説明

脱水システム及び脱水方法

【課題】 システム全体を稼働させたまま、水分離膜の再生を行い、かつ水分離膜の必要本数を減少させるようにした脱水システム、及び脱水方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも一以上の稼働中の水分離膜ユニット10を備え、該少なくとも一以上の水分離膜ユニット10に対し、少なくとも一以上の非稼働中の水分離膜ユニット20を設置できるように構成し、該非稼働中の水分離膜ユニット20を構成する水分離膜21の被処理流体の流路22を再生用熱ガスの供給路とし、脱水システムを稼働させた状態で、上記再生用熱ガスが上記水分離膜21を透過することによって、上記水分離膜21を再生することができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱水システム及び脱水方法に関する。さらに詳しくは、水との共沸組成を持つエタノールやプロパノールと水との混合物、又は酸と水との混合物などを効率的に脱水することができる脱水システム及び脱水方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石油燃料を代替する燃料源として、エタノールが注目されており、その市場規模は、2015年に11500万キロリットルと予測されている。しかし、エタノールを燃料として採用するためには、トウモロコシ等のバイオ原料から得た粗製物を蒸留精製し、少なくとも99.5wt%以上に脱水しなければならない。
従来、脱水にあたっては、希薄エタノール水溶液を、蒸留塔で蒸留することにより、エタノール/水系の共沸点近くまで濃縮し、次いで脱水するといったことが行われている。
【0003】
脱水するための手法としては、エントレーナを加え、共沸蒸留で脱水する方法がある。しかし、この方法では、三成分系を共沸蒸留し、さらにエントレーナを回収するといった工程を踏む必要があり、多大の熱エネルギーを必要とするといったような欠点があった。
【0004】
また、モレキュラーシーブ槽を複数並列し、これらをバッチ切替しながら脱水する方法もある。しかし、この方法でも、モレキュラーシーブ層の再生に多大なエネルギーを消費するという難点があった。
【0005】
そこで、水分離膜のように、以上の欠点を伴わない要素を用いることが考案されている(特許文献1:特開昭58−21629号公報)。
【0006】
しかし、水分離膜を備える水分離膜ユニットを用いたPV(パーベーパレーション)を採用する場合、水分離膜が劣化するため、その入替頻度が高く、その入れ替えに伴い、頻繁にプラントを停止しなければならないといった不都合があった。
【0007】
また、このような水分離膜の劣化を予測し、使用期間後期の許容される劣化比を設定している。例えば、200本の水分離膜を使用するとして、使用期間の最初の劣化比を1とし、許容される劣化比の限界を0.4とする。そうすると使用期間当初の必要本数は、200/0.4=500(本)となる。したがって、一般に、装備しなければならない水分離膜の本数は、過大になりがちであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭58−21629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、システム全体を稼働させたまま、水分離膜の再生を行い、かつ水分離膜の必要本数を減少させるようにした脱水システム、及び脱水方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る脱水システムは、被処理流体から水を分離する脱水システムであって、少なくとも一以上の稼働中の水分離膜ユニットを備え、該少なくとも一以上の水分離膜ユニットに対し、少なくとも一以上の非稼働中の水分離膜ユニットを設置できるように構成し、該非稼働中の水分離膜ユニットを構成する水分離膜の被処理流体の流路を再生用熱ガスの供給路とし、脱水システムを稼働させた状態で、上記再生用熱ガスが上記水分離膜を透過することによって、上記水分離膜を再生することができるようにしてなることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る脱水システムは、その一実施の形態で、上記稼働中の水分離膜ユニットで処理される被処理流体から水を分離するためのラインと、上記非稼働中の水分離膜ユニットから再生用熱ガスを吸引するためのラインとを合流させ、水を分離するための運転圧力で、上記再生用熱ガスを吸引するようにすることができる。
【0012】
