説明

脱穀装置

【課題】脱穀性能を向上させることができる脱穀装置を提供する。
【解決手段】脱穀前の穀稈を扱室57内に導入するための穀稈導入口60を扱室カバー56との間に形成するように当該扱室カバー56よりも下方に配置されて、脱穀前の穀稈の穂先部を扱室57外から穀稈導入口60を介して扱室57内まで案内可能な案内部材52を備える。扱胴18の側方に設けられて、穀稈の穂先部が案内部材52によって案内されて穀稈導入口60を介して扱室57内に導入されるように、穀稈の株元部を挟持しながら扱胴18の回転軸方向に沿って搬送可能な稈搬送機構17を備える。扱胴18の複数の扱歯62のそれぞれを、前記回転軸方向に平行な平面に沿って扁平に形成する。案内部材52を、その穀稈導入口側の端部52bが複数の扱歯62のうち穀稈導入口60から最も近くにある第一扱歯62Aの先端部よりも扱胴18の径方向外側に位置するように設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1では、脱穀装置が開示されている。この脱穀装置においては、扱胴が扱室内に設けられ、挟扼搬送機構が扱胴の側方に設けられている。扱胴の外周には、V型溝を有する脱穀板が設けられている。そして、脱穀の際に、挟扼搬送機構が穀稈を穀稈入り口から扱室内に導入した後、扱胴の軸線方向に沿って搬送し、この搬送中に扱胴がその回転によってV型溝に嵌り込んだ穀稈を穂先に向かって扱くようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−112618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のような脱穀装置においては、挟扼搬送機構は、穀稈の株元部だけを挟持した状態で、穀稈全体を穀稈入り口から扱室内に導入する。そのため、扱室に導入される際、挟扼搬送機構によって搬送されている一部又は全部の穀稈の姿勢が乱れ、これにより穀稈の穂先部が扱胴に対して均一に供給されにくくなって、脱穀性能が低下する可能性があった。
【0005】
そこで本発明は、脱穀性能を向上させることができる脱穀装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、脱穀装置は、扱胴と、扱室カバーと、案内部材と、穀稈搬送機構とを備える。扱胴は、扱室内に設けられて、回転軸回りに回転することによって穀稈を脱穀できるように構成される。扱室カバーは、扱胴を上方から覆う。案内部材は、脱穀前の穀稈を扱室内に導入するための穀稈導入口を扱室カバーとの間に形成するように当該扱室カバーよりも下方に配置されて、脱穀前の穀稈の穂先部を扱室外から穀稈導入口を介して扱室内まで案内できるように構成される。穀稈搬送機構は、扱胴の側方に設けられて、穀稈の穂先部が案内部材によって案内されて穀稈導入口を介して扱室内に導入されるように、穀稈の株元部を挟持しながら前記回転軸の軸方向に沿って搬送できるように構成される。扱胴は、複数の扱歯を備える。複数の扱歯は、扱胴の外周面に前記回転軸方向に並べられて、この外周面から当該扱胴の径方向外側に向かって突出する。複数の扱歯のそれぞれは、前記回転軸方向に平行な平面に沿って扁平に形成され、前記回転軸方向で見たとき、当該扱歯の先端部が基端部よりも扱胴の回転方向下流側に位置するように設けられる。案内部材は、当該案内部材の穀稈導入口側の端部が複数の扱歯のうち穀稈導入口から最も近くにある第一扱歯の先端部よりも扱胴の径方向外側に位置するように設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、穀稈の穂先部は、案内部材によって穀稈導入口に向かって案内され、この穀稈導入口を介して扱室に導入された後、扱胴の外周面に径方向外側から供給されることになる。この際、穀稈の姿勢が案内部材によって安定した状態に保持され、穀稈の穂先部はその層が均一化された状態で扱歯に近づくように扱胴に対して供給される。したがって、穀稈を効率的に脱穀することが可能となり、脱穀装置の脱穀性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る脱穀装置を搭載したコンバインの構成を示す側面図。
【図2】本発明の実施形態に係る脱穀装置の構成を示す側面断面図。
【図3】扱胴の前端部付近の構成を示す正面断面図。
【図4】扱胴の扱歯の構成を示す斜視図。
【図5】穀稈供給構造を示す側面図。
【図6】穀稈供給構造を示す一部断面正面図。
【図7】穀稈供給構造を示す平面図。
【図8】扱胴の前端部付近の構成を示す平面図。
【図9】扱胴への動力伝達構造を示す正面図。
【図10】扱胴への動力伝達構造を示す伝動模式図。
【図11】扱胴の後端部付近の構成を示す正面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。図面において、同一の引用符号は、対応する又は同一の要素を示す。
