説明

脊柱管狭窄症治療剤

本発明は、式(I)


(式中、すべての記号は明細書中と同じ意味を表わす。)で示される化合物、R3aが水素原子を表わすときには、その酸の塩、またはそれらの溶媒和物等を代表例とするアルドース還元酵素阻害化合物を含有してなる脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤に関する。
本発明の治療剤は、腰部脊柱管狭窄症等の脊柱管狭窄症等の予防および/または治療に有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、脊柱管狭窄症の治療剤に関する。さうに詳しく言えば、アルドース還元酵素阻害化合物を含有する脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤に関する。
【背景技術】
頚椎から仙椎に至るそれぞれの椎体と、棘突起で囲まれた内部スペースを脊柱管という。脊柱管狭窄症は、脊柱管を構成する脊椎や黄色靱帯の肥大変性や、椎間板の突出等で脊柱管が狭められ、神経根や馬尾などの神経組織が圧迫を受けて各種症状を呈する状態である。脊柱管狭窄症は、脊柱管の狭小部位によって、頸部脊柱管狭窄症、胸部脊柱管狭窄症、腰部脊柱管狭窄症、または広範脊柱管狭窄症に分類される。その症状としては、神経圧迫による腰痛や上肢、または下肢の痛み、しびれ等がある。特に馬尾神経が傷害されると、歩行中に腰痛、下肢の痛み、しびれ、脱力感がひどくなり、この症状を間欠跛行という。
一方、アルドース還元酵素は、体内のアルドース、例えばグルコース、ガラクトースを対応するポリオール、例えばソルビトール、ガラクチトールに還元する酵素である。糖尿病患者等の糖過剰な状態において、この酵素の過剰な働きによって生じたソルビトールやガラクチトールが水晶体、末梢神経、腎臓等に蓄積され、その結果、網膜症、糖尿性白内障、末梢神経障害、腎障害等の合併症が起こる。アルドース還元酵素阻害剤は、アルドース還元酵素を阻害することにより、慢性糖尿病の合併症の治療、および予防に有効であることが知られている。
アルドース還元酵素阻害化合物としては、例えば、以下のものが知られている。
式(I)

[各基の定義は、後記と同じ意味を表わす。]で示される化合物はアルドース還元酵素阻害作用を有し、慢性糖尿病の合併症、例えば循環器障害、腎障害、網膜症、糖尿性白内障、神経障害、感染症等でアルドース還元酵素に起因する合併症として知られている神経痛の如き神経障害、網膜症、糖尿性白内障、尿細管性腎臓病の如き腎障害の予防や治療に有用であると報告されている(US4,464,382号および同4,831,045号明細書)。
式(II)

[各基の定義は、後記と同じ意味を表わす。]で示される化合物は、アルドース還元酵素阻害作用を有し、各種の糖尿病合併症(白内障、網膜症、角膜症、神経障害、腎症など)の治療、および予防に有用であることが報告されている(特開平5−186472号明細書、特開平5−345784号明細書)。
式(III)

[各基の定義は、後記と同じ意味を表わす。]で示される化合物は、アルドース還元酵素阻害作用を有し、糖尿病合併症、例えば、糖尿病性白内障、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症の予防、および治療に有効であることが報告されている(US4,740,517号明細書)。
式(IV)

