説明

脂肪酸フマル酸塩誘導体およびそれらの使用

本発明は、脂肪酸フマル酸塩誘導体、有効量の脂肪酸フマル酸塩誘導体を含む組成物、ならびに有効量の脂肪酸フマル酸塩誘導体の投与を含む癌、代謝障害、または神経変性障害を治療または予防するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2010年1月8日に出願された米国仮出願第61/293,396号、および2010年1月13に出願された米国仮出願第61/294,578号に対する優先権を主張し、これらの出願の開示全体は、あらゆる目的で参照することにより本出願に依存し、またそれに組み込まれる。
【0002】
本発明は、脂肪酸フマル酸塩誘導体、有効量の脂肪酸フマル酸塩誘導体を含む組成物、ならびに有効量の脂肪酸フマル酸塩誘導体の投与を含む癌、および代謝、自己免疫、もしくは神経変性障害を治療または予防するための方法に関する。本明細書に引用される全ての特許、特許出願、および刊行物は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
サケ、マス、ニシン、およびマグロ等の油性の冷水魚は、食物海洋性オメガ3脂肪酸の源であり、このうちエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)は、主要な海洋性由来のオメガ3脂肪酸である。オメガ3脂肪酸は、従来から、正常血糖の人間においておよび肥満の個人において、インスリン感受性および耐糖能を改善することが示されている。オメガ3脂肪酸はまた、炎症性表現型を有する肥満および非肥満の患者において、インスリン抵抗性を改善することも示されている。オメガ3脂肪酸での治療を通じて、過体重の高血圧の対象者において、脂質、グルコース、およびインスリン代謝が改善されることが示されている。オメガ3脂肪酸(EPA/DHA)はまた、心血管事象の危険性がある患者における死亡率を改善することに加えて、トリグリセリドを減少させること、および心不整脈によって引き起こされる突然死に対する危険性を低減することが示されている。オメガ3脂肪酸はまた、脂質異常症を治療するために使用される療法の食物サプリメント部分、および抗炎症特性として摂取されている。オメガ3脂肪酸のより大量の摂取は、炎症過程中に顕著に増加するサイトカインのうちの2つである、循環TNF−αおよびIL−6のレベルを低下させる(Chapkin et al,Prostaglandins,Leukot Essent Fatty Acids 2009,81,p.187−191、Duda et al,Cardiovasc Res 2009,84,p.33−41)。加えて、オメガ3脂肪酸のより大量の摂取は、特徴がはっきりした抗炎症性サイトカインIL−10のレベルを増加させることが示されている(Bradley et al,Obesity(Silver Spring)2008,16,p.938−944)。最近の研究(Wang et al,Molecular Pharmaceutics 2010,7,p.2185−2193)は、DHAがまた、Nrf2およびNrf2標的遺伝子ヘムオキシゲナーゼ1(HO−1)を誘導する可能性があり、この経路が、LPS媒介型炎症を抑制するのに有意な役割を果たす可能性があることを実証している。
【0004】
DHAおよびEPAの両方は、長鎖脂肪酸(12〜22個の炭素の脂肪族部分)として特徴付けられる。中鎖脂肪酸は、6〜12個の炭素の脂肪族部分を有する脂肪酸として特徴付けられる。リポ酸は、体内で天然に見出される中鎖脂肪酸である。それは、フリーラジカルスカベンジャー、重金属に対するキレート剤、ならびにNF−κB経路を含む種々の炎症性および代謝経路におけるシグナル伝達メディエーター等の、多くの重要な役割を果たす(Shay,K.P.et al.Biochim.Biophys.Acta 2009,1790,1149−1160)。リポ酸は、酸化ストレスに関連する幾つかの慢性疾患の治療において有用であることが見出されている(概説については、Smith,A.R.et al Curr.Med.Chem.2004,11,p.1135−46を参照されたい)。リポ酸は、現在、糖尿病(Morcos,M.et al Diabetes Res.Clin.Pract.2001,52,p.175−183)および糖尿病性神経障害(Mijnhout,G.S.et al Neth.J.Med.2010,110,p.158−162)の治療のために、診療所において評価されている。リポ酸はまた、心血管疾患(Ghibu,S.et al,J.Cardiovasc.Pharmacol.2009,54,p.391−8)、アルツハイマー病(Maczurek,A.et al,Adv.Drug Deliv.Rev.2008,60,p.1463−70)、および多発性硬化症(Yadav,V.Multiple Sclerosis 2005,11,p.159−65、Salinthone,S.et al,Endocr.Metab.Immune Disord.Drug Targets 2008,8,p.132−42)を治療するのに潜在的に有用であることが見出されている。
【0005】
モノアルキル水素フマル酸塩またはジアルキルフマル酸塩のいずれかである、フマル酸およびそのエステル誘導体は、自己免疫およびTh1媒介型皮膚病である、乾癬の治療のための治療剤として使用されている(Altmeyer et al,J.of the American Academy of Dermatology 1994,30,p.977−981)。フマル酸塩を投与された乾癬患者での臨床研究において、末梢CD4+およびCD8+−Tリンパ球の低減が観察されている。これらの薬剤は、体外で樹状細胞および内皮細胞中のLPS誘導性NF−κB活性化を阻害することが報告されている(Loewe et al.,J.Immunol.2004,168,4781−4787、Litjens et al.,Eur.J.Immunol.2004,34,565−575)。ジアルキルフマル酸塩およびモノアルキルフマル酸塩はまた、多発性硬化症(MS)のための実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)マウスモデルにおいて経口有効性を実証している。この特定のモデルにおいて、MS患者によって示されるそれらと同等の身体障害を誘発するために、C57BL/6マウスを免疫ペプチドMOG35−55で攻撃した。ジアルキルまたはモノアルキルフマル酸塩のいずれかでの経口処置は、身体障害スコアにおける有意な改善をもたらした。抗炎症性サイトカインIL−10は、ジアルキルフマル酸塩またはモノアルキルフマル酸塩のいずれかで処置された動物の間の血中で特に上昇した。更に、ジアルキルフマル酸塩またはモノアルキルフマル酸塩のいずれかで処置された動物の脊髄の組織学的解析は、強力に低減されたマクロファージ炎症を示した(Schilling et al.,Clinical and Experimental Immunology 2006,145,101−107)。ジアルキルフマル酸エステルおよびモノアルキルフマル酸エステルはまた、多発性硬化症の再発−寛解型を示す患者での幾つかの報告された研究においても使用されている。720mgのフマル酸エステルで毎日、70週間にわたって治療された患者は、治療の経過中に取られた種々のMRIにおける新たなガドリニウム増強(Gd+)病変の低減によって認められるように、炎症性脳病変の有意な低減を示した(Schimrigk et al.,Eur.J.Neurology 2006,13,604−610)。より最近では、フマル酸塩は、哺乳動物細胞を活性酸素/窒素種および求電子体から保護する幾つかの重要な抗酸化および解毒酵素の誘導に関与する転写因子である、Nrf2を活性化することが示されている(Lukashev,M.E.“Nrf2 screening assays and related methods and compositions”国際公開第08097596 A2号、Wilms et al,Journal of Neuroinflammation 2010,7:30)。
【0006】
慢性酸化ストレスおよび炎症は、今では、多発性硬化症を超えて、幾つかの衰弱性疾患の発症および進行に関連付けられている。これらの疾患のうちの幾つかには、腎不全、心不全、アテローム性動脈硬化症、骨粗鬆症、癌、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、パーキンソン病、およびアルツハイマー病が含まれる。この慢性酸化ストレスおよび炎症を解決するためのNrf2経路の活性化は、特に有望な新たな治療アプローチであると思われる(概説については、Gozzelino,R.et al Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.2010,50,p.323−54を参照されたい)。例えば、Nrf2の小分子活性化物質は、今では、シスプラチン誘発性腎毒性マウスモデル(Aleksunes et al,J.Pharmacology&Experimental Therapeutics 2010,335,p.2−12)、アルツハイマー病のトランスジェニックTg19959マウスモデル(Dumont et al,J.Neurochem.2009,109,p.502−12)、COPDのためのマウスモデル(Sussan,T.E.et al Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2009,106,p.250−5)、およびマウス4T1乳房腫瘍モデル(Ling,X.et al Cancer Res.2007,67,p.4210−8)において有効であることが示されている。
【0007】
相乗的方法で脂肪酸およびフマル酸塩の効果を提供する能力は、多様な癌、代謝、自己免疫、および神経変性疾患を治療する際に利益を提供するであろう。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、一部には、脂肪酸フマル酸塩誘導体の発見、およびフマル酸塩または脂肪酸を単独でまたは組み合わせて投与することによっては達成され得ない、改善された治療を達成する際のそれらの実証された効果に基づく。これらの新規化合物は、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、冠動脈心疾患、過コレステリン血症、2型糖尿病、高コレステロール、内臓脂肪症候群、糖尿病性腎症、IgA腎症、慢性腎臓病(CKD)、および心血管疾患を含む代謝障害の治療または予防に有用である。加えて、それらは、関節リウマチ、乾癬、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患(大腸炎およびクローン病を含む)等の自己免疫疾患、ぜんそく、嚢胞性線維症、COPD等の呼吸器疾患、ならびに多発性硬化症、パーキンソン病およびアルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)および筋ジストロフィー等の神経変性疾患の治療に有用である。本明細書に記載される化合物はまた、癌腫、肉腫、リンパ腫、白血病、黒色腫、中皮腫、多発性骨髄腫、精上皮腫等の多様な癌、および膀胱、血液、骨、脳、乳房、中枢神経系、結腸、子宮内膜、食道、尿生殖路、頭部、喉頭、肝臓、肺、頸部、卵巣、膵臓、前立腺、精巣、脾臓、小腸、大腸、または胃の癌を治療する際にも有用である。
【0009】
したがって一態様では、フマル酸塩および脂肪酸を含む分子共役体が記載され、ここで脂肪酸は、オメガ3脂肪酸、体内でオメガ3脂肪酸に代謝される脂肪酸、およびリポ酸からなる群から選択され、共役体は、加水分解して遊離フマル酸塩および遊離脂肪酸を生成することができる。幾つかの実施形態では、脂肪酸は、全cis−7,10,13−ヘキサデカトリエン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、テトラコサペンタエン酸、テトラコサヘキサエン酸、およびリポ酸からなる群から選択される。他の実施形態では、脂肪酸は、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、およびリポ酸から選択される。幾つかの実施形態では、加水分解は、酵素的である。
【0010】
別の態様では、式Iおよび式II:
【化1】

の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、および立体異性体が記載され、
式中、
各W、W、W′、およびW′は独立して、存在しないか、O、S、NH、もしくはNRであるか、またはWおよびW、もしくはW′およびW′が一緒になって、任意に置換されたイミダゾリジン基もしくはピペラジン基を形成することができ、
各a、b、c、d、a′、b′、c′、およびd′は独立して、−H、−D、−CH、−OCH、−OCHCH、−C(O)OR、−O−Z、もしくはベンジルであるか、またはa、b、c、およびdのうちの2つもしくはa′、b′、c′、およびd′のうちのいずれか2つが一緒になって、それらが結合する単一の炭素と共に、シクロアルキルもしくは複素環を形成することができ、
各n、o、p、q、n′、o′、p′、およびq′は独立して、0、1、または2であり、
各LおよびL′は独立して、存在しないか、−O−、−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S−S−、−(C−Cアルキル)−、−(C−Cシクロアルキル)−、複素環、ヘテロアリール、
【化2】

であり、
式中、LおよびL′の表現は、示されるような左から右の方向性に限定されず、むしろLおよびL′の左側または右側のいずれかは、それぞれ、式Iまたは式IIの化合物のWまたはW′側に結合されてもよく、
各Rは独立して、−H、−D、−C−Cアルキル、−ハロゲン、シアノ、オキソ、チオオキソ、−OH、−C(O)C−Cアルキル、−O−アリール、−O−ベンジル、−OC(O)C−Cアルキル、−C−Cアルケン、−C−Cアルキン、−C(O)C−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(C(O)C−Cアルキル)、−N(C(O)C−Cアルキル)、−SH、−S(C−Cアルキル)、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキルであり、
各gは独立して、2、3、または4であり、
各hは独立して、1、2、3、または4であり、
各mおよびm′は独立して、0、1、2、または3であり、mまたはm′が1を超える場合、LまたはL′は、同じであるか、または異なる可能性があり、
各m1は独立して、0、1、2、または3であり、
kは、0、1、2、または3であり、
zは、1、2、または3であり、
各Rは独立して、Hであるか、または任意に置換されたC−Cアルキルであり、ここでC−Cアルキルのメチレン単位は、OまたはNRのいずれかの代わりに任意に置換され得、NRにおいて、両方のRは、それらが結合する窒素と一緒になるとき、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、またはピロール等の複素環式環を形成することができ、
各ZおよびZ′は独立して、H、
【化3】

であるが、
少なくとも1つの
【化4】

が、化合物中に存在することを条件とし、
各tは独立して、0または1であり、
各rは独立して、2、3、または7であり、
各sは独立して、3、5、または6であり、
各vは独立して、1、2、または6であり、
各RおよびRは独立して、−H、−D、−C−Cアルキル、−ハロゲン、−OH、−C(O)C−Cアルキル、−O−アリール、−O−ベンジル、−OC(O)C−Cアルキル、−C−Cアルケン、−C−Cアルキン、−C(O)C−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(C(O)C−Cアルキル)、−N(C(O)C−Cアルキル)、−SH、−S(C−Cアルキル)、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキルであり、
各Rは独立して、H、−C−Cアルキル、または−C(CHOH)であり、
各Rは独立して、e、Hであるか、またはOH、NH、COR、CONH、フェニル、COH、イミダゾール、もしくはアルギニンで任意に置換され得る直鎖もしくは分岐鎖C−C10アルキルであり、
各eは独立して、Hであるか、または天然産アミノ酸の側鎖のうちのいずれか1つであり、
各Rは独立して、−Hであるか、またはOHもしくはハロゲンで任意に置換された直鎖もしくは分岐鎖C−Cアルキルであるが、
m、n、o、p、およびqの各々が0であり、WおよびWが各々存在せず、かつZが
【化5】

であるとき、
tは、0でなければならず、
m′、n′、o′、p′、およびq′の各々が0であり、W′およびW′が各々存在せず、かつZ′が
【化6】

であるとき、
tは、0でなければならず、かつ
m、n、o、p、およびqの各々が0であり、かつWおよびWが各々存在しないとき、またはm′、n′、o′、p′、およびq′の各々が0であり、W′およびW′が各々存在しないとき、ZまたはZ′は、
【化7】

であってはならないことを条件とする。
【0011】
別の態様では、式IA:
【化8】

の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、および立体異性体が記載され、
式中、
各WおよびWは独立して、存在しないか、O、S、NH、もしくはNRであるか、またはWおよびWが一緒になって、任意に置換されたイミダゾリジン基もしくはピペラジン基を形成することができ、
各a、b、c、およびdは独立して、−H、−D、−CH、−OCH、−OCHCH、−C(O)OR、もしくはベンジルであるか、またはa、b、c、およびdのうちの2つが一緒になって、それらが結合する単一の炭素と共に、シクロアルキルもしくは複素環を形成することができ、
各n、o、p、およびqは独立して、0、1、または2であり、
各Lは独立して、存在しないか、−O−、−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S−S−、−(C−Cアルキル)−、−(C−Cシクロアルキル)−、複素環、ヘテロアリール、
【化9】

であり、
式中、Lの表現は、示されるような左から右の方向性に限定されず、むしろLの左側または右側のいずれかが、式IAの化合物のW側に結合されてもよく、
各Rは独立して、−H、−D、−C−Cアルキル、−ハロゲン、シアノ、オキソ、チオオキソ、−OH、−C(O)C−Cアルキル、−O−アリール、−O−ベンジル、−OC(O)C−Cアルキル、−C−Cアルケン、−C−Cアルキン、−C(O)C−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(C(O)C−Cアルキル)、−N(C(O)C−Cアルキル)、−SH、−S(C−Cアルキル)、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキルであり、
各gは独立して、2、3、または4であり、
各hは独立して、1、2、3、または4であり、
各mは独立して、0、1、2、または3であり、mが1を超える場合、Lは、同じであるか、または異なる可能性があり、
各m1は独立して、0、1、2、または3であり、
kは、0、1、2、または3であり、
zは、1、2、または3であり、
各Rは独立して、Hであるか、または任意に置換されたC−Cアルキルであり、ここでC−Cアルキルのメチレン単位は、OまたはNRのいずれかの代わりに任意に置換され得、NRにおいて、両方のRは、それらが結合する窒素と一緒になるとき、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、またはピロール等の複素環式環を形成することができ、
各Rは独立して、H、−C−Cアルキル、または−C(CHOH)であり、
各Rは独立して、e、Hであるか、またはOH、NH、COR、CONH、フェニル、COH、イミダゾール、もしくはアルギニンで任意に置換され得る直鎖もしくは分岐鎖C−C10アルキルであり、
各eは独立して、Hであるか、または天然産アミノ酸の側鎖のうちのいずれか1つであり、
各Rは独立して、−Hであるか、またはOHもしくはハロゲンで任意に置換された直鎖もしくは分岐鎖C−Cアルキルである。
【0012】
別の態様では、式IB:
【化10】

の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、および立体異性体が記載され、
式中、
各WおよびWは独立して、存在しないか、O、S、NH、もしくはNRであるか、またはWおよびWは一緒になることができ、任意に置換されたイミダゾリジン基もしくはピペラジン基を形成することができ、
各a、b、c、およびdは独立して、−H、−D、−CH、−OCH、−OCHCH、−C(O)OR、もしくはベンジルであるか、またはa、b、c、およびdのうちの2つが一緒になって、それらが結合する単一の炭素と共に、シクロアルキルもしくは複素環を形成することができ、
各n、o、p、およびqは独立して、0、1、または2であり、
各Lは独立して、存在しないか、−O−、−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S−S−、−(C−Cアルキル)−、−(C−Cシクロアルキル)−、複素環、ヘテロアリール、
【化11】

