説明

脈拍異常通知システムおよび携帯電話機

【課題】脈拍異常通知システムの杖の大型化や重量化を回避しつつ、当該脈拍異常通知システムが、脈拍異常を通知できるようにする。
【解決手段】脈拍異常通知システム1が、杖11と携帯電話機12とを具備する。そして、杖11は、脈拍数測定部111を有して、使用者の脈拍数を測定し、脈拍数送信部112を有して、当該脈拍数を携帯電話機12に送信する。携帯電話機12は、脈拍数受信部121を有して、脈拍数送信部112の送信する脈拍数を受信し、音声出力部125および送受信部122を有して、脈拍数受信部121の受信した脈拍数に応じて使用者または予め設定された送信先に対して脈拍異常を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杖と携帯電話とを具備する脈拍異常通知システム、および、当該脈拍異常通知システムに用いられる携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者や心臓病患者など、心臓の弱い者の脈拍数をモニタしておき、動悸等の自覚症状が出る前の早期段階で脈拍異常(心臓異常)を検出して本人に通知することにより、当該心臓の弱い者が、脈拍異常状態に気付いて安静にし、危険な状態の到来を回避し得る。
そこで、特許文献1に記載の電子アシスタントは、杖などの内部にバイオセンサが組み込まれて構成され、バイオセンサがユーザの脈拍等のパラメータを監視し、監視するパラメータ空間の危険領域を検出すると、当該電子アシスタントが、ユーザへの指示を示すオーディオメッセージを出力する、あるいは、メッセージを介護者に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2005−500598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の電子アシスタントとしての杖は、バイオセンサや、オーディオメッセージを出力する手段や、これらを制御する手段等を内部に含むため、装置の規模が大きくなってしまう。装置の規模が大きくなることにより、この電子アシスタントとしての杖が大きく、また、重くなり、杖としての使用に支障をきたすおそれがある。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決することのできる脈拍異常通知システムおよび携帯電話機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による脈拍異常通知システムは、使用者の脈拍数を測定する脈拍数測定部と、前記脈拍数を送信する脈拍数送信部と、を有する杖と、前記脈拍数を受信する脈拍数受信部と、前記脈拍数が所定の警告判定閾値以上か否かを判定する閾値判定部と、前記脈拍数が前記警告判定閾値以上であると前記閾値判定部が判定すると、前記使用者に脈拍異常を通知する警告出力部と、を有する携帯電話機と、を具備することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様による携帯電話機は、前記脈拍数を受信する受信部と、前記脈拍数が所定の警告判定閾値以上か否かを判定する閾値判定部と、前記脈拍数が前記警告判定閾値以上であると前記閾値判定部が判定すると、前記使用者に脈拍異常を通知する警告出力部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、脈拍異常通知システムの杖の大型化や重量化を回避しつつ、当該脈拍異常通知システムが、脈拍異常を通知するようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態における脈拍異常通知システムの概略構成を示す構成図である。
【図2】同実施形態における、杖および携帯電話機の外形の概略を示す外形図である。
【図3】同実施形態において、脈拍異常通知システムが脈拍異常を検出して通知を行う処理手順を示すフローチャートである。
【図4】同実施形態の一変形例における、携帯電話機の振動によって使用者に対して通知を行う脈拍異常通知システムの概略構成を示す構成図である。
【図5】同変形例における、杖および携帯電話機外形の概略を示す外形図である。