[式中、各基の定義は、後記と同じ意味を表わす。]で示される化合物が、アルドース還元酵素阻害作用を有し、糖尿病合併症の治療に効果的であることが報告されている(US4,734,419号および同4,883,800号明細書)。
しかしながら、アルドース還元酵素阻害化合物が脊柱管狭窄症に有用であることはこれまでに報告されていない。
【発明の開示】
脊柱管狭窄症の治療法は、重症の場合、手術的治療が選択されるが、薬物療法や、腹筋、背筋などを強化する体操療法、ホットパックなどの温熱療法、除痛効果を目的とした鍼治療、コルセット等を装着する装具療法などの保存的治療が基本である。しかし、脊柱管狭窄症の多彩な症状を満足に改善する治療方法はない。
脊柱管狭窄症の多くは保存的治療の対象となり、種々の保存療法の組み合わせによって症状が改善される症例が多く見られる。しかし、薬物治療において脊柱管狭窄症治療薬として認められているのは、神経組織内での循環改善を目的とした経口プロスタグランジンE1誘導体製剤のみである。そこで、本発明者らは、新規な脊柱管狭窄症治療薬を見出すべく鋭意検討を重ねた結果、意外にもアルドース還元酵素阻害剤が、脊柱管狭窄症の症状を改善することを見出し本発明を完成した。アルドース還元酵素阻害剤が脊柱管狭窄症に有効であることはこれまでに報告されておらず、本発明者らは脊柱管狭窄症のモデルとして知られている馬尾神経圧迫歩行障害モデル(J.Neurosci.Methods,104(2),191−198(2002))を用いてアルドース還元酵素阻害化合物が脊柱管狭窄症において有効であることを初めて確認した。
すなわち、本発明は、
1.アルドース還元酵素阻害化合物を含有してなる脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤、
2.脊柱管狭窄症が、頸部脊柱管狭窄症、胸部脊柱管狭窄症、腰部脊柱管狭窄症、または広範脊柱管狭窄症である前項1記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤、
3.麻痺、知覚鈍麻、疼痛、またはしびれ症状の改善剤である前項1記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤、
4.運動能力改善剤である前項1記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤、
5.運動能力改善剤が、筋力低下、間歇跛行または歩行能力低下の改善剤である前項4記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤、
6.排尿障害、または排便障害の改善剤である前項1記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤、
7.アルドース還元酵素阻害化合物が、式(I)[式中、各基の定義は、後記と同じ意味を表わす。]で示される化合物、R3aが水素原子を表わすときには、その酸の塩、またはそれらの溶媒和物である前項1記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤、
8.アルドース還元酵素阻害化合物が、式(II)[式中、各基の定義は、後記と同じ意味を表わす。]で示される化合物、その塩もしくはそれらの溶媒和物、式(III)[式中、各基の定義は、後記と同じ意味を表わす。]で示される化合物、その塩もしくはそれらの溶媒和物、または式(IV)[式中、各基の定義は、後記と同じ意味を表わす。]で示される化合物、その塩もしくはそれらの溶媒和物である前項1記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤、
9.アルドース還元酵素阻害化合物が、5−[(1Z,2E)−2−メチルフェニルプロペニリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−3−チアゾリジン酢酸である前項7に記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤、
10.アルドース還元酵素阻害化合物が、
(R)−2−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−4,3’−ピロリジン]−1,2’,3,5’−テトラオン、
(2S,4S)−6−フルオロ−2’,5’−ジオキソスピロ[3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−4,4’−イミダゾリジン]−2−カルボキサミド、または
2−[3−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−7−クロロ−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−1−イル]酢酸
である前項8に記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤、
11.アルドース還元酵素阻害化合物が、
(1)DL−スピロ(2−フルオロ−9H−フルオレン−9,4’−イミダゾリジン)−2’,5’−ジオン、
(2)2,7−ジフルオロ−4,5−ジメトキシスピロ[9H−フルオレン−9,4’−イミダゾリジン]−2’,5’−ジオン、
(3)N−[3,5−ジメチル−4−(ニトロメチルスルホニル)フェニル]−2−(2−メチルフェニル)アセトアミド、
(4)N−(カルボキシメチル)−7−フルオロ−N−メチル−9−オキソキサンチン−2−スルフォナミド、
(5)3−(4−メトキシ−5−オキソ−3−フェニル−2,5−ジヒドロフラン−2−イル)−プロパン酸エチルエステル、
(6)2−フォルムアミド−3−[5’−(2−フォルムアミド−1−ヒドロキシエチル)−2,2’−ジヒドロオキシビフェニル−5−イル]−3−ヒドロキシプロピオン酸、
(7)2−[3−メチル−5−(4,5,7−トリフルオロベンゾチアゾール−2−イルメチル)−フェニル]酢酸、
(8)2−[5−フルオロ−2−[N−(3−ニトロベンジル)チオカルバモイル]フェノキシ]酢酸、
(9)8’−クロロ−2’,3’−ジヒドロスピロ−[ピロリジン−(3,6’)(5’H)−ピロロ−[1,2,3−de][1,4]ベンゾキサジン]−2,5,5’−トリオン、
(10)2−[1−(3,4−ジクロロベンジル)−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−3−イル]酢酸、
(11)2−[4−(4,5,7−トリフルオロベンゾ−チアゾール−2−イル)メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−2−イル]酢酸、
(12)1−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルスルフォニル)ヒダントイン、
(13)1−(3−ブロモベンゾ[b]フラン−2−イルスルフォニル)ヒダンチオン、
(14)3−(カルボキシメチル)−1−(3−ニトロベンジル)パラバン酸、
(15)1’,3’−ビス(アセトキシメチル)スピロ[フルオレン−9,4’−イミダゾリジン]−2’,5’−ジオン、
(16)2,8−ジイソプロピル−3−チオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−4−酢酸、
(17)N−[5−(トリフルオロメチル)−6−メトキシ−1−ナフタレニル]チオキソメチル]−N−メチルグリシン)、
(18)(2,6−ジメチルフェニルスルフォニル)ニトロメタン、
(19)N−[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)フェニル]−1−フェニル−シクロプロパン−1−カルボキサミド、
(20)2−[3−オキソ−4−(4,5,7−トリフルオロベンゾチアゾール−2−イルメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−2−イル]酢酸、
(21)2−[3,7−ジメチルオクタ−2(E),6−ジエニル]−2,3−エポキシ−5,7−ジヒドロキシ−6−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,4−ジオン、
(22)6−フルオロ−2−メチル−スピロ[クロマン−4,4’−イミダゾリジン]2’,5’−ジオン、
(23)(S)6−フルオロスピロ(クロマン−4,4’−イミダゾリジン)−2’,5’−ジオン、
(24)3,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−[[5−((トリフルオロメチル)−2−ベンゾチアゾリル]メチル]−1−フタラジン酢酸、
(25)5−(3−エトキシ−4−ペンチロキシフェニル)−2,4−チアゾリジンジオン、
(26)3−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−フタラジン酢酸、
(27)アスコルビル ガモレン酸、
(28)ICI−10552、
(29)ICI−215918、
(30)JTT−811、
(31)リンドルレスタット、
(32)サルフレジンズ、
(33)TJN−732、
(34)TAT、
(35)チアゾシン−A、
(36)アキシラリン、または
(37)ミナルレスタット
である請求の範囲1に記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤、12.前項1記載のアルドース還元酵素阻害化合物と、プロスタグランジン類、プロスタグランジン誘導体製剤、非ステロイド系抗炎症薬、ビタミン剤、筋弛緩薬、抗うつ薬、ポリADP−リボースポリメラーゼ阻害薬、興奮性アミノ酸受容体拮抗薬、ラジカルスカベンジャー、アストロサイト機能改善薬、IL−8受容体拮抗薬、および免疫抑制剤から選択される一種以上の薬剤との組み合わせからなる医薬、
13.アルドース還元酵素阻害化合物の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする脊柱管狭窄症の予防および/または治療方法、
14.脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤の製造のためのアルドース還元酵素阻害化合物の使用に関する。
本発明に用いられるアルドース還元酵素阻害化合物としては、アルドース還元酵素阻害剤作用を有する全ての物質が含まれる。また、現在までに知られているアルドース還元酵素阻害化合物だけでなく今後見出されるアルドース還元酵素阻害化合物をすべて包含する。
アルドース還元酵素阻害化合物としては、エパルレスタット(epalrestat;US4,464,382号明細書)、フィダレスタット(fidarestat、SNK−860;US4,740,517号明細書)、(R)−2−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−4,3’−ピロリジン]−1,2’,3,5’−テトラオン(AS−3201;特開平5−186472号)、ゼナレスタット(zenarestat、FK−366;US4,734,419号および同4,883,800号明細書)、DL−スピロ(2−フルオロ−9H−フルオレン−9,4’−イミダゾリジン)−2’,5’−ジオン(イミレスタット、AL−1567;特開昭60−89469号)、2,7−ジフルオロ−4,5−ジメトキシスピロ[9H−フルオレン9,4’−イミダゾリジン]−2’,5’−ジオン(AL−4114;特開昭60−89469号)、N−[3,5−ジメチル−4−(ニトロメチルスルホニル)フェニル]−2−(2−メチルフェニル)アセトアミド(ZD−5522)、N−(カルボキシメチル)−7−フルオロ−N−メチル−9−オキソキサンチン−2−スルフォナミド(BAL−ARI8;EP307879号明細書)、3−(4−メトキシ−5−オキソ−3−フェニル−2,5−ジヒドロフラン−2−イル)−プロパン酸エチルエステル(FR−62765;EP189272号明細書)、2−フォルムアミド−3−[5’−(2−フォルムアミド−1−ヒドロキシエチル)−2,2’−ジヒドロオキシビフェニル−5−イル]−3−ヒドロキシプロピオン酸(WF−2421(FR−90028);特開平2−72144号)、2−[3−メチル−5−(4,5,7−トリフルオロベンゾチアゾール−2−イルメチル)−フェニル]酢酸(GP−1447;EP714893号明細書)、2−[5−フルオロ−2−[N−(3−ニトロベンジル)チオカルバモイル]フェノキシ]酢酸(IDD−598)、8’−クロロ−2’,3’−ジヒドロスピロ−[ピロリジン−(3,6’)(5’H)−ピロロ−[1.2.3−de][1,4]ベンゾキサジン]−2,5,5’−トリオン(ADN−138)、2−[1−(3,4−ジクロロベンジル)−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−3−イル]酢酸(ADN−311)、2−[4−(4,5,7−トリフルオロベンゾ−チアゾール−2−イル)メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−2−イル]酢酸(SG−210)、1−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルスルフォニル)ヒダントイン(M−16049;EP355827号))、1−(3−ブロモベンゾ[b]フラン−2−イルスルフォニル)ヒダンチオン(M−16209;EP355827号)、3−(カルボキシメチル)−1−(3−ニトロベンジル)パラバン酸(NZ−314;EP353198号)、1’,3’−ビス(アセトキシメチル)スピロ[フルオレン−9,4’−イミダゾリジン]−2’,5’−ジオン(CP−AR−3192;US4,853,401号明細書)、2,8−ジイソプロピル−3−チオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−4−酢酸(AD−5467;EP243018号)、N−[5−(トリフルオロメチル)−6−メトキシ−1−ナフタレニル]チオキソメチル]−N−メチルグリシン(トルレスタット;US4,439,617号明細書)、(2,6−ジメチルフェニルスルフォニル)ニトロメタン(ICI−215918)、N−[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)フェニル]−1−フェニル−シクロプロパン−1−カルボキサミド(DN−108;WO97/32863号)、2−[3−オキソ−4−(4,5,7−トリフルオロベンゾチアゾール−2−イルメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−2−イル]酢酸(SPR−210;EP492667号)、または2−[3,7−ジメチルオクタ−2(E),6−ジエニル]−2,3−エポキシ−5,7−ジヒドロキシ−6−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,4−ジオン(A−74863a;特開平7−10857号)、ICI−10552、ICI−215918、6−フルオロ−2−メチル−スピロ[クロマン−4,4’−イミダゾリジン]2’,5’−ジオン(メトソルビニール(methosorbinil))、JTT−811、リンドルレスタット(lindolrestat、IDD−676;WO99/50268号)、(S)6−フルオロスピロ(クロマン−4,4’−イミダゾリジン)−2’,5’−ジオン(ソルビニール(sorbinil);US4,474,967号明細書)、3,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−[[5−((トリフルオロメチル)−2−ベンゾチアゾリル]メチル]−1−フタラジン酢酸(ゾポルレスタット(zopolrestat);EP222576号)、アスコルビル ガモレン酸(ascorbyl gamolenate、SC−103;CA2143603号)、5−(3−エトキシ−4−ペンチロキシフェニル)−2,4−チアゾリジンジオン(リサレスタット(risarestat)、CT−112;EP33617号)、サルフレジンズ(salfredins)、TJN−732、TAT(EP421365号)、チアゾシン−A(thiazocin−A)、アキシラリン(axillarin)、3−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−フタラジン酢酸(ポナルレスタット(ponalrestat);EP2895号)、またはミナルレスタット(minalrestat、WAY−121509;EP365324号)等が挙げられる。
さらに、US4,464,382号明細書、US4,740,517号明細書、特開平5−186472号、特開平5−345784号、US4,734,419号明細書、US4,883,800号明細書、特開昭60−89469号、EP307879号、EP189272号、特開平2−72144号、EP714893号、WO99/50268号、EP355827号、EP355827号、EP353198号、US4,474,967号明細書、EP222576号、US4,853,401号明細書、CA2143603号、EP33617号、EP243018号、EP421365号、US4,439,617号明細書、EP2895号、EP365324号、WO97/32863号、EP492667号、特開平7−10857号、EP1236720号、EP1236720号、WO92/17446号、特開2002−241347号、EP269355号、特開昭62−67075号、EP252713号、EP305947号、EP322255号、WO98/28265号、EP17379号、またはWO89/09773号等の明細書に記載されたアルドース還元酵素阻害作用を有する化合物等も有用であり、これら化合物の本発明用途への適用も、本発明に含まれる。
さらに、本発明において好ましい化合物は、式(I)

