説明

脱臭ユニットの輸送用の梱包方法、および、脱臭ユニットの製造/現地設置方法。

【課題】本発明の課題は、活性種を生成して、室内への給気を浄化する脱臭ユニットの梱包方法、および、脱臭ユニットの製造/現地設置方法として、脱臭フィルタに臭気成分が付きにくい状態を実現できる方法を提供することにある。
【解決手段】脱臭ユニット1の輸送用の梱包方法は、臭い成分捕集機能があり、光触媒が含浸されたフィルタ2、を内蔵する脱臭ユニットの輸送用の梱包方法であって、第1ステップS1と、第2ステップS2とを備える。第1ステップでは、フィルタを周囲雰囲気と遮断する。第2ステップでは、ユニット本体の内部セット位置ではなく、ユニット本体の外部にフィルタを位置させてユニット本体とともに梱包する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性種を生成して、臭気分子や有害ガス成分などを分解する活性種生成装置を有する脱臭ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1の技術のように、ストリーマ放電などの放電を行うことによって、イオンまたはオゾンなどの活性種を生成して、通過する空気を殺菌、脱臭、有害物質除去などの浄化処理を行う装置がある。
【0003】
そして、特許文献2の技術のように、空気清浄機単体に特許文献1の技術を利用しているものがある。
【特許文献1】特開2004−350890号公報
【特許文献2】特開2008−36466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
室内の空気を浄化する手段(脱臭ユニット)として、特許文献2のように室内に空気清浄機を導入するだけでなく、例えば、ダクトに特許文献1の装置をビルトインで設置することにより、室内に導入される空気を浄化することも考えられる。しかしながら、このようなビルトインタイプの脱臭ユニットは、なんら提案されていない。
【0005】
また、脱臭ユニットには、脱臭フィルタを有するものがある。脱臭フィルタは、周囲雰囲気にさらした状態であると、脱臭ユニットの設置前に周囲雰囲気の臭気成分を吸着してしまうおそれがある。
【0006】
本発明の課題は、活性種を生成して、室内への給気を浄化する脱臭ユニットの梱包方法、および、脱臭ユニットの製造/現地設置方法として、脱臭フィルタに臭気成分が付きにくい状態を実現できる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明に係る脱臭ユニットの輸送用の梱包方法は、臭い成分捕集機能があり、光触媒が含浸されたフィルタ、を内蔵する脱臭ユニットの輸送用の梱包方法であって、第1ステップと、第2ステップとを備える。第1ステップでは、フィルタを周囲雰囲気と遮断する。第2ステップでは、ユニット本体の内部セット位置ではなく、ユニット本体の外部にフィルタを位置させてユニット本体とともに梱包する。
【0008】
本発明の脱臭ユニットの輸送用の梱包方法では、光触媒を含浸させたフィルタを、周囲雰囲気から遮断して、フィルタに臭気成分が付きにくい状態にして、ユニット本体の外部にユニット本体とともにフィルタを梱包している。
【0009】
したがって、フィルタに外光が当たりやすい条件にさらすことができ、脱臭ユニットが長時間設置されずにフィルタが臭気を吸着した場合であっても、外光が光触媒に作用することより臭気を分解しやすい状態にできる。このため、長時間脱臭ユニットを設置していない状態であっても、フィルタに臭気が極力吸着していない状態のまま、脱臭ユニットを設置することができる。
【0010】
第2発明に係る脱臭ユニットの輸送用の梱包方法は、第1発明に係る脱臭ユニットの輸送用の梱包方法であって、第1ステップでは、フィルタを、透明なフィルムによって包むことにより周囲雰囲気と遮断する。
【0011】
したがって、フィルタに外光が当たりやすい状態で、かつ、フィルタを周囲雰囲気と遮断することができる。また、この場合に、透明なフィルムによって包装されたフィルタは、ユニット本体の外部に梱包されているため、透明なフィルムによって包装された状態のフィルタがユニット本体の内部に梱包されている場合と比べて、脱臭ユニット設置時に、設置業者などが確実に透明なフィルムをフィルタから外してユニット本体に、フィルタを装着することができる。このため、脱臭ユニットを設置した後に、風量が出なくなったり、フィルタが機能しないような状態になったりすることを防ぐことができる。