であり、
式中、Lの表現は、示されるような左から右の方向性に限定されず、むしろLの左側または右側のいずれかが、式IBの化合物のW側に結合されてもよく、
各Rは独立して、−H、−D、−C−Cアルキル、−ハロゲン、シアノ、オキソ、チオオキソ、−OH、−C(O)C−Cアルキル、−O−アリール、−O−ベンジル、−OC(O)C−Cアルキル、−C−Cアルケン、−C−Cアルキン、−C(O)C−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(C(O)C−Cアルキル)、−N(C(O)C−Cアルキル)、−SH、−S(C−Cアルキル)、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキルであり、
各gは独立して、2、3、または4であり、
各hは独立して、1、2、3、または4であり、
各mは独立して、0、1、2、または3であり、mが1を超える場合、Lは、同じであるか、または異なる可能性があり
各m1は独立して、0、1、2、または3であり、
kは、0、1、2、または3であり、
zは、1、2、または3であり、
各Rは独立して、Hであるか、または任意に置換されたC−Cアルキルであり、ここでC−Cアルキルのメチレン単位は、OまたはNRのいずれかの代わりに任意に置換され得、NRにおいて、両方のRは、それらが結合する窒素と一緒になるとき、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、またはピロール等の複素環式環を形成することができ、
各Rは独立して、H、−C−Cアルキル、または−C(CHOH)であり、
各Rは独立して、e、Hであるか、またはOH、NH、COR、CONH、フェニル、COH、イミダゾール、もしくはアルギニンで任意に置換され得る直鎖もしくは分岐鎖C−C10アルキルであり、
各eは独立して、Hであるか、または天然産アミノ酸の側鎖のうちのいずれか1つであり、
各Rは独立して、−Hであるか、またはOHもしくはハロゲンで任意に置換された直鎖もしくは分岐鎖C−Cアルキルである。
【0013】
別の態様では、式IC:
【化12】

の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、および立体異性体が記載され、
式中、
各WおよびWは独立して、存在しないか、O、S、NH、もしくはNRであるか、またはWおよびWは一緒になることができ、任意に置換されたイミダゾリジン基もしくはピペラジン基を形成することができ、
各a、b、c、およびdは独立して、−H、−D、−CH、−OCH、−OCHCH、−C(O)OR、もしくはベンジルであるか、またはa、b、c、およびdのうちの2つが一緒になって、それらが結合する単一の炭素と共に、シクロアルキルもしくは複素環を形成することができ、
各n、o、p、およびqは独立して、0、1、または2であり、
各Lは独立して、存在しないか、−O−、−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S−S−、−(C−Cアルキル)−、−(C−Cシクロアルキル)−、複素環、ヘテロアリール、
【化13】

であり、
式中、Lの表現は、示されるような左から右の方向性に限定されず、むしろLの左側または右側のいずれかが、式ICの化合物のW側に結合されてもよく、
各Rは独立して、−H、−D、−C−Cアルキル、−ハロゲン、シアノ、オキソ、チオオキソ、−OH、−C(O)C−Cアルキル、−O−アリール、−O−ベンジル、−OC(O)C−Cアルキル、−C−Cアルケン、−C−Cアルキン、−C(O)C−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(C(O)C−Cアルキル)、−N(C(O)C−Cアルキル)、−SH、−S(C−Cアルキル)、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキルであり、
各gは独立して、2、3、または4であり、
各hは独立して、1、2、3、または4であり、
各mは独立して、0、1、2、または3であり、mが1を超える場合、Lは、同じであるか、または異なる可能性があり、
各m1は独立して、0、1、2、または3であり、
kは、0、1、2、または3であり、
zは、1、2、または3であり、
各Rは独立して、Hであるか、または任意に置換されたC−Cアルキルであり、ここでC−Cアルキルのメチレン単位は、OまたはNRのいずれかの代わりに任意に置換され得、NRにおいて、両方のRは、それらが結合する窒素と一緒になるとき、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、またはピロール等の複素環式環を形成することができ、
各Rは独立して、H、−C−Cアルキル、または−C(CHOH)であり、
各Rは独立して、e、Hであるか、またはOH、NH、COR、CONH、フェニル、COH、イミダゾール、もしくはアルギニンで任意に置換され得る直鎖もしくは分岐鎖C−C10アルキルであり、
各eは独立して、Hであるか、または天然産アミノ酸の側鎖のうちのいずれか1つであり、
各Rは独立して、−Hであるか、またはOHもしくはハロゲンで任意に置換された直鎖もしくは分岐鎖C−Cアルキルである。
【0014】
式I、IA、IB、IC、およびIIの化合物において、Hのうちのいずれか1つ以上は、重水素で置換されてもよい。式I、IA、IB、IC、およびIIの化合物において、メチル置換基は、C−Cアルキルで置換できることもまた理解される。
【0015】
少なくとも1つの脂肪酸フマル酸塩誘導体を含む薬学的製剤もまた記載される。
【0016】
また、患者に有効量の脂肪酸フマル酸塩誘導体を投与することによって、脂肪酸フマル酸塩誘導体での治療の影響を受けやすい疾患を、それを必要とする患者において治療する方法も本明細書に記載される。
【0017】
また、それを必要とする患者に、有効量の脂肪酸フマル酸塩誘導体を投与することによって、代謝障害または自己免疫疾患または神経変性疾患を治療する方法も本明細書に記載される。
【0018】
また、それを必要とする患者に、有効量の脂肪酸フマル酸塩誘導体を投与することによって、神経変性疾患を治療する方法も本明細書に記載される。
【0019】
また、それを必要とする患者に、有効量の脂肪酸フマル酸塩誘導体を投与することによって、癌を治療する方法も本明細書に記載される。
【0020】
本発明はまた、有効量の脂肪酸フマル酸塩誘導体および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物を含む。本組成物は、代謝障害、神経変性疾患、および癌を治療または予防するために有用である。本発明は、薬学的に許容されるプロドラッグ、水和物、薬学的に許容される塩等の塩、鏡像異性体、立体異性体、またはそれらの混合物として提供されるとき、脂肪酸フマル酸塩誘導体を含む。
【0021】
本発明の詳細は、下記の添付の説明において述べられる。本発明の実践または試験において、本明細書に記載される方法および物質に類似したまたは同等の方法および物質を使用することができるが、例証的方法および物質が今は記載される。本発明の他の特徴、目的、および利点は、説明から、および特許請求の範囲から明白となるであろう。明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形は、文脈上、そうでないとする明確な指示がない限り、複数形も含む。別途規定されない限り、本明細書で使用される全ての専門用語および科学用語は、本発明が属する技術分野における専門家によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で引用される全ての特許および刊行物は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】化合物I−1またはモノメチルフマル酸塩およびDHAの組み合わせのいずれかで処置されたRAW264.7マクロファージにおける、IL−1βおよびTNF−α遺伝子発現の効果のグラフ表示。
【図2】LPSでの攻撃の90分前に化合物I−1またはデキサメタゾンのいずれかを投薬された、オスSwiss Websterマウスの血清TNF−αレベルのグラフ表示。
【図3】化合物I−1で処置されたRAW264.7マクロファージにおける、Hmox1標的遺伝子発現のグラフ表示。
【図4】対照または2つの異なる濃度の化合物I−105(50μMおよび100μΜ)のいずれかで処置されたRAW264.7マクロファージにおける、IL−1βおよびHmox1標的遺伝子発現のグラフ表示。
【発明を実施するための形態】
【0023】
代謝障害は、対象の代謝を妨げる多種多様の医的障害である。代謝は、対象の身体が、食物をエネルギーに変換するために使用する過程である。代謝障害を有する対象における代謝は、何らかの方法で妨害される。自己免疫疾患は、体内に通常存在する組織に対する身体の過敏性の免疫反応から生じる。神経変性疾患は、最終的に多様なCNS関連機能障害をもたらすであろう、ニューロンまたはそれらの髄鞘の変質からもたらされる。脂肪酸フマル酸塩誘導体は、代謝障害、自己免疫、または神経変性疾患を治療または予防する能力を有する。加えて、脂肪酸フマル酸塩誘導体はまた、癌腫、肉腫、リンパ腫、白血病、黒色腫、中皮腫、多発性骨髄腫、精上皮腫等の多様な癌、および膀胱、血液、骨、脳、乳房、中枢神経系、結腸、子宮内膜、食道、尿生殖路、頭部、喉頭、肝臓、肺、頸部、卵巣、膵臓、前立腺、精巣、脾臓、小腸、大腸、または胃の癌を治療するために使用することもできる。
【0024】
脂肪酸フマル酸塩誘導体は、フマル酸およびそのエステル類似体ならびに脂肪酸を単一の分子共役体中に寄せ集めるように設計されている。脂肪酸フマル酸塩誘導体の活性は、その構成成分の和よりも実質的に大きく、脂肪酸フマル酸塩誘導体によって誘導される活性が相乗的であることが示唆される。
【0025】
定義
次の定義は、脂肪酸フマル酸塩誘導体に関連して使用される。
【0026】
「脂肪酸フマル酸塩誘導体」という用語には、本明細書に記載される脂肪酸フマル酸塩誘導体の、任意のおよび全ての可能性のある異性体、立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、およびプロドラッグが含まれる。
【0027】
冠詞「a」および「an」は、本開示で、冠詞の文法的目的語の1つ以上を(すなわち、少なくとも1つを)指すために使用される。例として、「要素(an element)」は、1つの要素または1つを超える要素を意味する。
【0028】
「および/または」という用語は、別段の指示がない限り、本開示で「および」または「または」のいずれかを意味するように使用される。
【0029】
別途具体的に規定されない限り、「アリール」という用語は、フェニル、ビフェニル、またはナフチル等の単環式または二環式基を含む、1〜2つの芳香族環を有する環式の芳香族炭化水素基を指す。2つの芳香族環(二環式等)を含有する場合、アリール基の芳香族環は、単一の点で接合(例えば、ビフェニル)されても、縮合(例えば、ナフチル)されてもよい。アリール基は、結合の任意の点において、1個以上の置換基、例えば、1〜5個の置換基によって、任意に置換されてもよい。置換基は、それ自体が任意に置換される可能性がある。
【0030】
「C−Cアルキル」は、1〜3個の炭素原子を含有する直鎖もしくは分岐鎖の飽和の炭化水素を指す。C−Cアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
「C−Cアルキル」は、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖もしくは分岐鎖の飽和の炭化水素を指す。C−Cアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
「C−Cアルキル」は、1〜5個の炭素原子を含有する直鎖もしくは分岐鎖の飽和の炭化水素を指す。C−Cアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル、イソペンチル、ならびにネオペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
「C−Cアルキル」は、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖もしくは分岐鎖の飽和の炭化水素を指す。C−Cアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、およびネオペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
「シクロアルキル」という用語は、3〜6個の炭素原子を含有する環式炭化水素を指す。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキル上で置換可能な水素のうちのいずれかは、ハロゲン、C−Cアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、およびシアノ基で置換できることが理解される。
【0035】
本明細書で使用される「複素環」という用語は、3〜12個の炭素原子を含有する単環式または二環式炭化水素を指し、ここで炭素原子のうちの少なくとも1個は、O、N、またはSで置換される。複素環の例としては、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、チアン、イミダゾリジン、オキサゾリジン、チアゾリジン、ジオキソラン、ジチオラン、ピペラジン、オキサジン、ジチアン、ジオキサン、ジアザビシクロヘプタン、およびジアザビシクロオクタンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、5〜12個の環原子を有する単環式または二環式環構造を指し、ここで環原子のうちの1つ以上は、ヘテロ原子、例えば、N、O、またはSであり、ここで二環式環構造のうちの1つ以上の環は、芳香族である。ヘテロアリールの幾つかの例としては、ピリジル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、テトラゾリル、ベンゾフリル、キサンテン、およびジヒドロインドールがある。ヘテロアリール上の置換可能な水素のいずれかは、ハロゲン、C−Cアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、およびシアノ基で置換できることが理解される。
【0037】
本明細書で使用される「天然産アミノ酸の側鎖のうちのいずれか1つ」という用語は、次のアミノ酸のうちのいずれか1つの側鎖を意味する:イソロイシン、アラニン、ロイシン、アスパラギン、リジン、アスパラギン酸塩、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、グルタミン酸塩、スレオニン、グルタミン、トリプトファン、グリシン、バリン、プロリン、アルギニン、セリン、ヒスチジン、およびチロシン。
【0038】
本明細書で使用される「脂肪酸」という用語は、オメガ3脂肪酸、体内でオメガ3脂肪酸に代謝される脂肪酸、およびリポ酸を意味する。脂肪酸の非限定的例としては、全cis−7,10,13−ヘキサデカトリエン酸、α−リノレン酸(ALAまたは全cis−9,12,15−オクタデカトリエン酸)、ステアリドン酸(STDまたは全cis−6,9,12,15−オクタデカテトラエン酸)、エイコサトリエン酸(ETEまたは全cis−11,14,17−エイコサトリエン酸)、エイコサテトラエン酸(ETAまたは全cis−8,11,14,17−エイコサテトラエン酸)、エイコサペンタエン酸(EPAまたは全cis−5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸)、ドコサペンタエン酸(DPA、クルパノドン酸、または全cis−7,10,13,16,19−ドコサペンタエン酸)、ドコサヘキサエン酸(DHAまたは全cis−4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸)、テトラコサペンタエン酸(全cis−9,12,15,18,21−ドコサヘキサエン酸)、テトラコサヘキサエン酸(ニシン酸または全cis−6,9,12,15,18,21−テトラコセン酸)、およびリポ酸の立体異性体がある。
【0039】
「対象」は、哺乳類、例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、またはサル、チンパンジー、ヒヒ、もしくはアカゲザル等の非ヒト霊長類である。
【0040】
本発明はまた、有効量の脂肪酸フマル酸塩誘導体および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物を含む。本発明は、薬学的に許容されるプロドラッグ、水和物、薬学的に許容される塩等の塩、鏡像異性体、立体異性体、またはそれらの混合物として提供されるとき、脂肪酸フマル酸塩誘導体を含む。
【0041】
代表的な「薬学的に許容される塩」には、例えば、酢酸塩、アムソネート(amsonate)(4,4−ジアミノスチルベン−2,2−ジスルホネート)、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、酪酸塩、カルシウム、エデト酸カルシウム、カムシレート、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、クラブラリエート(clavulariate)、二塩酸塩、エデト酸塩、エディシレート、エストレート、エシレート、フィウナレート(fiunarate)、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン(hydrabamine)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨウ化物、イソチオネート、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、マグネシウム、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシレート、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、ムケート(mucate)、ナプシレート、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエート、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモエート(1,1−メテン−ビス−2−ヒドロキシ−3−ナフトエート、アインボネート(einbonate))、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ピクリン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、スラメート(suramate)、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート(teoclate)、トシレート、トリエチオジド(triethiodide)、および吉草酸塩等の、水溶性および水不溶性塩が含まれる。
【0042】
本明細書で使用される「代謝障害」という用語は、脂質異常症を伴う障害、疾患、および症候群を指し、代謝障害、代謝疾患、および内臓脂肪症候群という用語は、本明細書で交換可能に使用される。
【0043】
脂肪酸フマル酸塩誘導体に関連して使用されるとき、「有効量」は、代謝障害を治療または予防するために有効な量である。
【0044】
本開示で使用される「担体」という用語は、担体、賦形剤、および希釈剤を包含し、医薬品を、1つの臓器、または身体の部分から、別の臓器、または身体の部分に担持または輸送することに関与する、液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、またはカプセル化物質等の、物質、組成物、またはビヒクルを意味する。
【0045】
対象に関して、「治療すること」という用語は、対象の障害の少なくとも1つの症候を改善することを指す。治療することは、障害を治癒させる、改善する、または少なくとも部分的に寛解させることであり得る。
【0046】
「障害」という用語は、別段の指示がない限り、本開示で疾患、病態、または疾病という用語を意味するように使用され、それらと交換可能に使用される。
【0047】
本開示で使用される「投与する(administer)」、「投与すること(administering)」、または「投与」という用語は、化合物もしくは化合物の薬学的に許容される塩もしくは組成物を対象に直接に投与すること、または化合物もしくは化合物の薬学的に許容される塩もしくは組成物の、プロドラッグ誘導体もしくは類似体を対象に投与することのいずれかを指し、それは対象の身体内で活性化合物の当量を形成し得る。
【0048】
本開示で使用される「プロドラッグ」という用語は、体内で、代謝手段によって(例えば、加水分解によって)脂肪酸フマル酸塩誘導体に変換可能な化合物を意味する。
【0049】
次の略号が本明細書で使用され、指示される定義を有する:BSAは、ウシ血清アルブミンであり、DCCは、ジシクロヘキシルカルボジイミドであり、CDIは、1,1’−カルボニルジイミダゾールであり、DMEMは、ダルベッコ変法イーグル培地であり、EDCは、1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩であり、EtOAcは、エチル酢酸塩であり、HATUは、2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸メタンアミニウムであり、RTは、室温であり、TFAは、トリフルオロ酢酸であり、hは、時間である。
【0050】
化合物
本発明は、下記に述べられるような、式I、IA、IB、IC、およびIIに従った脂肪酸フマル酸塩誘導体を提供する。
【0051】
式Iおよび式II:
【化14】

の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、および立体異性体が本明細書に記載され、
式中、
、W、a、b、c、d、m、m1、n、o、p、q、L、Z、r、s、t、v、R、R、R、R、R、R、R、W′、W′、a′、c′、b′、d′、n′、o′、p′、q′、m1′、L′、およびZ′は、式Iおよび式IIについて上記で定義される通りであるが、
少なくとも1つの
【化15】

