脊椎安定化装置
【課題】改良された脊椎安定化装置の使用のための連結ユニットを提供する
【解決手段】脊椎安定化装置における使用のための連結ユニットは、第一の端部および第二の端部を有する長手軸方向部材200と、第一の端部と第二の端部との間に配置される可撓性部分を備え、可撓性部分は、そこに形成される少なくとも一つの溝202を有し、可撓性部分は、第一の端部および第二の端部のものとは異なる断面輪郭によって特徴付けられる。
【解決手段】脊椎安定化装置における使用のための連結ユニットは、第一の端部および第二の端部を有する長手軸方向部材200と、第一の端部と第二の端部との間に配置される可撓性部分を備え、可撓性部分は、そこに形成される少なくとも一つの溝202を有し、可撓性部分は、第一の端部および第二の端部のものとは異なる断面輪郭によって特徴付けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、2004年12月10日に出願の名称が「脊椎安定化装置」である米国特許出願11/009,097号の一部継続出願に関し、その米国特許出願11/009,097号は、2004年3月10日に出願の米国特許出願10/798,014号の一部継続出願であり、その米国特許出願10/798,014号は、2003年12月5日に出願の米国特許出願10/728,566号の一部継続出願であり、その米国特許出願10/728,566号は、2003年9月24日に出願の名称が「動的脊椎固定装置」である韓国特許出願2003-0066108号のU.S.C.§119(a)で優先権の利
益を請求する。上述の各出願の全ては、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の背景)
(発明の技術分野)
本発明は、脊柱を安定させるための方法およびシステムに関し、より具体的には、一つ以上のネジ式固定部材が患者の脊柱部位に移植および固定され、さまざまな断面の可撓性で半剛性の棒状または板状の構造(以下、それぞれ「棒」または「板」という)を有する長手軸方向部材が、固定部材の上端に連結および固定されることにより脊柱の安定化を提供する、脊椎固定の方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の説明)
椎間板変性疾患(DDD)、脊椎狭窄症、脊椎すべり症などの脊柱変性疾患は、保存療法で改善しない場合に外科手術が必要になる。一般的に、最初に行う外科的処置は、脊椎除圧術である。その除圧の主な目的は、脊柱のある組織を摘出することにより脊柱管およびその神経根への圧力を軽減し、その圧力により生じる圧力や痛みを軽減または解消することにある。脊柱の組織が摘出されると痛みは軽減されるが、脊柱の機能は弱くなる。よって、除圧処置後に脊椎を安定させるために、癒合手術(例えば、ALIF、PLIF、または後側方固定術)が必要になる場合が多い。しかしながら、外科的処置後、癒合によって最大の安定性を得るまでには時間をさらに要するので、脊椎固定装置は、一般的に、所望のレベルの癒合が達成されるまで脊柱を支持するために使用される。患者特有の事情や病状により、癒合処置を行わずに、脊椎固定術が除圧の直後に行われる場合がある。固定手術は、手術の直後に安定性を提供するため多くの症例において行われ、癒合手術が行われた場合も、十分な癒合と安定性が得られるまで脊椎を支える。
【0004】
脊椎固定の従来の方法では、損傷した脊椎部位を支持し、損傷部位の運動を防ぐために、剛性の脊椎固定装置が利用される。このような従来の脊椎固定装置には 椎弓根また
は背骨の仙骨に所定の深さや角度で挿入されるように設計される固定ネジ、損傷した脊椎部位に隣接して配置されるように設計される棒または板、および損傷した脊椎部位を比較的固定した位置で棒または板が支持および保持するように、棒または板を固定ネジに連結および結合するための結合要素が備えられる。
【0005】
特許文献1は従来の脊椎固定装置を開示し、その開示において、棒または板状の連結部材は、椎弓根または背骨の仙骨に挿入される少なくとも一つ以上のネジの上端に装着される。棒や板などの連結ユニットは、除圧により弱くなった脊柱の損傷部位を安定させるために使用される。また、連結ユニットにより、脊柱の運動を大幅に抑制し、患者へのさらなる疼痛や損傷を防ぐ。しかしながら、連結ユニットは、長期間使用していると通常の脊柱の運動を防ぐため、脊椎固定装置は、脊柱に関連する合併症および異常をさらにもたらす「関節症候群」(通過症候群)や「癒合症」などの悪影響を及ぼすことがある。特に、従来の固定装置に使用される棒または板の高い剛性が原因で、手術後に患者の固定された関節が自由に動かず、手術部位の上下に位置する脊椎の関節の動きが増加する。したがって、このような脊椎固定装置により、患者の可動性は低下し、手術部位に隣接する脊柱の関節に対する圧迫や不安定性は増大する。
【0006】
脊椎固定が過度に剛性であると、剛性の固定により荷重の遮蔽が生じるため、癒合処置には有用でないこと報告されている。したがって、荷重を分散する半剛性の固定装置を使用する試験が、このような問題を排除し、骨の癒合処置を補助するために行われている。例えば、特許文献2、特許文献3、および特許文献4は、可撓性のある設計を有し、骨の癒合を促進するために軸方向の荷重移動(すなわち、脊椎の垂直軸に沿って)を可能にする動的脊椎固定装置を開示する。しかしながら、このような装置は、骨の癒合処置後の使用を対象とするため、癒合を行わない脊椎固定には適していない。よって、最終結果として、このような装置は、癒合により生じる剛性の固定の問題を解決しない。
【0007】
剛性の固定に関連する上記の問題を解決するために、非癒合技術が成長してきている。Grafバンドは、非癒着固定装置の一例であり、骨を癒着せず除圧後に適用される。Grafバンドは、ポリエチレンのバンドと、そのポリエチレンバンドを、安定性を必要とする脊椎に連結するための椎弓根スクリューにより構成される。Grafバンドの主な目的は、損傷した脊椎部位の矢状回転(屈曲による不安定性)を防ぐことにある。よって、特定の症例には効果的であるが、さらなる安定性および固定を必要とする症例には適切ではない。非特許文献1、非特許文献2)を参照。「Dynesys」という別の非癒着固定装置は、最近導入された。非特許文献3、非特許文献4を参照。Dynesys装置はGrafと似ているが、Dynesys装置は、スクリューの間にポリカルブレチレン(polycarburethane)のスペーサを使用し、二つの対応する椎弓根スクリューの先端の間に距離を保つことで、スクリューが固定される隣接する椎体との距離を保つ。Dynesys装置の発明者による初期段階の報告によると、多くの症例においてその装置は成功している。しかしながら、Dynesys装置が、可撓性および耐久性だけでなく長期にわたって安定性を保持できるか否かについてはまだ比較試験で判定されていない。その装置はポリエチレンの構成要素および界面を有するため機械的故障のリスクを負う。さらに、装置の機械的設計により、装置を脊柱に取り付けるために必要な外科技術は、手間が掛かり複雑である。
【0008】
特許文献5および特許文献6は、プラスチック製で非金属製の棒を使用した可撓性の脊椎固定システムおよび方法を開示する。特許文献7は、可撓性の細長い部材を使用する可撓性脊椎固定装置の別の例を開示する。このような装置は可撓性であるが、持続的な軸方向の負荷や圧迫に耐えるのには適していない。さらに、所望の可撓性と剛性の度合いは、患者によって変化する可能性がある。既存の可撓性の固定装置の設計は、各対象者にとって最善の結果をもたらす可撓性のレベルを変更するようには適していない。例えば、特許文献8は、金属合金および/または複合材料から成る可撓性の棒を利用する可撓性の固定装置を開示する。さらに、椎体に所望の方向に非回転力を提供するために、圧縮バネまたは引っ張りコイルバネが棒の周りに巻かれる。しかしながら、この特許は、主に、脊椎の「(前記)垂直軸に沿った相対縦移動摺動運動」を可能にする脊椎固定装置を提供することに関係しており、さまざまな可撓性の特性を提供する連結ユニット(例えば、棒または板)の具体的な設計を解説または提案するものではない。特許文献8に記載の従来の可撓性の棒は、一般的に、所望のレベルの可撓性を提供するために、比較的小さな直径を備える固体構造を有する。それらは、適切な可撓性を提供するために非常に薄いため、このような従来技術の棒は、機械的故障を起こしやすく、患者へ移植後に破損することが知られている。
【0009】
したがって、従来の脊椎固定装置は、脊椎疾患治療に関連する問題に対して包括的で均衡のとれた解決を提供していない。従来の装置の多くが、特徴として過度に剛性であるため上記のような問題を引き起こし、一方、その他の装置はいくらか可撓性があるものの、可撓性の度合いを変更するにはうまく適応していない。ゆえに、所望の度合いの可撓性を脊柱の損傷部位に提供し、また、持続的な耐久性および一貫した安定性を脊柱に提供する、動的脊椎固定装置を改善する必要性がある。
【0010】
また、脊椎固定装置を脊柱に固定するための従来の外科手技において、医師は、背部の正中線を約10〜15cmまで切開し、それを解剖して両側に開創する。このようにして、医師は、筋肉解剖を行って、面関節の外側部分を露出する。次に、その解剖の後に、医師は、X線装置(例えば、Cアームフルオロスコピー)を使用して椎弓根への挿入点を検出し、脊椎固定装置の固定部材(以下、「椎弓根スクリュー」)を挿入する。その後、連結ユニット(例えば、棒または板)が、脊柱の損傷部位に支持と安定性を提供するために、椎弓根スクリューの上部に取り付けられる。よって、従来の脊椎固定処置では、患者の背部が約10〜15cm切開され、結果として脊柱を保持するために重要である背部筋肉が切開または損傷され、術後の疼痛および回復期間の遅れを患者にもたらす。
【0011】
最近、患者の外傷を軽減するために、外科的処置の部位の患者の背部に切開される比較的小さい穴または「窓」によって脊椎固定手術を実施することが可能である低侵襲的処置が普及している。内視鏡または顕微鏡を使用することで、低侵襲的手術は、患者の患部の切開をさらに小さくすることを可能にする。このようなより小さな切開を介して、脊椎固定装置の二つ以上の固定部材(例えば、椎弓根スクリュー)は、ナビゲーションシステムを使用してそれぞれの椎弓根部位にねじ込まれる。その後、固定装置の安定化部材(例えば、棒または板)を固定部材に連結するために特別な器具が使用される。あるいはまたはさらに、外科的処置には、段階的拡張器を切開部に挿入し、拡張の直径を徐々に増大させることも含む。その後、管状開創器が拡張された部位に挿入され、患者の筋肉を開創し、手術のための視野を提供する。この視野が確立されると、除圧および必要であれば癒合処置が実施されてもよく、その後に、固定処置が続き、その固定処置には、椎弓根位置を検出するステップ、椎弓根スクリューを椎弓根に挿入するステップ、内視鏡または顕微鏡を使用するステップ、および弱くなった脊柱を安定化よび支持するために、安定化部材(例えば、棒または板)を椎弓根スクリューに固定するステップを含む。
【0012】
低侵襲的脊椎固定処置を実施するうえで最も課題となる側面の一つは、内視鏡または顕微鏡による可視化により椎弓根スクリューの挿入点の位置決めをすることである。通常、解剖学的ランドマークおよび/またはX線装置は、挿入点を検出するために使用されるが、明確な解剖学的関係は、限定された作業領域のため特定することが難しい場合が多い。また、低侵襲的処置は、椎弓根スクリュー挿入部位の解剖を露呈するために摘出されなければならない多量の軟組織を必要とする。この軟組織の摘出は、患部における出血を引き起こし、その結果、固定部材を挿入するための正確な位置を検出するのがさらに難しくなり、手術部位周囲の筋肉および軟組織をさらに損傷する。その上、固定部材の挿入点の位置を正確に決定するのが難しいため、従来の処置は不必要に外傷をもたらす。
【0013】
X線技術が、固定部材が挿入される椎弓根の位置をより正確にかつ迅速に検出するために、提案および実施されている。しかしながら、X線技術を使用して、対応する椎弓根の位置を検出するために必要な鮮明な画像を得ることは、外科手術中に使用される金属製の器具や設備によるX線干渉が原因で、難しい場合が多い。さらに、X線画像を読み取り解釈することは、相当な訓練と専門知識を必要とする複雑な作業である。X線は、患者が大量の放射線にさらされるというさらなる問題を提起する。
【0014】
椎弓根の所望の挿入点へ椎弓根スクリューの挿入を誘導する、誘導システムがいくつか開発されているが、このような従来のシステムは、使用するのが難しいことが立証されており、さらに手術処置の妨げになる。例えば、椎弓根スクリューのための従来の誘導システムは、患者の背部の筋肉および組織に挿入される誘導管に挿入される長い線を利用する。誘導管の挿入場所は、X線手段(例えば、Cアームフルオロスコピー)で決定され、誘導管の第一の端部が、椎弓根の骨の表面の所望の位置に到達するまで作動する。その後、一般的に、生体適合性のある金属材料から成る誘導線の第一の端部が、誘導管に挿入され、椎弓根の骨まで差し込まれ、一方、線の反対側の端部は、患者の背部から突き出ている。誘導線が椎弓根の骨に固定されると、誘導管は摘出され、誘導線を中心とする穴は切開および開創される。最後に、誘導線を収容するように設計される軸方向の穴または溝を有する椎弓根スクリューが、誘導線により椎弓根の骨の所望の位置まで誘導され、そこで、椎弓根スクリューは、椎弓根にねじ込まれる。
【0015】
線による誘導システムの概念は優れているが、実際のところ誘導線は非常に使用しにくい。比較的長くて薄い線であるため、誘導線の構造的完全性は、線の一端を椎弓根の骨まで作動させようとするまでに機能しなくなる場合が多く、不必要に時間がかかり面倒である。さらに、線は、挿入中に屈曲および波形するので、その後の器具および椎弓根スクリューを椎弓根の挿入点に誘導するための円滑で安定した固定にはならない。さらに、現在の経皮的な線による誘導システムは、内視鏡または顕微鏡使用による直接可視化ではなく、Cアームフルオロスコピー(またはその他のX線装置)と併用して使用される。このようにして、現在の線による誘導システムは、誤った位置設定または椎弓根の破損に対する潜在的リスクをもたらす。最後に、線の一端が椎弓根スクリューの頭部および患者の背部から突き出ているので、この線は、脊椎固定手術に伴うさまざまなその後の処置を実施する際に外科医の動作自由を妨げる。したがって、内視鏡または顕微鏡の可視化のもとでの低侵襲的椎弓根スクリュー固定処置における使用に適応した、椎弓根に移植し易く、外科医による次の処置を妨げない、誘導システムの改善を提供する必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第6,193,720号明細書
【特許文献2】米国特許第5,672,175号明細書
【特許文献3】米国特許第5,540,668号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2001/0037111号明細書
【特許文献5】米国特許第5,282,863号明細書
【特許文献6】米国特許第4,748,260号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2003/0083657号明細書
【特許文献8】米国特許第5,672,175号明細書
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Kanayamaら、Journal of Neurosurgery 95(補遺1):2001年、p.5−10
【非特許文献2】MarkwalderおよびWenger、Acta Neurochrgica 145(3):p.209−14
【非特許文献3】Stollら、European Spine Journal 11 補遺2:2002年、p.S170−8
【非特許文献4】Schnroelzら、J.of Spinal Disorder&Teehniques、2003年、16(4):p.418−23
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上に説明したように、脊椎疾患を治療するために使用される既存の方法および装置は、大幅な改善を必要としている。最も従来的な脊椎固定装置は、極端に剛性および可撓性である。このように過度な剛性は、脊椎のさらなる異常および疾患に加え、かなりの不快感を患者にもたらす。既存の脊椎固定装置には、いくつかのレベルの可撓性を提供するものもあるが、これらの装置は、各特定の患者に対する所望のレベルの可撓性を提供するために、可撓性のレベルの変更が簡単に得られるように設計または製造されていない。さらに、可撓性の連結ユニット(例えば、棒または板)を有する従来技術の装置は、機械的故障に関してさらに高い危険性をもたらし、脊椎の持続的な耐久性および安定性を提供しない。さらに、脊椎固定処置を実施する既存の方法は、脊椎固定装置が固定される椎弓根または背骨の仙骨の正確な位置を検出するのが困難であるため、不必要に患者に外傷をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(発明の簡単な要旨)
本発明は、損傷または弱体化した脊柱を安定させるための改善された方法およびシステムを提供することによって、上記のおよびその他の必要性を解決する。
【0020】
従来の脊椎固定装置の欠陥を克服するために、一実施態様において、本発明の発明者は、耐久性があり、所望のレベルの可撓性および安定性を提供する改善された構成および設計を備える、新規の可撓性の脊椎固定装置を発明した。
【0021】
手術部位の周囲にある組織への損傷を最小限度に抑えるために、低侵襲的脊椎手術に必要な手術時間を削減するよう長期にわたって行われた研究の結果、別の実施態様において、本発明は、脊椎固定装置の固定部材が挿入される脊柱の位置を正確かつ迅速に検出する方法および装置を提供する。新規の誘導/マーキング装置が、固定部材が挿入される脊柱における位置を示すために使用される。
本願発明は例えば、以下を提供する。
(項目1)
脊椎安定化装置における使用のための連結ユニットであって、少なくとも三つの固定部材を使用して患者の脊椎に固定されるように設計される長手軸方向部材を備え、第一対の固定部材の間に配置されるように設計される上記長手軸方向部材の第一部分は、第二対の固定部材の間に配置されるように設計される上記長手軸方向部材の第二部分よりも、より高い可撓性を示す、連結ユニット。
(項目2)
上記長手軸方向部材は円筒型の棒の形状で設計される、項目1に記載の連結ユニット。
(項目3)
上記第一部分は、上記第一の部分に可撓性を提供するために上記第一部分に形成される少なくとも一つの溝を備える、項目1に記載の連結ユニット。
(項目4)
上記少なくとも一つの溝はらせん状の溝である、項目3に記載の連結ユニット。
(項目5)
上記少なくとも一つの溝は、上記溝の幅よりも大きい直径を有するひずみのがし穴で終了する、項目3に記載の連結ユニット。
(項目6)
上記長手軸方向部材は、金属、金属合金、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、熱可塑性物質、エラストマー、および複合材料で構成される既知で生物適合性の材料群から選択される材料を含む、項目1に記載の連結ユニット。
(項目7)
上記長手軸方向部材は中実の物体を備える、項目3に記載の連結ユニット。
(項目8)
上記長手軸方向部材は中空の物体を備える、項目3に記載の連結ユニット。
(項目9)
上記長手軸方向部材は、少なくとも部分的に第二の材料が埋められる第一の材料から成る中空の物体を備え、上記第二の材料は、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、エラストマー、および複合材料で構成される既知で生物適合性の材料群のうちの一つを備える、項目3に記載の連結ユニット。
(項目10)
脊椎安定化装置における使用のための連結ユニットであって、第一の端部および第二の端部、ならびに上記第一の端部と第二の端部との間に配置される可撓性部分を備える長手軸方向部材を備え、上記可撓性部分は、上記可撓性部分に形成される少なくとも一つの溝を有し、上記可撓性部分は上記第一の端部および第二の端部のものとは違う断面輪郭で特徴付けられる、連結ユニット。
(項目11)
上記長手軸方向部材は、円筒型の棒の形状で設計される、項目10に記載の連結ユニット。
(項目12)
上記可撓性部分の断面輪郭は、上記第一の端部または第二の端部のうちの少なくとも一つの断面輪郭よりも小さいため、上記可撓性部分に増大した可撓性を提供する、項目10に記載の連結ユニット。
(項目13)
上記可撓性部分の上記断面輪郭は、上記第一の端部または第二の端部のうちの少なくとも一つの断面輪郭よりも大きい、項目10に記載の連結ユニット。
(項目14)
上記可撓性部分の上記断面輪郭は、上記可撓性部分の断面輪郭が、上記可撓性部分の中央部分付近で最小となり、上記可撓性部分と対向する第一の端部および第二の端部の間の対向する移行部分で最大になるように、上記可撓性部分の長手軸方向軸に沿って徐々に細くなる、項目10に記載の連結ユニット。
(項目15)
上記長手軸方向部材は、金属、金属合金、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、熱可塑性物質、エラストマー、および複合材料で構成される既知で生物適合性の材料群から選択される第一の材料を含む、項目10に記載の連結ユニット。
(項目16)
上記可撓性部分は、第二の材料で埋められる第一の材料から成る中空の物体を備え、上記第二の材料は、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、エラストマー、および複合材料で構成される既知で生物適合性の材料群のうちの一つを備える、項目10に記載の連結ユニット。
(項目17)
上記第二の材料は、付与される荷重による上記可撓性部分の圧縮性を減少させる、項目16に記載の連結ユニット。
(項目18)
上記第二の材料は、上記第一の材料よりさらに可撓性であり、所定の偏向のための上記可撓性部分のエネルギー吸収を増加させる、項目16に記載の連結ユニット。
(項目19)