【図6】同変形例において、脈拍異常通知システムが脈拍異常を検出して通知を行う処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態における脈拍異常通知システムの概略構成を示す構成図である。同図において、脈拍異常通知システム1は、杖11と、携帯電話機12とを具備する。杖11は、脈拍数測定部111と、脈拍数送信部112とを有する。携帯電話機12は、脈拍数受信部121と、送受信部122と、入力部123と、表示部124と、音声出力部(警告出力部)125と、記憶部127と、制御部(閾値判定部)129とを具備する。
【0011】
杖11は、脈拍異常通知システム1の使用者(以下、単に「使用者」と称する)の歩行補助器具として用いられ、また、使用者の脈拍数を測定して携帯電話機12に送信する。
脈拍数測定部111は、例えば圧力センサによる脈拍センサを有し、使用者が杖11を使用する状態において使用者の脈拍数(例えば1分間あたりの脈拍数)を測定する。
脈拍数送信部112は、携帯電話機12の脈拍数受信部121との間で無線通信を行う。特に、脈拍数送信部112は、脈拍数測定部111が測定する脈拍数を無線信号にて送信する。
【0012】
携帯電話機12は、杖11が測定する脈拍数に基づいて脈拍異常(脈拍数異常)の有無を判定し、脈拍異常と判定すると、使用者または第三者に脈拍異常を通知する。
脈拍数受信部121は、携帯電話機12の脈拍数送信部112から無線にて送信される脈拍数を受信し、当該脈拍数を制御部129に出力する。
送受信部122は、携帯電話機12が携帯電話回線に無線接続するための通信回路であり、携帯電話回線の基地局との間で無線信号の送受信を行う。特に、送受信部122は、使用者の脈拍異常時に、予め通知先(通信先)として設定されている通信装置(例えば、緊急連絡先の携帯電話機または固定電話機)に対して、使用者の緊急事態(脈拍異常)を通知する緊急信号を送信する。
【0013】
入力部123は、テンキー等の各種押ボタンを有し、使用者の入力操作を受け付ける。特に、入力部123は、脈拍異常時の通知に関する設定操作を受け付ける。
表示部124は、液晶パネル等の表示画面を有し、制御部129の制御に従って、画像やテキストなどの各種データを表示する。
音声出力部125は、スピーカを有し、制御部129の制御に従って音声を出力する。音声出力部125は、携帯電話機12が電話機能を実行する際に受話音声を出力するなど、携帯電話機12実行する各アプリケーションにおいて、音声の出力を行う。特に、音声出力部125は、使用者の脈拍異常時に、脈拍異常を使用者または第三者に通知する音声を出力する。
【0014】
記憶部127は、各種データや、制御部129が実行するプログラムを記憶し、また、制御部129のワーキングメモリとして機能する。特に、記憶部127は、脈拍異常の有無を判定する基準となる閾値である、警告判定閾値と送信判定閾値とを記憶し、また、脈拍検出時の通知に関する設定内容を記憶する。
制御部129は、例えば、携帯電話機12が有するCPU(中央演算装置)が、記憶部127からプログラムを読み出し実行することにより実現され、携帯電話機12の各部の制御を行う。特に、制御部129は、脈拍数受信部121から出力される脈拍数と、記憶部127の記憶する警告判定閾値および送信判定閾値とに基づいて、使用者の脈拍異常の有無を判定する。脈拍異常有りと判定した場合、制御部129は、音声出力部125または脈拍数受信部121を制御して脈拍異常の通知を行わせる。
【0015】
図2は、杖11および携帯電話機12の外形の概略を示す外形図である。
同図に示されるように、脈拍数測定部111は、杖11の取っ手部分に設けられ、使用者が取っ手を握った状態において、当該握りによる圧力の変化を検出することによって、使用者の脈拍数を測定する。また、同図では、携帯電話機12の外観における、入力部123のテンキーと、表示部124の表示画面と、音声出力部125のスピーカ穴とが示されている。
【0016】
次に図3を参照して脈拍異常通知システム1の動作について説明する。
図3は、脈拍異常通知システム1が脈拍異常を検出して通知を行う処理手順を示すフローチャートである。脈拍異常通知システム1は、携帯電話機12の電源を接続(ON)されると、同図の処理を開始し、携帯電話機12の電源を切断(OFF)されるまで同図の処理を行う。
【0017】