本発明は、他の側面で脱水方法であり、被処理流体から水を分離する脱水方法において、少なくとも一以上の稼働中の水分離膜ユニットを備え、該少なくとも一以上の水分離膜ユニットに対し、少なくとも一以上の非稼働中の水分離膜ユニットを設置した脱水システムで、該非稼働中の水分離膜ユニットを構成する水分離膜の被処理流体の流路に再生用熱ガスを供給し、上記脱水システムを稼働させた状態で、上記再生用熱ガスを、上記水分離膜を透過させ、上記水分離膜を再生することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る脱水方法は、その一実施の形態で、上記稼働中の水分離膜ユニットで処理される被処理流体から水を分離するためのラインと、上記非稼働中の水分離膜ユニットから再生用熱ガスを吸引するためのラインとを合流させ、水を分離するための運転圧力で、上記再生用熱ガスを吸引するようにすることができる。
【0014】
本発明では、被処理流体は、一般的には有機水溶液である。
有機水溶液の有機成分としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリコール等のアルコール、酢酸等のカルボン酸、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル、アセトアルデヒド等のアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、酢酸エチルエステル等のエステルからなる群から選択される一の有機成分であって、水に可溶なものを挙げることができる。
【0015】
本発明で採用できる再生用熱ガスは、不活性なガスが好適である。
不活性なガスとして以下のものを挙げることができる。
(1)窒素ガス
空気レベルまで酸素濃度が高くなると、酸化による分離膜の改質が起こり、好ましくない。したがって、酸素の含有量は、10%未満であることが好適である。なお、少量であれば、エタノールの一部燃焼による除去は、却って好都合であり、このような効果を狙う場合には、酸素を5%程度まで含有してもよい。
(2)二酸化炭素
窒素を代替して用いることができる。エタノールの生産で副生する二酸化炭素を用いることもできる。
(3)他の不活性ガス
なお、窒素を代替して、Ar等の周期律表上の不活性ガスも勿論採用できる。
(4)混合物
さらに、窒素を代替して、以上に挙げた不活性ガスの混合物を採用することもできる。
再生用熱ガスの温度は、エタノールの沸点78.3℃とコーキングを起しエタノールから膜上で炭素が析出を開始する300℃を越える温度の中間領域である78℃〜300℃が好適である。ガスの加熱方法としては、実際に加熱することの他、被処理流体から得られる製品流体の持つ熱を、熱交換器で回収するといったこともできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、システム全体を稼働させたまま、水分離膜の再生を行い、かつ水分離膜の必要本数を減少させるようにした脱水システム、及び脱水方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る脱水方法を実施するための脱水システムについて、その一実施の形態を説明する概念図である。
【図2】本発明で採用することができる水分離膜の一実施の形態について、図2Aは、平面図、図2Bは、図2AのB−B線による断面図である。
【図3】本発明で採用することができる水分離膜の一実施の形態について、図3Aは、平面図、図3Bは、図3AのC−C線による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る脱水システム及び脱水方法について、その実施の形態を参照しながらさらに詳細に説明する。以下の実施形態においては、特定の数の水分離膜ユニットを備える脱水システムについて例示するが、本発明は特定の数の水分離膜ユニットに限定して適用されるものではない。
また、被処理流体を、水を含む粗エタノールとし、再生用熱ガスを加熱した窒素ガスとした形態について説明する。しかし、他の種類の被処理流体、又は再生用熱ガスを使用する形態についても、当業者の技術的常識に基づいて本発明が適用されることを妨げるものではない。
【0019】
本発明に係る脱水システムの基本形態
図1に、本発明に係る脱水システムの一実施の形態を示す。
本実施の形態に係る脱水システムは、稼働中の水分離膜ユニット10と、再生中の水分離膜ユニット20とを備える。
これらの水分離膜ユニット10、20は、水分離膜11、21を用いて、パーベーパレーション法により、粗エタノールから水を分離する装置である。
水分離膜ユニット10、20は、本体内に、粗エタノールを通すための左右に延びる一以上の流路12、22を有する水分離膜11、21を備える。水分離膜11、21の左側には、粗エタノール入口を、右側には、粗エタノール出口を備える。
水分離膜11、21の外周面と、ユニット本体内壁とで、水の透過側にシェル部13、23を規定する。
