説明

脂肪族アミン配位セリウム錯体及び該錯体を含む素子

【課題】発光ピークが可視光領域に位置し、可視光領域において発光するセリウム錯体の提供。
【解決手段】下記式(1)、(2)等で表される配位子を有するセリウム錯体。




(式中、Rは、水素原子又は置換基を有していてもよいヒドロカルビル基。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪族アミン配位セリウム錯体及び該錯体を含む素子に関する。
【背景技術】
【0002】
環状エーテルを有するセリウム錯体は、有機エレクトロルミネッセンス素子等の発光素子の作製に用いられる発光材料として有用であることが知られている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】T.Yu et al.Solid−State Electronics.51,894−899(2007).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のセリウム錯体では、最大の発光スペクトル(発光ピーク)が紫外光領域に位置し、ディスプレイ用途及び照明用途での利用が困難であるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、発光ピークが可視光領域に位置し、可視光領域において発光するセリウム錯体を提供し、更にこの錯体を用いて可視光領域において発光する素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意検討した結果、下記の構成を有する新規なセリウム錯体により上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は下記の[1]から[6]を提供する。
[1] 下記式(1)〜(3)で表されるいずれかの配位子を有するセリウム錯体。
【化1】

(式中、
、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいヒドロカルビル基を表す。
及びBは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいヒドロカーボンジイル基を表す。
aは1以上の整数である。aが2以上であるとき、複数個のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のBはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。)
【化2】

(式中、
、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいヒドロカルビル基を表す。
、B及びBは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいヒドロカーボンジイル基を表す。
b及びcは、それぞれ独立に、1以上の整数である。bが2以上であるとき、複数個のBはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のBはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のcはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。bが1であり、かつ、cが2以上であるとき、複数個のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のBはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。)
【化3】

