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脂肪吸収抑制剤
説明

脂肪吸収抑制剤

【課題】安全性が高く、ダイエット効果に優れる脂肪吸収抑制剤を提供すること。
【解決手段】本発明の脂肪吸収抑制剤およびリパーゼ阻害剤は、黒ショウガ、赤ショウガ、ニッケイ、大麦若葉、黒ニンニク、阿仙薬、アジサイ、訶子、ザクロ、亜麻仁、桂花、九節茶、雪の下、ジャスミン茶、オレガノ、オリーブ葉、エバーラスティングフラワー、沙棘、カモミール、およびカレーリーフからなる群から選択される少なくとも1種の植物またはその抽出物を有効成分として含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、黒ショウガ、赤ショウガ、ニッケイ(樹皮、根、葉、または枝)、大麦若葉、黒ニンニク、阿仙薬、アジサイ、訶子、ザクロ、亜麻仁、桂花、九節茶、雪の下、ジャスミン茶、オレガノ、オリーブ葉、沙棘、およびカレーリーフからなる群より選択される少なくとも1種の植物またはその抽出物を有効成分として含有する、脂肪吸収抑制剤およびリパーゼ阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満は、運動不足や過食など生活習慣の乱れ、遺伝的素因、そして基礎代謝の低下が原因と考えられており、さらに近年では、脂肪細胞から分泌されるレプチンの食欲制御機能が肥満と密接に関与していることも明らかになっている。過度の肥満は、糖尿病や心血管症(動脈硬化、脳卒中)などの生活習慣病を引き起こす要因ともなり得ることから、早期に速やかに治療する必要がある。
【0003】
肥満の解消または治療策としては、(1)食欲を抑制すること、(2)栄養素(特に脂肪)の吸収を抑制すること、(3)熱産生を増加させること、(4)脂質やタンパクの代謝を改善すること、そして(5)中枢の体重制御機構を調節することが挙げられ、それぞれ広範な研究が成されている。このうち、(1)および(2)に分類される肥満治療薬のみが臨床適用されているが、副作用が多く、安全性が未だ確立されていないため、世界的にも長期使用できる薬物は少ない。日本では、現在のところ(1)に分類される食欲抑制剤マジンドール(mazindol)のみが承認されている。
【0004】
これに対し、治療薬以外に上記(2)の機能を発現するものが開発されている。例えば、食材中に上記(2)の機能を有する成分を含有させたものは、最近の肥満者の増加やダイエット志向の上昇に伴って注目されている。これは、治療薬のように処方箋を必要としないため、容易に入手でき、日常生活において摂取できるという利点を有する。ただし、副作用ができるだけ少ないことが求められる。
【0005】
上記(2)の機能を有する成分としては、健康食品などに最近多用されているカニの甲羅由来のキチン・キトサンや魚類の軟骨由来のコンドロイチン硫酸などが挙げられる。これらはいずれも、膵リパーゼ阻害活性を有するため、摂取された脂肪が酵素加水分解されず、結果として腸管からの脂肪吸収が抑制される。しかしながら、これらの成分は、その脂肪吸収抑制能は弱いために、日常の食生活において多量に摂取する必要があった。
【0006】
また、膵リパーゼ阻害活性を有する物質として、茶葉を半発酵させる過程でカテキン類が重合した烏龍茶重合ポリフェノールが知られており(特許文献1および非特許文献1)、このポリフェノールを多く含む烏龍茶は、脂肪の吸収を抑制することが知られている。
【0007】
さらに、リパーゼ阻害活性を有し、それによって脂肪の吸収を抑制する食品素材として、杜仲葉(特許文献2);ハクトウオウ、ミツモウカ、カイトウヒ、ハクシジンおよびトウガシ(特許文献3);ならびにタマネギ、タマネギ外皮、栗鬼皮、栗渋皮、ブドウ、干しブドウ、ブドウ果皮、カカオポット外皮、コーヒー、ソバ殻、黒米、黒豆、五味子、カシス、ブルーベリー、イチョウ葉、ギムネマシルベスタ、山椒の葉、柑橘類の果皮、水接骨丹、タラノキ、タチアオイ、蜂斗采、満山紅、大葉金花草、冬青葉、野梨枝葉、レイシ草、茴香茎葉、迎山紅、および白花映山紅(特許文献4)などが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2005/077384号
【特許文献2】特開2005−289951号公報
【特許文献3】特開2006−169181号公報
