681(P2008−534681)の分割
【原出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【出願人】(503261362)
【氏名又は名称原語表記】ASHOURIAN,Jamshid
【Fターム(参考)】