または
【化16】

が、化合物中に存在することを条件とする。
幾つかの実施形態では、1つのZは、
【化17】

であり、
rは、2である。
幾つかの実施形態では、1つのZは、
【化18】

であり、
rは、3である。
幾つかの実施形態では、1つのZは、
【化19】

であり、
rは、7である。
他の実施形態では、1つのZは、
【化20】

であり、
sは、3である。
幾つかの実施形態では、1つのZは、
【化21】

であり、
sは、5である。
幾つかの実施形態では、1つのZは、
【化22】

であり、
sは、6である。
幾つかの実施形態では、1つのZは、
【化23】

であり、
vは、1である。
他の実施形態では、1つのZは、
【化24】

であり、
vは、2である。
幾つかの実施形態では、1つのZは、
【化25】

であり、
vは、6である。
幾つかの実施形態では、1つのZは、
【化26】

であり、
sは、3である。
幾つかの実施形態では、1つのZは、
【化27】

であり、
sは、5である。
他の実施形態では、1つのZは、
【化28】

であり、
sは、6である。
他の実施形態では、Zは、
【化29】

であり、
tは、1である。
幾つかの実施形態では、Zは、
【化30】

であり、
tは、1である。
【0052】
別の態様では、式IA:
【化31】

の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、および立体異性体が記載され、
式中、
、W、a、b、c、d、m、m1、n、o、p、q、L、R、R、R、R、R、R、Rは、式IAについて上記で定義される通りである。
【0053】
別の態様では、式IB:
【化32】

の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、および立体異性体が記載され、
式中、
、W、a、b、c、d、m、m1、n、o、p、q、L、R、R、R、R、R、R、Rは、式IBについて上記で定義される通りである。
【0054】
別の態様では、式IC:
【化33】

の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、および立体異性体が記載され、
式中、
、W、a、b、c、d、m、m1、n、o、p、q、L、R、R、R、R、R、R、およびRは、式ICについて上記で定義される通りである。
次の実施形態は、式I、IA、IB、IC、およびIIの化合物の例証である。
幾つかの実施形態では、Rは、CHである。
幾つかの実施形態では、Rは、−CHCHである。
幾つかの実施形態では、Rは、Hである。
幾つかの実施形態では、Wは、NHである。
幾つかの実施形態では、Wは、NHである。
幾つかの実施形態では、Wは、Oである。
幾つかの実施形態では、Wは、Oである。
幾つかの実施形態では、Wは、存在しない。
幾つかの実施形態では、Wは、存在しない。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHである。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、存在しない。
幾つかの実施形態では、Wは、Oであり、Wは、NHである。
幾つかの実施形態では、WおよびWは、NRであり、Rは、CHである。
幾つかの実施形態では、mは、0である。
他の実施形態では、mは、1である。
他の実施形態では、mは、2である。
幾つかの実施形態では、Lは、−S−または−S−S−である。
幾つかの実施形態では、Lは、−O−である。
幾つかの実施形態では、Lは、−C(O)−である。
幾つかの実施形態では、Lは、ヘテロアリールである。
幾つかの実施形態では、Lは、複素環である。
幾つかの実施形態では、Lは、
【化34】

である。
幾つかの実施形態では、Lは、
【化35】

である。
幾つかの実施形態では、Lは、
【化36】

である。
幾つかの実施形態では、Lは、
【化37】

である。
幾つかの実施形態では、Lは、
【化38】

である。
幾つかの実施形態では、Lは、
【化39】

である。
幾つかの実施形態では、Lは、
【化40】

である。
幾つかの実施形態では、Lは、
【化41】

である。
幾つかの実施形態では、Lは、
【化42】

である。
幾つかの実施形態では、Lは、
【化43】

である。
幾つかの実施形態では、Lは、
【化44】

である。
他の実施形態では、n、o、p、およびqのうちの1つは、1である。
幾つかの実施形態では、n、o、p、およびqのうちの2つは各々、1である。
他の実施形態では、n、o、p、およびqのうちの3つは各々、1である。
幾つかの実施形態では、n、o、p、およびqは各々、1である。
幾つかの実施形態では、n、o、p、およびqのうちの2つは各々、1であり、他の2つは各々、0である。
幾つかの実施形態では、rは、2であり、sは、6である。
幾つかの実施形態では、rは、3であり、sは、5である。
幾つかの実施形態では、tは、1である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、0であり、nおよびoは各々、1であり、pおよびqは各々、0である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、n、o、p、およびqは各々、1であり、Lは、Oである。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、n、o、p、およびqは各々、1であり、Lは、
【化45】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、n、o、p、およびqは各々、1であり、Lは、−S−S−である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、nおよびoは各々、0であり、pおよびqは各々、1であり、Lは、
【化46】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、kは0であり、nおよびoは各々、0であり、pおよびqは各々、1であり、Lは、
【化47】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、nおよびoは各々、1であり、pおよびqは各々、0であり、Lは、
【化48】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、kは、0であり、nは、1であり、o、p、およびqは各々、0であり、Lは、
【化49】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、n、o、およびpは各々、0であり、qは、1であり、Lは、
【化50】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、kは、1であり、n、o、およびpは各々、0であり、qは、1であり、Lは、
【化51】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、nは、1であり、o、p、およびqは各々、0であり、Lは、
【化52】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、kは、1であり、o、p、およびqは各々、0であり、Lは、
【化53】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、n、o、p、およびqは各々、1であり、Lは、
【化54】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、n、o、p、およびqは各々、1であり、Lは、
【化55】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、0であり、kは、1であり、oおよびpは各々、1であり、qは、0である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、0であり、n、o、p、およびqは各々、1である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、0であり、nおよびoは各々、1であり、pおよびqは各々、0であり、各aは、CHである。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、0であり、nおよびoは各々、1であり、pおよびqは各々、0であり、各bは、CHである。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、n、o、p、およびqは各々、1であり、Rは、Hであり、Lは、
【化56】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、n、pおよびqは各々、1であり、oは、2であり、Rは、Hであり、Lは、
【化57】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、n、o、pは各々、1であり、qは、2であり、Lは、
【化58】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、n、o、p、およびqは各々、1であり、Lは、
【化59】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、nおよびpは各々、1であり、oおよびqは各々、0であり、Lは、−C(O)−である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、nおよびpは各々、1であり、oおよびqは各々、0であり、Lは、
【化60】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、n、o、p、qは各々、1であり、Lは、
【化61】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、n、o、p、およびqは各々、1であり、hは、1であり、Lは、
【化62】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、n、o、p、およびqは各々、1であり、Lは、−S−である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、1であり、n、o、pは各々、0であり、qは1であり、1つのdは、−CHであり、Lは、
【化63】

である。
幾つかの実施形態では、WおよびWは各々、NHであり、mは、2であり、n、o、p、およびqは各々、0であり、1つのLは、
【化64】

であり、
1つのLは、
【化64】

である。
幾つかの実施形態では、mは、0であり、n、o、p、およびqは各々、0であり、WおよびWが一緒になって、任意に置換されたピペラジン基を形成する。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、n、o、p、およびqは各々、0であり、WおよびWは各々、存在せず、Lは、
【化65】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、nおよびpは各々、1であり、oおよびqは各々、0であり、WおよびWは各々、NHであり、Lは、C−Cシクロアルキルである。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、nは、1であり、o、p、およびqは各々、0であり、WおよびWは各々、NHであり、Lは、C−Cシクロアルキルである。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、n、o、pは各々、0であり、qは1であり、WおよびWは各々、NHであり、Lは、C−Cシクロアルキルである。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、n、o、p、およびqは各々、0であり、Wは、NHであり、Wは、存在せず、Lは、
【化66】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、n、o、p、およびqは各々、0であり、Wは、存在せず、Wは、NHであり、Lは、
【化67】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、n、o、p、およびqは各々、0であり、Wは、NHであり、Wは、存在せず、Lは、
【化68】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、n、o、p、およびqは各々、0であり、Wは、存在せず、Wは、NHであり、Lは、
【化69】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、nは、1であり、o、p、およびqは各々、0であり、Wは、NHであり、Wは、存在せず、Lは、
【化70】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、n、o、pは各々、0であり、qは1であり、Wは、存在せず、Wは、NHであり、Lは、
【化71】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、n、o、p、およびqは各々、0であり、Wは、NHであり、Wは、存在せず、Lは、
【化72】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、n、o、p、およびqは各々、0であり、Wは、存在せず、Wは、NHであり、Lは、
【化73】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、nは、1であり、o、p、およびqは各々、0であり、Wは、NHであり、Wは、存在せず、Lは、
【化74】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、n、o、pは各々、0であり、qは1であり、Wは、存在せず、Wは、NHであり、Lは、
【化75】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、nは、1であり、o、p、およびqは各々、0であり、Wは、NHであり、Wは、存在せず、Lは、
【化76】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、n、o、pは各々、0であり、qは1であり、Wは、存在せず、Wは、NHであり、Lは、
【化77】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、n、o、p、qは各々、0であり、WおよびWは、存在せず、Lは、
【化78】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、n、o、p、qは各々、0であり、WおよびWは、存在せず、Lは、
【化79】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、n、o、p、qは各々、0であり、Wは、NHであり、Wは、存在せず、Lは、
【化80】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、n、o、p、qは各々、0であり、Wは、存在せず、Wは、NHであり、Lは、
【化81】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、n、o、pは各々、0であり、qは1であり、WおよびWは各々、およびNHであり、存在せず、Lは、
【化82】

である。
幾つかの実施形態では、mは、1であり、n、o、pは各々、0であり、qは1であり、WおよびWは各々、NHであり、存在せず、Lは、ヘテロアリールである。
前述の実施形態の幾つかでは、rは、2であり、sは、6であり、tは、1である。
前述の実施形態の幾つかでは、rは、3であり、sは、5であり、tは、1である。
前述の実施形態の幾つかでは、Zは、
【化83】