上記第二の材料は、上記第一の材料とは異なる可撓性を有し、上記第二の材料の断面は、異なる曲げ方向において異なる可撓性を提供するために、長手軸方向部材の軸に沿って不均一に分布する、項目16に記載の連結ユニット。
(項目20)
脊椎安定化装置における使用のための連結ユニットであって、長手軸方向軸と、それぞれの固定部材を使用して患者の脊椎に固定されるように設計される第一の端部および第二の端部と、上記第一の端部と第二の端部との間の可撓性部分とを有する長手軸方向部材を備え、上記可撓性部分は、上記可撓性部分に形成される少なくとも一つの溝を有し、少なくとも一つの溝の変数は、上記可撓性部分の長手軸方向軸の少なくとも一部分に沿って異なる、連結ユニット。
(項目21)
上記長手軸方向部材は円筒型の棒の形状で設計される、項目20に記載の連結ユニット
(項目22)
上記長手軸方向部材は、金属、金属合金、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、熱可塑性物質、エラストマー、および複合材料で構成される既知で生物適合性の材料群から選択される第一の材料を含む、項目20に記載の連結ユニット。
(項目23)
上記少なくとも一つの溝の変数は、上記連結ユニットの長手軸方向軸に沿った上記溝の幅を含む、項目20に記載の連結ユニット。
(項目24)
上記少なくとも一つの溝の変数は、上記溝の断面の深さを含む、項目20に記載の連結ユニット。
(項目25)
上記少なくとも一つの溝の変数は、溝から溝までのスペースを含む、項目20に記載の連結ユニット。
(項目26)
上記少なくとも一つの溝は、上記長手軸方向軸に沿った円周方向のらせん状のものを備える、項目20に記載の連結ユニット。
(項目27)
上記少なくとも一つの溝は、第一の溝と第二の溝を備え、上記第一の溝は、上記第二の溝と隣接しない、項目20に記載の連結ユニット。
(項目28)
上記少なくとも一つの溝は、上記溝の幅よりも大きい直径のひずみのがし穴で終了する、項目20に記載の連結ユニット。
(項目29)
脊椎安定化装置における使用のための連結ユニットであって、それぞれの固定部材を使用して患者の脊椎に固定されるように設計される、第一の端部および第二の端部と、上記第一の端部と第二の端部との間の可撓性部分とを有する長手軸方向部材を備え、上記可撓性部分の少なくとも一部は、第二の材料の被覆で覆われる、連結ユニット。
(項目30)
上記長手軸方向部材は、円筒型の棒の形状で設計される、項目29に記載の連結ユニット。
(項目31)
上記第一の材料は、金属、金属合金、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、熱可塑性物質、エラストマー、および複合材料で構成される既知で生物適合性の材料群から選択される材料を含む、項目29に記載の連結ユニット。
(項目32)
上記第二の材料は、有機ポリマー、エラストマー、天然に存在する樹脂、および複合材料で構成される既知で生物適合性の材料群から選択される材料を含む、項目29に記載の連結ユニット。
(項目33)
上記被覆は、上記長手軸方向部材の周囲に射出成形されている、項目29に記載の連結ユニット。
(項目34)
上記被覆は、上記長手軸方向部材を浸漬することにより上記長手軸方向部材に適用される、項目29に記載の連結ユニット。
(項目35)
上記被覆は、上記長手軸方向部材を溶射することにより上記長手軸方向部材に適用される、項目29に記載の連結ユニット。
(項目36)
上記被覆は、塗布器で上記長手軸方向部材に適用される、項目29に記載の連結ユニット。
(項目37)
上記被覆は、修正された可撓性の中央部分に一致する別々に製造された部分であり、上記長手軸方向部材と組み立てられる、項目29に記載の連結ユニット。
(項目38)
脊椎安定化装置における使用のための連結ユニットであって、第一の端部および第二の端部を有する長手軸方向部材を備え、可撓性部分が、上記第一の端部と第二の端部との間に配置され、上記第一の端部および第二の端部のうちの少なくとも一つは、安定部材に結合するためのさまざまな位置に対応する十分な長さを有する、連結ユニット。
(項目39)
上記長手軸方向部材は、円筒型の棒の形状で設計される、項目38に記載の連結ユニット。
(項目40)
上記少なくとも一つの端部は、安定部材を越えて延びる材料を除去するために長さを切断してもよい、項目38に記載の連結ユニット。
(項目41)
安定部材に結合するための広範なさまざまな位置が、連結ユニットの長さを切る作業を一度だけにして一つのサイズの連結ユニットで達成され得るように、一つの端部のみが、安定部材に結合するためのさまざまな位置に対応するための十分な長さを有する、項目38に記載の連結ユニット。
(項目42)
上記可撓性部分は少なくとも一つの溝を備える、項目38に記載の連結ユニット。
(項目43)
上記溝はらせん状の溝である、項目38に記載の連結ユニット。
(項目44)
上記長手軸方向部材は、金属、金属合金、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、熱可塑性物質、エラストマー、および複合材料で構成される既知で生物適合性の材料群から選択される材料を含む、項目38に記載の連結ユニット。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の一実施態様に係る、脊椎固定装置の斜視図を示す。
【図2】図2は、本発明の別の実施態様に係る、脊椎固定装置の斜視図を示す。
【図3】図3は、本発明の一実施態様に係る、図1および図2の椎弓根スクリュー2の結合組み立て部品14の分解図を示す。
【図4】図4は、本発明の一実施態様に係る、可撓性の棒状連結ユニットの斜視図を示す。
【図5】図5は、本発明の別の実施態様に係る、可撓性の棒状連結ユニットの斜視図を示す。
【図6】図6は、本発明のさらなる実施態様に係る、可撓性の棒状連結ユニットの斜視図を示す。
【図7】図7は、本発明の一実施態様に係る、予め曲げられた可撓性の棒状連結ユニットの斜視図を示す。
【図8】図8は、本発明の一実施態様に係る、連結ユニットの可撓性部分の斜視断面図を示す。
【図9】図9は、本発明の別の実施態様に係る、連結ユニットの可撓性部分の斜視断面図を示す。
【図10】図10は、本発明のさらなる実施態様に係る、連結ユニットの可撓性部分の斜視断面図を示す。
【図11】図11は、本発明の一実施態様に係る、可撓性の棒状連結ユニットの斜視図を示す。
【図12】図12Aは、本発明の一実施態様に係る、二つの端部分の合間に一つ以上のスペーサを有する可撓性の連結ユニットの斜視図を示す。図12Bは、図12Aの可撓性の連結ユニットの分解図を示す。図12Cは、本発明の一実施態様に係る、図12Aおよび12Bの可撓性の連結ユニットのオス型およびメス型の連動要素の図を示す。
【図13】図13は、本発明のさらなる実施態様に係る、可撓性の連結ユニットの斜視図を示す。
【図14】図14は、本発明の別の実施態様に係る、脊椎固定装置の斜視図を示す。
【図15】図15は、図14の脊椎固定装置の分解図を示す。
【図16−1】図16Aは、本発明の一実施態様に係る、可撓性の板状連結ユニットの斜視図を示す。図16Bは、本発明のさらなる実施態様に係る、可撓性の板状連結ユニットの斜視図を示す。
【図16−2】図16Cは、図16Aの可撓性の板状連結ユニットの側面図を示す。図16Dは、図16Aの可撓性の板状連結ユニットの上面図を示す。図16Eは、本発明のさらなる実施態様に係る、予め曲げられた設計を有する図16Aの可撓性の板状連結ユニットの側面図を示す。
【図17】図17は、本発明の別の実施態様に係る、可撓性の板状連結ユニットの斜視図を示す。
【図18】図18は、本発明の別の実施態様に係る、可撓性の板状連結ユニットの斜視図を示す。
【図19】図19は、本発明のさらなる実施態様に係る、可撓性の中間部分を有する混合型の棒板状連結ユニットの斜視図を示す。
【図20】図20は、図19の混合型の棒板状連結ユニットを利用する脊椎固定装置の斜視図を示す。
【図21】図21は、患者の脊柱に移植後の図1の脊椎固定装置の斜視図を示す。
【図22】図22Aおよび22Bは、図16Aおよび16Bの板状連結ユニットを利用する脊椎固定装置の斜視図をそれぞれ示す。
【図23−1】図23Aは、本発明の一実施態様に係る、スキュー角で二つの隣接する椎体の椎弓根に挿入される二つの椎弓根スクリューの斜視図を示す。図23Bは、本発明の一実施態様に係る、椎弓根スクリューの結合組み立て部品の構造図を示す。図23Cは、本発明の一実施態様に係る、傾斜した安定化スペーサの斜視図を示す。図23Dは、図23Cの傾斜した安定化スペーサの側面図を示す。
【図23−2】図23Eは、図23の椎弓根スクリューの円筒型頭部の上面図を示す。
【図24】図24は、本発明の一実施態様に係る、マーキングおよび誘導装置の斜視図を示す。
【図25】図25は、図24のマーキングおよび誘導装置の分解図を示す。
【図26】図26Aは、図24のマーキングおよび誘導装置が手術中に挿入された後の、患者の脊椎の斜視断面図を示す。図26Bは、図24のマーキングおよび誘導装置の内部のトロカールが除去される際の、患者の脊椎の斜視断面図を示す。
【図27】図27Aおよび27Bは、基準ピンに関する二つの実施態様の斜視図をそれぞれ示す。
【図28】図28は、本発明のさらなる実施態様に係る、差し込みトロカールの斜視図である。
【図29】図29Aは、本発明の一実施態様に係る、図28の差し込みトロカールが基準ピンを椎弓根の指定の位置に作動させるために使用される際の、患者の脊椎の斜視断面図を示す。図29Bは、本発明の一実施態様に係る、二つの基準ピンが二つの隣接する椎弓根に移植された後の患者の脊椎の、斜視断面図を示す。
【図30】図30は、本発明の一実施態様に係る、管状目打ちの斜視図である。
【図31】図31は、本発明の一実施態様に係る、図30の管状目打ちが椎弓根スクリューのための挿入穴を拡大するために使用される際の、患者の脊椎の斜視断面図を示す。
【図32】図32は、本発明の一実施態様に係る、基準ピン回収装置の斜視図を示す。
【図33】図33は、本発明のさらなる実施態様に係る、基準ピンの少なくとも一部分を収容するための軸方向の円筒型空洞を有する椎弓根スクリューの斜視図である。
【図34】図34は、本発明の一実施態様に係る、一つの椎弓根スクリューが椎弓根の指定の位置に移植された後の患者の脊椎の、斜視断面図である。
【図35】図35は、本発明の一実施態様に係る、二つの椎弓根スクリューが二つの隣接する椎弓根の指定の位置に移植された後の、患者の脊椎の、斜視断面図である。
【図36】図36Aは、本発明の一実施態様に係る、らせん状の溝切りを有する可撓性棒の斜視図である。図36Bは、図36AのB−Bの線に沿った、図36Aの可撓性棒の断面図を示す。
【図37】図37Aは、本発明の一実施態様に係る、棒の本体内に横断型トンネルを有する、脊椎固定のための可撓性棒の斜視図を示す。図37Bは、図37AのB−Bの線に沿った、図37Aの可撓性棒の断面図である。
【図38−1】図38Aは、本発明のさらなる実施態様に係る、棒の本体内にらせん状の溝切りと横断型トンネルを有する、脊椎固定のための可撓性棒の斜視図である。
【図38−2】図38Bは、図38AのB−Bの線の観点からの、図38Aの可撓性棒の上面図である。
【図39−1】図39Aは、本発明の別の実施態様に係る、棒の本体内に横断型トンネルを有する、脊椎固定のための可撓性棒の斜視図である。
【図39−2】図39Bは、その図のB−Bの線に沿った、図39Aの可撓性棒の断面図である。図39Cは、本発明のさらなる実施態様に係る、棒の本体内に実質的に直行する横断型トンネルを有する、その図のB−Bの線に沿った、図39Aの可撓性棒の別の断面図である。
【図40】図40Aは、本発明のさらなる実施態様に係る、脊椎固定のための可撓性棒の斜視図を示す。図40Bは、本発明のさらなる実施態様に係る、脊椎固定のための可撓性棒の断面図を示す。
【図41−1】図41Aは、本発明の一実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの斜視図を示す。
【図41−2】図41Bは、固定部材で組み立てられた、図41Aの連結ユニットの斜視図を示す。
【図41−3】図41Cは、固定部材で組み立てられる、長さが切り落とされ、固定部材で組み立てられた、可撓性で長手軸方向部材の斜視図を示す。
【図42−1】図42Aは、本発明のさらなる実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの側面図を示す。
【図42−2】図42Bは、本発明の別の実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの側面図を示す。
【図43】図43Aは、本発明の別の実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの側面図を示す。図43Bは、本発明の別の実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの斜視図を示す。図43Cは、本発明の別の実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの側面図を示す。図43Dは、本発明の別の実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの側面図を示す。
【図44】図44は、本発明のさらなる実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの斜視図を示す。
【図45A】図45Aは、本発明のある実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの断面図を示す。
【図45B】図45Bは、本発明の別の実施態様に係る、二種類の材料からなる可撓性で長手軸方向部材の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(好適な実施態様の詳細な説明)
本発明は、図面を参照して以下に詳細に説明され、同様の要素については全体を通して同一の数字を使用して参照される。
【0024】
図1は、本発明の一実施態様に係る、脊椎固定装置の斜視図を示す。脊椎固定装置は、図3に関連して以下にさらに詳細に説明される、二つの固定部材2(2‘および2“で表示)、および結合組み立て部品14内に収容および固定されるように設計された可撓性固定棒4を備える、各固定部材2は、患者の椎弓根に挿入およびねじ込むように設計される、ネジ山の入ったネジ式シャフト10を備える。図1に示されるように、ネジ式シャフト10は、シャフト10の長さ全体にわたって形成される外側のらせん状のネジ山12と、指定の場所の患者の脊柱に挿入されるよう設計されるシャフト10の端部にある円錐型の先端を備える。固定部材2のその他の既知の形状は、本発明のために使用してもよいが、固定部材2が脊柱に挿入および固定され、棒4にしっかりと結合することが可能である場合に限る。
【0025】
上に説明の通り、脊椎固定装置は、脊柱の所望の位置に固定部材2を装着することによって、脊椎疾患の外科治療のために使用される。一実施態様において、棒4は、脊柱の二つ以上の椎体間にまたがり、二つ以上の椎体の動きを安定させるために固定部材2で固定される。
【0026】
図2は、本発明のさらなる実施態様に係る、脊椎固定装置の斜視図を示す。図2の脊椎固定装置は、図1の脊椎固定装置と同様であるが、棒4は、棒4の二つの剛性の端部分9の間で並列される可撓性の中間部分8を備える。
【0027】
図3は、本発明の一実施態様に係る、結合組み立て部品14のさまざまな構成要素を示す図1および2の固定部材2の分解図を提供する。図3に示すとおり、結合組み立て部品14は、ネジ型シャフト10の上端に位置する円筒型頭部16、円筒型頭部16の内側の壁面部分に沿って形成されるらせん状のネジ山および溝18、および棒4を収容するように設計されるU型の収容溝20を備える。結合組み立て部品14は、ナット22の外側の外側面に形成されるらせん状のネジ山24を有する外側にネジ山の入ったナット22をさらに備え、らせん状のネジ山24は、円筒型頭部16の内側のらせん状のネジ山18と結合するように設計される。さらなる実施態様において、結合組み立て部品14は、外側にネジ山の入ったナット22を被覆および保護し、さらにしっかりと棒4を収容溝20に保持するために、円筒型頭部16部分の上に装着されるように設計される固定キャップ26を備える。一実施態様において、固定キャップ26の内径は、円筒型頭部16の外径としっかりと結合するように設計される。切欠や溝(図示せず)に対応して配置されるような、円筒型頭部に固定キャップ26を固定するその他の方法は、当技術分野に精通する者には容易に理解できるだろう。好適な実施態様において、固定部材2の構成要素および部品は、高い剛性および耐久性を有する生体適合性のある材料、例えば、ステンレス鋼、鋼鉄、チタン、またはチタン合金から作製されてもよい。そのような材料は当技術分野において既知である。当技術分野において既知であり、本明細書で使用される場合、「生物的適合性の」材料は、患者の身体に移植された後に、化学的または免疫学的な拒絶反応を引き起こさない材料を意味する。
【0028】
図1および2に示されるように、好適な実施態様において、棒4は、結合手段14の収容溝20に棒4を平行に収容することによって、安定手段2のネジ山の入ったシャフト10の長さ方向に垂直に安定手段2に結合される。外側にネジ山の入ったナット22は、次に、棒4の上側の円筒型頭部16に収容およびねじ込められ、収容溝20で棒4を固定する。固定キャップ26は、次に、円筒型頭部16の上に置かれ、円筒型頭部16の内部空洞における構成要素を被覆、保護し、その構成要素にさらに堅く固定される。図4〜7は、本発明に係る、固定装置に使用され得る棒4のさまざまな実施態様の斜視図を示す。図4は、図1の棒4を示し、棒全体は、可撓性であるように作製および設計される。本実施態様において、棒4は、既定の厚さの円筒型側壁5を有する金属チューブまたはパイプを備える。一実施態様において、棒4に可撓性を提供するために、円筒型側壁5は、切り込みまたは溝6を形成するために、棒4の長さに沿ってらせん状に切り込まれる。当技術分野において通常の技能を有する者に明白であるように、らせん状の溝6の幅と密度は、所望のレベルの可撓性を提供するように調整されてもよい。一実施態様において、溝6は、棒4の円筒型側壁の厚さ全体にわたって、極細のらせん状の切り込みまたは切り口より形成される。当技術分野に精通する者に既知であるように、管状側壁5の厚さおよび材料も、可撓性のレベルに影響を及ぼす。
【0029】
一実施態様において、棒4は、通常の背部のものと実質的に等しい可撓性を有するように設計される。背部の可撓性の範囲は、当技術分野に精通する者には既知であり、通常の技能を有する者でも、管状側壁5の厚さと材料、および溝6の幅と密度を容易に決定し、通常の背部の範囲内における所望の可撓性または可撓性範囲を達成することができる。本明細書で溝6に言及する場合、用語の「密度」は、らせん状の溝6の気密、すなわち、図4に示されるような隣接する溝のライン6の間の距離を意味する。しかし、例えば、本発明が、特定で所定の可撓性範囲に限定されないことが理解される。一実施態様において、所望の横方向の可撓性特性を有するだけでなく、棒4の剛性は、他の患者の元々の脊椎に関して均一に、脊椎の長手方向軸に沿った患者の脊柱に加えられる長手軸方向の軸方向荷重に耐久可能であるべきである。
【0030】
図5は、図2の棒4を示し、中間部分8のみが可撓性であるように作製および設計されており、二つの端部分9は剛性であるように作製される。一実施態様において、端部分9を剛性にするために、中に溝がない金属製の端部リングまたはキャップ9’が、図4の棒4のそれぞれの端部に取り付けられてもよい。リングまたはキャップ9’は、金属をプレスまたは溶接して結合するなどの既知の方法を使用して、棒4の両端に永久的に装着されてもよい。別の実施態様において、らせん状の溝6は、中間部分の長さに沿ってのみ切り込まれ、端部分9は、溝6を持たない管状側壁5を備える。剛性の金属または金属の混合型材料から成る溝6の持たない管状側壁5は、高い剛性を示す。
【0031】
図6は、多数の部分、つまり、三つの剛性部分9の間に交互に配置される二つの可撓性部分8を有する棒4のさらなる実施態様を示す。本実施態様は、例えば、三つの隣接する椎体を相互に安定させるために使用されてもよく、三つの椎弓根スクリューは椎体のうちの一つにそれぞれ固定され、三つの剛性部分9は、図3に関して上に説明したように、それぞれの椎弓根スクリュー2の結合組み立て部品14に連結される。可撓性部分8および剛性部分9の各々は、図5に関して上に説明されたように作製されてもよい。
【0032】
図7は、「前弯」として知られる患者の脊椎の湾曲に適合し、その湾曲を保持しつつ、脊柱を安定させる、予め曲げられた構造および構成を有する棒4の別の実施態様を示す。通常、患者の腰骨は「C」型の形状であり、棒4の構造は、本発明の一実施態様に係る図2の脊椎固定装置で利用される場合、通常の腰骨の形状に適合して形成される。一実施態様において、予め曲げられた棒4は、二つの剛性の端部分9の間に配置される、可撓性であるように作製および設計される中間部分8を備える。中間部分8および端部分9は、図5に関連して上に説明されたように作製されてもよい。さまざまなサイズ、長さ、および予め曲げられた構造を有する金属製または金属混合型の管状棒を製造する方法は、当技術分野において既知である。さらにまたはあるいは、棒4の予め曲げられた構造および設計は、図23Aに関連して以下にさらに詳細に説明されるように、二つの隣接する椎弓根スクリューが相互に平行に挿入されない場合、スキュー角を相殺してもよい。
【0033】