まず、携帯電話機12において、制御部129は、脈拍異常通知の設定に関する操作の有無を判定する(ステップS101)。具体的には、入力部123は、使用者による入力操作を常時受け付けて、入力部123内部のバッファに一時保存する。そして、制御部129は、入力部123のバッファに一時保存された入力操作(を示す情報。以下、単に「入力操作」と称する)を順次読み出し、読み出した入力操作に、脈拍異常通知の有無の設定操作が含まれるか否かを判定する。このように、本実施形態では、使用者は、脈拍異常通知の設定として、脈拍異常通知を行うか否かの設定を行う。
なお、脈拍異常通知の有無の設定操作は、例えば、入力部123が脈拍異常通知の有無の設定専用のキー(押ボタン)を有し、使用者が当該キーを押下することによって行われる。あるいは、使用者の操作に従って表示部124が設定画面を表示し、設定画面にて指定される操作(例えば、テンキーの「1」を押下することによって脈拍異常通知を有りとする設定を行い、テンキーの「0」を押下することによって脈拍異常通知を無しとする設定を行うなど)に応じて使用者が操作を行うようにしてもよい。
【0018】
脈拍異常通知の設定に関する操作を受け付けたと判定した場合(ステップS101:YES)、制御部129は、当該操作に従って設定を行う(ステップS102)。具体的には、制御部129は、入力部123のバッファから読み出した入力操作に従って、脈拍異常通知を行うか否かを示す情報を記憶部127に書き込む。その後、次のステップS111に進む。一方、ステップS101において、脈拍異常通知の設定に関する操作を受け付けていない判定した場合(ステップS101:NO)は、そのまま次のステップS111に進む。
【0019】
次に、制御部129は、脈拍異常通知を行うか否かを示す情報を記憶部127から読み出すことにより、脈拍異常通知の有無を判定する(ステップS111)。脈拍異常通知を行わない設定であると判定した場合(ステップS111:NO)、ステップS101に戻って同図の処理を繰り返す。
一方、脈拍異常通知を行う設定であると判定した場合(ステップS111:YES)、制御部129は、使用者の脈拍数(を示す情報。以下、単に「脈拍数」と称する)を取得する(ステップS112)。ここで、杖11の脈拍数測定部111は、当該脈拍数測定部111の有する圧力センサにおける圧力変化を常時検出し、検出した圧力変化に基づいて使用者の脈拍数を測定(算出)して、例えば1分周期など定期的に、脈拍数送信部112に出力する。そして、脈拍数送信部112は、脈拍数測定部111が脈拍数を出力する毎に、当該脈拍数を無線信号にて脈拍数受信部121に送信する。そして、脈拍数受信部121は、脈拍数送信部112から送信される脈拍数を、制御部129に出力し、制御部129は、当該脈拍数を待ち受けて取得する。
【0020】
そして、制御部129は、記憶部127の記憶する警告判定閾値を読み出し、脈拍数受信部121から出力された脈拍数が、警告判定閾値以上か否かを判定する(ステップS113)。ここでいう「警告判定閾値」は、使用者に対して脈拍異常を通知する必要が有るか否かの判定基準となる閾値である。記憶部127は、この警告判定閾値を予め記憶しておく。
警告判定閾値未満であると判定した場合(ステップS113:NO)、制御部129は、脈拍異常通知の音声を出力するよう音声出力部125を制御中であるときは、当該音声の出力を解除する、すなわち、音声の出力を中止させる(ステップS121)。その後、ステップS101に戻って同図の処理を繰り返す。
【0021】
一方、ステップS113において、警告判定閾値以上であると判定した場合、(ステップS113:YES)、制御部129は、記憶部127の記憶する送信判定閾値を読み出し、脈拍数受信部121から出力された脈拍数が、送信判定閾値以上か否かを判定する(ステップS131)。ここでいう「送信判定閾値」は、予め設定された通知先に対して、脈拍異常を通知(無線送信)する必要が有るか否かの判定基準となる閾値であり、警告判定閾値よりも大きい値に設定されている。記憶部127は、この送信判定閾値を予め記憶しておく。
【0022】