【0010】
本発明の実施形態に係る脱穀装置5はコンバイン1に搭載されている。まず、コンバイン1の全体的な構成について説明する。
【0011】
図1及び図2に示すように、コンバイン1は、機体フレーム2を含む走行機体と、走行装置3と、刈取装置4と、脱穀装置5と、選別装置6と、穀粒貯溜装置7と、排藁処理装置8と、操縦部9とを備えている。
【0012】
走行装置3は、走行機体の下方に配置されている。走行装置3は、左右一対のクローラ12を備えている。この左右一対のクローラ12は、機体フレーム2に連結されている。
【0013】
刈取装置4は、走行機体の前方に配置されて、機体フレーム2に昇降可能に連結されている。刈取装置4は、分草具13と、引起装置14と、切断装置15、搬送装置16とを備えている。分草具13は、圃場の穀稈を分草できるように構成されている。引起装置14は、分草された穀稈を引き起こすことができるように構成されている。切断装置15は、引き起こされた穀稈を切断することができるように構成されている。搬送装置16は、切断後の穀稈を脱穀装置5に搬送できるように構成されている。
【0014】
脱穀装置5は、刈取装置4の後方に配置されて、走行機体の左側部分に設けられている。図2、3に示すように、脱穀装置5は、穀稈搬送機構17と、扱胴18と、穂切れ処置装置19とを備えている。穀稈搬送機構17は、刈取装置4から搬送されてきた刈取後の穀稈をその穂先部を扱室57内に導入しながら後方へ搬送できるように構成されている。扱胴18は、搬送中の穀稈を扱室57内で脱穀できるように構成されている。穂切れ処置装置19は、扱室57内で穀粒の付いた枝梗を処理できるように構成されている。
【0015】
選別装置6は、脱穀装置5の下方に配置されて、機体フレーム2の左側部分に設けられている。選別装置6は、図2に示すように、揺動選別装置21と、風選別装置22と、穀粒搬送装置23とを備えている。揺動選別装置21は、扱室57から落下する処理物を揺動選別できるように構成されている。風選別装置22は、扱室57から落下する処理物を風選別できるように構成されている。穀粒搬送装置23は、選別された穀粒を穀粒貯留装置7に搬送できるように構成されている。
【0016】
穀粒貯留装置7は、脱穀装置5及び選別装置6の右側方に配置されて、機体フレーム2の右側部分に設けられている。穀粒貯溜装置7は、穀粒タンク26と、穀粒排出装置27とを備えている。穀粒タンク26は、選別装置6から搬送されてきた選別後の穀粒を貯留できるように構成されている。穀粒排出装置27は、穀粒タンク26内に貯留されている穀粒を外部へ排出できるように構成されている。
【0017】
排藁処理装置8は、脱穀装置5の後方に配置されている。排藁処理装置8は、排藁搬送装置31と、排藁切断装置32とを備えている。排藁搬送装置31は、脱穀装置5から搬送されてきた脱穀済みの穀稈(排藁)を受け継いで搬送し、外部へ排出できるように構成されている。排藁切断装置32は、排藁搬送装置31によって搬送されてきた排藁を外部へ排出する前に切断できるように構成されている。
【0018】
操縦部9は、穀粒貯留装置7の前方に配置されて、機体フレームの右前側部分に設けられている。操縦部9には、運転席36と、ステアリングハンドル37とを含む操作具が設けられている。操縦部9の下方には、動力源となるエンジン41が設けられている。エンジン41は機体フレーム2に支持されている。
【0019】
コンバイン1は、走行機体を走行装置3によって走行させながら、圃場の穀稈を刈取装置4によって刈り取り、刈取後の穀稈を脱穀装置5によって脱穀できるように構成されている。そして、コンバイン1は、脱穀処理により生じた処理物を選別装置6によって選別して、選別後の穀粒を穀粒貯溜装置7によって貯溜又は外部へ排出できるように、また脱穀処理により生じた排藁を排藁処理装置8によって外部へ排出できるように構成されている。
【0020】
次に、本発明の実施形態に係る脱穀装置5について説明する。
【0021】
脱穀装置5は、脱穀前の穀稈を装置の前方(刈取装置4)から当該脱穀装置5の内部に導入して、その内部で穀稈を脱穀し、脱穀済みの穀稈を排藁として装置の後方(排藁処理部)へ排出できるように構成されている。脱穀装置5は、脱穀時に穀稈を扱胴18の上方を通過させる上扱ぎ式とされている。
【0022】
図2から図11に示すように、脱穀装置5は、穀稈搬送機構17と、扱胴18と、穂切れ処理装置19とに加え、ケーシング51と、案内部材52とを備えている。
【0023】
ケーシング51は、扱室カバー56と、前カバー58とを備えている。ケーシング51は、穀稈を脱穀するための空間として扱室57を脱穀装置5の内部に形成している。扱室57には、扱胴18と穂切れ処理胴59を含む穂切れ処理装置19とが配置され、穀稈が脱穀装置5の前方から穀稈導入口60を介して導入可能とされている。扱室カバー56は、扱胴18と穂切れ処理装置19とを上方から覆うように、扱室57の天井部分を構成している。
