脱水袋
【課題】被曝のおそれがある被脱水粉体を上排出型遠心分離機において脱水して後工程に送る際に、当該被曝の危険性を大幅に低減することが可能になる脱水袋を提供する。
【解決手段】上端部に被脱水粉体の供給口1aが形成され、底面に開口部1bが形成されたろ布からなる有底筒状の本体1と、本体1の開口部の周縁部に一端部が一体的に接続され、本体の内方または外方に屈曲可能な筒状の排出部2と、この排出部の外周に設けられて排出部を開閉する開閉手段3と、本体の供給口を着脱自在に塞ぐ上部蓋体7と、下端部が本体1の外周下部に接続されるとともに上端部が吊持手段に係合する複数本の第1のワイヤ4と、下端部が本体1の上部に接続されるとともに上端部が吊持手段に係合する複数本の第2のワイヤ5とを備えてなる。
【解決手段】上端部に被脱水粉体の供給口1aが形成され、底面に開口部1bが形成されたろ布からなる有底筒状の本体1と、本体1の開口部の周縁部に一端部が一体的に接続され、本体の内方または外方に屈曲可能な筒状の排出部2と、この排出部の外周に設けられて排出部を開閉する開閉手段3と、本体の供給口を着脱自在に塞ぐ上部蓋体7と、下端部が本体1の外周下部に接続されるとともに上端部が吊持手段に係合する複数本の第1のワイヤ4と、下端部が本体1の上部に接続されるとともに上端部が吊持手段に係合する複数本の第2のワイヤ5とを備えてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上排出型遠心分離機に供給されて内部に収納した治験薬等の被脱水粉体を脱水するために用いられる脱水袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療品製造分野における新薬の開発初期段階においては、試験的に合成した治験薬によって、各種の効能等の実証実験が行われている。
そして、このような治験薬を製造する際には、スラリー状の被脱水粉体を脱水した後に乾燥処理して上記治験薬を得る工程があり、一般に上記脱水工程においては、上部に形成された開口から供給・排出が行われる上排出型遠心分離機が用いられ、上記乾燥工程においては、コニカル乾燥機が用いられている。
【0003】
ところで、上記脱水工程においては、脱水袋を上排出型遠心分離機の上部開口から内部に配置し、蓋体によって上記開口を閉じて脱水袋内に上記湿体を供給後、脱水を行うと、遠心力によって脱水された粉体が脱水袋の外周に硬い層状をなして固着する。そして、上記上排出型遠心分離機は、回転中心の底部に、駆動機構に連結される台形筒状のコーン部が形成されているために、上記傾向が一層顕著になる。
【0004】
このため、上記蓋体を外して脱水袋内の湿体を乾燥工程に送る際に、作業員が上記脱水袋内に固着した粉体を小型のスコップ等を用いて突き崩しながら掻き出して、別の容器に移していた。また、上記乾燥工程においては、人手によって上記容器内の粉体をコニカル乾燥機内に投入していた。
【0005】
この結果、上記上排出型遠心分離機からの粉体の掻き出しや、コニカル乾燥機内への上記粉体の投入時に、作業者が上記粉体に含まれる高薬理活性物質によって被曝する危険性があり、その対策が要請されていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、被曝のおそれがある被脱水粉体を上排出型遠心分離機において脱水して後工程に送る際に、当該被曝の危険性を大幅に低減することが可能になる脱水袋を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、上部に形成された開口から供給・排出が行われる上排出型遠心分離機に用いられる脱水袋であって、上端部に被脱水粉体の供給口が形成されるとともに、底面に開口部が形成されたろ布からなる有底筒状の本体と、この本体の上記開口部の周縁部に一端部が一体的に接続されるとともに、上記本体の内方または外方に屈曲可能な可撓性を有する筒状の排出部と、この排出部の外周に設けられて当該排出部が上記本体の外方にある際に上記排出部を開閉可能な開閉手段と、上記本体の上記供給口に着脱自在に設けられて当該供給口を塞ぐ上部蓋体と、上記本体の周方向に間隔をおいて設けられ、下端部が上記本体の外周下部に接続されるとともに上端部が吊持手段に係合することにより上記本体を吊持可能とする複数本の第1のワイヤと、上記本体の周方向に間隔をおいて設けられ、下端部が上記本体の上部に接続されるとともに上端部が吊持手段に係合することにより上記本体を吊持可能とする複数本の第2のワイヤとを備えてなることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記上部蓋体が、下部外周が上記供給口の外周縁に着脱自在に形成された接続部と、この接続部の内周から一体的に上方に向けて筒状に延在するとともに、上端部に開口部が形成された可撓性を有する筒状の操作筒部と、この操作筒部の外周に設けられて当該操作筒部を縮径可能な封止手段とを備えてなることを特徴とするものである。
【0009】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、上記操作筒部の内壁面には、操作具を収納可能なポケットが形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1〜3のいずれかに記載の脱水袋は、上端部に被脱水粉体の供給口が形成されたろ布からなる有底筒状の本体と、この本体の底面に形成された開口部に一体的に接続されるとともに、下端部が開口する筒状の排出部とによって構成されている。