(式中、
12、R13、R14、R15、R16及びR17は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいヒドロカルビル基を表す。
、B、B、B、B10、B11、C、C及びCは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいヒドロカーボンジイル基を表す。
d、e及びfは、それぞれ独立に1以上の整数である。dが2以上であるとき、複数個のR12はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のBはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のCはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。eが2以上であるとき、複数個のR13はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のBはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のCはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。fが2以上であるとき、複数個のR14はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のBはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のCはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。)
[2] 前記B、B、B、B、B、B、B、B、B、B10及びB11が、置換基を有していてもよいエチレン基である上記[1]に記載のセリウム錯体。
[3] 上記[1]又は[2]に記載のセリウム錯体と、電荷輸送材料とを含む組成物。
[4] 上記[1]又は[2]に記載のセリウム錯体を含む素子。
[5] 上記[3]に記載の組成物を含む素子。
[6] 前記素子が発光素子である、上記[4]又は[5]に記載の素子。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、発光ピークが可視光領域に位置し、可視光領域において発光するセリウム錯体を提供することができ、更に、この錯体を用いて可視光領域において発光する素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、アセトニトリル中での、本発明のセリウム錯体(D−5)の発光スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、説明する。
【0010】
本明細書において、「置換基を有していてもよい」とは、その直後に記載された化合物又は基を構成する水素原子が無置換の場合及び水素原子の一部又は全部が置換基によって置換されている場合の双方を含む。よって、本明細書において、「置換基を有していてもよいヒドロカルビル基」とは、無置換のヒドロカルビル基、並びにヒドロカルビル基を構成する水素原子の一部又は全部が置換基によって置換されているヒドロカルビル基の双方を表す。同様に、「置換基を有していてもよいヒドロカーボンジイル基」は、無置換のヒドロカーボンジイル基、並びにヒドロカーボンジイル基を構成する水素原子の一部又は全部が置換基によって置換されているヒドロカーボンジイル基を表す。
【0011】
本明細書において、「置換基」とは、特に説明がない場合、以下の意味で用いられる。
置換基としては、例えば、ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、ヒドロカルビルチオ基、ヘテロシクリル基、ハロゲン原子、シアノ基、シリル基、置換シリル基、ホスフィノ基、置換ホスフィノ基、アミノ基、置換アミノ基、水酸基、及びメルカプト基が挙げられ、好ましくは、ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、又はヒドロカルビルチオ基であり、より好ましくは、ヒドロカルビル基である。
【0012】
上記置換基が、炭素原子を含み、かつ、芳香環を含まない基である場合には、置換基の炭素原子数は、通常、1〜30であり、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜10である。
【0013】
上記置換基が、炭素原子を含み、かつ、芳香環を含む基である場合には、置換基の炭素原子数は、通常、2〜36であり、好ましくは3〜26であり、より好ましくは6〜16である。
【0014】
置換基として用いられるヒドロカルビル基としては、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ノルボルニル基、ベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、オレイル基、エイコサペンタエニル基、ドコサヘキサエニル基、2,2−ジフェニルビニル基、1,2,2−トリフェニルビニル基、2−フェニル−2−プロペニル基、フェニル基、2−トリル基、4−トリル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、3,4−ジフェニルフェニル基、ペンタフェニルフェニル基、4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル基、4−(1,2,2−トリフェニルビニル)フェニル基、フルオレニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基、2−アントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、及びコロニル基が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、又は2−アダマンチル基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、又は3,7−ジメチルオクチル基である。
【0015】
置換基として用いられるヒドロカルビルオキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−プロピルオキシ基、2−プロピルオキシ基、1−ブチルオキシ基、2−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、1−アダマンチルオキシ基、2−アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ベンジルオキシ基、α,α−ジメチルベンジロキシ基、2−フェネチルオキシ基、1−フェネチルオキシ基、フェノキシ基、オクチルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、及び2−ナフチルオキシ基が挙げられ、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、1−プロピルオキシ基、2−プロピルオキシ基、1−ブチルオキシ基、2−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、又は3,7−ジメチルオクチルオキシ基であり、より好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、又は1−プロピルオキシ基である。
【0016】
置換基として用いられるヒドロカルビルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、1−プロピルチオ基、2−プロピルチオ基、1−ブチルチオ基、2−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、シクロプロピルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、1−アダマンチルチオ基、2−アダマンチルチオ基、ノルボルニルチオ基、ベンジルチオ基、α,α−ジメチルベンジルチオ基、2−フェネチルチオ基、1−フェネチルチオ基、フェニルチオ基、メトキシフェニルチオ基、オクチルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、及び2−ナフチルチオ基が挙げられ、好ましくは、メチルチオ基、エチルチオ基、1−プロピルチオ基、2−プロピルチオ基、1−ブチルチオ基、2−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、又は3,7−ジメチルオクチルチオ基であり、より好ましくは、メチルチオ基、エチルチオ基、又は1−プロピルチオ基である。
【0017】
置換基として用いられるヘテロシクリル基としては、例えば、モルホリニル基、アクリジニル基、キヌクリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ピペラジル基、ピペリジル基、ベンゾフリル基、フリル基、ベンゾチエニル基、チエニル基、ベンゾピロリル基、ピロリル基、キノリル基、及びピリジル基が挙げられ、好ましくは、モルホリニル基、アクリジニル基、キヌクリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ピペラジル基、又はピペリジル基である。
なお、ヘテロシクリル基とは、複素環式化合物の環を構成する炭素原子または窒素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。
【0018】
置換基として用いられるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくは、フッ素原子、又は塩素原子である。
【0019】
置換基として用いられる置換シリル基は、シリル基における水素原子の1〜3個が、アルキル基、アリール基及びアリールアルキル基からなる群から選ばれる1〜3個のヒドロカルビル基で置換されているシリル基である。なお、置換シリル基において、1〜3個のヒドロカルビル基の炭素原子数の合計は、置換シリル基が全体として上述の炭素原子数の条件を満たすように決定してよい。
置換シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、及びジメチルフェニルシリル基が挙げられ、好ましくは、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、又はトリプロピルシリル基である。
【0020】