【0024】
扱胴18は、扱胴本体61と、複数の扱歯62とを備えている。扱胴本体61は、その長手方向を脱穀装置5(コンバイン1)の前後方向とする略八角柱状かつ中空状の筒体である。扱胴本体61(扱胴18)は、その長手方向、即ち脱穀装置5の前後方向に延びる回転軸65を介してケーシング51に回転可能に支持され、駆動力をエンジン41から伝達されることによって回転軸65回りに(図3に示す矢印方向に)回転駆動するように構成されている。
【0025】
複数の扱歯62は、それぞれ先細状の先端部62aを有し、扁平状に形成されている。各扱歯62は、その基端部62bで扱胴本体61の外周面(扱胴18の外周面)に連結されるとともに、先細状の先端部62aがこの外周面から最も離れるように扱胴18の径方向外側に向かって突出されている。
【0026】
複数の扱歯62は、それぞれ扁平な面62cが扱胴18の回転軸65の軸方向(回転軸方向)に平行な平面に沿うように配置され、回転軸方向(前後方向)に所定間隔をあけて一列に並べられている。各扱歯62は、前記回転軸方向で見たとき、当該扱歯62の先端部62aが基端部62bよりも扱胴18の回転方向下流側に位置するように、扱胴18の外周面の法線に対して斜めに設けられている。
【0027】
複数の扱歯62のうち隣り合う扱歯62の間には、V型溝67が扱胴本体61から離れる従って前記回転軸方向の幅(前後幅)が広くなるように形成されている。V型溝67の前後幅は隣り合う扱歯62の先端部62a間において最大であり、脱穀時に穀稈導入口60から導入された穀稈がこの先端部62a間から幅狭の方向へV型溝67に嵌り込むようになっている。
【0028】
複数の扱歯62のうち隣り合う扱歯62の間において、V型溝67よりも扱胴本体61に近い部分には、丸型又は多角形の抜き孔68が形成されている。この抜き孔68は、V型溝67と当該V型溝67の前後幅が最も狭くなっている部分で接続されている。脱穀時にV型溝67に嵌り込んだ穀稈は、V型溝67を通過して抜き孔68に嵌り込むことができるようになっている。
【0029】
扱胴18は、前述のように前記回転軸方向に一列に並べられた複数の扱歯62を一組とした扱歯群を複数備えている。複数組の扱歯群は、扱胴18の周方向に所定間隔ごとに配置されている。本実施形態において、略八角柱状の扱胴本体61の外周面をなす八面それぞれに、一組の扱歯群が設けられている。
【0030】
図3、図5から図7に示すように、穀稈搬送機構17は、株元搬送装置71と、穂先搬送装置75とを備えている。
【0031】
株元搬送装置71は、フィードチェン72と、押圧部材73とを備えている。株元搬送装置71は、扱胴18の左側方に配置されて、扱室57外に設けられている。株元搬送装置71は、脱穀装置5が上扱ぎ式とされていることから、扱胴18の上端よりも低い位置で穀稈の株元部をフィードチェン72と押圧部材73とで挟持することができるように構成されている。
【0032】
フィードチェン72は、無端チェンであり、搬送面を上向きにして、扱胴18に沿って前後方向に延びるように設けられている。フィードチェン72は、駆動力をエンジン41から伝達されることによって回転駆動するように構成されている。押圧部材73は、フィードチェン72に沿ってその上方に配置され、フィードチェン72の上面に対して押圧されるように設けられている。
【0033】
株元搬送装置71は、その前端部(搬送始端部)が扱胴18の前端部よりも前方に位置するように、扱胴18よりも前方に突出されている。株元搬送装置71の前端部は、刈取装置4に設けられた搬送装置16の後端部の一部と前後方向において対向するように、株元搬送装置71の後端部(搬送終端部)よりも下方に配置されている。
【0034】
株元搬送装置71は、フィードチェン72の回転駆動によって、刈取装置4の搬送装置16の後端部に至った脱穀前の穀稈の株元部をフィードチェン72の前端部で受け継ぎ、その後に穀稈の株元部をフィードチェン72と押圧部材73との間に挟持しながら、扱胴18に沿って後ろ斜め上方へ搬送するように構成されている。
【0035】
穂先搬送装置75は、突起付きチェン76と、挟扼杆77とを備えている。穂先搬送装置75は、扱胴18の左側部分の前方に配置されている。突起付きチェン76は、駆動力をエンジン41から伝達されることによって回転駆動するように構成されている。挟扼杆77は、突起付きチェン76よりも株元搬送装置71側(脱穀装置5の外側)に配置され、突起付きチェン76と対向するように、これに沿って前後方向に延設されている。
【0036】