可撓性の管状棒4または可撓性の中間部分8を形成するために使用されるさらなる設計および材料は、図8〜10に関連して以下に説明される。図8は、本発明の一実施態様に係る可撓性の管状棒4または棒部分8の斜視断面図を示す。本実施態様において、可撓性の棒4、8は、図4〜7に関連して上に説明されたように、中に切り込みまれるらせん状の溝6を有する第一の金属チューブ5から作製される。中に切り込まれるらせん状の溝31と、第一のチューブ5よりも小さい直径を有する第二のチューブ30は、第一のチューブ5の円筒形空洞に挿入される。一実施態様において、第二のチューブ30は、第一のチューブ5に切り込まれるらせん状の溝6に関連して、反対のらせん状方向で切り込まれるらせん状の溝31を有し、よって、第二のチューブ30の回転ねじれ特性は、少なくともある低度の第一のチューブの回転ねじれ特性を相殺する。第二の可撓性チューブ30は、第一のチューブの中核に挿入され、さらなる耐久性および強度を可撓性棒4、8に提供する。第二のチューブ30は、第一のチューブと同一または異なる材料から作製されてもよい。好適な実施態様において、第一のチューブおよび第二のチューブ5および30を製造するために使用される材料は、それぞれ、ステンレス鋼、鋼鉄、チタン、およびチタン合金などの金属の例のいずれかまたはその組み合わせであってもよい。
【0034】
図9は、本発明のさらなる実施態様に係る可撓性棒4、8の斜視断面図を示す。本実施態様において、可撓性棒4、8は、スチール糸、チタン糸、またはチタン合金糸などの複数の重合する薄い金属糸を備える金属線32から成る内核を備える。線32は、上に説明するような中に切り込まれたらせん状の溝6を有する、金属製または金属混合型の可撓性のチューブに包まれる。線32の金属糸の数および厚さも、棒4、8の剛性および可撓性に影響を与える。糸の数、厚さ、または材料を変更することによって、可撓性は増加または減少し得る。したがって、線32の金属糸の数、厚さ、および/または材料は、患者特定の必要性に応じて所望の剛性および可撓性を提供するように調整されることができる。当技術分野において通常の技術を有する者は、所望の剛性と可撓性の形状を達成するために、チューブ5の所定の可撓性と併せて、糸の数、厚さ、および材料を簡単に決定することが可能である。
【0035】
図10は、可撓性棒4のさらに別の実施態様を示し、可撓性チューブ5は、非金属性で可撓性の中核34を包む。中核34は、既知の生体適合性の形状記憶合金(例えば、ニチノール)または、炭素繊維、ポリエテールエテールケトン(PEEK)、ポリエテールケトンケトンエーテルケトン(PEKICEK)、または超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などの生体適合性の合成材料から作製されてもよい。
【0036】
図11は、図9に関連して上に説明したように、編組金属線棒35を形成するために、中に複数の金属線32が織り交ぜられ、または編み込まれている可撓性棒35の別の実施態様の斜視図を示す。このように、編組金属線棒35は、金属線32と同一の材料から作製されることができる。上に説明したような線32の剛性および可撓性の変動性に加え、編組棒35の剛性および可撓性は、編組構造35で使用される線32の数や厚さを変更することによって、所望の特性を達成するためにさらに変更されることができる。例えば、通常の健康的な脊椎の既知の湾曲範囲内でのさまざまな湾曲レベルまたは範囲を達成するために、当技術分野において通常の技術を有する者は、編組金属線棒35を作製するために使用される線の異なる内径、数、および材料によって提供される湾曲を変更および測定することによって、編組金属線棒35のさまざまな設計を容易に製造することができる。さらなる実施態様において、編組金属線棒35の各端部は、図5〜7に関連して上に説明されたような剛性の金属製のキャップまたはリング9’によって包まれており、可撓性の中間部分8と剛性の端部分9を有する棒4を提供する。さらなる実施態様において(図示せず)、編組金属線棒35は、図8〜10に示される実施態様と同様の方法で、可撓性の金属棒4または棒部分8を作製するために中に切り込まれる、らせん状の溝6を有する金属チューブ5に包まれる内核として利用されてもよい。本明細書で使用される際、用語の「編組」または「編組構造」は、重合するパターンで織り交ぜられる二つ以上の線、ストリップ、鎖、リボン、および/またはその他の形状の材料を含む。線、ストリップ、鎖、リボン、および/またはその他の形状の材料を織り交ぜるさまざまな方法は、当技術分野において既知である。このような織り交ぜる技術は本発明に含まれる。別の典型的な実施態様において(図示せず)、可撓性の金属棒35は、斜めに重合するパターンで織り交ぜられる二つ以上の金属製のストリップ、鎖、またはリボンを有する編組金属構造を備える。
【0037】
図12Aは、二つの剛性の端部分9’と、典型的な数の剛性のスペーサ37を有する可撓性の連結ユニット36のさらなる実施態様を示す。一実施態様において、剛性の端部分9’およびスペーサは、上に説明されたように生体適合性のある金属製または金属混合型の材料から成ることが可能である。連結ユニット36は、図9’に関連して上に説明されたような、剛性の端部分9’とスペーサ37の各々において、軸方向の空洞または穴(図示せず)が横断する可撓性線32をさらに備える。図12Bは、線32がどのように剛性の端部分9’およびスペーサ37の中央軸穴に挿入されるかをさらに示す連結ユニット36の分解図を示す。図12Bにさらに示されるように、端部分9’およびスペーサ37の各々は、直接隣接する端部分9’またはスペーサ37におけるメス型連動空洞(図示せず)に結合する、オス型の連動部材38を備える。図12Cは、分解側面図であり、対応するオス型連動部材38を収容するためのメス型連動空洞39の位置および構成を点線で示す。
【0038】
図13は、本発明の別の実施態様に係る可撓性の連結ユニット40の斜視図を示す。連結部40は、上に説明した連結ユニット36と同様であるが、スペーサ42は、剛性の端部分9’と同一の形状および設計を有するように設計されている。さらに、端部分9’は、線32が金属クリップ(図示せず)またはその他の既知の技術を使用して、抜き出し、引っ張られ、クランプで固定または固定される、横方向の側面に配置される出穴また溝44を有する。このようにして、可撓性の連結ユニット36または40の長さは、手術時に変更して、各患者特有の解剖学的特徴に合わせるようにしてもよい。一実施態様において、線32は、金属クリップまたはストッパー(図示せず)を使用して固定されてもよい。例えば、クリップまたはストッパーは、線32が貫通できるように、線32の直径より若干大きい内径を有する小さな管状の円筒を備えてもよい。線32が管状ストッパーによって所望の張力まで引っ張られると、ストッパーは、圧迫されてその中に含まれる線32を摘む。あるいは、線32は、既知の技術を使用して、既定の数のスペーサ37、42を有する連結ユニット36、40が製造時に予め固定されてもよい。
【0039】
図14は、本発明の別の実施態様に係る脊椎固定装置を示す。脊椎固定装置は、外側のらせん状のネジ山12を有する細長いネジ型シャフト10を含む少なくとも二つの固定部材2、および結合組み立て部品14を備える。装置は、二つの固定部材2の結合組み立て部品14にしっかりと連結されるように設計される板状連結ユニット50、または単に「板50」をさらに備える。板50は、各々が平面を有し、可撓性の中間部分8により相互に連接される二つの剛性の連結部材51を備える。可撓性の中間部分8は、図4〜11に関連して上に説明された実施態様のいずれかに係り作製されてもよい。各連結部材51は、結合組み立て部品14の第二のネジ山のあるシャフト54(図15)によって収容するように設計される結合穴52を含む。
【0040】
図15に示されるように、安定部材2の結合組み立て部品14は、第一のネジ山の入ったシャフト10の先端に隣接し、第一のネジ山の入ったシャフト10の円周よりも大きい円周または直径を有するボルトヘッド56を備える。第二のネジ山の入ったシャフト54は、ボルトヘッド56から上部に延びる。結合組み立て部品14は、連結部材51をボルトヘッド56の上面に対してクランプで固定し、しっかりと板50を椎弓根スクリュー2に装着するために、第二のネジ山の入ったシャフト54と結合するように設計される内側にネジ山を有するナット58、および一つ以上の座金60をさらに備える。
【0041】
図16Aおよび16Bは、少なくとも二つの結合部材51、および二つの隣接する連結部材51の間に配置されそれらに装着される少なくとも一つの可撓性部分8を有する板状連結ユニット40の二つの実施態様を示す。図16Aおよび16Bに示されるように、可撓性の中間部分8は、図11に関連して上で説明したように可撓性の金属編組線構造36を備える。しかしながら、可撓性部分8は、図4〜11に関連して上で説明された実施態様のいずれか、またはその組み合わせに基づいて設計および製造されることができる。図16Cおよび16Dは、図16Aの板50の側面図および上面図それぞれを示す。上に説明されるように、異なる種類の可撓性の中間部分8を有する可撓性の連結ユニット50および58の異なる実施態様に関する製造は、既知の治金、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、または複合材料、および対応製造および機械プロセスを使用して容易に達成される。
【0042】
図16Eは、本発明のさらなる実施態様に係る、予め曲げられた板状の連結ユニット50’の側面図を示す。この板状の連結ユニット50’は、板50と同様であるが、連結部材51’は、板状連結ユニット50’の製造時に平行面53からθ度で形成または曲げられる。図7の予め曲げられた棒状連結ユニット4に関連して上に説明されたように、この予め曲げられた構成は、脊椎の元々の湾曲(例えば、前弯)を再現し、支持するように設計される。さらにまたはあるいは、この予め曲げられた構造は、図23Aに関連して以下にさらに詳細に説明されるように、二つの隣接する椎弓根スクリューが相互に平行に挿入されない場合、スキュー角を相殺してもよい。
【0043】
図17は、椎弓根スクリュー2の第二のネジ山の入ったシャフト44を収容するために結合穴64をそれぞれに有する二つの板状の連結部材62を備える板状の連結ユニット60の斜視図を示す。可撓性の中間部分8は、二つの連結部材62の間に配置されそれらに装着される。一実施態様において、可撓性の中間部分8は、図9に関連して上に説明されたように線32と同様の方法で作製されるが、図9に示される円筒型または円形の構成の代わりに長方形の構成を有する。しかしながら、可撓性の中間部分8は、上に説明された実施態様のいずれかの設計および材料に基づいて作製されてもよい。
【0044】
図18は、図17の板60さらなる実施態様の斜視図を示し、結合穴64は、ナット58(図15)を結合穴64に収容および固定するために、連結部材62の上部に切り込まれた一つ以上のナット案内溝66を備える。ナット案内溝66は、ナット58の少なくとも一部分を収容および保持し、連結部材62が椎弓根スクリュー2のボルトヘッド56にクランプで固定された後に結合穴64内のナット58の横滑りを防止するように設計される。
【0045】
図19は、図4〜7に関連して上に説明されたような剛性の棒状連結部材4、9、または9’を、図14〜18に関連して上に説明されたような連結ユニット70および板状の連結部材51または62の一端、および連結ユニット70の他方の一端に有する混合型の板状および棒状の連結部70の斜視図を示す。一実施態様において、棒状連結部材9(9’)と板状連結部材52(64)の間に配置された部分は、可撓性部材8である。可撓性部材8は、図8〜13に関連して上に説明された実施態様のいずれかに基づいて設計および製造されてもよい。
【0046】
図20は、図19の混合型の板状および棒状の連結ユニット70を利用する脊椎固定装置の斜視図を示す。図20に示されるように、この固定装置は、二種類の固定部材2(例えば、椎弓根スクリュー)を利用し、それらは、図15に関連して上に説明されるような板状連結部材42(64)をしっかりと保持するように設計される第一の固定部材2’、および図3に関連して上に説明されたような棒状連結部材4、9、または9’をしっかりと保持するように設計される第二の固定部材2”である。
【0047】
図21は、図1に示される実施態様に係る、椎体を柔軟に安定させるために、二つの隣接する椎体80および82に装着された後の、二つの脊椎固定装置の上面斜視図を示す。図22Aおよび22Bは、二つ以上の脊椎の隣接する椎体に装着された後の、図16Aおよび16Bの可撓性の安定化部材50および58を使用する脊椎固定装置の上面斜視図をそれぞれ示す。
【0048】
図23Aは、二つの隣接する椎体の椎弓根に移植された後の、脊椎固定装置の側面図を示す。この図に示されるように、椎弓根スクリュー2は、椎弓根の骨に装着され、スクリュー2の中心軸80が、平行面82からθ角度で相殺されるようにし、二つのスクリュー2の中心軸80が相互に約2θの角度で相殺されるようにする。この種類の椎弓根スクリュー2の非平行挿入は、低侵襲手術を実施する際に利用可能な限られたスペースを使用する場合が多い、さらに、椎弓根スクリュー2は、患者の脊椎の元々の湾曲(例えば、前弯)により、平面から斜めに挿入される傾向がある。このようにして、椎弓根スクリュー2が椎弓根に最終的にいかに固定されるかにという非平行の性質により、棒状または板状連結ユニットを椎弓根スクリュー2の各々に装着する際に、このスキューを相殺することが望ましい。
【0049】
図23Bは、本発明の一実施態様に係る、椎弓根スクリューの頭部の側面図を示す。スクリュー2は、図3に関連して上に説明されたような円筒型頭部16と同様の円筒型頭部84を備えるが、円筒型頭部84は、上に説明されたように、椎弓根スクリュー2の傾斜またはスキューθを相殺する傾斜方向で、可撓性棒4を収容および保持すように設計される傾斜収容部86を備える。改善された椎弓根スクリュー2は、円筒型頭部84の空洞内にしっかりと適合し、傾斜収容部86と同じ傾斜で傾斜棒4を押し下げるように設計される傾斜安定化スペーサ88をさらに備える。椎弓根スクリュー2は、傾斜スペーサ88および棒4を傾斜収容部86、つまり椎弓根スクリュー2の円筒型頭部84にクランプで固定および固定するために、円筒型頭部84の内面に沿ったらせん状のネジ山(図示せず)に結合するように設計される、外側にネジ山の入ったナット22をさらに備える。
【0050】
図23Cは、本発明の実施態様に係る、傾斜スペーサ88の斜視図を示す。スペーサ88は、円形の中央部分99と、円形の中央部分90の対側から外側に延びる二つの長方形の端部分92を備える。図23Dは、椎弓根スクリュー2のスキュー角θを補正または相殺するために、一端から別の一端への傾斜をさらに示すスペーサ88の側面図を示す。図23Eは、棒4および傾斜スペーサ88を収容するよう設計される円筒型頭部84の上面図を示す。棒4は、棒4が、円筒型頭部84の円形または円筒型の空洞96に挿入し、円形または円筒型空洞94内で形成される傾斜収容部86の先端に配置することを可能にする、円筒型頭部84の円筒型側壁の二つの開口部またはスロット94を介して収容される。棒4が傾斜収容部86に配置されると、傾斜安定化スペーサ88は空洞96で収容され、二つの長方形の端部分92が二つのスロット94内で収容されるようにし、円筒型空洞96内でスペーサ88の横方向の回転を防止する。最後に、外側にネジ山のあるナット22および固定キャップ26は、傾斜スペーサ88の上に挿入され、スペーサ88と棒4を円筒型頭部84内でしっかりと保持する。
【0051】
図24は、椎弓根スクリュー2が挿入される椎弓根上の所望の位置をマーキングし、低侵襲的手術手技を使用して椎弓根スクリュー2をマークされた位置に誘導するためのマーキングおよび誘導装置100の斜視図を示す。図24に示されるように、マーキング装置100は、患者の筋肉および組織を貫通し椎弓根まで達する一方の端部に鋭い先端105を有する内部トロカール104を中空内に収容する管状の中空ガイダー52を備える。内部トロカール104は、他方の一端にトロカールグリップ106をさらに備え、トロカール104を挿入および除去し易くする。一実施態様において、マーキングおよび誘導装置100は、誘導ハンドル108を備え、装置100を操作し易くする。
【0052】
図25に示されるように、トロカール104は、管状のガイダー102の中空に挿入されるように、ガイダー102の中空の内径よりも小さい直径を有する長いチューブまたは円筒の形状である。トロカール104は、椎弓根を通って椎体を貫通するために、さらに鋭いまたは先の尖った先端105をさらに備える。トロカール104は、トロカール104を中空から完全に滑り落ちないようにするため、ガイダーチューブ102の中空の直径よりも大きい直径を有するトロカールグリップ106をさらに備える。また、トロカールグリップ106によって、トロカール104は操作し易くなる。
【0053】
図26Aおよび26Bは、患者の背部に挿入され、椎弓根上の筋肉および軟組織を通って所望の位置に差し込まれた後の、マーキングおよび誘導装置100の斜視図を示す。所望の位置は、X線または放射線画像などの既知の技術を使用して比較的短い時間で決定される。マーキングおよび誘導装置100が挿入されると、患者は長い間X線照射を浴びる必要はない。図26Bに示されるように、誘導チューブ102が椎弓根の所望の位置に配置されると、内部トロカール104は取り除かれ、基準ピン(図示せず)が誘導チューブ102の中空に挿入できるようにし、その後、椎弓根に固定される。
【0054】
図27Aおよび27Bは、基準ピン110および112の二つの実施態様の斜視図をそれぞれ示す。上述のとおり、本発明に係る基準ピン110および112は、中空ガイダー102を通過した後、椎弓根に挿入および固定される。ピン110および112は、ガイダー102の中空を通過するために、ガイダーチューブ102の中空の内径よりも小さい直径を有する円筒形である。各基準ピンの端部は、脊柱の椎弓根に容易に挿入および固定されるように設計される、鋭く尖った先端111である。一実施態様において、図27Bに示されるように、基準ピンの他方の端部には、ピン112を抜き出すために、回収器(図示せず)の内側のネジ山の入ったチューブに結合するように設計される、ネジ山の入ったシャフト114が組み込まれている。この回収器は、図32に関連して以下にさらに詳細に説明される。
【0055】
基準ピン110、112は、好ましくは、椎弓根に容易に挿入するために、耐久性のある剛性の生体適合性の金属(例えば、ステンレス鋼、鋼鉄、チタン、チタン合金)から成る。従来技術の誘導線とは対照的に、比較的短い長さとさらに剛性の構造から、基準ピン110、112は、曲げ破損または構造破損のリスクを負うことなく椎弓根まで容易に作動する。上に説明したように、従来技術の誘導線を作動させるプロセスは、非常に難しい場合が多く、かつ時間を要する。椎弓根上の挿入点への基準ピン110、112の挿入は、外科医にとって非常に容易かつ便利であり、さらに、患者の背部から突き出る誘導線によってその後の処置を妨げることはない。
【0056】
図28は、差し込みトロカール116の本体より大きい直径の円筒型頭部118を有する円筒型の差し込みトロカールを示す。本発明に係る差し込みトロカール116は、基準ピン110または112を椎弓根まで作動させ固定するために、基準ピン110または112がガイダー102の中空に挿入された後、ガイダー102の中空に挿入される。このピンの挿入処置中、医師は、トロカール頭部118をノミまたはハンマーで打ち、基準ピン110および112を椎弓根まで作動させる。好適な実施態様において、差し込みトロカール116は円筒型チューブの形状であり、ガイダーチューブ112の中空の内径より小さい直径を有する。また、差し込みトロカール116は、医師がノミまたはハンマーで容易に打つことを可能にするように、差し込みトロカール116の直径よりも大きい直径を有する円筒型頭部118を備える。もちろん、他の実施態様において、ハンマーまたはノミは必ずしも必要ではない。例えば、各症例の病状によって、外科医は、差し込みトロカール116の頭部118を自身の掌またはその他の物で押すまたは叩くことを選択してもよい。
【0057】
図29Aは、ハンマーまたは木槌120、および差し込みトロカール116がピン110、112をガイダーチューブ102の中空を通って、椎弓根の所望の位置まで作動させるどのように作動させ得るかを示す。図29Bは、二つの基準ピン110、112が二つの隣接する椎体まで作動および固定された後の、椎弓根の斜視断面図を示す。
【0058】
基準ピン110または112が、上に説明のように椎弓根に挿入された後、一実施態様において、各ピン110、112を中心とする大きめの穴または領域が、椎弓根スクリュー2を椎弓根の骨に容易に挿入および装着することができるように形成される。大きめの穴は、図30に示されるような管状目打ち122を使用して形成される。管状目打ち122は、椎弓根の所望の位置に固定される基準ピン110、112の上に挿入される。目打ち112は、円筒型の中空チューブの形状をしており、中空の内径は、ピン110、112が目打ち122の中空に挿入されるように、基準ピン110および112の外径よりも大きい。目打ち122は、基準ピン110、112を中心とする大きめの挿入点を形成するために、組織および骨を切断および砕くための一つ以上の鋭い歯124を第一の端部にさらに備え、椎弓根スクリュー2がさらに容易に椎弓根に移植されるようにする。図31は、椎弓根スクリュー2(図示せず)のための大きめの挿入穴を形成するために、基準ピン110、112の上に、管状目打ち122が患者の背部の低侵襲的切開に挿入される際の、患者の脊柱の斜視断面図を示す。図31に示されるように、開創器130は、手術部位上の低侵襲的切開に挿入され、開創器130の下部の管状本体は、手術部位から周辺の組織を外側へ押し出すために拡大し、外科医が手術するためにさらなるスペースおよび視野を提供する。開創器130を挿入するために、一実施態様において、低侵襲的切開は、二つの基準ピン110、112を挿入するために使用される誘導チューブ102の二つの挿入点の間、およびそれらをつなぐ患者の背部に形成される。開創器130が挿入される前に、一連の段階的拡張器(図示せず)を使用して、低侵襲的切開を事前に拡大することが一般的に必要とされており、後に使用する拡張器は、それぞれ前の拡張器より大きい直径を有する。最終段階の拡張器が取り付けられると、開創器130は、下部の管状本体が格納され、拡張されていない状態で挿入される。開創器130は、所望の深さまで椎弓根に差し込まれ、下部の管状部分は、その後、図31に示されるように拡大される。段階的拡張器および開創器の使用は、当技術分野において既知である。