置換基として用いられる、置換ホスフィノ基は、ホスフィノ基における水素原子の1個又は2個が、アルキル基、アリール基及びアリールアルキル基からなる群から選ばれる1個又は2個のヒドロカルビル基で置換されているホスフィノ基である。なお、置換ホスフィノ基において、1個又は2個のヒドロカルビル基の炭素原子数の合計は、置換ホスフィノ基が全体として上述の炭素原子数の条件を満たすように決定してよい。
置換ホスフィノ基としては、例えば、フェニルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルホスフィノ基、ジメチルホスフィノ基、エチルホスフィノ基、ジエチルホスフィノ基、プロピルホスフィノ基、ジプロピルホスフィノ基、ブチルホスフィノ基、及びジブチルホスフィノ基が挙げられ、好ましくは、ジフェニルホスフィノ基、ジメチルホスフィノ基、ジエチルホスフィノ基、ジプロピルホスフィノ基、又はジブチルホスフィノ基である。
【0021】
置換基として用いられる、置換アミノ基は、アミノ基における水素原子の1個又は2個が、アルキル基、アリール基及びアリールアルキル基からなる群から選ばれる1個又は2個のヒドロカルビル基で置換されているアミノ基である。なお、置換アミノ基において、1個又は2個のヒドロカルビル基の炭素原子数の合計は、置換アミノ基が全体として上述の炭素原子数の条件を満たすように決定してよい。
置換アミノ基としては、例えば、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、及びジブチルアミノ基が挙げられ、好ましくは、ジフェニルアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、又はジブチルアミノ基である。
【0022】
<セリウム錯体>
本発明のセリウム錯体における、セリウムイオンは、通常、3価又は4価のイオンであり、発光強度が優れるので、3価のイオンであることが好ましい。
【0023】
一実施形態では、本発明のセリウム錯体は前記式(1)で表される配位子を含む。
【0024】
aは、発光強度が優れるので、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜5の整数であり、更に好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1である。
【0025】
、R、R、R及びRで表されるヒドロカルビル基の炭素原子数は、通常、1〜30であり、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜10である。該炭素原子数には置換基の炭素原子数は含まれない。該ヒドロカルビル基としては、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、1−アダマンチル基、及び2−アダマンチル基が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、又は2−アダマンチル基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、又はオクチル基である。
【0026】
発光強度が優れるので、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、又は置換基を有していてもよいエチル基であることが好ましく、R、R、R、R及びRは何れも水素原子であるか、又は何れも置換基を有していてもよいメチル基であることがより好ましい。
【0027】
及びBで表されるヒドロカーボンジイル基(「ヒドロカルビレン基」ともいわれる。)の炭素原子数は、通常、1〜20であり、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜5である。該炭素原子数には置換基の炭素原子数は含まれない。該ヒドロカーボンジイル基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、オクチレン基、メチルエチレン基、メチルプロピレン基、エチルエチレン基、エチルプロピレン基、メチルブチレン基、エチルヘキシレン基、ジメチルオクチレン基、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、及びアダマンタンジイル基が挙げられ、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、又はエチルエチレン基であり、より好ましくは、メチレン基、エチレン基、又はプロピレン基であり、更に好ましくは、エチレン基である。
【0028】
とBはそれぞれ独立であるが、BとBは同じ構造であることが好ましい。発光強度が優れるので、BとBは何れも置換基を有していてもよいエチレン基であることがより好ましい。
【0029】
一実施形態では、本発明のセリウム錯体は前記式(2)で表される配位子を含む。
【0030】
bは、発光強度が優れるので、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜5の整数であり、更に好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1である。
cは、発光強度が優れるので、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜5の整数であり、更に好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1である。
【0031】
bとcの組み合わせとしては、bとcが1であることが好ましい。
【0032】
、R、R、R、R10及びR11で表されるヒドロカルビル基の例及び好ましい例は、Rで上述したヒドロカルビル基と同じである。
【0033】
、R、R、R、R10及びR11はそれぞれ独立であるが、R、R、R、R、R10及びR11は同じ構造であることが好ましい。発光強度が優れるので、R、R、R、R、R10及びR11は何れも水素原子であるか、又は何れも置換基を有していてもよいメチル基であることがより好ましい。
【0034】
、B及びBで表されるヒドロカーボンジイル基の例及び好ましい例は、Bで上述したヒドロカーボンジイル基と同じである。
【0035】
、B及びBはそれぞれ独立であるが、B、B及びBは同じ構造であることが好ましい。発光強度が優れるので、B、B及びBは何れも置換基を有していてもよいエチレン基であることがより好ましい。
【0036】
一実施形態では、本発明のセリウム錯体は前記式(3)で表される配位子を含む。
【0037】
dは、発光強度が優れるので、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜5の整数であり、更に好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1である。
eは、発光強度が優れるので、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜5の整数であり、更に好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1である。
fは、発光強度が優れるので、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜5の整数であり、更に好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1である。
【0038】
d、e、及びfの組み合わせとしては、d、e、及びfのいずれもが1であることが好ましい。
【0039】
12、R13、R14、R15、R16及びR17で表されるヒドロカルビル基の例及び好ましい例は、Rで上述したヒドロカルビル基と同じである。
【0040】
12、R13、R14、R15、R16及びR17はそれぞれ独立であるが、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は同じ構造であることが好ましい。発光強度が優れるので、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は何れも水素原子であるか、又は何れも置換基を有していてもよいメチル基であることがより好ましい。
【0041】
、B、B、B、B10及びB11で表されるヒドロカーボンジイル基の例及び好ましい例は、Bで上述したヒドロカーボンジイル基と同じである。
【0042】
、B、B、B、B10及びB11はそれぞれ独立であるが、B、B、B、B、B10及びB11は同じ構造であることが好ましい。発光強度が優れるので、B、B、B、B、B10及びB11は何れも置換基を有していてもよいエチレン基であることがより好ましい。
【0043】
、C及びCで表されるヒドロカーボンジイル基の炭素原子数は、通常、1〜20であり、発光強度が優れるので、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜5である。該炭素原子数には置換基の炭素原子数は含まれない。該ヒドロカーボンジイル基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、オクチレン基、メチルエチレン基、メチルプロピレン基、エチルエチレン基、エチルプロピレン基、メチルブチレン基、エチルヘキシレン基、ジメチルオクチレン基、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基、及びアダマンタンジイル基が挙げられ、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、オクチレン基、メチルエチレン基、メチルプロピレン基、エチルエチレン基、エチルプロピレン基、メチルブチレン基、エチルヘキシレン基、ジメチルオクチレン基、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、又はアダマンタンジイル基であり、より好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、又はエチルエチレン基であり、より好ましくは、メチレン基、エチレン基、又はプロピレン基であり、更に好ましくは、エチレン基である。
【0044】
上記式(1)で表される配位子としては、例えば、下記式(A−1)〜(A−11)で表される配位子が挙げられ、発光強度が優れるので、好ましくは下記式(A−4)〜(A−11)で表される配位子であり、より好ましくは下記式(A−4)〜(A−7)で表される配位子である。
【0045】
【化4】

