説明

脱細胞化処理装置

【課題】流路管と生体組織を保持した保持体をセットした容器との連結部は、回転する必要をなくし、密閉性や無菌性を保証できるようにし、また、前記連結部の液漏れの虞もなくした脱細胞化処理装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る脱細胞化処理装置は、所定の生体組織Aを保持した保持体13を、細胞除去溶液Bを閉ループで脈動流を付与して循環させる循環回路9中のマイクロ波透過材からなる容器14内に設け、前記保持体14内の生体組織Aにマイクロ波を照射する照射装置20を、前記容器14を中心にして回転するターンテーブル5に配置したことを特徴とし、内部に生体組織をセットした容器を静止させ、その周囲を公転しつつマイクロ波を照射できるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移植後に生体組織の生体適合性を高めるため、所定の生体組織、たとえば、ブタ等の動物から採取された異種生体組織に存在する原細胞を除去する脱細胞化処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、人体の心臓弁に機能障害が生じた場合、その心臓弁を代替弁に交換する必要性が生ずる。この代替弁として、たとえば、ブタ等の動物から採取された異種生体弁を人体に移植することがあるが、移植後の免疫拒絶反応を抑制させ、かつ、耐久性を向上させるため、WO2004/100831号公報の如く、異種生体弁を脈動流を付与した細胞除去溶液中に浸漬し、該細胞除去溶液中の生体組織にマイクロ波を照射して原細胞を除去する脱細胞化処理を施して移植(播種)することが行われていた。
【0003】
上記のWO2004/100831号公報によれば、ブタ等の動物から採取した生体組織を、途中に複数の駆動ポンプを備え、細胞除去溶液を閉ループで循環させる回路(たとえば、人体の大動脈弁部分の血流状態に近い部位)中に配置した透明素材(アクリル系)からなる円筒部材(容器)の中間部に設けた保持体にセットし、該容器を、前記溶液の流入部と流出部をそれぞれ管ナットを介して回転管に連結して駆動部により回転(自転)させ、その周囲に設けたマイクロ波照射装置を相対的に回転(停止状態に維持してもよい)させて前記生体組織にマイクロ波を満遍なく照射できるように構成していた。この場合、各駆動ポンプから吐出した細胞除去溶液には、循環回路中に人体の抹消抵抗を想定した抵抗付与手段を経て人体の平均血圧が得られるように調整されている。
【特許文献1】WO2004/100831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記異種生体弁等の生体組織を保持した保持体をセットした透明素材からなる容器は、細胞除去溶液の流入部と流出部のそれぞれが管ナットを介して回転管に連結され、回転駆動部により自転する構造であったため、流路管と容器との連結部は密封したまま回転する必要があり、構造が複雑化した上に、無菌性の保証が得られなかったばかりでなく、連結部からの液漏れの虞もあった。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解消するためのもので、その目的とするところは、流路管と生体組織を保持した保持体をセットした容器との連結部は、回転する必要をなくし、密閉性や無菌性を保証できるようにし、また、前記連結部の液漏れの虞もなくした脱細胞化処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明に係る脱細胞化処理装置は、所定の生体組織を保持した保持体を、細胞除去溶液を閉ループで脈動流を付与して循環させる循環回路中のマイクロ波透過材からなる容器内に設け、前記保持体内の生体組織にマイクロ波を照射する照射装置を、前記容器を中心にして回転するターンテーブルに配置したことを特徴とし、内部に生体組織をセットした容器を静止させ、その周囲を公転しつつマイクロ波を照射できるように構成した。
【0007】