【0059】
管状目打ち122が、椎弓根スクリュー2のための大きめの挿入穴を形成した後、一実施態様において、基準ピン110、112は取り除かれる。上に説明したとおり、基準ピン112が使用された場合、椎弓根スクリュー2の移植前に、基準ピン112を除去するために回収装置140を使用してもよい。図32に示されるように、回収器140は、基準ピン112の外側にネジ山の入った先端部114と結合するように設計される、内側にネジ山の入った端部142を有する長い管状または円筒型の部分を備える。回収器の端部142がネジ山の入った端部114の上にねじ込まれると、医師は、基準ピン112を椎弓根から引き抜いてもよい。別の実施態様において、ネジ山の入った先端部を持たない基準ピン110が使用される場合、ピン110を引き抜くために、適切な器具(例えば、特製ニードルノーズプライヤー)を使用してもよい。
【0060】
他の実施態様において、基準ピン110、112は椎弓根から除去されない。代わりに、特製の椎弓根スクリュー144が、ピン110、112を事前に除去せずに、ピン110、112の上から椎弓根に挿入されてもよい。図33に示されるように、特製の椎弓根スクリュー144は、外側にネジ山の入ったシャフト10、および可撓性の棒状連結ユニット4(図4〜13)を収容するための円筒型頭部16(図3)を有する結合組み立て部品14(図3)を備える。あるいは、結合組み立て部品14は、図14〜20に示されるような板状連結ユニットを収容するよう設計されてもよい。椎弓根スクリュー144は、開口部146をシャフト10の先端に有し、基準ピン110、112をその中に収容するように設計される、長手軸方向の軸方向溝(図示せず)をネジ山の入ったシャフト10内にさらに備える。
【0061】
図34は、挿入装置150を使用して椎弓根スクリュー2が第一の椎弓根に挿入された後の、患者の脊柱の斜視断面図を示す。椎弓根スクリュー2を挿入するために、当技術分野で既知であるさまざまな種類の挿入装置を使用してもよい。図34に示されるように、第一の椎弓根スクリュー2が移植された後、開創器130は、第二の基準ピン110、112の位置に第二の椎弓根スクリューを挿入するためのスペースおよび視野を提供するために、若干調整および移動される。
【0062】
図35は、本発明に係る、二つの椎弓根スクリュー2が二つのそれぞれの隣接する椎弓根に移植された後の、患者の脊柱の斜視断面図を示す。椎弓根スクリュー2が取り付けられると、図4〜20に関連して上に説明されたような可撓性の棒状、板状、または混合型の連結ユニットは、脊椎の柔可撓性のある安定化を提供するために、椎弓根スクリューに連結されてもよい。その後、開創器130は取り除かれ、低侵襲的切開は閉鎖および/または縫合される。
【0063】
図36Aは、本発明のさらなる実施態様に係る、脊椎固定のための可撓性棒200の斜視図を示す。棒200は、図1〜3に関連して上に説明されたような固定部材2によって固定されるように設計される。好適な実施態様において、以下に説明される棒200、棒210、220、230、および240は、既知の生体適合性材料、例えば、ステンレス鋼、鋼鉄、チタン、チタン合金、ニチノール、およびその他の適切な金属製の組成または材料などから成る中実の円柱状の棒で構成される。図36Aに示されるように、らせん状の溝202は、棒200の円筒型の本体の長さの少なくとも一部分に沿って切り込まれるまたは形成される。典型的な実施態様において、棒の長さ「l」は、4から8センチメートル(cm)の間であってもよく、円筒型の直径「D」は、4から8ミリメートル(mm)である。らせん状の溝202は、0.1から0.5mmの間の幅「w」を有し、らせん状の角度θは、平行線から50から85度の間である。らせん状の溝202の間の距離は、3から6mmの間であってもよい。しかしながら、当技術分野に精通する者に理解できるように、上記の寸法は、単に例示的なものであり、特定の患者または適用に適切である所望の可撓性、ねじれ、および強度の特性を達成するために変更されてもよい。
【0064】
図36Bは、図36AのB−Bの線に沿った、可撓性棒200の断面図を示す。図示されるように、らせん状の溝202は、円筒型棒200の中心の長手方向軸に向かって切り込まれる。溝は、中実または中空の棒に、ヘリックスまたは中断されたヘリックスとして、らせん状の方法で連続的に形成されるか、または中実の棒に、不連続の円周方向の溝として形成されてもよい。中空の棒は、不連続の周方向の溝をその中に有する場合、溝は、不連続性を回避するために一部のみ棒の材料に貫通することができる。一実施態様において、溝202の深さは、図36Bに示されるように棒200の円筒型の半径にほぼ等しく、円筒型棒200の中心の長手方向軸の深さまで貫通する。しかしながら、棒の断面積および形状、長手軸方向部材の溝の部分の溝深さ、溝幅、溝の断面形状、および溝から溝のスペースは、必要に応じて機械的および構造的特性を調整するために変更してもよい。例えば、溝の深さまたは幅が増加すると可撓性が増加するが、溝から溝のスペースが増加すると、可撓性が減少する。これは、棒の指定の曲げ力、特注の曲げ形状で棒の曲げの程度を修正し、曲げ中に棒における機械的応力を均一にして、素材疲労を最小限に抑え、棒の信頼性を向上するために使用可能である。
【0065】
図37Aは、本発明の別の実施態様に係る、脊椎固定のための可撓性棒210を示す。棒210は、棒210の本体にドリルされるまたは形成される複数の横断型穴またはトンネル212を備える。一実施態様において、トンネル212は、円筒型棒210の中央の長手方向軸を水平からΦの角度で貫通する。各トンネル212の開口部は、棒210の円筒型側壁の対側に位置し、隣接するトンネル212は、円筒型側壁の一側面の共通の開口部を共有し、図37Aに示されるように、棒210の中心の縦方向軸を横断して貫通する内部トンネル212のジグザグ模様を形成する。一実施態様において、各トンネル212の直径Dは、棒210の所望の機械的特性および構造的特性(例えば、可撓性、ねじれ、および強度)に応じて0.2から3mmの間で変更してもよい。しかしながら、これらの寸法は例示的であり、使用される材料および所望の構造的および機械的特性に応じて、その他の直径Dを必要としてもよい。同様に、水平線からの角度Φは変更して、トンネル212の数または隣接するトンネル212間の距離を変更してもよい。
【0066】
図37Bは、図37AのB−Bの線に沿った、可撓性棒210の断面図を示す。トンネル212は、棒210の中心の円筒型軸を通り抜け、トンネル212の開口部が、棒210の円筒型側壁の対側で形成されるようにする。
【0067】
図38Aは、本発明のさらなる実施態様に係る、脊椎固定のための可撓性棒220の斜視図を示す。棒220は、図36Aおよび36Bに関連して上に説明されるらせん状の溝202の他に、図37Aおよび37Bに関連して上に説明される横断型のトンネル212を備える。らせん状の溝202は、棒220の円筒型の側壁面に棒220の中心の縦方向軸に向かって切り込まれる。上に説明されるように、らせん状の溝202の寸法およびその水平線からの角度θ(図36A)は、所望の機械的および構造的特性に応じて変更されてもよい。同様に、横断型トンネル212の寸法およびその水平からの角度Φ(図37A)は、所望の機械的および構造的特性に応じて変更されてもよい。一実施態様において、角度θおよびΦは、実質的に同じであり、したがってトンネル212の開口部は、ロッド220の円筒型側壁の対側において、らせん状の溝202と実質的に一致する。
【0068】
図38Bは、図38AのB−Bの線に沿って透視的に示される、可撓性棒の上面図を示す。図38Bに示されるように、トンネル212の開口部はらせん状の溝202と一致する。らせん状の溝202と横断型トンネル212の両方を、中実の棒220に提供することによって、異なる患者、適用、脊椎固定のレベルにとって適切な多数の所望の機械的および構造的特性が達成され得る。
【0069】
図39Aは、本発明の別の実施態様に係る、脊椎固定のための可撓性棒230を示す。棒230は、棒230の本体に形成される複数の横断型トンネル232を備える。トンネル232は、図37Aおよび37Bに関連して上に説明されるトンネル212と実質的に同じであるが、トンネル232はジグザグ模様で結合されていない。それどころか、各トンネル232は、直接隣接するトンネル232に対して実質的に平行あり、トンネル232の開口部は、隣接するトンネル232の開口部に一致しない。図39Aに示されるように、本実施態様における水平からの角度Φは、およそ90度である。しかしながら、その他の角度Φが、本発明に係り組み込まれてもよいことが理解される。トンネル232(トンネル212も同様に)の寸法、サイズ、および形状は、所望の機械的および構造的特性を達成するために平行されてもよいことがさらに理解される。例えば、トンネル212および232の断面形状は、円形である必要はない。代わりに、例えば、楕円形またはダイヤモンド形、またはその他の所望の形状であってもよい。
【0070】
図39Bは、図39AのB−Bの線に沿った、棒230の断面図を示す。図39Bに示されるように、横断型トンネル232は、棒230の中心の縦方向軸を介して垂直および横方向に移動する。図39Cは、棒230のさらなる実施態様の断面図を示し、追加の横断型トンネル232’が第一の横断型トンネル232に実質的に直行して形成され、第一の横断型トンネル232と中心の円筒型の軸点で交差する。このようにして、棒230のさらなる可撓性が要望とおりに提供される。
【0071】
図40Aは、本発明のさらなる実施態様に係る、可撓性の棒240の斜視図を示す。棒240は、図40Aに示されるように、実質的に相互に直行し、交差しない、複数の交互に配置される横断型トンネル232および242を備える。別の実施態様において、図40Bに示される断面図では、隣接するトンネル232および242は相互に直行する必要はない。各トンネル232、242は、直接前に隣接するトンネル232、242から所望の角度ωで相殺されることができる。当技術分野に精通する者に確認されるように、必要以上の実験を実施せずに、相互に関するトンネルの寸法、数、および角度方向を変更することによって、脊椎固定装置に使用される可撓性棒のさまざまな所望の機械的および構造的特性が達成されてもよい。
【0072】
複数のレベルの脊椎固定処置に関して、例えば図23Bに示されるように、一つの脊椎関節が固く固定されることが望まれ、一方で隣接する脊椎関節は動的(柔軟に)安定化されることが望まれる場合がある。この機能を達成するための長手軸方向部材の実施態様は、図41Aに示される。長手軸方向部材250の軸部分254は、曲げのための可撓性増加を提供するために溝が掘られているが、一方軸部分252および256は、溝が掘られず、比較的剛性のままである。穴258は、クラックの形成を防止し、信頼性を向上するために溝を終了させるために使用される。溝またはスロットを終了させるための拡大直径のこのような穴の使用は、材料における機械的応力のピークを減少させる手段、および材料破壊の可能性を減少させる手段として、当技術分野において既知である。
【0073】
図41Bは、固定部材2の第一対の間に配置される可撓性部分254と、第二対の固定部材2の間に配置された非可撓性部分252を有する少なくとも3つの固定部材2(図3)を使用して、患者の脊椎に固定されるように設計される、図41Aの棒250の組み立て部品を示す。
【0074】
図41Cに示されるさらなる実施態様として、拡張された溝なし部分252は、配置される単一の安定部材2のさまざまな位置に対応することが可能である。別の実施態様において、延長された溝なし部分は、対称的に溝のある部分の片側で対称的に配置されることが可能である。部分252の延長された長さは、隣接する椎体の椎弓根の骨の間のさまざまな距離に対応可能な「フリーサイズ」の長手軸方向部材250を提供することが正しく理解される。図41Cに示されるとおり、隣接する安全部材2および2’間の距離は、部分252における安全部材2の位置を選択することによって調整されてもよい。そして、部分252のいかなる余分な長さも、切り落とされるか取り除かれることができる。
【0075】
溝部分254の、溝深さ、溝幅、溝の断面形状または輪郭、および溝から溝のスペースなどの溝の変数は、溝部分254の軸に沿った均一な構造的および機械的特性のために均一に一定であることが可能である。場合によっては、長手軸方向部材について、局所的に機械的応力レベル、特注曲げ形状を制御する目的、または、あらゆる曲げ方向または選択された曲げ方向に曲げに対する抵抗に作用する目的で、軸方向に変化する構造的および機械的特性を有することは効果的である。円筒型の(例えば)中空の長手軸方向部材の断面積は、外径を変更することによって変更可能であるが、中空の円筒の側壁厚さは一定を保つ。別の実施態様では、内径を調整することによって側壁厚さを変更するが、中空の円筒の外径は一定を保つ。さらにその他の実施態様では、外径と内径を対称的に変更する。上述の議論は、円筒型の形状でない長手軸方向部材にも当てはまる。
【0076】
図42Aは、本発明のある実施態様に係る、可撓性でらせん状の溝が入った安定化装置の側面図を示す。らせん状に溝の入った部分271は、溝なし部分262および262’に比べ、拡大された外径を有する。らせん状の溝により部分271の可撓性は増加するが、らせん状に溝の入った部分271の外径が、溝なし部分262および262’の外径と同じである場合、溝があるために部分271における断面の単位面積が減少するため、溝なし部分262および262’に比べ、部分271への単位面積当たりの材料の応力もさらに大きくなる。部分271の外径を拡大することにより、らせん状に溝の入った部分271の屈曲時に、らせん状に溝が入った部分271と溝なし部分262および262’の両方に対する許容範囲の材料応力レベルを維持することができる。
【0077】
一実施態様において、図42Aの長手軸方向部材が中空である場合、らせん状に溝の入った部分271の空洞の内径は、溝なし部分262および262’の空洞の内径と同じであることが可能であるが、溝なしの可撓性部分271の外径は、曲げ時の材料応力を軽減および/または溝なし部分271の可撓性を変更するためには大きくなる。
【0078】
図42Aおよび42B(以下に説明)は、長手軸方向の脊椎固定装置の例を示し、可撓性部分は、長手軸方向の安定装置の対応する端部分のものとは異なる断面輪郭(例えば、外径(円筒型棒の場合)または視野測定形状)を有する。
【0079】
さらなる実施態様において、溝のある可撓性部分の断面輪郭(例えば、外径)は、溝なし部分の断面輪郭(例えば、外径)と同じに保たれるが、溝のある可撓性部分の空洞の内径は、溝なし部分の空洞の内径に比べ小さくなる。これは、上に説明された同様の材料応力軽減効果を有する。
【0080】
本発明のさらなる実施態様において、溝のある可撓性部分の内径と外径の両方は、溝のない部分の内径及び外径に対して変更可能であり、両部分の間の材料ひずみの差を軽減する。
【0081】
図42Bは、溝のある部分266と、溝なし部分262および262’とのそれぞれの間の移行部264および264’の周辺の機械的応力の軽減を達成するために、溝のある部分266の円筒型直径または断面輪郭を調整する(しかし、中空の長手軸方向部材の場合の空洞の内径は一定に保つ)ことによって、縦方向軸に沿った可撓性における変更を達成する、本発明の別の実施態様の側面図を示す。
【0082】
別の実施態様において、溝深さ、溝幅、溝の断面形状、および溝から溝のスペースの軸方向の変更により、軸方向に異なる可撓性および機械的特性、またはそのどちらか、もしくは上に説明した円筒型断面の変更との組み合わせを達成することもできる。例えば、(1)溝のある部分の入口付近で最大値で、溝なし部分との境でほぼゼロになる徐々に細くなる溝深さ(図43A)、(2)溝のある部分の中央付近で最大で、溝なし部分との境でほぼゼロになる溝幅(図43B)、(3)溝のある部分の入口付近で許容の最大曲げで、溝なし部分との境で曲げを軽減する形状になる推移する溝形状(図43C)、または(4)溝のある部分の中央付近で最小で、溝なし部分との境で最大になる拡大する溝から溝のスペース(図43D)。
【0083】
図44は、溝のある部分276の周囲にエラストマー被覆278を有する長手軸方向部材を示す。本実施態様において、エラストマー被覆278は、溝のある部分276のみを被覆し、溝なし部分272は被覆しない。任意のテーパー274が長手軸方向部材において形成され、被覆および非被覆部分の間の滑らかな表面移行を提供する。また、これらの任意のテーパー274は、被覆の長手軸方向の配置を固定する。あるいは、被覆は、溝なし部分272の上まで延長されてもよい。エラストマー被覆は、(1)長手軸方向部材の表面のみに接触する、(2)さらに長手軸方向の部材の溝に浸透する、または(3)長手軸方向部材が中空である場合、長手軸方向部材の内部にまで浸透して少なくとも部分的に満たしてもよい。エラストマー被覆は、長手軸方向部材の軸方向および曲げの安定性に対するさらなる制御を提供するだけでなく、溝のある部分と組織の間の境界を提供する。
【0084】
エラストマー被覆は、例えば、シコーン、ポリウレタン、ポリカーボネートウレタン、シリコーンーウレタン共重合体を含む、さまざまな医療グレードのエラストマーのいずれかから成ることが可能である。被覆は、当技術分野で既知であるさまざまな技術を使用して、長手軸方向部材に適用されることができる。一技術において、熱可塑性または熱硬化性の樹脂が、長手軸方向部材の所望部分の周囲の加熱された型に注入されることができるが、それは型内に装着されている。この射出成形プロセスの利点は、室温および室内圧力での代替手段で適用するのに十分低い粘度を持たない被覆材料に対応可能であることである。射出成形のさらなる利点は、被覆の外側形状が、使用される型の形状によって決定されることである。別の射出成形の利点は、溝の隙間および中空の長手軸方向部材の内部の再現性のある浸透である。代替えの成形技術は、圧力成形およびトランスファー成形である。
【0085】
その他の被覆の適用方法は、液体射出成形、浸漬、溶射、またははけなどの塗布器などによる塗装を含む。これらの方法は、被覆材料が低粘度の形状で塗布されることを必要とする。例えば、塗布用の樹脂は、塗布後に蒸発する溶媒内で懸濁させる。別の例において、被覆材料は、低粘度の形状で塗布され、その後、化学物質、加熱、放射線の方法により矯正される。被覆材料の塗布が必要ない場合、長手軸方向部材の部分を覆うことが有用である場合もある。
【0086】
図45Aは、材料277から成る長手軸方向部材の可撓性部分としての、棒の均一の断面図を示す。図44Bは、別の材料279からなる部分を含む、材料277から成る長手軸方向部材の可撓性部分としての、棒の不均一の断面図を示す。明らかに、図45Aの棒は、xおよびy方向において適用された力で同一の曲げ挙動を示す。320および330の部分の材料が異なる曲げ特性を有する場合、図45Bの棒は、xおよびy方向において適用された力で異なる曲げ挙動を示す。例えば、図45Bは、材料277よりも堅く、棒は、yよりもx方向でより簡単に曲がる。
【0087】
本発明のさまざまな実施態様が上に説明された。しかしながら、当技術分野において通常の技能を有する者は、好適な実施態様の上述の説明が単に例示的なものであり、本発明が上に開示された装置および技術の修正または変更によって実施されてもよいことを理解するだろう。当技術分野において通常の技能を有する者は、通常の実験、本発明の特定の実施態様に相当する多数のものだけを使用して、理解または解明することが可能である。このような修正、変更、および相当物は、以下の請求項に記載される本発明の範囲内であると考えられる。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、2004年12月10日に出願の名称が「脊椎安定化装置」である米国特許出願11/009,097号の一部継続出願に関し、その米国特許出願11/009,097号は、2004年3月10日に出願の米国特許出願10/798,014号の一部継続出願であり、その米国特許出願10/798,014号は、2003年12月5日に出願の米国特許出願10/728,566号の一部継続出願であり、その米国特許出願10/728,566号は、2003年9月24日に出願の名称が「動的脊椎固定装置」である韓国特許出願2003-0066108号のU.S.C.§119(a)で優先権の利
益を請求する。上述の各出願の全ては、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の背景)
(発明の技術分野)
本発明は、脊柱を安定させるための方法およびシステムに関し、より具体的には、一つ以上のネジ式固定部材が患者の脊柱部位に移植および固定され、さまざまな断面の可撓性で半剛性の棒状または板状の構造(以下、それぞれ「棒」または「板」という)を有する長手軸方向部材が、固定部材の上端に連結および固定されることにより脊柱の安定化を提供する、脊椎固定の方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の説明)
椎間板変性疾患(DDD)、脊椎狭窄症、脊椎すべり症などの脊柱変性疾患は、保存療法で改善しない場合に外科手術が必要になる。一般的に、最初に行う外科的処置は、脊椎除圧術である。その除圧の主な目的は、脊柱のある組織を摘出することにより脊柱管およびその神経根への圧力を軽減し、その圧力により生じる圧力や痛みを軽減または解消することにある。脊柱の組織が摘出されると痛みは軽減されるが、脊柱の機能は弱くなる。よって、除圧処置後に脊椎を安定させるために、癒合手術(例えば、ALIF、PLIF、または後側方固定術)が必要になる場合が多い。しかしながら、外科的処置後、癒合によって最大の安定性を得るまでには時間をさらに要するので、脊椎固定装置は、一般的に、所望のレベルの癒合が達成されるまで脊柱を支持するために使用される。患者特有の事情や病状により、癒合処置を行わずに、脊椎固定術が除圧の直後に行われる場合がある。固定手術は、手術の直後に安定性を提供するため多くの症例において行われ、癒合手術が行われた場合も、十分な癒合と安定性が得られるまで脊椎を支える。
【0004】