このため、先ず排出部の外周に設けられた開閉手段によって当該排出部を閉じて、上記排出部を本体内に屈曲させることにより、内部に被脱水粉体が収納可能になる。
【0011】
次いで、上記脱水袋を、上排出型遠心分離機の上部に形成された開口から内部にセットする。この際に、第1のワイヤの上端部を上記開口に臨ませておく。この脱水袋のセットが完了した後に、上蓋によって上記開口を閉じ、脱水袋を回転させつつ、その内部にスラリー状の被脱水粉体を供給して脱水を行う。そして、脱水工程が終了した後に、上排出型遠心分離機の上蓋を開けるとともに、脱水袋の供給口を上部蓋体によって塞ぐ。
【0012】
次いで、第1のワイヤの上端部を吊持手段に係合させて、脱水袋を吊り上げることにより、上記上排出型遠心分離機から取り出す。すると、複数本の上記第1のワイヤの下端部は、脱水袋の外周下部に接続されているために、当該脱水袋は、第1のワイヤによって絞られた状態で、下部からその荷重が支持される。
【0013】
そして、上記上排出型遠心分離機から採りだした脱水袋を、上記吊持手段によって直接、または一旦容器に収納して、乾燥工程へと搬送する。なお、この乾燥工程においては、下端部が本体の上部に接続された第2のワイヤを用いて、吊持手段により脱水袋を吊り上げる。これにより、脱水袋内の粉体は、本体の底部および排出部に集まる。
【0014】
この状態で、脱水袋を乾燥機の供給口の上方に位置させ、本体から下方に垂れ下がる排出部の外周側から開閉手段を操作して、当該排出部の下端開口を開く。
これにより、脱水袋内の粉体を乾燥機内に投入することができる。
【0015】
このように、上記脱水袋によれば、被曝のおそれがある被脱水粉体を上排出型遠心分離機において脱水して後工程に送る場合にも、当該被曝の危険性を大幅に低減することができる。
【0016】
なお、上排出型遠心分離機において脱水処理した後に、脱水袋の外周における粉体の固着が強固なものではない場合や、上排出型遠心分離機の回転内筒の形状によって、そのまま脱水袋を上方に抜き出すことかできる場合には、上述した手順によって、上排出型遠心分離機からの脱水袋の取り出しや、内部の粉体の乾燥機への投入を行うことが可能であるが、上記粉体の固着が強固な場合には、脱水後に上排出型遠心分離機内において小型のスコップ等を用いて固着した上記粉体を突き崩しておく必要がある。
【0017】
このような場合には、請求項2に記載の発明のように、上部蓋体として、下部外周が本体の供給口の外周縁に着脱自在に形成された接続部と、この接続部の内周から一体的に上方に向けて筒状に延在するとともに、上端部に開口部が形成された可撓性を有する筒状の操作筒部と、この操作筒部の外周に設けられて当該操作筒部を縮径可能な封止手段とを備えたものを用いることが好ましい。
【0018】
上記上部蓋体によれば、接続部を本体の供給口の外周縁に取り付け、作業者が筒状の操作筒部の上端開口から内部に小型のスコップ等の操作具を把持した腕を挿入して、さらに操作筒部における上記腕の外周を封止手段によって締め付けておくことにより、上記操作具を操作して脱水袋の内部に固着した粉体を突き崩すことができる。この際に、封止手段によって、操作筒部の外周を腕に密着するように締め付けておくことができるために、内部の粉体が外部に飛散することも防止することができる。
【0019】
さらに、請求項3に記載の発明のように、上記操作筒部の内壁面に、上記操作具が収納可能なポケットを形成しておけば、上記作業が終了した後に、使用した操作具を上記ポケットに収納しておくことにより、当該操作具に付着した上記粉体によって外部が汚染されるおそれもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1〜図5は、本発明に係る上排出型遠心分離機用の脱水袋の一実施形態を示すものであり、図6〜図11は、その使用方法を示すものである。
これらの図において、符号1がこの脱水袋の本体である。この本体は、ポリプロピレン等の所定の通水性を有する繊維製のろ布によって形成された外観略有底円筒状のもので、上端部に被脱水粉体の供給口1aが形成されるとともに、底面に開口部1bが形成されている。また、供給口1aの周縁部は、平坦な円環板状に形成されており、その上面にポリエステル製の面ファスナのメス側8aが取り付けられている。
【0021】
そして、この本体1の底面の開口部1bの周縁部に、外簡略円筒状の排出部2が接続されている。この排出部2は、本体1と同じポリプロピレン等の繊維であって、かつ本体1よりも可撓性に優れた素材によって形成されたもので、一端部の外周が本体1の開口部1bの周縁部に縫いつけられることにより一体的に接続されている。ここで、排出部2は、本体1との接続端部から他端部に向けて内径が漸次小さくなるテーパー部2aと、このテーパー部2aから他端部に至る内径が一定の円筒部2bとによって形成されている。
【0022】
これにより、排出部2は、本体1の外方から内方へ、また内方から外方へと屈曲可能に形成されている。また、図1に示す、排出部2が本体1の外方にある状態において、円筒部2bの外周となる面には、ポリプロピレン等の繊維からなる紐(開閉手段)3が取り付けられている。そして、この排出部2は、紐3を円筒部2bの外周に巻回して締め付けることにより閉塞可能になっている。