穂先搬送装置75は、株元搬送装置71の前端部よりも上方で、且つ前記回転軸方向で見たときに株元搬送装置71よりも扱胴18側(脱穀装置5の内側)に配置されている。穂先搬送装置75は、その前端部(搬送始端部)が株元搬送装置71の前端部よりも後方に位置し、その後端部(搬送終端部)が脱穀装置5の左右方向において穂先搬送装置75の前端部よりも株元搬送装置71側(脱穀装置5の外側)に位置するように設けられている。
【0037】
穂先搬送装置75の前端部は、刈取装置4に設けられた搬送装置16の後端部の一部と前後方向において対向するように配置されている。穂先搬送装置75の搬送面は、脱穀装置5の外側向きに設定され、穂先搬送装置75の前端部から後端部へ向かって左斜め後方へ延びるように形成されている。この穂先搬送装置75の搬送面は、脱穀装置5の上下方向で見たときには、前端部から後端部に向かうに従って株元搬送装置71に近づくようになっている。
【0038】
穂先搬送装置75は、突起付きチェン76の回転駆動によって、刈取装置4の搬送装置16の後端部に至った脱穀前の穀稈の穂先部を突起付きチェン76と挟扼杆77の前端部で受け継ぎ、その後に穀稈の穂先部を突起付きチェン76と挟扼杆77とで挟扼しながら扱室57に連通する穀稈導入口60に向かって左斜め後方へ搬送するように構成されている。
【0039】
図9に示すように、穂先搬送装置75が扱胴18の前方に配置されているのと同様に、エンジン41からの駆動力を扱胴18の回転軸65に伝達するための扱胴用伝動機構81を収納する駆動ケース82が前カバー58を挟んで扱胴18のすぐ前に配置されている。穂先搬送装置75と駆動ケース82とは、扱胴18の前方において隣り合うように並べられており、脱穀装置5では比較的近い位置に設けられている。そこで、穂先搬送装置75は駆動力を伝動機構81から伝達されるように構成されている。
【0040】
具体的には、図10に示すように、エンジン41の出力軸41aが伝達軸42とベルトテンションクラッチ式の脱穀クラッチ43を介して連結され、この伝達軸42が伝動機構81の入力軸45に連結されている。この伝動機構81の入力軸45が扱胴18の回転軸65と連結される一方、穂先搬送装置75の駆動部78に備えられた駆動軸85に連結されている。こうして、エンジン41からの駆動力が扱胴用伝動機構81から穂先搬送装置75に取り出されるようになっている。
【0041】
図5から図8に示すように、案内部材52は、穀稈搬送機構17によって搬送される穀稈の穂先部を扱室57外から穀稈導入口60を経て扱室57内まで案内するためのものであり、板状体で構成されている。案内部材52は、その大部分が扱室57外に位置するように設けられ、扱胴18の左側部分の前方に配置されている。案内部材52は、穀稈搬送機構17の株元搬送装置71よりも脱穀装置5の内側に設けられて、株元搬送装置71の前端部の右側方に配置されている。
【0042】
案内部材52は、穀稈の穂先部の案内時に当該穂先部に接する案内面52aを備えている。案内部材52は、脱穀装置5の外側(上方)に向かって膨出するように折曲又は湾曲されて、穂先搬送装置75の搬送面に沿って広がるように形成されている。案内面52aは、脱穀装置5の外側向きに設定され、案内部材52の折曲又は湾曲形状によって、前記回転軸方向と直交する断面において、図6に示すように、案内部材52の穀稈導入口60側の部分で扱胴18の外周形状に沿って延びるように形成されている。
【0043】
本実施形態においては、折曲又は湾曲された案内部材52の案内面52aは、案内部材52の上部52Aにおいて上向きに、下部52Bにおいて左向きに、上下中途部52Cにおいて左斜め前向きに広がるように形成されている。上下中途部52Cにおける案内面52aは、穀稈の穂先部が主に接触する面であり、その前端部から後端部に向かうに従って扱室カバー56の前部に近づくように傾斜した形状に形成されている。
【0044】
案内部材52は、扱胴18の径方向において、その後端部が扱胴18の前方を覆うケーシング51の前カバー58よりも外側に配置され、この前カバー58を超えて扱室57外から扱室57内まで延びるように設けられている。つまり、案内部材52は、扱室57の内外にわたって延びるように設けられている。
【0045】
案内部材52には、穂先搬送装置75を設置可能な空間が形成されている。本実施形態においては、案内部材52の上部52A及び上下中途部52Cと下部52Bとが分離され、その間に前後方向に延びる穂先搬送装置75の設置用空間が確保されている。穂先搬送装置75は、突起付きチェン76の突起が案内部材52に沿って前後方向に移動可能なように、この設置用空間に設けられている。なお、案内部材にスリットを設け、このスリットに穂先搬送装置を設置するようにしてもよい。
【0046】
案内部材52の上部52A及び上下中途部52Cは、穂先搬送装置75の少なくとも一部、即ち脱穀装置5の外側にある搬送面とは反対側の脱穀装置5の内側部分を上方(脱穀装置5の外側)から覆うように配置されている。穂先搬送装置75は、突起付きチェン76の突起を案内面52aから株元搬送装置71側に向かって突出させて、その搬送面が案内部材52よりも脱穀装置5の外側に位置するように設けられている。