脊椎固定の従来の方法では、損傷した脊椎部位を支持し、損傷部位の運動を防ぐために、剛性の脊椎固定装置が利用される。このような従来の脊椎固定装置には 椎弓根また
は背骨の仙骨に所定の深さや角度で挿入されるように設計される固定ネジ、損傷した脊椎部位に隣接して配置されるように設計される棒または板、および損傷した脊椎部位を比較的固定した位置で棒または板が支持および保持するように、棒または板を固定ネジに連結および結合するための結合要素が備えられる。
【0005】
特許文献1は従来の脊椎固定装置を開示し、その開示において、棒または板状の連結部材は、椎弓根または背骨の仙骨に挿入される少なくとも一つ以上のネジの上端に装着される。棒や板などの連結ユニットは、除圧により弱くなった脊柱の損傷部位を安定させるために使用される。また、連結ユニットにより、脊柱の運動を大幅に抑制し、患者へのさらなる疼痛や損傷を防ぐ。しかしながら、連結ユニットは、長期間使用していると通常の脊柱の運動を防ぐため、脊椎固定装置は、脊柱に関連する合併症および異常をさらにもたらす「関節症候群」(通過症候群)や「癒合症」などの悪影響を及ぼすことがある。特に、従来の固定装置に使用される棒または板の高い剛性が原因で、手術後に患者の固定された関節が自由に動かず、手術部位の上下に位置する脊椎の関節の動きが増加する。したがって、このような脊椎固定装置により、患者の可動性は低下し、手術部位に隣接する脊柱の関節に対する圧迫や不安定性は増大する。
【0006】
脊椎固定が過度に剛性であると、剛性の固定により荷重の遮蔽が生じるため、癒合処置には有用でないこと報告されている。したがって、荷重を分散する半剛性の固定装置を使用する試験が、このような問題を排除し、骨の癒合処置を補助するために行われている。例えば、特許文献2、特許文献3、および特許文献4は、可撓性のある設計を有し、骨の癒合を促進するために軸方向の荷重移動(すなわち、脊椎の垂直軸に沿って)を可能にする動的脊椎固定装置を開示する。しかしながら、このような装置は、骨の癒合処置後の使用を対象とするため、癒合を行わない脊椎固定には適していない。よって、最終結果として、このような装置は、癒合により生じる剛性の固定の問題を解決しない。
【0007】
剛性の固定に関連する上記の問題を解決するために、非癒合技術が成長してきている。Grafバンドは、非癒着固定装置の一例であり、骨を癒着せず除圧後に適用される。Grafバンドは、ポリエチレンのバンドと、そのポリエチレンバンドを、安定性を必要とする脊椎に連結するための椎弓根スクリューにより構成される。Grafバンドの主な目的は、損傷した脊椎部位の矢状回転(屈曲による不安定性)を防ぐことにある。よって、特定の症例には効果的であるが、さらなる安定性および固定を必要とする症例には適切ではない。非特許文献1、非特許文献2)を参照。「Dynesys」という別の非癒着固定装置は、最近導入された。非特許文献3、非特許文献4を参照。Dynesys装置はGrafと似ているが、Dynesys装置は、スクリューの間にポリカルブレチレン(polycarburethane)のスペーサを使用し、二つの対応する椎弓根スクリューの先端の間に距離を保つことで、スクリューが固定される隣接する椎体との距離を保つ。Dynesys装置の発明者による初期段階の報告によると、多くの症例においてその装置は成功している。しかしながら、Dynesys装置が、可撓性および耐久性だけでなく長期にわたって安定性を保持できるか否かについてはまだ比較試験で判定されていない。その装置はポリエチレンの構成要素および界面を有するため機械的故障のリスクを負う。さらに、装置の機械的設計により、装置を脊柱に取り付けるために必要な外科技術は、手間が掛かり複雑である。
【0008】
特許文献5および特許文献6は、プラスチック製で非金属製の棒を使用した可撓性の脊椎固定システムおよび方法を開示する。特許文献7は、可撓性の細長い部材を使用する可撓性脊椎固定装置の別の例を開示する。このような装置は可撓性であるが、持続的な軸方向の負荷や圧迫に耐えるのには適していない。さらに、所望の可撓性と剛性の度合いは、患者によって変化する可能性がある。既存の可撓性の固定装置の設計は、各対象者にとって最善の結果をもたらす可撓性のレベルを変更するようには適していない。例えば、特許文献8は、金属合金および/または複合材料から成る可撓性の棒を利用する可撓性の固定装置を開示する。さらに、椎体に所望の方向に非回転力を提供するために、圧縮バネまたは引っ張りコイルバネが棒の周りに巻かれる。しかしながら、この特許は、主に、脊椎の「(前記)垂直軸に沿った相対縦移動摺動運動」を可能にする脊椎固定装置を提供することに関係しており、さまざまな可撓性の特性を提供する連結ユニット(例えば、棒または板)の具体的な設計を解説または提案するものではない。特許文献8に記載の従来の可撓性の棒は、一般的に、所望のレベルの可撓性を提供するために、比較的小さな直径を備える固体構造を有する。それらは、適切な可撓性を提供するために非常に薄いため、このような従来技術の棒は、機械的故障を起こしやすく、患者へ移植後に破損することが知られている。
【0009】
したがって、従来の脊椎固定装置は、脊椎疾患治療に関連する問題に対して包括的で均衡のとれた解決を提供していない。従来の装置の多くが、特徴として過度に剛性であるため上記のような問題を引き起こし、一方、その他の装置はいくらか可撓性があるものの、可撓性の度合いを変更するにはうまく適応していない。ゆえに、所望の度合いの可撓性を脊柱の損傷部位に提供し、また、持続的な耐久性および一貫した安定性を脊柱に提供する、動的脊椎固定装置を改善する必要性がある。
【0010】
また、脊椎固定装置を脊柱に固定するための従来の外科手技において、医師は、背部の正中線を約10〜15cmまで切開し、それを解剖して両側に開創する。このようにして、医師は、筋肉解剖を行って、面関節の外側部分を露出する。次に、その解剖の後に、医師は、X線装置(例えば、Cアームフルオロスコピー)を使用して椎弓根への挿入点を検出し、脊椎固定装置の固定部材(以下、「椎弓根スクリュー」)を挿入する。その後、連結ユニット(例えば、棒または板)が、脊柱の損傷部位に支持と安定性を提供するために、椎弓根スクリューの上部に取り付けられる。よって、従来の脊椎固定処置では、患者の背部が約10〜15cm切開され、結果として脊柱を保持するために重要である背部筋肉が切開または損傷され、術後の疼痛および回復期間の遅れを患者にもたらす。
【0011】
最近、患者の外傷を軽減するために、外科的処置の部位の患者の背部に切開される比較的小さい穴または「窓」によって脊椎固定手術を実施することが可能である低侵襲的処置が普及している。内視鏡または顕微鏡を使用することで、低侵襲的手術は、患者の患部の切開をさらに小さくすることを可能にする。このようなより小さな切開を介して、脊椎固定装置の二つ以上の固定部材(例えば、椎弓根スクリュー)は、ナビゲーションシステムを使用してそれぞれの椎弓根部位にねじ込まれる。その後、固定装置の安定化部材(例えば、棒または板)を固定部材に連結するために特別な器具が使用される。あるいはまたはさらに、外科的処置には、段階的拡張器を切開部に挿入し、拡張の直径を徐々に増大させることも含む。その後、管状開創器が拡張された部位に挿入され、患者の筋肉を開創し、手術のための視野を提供する。この視野が確立されると、除圧および必要であれば癒合処置が実施されてもよく、その後に、固定処置が続き、その固定処置には、椎弓根位置を検出するステップ、椎弓根スクリューを椎弓根に挿入するステップ、内視鏡または顕微鏡を使用するステップ、および弱くなった脊柱を安定化よび支持するために、安定化部材(例えば、棒または板)を椎弓根スクリューに固定するステップを含む。
【0012】
低侵襲的脊椎固定処置を実施するうえで最も課題となる側面の一つは、内視鏡または顕微鏡による可視化により椎弓根スクリューの挿入点の位置決めをすることである。通常、解剖学的ランドマークおよび/またはX線装置は、挿入点を検出するために使用されるが、明確な解剖学的関係は、限定された作業領域のため特定することが難しい場合が多い。また、低侵襲的処置は、椎弓根スクリュー挿入部位の解剖を露呈するために摘出されなければならない多量の軟組織を必要とする。この軟組織の摘出は、患部における出血を引き起こし、その結果、固定部材を挿入するための正確な位置を検出するのがさらに難しくなり、手術部位周囲の筋肉および軟組織をさらに損傷する。その上、固定部材の挿入点の位置を正確に決定するのが難しいため、従来の処置は不必要に外傷をもたらす。
【0013】
X線技術が、固定部材が挿入される椎弓根の位置をより正確にかつ迅速に検出するために、提案および実施されている。しかしながら、X線技術を使用して、対応する椎弓根の位置を検出するために必要な鮮明な画像を得ることは、外科手術中に使用される金属製の器具や設備によるX線干渉が原因で、難しい場合が多い。さらに、X線画像を読み取り解釈することは、相当な訓練と専門知識を必要とする複雑な作業である。X線は、患者が大量の放射線にさらされるというさらなる問題を提起する。
【0014】
椎弓根の所望の挿入点へ椎弓根スクリューの挿入を誘導する、誘導システムがいくつか開発されているが、このような従来のシステムは、使用するのが難しいことが立証されており、さらに手術処置の妨げになる。例えば、椎弓根スクリューのための従来の誘導システムは、患者の背部の筋肉および組織に挿入される誘導管に挿入される長い線を利用する。誘導管の挿入場所は、X線手段(例えば、Cアームフルオロスコピー)で決定され、誘導管の第一の端部が、椎弓根の骨の表面の所望の位置に到達するまで作動する。その後、一般的に、生体適合性のある金属材料から成る誘導線の第一の端部が、誘導管に挿入され、椎弓根の骨まで差し込まれ、一方、線の反対側の端部は、患者の背部から突き出ている。誘導線が椎弓根の骨に固定されると、誘導管は摘出され、誘導線を中心とする穴は切開および開創される。最後に、誘導線を収容するように設計される軸方向の穴または溝を有する椎弓根スクリューが、誘導線により椎弓根の骨の所望の位置まで誘導され、そこで、椎弓根スクリューは、椎弓根にねじ込まれる。
【0015】
線による誘導システムの概念は優れているが、実際のところ誘導線は非常に使用しにくい。比較的長くて薄い線であるため、誘導線の構造的完全性は、線の一端を椎弓根の骨まで作動させようとするまでに機能しなくなる場合が多く、不必要に時間がかかり面倒である。さらに、線は、挿入中に屈曲および波形するので、その後の器具および椎弓根スクリューを椎弓根の挿入点に誘導するための円滑で安定した固定にはならない。さらに、現在の経皮的な線による誘導システムは、内視鏡または顕微鏡使用による直接可視化ではなく、Cアームフルオロスコピー(またはその他のX線装置)と併用して使用される。このようにして、現在の線による誘導システムは、誤った位置設定または椎弓根の破損に対する潜在的リスクをもたらす。最後に、線の一端が椎弓根スクリューの頭部および患者の背部から突き出ているので、この線は、脊椎固定手術に伴うさまざまなその後の処置を実施する際に外科医の動作自由を妨げる。したがって、内視鏡または顕微鏡の可視化のもとでの低侵襲的椎弓根スクリュー固定処置における使用に適応した、椎弓根に移植し易く、外科医による次の処置を妨げない、誘導システムの改善を提供する必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第6,193,720号明細書
【特許文献2】米国特許第5,672,175号明細書
【特許文献3】米国特許第5,540,668号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2001/0037111号明細書
【特許文献5】米国特許第5,282,863号明細書
【特許文献6】米国特許第4,748,260号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2003/0083657号明細書
【特許文献8】米国特許第5,672,175号明細書
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Kanayamaら、Journal of Neurosurgery 95(補遺1):2001年、p.5−10
【非特許文献2】MarkwalderおよびWenger、Acta Neurochrgica 145(3):p.209−14
【非特許文献3】Stollら、European Spine Journal 11 補遺2:2002年、p.S170−8
【非特許文献4】Schnroelzら、J.of Spinal Disorder&Teehniques、2003年、16(4):p.418−23
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上に説明したように、脊椎疾患を治療するために使用される既存の方法および装置は、大幅な改善を必要としている。最も従来的な脊椎固定装置は、極端に剛性および可撓性である。このように過度な剛性は、脊椎のさらなる異常および疾患に加え、かなりの不快感を患者にもたらす。既存の脊椎固定装置には、いくつかのレベルの可撓性を提供するものもあるが、これらの装置は、各特定の患者に対する所望のレベルの可撓性を提供するために、可撓性のレベルの変更が簡単に得られるように設計または製造されていない。さらに、可撓性の連結ユニット(例えば、棒または板)を有する従来技術の装置は、機械的故障に関してさらに高い危険性をもたらし、脊椎の持続的な耐久性および安定性を提供しない。さらに、脊椎固定処置を実施する既存の方法は、脊椎固定装置が固定される椎弓根または背骨の仙骨の正確な位置を検出するのが困難であるため、不必要に患者に外傷をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(発明の簡単な要旨)
本発明は、損傷または弱体化した脊柱を安定させるための改善された方法およびシステムを提供することによって、上記のおよびその他の必要性を解決する。
【0020】
従来の脊椎固定装置の欠陥を克服するために、一実施態様において、本発明の発明者は、耐久性があり、所望のレベルの可撓性および安定性を提供する改善された構成および設計を備える、新規の可撓性の脊椎固定装置を発明した。
【0021】
手術部位の周囲にある組織への損傷を最小限度に抑えるために、低侵襲的脊椎手術に必要な手術時間を削減するよう長期にわたって行われた研究の結果、別の実施態様において、本発明は、脊椎固定装置の固定部材が挿入される脊柱の位置を正確かつ迅速に検出する方法および装置を提供する。新規の誘導/マーキング装置が、固定部材が挿入される脊柱における位置を示すために使用される。
本願発明は例えば、以下を提供する。
(項目1)
脊椎安定化装置における使用のための連結ユニットであって、少なくとも三つの固定部材を使用して患者の脊椎に固定されるように設計される長手軸方向部材を備え、第一対の固定部材の間に配置されるように設計される上記長手軸方向部材の第一部分は、第二対の固定部材の間に配置されるように設計される上記長手軸方向部材の第二部分よりも、より高い可撓性を示す、連結ユニット。
(項目2)
上記長手軸方向部材は円筒型の棒の形状で設計される、項目1に記載の連結ユニット。
(項目3)
上記第一部分は、上記第一の部分に可撓性を提供するために上記第一部分に形成される少なくとも一つの溝を備える、項目1に記載の連結ユニット。
(項目4)
上記少なくとも一つの溝はらせん状の溝である、項目3に記載の連結ユニット。
(項目5)
上記少なくとも一つの溝は、上記溝の幅よりも大きい直径を有するひずみのがし穴で終了する、項目3に記載の連結ユニット。
(項目6)
上記長手軸方向部材は、金属、金属合金、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、熱可塑性物質、エラストマー、および複合材料で構成される既知で生物適合性の材料群から選択される材料を含む、項目1に記載の連結ユニット。
(項目7)
上記長手軸方向部材は中実の物体を備える、項目3に記載の連結ユニット。
(項目8)
上記長手軸方向部材は中空の物体を備える、項目3に記載の連結ユニット。
(項目9)
上記長手軸方向部材は、少なくとも部分的に第二の材料が埋められる第一の材料から成る中空の物体を備え、上記第二の材料は、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、エラストマー、および複合材料で構成される既知で生物適合性の材料群のうちの一つを備える、項目3に記載の連結ユニット。
(項目10)
脊椎安定化装置における使用のための連結ユニットであって、第一の端部および第二の端部、ならびに上記第一の端部と第二の端部との間に配置される可撓性部分を備える長手軸方向部材を備え、上記可撓性部分は、上記可撓性部分に形成される少なくとも一つの溝を有し、上記可撓性部分は上記第一の端部および第二の端部のものとは違う断面輪郭で特徴付けられる、連結ユニット。
(項目11)
上記長手軸方向部材は、円筒型の棒の形状で設計される、項目10に記載の連結ユニット。
(項目12)
上記可撓性部分の断面輪郭は、上記第一の端部または第二の端部のうちの少なくとも一つの断面輪郭よりも小さいため、上記可撓性部分に増大した可撓性を提供する、項目10に記載の連結ユニット。
(項目13)
上記可撓性部分の上記断面輪郭は、上記第一の端部または第二の端部のうちの少なくとも一つの断面輪郭よりも大きい、項目10に記載の連結ユニット。
(項目14)
上記可撓性部分の上記断面輪郭は、上記可撓性部分の断面輪郭が、上記可撓性部分の中央部分付近で最小となり、上記可撓性部分と対向する第一の端部および第二の端部の間の対向する移行部分で最大になるように、上記可撓性部分の長手軸方向軸に沿って徐々に細くなる、項目10に記載の連結ユニット。
(項目15)
上記長手軸方向部材は、金属、金属合金、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、熱可塑性物質、エラストマー、および複合材料で構成される既知で生物適合性の材料群から選択される第一の材料を含む、項目10に記載の連結ユニット。
(項目16)
上記可撓性部分は、第二の材料で埋められる第一の材料から成る中空の物体を備え、上記第二の材料は、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、エラストマー、および複合材料で構成される既知で生物適合性の材料群のうちの一つを備える、項目10に記載の連結ユニット。
(項目17)
上記第二の材料は、付与される荷重による上記可撓性部分の圧縮性を減少させる、項目16に記載の連結ユニット。
(項目18)
上記第二の材料は、上記第一の材料よりさらに可撓性であり、所定の偏向のための上記可撓性部分のエネルギー吸収を増加させる、項目16に記載の連結ユニット。
(項目19)
上記第二の材料は、上記第一の材料とは異なる可撓性を有し、上記第二の材料の断面は、異なる曲げ方向において異なる可撓性を提供するために、長手軸方向部材の軸に沿って不均一に分布する、項目16に記載の連結ユニット。
(項目20)
脊椎安定化装置における使用のための連結ユニットであって、長手軸方向軸と、それぞれの固定部材を使用して患者の脊椎に固定されるように設計される第一の端部および第二の端部と、上記第一の端部と第二の端部との間の可撓性部分とを有する長手軸方向部材を備え、上記可撓性部分は、上記可撓性部分に形成される少なくとも一つの溝を有し、少なくとも一つの溝の変数は、上記可撓性部分の長手軸方向軸の少なくとも一部分に沿って異なる、連結ユニット。
(項目21)
上記長手軸方向部材は円筒型の棒の形状で設計される、項目20に記載の連結ユニット
(項目22)
上記長手軸方向部材は、金属、金属合金、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、熱可塑性物質、エラストマー、および複合材料で構成される既知で生物適合性の材料群から選択される第一の材料を含む、項目20に記載の連結ユニット。
(項目23)
上記少なくとも一つの溝の変数は、上記連結ユニットの長手軸方向軸に沿った上記溝の幅を含む、項目20に記載の連結ユニット。
(項目24)
上記少なくとも一つの溝の変数は、上記溝の断面の深さを含む、項目20に記載の連結ユニット。
(項目25)
上記少なくとも一つの溝の変数は、溝から溝までのスペースを含む、項目20に記載の連結ユニット。
(項目26)
上記少なくとも一つの溝は、上記長手軸方向軸に沿った円周方向のらせん状のものを備える、項目20に記載の連結ユニット。
(項目27)
上記少なくとも一つの溝は、第一の溝と第二の溝を備え、上記第一の溝は、上記第二の溝と隣接しない、項目20に記載の連結ユニット。
(項目28)
上記少なくとも一つの溝は、上記溝の幅よりも大きい直径のひずみのがし穴で終了する、項目20に記載の連結ユニット。
(項目29)
脊椎安定化装置における使用のための連結ユニットであって、それぞれの固定部材を使用して患者の脊椎に固定されるように設計される、第一の端部および第二の端部と、上記第一の端部と第二の端部との間の可撓性部分とを有する長手軸方向部材を備え、上記可撓性部分の少なくとも一部は、第二の材料の被覆で覆われる、連結ユニット。
(項目30)
上記長手軸方向部材は、円筒型の棒の形状で設計される、項目29に記載の連結ユニット。
(項目31)
上記第一の材料は、金属、金属合金、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、熱可塑性物質、エラストマー、および複合材料で構成される既知で生物適合性の材料群から選択される材料を含む、項目29に記載の連結ユニット。
(項目32)
上記第二の材料は、有機ポリマー、エラストマー、天然に存在する樹脂、および複合材料で構成される既知で生物適合性の材料群から選択される材料を含む、項目29に記載の連結ユニット。
(項目33)
上記被覆は、上記長手軸方向部材の周囲に射出成形されている、項目29に記載の連結ユニット。
(項目34)
上記被覆は、上記長手軸方向部材を浸漬することにより上記長手軸方向部材に適用される、項目29に記載の連結ユニット。
(項目35)
上記被覆は、上記長手軸方向部材を溶射することにより上記長手軸方向部材に適用される、項目29に記載の連結ユニット。
