脊椎分節の屈曲および伸展を制限する方法およびデバイス
合わせて結合されるテザーおよびコンプライアンス部材を含む、調節可能である拘束デバイスを提供することによって、脊椎分節の移動を制限する方法およびデバイス。テザーは、コンプライアンス部材とテザーとの構成が、脊椎分節の屈曲に抵抗する力、および伸展に抵抗する力を提供するように、上棘突起および下棘突起または仙骨に結合される。一部の実施形態においては、コンプライアンス部材とテザーとの構成は、伸展に抵抗する力のみを提供し得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野。本発明は、概して、医療の方法およびデバイスに関する。より具体的には、本発明は、脊椎分節の屈曲および/または伸展を制限するために使用される方法およびデバイスに関する。これは、背部痛、脊椎異常、または脊椎および/または脊柱の他の症状を有する患者の治療を含むが、それに限定されない。
【背景技術】
【0002】
脊椎の安定性は、靭帯等の付着した軟組織の開存性、脊椎負荷、および姿勢、ならびに作業条件に大きく左右される。具体的には、靭帯および椎間板は、各脊椎分節を安定させ、整列した状態を維持する上において重要な役割を担う。靭帯、椎間板、または他の組織構造の変性は、通常範囲の負荷を超えるだけで脊椎分節の安定性を維持することができない可能性がある。腰椎の不安定性は、急性、または再発、または慢性の下背部痛の原因および結果の両方になることが示唆されている。一般人口の80%が、一生の間に背痛または腰痛を罹患すると推測される(Frymoyer et al.,「An Overview of the Incidence and Costs of Low Back Pain」 Orthrop.Clin.North Am.(1991)22:263〜271)。
【0003】
慢性背下部痛の主な原因は、椎間板内破裂とも称される椎間板起因の疼痛である。椎間板起因の疼痛を罹患する患者は、若年であるか、さもなければ、背部に局限した疼痛を呈する健康な個人である傾向がある。椎間板起因の疼痛は、通常、脊椎のL4−L5またはL5−S1の接合部に位置する椎間板において生じる。疼痛は、患者が腰椎を屈曲させた時に(すなわち、座位または前屈によって)悪化し、腰椎を伸展させたときに(すなわち、立位または後屈によって)緩和する傾向がある。屈曲および伸展は、腰部の機械的な荷重パターンを変更することが知られている。腰部が伸展状態にあるときに、腰部によって負担される軸荷重は、椎間板および面関節によって共有される(荷重の約30%は、面関節によって負担される)。屈曲状態においては、分節荷重は、椎間板によってほぼ完全に負担される。さらに、核は、後方に移動し、(神経支配される)弁輪の後方部分の荷重を変化させ、おそらく、その線維が張力およびせん断力にさらされるであろう。次いで、分節屈曲は、椎間板によって負担される両方の荷重を増大させ、それらは、より疼痛を伴う態様で負担させられる。椎間板起因の疼痛は、身体障害になる可能性がかなりあり、一部の患者においては、労働および生活を満喫する能力に劇的に影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
慢性背痛と診断された患者への現在の治療代替は、かなり限定されている。多くの患者は、理学療法、マッサージ、抗炎性薬および鎮痛剤の投薬、筋肉弛緩剤および硬膜外ステロイド注射等のその後の治療コースを受けるが、一般的には、有意な程度の疼痛に悩まされ続ける。他の患者は、通常、隣接椎骨の癒着と共に椎間板切除(椎間板の除去)を必要とする脊椎固定術を受けることを選択する。癒着はまた、例えば、茎ネジおよび固定ロッドを含む、罹患した脊椎分節の計装を含み得るか、または含み得ない。癒着は、それが不可逆的であり、費用がかかり、高い罹患率を伴い、不確かな有効性を有するので、椎間板起因の疼痛に安易に推奨されていない。しかしながら、その短所にも関わらず、椎間板起因の疼痛に対する脊椎固定術は、実行可能な代替案がないので、依然として一般的である。
【0005】
実践において一般的に使用されていないが、米国食品医薬品局(FDA)によって使用が認可されている方法は、棘突起または他の椎骨要素を包囲し、それによって、運動に対する拘束を形成する骨セルクラージュデバイスの適用である。医師は、一般的には、生体構造上に一定の高い力を印加し、1つの位置に分節を固定し、効果的に運動を不可能にさせる、張力または伸長をデバイスに印加する。これらのデバイスは、備え付け用途のために設計され、可動域にわたる屈曲への動態的弾性抵抗を可能にするために設計されるものではない。上述の骨セルクラージュデバイスおよび他の技術の目的は、対象の椎骨分節の測定可能な移動をほぼ完全に制限することである。所与の分節におけるこの移動の損失は、隣接する分節において異常な負荷および移動を引き起こし、それは、最終的に、隣接分節の病的状態および他の問題につながる可能性がある。
【0006】
セルクレージュデバイスに付随する問題のいくつかを回避する代替的解決策は、テザー構造等の脊椎分節に結合される弾性構造の使用に関する。弾性構造は、しばしば、実質的に制限されていない脊髄の伸展を可能にしながら、屈曲に対する受動的な抵抗を増大することによって、疼痛を緩和することができる。
【0007】
そのような脊椎インプラントを本明細書の図2に示し、それは、米国特許第2005/02161017号において、より詳細に開示される。インプラントは、実質的に制限されない脊椎の伸展を可能にしながら、脊椎の屈曲を阻止するように設計されている。インプラントは、一対以上の隣接する棘突起に配置され、屈曲中に生じる棘突起の広がりに対する弾性拘束を提供する。
【0008】
図2において示されるように、第2005/02161017号に説明されるインプラント10は、一般的には、一対のコンプライアンス部材16によって接合される上部ストラップ構成要素12と下部ストラップ構成要素14とを備える。上部ストラップ12は、L4の棘突起SP4の上部に配置して示され、下部ストラップ14は、L5の棘突起SP5の底部上に延在して示されている。コンプライアンス部材16は、一般的には、棘突起SP4およびSP5が屈曲中に離れる方向に移動すると、ケーブルが、「弾性的」または「追従的」に引き裂かれ得るような態様で、非弾性ケーブル76aおよび76bに取付けられる、エラストマー部材72aおよび72b(2005/02161017号において、図7)等の内部要素を含む。具体的には、コンプライアンスまたは弾性は、それらの各端部におけるストッパ要素78a、78b、80a、および80bとの間で、エラストマー部材72aおよび72bを圧縮するケーブルによって提供される。このようにして、インプラントは、屈曲に抵抗する力を提供する、棘突起上の弾性張力を提供する。この力は、突起がさらに離れる方向に移動すると増大し、ゴムまたはエラストマーブロックは、さらに圧縮される。通常、ストラップまたはケーブル自体は、弾性またはコンプライアンスの度合が、コンプライアンス部材16内のエラストマー部材の性質のみによって制御され、提供され得るように、実質的に非追従的である。
【0009】
これらのデバイスが有望であるが、背痛および下肢痛の組み合わせを有する患者等の一部の患者にとって、屈曲に対する抵抗を提供するだけでなく、伸展に対する抵抗も提供するデバイスが有効である。したがって、本明細書に説明する方法およびデバイスはまた、他の脊椎疾患または分節の伸展に関連する治療に有用でなければならず、脊椎分節の伸展の予防または制御が望ましい。
【0010】
他のインプラントは、脊椎分節の伸展に対するいくつかの抵抗を提供する。例えば、1つの市販されているデバイスは、伸展に抵抗するためにスペーサを使用する。デバイスを埋め込むために、棘上靭帯は、一時的に持ち上げられ、位置を換えられる。次いで、対象の2つの隣接椎骨の間の棘間靭帯が永久的に除去され、スペーサは、棘間の隙間に挿入される。次いで、テザーが、隣接する棘間靭帯を通って2つの隣接椎骨突起の周辺に巻き付けられ、次いで、スペーサによって、またはスペーサに締結された別個の構成要素によって、機械的に適所に固着される。次いで、棘状靭帯は、その本来の位置に再度戻される。そのようなインプラントおよび付随する外科的方法は、不都合が存在しないわけではない。これらのインプラントは、棘突起を日々の活動中の頻繁な高負荷にさらし、しばしば、棘突起の破損または消耗を引き起こし得る。さらに、スペーサは、患者を、矢状面バランスの欠如に付随する、長期の臨床問題に潜在的につながる分節脊柱後弯症に至らせ得る。テザーを固着するプロセスは、しばしば、外科医が実施するには非常に複雑な手順であり、外科手術をより侵襲性にさせる。また、前述のように、棘間靭帯の除去は、永久的である。そのため、デバイスの適用は可逆的ではない。加えて、原位置におけるこれらのインプラントの寸法の調節は、しばしば、不可能である。したがって、依然として、脊椎分節の屈曲だけでなく伸展に対する抵抗を提供するが、埋め込むために侵襲性が少なく、より容易であるデバイスを提供する必要性が存在する。
【0011】
特に、かつ単に症候性伸展を制限することによって腰部脊椎管狭窄症を治療する市販のデバイスのいくつかの例は、SuperionTMInterspinous Spacer(VertiFlex(登録商標)、AperiusTMおよびX−Stop(登録商標)(Medtronic(登録商標))、ならびにBacJacTM(Pioneer Surgical(登録商標))を含んでいる。伸展のみの制限に加えて、CoflexTMデバイス(Paradigm Spine(登録商標))は、時々、屈曲および伸展の両方を制限するために棘突起を通ってピン止めされる。これらのデバイスのそれぞれは、少なくとも以下の欠点のうちの1つ以上を有する。埋込は、外傷性および侵襲性である可能性がある。例えば、棘突起を含む周囲の生体構造は、設置中に損傷するか、または経時的に腐食する可能性がある。伸展制限の程度を調節することはまた、困難であるか、または不可能である可能性がある。さらに、これらのデバイスの大半は、棘突起に伝達された荷重の影響を増大させる可能性があり、組織損傷および/またはデバイスの沈降に潜在的に至る硬い伸展停止具のみを提供する。したがって、依然として、現在のインプラントの過去の欠点を克服し、さらに、伸展、または屈曲と伸展の両方の動的制御を可能にするデバイスに対する必要性が存在する。
【0012】
ごく最近では、侵襲性の少ない脊椎インプラントが導入されている。これらの脊椎インプラントは、一対以上の棘突起に配置され、屈曲中に生じる棘突起の広がりに対する弾性拘束を提供する。埋込は、棘間靭帯の永久的除去を必要とせず、したがって、デバイスは、より容易に外植され得る。インプラントは、一般的には、テザー構造およびテザーのための固着機構を含む。テザーは、ポリエステル(PET)またはポリエチレン(例えば、超高分子量のポリエチレン、UHMWPE)織物等の可撓性ポリマー布地、マルチストランドケーブル、または他の可撓性構造から作製され得る。テザーは、隣接する椎骨の突起の周辺に巻きつけられ、次いで、固着機構によって固着される。固着機構は、テザーおよびストラップの指標付けに関与し得、例えば、テザーおよび固着機構は、その2つを連結する、歯、フック、ループ等の不連続界面を含む。多くの公知の埋込は、止めネジの先端、または締結具のネジ山部分を用いてテザーを圧着する。他の公知の方法は、他の構成要素を共に引き出し、圧着力を生成するために、ネジまたはボルトを使用する。他の係止方法は、摩擦嵌合の使用を含む。これらのデバイスは有望であるが、それらは、依然として、ある病変を有する患者には、改善されたデバイスに対する必要性が存在する。
【0013】
少なくともこれらの理由のため、脊椎分節の屈曲および伸展に対する抵抗等の移動制御を脊椎分節に提供する方法およびデバイスを提供することが望ましい。方法およびデバイスは、解剖学的に適合性、安全、有効、最小侵襲性、および容易に埋込み可能でなければならない。したがって、下記の開示は、脊椎分節の伸展および屈曲に抵抗する力を提供する方法およびデバイスに関する。
【0014】
2.先行技術の記載。対象の特許および発行された明細書には、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、米国特許第5,092,866号、同第5,116,340号、同第5,180,393号、同第5,282,863号、同第5,395,374号、同第5,415,658号、同第5,415,661号、同第5,449,361号、同第5,456,722号、同第5,462,542号、同第5,496,318号、同第5,540,698号、同第5,562,737号、同第5,609,634号、同第5,628,756号、同第5,645,599号、同第5,725,582号、同第5,902,305号、同第Re36,221号、同第5,928,232号、同第5,935,133号、同第5,964,769号、同第5,989,256号、同第6,053,921号、同第6,248,106号、同第6,312,431号、同第6,364,883号、同第6,378,289号、同第6,391,030号、同第6,468,309号、同第6,436,099号、同第6,451,019号、同第6,582,433号、同第6,605,091号、同第6,626,944号、同第6,629,975号、同第6,652,527号、同第6,652,585号、同第6,656,185号、同第6,669,729号、同第6,682,533号、同第6,689,140号、同第6,712,819号、同第6,689,168号、同第6,695,852号、同第6,716,245号、同第6,761,720号、同第6,835,205号、同第7,029,475号、同第7,163,558号、発行された米国特許出願公開第2002/0151978号、同第2004/0024458号、同第2004/0106995号、同第2004/0116927号、同第2004/0117017号、同第2004/0127989号、同第2004/0172132号、同第2004/0243239号、同第2005/0033435号、同第2005/0049708号、同第2005/0192581号、同第2005/0216017号、同第2006/0069447号、同第2006/0136060号、同第2006/0240533号、同第2007/0213829号、同第2007/0233096号、同第2007/0239159号、同第2008/0009866号、同第2008/0108993号、国際公開第01/28442A1号、同第02/03882A2号、同第02/051326A1号、同第02/071960A1号、同第03/045262A1号、同第2004/052246A1号、同第2004/073532A1号、同第2008/051806号、同第2008/051423号、同第2008/051801号、同第2008/051802号、および発行された外国特許第EP0322334A1号および第FR2681525A1が挙げられる。脊椎分節に適用された可撓性拘束の機械的特性は、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、Leahy et al.(2000) Proc.Inst.Mech.Eng.Part H:J.Eng.Med.214,No.5:489〜495、Minns et al.(1997) Spine 22 No.16:1819〜1825、Miyasaka et al.(2000)Spine 25,No.6:732〜737、Shepherd et al.(2000) Spine 25,No.3:319〜323、Shepherd(2001) Medical Eng.Phys.23,No.2:135〜141、ならびにVoydeville et al.(1992) Orthop Traumatol 2:259〜264に説明されている。しかしながら、これらの参照文献のそれぞれは、前述の欠点のうちの1つ以上を有する。
【0015】
加えて、以下の明細書:2004年3月9日に出願された先行米国特許仮出願第60/551,235号の利益を請求する2005年3月9日に出願された米国特許第11/076,469号(代理人整理番号第026398−000210US)、2007年7月13日に出願された米国特許第11/777,366号(代理人整理番号第026398−000110US)、2007年7月13日に出願された米国特許第11/827,980(代理人整理番号第026398−000120US)、2007年10月18日に出願された国際出願第PCT/US2007/081815号(代理人整理番号第026398−000130PC)、2007年10月18日に出願された同第PCT/US2007/081822号(代理人整理番号第026398−000140PC)、2007年10月19日に出願された米国特許第11/975,674号(代理人整理番号第026398−000150US)、2008年6月6日に出願された米国仮特許出願第61/059,530号(代理人整理番号第026398−000600US)、2008年4月18日に出願された米国特許第12/106,103号(代理人整理番号第026398−000410US)、ならびに2008年4月18日に出願された米国特許第12/106,049号(代理人整理番号第026398−00015IUS)が対象であり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第3,648,691号明細書
【特許文献2】米国特許第4,643,178号明細書
【特許文献3】米国特許第4,743,260号明細書
【特許文献4】米国特許第4,966,600号明細書
【特許文献5】米国特許第5,011,494号明細書
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Papp et al.(1997) Spine 22:151〜155
【非特許文献2】Dickman et al.(1997) Spine 22:596〜604
【非特許文献3】Garner et al.(2002) Eur.Spine J.S186〜S191
【非特許文献4】Al Baz et al.(1995) Spine 20,No.11,1241〜1244
【非特許文献5】Heller(1997) Arch.Orthopedic and Trauma Surgery,117,No.1〜2:96〜99
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、医師によって、患者の脊椎分節の伸展および屈曲に抵抗する力を提供することが望まれる、背痛、脊髄異常、または脊椎および/または脊柱の他の病状を治療するために、移動を制御するための方法よびデバイスを提供する。そのような患者の拘束は、棘突起、横突起、層および/または茎の任意の組み合わせを含むが、それらに限定されない、椎骨の生体構造を捕捉し得る。
【0019】
本発明の第1の側面においては、脊椎分節の移動を制限するためのデバイスは、上棘突起および下棘突起に結合される、拘束を備える。拘束は、上棘突起の上面を捕捉するように構成される、第1のストラップと、下棘突起の下面を捕捉するように構成される、第2のストラップとを備える。第3のストラップは、第1のストラップに結合され、上棘突起の下面を捕捉するように構成される。第4のストラップは、第2のストラップに結合され、下棘突起の上面を捕捉するように構成される。第1のコンプライアンス部材の1つの端部は、第1および第3のストラップに接続される。コンプライアンス部材の第2の端部は、第2および第4のストラップに接続される。コンプライアンス部材およびストラップの構成は、脊椎分節の伸展および屈曲に対する抵抗を提供する。
【0020】
棘間空間の内部上のストラップは、棘突起が接近するのを防止する。ストラップは、実質的に伸展不可能である、織布または不織布を含む、任意の材料から構成することができる。好適な材料は、例えば、ポリエステル、PET、UHMWPE、ポリエチレンまたはPEEKを含むが、それらに限定されない。それらは、例えば、綱、ハーネス、リード、ブレイズ、編紐、コード、ベルト、織物、ストリップ、タイまたはバンドの形態を取ることができる。ストラップが、1)可撓性を増大させる、2)骨表面に適合させることによって、棘突起への損傷のリスクを最小化する、3)容易に外すことができない、4)種々のコンプライアンス部材に適合し、モジュール弾性または伸展に対する抵抗を可能にする、5)同一の対の棘突起の間に固体棘間要素を定置するために必要とされるものよりも少ない組織の除去および破壊で展開する、6)患者の必要性に対して、伸展制限の調節可能な調節を可能にする、7)コンプライアンス要素と組み合わせて、棘突起上の荷重の最大の影響を最小化するため、これは、棘突起の間に埋込まれた固体ブロック、クッション、またはスペーサの上に利点を提供する。
