説明

脈管形成に関与する異なって発現された遺伝子、それによりコードされる蛋白質、およびそれを用いる方法

本発明は、一般に、核酸およびそれらがコードするポリペプチド、特に、その発現が脈管形成において変調されるVCC−1の同定に関する。これらの核酸および蛋白質が、脈管形成において生物学的役割を有するものとしては従前には同定されていない。本発明は、さらに、VCC−1の発現および/または活性を変調する化合物に関する。VCC−1発現の変調のための、およびVCC−1の発現に関連する病気の治療のためのこれらの化合物を用いる方法が提供される。また、VCC−1関連脈管形成性障害の診断方法も含まれる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)配列番号:2および配列番号:5よりなる群から選択される配列を含むアミノ酸配列;
(b)配列番号:2および配列番号:5よりなる群から選択される配列を含むアミノ酸配列の変種、ここに、該変種における1以上のアミノ酸残基は成熟形態のアミノ酸配列とは異なり、但し、該変種は該アミノ酸配列から30%以下のアミノ酸残基において異なり;
(c)配列番号:3および配列番号:6よりなる群から選択されるアミノ酸配列の成熟形態;
(d)配列番号:3および配列番号:6よりなる群から選択されるアミノ酸配列の成熟形態の変種、ここに、該変種における1以上のアミノ酸残基は該成熟形態のアミノ酸配列とは異なり、但し、該変種は該成熟形態のアミノ酸配列とは約30%以下のアミノ酸残基において異なり;および
(e)配列番号:3および配列番号:6よりなる群から選択されるアミノ酸配列の断片;
よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む単離されたVCC−1ポリペプチド。
【請求項2】
該ポリペプチドが配列番号:2、配列番号:3、配列番号:5および配列番号:6よりなる群から選択されるアミノ酸配列の天然に生じる対立遺伝子変種のアミノ酸配列を含む請求項1記載のVCC−1ポリペプチド。
【請求項3】
該対立遺伝子変種が、配列番号:1および配列番号:4よりなる群から選択される核酸配列とは単一のヌクレオチドだけ異なる核酸配列の翻訳であるアミノ酸配列を含む請求項2記載のVCC−1ポリペプチド。
【請求項4】
該変種のアミノ酸配列が保存的アミノ酸置換を含む請求項1記載のポリペプチド。
【請求項5】
配列番号:2、配列番号:3、配列番号:5および配列番号:6よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含む請求項1記載の単離されたVCC−1ポリペプチド。
【請求項6】
請求項1記載のポリペプチドをコードする核酸配列を含む単離された核酸分子。
【請求項7】
該核酸配列が、
a)ストリンジェントな条件下で配列番号:1または配列番号:4のDNA配列にハイブリダイズすることができるか、あるいは遺伝子暗号の縮重を除いては該条件下で該DNA配列にハイブリダイズすることができる核酸配列;
b)配列番号:1または配列番号:4のDNA配列に対して少なくとも約80%の相同性を有する核酸配列;および
c)配列番号:1または配列番号:4の相補体;
よりなる群から選択される配列を含む請求項6記載の単離された核酸配列。
【請求項8】
該核酸分子が天然に生じる対立遺伝子核酸変種のヌクレオチド配列を含む請求項6記載の核酸分子。
【請求項9】
該核酸分子が配列番号:1および配列番号:4よりなる群から選択される請求項6記載の核酸分子。
【請求項10】
該核酸分子が、配列番号:1または配列番号:4よりなる群から選択される核酸配列とは単一のヌクレオチドだけ異なる請求項8記載の核酸分子。
【請求項11】
該核酸分子が、ストリンジェントな条件下で、配列番号:1または配列番号:4よりなる群から選択されるヌクレオチド配列、または該ヌクレオチド配列の相補体にハイブリダイズする請求項6記載の核酸分子。
【請求項12】
請求項6、7、8、9、10または11の核酸分子を含むベクター。
【請求項13】
該核酸分子に操作可能に連結したプロモーターをさらに含む請求項12記載のベクター。
【請求項14】
請求項13記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項15】
該VCC−1ポリペプチドの発現をもたらす条件下で、請求項14記載の宿主細胞を適当な栄養条件下で増殖させることを特徴とするVCC−1を生産する方法。
【請求項16】
請求項6記載の核酸配列を含むマイクロアレイ。
【請求項17】
該核酸配列が、配列番号:1および配列番号:4よりなる群から選択される核酸配列を含む請求項16記載のマイクロアレイ。
【請求項18】