また、請求項2の発明に係る脱細胞化処理装置は、前記ターンテーブルが、前記細胞除去溶液の循環回路の流路管を直交状に貫挿させる中央透孔と、該中央透孔に周縁部から連通する横断溝とを備えたものであることを特徴とし、生体組織を保持した保持体をセットした容器を中心として閉ループで密封・連結した流路管を、環状連結の状態でターンテーブルの中央透孔を貫挿できるように構成した。
【0008】
さらに、請求項3の発明に係る脱細胞化処理装置は、前記マイクロ波照射装置が、前記ターンテーブルに設置されたマイクロ波発生部と、該発生部から延び、前記容器を囲むように前記ターンテーブルに設置されたハウジングに開口した照射口に連通したマイクロ波伝導路とからなることを特徴とし、マイクロ波照射装置全体を生体組織を中央に置いて回転させ、かつ、生体組織に近い位置から照射ができように構成した。
【0009】
さらにまた、請求項4の発明に係る脱細胞化処理装置は、所定の生体組織を、細胞除去溶液を閉ループで脈動流を付与して循環させる循環回路中のマイクロ波透過材からなる容器内に設け、該容器内の生体組織にマイクロ波を照射する照射装置を、前記容器を静止しその周囲を少なくとも360°毎に反転回転するターンテーブルに配置したことを特徴とし、内部に生体組織をセットした容器を静止させ、その周囲を正回転、逆回転しつつマイクロ波を照射できるように構成した。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、内部に生体組織をセットした容器を静止させ、その周囲を公転しつつマイクロ波を照射できるので、容器と流路管との連結部は回転せず、循環回路の密封性が保たれ、無菌性も保証できる上に、前記連結部からの液漏れの虞もないという優れた効果を奏するものである。
【0011】
また、請求項2に記載の発明によれば、生体組織を保持した保持体をセットした容器を中心として閉ループで密封・連結した流路管を、環状連結したままの状態でターンテーブルの中央透孔を貫挿できるため、無菌室のような場所で閉ループに組んだ流路管を、ターンテーブルの中央透孔を貫挿させるに当たって環状状態を解く必要がなく、生体組織の脱細胞化処理作業を準備段階から完全無菌状態に保つことができるという優れた効果を奏するものである。
【0012】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、マイクロ波照射装置全体を生体組織を中央において回転させ、かつ、生体組織に近い位置から照射ができるので、生体組織に対して効率的かつ満遍なくマイクロ波を照射できるという優れた効果を奏するものである。
【0013】
さらにまた、請求項4に記載の発明によれば、内部に生体組織をセットした容器を静止させ、その周囲を正回転、逆回転しつつマイクロ波を照射できるので、容器と流路管との連結部は回転せず、循環回路の密封性が保たれ、無菌性も保証できる上に、前記連結部からの液漏れの虞もない。しかも、ターンテーブルを連続回転させるときにはマイクロ波照射装置その他の電気装置への電力の供給のためにスリップリング手段などが必要であったが、リード線に余裕を持たせるだけで済み、スリップリング手段などの設備が不要になるなど各種の優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の最良の形態を図面に基いて説明する。図1は本願処理装置を設置するための筐体の正面図、図2は本願処理装置を設置した筐体の右側面図、図3はターンテーブルと中段ハウジングを示す平面図、図4は上段ハウジングの平面図、図5は溶液の循環回路を略示的に示す説明図である。
【0015】
本願処理装置1は、筐体4に搭載されている。筐体4は移動性を確保するために下面四隅にキャスター2を備え、該キャスター2に隣接して長期設置時の安定性を確保するためにネジによる伸縮脚3を備えている。前記筐体4は、図示の例では、ネジによる伸縮脚3を床面Lに突き当て、キャスター2を浮かせている。
【0016】
前記筐体4の中段部4aには、ターンテーブル5が複数個のコロ6上に水平方向に回転可能に支持されている。該ターンテーブル5は、その下面に回転中心を一致させて固定した円盤体7の周側面に設けたラックギアに、前記筐体4に搭載した駆動モータ8の推軸に固定したピニオンを噛合させ、該駆動モータ8から回転駆動を受けてターンテーブル5を一体的に回転させるようになっている。
【0017】