【特許文献4】特開2008−74735号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】M. Nakaiら、J. Agric. Food Chem.,2005年,第53巻,p.4593-4598
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、比較的少量の摂取で膵リパーゼの働きを抑制し、脂肪吸収抑制作用を発現し得る植物由来で安全な脂肪吸収抑制剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、少量の摂取で膵リパーゼの働きを抑制し、脂肪吸収抑制作用を発現し得る植物由来で安全な脂肪吸収抑制剤について研究を重ねた結果、黒ショウガ、赤ショウガ、ニッケイ、大麦若葉、黒ニンニク、阿仙薬、アジサイ、訶子、ザクロ、亜麻仁、桂花、九節茶、雪の下、ジャスミン茶、オレガノ、オリーブ葉、沙棘、およびカレーリーフから抽出した抽出物が、インビトロ試験において優れた膵リパーゼ阻害作用を示すという知見を得た。この知見に基づいて、オリーブ油を投与したマウスにおけるインビボ試験で、これらの抽出物の脂肪吸収抑制作用について試験した結果、脂肪吸収抑制作用を発現することが判明し、本発明を完成した。
【0012】
本発明は、黒ショウガ、赤ショウガ、ニッケイ、大麦若葉、黒ニンニク、阿仙薬、アジサイ、訶子、ザクロ、亜麻仁、桂花、九節茶、雪の下、ジャスミン茶、オレガノ、オリーブ葉、沙棘、およびカレーリーフからなる群より選択される少なくとも1種の植物またはその抽出物を有効成分として含有する、脂肪吸収抑制剤を提供する。
【0013】
本発明はまた、黒ショウガ、赤ショウガ、ニッケイ、大麦若葉、黒ニンニク、阿仙薬、アジサイ、訶子、ザクロ、亜麻仁、桂花、九節茶、雪の下、ジャスミン茶、オレガノ、オリーブ葉、沙棘、およびカレーリーフからなる群より選択される少なくとも1種の植物またはその抽出物を有効成分として含有する、リパーゼ阻害剤を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、比較的少量の摂取で膵リパーゼの働きを抑制して、脂肪吸収抑制作用を発現し得る、植物由来で安全な脂肪吸収抑制剤およびリパーゼ阻害剤が提供される。本発明の脂肪吸収抑制剤およびリパーゼ阻害剤は大量に摂取する必要がないため、例えば、食品本来の味を損なわない範囲で食品に添加することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(原料植物および抽出物)
本発明の脂肪吸収抑制剤およびリパーゼ阻害剤は、黒ショウガ、赤ショウガ、ニッケイ、大麦若葉、黒ニンニク、阿仙薬、アジサイ、訶子、ザクロ、亜麻仁、桂花、九節茶、雪の下、ジャスミン茶、オレガノ、オリーブ葉、沙棘、およびカレーリーフからなる群より選択される少なくとも1種の植物またはその抽出物を含有する。
【0016】
本発明の脂肪吸収抑制剤およびリパーゼ阻害剤には、上記植物、その加工物(乾燥物、破断物、細断物、またはこれらを粉末化した乾燥粉末、乾燥物を粉砕後成形したものなど)、またはこれらの抽出物が用いられ得る。本明細書において、単に植物という場合は、植物の加工物(乾燥物、破断物、細断物、またはこれらを粉末化した乾燥粉末、乾燥物を粉砕後成形したものなど)も包含する。本明細書において、抽出物とは、上記植物またはその加工物を溶媒で抽出して得られる抽出液、その希釈液または濃縮液、あるいはそれらの乾燥物を意味する。食品または医薬品として使用する点などを考慮すると、抽出物を用いることが好ましい。
【0017】
上記植物の抽出物は、植物またはその加工物を溶媒で抽出することによって得られる。抽出に使用される溶媒としては、エタノール、メタノールなどの低級アルコール、酢酸エチル、酢酸メチルなどの低級エステル、アセトン、およびこれらと水との混合物が挙げられる。中でも、ヒトが摂取するものであることから、エタノール単独または水との混合物(いわゆる含水エタノール)を使用するのが好ましい。特に30%(v/v)以上の濃度でエタノールを含むエタノール/水混合物を使用するのがより好ましい。
【0018】
