説明

脂質、脂質組成物およびそれらの使用方法

治療有効量の生物活性薬物を、肝臓、腫瘍および/または他の細胞または組織に送達するための製剤および最適化プロトコールを開示する。また、式(I):


のカチオン性脂質化合物の組成物および使用を提供する。また、本発明は、式(XI):


のステルス脂質の組成物および使用に関する。また、当該化合物、組成物および製剤の製造方法、ならびに、生物活性薬物を細胞および/または組織に送達するための当該化合物、組成物および製剤の方法および使用を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のカチオン性脂質、少なくとも1種のヘルパー脂質および少なくとも1種のステルス脂質を含む生物活性薬物を送達するための組成物であって、生物活性薬物が
a) 組成物が約6.2以上のpKaを有するカチオン性脂質を有するとき、肝臓または肝臓細胞;
b) 組成物が約6.2以下のpKaを有するカチオン性脂質を有するとき、腫瘍または腫瘍細胞;
c) 組成物が約5.1〜約7.4のpKaを有するカチオン性脂質を有するとき、肝臓または肝臓細胞;および
d) 組成物が約5.0〜約6.7のpKaを有するカチオン性脂質を有するとき、腫瘍または腫瘍細胞;
から選択される組織または細胞に送達するためのものである、組成物。
【請求項2】
式(I):
【化1】

[式中、
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により置換されたC3−20ヘテロシクロアルキル、C3−20ヘテロシクロアルケニル、C3−20ヘテロシクロアルキニルまたはC5−20ヘテロアリール基を形成し;
aは、存在しないか、または、所望により置換されたC1−4アルキレンであり;
bは、存在しないか、または、所望により置換されたC1−4アルキレンであり;
cは、存在しないか、または、所望により置換されたC1−4アルキレンであり;
は、OまたはSであり;
は、OまたはSであり;
は、所望により置換されたC10−30アルケニル、C10−30アルキニル、C10−30ヘテロアルケニルまたはC10−30ヘテロアルキニルであり;
Lは、存在しないか、または−(L)−(L)−(L)
{ここで、Lは、所望により置換されたC1−15アルキレン、C1−15アルケニレン、C1−15アルキニレン、C1−15ヘテロアルキレン、C1−15ヘテロアルケニレンまたはC1−15ヘテロアルキニレンであり;
は、所望により置換されたC6−14アリーレンまたはC5−13ヘテロアリーレンであり;
は、所望により置換されたC1−15アルキレン、C1−15アルケニレン、C1−15アルキニレン、C1−15ヘテロアルキレン、C1−15ヘテロアルケニレンまたはC1−15ヘテロアルキニレンであり;
dは、0または1であり;
eは、0または1であり;
fは、0または1である。}
であり;
は、所望により置換されたステロイドである。]
の化合物またはその塩または薬学的に許容される誘導体。
【請求項3】
1個以上の置換基が、
(a)aが、所望により置換されたC1−2アルキレンおよび所望により置換されたCアルキレンから選択され;
(b)bが、所望により置換されたC0−2アルキレンおよび所望により置換されたCアルキレンから選択され;
(c)cが、存在しないか、または、所望により置換されたCアルキレンであるか;かつ/または
(d)a、bおよびcが非置換である;
(e)RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により置換されたC3−20ヘテロシクロアルキル、C3−20ヘテロシクロアルケニルまたはC3−20ヘテロシクロアルキニル基を形成し;
(f)RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により置換された環状C5−16基および所望により置換された環状C5−12基から選択される基を形成し;
(g)RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により置換された環状C基、C基またはC基を形成し;および
(h)RおよびRが、それらが結合している窒素原子と一体となって、頭部H〜H52の少なくとも1個から選択されるものである;
(i)XがOであり;
(j)XがOであり;
(k)XおよびXが両方ともOであり;
(l)Lが少なくとも1個のヘテロ原子を含み;
(m)Lが少なくとも1個のO原子を含み;
(n)Lが式Lc-i〜Lc-xxxxiiiの1つから選択され;
(o)dが0であり;eが0であり;fが1である;
(p)YがC12−28基であり;
(q)Yが少なくとも1個のアルケニル基を有し;
(r)Yが少なくとも1個のcis不飽和アルケニル基を有し;
(s)YがY1-i〜Y1-viiから選択されるものであり;
(t)Yが所望により置換されたステロイド上で酸素原子を介してLに結合しており;
(u)Yがステロイドの環Aの3位でヒドロキシ基の水素原子が除かれたステロールであり;
(v)Yが(u)のステロールであり、該ステロールが、アンナステロール;アベナステロール;β−シトステロール;ブラシカステロール;カルシフェロール;カンプエステロール;カリノステロール;チャイナステロール;コレスタノール;コレステロール;コプロスタノール;シクロアルテノール;デヒドロコレステロール;デスモステロール;ジヒドロカルシフェロール;ジヒドロコレステロール;ジヒドロエルゴステロール;ジノステロール;エピコレステロール;エルゴステロール;フコステロール;ヘキサヒドロルミステロール;ヘキサオール;ヒドロキシコレステロール;ラノステロール;ルミステロール;パルケオール;ポリフェラステロール;サリンゴステロール;シトスタノール;シトステロール;スチグマスタノール;スチグマステロール;ウェインベルステロール;チモステロール;ステロール胆汁酸(コール酸;ケノデオキシコール酸;グリココール酸;タウロコール酸;デオキシコール酸およびリトコール酸から選択される1つ以上を含む);および/またはその塩もしくは薬学的に許容される誘導体からなる群から選択され;
(w)Yがコレステロールである;
の1つ以上から選択されるものである、請求項2に記載された化合物。
【請求項4】
式(XI):
【化2】