前記ターンテーブル5は、図3の如く、中央部に中央透孔5aが設けられ、該中央透孔5aは後記する循環回路9の流路管10を通過させるためのものである。該中央透孔5aには周縁部5bから連通する横断溝5cが備えられている。該横断溝5cの個所では前記円盤体7がラックギア部分を含めて溝になっているが、平時に、横断溝5cに蓋部材5dを閉蓋し、位置決めしてボルト締めすると、円盤体7のラックギアも回復するようになっている。なお、図1において、前記筐体4の中段部4aが中央部において割れ部4a′が形成さているのは、前記流路管10を前記ターンテーブル5の横断溝5cとともに通過させるためである。
【0018】
前記ターンテーブル5の上面には、前記中央透孔5aを跨いだ脚体11aを介して中段ハウジング11が設置され、該中段ハウジング11の上方の、前記筐体4の上段部4bにも冷却手段(図示せず)等を設置するための上段ハウジング12が取付けられている。前記中段ハウジング11及び上段ハウジング12には循環回路9の流路管10を納めるための前扉11′、12′がそれぞれ設けられている。該中段ハウジング11の底部と天井部は前記流路管10を通すために開放されたままになっている。
【0019】
前記上段ハウジング12の底部は開放されたままであるが、天井部12aの中央には、図4の如く、前記流路管10を通すための中央透孔12bが設けられ、該中央透孔12bには天井部前縁から横断溝12cが連通している。この中央透孔12aはリング枠12dで縁取りされ、そのリング枠12dの前縁部は流路管10を通すために開閉枠12d′になっている。すなわち、開閉枠12d′を図4の二点鎖線の如く開放させると横断溝12cと中央透孔12bとが繋がるようになっている。そして流路管10を通した後、一点鎖線の如く閉じてロックすることとなる。
【0020】
なお、ターンテーブル5の周縁部5bから中央透孔5aへ連通する横断溝5cを設けたこと、中段及び上段ハウジング11、12に前扉11′、12′があること、上段ハウジング12の天井部12aの中央透孔12bへ連通する横断溝12cを設けたこと、リング枠12dの前縁が開閉枠12d′になっていることは、前記流路管10を密封したまま環状に連通している循環回路9をそのまま(密封を解除しないで)前記筐体4にその前側からセットできるようにするためである。
【0021】
前記循環回路9は、図5の如く、所定の生体組織(たとえば、ブタ等の動物から採取された異種生体組織)Aを保持した保持体13をセットしたマイクロ波透過材(たとえば、アクリル系樹脂)からなる容器(図示の例では円筒状である)14と、その両端14a、14bから延びた流路管10と、該流路管10を駆動ポンプ15の出力端15aと、入力端15bにそれぞれ閉ループで連結してなり、該流路管10内を満たした細胞除去溶液Bを前記駆動ポンプ15の作動により矢印の如く、移動させ得るようになっている。
【0022】
前記駆動ポンプ15は、ダイヤフラム16を介して溶液室17aと空気室17bとを隣接して備え、該空気室17bには空気吸送器18が空気連通管18′を介して連通している。該空気吸送器18の作動により前記空気室17bに一定タイミングで圧縮空気を送入し、及び排出させると、前記ダイヤフラム16が変動して溶液室17a内を、圧縮・拡大させる。これにより、該溶液室17a内の細胞除去溶液Bを吐出・吸入させて流路管10内に細胞除去溶液Bが循環することとなる。なお、駆動ポンプ15は図示の例では1基のみ示しているが、複数基あってもよい。
【0023】
前記駆動ポンプ15による細胞除去溶液Bの吐出・吸入時には、拍動流(心臓の鼓動と同等)を発生させる。すなわち、前記容器14内の保持体13に保持された生体組織Aは常に拍動流が付与された細胞除去溶液Bに浸漬されるようになっている。なお、前記循環回路9の流路管10の途中には、人体の抹消抵抗を想定した抵抗付与手段19が設けられている。すなわち、前記流路管10を流動する細胞除去溶液Bは、前記抵抗付与手段19を経て人体とほぼ同等の平均血圧(最高血圧/最低血圧)が得られるように調整されている。
【0024】