【0012】
第3発明に係る脱臭ユニットの輸送用の梱包方法は、第2発明に係る脱臭ユニットの輸送用の梱包方法であって、第2ステップでは、第1ステップによりフィルムに包まれたフィルタと、本体ユニットとを梱包部材により梱包している。梱包部材により梱包されたフィルタには、外光が到達可能な状態となっている。
【0013】
したがって、フィルタに外光が当たりやすい条件にさらすことができ、脱臭ユニットが長時間設置されずにフィルタが臭気を吸着した場合であっても、外光が光触媒に作用することより臭気を分解しやすい状態にできる。このため、長時間脱臭ユニットを設置していない状態であっても、フィルタに臭気が極力吸着していない状態のまま、脱臭ユニットを設置することができる。
【0014】
第4発明に係る脱臭ユニットの輸送用の梱包方法は、第3発明に係る脱臭ユニットの輸送用の梱包方法であって、梱包部材は、少なくともフィルタを梱包する部分が、外光が透過可能な素材で形成される。
【0015】
したがって、フィルタに外光が当たりやすい条件にさらすことができ、脱臭ユニットが長時間設置されずにフィルタが臭気を吸着した場合であっても、外光が光触媒に作用することより臭気を分解しやすい状態にできる。このため、長時間脱臭ユニットを設置していない状態であっても、フィルタに臭気が極力吸着していない状態のまま、脱臭ユニットを設置することができる。
【0016】
第5発明に係る脱臭ユニットの輸送用の梱包方法は、第3発明または第4発明に係る脱臭ユニットの輸送用の梱包方法であって、梱包部材は、少なくともフィルタを梱包する部分が、外光が透過可能な穴が開けられている。
【0017】
したがって、フィルタに外光が当たりやすい条件にさらすことができ、脱臭ユニットが長時間設置されずにフィルタが臭気を吸着した場合であっても、外光が光触媒に作用することより臭気を分解しやすい状態にできる。このため、長時間脱臭ユニットを設置していない状態であっても、フィルタに臭気が極力吸着していない状態のまま、脱臭ユニットを設置することができる。
【0018】
第6発明に係る脱臭ユニットの輸送用の梱包方法は、第3発明から第5発明のいずれかにかかる脱臭ユニットの輸送用の梱包方法であって、梱包部材は、少なくともフィルタを梱包する部分が、外光が透過可能な隙間を有する。
【0019】
したがって、フィルタに外光が当たりやすい条件にさらすことができ、脱臭ユニットが長時間設置されずにフィルタが臭気を吸着した場合であっても、外光が光触媒に作用することより臭気を分解しやすい状態にできる。このため、長時間脱臭ユニットを設置していない状態であっても、フィルタに臭気が極力吸着していない状態のまま、脱臭ユニットを設置することができる。
【0020】
第7発明に係る脱臭ユニットの製造/現地設置方法は、臭い成分捕集機能があるフィルタを内蔵する脱臭ユニットの製造/現地設置方法であって、第1ステップと、第2ステップと、第3ステップとを備える。第1ステップでは、フィルタを周囲雰囲気と遮断されるように包む。第2ステップでは、フィルタをユニット本体の外部に出した状態で現地に輸送する。第3ステップでは、現地でフィルタを包みから出してユニット本体の内部の正規の位置にセットする。
【0021】
したがって、透明なフィルムによって包装されたフィルタは、ユニット本体の外部に梱包されているため、透明なフィルムによって包装された状態のフィルタがユニット本体の内部に梱包されている場合と比べて、脱臭ユニット設置時に、設置業者などが確実に透明なフィルムをフィルタから外してユニット本体に、フィルタを装着することができる。このため、脱臭ユニットを設置した後に、風量が出なくなったり、フィルタが機能しないような状態になったりすることを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0022】
第1発明に係る脱臭ユニットの輸送用の梱包方法では、フィルタに外光が当たりやすい条件にさらすことができ、脱臭ユニットが長時間設置されずにフィルタが臭気を吸着した場合であっても、外光が光触媒に作用することより臭気を分解しやすい状態にできる。このため、長時間脱臭ユニットを設置していない状態であっても、フィルタに臭気が極力吸着していない状態のまま、脱臭ユニットを設置することができる。