【0046】
上記式(2)で表される配位子としては、例えば、下記式(B−1)〜(B−8)で表される配位子が挙げられ、発光強度が優れるので、好ましくは下記式(B−6)〜(B−8)で表される配位子であり、より好ましくは下記式(B−6)又は(B−7)で表される配位子である。
【0047】
【化5】

【0048】
上記式(3)で表される配位子としては、例えば、下記式(C−1)〜(C−3)で表される配位子が挙げられ、発光強度が優れるので、好ましくは下記式(C−2)又は(C−3)で表される配位子である。
【0049】
【化6】

【0050】
本発明のセリウム錯体は、セリウムイオンと、上記式(1)〜(3)で表されるいずれかの配位子とを有する錯体である。なお、上記式(1)〜(3)で表される配位子は、1種のみであっても、2種以上を1錯体分子中に混在させてもよい。安定な錯体構造を形成することができるので、本発明のセリウム錯体は、上記式(2)又は上記式(3)で表される配位子を有していることが好ましく、上記式(3)で表される配位子を有していることがより好ましい。
【0051】
本発明のセリウム錯体は、上記式(1)〜(3)で表されるいずれかの配位子の他に、2座以下(1座又は2座)の配位子(L’)及び/又は対イオン(X)を、セリウムイオン1個に対し、1個若しくは複数個含有していてもよい。
【0052】
配位子(L’)は、上記式(1)〜(3)で表される配位子とは異なる2座以下の配位子である。好適な配位子(L’)としては、例えば、酸素原子、窒素原子及びリン原子からなる群から選ばれる原子を含む原子団が挙げられ、具体例としては、水、メタノール、エタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、トリアリールホスフィンオキシド、トリアルキルホスフィンオキシド、ピリジン、キノリン、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、トリアジン、ピリミジン、ピラジン、ビピリジン、ビキノリン、フェナントロリン、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスフィン、及びトリアルキルアミンが挙げられる。配位子(L’)は、1種のみであっても、2種以上を1錯体分子中に混在させてもよい。
【0053】
対イオン(X)としては、例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、酢酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ヘキサフルオロアンチモンイオン、ヘキサフルオロヒ素イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、パラトルエンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、テトラフェニルボレートイオン、及びテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン等のイオン;これらのイオンから選ばれる少なくとも1つのイオンを有する繰り返し単位を含む高分子化合物が挙げられる。配位子(L’)はマイナスに帯電していてもよく、その場合、対イオン(X)はカチオンであってもよい。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、及びアンモニウムイオンが挙げられる。対イオン(X)は、1種のみであっても、2種以上を1錯体分子中に混在させてもよい。
【0054】
本発明のセリウム錯体は、下記組成式(4)で表される組成により構成されていることが好ましい。
【化7】

【0055】
式(4)において、Mはセリウムイオンを表し、Lは上記式(1)〜(3)で表されるいずれかの配位子を表し、Xは上述した対イオンを表し、L’は上述した2座以下の配位子を表す。
【0056】
式(4)において、a’、b’及びc’は、配位子の配位原子数及び/又は合成時の仕込み比によって決まる。
【0057】
Lが上記式(1)で表される配位子のとき、a’は1以上の数であり、発光強度が優れるので、好ましくは1〜4の数であり、より好ましくは1又は3であり、更に好ましくは3である。
Lが上記式(2)で表される配位子のとき、a’は1以上の数であり、発光強度が優れるので、好ましくは1〜4の数であり、より好ましくは1又は2であり、更に好ましくは2である。
Lが上記式(3)で表される配位子のとき、a’は1以上の数であり、発光強度が優れるので、好ましくは1〜4の数であり、より好ましくは1又は2であり、更に好ましくは1である。
a’が2以上のとき、複数個のLはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
b’は0以上の数であり、好ましくは、3又は4であり、より好ましくは3である。
c’は0以上の数であり、発光強度が優れるので、好ましくは0〜5の数であり、より好ましくは0〜2の数であり、更に好ましくは0又は1である。
【0058】
前記組成式(4)で表される組成により構成されているセリウム錯体としては、具体的には、例えば、下記組成式(D−1)〜(D−9)で表される組成により構成されているセリウム錯体が挙げられ、発光強度が優れるので、好ましくは下記組成式(D−2)、(D−3)、又は(D−5)〜(D−9)で表される組成により構成されているセリウム錯体である。
【0059】
【化8】