抽出は、例えば、後述する実施例では、赤ショウガ、黒ショウガまたはニッケイ(樹皮、根、葉、または枝)からの抽出において、アセトン/水混合物(70:30,v/v)を使用しているが、これに代えて、30%(v/v)以上のエタノール/水混合物を用いることも当然可能である。実際に、30%(v/v)またはそれ以上の濃度でエタノールを含むエタノール/水混合物による抽出物を用いたインビトロおよびインビボ試験において、アセトン/水混合物(70:30,v/v)抽出物と同様の優れた脂肪吸収抑制効果および膵リパーゼ阻害活性を示すことを確認している。具体的には、赤ショウガまたは黒ショウガの根茎あるいはニッケイ(樹皮、根、葉、または枝)に対して、その質量の5〜20倍質量の溶媒を加え、室温または加熱下で1〜3時間抽出するのが好ましい。これは、大麦若葉、黒ニンニク、阿仙薬、アジサイ、訶子、ザクロ、亜麻仁、桂花、九節茶、雪の下、ジャスミン茶、オレガノ、オリーブ葉、沙棘、およびカレーリーフに関しても同様である。
【0019】
抽出方法に特に制限はないが、使用における安全性および利便性の観点から、できるだけ緩やかな条件で行うことが好ましい。例えば、原料植物部位またはその乾燥物を粉砕、破砕または細断し、これに5〜20倍質量の溶媒を加え、0℃〜溶媒の還流温度の範囲で30分〜数週間、例えば加熱下では30分〜48時間、静置、振盪、撹拌あるいは還流などの任意の条件下にて抽出を行う。抽出後、濾過、遠心分離などの分離操作を行い、不溶物を除去して、必要に応じて希釈、濃縮操作を行うことにより、抽出液を得る。さらに必要に応じて、不溶物についても同じ操作を繰り返してさらに抽出し、その抽出液を合わせて用いてもよい。
【0020】
この抽出液は、そのままあるいは濃縮して、液状物、濃縮物、ペースト状で、あるいは、さらにこれらを乾燥した乾燥物の形状で用いられる。乾燥は、噴霧乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、流動乾燥などの当業者が通常用いる方法により行われる。抽出物は、当業者が通常用いる精製方法によりさらに精製してもよい。
【0021】
本発明で用いる赤ショウガは、ショウガ科植物Zingiber officinale var. Rubraの生根茎または乾燥根茎である。赤ショウガは、インドネシアやインドで栽培されている品種で、ショウガ特有の精油成分の他に、アントシアニンなどの色素系ポリフェノールなどを含有している。インドネシアでは野菜として出回っており、スパイスやシロップの材料として用いられるほか、民間療法的にリウマチ、骨粗しょう症、喘息などにも用いられる。赤ショウガからの抽出物は、水または適切な有機溶媒、あるいはこれらを組み合わせた溶液で抽出後、濃縮して得られるものである。
【0022】
本発明で用いる黒ショウガは、ショウガ科植物Kaempferia parvifloraの生根茎または乾燥根茎である。黒ショウガから得られる抽出物も使用され得る。
【0023】
本発明で用いるニッケイは、クスノキ科植物Cinnamomum okinawense(またはCinnamomum sieboldii)の樹皮、根、葉、または枝である。ニッケイは和桂皮とも呼ばれ、桂皮(Cinnamomum cassia)と同様に、菓子用あるいは料理用香辛料として使用される以外に、精油の一種であるケイヒ油を含有することから、口中清涼剤や健胃剤にも用いられている。ニッケイから得られる抽出物も使用され得る。
【0024】
本発明で用いる大麦若葉は、イネ科植物オオムギHordeum vulgareの若葉である。大麦若葉から得られる抽出物も使用され得る。
【0025】
本発明で用いる黒ニンニクは、ネギ科(クロンキスト体系による分類法ではユリ科)植物ニンニクAllium sativumの鱗茎(球根)を発酵・熟成させて鱗茎(球根)が黒色になったものである。黒ニンニクは、生ニンニクに本来存在していなかったS−アリルシステイン、S−アリルメルカプトシステインなどの新しい成分を含むことが知られている。黒ニンニクから得られる抽出物も使用され得る。
【0026】
本発明で用いる阿仙薬(アセンヤク)は、アカネ科植物Uncaria gambirの葉および若枝である。阿仙薬から得られる抽出物も使用され得る。
【0027】
本発明で用いるアジサイは、アジサイ科植物Hydrangea macrophyllaの葉である。アジサイから得られる抽出物も使用され得る。
【0028】