【0020】
図示の状態では、原料(粗エタノール)の供給ライン14、24において、水分離膜ユニット10側の弁15は、開放され、水分離膜ユニット20側の弁25は、閉成されている。また、製品の排出ライン18、28において、水分離膜ユニット10側の弁19は、開放され、水分離膜ユニット20側の弁29は、閉成されている。
一方、窒素ガスの供給ライン16、26において、水分離膜ユニット10側の弁17は、閉成され、水分離膜ユニット20側の弁27は、開放されている。
【0021】
本発明に係る脱水方法の一実施の形態
図1の形態に係る脱水システムによる、本発明に係る脱水方法の一実施の形態を次に説明する。
図示の状態で、粗エタノールは、水分離膜ユニット10にのみ供給され、流路12から水分離膜11を透過した水は、減圧ポンプ30による減圧作用により、吸引され、シェル部13から排出ライン31を経て分離される。水と分離されたエタノールは、製品として回収される。
【0022】
一方、水分離膜ユニット20には、78℃〜300℃に加熱した窒素ガスが熱交換器32を経由して、ライン26から再生用熱ガスとして供給される。窒素ガスは、流路22に供給され、水分離膜21に蓄積されたエタノールを押し出す。押し出されたエタノールを含む窒素ガスは、ライン33から吸引される。なお、水分離膜21は、多孔質であり、その細孔内にエタノール分子が蓄積される。
【0023】
そして、図示のように、水分離膜ユニット10で処理される粗エタノールから水を分離するためのライン31と、水分離膜ユニット20から窒素ガスを吸引するためのライン33とを合流させ、水を分離するための減圧作用のための運転圧力[1333.22〜13332.2Pa(10〜100torr)]で、窒素ガスも吸引している。
【0024】
図1の形態では、脱水システム全体の運転を止めることなく、劣化した水分離膜ユニットの再生を行うことができる。しかも、稼働中の水分離膜ユニット10を減圧するための運転圧力で、水分離膜ユニット20を再生することができる。このため、他の減圧機器を要することがない。かつ、水分離膜10、20の稼働、再生の両状態でシェル部13、23からの排出ライン31、33を共通して用いることができ、部品点数も削減できる。
【0025】
吸引される窒素ガスは、押し出されたエタノールを含んでいる。また、水分離膜ユニット10から吸引分離される水にもエタノールが含まれていることがある。そこで、合流してポンプ30により排出される混合物からエタノールを回収するための回収装置を設け、さらにこれを稼働している水分離膜ユニット10に戻すこともできる。
【0026】
本発明に係る脱水システムの他の形態
図1は、説明のため簡略化した概念図であり、図示されていない機器を、本発明の趣旨に反しない範囲で備えた形態として実施することができる。また、稼働中の水分離膜ユニットを複数備える形態として実施することもできる。そのような形態群も本発明の概念に含まれるものであり、以下に、それらについて例示的に説明する。
【0027】
原料である粗エタノールから水を分離する際、粗エタノールの温度が高いほど有利である。そこで、例えば粗エタノールであれば、これを100〜150℃程度に加熱することが好適である。そこで、水分離膜ユニット10、20の前流において、ライン14、24に、加熱器を設けることが一般的である。
その結果、得られる製品エタノールは、熱を持つことになる。供給される粗エタノールに、熱交換器を利用してこの熱を付与することもできる。
さらに、ライン18から得られるエタノールの一部を再度ライン14に戻し、取り切れていない水を分離するようにすることもできる。
【0028】
また、稼働中の水分離膜ユニット10を複数並列して設けることもできる。この場合、水分離膜ユニットを粗エタノールの流れ方向に対して直列し、例えば、三段設けるとき、一段目の水分離膜ユニットを経たエタノールを二段目の水分離膜ユニットに送り、さらに二段目の水分離膜ユニットを経たエタノールを三段目の水分離膜ユニットに送り、製品エタノールを最終的に回収するといったことも可能である。
この形態で、稼働中の全ての水分離膜ユニット及び再生中の水分離膜ユニットから回収された水をまとめ、この水の中に漏出するエタノールを回収装置で回収するようにすることもできる。
【0029】
さらに、ここで、劣化比の低い順に一段目から三段目に振り分けて使用し、劣化比が設定値になった順に稼働を止め、再生処理を行うようにすることができる。このように稼働させることにより、一段目から三段目にかけた全体の処理能力を一定に保つことができる。すなわち、再生サイクルを構築することもできる。
【0030】