【0023】
第2発明に係る脱臭ユニットの輸送用の梱包方法では、フィルタに外光が当たりやすい状態で、かつ、フィルタを周囲雰囲気と遮断することができる。また、この場合に、透明なフィルムによって包装されたフィルタは、ユニット本体の外部に梱包されているため、透明なフィルムによって包装された状態のフィルタがユニット本体の内部に梱包されている場合と比べて、脱臭ユニット設置時に、設置業者などが確実に透明なフィルムをフィルタから外してユニット本体に、フィルタを装着することができる。このため、脱臭ユニットを設置した後に、風量が出なくなったり、フィルタが機能しないような状態になったりすることを防ぐことができる。
【0024】
第3〜6発明に係る脱臭ユニットの輸送用の梱包方法では、フィルタに外光が当たりやすい条件にさらすことができ、脱臭ユニットが長時間設置されずにフィルタが臭気を吸着した場合であっても、外光が光触媒に作用することより臭気を分解しやすい状態にできる。このため、長時間脱臭ユニットを設置していない状態であっても、フィルタに臭気が極力吸着していない状態のまま、脱臭ユニットを設置することができる。
【0025】
第7発明に係る脱臭ユニットの製造/現地設置方法では、透明なフィルムによって包装されたフィルタは、ユニット本体の外部に梱包されているため、透明なフィルムによって包装された状態のフィルタがユニット本体の内部に梱包されている場合と比べて、脱臭ユニット設置時に、設置業者などが確実に透明なフィルムをフィルタから外してユニット本体に、フィルタを装着することができる。このため、脱臭ユニットを設置した後に、風量が出なくなったり、フィルタが機能しないような状態になったりすることを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下図面を参照しながら、本発明の第一実施形態について説明する。なお、以下の第一実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0027】
<脱臭ユニット>
本発明の第一実施形態に係る脱臭ユニット1は、室内の天井裏に設置される給気ユニットの給気側にダクトを介して設置され、給気ユニットから送られる空気の脱臭、浄化を行う。脱臭ユニット1は、主に、本体ケーシング10と、臭気分子、塵、および埃を吸着する光触媒フィルタ2と、ストリーマ放電ユニット3とを備える。
【0028】
(本体ケーシング)
図1は、本発明の脱臭ユニット1の正面側から視た本体ケーシング10の外観斜視図である。本体ケーシング10は、天板11、底板12、正面側パネル13、背面側パネル14、右側面パネル15、および左側面パネル16によって略直方体形状に形成されている。
【0029】
正面側パネル13には、脱臭ユニット1に備えられる光触媒フィルタ2と、ストリーマ放電ユニット3とを取り出したり、挿入したりすることができるメンテナンス開口13aが開けられている。そして、正面側パネル13には、メンテナンス開口13aを塞ぐメンテナンスカバー13bが設けられる。メンテナンスカバー13bは、メンテナンス開口13aを完全に覆い塞ぐことができ、正面側パネル13のメンテナンス開口13a左側に設けられた金具にその左端を引っかけて、右端をビス留めされることにより固定されている。したがって、メンテナンス作業者などのユーザは、脱臭ユニット1をメンテナンスする際に、メンテナンスカバー13bの右端のビスを外すことにより、メンテナンスカバー13bを外すことができ、メンテナンス開口13aから光触媒フィルタ2やストリーマ放電ユニット3を取り出してメンテナンスすることができる。
【0030】
右側面パネル15は、給気ユニットとダクトを介して接続可能な吸込開口15aを有している。吸込開口15aは、接続される給気ユニットから送られる空気を本体ケーシング10に取り入れることが可能である。そして、吸込開口15aは、右側面パネル15の正面視において中心よりも左側に開口されている。
【0031】