【0021】
必要に応じて、付加的なコンプライアンス部材を上述のデバイスに追加することができる。この場合では、第2のコンプライアンス部材は、脊椎分節の正中線の向こう側に位置している。第2のコンプライアンス部材は、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する。第2のコンプライアンス部材の1つの端部は、第1および第3のストラップに接続される。第2の端部は、第2および第4のストラップに接続される。第2のコンプライアンス部材は、第1のコンプライアンス部材と同一の形態を成し、同様の抵抗力を提供し得るか、または異なり得る。第2のコンプライアンス部材は、第1のコンプライアンス部材と実質的に平行に位置している。コンプライアンス部材は、バネまたはエラストマー部材を含み得る。ストラップのそれぞれは、綱、ハーネス、リード、ブレイズ、編紐、コード、ベルト、織物、ストリップ、タイ、またはバンドの形態を成し得る。それらは、布地から作成され得る。デバイスは、棘突起の周辺で堅く締めることを可能にし、脊椎分節の伸展および屈曲に対する弾性抵抗を提供するように調節する機構を有する。棘間靭帯の天然生体構造は、デバイスの埋込後に、実質的に無傷のままである。
【0022】
本発明の第2の側面では、脊椎分節の移動を制御するためのデバイスは、第1の端部と、第2の端部とを有する、第1のストラップを備え、第1のストラップは、上棘突起を捕捉する。第2のストラップは、第1および第2の端部を有し、第2のストラップは、下棘突起を捕捉する。第1および第2のストラップは、実質的に伸展不可能である。第1のコンプライアンス部材は、第1のストラップの第1および第2の端部のうちの少なくとも1つに接続される、第1の端部と、第2のストラップの第1および第2の端部のうちの少なくとも1つに接続される、第2の端部(第1の端部の反対側の)とを有する。第1のコンプライアンス部材およびストラップの構成は、脊椎分節の伸展および屈曲に対する抵抗を提供する。
【0023】
付加的なコンプライアンス部材は、上述のデバイスに追加することができる。この場合では、第2のコンプライアンス部材は、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する。第2のコンプライアンス部材は、脊椎分節の正中線を横切って第1のコンプライアンス部材の反対側に位置し得る。第1のストラップは、第1のコンプライアンス部材の第1の端部と結合され、第2のストラップは、第2のコンプライアンス部材の第2の端部と結合される。デバイスは、棘突起の周辺で堅く締めることを可能にするように調節する、機構を有する。棘間靭帯の天然生体構造は、デバイスの埋込後に、実質的に無傷のままである。
【0024】
さらに別の側面では、脊椎分節の移動を制限するための方法は、拘束を埋め込むステップを含む。拘束は、第1の調節可能なストラップと、第2の調節可能なストラップとを有し、各ストラップは、少なくとも1つのコンプライアンス部材に結合される。上棘突起は、第1の調節可能なストラップで捕捉され、下棘突起は、第2の調節可能なストラップで捕捉される。ストラップは、コンプライアンス部材およびストラップが、脊椎分節の伸展および屈曲に対する抵抗力を提供するように、調節可能である。ストラップ上の長さまたは張力の調節は、上部および下部棘突起との間の相対的距離または角度を標的値まで設定することができる。長さおよび張力調節の詳細は、2008年9月3日に出願された米国特許第61/093,922号(代理人整理番号第026398−000900US)で確認することができ、完全な開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0025】
加えて、第1および第2の調節可能なストラップで棘突起を捕捉するステップは、棘間靭帯の除去を必要としない。第1の調節可能なストラップは、上棘突起を捕捉する上および下分節で第1のループを形成する。第2の調節可能なストラップは、下棘突起を捕捉する上および下分節で第2のループを形成する。捕捉するステップは、第1のストラップで上棘突起を包囲するステップと、第2のストラップで下棘突起を包囲するステップとを含む。ストラップを調節するステップは、ストラップの長さまたは張力を調節するステップを含む。
【0026】
本発明のさらに別の側面では、脊椎分節の移動を制限するためのデバイスは、上ループと、下ループとを有する、拘束を備える。上ループは、上棘突起を捕捉し、下ループは、下棘突起を捕捉する。第1のコンプライアンス部材は、互いの反対側に、第1および第2の端部を有する。第1の端部は、上ループに接続され、第2の端部は、下ループに接続される。コンプライアンス部材およびループの構成は、第1の力および第2の力を提供し、両方の力は、脊椎分節の移動に抵抗する。第1の力は、脊椎分節の屈曲に抵抗し、第2の力は、脊椎分節の伸展に抵抗する。そのような抵抗は、棘突起運動が、コンプライアンス部材内で、引張力または圧縮力、またはそれらの組み合わせを生成する時に生じる。
【0027】
付加的なコンプライアンス部材は、上述のデバイスに追加することができる。この場合では、第2のコンプライアンス部材は、上および下ループに結合される。第2のコンプライアンス部材およびループの構成は、第1の力および第2の力を提供する。両方の力は、脊椎分節の移動に抵抗する。第1の力は、屈曲に抵抗し、第2の力は、伸展に抵抗する。第1および第2のコンプライアンス部材は、横方向の安定化を提供するよう、横部材に機械的に結合され得る。第2のコンプライアンス部材は、脊椎分節の正中線の向こう側に位置している。第2のコンプライアンス部材は、第1のコンプライアンス部材と実質的に平行に位置する。コンプライアンス部材は、バネを含み得る。屈曲に抵抗する力は、コンプライアンス部材が伸展される時に生じ得、伸展に抵抗する力は、コンプライアンス部材が圧縮される時に生じ得る。伸展に抵抗する力は、バネまたはコンプライアンス部材が少なくとも部分的に圧縮されるか、または完全に圧縮される時に生じ得る。
【0028】
本発明の別の側面では、脊椎分節の移動を制限するためのデバイスは、上部および下部ストラップを有する、第1のテザーを備える。上部ストラップは、上棘突起の上面の周辺に配置され、下部ストラップは、上棘突起の下面の周辺に配置される。コンプライアンス部材は、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する。第1の端部は、第1のテザーに結合される。第2のテザーは、上部および下部ストラップを有し、上部ストラップは、下棘突起の上面の周辺に配置され、下部ストラップは、下棘突起の下面の周辺に配置される。第2のテザーは、コンプライアンス部材の第2の端部と結合される。コンプライアンス部材およびストラップの構成は、第1の力および第2の力を提供する。両方の力は、脊椎分節の移動に抵抗する。具体的には、第1の力は、脊椎分節の屈曲に抵抗し、第2の力は、脊椎分節の伸展に抵抗する。第1のテザーの上部ストラップの長さまたは張力、および/または第2のテザーの下部ストラップの長さまたは張力を変化させるステップは、屈曲に対する抵抗を調節する。代替的に、または同時に、第1のテザーの下部ストラップの長さまたは張力、および/または第2のテザーの上部ストラップの長さまたは張力を変化させるステップは、伸展に対する抵抗を調節する。
【0029】
本発明の別の側面は、脊椎分節の移動を制限するためのデバイスを含む。デバイスは、上部および下部ストラップを有する、第1のテザーを含む。上部ストラップは、上棘突起の上面の周辺に配置され、下部ストラップは、上棘突起の下面の周辺に配置される。コンプライアンス部材は、第1の端部と、第2の端部とを有し、第2の端部は、第1の端部の反対側にある。コンプライアンス部材の第1の端部は、第1のテザーに結合される。第2のテザーは、仙骨に結合される。第2のテザーは、コンプライアンス部材の第2の端部で結合される。コンプライアンス部材とストラップとテザーとの構成は、第1の力および第2の力を提供する。両方の力は、脊椎分節の移動に抵抗する。第1の力は、脊椎分節の屈曲に抵抗し、第2の力は、脊椎分節の伸展に抵抗する。
【0030】
仙骨に第2のテザーを結合するステップは、多くの方法で達成することができる。仙骨棘突起が存在する場合は、第2のテザーは、上部および下部ストラップを有し得、上部ストラップは、下棘突起の上面の周辺に配置され、下部ストラップは、下棘突起の下面の周辺に配置される。仙骨棘突起が、そのような取付けに不十分である場合は、第2のテザーは、仙骨棘突起を通る孔を通って通過し得る。そのような孔は、第2のテザーのそのような通過を促進するために、原位置で作製され得る。代替的には、第2のテザーは、ネジ、骨固定具、フック、だぼ、ステープル、ピン、縫合糸または同等物等の固定取付の代替的手段を介して、仙骨に取付けられ得る。仙骨に取付けられた時に、第2のテザーは、一般的には、翼状ネジで仙骨の翼状表面に取付けられ得る。仙骨取付に関する、さらなる詳細は、2007年7月13日に出願された米国特許第11/827,980号(代理人整理番号第026398−000120US)において確認することができ、その完全な開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0031】
本発明の別の側面は、脊椎分節の移動を制限するための方法を含む。方法は、互いに結合される、テザーと、コンプライアンス部材とを有する、拘束デバイスを提供するステップを含む。テザーは、コンプライアンス部材およびテザーの構成が、脊椎分節の屈曲および伸展に抵抗する力を提供するように、上棘突起および下棘突起または仙骨に結合される。テザーを結合するステップは、テザーで上棘突起または下棘突起を包囲するステップを含む。テザーを結合するステップはまた、棘間靭帯を穿刺するステップと、穿孔を通ってテザーを通過させるステップを含み得る。テザーは、標的の寸法に固着され得る。
【0032】
付加的に、デバイスは、調節可能であり得、第2のコンプライアンス部材をさらに備え得る。第2のコンプライアンス部材とテザーとの構成は、脊椎分節の屈曲に抵抗する力、および脊椎分節の伸展に抵抗する力を提供する。
【0033】
本発明の別の側面では、脊椎分節の移動を制限するためのデバイスは、上ループと、下ループとを有する、動的拘束を備える。上ループは、上棘突起を捕捉し、下ループは、下棘突起を捕捉する。コンプライアンス部材は、第1の端部と、第2の端部とを有する。第2の端部は、第1の端部の反対側にある。コンプライアンス部材は、ねじりバネを含み得る。第1の端部は、上ループに接続され、第2の端部は、下ループに接続される。コンプライアンス部材およびループの構成は、脊椎分節の伸展に抵抗する力を提供する。
【0034】
本発明の別の側面は、脊椎分節の伸展を制御するためのデバイスを含む。デバイスは、上棘突起および下棘突起に結合される、拘束を備える。拘束は、上棘突起の下面に結合される、第1のストラップと、下棘突起の上面に結合される、第2のストラップとを含む。各ストラップは、2つの端部を有する。第1のコンプライアンス部材は、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する。第1のコンプライアンス部材の第1の端部は、第1のストラップの第1の端部に接続され、第1のコンプライアンス部材の第2の端部は、第2のストラップの第1の端部に接続される。第2のコンプライアンス部材は、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する。第2のコンプライアンス部材は、脊椎分節の正中線の向こう側に位置している。第2のコンプライアンス部材は、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する。第2のコンプライアンス部材の第1の端部は、第1のストラップの第2の端部に接続され、第2のコンプライアンス部材の第2の端部は、第2のストラップの第2の端部に接続される。コンプライアンス部材およびストラップの構成は、脊椎分節の伸展に抵抗する力を提供する。実質的に伸展不可能なストラップの長さを変化させるステップは、伸展に対する抵抗を調節する。
【0035】
これらおよび他の実施形態を付属の図面に関連する以下の説明においてさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1A】図1Aは、棘突起(SP)、面関節(FJ)、層(L)、横突起(TP)、および仙骨(S)を含む、一般的な脊椎の腰領域を示す概略図である。
【図1B】図1Bは、矢状平面に沿って切り取った、脊椎の腰領域の一部分を示す概略図である。
【図2】図2は、米国特許第2005/0216017A1号において説明される種類の脊椎インプラントの概略図を示す斜視図を例示する。
【図3】図3は、拘束がそこに取付けられた、脊椎分節の後方図を例示する、概略図である。
【図4】図4は、拘束デバイスの代替的実施形態を示す概略図である。
【図5】図5は、拘束デバイスの別の実施形態を示す概略図である。
【図6A】図6Aは、拘束デバイスのさらに別の実施形態を示す概略図である。
【図6B】図6Bは、ねじりバネが棘間靭帯のいずれかの側面上に定置された拘束デバイスの別の実施形態を示す概略図である。
【図6C】図6Cは、ねじりバネが棘突起の間に定置された拘束デバイスの別の実施形態を示す概略図である。
【図7】図7は、拘束デバイスのさらに別の実施形態を示す概略図である。
【図8】図8は、拘束デバイスの別の実施形態を示す概略図である。
【図9】図9は、拘束デバイスのさらに別の実施形態を示す概略図である。
【図10】図10は、棘間靭帯を穿刺するステップを含む棘突起拘束デバイスを展開する例示的方法の概略図である。
【図11】図11は、拘束デバイスのさらに別の実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
方法およびデバイスの以下の例示的実施形態は、脊椎分節の屈曲および伸展を制限するために、棘突起の周辺に拘束を適用することに関連して説明する。これは、例示の目的だけを意図し、当業者は、本明細書に開示する方法およびデバイスが、多くの他の用途において使用され得、したがって、脊椎手術に限定されないことを理解する。特徴および利点は、以下の詳細な説明を読み、全体にわたって同様の番号が同様の部品を指す、付属の図面を参照すれば明らかであろう。
【0038】
図1Aは、棘突起(SP)、面関節(FJ)、層(L)、横突起(TP)、および仙骨(S)を含む、脊椎の腰領域を示す概略図である。図1Bは、矢状平面に沿って切り取った脊椎の腰領域の一部分を示す概略図であり、本開示において言及され得る「中立位置」、「屈曲」、および「伸展」という用語を定義するために有用である。
【0039】
本明細書において使用する場合、「中立位置」は、患者の脊椎がくつろいだ起立位置において静止する位置を指す。「中立位置」は、患者によって異なるであろう。通常、そのような中立位置は、脊椎がわずかに前方への凸形状、およびわずかに後方への凹形状を有する腰椎のわずかな曲率または湾曲によって特徴付けられるであろう。一部の場合においては、本発明の拘束の存在は、中立位置を修正し得、例えば、デバイスは、未治療の脊椎の一部の屈曲または伸展を有する新規の中立位置を画定する初期力を印加し得る。したがって、「中立位置」という用語の使用は、デバイスの存在、または不在との関連において使用されるものである。本明細書において使用する場合、「脊椎分節の中立位置」とは、脊椎が中立位置にある時の脊椎分節の位置を指す。
【0040】
さらに、本明細書において使用される場合、「屈曲」とは、患者が前屈する時の脊椎分節の隣接椎骨間の移動を指す。図1Bを参照すると、患者が脊椎の中立位置から、すなわち、湾曲軸Aに対して右に前屈すると、前方側面の個々の椎骨L間の距離が減少して、椎骨板間Dの前方部分が圧縮される。対照的に、後方側面の個々の棘突起SPは、矢印Bで示す方向に離れる方向に移動する。したがって、屈曲は、患者が図1Bに例示する中立位置から前屈するときの隣接する椎骨間の相対的移動を指す。
【0041】
また、本明細書において使用する場合、「伸展」とは、患者が後屈し、脊椎が図1Bに例示する中立位置から延在するときの個々の椎骨L間の運動を指す。患者が後屈すると、個々の椎骨の後方端部は離れるほうこうに移動する。隣接する椎骨における個々の棘突起SPは、矢印Bで示す方向とは反対の方向に相互により接近するように移動する。
【0042】
図2は、関連する米国特許第2005/02161017A1号に説明される種類の脊椎インプラントを示し、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。図2に例示するように、インプラント10は、一般的には、一対のコンプライアンス部材16によって接合される上部ストラップ構成要素12と、下部ストラップ構成要素14とを有する。上部ストラップ12は、L4の棘突起SP4の上部に配置して示され、一方、下部ストラップ14は、L5の棘突起SP5の底部上に延在して示す。コンプライアンス部材16は、一般的には、棘突起SP4とSP5とが屈曲中に離れるように移動すると、ストラップが「弾力的」または「追従的」に引き裂かれ得るような態様でストラップ12および14に取付けられるバネまたはゴムブロック等の内部要素を含む。このようにして、インプラントは、屈曲に抵抗する力を提供する棘突起上の弾性張力を提供する。力は、突起がさらに離れる方向に移動すると増加する。ストラップ自体は、実質的に伸展不可能であり、その結果、弾性率またはコンプライアンスは、コンプライアンス部材16によってのみ制御され、提供され得る。本明細書に使用される「実質的に伸展不可能」という句は、大幅に、または有意に拡張、伸展、展開、引伸、拡大、または膨張しない、任意の物質または材料を指す。下記に開示する他の実施形態は、脊椎分節の屈曲に対する抵抗を提供するだけでなく、脊椎分節の伸展に対する抵抗も提供する。
【0043】
本明細書において使用される場合、「抵抗」は、連続する、通常、隣接する棘突起の間の移動に抵抗するための拘束力の印加を指し、それにより、棘突起の移動の増加がより高い拘束力をもたらす。本明細書に説明する発明において、抵抗は、屈曲および伸展中、または伸展中のみ、個々の脊椎分節の移動を阻止する。拘束力は、棘突起に、または1つ以上の棘突起および仙骨に直接送達される。抵抗力は、例えば、バネ、弾性要素、および他のそのようなデバイスによって提供することができる。
【0044】
図2は、その間に中間棘突起を有さない、隣接棘突起の周辺に巻かれた単一のテザーを例示するが、当業者は、2つ以上の棘突起を有する脊椎分節が1つ以上のテザー構造を使用して、ともに繋留され得ることを理解するであろう。
【0045】
ここで図3を参照すると、脊椎分節の移動を制御するための本発明に従うデバイス19aを説明する。図3は、本発明の例示的一実施形態を例示する。この拘束インプラントデバイス19aの後方図は、第1のストラップ1および第2のストラップ2と、2つの締結具(上3、下4)と、バネ6とを含む、単一のコンプライアンス部材5cとを含む。任意的なシース22が、コンプライアンス部材5cを被覆し得る。
【0046】
第1のストラップ1は、参照することによって本明細書に組み込まれている関連する先願においてより詳細に説明されるように、一般的には、上棘突起SSPを捕捉するように可撓的に適合される連続バンド、ケーブル、コード、または他の構造である。第2のストラップ2は、一般的には、下棘突起ISPを捕捉するように、第1のストラップ1と同一でなくとも同様に構成される、バンド、ケーブル、または同等物を含む。他の実施形態では、第2のストラップ2は、下棘突起の代わりに、仙骨に結合され得る。結合は、ネジ等の機構を締結することによって、または、第2のストラップ2を仙骨内の孔に通すことによって達成され得る。通常、ストラップは、可撓性であるが、実質的に伸展不可能であり、その結果、引張荷重の下では最小の伸びを可能にする。第3のストラップ17は、第1のストラップ1に結合され(それと連続であり得る)、上棘突起SSPの下を通過する。第4のストラップ18は、第2のストラップ2に結合され(それと連続であり得る)、下棘突起ISPの上を通過する。当業者に理解されるように、ストラップ(本明細書または本発明の任意の他の実施形態において言及される)は、別個のストラップであり得るか、またはストラップは、互いに連続し得る。ストラップ1および2は、脊椎分節が屈曲している時の力に抵抗し、ストラップ17および18は、脊椎分節が伸展している時の力に抵抗する。
【0047】