送信判定閾値未満であると判定した場合(ステップS131:NO)、制御部129は、使用者に向けて脈拍異常通知の音声を出力し続けるよう音声出力部125を制御する。そして、音声出力部125は、制御部129の制御に従って音声を出力する(ステップS141)。ここで、音声出力部125が使用者に向けて出力する脈拍異常通知の音声は、周囲の他人に迷惑とならないよう比較的小さな音量の警告音である。あるいは、警告音に代えてないし警告音に加えて「脈拍数が上昇しています。安静にして下さい。」など、脈拍異常を通知するメッセージを出力するようにしてもよい。また、音声出力部125による音声出力に加えて、表示部124が脈拍異常を通知するメッセージを表示するようにしてもよい。メッセージを音声出力ないし表示することにより、使用者に対して、脈拍異常状態にあることをより確実に通知することができる。
その後、ステップS101に戻って同図の処理を繰り返す。
【0023】
一方、ステップS131において、送信判定閾値以上であると判定した場合(ステップS131:YES)、制御部129は、緊急信号を送信するよう送受信部122を制御する。そして、送受信部122は、制御部129の制御に従って緊急信号を送信する(ステップS151)。
ここでいう「緊急信号」は、使用者の緊急事態を通知する信号である。例えば、記憶部127が、「○○(使用者の氏名)の脈拍数が異常に上昇しています。救護を御願いします。」など、使用者の緊急事態を通知するメッセージと、緊急信号の送信先とを予め記憶しておく。そして、制御部129は、記憶部127から当該メッセージと送信先とを読み出して、当該送信先宛の緊急信号を生成して送受信部122に出力する。そして、送受信部122は、制御部129から出力された緊急信号を無線にて送信する。
【0024】
さらに、制御部129は、携帯電話機12の周囲(使用者の周囲)の第三者に向けて脈拍異常通知の音声を出力し続けるよう音声出力部125を制御する。そして、音声出力部125は、制御部129の制御に従って音声を出力する(ステップS152)。ここで、音声出力部125が周囲の第三者に向けて出力する脈拍異常通知の音声は、周囲の第三者に気付かれるよう大きな音量の警告音である。あるいは、警告音に代えてないし警告音に加えて「救護を御願いします。救急車を呼んで下さい。」など、脈拍異常を通知するメッセージを出力するようにしてもよい。メッセージを音声出力することにより、周囲の第三者に対して、救護を受けたいことをより確実に通知することができる。
その後、ステップS101に戻って同図の処理を繰り返す。
【0025】
以上のように、杖11が、使用者の脈拍数を測定して携帯電話機12に送信し、携帯電話機12が、当該脈拍数に基づいて脈拍異常通知を行うか否かを判定し、必要に応じて通知を行う。従って、杖11は、脈拍異常通知を行うか否かを判定する手段や、脈拍異常を通知するための、音声出力手段や、携帯電話網との通信手段を有する必要が無い。ここで、杖11は、測定した脈拍数を携帯電話機12に送信するための脈拍数送信部112を有するが、この脈拍数送信部112は、杖11の近傍(例えば使用者の服のポケットの中)にある携帯電話機12に対して無線信号を送信できればよい。すなわち、微弱な電波を送信できればよく、かつ、受信を行う必要が無いので、携帯電話網との通信手段と比べて、脈拍数送信部112を小型化および軽量化し得る。これにより、杖11の大型化や重量化を回避しつつ、脈拍異常通知システム1が、脈拍異常を通知するようにできる。
【0026】
また、記憶部127が、警告判定閾値と、当該警告判定閾値よりも大きい値の送信判定閾値とを記憶し、制御部129は、脈拍数受信部121の受信する脈拍数が警告判定閾値以上であると判定すると、使用者に対して脈拍異常を通知するよう音声出力部125を制御し、脈拍数受信部121の受信する脈拍数が送信判定閾値以上であると判定すると、予め設定されている通知先に対して脈拍異常を通知するよう送受信部122を制御する。これにより、適切なタイミングで使用者および通知先に対して脈拍異常を通知できる。すなわち、使用者が安静にすることで正常な脈拍に回復することを期待できるタイミングでは使用者に通知し、緊急を要するタイミングでは通知先に通知することができる。
【0027】
また、杖11とは別に設けられる携帯電話機12の音声出力部125が、使用者に対して脈拍異常を通知する音声を出力するので、携帯電話機12を、使用者の胸ポケットなど使用者の耳の近くに置くことにより、使用者の周囲の第三者の迷惑とならない比較的小さい音量で、使用者に脈拍異常を通知し得る。
【0028】
また、制御部129は、脈拍数受信部121の受信する脈拍数が通信判定閾値以上であると判定すると、使用者に対する通知時よりも大きな音量で脈拍異常を通知する音声を出力する。これにより、使用者の周囲の第三者が使用者の脈拍異常に気付き使用者に対する救護を行うことを期待できる。