[式中、R1aとR2aは、
1)R1aおよびR2aは、同じでも異なってもよく、それぞれ下記(1)〜(10):
(1)ハロゲン原子、
(2)トリフルオロメチル基、
(3)水酸基、
(4)ニトロ基、
(5)カルボキシル基、
(6)炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、
(7)炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基もしくはアルキルチオ基、
(8)フェニル基、
(9)窒素、酸素、および硫黄原子の少なくとも一つを含む複素環基(この複素環は、(a)ハロゲン原子、(b)トリフルオロメチル基、(c)フェニル基、(d)ニトロ基、(e)水酸基、(f)カルボキシル基、(g)炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、(h)炭素数1〜4のアルキル基、(j)炭素数1〜4のアルコキシ基、および(k)炭素数1〜4のアルキルチオ基から選択される少なくとも一つの基で置換されていてもよい。)、および
(10)水酸基、フェニル基、および前記の(9)に記載の複素環基から選択される少なくとも一つの基で置換された炭素数1〜4のアルキル基;
から選択される少なくとも一つの置換基で置換されていてもよいフェニル基を表わすか、
2)R1aが水素原子を表わし、かつR2aが下記(1)〜(6):
(1)少なくとも一個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数4〜7のシクロアルキル基もしくはシクロアルケニル基、
(2)アントリル基、またはナフチル基、
(3)下記(a)〜(k):
(a)ハロゲン原子、
(b)トリフルオロメチル基、
(c)水酸基、
(d)ニトロ基、
(e)カルボキシル基、
(f)炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、
(g)炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基もしくはアルキルチオ基、
(h)フェニル基、
(j)窒素、酸素、および硫黄原子の少なくとも一つを含む複素環基(この複素環は、(i)ハロゲン原子、(ii)トリフルオロメチル基、(iii)フェニル基、(iv)ニトロ基、(v)水酸基、(vi)カルボキシル基、(vii)炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、(viii)炭素数1〜4のアルキル基、(ix)炭素数1〜4のアルコキシ基、および(x)炭素数1〜4のアルキルチオ基から選択される少なくとも一つの基で置換されていてもよい。)、および
(k)水酸基、フェニル基、および前記の(j)に記載の複素環基から選択される少なくとも一つの基で置換された炭素数1〜4のアルキル基;
から選択される少なくとも一つの置換基で置換されていてもよいフェニル基、
(4)下記(a)〜(k):
(a)ハロゲン原子、
(b)トリフルオロメチル基、
(c)フェニル基、
(d)ニトロ基、
(e)水酸基、
(f)カルボキシル基、
(g)炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、
(h)炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基もしくはアルキルチオ基、
(j)オキソ基、および
(k)水酸基、フェニル基、または前記(3)中の(j)に記載の複素環基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基;
から選択される少なくとも一つの基で置換されていてもよい、窒素、酸素、および硫黄原子から選択される原子を少なくとも一つ含む複素環基、

(基中、R4aは水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)、または

3)R1aとR2aが一緒になってテトラメチレン基、またはペンタメチレン基表わし、
3aは、
(1)水素原子、
(2)炭素数1〜12のアルキル基、
(3)炭素数7〜13のアラルキル基、
(4)少なくとも1つの炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数4〜7のシクロアルキル基もしくはシクロアルケニル基、または、
(5)下記(a)〜(k):
(a)ハロゲン原子、
(b)トリフルオロメチル基、
(c)水酸基、
(d)ニトロ基、
(e)カルボキシル基、
(f)炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、
(g)炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基もしくはアルキルチオ基、
(h)フェニル基、
(j)窒素、酸素、および硫黄原子の少なくとも一つを含む複素環基(この複素環は、(i)ハロゲン原子、(ii)トリフルオロメチル基、(iii)フェニル基、(iv)ニトロ基、(v)水酸基、(vi)カルボキシル基、(vii)炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、(viii)炭素数1〜4のアルキル基、(ix)炭素数1〜4のアルコキシ基、および(x)炭素数1〜4のアルキルチオ基から選択される少なくとも一つの基で置換されていてもよい。)、および
(k)水酸基、フェニル基、または前記(j)に記載の複素環基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基;
から選択される少なくとも一つの基で置換されていてもよいフェニル基を表わす。]で示される化合物、R3aが水素原子を表わすときには、その酸の塩、もしくはそれらの溶媒和物である。
式(I)の定義中、
炭素数1〜4のアルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはそれらの異性体であり、
炭素数1〜4のアルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、またはそれらの異性体であり、
炭素数1〜4のアルキルチオ基とは、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、またはそれらの異性体であり、
炭素数4〜7のシクロアルキル基とは、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル基であり、
炭素数4〜7のシクロアルケニル基とは、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル基であり、
炭素数1〜12のアルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、またはそれらの異性体である。
さらに、式(II)

[式中、R1bは、(1)水素原子、(2)低級アルキル基、(3)非置換もしくは置換アリール(低級)アルキル基、(4)非置換もしくは置換アリール基、または

(式中、R4bおよびR5bは、同一または異なって、それぞれ(a)水素原子、(b)ハロゲン原子、(c)トリフルオロメチル基、(d)低級アルキル基、(e)低級アルコキシ基、(f)アシル基、(g)ニトロ基、(h)アミノ基、(i)低級アルキルアミノ基、または(j)ジ(低級アルキル)アミノ基を意味し、Uは(a)酸素原子、(b)イオウ原子、または(c)−NR6b−(ここに、R6bは水素原子または低級アルキル基を意味する。)で示される基を意味し、Vは低級アルキレン基を意味する。)で示される基を意味し、
2bおよびR3bは、同一または異なって、それぞれ(1)水素原子、(2)ハロゲン原子、(3)低級アルキル基、(4)低級アルコキシ基、(5)アシル基、(6)ニトロ基、(7)アミノ基、(8)低級アルキルアミノ基、(9)ジ(低級アルキル)アミノ基、(10)アリール基、または(11)低級アルキル基、低級アルコキシ基もしくはアシル基で置換されたアリール基を意味する。]で示される化合物、その塩もしくはそれらの溶媒和物、
式(III)