であり、
tは、1である。
【0055】
式I、IA、IB、IC、およびIIの化合物において、Hのうちのいずれか1つ以上は、重水素で置換されてもよい。
【0056】
他の例証的な実施形態では、式I、IA、IB、IC、およびIIの化合物は、下記に述べられる通りである:
(E)−メチル4−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−1)、
(E)−メチル4−(2−(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−2)、
(E)−メチル4−(2−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエトキシ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−3)、
(E)−メチル4−(2−((2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチル)(メチル)アミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−4)、
(E)−メチル4−(2−(2−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチル)ジスルファニル)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−5)、
(S)−メチル6−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(I−6)、
(S)−6−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸(I−7)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル6−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(I−8)、
(S)−メチル2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−6−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(I−9)、
(S)−2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−6−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸(I−10)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−6−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(I−11)、
(E)−メチル4−(3−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド−1−メトキシ−1−オキソプロパン−2−イルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−12)、
3−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)プロパン酸(I−13)、
(E)−メチル4−(1−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イロキシ)−3−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド−1−オキソプロパン−2−イルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−14)、
(E)−メチル4−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド−3−メトキシ−3−オキソプロピルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−15)、
2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド−3−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)プロパン酸(I−16)、
(E)−メチル4−(3−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イロキシ)−2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド−3−オキソプロピルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−17)、
2−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチル)−4−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ブタン酸(I−18)、
(E)−メチル4−(3−((1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イロキシ)カルボニル)−5−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドペンチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−19)、
(E)−メチル4−(3−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドプロピルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−20)、
(E)−メチル4−(4−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドブチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−21)、
(E)−メチル4−(1−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−22)、
(E)−メチル4−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド−2−メチルプロピルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−23)、
(E)−メチル4−(2−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−24)、
(E)−メチル4−(3−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)プロピルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−25)、
(E)−メチル4−(2−(3−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドプロピルアミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−26)、
(E)−メチル4−(2−((3−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドプロピル)(エチル)アミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−27)、
(E)−メチル4−(2−(N−(3−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドプロピル)アセトアミド)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−28)、
(E)−メチル4−(2−((2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチル)(2−モルホリノエチル)アミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−29)、
(E)−メチル4−(2−((2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチル)(3−(ピペラジン−1−イル)プロピル)アミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−30)、
(E)−メチル4−(3−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド−2−オキソプロピルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−31)、
(E)−メチル4−(3−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド−2−モルホリノプロピルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−32)、
(E)−メチル4−(3−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド−2−(ピペラジン−1−イル)プロピルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−33)、
(E)−メチル4−(5−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド−3−ヒドロキシペンチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−34)、
(E)−メチル4−(5−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド−3−モルホリノペンチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−35)、
(E)−メチル4−(2−(2−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエトキシ)エトキシ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−36)、
(E)−メチル4−(2−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルチオ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−37)、
(E)−メチル4−(3−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドアセトキシ)−1−メトキシ−1−オキソブタン−2−イルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−38)、
(E)−メチル4−((R)−3−(1−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチル)−2,5−ジオキソピロリジン−3−イルチオ)−1−メトキシ−1−オキソプロパン−2−イルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−39)、
(E)−メチル4−(4−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエノイルピペラジン−1−イル)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−40)、
(E)−メチル4−((2R,6S)−4−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエノイル)−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−41)、
(E)−メチル4−((1S,4S)−5−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエノイル)−2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−42)、
(E)−メチル4−((2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドメチル)シクロプロピル)メチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−43)、
(E)−メチル4−((4−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドシクロヘキシル)メチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−44)、
(E)−メチル4−(4−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドメチル)シクロヘキシルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−45)、
(E)−メチル4−(3−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエノイル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−46)、
(E)−メチル4−(6−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−47)、
(E)−メチル4−((S)−1−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエノイル)ピロリジン−3−イルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−48)、
(E)−メチル4−((S)−3−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)ピロリジン−1−イル)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−49)、
(E)−メチル4−((1−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエノイルピロリジン−2−イル)メチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−50)、
(E)−メチル4−(2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドメチル)ピロリジン−1−イル)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−51)、
(E)−メチル4−(1−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエノイルピペリジン−4−イルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−52)、
(E)−メチル4−(4−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドピペリジン−1−イル)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−53)、
(E)−メチル4−((1−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエノイルピペリジン−4−イル)メチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−54)、
(E)−メチル4−(4−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドメチル)ピペリジン−1−イル)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−55)、
(E)−メチル4−((1−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエノイルピペリジン−2−イル)メチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−56)、
(E)−メチル4−(2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドメチル)ピペリジン−1−イル)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−57)、
(E)−メチル4−((4−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエノイルモルホリン−3−イル)メチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−58)、
(E)−メチル4−(3−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドメチル)モルホリノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−59)、
(E)−メチル4−(5−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエノイル−ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−2(1H)−イル)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−60)、
(E)−メチル4−(1−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエノイル−ヘキサヒドロピロロ[3,4−b]ピロール−5(1H)−イル)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−61)、
(E)−メチル4−((2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエノイルオクタヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−7−イル)メチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−62)、
(E)−メチル4−(7−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドメチル)−ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−2(1H)−イル)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−63)、
(E)−メチル4−(4−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドメチル)フェニルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−64)、
(E)−メチル4−(6−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドメチル)ピリジン−2−イルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−65)、
(E)−エチル4−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−66)、
(E)−エチル4−(2−((2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチル)(メチル)アミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−67)、
(E)−エチル4−(2−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−68)、
(S)−6−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸(I−69)、
(S)−2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−6−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸(I−70)、
(S)−6−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸(I−71)、
(S)−2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−6−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸(I−72)、
(E)−メチル4−(2−(2−(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミドエチルアミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−73)、
(E)−メチル4−(2−((2−(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミドエチル)(メチル)アミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−74)、
(E)−エチル4−(2−(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−75)、
(S)−2−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)−6−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)ヘキサン酸(I−76)、
(S)−6−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)−2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)ヘキサン酸(I−77)、
(E)−エチル4−(2−((2−(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミドエチル)(メチル)アミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−78)、
(E)−エチル4−(2−(2−(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミドエチルアミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−79)、
(S)−5−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタン酸(I−80)、
(S)−2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−5−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタン酸(I−81)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル5−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタノエート(I−82)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−5−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタノエート(I−83)、
(S)−5−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタン酸(I−84)、
(S)−2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−5−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタン酸(I−85)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル5−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタノエート(I−86)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−5−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタノエート(I−87)、
(S)−5−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタン酸(I−88)、
(S)−2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−5−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタン酸(I−89)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル5−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタノエート(I−90)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−5−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタノエート(I−91)、
(S)−2−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)−5−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)ペンタン酸(I−92)、
(S)−5−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)−2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)ペンタン酸(I−93)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル2−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)−5−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)ペンタノエート(I−94)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル5−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)−2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)ペンタノエート(I−95)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル6−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(I−96)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−6−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(I−97)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル6−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(I−98)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル2−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)−6−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)ヘキサノエート(I−99)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−6−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(I−100)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル6−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)−2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)ヘキサノエート(I−101)、
(E)−4−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エン酸(I−102)、
2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルメチルフマル酸塩(I−103)、
(E)−メチル4−(メチル(2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−N−メチルドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)エチル)アミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−104)、
(R,E)−メチル4−(2−(5−(1,2−ジチオラン−3−イル)ペンタンアミド)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−105)、
6−(5−((R)−1,2−ジチオラン−3−イル)ペンタンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸(I−106)、
2−(5−((R)−1,2−ジチオラン−3−イル)ペンタンアミド)−6−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸(I−107)、
(R,E)−メチル4−(2−(2−(5−(1,2−ジチオラン−3−イル)ペンタンアミド)エチルアミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−108)、
(R,E)−メチル4−(2−((2−(5−(1,2−ジチオラン−3−イル)ペンタンアミド)エチル)(メチル)アミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−109)、
、N−ビス(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチル)フマルアミド(II−1)、および
−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチル)−N4−(2−(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミドエチル)フマルアミド(II−2)。
【0057】
脂肪酸フマル酸塩誘導体を使用するための方法
対象における炎症または炎症性疾患を阻害する、予防する、または治療するための方法もまた、本明細書に提供される。炎症は、炎症性疾患、または炎症が疾患に寄与する場合の疾患に関連し得る。炎症性疾患は、身体組織の炎症が存在する場所で生じる可能性がある。これらには、局所炎症性反応および全身性炎症が含まれる。かかる疾患の例としては、次のものが挙げられるが、これらに限定されない:臓器移植拒絶反応;次の臓器:心臓、肺、肝臓、および腎臓の移植を含むが、これらに限定されない、臓器移植からもたらされる再酸素化傷害(Grupp et al.,J.Mol.Cell Cardiol.31:297−303(1999)を参照されたい);関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、および増加した骨吸収に関連する骨疾患を含む、関節の慢性炎症性疾患;回腸炎、潰瘍性大腸炎、バレット症候群、およびクローン病等の炎症性腸疾患;ぜんそく、成人性呼吸促迫症候群、慢性閉塞性気道疾患、および嚢胞性線維症等の炎症性肺疾患;角膜ジストロフィー、トラコーマ、オンコセルカ症、ブドウ膜炎、交感性眼炎、および眼内炎を含む、眼の炎症性疾患;歯肉炎および歯周炎を含む、歯肉の慢性炎症性疾患;慢性腎臓病(CKD);IgA腎症;尿毒症合併症、糸球体腎炎、および腎症を含む、腎臓の炎症性疾患;硬化性皮膚炎、乾癬、および湿疹を含む、皮膚の炎症性疾患;神経系の慢性脱髄疾患、多発性硬化症、AIDS関連神経変性およびアルツハイマー病、感染性髄膜炎、脳脊髄炎、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、ならびにウイルス性または自己免疫性脳炎を含む、中枢神経系の炎症性疾患。II型糖尿病(diabetes mellitus)等の代謝疾患;I型糖尿病(diabetes)の予防;脂質異常症;高脂血症;緑内障、網膜症、黄斑浮腫、微量アルブミン尿症および進行性糖尿病性腎症等の腎症、多発性神経障害、糖尿病性神経障害、アテローム性冠動脈疾患、末梢動脈疾患、非ケトン性高血糖性高浸透圧性昏睡、単神経障害、自律神経障害、関節の問題、ならびに感染症、皮膚の斑点、カンジダ感染症、または糖尿病性リポイド類壊死症等の皮膚または粘膜合併症を含むが、これらに限定されない糖尿病性合併症;免疫複合血管炎、全身性エリテマトーデス;心筋症、虚血性心疾患高コレステロール血症、およびアテローム性動脈硬化症等の心臓の炎症性疾患;ならびに子癇前症を含む、有意な炎症性構成要素を有する種々の他の疾患;慢性肝不全、脳および脊髄外傷、ならびに癌。炎症性疾患はまた、グラム陽性またはグラム陰性ショック、出血性またはアナフィラキシーショック、または炎症誘発性サイトカインに反応して癌化学療法によって誘発されるショック、例えば、炎症誘発性サイトカインに関連するショックによって例示される、身体の全身性炎症であり得る。かかるショックは、例えば、癌に対する治療として投与される化学療法剤によって誘発される可能性がある。他の障害には、うつ病、肥満、アレルギー疾患、急性心血管事象、不整脈、突然死の予防、デュシェンヌ型筋ジストロフィー等の筋消耗疾患、皮膚筋炎、封入体筋炎、および多発性筋炎等の炎症性ミオパシー、ならびに癌悪液質が含まれる。また、外科手術および外傷からもたらされる炎症も、脂肪酸フマル酸塩誘導体で治療することができる。
【0058】
本明細書に記載される化合物はまた、癌腫、肉腫、リンパ腫、白血病、黒色腫、中皮腫、多発性骨髄腫、精上皮腫等の多様な癌、および膀胱、血液、骨、脳、乳房、中枢神経系、結腸、子宮内膜、食道、尿生殖路、頭部、喉頭、肝臓、肺、頸部、卵巣、膵臓、前立腺、精巣、脾臓、小腸、大腸、または胃の癌を治療する際にも有用である。
【0059】
幾つかの実施形態では、対象は、有効量の脂肪酸フマル酸塩誘導体を投与される。
【0060】
本発明の有効投薬量は、指示される効果のために使用されるとき、1日当たり約20mg〜約5000mgの脂肪酸フマル酸塩誘導体に及ぶ。体内または体外使用のための組成物は、約20、50、75、100、150、250、500、750、1000、1250、2500、3500、または5000mgの脂肪酸フマル酸塩誘導体を含有し得る。一実施形態では、組成物は、刻み目を付けられ得る錠剤の形態である。脂肪酸フマル酸塩誘導体の有効な血漿中レベルは、体重1kg当たり、1日当たり約0.002mg〜約100mgに及び得る。脂肪酸フマル酸塩誘導体の適切な投薬量は、Goodman,L.S.;Gilman,A.The Pharmacological Basis of Therapeutics,5th ed.;MacMillan:New York,1975,pp.201−226に述べられるように決定され得る。
【0061】
本発明はまた、代謝障害を治療または予防するために、または代謝障害を阻害するために、または1つを超えるこれらの活性に有用な、薬学的組成物を含む。本組成物は、内服に好適であり得、有効量の脂肪酸フマル酸塩誘導体および薬学的に許容される担体を含む。脂肪酸フマル酸塩誘導体は、それらが非常に低い末梢毒性を示すか、または末梢毒性を全く示さないという点で、とりわけ有用である。
【0062】
脂肪酸フマル酸塩誘導体の投与は、治療剤のための任意の投与様式を介して遂行することができる。これらの様式には、経口、経鼻、非経口、経皮、皮下、膣内、頬側、経腸、または局所(topical)投与様式等の、全身投与または局所(local)投与が含まれる。
【0063】
意図される投与様式に応じて、組成物は、例えば、注射液、錠剤、坐薬、丸薬、持続放出カプセル、エリキシル、チンキ剤、乳剤、シロップ、粉末、液体、懸濁液等の固体、半固体、または液体剤形、時には単位剤形であり得、従来の薬務と一貫している。同様に、それらは、静脈内(ボーラスおよび注入の両方)、腹腔内、皮下、または筋肉内形態で投与され得、これらの全ては、薬学技術分野の専門家に周知の形態を使用する。
【0064】
例証的な薬学的組成物は、a)希釈剤、例えば、精製水、硬化もしくは部分的に硬化の植物油もしくはそれらの混合物等のトリグリセリド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、EPAもしくはDHA等の魚油、またはそれらのエステルもしくはトリグリセリドもしくはそれらの混合物、オメガ3脂肪酸もしくはその誘導体、ラクトース、ブドウ糖、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、ナトリウム、サッカリン、グルコース、および/またはグリシン;b)滑沢剤、例えば、シリカ、滑石、ステアリン酸、そのマグネシウムもしくはカルシウム塩、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、および/またはポリエチレングリコール;また錠剤については、c)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプン糊、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、炭酸マグネシウム、グルコースもしくはベータラクトース等の天然糖類、トウモロコシ甘味剤、アカシア、トラガカント、もしくはアルギン酸ナトリウム等の天然および合成ガム、ワックス、および/またはポリビニルピロリドン;所望される場合、d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、メチルセルロース、ベントナイト、キサンタンガム、アルギン酸(algiic acid)もしくはそのナトリウム塩、または発泡性混合物;e)吸収剤、着色剤、香料剤、および甘味剤;f)Tween 80、Labrasol、HPMC、DOSS、カプロイル909、ラブラファック(labrafac)、ラブラフィル(labrafil)、ペセオール(peceol)、トランスクトール(transcutol)、カプムル(capmul)MCM、カプムル(capmul)PG−12、カプテックス(captex)355、ゲルシア(gelucire)、ビタミンE TGPS、または他の許容される乳化剤等の乳化剤または分散剤;ならびに/あるいはg)シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル‐シクロデキストリン、PEG400、PEG200等の化合物の吸収を増強する薬剤等の、脂肪酸フマル酸塩誘導体および薬学的に許容される担体を含む、錠剤およびゼラチンカプセルである。
【0065】
液体、特に注射用組成物は、例えば、溶解、分散等によって調製することができ、例えば、脂肪酸フマル酸塩誘導体は、例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、グリセロール、エタノール等の薬学的に許容される溶媒中に溶解またはそれらと混合されて、それによって注射用等張液または懸濁液を形成する。アルブミン、カイロミクロン粒子、または血清タンパク質等のタンパク質を使用して、脂肪酸フマル酸塩誘導体を可溶化することができる。
【0066】
脂肪酸フマル酸塩誘導体はまた、担体としてプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールを用いて、脂肪乳剤または懸濁液から調製され得る坐薬として製剤化することもできる。
【0067】
脂肪酸フマル酸塩誘導体はまた、小さい単ラメラ小胞、大きい単ラメラ小胞、および多重ラメラ小胞等のリポソーム送達系の形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンを含有する多様なリン脂質から形成することができる。幾つかの実施形態では、脂質構成成分の薄膜は、米国特許第5,262,564号に記載されるように、薬物の水溶液で水和されて薬物をカプセル化する脂質層を形成する。
【0068】
脂肪酸フマル酸塩誘導体はまた、脂肪酸フマル酸塩誘導体がそこに結合される個々の担体としてのモノクローナル抗体の使用によって、送達することができる。脂肪酸フマル酸塩誘導体はまた、標的化可能な薬物担体としての可溶性ポリマーと結合されてもよい。かかるポリマーには、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパンアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリジンが含まれ得る。更に、脂肪酸フマル酸塩誘導体は、薬物の制御放出を達成する際に有用な、生分解性のポリマーのクラス、例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロック共重合体に結合することができる。一実施形態では、脂肪酸フマル酸塩誘導体は、ポリマー、例えば、ポリカルボン酸ポリマー、またはポリアクリル酸塩に共有結合されない。
【0069】
非経口注射液投与は、概して、皮下、筋肉内、または静脈内注射および注入に使用される。注射液は、液体溶液もしくは懸濁液、または注射前に液体中に溶解するのに好適な固体形態のいずれかとして、従来の形態で調製することができる。
【0070】
組成物は、それぞれ、従来の混合、造粒、またはコーティング法に従って調製することができ、本薬学的組成物は、約0.1重量または容量%〜約80重量または容量%、約5重量または容量%〜約60重量または容量%、または約1重量または容量%〜約20重量または容量%の脂肪酸フマル酸塩誘導体を含有し得る。
【0071】
脂肪酸フマル酸塩誘導体を利用する投薬レジメンは、患者のタイプ、種、年齢、重量、性別、および医学的病態;治療対象の病態の重症度;投与経路;患者の腎機能または肝機能;ならびに用いられる特定の脂肪酸フマル酸塩誘導体を含む、多様な因子に従って選択される。当業者である医師または獣医は、病態の進行を予防、それに対抗、またはそれを阻止するために要求される薬物の有効量を容易に決定および処方することができる。
【0072】
脂肪酸フマル酸塩誘導体は、単回1日量で投与することができるか、または毎日2,3,4回の分割用量で1日総投薬量を投与することができる。更に、脂肪酸フマル酸塩誘導体は、好適な鼻腔内ビヒクルの局所使用を介して鼻腔内形態で、または当業者に周知の経皮吸収パッチを用いる経皮経路を介して、投与することができる。経皮送達系の形態で投与されるために、投薬投与は、投薬レジメン全体にわたって断続的であるよりはむしろ継続的であり得る。他の例証的局所調製物には、クリーム、軟膏、ローション、エアロゾルスプレー、およびゲルが含まれ、ここで脂肪酸フマル酸塩誘導体の濃度は、約0.1w/wまたはw/v%〜約15w/wまたはw/v%に及ぶ。
【0073】
脂肪酸フマル酸塩誘導体を作製するための方法
式I、IA、IB、IC、およびIIの脂肪酸フマル酸塩誘導体を作製するために有用な合成経路の例は、下記の実施例に述べられ、スキーム1〜11に一般化される。
スキーム1
【化84】

【0074】
式Bのモノ−BOC保護アミンは、商業的供給源から得るか、またはKrapcho et al,Synthetic Communications 1990,20,p.2559−2564に概説される手順に従って調製することができる。市販の化合物Aは、DCC、CDI、EDC等のカップリング試薬を用いてアミンBで、または任意に第三アミン塩基および/もしくは触媒、例えば、DMAPでアミド化することができ、続いてCHClまたはジオキサン等の溶媒中、TFAまたはHCl等の酸によるBOC基の脱保護を行って、結合された化合物Cを生成する。DIEA等のアミンの存在下でのHATU等のカップリング剤による化合物Cの活性化、続いて式Dの脂肪酸の添加により、式Eの化合物を得る。当業者であれば、このスキームおよび後続のスキームで、リポ酸が脂肪酸Dの代わりに置換され得ることを認識するであろう。
スキーム2
【化85】

【0075】
式Fのアシル化アミンは、Andruszkiewicz et al,Synthetic Communications,2008,38,p.905−913に概説される手順を用いて調製することができる。化合物Aは、DCC、CDI、EDC等のカップリング試薬を用いてアミンFで、または任意に第三アミン塩基および/もしくは触媒、例えば、DMAPでアミド化することができ、続いてCHClまたはジオキサン等の溶媒中、TFAまたはHCl等の酸によるBOC基の脱保護を行って、結合された化合物Gを生成する。DIEA等のアミンの存在下でのHATU等のカップリング剤による化合物Gの活性化、続いて式Dの脂肪酸の添加により、式Hの化合物を得る。
スキーム3
【化86】

【0076】
化合物Aは、DCC、CDI、EDC等のカップリング試薬を用いて対応するアミンI(ここでi=0、1、2、または3)で、または任意に第三アミン塩基および/もしくは触媒、例えば、DMAPでアミド化することができ、続いてCHClまたはジオキサン等の溶媒中、TFAまたはHCl等の酸によるBOC基の脱保護を行って、結合された化合物Jを生成する。DIEA等のアミンの存在下でのHATU等のカップリング剤による化合物Jの活性化、続いて式Dの脂肪酸の添加により、式Kの化合物を得る。NaOHまたはLiOH等の塩基性条件下でのエステルの加水分解により、対応する酸を生成し、それをグリシジルと結合させて、式Lの化合物を得ることができる。
スキーム4
【化87】

【0077】
アミンMは、Dahan et al,J.Org.Chem.2007,72,p.2289−2296に概説される手順に従って調製することができる。化合物Aは、DCC、CDI、EDC等のカップリング試薬を用いてアミンMと、または任意に第三アミン塩基および/もしくは触媒、例えば、DMAPと結合させることができ、続いてCHClまたはジオキサン等の溶媒中、TFAまたはHCl等の酸によるBOC基の脱保護を行って、結合された化合物Nを生成する。DIEA等のアミンの存在下でのHATU等のカップリング剤による化合物Nの活性化、続いて式Dの脂肪酸の添加により、式Oの化合物を得る。
スキーム5
【化88】

【0078】
化合物Aを、DCC、CDI、EDC等のカップリング試薬を用いて市販のアミンPで、または任意に第三アミン塩基および/もしくは触媒、例えば、DMAPでアミド化して、化合物Qを得ることができる。化合物Q中のBOC基は、CHClまたはジオキサン等の溶媒中、TFAまたはHCl等の酸により除去することができ、結果として生じるアミンを、DIEA等のアミンの存在下でHATU等のカップリング剤を用いて式Dの脂肪酸と結合させて、式Rの化合物を得ることができる。当業者にとって、式Qにおける硫黄基は、Hまたはオキソン等の酸化剤を用いて対応するスルホキシドまたはスルホンに酸化させることができる。
スキーム6
【化89】

【0079】
アミンTは、Dahan et al,J.Org.Chem.2007,72,p.2289−2296に概説される手順に従って、市販のジアミンから調製することができる。化合物Aを、DCC、CDI、EDC等のカップリング試薬を用いてアミンTで、または任意に第三アミン塩基および/もしくは触媒、例えば、DMAPでアミド化して、化合物Uを得ることができる。化合物UのBOC基は、CHClまたはジオキサン等の溶媒中、TFAまたはHCl等の酸により除去することができ、結果として生じるアミンを、DIEA等のアミンの存在下でHATUを用いて式Dの脂肪酸と結合させて、式Vの化合物を得ることができる。当業者にとって、化合物U中のヒドロキシル基は、標準的なメシル化化学、続いてアジ化ナトリウムでの置換およびパラジウム炭素等の触媒上での水素化によって、更にアシル化またはアミノ基に変換することができる。アミンは、更にアシル化またはアルキル化することができ、続いてBOC基の除去を行う。結果として生じるアミンを式Dの脂肪酸と結合させて、式Wの化合物を得ることができる。
スキーム7
【化90】

【0080】
化合物Aを、DCC、CDI、EDC等のカップリング試薬を用いて市販のアミンXで、任意に第三アミン塩基および/もしくは触媒、例えば、DMAPでアミド化して、化合物Yを得ることができる。化合物Y中のBOC基は、CHClまたはジオキサン等の溶媒中、TFAまたはHCl等の酸により除去することができる。結果として生じるアミンを、DIEA等のアミンの存在下でHATU等のカップリング剤を用いて式Dの脂肪酸と結合させて、式Zの化合物を得ることができる。
スキーム8
【化91】