【0029】
なお、脈拍異常通知システムが使用者に対して通知を行う方法は、音声によって通知を行う方法に限らない。以下では、上述した実施形態の一変形例として、携帯電話機の振動(バイブ)によって使用者に対して通知を行う脈拍異常通知システムの一例について説明する。
図4は、携帯電話機の振動(バイブ)によって使用者に対して通知を行う脈拍異常通知システムの概略構成を示す構成図である。同図において、脈拍異常通知システム2は、杖11と、携帯電話機22とを具備する。杖11は、脈拍数測定部111と、脈拍数送信部112とを有する。携帯電話機22は、脈拍数受信部121と、送受信部122と、入力部123と、表示部124と、音声出力部125と、振動部226と、記憶部127と、制御部(閾値判定部)229とを具備する。なお、音声出力部125と振動部226とが警告出力部に該当し、以下に説明するように、制御部229の制御に従って使用者に対する脈拍異常通知を行う。
【0030】
図4において、図1の各部と同様の機能を有する部分には、同一の符号(11、111、112、121、122、123、124、125、127)を付し、説明を省略する。脈拍異常通知システム2は、携帯電話機22が振動部226とを具備する点で、図1の脈拍異常通知システム1と異なる。
【0031】
振動部226は、振動用モータを有し、制御部229の制御に従って携帯電話機22の筺体を振動させる。
制御部229は、図1の制御部129に相当するが、音声出力部125および振動部226を制御することにより使用者に対する脈拍異常通知を行う点で、図1の制御部129と異なる。
【0032】
図5は、杖11および携帯電話機22外形の概略を示す外形図である。同図において、図2の各部と同様の機能を有する部分には、同一の符号(11、111、123、124、125)を付し、説明を省略する。
同図において、振動部226を構成する振動用モータ等は、携帯電話機22の筺体内部に格納されている。
【0033】
次に図6を参照して脈拍異常通知システム2の動作について説明する。
図6は、脈拍異常通知システム2が脈拍異常を検出して通知を行う処理手順を示すフローチャートである。脈拍異常通知システム2は、携帯電話機22の電源を接続されると、同図の処理を開始し、携帯電話機22の電源を切断されるまで同図の処理を行う。
【0034】
ステップS201〜S221は、図3のステップS101〜S121と同様である。ただし、ステップS221の後、ステップSSSSに進む。そして、ステップS222において、制御部129は、振動による脈拍異常通知を行うよう振動部226を制御中であるときは、当該振動を解除する、すなわち、振動を中止させる。その後、ステップS201に戻って同図の処理を繰り返す。
【0035】
ステップS231において、制御部229は、使用者への脈拍異常通知として、携帯電話機22の筺体を振動させ続けるよう振動部226を制御する。そして、振動部226は、制御部229の制御に従って携帯電話機22の筺体を振動させる。このように、振動によって使用者への脈拍異常通知を行うことにより、使用者の聴力が弱い場合や使用者の周囲の雑音が大きい場合に、より確実に脈拍異常通知を行うことができる。
ステップS241〜S262は、図3のステップS131〜S152と同様である。
【0036】
以上のように、振動部226が、携帯電話機22の筺体を振動させることによって、使用者の聴力が弱い場合や使用者の周囲の雑音が大きい場合に、より確実に脈拍異常通知を行うことができる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0038】
以下、本発明の諸態様を付記として記載する。
【0039】
(付記1)杖と携帯電話機とを具備する脈拍異常通知システムの脈拍異常通知方法であって、前記杖が、使用者の脈拍数を検出する脈拍数検出ステップと、前記杖が、前記脈拍数を送信する脈拍数送信ステップと、前記携帯電話機が、前記脈拍数を受信する受信ステップと、前記携帯電話機が、前記脈拍数が所定の警告判定閾値以上か否かを判定する閾値判定ステップと、前記携帯電話機が、前記閾値判定ステップにて前記脈拍数が前記警告判定閾値以上であると判定すると、前記使用者に脈拍異常を通知する警告出力ステップと、を具備することを特徴とする脈拍異常通知方法。
【0040】