【0023】
さらに、この脱水袋においては、これを吊り上げ治具等の吊持手段(図示を略す。)によって吊り上げるための第1および第2のワイヤ4、5が設けられている。
先ず、第1のワイヤ4は、本体1と同一の素材によって形成されたもので、図1に示すように、下端部4aが本体1の底部外周に縫いつけられることにより固定されるとともに、本体1の底部および外周を経て上端部が供給口1aの近傍に配置されている。
【0024】
そして、第1のワイヤ4は、上端部分が本体1の外周に設けられた振れ止めリング6に挿通されることにより、本体1の周方向および内外方向へのズレが防止された状態で位置保持されている。さらに、第1のワイヤ4は、図4に示すように、本体1の円周方向に等間隔をおいた複数箇所(図では1/4周をおいた4箇所)に取り付けられており、各々の上端部には、吊持手段のフックを掛けるためのリング4bが形成されている。
【0025】
他方、第2のワイヤ5は、本体1と同一の素材によって形成されたもので、図3に示すように、下端部5aが本体1の上部外周に縫いつけられることにより固定されるとともに上端部には、吊持手段のフックを掛けるためのリング5bが形成されている。そして、第2のワイヤ5は、図4に示すように、第1のワイヤ4間の中間に位置するように、本体1の円周方向に等間隔をおいた複数箇所(図では4箇所)に設けられている。
【0026】
また、この脱水袋においては、本体1の供給口1aに取り付けられる上部蓋体7が備えられている。
この上部蓋体7は、本体1の供給口1aの周縁部と対向する円環板状の接続部7aと、この接続部7aの内周に下端部が縫いつけられて一体的に上方に向けて筒状に延在するとともに、上端部に開口部7bが形成された外観略円筒状の操作筒部7cとから概略構成されたものである。
【0027】
ここで、接続部7aは、本体1と同一の素材によって形成されており、その下面には本体1側に取り付けた面ファスナのメス側8aと係合するポリエステル製の面ファスナのオス側8bが取り付けられている。
また、操作筒部7cは、これよりも可撓性に優れる排出部2bと同一の素材によって形成されている。
【0028】
さらに、操作筒部7cは、その下部が接続部7aから上方に向けて漸次縮径するテーパー状に形成されるとともに、当該テーパー部の上方は、人の腕が緩く挿入可能な円筒状に形成されている。そして、テーパー部と円筒部との境目の外周に、ポリプロピレン等の繊維からなる紐9が取り付けられており、操作筒部7cは、紐9を外周に巻回して締め付けることにより閉塞可能になっている。
【0029】
加えて、この操作筒部7cにおける円筒部の上部外周には、当該操作筒部7cと同一素材からなる帯状のバンド(封止手段)10の一端部が固定されている。このバンド10の片面には、ポリエステル製の面ファスナのオス側11bが取り付けられており、他方操作筒部7cの外周面には、上記面ファスナのメス側11aが取り付けられている。また、操作筒部7cにおけるテーパー部の内面には、図5に示すように、2重構造となって蓋12aにより開閉自在のポケット12が縫いつけられている。
【0030】
次に、図1〜図11に基づいて、上記構成からなる脱水袋の使用方法について説明する。なお、図6〜図10において、二点鎖線で示す部分は、上排出型遠心分離機の回転内筒20および駆動系に連結されたコーン部21である。
先ず、図2に示すように、排出部2の外周に設けた紐3を外周に巻回して締め付けることにより、当該排出部を閉塞させた後、この排出部2を本体1内に屈曲させておく。
【0031】
次いで、この脱水袋を、上排出型遠心分離機の上部に形成された開口から回転内筒20の内壁によってセットし、上蓋によって上記開口を閉じた後に、回転内筒20を回転させて脱水袋を回転させつつ、その内部にスラリー状の被脱水粉体を供給して脱水を行う。そして、脱水工程が終了した後に、上排出型遠心分離機の上蓋を開けると、図6に示すように、脱水処理された粉体Pは、脱水袋の外周に沿って硬い層状をなして固着した状態になっている。このため、回転内筒20の上端鍔部20aが妨げとなって、脱水袋を上排出型遠心分離機から抜き出すことができない。
【0032】
そこで、先ず図7に示すように、脱水袋の供給口1aを、上部蓋体7によって塞ぐ。これは、本体1の上面の面ファスナのメス側8aに、上部蓋体7の接続部7aの下面に取り付けた面ファスナのオス側8bを係合させることにより、簡単に行うことができる。
【0033】
次いで、図8に示すように、作業者が操作筒部7の上端開口部7bから内部に小型のスコップ等の操作具Tを手袋をして把持した腕Aを挿入し、さらにバンド10によって操作筒部7における腕Aの外周を締め付けておく。そして、操作具Tを操作して脱水袋の外周部に固着した粉体Pを突き崩す。この際に、バンド10によって、操作筒部7の外周を腕Aに密着するように締め付けておくことができるために、内部の粉体Pが外部に飛散することを防止することができる。
【0034】
このようにして、固着していた粉体Pを崩した後に、図9に示すように、使用していた操作具Tおよび手袋を上部蓋体7の内壁に設けたポケット12内に収納し、腕を操作筒部7から引き抜いた後に、紐9およびバンド10を外周に巻回して締め付けることにより、当該操作筒部7を閉塞させる。