左側面パネル16は、本体ケーシング10内部を通過した空気を、吐き出す吐出開口16aを有している。吐出開口16aは、ダクトを介して室内の天井に設けられる天井吹出口に接続されている。すなわち、給気ユニットから送られて脱臭ユニット1により脱臭および浄化された空気は、吐出開口16aに接続されたダクトを介して天井吹出口から室内へ吹き出されることになる。そして、吐出開口16aは、左側面パネル16の正面視において中心よりも左側に開口されている。
【0032】
このように、右側面パネル15に開けられている吸込開口15aが右側面パネル15の正面視において中心よりも左側に開口されており、左側面パネル16に開けられている吐出開口16aが左側面パネル16の正面視において中心よりも左側に開口されているため、本体ケーシング10の内部を通過する空気の流路は、図4の破線の矢印ように、正面側パネル13および背面側パネル14に対して傾斜して、本体ケーシング10の上面視において吸込開口15aの中心と吐出開口16aの中心とを結ぶ線L1に沿うようになる。
【0033】
(光触媒フィルタ)
光触媒フィルタ2は、直方体形状でハニカム形状に形成されており、左側面パネル16の内側に左側面パネルに沿うように配置されている(図2参照)。光触媒フィルタ2は、臭気分子や塵埃などを吸着する。光触媒フィルタ2は、チタンアパタイトを担持させたPPの繊維から形成されている。なお、チタンアパタイトとは、カルシウムヒドロキシアパタイトの一部のカルシウム原子がイオン交換などの手法によってチタン原子に置換されたアパタイトである。このチタンアパタイトは、塵埃などに含まれるウィルスやカビ菌、細菌などを特異的に吸着する性質を有する。そして、このチタンアパタイトは、後述するストリーマ放電ユニット3から供給される活性種により光触媒機能が活性化され、ウィルスやカビ菌、細菌などを不活化または死滅させる。
【0034】
(ストリーマ放電ユニット)
ストリーマ放電ユニット3は、略直方体形状であって、放電ユニット取付枠17の上部と下部とに2つ取り付けられる。放電ユニット取付枠17は、水平方向に延びる直方体形状の枠上部17aおよび枠下部17bと、枠上部17aと枠下部17bとを所定間隔を上下方向に開けて接続する枠側部17c、17dとにより構成されている(図2参照)。そして、2つのストリーマ放電ユニット3は、1つが放電ユニット取付枠17の上部であって枠上部17aよりも下方に枠上部17aに沿って取り付けられ、もう1つが放電ユニット取付枠17の下部であって枠下部17bよりも上方に枠下部17bに沿って取り付けられる。なお、ストリーマ放電ユニット3は、水平方向における端部を枠側部17c、17dにビス留めされることにより固定される。そして、放電ユニット取付枠17は、本体ケーシング10の上面視において右側面パネル15および左側面パネル16に対して傾斜して配置される。すなわち、ストリーマ放電ユニット3は、の上面視において右側面パネル15および左側面パネル16に対して傾斜して配置されることになる。なお、ストリーマ放電ユニット3は、光触媒フィルタ2の空気の流れ方向上流側に配置される。
【0035】
また、ストリーマ放電ユニット3は、図3に示すように、放電ユニットケーシング31と、放電部32と、を有しており、ストリーマ放電を生起させることにより、光触媒フィルタ2に供給する活性種を生成して本体ケーシング10内部に形成される空気の流路に放出する。
【0036】
放電ユニットケーシング31には、放電部32が取り付けられる。放電ユニットケーシング31は、樹脂から形成された箱状の部材である。放電ユニットケーシング31は、空気流路の下流側の面に活性種を放出するための放出孔31aが開けられている。
【0037】
放電部32は、ストリーマ放電を生起させる主要部であり、ストリーマ放電電極32aと、アース板32bとを有する。
【0038】
ストリーマ放電電極32aは、金属板4を切り起こした部分に取り付けられた端子で構成されており、放電電圧が印可されることによってアース板32bとの間にストリーマ放電を生じさせる。
【0039】