一般的に、コンプライアンスデバイスのバネ6または他のエラストマー部材は、張力が第1および第2のストラップ1および2によって印加されると、弾性的に伸張させられる。棘突起または棘突起と仙骨とが、拘束された脊椎分節の屈曲中に離れる方向に移動するときに、第1および第2のストラップ1および2も離れる方向に移動し、こうして、バネ6は屈曲に抵抗する。バネ6またはエラストマー部材は、伸展中に力が印加されると短縮される。棘突起または棘突起と仙骨とが、拘束された脊椎分節の伸展中にともに移動するときに、上棘突起の下面に結合された第3のストラップ、および下棘突起の上面に結合された第4のストラップもまた、ともに移動し、こうして、バネ6は伸展に抵抗する。
【0048】
コンプライアンス部材5cは、バネ6または他のバネ状要素の機械的特性によって決定される力によって、拡張に対して弾性的に抵抗する。特に、バネ6は、コンプライアンス部材とストラップとの構成が、種々の患者の屈曲および伸展に対する適切な抵抗を提供するように、バネ定数として知られる引張または弾性の剛性を有するように選択される。そのような抵抗は、棘突起の移動が、コンプライアンス部材において引伸力または圧縮力、またはそれらのいくつかの組み合わせを生成するときに生じる。コンプライアンス部材は、別様に組織に伝達される可能性があるエネルギーを吸収する。
【0049】
コンプライアンス部材5cは、上テザーをコンプライアンス部材に結合する、固定取付構成要素(すなわち、締結具)3を含む。第2の締結具4は、下テザー2をコンプライアンス部材5cに取付ける。締結具の間に位置する、らせん状バネまたは他のバネ状構造6は、単一部品の材料から形成され得るか、またはともに締結された構成要素を含み得る。一般的には、バネ6および両方のテザー締結具3および4は、チタン等の金属から形成され得るが、任意的に、ポリマー、セラミック、強化ガラス、または他の複合材料、または所望の弾性および機械的特性を有し、所望の形状に形成することが可能な他の材料であり得る。
【0050】
代替的には、好適なポリマー材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である。締結具は、テザーがそこを通って供給される開口部を有する、筐体を含み得る。ローラおよび止めネジを有する係止具は、テザーとローラ/筐体との間の摩擦嵌合を形成し、それによって、テザーを適所に係止する。係止機構の他の実施形態は、単に、ネジ留めまたは他の治具に伴う。締結機構についてのさらなる詳細は、米国仮出願第61/059,538号(代理人整理番号第026398−000700US)および同第61/059,543号(代理人整理番号第026398−000800US)に開示されており、その全体の内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。締結具についての付加的な詳細は、下記に開示され、本明細書に開示する締結具のうちのいずれかに適用し得る。
【0051】
コンプライアンス部材5cの外部は、エラストマーシース22等の保護カバーで被覆され得る。シースは、コイル巻とコンプライアンス部材5cの内部との間の隙間の中への組織および本体材料の侵入を防止するために、図3の点線で示すコンプライアンス部材の本体の上に定置され得る。シース22はまた、脊椎分節が屈曲および伸展する時を含む、移動前、移動中、および移動後に、バネが、本質的な軸整列から湾曲するか、屈曲するか、または別様に、分岐することを防止するように、バネに整列支持を提供し得る。
【0052】
所望の値まで、コンプライアンス部材に事前に張力を加えるか、または事前に荷重を加えることが可能である。これを達成する1つの方法は、脊椎が中立位置にあるときに、わずかな張力が拘束構造によって維持されるように、拘束構造の長さを変化させることによるものである。代替的には、事前に負荷されたコンプライアンス要素は、その長さを変化させることなく、拘束構造に事前に負荷を加えるために提供することができる。バネ、エラストマー本体、および同等物等の本発明のコンプライアンス部材に使用された引張または圧縮要素は、一般的には、それらが最初に変形させられる時に、ほとんど、または全く弾性抵抗を示さない。したがって、脊椎分節が治療的抵抗を受ける前に、コンプライアンス部材のある程度の伸びまたは圧縮が存在する。より即座の緩和を提供するために、引張または圧縮部材は、変形を開始するために克服されなければならない初期の静的抵抗力を有するように、事前に負荷され得る。このようにして、拘束された脊椎分節は、患者が椎骨の屈曲または伸展を開始する瞬間には、屈曲または伸展を開始せず、それは、弛緩した脊椎分節を治療する時に有利である。事前負荷は、2008年4月18日に出願された同時係属米国特許第12/106,103号(代理人整理番号第026398−000410US)において、さらに説明されており、その完全な開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる。
【0053】
下記に開示する代替的実施形態では、第2のコンプライアンス部材は、図3に示す構造に追加され得る。第2のコンプライアンス部材は、脊椎分節の正中線を横切って第1のコンプライアンス部材の反対側に位置し得、第2のコンプライアンス部材はまた、第1のコンプライアンス部材とは異なる形状を成し得るが、一般的には、第1のコンプライアンス部材と同一でなくとも、同様に構成される。
【0054】
ストラップの1つまたは両方の端部は、コンプライアンス部材の上の締結具に事前に取付けられ得る。次いで、2つの部分組立品のストラップは、棘間靭帯の中の穿孔を通され、各棘突起を捕捉するように位置付けられ、固定することができる。長さおよび張力を調節する方法を含む、ストラップを配備する、締結する、および係止する種々の方法は、例えば、同時係属出願第11/875,674号(代理人整理番号第026398−000150US)において確認することができる。
【0055】
本発明の代替的実施形態を図4に示す。拘束インプラントデバイス19bは、上ストラップ1および下ストラップ2と、4つの締結具(上部上3a、下部上3b、上部下4a、下部下4b)と、バネ6を含む単一のコンプライアンス部材5dとを含む。この実施形態においては、2つのすべてのストラップのそれぞれの4つのすべての端部の各端部は、コンプライアンス部材の上の異なる位置に取付けられる(すなわち、締結具3a、3b、4a、4b)。
【0056】
上記の実施形態において説明されるストラップは、ピンを使用してコンプライアンス部材に締結され得る。ピンは、一対の受容する孔の中に固定され得、テザーの自由端は、ピンの上に巻きつけられ、接着剤、縫合糸、ステッチ、留め具等でそれ自体にしっかりと取付けられる。通常、固着されたテザー構造は、治療する医師が、各テザー構造の1つの端部が固着されたテザーコネクタに取付けられた、一対のコンプライアンス部材のそれぞれを移植することができるように、製造時に事前に取付けられる。次いで、各ストラップの残りの自由端は、本明細書に開示するパターンのうちのいずれか、または同時係属出願第11/875,674号(代理人整理番号第026398−000150US)において、さらに示され、説明されるパターンで、棘突起の周辺に配備され得(または、仙骨に取付けられる)、その全体の開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0057】
締結具はまた、ストラップを固着するために使用される係止具、留め具、またはたのそのような機構を含み得る。1つのそのような機構は、筐体、ローラ要素、および筐体と係合された係止部材を含む。筐体は、中央チャネルと、入口開口部を画定する第1の側面と、出口開口部を画定する第2の側面とを有する。側面チャネルは、入口開口部と出口開口部との間に延在する。ローラ要素は、開口部を有する側壁を有する。ローラ要素は、テザーの通過を可能にする。ローラ要素は、ストラップを巻きつけ、ローラ要素と、筐体と、ストラップとの間に摩擦嵌合を生成する。係止部材は、筐体からのローラの解放を防止するために筐体で係合される。締結具は、2008年6月6日に出願された米国特許第61/059,530号(代理人整理番号第026398−000600US)および2008年6月6日に出願された米国特許第61/059,538号(代理人整理番号第026398−000700US)に説明する締結具と同一の形態を成すことができ、その完全な開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。当業者は、止めネジ、係止留め金、バネ荷重戻り止め等の多くの他の締結具が使用され得、それらのうちのいずれかは、本明細書に開示する実施形態のいずれかにおいて置換され得ることを理解するであろう。
【0058】
図5は、バネの代わりにエラストマー部材7を含む、コンプライアンス部材5eを図示する、拘束インプラントデバイス19fの代替的実施形態を示す概略図である。全体の構造は、2008年4月18日に出願された同時係属米国特許第12/106,103号(代理人整理番号第026398−000410US)に記載されるように、所望の弾性剛性またはバネ力を提供する機械的特性を有するエラストマー材料から成型または鋳造することができ、その完全な開示は、参照することによって本明細書に事前に組み込まれている。特に好適なエラストマーは、シリコーンゴムであるが、他の熱可塑性プラスチックおよび熱硬化性エラストマーもまた、使用することができる。コンプライアンス部材が、所望の抵抗力を産生する任意の種類の構成要素または材料を含むことができることを理解する。バネ、エラストマー部材、およびゴムバンパは、多くの使用可能な選択肢のうちのほんの数例である。例えば、図6Aに示すように、2つのコンプライアンス部材が配備された場合に、バネまたはエラストマー部材の任意の組み合わせを使用することができる。
【0059】
図6Aは、上ストラップ1および下ストラップ2と、4つの締結具3、4、8、9と、それぞれがバネ6a、6bを含む、2つのコンプライアンス部材5a、5bとを含む、本発明の拘束インプラントデバイス19cの別の代替的実施形態を例示する、概略図である。上ストラップ1は、締結具3および8に結合され、取付けられる。下ストラップ2は、締結具4および9に結合され、取付けられる。この実施形態では、ストラップは、連続した統合ループを形成するように、バネを介して、互いに動作可能に結合される。2つのコンプライアンス部材5a、5bは、脊柱の正中線の向こう側に位置している。第2のコンプライアンス5b部材は、第1のコンプライアンス部材5aに実質的に平行である可能性がある。代替的には、コンプライアンス部材5a、5bは、互いからオフセットしていることができる。これは、平面A〜Dの配向を比較することによって、図9において確認することができる。例えば、コンプライアンス部材5bの下端は、平面CとDとの間に存在する一方、コンプライアンス部材5aの下端は、平面Dの外側に存在する。2つのコンプライアンス部材を使用して張力を調節する方法を含む、ストラップを配備する、締結する、および係止する方法を本明細書において開示し、この実施形態にも適用し得る。
【0060】
図6Bに示す本発明の別の実施形態では、ねじりバネが、コンプライアンス部材として、標準バネと置換されている。ねじりバネは、伸展および屈曲において異なる抵抗剛性を可能にするように、2つの並列または同心コイルで設計することができる。棘間靭帯(ISL)の保存が望ましい場合は、ねじりバネ6c、6dは、棘間靭帯(ISL)23のいずれかの側面上に定置することができる。ねじりバネ6cの第1のアーム25aは、上ストラップ1に取付けられ、ねじりバネ6cの第2のアーム26aは、下ストラップ2に取付けられる。ねじりバネ6dの第1のアーム25bは、上ストラップ1に取付けられ、ねじりバネ6dの第2のアーム26bは、下ストラップ2に取付けられる。脊椎分節が屈曲または伸展すると、ねじりバネは、それらが棘突起の分岐(屈曲)または集束(伸展)に抵抗するように、係合される。
【0061】
代替的には、図6Cに示すように、ねじりバネ6eは、ISLが切除された場合に、棘突起の間に定置することができる。ストラップは、それらを包囲することによって、上および下棘突起を捕捉する。ねじりバネの第1のアーム25は、上ストラップ1に取付けられ、第2のアーム26は、下ストラップ2に取付けられる。脊椎分節が屈曲または伸展すると、ねじりバネは、それらが棘突起の分岐(屈曲)または集束(伸展)に抵抗するように、係合される。ねじりバネは、伸展および屈曲に対して異なる抵抗を提供することにより、その抵抗力は、1つの移動において他の移動よりも大きくあり得る。本明細書に開示するコンプライアンス要素の他の実施形態のいくつかに関連して、ねじりバネは、屈曲および伸展に対するそのような異なる抵抗を提供するように設計することがより容易である。
【0062】
本発明のさらに別の実施形態では、図7は、上テザー1および下テザー2と、2つのストラップ(17、18)と、4つの締結具3、4、8、9と、それぞれがバネ6a、6bを有する、2つのコンプライアンス部材5a、5bとを有する、デバイス19dを例示する。要素6aおよび6bは、一般的に、例えば、図6Aに先述したように、同一の形態を成す。この実施形態では、2つのテザーおよび2つのストラップは、異なる非連続ストランドである。故に、コンプライアンス部材上の4つの異なる位置に締結するために、合計8つの端部が存在する。上テザー1の1つの端部および第1のストラップの1つの端部は両方、締結具3に取付けられる。上テザー1の反対側の端部および第1のストラップの他方の端部は両方、締結具8に取付けられる。下テザー2の1つの端部および第2のストラップ18の1つの端部は両方、締結具4に取付けられる。下テザー2の反対側の端部および第2のストラップ18の他方の端部は、締結具9に取付けられる。
【0063】
しかしながら、ある例では、下テザー構造2は、別個のバンド、ケーブル、コード、または同等物を含み得る。仙骨への内部取付のための、そのような別個のテザー構造の使用は、例えば、同時係属出願第11/827,980号(代理人整理番号第026398−000120US)において、より詳細に説明されており、その完全な開示は、参照することによって本明細書に事前に組み込まれている。一部の患者においては、別の棘突起の形状が、ストラップが棘突起を包囲することによっては、適切に固着され得ない場合がある。例えば、棘突起が、欠陥的であり得るか、または術中に損傷され得る。そのような例においては、方法は、例えば、椎体の中にネジを挿入するステップ、およびネジにストラップを取付けるステップをさらに含み得る。さらに他の例では、ネジは、茎、およびネジに取付けられたストラップの中に挿入され得る。そのような技術は、2008年4月18日に出願された米国特許第12/106,049号(代理人整理番号第026398−000151US)において、さらに説明されており、その完全な開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0064】
図8は、上テザー1および下テザー2と、2つのストラップ17、18と、8つの締結具3a、3b、4a、4b、8a、8b、9a、9bバンドと、それぞれがバネ6a、6bを含む、2つのコンプライアンス部材5d、5eとを含む、デバイス19eの代替的実施形態を示す。2つの全部のテザー1、2、および2つのすべてのストラップ17、18は、図7に示すものと同様の、別個の非連続ストランドである。しかしながら、この実施形態では、テザーおよびストラップの各端部は、コンプライアンス部材上の異なる位置に取付けられる。故に、コンプライアンス部材上の8つの位置に締結するために、合計8つの端部が存在する。第1のストラップ17の1つの端部は、締結具3bにおいて取付けられる。第1のストラップ17の反対側の端部は、締結具8bにおいて取付けられる。第2のストラップ18の1つの端部は、締結具4aにおいて取付けられる。第1のストラップ18の反対側の端部は、締結具9aにおいて取付けられる。上テザー1の1つの端部は、締結具3aにおいて取付けられる。上テザー1の反対側の端部は、締結具8aにおいて取付けられる。下テザー2の1つの端部は、締結具4bにおいて取付けられる。下テザー2の反対側の端部は、締結具9bにおいて取付けられる。先述のテザー/ストラップ端部の任意のサブセットまたは組み合わせは、ピン、ネジ、リベット、接着剤、または同等物を使用して、事前に取付けることができる。事前に取付けられた、および術中に取付けられる締結具の他の組み合わせもまた、使用することができる。そのような技術は、2008年4月18日に出願された米国特許第12/106,103号(代理人整理番号第026398−000410US)において、さらに説明されており、完全な開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。この実施形態のいくつかの利点は、それが、上および下テザー/ストラップの簡単かつ独立した調節を可能にするということである。
【0065】
脊椎分節の屈曲および伸展を制限するように、拘束を棘突起の周辺に位置付けるために、棘間靭帯は、まず、複数回穿刺されなければならない。初期の切除は、対象の脊椎領域上に作られる。鋭利な遠位端を有する穿刺道具は、他の生体構造を回避しながら、棘間靭帯にアクセスし、それを穿刺するために使用され得る。この外科アプローチは、それが棘上靭帯を無傷のまま維持し、多裂筋および腱、ならびに他の側副靭帯への損傷を最小化するために望ましい。棘間靭帯にアクセスし、それを穿刺するステップに加えて、穿刺道具はまた、穿孔にテザーを前進させるかもしくは通すか、または穿孔にリーダを通すことによって、前進を促進する。この実施形態では、棘突起拘束デバイスのテザー部分は、直接穿刺道具によって解放可能に結合される。図10は、上棘突起の上の第1の穿孔24aを形成するために、棘間靭帯23を穿刺するステップ、および第1の穿孔を通って第1のテザー1の第1の端部を前進させるステップをより明確に例示するための、最適な生体構造を示す。下棘突起の下の棘間靭帯を穿刺するステップは、第2のテザー2の第2の端部が、第2の穿孔を通って前進し得るように、第2の穿孔24bを形成する。第1および第2のテザーは、伸展可能なテザー構造を形成するために、コンプライアンス部材に接合され、構造は、それらの間の伸展を可能にしながら、上および下棘突起をともに結合する。テザーは、上部と下部棘突起との間の相対距離または角度を標的値に設定するために調節することができる。
【0066】
本発明の拘束構造によって印加された屈曲に対する弾性抵抗は、脊椎分節が中立位置を超えて移動するときに発揮され、拘束構造の弾性特性、棘突起上の拘束構造の位置、拘束構造の寸法、および患者の生体構造および動作を含む、種々の要因よって左右される。拘束構造は、通常、上部および下部テザーが、棘突起の中間前方領域に係合するように位置付けられ、拘束構造の機構は、通常、脊椎分節が中立位置にあるときに、テザーが伸張される(例えば、緩みがない)ように調節される。分節が中立位置を超えて屈曲すると、拘束構造は、即座に、弾性抵抗を提供する。
【0067】
本発明はまた、具体的に、脊椎分節の伸展を制限するために、隣接する棘突起を拘束するステップに関与する。これは、穿孔24cを形成するために、上棘突起の下の棘間靭帯を穿刺するステップ、および図10に示す貫通を通して第1のストラップ17の第1の端部を前進させるステップをさらに含む。下棘突起の上の棘間靭帯を穿刺するステップは、第2のストラップ18の第1の端部が貫通を通って前進し得るように、別個の穿孔24dを形成する。第1および第2のストラップは、実質的に伸展不可能な構造を形成するために、コンプライアンス部材に接合され、構造は、それらの間の伸展を制限するために、上部および下部棘突起をともに結合する。
【0068】
棘間靭帯を穿刺し、穿孔にテザーを通すために使用される穿刺道具、捕捉要素、および方法は、例えば、2008年6月6日に出願された米国特許第61/059,530号(代理人整理番号第026398−000600US)および2008年4月18日に出願された米国特許第12/106,049号(代理人整理番号第026398−000151US)において確認することができ、それらの完全な開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0069】