【化9】

【化10】

【0060】
本発明のセリウム錯体は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。本発明のセリウム錯体は、発光素子の材料として用いることにより、可視光領域において発光する素子を実現することができる。本発明のセリウム錯体はまた、スイッチング素子、光電変換素子等の材料のほか、磁気材料、生体プローブ、造影剤、添加剤、改質剤、触媒としても有用である。
【0061】
−セリウム錯体の製造方法−
本発明のセリウム錯体は、例えば、上記式(1)〜(3)で表されるいずれかの配位子とセリウム塩とを、室温下、溶媒中で混合させ、得られた沈殿を回収するか又は得られた溶液の溶媒を留去することで、容易に製造することができる。上記セリウム塩としては、例えば、塩化セリウム(III)、及びトリフルオロメタンスルホン酸セリウム(III)が挙げられる。
【0062】
上述の混合を行う際に用いられる溶媒としては、例えば、水系溶媒、及び有機溶媒が挙げられ、有機溶媒が好ましい。
【0063】
有機溶媒としては、例えば、アセトニトリル及びベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン及びo−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル系溶媒;トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン及びn−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル及びエチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン及び1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール及びシクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0064】
<組成物>
本発明のセリウム錯体は、その他の成分と組み合わせて組成物としてもよい。
【0065】
上記その他の成分としては、本発明の組成物を用いて得られる素子の駆動電圧を低減することができるので、電荷輸送材料が好ましい。したがって、一実施形態において、本発明の組成物は、本発明のセリウム錯体と、電荷輸送材料とを含む。
【0066】
電荷輸送材料とは、発光素子等の素子において電荷の運搬を担い得る材料をいい、正孔輸送材料及び電子輸送材料が挙げられる。電荷輸送材料は、低分子有機化合物、高分子化合物、及びオリゴマーのいずれであってもよい。高分子化合物及びオリゴマーは、共役系化合物であることが好ましい。
【0067】
前記正孔輸送材料としては、例えば、フルオレン及びその誘導体、芳香族アミン及びその誘導体、カルバゾール誘導体、及びポリパラフェニレン誘導体等の、発光素子の正孔輸送材料として用いられる公知の材料が挙げられる。
前記電子輸送材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、トリアジン誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、並びに8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体等の、発光素子の電子輸送材料として用いられる公知の材料が挙げられる。
【0068】
本発明の組成物中の、本発明のセリウム錯体の含有量は、電荷輸送材料100重量部に対して0.01〜200重量部であることが好ましく、0.1〜100重量部であることがより好ましく、1〜50重量部であることが更に好ましい。なお、本発明の組成物に含まれる本発明のセリウム錯体は1種でも2種以上であってもよいが、1種であることが好ましい。同様に、本発明の組成物に含まれる電荷輸送材料は1種でも2種以上であってもよいが、1種であることが好ましい。
【0069】
<素子>
本発明の素子は、本発明のセリウム錯体(以下、「前記セリウム錯体」ともいう。)又は本発明の組成物(以下、「前記組成物」ともいう。)を含む素子であり、例えば、陽極及び陰極からなる一対の電極間に、前記セリウム錯体又は前記組成物を含む層を有する素子である。
以下、その代表的なものとして、本発明の素子が発光素子である場合(以下、「本発明の発光素子」ともいう。)について説明する。
【0070】
[発光素子]
本発明の発光素子は、陽極及び陰極からなる一対の電極間に、発光層を有する。本発明の発光素子は、発光層以外の層を含んでいてもよい。発光層以外の層としては、例えば、電荷輸送層、電荷注入層及び電荷阻止層が挙げられる。なお、各層は、1層からなるものでも2層以上からなるものでもよい。前記セリウム錯体又は前記組成物は、上記層のうちの1層以上に含まれていることが好ましい。前記セリウム錯体又は前記組成物を含有する層中の前記セリウム錯体又は前記組成物の含有量は、当該層全体の重量に対し、通常、0.01〜100重量%であり、0.1〜50重量%が好ましく、1〜50重量%がより好ましい。中でも、前記セリウム錯体又は前記組成物は、発光層に含まれていることが好ましい。
【0071】
発光層は、発光する機能を有する層である。電荷輸送層は、正孔又は電子を輸送する機能を有する層であり、その中でも、正孔を輸送する機能を有する層を正孔輸送層といい、電子を輸送する機能を有する層を電子輸送層という。電荷注入層は、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、発光素子の駆動電圧を下げる効果を奏する層であり、その中でも、陽極からの正孔注入効率を改善する機能を有する層を正孔注入層といい、陰極からの電子注入効率を改善する機能を有する層を電子注入層という。電荷阻止層は、正孔又は電子を発光層に閉じ込める機能を有する層であり、その中でも、電子を輸送し正孔を閉じ込める層を正孔阻止層といい、正孔を輸送し電子を閉じ込める層を電子阻止層という。なお、正孔輸送層及び/又は正孔注入層が電子の輸送を堰き止め電子を発光層に閉じ込める機能を有する場合には、これらの層が電子阻止層を兼ねてもよい。また、電子輸送層及び/又は電子注入層が正孔の輸送を堰き止め正孔を発光層に閉じ込める機能を有する場合には、これらの層が正孔阻止層を兼ねてもよい。
【0072】
本発明の発光素子の構造としては、例えば、以下のa)〜q)の構造が挙げられる。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/発光層/正孔阻止層/陰極
e)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
f)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
g)陽極/発光層/電子注入層/陰極
h)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
i)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
j)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
k)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
l)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極
m)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
n)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
o)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
p)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
q)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(ここで、「/」は各層が隣接して積層されていることを示す。なお、発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。)
【0073】
本発明の発光素子は、電極との密着性向上のために、又は、電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して絶縁層を更に備えていてもよい。上記絶縁層に用いる材料としては、例えば、金属フッ化物、金属酸化物、及び有機絶縁材料が挙げられる。絶縁層の厚さは、通常、2nm以下である。絶縁層を備える発光素子としては、例えば、陰極に隣接して上記絶縁層を備える発光素子、及び、陽極に隣接して上記絶縁層を備える発光素子が挙げられる。本発明の発光素子はまた、界面の密着性向上や混合の防止のために、互いに隣接する各層間に薄いバッファー層が挿入されていてもよい。バッファー層としては、例えば、陽極に隣接して導電性高分子化合物を含む層が挙げられる。
【0074】
発光層は、電界印加時に陽極側の隣接する層より正孔を受容することができ、陰極側の隣接する層より電子を受容することができる機能、受容した電荷(即ち、電子と正孔)を電界の力で移動させる機能、電子と正孔の再結合の場を提供し、これを発光につなげる機能を有する。本発明の発光素子の発光層は、前記セリウム錯体又は前記組成物を含むことが好ましく、前記セリウム錯体又は前記組成物を発光材料として含むことが好ましい。該発光層は、その他の発光材料を含んでいてもよい。その他の発光材料としては、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、及びシアニン系等の色素類、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン及びその誘導体、並びにテトラフェニルブタジエン及びその誘導体が挙げられる。
【0075】