【0035】
この状態から、図10に示すように、4本の第1のワイヤ4のリング4bに吊持手段のフックHを通して脱水袋を吊り上げることにより、上排出型遠心分離機の回転内筒20から取り出す。すると、4本の第1のワイヤ4の下端部4aは、それぞれ脱水袋の底部に接続されているために、脱水袋は、第1のワイヤ4によって絞られた状態で、下部からその荷重が支持される。
【0036】
そして、上排出型遠心分離機から採りだした脱水袋を、上記吊持手段によって一旦容器に収納して、乾燥工程へと搬送する。
次いで、乾燥工程においては、図11に示すように、下端部5aが本体1の上端部に接続された第2のワイヤ5のリング5bを仮紐でさらにリング状にして、このリングを吊持手段のフックHに通して脱水袋を吊り上げる。これにより、脱水袋の本体1は縦長になり、内部の粉体Pが底部および排出部2に集まる。
【0037】
この状態で、脱水袋を乾燥機Dの供給口D1の上方に位置させ、本体1から下方に垂れ下がる排出部2の外周側から紐3を解して排出部2の下端開口を開く。これにより、脱水袋内の粉体Pを乾燥機D内に投入することができる。
【0038】
このように、上記脱水袋によれば、被曝のおそれがある被脱水粉体Pを上排出型遠心分離機において脱水して後工程に送る場合にも、当該被曝の危険性を大幅に低減することができる。しかも、上部蓋体7の操作筒部7cの内壁面に、操作具Tが収納可能なポケット12を設けているために、使用した操作具Tをポケット12に収納しておくことにより、当該操作具Tに付着した粉体Pによって外部が汚染されるおそれもない。
【0039】
なお、上記実施の形態においては、脱水後に上排出型遠心分離機内において操作具Tを用いて、固着した粉体Pを突き崩しておく必要がある場合を想定し、接続部7aおよび操作筒部7cを備えた構成の上部蓋体7を用いた場合についてのみ説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上排出型遠心分離機において脱水処理した後に、脱水袋の外周における粉体の固着が強固なものではない場合等には、そのまま上排出型遠心分離機からの脱水袋の取り出しや、内部の粉体の乾燥機への投入を行うことが可能であるために、上部蓋体7に代えて、外周下面に面ファスナのオス側8bを取り付けた平板状の蓋体を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る脱水袋の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1の排出部を閉塞させて本体の内部に屈曲させた状態を示す縦断面図である。
【図3】図1の本体における第2のワイヤの取付部分を拡大して示す縦断面図である。
【図4】図1の本体における第1および第2のワイヤの配置を示す平面図である。
【図5】図1のA−A矢視したポケットの正面図である。
【図6】脱水工程が終了した後に上排出型遠心分離機の上蓋を開けた状態を示す縦断面図である。
【図7】本体の供給口を上部蓋体によって塞いだ状態を示す縦断面図である。
【図8】上部蓋体を利用して本体内の粉体を突き崩す状態を示す縦断面図である。
【図9】図8の作業が完了した後に、上部蓋体を閉塞させた状態を示す縦断面図である。
【図10】第1のワイヤによって脱水袋を吊り上げた状態を示す縦断面図である。
【図11】第2のワイヤによって脱水袋を吊り上げて粉体を乾燥機に投入する状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 本体
1a 供給口
1b 開口部
2 排出部
3、9 紐(開閉手段)
4 第1のワイヤ
5 第2のワイヤ
4a、5a 下端部
4b、5b リング
7 上部蓋体
7a 接続部
7b 開口部
7c 操作筒部
10 バンド(封止手段)
12 ポケット
【技術分野】
【0001】
本発明は、上排出型遠心分離機に供給されて内部に収納した治験薬等の被脱水粉体を脱水するために用いられる脱水袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療品製造分野における新薬の開発初期段階においては、試験的に合成した治験薬によって、各種の効能等の実証実験が行われている。
そして、このような治験薬を製造する際には、スラリー状の被脱水粉体を脱水した後に乾燥処理して上記治験薬を得る工程があり、一般に上記脱水工程においては、上部に形成された開口から供給・排出が行われる上排出型遠心分離機が用いられ、上記乾燥工程においては、コニカル乾燥機が用いられている。
【0003】
ところで、上記脱水工程においては、脱水袋を上排出型遠心分離機の上部開口から内部に配置し、蓋体によって上記開口を閉じて脱水袋内に上記湿体を供給後、脱水を行うと、遠心力によって脱水された粉体が脱水袋の外周に硬い層状をなして固着する。そして、上記上排出型遠心分離機は、回転中心の底部に、駆動機構に連結される台形筒状のコーン部が形成されているために、上記傾向が一層顕著になる。
【0004】
このため、上記蓋体を外して脱水袋内の湿体を乾燥工程に送る際に、作業員が上記脱水袋内に固着した粉体を小型のスコップ等を用いて突き崩しながら掻き出して、別の容器に移していた。また、上記乾燥工程においては、人手によって上記容器内の粉体をコニカル乾燥機内に投入していた。