[式中、Tは硫黄原子またはNH基を表わし、
は酸素原子、硫黄原子、またはイミノ基を表わし、
およびWは、
一方が、水素原子、ハロゲノメチル基、1H−テトラゾール−5−イル基、−COOR基(基中、Rは水素原子、アルキル基、−(CHCHO)CH基(nは1〜113の整数である。)、または置換フェニル基を表わす。)、

れぞれ水素原子、アルキル基、−(CHCHO)CH基(nは1〜113の整数)、または置換フェニル基を表わすか、またはR1cとR2cが一緒になって、かつ窒素または酸素原子と共に複素環を形成する。)、−CHOR3c基(基中、R3cは水素原子、またはアルキル基である。)、または

れぞれ水素原子またはアルキル基を表わす。)を表わし、
他方は水素原子またはアルキル基を表わし、
は酸素原子または硫黄原子を表わし、
およびZは、同じでも異なってもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、またはアルキルチオ基を表わす。]で示される化合物、その塩もしくはそれらの溶媒和物、または
式(IV)

[式中、R1dおよびR2dは、同じでも異なってもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、またはハロ(低級)アルキル基を表わし、
3dは、(1)置換されていてもよいアリール基もしくはアル(低級)アルキル基、または(2)複素環(低級)アルキル基を表わし、
4dはカルボキシル基または保護されたカルボキシル基を表わし、
は酸素原子または硫黄原子を表わし、
はカルボニル基、チオカルボニル基、またはスルホニル基を表わし、
は低級アルキレン基を表わす。]で示されるキナゾリン誘導体、その塩もしくはそれらの溶媒和物が挙げられる。
本発明に係る化合物の式中の記号は、特に断わらない限り、当業者にとっ