アース板32bは、金属板から形成されており、ストリーマ放電電極32aの金属板4よりも大きな略長方形の外形を有する。アース板32bは、ストリーマ放電電極32aに対して平行に配置されており、ストリーマ放電電極32aの近くに離れて配置されている。アース板32bは、放電ユニットケーシング31の下流側の面に接しており、放電ユニットケーシングの下流側の面の放出孔31aと同様の位置に放出孔32cが開けられている。これにより、ストリーマ放電電極32aからアース板32bに向けて放出されたストリーマ放電によって生成された活性種が、アース板32bの放出孔32cおよび放電ユニットケーシング31の下流側の面の放出孔31aを通過して、本体ケーシング10に形成される空気流路に放出されることになる。なお、これらの放出孔31aおよび放出孔32cは、ストリーマ放電電極32aの先端の水平方向における位置に一致する位置に集中的に複数(本実施形態においては、ストリーマ放電電極32aの先端1つにつき8つの放出孔31a、32c)設けられている。これにより、放電部32から放出される活性種を、効率よく本体ケーシング10の内部に形成される空気流路に放出することができる。
【0040】
以上のようにして、ストリーマ放電電極32aから発生される活性種は、本体ケーシング10の内部を流れる空気流に対して放出される。そして、脱臭ユニット1では、この活性種により、光触媒フィルタ2に吸着された臭気分子、塵、および埃を分解および不活化している。
【0041】
また、ストリーマ放電ユニット3は、左側面パネル16に対して、本体ケーシング10の上面視において右回転方向(図4の矢印A1参照)に鋭角の角度で傾斜している。なお、図4では、ストリーマ放電ユニット3は、左側面パネル16に対しての右回転方向の矢印A1を表記しているが、これに限らず右側面パネル15に対しての右回転方向の矢印を表記しても良い。
【0042】
さらに、直線L1(すなわち、空気流路)は、背面側パネル14に対して、本体ケーシング10の上面視において右回転方向(図4の矢印A2参照)に鋭角の角度で傾斜している。なお、図4では、直線L1は、背面側パネル14対しての右回転方向の矢印A2を表記しているが、これに限らず正面側パネル13に対しての右回転方向の矢印を表記しても良い。
【0043】
このように、ストリーマ放電ユニット3の左側面パネル16に対する傾斜の回転方向と、直線L1の背面側パネル14に対する傾斜の回転方向とは、ともに右回転方向で一致している。したがって、ストリーマ放電ユニット3と直線L1とは、垂直に近い状態で交わることになる。このため、ストリーマ放電ユニット3は、本体ケーシング10を通過する空気に対して、効率よく活性種を放出することができる。また、ストリーマ放電ユニット3は、左側面パネル16に対して傾斜して設置しているために、傾斜しない場合と比べて長手方向に長くすることができる。このため、本体ケーシング10の大きさに対する、ストリーマ放電ユニット3から放出できる活性種の数を増やすことができ、より効果的に本体ケーシング10の内部を通過する空気を脱臭および浄化することができる。
【0044】
(電装品ケーシング)
本体ケーシング10の正面側パネル13には、ストリーマ放電ユニット3に電力の供給や制御を行うための電装品が収められた電装品ケーシング18が設けられている(図1参照)。電装品ケーシング18には、正面側に電装品のメンテナンスが可能なメンテナンス開口18aが開けられており、メンテナンス開口18aにはメンテナンスカバー18bが備えられる。電装品ケーシング18は正面側パネル13に取り付けられることになるため、本体ケーシング10のメンテナンス開口と同じ側に電装品ケーシングのメンテナンス開口が存在することになる。したがって、メンテナンス作業者などのユーザは、本体ケーシング10に対して正面側から、光触媒フィルタ2およびストリーマ放電ユニット3のメンテナンスや電装品のメンテナンスを行うことができる。このため、メンテナンス作業者の負担を軽減することができる。
【0045】
<脱臭ユニットの梱包方法>
脱臭ユニット1は、工場出荷時に図5のように、梱包部材40により梱包された状態で出荷されることになる。図5は、脱臭ユニット1を梱包部材40により梱包したものの斜視図である。図6は、脱臭ユニット1を梱包部材40により梱包する際の分解斜視図である。
【0046】
(梱包部材の構成)
梱包部材40には、梱包天板41と、梱包底当て部材42と、フィルタ当て部材43と、フィルタ受け部材44と、メンテナンスカバー当て部材45と、電装品当て部材46と、これらの部材を拘束する拘束バンド50とにより構成される。