前記循環回路9は、無菌室(図示せず)において、所定の生体組織Aを保持した保持体13を容器14内にセットし、細胞除去溶液Bが注入されて閉ループに連結した後、前記筐体4に組み付けられる。この場合、まず、容器14を中段ハウジング11内に納めて前扉11′を閉じ、次に、該容器14の上に連通している流路管10を上段ハウジング12内に納め、かつ、天井部の中央透孔12aに横断溝12bから引き入れ、リング枠12dの開閉枠12d′を閉じ、容器14の下に連通している流路管10をターンテーブル5の周縁部5bから横断溝5cを通して中央透孔5aに納め、該横断溝5cを蓋部材5dを位置決めしつつ閉蓋し、円盤体7のラックギアを回復させる。次いで、前記駆動ポンプ15と空気吸送器18を、前記筐体4の下段部4cに配置することにより組み付けが完了することとなる。
【0025】
前記ターンテーブル5上には、マイクロ波照射装置20が設置されている。該マイクロ波照射装置20は、ターンテーブル5の周縁部寄りに固定した発生部20aと、該発生部20aの天井部から延び、前記ターンテーブル5とともに回転する中段ハウジング11の一側壁に開口した照射口20bに導波路20cを介して連通している。換言すれば、生体組織Aを保持した保持体13をセットした容器14を静止状態に維持し、その周囲をターンテーブル5上に設置され、公転しているマイクロ波照射装置20から生体組織Aに向けてマイクロ波が照射されるようになっている。
【0026】
前記マイクロ波照射装置20から発生したマイクロ波を、前記容器14を囲むようにターンテーブル上に設置された中段ハウジング11に開口させた照射口20bより照射するようにしたのは、可及的に生体組織に近い位置からマイクロ波が当てられるようにするためで、照射効率かつ満遍なく照射ができるようにするためである。
【0027】
前記ターンテーブル5上の各装置への電力を供給する等のために、スリップリング(図示せず)が採用されている。また、ターンテーブル5を駆動する駆動モータ8の駆動制御部、マイクロ波照射装置20の照射タイミング及び照射時間の制御部は、前記ターンテーブル5上に設置した制御ボックス21内に収納されている。また、該制御ボックス21内には、細胞除去溶液Bを駆動する駆動ポンプ15や空気吸送器18の駆動タイミング及び駆動時間等についての制御部も収納されている。なお、マイクロ波照射装置20の放熱手段については図示を省略している。
【0028】
前記マイクロ波照射装置20が設置されているターンテーブル5は、その駆動モータ8を正逆回転可能にして、360°毎に反転回転するようにしてもよい。これにより、生体組織Aを保持した保持体13をセットした容器14を静止状態に維持し、その周囲を公転している1個所の照射口20bからマイクロ波が満遍なく照射されることとなる。このようにすることによりターンテーブル5上の各装置への電力を供給する等のためにスリップリング(図示せず)が不要となる利点がある。もちろん、容器14の周囲の2個所に照射口20bを設けたときは、ターンテーブル5を180°毎の反転回転で、マイクロ波を満遍なく照射できることとなる。同様に、照射口20bの数によりターンテーブル5の反転角度もより小さくすることも可能である。尤も、マイクロ波照射装置20の照射口20bの増大は、導波路20cの増大に繋がることから無制限に増やすことは得策ではない。
【0029】
次に、前記本願処理装置1の作用について説明する。まず、無菌室(図示せず)において、所定の生体組織Aを保持した保持体13を容器14内にセットする。この容器14を中心とする閉ループの流路管10内に細胞除去溶液Bを満たすように注入する。この循環回路9の流路管10には、前記溶液Bを吐出・吸入させる駆動ポンプ15と、該駆動ポンプ15を作動させる空気吸送器18と、抵抗付与手段19が備えられる。
【0030】
次に、前記循環回路9を無菌室から取り出し、前記筐体4に所定のように設置した後、本願処理装置1の駆動ポンプ15を空気吸送器18の作動によりを駆動させる。これにより細胞除去溶液Bが脈動流を付与されつつ循環回路9内を循環する。一方、前記ターンテーブル5の水平回転により、その上に配置したマイクロ波照射装置20が作動し、マイクロ波が、静止状態に維持された容器14内にセットされた保持体13内の生体組織Aを公転しつつ満遍なく照射される。
【0031】