さらに、本発明において、より好ましい化合物は、式(I)に含まれる5−[(1Z,2E)−2−メチルフェニルプロペニリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−3−チアゾリジン酢酸(一般名:エパルレスタット)、
式(II)に含まれる(R)−2−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−4,3’−ピロリジン]−1,2’,3,5’−テトラオン(AS−3201)、
式(III)に含まれる(2S,4S)−6−フルオロ−2’,5’−ジオキソスピロ[3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−4,4’−イミダゾリジン]−2−カルボキサミド(SNK−860;一般名:フィダレスタット)、または、
式(IV)に含まれる2−[3−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−7−クロロ−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−1−イル]酢酸(FK−366;一般名:ゼナレスタット)である。
本発明に用いられる化合物は、公知の方法で塩に変換される。
本明細書中、塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、酸付加塩等が挙げられる。
塩は毒性のない、水溶性のものが好ましい。適当な塩としては、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩、薬学的に許容される有機アミン(テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩が挙げられる。
酸付加塩は非毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩のような無機酸塩、または酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。
また、本発明に用いられる化合物またはその塩は、公知の方法により溶媒和物に変換することもできる。
溶媒和物は非毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な溶媒和物としては、例えば、水、アルコール系の溶媒(例えば、エタノール等)のような溶媒和物が挙げられる。
本発明においては、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、アルコキシ基、およびアルキルチオ基には直鎖のもの、および分枝鎖のものが含まれる。さらに、二重結合、環、縮合環における異性体(E、Z、シス、トランス体)、不斉炭素の存在等による異性体(R、S体、α体、β体、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d、l体)、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、これらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本発明に含まれる。
[本発明に用いられる化合物の製造方法]
式(I)で示される化合物はUS4,464,382号、式(II)で示される化合物は特開平5−186472号明細書、および特開平5−345784号明細書、式(III)で示される化合物はUS4,740,517号、および式(IV)で示される化合物はUS4,734,419号およびUS4,883,800号にそれぞれ記載されている方法により製造することができる。
さらに、本発明に用いられる化合物は、US4,464,382号、US4,740,517号、特開平5−186472号、特開平5−345784号、US4,734,419号、US4,883,800号、EP218999号、特開昭60−89469号、EP307879号、EP189272号、特開平2−72144号、EP714893号、WO99/50268号、EP355827号、EP355827号、EP353198号、US4,474,967号、EP222576号、US4,853,401号、CA2143603号、EP33617号、EP243018号、EP421365号、US4,439,617号、EP2895号、EP365324号、WO97/32863号、EP492667号、特開平7−10857号、EP1236720号、EP1236720号、WO92/17446号、特開2002−241347号、EP269355号、特開昭62−67075号、EP252713号、EP305947号、EP322255号、WO98/28265号、EP17379号、またはWO89/09773号明細書に記載されている方法により製造することができる。
[本化合物の薬理活性]
本発明に用いられる化合物は、後述するように、脊柱管狭窄症のモデルとして知られている馬尾神経圧迫歩行障害モデルにおいて有効であった。このことから、アルドース還元酵素阻害化合物は、脊柱管狭窄症に有効であり、当該患者の運動能力改善、特に、筋力低下改善、間歇跛行改善または歩行能力低下改善作用を有する。また、当該患者の麻痺、知覚鈍麻、疼痛、またはしびれ症状、特に下肢の麻痺、知覚鈍麻、疼痛、またはしびれ症状の改善に有効であると考えられる。くわえて、脊柱管狭窄症に伴う膀胱障害、または直腸障害の治療に有効であると考えられる。脊柱管狭窄症に伴う膀胱障害とは、脊柱管狭窄症に伴う排尿障害であり、頻尿、排尿遅延、尿勢低下、尿閉、尿失禁が挙げられる。また、脊柱管狭窄症に伴う直腸障害とは、脊柱管狭窄症に伴う排便障害である。
本発明に用いられる化合物による脊柱管狭窄症の治療効果は、脊柱管を取り巻く組織、例えば、椎間板の機能低下もしくは黄色靭帯もしくは後部靭帯等の肥厚に対する改善作用、神経圧迫による炎症もしくは血流低下改善作用、または神経保護作用に基くものと考えられる。
[毒性]
本化合物の毒性は十分に低いものであり、医薬品として使用するために十分安全であることが確認された。例えば、ラットを用いた経口投与では、エパルレスタットのLD50値は、5600mg/kgであった。
[医薬品への適用]
本発明に用いられる化合物、またはそれらの塩は、
1)それらの化合物の予防および/または治療効果の補完および/または増強、
2)それらの化合物の動態・吸収改善、投与量の低減、および/または
3)それらの化合物の副作用の軽減
のために他の薬剤と組み合わせて、併用剤として投与してもよい。
本発明に用いられる化合物と他の薬剤の併用剤は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与、および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、本発明に用いられる化合物を先に投与して他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与して本発明に用いられる化合物を後に投与してよく、それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
上記併用剤により、予防および/または治療効果を奏する疾患は特に限定されず、本発明に用いられる化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する疾患であればよい。
本発明に用いられる化合物の脊柱管狭窄症に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば、プロスタグランジン類、プロスタグランジン誘導体製剤、非ステロイド系抗炎症薬(nonsteroidal anti−inflammatory drug:NSAID)、ビタミン薬、筋弛緩薬、抗うつ薬、ポリADP−リボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬、興奮性アミノ酸受容体拮抗剤(例えば、NMDA受容体拮抗剤、AMPA受容体拮抗剤)、ラジカルスカベンジャー、アストロサイト機能改善剤、IL−8受容体拮抗剤、免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、FK506)が挙げられる。
プロスタグランジン類(以下、PGと略記する。)としては、PG受容体アゴニスト、PG受容体アンタゴニスト等が挙げられる。PG受容体としては、PGE受容体(EP1、EP2、EP3、EP4)、PGD受容体(DP、CRTH2)、PGF受容体(FP)、PGI受容体(IP)、TX受容体(TP)等が挙げられる。また、プロスタグランジン誘導体製剤としては、リマプロスト、リマプロストアルファデクス、ベラプロスト等が挙げられる。
非ステロイド系抗炎症薬としては、例えば、サザピリン、サリチル酸ナトリウム、アスピリン、アスピリン・ダイアルミネート配合、ジフルニサル、インドメタシン、スプロフェン、ウフェナマート、ジメチルイソプロピルアズレン、ブフェキサマク、フェルビナク、ジクロフェナク、トルメチンナトリウム、クリノリル、フェンブフェン、ナプメトン、プログルメタシン、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、マレイン酸プログルメタシン、アンフェナクナトリウム、モフェゾラク、エトドラク、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、ケトプロフェン、フェノプロフェンカルシウム、チアプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム、アルミノプロフェン、ザルトプロフェン、メフェナム酸、メフェナム酸アルミニウム、トルフェナム酸、フロクタフェニン、ケトフェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ピロキシカム、テノキシカム、アンピロキシカム、ナパゲルン軟膏、エピリゾール、塩酸チアラミド、塩酸チノリジン、エモルファゾン、スルピリン、ミグレニン、サリドン、セデスG、アミピロ−N、ソルボン、ピリン系感冒薬、アセトアミノフェン、フェナセチン、メシル酸ジメトチアジン、シメトリド配合剤、非ピリン系感冒薬等が挙げられる。
筋弛緩薬としては、例えば、塩酸トリペリゾン、クロルゾキサゾン、クロルメザノン、メトカルバモール、フェンプロバメート、メシル酸プリジノール、カルバミン酸クロフェネシン、バクロフェン、塩酸エペリゾン、アフロクアロン、塩酸チザニジン、塩化アルクロニウム、塩化スキサメトニウム、塩化ツボクラリン、ダントロレンナトリウム、臭化パンクロニウム、臭化ベクロニウム等が挙げられる。
三環系抗うつ薬としては、塩酸イミプラミン、塩酸デシプラミン、塩酸クロミプラミン、マレイン酸トリミプラミン、塩酸アミトリプチリン、塩酸ノルトリプチリン、塩酸ロフェプラミン、アモキサピン、塩酸ドスレピン等が挙げられる。
四環式抗うつ薬としては、マプロチリン、ミアンセリンなどが挙げられる。
本発明に用いられる化合物と他の薬剤の質量比は特に限定されない。
他の薬剤は、任意の同種のまたは異種の2種以上を組み合わせて投与してもよい。
また、本発明に用いられる化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する他の薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。
本発明に用いられる化合物は、公知の方法で製造される塩も当然含み、薬理学的に許容される塩が好ましいが、本明細書および特許請求の範囲に特記された化合物は、薬理学的に許容し得る程度に低毒性であり、医薬品として使用するために十分安全であることが確認されている。
ここでいう薬理学的に許容される塩とは、親化合物が酸性化合物である場合はアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等であり、親化合物が塩基性化合物である場合は有機、無機の酸付加塩等が挙げられる。
さらに、薬理学的に許容される塩は、水溶性のものが好ましい。好ましい塩としては、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩、薬学的に許容される有機アミンやアミノ酸(例えば、テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩が挙げられる。
本発明に用いられる化合物は、以下の酸付加塩の形で投与しても良い。酸付加塩は、毒性のない水溶性のものが好ましい。適当な酸付加塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩のような無機酸塩、または酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。好ましくは塩酸塩である。
また、本発明に用いられる化合物、またはその塩は、溶媒和物であってもよい。
溶媒和物は非毒性かつ水溶性であるものが好ましい。好ましい溶媒和物としては、例えば水、アルコール系の溶媒(例えば、エタノール等)のような溶媒和物が挙げられる。
また、本発明に用いられる化合物は、公知の方法で製造されるプロドラッグであってもよい。
本発明に用いられる化合物のプロドラッグは、生体内において酵素や胃酸等による反応により本発明に用いられる化合物に変換される化合物をいう。本発明に用いられる化合物のプロドラッグとしては、本発明に用いられる化合物が水酸基を有する場合、その水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、本発明に用いられる化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など);本発明に用いられる化合物がカルボキシ基を有する場合該カルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、本発明に用いられる化合物のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など);等が挙げられる。これらの化合物はそれ自体公知の方法によって製造することができる。また、本発明に用いられる化合物のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。
本発明に用いられる化合物、またはそのエステルは、α−、β−あるいはγ−シクロデキストリン、あるいはこれらの混合物を用いて、GB1351238号明細書またはGB1419221号明細書記載の方法を用いることにより、シクロデキストリン包接化合物に変換することができる。シクロデキストリン包接化合物に変換することにより、安定性が増大し、また水溶性が大きくなるため、薬剤として使用する際好都合である。
本発明に用いられる化合物、または本発明に用いられる化合物と他の薬剤の併用剤を上記の目的で用いるには、通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。
投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人一人あたり、1回につき、0.1ngから100mgの範囲で、1日1回から数回経口投与されるか、または成人一人あたり、1回につき、0.1ngから100mgの範囲で、1日1回から数回非経口投与(好ましくは、静脈内投与)されるか、または1日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与される。
もちろん前記したように、投与量は種々の条件により変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて投与の必要な場合もある。
本発明に用いられる化合物、または本発明に用いられる化合物と他の薬剤の併用剤を投与する際には、経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤、および非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤、点眼剤、吸入剤等として用いられる。
経口投与のための内服用固形剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。また錠剤には、舌下錠、口腔内貼付錠、口腔内速崩壊錠等が含まれる。
このような内服用固形剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質はそのままか、または賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
舌下錠は公知の方法に準じて製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、膨潤剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、膨潤補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
口腔内貼付錠は公知の方法に準じて製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、付着剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カーボポール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、キサンタンガム、グアーガム等)、付着補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
口腔内速崩壊錠は公知の方法に準じて製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質をそのまま、あるいは原末もしくは造粒原末粒子に適当なコーティング剤(エチルセルロース、ヒドキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸メタクリル酸コポリマー等)、可塑剤(ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル等)を用いて被覆を施した活性物質に賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、コロイダルシリカ、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(デンプン、L−ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、分散補助剤(グルコース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルトース、トレハロース、リン酸塩、クエン酸塩、ケイ酸塩、グリシン、グルタミン酸、アルギニン等)、安定剤、溶解補助剤(ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルタミン酸、アスパラギン酸等)、香味料(オレンジ、ストロベリー、ミント、レモン、バニラ等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。また、必要に応じて常用される防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物を加えることもできる。
経口投与のための内服用液剤は、薬剤的に許容される水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含む。このような液剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤(精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
非経口投与のための外用剤の剤形には、例えば、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤、エアゾル剤、点眼剤、および点鼻剤等が含まれる。これらはひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、公知の方法または通常使用されている処方により製造される。
軟膏剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に混和、または溶融させて調製される。軟膏基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸または高級脂肪酸エステル(アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
ゲル剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させて調製される。ゲル基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、低級アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール等)、ゲル化剤(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等)、中和剤(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)、界面活性剤(モノステアリン酸ポリエチレングリコール等)、ガム類、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
クリーム剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融または乳化させて調製される。クリーム基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸エステル、低級アルコール、炭化水素類、多価アルコール(プロピレングリコール、、1,3−ブチレングリコール等)、高級アルコール(2−ヘキシルデカノール、セタノール等)、乳化剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、脂肪酸エステル類等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるものが単独で、または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
湿布剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、練合物とし支持体上に展延塗布して製造される。湿布基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、増粘剤(ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース等)、湿潤剤(尿素、グリセリン、プロピレングリコール等)、充填剤(カオリン、酸化亜鉛、タルク、カルシウム、マグネシウム等)、水、溶解補助剤、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
貼付剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、支持体上に展延塗布して製造される。貼付剤用基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高分子基剤、油脂、高級脂肪酸、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
リニメント剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物を水、アルコール(エタノール、ポリエチレングリコール等)、高級脂肪酸、グリセリン、セッケン、乳化剤、懸濁化剤等から選ばれるもの単独または2種以上に溶解、懸濁または乳化させて調製される。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
噴霧剤、吸入剤、およびスプレー剤は、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の製造方法は、例えば米国特許第2,868,691号および同第3,095,355号明細書に詳しく記載されている。
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
非経口投与のための吸入剤としては、エアロゾル剤、吸入用粉末剤又は吸入用液剤が含まれ、当該吸入用液剤は用時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁させて使用する形態であってもよい。
これらの吸入剤は公知の方法に準じて製造される。
例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化剤(塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(カリボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤(ステアリン酸およびその塩等)、結合剤(デンプン、デキストリン等)、賦形剤(乳糖、セルロース等)、着色剤、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用液剤を投与する際には通常噴霧器(アトマイザー、ネブライザー)が使用され、吸入用粉末剤を投与する際には通常粉末薬剤用吸入投与器が使用される。
非経口投与のためその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される直腸内投与のための坐剤および腟内投与のためのペッサリー等が含まれる。
持続性製剤としては、疾患の部位へ直接、本発明記載の化合物を持続的に供給できればよく、その投与形態としては埋め込み製剤が挙げられる。
本発明の治療剤の持続性製剤の基材で使用する生体内吸収性高分子としては、脂肪酸エステル重合体、またはその共重合体、ポリアクリル酸エステル類、ポリヒドロキシ酪酸類、ポリアルキレンオキサレート類、ポリオルソエステル、ポリカーボネートおよびポリアミノ酸類が挙げられ、これらは1種類、またはそれ以上混合して使用することができる。脂肪酸エステル重合体、またはその共重合体とは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリジオキサノン、ポリフォスファゼンなど、およびこれらの2成分以上からなるグラフト、ブロック、交互、ランダム共重合体が挙げられ、これらは1種類、またはそれ以上混合して使用することができる。その他に、ポリα−シアノアクリル酸エステル、ポリβ−ヒドロキシ酪酸、ポリトリメチレンオキサート、ポリオルソエステル、ポリオルソカーボネート、ポリエチレンカーボネート、ポリγ−ベンジル−L−グルタミン酸およびポリL−アラニンなどがあり、これらの2成分以上、または上述材料との共重合体など、あるいは1種類、またはそれ以上混合も使用することができる。好ましくは、ポリ乳酸、ポリグルコール酸、または乳酸−グリコール酸共重合体である。
ポリ乳酸あるいは乳酸−グリコール酸共重合体で使用される乳酸としては、L−乳酸、またはDL−乳酸が挙げられる。
本発明に使用される前記生体内吸収性高分子重合物の平均分子量は約2,000〜約800,000のものが好ましく、約5,000〜約200,000がより好ましい。例えば、ポリ乳酸において、その重量平均分子量は約5,000〜約100,000ものが好ましく、さらに約6,000〜約50,000が好ましい。ポリ乳酸は、それ自体公知の製造方法に従って合成できる。
乳酸−グリコール酸共重合物においては、その乳酸とグリコール酸との組成比は約100/0〜約0/100(W/W)までのもの、より好ましくは約90/10〜約30/70(W/W)のものを目的に応じて用いることができる。使用する乳酸−グリコール酸共重合物の重量平均分子量は約5,000〜約100,000が好ましく、さらに約10,000〜約80,000が好ましい。乳酸−グリコール酸共重合物は、それ自体公知の製造方法に従って合成できる。
【産業上の利用可能性】
アルドース還元酵素阻害化合物は、頸部脊柱管狭窄症、胸部脊柱管狭窄症、腰部脊柱管狭窄症、または広範脊柱管狭窄症等の脊柱管狭窄症の治療に有効である。具体的には、運動能力改善、特に筋力低下改善、間歇跛行改善、または歩行能力改善作用を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ラット馬尾神経圧迫歩行障害モデルにおける化合物A(5−[(1Z,2E)−2−メチルフェニルプロペニリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−3−チアゾリジン酢酸)投与群による症状改善を表わす。
第2図は、ラット馬尾神経圧迫歩行障害モデルにおける化合物B((R)−2−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−4,3’−ピロリジン]−1,2’,3,5’−テトラオン)、およびC((2S,4S)−6−フルオロ−2’,5’−ジオキソスピロ[3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−4,4’−イミダゾリジン]−2−カルボキサミド)投与による症状改善を表わす。
実施のための最良の形態
以下、実施例および製剤例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:ラット馬尾神経圧迫歩行障害モデルを用いた本発明化合物の改善効果
<モデル作製方法>
ラット馬尾神経圧迫歩行障害モデルは、竹信らの方法(J.Neurosci.Methods,104(2),191−198(2002))により作製した。すなわち、ラットをペントバルビタールナトリウムにより麻酔し、背部を除毛後、腹臥位に固定した。グルコン酸クロルヘキシジン(5%ヒビテン液;住友製薬)による背部の消毒後、腰部を正中に沿って切開し、脊椎を露出させた。第5腰椎棘突起の切除後、ミニドリルにてあけた椎弓上の小穴より、第4腰椎、および第6腰椎脊柱管内に1×4×1.25mm(高さ×長さ×幅)のシリコンラバーを挿入した。感染症の回避を目的として、ベンジルペニシリンカリウム(結晶ペニシリンGカリウム明治;明治製菓)を開創部に滴下、および大腿部に筋注した。開創部の筋肉、および皮膚を手術糸で縫合し、ヨードチンキを縫合部に塗布した。シャム群の動物も上記の方法に従って作製したが、シリコンラバーの挿入は行わなかった。
<歩行能力試験>
歩行能力試験は、トレッドミルを用いて評価した。ラットを走行ベルト上に置き、グリッドに通電(0.04mA〜4mA)させた条件下で3分間以上環境に順応させた後、速度10m/minから歩行を開始させ、その後3分ごとに5m/minずつ速度を上昇させた。歩行を停止し、走行ベルトの手前に装備された電気刺激用グリッドに乗り移ったラットには、電気刺激(0.04mA〜4mA)を加えた。動物が歩行を開始してから、歩行不可能、すなわち刺激(音、接触、電気)を与えて歩行を促しても歩行しなくなるまでの距離を、機器に内蔵された距離計で測定した。手術前に歩行機能試験を1日1回、3日間連続で実施して歩行トレーニングを行なった。術後、アルドース還元酵素阻害剤である5−[(1Z,2E)−2−メチルフェニルプロペニリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−3−チアゾリジン酢酸(第1図中、化合物A;一般名:エパルレスタット)、(R)−2−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−4,3’−ピロリジン]−1,2’,3,5’−テトラオン(第2図中、化合物B;AS−3201)、または(2S,4S)−6−フルオロ−2’,5’−ジオキソスピロ[3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−4,4’−イミダゾリジン]−2−カルボキサミド(第2図中、化合物C;SNK−860;一般名:フィダレスタット)を投与した。また、陰性対照としてカルボキシメチルセルロース、またはトラガントゴムを投与した。結果は陰性対照に対してダネット多重比較(Dunnett’s multiple comparison)にて検定した(*p<0.05)。結果を第1図および第2図に示す。
<実験結果>
馬尾神経圧迫歩行障害モデルは脊柱管狭窄症のモデルとして報告されている。第1図および第2図に示される通り、本発明に用いられる化合物(化合物A、B、またはC)は、馬尾神経圧迫歩行障害ラットの歩行障害を改善した。すなわち、本発明に用いられるアルドース還元酵素阻害作用を有する化合物は脊柱管狭窄症に有効であることが示唆された。
製剤例1:
以下の各成分を常法により混合した後、打錠して一錠中に50mgの活性成分を含有する錠剤100錠を得た。
・エパルレスタット(化合物A) ……5.0g
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤) ……0.2g
・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤) ……0.1g
・微結晶セルロース ……4.7g
製剤例2:
以下の各成分を常法により混合した後、溶液を常法により滅菌し、5mLずつアンプルに充填し、常法により凍結乾燥し、1アンプル中20mgの活性成分を含有するアンプル100本を得た。
・エパルレスタット(化合物A) ……5.0g
・マンニトール ……20g
・蒸留水 ……500mL
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルドース還元酵素阻害化合物を含有してなる脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤。
【請求項2】
脊柱管狭窄症が、頚部脊柱管狭窄症、胸部脊柱管狭窄症、腰部脊柱管狭窄症、または広範脊柱管狭窄症である請求の範囲第1項記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤。
【請求項3】
麻痺、知覚鈍麻、疼痛、またはしびれ症状の改善剤である請求の範囲第1項記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤。
【請求項4】
運動能力改善剤である請求の範囲第1項記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤。
【請求項5】
運動能力改善剤が、筋力低下、間歇跛行、または歩行能力低下の改善剤である請求の範囲第4項記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤。
【請求項6】
排尿障害または排便障害の改善剤である請求の範囲第1項記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤。
【請求項7】
アルドース還元酵素阻害化合物が、式(I)