本発明で用いる訶子(カシ)は、シクンシ科植物ミロバランTerminalia cheburaの成熟果実である。訶子から得られる抽出物も使用され得る。
【0029】
本発明で用いるザクロは、ザクロ科植物Punica granatumの果実、幹皮、枝皮または根皮である。ザクロから得られる抽出物も使用され得る。
【0030】
本発明で用いる亜麻仁は、アマ科植物アマLinum usitatissimumの種子である。亜麻仁油は、成熟したアマの種子から得られる、黄色っぽい乾性油であり、アマの種子(亜麻仁)を圧搾して、またはこれをつぶして溶媒で抽出することにより得られる。本発明では、亜麻仁から得られる抽出物も使用され得る。
【0031】
本発明で用いる桂花は、モクセイ科植物キンモクセイOsmanthus fragransの花である。桂花から得られる抽出物も使用され得る。
【0032】
本発明で用いる九節茶は、センリョウ科植物センリョウSarcandra glabraの茎葉である。九節茶から得られる抽出物も使用され得る。
【0033】
本発明で用いる雪の下は、ユキノシタ科植物Saxifraga stoloniferaの葉である。雪の下から得られる抽出物も使用され得る。
【0034】
本発明で用いるジャスミン茶は、モクセイ科植物Jasminum sambacの花から製造した茶である。ジャスミン茶から得られる抽出物も使用され得る。
【0035】
本発明で用いるオレガノは、シソ科植物Origanum vulgareの葉である。オレガノから得られる抽出物も使用され得る。
【0036】
本発明で用いるオリーブ葉は、モクセイ科植物Olea europeaの葉である。オリーブ葉から得られる抽出物も使用され得る。
【0037】
本発明で用いる沙棘(サジー)は、グミ科植物Hippophae rhamnoidesの果実である。沙棘から得られる抽出物も使用され得る。
【0038】
本発明で用いるカレーリーフは、ミカン科植物オオバゲッキツMurraya koenigiiの葉である。カレーリーフから得られる抽出物も使用され得る。
【0039】
本発明で使用される赤ショウガ、黒ショウガ、ニッケイ、大麦若葉、黒ニンニク、阿仙薬、アジサイ、訶子、ザクロ、亜麻仁、桂花、九節茶、雪の下、ジャスミン茶、オレガノ、オリーブ葉、沙棘、またはカレーリーフからの抽出物は、上記の手順により得られる水または溶媒抽出物および超臨界二酸化炭素抽出物、得られたこれらの抽出物を当該分野において公知の減圧乾固または噴霧乾燥(スプレードライ)などの方法で溶媒を除去して得られる固形分、およびさらにこれらを精製して得られる画分をも包含する。
【0040】
本発明において好ましい精製手順および条件については、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、逆相ODSカラムクロマトグラフィーおよび分取HPLCなどを組み合わせ、好適な条件下において、溶離剤(例えば、水、またはヘキサン、酢酸エチル、クロロホルム、メタノールおよびn−ブタノールなどの各種有機溶媒、またはこれらの混合物)を用いて行われるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0041】
上記赤ショウガ、黒ショウガ、ニッケイ、大麦若葉、黒ニンニク、阿仙薬、アジサイ、訶子、ザクロ、亜麻仁、桂花、九節茶、雪の下、ジャスミン茶、オレガノ、オリーブ葉、沙棘、またはカレーリーフからの抽出物をさらに精製することによって得られる画分には、好ましくはポリフェノール類が含有されている。
【0042】
(脂肪吸収抑制剤およびリパーゼ阻害剤)
本発明の脂肪吸収抑制剤およびリパーゼ阻害剤は、赤ショウガ、黒ショウガ、ニッケイ、大麦若葉、黒ニンニク、阿仙薬、アジサイ、訶子、ザクロ、亜麻仁、桂花、九節茶、雪の下、ジャスミン茶、オレガノ、オリーブ葉、沙棘、またはカレーリーフからなる群より選択される少なくとも1種の植物またはその抽出物を有効成分として含み、特に好ましくはポリフェノールを含有する抽出物を含有する。本発明の脂肪吸収抑制剤およびリパーゼ阻害剤は、食事前または食事時に摂取することで、摂取された脂肪が膵リパーゼによる酵素加水分解作用を受け難くし、その結果腸管からの吸収脂肪量を減少させ得る。そのため、脂肪分の多い食事を摂取しても、脂肪分の体内への吸収を抑制できる。
【0043】