図11は、本発明の代替的実施形態を示す。デバイス19gは、4つの締結具3、4、8、9、および2つのコンプライアンス部材5a、5b、2つのスタビライザーロッド24a、24b、2つのストラップ17a、18aを図示する。この実施形態では、第1のストラップ17aの1つの端部は、締結具3に取付けられる。第1のストラップの反対側の端部は、締結具8に取付けられる。第2のストラップ18aの1つの端部は、締結具4に取付けられる。第2のストラップ18aの反対側の端部は、締結具9に取付けられる。第1のストラップ17aは、上棘突起の下面SSPに結合され、第2のストラップ18aは、下棘突起の上面ISPに結合される。第1のコンプライアンス部材5aは、第1の締結具3を有する、第1の端部と、第2の締結具4を有する、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する。コンプライアンス部材の第1の端部は、締結具3によって第1のストラップ17aの第1の端部に締結される。コンプライアンス部材の第2の端部は、締結具4によって第2のストラップ18aの第1の端部に締結される。第2のコンプライアンス部材5bは、脊椎分節の正中線の向こう側に位置している。コンプライアンス部材の第1の端部は、締結具8において、第1のストラップ17aの第2の端部に接続される。第2の端部は、締結具9において、第2のストラップ18aの第2の端部に接続される。第1および第2のコンプライアンス部材は、脊椎分節の伸展に対する抵抗を提供する。第1および第2のストラップの長さを変化させるステップは、伸展に対する抵抗を調節する。例えば、コンプライアンス部材は、ストラップが、極度に緩んでいるときの抵抗のない最小値から、ストラップからコンプライアンス部材までの上部と下部取付地点との間の距離に従う最大抵抗値まで、伸展抵抗の大きさの範囲を可能にすることができる。狭窄を治療する上で、例えば、孔が開口し始めるまで、または別様に、外科医が、伸展抵抗が治療的に十分であると考えられるまで、外科医は、棘間ストラップの有効長さを短縮することができる。
【0070】
図11に示すように、スタビライザーロッド24aおよび24bはまた、バネ6aおよび6bの内部にそれぞれ位置付けられ得、それにより、バネへの整列支持を提供し、脊椎分節が屈曲および伸展するときを含む、移動前、移動中、および移動後にバネが実質的な軸整列から湾曲するか、屈曲するか、または別様に、分岐することを防止する。軸整列スタビライザーは、例えば、ロッド、管、または他のそのようなデバイスである可能性がある。スタビライザーロッドは、選択的に、バネがコンプライアンスデバイスとともに使用される、本発明の任意の他の実施形態において使用することができる。
【0071】
横安定化は、例えば、2007年7月13日に出願された米国特許11/777,366号(代理人整理番号第026398−000110US)において開示される、伸展を制限しない横部材の使用によって達成することができ、その完全な開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。これらの横部材は、正中線の向こう側のコンプライアンス部材を接続し、コンプライアンス部材の外向きの屈曲または湾曲に抵抗する力を提供することができる。代替的には、単一または複数の要素の構成要素が、バッキングまたは隆起に抵抗するために、説明された構成に追加することができる。
【0072】
付加的実施形態は、ストラップ/テザーが、茎、層、および/または横突起等の他の椎骨突起に結合することを想定する。例えば、骨粗しょう症または、広範囲の椎弓切除等の外科的介入によって棘突起が存在しないか、または不全である場合に、これらの構造に結合することが望ましい場合がある。より横方向、またはより前方方向に位置する他の椎骨突起に結合するステップは、デバイスが、屈曲および伸展に加えて、横方向の屈曲または軸回転等の移動を制限することをさらに可能にし得る。さらに、複数の移動分節に結合するステップ、またはそれらを架橋するステップは、椎骨の並進またはすべり症等の運動の付加的モードの制限を可能にし得る。構成のうちのいずれかは、例えば、2007年10月18日に出願された国際公開第PCT/US2007/081822号(代理人整理番号第026398−000140PC)において見られるような、経皮的で(percutaneous)最小侵襲性の手段、または経皮的で(transcutaneous)侵襲性のない手段を介して、容易に調節され得、その完全な開示は、例えば、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0073】
上記は、本発明の好ましい実施形態の完全な説明であるが、様々な代替、修正、および等価物が使用され得る。したがって、上記の説明は、付属の請求項によって定義される、本発明の範囲を限定するものと解釈されてはならない。
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野。本発明は、概して、医療の方法およびデバイスに関する。より具体的には、本発明は、脊椎分節の屈曲および/または伸展を制限するために使用される方法およびデバイスに関する。これは、背部痛、脊椎異常、または脊椎および/または脊柱の他の症状を有する患者の治療を含むが、それに限定されない。
【背景技術】
【0002】
脊椎の安定性は、靭帯等の付着した軟組織の開存性、脊椎負荷、および姿勢、ならびに作業条件に大きく左右される。具体的には、靭帯および椎間板は、各脊椎分節を安定させ、整列した状態を維持する上において重要な役割を担う。靭帯、椎間板、または他の組織構造の変性は、通常範囲の負荷を超えるだけで脊椎分節の安定性を維持することができない可能性がある。腰椎の不安定性は、急性、または再発、または慢性の下背部痛の原因および結果の両方になることが示唆されている。一般人口の80%が、一生の間に背痛または腰痛を罹患すると推測される(Frymoyer et al.,「An Overview of the Incidence and Costs of Low Back Pain」 Orthrop.Clin.North Am.(1991)22:263〜271)。
【0003】
慢性背下部痛の主な原因は、椎間板内破裂とも称される椎間板起因の疼痛である。椎間板起因の疼痛を罹患する患者は、若年であるか、さもなければ、背部に局限した疼痛を呈する健康な個人である傾向がある。椎間板起因の疼痛は、通常、脊椎のL4−L5またはL5−S1の接合部に位置する椎間板において生じる。疼痛は、患者が腰椎を屈曲させた時に(すなわち、座位または前屈によって)悪化し、腰椎を伸展させたときに(すなわち、立位または後屈によって)緩和する傾向がある。屈曲および伸展は、腰部の機械的な荷重パターンを変更することが知られている。腰部が伸展状態にあるときに、腰部によって負担される軸荷重は、椎間板および面関節によって共有される(荷重の約30%は、面関節によって負担される)。屈曲状態においては、分節荷重は、椎間板によってほぼ完全に負担される。さらに、核は、後方に移動し、(神経支配される)弁輪の後方部分の荷重を変化させ、おそらく、その線維が張力およびせん断力にさらされるであろう。次いで、分節屈曲は、椎間板によって負担される両方の荷重を増大させ、それらは、より疼痛を伴う態様で負担させられる。椎間板起因の疼痛は、身体障害になる可能性がかなりあり、一部の患者においては、労働および生活を満喫する能力に劇的に影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
慢性背痛と診断された患者への現在の治療代替は、かなり限定されている。多くの患者は、理学療法、マッサージ、抗炎性薬および鎮痛剤の投薬、筋肉弛緩剤および硬膜外ステロイド注射等のその後の治療コースを受けるが、一般的には、有意な程度の疼痛に悩まされ続ける。他の患者は、通常、隣接椎骨の癒着と共に椎間板切除(椎間板の除去)を必要とする脊椎固定術を受けることを選択する。癒着はまた、例えば、茎ネジおよび固定ロッドを含む、罹患した脊椎分節の計装を含み得るか、または含み得ない。癒着は、それが不可逆的であり、費用がかかり、高い罹患率を伴い、不確かな有効性を有するので、椎間板起因の疼痛に安易に推奨されていない。しかしながら、その短所にも関わらず、椎間板起因の疼痛に対する脊椎固定術は、実行可能な代替案がないので、依然として一般的である。
【0005】
実践において一般的に使用されていないが、米国食品医薬品局(FDA)によって使用が認可されている方法は、棘突起または他の椎骨要素を包囲し、それによって、運動に対する拘束を形成する骨セルクラージュデバイスの適用である。医師は、一般的には、生体構造上に一定の高い力を印加し、1つの位置に分節を固定し、効果的に運動を不可能にさせる、張力または伸長をデバイスに印加する。これらのデバイスは、備え付け用途のために設計され、可動域にわたる屈曲への動態的弾性抵抗を可能にするために設計されるものではない。上述の骨セルクラージュデバイスおよび他の技術の目的は、対象の椎骨分節の測定可能な移動をほぼ完全に制限することである。所与の分節におけるこの移動の損失は、隣接する分節において異常な負荷および移動を引き起こし、それは、最終的に、隣接分節の病的状態および他の問題につながる可能性がある。
【0006】
セルクレージュデバイスに付随する問題のいくつかを回避する代替的解決策は、テザー構造等の脊椎分節に結合される弾性構造の使用に関する。弾性構造は、しばしば、実質的に制限されていない脊髄の伸展を可能にしながら、屈曲に対する受動的な抵抗を増大することによって、疼痛を緩和することができる。
【0007】
そのような脊椎インプラントを本明細書の図2に示し、それは、米国特許第2005/02161017号において、より詳細に開示される。インプラントは、実質的に制限されない脊椎の伸展を可能にしながら、脊椎の屈曲を阻止するように設計されている。インプラントは、一対以上の隣接する棘突起に配置され、屈曲中に生じる棘突起の広がりに対する弾性拘束を提供する。
【0008】
図2において示されるように、第2005/02161017号に説明されるインプラント10は、一般的には、一対のコンプライアンス部材16によって接合される上部ストラップ構成要素12と下部ストラップ構成要素14とを備える。上部ストラップ12は、L4の棘突起SP4の上部に配置して示され、下部ストラップ14は、L5の棘突起SP5の底部上に延在して示されている。コンプライアンス部材16は、一般的には、棘突起SP4およびSP5が屈曲中に離れる方向に移動すると、ケーブルが、「弾性的」または「追従的」に引き裂かれ得るような態様で、非弾性ケーブル76aおよび76bに取付けられる、エラストマー部材72aおよび72b(2005/02161017号において、図7)等の内部要素を含む。具体的には、コンプライアンスまたは弾性は、それらの各端部におけるストッパ要素78a、78b、80a、および80bとの間で、エラストマー部材72aおよび72bを圧縮するケーブルによって提供される。このようにして、インプラントは、屈曲に抵抗する力を提供する、棘突起上の弾性張力を提供する。この力は、突起がさらに離れる方向に移動すると増大し、ゴムまたはエラストマーブロックは、さらに圧縮される。通常、ストラップまたはケーブル自体は、弾性またはコンプライアンスの度合が、コンプライアンス部材16内のエラストマー部材の性質のみによって制御され、提供され得るように、実質的に非追従的である。
【0009】
これらのデバイスが有望であるが、背痛および下肢痛の組み合わせを有する患者等の一部の患者にとって、屈曲に対する抵抗を提供するだけでなく、伸展に対する抵抗も提供するデバイスが有効である。したがって、本明細書に説明する方法およびデバイスはまた、他の脊椎疾患または分節の伸展に関連する治療に有用でなければならず、脊椎分節の伸展の予防または制御が望ましい。
【0010】
他のインプラントは、脊椎分節の伸展に対するいくつかの抵抗を提供する。例えば、1つの市販されているデバイスは、伸展に抵抗するためにスペーサを使用する。デバイスを埋め込むために、棘上靭帯は、一時的に持ち上げられ、位置を換えられる。次いで、対象の2つの隣接椎骨の間の棘間靭帯が永久的に除去され、スペーサは、棘間の隙間に挿入される。次いで、テザーが、隣接する棘間靭帯を通って2つの隣接椎骨突起の周辺に巻き付けられ、次いで、スペーサによって、またはスペーサに締結された別個の構成要素によって、機械的に適所に固着される。次いで、棘状靭帯は、その本来の位置に再度戻される。そのようなインプラントおよび付随する外科的方法は、不都合が存在しないわけではない。これらのインプラントは、棘突起を日々の活動中の頻繁な高負荷にさらし、しばしば、棘突起の破損または消耗を引き起こし得る。さらに、スペーサは、患者を、矢状面バランスの欠如に付随する、長期の臨床問題に潜在的につながる分節脊柱後弯症に至らせ得る。テザーを固着するプロセスは、しばしば、外科医が実施するには非常に複雑な手順であり、外科手術をより侵襲性にさせる。また、前述のように、棘間靭帯の除去は、永久的である。そのため、デバイスの適用は可逆的ではない。加えて、原位置におけるこれらのインプラントの寸法の調節は、しばしば、不可能である。したがって、依然として、脊椎分節の屈曲だけでなく伸展に対する抵抗を提供するが、埋め込むために侵襲性が少なく、より容易であるデバイスを提供する必要性が存在する。
【0011】
特に、かつ単に症候性伸展を制限することによって腰部脊椎管狭窄症を治療する市販のデバイスのいくつかの例は、SuperionTMInterspinous Spacer(VertiFlex(登録商標)、AperiusTMおよびX−Stop(登録商標)(Medtronic(登録商標))、ならびにBacJacTM(Pioneer Surgical(登録商標))を含んでいる。伸展のみの制限に加えて、CoflexTMデバイス(Paradigm Spine(登録商標))は、時々、屈曲および伸展の両方を制限するために棘突起を通ってピン止めされる。これらのデバイスのそれぞれは、少なくとも以下の欠点のうちの1つ以上を有する。埋込は、外傷性および侵襲性である可能性がある。例えば、棘突起を含む周囲の生体構造は、設置中に損傷するか、または経時的に腐食する可能性がある。伸展制限の程度を調節することはまた、困難であるか、または不可能である可能性がある。さらに、これらのデバイスの大半は、棘突起に伝達された荷重の影響を増大させる可能性があり、組織損傷および/またはデバイスの沈降に潜在的に至る硬い伸展停止具のみを提供する。したがって、依然として、現在のインプラントの過去の欠点を克服し、さらに、伸展、または屈曲と伸展の両方の動的制御を可能にするデバイスに対する必要性が存在する。
【0012】
ごく最近では、侵襲性の少ない脊椎インプラントが導入されている。これらの脊椎インプラントは、一対以上の棘突起に配置され、屈曲中に生じる棘突起の広がりに対する弾性拘束を提供する。埋込は、棘間靭帯の永久的除去を必要とせず、したがって、デバイスは、より容易に外植され得る。インプラントは、一般的には、テザー構造およびテザーのための固着機構を含む。テザーは、ポリエステル(PET)またはポリエチレン(例えば、超高分子量のポリエチレン、UHMWPE)織物等の可撓性ポリマー布地、マルチストランドケーブル、または他の可撓性構造から作製され得る。テザーは、隣接する椎骨の突起の周辺に巻きつけられ、次いで、固着機構によって固着される。固着機構は、テザーおよびストラップの指標付けに関与し得、例えば、テザーおよび固着機構は、その2つを連結する、歯、フック、ループ等の不連続界面を含む。多くの公知の埋込は、止めネジの先端、または締結具のネジ山部分を用いてテザーを圧着する。他の公知の方法は、他の構成要素を共に引き出し、圧着力を生成するために、ネジまたはボルトを使用する。他の係止方法は、摩擦嵌合の使用を含む。これらのデバイスは有望であるが、それらは、依然として、ある病変を有する患者には、改善されたデバイスに対する必要性が存在する。
【0013】
少なくともこれらの理由のため、脊椎分節の屈曲および伸展に対する抵抗等の移動制御を脊椎分節に提供する方法およびデバイスを提供することが望ましい。方法およびデバイスは、解剖学的に適合性、安全、有効、最小侵襲性、および容易に埋込み可能でなければならない。したがって、下記の開示は、脊椎分節の伸展および屈曲に抵抗する力を提供する方法およびデバイスに関する。
【0014】
2.先行技術の記載。対象の特許および発行された明細書には、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、米国特許第5,092,866号、同第5,116,340号、同第5,180,393号、同第5,282,863号、同第5,395,374号、同第5,415,658号、同第5,415,661号、同第5,449,361号、同第5,456,722号、同第5,462,542号、同第5,496,318号、同第5,540,698号、同第5,562,737号、同第5,609,634号、同第5,628,756号、同第5,645,599号、同第5,725,582号、同第5,902,305号、同第Re36,221号、同第5,928,232号、同第5,935,133号、同第5,964,769号、同第5,989,256号、同第6,053,921号、同第6,248,106号、同第6,312,431号、同第6,364,883号、同第6,378,289号、同第6,391,030号、同第6,468,309号、同第6,436,099号、同第6,451,019号、同第6,582,433号、同第6,605,091号、同第6,626,944号、同第6,629,975号、同第6,652,527号、同第6,652,585号、同第6,656,185号、同第6,669,729号、同第6,682,533号、同第6,689,140号、同第6,712,819号、同第6,689,168号、同第6,695,852号、同第6,716,245号、同第6,761,720号、同第6,835,205号、同第7,029,475号、同第7,163,558号、発行された米国特許出願公開第2002/0151978号、同第2004/0024458号、同第2004/0106995号、同第2004/0116927号、同第2004/0117017号、同第2004/0127989号、同第2004/0172132号、同第2004/0243239号、同第2005/0033435号、同第2005/0049708号、同第2005/0192581号、同第2005/0216017号、同第2006/0069447号、同第2006/0136060号、同第2006/0240533号、同第2007/0213829号、同第2007/0233096号、同第2007/0239159号、同第2008/0009866号、同第2008/0108993号、国際公開第01/28442A1号、同第02/03882A2号、同第02/051326A1号、同第02/071960A1号、同第03/045262A1号、同第2004/052246A1号、同第2004/073532A1号、同第2008/051806号、同第2008/051423号、同第2008/051801号、同第2008/051802号、および発行された外国特許第EP0322334A1号および第FR2681525A1が挙げられる。脊椎分節に適用された可撓性拘束の機械的特性は、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、Leahy et al.(2000) Proc.Inst.Mech.Eng.Part H:J.Eng.Med.214,No.5:489〜495、Minns et al.(1997) Spine 22 No.16:1819〜1825、Miyasaka et al.(2000)Spine 25,No.6:732〜737、Shepherd et al.(2000) Spine 25,No.3:319〜323、Shepherd(2001) Medical Eng.Phys.23,No.2:135〜141、ならびにVoydeville et al.(1992) Orthop Traumatol 2:259〜264に説明されている。しかしながら、これらの参照文献のそれぞれは、前述の欠点のうちの1つ以上を有する。
【0015】
加えて、以下の明細書:2004年3月9日に出願された先行米国特許仮出願第60/551,235号の利益を請求する2005年3月9日に出願された米国特許第11/076,469号(代理人整理番号第026398−000210US)、2007年7月13日に出願された米国特許第11/777,366号(代理人整理番号第026398−000110US)、2007年7月13日に出願された米国特許第11/827,980(代理人整理番号第026398−000120US)、2007年10月18日に出願された国際出願第PCT/US2007/081815号(代理人整理番号第026398−000130PC)、2007年10月18日に出願された同第PCT/US2007/081822号(代理人整理番号第026398−000140PC)、2007年10月19日に出願された米国特許第11/975,674号(代理人整理番号第026398−000150US)、2008年6月6日に出願された米国仮特許出願第61/059,530号(代理人整理番号第026398−000600US)、2008年4月18日に出願された米国特許第12/106,103号(代理人整理番号第026398−000410US)、ならびに2008年4月18日に出願された米国特許第12/106,049号(代理人整理番号第026398−00015IUS)が対象であり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第3,648,691号明細書