【0047】
つまり、穂先搬送装置75は、その一部を案外部材52から脱穀装置5の外側に突出させることによって、その搬送面が案内部材52の案内面52aから脱穀装置5の外側へ露出して株元搬送装置71の前端部に臨むように配置されている。穂先搬送装置75の搬送面は、案内部材52の上下中途部52Cと下部52Bとの間で前後方向に延びるように、またその前端部が案内部材52の前端部と同程度の前後位置となるように形成されている。
【0048】
また、図2、図5、図6に示すように、案内部材52は、扱室カバー56よりも下方に配置されて、その後部が脱穀装置5の上下方向で見たときに扱室カバー56の前部と重なり合うように設けられている。扱室カバー56の前部は、案内部56aと、拡大部56bを備えている。案内部56aは、拡大部56bと連続するようにその前方に配置され、扱胴18の前端部の前上方に設けられている。
【0049】
案内部材52の後部と扱室カバー56の前部、詳しくは案内部56a及び拡大部56bの前部との間には、穀稈搬送機構17によって搬送される穀稈を通過させることができる空間として穀稈導入口60が形成されている。穀稈導入口60は、扱室57の左前端部に臨み、扱室57内の空間と案内部材52の案内面52a上方の空間とを連通させている。
【0050】
ここで、扱室カバー56は、前記回転軸方向(脱穀装置5の前後方向)において、穀稈導入口側部分(前部)が反導入口側部分(後部)に比べて扱胴18から離れるように配置されている。すなわち、扱室カバー56は、その前部が後部よりも扱胴18に対して径方向外側に位置し、扱胴18との間により大きな空間を形成するようになっている。
【0051】
本実施形態においては、扱室カバー56の前部は、扱胴18の径方向において、前方に向かうに従って扱胴18から離れる拡大部56bを備えている。扱室カバー56は、扱胴18の径方向において、扱胴18の前端部付近で扱胴18から最も離れた状態となり、ここから案内部56aが前方へ突出するように構成されている。
【0052】
扱室カバー56の案内部56aは、案内部材52の後部よりも脱穀装置5の外側に位置し、この後部を上方から覆うように配置されている。扱室カバー56の案内部56aは、脱穀装置5の前後方向で見たとき、案内部材52の後部から略等間隔を保つように、案内部材52の後部の外周形状に沿って延びるように形成されている。
【0053】
図6に示すように、案内部材52と扱室カバー56の案内部56aのうち穂先搬送装置75から最も離れた部分、即ち案内部56aの右端部との間には、閉鎖部56cが設けられている。閉鎖部56cは、穀稈が穀稈導入口60を通過する際、穀稈の穂先部を脱穀装置5の右側から覆うように形成されている。
【0054】
図2、図6に示すように、扱室カバー56の前部と案内部材52との間には、遮蔽部材91が扱室カバー56から案内部材52に向かって下方へ突出するように設けられている。遮蔽部材91は、ゴムなどの弾性体から弾性変形可能に構成され、膜状に形成されている。遮蔽部材91は、その一端部を扱室カバー56に連結する一方、案内部材52に近い他端部を自由端として、穀稈導入口60を塞ぐように配置されている。ただし、遮蔽部材91は穀稈導入口60を完全に塞ぐのではなく狭めるように配置してもよい。
【0055】
また、図8に示すように、案内部材52は、扱室57内において、その穀稈導入口側の端部52b(後端部)が扱歯群における複数の扱歯62のうち穀稈導入口60から最も近くにある第一扱歯62Aの先端部62Aaよりも扱胴18の径方向外側に位置するように設けられている。案内部材52の穀稈導入口側の端部52bは、第一扱歯62Aの先端部62Aaよりも扱胴本体61の外周面から離れた位置に配置され、前記回転軸方向と直交する断面において、扱胴18の回転による第一扱歯62Aの先端部62Aaの移動軌跡に沿って延びるように形成されている。
【0056】
案内部材52は、その穀稈導入口側の端部52bが扱歯群における複数の扱歯62のうち穀稈導入口60から最も近くにある第一扱歯62Aの先端部62Aaと扱胴18の径方向において対向するように、外部から扱室57内に延出されている。案内部材52の穀稈導入口側の端部52bの後端点は、前記回転軸方向において、第一扱歯62Aの先端部62Aaの頂点と同じ位置又はそれよりも後ろ(扱室57内における穀稈搬送方向下流側)に配置されている。そして、案内部材52の穀稈導入口側の端部52bは、脱穀装置5の上下方向で見たとき、扱胴18の前端部と重なり、特にその後端点が第一扱歯62Aの先端部62Aaの頂点に又はそれよりも後ろの部分に重なるように設けられている。
【0057】