なお、本明細書中、劣化比とは、使用期間当初の水透過速度とその時点での水透過速度との比である。ここで、例えば、劣化比を0.8と設定したとする。実機においては、図1について説明した脱水システム又はその変形形態に係る脱水システムを処理量に応じて複数併設する。このようなことを想定し、例えば、200本の水分離膜を常時稼働させるとした場合、使用期間当初の必要本数は、200/0.8=250(本)となる。すなわち、劣化比の設定によって、水分離膜の必要本数を削減することができる。
なお、劣化比を0.8のように高く設定できるのは、稼働状態で同時に水分離膜ユニットを再生できるためである。
【0031】
このような再生サイクルの実行を含め、本発明に係る脱水システムの稼働、及び本発明に係る脱水方法の実行にあたっては、当業者の技術常識に従ったプロセッサ・コントロールを行うことができる。
【0032】
なお、その目的を妨げるものでない限り、本発明に係る脱水システムは、三段を超えるさらに多段の脱水システムとしても実現することができ、再生する水分離膜ユニットの数も一に限定されるものではない。
【0033】
また、各水分離膜ユニットから取り出されるエタノールの濃度を監視する濃度計を、各水分離膜ユニットに設置することもできる。これによって、劣化比を監視することができる。
さらにまた、各水分離膜ユニットから取り出される製品流体の温度を監視する温度計を備えるようにすることもできる。
【0034】
さらに、図1のような一の稼働中の水分離膜ユニットを採用する形態で可能な代替形態は、本発明の目的に反しない限り二以上の稼働中の水分離膜ユニットを備える形態でも採用することができる。
【0035】
本発明で採用することができる水分離膜
水分離膜ユニット10、20等のような水分離膜ユニットに用いられる水分離膜は、粗エタノールを無水物と水とに分離する。かかる水分離膜としては、様々な形態のものが知られており、市販されている。本発明では、例えば、モノリス型のものと、チューブラ型の水分離膜を用いることができる。
【0036】
図2A及び図2Bにモノリス型の水分離膜110の例を挙げて説明する。図2Bは、図2AのB−Bにおける断面である。モノリス型の水分離膜110は、円柱状の水分離膜110に粗エタノールを通すための上下に延びる一以上の中空部である粗エタノールの流路110を複数設けたものである。通常、かかる形態の水分離膜においては、水分離膜内部の粗エタノールの流路110cを、膜の一次側、または供給側といい、水分離膜110の外側を、膜の二次側、または透過側とよぶ。
【0037】
このような水分離膜110を用いたパーベーパレーション法膜分離においては、図1の形態と異なり、図2のように、水分離膜110を、流路の方向が鉛直方向と平行になるように設置することもできる。
そして、水分離膜110の透過側を減圧しながら、鉛直方向下側の入口110aから粗エタノールを供給し、重力と逆の向きに流して、鉛直方向上側の出口110bから粗エタノールを排出する。かかる操作により、粗エタノール中の水が、水蒸気となって、円柱状の水分離膜110の側面から、透過側に引き抜かれる。その結果、水分離膜部出口110bから回収される粗エタノールは、脱水されたものとなっている。
【0038】
図示したモノリス型の水分離膜110は、概略的なものであるが、一例として、直径が30mmの円柱状の水分離膜に対して、直径が3mmの穴を30個設けたものを用いることができる。別の例として、直径が150〜200mmの水分離膜に対して、直径が2mmの穴を200個設けたものを用いることもできる。水分離膜の長さは、所望の膜性能に応じて当業者が適宜決定することができるが、一例として、150mmから1mのものを用いることができる。
【0039】
別の例として、図3A及び図3Bにチューブラ型を挙げて説明する。図3Bは、図3AのC−Cにおける断面である。チューブラ型の水分離膜210は、内部に粗エタノールの流路210cがひとつだけ設けられた管状のものである。チューブラ型の水分離膜210も、その設置態様および作用効果は、モノリス型の水分離膜と同様である。チューブラ型の水分離膜の一例としては、外径が10mm、内径が7mmのものを用いることができ、別の例としては、外径が30mm、内径が22mmのものを用いることができる。長さは、一例として、150mmから1mのものを用いることができる。
【0040】
水分離膜の材質としては、無機材でナノオーダーまたはそれより小さい孔径が精密に制御された微細孔多孔膜を用いることができる。微細孔多孔膜は、小さい分子径のガスを通し、大きい分子径のガスを排除する分子ふるい効果を発現し、その透過係数は温度上昇とともに増加する活性化拡散の挙動を示す。微細孔多孔膜の例としては、炭素膜、シリカ膜、ゼオライト膜が挙げられる。本実施形態においては、水分離膜としては、細孔径10オングストローム以下の炭素系無機水分離膜が好適である。
【0041】