(付記2)携帯電話機の脈拍異常通知方法であって、使用者の脈拍数を受信する受信ステップと、前記脈拍数が所定の振動判定閾値以上か否かを判定する閾値判定ステップと、前記閾値判定ステップにて前記脈拍数が前記振動判定閾値以上であると判定すると、前記使用者に脈拍異常を通知する警告出力ステップと、を具備することを特徴とする脈拍異常通知方法。
【符号の説明】
【0041】
1、2 脈拍異常通知システム
11 杖
111 脈拍数測定部
112 脈拍数送信部
12、22 携帯電話機
121 脈拍数受信部
122 送受信部
123 入力部
124 表示部
125 音声出力部
226 振動部
127 記憶部
129 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の脈拍数を測定する脈拍数測定部と、
前記脈拍数を送信する脈拍数送信部と、
を有する杖と、
前記脈拍数を受信する脈拍数受信部と、
前記脈拍数が所定の警告判定閾値以上か否かを判定する閾値判定部と、
前記脈拍数が前記警告判定閾値以上であると前記閾値判定部が判定すると、前記使用者に脈拍異常を通知する警告出力部と、
を有する携帯電話機と、
を具備することを特徴とする脈拍異常通知システム。
【請求項2】
前記警告出力部は、前記携帯電話機を振動させることにより前記脈拍異常を通知する振動部、を有することを特徴とする請求項1に記載の脈拍異常通知システム。
【請求項3】
前記携帯端末装置は、前記使用者の緊急事態を通知する緊急信号を送信する緊急信号送信部、を有し、
前記閾値判定部は、前記脈拍数が、前記警告判定閾値よりも大きい所定の送信判定閾値以上か否かを判定し、
前記緊急信号送信部は、前記脈拍数が前記送信判定閾値以上であると前記閾値判定部が判定すると、前記緊急信号を送信する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の脈拍異常通知システム。
【請求項4】
前記携帯電話機は、前記脈拍数が前記送信判定閾値以上であると前記閾値判定部が判定すると、音声を出力する音声通知部、を有することを特徴とする請求項3に記載の脈拍異常通知システム。
【請求項5】
前記音声通知部は、前記脈拍数が前記警告判定閾値以上かつ前記送信判定閾値未満であると前記閾値判定部が判定すると、前記脈拍数が前記送信判定閾値以上であると前記閾値判定部が判定したときに出力する音声よりも音量の小さい音声を出力する、ことを特徴とする請求項4に記載の脈拍異常通知システム。
【請求項6】
前記脈拍数を受信する受信部と、
前記脈拍数が所定の警告判定閾値以上か否かを判定する閾値判定部と、
前記脈拍数が前記警告判定閾値以上であると前記閾値判定部が判定すると、前記使用者に脈拍異常を通知する警告出力部と、
を有することを特徴とする携帯電話機。
【請求項7】
前記警告出力部は、前記携帯電話機を振動させることにより前記脈拍異常を通知することを特徴とする請求項6に記載の携帯電話機。
【請求項8】
前記使用者の緊急事態を通知する緊急信号を送信する緊急信号送信部、を有し、
前記閾値判定部は、前記脈拍数が、前記警告判定閾値よりも大きい所定の送信判定閾値以上か否かを判定し、
前記緊急信号送信部は、前記脈拍数が前記送信判定閾値以上であると前記閾値判定部が判定すると前記緊急信号を送威信する、
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の携帯電話機。
【請求項9】
前記脈拍数が前記送信判定閾値以上であると前記閾値判定部が判定すると音声を出力する音声通知部、を有することを特徴とする請求項8に記載の携帯電話機。
【請求項10】
前記音声通知部は、前記脈拍数が前記振警告動判定閾値以上かつ前記送信判定閾値未満であると前記閾値判定部が判定すると、前記脈拍数が前記送信判定閾値以上であると前記閾値判定部が判定したときに出力する音声よりも音量の小さい音声を出力する、ことを特徴とする請求項9に記載の携帯電話機。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−115373(P2012−115373A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266274(P2010−266274)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】