このような上扱き式の脱穀装置5において、穀稈の脱穀が行われる場合について、図3、図11を用いて説明する。脱穀開始時、穀稈搬送機構17のうち株元搬送装置71がその搬送始端部で刈取後の穀稈99の株元部99aを刈取装置4の搬送装置16から受け継ぎ、株元部99aの後方への搬送を開始する。一方、穀稈搬送機構17のうち穂先搬送装置75がその搬送始端部で刈取後の穀稈99の穂先部99bを刈取装置4の搬送装置16から受け継ぎ、穂先部99bの後方への搬送を開始する。
【0058】
穀稈搬送機構17による搬送開始後、穀稈99はその株元部99aを株元搬送装置71によって挟持されながら案内部材52及び扱胴18に沿って脱穀装置5の後方へ向かって搬送される。穀稈99の穂先部99bは、その穂部分を案内部材52の案内面52aに接触させながら、その茎部分で穂先搬送装置75によって左斜め後方へ搬送される。穀稈搬送機構17によって搬送されている間、穀稈99の穂先部99bは、案内部材52で穀稈導入口60に向かって左斜め後方へ案内される。この際、穀稈99の穂先部99bは、穂先搬送装置75にて搬送されるため、株元搬送装置71にて搬送される株元部99aに対して遅れずに搬送される。
【0059】
そして、穀稈99の穂先部99bは、穀稈導入口60に至り、これを案内部材52で案内されながら通過する。穀稈導入口60を通過するとき、穀稈99の穂先部99bは遮蔽部材91に接触すると、これを押し退けて、扱室57内に導入される。穀稈99は、穀稈導入口60から扱室57内に導入されるまでの間においても、案内部材52に接しながら案内されるため、穂先部99bが上方に位置し株元部99aが下方に位置する上扱ぎ式の脱穀装置5に適した略垂直姿勢を保持し、図3に示すように、その姿勢のまま案内部材52の穀稈導入口側の端部52bを経て、扱胴18に径方向外側から供給される。
【0060】
穀稈の扱胴18への供給時、扱室カバー56の拡大部56bによって、扱室57の穀稈導入口60付近はその後方に比べて広い空間を確保していることから、穀稈はこの付近で溜まらずに扱室57内に円滑に導入される。また、扱胴18に供給された直後には、穀稈は、扱歯62に対して径方向外側から近づき、第一扱歯62Aよりも後方に位置する、扱歯62間のV型溝67及び抜き孔68に嵌り込んで、扱胴18の外周面に穂先部が押し付けられるような姿勢になる。
【0061】
この状態で扱胴18が回転することによって、穀稈が穂先側に向かって抜かれ、穂先部が扱歯62によって扱かれる。その後、穀稈は、その穂先を第一扱歯62Aよりも後ろの扱歯62によって扱かれながら、扱室57内を穀稈搬送方向下流側に移動するように株元搬送装置71によって株元部99aを後ろ斜め上方へ搬送される。この搬送によって、穀稈の株元部は扱室57への導入時よりも上方へ移動し、これに伴って穂先部が図11に示すように扱胴18の上方に位置することになる。
【0062】
穂先部が扱かれた結果、穀稈は扱胴18の上方の空間から排藁として扱室57外へ排出される。また、穀稈から穂の部分のみが取られる。穀稈から取られた穂の部分である穂切れは、扱胴18の回転方向下流側に向けて放出され、落下する。落下した穂切れは、穂切れ処理装置19で処理され、穀粒を枝梗から外すように単粒化される。脱穀処理によって生じた処理物は、扱室57から落下し、選別装置6で選別される。
【0063】
以上のように、本発明の実施形態に係る脱穀装置5は、扱胴18と、扱室カバー56と、案内部材52と、穀稈搬送機構17とを備える。扱胴18は、扱室57内に設けられて、回転軸65回りに回転することによって穀稈を脱穀できるように構成される。扱室カバー56は、扱胴18を上方から覆う。案内部材52は、脱穀前の穀稈を扱室57内に導入するための穀稈導入口60を扱室カバー56との間に形成するように当該扱室カバー56よりも下方に配置されて、脱穀前の穀稈の穂先部を扱室57外から穀稈導入口60を介して扱室57内まで案内できるように構成される。穀稈搬送機構17(株元搬送装置71)は、扱胴18の側方に設けられて、穀稈の穂先部が案内部材52によって案内されて穀稈導入口60を介して扱室57内に導入されるように、穀稈の株元部を挟持しながら前記回転軸方向(脱穀装置5の前後方向)に沿って搬送できるように構成される。扱胴18は、複数の扱歯62を備える。複数の扱歯62は、扱胴18(扱胴本体61)の外周面に前記回転軸方向に並べられて、この外周面から当該扱胴18の径方向外側に向かって突出する。複数の扱歯62のそれぞれは、前記回転軸方向に平行な平面に沿って扁平に形成され、前記回転軸方向で見たとき、当該扱歯62の先端部62aが基端部62bよりも扱胴18の回転方向下流側に位置するように設けられる。案内部材52は、当該案内部材52の穀稈導入口側の端部52bが複数の扱歯62のうち穀稈導入口60から最も近くにある第一扱歯62Aの先端部62aよりも扱胴18の径方向外側に位置するように設けられる。
【0064】