【0081】
化合物Aを、DCC、CDI、EDC等のカップリング試薬を用いて市販のシステインメチルエステルで、または任意に第三アミン塩基および/もしくは触媒、例えば、DMAPでアミド化して、化合物AAを得ることができる。市販のマレイミド誘導体BBを、HATUまたはEDCI等のカップリング剤を用いて式Dの脂肪酸と結合させて、式CCの化合物を得ることができる。化合物AAをアセトニトリル等の溶媒中、式CCの化合物に結合させて、式DDの化合物を得ることができる。
スキーム9
【化92】

【0082】
市販のアミノ酸エステルEEは、EDCIまたはHATU等のカップリング剤を用いて式Dの脂肪酸と結合させることができ、続いてメチルエステルのアルカリ加水分解により、式FFの化合物を得る。式FFの化合物は、EDCIまたはHATU等のカップリング剤を用いて、市販のBOC−アミノ酸誘導体GGと結合させることができる。BOC基をTFAまたはHCl等の酸での処理によって除去して、式HHの化合物を得ることができ、次いでそれを化合物Aと結合させて、式IIの化合物を得ることができる。
スキーム10
【化93】

【0083】
化合物Aを、EDCIまたはHATUのいずれかを用いて式JJのアミンと結合させて、式KKの化合物を得ることができる。BOC基は、TFAまたはHCl等の酸での処理によって除去することができ、結果として生じるアミンを式Dの脂肪酸と結合させて、化合物LLを得ることができる。メチルエステル基は、LiOHまたはNaOH等の塩基での処理によって加水分解することができ、結果として生じる酸を、アミンJJと結合させて、化合物MMを得ることができる。BOC基は、TFAまたはHCl等の酸での処理によって除去することができ、結果として生じるアミンを、EDCIまたはHATUのいずれかを用いて式Dの脂肪酸と結合させて、化合物NNを得ることができる。
スキーム11
【化94】

【0084】
化合物Aを一般式DAのBOC保護ジアミンと結合させて、BOC保護アミド誘導体を得ることができる。ジオキサン中のHCIでの処理後、結果として生じるアミンOOは、式PPの化合物を得るために式Dの脂肪酸と結合させることができる。多様なBOC保護ジアミンが市販されている。ジアミンDA1、DA2、DA3、およびDA4

【化95】

、ならびにそれらの誘導体は、対応する参考文献:ジアミンDA1、Stocks et al,Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 2010,p.7458;ジアミンDA2、Fritch et al,Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 2010,p.6375;ジアミンDA3およびDA4、Moffat et al,J.Med.Chem.2010,53,p.8663−8678)に概説される手順に従って調製することができ、前述の参考文献の開示は、その全体が本明細書に組み込まれる。多様な単保護ジアミンを調製するための詳細な手順もまた、次の参考文献:国際公開第2004092172号、国際公開第2004092171号、および国際公開第2004092173号に見出すことができ、これらの開示は、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0085】
本開示は、次の実施例によって更に例証されるが、それらは、本開示を範囲または趣旨において、本明細書に記載される特定の手順に限定するものとして解釈されるべきでない。実施例は、ある種の実施形態を例証するために提供され、これらによる本開示の範囲への限定は、全く意図されていないことを理解されたい。本開示の趣旨および/または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者にとって浮かび得る種々の他の実施形態、修正、およびそれらの等価物が用いられてもよいことを更に理解されたい。
【0086】
実施例1
RAW 264.7マクロファージにおけるNFκBレベルに及ぼす、本発明の化合物の効果
【0087】
3x NFkB応答エレメント駆動型ルシフェラーゼレポーターを安定に発現するRAW 264.7細胞を、化合物適用の18時間前に、無血清培地(Optimem)の96ウェルプレート中に播種した。本発明の化合物を、EtOH中の100mM保存液を最初に作製することによって調製した。次いで保存液を、低LPS FBS(Gemini BenchMark 100−106)中、1:100に希釈し、激しく混合し、室温で30分間インキュベートさせた。次いで1%EtOHを補充したFBS中、1:2の段階希釈を行い、激しく混合し、再び室温で30分間インキュベートさせた後、RAW 264.7レポーター細胞(最終濃度:10%FBS、100μM化合物最高希釈、0.1%EtOH)に添加して、LPSでの刺激前に2時間の前処理を行った。次いで細胞を、本発明の化合物の存在下で、200ng/mL LPSまたはビヒクル対照で3時間刺激した。6つのビヒクルの一式は、アッセイの底を測定するためにLPSで刺激しないまま残した。AlamarBlue生細胞染色色素(Invitrogen)を細胞に添加すると同時に、LPSの送達を行った(10%の最終AlamarBlue濃度)。LPSと共に3時間のインキュベーション期間後、細胞生存率を、蛍光(励起550nm、発光595nm)をPerkin Elmer Victor Vプレートリーダーで読み取ることによって測定した。次いで細胞培地を各ウェルから吸引した。次いでルシフェラーゼシグナルを、Britelite Plus試薬(Perkin Elmer)の添加によって展開した。ルシフェラーゼ活性をPerkin Elmer Victor Vプレートリーダーで測定した。NF−κB活性をビヒクル対照ウェル(LPSで刺激)のパーセントとして表した。化合物を、6つの用量点の滴定で、3系列で試験して、IC50値を決定した。
【0088】
表1は、このNF−κBルシフェラーゼレポーターアッセイにおける脂肪酸フマル酸塩共役体の幾つかについてのIC50値を要約する。この表において、MMF=モノメチルフマル酸塩である。(−)は、化合物が、200μM以下で阻害活性を示さなかったことを示す。(+)は、化合物が、50Μm超〜200μM以下で阻害活性を示したことを示す。(++)は、化合物が、50μM以下で阻害活性を示したことを示す。
【表1】

【0089】
実施例2
IL−1βおよびTNF−αに及ぼす、脂肪酸フマル酸塩誘導体の効果
【0090】
RAW264.7マクロファージを、100,000細胞/ウェルの密度で、10%FBSおよびペニシリン/ストレプトマイシン(Penn/strep)を補充したDMEMの96ウェルプレート中に播種した。16時間後、培地を吸引し、90μL/ウェルの無血清DMEMに置き換えた。脂肪酸フマル酸塩共役体、DHA、およびモノメチル−フマル酸塩(MMF)を100%EtOH中、100mMの濃度に仕込み、次いで100%FBS中、1:100に希釈して、1mM化合物および1%EtOHからなる保存液を得た。次いでこれらの保存液を、1%EtOHを補充したFBS中、1:10に希釈して、100μMの脂肪酸フマル酸塩共役体ならびに各々100μMのDHAおよびMMFを得た。次いで10μLをRAW246.7細胞に添加して、最終濃度10μMの脂肪酸フマル酸塩共役体または各々10μMのDHAおよびMMFと共に、ビヒクルのみの対照を得た。化合物を、2時間プレインキュベートさせた後、100ng/mL LPSで刺激した(10μLの1μg/mL LPSを各ウェルに添加した)。3時間のLPS刺激に続いて、細胞を1x PBS中で1回洗浄し、吸引乾燥させ、液体窒素中で急速冷凍した。次いでRNAを単離し、製造業者のプロトコルに従ってCells to cDNAキット(Ambion)を用いてcDNAに変換した。次いでIL−1βおよびTNF−α転写レベルを、Taqmanプライマー/プローブアッセイセット(Applied Biosystems)を用いて測定し、deltaCt法を用いてGAPDHに対して正規化し、データをビヒクルのみの対照に対して表した。化合物I−1で処置されたマクロファージは、モノメチルフマル酸塩(MMF)およびDHAの組み合わせで処置された細胞よりも、IL−1βおよびTNF−α遺伝子発現のより大きい低減を示した(図1)。一元配置ANOVA、**p<0.05、***p<0.005を用いて統計分析を行った。
【0091】
実施例3
RAW 264.7マクロファージにおけるTNFα放出アッセイ
【0092】
このアッセイの目的は、リポ多糖(LPS)で刺激した培養マクロファージにおける、小分子の、TNFαの分泌を阻害する能力を測定することである。マクロファージのLPSでの処置は、主にTLR4−NFκBシグナル伝達軸を通じて炎症性サイトカイン経路を活性化する。本発明の化合物は、NFκBの転写活性化を阻害し、故にTNFαデキサメタゾンの生成および放出を減少させ、グルココルチコイド受容体の強力なアゴニストを、TNFα放出の阻害のための陽性対照として使用する。
【0093】
1日目:RAW 264.7マクロファージを96ウェルの培養プレート中に播種する。培養培地を、75mm組織培養フラスコ(細胞は、約70%のコンフルエンスであるべきである)中で増殖しているRAW 264.7細胞から除去し、10mLの加温した完全増殖培地(DMEM+10%FBS+1Xペニシリン/ストレプトマイシン(pen/step))を添加する。細胞を、滅菌したプレートスクレーパを用いて懸濁液中にこすり落とし、10mLセロロジカルピペットで上下にピペット操作することによって均質化する。細胞濃度を、臨床用血球計数器を用いて決定する。次いで細胞を、増殖培地中に1mL当たり150,000細胞にまで希釈する。次いで希釈した細胞を滅菌試薬リザーバに移し、100μLの細胞懸濁液を、マルチチャンネル(15,000細胞/ウェル)を用いて96ウェルの培養プレートの各ウェル中にピペット滴下する。次いでプレートを、通常の組織培養増殖条件下で(37℃、加湿したCOチャンバ)、37℃でインキュベートする。
【0094】
2日目:試験化合物試料プレートを調製する。試験化合物を増殖培地中に調製する。化合物を、100%DMSO中の1000X原液から培地に送達する(例えば、試験化合物の10μMの最終濃度のために、2mLの培地に対して2μLの10mM試験化合物を送達)。培地中、少なくとも150μLの1X化合物を、96ウェルの試料プレートに添加する。エッジ効果を回避するために、96ウェルプレートの周囲ウェルは、使用しない。12個の試料ウェルを、培地に加えて0.1%DMSOを用いて調製する(これらの試料は、ビヒクル対照、LPS刺激および無刺激としての機能を果たすことになり、10μMデキサメタゾンを陽性対照として使用する)。次いで培養プレートを増殖インキュベータに2時間戻す。後程、細胞を、25μLの50ng/mL LPSを各ウェルに添加することによって刺激する(6つの無刺激ビヒクル対照ウェルを除く:10ng/mL LPSの最終濃度。プレートを増殖インキュベータに3時間戻す。後程、100μLの培地上清を除去し、96ウェルのv字底試料プレートに移す。培地上清プレートを、スイングバケット遠心分離機中、1,000rpmで5分間遠心分離にかけ、上清中に残る可能性のあるいかなる細胞破片もペレット化する。80μLの上清を試料プレートから除去し、新鮮なv字底96ウェルプレートに移す。細胞生存率を、Celltiter−gloキットを用いて測定する。細胞生存率を測定することによって、TNFα分泌に及ぼす所定の化合物の効果により、効果が、細胞傷害性に起因するのか、それとも炎症性シグナル伝達の真の阻害に起因するのかを決定することができる。100μLのCelltiter−glo試薬を細胞培養プレートの各ウェルに添加し、後程、プレートの発光シグナル(CPS)を、Victor 5プレートリーダーを用いて測定する(0.3秒の読み取り、読み取り前に60秒のプレート振とう)。所定の化合物の所定の濃度での細胞生存率は、次のように演算する:
細胞生存率=CPS試料/(平均CPS無刺激対照)×100
【0095】
TNFαELISAのために、1ウェル当たり20μLの培地上清を使用する。マウスTNFαELISAのために、Invitrogen/Biosource製造業者のプロトコルに従う。色素源発達は、製造業者のプロトコルに記載されるように、典型的に20〜30分間行う。停止液の添加後、Victor 5プレートリーダーを用いてOD 450nmを測定する(0.1秒/ウェルスキャン)。対照のTNFα分泌パーセントを決定する。次の式を使用して、対照のTNFα分泌パーセントを決定する:
100X(OD 450nm、試料X)−(平均OD 450nm、無刺激ビヒクル対照)(平均OD 450nm、LPS刺激ビヒクル対照)−(平均OD 450nm、無刺激ビヒクル対照)
【0096】
各試験化合物について、対照のTNFα分泌パーセントは、次の4パラメータの用量反応曲線フィット方程式(XLFITモデル番号205)を用いて、化合物濃度の関数としてプロットすることができる:
フィット=(A+((B−A)/(1+((C/x)^D))))
インボリュート=(C/((((B−A)/(y−A))−1)^(1/D)))
レス=(y−フィット)
【0097】
実施例4
LPS攻撃TNFαマウスモデルにおける、本発明の化合物の体内効果
【0098】
化合物の体内TNFα分泌に及ぼす効果を測定するために、オスSwiss Websterマウス(n=1群当たり10匹の動物)に、強制経口投与によって、または腹腔内注射によってのいずれかで、各試験化合物を投薬する(投薬容量は、15mL/kg)。全ての化合物は、適切なビヒクル中に製剤化する(使用され得るビヒクルの例としては、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコール等の溶媒、グリセロールモノオレエートおよび大豆油等の脂質、ならびにポリソルベート80およびクレモフォールEL等の界面活性剤の組み合わせが挙げられる)。化合物投薬の90分後、動物を、腹腔内(IP)注射によって0.2mg/kg LPS(リポ多糖)で処置する。LPS攻撃の90分後、マウスに麻酔をかけ、心臓穿刺によって血清分離管中(ナトリウムヘパリンにより)に採血する。採血した血液を室温で2時間凝固させ、次いで管を2,000xgで20分間回転させる。血清を管から採取し(1匹の動物当たり100〜150μL)、−70℃で冷凍する。TNFα血清レベルを、市販のTNFα ELISAキットを用いて測定する(p<0.05、両側t検定を用いる)。代表的な例として、化合物I−1を、300mg/kgで(腹腔内、42%Tween、16%クレモフォール、31%グリセロールモノオレエート(monoleate)、10%プロピレングリコール中、300mg/gの化合物で製剤化、6mLの水で希釈)によって投薬した。デキサメタゾン(0.5mg/kg経口で投薬、同様に製剤化)を、本実験において陽性対照として使用した。データを図2に要約する。統計分析を、一元配置ANOVA、p<0.05を用いて行った。
【0099】
実施例5
RAWマクロファージにおける標的遺伝子Hmox1に及ぼす、脂肪酸フマル酸塩誘導体の効果
【0100】
RAW264.7マクロファージを、100,000細胞/ウェルの密度で、10%FBSおよびペニシリン/ストレプトマイシン(Penn/strep)を補充したDMEMの96ウェルプレート中に播種する。16時間後、培地を吸引し、90μL/ウェルの無血清DMEMに置き換える。脂肪酸フマル酸塩共役体、DHA、およびEPAを100%EtOH中、100mMの濃度に仕込み、次いで100%FBS中、1:100に希釈して、1mM化合物および1%EtOHからなる保存液を得た。脂肪酸フマル酸塩共役体20x保存液を、1%EtOHを補充したFBS中、1:2に希釈して、500μMの10x保存液を得る一方で、等量のDHAおよびEPA 20x保存液を混合して、各々500μMのDHAおよびEPAを含有する10x保存液を作製する。次いで10x保存液を、1%EtOHを補充したFBS中、1:2に段階希釈し、10μLの各希釈液をRAW246.7細胞に添加して、50、25、12.5、6.25、3.12、および1.6μMの最終濃度を得る。化合物を、2時間プレインキュベートさせた後、100ng/mL LPSで刺激する(10μLの1μg/mL LPSを各ウェルに添加した)。3時間のLPS刺激に続いて、細胞を1x PBS中で1回洗浄し、吸引乾燥させ、液体窒素中で急速冷凍する。次いでRNAを単離し、製造業者のプロトコルに従ってCells to cDNAキット(Ambion)を用いてcDNAに変換する。次いで転写レベルを、ABI Taqman プライマー/プローブアッセイキットを用いて測定し、deltaCt法を用いてGAPDHに対して正規化し、データをビヒクルのみの対照に対して表す。下記に示す図3は、標的遺伝子Hmox1に及ぼす、化合物I−1の陽性効果を要約する。図4は、標的遺伝子Hmox1およびIL−1βに及ぼす、リポ酸フマル酸塩誘導体I−105の陽性効果を要約する(IL−1β遺伝子発現を得るためのプロトコルは、実施例1に詳述した)。
【0101】
実施例6
ストレプトゾトシン−糖尿病性ラットにおける、脂肪酸フマル酸塩共役体の効果
【0102】
メスSprague−Dawleyラット(8週齢、150gの平均体重を有する)を、本研究のために使用する。糖尿病を、0.1mol/Lナトリウムクエン酸塩緩衝液、pH4.5中のストレプトゾトシン(STZ)の単回尾静脈注射によって誘発させる。次いで糖尿病を、STZ処置の2日および3日後に血糖値レベルを測定することによって確認する。糖尿病性動物を、16nmol/Lよりも高い血漿グルコースを有するものとして分類する。次いで糖尿病性動物をビヒクル対照群および処置群に分類する(各群は12匹の動物を有する)。全ての動物を、各々12時間の明暗周期で個々に収容し、動物に食物および水を自由に与える。体重を維持し、高血糖を制限するために、糖尿病性動物を3IUのウルトラレンテインスリンで週3回、午後(およそ3〜4pm)に処置する。動物が体重を増すにつれて、血糖コントロールを維持するために、15週目にインスリンの用量を15IUに増加させる。動物に、28週間にわたってビヒクルまたは脂肪酸フマル酸塩共役体を投薬する(使用され得るビヒクルの例としては、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコール等の溶媒、グリセロールモノオレエートおよび大豆油等の脂質、ならびにポリソルベート80およびクレモフォールEL等の界面活性剤の組み合わせが挙げられる)。腎疾患の進行を、尿アルブミンおよび血漿クレアチニン濃度の毎月の測定によって査定することができる。尿測定のために、ラットを代謝ラットケージに24時間収容する。尿アルブミンは、Degenhardt et al,Kidney International 2002,61,p.939−950に概説されるプロトコルに従って競合ELISAアッセイによって定量化することができる。血漿クレアチニン濃度は、Sigma(Sigmaカタログ番号555−A)からの標準キットを用いて、Jaffeピクリン酸手順によって測定することができる。統計分析は、ウィンドウズV1.00用のSigmaStatを用いて行うことができる。P値は、ノンパラメトリックなMann−Whitney Rank Sum分析によって算出することができる。28週目には、脂質異常症もまた、血漿トリグリセリドおよび総コレステロールを測定することによって査定することができる。これらの血漿脂質は、標準化された市販のキットを用いて、酵素的、比色定量、エンドポイントアッセイによって測定することができる。総コレステロールは、Sigmaキット(カタログ番号352)を用いて分析することができ、トリグリセリドは、Sigmaキット(カタログ番号37、GOP Grinder)を用いて分析することができる。
【0103】
実施例7
シスプラチン誘発性腎毒性マウスモデルにおける、脂肪酸フマル酸塩共役体の効果
【0104】
この研究のために、体重およそ30gの10〜12週齢のオスC57BL/6マウスを使用する。通常の順化期間後、動物を標準的な食餌により維持し、水を自由に与える。次いでマウスにビヒクルまたはシスプラチンのいずれかの単回腹腔内注射を与える(20mg/kg、生理食塩水中、1mg/mLの濃度)。1処置群当たり10匹の動物を使用する。薬物処置群について、シスプラチン注射の24時間前から開始して、動物に脂肪酸フマル酸塩共役体を投与する(ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコール等の溶媒、グリセロールモノオレエートおよび大豆油等の脂質、ならびにポリソルベート80およびクレモフォールEL等の界面活性剤の組み合わせ中に製剤化)。次いで投薬を72時間にわたって継続する。この時点で、動物を屠殺し、血液および腎臓組織を収集する。血中尿素窒素(BUN)およびクレアチニンを測定する。血清中のTNF−aレベルは、酵素結合免疫吸着測定(ELISA)を用いて決定することができる。組織を、組織学およびRNA単離のために加工する。尿細管傷害は、「G.Ramesh and W.B.Reeves,Kidney International,2004,65,p.490−498」に記載される半定量スケールを用いて、PAS染色切片において査定することができる。
【0105】
実施例8
多発性硬化症(MS)のための慢性実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)マウスモデル。
【0106】
20〜30gの範囲の体重を有する8〜12週齢であるC57BL/6メスマウスを、EAEモデルのために使用する。EAEの誘発のために、0.5 0.5mg/mLの最終濃度でヒト型結核菌H37RAを含有する等量の完全フロイントアジュバント(CFA)中に乳化したPBS中、50μgのMOG35−55免疫ペプチド(Hooke laboratories,Lawrence,MAから市販される)を用いて、マウスに脇腹および尾底部における皮下注射を受容させる。0日および2日目、百日咳毒素の2回の注射(1匹のマウス当たり200ng、腹腔内)を与える。薬物治療は、免疫付与後3日目から開始して、研究の終了まで、指示されるビヒクル中で強制経口投与によって施す。各治療群は、8匹の動物からなり、陰性対照としてビヒクルのみ、または脂肪酸フマル酸塩誘導体である。動物を秤量し、研究の過程(28日間)にわたって日々、疾患の臨床兆候についてスコア化する。疾患重症度は、0〜10の範囲のスケールを用いて決定することができ、スコアは次の通りである:0=正常、1=緊張度の低下した尾、2=引きずった尾、立ち直り機能障害、3=立ち直り消失、4=歩行失調、5=軽度の不全対麻痺または対麻痺、8=四肢不全麻痺、9=瀕死、10=死亡。マウスは、通常、スコア7以上で屠殺する。
【0107】
次の非限定的化合物の例は、脂肪酸フマル酸塩誘導体の更なる実施形態を例証する機能を果たす。実施例節に列挙されるいずれの実施形態も、脂肪酸フマル酸塩誘導体の実施形態であり、したがって、上述の方法および組成物における使用に好適であることを理解されたい。
【0108】
実施例9
(E)−メチル4−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(化合物I−1)の調製
【化96】