【特許文献2】米国特許第4,643,178号明細書
【特許文献3】米国特許第4,743,260号明細書
【特許文献4】米国特許第4,966,600号明細書
【特許文献5】米国特許第5,011,494号明細書
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Papp et al.(1997) Spine 22:151〜155
【非特許文献2】Dickman et al.(1997) Spine 22:596〜604
【非特許文献3】Garner et al.(2002) Eur.Spine J.S186〜S191
【非特許文献4】Al Baz et al.(1995) Spine 20,No.11,1241〜1244
【非特許文献5】Heller(1997) Arch.Orthopedic and Trauma Surgery,117,No.1〜2:96〜99
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、医師によって、患者の脊椎分節の伸展および屈曲に抵抗する力を提供することが望まれる、背痛、脊髄異常、または脊椎および/または脊柱の他の病状を治療するために、移動を制御するための方法よびデバイスを提供する。そのような患者の拘束は、棘突起、横突起、層および/または茎の任意の組み合わせを含むが、それらに限定されない、椎骨の生体構造を捕捉し得る。
【0019】
本発明の第1の側面においては、脊椎分節の移動を制限するためのデバイスは、上棘突起および下棘突起に結合される、拘束を備える。拘束は、上棘突起の上面を捕捉するように構成される、第1のストラップと、下棘突起の下面を捕捉するように構成される、第2のストラップとを備える。第3のストラップは、第1のストラップに結合され、上棘突起の下面を捕捉するように構成される。第4のストラップは、第2のストラップに結合され、下棘突起の上面を捕捉するように構成される。第1のコンプライアンス部材の1つの端部は、第1および第3のストラップに接続される。コンプライアンス部材の第2の端部は、第2および第4のストラップに接続される。コンプライアンス部材およびストラップの構成は、脊椎分節の伸展および屈曲に対する抵抗を提供する。
【0020】
棘間空間の内部上のストラップは、棘突起が接近するのを防止する。ストラップは、実質的に伸展不可能である、織布または不織布を含む、任意の材料から構成することができる。好適な材料は、例えば、ポリエステル、PET、UHMWPE、ポリエチレンまたはPEEKを含むが、それらに限定されない。それらは、例えば、綱、ハーネス、リード、ブレイズ、編紐、コード、ベルト、織物、ストリップ、タイまたはバンドの形態を取ることができる。ストラップが、1)可撓性を増大させる、2)骨表面に適合させることによって、棘突起への損傷のリスクを最小化する、3)容易に外すことができない、4)種々のコンプライアンス部材に適合し、モジュール弾性または伸展に対する抵抗を可能にする、5)同一の対の棘突起の間に固体棘間要素を定置するために必要とされるものよりも少ない組織の除去および破壊で展開する、6)患者の必要性に対して、伸展制限の調節可能な調節を可能にする、7)コンプライアンス要素と組み合わせて、棘突起上の荷重の最大の影響を最小化するため、これは、棘突起の間に埋込まれた固体ブロック、クッション、またはスペーサの上に利点を提供する。
【0021】
必要に応じて、付加的なコンプライアンス部材を上述のデバイスに追加することができる。この場合では、第2のコンプライアンス部材は、脊椎分節の正中線の向こう側に位置している。第2のコンプライアンス部材は、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する。第2のコンプライアンス部材の1つの端部は、第1および第3のストラップに接続される。第2の端部は、第2および第4のストラップに接続される。第2のコンプライアンス部材は、第1のコンプライアンス部材と同一の形態を成し、同様の抵抗力を提供し得るか、または異なり得る。第2のコンプライアンス部材は、第1のコンプライアンス部材と実質的に平行に位置している。コンプライアンス部材は、バネまたはエラストマー部材を含み得る。ストラップのそれぞれは、綱、ハーネス、リード、ブレイズ、編紐、コード、ベルト、織物、ストリップ、タイ、またはバンドの形態を成し得る。それらは、布地から作成され得る。デバイスは、棘突起の周辺で堅く締めることを可能にし、脊椎分節の伸展および屈曲に対する弾性抵抗を提供するように調節する機構を有する。棘間靭帯の天然生体構造は、デバイスの埋込後に、実質的に無傷のままである。
【0022】
本発明の第2の側面では、脊椎分節の移動を制御するためのデバイスは、第1の端部と、第2の端部とを有する、第1のストラップを備え、第1のストラップは、上棘突起を捕捉する。第2のストラップは、第1および第2の端部を有し、第2のストラップは、下棘突起を捕捉する。第1および第2のストラップは、実質的に伸展不可能である。第1のコンプライアンス部材は、第1のストラップの第1および第2の端部のうちの少なくとも1つに接続される、第1の端部と、第2のストラップの第1および第2の端部のうちの少なくとも1つに接続される、第2の端部(第1の端部の反対側の)とを有する。第1のコンプライアンス部材およびストラップの構成は、脊椎分節の伸展および屈曲に対する抵抗を提供する。
【0023】
付加的なコンプライアンス部材は、上述のデバイスに追加することができる。この場合では、第2のコンプライアンス部材は、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する。第2のコンプライアンス部材は、脊椎分節の正中線を横切って第1のコンプライアンス部材の反対側に位置し得る。第1のストラップは、第1のコンプライアンス部材の第1の端部と結合され、第2のストラップは、第2のコンプライアンス部材の第2の端部と結合される。デバイスは、棘突起の周辺で堅く締めることを可能にするように調節する、機構を有する。棘間靭帯の天然生体構造は、デバイスの埋込後に、実質的に無傷のままである。
【0024】
さらに別の側面では、脊椎分節の移動を制限するための方法は、拘束を埋め込むステップを含む。拘束は、第1の調節可能なストラップと、第2の調節可能なストラップとを有し、各ストラップは、少なくとも1つのコンプライアンス部材に結合される。上棘突起は、第1の調節可能なストラップで捕捉され、下棘突起は、第2の調節可能なストラップで捕捉される。ストラップは、コンプライアンス部材およびストラップが、脊椎分節の伸展および屈曲に対する抵抗力を提供するように、調節可能である。ストラップ上の長さまたは張力の調節は、上部および下部棘突起との間の相対的距離または角度を標的値まで設定することができる。長さおよび張力調節の詳細は、2008年9月3日に出願された米国特許第61/093,922号(代理人整理番号第026398−000900US)で確認することができ、完全な開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0025】
加えて、第1および第2の調節可能なストラップで棘突起を捕捉するステップは、棘間靭帯の除去を必要としない。第1の調節可能なストラップは、上棘突起を捕捉する上および下分節で第1のループを形成する。第2の調節可能なストラップは、下棘突起を捕捉する上および下分節で第2のループを形成する。捕捉するステップは、第1のストラップで上棘突起を包囲するステップと、第2のストラップで下棘突起を包囲するステップとを含む。ストラップを調節するステップは、ストラップの長さまたは張力を調節するステップを含む。
【0026】
本発明のさらに別の側面では、脊椎分節の移動を制限するためのデバイスは、上ループと、下ループとを有する、拘束を備える。上ループは、上棘突起を捕捉し、下ループは、下棘突起を捕捉する。第1のコンプライアンス部材は、互いの反対側に、第1および第2の端部を有する。第1の端部は、上ループに接続され、第2の端部は、下ループに接続される。コンプライアンス部材およびループの構成は、第1の力および第2の力を提供し、両方の力は、脊椎分節の移動に抵抗する。第1の力は、脊椎分節の屈曲に抵抗し、第2の力は、脊椎分節の伸展に抵抗する。そのような抵抗は、棘突起運動が、コンプライアンス部材内で、引張力または圧縮力、またはそれらの組み合わせを生成する時に生じる。
【0027】
付加的なコンプライアンス部材は、上述のデバイスに追加することができる。この場合では、第2のコンプライアンス部材は、上および下ループに結合される。第2のコンプライアンス部材およびループの構成は、第1の力および第2の力を提供する。両方の力は、脊椎分節の移動に抵抗する。第1の力は、屈曲に抵抗し、第2の力は、伸展に抵抗する。第1および第2のコンプライアンス部材は、横方向の安定化を提供するよう、横部材に機械的に結合され得る。第2のコンプライアンス部材は、脊椎分節の正中線の向こう側に位置している。第2のコンプライアンス部材は、第1のコンプライアンス部材と実質的に平行に位置する。コンプライアンス部材は、バネを含み得る。屈曲に抵抗する力は、コンプライアンス部材が伸展される時に生じ得、伸展に抵抗する力は、コンプライアンス部材が圧縮される時に生じ得る。伸展に抵抗する力は、バネまたはコンプライアンス部材が少なくとも部分的に圧縮されるか、または完全に圧縮される時に生じ得る。
【0028】
本発明の別の側面では、脊椎分節の移動を制限するためのデバイスは、上部および下部ストラップを有する、第1のテザーを備える。上部ストラップは、上棘突起の上面の周辺に配置され、下部ストラップは、上棘突起の下面の周辺に配置される。コンプライアンス部材は、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する。第1の端部は、第1のテザーに結合される。第2のテザーは、上部および下部ストラップを有し、上部ストラップは、下棘突起の上面の周辺に配置され、下部ストラップは、下棘突起の下面の周辺に配置される。第2のテザーは、コンプライアンス部材の第2の端部と結合される。コンプライアンス部材およびストラップの構成は、第1の力および第2の力を提供する。両方の力は、脊椎分節の移動に抵抗する。具体的には、第1の力は、脊椎分節の屈曲に抵抗し、第2の力は、脊椎分節の伸展に抵抗する。第1のテザーの上部ストラップの長さまたは張力、および/または第2のテザーの下部ストラップの長さまたは張力を変化させるステップは、屈曲に対する抵抗を調節する。代替的に、または同時に、第1のテザーの下部ストラップの長さまたは張力、および/または第2のテザーの上部ストラップの長さまたは張力を変化させるステップは、伸展に対する抵抗を調節する。
【0029】
本発明の別の側面は、脊椎分節の移動を制限するためのデバイスを含む。デバイスは、上部および下部ストラップを有する、第1のテザーを含む。上部ストラップは、上棘突起の上面の周辺に配置され、下部ストラップは、上棘突起の下面の周辺に配置される。コンプライアンス部材は、第1の端部と、第2の端部とを有し、第2の端部は、第1の端部の反対側にある。コンプライアンス部材の第1の端部は、第1のテザーに結合される。第2のテザーは、仙骨に結合される。第2のテザーは、コンプライアンス部材の第2の端部で結合される。コンプライアンス部材とストラップとテザーとの構成は、第1の力および第2の力を提供する。両方の力は、脊椎分節の移動に抵抗する。第1の力は、脊椎分節の屈曲に抵抗し、第2の力は、脊椎分節の伸展に抵抗する。
【0030】
仙骨に第2のテザーを結合するステップは、多くの方法で達成することができる。仙骨棘突起が存在する場合は、第2のテザーは、上部および下部ストラップを有し得、上部ストラップは、下棘突起の上面の周辺に配置され、下部ストラップは、下棘突起の下面の周辺に配置される。仙骨棘突起が、そのような取付けに不十分である場合は、第2のテザーは、仙骨棘突起を通る孔を通って通過し得る。そのような孔は、第2のテザーのそのような通過を促進するために、原位置で作製され得る。代替的には、第2のテザーは、ネジ、骨固定具、フック、だぼ、ステープル、ピン、縫合糸または同等物等の固定取付の代替的手段を介して、仙骨に取付けられ得る。仙骨に取付けられた時に、第2のテザーは、一般的には、翼状ネジで仙骨の翼状表面に取付けられ得る。仙骨取付に関する、さらなる詳細は、2007年7月13日に出願された米国特許第11/827,980号(代理人整理番号第026398−000120US)において確認することができ、その完全な開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0031】
本発明の別の側面は、脊椎分節の移動を制限するための方法を含む。方法は、互いに結合される、テザーと、コンプライアンス部材とを有する、拘束デバイスを提供するステップを含む。テザーは、コンプライアンス部材およびテザーの構成が、脊椎分節の屈曲および伸展に抵抗する力を提供するように、上棘突起および下棘突起または仙骨に結合される。テザーを結合するステップは、テザーで上棘突起または下棘突起を包囲するステップを含む。テザーを結合するステップはまた、棘間靭帯を穿刺するステップと、穿孔を通ってテザーを通過させるステップを含み得る。テザーは、標的の寸法に固着され得る。
【0032】
付加的に、デバイスは、調節可能であり得、第2のコンプライアンス部材をさらに備え得る。第2のコンプライアンス部材とテザーとの構成は、脊椎分節の屈曲に抵抗する力、および脊椎分節の伸展に抵抗する力を提供する。
【0033】
本発明の別の側面では、脊椎分節の移動を制限するためのデバイスは、上ループと、下ループとを有する、動的拘束を備える。上ループは、上棘突起を捕捉し、下ループは、下棘突起を捕捉する。コンプライアンス部材は、第1の端部と、第2の端部とを有する。第2の端部は、第1の端部の反対側にある。コンプライアンス部材は、ねじりバネを含み得る。第1の端部は、上ループに接続され、第2の端部は、下ループに接続される。コンプライアンス部材およびループの構成は、脊椎分節の伸展に抵抗する力を提供する。
【0034】
本発明の別の側面は、脊椎分節の伸展を制御するためのデバイスを含む。デバイスは、上棘突起および下棘突起に結合される、拘束を備える。拘束は、上棘突起の下面に結合される、第1のストラップと、下棘突起の上面に結合される、第2のストラップとを含む。各ストラップは、2つの端部を有する。第1のコンプライアンス部材は、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する。第1のコンプライアンス部材の第1の端部は、第1のストラップの第1の端部に接続され、第1のコンプライアンス部材の第2の端部は、第2のストラップの第1の端部に接続される。第2のコンプライアンス部材は、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する。第2のコンプライアンス部材は、脊椎分節の正中線の向こう側に位置している。第2のコンプライアンス部材は、第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する。第2のコンプライアンス部材の第1の端部は、第1のストラップの第2の端部に接続され、第2のコンプライアンス部材の第2の端部は、第2のストラップの第2の端部に接続される。コンプライアンス部材およびストラップの構成は、脊椎分節の伸展に抵抗する力を提供する。実質的に伸展不可能なストラップの長さを変化させるステップは、伸展に対する抵抗を調節する。
【0035】
これらおよび他の実施形態を付属の図面に関連する以下の説明においてさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1A】図1Aは、棘突起(SP)、面関節(FJ)、層(L)、横突起(TP)、および仙骨(S)を含む、一般的な脊椎の腰領域を示す概略図である。
【図1B】図1Bは、矢状平面に沿って切り取った、脊椎の腰領域の一部分を示す概略図である。
【図2】図2は、米国特許第2005/0216017A1号において説明される種類の脊椎インプラントの概略図を示す斜視図を例示する。
【図3】図3は、拘束がそこに取付けられた、脊椎分節の後方図を例示する、概略図である。
【図4】図4は、拘束デバイスの代替的実施形態を示す概略図である。
【図5】図5は、拘束デバイスの別の実施形態を示す概略図である。
【図6A】図6Aは、拘束デバイスのさらに別の実施形態を示す概略図である。
【図6B】図6Bは、ねじりバネが棘間靭帯のいずれかの側面上に定置された拘束デバイスの別の実施形態を示す概略図である。
【図6C】図6Cは、ねじりバネが棘突起の間に定置された拘束デバイスの別の実施形態を示す概略図である。
【図7】図7は、拘束デバイスのさらに別の実施形態を示す概略図である。
【図8】図8は、拘束デバイスの別の実施形態を示す概略図である。
【図9】図9は、拘束デバイスのさらに別の実施形態を示す概略図である。
【図10】図10は、棘間靭帯を穿刺するステップを含む棘突起拘束デバイスを展開する例示的方法の概略図である。
【図11】図11は、拘束デバイスのさらに別の実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
方法およびデバイスの以下の例示的実施形態は、脊椎分節の屈曲および伸展を制限するために、棘突起の周辺に拘束を適用することに関連して説明する。これは、例示の目的だけを意図し、当業者は、本明細書に開示する方法およびデバイスが、多くの他の用途において使用され得、したがって、脊椎手術に限定されないことを理解する。特徴および利点は、以下の詳細な説明を読み、全体にわたって同様の番号が同様の部品を指す、付属の図面を参照すれば明らかであろう。
【0038】
図1Aは、棘突起(SP)、面関節(FJ)、層(L)、横突起(TP)、および仙骨(S)を含む、脊椎の腰領域を示す概略図である。図1Bは、矢状平面に沿って切り取った脊椎の腰領域の一部分を示す概略図であり、本開示において言及され得る「中立位置」、「屈曲」、および「伸展」という用語を定義するために有用である。
【0039】
本明細書において使用する場合、「中立位置」は、患者の脊椎がくつろいだ起立位置において静止する位置を指す。「中立位置」は、患者によって異なるであろう。通常、そのような中立位置は、脊椎がわずかに前方への凸形状、およびわずかに後方への凹形状を有する腰椎のわずかな曲率または湾曲によって特徴付けられるであろう。一部の場合においては、本発明の拘束の存在は、中立位置を修正し得、例えば、デバイスは、未治療の脊椎の一部の屈曲または伸展を有する新規の中立位置を画定する初期力を印加し得る。したがって、「中立位置」という用語の使用は、デバイスの存在、または不在との関連において使用されるものである。本明細書において使用する場合、「脊椎分節の中立位置」とは、脊椎が中立位置にある時の脊椎分節の位置を指す。
【0040】
さらに、本明細書において使用される場合、「屈曲」とは、患者が前屈する時の脊椎分節の隣接椎骨間の移動を指す。図1Bを参照すると、患者が脊椎の中立位置から、すなわち、湾曲軸Aに対して右に前屈すると、前方側面の個々の椎骨L間の距離が減少して、椎骨板間Dの前方部分が圧縮される。対照的に、後方側面の個々の棘突起SPは、矢印Bで示す方向に離れる方向に移動する。したがって、屈曲は、患者が図1Bに例示する中立位置から前屈するときの隣接する椎骨間の相対的移動を指す。
【0041】
また、本明細書において使用する場合、「伸展」とは、患者が後屈し、脊椎が図1Bに例示する中立位置から延在するときの個々の椎骨L間の運動を指す。患者が後屈すると、個々の椎骨の後方端部は離れるほうこうに移動する。隣接する椎骨における個々の棘突起SPは、矢印Bで示す方向とは反対の方向に相互により接近するように移動する。
【0042】
図2は、関連する米国特許第2005/02161017A1号に説明される種類の脊椎インプラントを示し、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。図2に例示するように、インプラント10は、一般的には、一対のコンプライアンス部材16によって接合される上部ストラップ構成要素12と、下部ストラップ構成要素14とを有する。上部ストラップ12は、L4の棘突起SP4の上部に配置して示され、一方、下部ストラップ14は、L5の棘突起SP5の底部上に延在して示す。コンプライアンス部材16は、一般的には、棘突起SP4とSP5とが屈曲中に離れるように移動すると、ストラップが「弾力的」または「追従的」に引き裂かれ得るような態様でストラップ12および14に取付けられるバネまたはゴムブロック等の内部要素を含む。このようにして、インプラントは、屈曲に抵抗する力を提供する棘突起上の弾性張力を提供する。力は、突起がさらに離れる方向に移動すると増加する。ストラップ自体は、実質的に伸展不可能であり、その結果、弾性率またはコンプライアンスは、コンプライアンス部材16によってのみ制御され、提供され得る。本明細書に使用される「実質的に伸展不可能」という句は、大幅に、または有意に拡張、伸展、展開、引伸、拡大、または膨張しない、任意の物質または材料を指す。下記に開示する他の実施形態は、脊椎分節の屈曲に対する抵抗を提供するだけでなく、脊椎分節の伸展に対する抵抗も提供する。