本発明の脂肪吸収抑制剤またはリパーゼ阻害剤は、食品、医薬品などとして利用される。食品、医薬品などの形状は、目的に応じて適宜設定される。例えば、当業者が通常用いる添加剤(例えば、デキストリン、デンプン、糖類、リン酸カルシウムなどの賦形剤、香料、香油など)を用いて、錠剤、顆粒剤などの形状に成形してもよく、あるいは、水、飲料などに溶解して、液剤としてもよい。好ましくは、カプセル剤、顆粒剤、錠剤または飲料の形態である。
【0044】
カプセル剤の製造方法としては、内容物として上記植物または抽出物を用いること以外は、従来公知のソフトカプセルの製造方法に従えばよい。そのような製造法としては、カプセル皮膜シートを用いて、ロータリー式充填機で内容物を封入し、カプセル製剤を成型する方法、または滴下法によりシームレスカプセルを製造する方法などが挙げられる。
【0045】
また、顆粒剤については、公知の各種湿式、乾式などの造粒法が適用でき、適切な結合剤および賦形剤とともに成形する。錠剤については、上記植物または抽出物を含有する顆粒あるいは抽出物そのものに、適切な結合剤、賦形剤、崩壊剤および必要に応じて滑沢剤を添加し、公知の打錠法により調製することができる。さらに、飲料については、適切な糖、酸、香料などを添加して香味を調整し、公知の製法により調製することができる。
【0046】
本発明の脂肪吸収抑制剤またはリパーゼ阻害剤の摂取は、食事前または食事中に行うのが好ましい。本発明の脂肪吸収抑制剤またはリパーゼ阻害剤は、例えば、赤ショウガ、黒ショウガ、ニッケイ、大麦若葉、黒ニンニク、阿仙薬、アジサイ、訶子、ザクロ、亜麻仁、桂花、九節茶、雪の下、ジャスミン茶、オレガノ、オリーブ葉、沙棘、またはカレーリーフからの水および/または溶媒抽出物を使用する場合は、通常、成人1回当たり100〜500mgを、1日3回食事時に摂取することが好ましい。また、抽出物として、上記水および/または溶媒抽出物からの精製画分を使用する場合は、通常、成人1回当たり20〜100mgを、1日3回食事時に摂取することが好ましい。摂取量は、年齢や脂肪分の摂取量などに依存して適宜増減され得る。
【0047】
本発明の脂肪吸収抑制剤またはリパーゼ阻害剤が食品として提供される場合、このような食品中の植物または抽出物の添加量は、対象食品の種類に応じ、食品本来の味を損なわない範囲で添加すればよい。通常、対象食品に対し、0.1〜10質量%の範囲内で添加され得る。
【実施例】
【0048】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0049】
(実施例1:種々の植物からの抽出物の調製)
乾燥させた赤ショウガ、黒ショウガ、ニッケイ(樹皮、根、葉、および枝)、大麦若葉、黒ニンニク、阿仙薬、アジサイ、訶子、ザクロ、亜麻仁、桂花、九節茶、雪の下、ジャスミン茶、オレガノ、オリーブ葉、沙棘、およびカレーリーフをそれぞれ粉砕機で粉砕して粉末を得た。それぞれの粉末100gに1000mLの70%(v/v)アセトン水溶液を加えて1週間室温にて静置して抽出を行った。ろ紙で濾過後、濾液を集め、減圧濃縮および乾燥させて、70%(v/v)アセトン抽出物を得た。得られた抽出物の収率は、赤ショウガ、黒ショウガ、およびニッケイ(樹皮)は、それぞれ9.3%、9.6%、および15.2%であった。
【0050】
(実施例2:種々の植物の抽出物の膵リパーゼ阻害試験)
リパーゼ阻害試験は、ブタ膵臓由来リパーゼ(シグマ社製)およびリパーゼキットS(大日本製薬製)を用いて行った。まず、上記実施例1で得た赤ショウガ、黒ショウガ、ニッケイ(樹皮、根、葉、または枝)、大麦若葉、黒ニンニク、阿仙薬、アジサイ、訶子、ザクロ、亜麻仁、桂花、九節茶、雪の下、ジャスミン茶、オレガノ、オリーブ葉、沙棘、およびカレーリーフ抽出物について、ジメチルスルホキシドで終濃度の20倍濃度の希釈系列をそれぞれ調製した。各抽出物について、試験管に発色液(390μL)、希釈系列(各25μL)、キット付属の緩衝液で40μg/mLに調製したリパーゼ液(25μL)およびエステラーゼ阻害剤(10μL)を加え、これをそれぞれ30℃で30分間反応させた。反応停止液(1mL)を加えた後、405nmにおける吸光度を測定し、以下の式から酵素阻害率を算出した。
【0051】
【数1】

【0052】