(項目36)
上記被覆は、塗布器で上記長手軸方向部材に適用される、項目29に記載の連結ユニット。
(項目37)
上記被覆は、修正された可撓性の中央部分に一致する別々に製造された部分であり、上記長手軸方向部材と組み立てられる、項目29に記載の連結ユニット。
(項目38)
脊椎安定化装置における使用のための連結ユニットであって、第一の端部および第二の端部を有する長手軸方向部材を備え、可撓性部分が、上記第一の端部と第二の端部との間に配置され、上記第一の端部および第二の端部のうちの少なくとも一つは、安定部材に結合するためのさまざまな位置に対応する十分な長さを有する、連結ユニット。
(項目39)
上記長手軸方向部材は、円筒型の棒の形状で設計される、項目38に記載の連結ユニット。
(項目40)
上記少なくとも一つの端部は、安定部材を越えて延びる材料を除去するために長さを切断してもよい、項目38に記載の連結ユニット。
(項目41)
安定部材に結合するための広範なさまざまな位置が、連結ユニットの長さを切る作業を一度だけにして一つのサイズの連結ユニットで達成され得るように、一つの端部のみが、安定部材に結合するためのさまざまな位置に対応するための十分な長さを有する、項目38に記載の連結ユニット。
(項目42)
上記可撓性部分は少なくとも一つの溝を備える、項目38に記載の連結ユニット。
(項目43)
上記溝はらせん状の溝である、項目38に記載の連結ユニット。
(項目44)
上記長手軸方向部材は、金属、金属合金、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、熱可塑性物質、エラストマー、および複合材料で構成される既知で生物適合性の材料群から選択される材料を含む、項目38に記載の連結ユニット。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の一実施態様に係る、脊椎固定装置の斜視図を示す。
【図2】図2は、本発明の別の実施態様に係る、脊椎固定装置の斜視図を示す。
【図3】図3は、本発明の一実施態様に係る、図1および図2の椎弓根スクリュー2の結合組み立て部品14の分解図を示す。
【図4】図4は、本発明の一実施態様に係る、可撓性の棒状連結ユニットの斜視図を示す。
【図5】図5は、本発明の別の実施態様に係る、可撓性の棒状連結ユニットの斜視図を示す。
【図6】図6は、本発明のさらなる実施態様に係る、可撓性の棒状連結ユニットの斜視図を示す。
【図7】図7は、本発明の一実施態様に係る、予め曲げられた可撓性の棒状連結ユニットの斜視図を示す。
【図8】図8は、本発明の一実施態様に係る、連結ユニットの可撓性部分の斜視断面図を示す。
【図9】図9は、本発明の別の実施態様に係る、連結ユニットの可撓性部分の斜視断面図を示す。
【図10】図10は、本発明のさらなる実施態様に係る、連結ユニットの可撓性部分の斜視断面図を示す。
【図11】図11は、本発明の一実施態様に係る、可撓性の棒状連結ユニットの斜視図を示す。
【図12】図12Aは、本発明の一実施態様に係る、二つの端部分の合間に一つ以上のスペーサを有する可撓性の連結ユニットの斜視図を示す。図12Bは、図12Aの可撓性の連結ユニットの分解図を示す。図12Cは、本発明の一実施態様に係る、図12Aおよび12Bの可撓性の連結ユニットのオス型およびメス型の連動要素の図を示す。
【図13】図13は、本発明のさらなる実施態様に係る、可撓性の連結ユニットの斜視図を示す。
【図14】図14は、本発明の別の実施態様に係る、脊椎固定装置の斜視図を示す。
【図15】図15は、図14の脊椎固定装置の分解図を示す。
【図16−1】図16Aは、本発明の一実施態様に係る、可撓性の板状連結ユニットの斜視図を示す。図16Bは、本発明のさらなる実施態様に係る、可撓性の板状連結ユニットの斜視図を示す。
【図16−2】図16Cは、図16Aの可撓性の板状連結ユニットの側面図を示す。図16Dは、図16Aの可撓性の板状連結ユニットの上面図を示す。図16Eは、本発明のさらなる実施態様に係る、予め曲げられた設計を有する図16Aの可撓性の板状連結ユニットの側面図を示す。
【図17】図17は、本発明の別の実施態様に係る、可撓性の板状連結ユニットの斜視図を示す。
【図18】図18は、本発明の別の実施態様に係る、可撓性の板状連結ユニットの斜視図を示す。
【図19】図19は、本発明のさらなる実施態様に係る、可撓性の中間部分を有する混合型の棒板状連結ユニットの斜視図を示す。
【図20】図20は、図19の混合型の棒板状連結ユニットを利用する脊椎固定装置の斜視図を示す。
【図21】図21は、患者の脊柱に移植後の図1の脊椎固定装置の斜視図を示す。
【図22】図22Aおよび22Bは、図16Aおよび16Bの板状連結ユニットを利用する脊椎固定装置の斜視図をそれぞれ示す。
【図23−1】図23Aは、本発明の一実施態様に係る、スキュー角で二つの隣接する椎体の椎弓根に挿入される二つの椎弓根スクリューの斜視図を示す。図23Bは、本発明の一実施態様に係る、椎弓根スクリューの結合組み立て部品の構造図を示す。図23Cは、本発明の一実施態様に係る、傾斜した安定化スペーサの斜視図を示す。図23Dは、図23Cの傾斜した安定化スペーサの側面図を示す。
【図23−2】図23Eは、図23の椎弓根スクリューの円筒型頭部の上面図を示す。
【図24】図24は、本発明の一実施態様に係る、マーキングおよび誘導装置の斜視図を示す。
【図25】図25は、図24のマーキングおよび誘導装置の分解図を示す。
【図26】図26Aは、図24のマーキングおよび誘導装置が手術中に挿入された後の、患者の脊椎の斜視断面図を示す。図26Bは、図24のマーキングおよび誘導装置の内部のトロカールが除去される際の、患者の脊椎の斜視断面図を示す。
【図27】図27Aおよび27Bは、基準ピンに関する二つの実施態様の斜視図をそれぞれ示す。
【図28】図28は、本発明のさらなる実施態様に係る、差し込みトロカールの斜視図である。
【図29】図29Aは、本発明の一実施態様に係る、図28の差し込みトロカールが基準ピンを椎弓根の指定の位置に作動させるために使用される際の、患者の脊椎の斜視断面図を示す。図29Bは、本発明の一実施態様に係る、二つの基準ピンが二つの隣接する椎弓根に移植された後の患者の脊椎の、斜視断面図を示す。
【図30】図30は、本発明の一実施態様に係る、管状目打ちの斜視図である。
【図31】図31は、本発明の一実施態様に係る、図30の管状目打ちが椎弓根スクリューのための挿入穴を拡大するために使用される際の、患者の脊椎の斜視断面図を示す。
【図32】図32は、本発明の一実施態様に係る、基準ピン回収装置の斜視図を示す。
【図33】図33は、本発明のさらなる実施態様に係る、基準ピンの少なくとも一部分を収容するための軸方向の円筒型空洞を有する椎弓根スクリューの斜視図である。
【図34】図34は、本発明の一実施態様に係る、一つの椎弓根スクリューが椎弓根の指定の位置に移植された後の患者の脊椎の、斜視断面図である。
【図35】図35は、本発明の一実施態様に係る、二つの椎弓根スクリューが二つの隣接する椎弓根の指定の位置に移植された後の、患者の脊椎の、斜視断面図である。
【図36】図36Aは、本発明の一実施態様に係る、らせん状の溝切りを有する可撓性棒の斜視図である。図36Bは、図36AのB−Bの線に沿った、図36Aの可撓性棒の断面図を示す。
【図37】図37Aは、本発明の一実施態様に係る、棒の本体内に横断型トンネルを有する、脊椎固定のための可撓性棒の斜視図を示す。図37Bは、図37AのB−Bの線に沿った、図37Aの可撓性棒の断面図である。
【図38−1】図38Aは、本発明のさらなる実施態様に係る、棒の本体内にらせん状の溝切りと横断型トンネルを有する、脊椎固定のための可撓性棒の斜視図である。
【図38−2】図38Bは、図38AのB−Bの線の観点からの、図38Aの可撓性棒の上面図である。
【図39−1】図39Aは、本発明の別の実施態様に係る、棒の本体内に横断型トンネルを有する、脊椎固定のための可撓性棒の斜視図である。
【図39−2】図39Bは、その図のB−Bの線に沿った、図39Aの可撓性棒の断面図である。図39Cは、本発明のさらなる実施態様に係る、棒の本体内に実質的に直行する横断型トンネルを有する、その図のB−Bの線に沿った、図39Aの可撓性棒の別の断面図である。
【図40】図40Aは、本発明のさらなる実施態様に係る、脊椎固定のための可撓性棒の斜視図を示す。図40Bは、本発明のさらなる実施態様に係る、脊椎固定のための可撓性棒の断面図を示す。
【図41−1】図41Aは、本発明の一実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの斜視図を示す。
【図41−2】図41Bは、固定部材で組み立てられた、図41Aの連結ユニットの斜視図を示す。
【図41−3】図41Cは、固定部材で組み立てられる、長さが切り落とされ、固定部材で組み立てられた、可撓性で長手軸方向部材の斜視図を示す。
【図42−1】図42Aは、本発明のさらなる実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの側面図を示す。
【図42−2】図42Bは、本発明の別の実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの側面図を示す。
【図43】図43Aは、本発明の別の実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの側面図を示す。図43Bは、本発明の別の実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの斜視図を示す。図43Cは、本発明の別の実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの側面図を示す。図43Dは、本発明の別の実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの側面図を示す。
【図44】図44は、本発明のさらなる実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの斜視図を示す。
【図45A】図45Aは、本発明のある実施態様に係る、可撓性で長手軸方向部材の連結ユニットの断面図を示す。
【図45B】図45Bは、本発明の別の実施態様に係る、二種類の材料からなる可撓性で長手軸方向部材の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(好適な実施態様の詳細な説明)
本発明は、図面を参照して以下に詳細に説明され、同様の要素については全体を通して同一の数字を使用して参照される。
【0024】
図1は、本発明の一実施態様に係る、脊椎固定装置の斜視図を示す。脊椎固定装置は、図3に関連して以下にさらに詳細に説明される、二つの固定部材2(2‘および2“で表示)、および結合組み立て部品14内に収容および固定されるように設計された可撓性固定棒4を備える、各固定部材2は、患者の椎弓根に挿入およびねじ込むように設計される、ネジ山の入ったネジ式シャフト10を備える。図1に示されるように、ネジ式シャフト10は、シャフト10の長さ全体にわたって形成される外側のらせん状のネジ山12と、指定の場所の患者の脊柱に挿入されるよう設計されるシャフト10の端部にある円錐型の先端を備える。固定部材2のその他の既知の形状は、本発明のために使用してもよいが、固定部材2が脊柱に挿入および固定され、棒4にしっかりと結合することが可能である場合に限る。
【0025】
上に説明の通り、脊椎固定装置は、脊柱の所望の位置に固定部材2を装着することによって、脊椎疾患の外科治療のために使用される。一実施態様において、棒4は、脊柱の二つ以上の椎体間にまたがり、二つ以上の椎体の動きを安定させるために固定部材2で固定される。
【0026】
図2は、本発明のさらなる実施態様に係る、脊椎固定装置の斜視図を示す。図2の脊椎固定装置は、図1の脊椎固定装置と同様であるが、棒4は、棒4の二つの剛性の端部分9の間で並列される可撓性の中間部分8を備える。
【0027】
図3は、本発明の一実施態様に係る、結合組み立て部品14のさまざまな構成要素を示す図1および2の固定部材2の分解図を提供する。図3に示すとおり、結合組み立て部品14は、ネジ型シャフト10の上端に位置する円筒型頭部16、円筒型頭部16の内側の壁面部分に沿って形成されるらせん状のネジ山および溝18、および棒4を収容するように設計されるU型の収容溝20を備える。結合組み立て部品14は、ナット22の外側の外側面に形成されるらせん状のネジ山24を有する外側にネジ山の入ったナット22をさらに備え、らせん状のネジ山24は、円筒型頭部16の内側のらせん状のネジ山18と結合するように設計される。さらなる実施態様において、結合組み立て部品14は、外側にネジ山の入ったナット22を被覆および保護し、さらにしっかりと棒4を収容溝20に保持するために、円筒型頭部16部分の上に装着されるように設計される固定キャップ26を備える。一実施態様において、固定キャップ26の内径は、円筒型頭部16の外径としっかりと結合するように設計される。切欠や溝(図示せず)に対応して配置されるような、円筒型頭部に固定キャップ26を固定するその他の方法は、当技術分野に精通する者には容易に理解できるだろう。好適な実施態様において、固定部材2の構成要素および部品は、高い剛性および耐久性を有する生体適合性のある材料、例えば、ステンレス鋼、鋼鉄、チタン、またはチタン合金から作製されてもよい。そのような材料は当技術分野において既知である。当技術分野において既知であり、本明細書で使用される場合、「生物的適合性の」材料は、患者の身体に移植された後に、化学的または免疫学的な拒絶反応を引き起こさない材料を意味する。
【0028】
図1および2に示されるように、好適な実施態様において、棒4は、結合手段14の収容溝20に棒4を平行に収容することによって、安定手段2のネジ山の入ったシャフト10の長さ方向に垂直に安定手段2に結合される。外側にネジ山の入ったナット22は、次に、棒4の上側の円筒型頭部16に収容およびねじ込められ、収容溝20で棒4を固定する。固定キャップ26は、次に、円筒型頭部16の上に置かれ、円筒型頭部16の内部空洞における構成要素を被覆、保護し、その構成要素にさらに堅く固定される。図4〜7は、本発明に係る、固定装置に使用され得る棒4のさまざまな実施態様の斜視図を示す。図4は、図1の棒4を示し、棒全体は、可撓性であるように作製および設計される。本実施態様において、棒4は、既定の厚さの円筒型側壁5を有する金属チューブまたはパイプを備える。一実施態様において、棒4に可撓性を提供するために、円筒型側壁5は、切り込みまたは溝6を形成するために、棒4の長さに沿ってらせん状に切り込まれる。当技術分野において通常の技能を有する者に明白であるように、らせん状の溝6の幅と密度は、所望のレベルの可撓性を提供するように調整されてもよい。一実施態様において、溝6は、棒4の円筒型側壁の厚さ全体にわたって、極細のらせん状の切り込みまたは切り口より形成される。当技術分野に精通する者に既知であるように、管状側壁5の厚さおよび材料も、可撓性のレベルに影響を及ぼす。
【0029】
一実施態様において、棒4は、通常の背部のものと実質的に等しい可撓性を有するように設計される。背部の可撓性の範囲は、当技術分野に精通する者には既知であり、通常の技能を有する者でも、管状側壁5の厚さと材料、および溝6の幅と密度を容易に決定し、通常の背部の範囲内における所望の可撓性または可撓性範囲を達成することができる。本明細書で溝6に言及する場合、用語の「密度」は、らせん状の溝6の気密、すなわち、図4に示されるような隣接する溝のライン6の間の距離を意味する。しかし、例えば、本発明が、特定で所定の可撓性範囲に限定されないことが理解される。一実施態様において、所望の横方向の可撓性特性を有するだけでなく、棒4の剛性は、他の患者の元々の脊椎に関して均一に、脊椎の長手方向軸に沿った患者の脊柱に加えられる長手軸方向の軸方向荷重に耐久可能であるべきである。
【0030】
図5は、図2の棒4を示し、中間部分8のみが可撓性であるように作製および設計されており、二つの端部分9は剛性であるように作製される。一実施態様において、端部分9を剛性にするために、中に溝がない金属製の端部リングまたはキャップ9’が、図4の棒4のそれぞれの端部に取り付けられてもよい。リングまたはキャップ9’は、金属をプレスまたは溶接して結合するなどの既知の方法を使用して、棒4の両端に永久的に装着されてもよい。別の実施態様において、らせん状の溝6は、中間部分の長さに沿ってのみ切り込まれ、端部分9は、溝6を持たない管状側壁5を備える。剛性の金属または金属の混合型材料から成る溝6の持たない管状側壁5は、高い剛性を示す。
【0031】
図6は、多数の部分、つまり、三つの剛性部分9の間に交互に配置される二つの可撓性部分8を有する棒4のさらなる実施態様を示す。本実施態様は、例えば、三つの隣接する椎体を相互に安定させるために使用されてもよく、三つの椎弓根スクリューは椎体のうちの一つにそれぞれ固定され、三つの剛性部分9は、図3に関して上に説明したように、それぞれの椎弓根スクリュー2の結合組み立て部品14に連結される。可撓性部分8および剛性部分9の各々は、図5に関して上に説明されたように作製されてもよい。
【0032】
図7は、「前弯」として知られる患者の脊椎の湾曲に適合し、その湾曲を保持しつつ、脊柱を安定させる、予め曲げられた構造および構成を有する棒4の別の実施態様を示す。通常、患者の腰骨は「C」型の形状であり、棒4の構造は、本発明の一実施態様に係る図2の脊椎固定装置で利用される場合、通常の腰骨の形状に適合して形成される。一実施態様において、予め曲げられた棒4は、二つの剛性の端部分9の間に配置される、可撓性であるように作製および設計される中間部分8を備える。中間部分8および端部分9は、図5に関連して上に説明されたように作製されてもよい。さまざまなサイズ、長さ、および予め曲げられた構造を有する金属製または金属混合型の管状棒を製造する方法は、当技術分野において既知である。さらにまたはあるいは、棒4の予め曲げられた構造および設計は、図23Aに関連して以下にさらに詳細に説明されるように、二つの隣接する椎弓根スクリューが相互に平行に挿入されない場合、スキュー角を相殺してもよい。
【0033】
可撓性の管状棒4または可撓性の中間部分8を形成するために使用されるさらなる設計および材料は、図8〜10に関連して以下に説明される。図8は、本発明の一実施態様に係る可撓性の管状棒4または棒部分8の斜視断面図を示す。本実施態様において、可撓性の棒4、8は、図4〜7に関連して上に説明されたように、中に切り込みまれるらせん状の溝6を有する第一の金属チューブ5から作製される。中に切り込まれるらせん状の溝31と、第一のチューブ5よりも小さい直径を有する第二のチューブ30は、第一のチューブ5の円筒形空洞に挿入される。一実施態様において、第二のチューブ30は、第一のチューブ5に切り込まれるらせん状の溝6に関連して、反対のらせん状方向で切り込まれるらせん状の溝31を有し、よって、第二のチューブ30の回転ねじれ特性は、少なくともある低度の第一のチューブの回転ねじれ特性を相殺する。第二の可撓性チューブ30は、第一のチューブの中核に挿入され、さらなる耐久性および強度を可撓性棒4、8に提供する。第二のチューブ30は、第一のチューブと同一または異なる材料から作製されてもよい。好適な実施態様において、第一のチューブおよび第二のチューブ5および30を製造するために使用される材料は、それぞれ、ステンレス鋼、鋼鉄、チタン、およびチタン合金などの金属の例のいずれかまたはその組み合わせであってもよい。
【0034】
図9は、本発明のさらなる実施態様に係る可撓性棒4、8の斜視断面図を示す。本実施態様において、可撓性棒4、8は、スチール糸、チタン糸、またはチタン合金糸などの複数の重合する薄い金属糸を備える金属線32から成る内核を備える。線32は、上に説明するような中に切り込まれたらせん状の溝6を有する、金属製または金属混合型の可撓性のチューブに包まれる。線32の金属糸の数および厚さも、棒4、8の剛性および可撓性に影響を与える。糸の数、厚さ、または材料を変更することによって、可撓性は増加または減少し得る。したがって、線32の金属糸の数、厚さ、および/または材料は、患者特定の必要性に応じて所望の剛性および可撓性を提供するように調整されることができる。当技術分野において通常の技術を有する者は、所望の剛性と可撓性の形状を達成するために、チューブ5の所定の可撓性と併せて、糸の数、厚さ、および材料を簡単に決定することが可能である。
【0035】
図10は、可撓性棒4のさらに別の実施態様を示し、可撓性チューブ5は、非金属性で可撓性の中核34を包む。中核34は、既知の生体適合性の形状記憶合金(例えば、ニチノール)または、炭素繊維、ポリエテールエテールケトン(PEEK)、ポリエテールケトンケトンエーテルケトン(PEKICEK)、または超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などの生体適合性の合成材料から作製されてもよい。
【0036】
図11は、図9に関連して上に説明したように、編組金属線棒35を形成するために、中に複数の金属線32が織り交ぜられ、または編み込まれている可撓性棒35の別の実施態様の斜視図を示す。このように、編組金属線棒35は、金属線32と同一の材料から作製されることができる。上に説明したような線32の剛性および可撓性の変動性に加え、編組棒35の剛性および可撓性は、編組構造35で使用される線32の数や厚さを変更することによって、所望の特性を達成するためにさらに変更されることができる。例えば、通常の健康的な脊椎の既知の湾曲範囲内でのさまざまな湾曲レベルまたは範囲を達成するために、当技術分野において通常の技術を有する者は、編組金属線棒35を作製するために使用される線の異なる内径、数、および材料によって提供される湾曲を変更および測定することによって、編組金属線棒35のさまざまな設計を容易に製造することができる。さらなる実施態様において、編組金属線棒35の各端部は、図5〜7に関連して上に説明されたような剛性の金属製のキャップまたはリング9’によって包まれており、可撓性の中間部分8と剛性の端部分9を有する棒4を提供する。さらなる実施態様において(図示せず)、編組金属線棒35は、図8〜10に示される実施態様と同様の方法で、可撓性の金属棒4または棒部分8を作製するために中に切り込まれる、らせん状の溝6を有する金属チューブ5に包まれる内核として利用されてもよい。本明細書で使用される際、用語の「編組」または「編組構造」は、重合するパターンで織り交ぜられる二つ以上の線、ストリップ、鎖、リボン、および/またはその他の形状の材料を含む。線、ストリップ、鎖、リボン、および/またはその他の形状の材料を織り交ぜるさまざまな方法は、当技術分野において既知である。このような織り交ぜる技術は本発明に含まれる。別の典型的な実施態様において(図示せず)、可撓性の金属棒35は、斜めに重合するパターンで織り交ぜられる二つ以上の金属製のストリップ、鎖、またはリボンを有する編組金属構造を備える。