【0109】
モノメチルフマル酸塩(1.7g、13.1mmol)を、20mLのCHClと共に、塩化オキサリル(1.1mL、13.1mmol)中に取り込んだ。数滴のDMFを添加した後、反応混合物を、全ての固体が溶解し、全てのガス放散が終止するまで室温で撹拌した(1時間)。この調製したばかりの酸塩化物の溶液を、200mLのCHCl中、tert−ブチル2−アミノエチルカルバメート(2.1g、13.1mmol)およびEtN(2.8mL、19.6mmol)を含有する溶液に0℃で滴加した。結果として生じた反応混合物を室温まで加温し、2時間撹拌した。次いでそれをブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(CHCl)による精製により、2.2gの(E)−メチル4−(2−(tert−ブトキシカルボニル)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(収率62%)を得た。(E)−メチル4−(2−(tert−ブトキシカルボニル)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(2.2g、8.1mmol)を、ジオキサン中10mLの4M HCl中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で1時間放置させ、次いで50mLのEtOAcで希釈し、減圧下で濃縮して、(E)−メチル4−(2−アミノエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエートのHCl塩を得た。
【0110】
(E)−メチル4−(2−アミノエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(8.1mmol)のHCl塩を、40mLのCHCNと共に、(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエン酸(DHA、2.66g、8.1mmol)、HATU(3.4g、12.1mmol)、およびDIEA(4.2mL)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で2時間撹拌し、EtOAcで希釈した。有機層を飽和の水性NaHCO、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(95%CHCl、5%MeOH)による精製により、1.4gの(E)−メチル4−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエートを得た。C2942についてのMS(EI)計算値:482.31、実測値483(M+1)。
【0111】
実施例10
(E)−4−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エン酸(化合物I−102)の調製
【化97】

【0112】
(E)−メチル4−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(200mg、0.41mmol)を、5mLのTHFと共に、2mLの5N NaOH中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で1時間撹拌し、減圧下で濃縮して、THFを除去し、水(10mL)で希釈した。水層を3N HClでpH=2に酸性化し、次いでEtOAcで抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮して、190mgの(E)−4−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エン酸(収率97%)を得た。C2840についてのMS(EI)計算値:468.30、実測値469(M+1)。
【0113】
実施例11
(E)−メチル4−(1−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(化合物I−22)の調製
【化98】

【0114】
2−メチルプロパン−1,2−ジアミン(1.52g、14.5mmol)を50mLのCHCl中に溶解させ、0℃まで冷却した。次いでクロロギ酸ベンジル(2.0mL、14.5mmol)を0℃で10分間にわたって滴加した。結果として生じた反応混合物を室温まで加温し、4時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して、HCl塩としてベンジル2−アミノ−2−メチルプロピルカルバメートを得た。
【0115】
モノメチルフマル酸塩(455mg、3.5mmol)を、10mLのCHCNと共に、ベンジル2−アミノ−2−メチルプロピルカルバメート(3.5mmol)のHCl塩、DIEA(0.50mL)、およびEDCI(1.2g)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で6時間撹拌し、EtOAcで希釈した。有機層を飽和の水性NaHCO、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(95%CHCl、5%MeOH)による精製により、400mgの3−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−1,1−ジメチル−エチルカルバモイル)−アクリル酸メチルエステル(収率34%)を得た。
【0116】
3−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−1,1−ジメチル−エチルカルバモイル)−アクリル酸メチルエステル(400mg、1.2mmol)を、氷酢酸中3mLの33%HBr中に取り込み、室温で1時間放置させた。結果として生じた反応混合物を減圧下で濃縮して、3−(2−アミノ−1,1−ジメチル−エチルカルバモイル)−アクリル酸メチルエステルのHBr塩を得た。この物質を、5mLのCHCNと共に、(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエン酸(DHA、393mg、1.2mmol)、HATU(547mmol、1.3mmol)、およびDIEA(0.63mL)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で2時間撹拌し、EtOAcで希釈した。有機層を飽和の水性NaHCO、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(95%CHCl、5%MeOH)による精製により、200mgの(E)−メチル4−(1−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(収率33%)を得た。C3146についてのMS(EI)計算値:510.35、実測値511(M+1)。
【0117】
実施例12
(E)−メチル4−(2−(2−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチル)ジスルファニル)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(化合物I−5)の調製
【化99】

【0118】
シスタミン二塩酸塩(1.0g、4.44mmol)を50mLのMeOH中に溶解させた。トリエチルアミン(1.85mL、3当量)を室温で添加し、続いて5mLのMeOH溶液としてBocO(0.97g、4.44mmol)の滴加を行い、結果として生じた反応混合物を室温で3時間撹拌した。次いでそれを減圧下で濃縮し、結果として生じた残渣を20mLの1M NaHPO中に取り込んだ。水層を、10mLのペンタン/EtOAcの1:1溶液で洗浄し、1M NaOHでpH9に塩基性化し、EtOAcで抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮して、500mgのtert−ブチル2−(2−(2−アミノエチル)ジスルファニル)エチルカルバメート(収率44%)を得た。
【0119】
別個に、モノメチルフマル酸塩(263mg、2.02mmol)を、10mLのCHClと共に、塩化オキサリル(170μL、2.02mmol)中に取り込んだ。数滴のDMFを添加した後、反応混合物を、全ての固体が溶解し、全てのガス放散が終止するまで室温で撹拌した(1時間)。この調製したばかりの酸塩化物の溶液を、20mLのCHCl中、tert−ブチル2−(2−(2−アミノエチル)ジスルファニル)エチルカルバメート(500mg)およびEtN(420μL、3mmol)を含有する溶液に0℃で滴加した。結果として生じた反応混合物を室温まで加温し、2時間撹拌した。次いでそれをブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(CHCl)による精製により、450mgの(E)−メチル4−(2−(2−(2−(tert−ブトキシカルボニル)エチル)ジスルファニル)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエートを得た。この物質を、CHCl溶液中、5mLの25%TFA中に取り込み、室温で4時間放置させた。次いで反応混合物を減圧下で濃縮して、(E)−メチル4−(2−(2−(2−アミノエチル)ジスルファニル)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエートのTFA塩を得た。この物質を、10mLのCHCNと共に、(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエン酸(DHA、403mg、1.23mmol)、HATU(517mg、1.35mmol)、およびDIEA(0.640mL)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いでそれをEtOAcで希釈し、飽和の水性NaHCOおよびブラインで順次洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(95%CHCl、5%MeOH)による精製により、200mgの(E)−メチル4−(2−(2−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチル)ジスルファニル)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエートを得た。C3146についてのMS(EI)計算値:574.29、実測値:575(M+1)。
【0120】
実施例13
(E)−メチル4−(2−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエトキシ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(化合物I−3)の調製
【化100】

【0121】
水酸化ナトリウム(400mg、10mmol)を70mLのMeOH中に溶解させ、2−(2−アミノエトキシ)エタンアミン二塩酸塩(1.0g、5.65mmol)を添加した。結果として生じた反応混合物を室温で30分間撹拌した。次いで15mLのTHF中、BocO(740mg、3.40mmol)を含有する溶液を、室温で15分間にわたって滴加した。結果として生じた反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。結果として生じた残渣を200mLのCHCl中に取り込み、室温で4時間激しく振とうした。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、850mgのtert−ブチル2−(2−アミノエトキシ)エチルカルバメート(収率74%)を得た。
【0122】
次いでtert−ブチル2−(2−アミノエトキシ)エチルカルバメート(1.0g、4.90mmol)を、20mLのCHCNと共に、モノメチルフマル酸塩(637mg、4.90mmol)、およびEDCI(1.7g、5.39mmol)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で18時間撹拌した。次いでそれをEtOAc(20mL)で希釈し、飽和の水性NaHCO、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。結果として生じた残渣をクロマトグラフィー(9:1 CHCl/MeOH)によって精製して、1.0gの(E)−メチル4−(2−(2−(tert−ブトキシカルボニル)エトキシ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(収率64%)を得た。C1424についてのMS(EI)計算値:316.16、実測値:317(M+1)。
【0123】
(E)−メチル4−(2−(2−(tert−ブトキシカルボニル)エトキシ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(1.0g、3.16mmol)を、CHCl中10mLの25%TFA中に取り込んだ。反応混合物を室温で2時間放置させ、次いで減圧下で濃縮して、TFA塩として(E)−メチル4−(2−(2−アミノエトキシ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエートを得た。次いでこの物質を、10mLのCHCNと共に、(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエン酸(DHA、1.0g、3.16mmol)、HATU(1.30g、3.5mmol)、およびDIEA(1.6mL)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いでEtOAcで希釈し、飽和の水性NaHCOおよびブラインで順次洗浄した。
【0124】
有機層を乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(60%EtOAc、40%ペンタン)による精製により、220mgの(E)−メチル4−(2−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエトキシ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(収率13%)を得た。C3146についてのMS(EI)計算値:526.34、実測値:527(M+1)。
【0125】
実施例14
(E)−メチル4−(4−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエノイルピペラジン−1−イル)−4−オキソブテ−2−エノエート(化合物I−40)の調製
【化101】

【0126】
モノメチルフマル酸塩(650mg、5.0mmol)を、10mLのCHCl中に取り込み、塩化オキサリル(420μL、5.0mmol)を添加した。数滴のDMFを添加した後、反応混合物を、全てのガス放散が終止するまで室温で撹拌した(1時間)。次いでこの調製したばかりの酸塩化物の溶液を、20mLのCHCl中、Boc−ピペラジン(930mg)およびトリエチルアミン(1.0mL、7.5mmol)を含有する溶液に0℃で滴加した。結果として生じた反応混合物を室温で1時間撹拌し、ブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(CHCl)による精製により、310mgの(E)−tert−ブチル4−(4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エノイル)ピペラジン−1−カルボキシレート(収率21%)を得た。
【0127】
(E)−tert−ブチル4−(4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エノイル)ピペラジン−1−カルボキシレート(310mg、1.04mmol)を、CHCl中5mLの25%TFA中に取り込み、室温で2時間放置させた。反応混合物を減圧下で濃縮して、(E)−メチル4−オキソ−4−(ピペラジン−1−イル)ブテ−2−エノエートのTFA塩を得た。この物質を、10mLのCHCNと共に、(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエン酸(DHA、375mg、1.04mmol)、HATU(435mg、1.14mmol)、およびDIEA(540μL)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で2時間撹拌した。次いでそれをEtOAcで希釈し、飽和の水性NaHCOおよびブラインで順次洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(CHCl)による精製により、80mgの(E)−メチル4−(4−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエノイルピペラジン−1−イル)−4−オキソブテ−2−エノエート(収率15%)を得た。C3144についてのMS(EI)計算値:508.33、実測値:509(M+1)。
【0128】
実施例15
2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルメチルフマル酸塩(化合物I−103)の調製
【化102】

【0129】
(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエン酸(DHA、1.2g、3.66mmol)を、20mLのCHCNと共に、エタノールアミン(220μL、3.66mmol)、HATU(1.5g、4.0mmol)、およびDIEA(950μL、5.49mmol)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いでEtOAcで希釈した。有機層を飽和の水性NaHCO、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮して、粗(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−N−(2−ヒドロキシエチル)ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサンアミドを得た。この物質を、15mLのCHClと共に、(E)−メチル4−クロロ−4−オキソブテ−2−エノエート(3.66mmol)およびトリエチルアミン(765μL、5.49mmol)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で18時間撹拌した。次いでそれをCHClで希釈し、ブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(60%EtOAc、40%ペンタン)による精製により、380mgの2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルメチルフマル酸塩(収率21%)を得た。C2941NOについてのMS(EI)計算値:483.3、実測値:484(M+1)。
【0130】
実施例16
(E)−メチル4−((R)−3−(1−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチル)−2,5−ジオキソピロリジン−3−イルチオ)−1−メトキシ−1−オキソプロパン−2−イルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(化合物I−39)の調製
【化103】

【0131】
1−(2−アミノエチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(Aldrich、280mg、1.10mmol)のTFA塩を、10mLのCHCNと共に、(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエン酸(DHA、360mg、1.1mmol)、HATU(460mg、1.2mmol)、およびDIEA(0.58mL)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で3時間撹拌した。次いでそれをEtOAcで希釈し、飽和の水性NaHCOおよびブラインで順次洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(CHCl)による精製により、350mgの(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−N−(2−(2,5−ジオキソ−2H−ピロール−1(5H)−イル)エチル)ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサンアミド(収率70%)を得た。
【0132】
別個に、モノメチルフマル酸塩(100mg、0.77mmol)を、4mLのCHCNと共に、L−システインメチルエステル塩酸塩(132mg、0.77mmol)、EDCI(245mg、0.77mmol)、およびN−メチルモルホリン(85μL、0.77mmol)中に取り込んだ。反応混合物を室温で3時間撹拌した。次いでそれをEtOAcで希釈した。有機層を飽和の水性NaHCOおよびブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮して、粗(R,E)−メチル4−(3−メルカプト−1−メトキシ−1−オキソプロパン−2−イルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエートを得た。次いでこの物質を、3mLのCHCNと共に、(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−N−(2−(2,5−ジオキソ−2H−ピロール−1(5H)−イル)エチル)ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサンアミド(173mg、0.38mmol)中に取り込み、室温で30分間撹拌した。次いで反応混合物を減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(CHCl)による精製により、60mgの(E)−メチル4−((R)−3−(1−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチル)−2,5−ジオキソピロリジン−3−イルチオ)−1−メトキシ−1−オキソプロパン−2−イルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(22%)を得た。C3751SについてのMS(EI)計算値:697.34、実測値:698(M+1)。
【0133】
実施例17
(E)−メチル4−(2−((2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチル)(メチル)アミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(化合物I−4)の調製
【化104】