したがって、本願処理装置1によれば、流路管10を流動する細胞除去溶液B中に生体組織Aが浸漬される一方、静止状態におかれる容器14に連結した流路管10の連結部は、回転しないので、密封性が保たれ、密閉性・無菌性が保証できる上に、連結部からの液漏れの虞もない。しかも、生体組織Aへのマイクロ波の照射も、該生体組織Aに近い位置から行われものである。
【0032】
この場合、生体組織Aをセットした容器14と、これに細胞除去溶液Bを供給する流路管10との連結部は回動するようになっていない。容器14は静止状態にあり、マイクロ波照射装置20が、容器14の周囲を公転する。したがって、流路管10は密封性が阻害されることがない。すなわち、本願処理装置1によれば、処理中の密閉性、無菌性が保証できる上に、連結部からの液漏れの虞もない。しかも、マイクロ波は、生体組織Aに対し、常に、近い位置から効率的に照射できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本願処理装置1は、移植後の生体組織の生体適合性を高めるため、所定の生体組織に存在する原細胞の除去を効率的に行うことができ、医療の現場での利用性、すなわち、産業上の利用可能性は極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本願処理装置を設置するための筐体の正面図である。
【図2】本願処理装置を設置した筐体の右側面図である。
【図3】ターンテーブルと中段ハウジングを示す平面図である。
【図4】上段ハウジングの平面図である。
【図5】細胞除去溶液の循環回路を略示的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1 本願処理装置
2 キャスター
3 伸縮脚
4 筐体
4a 中段部
4b 上段部
5 ターンテーブル
5a 中央透孔
5b 周縁部
5c 横断溝
5d 蓋部材
6 コロ
7 円盤体
8 駆動モータ
9 循環回路
10 流路管
11 中段ハウジング
11a 脚体
11′、12′ 前扉
12 上段ハウジング
12a 天井部
12b 中央透孔
12c 横断溝
12d リング枠
12d′ 開閉枠
13 保持体
14 容器
15 駆動ポンプ
16 ダイヤフラム
17a 溶液室
17b 空気室
18 空気吸送器
18′ 空気連通管
19 抵抗付与手段
20 マイクロ波照射装置
20a マイクロ波発生部
20b 照射口
20c 導波路
21 制御ボックス
A 生体組織
B 細胞除去溶液
L 床面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の生体組織を、細胞除去溶液を閉ループで脈動流を付与して循環させる循環回路中のマイクロ波透過材からなる容器内に設け、該容器内の生体組織にマイクロ波を照射する照射装置を、前記容器を静止し、その周囲を回転するターンテーブルに配置したことを特徴とする脱細胞化処理装置。
【請求項2】
前記ターンテーブルが、前記細胞除去溶液の循環回路の流路管を直交状に貫挿させる中央透孔と、該中央透孔に周縁部から連通する横断溝とを備えたものであることを特徴とする請求項1に記載の脱細胞化処理装置。
【請求項3】
前記マイクロ波照射装置が、前記ターンテーブルに設置されたマイクロ波発生部と、該発生部から延び、前記容器を囲むように前記ターンテーブルに設置されたハウジングに開口した照射口に連通した導波路とからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱細胞化処理装置。
【請求項4】
所定の生体組織を、細胞除去溶液を閉ループで脈動流を付与して循環させる循環回路中のマイクロ波透過材からなる容器内に設け、該容器内の生体組織にマイクロ波を照射する照射装置を、前記容器を静止し、その周囲を360°毎に反転回転するターンテーブルに配置したことを特徴とする脱細胞化処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−207699(P2009−207699A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54163(P2008−54163)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(508066740)株式会社セルリムーバー (6)
【Fターム(参考)】