説明

脚片を設けたカメラ機器

【課題】自立可能なカメラ機器に於いて、脚片又はキャビネットの開き角度に係わらず、正面の画像を撮ることができるカメラ機器を提供する。
【解決手段】自立可能なカメラ機器に於いて、撮影用のレンズ10を具えた支持体1から、開閉可能な脚片2、3を下向きに突出し、レンズ10の光軸Lは、脚片2、3の開閉方向を含む面に略直交している。一方の脚片3は枠体であって、中にディスプレイ50を具えた表示部5が出没可能に収納される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脚片又はキャビネットを開閉可能に設けて、自立可能なカメラ機器に関する。
【背景技術】
【0002】
脚片又はキャビネットを開閉可能に設けて、自立可能なカメラ機器として、図5及び図6に示すものが提案されている(特許文献1参照)。これは、液晶パネルであるディスプレイ(50)及び撮影用のレンズ(10)を具えた第1キャビネット(7)と、該第1キャビネット(7)に重なる第2キャビネット(70)の上端部をヒンジ(71)接続して構成される。撮影時には、両キャビネット(7)(70)をヒンジ(71)を中心として開き、机上に載置する。レンズ(10)は両キャビネット(7)(70)の開き角度θに応じた画像を撮影する。
【0003】
【特許文献1】特開2006−67285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図6に示す従来例では、両キャビネット(7)(70)の開き角度θに応じて、異なる位置の画像が撮影される不具合がある。即ち、開き角度θが大きければ、キャビネット(7)の正面ではなく、上方の画像が撮影され、所望の画像が撮影できない虞れがある。
本発明の目的は、自立可能なカメラ機器に於いて、脚片又はキャビネットの開き角度に係わらず、正面の画像を撮ることができるカメラ機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
自立可能なカメラ機器に於いて、撮影用のレンズ(10)を具えた支持体(1)から、開閉可能な脚片(2)(3)を下向きに突出し、レンズ(10)の光軸Lは、脚片(2)(3)の開閉方向を含む面に略直交している。
【発明の効果】
【0006】
レンズ(10)の光軸Lは、脚片(2)(3)の開閉方向を含む面に略直交しているから、脚片(2)(3)の開閉角度が異なっても、レンズ(10)は正面を向く。これにより、脚片(2)(3)の開き角度に係わらず、レンズ(10)は正面の画像を撮ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の一実施例を図を用いて詳述する。
図1(a)は、本例に係わるカメラ機器、具体的にはデジタルカメラの正面を示す斜視図、(b)は同上の背面を示す斜視図、(c)は(a)の右側面図である。カメラ本体(4)は、撮影用のレンズ(10)を具えた支持体(1)から、開脚可能な第1脚片(2)、第2脚片(3)を下向きに突出している。レンズ(10)は支持体(1)の前面に配備され、支持体(1)上にてレンズ(10)の上方には発光ダイオードから形成されたライト(11)が設けられている。レンズ(10)は上下約15度に調整可能であるが、この角度に限定されない。
支持体(1)の背面には、撮影用釦(12)と録音用釦(13)が配備され、集音用のマイク(14)(14)が支持体(1)の側面に配備される。正面から見て左側に位置する第1脚片(2)は中実であり、回路部品等(図示せず)が収納される。第2脚片(3)は、矩形状の枠体であり、内側にディスプレイ(50)を具えた表示部(5)が出没可能に収納される。表示部(5)の下端部にも、マイク(14)が配備される。表示部(5)と支持体(1)の間には、回動支持部(6)が設けられ、該回動支持部(6)は第2脚片(3)との間に設けられた第1軸(60)(60)を中心として、第2脚片(3)から外れるように上下回動可能である。また、表示部(5)と回動支持部(6)とは第2軸(61)を介して接続され、表示部(5)は第2軸(61)を中心として回動可能に設けられる。
【0008】
図2(a)、(b)は、両脚片(2)(3)を開いた状態の斜視図である。両脚片(2)(3)は左右方向に開閉し、レンズ(10)の光軸Lは前後に延びている。従って、レンズ(10)の光軸Lは、脚片(2)(3)の開閉方向を含む面に略直交している。これにより、脚片(2)(3)の開閉角度が異なっても、レンズ(10)は正面を向くから、脚片(2)(3)の開き角度に係わらず、レンズ(10)は正面の画像を撮ることができる。
両脚片(2)(3)間にはギア(図示せず)が配備され、一方の脚片(2)を開くと、他方の脚片(3)がギアを介して、同じ角度だけ開く。また、両脚片(2)(3)の下端は、長手方向に対して斜めを向いた切欠き(35)が形成され、両脚片(2)(3)が開いた状態で、切欠き(35)が机上に面接触し、カメラ本体(4)は安定して支持される。
第1脚片(2)の裏面には、データ送信用釦(20)が設けられ、該データ送信用釦(20)を押圧操作することにより、撮影中の画像を送信することができる。
【0009】
ディスプレイ(50)には、撮影中の画像が表示される。ディスプレイ(50)を見ながら撮影をするには、以下の手順でディスプレイ(50)を撮影者側に向ける。図2(b)に示すように、第1軸(60)(60)を中心として、表示部(5)を略水平となるまで上向きに回動させる。表示部(5)は第2脚片(3)から離れ、ディスプレイ(50)が下を向く。
この状態で、図3(a)に示すように、第2軸(61)を中心として表示部(5)を回動させ、ディスプレイ(50)を撮影者側、即ちレンズ(10)とは反対方向に向ける。ディスプレイ(50)の画像を見ながら撮影をすることができ、マイク(14)(14)(14)によって音声を記録することもできる。
また、図3(b)に示すように、表示部(5)を図3(a)とは逆に向ければ、被写体側にディスプレイ(50)の画像を見せることができる。例えば、会議中に発言者を撮影している際に、ディスプレイ(50)を発言者に向ければ、発言者は撮影されている内容を確認することができる。
また、カメラ本体(4)を手で把持して撮影を行うときは、図4に示すように、両脚片(2)(3)を畳んで把持し、ディスプレイ(50)を撮影者側に向けて、撮影を行う。
【0010】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
本例ではカメラ機器として、デジタルカメラを例示したが、銀塩カメラ等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)は、本例に係わるカメラ機器の正面を示す斜視図、(b)は同上の背面を示す斜視図、(c)は(a)の右側面図である。
【図2】(a)、(b)は、両脚片を開いた状態の斜視図である。
【図3】(a)、(b)は、両脚片を開いた状態の斜視図である。
【図4】両脚片を閉じた状態の斜視図である。
【図5】従来のカメラ機器のキャビネットを開いた状態の斜視図である。
【図6】図5の右側面図である。
【符号の説明】
【0012】
(1) 支持体
(2) 第1脚片
(3) 第2脚片
(4) カメラ本体
(6) 回動支持部
(10) レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自立可能なカメラ機器に於いて、
撮影用のレンズを具えた支持体から、開閉可能な脚片を下向きに突出し、レンズの光軸は、脚片の開閉方向を含む面に略直交していることを特徴とするカメラ機器。
【請求項2】
少なくとも一方の脚片は枠体であって、中に表示部が出没可能に収納される、請求項1に記載のカメラ機器。
【請求項3】
2つの脚片が支持体から突出している、請求項1又は2に記載のカメラ機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−101381(P2013−101381A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−6972(P2013−6972)
【出願日】平成25年1月18日(2013.1.18)
【分割の表示】特願2007−225107(P2007−225107)の分割
【原出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】