【0043】
本明細書において使用される場合、「抵抗」は、連続する、通常、隣接する棘突起の間の移動に抵抗するための拘束力の印加を指し、それにより、棘突起の移動の増加がより高い拘束力をもたらす。本明細書に説明する発明において、抵抗は、屈曲および伸展中、または伸展中のみ、個々の脊椎分節の移動を阻止する。拘束力は、棘突起に、または1つ以上の棘突起および仙骨に直接送達される。抵抗力は、例えば、バネ、弾性要素、および他のそのようなデバイスによって提供することができる。
【0044】
図2は、その間に中間棘突起を有さない、隣接棘突起の周辺に巻かれた単一のテザーを例示するが、当業者は、2つ以上の棘突起を有する脊椎分節が1つ以上のテザー構造を使用して、ともに繋留され得ることを理解するであろう。
【0045】
ここで図3を参照すると、脊椎分節の移動を制御するための本発明に従うデバイス19aを説明する。図3は、本発明の例示的一実施形態を例示する。この拘束インプラントデバイス19aの後方図は、第1のストラップ1および第2のストラップ2と、2つの締結具(上3、下4)と、バネ6とを含む、単一のコンプライアンス部材5cとを含む。任意的なシース22が、コンプライアンス部材5cを被覆し得る。
【0046】
第1のストラップ1は、参照することによって本明細書に組み込まれている関連する先願においてより詳細に説明されるように、一般的には、上棘突起SSPを捕捉するように可撓的に適合される連続バンド、ケーブル、コード、または他の構造である。第2のストラップ2は、一般的には、下棘突起ISPを捕捉するように、第1のストラップ1と同一でなくとも同様に構成される、バンド、ケーブル、または同等物を含む。他の実施形態では、第2のストラップ2は、下棘突起の代わりに、仙骨に結合され得る。結合は、ネジ等の機構を締結することによって、または、第2のストラップ2を仙骨内の孔に通すことによって達成され得る。通常、ストラップは、可撓性であるが、実質的に伸展不可能であり、その結果、引張荷重の下では最小の伸びを可能にする。第3のストラップ17は、第1のストラップ1に結合され(それと連続であり得る)、上棘突起SSPの下を通過する。第4のストラップ18は、第2のストラップ2に結合され(それと連続であり得る)、下棘突起ISPの上を通過する。当業者に理解されるように、ストラップ(本明細書または本発明の任意の他の実施形態において言及される)は、別個のストラップであり得るか、またはストラップは、互いに連続し得る。ストラップ1および2は、脊椎分節が屈曲している時の力に抵抗し、ストラップ17および18は、脊椎分節が伸展している時の力に抵抗する。
【0047】
一般的に、コンプライアンスデバイスのバネ6または他のエラストマー部材は、張力が第1および第2のストラップ1および2によって印加されると、弾性的に伸張させられる。棘突起または棘突起と仙骨とが、拘束された脊椎分節の屈曲中に離れる方向に移動するときに、第1および第2のストラップ1および2も離れる方向に移動し、こうして、バネ6は屈曲に抵抗する。バネ6またはエラストマー部材は、伸展中に力が印加されると短縮される。棘突起または棘突起と仙骨とが、拘束された脊椎分節の伸展中にともに移動するときに、上棘突起の下面に結合された第3のストラップ、および下棘突起の上面に結合された第4のストラップもまた、ともに移動し、こうして、バネ6は伸展に抵抗する。
【0048】
コンプライアンス部材5cは、バネ6または他のバネ状要素の機械的特性によって決定される力によって、拡張に対して弾性的に抵抗する。特に、バネ6は、コンプライアンス部材とストラップとの構成が、種々の患者の屈曲および伸展に対する適切な抵抗を提供するように、バネ定数として知られる引張または弾性の剛性を有するように選択される。そのような抵抗は、棘突起の移動が、コンプライアンス部材において引伸力または圧縮力、またはそれらのいくつかの組み合わせを生成するときに生じる。コンプライアンス部材は、別様に組織に伝達される可能性があるエネルギーを吸収する。
【0049】
コンプライアンス部材5cは、上テザーをコンプライアンス部材に結合する、固定取付構成要素(すなわち、締結具)3を含む。第2の締結具4は、下テザー2をコンプライアンス部材5cに取付ける。締結具の間に位置する、らせん状バネまたは他のバネ状構造6は、単一部品の材料から形成され得るか、またはともに締結された構成要素を含み得る。一般的には、バネ6および両方のテザー締結具3および4は、チタン等の金属から形成され得るが、任意的に、ポリマー、セラミック、強化ガラス、または他の複合材料、または所望の弾性および機械的特性を有し、所望の形状に形成することが可能な他の材料であり得る。
【0050】
代替的には、好適なポリマー材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である。締結具は、テザーがそこを通って供給される開口部を有する、筐体を含み得る。ローラおよび止めネジを有する係止具は、テザーとローラ/筐体との間の摩擦嵌合を形成し、それによって、テザーを適所に係止する。係止機構の他の実施形態は、単に、ネジ留めまたは他の治具に伴う。締結機構についてのさらなる詳細は、米国仮出願第61/059,538号(代理人整理番号第026398−000700US)および同第61/059,543号(代理人整理番号第026398−000800US)に開示されており、その全体の内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。締結具についての付加的な詳細は、下記に開示され、本明細書に開示する締結具のうちのいずれかに適用し得る。
【0051】
コンプライアンス部材5cの外部は、エラストマーシース22等の保護カバーで被覆され得る。シースは、コイル巻とコンプライアンス部材5cの内部との間の隙間の中への組織および本体材料の侵入を防止するために、図3の点線で示すコンプライアンス部材の本体の上に定置され得る。シース22はまた、脊椎分節が屈曲および伸展する時を含む、移動前、移動中、および移動後に、バネが、本質的な軸整列から湾曲するか、屈曲するか、または別様に、分岐することを防止するように、バネに整列支持を提供し得る。
【0052】
所望の値まで、コンプライアンス部材に事前に張力を加えるか、または事前に荷重を加えることが可能である。これを達成する1つの方法は、脊椎が中立位置にあるときに、わずかな張力が拘束構造によって維持されるように、拘束構造の長さを変化させることによるものである。代替的には、事前に負荷されたコンプライアンス要素は、その長さを変化させることなく、拘束構造に事前に負荷を加えるために提供することができる。バネ、エラストマー本体、および同等物等の本発明のコンプライアンス部材に使用された引張または圧縮要素は、一般的には、それらが最初に変形させられる時に、ほとんど、または全く弾性抵抗を示さない。したがって、脊椎分節が治療的抵抗を受ける前に、コンプライアンス部材のある程度の伸びまたは圧縮が存在する。より即座の緩和を提供するために、引張または圧縮部材は、変形を開始するために克服されなければならない初期の静的抵抗力を有するように、事前に負荷され得る。このようにして、拘束された脊椎分節は、患者が椎骨の屈曲または伸展を開始する瞬間には、屈曲または伸展を開始せず、それは、弛緩した脊椎分節を治療する時に有利である。事前負荷は、2008年4月18日に出願された同時係属米国特許第12/106,103号(代理人整理番号第026398−000410US)において、さらに説明されており、その完全な開示は、参照することによって、本明細書に組み込まれる。
【0053】
下記に開示する代替的実施形態では、第2のコンプライアンス部材は、図3に示す構造に追加され得る。第2のコンプライアンス部材は、脊椎分節の正中線を横切って第1のコンプライアンス部材の反対側に位置し得、第2のコンプライアンス部材はまた、第1のコンプライアンス部材とは異なる形状を成し得るが、一般的には、第1のコンプライアンス部材と同一でなくとも、同様に構成される。
【0054】
ストラップの1つまたは両方の端部は、コンプライアンス部材の上の締結具に事前に取付けられ得る。次いで、2つの部分組立品のストラップは、棘間靭帯の中の穿孔を通され、各棘突起を捕捉するように位置付けられ、固定することができる。長さおよび張力を調節する方法を含む、ストラップを配備する、締結する、および係止する種々の方法は、例えば、同時係属出願第11/875,674号(代理人整理番号第026398−000150US)において確認することができる。
【0055】
本発明の代替的実施形態を図4に示す。拘束インプラントデバイス19bは、上ストラップ1および下ストラップ2と、4つの締結具(上部上3a、下部上3b、上部下4a、下部下4b)と、バネ6を含む単一のコンプライアンス部材5dとを含む。この実施形態においては、2つのすべてのストラップのそれぞれの4つのすべての端部の各端部は、コンプライアンス部材の上の異なる位置に取付けられる(すなわち、締結具3a、3b、4a、4b)。
【0056】
上記の実施形態において説明されるストラップは、ピンを使用してコンプライアンス部材に締結され得る。ピンは、一対の受容する孔の中に固定され得、テザーの自由端は、ピンの上に巻きつけられ、接着剤、縫合糸、ステッチ、留め具等でそれ自体にしっかりと取付けられる。通常、固着されたテザー構造は、治療する医師が、各テザー構造の1つの端部が固着されたテザーコネクタに取付けられた、一対のコンプライアンス部材のそれぞれを移植することができるように、製造時に事前に取付けられる。次いで、各ストラップの残りの自由端は、本明細書に開示するパターンのうちのいずれか、または同時係属出願第11/875,674号(代理人整理番号第026398−000150US)において、さらに示され、説明されるパターンで、棘突起の周辺に配備され得(または、仙骨に取付けられる)、その全体の開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0057】
締結具はまた、ストラップを固着するために使用される係止具、留め具、またはたのそのような機構を含み得る。1つのそのような機構は、筐体、ローラ要素、および筐体と係合された係止部材を含む。筐体は、中央チャネルと、入口開口部を画定する第1の側面と、出口開口部を画定する第2の側面とを有する。側面チャネルは、入口開口部と出口開口部との間に延在する。ローラ要素は、開口部を有する側壁を有する。ローラ要素は、テザーの通過を可能にする。ローラ要素は、ストラップを巻きつけ、ローラ要素と、筐体と、ストラップとの間に摩擦嵌合を生成する。係止部材は、筐体からのローラの解放を防止するために筐体で係合される。締結具は、2008年6月6日に出願された米国特許第61/059,530号(代理人整理番号第026398−000600US)および2008年6月6日に出願された米国特許第61/059,538号(代理人整理番号第026398−000700US)に説明する締結具と同一の形態を成すことができ、その完全な開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。当業者は、止めネジ、係止留め金、バネ荷重戻り止め等の多くの他の締結具が使用され得、それらのうちのいずれかは、本明細書に開示する実施形態のいずれかにおいて置換され得ることを理解するであろう。
【0058】
図5は、バネの代わりにエラストマー部材7を含む、コンプライアンス部材5eを図示する、拘束インプラントデバイス19fの代替的実施形態を示す概略図である。全体の構造は、2008年4月18日に出願された同時係属米国特許第12/106,103号(代理人整理番号第026398−000410US)に記載されるように、所望の弾性剛性またはバネ力を提供する機械的特性を有するエラストマー材料から成型または鋳造することができ、その完全な開示は、参照することによって本明細書に事前に組み込まれている。特に好適なエラストマーは、シリコーンゴムであるが、他の熱可塑性プラスチックおよび熱硬化性エラストマーもまた、使用することができる。コンプライアンス部材が、所望の抵抗力を産生する任意の種類の構成要素または材料を含むことができることを理解する。バネ、エラストマー部材、およびゴムバンパは、多くの使用可能な選択肢のうちのほんの数例である。例えば、図6Aに示すように、2つのコンプライアンス部材が配備された場合に、バネまたはエラストマー部材の任意の組み合わせを使用することができる。
【0059】
図6Aは、上ストラップ1および下ストラップ2と、4つの締結具3、4、8、9と、それぞれがバネ6a、6bを含む、2つのコンプライアンス部材5a、5bとを含む、本発明の拘束インプラントデバイス19cの別の代替的実施形態を例示する、概略図である。上ストラップ1は、締結具3および8に結合され、取付けられる。下ストラップ2は、締結具4および9に結合され、取付けられる。この実施形態では、ストラップは、連続した統合ループを形成するように、バネを介して、互いに動作可能に結合される。2つのコンプライアンス部材5a、5bは、脊柱の正中線の向こう側に位置している。第2のコンプライアンス5b部材は、第1のコンプライアンス部材5aに実質的に平行である可能性がある。代替的には、コンプライアンス部材5a、5bは、互いからオフセットしていることができる。これは、平面A〜Dの配向を比較することによって、図9において確認することができる。例えば、コンプライアンス部材5bの下端は、平面CとDとの間に存在する一方、コンプライアンス部材5aの下端は、平面Dの外側に存在する。2つのコンプライアンス部材を使用して張力を調節する方法を含む、ストラップを配備する、締結する、および係止する方法を本明細書において開示し、この実施形態にも適用し得る。
【0060】
図6Bに示す本発明の別の実施形態では、ねじりバネが、コンプライアンス部材として、標準バネと置換されている。ねじりバネは、伸展および屈曲において異なる抵抗剛性を可能にするように、2つの並列または同心コイルで設計することができる。棘間靭帯(ISL)の保存が望ましい場合は、ねじりバネ6c、6dは、棘間靭帯(ISL)23のいずれかの側面上に定置することができる。ねじりバネ6cの第1のアーム25aは、上ストラップ1に取付けられ、ねじりバネ6cの第2のアーム26aは、下ストラップ2に取付けられる。ねじりバネ6dの第1のアーム25bは、上ストラップ1に取付けられ、ねじりバネ6dの第2のアーム26bは、下ストラップ2に取付けられる。脊椎分節が屈曲または伸展すると、ねじりバネは、それらが棘突起の分岐(屈曲)または集束(伸展)に抵抗するように、係合される。
【0061】
代替的には、図6Cに示すように、ねじりバネ6eは、ISLが切除された場合に、棘突起の間に定置することができる。ストラップは、それらを包囲することによって、上および下棘突起を捕捉する。ねじりバネの第1のアーム25は、上ストラップ1に取付けられ、第2のアーム26は、下ストラップ2に取付けられる。脊椎分節が屈曲または伸展すると、ねじりバネは、それらが棘突起の分岐(屈曲)または集束(伸展)に抵抗するように、係合される。ねじりバネは、伸展および屈曲に対して異なる抵抗を提供することにより、その抵抗力は、1つの移動において他の移動よりも大きくあり得る。本明細書に開示するコンプライアンス要素の他の実施形態のいくつかに関連して、ねじりバネは、屈曲および伸展に対するそのような異なる抵抗を提供するように設計することがより容易である。
【0062】
本発明のさらに別の実施形態では、図7は、上テザー1および下テザー2と、2つのストラップ(17、18)と、4つの締結具3、4、8、9と、それぞれがバネ6a、6bを有する、2つのコンプライアンス部材5a、5bとを有する、デバイス19dを例示する。要素6aおよび6bは、一般的に、例えば、図6Aに先述したように、同一の形態を成す。この実施形態では、2つのテザーおよび2つのストラップは、異なる非連続ストランドである。故に、コンプライアンス部材上の4つの異なる位置に締結するために、合計8つの端部が存在する。上テザー1の1つの端部および第1のストラップの1つの端部は両方、締結具3に取付けられる。上テザー1の反対側の端部および第1のストラップの他方の端部は両方、締結具8に取付けられる。下テザー2の1つの端部および第2のストラップ18の1つの端部は両方、締結具4に取付けられる。下テザー2の反対側の端部および第2のストラップ18の他方の端部は、締結具9に取付けられる。
【0063】
しかしながら、ある例では、下テザー構造2は、別個のバンド、ケーブル、コード、または同等物を含み得る。仙骨への内部取付のための、そのような別個のテザー構造の使用は、例えば、同時係属出願第11/827,980号(代理人整理番号第026398−000120US)において、より詳細に説明されており、その完全な開示は、参照することによって本明細書に事前に組み込まれている。一部の患者においては、別の棘突起の形状が、ストラップが棘突起を包囲することによっては、適切に固着され得ない場合がある。例えば、棘突起が、欠陥的であり得るか、または術中に損傷され得る。そのような例においては、方法は、例えば、椎体の中にネジを挿入するステップ、およびネジにストラップを取付けるステップをさらに含み得る。さらに他の例では、ネジは、茎、およびネジに取付けられたストラップの中に挿入され得る。そのような技術は、2008年4月18日に出願された米国特許第12/106,049号(代理人整理番号第026398−000151US)において、さらに説明されており、その完全な開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0064】
図8は、上テザー1および下テザー2と、2つのストラップ17、18と、8つの締結具3a、3b、4a、4b、8a、8b、9a、9bバンドと、それぞれがバネ6a、6bを含む、2つのコンプライアンス部材5d、5eとを含む、デバイス19eの代替的実施形態を示す。2つの全部のテザー1、2、および2つのすべてのストラップ17、18は、図7に示すものと同様の、別個の非連続ストランドである。しかしながら、この実施形態では、テザーおよびストラップの各端部は、コンプライアンス部材上の異なる位置に取付けられる。故に、コンプライアンス部材上の8つの位置に締結するために、合計8つの端部が存在する。第1のストラップ17の1つの端部は、締結具3bにおいて取付けられる。第1のストラップ17の反対側の端部は、締結具8bにおいて取付けられる。第2のストラップ18の1つの端部は、締結具4aにおいて取付けられる。第1のストラップ18の反対側の端部は、締結具9aにおいて取付けられる。上テザー1の1つの端部は、締結具3aにおいて取付けられる。上テザー1の反対側の端部は、締結具8aにおいて取付けられる。下テザー2の1つの端部は、締結具4bにおいて取付けられる。下テザー2の反対側の端部は、締結具9bにおいて取付けられる。先述のテザー/ストラップ端部の任意のサブセットまたは組み合わせは、ピン、ネジ、リベット、接着剤、または同等物を使用して、事前に取付けることができる。事前に取付けられた、および術中に取付けられる締結具の他の組み合わせもまた、使用することができる。そのような技術は、2008年4月18日に出願された米国特許第12/106,103号(代理人整理番号第026398−000410US)において、さらに説明されており、完全な開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。この実施形態のいくつかの利点は、それが、上および下テザー/ストラップの簡単かつ独立した調節を可能にするということである。
【0065】
脊椎分節の屈曲および伸展を制限するように、拘束を棘突起の周辺に位置付けるために、棘間靭帯は、まず、複数回穿刺されなければならない。初期の切除は、対象の脊椎領域上に作られる。鋭利な遠位端を有する穿刺道具は、他の生体構造を回避しながら、棘間靭帯にアクセスし、それを穿刺するために使用され得る。この外科アプローチは、それが棘上靭帯を無傷のまま維持し、多裂筋および腱、ならびに他の側副靭帯への損傷を最小化するために望ましい。棘間靭帯にアクセスし、それを穿刺するステップに加えて、穿刺道具はまた、穿孔にテザーを前進させるかもしくは通すか、または穿孔にリーダを通すことによって、前進を促進する。この実施形態では、棘突起拘束デバイスのテザー部分は、直接穿刺道具によって解放可能に結合される。図10は、上棘突起の上の第1の穿孔24aを形成するために、棘間靭帯23を穿刺するステップ、および第1の穿孔を通って第1のテザー1の第1の端部を前進させるステップをより明確に例示するための、最適な生体構造を示す。下棘突起の下の棘間靭帯を穿刺するステップは、第2のテザー2の第2の端部が、第2の穿孔を通って前進し得るように、第2の穿孔24bを形成する。第1および第2のテザーは、伸展可能なテザー構造を形成するために、コンプライアンス部材に接合され、構造は、それらの間の伸展を可能にしながら、上および下棘突起をともに結合する。テザーは、上部と下部棘突起との間の相対距離または角度を標的値に設定するために調節することができる。