発光層はまた、前記セリウム錯体又は前記組成物をゲスト材料とするホスト材料を含有してもよい。ホスト材料としては、例えば、フルオレン骨格を有する化合物、カルバゾール骨格を有する化合物、ジアリールアミン骨格を有する化合物、ピリジン骨格を有する化合物、ピラジン骨格を有する化合物、トリアジン骨格を有する化合物及びアリールシラン骨格を有する化合物が挙げられる。ホスト材料のT1(最低三重項励起状態のエネルギーレベル)は、ゲスト材料のT1より大きいことが好ましく、その差が0.2eVよりも大きいことが更に好ましい。ホスト材料は、低分子化合物及び高分子化合物のいずれでもよい。前記ホスト材料と、前記セリウム錯体又は前記組成物とを混合して塗布するか、又は蒸着することによって、前記セリウム錯体又は前記組成物がホスト材料にドープされた発光層を形成してよい。
【0076】
発光層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率とが適度な値となるように選択すればよい。発光層の厚さは、通常1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、より好ましくは5nm〜200nmであり、更に好ましくは50nm〜150nmである。
【0077】
正孔輸送層の材料としては、例えば、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン残基を有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリアミノフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体、並びに、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)及びその誘導体が挙げられる。
【0078】
正孔輸送層の厚さは、発光効率と駆動電圧とが適度な値となるように設定され、用いる材料によって最適値が異なるが、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、より好ましくは5nm〜200nmである。
【0079】
電子輸送層の材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、トリアジン誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、並びに、ポリフルオレン及びその誘導体が挙げられる。
【0080】
電子輸送層の厚さは、発光効率と駆動電圧とが適度な値となるように設定され、用いる材料によって最適値が異なるが、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、より好ましくは5nm〜200nmである。
【0081】
正孔注入層の材料としては、例えば、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマーが挙げられる。
【0082】
正孔注入層の厚さは、発光効率と駆動電圧とが適度な値となるように設定され、用いる材料によって最適値が異なるが、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、より好ましくは5nm〜200nmである。
【0083】
電子注入層としては、例えば、導電性高分子を含む層、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層(陽極と正孔輸送層との間に設けられる場合)、及び、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層(陰極と電子輸送層との間に設けられる場合)が挙げられる。
【0084】
電子注入層の材料は、電極の材料及び/又は該電子注入層と隣接する層の材料との関係に応じて選択すればよい。電子注入層の材料としては、例えば、ポリアニリン及びその誘導体、ポリアミノフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体等の導電性高分子、金属フタロシアニン、並びにカーボンが挙げられる。
【0085】
電子注入層の厚さは、通常、1nm〜100nmであり、好ましくは1nm〜50nmであり、より好ましくは1nm〜10nmである。
【0086】
各層は隣接する層又は基板上に形成される。形成方法としては、例えば、真空蒸着法(抵抗加熱蒸着法、電子ビーム法等)、スパッタリング法、LB法、分子積層法、及び塗布法が挙げられ、製造プロセスを簡略化できるので、塗布法が好ましい。
【0087】
塗布法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、ディップコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、及びインクジェット印刷法が挙げられ、ロールコート法、スプレーコート法、フレキソ印刷法、又はインクジェット印刷法が好ましい。
【0088】
本発明の発光素子は、通常、基板を用いて形成される。基板の一方の面に電極が形成され、更に素子の各層が形成される。上記基板としては、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材質の基板、高分子フィルムの基板が挙げられる。
【0089】
通常、本発明の発光素子に含まれる陽極及び陰極は、透明又は半透明であるが、陽極が透明又は半透明であることが好ましい。
【0090】
陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜、及び透明の有機導電膜が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体(インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等)、アンチモン・スズ・オキサイド、NESA、金、白金、銀、銅、ポリアニリン及びその誘導体、並びに、ポリアミノフェン及びその誘導体である。
【0091】
陽極の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、及びメッキ法が挙げられる。2層以上の積層構造の陽極を形成してもよい。
【0092】
陽極の厚さは、光の透過性と電気伝導度とを考慮して設定され、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、より好ましくは40nm〜500nmである。
【0093】
陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましく、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム及びイッテルビウム等の金属;それらの金属からなる群から選ばれる2つ以上の金属の合金;それらの金属からなる群から選ばれる1種以上の金属と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、及び錫からなる群から選ばれる1種以上の金属との合金;グラファイト;グラファイト層間化合物が挙げられる。
【0094】
陰極の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、及び、金属薄膜を熱圧着するラミネート法が挙げられる。2層以上の積層構造の陰極を形成してもよい。
【0095】
陰極の厚さは、電気伝導度と耐久性とを考慮して設定され、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、より好ましくは50nm〜500nmである。
【0096】
本発明の発光素子では、素子を外部から保護して長期安定的に使用するために、陰極形成後、発光素子を保護する保護層又は保護カバーを形成していてもよい。保護層に用いる材料としては、例えば、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、及び金属ホウ化物が挙げられる。保護カバーとしては、例えば、ガラス板、及び、表面に低透水率処理を施したプラスチック板が挙げられる。これらのうち、保護カバーを、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂を用いて素子と貼り合わせて、素子を密閉することが好ましい。
【0097】
本発明の発光素子は、例えば、面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置、液晶表示装置のバックライト、及び照明に有用である。
【0098】
[光電変換素子]
本発明のセリウム錯体又は本発明の組成物は、光電変換素子に用いることもできる。
【0099】
光電変換素子は、通常、陽極、陰極、及び電荷分離層を有する。電荷分離層は、陽極と陰極との間に位置する。光電変換素子は、陽極と陰極との間に、電荷分離層以外の任意の層を有していてもよい。上記金属錯体又は上記組成物は、電荷分離層に含まれていてもよいし、電荷分離層以外の任意の層に含まれていてもよい。
【0100】
陰極及び陽極の材料は、発光素子の項で説明したものと同じである。陽極及び陰極の形状は、特に限定されず、櫛型であってもよい。陽極及び陰極は、透明又は半透明のいずれでもよい。
【0101】
光電変換素子の電荷分離層は、通常、電子供与性化合物と電子受容性化合物とを含む。電子供与性化合物としては、例えば、共役高分子化合物が挙げられ、該共役高分子化合物としては、例えば、チオフェンジイル基を含む共役高分子化合物及びフルオレンジイル基を含む共役高分子化合物が挙げられる。電子受容性化合物としては、例えば、フラーレン及びフラーレン誘導体が挙げられる。
【0102】
光電変換素子は、通常、基板を用いて形成される。基板の例は、発光素子の項で説明したものと同じである。
【0103】
光電変換素子は、太陽電池であることが好ましい。
【実施例】
【0104】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0105】
H−NMR及び13C−NMRスペクトルは、Varian社製300MHzNMRスペクトロメーターを用いて測定した。
【0106】
発光スペクトルは、励起波長を370nmとして、蛍光分光光度計(日本分光株式会社製、商品名:FP−6500)により測定した。
【0107】
<合成例1>(脂肪族アミン配位子(C−2)の合成)
【化11】