【0037】
図12Aは、二つの剛性の端部分9’と、典型的な数の剛性のスペーサ37を有する可撓性の連結ユニット36のさらなる実施態様を示す。一実施態様において、剛性の端部分9’およびスペーサは、上に説明されたように生体適合性のある金属製または金属混合型の材料から成ることが可能である。連結ユニット36は、図9’に関連して上に説明されたような、剛性の端部分9’とスペーサ37の各々において、軸方向の空洞または穴(図示せず)が横断する可撓性線32をさらに備える。図12Bは、線32がどのように剛性の端部分9’およびスペーサ37の中央軸穴に挿入されるかをさらに示す連結ユニット36の分解図を示す。図12Bにさらに示されるように、端部分9’およびスペーサ37の各々は、直接隣接する端部分9’またはスペーサ37におけるメス型連動空洞(図示せず)に結合する、オス型の連動部材38を備える。図12Cは、分解側面図であり、対応するオス型連動部材38を収容するためのメス型連動空洞39の位置および構成を点線で示す。
【0038】
図13は、本発明の別の実施態様に係る可撓性の連結ユニット40の斜視図を示す。連結部40は、上に説明した連結ユニット36と同様であるが、スペーサ42は、剛性の端部分9’と同一の形状および設計を有するように設計されている。さらに、端部分9’は、線32が金属クリップ(図示せず)またはその他の既知の技術を使用して、抜き出し、引っ張られ、クランプで固定または固定される、横方向の側面に配置される出穴また溝44を有する。このようにして、可撓性の連結ユニット36または40の長さは、手術時に変更して、各患者特有の解剖学的特徴に合わせるようにしてもよい。一実施態様において、線32は、金属クリップまたはストッパー(図示せず)を使用して固定されてもよい。例えば、クリップまたはストッパーは、線32が貫通できるように、線32の直径より若干大きい内径を有する小さな管状の円筒を備えてもよい。線32が管状ストッパーによって所望の張力まで引っ張られると、ストッパーは、圧迫されてその中に含まれる線32を摘む。あるいは、線32は、既知の技術を使用して、既定の数のスペーサ37、42を有する連結ユニット36、40が製造時に予め固定されてもよい。
【0039】
図14は、本発明の別の実施態様に係る脊椎固定装置を示す。脊椎固定装置は、外側のらせん状のネジ山12を有する細長いネジ型シャフト10を含む少なくとも二つの固定部材2、および結合組み立て部品14を備える。装置は、二つの固定部材2の結合組み立て部品14にしっかりと連結されるように設計される板状連結ユニット50、または単に「板50」をさらに備える。板50は、各々が平面を有し、可撓性の中間部分8により相互に連接される二つの剛性の連結部材51を備える。可撓性の中間部分8は、図4〜11に関連して上に説明された実施態様のいずれかに係り作製されてもよい。各連結部材51は、結合組み立て部品14の第二のネジ山のあるシャフト54(図15)によって収容するように設計される結合穴52を含む。
【0040】
図15に示されるように、安定部材2の結合組み立て部品14は、第一のネジ山の入ったシャフト10の先端に隣接し、第一のネジ山の入ったシャフト10の円周よりも大きい円周または直径を有するボルトヘッド56を備える。第二のネジ山の入ったシャフト54は、ボルトヘッド56から上部に延びる。結合組み立て部品14は、連結部材51をボルトヘッド56の上面に対してクランプで固定し、しっかりと板50を椎弓根スクリュー2に装着するために、第二のネジ山の入ったシャフト54と結合するように設計される内側にネジ山を有するナット58、および一つ以上の座金60をさらに備える。
【0041】
図16Aおよび16Bは、少なくとも二つの結合部材51、および二つの隣接する連結部材51の間に配置されそれらに装着される少なくとも一つの可撓性部分8を有する板状連結ユニット40の二つの実施態様を示す。図16Aおよび16Bに示されるように、可撓性の中間部分8は、図11に関連して上で説明したように可撓性の金属編組線構造36を備える。しかしながら、可撓性部分8は、図4〜11に関連して上で説明された実施態様のいずれか、またはその組み合わせに基づいて設計および製造されることができる。図16Cおよび16Dは、図16Aの板50の側面図および上面図それぞれを示す。上に説明されるように、異なる種類の可撓性の中間部分8を有する可撓性の連結ユニット50および58の異なる実施態様に関する製造は、既知の治金、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、または複合材料、および対応製造および機械プロセスを使用して容易に達成される。
【0042】
図16Eは、本発明のさらなる実施態様に係る、予め曲げられた板状の連結ユニット50’の側面図を示す。この板状の連結ユニット50’は、板50と同様であるが、連結部材51’は、板状連結ユニット50’の製造時に平行面53からθ度で形成または曲げられる。図7の予め曲げられた棒状連結ユニット4に関連して上に説明されたように、この予め曲げられた構成は、脊椎の元々の湾曲(例えば、前弯)を再現し、支持するように設計される。さらにまたはあるいは、この予め曲げられた構造は、図23Aに関連して以下にさらに詳細に説明されるように、二つの隣接する椎弓根スクリューが相互に平行に挿入されない場合、スキュー角を相殺してもよい。
【0043】
図17は、椎弓根スクリュー2の第二のネジ山の入ったシャフト44を収容するために結合穴64をそれぞれに有する二つの板状の連結部材62を備える板状の連結ユニット60の斜視図を示す。可撓性の中間部分8は、二つの連結部材62の間に配置されそれらに装着される。一実施態様において、可撓性の中間部分8は、図9に関連して上に説明されたように線32と同様の方法で作製されるが、図9に示される円筒型または円形の構成の代わりに長方形の構成を有する。しかしながら、可撓性の中間部分8は、上に説明された実施態様のいずれかの設計および材料に基づいて作製されてもよい。
【0044】
図18は、図17の板60さらなる実施態様の斜視図を示し、結合穴64は、ナット58(図15)を結合穴64に収容および固定するために、連結部材62の上部に切り込まれた一つ以上のナット案内溝66を備える。ナット案内溝66は、ナット58の少なくとも一部分を収容および保持し、連結部材62が椎弓根スクリュー2のボルトヘッド56にクランプで固定された後に結合穴64内のナット58の横滑りを防止するように設計される。
【0045】
図19は、図4〜7に関連して上に説明されたような剛性の棒状連結部材4、9、または9’を、図14〜18に関連して上に説明されたような連結ユニット70および板状の連結部材51または62の一端、および連結ユニット70の他方の一端に有する混合型の板状および棒状の連結部70の斜視図を示す。一実施態様において、棒状連結部材9(9’)と板状連結部材52(64)の間に配置された部分は、可撓性部材8である。可撓性部材8は、図8〜13に関連して上に説明された実施態様のいずれかに基づいて設計および製造されてもよい。
【0046】
図20は、図19の混合型の板状および棒状の連結ユニット70を利用する脊椎固定装置の斜視図を示す。図20に示されるように、この固定装置は、二種類の固定部材2(例えば、椎弓根スクリュー)を利用し、それらは、図15に関連して上に説明されるような板状連結部材42(64)をしっかりと保持するように設計される第一の固定部材2’、および図3に関連して上に説明されたような棒状連結部材4、9、または9’をしっかりと保持するように設計される第二の固定部材2”である。
【0047】
図21は、図1に示される実施態様に係る、椎体を柔軟に安定させるために、二つの隣接する椎体80および82に装着された後の、二つの脊椎固定装置の上面斜視図を示す。図22Aおよび22Bは、二つ以上の脊椎の隣接する椎体に装着された後の、図16Aおよび16Bの可撓性の安定化部材50および58を使用する脊椎固定装置の上面斜視図をそれぞれ示す。
【0048】
図23Aは、二つの隣接する椎体の椎弓根に移植された後の、脊椎固定装置の側面図を示す。この図に示されるように、椎弓根スクリュー2は、椎弓根の骨に装着され、スクリュー2の中心軸80が、平行面82からθ角度で相殺されるようにし、二つのスクリュー2の中心軸80が相互に約2θの角度で相殺されるようにする。この種類の椎弓根スクリュー2の非平行挿入は、低侵襲手術を実施する際に利用可能な限られたスペースを使用する場合が多い、さらに、椎弓根スクリュー2は、患者の脊椎の元々の湾曲(例えば、前弯)により、平面から斜めに挿入される傾向がある。このようにして、椎弓根スクリュー2が椎弓根に最終的にいかに固定されるかにという非平行の性質により、棒状または板状連結ユニットを椎弓根スクリュー2の各々に装着する際に、このスキューを相殺することが望ましい。
【0049】
図23Bは、本発明の一実施態様に係る、椎弓根スクリューの頭部の側面図を示す。スクリュー2は、図3に関連して上に説明されたような円筒型頭部16と同様の円筒型頭部84を備えるが、円筒型頭部84は、上に説明されたように、椎弓根スクリュー2の傾斜またはスキューθを相殺する傾斜方向で、可撓性棒4を収容および保持すように設計される傾斜収容部86を備える。改善された椎弓根スクリュー2は、円筒型頭部84の空洞内にしっかりと適合し、傾斜収容部86と同じ傾斜で傾斜棒4を押し下げるように設計される傾斜安定化スペーサ88をさらに備える。椎弓根スクリュー2は、傾斜スペーサ88および棒4を傾斜収容部86、つまり椎弓根スクリュー2の円筒型頭部84にクランプで固定および固定するために、円筒型頭部84の内面に沿ったらせん状のネジ山(図示せず)に結合するように設計される、外側にネジ山の入ったナット22をさらに備える。
【0050】
図23Cは、本発明の実施態様に係る、傾斜スペーサ88の斜視図を示す。スペーサ88は、円形の中央部分99と、円形の中央部分90の対側から外側に延びる二つの長方形の端部分92を備える。図23Dは、椎弓根スクリュー2のスキュー角θを補正または相殺するために、一端から別の一端への傾斜をさらに示すスペーサ88の側面図を示す。図23Eは、棒4および傾斜スペーサ88を収容するよう設計される円筒型頭部84の上面図を示す。棒4は、棒4が、円筒型頭部84の円形または円筒型の空洞96に挿入し、円形または円筒型空洞94内で形成される傾斜収容部86の先端に配置することを可能にする、円筒型頭部84の円筒型側壁の二つの開口部またはスロット94を介して収容される。棒4が傾斜収容部86に配置されると、傾斜安定化スペーサ88は空洞96で収容され、二つの長方形の端部分92が二つのスロット94内で収容されるようにし、円筒型空洞96内でスペーサ88の横方向の回転を防止する。最後に、外側にネジ山のあるナット22および固定キャップ26は、傾斜スペーサ88の上に挿入され、スペーサ88と棒4を円筒型頭部84内でしっかりと保持する。
【0051】
図24は、椎弓根スクリュー2が挿入される椎弓根上の所望の位置をマーキングし、低侵襲的手術手技を使用して椎弓根スクリュー2をマークされた位置に誘導するためのマーキングおよび誘導装置100の斜視図を示す。図24に示されるように、マーキング装置100は、患者の筋肉および組織を貫通し椎弓根まで達する一方の端部に鋭い先端105を有する内部トロカール104を中空内に収容する管状の中空ガイダー52を備える。内部トロカール104は、他方の一端にトロカールグリップ106をさらに備え、トロカール104を挿入および除去し易くする。一実施態様において、マーキングおよび誘導装置100は、誘導ハンドル108を備え、装置100を操作し易くする。
【0052】
図25に示されるように、トロカール104は、管状のガイダー102の中空に挿入されるように、ガイダー102の中空の内径よりも小さい直径を有する長いチューブまたは円筒の形状である。トロカール104は、椎弓根を通って椎体を貫通するために、さらに鋭いまたは先の尖った先端105をさらに備える。トロカール104は、トロカール104を中空から完全に滑り落ちないようにするため、ガイダーチューブ102の中空の直径よりも大きい直径を有するトロカールグリップ106をさらに備える。また、トロカールグリップ106によって、トロカール104は操作し易くなる。
【0053】
図26Aおよび26Bは、患者の背部に挿入され、椎弓根上の筋肉および軟組織を通って所望の位置に差し込まれた後の、マーキングおよび誘導装置100の斜視図を示す。所望の位置は、X線または放射線画像などの既知の技術を使用して比較的短い時間で決定される。マーキングおよび誘導装置100が挿入されると、患者は長い間X線照射を浴びる必要はない。図26Bに示されるように、誘導チューブ102が椎弓根の所望の位置に配置されると、内部トロカール104は取り除かれ、基準ピン(図示せず)が誘導チューブ102の中空に挿入できるようにし、その後、椎弓根に固定される。
【0054】
図27Aおよび27Bは、基準ピン110および112の二つの実施態様の斜視図をそれぞれ示す。上述のとおり、本発明に係る基準ピン110および112は、中空ガイダー102を通過した後、椎弓根に挿入および固定される。ピン110および112は、ガイダー102の中空を通過するために、ガイダーチューブ102の中空の内径よりも小さい直径を有する円筒形である。各基準ピンの端部は、脊柱の椎弓根に容易に挿入および固定されるように設計される、鋭く尖った先端111である。一実施態様において、図27Bに示されるように、基準ピンの他方の端部には、ピン112を抜き出すために、回収器(図示せず)の内側のネジ山の入ったチューブに結合するように設計される、ネジ山の入ったシャフト114が組み込まれている。この回収器は、図32に関連して以下にさらに詳細に説明される。
【0055】
基準ピン110、112は、好ましくは、椎弓根に容易に挿入するために、耐久性のある剛性の生体適合性の金属(例えば、ステンレス鋼、鋼鉄、チタン、チタン合金)から成る。従来技術の誘導線とは対照的に、比較的短い長さとさらに剛性の構造から、基準ピン110、112は、曲げ破損または構造破損のリスクを負うことなく椎弓根まで容易に作動する。上に説明したように、従来技術の誘導線を作動させるプロセスは、非常に難しい場合が多く、かつ時間を要する。椎弓根上の挿入点への基準ピン110、112の挿入は、外科医にとって非常に容易かつ便利であり、さらに、患者の背部から突き出る誘導線によってその後の処置を妨げることはない。
【0056】
図28は、差し込みトロカール116の本体より大きい直径の円筒型頭部118を有する円筒型の差し込みトロカールを示す。本発明に係る差し込みトロカール116は、基準ピン110または112を椎弓根まで作動させ固定するために、基準ピン110または112がガイダー102の中空に挿入された後、ガイダー102の中空に挿入される。このピンの挿入処置中、医師は、トロカール頭部118をノミまたはハンマーで打ち、基準ピン110および112を椎弓根まで作動させる。好適な実施態様において、差し込みトロカール116は円筒型チューブの形状であり、ガイダーチューブ112の中空の内径より小さい直径を有する。また、差し込みトロカール116は、医師がノミまたはハンマーで容易に打つことを可能にするように、差し込みトロカール116の直径よりも大きい直径を有する円筒型頭部118を備える。もちろん、他の実施態様において、ハンマーまたはノミは必ずしも必要ではない。例えば、各症例の病状によって、外科医は、差し込みトロカール116の頭部118を自身の掌またはその他の物で押すまたは叩くことを選択してもよい。
【0057】
図29Aは、ハンマーまたは木槌120、および差し込みトロカール116がピン110、112をガイダーチューブ102の中空を通って、椎弓根の所望の位置まで作動させるどのように作動させ得るかを示す。図29Bは、二つの基準ピン110、112が二つの隣接する椎体まで作動および固定された後の、椎弓根の斜視断面図を示す。
【0058】
基準ピン110または112が、上に説明のように椎弓根に挿入された後、一実施態様において、各ピン110、112を中心とする大きめの穴または領域が、椎弓根スクリュー2を椎弓根の骨に容易に挿入および装着することができるように形成される。大きめの穴は、図30に示されるような管状目打ち122を使用して形成される。管状目打ち122は、椎弓根の所望の位置に固定される基準ピン110、112の上に挿入される。目打ち112は、円筒型の中空チューブの形状をしており、中空の内径は、ピン110、112が目打ち122の中空に挿入されるように、基準ピン110および112の外径よりも大きい。目打ち122は、基準ピン110、112を中心とする大きめの挿入点を形成するために、組織および骨を切断および砕くための一つ以上の鋭い歯124を第一の端部にさらに備え、椎弓根スクリュー2がさらに容易に椎弓根に移植されるようにする。図31は、椎弓根スクリュー2(図示せず)のための大きめの挿入穴を形成するために、基準ピン110、112の上に、管状目打ち122が患者の背部の低侵襲的切開に挿入される際の、患者の脊柱の斜視断面図を示す。図31に示されるように、開創器130は、手術部位上の低侵襲的切開に挿入され、開創器130の下部の管状本体は、手術部位から周辺の組織を外側へ押し出すために拡大し、外科医が手術するためにさらなるスペースおよび視野を提供する。開創器130を挿入するために、一実施態様において、低侵襲的切開は、二つの基準ピン110、112を挿入するために使用される誘導チューブ102の二つの挿入点の間、およびそれらをつなぐ患者の背部に形成される。開創器130が挿入される前に、一連の段階的拡張器(図示せず)を使用して、低侵襲的切開を事前に拡大することが一般的に必要とされており、後に使用する拡張器は、それぞれ前の拡張器より大きい直径を有する。最終段階の拡張器が取り付けられると、開創器130は、下部の管状本体が格納され、拡張されていない状態で挿入される。開創器130は、所望の深さまで椎弓根に差し込まれ、下部の管状部分は、その後、図31に示されるように拡大される。段階的拡張器および開創器の使用は、当技術分野において既知である。
【0059】
管状目打ち122が、椎弓根スクリュー2のための大きめの挿入穴を形成した後、一実施態様において、基準ピン110、112は取り除かれる。上に説明したとおり、基準ピン112が使用された場合、椎弓根スクリュー2の移植前に、基準ピン112を除去するために回収装置140を使用してもよい。図32に示されるように、回収器140は、基準ピン112の外側にネジ山の入った先端部114と結合するように設計される、内側にネジ山の入った端部142を有する長い管状または円筒型の部分を備える。回収器の端部142がネジ山の入った端部114の上にねじ込まれると、医師は、基準ピン112を椎弓根から引き抜いてもよい。別の実施態様において、ネジ山の入った先端部を持たない基準ピン110が使用される場合、ピン110を引き抜くために、適切な器具(例えば、特製ニードルノーズプライヤー)を使用してもよい。
【0060】
他の実施態様において、基準ピン110、112は椎弓根から除去されない。代わりに、特製の椎弓根スクリュー144が、ピン110、112を事前に除去せずに、ピン110、112の上から椎弓根に挿入されてもよい。図33に示されるように、特製の椎弓根スクリュー144は、外側にネジ山の入ったシャフト10、および可撓性の棒状連結ユニット4(図4〜13)を収容するための円筒型頭部16(図3)を有する結合組み立て部品14(図3)を備える。あるいは、結合組み立て部品14は、図14〜20に示されるような板状連結ユニットを収容するよう設計されてもよい。椎弓根スクリュー144は、開口部146をシャフト10の先端に有し、基準ピン110、112をその中に収容するように設計される、長手軸方向の軸方向溝(図示せず)をネジ山の入ったシャフト10内にさらに備える。
【0061】
図34は、挿入装置150を使用して椎弓根スクリュー2が第一の椎弓根に挿入された後の、患者の脊柱の斜視断面図を示す。椎弓根スクリュー2を挿入するために、当技術分野で既知であるさまざまな種類の挿入装置を使用してもよい。図34に示されるように、第一の椎弓根スクリュー2が移植された後、開創器130は、第二の基準ピン110、112の位置に第二の椎弓根スクリューを挿入するためのスペースおよび視野を提供するために、若干調整および移動される。
【0062】
図35は、本発明に係る、二つの椎弓根スクリュー2が二つのそれぞれの隣接する椎弓根に移植された後の、患者の脊柱の斜視断面図を示す。椎弓根スクリュー2が取り付けられると、図4〜20に関連して上に説明されたような可撓性の棒状、板状、または混合型の連結ユニットは、脊椎の柔可撓性のある安定化を提供するために、椎弓根スクリューに連結されてもよい。その後、開創器130は取り除かれ、低侵襲的切開は閉鎖および/または縫合される。
【0063】
図36Aは、本発明のさらなる実施態様に係る、脊椎固定のための可撓性棒200の斜視図を示す。棒200は、図1〜3に関連して上に説明されたような固定部材2によって固定されるように設計される。好適な実施態様において、以下に説明される棒200、棒210、220、230、および240は、既知の生体適合性材料、例えば、ステンレス鋼、鋼鉄、チタン、チタン合金、ニチノール、およびその他の適切な金属製の組成または材料などから成る中実の円柱状の棒で構成される。図36Aに示されるように、らせん状の溝202は、棒200の円筒型の本体の長さの少なくとも一部分に沿って切り込まれるまたは形成される。典型的な実施態様において、棒の長さ「l」は、4から8センチメートル(cm)の間であってもよく、円筒型の直径「D」は、4から8ミリメートル(mm)である。らせん状の溝202は、0.1から0.5mmの間の幅「w」を有し、らせん状の角度θは、平行線から50から85度の間である。らせん状の溝202の間の距離は、3から6mmの間であってもよい。しかしながら、当技術分野に精通する者に理解できるように、上記の寸法は、単に例示的なものであり、特定の患者または適用に適切である所望の可撓性、ねじれ、および強度の特性を達成するために変更されてもよい。