[式中、
Zは、PEG、ならびに、ポリ(オキサゾリン)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(グリセロール)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ[N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド]およびポリ(アミノ酸)をベースとするポリマー(ここで、ポリマーは直鎖であっても分枝鎖であってもよく、また、所望により置換されていてもよい。)から選択される親水性頭部であり;
ここで、Zは、n個のサブユニットが重合したものであり;
nは、10ユニットと200ユニットの間のZの平均重合度であり、ここで、nは、異なるポリマータイプについて最適化されており;
は、エーテル(例えば−O−)、エステル(例えば−C(O)O−)、スクシネート(例えば−O(O)C−CH−CH−C(O)O−))、カルバメート(例えば−OC(O)−NR'−)、カーボネート(例えば−OC(O)O−)、ケトン(例えば−C−C(O)−C−);カルボニル(例えば−C(O)−);ウレア(例えば−NRC(O)NR'−)、アミン(例えば−NR'−)、アミド(例えば−C(O)NR'−)、イミン(例えば−C(NR')−)、チオエーテル(例えば−S−)、キサントゲン酸エステル(例えば−OC(S)S−)およびホスホジエステル(例えば−OP(O)O−)(これらは何れも、0個、1個またはそれ以上のZ基によって置換されていてもよい。)を0個、1個、2個またはそれ以上含む、所望により置換されたC1−10アルキレンまたはC1−10ヘテロアルキレンリンカーであり;
ここで、R'は、−H、−NH−、−O−、−S−、ホスフェートまたは所望により置換されたC1−10アルキレンから独立して選択され;
およびXは、炭素原子、または、−NH−、−O−、−S−もしくはホスフェートから選択されるヘテロ原子から独立して選択され;
およびAは、C6−30アルキル、C6−30アルケニルおよびC6−30アルキニルから独立して選択され、ここで、AおよびAは、同一であっても異なっていてもよいか、
あるいは、AおよびAは、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により置換されたステロイドを形成する。]
のステルス脂質またはその塩または薬学的に許容される誘導体。
【請求項5】
請求項1に記載の組成物に使用するための、請求項2〜4の何れか1つ以上の組成物。
【請求項6】
生物活性薬物が肝臓または肝臓細胞に送達するためのものであり、カチオン性脂質が、少なくとも
(a)約5.1〜約7.4;
(b)約5.3〜約7.3;
(c)約5.9〜約7.0;
(d)約6.2〜約6.8;および
(e)約6.1以上
から選択されるpKaを有する、請求項1または5に記載の組成物。
【請求項7】
生物活性薬物が腫瘍または腫瘍細胞に送達するためのものであり、カチオン性脂質が、少なくとも
(a)約5.0〜約6.7;
(b)約5.2〜約6.3;
(c)約5.4〜約6.2;
(d)約5.8〜約6.1;および
(e)約6.1以下
から選択されるpKaを有する、請求項1または5に記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の中性脂質をさらに含む、請求項1または請求項5〜7の何れか1項に記載の組成物。
【請求項9】
組成物が、ステルス脂質、製剤方法、N/P比、粒子サイズ、および、カチオン性脂質、所望により存在する中性脂質、ヘルパー脂質、ステルス脂質および所望のアルキルレゾルシノールをベースとする脂質のモル比の少なくとも1つの選択によって最適化される、請求項1または請求項5〜8の何れか1項に記載の組成物。
【請求項10】
カチオン性脂質が、E0001〜E0171およびE0175〜E0180から選択される、請求項1または請求項5〜9の何れか1項に記載の組成物。