【0005】
この結果、上記上排出型遠心分離機からの粉体の掻き出しや、コニカル乾燥機内への上記粉体の投入時に、作業者が上記粉体に含まれる高薬理活性物質によって被曝する危険性があり、その対策が要請されていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、被曝のおそれがある被脱水粉体を上排出型遠心分離機において脱水して後工程に送る際に、当該被曝の危険性を大幅に低減することが可能になる脱水袋を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、上部に形成された開口から供給・排出が行われる上排出型遠心分離機に用いられる脱水袋であって、上端部に被脱水粉体の供給口が形成されるとともに、底面に開口部が形成されたろ布からなる有底筒状の本体と、この本体の上記開口部の周縁部に一端部が一体的に接続されるとともに、上記本体の内方または外方に屈曲可能な可撓性を有する筒状の排出部と、この排出部の外周に設けられて当該排出部が上記本体の外方にある際に上記排出部を開閉可能な開閉手段と、上記本体の上記供給口に着脱自在に設けられて当該供給口を塞ぐ上部蓋体と、上記本体の周方向に間隔をおいて設けられ、下端部が上記本体の外周下部に接続されるとともに上端部が吊持手段に係合することにより上記本体を吊持可能とする複数本の第1のワイヤと、上記本体の周方向に間隔をおいて設けられ、下端部が上記本体の上部に接続されるとともに上端部が吊持手段に係合することにより上記本体を吊持可能とする複数本の第2のワイヤとを備えてなることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記上部蓋体が、下部外周が上記供給口の外周縁に着脱自在に形成された接続部と、この接続部の内周から一体的に上方に向けて筒状に延在するとともに、上端部に開口部が形成された可撓性を有する筒状の操作筒部と、この操作筒部の外周に設けられて当該操作筒部を縮径可能な封止手段とを備えてなることを特徴とするものである。
【0009】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、上記操作筒部の内壁面には、操作具を収納可能なポケットが形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1〜3のいずれかに記載の脱水袋は、上端部に被脱水粉体の供給口が形成されたろ布からなる有底筒状の本体と、この本体の底面に形成された開口部に一体的に接続されるとともに、下端部が開口する筒状の排出部とによって構成されている。
このため、先ず排出部の外周に設けられた開閉手段によって当該排出部を閉じて、上記排出部を本体内に屈曲させることにより、内部に被脱水粉体が収納可能になる。
【0011】
次いで、上記脱水袋を、上排出型遠心分離機の上部に形成された開口から内部にセットする。この際に、第1のワイヤの上端部を上記開口に臨ませておく。この脱水袋のセットが完了した後に、上蓋によって上記開口を閉じ、脱水袋を回転させつつ、その内部にスラリー状の被脱水粉体を供給して脱水を行う。そして、脱水工程が終了した後に、上排出型遠心分離機の上蓋を開けるとともに、脱水袋の供給口を上部蓋体によって塞ぐ。
【0012】
次いで、第1のワイヤの上端部を吊持手段に係合させて、脱水袋を吊り上げることにより、上記上排出型遠心分離機から取り出す。すると、複数本の上記第1のワイヤの下端部は、脱水袋の外周下部に接続されているために、当該脱水袋は、第1のワイヤによって絞られた状態で、下部からその荷重が支持される。
【0013】
そして、上記上排出型遠心分離機から採りだした脱水袋を、上記吊持手段によって直接、または一旦容器に収納して、乾燥工程へと搬送する。なお、この乾燥工程においては、下端部が本体の上部に接続された第2のワイヤを用いて、吊持手段により脱水袋を吊り上げる。これにより、脱水袋内の粉体は、本体の底部および排出部に集まる。
【0014】
この状態で、脱水袋を乾燥機の供給口の上方に位置させ、本体から下方に垂れ下がる排出部の外周側から開閉手段を操作して、当該排出部の下端開口を開く。
これにより、脱水袋内の粉体を乾燥機内に投入することができる。
【0015】
このように、上記脱水袋によれば、被曝のおそれがある被脱水粉体を上排出型遠心分離機において脱水して後工程に送る場合にも、当該被曝の危険性を大幅に低減することができる。
【0016】
なお、上排出型遠心分離機において脱水処理した後に、脱水袋の外周における粉体の固着が強固なものではない場合や、上排出型遠心分離機の回転内筒の形状によって、そのまま脱水袋を上方に抜き出すことかできる場合には、上述した手順によって、上排出型遠心分離機からの脱水袋の取り出しや、内部の粉体の乾燥機への投入を行うことが可能であるが、上記粉体の固着が強固な場合には、脱水後に上排出型遠心分離機内において小型のスコップ等を用いて固着した上記粉体を突き崩しておく必要がある。
【0017】
このような場合には、請求項2に記載の発明のように、上部蓋体として、下部外周が本体の供給口の外周縁に着脱自在に形成された接続部と、この接続部の内周から一体的に上方に向けて筒状に延在するとともに、上端部に開口部が形成された可撓性を有する筒状の操作筒部と、この操作筒部の外周に設けられて当該操作筒部を縮径可能な封止手段とを備えたものを用いることが好ましい。