配列番号:2、配列番号:3、配列番号:5、および配列番号:6よりなる群から選択されるアミノ酸配列をコードする核酸配列を含むマイクロアレイ。
【請求項19】
請求項1記載のVCC−1ポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体。
【請求項20】
該抗体がモノクローナル抗体である請求項19記載の抗体。
【請求項21】
該抗体が抗体断片である請求項19記載の抗体。
【請求項22】
該抗体断片がFv断片、Fab断片、(Fab)断片、および単一鎖抗体よりなる群から選択される請求項21記載の抗体。
【請求項23】
該抗体がアンタゴニストである請求項19記載の抗体。
【請求項24】
該抗体がヒト化抗体である請求項19、20、21、22または23記載の抗体。
【請求項25】
該抗体が全長ヒト抗体である請求項19、20、21、22または25記載の抗体。
【請求項26】
(a)試料を供し;
(b)請求項1記載のVCC−1ポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体と該試料とを接触させ;次いで
(c)該VCC−1ポリペプチドに結合した抗体の存在または量を測定する工程を含み、
それにより、該試料中のVCC−1ポリペプチドの存在または量を決定することを特徴とする、請求項1記載のVCC−1ポリペプチドの存在または量を決定する方法。
【請求項27】
(a)試料を供し;
(b)請求項6記載の核酸分子に結合するプローブと該試料とを接触させ;次いで、
(c)該核酸分子に結合したプローブの存在または量を決定する工程を含み、
それにより、該試料中の核酸分子の存在または量を決定することを特徴とする、試料中の請求項6記載の核酸分子の存在または量を決定する方法。
【請求項28】
請求項1記載のVCC−1ポリペプチドに結合する剤を同定する方法であって、
(a)該ポリペプチドと該剤と接触させ;次いで
(b)該ポリペプチドに該剤が結合したか否かを判断する工程を含む該方法。
【請求項29】
請求項1記載のVCC−1ポリペプチドの発現または活性を変調する剤を同定する方法であって、
(a)操作可能に該ポリペプチドを発現する細胞を供し;
(b)該細胞と該剤とを接触させ;次いで
(c)該ポリペプチドの発現または活性を該剤が変調するか否かを判断する工程を含み、
それにより、該ペプチドの発現または活性における改変が、該剤が該ポリペプチドの発現または活性を変調すること示すことを特徴とする該方法。
【請求項30】
請求項1記載のVCC−1ポリペプチドを発現する細胞試料と、該ポリペプチドの活性を変調するのに十分な量の該ポリペプチドに結合する化合物とを接触させることを特徴とする請求項1記載のVCC−1ポリペプチドの活性を変調する方法。
【請求項31】
治療または予防が望まれる対象に、該対象において脈管形成関連障害を治療または予防するのに十分な量の請求項1記載のVCC−ポリペプチドを投与することを特徴とする脈管形成関連障害を治療または予防する方法。
【請求項32】
治療または予防が望まれる対象に、該対象において脈管形成関連障害を治療または予防するのに有効な量の請求項19記載の抗体を投与することを特徴とする脈管形成関連障害を治療または予防する方法。
【請求項33】
請求項1記載のVCC−1ポリペプチドおよび医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項34】
請求項19記載の抗体および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項35】
請求項33または34記載の医薬組成物を含むキット。
【請求項36】
癌であることが疑われる細胞に由来するテスト試料中の少なくとも1つの異なって発現された遺伝子産物を検出する工程を含み、ここに、該遺伝子産物は核酸配列配列番号:1または配列番号:4によってコードされ、ここに、異なって発現された産物の検出は、テスト試料が由来する細胞の癌状態と関係付けることを特徴とする哺乳動物細胞の癌状態と関連する異なって発現された遺伝子を検出する方法。
【請求項37】
試料中の請求項6記載の核酸分子の存在を検出する方法であって、
(a)該試料を、該核酸分子と選択的にハイブリダイズする核酸プローブまたはプライマーと接触させ;次いで、
(b)該核酸プローブまたはプライマーが該試料中の核酸分子に結合するか否かを判断して、それにより、試料中の請求項1記載の核酸分子の存在を検出する工程を含む該方法。
【請求項38】
患者において脈管形成性障害の進行をモニターする方法であって、
(a)第一の時点で患者試料中にてマーカーの発現を検出し、ここに、該マーカーは請求項1記載のVCC−1ポリペプチドであり;
(b)引き続いての時点において工程a)を反復し;次いで