【0108】
第1ステップの反応は米国特許出願公開第2004/267009号明細書に従って行った。
1L丸底フラスコにトリス(2−アミノエチル)アミン(4.87g、33.3mmol)及び2−プロパノール(250mL)を入れ、イソプロパノール/ドライアイス浴を用いて−78℃に冷却した。撹拌下、40重量%グリオキサール水溶液7.25g(グリオキサール50mmol)/2−プロパノール(125mL)をゆっくり滴下した(2滴/秒)。滴下終了後、トリエチルアミン(12.5mL)を加え、室温まで昇温した。得られた反応液を、40℃にて減圧乾燥した。得られた固体にクロロホルムを加えて溶解させた後、セライト(濾過助剤)を用いた吸引濾過により不溶固体を濾別し、濾液を40℃にて6時間減圧乾燥してイミン体を6.25g得た。これ以上の精製はせずに、次の反応に進んだ。
【0109】
H NMR (300MHz、CDCl):δ(ppm)=7.74(s、6H)、3.56(s、12H)、2.74(s、12H);13C NMR (75MHz、CDCl):δ(ppm)=163.3、59.3、53.2.
【0110】
第2ステップの反応はJ.Org.Chem.1993,58,7939に従って行った。
内部の気体をアルゴンガスで置換した200mL丸底フラスコに、第1ステップにて得られた上記イミン体(500mg、1.39mmol)及び脱水メタノール(100mL)を入れ、ここに水素化ホウ素ナトリウム(1.00g、26.4mmol)を加えて、室温下4.5時間撹拌した。得られた反応液に少量の水を加え、減圧濃縮した。得られた油状液体にメタノール(1mL)及び水(10mL)を加えて一晩放置した後、生成した角状結晶を濾過にて除去した。得られた濾液にクロロホルムを加えて有機物を抽出し、液相分離濾紙を用いて水分を分離除去した。得られた濾液を減圧乾燥することにより、白色固体として、アミン体(脂肪族アミン配位子(C−2);88mg、収率17%)を得た。
【0111】
H NMR (300MHz、CDCl):δ(ppm)=2.75(m、24H)、2.52(m、12H);13C NMR (75MHz、CDCl):δ(ppm)=52.6、50.4、47.5.
【0112】
<実施例1>(セリウム錯体(D−2)の合成)
50mLシュレンク管に、トリフルオロメタンスルホン酸セリウム(III)(100mg、1.70×10−4mol)と脱水エタノール (2mL)を入れ、ここに、ジエチレントリアミン(55μL、5.1×10−4mol)を滴下した。室温下、5分間撹拌した後、溶媒を減圧留去して、強い水色発光を示すセリウム錯体(D−2)を得た。
【0113】
<実施例2>(セリウム錯体(D−5)の合成)
50mLシュレンク管に、トリフルオロメタンスルホン酸セリウム(III)(100mg、1.70×10−4mol)と脱水エタノール (2mL)を入れ、ここに、トリス(2−アミノエチル)アミン (51μL、3.4×10−4mol)を滴下した。室温下、5分間撹拌した後、溶媒を減圧留去して、強い青色発光を示すセリウム錯体(D−5)を得た。
アセトニトリル中でのセリウム錯体(D−5)の発光スペクトルを図1に示す。
【0114】
<実施例3>(セリウム錯体(D−7)の合成)
50mLシュレンク管に、トリフルオロメタンスルホン酸セリウム(III)(100mg、1.70×10−4mol)と脱水エタノール (2mL)を入れ、ここに、トリス[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミン(91μL、3.4×10−4mol)を滴下した。室温下、5分間撹拌した後、溶媒を減圧留去して、強い青色発光を示すセリウム錯体(D−7)を得た。
【0115】
<実施例4>(セリウム錯体(D−9)の合成)
50mLシュレンク管に、トリフルオロメタンスルホン酸セリウム(III)(89mg、1.5×10−4mol)と脱水エタノール (2mL)を入れ、ここに、合成例1で得られた脂肪族アミン配位子(C−2) (56mg、1.5×10−4mol)を加えた。室温下、1時間撹拌した後、溶媒を減圧留去して、強い青色発光を示すセリウム錯体(D−9)を得た。
【0116】
<発光素子の作製例>
スパッタリング法にて厚さ150nmのITO膜を形成したガラス基板に、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(バイエル社、商品名:BaytronP)を用いてスピンコート法により塗布して薄膜を形成する。その上にセリウム錯体(D−5)及び1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼンを含む組成物をスピンコート法により塗布して薄膜を形成する。次いで、フッ化リチウムとアルミニウムを順次蒸着して陰極とすることにより、発光素子を作製することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)〜(3)で表されるいずれかの配位子を有するセリウム錯体。
【化1】