上記式中、O.D.sampleは各種濃度の抽出物の酵素処理後の吸光度を、O.D.sample blankは各種濃度の抽出物の酵素未添加時の吸光度を、O.D.controlは抽出物未添加でかつ酵素処理時の吸光度を、さらにO.D.cotrol blankは抽出物も酵素も未添加時の吸光度をそれぞれ表す。各種抽出物の50%膵リパーゼ活性阻害濃度(IC50)を、表1に示す。また、ポジティブコントロールとして、市販の烏龍茶飲料を約300倍濃縮した濃縮物についても同様に評価した。
【0053】
【表1】

【0054】
表1からわかるように、赤ショウガ、黒ショウガ、ニッケイ(樹皮、根、葉、または枝)、大麦若葉、黒ニンニク、阿仙薬、アジサイ、訶子、ザクロ、亜麻仁、桂花、九節茶、雪の下、ジャスミン茶、オレガノ、オリーブ葉、沙棘、およびカレーリーフ抽出物には、膵リパーゼ阻害作用が認められた。
【0055】
(実施例3:赤ショウガ、黒ショウガおよびニッケイ(樹皮)抽出物の脂肪吸収抑制作用の確認)
上記実施例1で得られた赤ショウガ、黒ショウガおよびニッケイ(樹皮)抽出物について、脂肪吸収抑制作用を、オリーブ油負荷マウスへの経口投与による血清中トリグリセライド濃度の変化を測定することにより評価した。赤ショウガ、黒ショウガおよびニッケイ抽出物を、5%(w/v)アラビアゴム水溶液に懸濁して、各抽出物の水懸濁液を調製した。20〜24時間絶食したddY系雄性マウスに、水懸濁液を体重1kgあたり10mLの割合でそれぞれ経口投与し、ただちにオリーブ油を体重1kgあたり5mLの割合で経口投与し、その2、4および6時間後に眼窩静脈より採血を行って血清中トリグリセライド濃度を測定した。赤ショウガ、黒ショウガおよびニッケイ抽出物(投与量:250または500mg/kg)についての経口投与の結果を合わせて表2に示す。また、ポジティブコントロールとして、市販の烏龍茶飲料を約300倍濃縮した濃縮物についても同様に評価した。
【0056】
【表2】

【0057】
表2からわかるように、赤ショウガ、黒ショウガ、およびニッケイ(樹皮)抽出物は、脂肪吸収抑制作用があるとされる市販の烏龍茶飲料の濃縮物よりも、血中トリグリセライドの上昇を強く抑制していた。このことから、これらの抽出物は、膵リパーゼの働きを抑制して脂肪吸収抑制作用を発現することがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明によれば、強い膵リパーゼ阻害活性を有する植物(赤ショウガ、黒ショウガ、ニッケイ(樹皮、根、葉、または枝)、大麦若葉、黒ニンニク、阿仙薬、アジサイ、訶子、ザクロ、亜麻仁、桂花、九節茶、雪の下、ジャスミン茶、オレガノ、オリーブ葉、沙棘、およびカレーリーフ)またはその抽出物を含む食品または医薬品が提供される。
【0059】
本発明の脂肪吸収抑制剤およびリパーゼ阻害剤は、食事前または食事時に摂取することで、摂取された脂肪が膵リパーゼによる酵素加水分解作用を受け難くし、その結果腸管からの吸収脂肪量を減少させ得る。そのため、脂肪分の多い食事を摂取しても、脂肪分の体内への吸収を抑制できるため、肥満、動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病などの生活習慣病の予防や治療に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒ショウガ、赤ショウガ、ニッケイ、大麦若葉、黒ニンニク、阿仙薬、アジサイ、訶子、ザクロ、亜麻仁、桂花、九節茶、雪の下、ジャスミン茶、オレガノ、オリーブ葉、沙棘、およびカレーリーフからなる群より選択される少なくとも1種の植物またはその抽出物を有効成分として含有する、脂肪吸収抑制剤。
【請求項2】
黒ショウガ、赤ショウガ、ニッケイ、大麦若葉、黒ニンニク、阿仙薬、アジサイ、訶子、ザクロ、亜麻仁、桂花、九節茶、雪の下、ジャスミン茶、オレガノ、オリーブ葉、沙棘、およびカレーリーフからなる群より選択される少なくとも1種の植物またはその抽出物を有効成分として含有する、リパーゼ阻害剤。

【公開番号】特開2010−209051(P2010−209051A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60199(P2009−60199)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000191755)森下仁丹株式会社 (30)
【Fターム(参考)】