[式中、R1aとR2aは、
1)R1aおよびR2aは、同じでも異なってもよく、それぞれ下記(1)〜(10):
(1)ハロゲン原子、
(2)トリフルオロメチル基、
(3)水酸基、
(4)ニトロ基、
(5)カルボキシル基、
(6)炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、
(7)炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基もしくはアルキルチオ基、
(8)フェニル基、
(9)窒素、酸素、および硫黄原子の少なくとも一つを含む複素環基(この複素環は、(a)ハロゲン原子、(b)トリフルオロメチル基、(c)フェニル基、(d)ニトロ基、(e)水酸基、(f)カルボキシル基、(g)炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、(h)炭素数1〜4のアルキル基、(i)炭素数1〜4のアルコキシ基、および(k)炭素数1〜4のアルキルチオ基から選択される少なくとも一つの基で置換されていてもよい。)、および
(10)水酸基、フェニル基、および前記の(9)に記載の複素環基から選択される少なくとも一つの基で置換された炭素数1〜4のアルキル基;
から選択される少なくとも一つの置換基で置換されていてもよいフェニル基を表わすか、
2)R1aが水素原子を表わし、かつR2aが下記(1)〜(6):
(1)少なくとも一個の炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数4〜7のシクロアルキル基もしくはシクロアルケニル基、
(2)アントリル基、またはナフチル基、
(3)下記(a)〜(k):
(a)ハロゲン原子、
(b)トリフルオロメチル基、
(c)水酸基、
(d)ニトロ基、
(e)カルボキシル基、
(f)炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、
(g)炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基もしくはアルキルチオ基、
(h)フェニル基、
(j)窒素、酸素、および硫黄原子の少なくとも一つを含む複素環基(この複素環は、(i)ハロゲン原子、(ii)トリフルオロメチル基、(iii)フェニル基、(iv)ニトロ基、(v)水酸基、(vi)カルボキシル基、(vii)炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、(viii)炭素数1〜4のアルキル基、(ix)炭素数1〜4のアルコキシ基、および(x)炭素数1〜4のアルキルチオ基から選択される少なくとも一つの基で置換されていてもよい。)、および
(k)水酸基、フェニル基、および前記の(j)に記載の複素環基から選択される少なくとも一つの基で置換された炭素数1〜4のアルキル基;
から選択される少なくとも一つの置換基で置換されていてもよいフェニル基、
(4)下記(a)〜(k):
(a)ハロゲン原子、
(b)トリフルオロメチル基、
(c)フェニル基、
(d)ニトロ基、
(e)水酸基、
(f)カルボキシル基、
(g)炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、
(h)炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基もしくはアルキルチオ基、
(j)オキソ基、および
(k)水酸基、フェニル基、または前記(3)中の(j)に記載の複素環基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基;
から選択される少なくとも一つの基で置換されていてもよい、窒素、酸素、および硫黄原子から選択される原子を少なくとも一つ含む複素環基、