【0018】
上記上部蓋体によれば、接続部を本体の供給口の外周縁に取り付け、作業者が筒状の操作筒部の上端開口から内部に小型のスコップ等の操作具を把持した腕を挿入して、さらに操作筒部における上記腕の外周を封止手段によって締め付けておくことにより、上記操作具を操作して脱水袋の内部に固着した粉体を突き崩すことができる。この際に、封止手段によって、操作筒部の外周を腕に密着するように締め付けておくことができるために、内部の粉体が外部に飛散することも防止することができる。
【0019】
さらに、請求項3に記載の発明のように、上記操作筒部の内壁面に、上記操作具が収納可能なポケットを形成しておけば、上記作業が終了した後に、使用した操作具を上記ポケットに収納しておくことにより、当該操作具に付着した上記粉体によって外部が汚染されるおそれもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1〜図5は、本発明に係る上排出型遠心分離機用の脱水袋の一実施形態を示すものであり、図6〜図11は、その使用方法を示すものである。
これらの図において、符号1がこの脱水袋の本体である。この本体は、ポリプロピレン等の所定の通水性を有する繊維製のろ布によって形成された外観略有底円筒状のもので、上端部に被脱水粉体の供給口1aが形成されるとともに、底面に開口部1bが形成されている。また、供給口1aの周縁部は、平坦な円環板状に形成されており、その上面にポリエステル製の面ファスナのメス側8aが取り付けられている。
【0021】
そして、この本体1の底面の開口部1bの周縁部に、外簡略円筒状の排出部2が接続されている。この排出部2は、本体1と同じポリプロピレン等の繊維であって、かつ本体1よりも可撓性に優れた素材によって形成されたもので、一端部の外周が本体1の開口部1bの周縁部に縫いつけられることにより一体的に接続されている。ここで、排出部2は、本体1との接続端部から他端部に向けて内径が漸次小さくなるテーパー部2aと、このテーパー部2aから他端部に至る内径が一定の円筒部2bとによって形成されている。
【0022】
これにより、排出部2は、本体1の外方から内方へ、また内方から外方へと屈曲可能に形成されている。また、図1に示す、排出部2が本体1の外方にある状態において、円筒部2bの外周となる面には、ポリプロピレン等の繊維からなる紐(開閉手段)3が取り付けられている。そして、この排出部2は、紐3を円筒部2bの外周に巻回して締め付けることにより閉塞可能になっている。
【0023】
さらに、この脱水袋においては、これを吊り上げ治具等の吊持手段(図示を略す。)によって吊り上げるための第1および第2のワイヤ4、5が設けられている。
先ず、第1のワイヤ4は、本体1と同一の素材によって形成されたもので、図1に示すように、下端部4aが本体1の底部外周に縫いつけられることにより固定されるとともに、本体1の底部および外周を経て上端部が供給口1aの近傍に配置されている。
【0024】
そして、第1のワイヤ4は、上端部分が本体1の外周に設けられた振れ止めリング6に挿通されることにより、本体1の周方向および内外方向へのズレが防止された状態で位置保持されている。さらに、第1のワイヤ4は、図4に示すように、本体1の円周方向に等間隔をおいた複数箇所(図では1/4周をおいた4箇所)に取り付けられており、各々の上端部には、吊持手段のフックを掛けるためのリング4bが形成されている。
【0025】
他方、第2のワイヤ5は、本体1と同一の素材によって形成されたもので、図3に示すように、下端部5aが本体1の上部外周に縫いつけられることにより固定されるとともに上端部には、吊持手段のフックを掛けるためのリング5bが形成されている。そして、第2のワイヤ5は、図4に示すように、第1のワイヤ4間の中間に位置するように、本体1の円周方向に等間隔をおいた複数箇所(図では4箇所)に設けられている。
【0026】
また、この脱水袋においては、本体1の供給口1aに取り付けられる上部蓋体7が備えられている。
この上部蓋体7は、本体1の供給口1aの周縁部と対向する円環板状の接続部7aと、この接続部7aの内周に下端部が縫いつけられて一体的に上方に向けて筒状に延在するとともに、上端部に開口部7bが形成された外観略円筒状の操作筒部7cとから概略構成されたものである。
【0027】
ここで、接続部7aは、本体1と同一の素材によって形成されており、その下面には本体1側に取り付けた面ファスナのメス側8aと係合するポリエステル製の面ファスナのオス側8bが取り付けられている。
また、操作筒部7cは、これよりも可撓性に優れる排出部2bと同一の素材によって形成されている。
【0028】
さらに、操作筒部7cは、その下部が接続部7aから上方に向けて漸次縮径するテーパー状に形成されるとともに、当該テーパー部の上方は、人の腕が緩く挿入可能な円筒状に形成されている。そして、テーパー部と円筒部との境目の外周に、ポリプロピレン等の繊維からなる紐9が取り付けられており、操作筒部7cは、紐9を外周に巻回して締め付けることにより閉塞可能になっている。
【0029】