【0047】
梱包天板41は、脱臭ユニット1の本体ケーシング10の天板11に接するように当てられる。
【0048】
梱包底当て部材42は、脱臭ユニット1の本体ケーシング10の底板12を支えており、脱臭ユニット1の重量に耐えられるように、主に本体ケーシング10の4辺に沿うような枠上部材となっている。
【0049】
フィルタ当て部材43は、本体ケーシング10の外側に梱包される光触媒フィルタ2が脱落しないように、光触媒フィルタ2を本体ケーシング10とともにその側面を囲っており、その上端が梱包天板41に押さえられ、その下端が梱包底当て部材42に押さえられる。
【0050】
フィルタ受け部材44は、光触媒フィルタ2が梱包底当て部材42の枠に掛止するように取り付けられ、光触媒フィルタ2の上端が梱包天板41に押さえられるように支える部材である。
【0051】
メンテナンスカバー当て部材45は、脱臭ユニット1の正面側パネル13を押さえて電装品ケーシング18を保護する部材であり、その上端が梱包天板41に押さえられ、その下端が梱包底当て部材42に押さえられる。
【0052】
電装品当て部材46は、電装品ケーシング18を保護する部材であり、電装品ケーシング18の側面に沿うように配置される。また、電装品当て部材46は、その上端が梱包天板41に押さえられ、その下端が梱包底当て部材42に押さえられる。
【0053】
(脱臭ユニットの梱包手順)
脱臭ユニット1を梱包する手順について図7のフローチャートに基づいて説明する。脱臭ユニットの梱包は、以下のステップS1からステップS3までの手順を行うことにより為される。
【0054】
ステップS1では、光触媒フィルタ2を、図8のように、透明フィルム60により全ての面が覆われるように包装される。これにより、光触媒フィルタ2を周囲雰囲気から遮断処理することが可能となる。
【0055】
ステップS2では、図6のように、梱包部材40を脱臭ユニット1とステップS1において透明フィルム60により包装された光触媒フィルタ2とを梱包する。なお、このときの脱臭ユニット1の内部には光触媒フィルタ2は、配置されていないことになる。
【0056】
ステップS3では、ステップS2において梱包部材40により梱包された脱臭ユニット1および光触媒フィルタ2を拘束バンド50により拘束する。これにより、光触媒フィルタ2が脱臭ユニット1の外部に配置される状態で梱包されることになる。
【0057】
(脱臭ユニットの現地設置方法)
上記の梱包手順により梱包された脱臭ユニット1の設置方法について図9のフローチャートに基づいて説明する。脱臭ユニット1の設置は、以下のステップS11からステップS14までの手順を行うことにより為される。
【0058】
ステップS11では、梱包された脱臭ユニット1を工場から現地に輸送する。
【0059】
ステップS12では、梱包された脱臭ユニット1の拘束バンド50を外して梱包を解く。
【0060】
ステップS13では、透明フィルム60に包装された光触媒フィルタ2の包装を解いて、本体ケーシング10に設置する。
【0061】
ステップS14では、光触媒フィルタ2が設置された脱臭ユニット1を現地の任意の場所に設置する。
【0062】
<特徴>
本実施形態の脱臭ユニット1の輸送用の梱包方法では、光触媒フィルタ2を、透明フィルム60によって包むことにより周囲雰囲気と遮断して、光触媒フィルタ2に臭気成分が付きにくい状態にして、脱臭ユニット1の外部に脱臭ユニット1とともに光触媒フィルタ2を梱包している。
【0063】
したがって、光触媒フィルタ2に外光が当たりやすい状態で、かつ、光触媒フィルタ2を周囲雰囲気と遮断することができ、脱臭ユニット1が長時間設置されずに光触媒フィルタ2が臭気を吸着した場合であっても、外光が光触媒に作用することより臭気を分解しやすい状態にできる。このため、脱臭ユニット1を長時間設置していない状態であっても、光触媒フィルタ2に臭気が極力吸着していない状態のまま、脱臭ユニット1を設置することができる。また、この場合に、透明フィルム60によって包装された光触媒フィルタ2は、脱臭ユニット1の外部に梱包されているため、透明フィルム60によって包装された状態の光触媒フィルタ2が脱臭ユニット1の内部に梱包されている場合と比べて、脱臭ユニット1設置時に、設置業者などが確実に透明フィルム60を光触媒フィルタ2から外して脱臭ユニット1、光触媒フィルタ2を装着することができる。このため、脱臭ユニット1を設置した後に、風量が出なくなったり、光触媒フィルタ2が機能しないような状態になったりすることを防ぐことができる。