【0134】
N1−(2−アミノエチル)−N1−メチルエタン−1,2−ジアミン(5.0g、42.7mmol)を、100mLのCHCl中に溶解させ、0℃まで冷却した。次いでCHCl(10mL)中のジ−tert−ブチル炭酸塩(0.93g、4.27mmol)の溶液を0℃で15分間にわたって滴加した。結果として生じた反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで室温まで加温した。室温で2時間撹拌した後、反応混合物をCHCl(100mL)で希釈した。有機層をブライン(3×25mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮して、1.1gのtert−ブチル2−((2−アミノエチル)(メチル)アミノ)エチルカルバメートを得た。
【0135】
tert−ブチル2−((2−アミノエチル)(メチル)アミノ)エチルカルバメート(500mg、2.3mmol)を、10mLのCHCNと共に、サリチル酸(310mg、2.3mmol)およびEDCI(485mg、2.53mmol)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いでEtOAcで希釈した。有機層を飽和の水性NaHCO、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。結果として生じた残渣をクロマトグラフィー(95%CHCl、5%MeOH)によって精製して、380mgのtert−ブチル2−((2−(2−ヒドロキシベンズアミド)エチル)(メチル)アミノ)エチルカルバメート(収率49%)を得た。C1727についてのMS(EI)計算値:337.2、実測値:338(M+1)。
【0136】
tert−ブチル2−((2−(2−ヒドロキシベンズアミド)エチル)(メチル)アミノ)エチルカルバメート(380mg、1.13mmol)を、CHCl中5mLの25%TFA中に取り込み、室温で3時間放置させた。反応混合物を減圧下で濃縮して、N−(2−((2−アミノエチル)(メチル)アミノ)エチル)−2−ヒドロキシベンズアミドのTFA塩を得た。この物質を、10mLのCHCNと共に、(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエン酸(DHA、370mg、1.13mmol)、HATU(472mg、1.24mmol)、およびDIEA(0.59mL)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いでそれをEtOAcで希釈し、飽和の水性NaHCOおよびブラインで順次洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(95%CHCl、5%MeOH)による精製により、420mgのN−(2−((2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチル)(メチル)アミノ)エチル)−2−ヒドロキシベンズアミドを得た。C3449についてのMS(EI)計算値:547.38、実測値:548(M+1)。
【0137】
実施例18
(E)−メチル4−(2−(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−エイコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(化合物I−2)の調製
【化105】

【0138】
(E)−メチル4−(2−アミノエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(0.735mmol)のHCl塩を、40mLのCHCNと共に、(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−エイコサ−5,8,11,14,17−ペンタエン酸(EPA、222mg、0.735mmol)、HATU(307mg、0.81mmol)、およびDIEA(380μL)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で2時間撹拌し、EtOAcで希釈した。有機層を、飽和の水性NaHCO、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(95%CHCl、5%MeOH)による精製により、300mgの(E)−メチル4−(2−(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−エイコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(収率89%)を得た。C2740についてのMS(EI)計算値:456.3、実測値:457(M+1)。
【0139】
実施例19
(E)−エチル4−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(化合物I−66)の調製
【化106】

【0140】
モノエチルフマル酸塩(市販されている)を、(E)−メチル4−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエートの調製において前に概説した、同じ反応条件に供した。所望の生成物、つまり(E)−エチル4−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエートを、シリカゲルクロマトグラフィーによる精製後に得た。C3040についてのMS(EI)計算値:496.33、実測値497(M+1)。
【0141】
実施例20
(E)−メチル4−(メチル(2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−N−メチルドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)エチル)アミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(化合物I−104)の調製
【化107】

【0142】
tert−ブチルメチル(2−(メチルアミノ)エチル)カルバメートを次のように調製した:N,N−ジメチルエタン−1,2−ジアミン(40mmol)を100mLのCHCl中に溶解させ、0℃まで冷却した。次いでCHCl(10mL)中のジ−tert−ブチル炭酸塩(4.0mmol)の溶液を0℃で15分間にわたって滴加した。結果として生じた反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで室温まで加温した。室温で2時間撹拌した後、反応混合物をCHCl(100mL)で希釈した。有機層をブライン(3×25mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮して、tert−ブチルメチル(2−(メチルアミノ)エチル)カルバメートを得た。このアミンを、(E)−メチル4−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエートの調製において前に概説した、同じ反応条件に供した。所望の生成物、つまり(E)−メチル4−(メチル(2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−N−メチルドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)エチル)アミノ)−4−オキソブテ−2−エノエートを、シリカゲルクロマトグラフィーによる精製後に得た。C3146についてのMS(EI)計算値:510.35、実測値511(M+1)。
【0143】
実施例21
(E)−メチル4−((2R,6S)−4−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエノイル)−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル)−4−オキソブテ−2−エノエート(化合物I−41)の調製
【化108】

【0144】
(2R,6S)−2,6−ジメチルピペラジン(173mg、1.52mmol)を、8mLのCHCNと共に、DHA(500mg、1.52mmol)およびEDC(320mg)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で2時間撹拌し、減圧下で濃縮した。結果として生じた残渣を、EtOAc中に取り込み、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮して、(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−1−((3R,5S)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエン−1−オンを得た。この物質を、10mLのCHCNと共に、モノメチルフマル酸塩(198mg、1.52mmol)およびHATU(635mg、1.67mmol)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で2時間撹拌し、EtOAcで希釈した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配溶出、ペンタン〜80%EtOAc、20%ペンタン)による精製により、180mgの(E)−メチル4−((2R,6S)−4−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエノイル)−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル)−4−オキソブテ−2−エノエートを得た。C3348についてのMS(EI)計算値:536.36、実測値537(M+1)。
【0145】
実施例22
(R,E)−メチル4−(2−(5−(1,2−ジチオラン−3−イル)ペンタンアミド)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(化合物I−105)の調製
【化109】

【0146】
(E)−メチル4−(2−アミノエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(0.515mmol)のHCl塩を、10mLのCHCNと共に、R−リポ酸(TCI、106mg、0.515mmol)、HATU(215mg、0.567mmol)、およびDIEA(270μL、1.55mmol)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で18時間撹拌し、EtOAcで希釈した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(95%CHCl、5%MeOH)による精製により、120mgの(R,E)−メチル4−(2−(5−(1,2−ジチオラン−3−イル)ペンタンアミド)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエートを得た。C1524SについてのMS(EI)計算値:360.12、実測値361(M+1)。
【0147】
実施例23
(S)−2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−6−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸(I−72)の調製
【化110】

【0148】
典型的な実行において、Cbz−Lys(OtBu)NH塩酸塩(10g、26.8mmol)をCHCl(100mL)中に取り込み、N−メチルモルホリン(6.18mL、56.3mmol)で処理した。この溶液を、100mLのCHCl中のクロロギ酸4−ニトロフェニル(5.66g、28.2mmol)の溶液に0℃で緩徐に添加した。次いで反応物を室温まで昇温させ、室温で一晩撹拌した。飽和の水性NaHCO(3×100mL)、ブラインで洗浄した後、溶液をNaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(10%EtOAc/90%ペンタン)によって精製することによって、中間体4−ニトロフェニル誘導体(11g、81%)を得た。この中間体4−ニトロフェニル誘導体(10g、20mmol)を、150mLの無水THFと共に、2−(トリメチルシリル)エタノール(4.3mL、30mmol)中に取り込み、0℃まで冷却した。次いでt−BuOK(2.9g、26mmol)を、アルゴンの被覆下で添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、次いでEtOAc(300mL)とブライン(300mL)との間に分配した。有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。結果として生じた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ペンタンの混合物を用いる勾配溶出)によって精製して、(S)−tert−ブチル6−(ベンジルオキシカルボニル)−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)ヘキサノエート(4g、37%)を得た。
【0149】
(S)−tert−ブチル6−(ベンジルオキシカルボニル)−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)ヘキサノエート(4g、8.33mmol)を、40mLのMeOHと共に、Pd/C(10%、400mg)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を窒素で徹底的にパージし、次いで1気圧のH下で、室温で一晩撹拌した。反応混合物を、セライトのパッドを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。結果として生じた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(95%CHCl、5%MeOH)によって精製することによって、(S)−tert−ブチル6−アミノ−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)ヘキサノエート(2g、69%)を得た。
【0150】
10mLアセトニトリル中の、(S)−tert−ブチル6−アミノ−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)ヘキサノエート(800mg、2.31mmol)、モノメチルフマル酸塩(361mg、2.77mmol)、DIEA(1.1mL、6.93mmol)の撹拌混合物に、HATU(1.14g、3.00mmol)をアルゴンの不活性大気下で、0℃で一度に添加した。結果として生じた反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。結果として生じた残渣をEtOAc(50mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ペンタン)による精製により、(S,E)−tert−ブチル6−(4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)ヘキサノエート(900mg、85%)を得た。
【0151】
このシリル化された物質(900mg、1.97mmol)を、THF中、15mLのフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウムの1M溶液中に取り込み、アルゴンの不活性大気下で、室温で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、(S,E)−tert−ブチル2−アミノ−6−(4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエートを得た。この物質を、更なる精製を行わずに次のステップに使用した。
【0152】
上記で調製した粗(S,E)−tert−ブチル2−アミノ−6−(4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエートを、40mLアセトニトリルと共に、EPA(654mg、2.17mmol)、DIEA(1.6mL、9.85mmol)、HATU(973mg、2.56mmol)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。結果として生じた残渣を、50mLのEtOAc中に取り込み、水、ブラインで洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ペンタン)による精製により、(S)−tert−ブチル2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−6−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(2ステップで200mg、17%)を得た。
【0153】
(S)−tert−ブチル2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−6−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(200mg、0.334mmol)を、ジオキサン中3mLの4N HCl溶液中に取り込み、アルゴンの不活性大気下で、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、結果として生じた残渣を30mLのEtOAcと30mLの水との間に分けた。有機層を更に、水層のpHがほぼ中性になるまでブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。0.1%TFAで緩衝した水性アセトニトリルの混合物を用いた分取HPLCによる精製により、(S)−2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−6−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸を得た。(90mg、50%)。C3146についてのMS(EI)計算値:542.34、実測値543(M+1)。
【0154】
実施例24
(S)−6−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸(I−7)の調製
【化111】

【0155】
典型的な実行において、(S)−tert−ブチル6−アミノ−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)ヘキサノエート、(2g、5.78mmol)を、30mLのアセトニトリルと共に、HATU(3.29g、8.67mmol)、DHA(2.28g、6.94mmol)、およびDIEA(2.9mL、17.4mmol)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を、アルゴンの不活性大気下で、室温で2時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。結果として生じた残渣を、100mLのEtOAc中に取り込み、ブラインで洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ペンタン)による精製により、(S)−tert−ブチル6−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)ヘキサノエート(2.8g、80%)を得た。
【0156】
(S)−tert−ブチル6−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)ヘキサノエート(2.8g、4.26mmol)を、THF中、50mLのフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウムの1M溶液中に取り込み、アルゴンの不活性大気下で、室温で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、結果として生じた粗生成物を、更なる精製を行わずに次のステップに使用した。
【0157】
上記で調製した粗(S)−tert−ブチル2−アミノ−6−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)ヘキサノエートを、40mLアセトニトリルと共に、モノメチルフマル酸塩(610mg、4.69mmol)、DIEA(3.0mL、18.8mmol)、およびHATU(2.4g、6.39mmol)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。結果として生じた残渣を、100mLのEtOAc中に取り込み、水およびブラインで洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ペンタン)による精製により、(S)−tert−ブチル6−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(500mg、30%)を得た。
【0158】
(S)−tert−ブチル6−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(500mg)を、ジオキサン中6mLの4N HCl溶液中に取り込み、アルゴンの不活性大気下で、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、結果として生じた残渣を30mLのEtOAcと30mLの水との間に分配した。有機層を更に、水層のpHがほぼ中性になるまでブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。0.1%TFAで緩衝した水性アセトニトリルの混合物を用いた分取HPLCによる精製により、(S)−6−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸(160mg、35%)を得た。C3348についてのMS(EI)計算値:568.35、実測値569(M+1)。
【0159】
実施例25
(E)−メチル4−(2−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−24)の調製
【化112】

【0160】
(2−アミノ−エチル)−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを、Andruszkiewicz et al in Synthetic Communications 2008,38,p.905−913によって概説される、同じ反応順序(アクリロニトリルとの反応、続いてBOC基での二級アミンの保護、およびHoffmann転位を用いた、1つ少ないメチレン単位を有する、ニトリル基のアミノ基への変換)を用いて、ベンジル2−アミノエチルカルバメートから調製した。(2−アミノ−エチル)−(2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(500mg、1.48mmol)を、15mLのCHClと共に、4−メチルモルホリン(449mg、4.44mmol)中に取り込み、0℃まで冷却した。次いでクロロギ酸4−ニトロフェニル(328mg、1.63mmol)を0℃で添加した。結果として生じた反応混合物を室温まで加温し、16時間撹拌した。次いでそれを水で希釈した。有機層を分離し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮した。クロマトグラフィー(95%CHCl、5%MeOH)による精製により、中間体ニトロフェニルカルバメート(480mg、64%)を得た。
【0161】
カリウムtert−ブトキシド(113mg、1.01mmol)を、THF(10mL)中の、中間体ニトロフェニルカルバメート(480mg、0.96mmol)および2−(トリメチルシリル)エタノール(136mg、1.15mmol)を含有する混合物に0℃で添加した。結果として生じた反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。結果として生じた残渣をEtOAcと水との間に分配した。有機層をNaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(3:1ペンタン/EtOAc)による精製により、完全に保護されたトリアミン誘導体(190mg、41%)を得た。この完全に保護されたトリアミン(190mg、0.40mmol)を、MeOH(5mL)と共に、5%Pd/C(50mg)中に取り込み、結果として生じた混合物を、1気圧の水素下で、室温で16時間撹拌した。反応混合物を、セライトのパッドを通して濾過し、清澄な濾液を減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(9:1 CHCl/MeOH)による精製により、(2−アミノ−エチル)−[2−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニルアミノ)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(80mg、58%)を得た。
【0162】
(2−アミノ−エチル)−[2−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニルアミノ)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(80mg、0.23mmol)を、5mLのアセトニトリルと共に、モノメチルフマル酸塩(30mg、0.23mmol)、DIEA(90mg、0.69mmol)、およびHATU(105mg、0.28mmol)中に取り込んだ。結果として生じた反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。結果として生じた残渣をEtOAcに取り込み、ブラインで洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させ、次いで減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(3:1ペンタン/EtOAc)による精製により、油(80mg、75%)として、所望のアミド誘導体を得た。この物質を、ジオキサン中3mLの4N HCl溶液中に取り込み、アルゴンの不活性大気下で、室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、結果として生じた残渣を30mLのEtOAcと30mLの水との間に分配した。有機層を更に、水層のpHがほぼ中性になるまでブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。0.1%TFAで緩衝した水性アセトニトリルの混合物を用いた分取HPLCによる精製により、(E)−メチル4−(2−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエートを得た。C3147についてのMS(EI)計算値:525.36、実測値526(M+1)。
【0163】
等価物
当業者であれば、日常的な実験のみを用いて、本明細書に具体的に記載される具体的な実施形態に対する多数の等価物を認識するか、または確認することができるであろう。かかる等価物は、次の特許請求の範囲内に包含されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フマル酸塩と、リポ酸、オメガ3脂肪酸、または体内でオメガ3脂肪酸に代謝される脂肪酸から選択される脂肪酸と、を含む、分子共役体。
【請求項2】
式I:
【化1】

の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、もしくは立体異性体であって、
式中、
各WおよびWは独立して、存在しないか、O、S、NH、もしくはNRであるか、またはWおよびWが一緒になって、任意に置換されたイミダゾリジン基もしくはピペラジン基を形成することができ、
各a、b、c、およびdは独立して、−H、−D、−CH、−OCH、−OCHCH、−C(O)OR、−O−Z、もしくはベンジルであるか、またはa、b、c、およびdのうちの2つが一緒になって、それらが結合する単一の炭素と共に、シクロアルキルもしくは複素環を形成することができ、
各n、o、p、およびqは独立して、0、1、または2であり、
各Lは独立して、存在しないか、−O−、−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S−S−、−(C−Cアルキル)−、−(C−Cシクロアルキル)−、複素環、ヘテロアリール、
【化2】

であり、
式中、前記Lの表現は、示されるような左から右の方向性に限定されず、むしろLの左側または右側のいずれかが、前記式Iの化合物のW側に結合されてもよく、
各Rは独立して、−H、−D、−C−Cアルキル、−ハロゲン、シアノ、オキソ、チオオキソ、−OH、−C(O)C−Cアルキル、−O−アリール、−O−ベンジル、−OC(O)C−Cアルキル、−C−Cアルケン、−C−Cアルキン、−C(O)C−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(C(O)C−Cアルキル)、−N(C(O)C−Cアルキル)、−SH、−S(C−Cアルキル)、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキルであり、
各gは独立して、2、3、または4であり、
各hは独立して、1、2、3、または4であり、
各mは独立して、0、1、2、または3であり、mが1を超える場合、Lは、同じであるか、または異なる可能性があり、
各m1は独立して、0、1、2、または3であり、
kは、0、1、2、または3であり、
zは、1、2、または3であり、
各Rは独立して、Hであるか、または任意に置換されたC−Cアルキルであり、C−Cアルキルのメチレン単位は、OまたはNRのいずれかの代わりに任意に置換され得、NRにおいて、両方のRは、それらが結合する窒素と一緒になるとき、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、またはピロール等の複素環式環を形成することができ、
各Zは独立して、H、
【化3】