また、特許第2808479号記載の無機水分離膜も適用可能である。該特許第2808479号の無機水分離膜は、無機多孔体の細孔内に、エトキシ基又はメトキシ基を含むアルコキシシランの加水分解を経て得られたシリカゲルを担持することによって得られる耐酸性複合分離膜である。
【0042】
なお、水分離膜部の形態、サイズ、および材質は、使用目的に応じて当業者が適宜選択することができる。
【符号の説明】
【0043】
10、20 水分離膜ユニット
11、21 水分離膜
12、22 流路
13、23 シェル部
14、24、16、26、18、28、31 ライン
15、25、17、27、19、29 弁
30 減圧ポンプ
32 熱交換器
110、210 水分離膜
110a、210a 粗エタノールの入口
110b、210b 粗エタノールの出口
110c、210c 流路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理流体から水を分離する脱水システムであって、少なくとも一以上の稼働中の水分離膜ユニットを備え、該少なくとも一以上の水分離膜ユニットに対し、少なくとも一以上の非稼働中の水分離膜ユニットを設置できるように構成し、該非稼働中の水分離膜ユニットを構成する水分離膜の被処理流体の流路を再生用熱ガスの供給路とし、脱水システムを稼働させた状態で、上記再生用熱ガスが上記水分離膜を透過することによって、上記水分離膜を再生することができるようにしてなることを特徴とする脱水システム。
【請求項2】
上記稼働中の水分離膜ユニットで処理される被処理流体から水を分離するためのラインと、上記非稼働中の水分離膜ユニットから再生用熱ガスを吸引するためのラインとを合流させ、水を分離するための運転圧力で、上記再生用熱ガスを吸引するようにしてなることを特徴とする請求項1の脱水システム。
【請求項3】
上記被処理流体が、有機水溶液であることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱水システム。
【請求項4】
上記有機水溶液の有機成分が、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリコール等のアルコール、酢酸等のカルボン酸、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル、アセトアルデヒド等のアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、酢酸エチルエステル等のエステルからなる群から選択される一の有機成分であって、水に可溶なものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の脱水システム。
【請求項5】
被処理流体から水を分離する脱水方法において、少なくとも一以上の稼働中の水分離膜ユニットを備え、該少なくとも一以上の水分離膜ユニットに対し、少なくとも一以上の非稼働中の水分離膜ユニットを設置した脱水システムで、該非稼働中の水分離膜ユニットを構成する水分離膜の被処理流体の流路に再生用熱ガスを供給し、上記脱水システムを稼働させた状態で、上記再生用熱ガスを、上記水分離膜を透過させ、上記水分離膜を再生することを特徴とする脱水方法。
【請求項6】
上記稼働中の水分離膜ユニットで処理される被処理流体から水を分離するためのラインと、上記非稼働中の水分離膜ユニットから再生用熱ガスを吸引するためのラインとを合流させ、水を分離するための運転圧力で、上記再生用熱ガスを吸引するようにしてなることを特徴とする請求項5の脱水方法。
【請求項7】
上記被処理流体が、有機水溶液であることを特徴とする請求項5又は6に記載の脱水方法。
【請求項8】
上記有機水溶液の有機成分が、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、グリコール等のアルコール、酢酸等のカルボン酸、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル、アセトアルデヒド等のアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、酢酸エチルエステル等のエステルからなる群から選択される一の有機成分であって、水に可溶なものであることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の脱水方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−34969(P2013−34969A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175009(P2011−175009)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】