【0066】
本発明の拘束構造によって印加された屈曲に対する弾性抵抗は、脊椎分節が中立位置を超えて移動するときに発揮され、拘束構造の弾性特性、棘突起上の拘束構造の位置、拘束構造の寸法、および患者の生体構造および動作を含む、種々の要因よって左右される。拘束構造は、通常、上部および下部テザーが、棘突起の中間前方領域に係合するように位置付けられ、拘束構造の機構は、通常、脊椎分節が中立位置にあるときに、テザーが伸張される(例えば、緩みがない)ように調節される。分節が中立位置を超えて屈曲すると、拘束構造は、即座に、弾性抵抗を提供する。
【0067】
本発明はまた、具体的に、脊椎分節の伸展を制限するために、隣接する棘突起を拘束するステップに関与する。これは、穿孔24cを形成するために、上棘突起の下の棘間靭帯を穿刺するステップ、および図10に示す貫通を通して第1のストラップ17の第1の端部を前進させるステップをさらに含む。下棘突起の上の棘間靭帯を穿刺するステップは、第2のストラップ18の第1の端部が貫通を通って前進し得るように、別個の穿孔24dを形成する。第1および第2のストラップは、実質的に伸展不可能な構造を形成するために、コンプライアンス部材に接合され、構造は、それらの間の伸展を制限するために、上部および下部棘突起をともに結合する。
【0068】
棘間靭帯を穿刺し、穿孔にテザーを通すために使用される穿刺道具、捕捉要素、および方法は、例えば、2008年6月6日に出願された米国特許第61/059,530号(代理人整理番号第026398−000600US)および2008年4月18日に出願された米国特許第12/106,049号(代理人整理番号第026398−000151US)において確認することができ、それらの完全な開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0069】
図11は、本発明の代替的実施形態を示す。デバイス19gは、4つの締結具3、4、8、9、および2つのコンプライアンス部材5a、5b、2つのスタビライザーロッド24a、24b、2つのストラップ17a、18aを図示する。この実施形態では、第1のストラップ17aの1つの端部は、締結具3に取付けられる。第1のストラップの反対側の端部は、締結具8に取付けられる。第2のストラップ18aの1つの端部は、締結具4に取付けられる。第2のストラップ18aの反対側の端部は、締結具9に取付けられる。第1のストラップ17aは、上棘突起の下面SSPに結合され、第2のストラップ18aは、下棘突起の上面ISPに結合される。第1のコンプライアンス部材5aは、第1の締結具3を有する、第1の端部と、第2の締結具4を有する、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する。コンプライアンス部材の第1の端部は、締結具3によって第1のストラップ17aの第1の端部に締結される。コンプライアンス部材の第2の端部は、締結具4によって第2のストラップ18aの第1の端部に締結される。第2のコンプライアンス部材5bは、脊椎分節の正中線の向こう側に位置している。コンプライアンス部材の第1の端部は、締結具8において、第1のストラップ17aの第2の端部に接続される。第2の端部は、締結具9において、第2のストラップ18aの第2の端部に接続される。第1および第2のコンプライアンス部材は、脊椎分節の伸展に対する抵抗を提供する。第1および第2のストラップの長さを変化させるステップは、伸展に対する抵抗を調節する。例えば、コンプライアンス部材は、ストラップが、極度に緩んでいるときの抵抗のない最小値から、ストラップからコンプライアンス部材までの上部と下部取付地点との間の距離に従う最大抵抗値まで、伸展抵抗の大きさの範囲を可能にすることができる。狭窄を治療する上で、例えば、孔が開口し始めるまで、または別様に、外科医が、伸展抵抗が治療的に十分であると考えられるまで、外科医は、棘間ストラップの有効長さを短縮することができる。
【0070】
図11に示すように、スタビライザーロッド24aおよび24bはまた、バネ6aおよび6bの内部にそれぞれ位置付けられ得、それにより、バネへの整列支持を提供し、脊椎分節が屈曲および伸展するときを含む、移動前、移動中、および移動後にバネが実質的な軸整列から湾曲するか、屈曲するか、または別様に、分岐することを防止する。軸整列スタビライザーは、例えば、ロッド、管、または他のそのようなデバイスである可能性がある。スタビライザーロッドは、選択的に、バネがコンプライアンスデバイスとともに使用される、本発明の任意の他の実施形態において使用することができる。
【0071】
横安定化は、例えば、2007年7月13日に出願された米国特許11/777,366号(代理人整理番号第026398−000110US)において開示される、伸展を制限しない横部材の使用によって達成することができ、その完全な開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。これらの横部材は、正中線の向こう側のコンプライアンス部材を接続し、コンプライアンス部材の外向きの屈曲または湾曲に抵抗する力を提供することができる。代替的には、単一または複数の要素の構成要素が、バッキングまたは隆起に抵抗するために、説明された構成に追加することができる。
【0072】
付加的実施形態は、ストラップ/テザーが、茎、層、および/または横突起等の他の椎骨突起に結合することを想定する。例えば、骨粗しょう症または、広範囲の椎弓切除等の外科的介入によって棘突起が存在しないか、または不全である場合に、これらの構造に結合することが望ましい場合がある。より横方向、またはより前方方向に位置する他の椎骨突起に結合するステップは、デバイスが、屈曲および伸展に加えて、横方向の屈曲または軸回転等の移動を制限することをさらに可能にし得る。さらに、複数の移動分節に結合するステップ、またはそれらを架橋するステップは、椎骨の並進またはすべり症等の運動の付加的モードの制限を可能にし得る。構成のうちのいずれかは、例えば、2007年10月18日に出願された国際公開第PCT/US2007/081822号(代理人整理番号第026398−000140PC)において見られるような、経皮的で(percutaneous)最小侵襲性の手段、または経皮的で(transcutaneous)侵襲性のない手段を介して、容易に調節され得、その完全な開示は、例えば、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0073】
上記は、本発明の好ましい実施形態の完全な説明であるが、様々な代替、修正、および等価物が使用され得る。したがって、上記の説明は、付属の請求項によって定義される、本発明の範囲を限定するものと解釈されてはならない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎分節の移動を制御するデバイスであって、該デバイスは、
上棘突起および下棘突起に結合される拘束であって、該拘束は、該上棘突起の上面を捕捉するように構成される第1のストラップと、該下棘突起の下面を捕捉するように構成される第2のストラップとを含む、拘束と、
該第1のストラップに結合され、該上棘突起の下面を捕捉するように構成される第3のストラップと、
該第2のストラップに結合され、該下棘突起の上面を捕捉するように構成される第4のストラップと、
第1の端部と該第1の端部の反対側の第2の端部とを有する第1のコンプライアンス部材であって、該第1の端部は、該第1および第3のストラップに接続され、該第2の端部は、該第2および第4のストラップに接続され、該コンプライアンス部材とストラップとの構成は、該脊椎分節の伸展および屈曲に対する抵抗を提供する、第1のコンプライアンス部材と
を備える、デバイス。
【請求項2】
脊椎分節の移動を制御するデバイスであって、該デバイスは、
第1の端部と第2の端部とを有する第1のストラップであって、該第1のストラップは上棘突起を捕捉する第1のストラップと、
第1の端部と第2の端部とを有する第2のストラップであって、該第2のストラップは下棘突起を捕捉する第2のストラップと、
第1のコンプライアンス部材であって、該第1のストラップの該第1および第2の端部のうちの少なくとも1つに接続される第1の端部と、該第2のストラップの該第1および第2の端部のうちの少なくとも1つに接続される該第1の端部の反対側の第2の端部とを有する第1のコンプライアンス部材と
を備え、該第1および第2のストラップは、実質的に伸展不可能であり、該第1のコンプライアンス部材とストラップとの構成は、該脊椎分節の伸展および屈曲に対する抵抗を提供する、デバイス。
【請求項3】
第2のコンプライアンス部材をさらに備え、該第2のコンプライアンス部材は、第1の端部と、該第1の端部の反対側の第2の端部とを有し、脊椎分節の正中線を横切って前記第1のコンプライアンス部材の反対側に位置し、
前記第1のストラップは、該第2のコンプライアンス部材の該第1の端部に結合され、前記第2のストラップは、該第2のコンプライアンス部材の該第2の端部に結合される、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第2のコンプライアンス部材は、前記第1のコンプライアンス部材と実質的に平行に位置している、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記コンプライアンス部材は、バネを含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項6】
前記デバイスは、前記棘突起の周りを締め付けることを可能にするように調節可能である機構を有する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ストラップは、綱、ハーネス、リード、ブレイズ、編紐、コード、ベルト、織物、ストリップ、タイ、およびバンドから成る群より選択される、請求項2に記載のデバイス。
【請求項8】
棘間靭帯の自然の生体構造は、前記デバイスの埋め込み後において実質的に無傷のままである、請求項2に記載のデバイス。
【請求項9】
脊椎分節の移動を制限する方法であって、該方法は、
拘束を埋め込むことであって、該拘束は、第1の調節可能なストラップと第2の調節可能なストラップとを有し、各ストラップは、少なくとも1つのコンプライアンス部材に結合されている、ことと、
該第1の調節可能なストラップによって上棘突起を捕捉することと、
該第2の調節可能なストラップによって下棘突起を捕捉することと、
該ストラップを調節することであって、該コンプライアンス部材とストラップとは、該脊椎分節の伸展および屈曲に抵抗する力を提供する、ことと
を含む、方法。
【請求項10】
前記ストラップによって前記棘突起を捕捉することは、棘間靭帯の除去を必要としない、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の調節可能なストラップは、第1のループを形成し、前記上棘突起は、それによって捕捉され、該第1のループは、上区画および下区画を備え、
前記第2の調節可能なストラップは、第2のループを形成し、前記下棘突起は、それによって捕捉され、該第2のループは、上区画および下区画を備える、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
捕捉することは、前記第1のストラップによって前記上棘突起を包囲することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
捕捉することは、前記第2のストラップによって前記下棘突起を包囲することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記ストラップを調節することは、該ストラップの長さを調節することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記ストラップを調節することは、該ストラップの張力を調節することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
脊椎分節の移動を制限するデバイスであって、
上ループと下ループとを有する拘束であって、該上ループは、上棘突起を捕捉し、該下ループは、下棘突起を捕捉する、拘束と、
第1と第2の端部とを有する第1のコンプライアンス部材であって、該第2の端部は、該第1の端部の反対側にあり、該第1の端部は、該上ループに接続され、該第2の端部は、該下ループに接続される、第1のコンプライアンス部材と
を備え、該コンプライアンス部材と該ループとの構成は、第1の力および第2の力を提供し、両方の力は、該脊椎分節の移動に抵抗し、該第1の力は、それの屈曲に抵抗し、該第2の力は、それの伸展に抵抗する、デバイス。
【請求項17】
前記上および下ループに結合される第2のコンプライアンス部材をさらに備え、
該コンプライアンス部材とループとの構成は、第1の力および第2の力を提供し、両方の力は、前記脊椎分節の移動に抵抗し、該第1の力は、それの屈曲に抵抗し、該第2の力は、それの伸展に抵抗する、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記コンプライアンス部材は、それに横方向の安定化を提供する横部材に機械的に結合される、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記第2のコンプライアンス部材は、前記脊椎分節の正中線の向こう側に位置している、請求項17に記載のデバイス。
【請求項20】
前記第2のコンプライアンス部材は、前記第1のコンプライアンス部材と実質的に平行に位置している、請求項17に記載のデバイス。
【請求項21】
前記第1のコンプライアンス部材は、バネを含む、請求項16に記載のデバイス。
【請求項22】
前記屈曲に抵抗する力は、前記第1のコンプライアンス部材が伸張させられるときに生じる、請求項16に記載のデバイス。
【請求項23】
前記伸展に抵抗する力は、前記第1のコンプライアンス部材が圧縮されるときに生じる、請求項16に記載のデバイス。
【請求項24】
伸展に抵抗する前記力は、前記第1のコンプライアンス部材が完全に圧縮されるときに生じる、請求項16に記載のデバイス。
【請求項25】
前記伸展に抵抗する力は、前記第1のコンプライアンス部材が少なくとも部分的に圧縮されるときに生じる、請求項16に記載のデバイス。
【請求項26】
前記上および下ループは、実質的に伸展不可能である、請求項16に記載のデバイス。
【請求項27】
前記上および下ループは、布地を含む、請求項16に記載のデバイス。
【請求項28】
前記拘束は、綱、ハーネス、リード、ブレイズ、編紐、コード、ベルト、織物、ストリップ、タイ、およびバンドから成る群より選択される、請求項16に記載のデバイス。
【請求項29】
少なくとも1つの棘突起は、前記上棘突起と前記下棘突起との間に配置される、請求項16に記載のデバイス。
【請求項30】
前記上ループに結合される第1の締結具をさらに備える、請求項16に記載のデバイス。
【請求項31】
前記下ループに結合される第2の締結具をさらに備える、請求項16に記載のデバイス。
【請求項32】
脊椎分節の移動を制限するデバイスであって、該デバイスは、
上部と下部ストラップとを有する第1のテザーであって、該上部ストラップは、上棘突起の上面の周辺に配置され、該下部ストラップは、該上棘突起の下面の周辺に配置される、第1のテザーと、
第1の端部と第2の端部とを有するコンプライアンス部材であって、該第2の端部は、該第1の端部の反対側にあり、該第1の端部は、該第1のテザーと結合される、コンプライアンス部材と、
上部と下部ストラップとを有する第2のテザーであって、該上部ストラップは、下棘突起の上面の周辺に配置され、該下部ストラップは、該下棘突起の下面の周辺に配置される、第2のテザーと
を備え、該第2のテザーは、該コンプライアンス部材の該第2の端部と結合され、該コンプライアンス部材とテザーとの構成は、第1の力および第2の力を提供し、両方の力は、該脊椎分節の移動に抵抗し、該第1の力は、それの屈曲に抵抗し、該第2の力は、それの伸展に抵抗する、デバイス。
【請求項33】
前記第1のテザーの前記上部ストラップの長さを変化させること、または前記第2のテザーの前記下部ストラップの長さを変化させることは、前記屈曲に対する抵抗を調節する、請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
前記コンプライアンス部材の剛性を変化させることは、前記屈曲または伸展に対する抵抗を変化させる、請求項32に記載のデバイス。
【請求項35】
前記第1のテザーの前記下部ストラップの長さを変化させること、または前記第2のテザーの前記上部ストラップの長さを変化させることは、前記伸展に対する抵抗を調節する、請求項32に記載のデバイス。
【請求項36】
前記第1のテザーの前記上部ストラップの張力を変化させること、または前記第2のテザーの前記下部ストラップの張力を変化させることは、前記屈曲に対する抵抗を調節する、請求項32に記載のデバイス。
【請求項37】
前記第1のテザーの前記下部ストラップの張力を変化させること、または前記第2のテザーの前記上部ストラップの張力を変化させることは、前記伸展に対する抵抗を調節する、請求項32に記載のデバイス。
【請求項38】
第2のコンプライアンス部材をさらに備え、該第2のコンプライアンス部材は、第1の端部と第2の端部とを有し、該第2の端部は、該第1の端部の反対側にあり、該第1の端部は、前記第1のテザーに結合され、該第2の端部は、前記第2のテザーに結合され、該コンプライアンス部材とテザーとの構成は、第1の力および第2の力を提供し、両方は、前記脊椎分節の移動に抵抗し、該第1の力は、それの屈曲に抵抗し、該第2の力は、それの伸展に抵抗する、請求項32に記載のデバイス。
【請求項39】
前記第2のコンプライアンス部材は、前記脊椎分節の前記正中線の向こう側に位置している、請求項38に記載のデバイス。
【請求項40】
前記第2のコンプライアンス部材は、前記第1のコンプライアンス部材と実質的に平行に位置している、請求項38に記載のデバイス。
【請求項41】
前記コンプライアンス部材は、バネを含む、請求項32に記載のデバイス。
【請求項42】
前記屈曲に抵抗する力は、コンプライアンス部材が伸張されるときに生じる、請求項32に記載のデバイス。
【請求項43】
前記伸展に抵抗する力は、前記コンプライアンス部材が圧縮されるときに生じる、請求項32に記載のデバイス。
【請求項44】
前記伸展に抵抗する力は、前記コンプライアンス部材が完全に圧縮されるときに生じる、請求項32に記載のデバイス。
【請求項45】
前記第1および第2のテザーは、実質的に伸展不可能である、請求項32に記載のデバイス。
【請求項46】
前記テザーのうちの1つは、布地である区画を備える、請求項32に記載のデバイス。
【請求項47】
前記テザーのうちの1つは、綱、ハーネス、リード、ブレイズ、編紐、コード、ベルト、ストリップ、タイ、織物、およびバンドから成る群より選択される、請求項32に記載のデバイス。
【請求項48】
少なくとも1つの棘突起が、前記上棘突起と前記下棘突起との間に配置される、請求項32に記載のデバイス。
【請求項49】
脊椎分節の移動を制限するデバイスであって、
上部と下部ストラップとを有する第1のテザーであって、該上部ストラップは、上棘突起の上面の周辺に配置され、該下部ストラップは、該上棘突起の下面の周辺に配置されている、第1のテザーと、
第1の端部と第2の端部とを有するコンプライアンス部材であって、該第1の端部は、該第1のテザーに結合される、コンプライアンス部材と、
仙骨に結合される第2のテザーと
を備え、該第2のテザーは、該コンプライアンス部材の該第2の端部と結合され、該コンプライアンス部材とストラップとテザーとの構成は、第1の力および第2の力を提供し、両方は、該脊椎分節の移動に抵抗し、該第1の力は、それの屈曲に抵抗し、該第2の力は、それの伸展に抵抗する、デバイス。
【請求項50】
脊椎分節の移動を制限する方法であって、
テザーと、それと結合されるコンプライアンス部材とを有する拘束デバイスを提供することと、