(基中、R4aは水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)、または

3)R1aとR2aが一緒になってテトラメチレン基またはペンタメチレン基を表わし、
3aは、
(1)水素原子、
(2)炭素数1〜12のアルキル基、
(3)炭素数7〜13のアラルキル基、
(4)少なくとも1つの炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい炭素数4〜7のシクロアルキル基もしくはシクロアルケニル基、または
(5)下記(a)〜(k):
(a)ハロゲン原子、
(b)トリフルオロメチル基、
(c)水酸基、
(d)ニトロ基、
(e)カルボキシル基、
(f)炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、
(g)炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基もしくはアルキルチオ基、
(h)フェニル基、
(j)窒素、酸素、および硫黄原子の少なくとも一つを含む複素環基(この複素環は、(i)ハロゲン原子、(ii)トリフルオロメチル基、(iii)フェニル基、(iv)ニトロ基、(v)水酸基、(vi)カルボキシル基、(vii)炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、(viii)炭素数1〜4のアルキル基、(ix)炭素数1〜4のアルコキシ基、および(x)炭素数1〜4のアルキルチオ基から選択される少なくとも一つの基で置換されていてもよい。)、および
(k)水酸基、フェニル基、または前記(j)に記載の複素環基で置換されている炭素数1〜4のアルキル基;
から選択される少なくとも一つの基で置換されていてもよいフェニル基を表わす。]で示される化合物、R3aが水素原子を表わすときには、その酸の塩、またはそれらの溶媒和物である請求の範囲第1項記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤。
【請求項8】
アルドース還元酵素阻害化合物が、式(II)

[式中、R1bは、(1)水素原子、(2)低級アルキル基、(3)非置換もしくは置換アリール(低級)アルキル基、(4)非置換もしくは置換アリール基、または

(式中、R4bおよびR5bは、同一または異なって、それぞれ(a)水素原子、(b)ハロゲン原子、(c)トリフルオロメチル基、(d)低級アルキル基、(e)低級アルコキシ基、(f)アシル基、(g)ニトロ基、(h)アミノ基、(i)低級アルキルアミノ基、または(j)ジ(低級アルキル)アミノ基を意味し、Uは(a)酸素原子、(b)イオウ原子、または(c)−NR6b−(ここに、R6bは水素原子または低級アルキル基を意味する。)で示される基を意味し、Vは低級アルキレン基を意味する。)で示される基を意味し、
2bおよびR3bは、同一または異なって、それぞれ(1)水素原子、(2)ハロゲン原子、(3)低級アルキル基、(4)低級アルコキシ基、(5)アシル基、(6)ニトロ基、(7)アミノ基、(8)低級アルキルアミノ基、(9)ジ(低級アルキル)アミノ基、(10)アリール基、または(11)低級アルキル基、低級アルコキシ基もしくはアシル基で置換されたアリール基を意味する。]で示される化合物、その塩もしくはそれらの溶媒和物、
式(III)