(c)工程a)およびb)において検出された発現のレベルを比較し、それより、脈管形成性障害の進行をモニターする工程を含む該方法。
【請求項39】
脈管形成を阻害するテスト化合物の効率を評価する方法であって、
a)テスト化合物に暴露された患者から得られた第一の試料中のマーカーの発現、ここに、該マーカーは請求項1記載のVCC−1ポリペプチドであり、および
b)患者から得られた第二の試料中のマーカーの発現、ここに、該試料はテスト化合物に暴露されず、ここに、第二の試料に対する第一の試料におけるマーカーの発現の有意に低いレベルは、テスト化合物が患者において癌を阻害するのに効果的である指標である;
を比較することを特徴とする該方法。
【請求項40】
患者において脈管形成を阻害する療法の効率を評価する方法であって、
a)患者に療法の少なくとも一部を供するに先立って患者から得られた第一の試料中のマーカーの発現、ここに、該マーカーは請求項1記載のVCC−1ポリペプチドであり、および
b)該療法の一部の提供に続いて患者から得られた第二の試料中のマーカーの発現、ここに、第一の試料に対する第二の試料中のマーカーの発現の有意に低いレベルは、該療法が患者において癌を阻害するのに効果的である指標である;
を比較することを特徴とする該方法。
【請求項41】
患者において脈管形成を阻害するための組成物を選択する方法であって、
(a)患者からの癌細胞を含む試料を得;
(b)複数のテスト組成物の存在下で該試料のアリコットを別々に暴露し;
(c)該アリコットの各々におけるマーカーの発現を比較し、ここに、該マーカーは配列番号:2、配列番号:3、配列番号:5、および配列番号:6のマーカーよりなる群から選択され;次いで、
(d)他のテスト組成物に対する、そのテスト組成物を含むアリコット中のマーカーの発現のレベルを改変するテスト組成物を選択する;
工程を含む該方法。
【請求項42】
VCC−1ポリペプチドアンタゴニスト。
【請求項43】
該アンタゴニストがアンチセンス分子である請求項41記載のアンタゴニスト。
【請求項44】
請求項1記載のVCC−1ポリペプチドを含むキメラ分子。
【請求項45】
調節エレメントに操作可能に連結したVCC−1をコードする核酸をそのゲノムに組み込まれたトランスジェニック非−ヒト哺乳動物であって、ここに、該コーディング配列の発現は同一種の非−トランスジェニック哺乳動物に対して該哺乳動物のVCC−1のレベルおよび骨密度を増加させ、ここに、該コーディング配列は請求項6記載の核酸から選択されることを特徴とする該トランスジェニック非−ヒト哺乳動物。
【請求項46】
該哺乳動物がマウスである請求項45記載のトランスジェニック哺乳動物。
【請求項47】
その内因性VCC−1遺伝子中にホモ接合性破壊を含むトランスジェニックノックアウト非−ヒト哺乳動物であって、該破壊は機能的VCC−1蛋白質の発現を妨げることを特徴とする該非−ヒト哺乳動物。
【請求項48】
VCC−1の発現または活性の変調と関連付けられたバイオマーカー。
【請求項49】
KIAA0758、VEGF−A、Ang−2、uPAR、uPA、およびbFGFよりなる群から選択される請求項1記載のバイオマーカー。
【請求項50】
変調されたVCC−1の発現レベルまたは活性を有することが疑われるテスト試料中の少なくとも1つの異なって発現されたバイオマーカーを検出する工程を含む、請求項1または2記載の異なって発現されたバイオマーカーを検出する方法。
【請求項51】
哺乳動物テスト対象から検体を供して、バイオマーカー診断剤を供し、
バイオマーカー参照パネルと比較し、次いで、
該比較によって示された該対象についての診断を同定することを特徴とする、哺乳動物テスト対象におけるVCC−1関連障害を診断するためにバイオマーカーを用いる方法。
【請求項52】
該バイオマーカーがKIAA0758、VEGF−A、Ang−2、uPAR、uPA、およびbFGFよりなる群から選択される請求項記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2006−506043(P2006−506043A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−584112(P2003−584112)
【出願日】平成15年4月11日(2003.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2003/011088
【国際公開番号】WO2003/087157
【国際公開日】平成15年10月23日(2003.10.23)
【出願人】(501370244)ファルマシア・コーポレイション (1)
【氏名又は名称原語表記】PHARMACIA CORPORATION
【Fターム(参考)】