この構成によれば、穀稈の穂先部は、案内部材52によって穀稈導入口60に向かって案内され、この穀稈導入口60を介して扱室57に導入された後、扱胴18の外周面に径方向外側から供給されることになる。この際、穀稈の姿勢が案内部材52によって安定した状態に保持され、穀稈の穂先部はその層が均一化された状態で扱歯62に近づくように扱胴18に対して供給される。したがって、穀稈を効率的に脱穀することが可能となり、脱穀装置5の脱穀性能を向上させることができる。
【0065】
また、本発明の実施形態に係る脱穀装置5において、案内部材52は、穀稈の穂先部の案内時に当該穂先部に接する案内面52aを有し、前記回転軸方向と直交する断面において、案内面52aは、案内部材52の穀稈導入口側の端部52bで扱胴18の外周形状に沿って延びるように形成される。
【0066】
この構成によれば、穀稈を案内部材52の案内面52aに沿って案内するとき、穀稈を導入口60から扱室57に導入するまで適切な姿勢に維持することが可能となる。したがって、脱穀装置5の脱穀性能を向上させることができる。また、稈切等を抑制することができる。
【0067】
また、本発明の実施形態に係る脱穀装置5において、案内部材52は、当該案内部材52の穀稈導入口側の端部52bが複数の扱歯62のうち穀稈導入口から最も近くにある第一扱歯62Aの先端部62Aaと扱胴18の径方向において対向するように、扱室57内に延出される。
【0068】
この構成によれば、第一扱歯62Aに邪魔されることなく、穀稈の穂先部が扱胴18の外周面に径方向外側から確実に供給されることになり、穀稈の扱胴18への供給が円滑に行われることになる。したがって、脱穀装置5の脱穀性能を向上させることができる。
【0069】
また、本発明の実施形態に係る脱穀装置5は、穀稈導入口60を狭める又は塞ぐように、扱室カバー56又は案内部材52の少なくとも一方に取り付けられる弾性変形可能な遮蔽部材91を備える。
【0070】
この構成によれば、穀稈が穀稈導入口60を通過する際、遮蔽部材91が弾性変形して、穀稈の通過が妨げられない。その一方で、脱穀後に生じた穀粒が穀稈導入口60を介して扱室57外に飛び出すことを遮蔽部材91によって抑制可能となる。したがって、脱穀装置5の脱穀性能を向上させることができる。
【0071】
また、本発明の実施形態に係る脱穀装置5において、扱室カバー56は、前記回転軸方向において、当該扱室カバー56の穀稈導入口側の部分、即ち前部の拡大部56bが反導入口側の部分、即ち後部に比べて扱胴18から離れるように形成される。
【0072】
この構成によれば、扱室カバー56と扱胴18との間に形成される空間が扱室57の穀稈導入口側では比較的広くなる。穀稈の穂先部は、穀稈導入口60を介して扱室57に導入された後、扱歯62に対して径方向外側から近づくように扱胴18に供給される。この供給時、前述のように広く形成された空間のため、穀稈の穂先部が扱歯62によって押し戻されにくくなる。したがって、穀稈を扱胴18に安定して供給することができ、脱穀装置5の脱穀性能を向上させることができる。
【0073】
また、本発明の実施形態に係る脱穀装置5は、扱胴18と、扱室カバー56と、案内部材52と、穀稈搬送機構17とを備える。扱胴18は、扱室57内に設けられて、回転軸65回りに回転することによって穀稈を脱穀できるように構成される。扱室カバー56は、扱胴18を上方から覆う。案内部材52は、脱穀前の穀稈を扱室57内に導入するための穀稈導入口60を扱室カバー56との間に形成するように当該扱室カバー56よりも下方に配置されて、脱穀前の穀稈の穂先部を扱室57外から穀稈導入口60を介して扱室57内まで案内できるように構成される。穀稈搬送機構17は、株元搬送装置71と、穂先搬送装置75とを備える。株元搬送装置71は、扱胴18の側方に設けられて、穀稈の穂先部が案内部材52によって案内されて穀稈導入口60を介して扱室57内に導入されるように、穀稈の株元部を挟持しながら前記回転軸方向(脱穀装置5の前後方向)に沿って搬送できるように構成される。穂先搬送装置75は、株元搬送装置71の搬送始端部よりも上方に設けられて、この株元搬送装置71によって株元部を搬送されている穀稈の穂先部を当該穂先部が案内部材52で案内されながら穀稈導入口60に向かうように搬送できるように構成される。扱胴18は、複数の扱歯62を備える。複数の扱歯62は、扱胴18(扱胴本体61)の外周面に前記回転軸方向に並べられて、この外周面から当該扱胴18の径方向外側に向かって突出する。複数の扱歯62のそれぞれは、前記回転軸方向に平行な平面に沿って扁平に形成され、前記回転軸方向で見たとき、当該扱歯62の先端部62aが基端部よりも扱胴18の回転方向下流側に位置するように設けられる。
【0074】