加えて、この操作筒部7cにおける円筒部の上部外周には、当該操作筒部7cと同一素材からなる帯状のバンド(封止手段)10の一端部が固定されている。このバンド10の片面には、ポリエステル製の面ファスナのオス側11bが取り付けられており、他方操作筒部7cの外周面には、上記面ファスナのメス側11aが取り付けられている。また、操作筒部7cにおけるテーパー部の内面には、図5に示すように、2重構造となって蓋12aにより開閉自在のポケット12が縫いつけられている。
【0030】
次に、図1〜図11に基づいて、上記構成からなる脱水袋の使用方法について説明する。なお、図6〜図10において、二点鎖線で示す部分は、上排出型遠心分離機の回転内筒20および駆動系に連結されたコーン部21である。
先ず、図2に示すように、排出部2の外周に設けた紐3を外周に巻回して締め付けることにより、当該排出部を閉塞させた後、この排出部2を本体1内に屈曲させておく。
【0031】
次いで、この脱水袋を、上排出型遠心分離機の上部に形成された開口から回転内筒20の内壁によってセットし、上蓋によって上記開口を閉じた後に、回転内筒20を回転させて脱水袋を回転させつつ、その内部にスラリー状の被脱水粉体を供給して脱水を行う。そして、脱水工程が終了した後に、上排出型遠心分離機の上蓋を開けると、図6に示すように、脱水処理された粉体Pは、脱水袋の外周に沿って硬い層状をなして固着した状態になっている。このため、回転内筒20の上端鍔部20aが妨げとなって、脱水袋を上排出型遠心分離機から抜き出すことができない。
【0032】
そこで、先ず図7に示すように、脱水袋の供給口1aを、上部蓋体7によって塞ぐ。これは、本体1の上面の面ファスナのメス側8aに、上部蓋体7の接続部7aの下面に取り付けた面ファスナのオス側8bを係合させることにより、簡単に行うことができる。
【0033】
次いで、図8に示すように、作業者が操作筒部7の上端開口部7bから内部に小型のスコップ等の操作具Tを手袋をして把持した腕Aを挿入し、さらにバンド10によって操作筒部7における腕Aの外周を締め付けておく。そして、操作具Tを操作して脱水袋の外周部に固着した粉体Pを突き崩す。この際に、バンド10によって、操作筒部7の外周を腕Aに密着するように締め付けておくことができるために、内部の粉体Pが外部に飛散することを防止することができる。
【0034】
このようにして、固着していた粉体Pを崩した後に、図9に示すように、使用していた操作具Tおよび手袋を上部蓋体7の内壁に設けたポケット12内に収納し、腕を操作筒部7から引き抜いた後に、紐9およびバンド10を外周に巻回して締め付けることにより、当該操作筒部7を閉塞させる。
【0035】
この状態から、図10に示すように、4本の第1のワイヤ4のリング4bに吊持手段のフックHを通して脱水袋を吊り上げることにより、上排出型遠心分離機の回転内筒20から取り出す。すると、4本の第1のワイヤ4の下端部4aは、それぞれ脱水袋の底部に接続されているために、脱水袋は、第1のワイヤ4によって絞られた状態で、下部からその荷重が支持される。
【0036】
そして、上排出型遠心分離機から採りだした脱水袋を、上記吊持手段によって一旦容器に収納して、乾燥工程へと搬送する。
次いで、乾燥工程においては、図11に示すように、下端部5aが本体1の上端部に接続された第2のワイヤ5のリング5bを仮紐でさらにリング状にして、このリングを吊持手段のフックHに通して脱水袋を吊り上げる。これにより、脱水袋の本体1は縦長になり、内部の粉体Pが底部および排出部2に集まる。
【0037】
この状態で、脱水袋を乾燥機Dの供給口D1の上方に位置させ、本体1から下方に垂れ下がる排出部2の外周側から紐3を解して排出部2の下端開口を開く。これにより、脱水袋内の粉体Pを乾燥機D内に投入することができる。
【0038】
このように、上記脱水袋によれば、被曝のおそれがある被脱水粉体Pを上排出型遠心分離機において脱水して後工程に送る場合にも、当該被曝の危険性を大幅に低減することができる。しかも、上部蓋体7の操作筒部7cの内壁面に、操作具Tが収納可能なポケット12を設けているために、使用した操作具Tをポケット12に収納しておくことにより、当該操作具Tに付着した粉体Pによって外部が汚染されるおそれもない。
【0039】
なお、上記実施の形態においては、脱水後に上排出型遠心分離機内において操作具Tを用いて、固着した粉体Pを突き崩しておく必要がある場合を想定し、接続部7aおよび操作筒部7cを備えた構成の上部蓋体7を用いた場合についてのみ説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上排出型遠心分離機において脱水処理した後に、脱水袋の外周における粉体の固着が強固なものではない場合等には、そのまま上排出型遠心分離機からの脱水袋の取り出しや、内部の粉体の乾燥機への投入を行うことが可能であるために、上部蓋体7に代えて、外周下面に面ファスナのオス側8bを取り付けた平板状の蓋体を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る脱水袋の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1の排出部を閉塞させて本体の内部に屈曲させた状態を示す縦断面図である。
【図3】図1の本体における第2のワイヤの取付部分を拡大して示す縦断面図である。
【図4】図1の本体における第1および第2のワイヤの配置を示す平面図である。