(式中、
、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいヒドロカルビル基を表す。
及びBは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいヒドロカーボンジイル基を表す。
aは1以上の整数である。aが2以上であるとき、複数個のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のBはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。)
【化2】

(式中、
、R、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいヒドロカルビル基を表す。
、B及びBは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいヒドロカーボンジイル基を表す。
b及びcは、それぞれ独立に、1以上の整数である。bが2以上であるとき、複数個のBはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のBはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のcはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。bが1であり、かつ、cが2以上であるとき、複数個のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のBはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。)
【化3】

(式中、
12、R13、R14、R15、R16及びR17は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいヒドロカルビル基を表す。
、B、B、B、B10、B11、C、C及びCは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいヒドロカーボンジイル基を表す。
d、e及びfは、それぞれ独立に1以上の整数である。dが2以上であるとき、複数個のR12はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のBはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のCはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。eが2以上であるとき、複数個のR13はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のBはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のCはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。fが2以上であるとき、複数個のR14はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のBはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、複数個のCはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。)
【請求項2】
前記B、B、B、B、B、B、B、B、B、B10及びB11が、置換基を有していてもよいエチレン基である請求項1に記載のセリウム錯体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のセリウム錯体と、電荷輸送材料とを含む組成物。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のセリウム錯体を含む素子。
【請求項5】
請求項3に記載の組成物を含む素子。
【請求項6】
前記素子が、発光素子である請求項4又は5に記載の素子。

【図1】
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【公開番号】特開2012−254973(P2012−254973A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−109466(P2012−109466)
【出願日】平成24年5月11日(2012.5.11)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】