[式中、Tは硫黄原子またはNH基を表わし、
は酸素原子、硫黄原子、またはイミノ基を表わし、
およびWは、
一方が、水素原子、ハロゲノメチル基、1H−テトラゾール−5−イル基、−COOR基(基中、Rは水素原子、アルキル基、−(CHCHO)CH基(nは1〜113の整数である。)、または置換フェニル基を表わす。)、

れぞれ水素原子、アルキル基、−(CHCHO)CH基(nは1〜113の整数)、または置換フェニル基を表わすか、またはR1cとR2cが一緒になって、かつ窒素または酸素原子と共に複素環を形成する。)、−CHOR3c基(基中、R3cは水素原子、またはアルキル基である。)、または

れぞれ水素原子またはアルキル基を表わす。)を表わし、
他方は水素原子またはアルキル基を表わし、
は酸素原子または硫黄原子を表わし、
およびZは、同じでも異なってもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、またはアルキルチオ基を表わす。]で示される化合物、その塩もしくはそれらの溶媒和物、または
式(IV)

[式中、R1dおよびR2dは、同じでも異なってもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、またはハロ(低級)アルキル基を表わし、
3dは、(1)置換されていてもよいアリール基もしくはアル(低級)アルキル基、または(2)複素環(低級)アルキル基を表わし、
4dはカルボキシル基または保護されたカルボキシル基を表わし、
は酸素原子または硫黄原子を表わし、
はカルボニル基、チオカルボニル基、またはスルホニル基を表わし、
は低級アルキレン基を表わす。]で示される化合物、その塩もしくはそれらの溶媒和物である請求の範囲第1項記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤。
【請求項9】
アルドース還元酵素阻害化合物が、5−[(1Z,2E)−2−メチルフェニルプロペニリデン]−4−オキソ−2−チオキソ−3−チアゾリジン酢酸である請求の範囲第7項記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤。
【請求項10】
アルドース還元酵素阻害化合物が、
(R)−2−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)スピロ[1,2,3,4−テトラヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−4,3’−ピロリジン]−1,2’,3,5’−テトラオン、
(2S,4S)−6−フルオロ−2’,5’−ジオキソスピロ[3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−4,4’−イミダゾリジン]−2−カルボキサミド、または
2−[3−(4−ブロモ−2−フルオロベンジル)−7−クロロ−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−1−イル]酢酸
である請求の範囲第8項記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤。
【請求項11】
アルドース還元酵素阻害化合物が、
(1)DL−スピロ(2−フルオロ−9H−フルオレン−9,4’−イミダゾリジン)−2’,5’−ジオン、
(2)2,7−ジフルオロ−4,5−ジメトキシスピロ[9H−フルオレン−9,4’−イミダゾリジン]−2’,5’−ジオン、
(3)N−[3,5−ジメチル−4−(ニトロメチルスルホニル)フェニル]−2−(2−メチルフェニル)アセトアミド、
(4)N−(カルボキシメチル)−7−フルオロ−N−メチル−9−オキソキサンチン−2−スルフォナミド、
(5)3−(4−メトキシ−5−オキソ−3−フェニル−2,5−ジヒドロフラン−2−イル)−プロパン酸エチルエステル、
(6)2−フォルムアミド−3−[5’−(2−フォルムアミド−1−ヒドロキシエチル)−2,2’−ジヒドロオキシビフェニル−5−イル]−3−ヒドロキシプロピオン酸、
(7)2−[3−メチル−5−(4,5,7−トリフルオロベンゾチアゾール−2−イルメチル)−フェニル]酢酸、
(8)2−[5−フルオロ−2−[N−(3−ニトロベンジル)チオカルバモイル]フェノキシ]酢酸、
(9)8’−クロロ−2’,3’−ジヒドロスピロ−[ピロリジン−(3,6’)(5’H)−ピロロ−[1.2.3−de][1,4]ベンゾキサジン]−2,5,5’−トリオン、
(10)2−[1−(3,4−ジクロロベンジル)−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−3−イル]酢酸、
(11)2−[4−(4,5,7−トリフルオロベンゾ−チアゾール−2−イル)メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−2−イル]酢酸、
(12)1−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルスルフォニル)ヒダントイン、
(13)1−(3−ブロモベンゾ[b]フラン−2−イルスルフォニル)ヒダンチオン、
(14)3−(カルボキシメチル)−1−(3−ニトロベンジル)パラバン酸、
(15)1’,3’−ビス(アセトキシメチル)スピロ[フルオレン−9,4’−イミダゾリジン]−2’,5’−ジオン、
(16)2,8−ジイソプロピル−3−チオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン−4−酢酸、
(17)N−[5−(トリフルオロメチル)−6−メトキシ−1−ナフタレニル]チオキソメチル]−N−メチルグリシン)、
(18)(2,6−ジメチルフェニルスルフォニル)ニトロメタン、
(19)N−[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)フェニル]−1−フェニル−シクロプロパン−1−カルボキサミド、
(20)2−[3−オキソ−4−(4,5,7−トリフルオロベンゾチアゾール−2−イルメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−2−イル]酢酸、
(21)2−[3,7−ジメチルオクタ−2(E),6−ジエニル]−2,3−エポキシ−5,7−ジヒドロキシ−6−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,4−ジオン、
(22)6−フルオロ−2−メチル−スピロ[クロマン−4,4’−イミダゾリジン]2’,5’−ジオン、
(23)(S)6−フルオロスピロ(クロマン−4,4’−イミダゾリジン)−2’,5’−ジオン、
(24)3,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−[[5−((トリフルオロメチル)−2−ベンゾチアゾリル]メチル]−1−フタラジン酢酸、
(25)5−(3−エトキシ−4−ペンチロキシフェニル)−2,4−チアゾリジンジオン、
(26)3−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−フタラジン酢酸、
(27)アスコルビル ガモレン酸、
(28)ICI−10552、
(29)ICI−215918、
(30)JTT−811、
(31)リンドルレスタット、
(32)サルフレジンズ、
(33)TJN−732、
(34)TAT、
(35)チアゾシン−A、
(36)アキシラリン、または
(37)ミナルレスタットである請求の範囲第1記載の脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤。
【請求項12】
請求の範囲第1項記載のアルドース還元酵素阻害化合物と、プロスタグランジン類、プロスタグランジン誘導体製剤、非ステロイド系抗炎症薬、ビタミン剤、筋弛緩薬、抗うつ薬、ポリADP−リボースポリメラーゼ阻害薬、興奮性アミノ酸受容体拮抗薬、ラジカルスカベンジャー、アストロサイト機能改善薬、IL−8受容体拮抗薬、および免疫抑制剤から選択される一種以上の薬剤との組み合わせからなる医薬。
【請求項13】
アルドース還元酵素阻害化合物の有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする脊柱管狭窄症の予防および/または治療方法。
【請求項14】
脊柱管狭窄症の予防および/または治療剤の製造のためのアルドース還元酵素阻害化合物の使用。

【国際公開番号】WO2004/043491
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【発行日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−551231(P2004−551231)
【国際出願番号】PCT/JP2003/014454
【国際出願日】平成15年11月13日(2003.11.13)
【出願人】(000185983)小野薬品工業株式会社 (180)
【Fターム(参考)】