この構成によれば、穀稈が扱室57内へ導入される際、穀稈を扱室57内へ搬送する際、穀稈の株元部が株元搬送装置71で搬送される一方、穂先部が案内部材52によって案内されながら穂先搬送装置75で搬送される。そのため、穀稈導入口60に向かって搬送される穀稈の穂先遅れを抑制しつつ、この穀稈を穂先部が上方に位置し株元部が下方に位置する脱穀に適切な姿勢で案内して、穀稈を扱胴に円滑に供給することが可能となる。したがって、脱穀性能が向上させることができる。
【0075】
また、本発明の実施形態に係る脱穀装置5において、案内部材52は、穀稈の穂先部の案内時に当該穂先部に接する案内面52aを有する。穂先搬送装置75は、その搬送面が案内部材52の案内面52aに沿って延びるように設けられる。
【0076】
この構成によれば、穀稈を扱胴18に円滑に供給することが可能となる。したがって、脱穀装置5の脱穀性能を向上させることができる。
【0077】
また、本発明の実施形態に係る脱穀装置5において、案内部材52は、穂先搬送装置75の少なくとも一部を上方から覆う。穂先搬送装置75は、その搬送面を案内部材52の案内面52aから株元搬送装置75の搬送始端部に臨むように露出させる。
【0078】
この構成によれば、穀稈を扱胴18に円滑に供給することが可能となる。したがって、脱穀装置5の脱穀性能を向上させることができる。
【0079】
また、本発明の実施形態に係る脱穀装置5において、駆動源であるエンジン41からの駆動力を扱胴18の回転軸に伝達するための伝動機構81を備える。穂先搬送装置75は、駆動力を伝動機構81から伝達されるように構成される。
【0080】
この構成によれば、エンジン41から穂先搬送装置75までの伝動機構をコンパクトに構成することができる。
【符号の説明】
【0081】
5 脱穀装置
17 穀稈搬送機構
18 扱胴
52 案内部材
56 扱室カバー
57 扱室
60 穀稈導入口
62 扱歯
62a 先端部
62b 基端部
62A 第一扱歯
62Aa 先端部
65 回転軸
71 株元搬送装置
75 穂先搬送装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱室内に設けられて、回転軸回りに回転することによって穀稈を脱穀可能な扱胴と、
前記扱胴を上方から覆う扱室カバーと、
脱穀前の穀稈を前記扱室内に導入するための穀稈導入口を前記扱室カバーとの間に形成するように当該扱室カバーよりも下方に配置されて、脱穀前の穀稈の穂先部を前記扱室外から前記穀稈導入口を介して扱室内まで案内可能な案内部材と、
前記扱胴の側方に設けられて、穀稈の穂先部が前記案内部材によって案内されて前記穀稈導入口を介して前記扱室内に導入されるように、穀稈の株元部を挟持しながら前記回転軸の軸方向に沿って搬送可能な穀稈搬送機構とを備え、
前記扱胴は、当該扱胴の外周面に前記回転軸方向に並べられて、この外周面から当該扱胴の径方向外側に向かって突出する複数の扱歯を備え、
前記複数の扱歯のそれぞれは、前記回転軸方向に平行な平面に沿って扁平に形成され、前記回転軸方向で見たとき、当該扱歯の先端部が基端部よりも前記扱胴の回転方向下流側に位置するように設けられ、
前記案内部材は、当該案内部材の前記穀稈導入口側の端部が前記複数の扱歯のうち前記穀稈導入口から最も近くにある第一扱歯の先端部よりも前記扱胴の径方向外側に位置するように設けられる脱穀装置。
【請求項2】
前記案内部材は、穀稈の穂先部の案内時に当該穂先部に接する案内面を有し、
前記回転軸方向と直交する断面において、前記案内面は、前記案内部材の前記穀稈導入口側の端部で前記扱胴の外周形状に沿って延びるように形成される請求項1に記載の脱穀装置。
【請求項3】
前記案内部材は、当該案内部材の前記穀稈導入口側の端部が前記複数の扱歯のうち前記穀稈導入口から最も近くにある第一扱歯の先端部と前記扱胴の径方向において対向するように、前記扱室内に延出される請求項1又は請求項2に記載の脱穀装置。
【請求項4】
前記穀稈導入口を狭める又は塞ぐように、前記扱室カバー又は前記案内部材の少なくとも一方に取り付けられる弾性変形可能な遮蔽部材を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の脱穀装置。
【請求項5】
前記扱室カバーは、前記回転軸方向において、当該扱室カバーの穀稈導入口側の部分が反導入口側の部分に比べて前記扱胴から離れるように形成される請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の脱穀装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−66387(P2013−66387A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205020(P2011−205020)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】