であるが、
少なくとも1つの
【化4】

が、前記化合物中に存在することを条件とし、
各tは独立して、0または1であり、
各rは独立して、2、3、または7であり、
各sは独立して、3、5、または6であり、
各vは独立して、1、2、または6であり、
各RおよびRは独立して、−H、−D、−C−Cアルキル、−ハロゲン、−OH、−C(O)C−Cアルキル、−O−アリール、−O−ベンジル、−OC(O)C−Cアルキル、−C−Cアルケン、−C−Cアルキン、−C(O)C−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(C(O)C−Cアルキル)、−N(C(O)C−Cアルキル)、−SH、−S(C−Cアルキル)、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキルであり、
各Rは独立して、H、−C−Cアルキル、または−C(CHOH)であり、
各Rは独立して、e、Hであるか、またはOH、NH、COR、CONH、フェニル、COH、イミダゾール、もしくはアルギニンで任意に置換され得る直鎖もしくは分岐鎖C−C10アルキルであり、
各eは独立して、Hであるか、または天然産アミノ酸の側鎖のうちのいずれか1つであり、
各Rは独立して、−H、−C−Cアルキル、またはOHもしくはハロゲンで任意に置換された直鎖もしくは分岐鎖C−Cアルキルであるが、

m、n、o、p、およびqの各々が0であり、WおよびWが各々存在せず、かつZが
【化5】

tは、0でなければならず、
m、n、o、p、およびqの各々が0であり、WおよびWが各々存在しないとき、Zは、
【化6】

であってはならないことを条件とする、化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、もしくは立体異性体。
【請求項3】
、前記化合物は、式IA:
【化7】

の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、もしくは立体異性体であり、
式中、
各WおよびWは独立して、存在しないか、O、S、NH、もしくはNRであるか、またはWおよびWが一緒になって、任意に置換されたイミダゾリジン基もしくはピペラジン基を形成することができ、
各a、b、c、およびdは独立して、−H、−D、−CH、−OCH、−OCHCH、−C(O)OR、もしくはベンジルであるか、またはa、b、c、およびdのうちの2つが一緒になって、それらが結合する単一の炭素と共に、シクロアルキルもしくは複素環を形成することができ、
各n、o、p、およびqは独立して、0、1、または2であり、
各Lは独立して、存在しないか、−O−、−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S−S−、−(C−Cアルキル)−、−(C−Cシクロアルキル)−、複素環、ヘテロアリール、
【化8】

であり、
式中、前記Lの表現は、示されるような左から右の方向性に限定されず、むしろLの左側または右側のいずれかが、前記式IAの化合物のW側に結合されてもよく、
各Rは独立して、−H、−D、−C−Cアルキル、−ハロゲン、シアノ、オキソ、チオオキソ、−OH、−C(O)C−Cアルキル、−O−アリール、−O−ベンジル、−OC(O)C−Cアルキル、−C−Cアルケン、−C−Cアルキン、−C(O)C−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(C(O)C−Cアルキル)、−N(C(O)C−Cアルキル)、−SH、−S(C−Cアルキル)、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキルであり、
各gは独立して、2、3、または4であり、
各hは独立して、1、2、3、または4であり、
各mは独立して、0、1、2、または3であり、mが1を超える場合、Lは、同じであるか、または異なる可能性があり、
各m1は独立して、0、1、2、または3であり、
kは、0、1、2、または3であり、
zは、1、2、または3であり、
各Rは独立して、Hであるか、または任意に置換されたC−Cアルキルであり、前記C−Cアルキルのメチレン単位は、OまたはNRのいずれかの代わりに任意に置換され得、NRにおいて、両方のRは、それらが結合する窒素と一緒になるとき、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、またはピロール等の複素環式環を形成することができ、
各Rは独立して、H、−C−Cアルキル、または−C(CHOH)であり、
各Rは独立して、e、Hであるか、またはOH、NH、COR、CONH、フェニル、COH、イミダゾール、もしくはアルギニンで任意に置換され得る直鎖もしくは分岐鎖C−C10アルキルであり、
各eは独立して、Hであるか、または天然産アミノ酸の側鎖のうちのいずれか1つであり、
各Rは独立して、−Hであるか、またはOHもしくはハロゲンで任意に置換された直鎖もしくは分岐鎖C−Cアルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
およびWは各々、NHである、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
n、o、p、およびqの各々は、1である、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
n、o、p、およびqのうちの2つは各々、1である、請求項2に記載の化合物。
【請求項7】
n、o、p、およびqのうちの2つは各々、1であり、他の2つは各々、0である、請求項2に記載の化合物。
【請求項8】
mは、1である、請求項2に記載の化合物。
【請求項9】
Lは、−O−、−N(R)−、
【化9】

から選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項10】
前記化合物は、式IB:
【化10】

の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、もしくは立体異性体であり、
式中、
各WおよびWは独立して、存在しないか、O、S、NH、もしくはNRであるか、またはWおよびWが一緒になって、任意に置換されたイミダゾリジン基もしくはピペラジン基を形成することができ、
各a、b、c、およびdは独立して、−H、−D、−CH、−OCH、−OCHCH、−C(O)OR、もしくはベンジルであるか、またはa、b、c、およびdのうちの2つが一緒になって、それらが結合する単一の炭素と共に、シクロアルキルもしくは複素環を形成することができ、
各n、o、p、およびqは独立して、0、1、または2であり、
各Lは独立して、存在しないか、−O−、−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S−S−、−(C−Cアルキル)−、−(C−Cシクロアルキル)−、複素環、ヘテロアリール、
【化11】

であり、
式中、前記Lの表現は、示されるような左から右の方向性に限定されず、むしろLの左側または右側のいずれかが、前記式IBの化合物のW側に結合されてもよく、
各Rは独立して、−H、−D、−C−Cアルキル、−ハロゲン、シアノ、オキソ、チオオキソ、−OH、−C(O)C−Cアルキル、−O−アリール、−O−ベンジル、−OC(O)C−Cアルキル、−C−Cアルケン、−C−Cアルキン、−C(O)C−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(C(O)C−Cアルキル)、−N(C(O)C−Cアルキル)、−SH、−S(C−Cアルキル)、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキルであり、
各gは独立して、2、3、または4であり、
各hは独立して、1、2、3、または4であり、
各mは独立して、0、1、2、または3であり、mが1を超える場合、Lは、同じであるか、または異なる可能性があり
各m1は独立して、0、1、2、または3であり、
kは、0、1、2、または3であり、
zは、1、2、または3であり、
各Rは独立して、Hであるか、または任意に置換されたC−Cアルキルであり、前記C−Cアルキルのメチレン単位は、OまたはNRのいずれかの代わりに任意に置換され得、NRにおいて、両方のRは、それらが結合する窒素と一緒になるとき、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、またはピロール等の複素環式環を形成することができ、
各Rは独立して、H、−C−Cアルキル、または−C(CHOH)であり、
各Rは独立して、e、Hであるか、またはOH、NH、COR、CONH、フェニル、COH、イミダゾール、もしくはアルギニンで任意に置換され得る直鎖もしくは分岐鎖C−C10アルキルであり、
各eは独立して、Hであるか、または天然産アミノ酸の側鎖のうちのいずれか1つであり、
各Rは独立して、−Hであるか、またはOHもしくはハロゲンで任意に置換された直鎖もしくは分岐鎖C−Cアルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項11】
前記化合物は、式IC:
【化12】

の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、もしくは立体異性体であり、
式中、
各WおよびWは独立して、存在しないか、O、S、NH、もしくはNRであるか、またはWおよびWが一緒になって、任意に置換されたイミダゾリジン基もしくはピペラジン基を形成することができ、
各a、b、c、およびdは独立して、−H、−D、−CH、−OCH、−OCHCH、−C(O)OR、もしくはベンジルであるか、またはa、b、c、およびdのうちの2つが一緒になって、それらが結合する単一の炭素と共に、シクロアルキルもしくは複素環を形成することができ、
各n、o、p、およびqは独立して、0、1、または2であり、
各Lは独立して、存在しないか、−O−、−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S−S−、−(C−Cアルキル)−、−(C−Cシクロアルキル)−、複素環、ヘテロアリール、
【化13】

であり、
式中、前記Lの表現は、示されるような左から右の方向性に限定されず、むしろLの左側または右側のいずれかが、前記式ICの化合物のW側に結合されてもよく、
各Rは独立して、−H、−D、−C−Cアルキル、−ハロゲン、シアノ、オキソ、チオオキソ、−OH、−C(O)C−Cアルキル、−O−アリール、−O−ベンジル、−OC(O)C−Cアルキル、−C−Cアルケン、−C−Cアルキン、−C(O)C−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(C(O)C−Cアルキル)、−N(C(O)C−Cアルキル)、−SH、−S(C−Cアルキル)、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキルであり、
各gは独立して、2、3、または4であり、
各hは独立して、1、2、3、または4であり、
各mは独立して、0、1、2、または3であり、mが1を超える場合、Lは、同じであるか、または異なる可能性があり、
各m1は独立して、0、1、2、または3であり、
kは、0、1、2、または3であり、
zは、1、2、または3であり、
各Rは独立して、Hであるか、または任意に置換されたC−Cアルキルであり、前記C−Cアルキルのメチレン単位は、OまたはNRのいずれかの代わりに任意に置換され得、NRにおいて、両方のRは、それらが結合する窒素と一緒になるとき、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、またはピロール等の複素環式環を形成することができ、
各Rは独立して、H、−C−Cアルキル、または−C(CHOH)であり、
各Rは独立して、e、Hであるか、またはOH、NH、COR、CONH、フェニル、COH、イミダゾール、もしくはアルギニンで任意に置換され得る直鎖もしくは分岐鎖C−C10アルキルであり、
各eは独立して、Hであるか、または天然産アミノ酸の側鎖のうちのいずれか1つであり、
各Rは独立して、−Hであるか、またはOHもしくはハロゲンで任意に置換された直鎖もしくは分岐鎖C−Cアルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項12】
式II:
【化14】


の化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、もしくは立体異性体であって、
式中、
各W、W、W′、およびW′は独立して、存在しないか、O、S、NH、もしくはNRであるか、またはWおよびW、もしくはW′およびW′が一緒になって、任意に置換されたイミダゾリジン基もしくはピペラジン基を形成することができ、
各a、b、c、d、a′、b′、c′、およびd′は独立して、−H、−D、−CH、−OCH、−OCHCH、−C(O)OR、−O−Z、もしくはベンジルであるか、またはa、b、c、およびdのうちの2つもしくはa′、b′、c′、およびd′のうちのいずれか2つが一緒になって、それらが結合する単一の炭素と共に、シクロアルキルもしくは複素環を形成することができ、
各n、o、p、q、n′、o′、p′、およびq′は独立して、0、1、または2であり、
各LおよびL′は独立して、存在しないか、−O−、−C(O)−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S−S−、−(C−Cアルキル)−、−(C−Cシクロアルキル)−、複素環、ヘテロアリール、
【化15】

であり、
式中、前記LおよびL′の表現は、示されるような左から右の方向性に限定されず、むしろLおよびL′の左側または右側のいずれかは、それぞれ、前記式IIの化合物のWまたはW′側に結合されてもよく、
各Rは独立して、−H、−D、−C−Cアルキル、−ハロゲン、シアノ、オキソ、チオオキソ、−OH、−C(O)C−Cアルキル、−O−アリール、−O−ベンジル、−OC(O)C−Cアルキル、−C−Cアルケン、−C−Cアルキン、−C(O)C−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(C(O)C−Cアルキル)、−N(C(O)C−Cアルキル)、−SH、−S(C−Cアルキル)、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキルであり、
各gは独立して、2、3、または4であり、
各hは独立して、1、2、3、または4であり、
各mおよびm′は独立して、0、1、2、または3であり、mが1を超える場合、LまたはL′は、同じであるか、または異なる可能性があり、
各m1は独立して、0、1、2、または3であり、
kは、0、1、2、または3であり、
zは、1、2、または3であり、
各Rは独立して、Hであるか、または任意に置換されたC−Cアルキルであり、前記C−Cアルキルのメチレン単位は、OまたはNRのいずれかの代わりに任意に置換され得、NRにおいて、両方のRは、それらが結合する窒素と一緒になるとき、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、またはピロール等の複素環式環を形成することができ、
各ZおよびZ′は独立して、H、
【化16】

であるが、
少なくとも1つの
【化17】

が、前記化合物中に存在することを条件とし、
各tは独立して、0または1であり、
各rは独立して、2、3、または7であり、
各sは独立して、3、5、または6であり、
各vは独立して、1、2、または6であり、
各RおよびRは独立して、−H、−D、−C−Cアルキル、−ハロゲン、−OH、−C(O)C−Cアルキル、−O−アリール、−O−ベンジル、−OC(O)C−Cアルキル、−C−Cアルケン、−C−Cアルキン、−C(O)C−Cアルキル、−NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(C(O)C−Cアルキル)、−N(C(O)C−Cアルキル)、−SH、−S(C−Cアルキル)、−S(O)C−Cアルキル、−S(O)−Cアルキルであり、
各Rは独立して、H、−C−Cアルキル、または−C(CHOH)であり、
各Rは独立して、e、Hであるか、またはOH、NH、COR、CONH、フェニル、COH、イミダゾール、もしくはアルギニンで任意に置換され得る直鎖もしくは分岐鎖C−C10アルキルであり、
各eは独立して、Hであるか、または天然産アミノ酸の側鎖のうちのいずれか1つであり、
各Rは独立して、−Hであるか、またはOHもしくはハロゲンで任意に置換された直鎖もしくは分岐鎖C−Cアルキルであるが、
m、n、o、p、およびqの各々が0であり、WおよびWが各々存在せず、かつZが
【化18】

であるとき、
tは、0でなければならず、
m′、n′、o′、p′、およびq′の各々が0であり、W′およびW′が各々存在せず、かつZ′が

であるとき、
tは、0でなければならず、
m、n、o、p、およびqの各々が0であり、かつWおよびWが各々存在しないとき、またはm′、n′、o′、p′、およびq′の各々が0であり、かつW′およびW′が各々存在しないとき、ZまたはZ′は、
【化19】

であってはならないことを条件とする、化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、もしくは立体異性体。
【請求項13】
前記化合物は、
(E)−メチル4−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−1)、
(E)−メチル4−(2−(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−2)、
(E)−メチル4−(2−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエトキシ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−3)、
(S)−6−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸(I−7)、
(S)−6−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸(I−71)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル6−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(I−8)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル6−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(I−96)、
(S)−2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−6−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸(I−10)、
(S)−2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−6−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸(I−72)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−6−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(I−11)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−6−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(I−97)、
(E)−メチル4−(2−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−24)、
(E)−メチル4−(2−(2−(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミドエチルアミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−73)、
(E)−メチル4−(2−((2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチル)(メチル)アミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−4)、
(E)−メチル4−(2−((2−(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミドエチル)(メチル)アミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−74)、
(S)−5−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタン酸(I−80)、
(S)−2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−5−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタン酸(I−81)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル5−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタノエート(I−82)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−5−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタノエート(I−83)、
(S)−5−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタン酸(I−84)、
(S)−2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−5−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタン酸(I−85)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル5−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−2−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタノエート(I−86)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)−5−((E)−4−メトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタノエート(I−87)、
(E)−エチル4−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−66)、
(E)−エチル4−(2−(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミドエチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−75)、
(S)−6−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸(I−69)、
(S)−2−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)−6−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)ヘキサン酸(I−76)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル6−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(I−98)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル2−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)−6−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)ヘキサノエート(I−99)、
(S)−2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−6−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサン酸(I−70)、
(S)−6−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)−2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)ヘキサン酸(I−77)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−6−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ヘキサノエート(I−100)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル6−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)−2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)ヘキサノエート(I−101)、
(E)−エチル4−(2−(2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチルアミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−68)、
(E)−エチル4−(2−(2−(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミドエチルアミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−79)、
(E)−エチル4−(2−((2−(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミドエチル)(メチル)アミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−67)、
(E)−エチル4−(2−((2−(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミドエチル)(メチル)アミノ)エチルアミノ)−4−オキソブテ−2−エノエート(I−78)、
(S)−5−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタン酸(I−88)、
(S)−2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−5−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタン酸(I−89)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル5−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−2−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタノエート(I−90)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル2−((4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)−ドコサ−4,7,10,13,16,19−ヘキサエンアミド)−5−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)ペンタノエート(I−91)、
(S)−2−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)−5−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)ペンタン酸(I−92)、
(S)−5−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)−2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)ペンタン酸(I−93)、
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル2−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)−5−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)ペンタノエート(I−94)、および
(S)−1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル5−((E)−4−エトキシ−4−オキソブテ−2−エンアミド)−2−((5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタエンアミド)ペンタノエート(I−95)からなる群から選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項14】
式I、IA、IB、IC、またはIIの化合物、および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
【請求項15】
炎症または炎症性疾患を治療する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の式I、IA、IB、IC、またはIIの化合物を投与することを含む、方法。
【請求項16】
前記炎症性疾患は、代謝障害に関連する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記代謝障害は、II型糖尿病、インスリン抵抗性心血管疾患、不整脈、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈疾患、高脂血症、脂質異常症、網膜症、神経障害、黄斑浮腫、糖尿病性腎症、IgA腎症、慢性腎臓病(CKD)、尿毒症合併症、糸球体腎炎、および腎症を含む、腎臓の炎症性疾患である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記炎症性疾患は、嚢胞性線維症、ぜんそく、硬化性皮膚炎、乾癬、または湿疹である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
神経変性疾患を治療する方法であって、それを必要とする患者に、有効量の式I、IA、IB、IC、またはIIの化合物を投与することを含む、方法。
【請求項20】
前記神経変性疾患は、多発性硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アルツハイマー病、または筋ジストロフィーである、請求項19に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2013−516486(P2013−516486A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548168(P2012−548168)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2011/020534
【国際公開番号】WO2011/085211
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ウィンドウズ
【出願人】(512179898)カタバシス ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】