【図5】図1のA−A矢視したポケットの正面図である。
【図6】脱水工程が終了した後に上排出型遠心分離機の上蓋を開けた状態を示す縦断面図である。
【図7】本体の供給口を上部蓋体によって塞いだ状態を示す縦断面図である。
【図8】上部蓋体を利用して本体内の粉体を突き崩す状態を示す縦断面図である。
【図9】図8の作業が完了した後に、上部蓋体を閉塞させた状態を示す縦断面図である。
【図10】第1のワイヤによって脱水袋を吊り上げた状態を示す縦断面図である。
【図11】第2のワイヤによって脱水袋を吊り上げて粉体を乾燥機に投入する状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 本体
1a 供給口
1b 開口部
2 排出部
3、9 紐(開閉手段)
4 第1のワイヤ
5 第2のワイヤ
4a、5a 下端部
4b、5b リング
7 上部蓋体
7a 接続部
7b 開口部
7c 操作筒部
10 バンド(封止手段)
12 ポケット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に形成された開口から供給・排出が行われる上排出型遠心分離機に用いられる脱水袋であって、
上端部に被脱水粉体の供給口が形成されるとともに、底面に開口部が形成されたろ布からなる有底筒状の本体と、
この本体の上記開口部の周縁部に一端部が一体的に接続されるとともに、上記本体の内方または外方に屈曲可能な可撓性を有する筒状の排出部と、
この排出部の外周に設けられて当該排出部が上記本体の外方にある際に上記排出部を開閉可能な開閉手段と、
上記本体の上記供給口に着脱自在に設けられて当該供給口を塞ぐ上部蓋体と、
上記本体の周方向に間隔をおいて設けられ、下端部が上記本体の外周下部に接続されるとともに上端部が吊持手段に係合することにより上記本体を吊持可能とする複数本の第1のワイヤと、
上記本体の周方向に間隔をおいて設けられ、下端部が上記本体の上部に接続されるとともに上端部が吊持手段に係合することにより上記本体を吊持可能とする複数本の第2のワイヤとを備えてなることを特徴とする脱水袋。
【請求項2】
上記上部蓋体は、下部外周が上記供給口の外周縁に着脱自在に形成された接続部と、この接続部の内周から一体的に上方に向けて筒状に延在するとともに、上端部に開口部が形成された可撓性を有する筒状の操作筒部と、この操作筒部の外周に設けられて当該操作筒部を縮径可能な封止手段とを備えてなることを特徴とする請求項1に記載の脱水袋。
【請求項3】
上記操作筒部の内壁面には、操作具を収納可能なポケットが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の脱水袋。
【請求項1】
上部に形成された開口から供給・排出が行われる上排出型遠心分離機に用いられる脱水袋であって、
上端部に被脱水粉体の供給口が形成されるとともに、底面に開口部が形成されたろ布からなる有底筒状の本体と、
この本体の上記開口部の周縁部に一端部が一体的に接続されるとともに、上記本体の内方または外方に屈曲可能な可撓性を有する筒状の排出部と、
この排出部の外周に設けられて当該排出部が上記本体の外方にある際に上記排出部を開閉可能な開閉手段と、
上記本体の上記供給口に着脱自在に設けられて当該供給口を塞ぐ上部蓋体と、
上記本体の周方向に間隔をおいて設けられ、下端部が上記本体の外周下部に接続されるとともに上端部が吊持手段に係合することにより上記本体を吊持可能とする複数本の第1のワイヤと、
上記本体の周方向に間隔をおいて設けられ、下端部が上記本体の上部に接続されるとともに上端部が吊持手段に係合することにより上記本体を吊持可能とする複数本の第2のワイヤとを備えてなることを特徴とする脱水袋。
【請求項2】
上記上部蓋体は、下部外周が上記供給口の外周縁に着脱自在に形成された接続部と、この接続部の内周から一体的に上方に向けて筒状に延在するとともに、上端部に開口部が形成された可撓性を有する筒状の操作筒部と、この操作筒部の外周に設けられて当該操作筒部を縮径可能な封止手段とを備えてなることを特徴とする請求項1に記載の脱水袋。
【請求項3】
上記操作筒部の内壁面には、操作具を収納可能なポケットが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の脱水袋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−12377(P2010−12377A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−172386(P2008−172386)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【出願人】(000003285)千代田化工建設株式会社 (162)
【出願人】(000001926)塩野義製薬株式会社 (229)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【出願人】(000003285)千代田化工建設株式会社 (162)
【出願人】(000001926)塩野義製薬株式会社 (229)
【Fターム(参考)】
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