【請求項11】
ステルス脂質が、S001〜S009およびS012〜S026から選択される、請求項1または請求項5〜10の何れか1項に記載の組成物。
【請求項12】
組成物が、標的となる細胞のタイプまたは臓器に最適化したカチオン性脂質のpKa、用いられるカチオン性脂質、用いられるステルス脂質、ヘルパー脂質、用いられる中性脂質、中性脂質が存在するか否か、選択されたヘルパー脂質、所望により存在する中性脂質、ステルス脂質およびカチオン性脂質の比率、N/P比、粒子サイズ、投与レジメ、投与量、製剤化方法などの個別の選択を含むがこれらに限定されない少なくとも1つのパラメーターを最適化したものである、請求項1または請求項5〜11の何れか1項に記載された組成物。
【請求項13】
生物活性薬物をさらに含む、請求項1または請求項5〜12の何れか1項に記載の組成物。
【請求項14】
疾患または障害の治療的処置に有効な量で、生物活性薬物を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
生物活性薬物が、抗体、コレステロール、ホルモン、抗ウイルス剤、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核タンパク質、化学療法剤、低分子量薬物、ビタミン、補因子、ヌクレオシド、ヌクレオシド誘導体、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、酵素的核酸、アンチセンス核酸、三本鎖形成オリゴヌクレオチド、2,5−Aアンチセンスキメラ、アロザイム、アプタマー、デコイRNA分子およびそのアナログ、および、低分子核酸、例えばRNA干渉剤(RNAi)、低分子干渉核酸(siNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、ミクロRNA(miRNA)、および低分子ヘアピン型RNA(shRNA)からなる群から選択される、請求項13または14に記載の組成物。
【請求項16】
生物活性薬物が、ヌクレオシドまたはヌクレオシド誘導体、RNAi、siNA、RNAi阻害剤、miRNA、siRNAおよびshRNAの1つ以上から選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
さらに薬学的に許容される担体を含む、請求項1〜16の何れか1項に記載された化合物、製剤および/または組成物。
【請求項18】
請求項1〜16の何れか1項に記載の化合物、製剤および組成物、ならびに使用説明書を含むキット。
【請求項19】
疾患または状態を処置する方法であって、治療有効量の請求項1または請求項5〜17の何れか1項に記載された組成物を、必要とする患者に投与する工程を含む方法。
【請求項20】
疾患または状態が、癌、肝臓疾患、または、RNAi構築物による処置に応答する疾患である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
処置を必要とする対象において疾患または状態を処置する方法であって、請求項1または請求項5〜17の何れか1項に記載された組成物を1つ以上含む製剤中の治療有効量の生物活性薬物を投与する工程を含む方法。
【請求項22】
疾患または状態が、腫瘍、肝臓疾患、または、RNAi構築物による処置に応答する疾患である、請求項21に記載の方法。

【公表番号】特表2013−515693(P2013−515693A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545302(P2012−545302)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/070412
【国際公開番号】WO2011/076807
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】