【0064】
図36Bは、図36AのB−Bの線に沿った、可撓性棒200の断面図を示す。図示されるように、らせん状の溝202は、円筒型棒200の中心の長手方向軸に向かって切り込まれる。溝は、中実または中空の棒に、ヘリックスまたは中断されたヘリックスとして、らせん状の方法で連続的に形成されるか、または中実の棒に、不連続の円周方向の溝として形成されてもよい。中空の棒は、不連続の周方向の溝をその中に有する場合、溝は、不連続性を回避するために一部のみ棒の材料に貫通することができる。一実施態様において、溝202の深さは、図36Bに示されるように棒200の円筒型の半径にほぼ等しく、円筒型棒200の中心の長手方向軸の深さまで貫通する。しかしながら、棒の断面積および形状、長手軸方向部材の溝の部分の溝深さ、溝幅、溝の断面形状、および溝から溝のスペースは、必要に応じて機械的および構造的特性を調整するために変更してもよい。例えば、溝の深さまたは幅が増加すると可撓性が増加するが、溝から溝のスペースが増加すると、可撓性が減少する。これは、棒の指定の曲げ力、特注の曲げ形状で棒の曲げの程度を修正し、曲げ中に棒における機械的応力を均一にして、素材疲労を最小限に抑え、棒の信頼性を向上するために使用可能である。
【0065】
図37Aは、本発明の別の実施態様に係る、脊椎固定のための可撓性棒210を示す。棒210は、棒210の本体にドリルされるまたは形成される複数の横断型穴またはトンネル212を備える。一実施態様において、トンネル212は、円筒型棒210の中央の長手方向軸を水平からΦの角度で貫通する。各トンネル212の開口部は、棒210の円筒型側壁の対側に位置し、隣接するトンネル212は、円筒型側壁の一側面の共通の開口部を共有し、図37Aに示されるように、棒210の中心の縦方向軸を横断して貫通する内部トンネル212のジグザグ模様を形成する。一実施態様において、各トンネル212の直径Dは、棒210の所望の機械的特性および構造的特性(例えば、可撓性、ねじれ、および強度)に応じて0.2から3mmの間で変更してもよい。しかしながら、これらの寸法は例示的であり、使用される材料および所望の構造的および機械的特性に応じて、その他の直径Dを必要としてもよい。同様に、水平線からの角度Φは変更して、トンネル212の数または隣接するトンネル212間の距離を変更してもよい。
【0066】
図37Bは、図37AのB−Bの線に沿った、可撓性棒210の断面図を示す。トンネル212は、棒210の中心の円筒型軸を通り抜け、トンネル212の開口部が、棒210の円筒型側壁の対側で形成されるようにする。
【0067】
図38Aは、本発明のさらなる実施態様に係る、脊椎固定のための可撓性棒220の斜視図を示す。棒220は、図36Aおよび36Bに関連して上に説明されるらせん状の溝202の他に、図37Aおよび37Bに関連して上に説明される横断型のトンネル212を備える。らせん状の溝202は、棒220の円筒型の側壁面に棒220の中心の縦方向軸に向かって切り込まれる。上に説明されるように、らせん状の溝202の寸法およびその水平線からの角度θ(図36A)は、所望の機械的および構造的特性に応じて変更されてもよい。同様に、横断型トンネル212の寸法およびその水平からの角度Φ(図37A)は、所望の機械的および構造的特性に応じて変更されてもよい。一実施態様において、角度θおよびΦは、実質的に同じであり、したがってトンネル212の開口部は、ロッド220の円筒型側壁の対側において、らせん状の溝202と実質的に一致する。
【0068】
図38Bは、図38AのB−Bの線に沿って透視的に示される、可撓性棒の上面図を示す。図38Bに示されるように、トンネル212の開口部はらせん状の溝202と一致する。らせん状の溝202と横断型トンネル212の両方を、中実の棒220に提供することによって、異なる患者、適用、脊椎固定のレベルにとって適切な多数の所望の機械的および構造的特性が達成され得る。
【0069】
図39Aは、本発明の別の実施態様に係る、脊椎固定のための可撓性棒230を示す。棒230は、棒230の本体に形成される複数の横断型トンネル232を備える。トンネル232は、図37Aおよび37Bに関連して上に説明されるトンネル212と実質的に同じであるが、トンネル232はジグザグ模様で結合されていない。それどころか、各トンネル232は、直接隣接するトンネル232に対して実質的に平行あり、トンネル232の開口部は、隣接するトンネル232の開口部に一致しない。図39Aに示されるように、本実施態様における水平からの角度Φは、およそ90度である。しかしながら、その他の角度Φが、本発明に係り組み込まれてもよいことが理解される。トンネル232(トンネル212も同様に)の寸法、サイズ、および形状は、所望の機械的および構造的特性を達成するために平行されてもよいことがさらに理解される。例えば、トンネル212および232の断面形状は、円形である必要はない。代わりに、例えば、楕円形またはダイヤモンド形、またはその他の所望の形状であってもよい。
【0070】
図39Bは、図39AのB−Bの線に沿った、棒230の断面図を示す。図39Bに示されるように、横断型トンネル232は、棒230の中心の縦方向軸を介して垂直および横方向に移動する。図39Cは、棒230のさらなる実施態様の断面図を示し、追加の横断型トンネル232’が第一の横断型トンネル232に実質的に直行して形成され、第一の横断型トンネル232と中心の円筒型の軸点で交差する。このようにして、棒230のさらなる可撓性が要望とおりに提供される。
【0071】
図40Aは、本発明のさらなる実施態様に係る、可撓性の棒240の斜視図を示す。棒240は、図40Aに示されるように、実質的に相互に直行し、交差しない、複数の交互に配置される横断型トンネル232および242を備える。別の実施態様において、図40Bに示される断面図では、隣接するトンネル232および242は相互に直行する必要はない。各トンネル232、242は、直接前に隣接するトンネル232、242から所望の角度ωで相殺されることができる。当技術分野に精通する者に確認されるように、必要以上の実験を実施せずに、相互に関するトンネルの寸法、数、および角度方向を変更することによって、脊椎固定装置に使用される可撓性棒のさまざまな所望の機械的および構造的特性が達成されてもよい。
【0072】
複数のレベルの脊椎固定処置に関して、例えば図23Bに示されるように、一つの脊椎関節が固く固定されることが望まれ、一方で隣接する脊椎関節は動的(柔軟に)安定化されることが望まれる場合がある。この機能を達成するための長手軸方向部材の実施態様は、図41Aに示される。長手軸方向部材250の軸部分254は、曲げのための可撓性増加を提供するために溝が掘られているが、一方軸部分252および256は、溝が掘られず、比較的剛性のままである。穴258は、クラックの形成を防止し、信頼性を向上するために溝を終了させるために使用される。溝またはスロットを終了させるための拡大直径のこのような穴の使用は、材料における機械的応力のピークを減少させる手段、および材料破壊の可能性を減少させる手段として、当技術分野において既知である。
【0073】
図41Bは、固定部材2の第一対の間に配置される可撓性部分254と、第二対の固定部材2の間に配置された非可撓性部分252を有する少なくとも3つの固定部材2(図3)を使用して、患者の脊椎に固定されるように設計される、図41Aの棒250の組み立て部品を示す。
【0074】
図41Cに示されるさらなる実施態様として、拡張された溝なし部分252は、配置される単一の安定部材2のさまざまな位置に対応することが可能である。別の実施態様において、延長された溝なし部分は、対称的に溝のある部分の片側で対称的に配置されることが可能である。部分252の延長された長さは、隣接する椎体の椎弓根の骨の間のさまざまな距離に対応可能な「フリーサイズ」の長手軸方向部材250を提供することが正しく理解される。図41Cに示されるとおり、隣接する安全部材2および2’間の距離は、部分252における安全部材2の位置を選択することによって調整されてもよい。そして、部分252のいかなる余分な長さも、切り落とされるか取り除かれることができる。
【0075】
溝部分254の、溝深さ、溝幅、溝の断面形状または輪郭、および溝から溝のスペースなどの溝の変数は、溝部分254の軸に沿った均一な構造的および機械的特性のために均一に一定であることが可能である。場合によっては、長手軸方向部材について、局所的に機械的応力レベル、特注曲げ形状を制御する目的、または、あらゆる曲げ方向または選択された曲げ方向に曲げに対する抵抗に作用する目的で、軸方向に変化する構造的および機械的特性を有することは効果的である。円筒型の(例えば)中空の長手軸方向部材の断面積は、外径を変更することによって変更可能であるが、中空の円筒の側壁厚さは一定を保つ。別の実施態様では、内径を調整することによって側壁厚さを変更するが、中空の円筒の外径は一定を保つ。さらにその他の実施態様では、外径と内径を対称的に変更する。上述の議論は、円筒型の形状でない長手軸方向部材にも当てはまる。
【0076】
図42Aは、本発明のある実施態様に係る、可撓性でらせん状の溝が入った安定化装置の側面図を示す。らせん状に溝の入った部分271は、溝なし部分262および262’に比べ、拡大された外径を有する。らせん状の溝により部分271の可撓性は増加するが、らせん状に溝の入った部分271の外径が、溝なし部分262および262’の外径と同じである場合、溝があるために部分271における断面の単位面積が減少するため、溝なし部分262および262’に比べ、部分271への単位面積当たりの材料の応力もさらに大きくなる。部分271の外径を拡大することにより、らせん状に溝の入った部分271の屈曲時に、らせん状に溝が入った部分271と溝なし部分262および262’の両方に対する許容範囲の材料応力レベルを維持することができる。
【0077】
一実施態様において、図42Aの長手軸方向部材が中空である場合、らせん状に溝の入った部分271の空洞の内径は、溝なし部分262および262’の空洞の内径と同じであることが可能であるが、溝なしの可撓性部分271の外径は、曲げ時の材料応力を軽減および/または溝なし部分271の可撓性を変更するためには大きくなる。
【0078】
図42Aおよび42B(以下に説明)は、長手軸方向の脊椎固定装置の例を示し、可撓性部分は、長手軸方向の安定装置の対応する端部分のものとは異なる断面輪郭(例えば、外径(円筒型棒の場合)または視野測定形状)を有する。
【0079】
さらなる実施態様において、溝のある可撓性部分の断面輪郭(例えば、外径)は、溝なし部分の断面輪郭(例えば、外径)と同じに保たれるが、溝のある可撓性部分の空洞の内径は、溝なし部分の空洞の内径に比べ小さくなる。これは、上に説明された同様の材料応力軽減効果を有する。
【0080】
本発明のさらなる実施態様において、溝のある可撓性部分の内径と外径の両方は、溝のない部分の内径及び外径に対して変更可能であり、両部分の間の材料ひずみの差を軽減する。
【0081】
図42Bは、溝のある部分266と、溝なし部分262および262’とのそれぞれの間の移行部264および264’の周辺の機械的応力の軽減を達成するために、溝のある部分266の円筒型直径または断面輪郭を調整する(しかし、中空の長手軸方向部材の場合の空洞の内径は一定に保つ)ことによって、縦方向軸に沿った可撓性における変更を達成する、本発明の別の実施態様の側面図を示す。
【0082】
別の実施態様において、溝深さ、溝幅、溝の断面形状、および溝から溝のスペースの軸方向の変更により、軸方向に異なる可撓性および機械的特性、またはそのどちらか、もしくは上に説明した円筒型断面の変更との組み合わせを達成することもできる。例えば、(1)溝のある部分の入口付近で最大値で、溝なし部分との境でほぼゼロになる徐々に細くなる溝深さ(図43A)、(2)溝のある部分の中央付近で最大で、溝なし部分との境でほぼゼロになる溝幅(図43B)、(3)溝のある部分の入口付近で許容の最大曲げで、溝なし部分との境で曲げを軽減する形状になる推移する溝形状(図43C)、または(4)溝のある部分の中央付近で最小で、溝なし部分との境で最大になる拡大する溝から溝のスペース(図43D)。
【0083】
図44は、溝のある部分276の周囲にエラストマー被覆278を有する長手軸方向部材を示す。本実施態様において、エラストマー被覆278は、溝のある部分276のみを被覆し、溝なし部分272は被覆しない。任意のテーパー274が長手軸方向部材において形成され、被覆および非被覆部分の間の滑らかな表面移行を提供する。また、これらの任意のテーパー274は、被覆の長手軸方向の配置を固定する。あるいは、被覆は、溝なし部分272の上まで延長されてもよい。エラストマー被覆は、(1)長手軸方向部材の表面のみに接触する、(2)さらに長手軸方向の部材の溝に浸透する、または(3)長手軸方向部材が中空である場合、長手軸方向部材の内部にまで浸透して少なくとも部分的に満たしてもよい。エラストマー被覆は、長手軸方向部材の軸方向および曲げの安定性に対するさらなる制御を提供するだけでなく、溝のある部分と組織の間の境界を提供する。
【0084】
エラストマー被覆は、例えば、シコーン、ポリウレタン、ポリカーボネートウレタン、シリコーンーウレタン共重合体を含む、さまざまな医療グレードのエラストマーのいずれかから成ることが可能である。被覆は、当技術分野で既知であるさまざまな技術を使用して、長手軸方向部材に適用されることができる。一技術において、熱可塑性または熱硬化性の樹脂が、長手軸方向部材の所望部分の周囲の加熱された型に注入されることができるが、それは型内に装着されている。この射出成形プロセスの利点は、室温および室内圧力での代替手段で適用するのに十分低い粘度を持たない被覆材料に対応可能であることである。射出成形のさらなる利点は、被覆の外側形状が、使用される型の形状によって決定されることである。別の射出成形の利点は、溝の隙間および中空の長手軸方向部材の内部の再現性のある浸透である。代替えの成形技術は、圧力成形およびトランスファー成形である。
【0085】
その他の被覆の適用方法は、液体射出成形、浸漬、溶射、またははけなどの塗布器などによる塗装を含む。これらの方法は、被覆材料が低粘度の形状で塗布されることを必要とする。例えば、塗布用の樹脂は、塗布後に蒸発する溶媒内で懸濁させる。別の例において、被覆材料は、低粘度の形状で塗布され、その後、化学物質、加熱、放射線の方法により矯正される。被覆材料の塗布が必要ない場合、長手軸方向部材の部分を覆うことが有用である場合もある。
【0086】
図45Aは、材料277から成る長手軸方向部材の可撓性部分としての、棒の均一の断面図を示す。図44Bは、別の材料279からなる部分を含む、材料277から成る長手軸方向部材の可撓性部分としての、棒の不均一の断面図を示す。明らかに、図45Aの棒は、xおよびy方向において適用された力で同一の曲げ挙動を示す。320および330の部分の材料が異なる曲げ特性を有する場合、図45Bの棒は、xおよびy方向において適用された力で異なる曲げ挙動を示す。例えば、図45Bは、材料277よりも堅く、棒は、yよりもx方向でより簡単に曲がる。
【0087】
本発明のさまざまな実施態様が上に説明された。しかしながら、当技術分野において通常の技能を有する者は、好適な実施態様の上述の説明が単に例示的なものであり、本発明が上に開示された装置および技術の修正または変更によって実施されてもよいことを理解するだろう。当技術分野において通常の技能を有する者は、通常の実験、本発明の特定の実施態様に相当する多数のものだけを使用して、理解または解明することが可能である。このような修正、変更、および相当物は、以下の請求項に記載される本発明の範囲内であると考えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎安定化装置における使用のための連結ユニットであって、該連結ユニットは、中空の内腔および長手軸方向軸を有する長手軸方向部材を備え、該長手軸方向部材は、第一固定部材および第二固定部材によって第一椎骨および第二椎骨に固定されるように構成されており、該長手軸方向部材は、
該第一固定部材に連結されるように構成された第一溝なし部分であって、第一外側寸法を規定する第一溝なし部分;
該第二固定部材に連結されるように構成された第二溝なし部分;および
該第一溝なし部分および該第二溝なし部分に連結される中間部分であって、外表面および対向する内表面を含み、該内表面が中空の内部腔に面し、該外表面が、該第一外側寸法より大きい第二外側寸法を規定し、該中間部分がさらに、その間に形成された少なくとも1つの溝を有する溝のある部分を含み、該溝が:
(1)該溝が該外表面に沿って第一端部から第二端部まで延びるような長さ;および
(2)該溝が該中間部分を通って該外表面から該内表面まで延びるような深さを有する、連結ユニット。
【請求項2】
前記溝のある部分における前記少なくとも1つの溝の溝の幅および溝から溝のスペースのうちの少なくとも1つは、該溝のある部分の長手軸方向軸の少なくとも一部分に沿って変化する、請求項1に記載の連結ユニット。
【請求項3】
前記長手軸方向部材は、金属、金属合金、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、熱可塑性物質、エラストマー、および複合材料からなる生物適合性材料群から選択される材料を含む、請求項1に記載の連結ユニット。
【請求項4】
前記第二溝なし部分が第三外側寸法を規定し、そして前記第二外側寸法が該第三外側寸法より大きい、請求項1に記載の連結ユニット。
【請求項1】
脊椎安定化装置における使用のための連結ユニットであって、該連結ユニットは、中空の内腔および長手軸方向軸を有する長手軸方向部材を備え、該長手軸方向部材は、第一固定部材および第二固定部材によって第一椎骨および第二椎骨に固定されるように構成されており、該長手軸方向部材は、
該第一固定部材に連結されるように構成された第一溝なし部分であって、第一外側寸法を規定する第一溝なし部分;
該第二固定部材に連結されるように構成された第二溝なし部分;および
該第一溝なし部分および該第二溝なし部分に連結される中間部分であって、外表面および対向する内表面を含み、該内表面が中空の内部腔に面し、該外表面が、該第一外側寸法より大きい第二外側寸法を規定し、該中間部分がさらに、その間に形成された少なくとも1つの溝を有する溝のある部分を含み、該溝が:
(1)該溝が該外表面に沿って第一端部から第二端部まで延びるような長さ;および
(2)該溝が該中間部分を通って該外表面から該内表面まで延びるような深さを有する、連結ユニット。
【請求項2】
前記溝のある部分における前記少なくとも1つの溝の溝の幅および溝から溝のスペースのうちの少なくとも1つは、該溝のある部分の長手軸方向軸の少なくとも一部分に沿って変化する、請求項1に記載の連結ユニット。
【請求項3】
前記長手軸方向部材は、金属、金属合金、有機ポリマー、天然に存在する樹脂、熱可塑性物質、エラストマー、および複合材料からなる生物適合性材料群から選択される材料を含む、請求項1に記載の連結ユニット。
【請求項4】
前記第二溝なし部分が第三外側寸法を規定し、そして前記第二外側寸法が該第三外側寸法より大きい、請求項1に記載の連結ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16−1】
【図16−2】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23−1】
【図23−2】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38−1】
【図38−2】
【図39−1】
【図39−2】
【図40】
【図41−1】
【図41−2】
【図41−3】
【図42−1】
【図42−2】
【図43】
【図44】
【図45A】
【図45B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16−1】
【図16−2】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23−1】
【図23−2】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38−1】
【図38−2】
【図39−1】
【図39−2】
【図40】
【図41−1】
【図41−2】
【図41−3】
【図42−1】
【図42−2】
【図43】
【図44】
【図45A】
【図45B】
【公開番号】特開2012−110737(P2012−110737A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−19642(P2012−19642)
【出願日】平成24年2月1日(2012.2.1)
【分割の表示】特願2007−545612(P2007−545612)の分割
【原出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(507191186)エヌ スパイン, インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−19642(P2012−19642)
【出願日】平成24年2月1日(2012.2.1)
【分割の表示】特願2007−545612(P2007−545612)の分割
【原出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(507191186)エヌ スパイン, インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】
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