該コンプライアンス部材とテザーとの構成が、該脊椎分節の屈曲に抵抗する力、およびそれの伸展に抵抗する力を提供するように、該テザーを上棘突起および下棘突起または仙骨に結合することと
を含む、方法。
【請求項51】
前記テザーを結合することは、該テザーによって前記上棘突起または下棘突起を包囲することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記拘束デバイスは、第2のコンプライアンス部材をさらに備え、該第2のコンプライアンス部材とテザーとの構成は、前記脊椎分節の屈曲に抵抗する力、およびそれの伸展に抵抗する力を提供する、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記拘束デバイスの長さまたは張力を調節することをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記テザー構造を結合することは、棘間靭帯を穿刺し、該テザーにそれを通過させることを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項55】
前記方法は、標的寸法へと前記テザーを締結することをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項56】
脊椎分節の移動を制限するデバイスであって、該デバイスは、
上ループと下ループとを有する動的拘束であって、該上ループは、上棘突起を捕捉し、該下ループは、下棘突起を捕捉する、動的拘束と、
第1と第2の端部とを有するコンプライアンス部材であって、該第2の端部は、該第1の端部の反対側にあり、該第1の端部は、該上ループに接続され、該第2の端部は、該下ループに接続される、コンプライアンス部材と
を備え、該コンプライアンス部材とループとの構成は、該脊椎分節の伸展に抵抗する力を提供する、デバイス。
【請求項57】
前記上ループまたは前記下ループは、棘突起を包囲する、請求項56に記載のデバイス。
【請求項58】
前記コンプライアンス部材は、ねじりバネを含む、請求項56に記載のデバイス。
【請求項59】
脊椎分節の伸展を制御するデバイスであって、該デバイスは、
上棘突起および下棘突起に結合される拘束と、
該上棘突起の下面に結合される第1のストラップと、
該下棘突起の上面に結合される第2のストラップと、
第1の端部と該第1の端部の反対側の第2の端部とを有する第1のコンプライアンス部材であって、該第1の端部は、該第1のストラップの第1の端部に接続され、該第2の端部は、該第2のストラップの第1の端部に接続される、第1のコンプライアンス部材と、
第1の端部と該第1の端部の反対側の第2の端部とを有する、該脊椎分節の正中線の向こう側に位置する第2のコンプライアンス部材であって、該第1の端部は、該第1のストラップの該第2の端部に接続され、該第2の端部は、該第2のストラップの該第2の端部に接続される、第2のコンプライアンス部材と
を備え、該コンプライアンス部材とストラップとの構成は、該脊椎分節の伸展に抵抗する力を提供する、デバイス。
【請求項1】
脊椎分節の移動を制御するデバイスであって、該デバイスは、
上棘突起および下棘突起に結合される拘束であって、該拘束は、該上棘突起の上面を捕捉するように構成される第1のストラップと、該下棘突起の下面を捕捉するように構成される第2のストラップとを含む、拘束と、
該第1のストラップに結合され、該上棘突起の下面を捕捉するように構成される第3のストラップと、
該第2のストラップに結合され、該下棘突起の上面を捕捉するように構成される第4のストラップと、
第1の端部と該第1の端部の反対側の第2の端部とを有する第1のコンプライアンス部材であって、該第1の端部は、該第1および第3のストラップに接続され、該第2の端部は、該第2および第4のストラップに接続され、該コンプライアンス部材とストラップとの構成は、該脊椎分節の伸展および屈曲に対する抵抗を提供する、第1のコンプライアンス部材と
を備える、デバイス。
【請求項2】
脊椎分節の移動を制御するデバイスであって、該デバイスは、
第1の端部と第2の端部とを有する第1のストラップであって、該第1のストラップは上棘突起を捕捉する第1のストラップと、
第1の端部と第2の端部とを有する第2のストラップであって、該第2のストラップは下棘突起を捕捉する第2のストラップと、
第1のコンプライアンス部材であって、該第1のストラップの該第1および第2の端部のうちの少なくとも1つに接続される第1の端部と、該第2のストラップの該第1および第2の端部のうちの少なくとも1つに接続される該第1の端部の反対側の第2の端部とを有する第1のコンプライアンス部材と
を備え、該第1および第2のストラップは、実質的に伸展不可能であり、該第1のコンプライアンス部材とストラップとの構成は、該脊椎分節の伸展および屈曲に対する抵抗を提供する、デバイス。
【請求項3】
第2のコンプライアンス部材をさらに備え、該第2のコンプライアンス部材は、第1の端部と、該第1の端部の反対側の第2の端部とを有し、脊椎分節の正中線を横切って前記第1のコンプライアンス部材の反対側に位置し、
前記第1のストラップは、該第2のコンプライアンス部材の該第1の端部に結合され、前記第2のストラップは、該第2のコンプライアンス部材の該第2の端部に結合される、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第2のコンプライアンス部材は、前記第1のコンプライアンス部材と実質的に平行に位置している、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記コンプライアンス部材は、バネを含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項6】
前記デバイスは、前記棘突起の周りを締め付けることを可能にするように調節可能である機構を有する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項7】
前記ストラップは、綱、ハーネス、リード、ブレイズ、編紐、コード、ベルト、織物、ストリップ、タイ、およびバンドから成る群より選択される、請求項2に記載のデバイス。
【請求項8】
棘間靭帯の自然の生体構造は、前記デバイスの埋め込み後において実質的に無傷のままである、請求項2に記載のデバイス。
【請求項9】
脊椎分節の移動を制限する方法であって、該方法は、
拘束を埋め込むことであって、該拘束は、第1の調節可能なストラップと第2の調節可能なストラップとを有し、各ストラップは、少なくとも1つのコンプライアンス部材に結合されている、ことと、
該第1の調節可能なストラップによって上棘突起を捕捉することと、
該第2の調節可能なストラップによって下棘突起を捕捉することと、
該ストラップを調節することであって、該コンプライアンス部材とストラップとは、該脊椎分節の伸展および屈曲に抵抗する力を提供する、ことと
を含む、方法。
【請求項10】
前記ストラップによって前記棘突起を捕捉することは、棘間靭帯の除去を必要としない、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の調節可能なストラップは、第1のループを形成し、前記上棘突起は、それによって捕捉され、該第1のループは、上区画および下区画を備え、
前記第2の調節可能なストラップは、第2のループを形成し、前記下棘突起は、それによって捕捉され、該第2のループは、上区画および下区画を備える、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
捕捉することは、前記第1のストラップによって前記上棘突起を包囲することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
捕捉することは、前記第2のストラップによって前記下棘突起を包囲することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記ストラップを調節することは、該ストラップの長さを調節することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記ストラップを調節することは、該ストラップの張力を調節することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
脊椎分節の移動を制限するデバイスであって、
上ループと下ループとを有する拘束であって、該上ループは、上棘突起を捕捉し、該下ループは、下棘突起を捕捉する、拘束と、
第1と第2の端部とを有する第1のコンプライアンス部材であって、該第2の端部は、該第1の端部の反対側にあり、該第1の端部は、該上ループに接続され、該第2の端部は、該下ループに接続される、第1のコンプライアンス部材と
を備え、該コンプライアンス部材と該ループとの構成は、第1の力および第2の力を提供し、両方の力は、該脊椎分節の移動に抵抗し、該第1の力は、それの屈曲に抵抗し、該第2の力は、それの伸展に抵抗する、デバイス。
【請求項17】
前記上および下ループに結合される第2のコンプライアンス部材をさらに備え、
該コンプライアンス部材とループとの構成は、第1の力および第2の力を提供し、両方の力は、前記脊椎分節の移動に抵抗し、該第1の力は、それの屈曲に抵抗し、該第2の力は、それの伸展に抵抗する、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記コンプライアンス部材は、それに横方向の安定化を提供する横部材に機械的に結合される、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記第2のコンプライアンス部材は、前記脊椎分節の正中線の向こう側に位置している、請求項17に記載のデバイス。
【請求項20】
前記第2のコンプライアンス部材は、前記第1のコンプライアンス部材と実質的に平行に位置している、請求項17に記載のデバイス。
【請求項21】
前記第1のコンプライアンス部材は、バネを含む、請求項16に記載のデバイス。
【請求項22】
前記屈曲に抵抗する力は、前記第1のコンプライアンス部材が伸張させられるときに生じる、請求項16に記載のデバイス。
【請求項23】
前記伸展に抵抗する力は、前記第1のコンプライアンス部材が圧縮されるときに生じる、請求項16に記載のデバイス。
【請求項24】
伸展に抵抗する前記力は、前記第1のコンプライアンス部材が完全に圧縮されるときに生じる、請求項16に記載のデバイス。
【請求項25】
前記伸展に抵抗する力は、前記第1のコンプライアンス部材が少なくとも部分的に圧縮されるときに生じる、請求項16に記載のデバイス。
【請求項26】
前記上および下ループは、実質的に伸展不可能である、請求項16に記載のデバイス。
【請求項27】
前記上および下ループは、布地を含む、請求項16に記載のデバイス。
【請求項28】
前記拘束は、綱、ハーネス、リード、ブレイズ、編紐、コード、ベルト、織物、ストリップ、タイ、およびバンドから成る群より選択される、請求項16に記載のデバイス。
【請求項29】
少なくとも1つの棘突起は、前記上棘突起と前記下棘突起との間に配置される、請求項16に記載のデバイス。
【請求項30】
前記上ループに結合される第1の締結具をさらに備える、請求項16に記載のデバイス。
【請求項31】
前記下ループに結合される第2の締結具をさらに備える、請求項16に記載のデバイス。
【請求項32】
脊椎分節の移動を制限するデバイスであって、該デバイスは、
上部と下部ストラップとを有する第1のテザーであって、該上部ストラップは、上棘突起の上面の周辺に配置され、該下部ストラップは、該上棘突起の下面の周辺に配置される、第1のテザーと、
第1の端部と第2の端部とを有するコンプライアンス部材であって、該第2の端部は、該第1の端部の反対側にあり、該第1の端部は、該第1のテザーと結合される、コンプライアンス部材と、
上部と下部ストラップとを有する第2のテザーであって、該上部ストラップは、下棘突起の上面の周辺に配置され、該下部ストラップは、該下棘突起の下面の周辺に配置される、第2のテザーと
を備え、該第2のテザーは、該コンプライアンス部材の該第2の端部と結合され、該コンプライアンス部材とテザーとの構成は、第1の力および第2の力を提供し、両方の力は、該脊椎分節の移動に抵抗し、該第1の力は、それの屈曲に抵抗し、該第2の力は、それの伸展に抵抗する、デバイス。
【請求項33】
前記第1のテザーの前記上部ストラップの長さを変化させること、または前記第2のテザーの前記下部ストラップの長さを変化させることは、前記屈曲に対する抵抗を調節する、請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
前記コンプライアンス部材の剛性を変化させることは、前記屈曲または伸展に対する抵抗を変化させる、請求項32に記載のデバイス。
【請求項35】
前記第1のテザーの前記下部ストラップの長さを変化させること、または前記第2のテザーの前記上部ストラップの長さを変化させることは、前記伸展に対する抵抗を調節する、請求項32に記載のデバイス。
【請求項36】
前記第1のテザーの前記上部ストラップの張力を変化させること、または前記第2のテザーの前記下部ストラップの張力を変化させることは、前記屈曲に対する抵抗を調節する、請求項32に記載のデバイス。
【請求項37】
前記第1のテザーの前記下部ストラップの張力を変化させること、または前記第2のテザーの前記上部ストラップの張力を変化させることは、前記伸展に対する抵抗を調節する、請求項32に記載のデバイス。
【請求項38】
第2のコンプライアンス部材をさらに備え、該第2のコンプライアンス部材は、第1の端部と第2の端部とを有し、該第2の端部は、該第1の端部の反対側にあり、該第1の端部は、前記第1のテザーに結合され、該第2の端部は、前記第2のテザーに結合され、該コンプライアンス部材とテザーとの構成は、第1の力および第2の力を提供し、両方は、前記脊椎分節の移動に抵抗し、該第1の力は、それの屈曲に抵抗し、該第2の力は、それの伸展に抵抗する、請求項32に記載のデバイス。
【請求項39】
前記第2のコンプライアンス部材は、前記脊椎分節の前記正中線の向こう側に位置している、請求項38に記載のデバイス。
【請求項40】
前記第2のコンプライアンス部材は、前記第1のコンプライアンス部材と実質的に平行に位置している、請求項38に記載のデバイス。
【請求項41】
前記コンプライアンス部材は、バネを含む、請求項32に記載のデバイス。
【請求項42】
前記屈曲に抵抗する力は、コンプライアンス部材が伸張されるときに生じる、請求項32に記載のデバイス。
【請求項43】
前記伸展に抵抗する力は、前記コンプライアンス部材が圧縮されるときに生じる、請求項32に記載のデバイス。
【請求項44】
前記伸展に抵抗する力は、前記コンプライアンス部材が完全に圧縮されるときに生じる、請求項32に記載のデバイス。
【請求項45】
前記第1および第2のテザーは、実質的に伸展不可能である、請求項32に記載のデバイス。
【請求項46】
前記テザーのうちの1つは、布地である区画を備える、請求項32に記載のデバイス。
【請求項47】
前記テザーのうちの1つは、綱、ハーネス、リード、ブレイズ、編紐、コード、ベルト、ストリップ、タイ、織物、およびバンドから成る群より選択される、請求項32に記載のデバイス。
【請求項48】
少なくとも1つの棘突起が、前記上棘突起と前記下棘突起との間に配置される、請求項32に記載のデバイス。
【請求項49】
脊椎分節の移動を制限するデバイスであって、
上部と下部ストラップとを有する第1のテザーであって、該上部ストラップは、上棘突起の上面の周辺に配置され、該下部ストラップは、該上棘突起の下面の周辺に配置されている、第1のテザーと、
第1の端部と第2の端部とを有するコンプライアンス部材であって、該第1の端部は、該第1のテザーに結合される、コンプライアンス部材と、
仙骨に結合される第2のテザーと
を備え、該第2のテザーは、該コンプライアンス部材の該第2の端部と結合され、該コンプライアンス部材とストラップとテザーとの構成は、第1の力および第2の力を提供し、両方は、該脊椎分節の移動に抵抗し、該第1の力は、それの屈曲に抵抗し、該第2の力は、それの伸展に抵抗する、デバイス。
【請求項50】
脊椎分節の移動を制限する方法であって、
テザーと、それと結合されるコンプライアンス部材とを有する拘束デバイスを提供することと、
該コンプライアンス部材とテザーとの構成が、該脊椎分節の屈曲に抵抗する力、およびそれの伸展に抵抗する力を提供するように、該テザーを上棘突起および下棘突起または仙骨に結合することと
を含む、方法。
【請求項51】
前記テザーを結合することは、該テザーによって前記上棘突起または下棘突起を包囲することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記拘束デバイスは、第2のコンプライアンス部材をさらに備え、該第2のコンプライアンス部材とテザーとの構成は、前記脊椎分節の屈曲に抵抗する力、およびそれの伸展に抵抗する力を提供する、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記拘束デバイスの長さまたは張力を調節することをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記テザー構造を結合することは、棘間靭帯を穿刺し、該テザーにそれを通過させることを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項55】
前記方法は、標的寸法へと前記テザーを締結することをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項56】
脊椎分節の移動を制限するデバイスであって、該デバイスは、
上ループと下ループとを有する動的拘束であって、該上ループは、上棘突起を捕捉し、該下ループは、下棘突起を捕捉する、動的拘束と、
第1と第2の端部とを有するコンプライアンス部材であって、該第2の端部は、該第1の端部の反対側にあり、該第1の端部は、該上ループに接続され、該第2の端部は、該下ループに接続される、コンプライアンス部材と
を備え、該コンプライアンス部材とループとの構成は、該脊椎分節の伸展に抵抗する力を提供する、デバイス。
【請求項57】
前記上ループまたは前記下ループは、棘突起を包囲する、請求項56に記載のデバイス。
【請求項58】
前記コンプライアンス部材は、ねじりバネを含む、請求項56に記載のデバイス。
【請求項59】
脊椎分節の伸展を制御するデバイスであって、該デバイスは、
上棘突起および下棘突起に結合される拘束と、
該上棘突起の下面に結合される第1のストラップと、
該下棘突起の上面に結合される第2のストラップと、
第1の端部と該第1の端部の反対側の第2の端部とを有する第1のコンプライアンス部材であって、該第1の端部は、該第1のストラップの第1の端部に接続され、該第2の端部は、該第2のストラップの第1の端部に接続される、第1のコンプライアンス部材と、
第1の端部と該第1の端部の反対側の第2の端部とを有する、該脊椎分節の正中線の向こう側に位置する第2のコンプライアンス部材であって、該第1の端部は、該第1のストラップの該第2の端部に接続され、該第2の端部は、該第2のストラップの該第2の端部に接続される、第2のコンプライアンス部材と
を備え、該コンプライアンス部材とストラップとの構成は、該脊椎分節の伸展に抵抗する力を提供する、デバイス。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−509719(P2012−509719A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537702(P2011−537702)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/065658
【国際公開番号】WO2010/060072
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(509108906)シンピライカ スパイン, インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/065658
【国際公開番号】WO2010/060072
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(509108906)シンピライカ スパイン, インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】
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