【0064】
<変形例>
本実施形態では、フィルタ当て部材43の素材について特に言及していないが、フィルタ当て部材43は外光が透過可能な素材であれば好ましい。また、フィルタ当て部材43に、少なくとも1つ以上の穴を設けてその穴から外光が照射されるようにしても構わないし、フィルタ当て部材43と、脱臭ユニット1、梱包天板41、または梱包底当て部材42との間の隙間をできるだけ大きく設けて外光をより積極的に光触媒フィルタ2に照射されるようにしても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明によれば、寒冷地向け空気調和装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】第一実施形態に係る正面側から視た脱臭ユニットの本体ケーシングの外観斜視図。
【図2】脱臭ユニットの本体ケーシング内部の外観斜視図。
【図3】ストリーマ放電ユニットの分解斜視図。
【図4】脱臭ユニットの本体ケーシング内部の平面図および空気流路。
【図5】脱臭ユニットを梱包部材により梱包したものの斜視図。
【図6】脱臭ユニットを梱包部材により梱包する際の分解斜視図。
【図7】脱臭ユニットを梱包する手順のフローチャート。
【図8】透明フィルムに包装された光触媒フィルタの斜視図。
【図9】梱包手順により梱包された脱臭ユニット1の設置手順のフローチャート。
【符号の説明】
【0067】
1 脱臭ユニット
2 光触媒フィルタ(脱臭/集塵フィルタ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
臭い成分捕集機能があり、光触媒が含浸されたフィルタ(2)を内蔵する脱臭ユニットの輸送用の梱包方法であって、
前記フィルタを周囲雰囲気と遮断する第1ステップ(S1)と、
ユニット本体の内部セット位置ではなく、前記ユニット本体の外部に前記フィルタを位置させて前記ユニット本体とともに梱包する第2ステップ(S2)と、
を備える、
脱臭ユニットの輸送用の梱包方法。
【請求項2】
前記第1ステップでは、前記フィルタを、透明なフィルムによって包むことにより周囲雰囲気と遮断する、
請求項1に記載の脱臭ユニットの輸送用の梱包方法。
【請求項3】
前記第2ステップでは、前記第1ステップにより前記フィルムに包まれた前記フィルタと、前記本体ユニットとを梱包部材により梱包しており、
前記梱包部材により梱包された前記フィルタには外光が到達可能な状態となっている、
請求項2に記載の脱臭ユニットの輸送用の梱包方法。
【請求項4】
前記梱包部材は、少なくとも前記フィルタを梱包する部分が、外光が透過可能な素材で形成される、
請求項3に記載の脱臭ユニットの輸送用の梱包方法。
【請求項5】
前記梱包部材は、少なくとも前記フィルタを梱包する部分が、外光が透過可能な穴が開けられている、
請求項3または4に記載の脱臭ユニットの輸送用の梱包方法。
【請求項6】
前記梱包部材は、少なくとも前記フィルタを梱包する部分が、外光が透過可能な隙間を有する、
請求項3から5のいずれかに記載の脱臭ユニットの輸送用の梱包方法。
【請求項7】
臭い成分捕集機能があるフィルタを内蔵する脱臭ユニットの製造/現地設置方法であって、
前記フィルタを周囲雰囲気と遮断されるように包む第1ステップと、
前記フィルタをユニット本体の外部に出した状態で現地に輸送する第2ステップと、
現地で前記フィルタを包みから出して前記ユニット本体の内部の正規の位置にセットする第3ステップと、
を備える、
脱臭ユニットの製造/現地設置方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−137911(P2010−137911A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318993(P2008−318993)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】