説明

脱臭剤に使用されるプレバイオティク作用を有する物質

本発明は、皮膚に対して、特に腋窩領域中の皮膚に対してプレバイオテック作用を有する物質、特に植物抽出物、グリセリンモノアルキルエーテルおよび有機酸のエステルに関する。また、本発明は、上記物質を含有する局所的化粧品組成物および医薬組成物、ならびに、特に体臭と闘うための、上記物質および組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚、特に腋窩領域中の皮膚に対してプレバイオティク作用を有する物質、特に植物抽出物、これらの物質を含んでなる局所的化粧品および医薬品組成物、および、特に体臭と闘うためのこれらの物質および組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
体臭は、皮膚フローラ中の細菌による汗構成成分の分解の結果として生じる。このため、抗菌物質は、長い間、脱臭剤に使用されてきた。しかしながら、抗菌効果物質を非選択的に使用することは、臭気を生じさせない細菌が阻害または殺されるという欠点を有する。したがって、これらの細菌からもたらされる皮膚保護機能も、抗菌活性成分の非選択的使用を通じて破壊される。さらに、多くの抗菌活性成分は、体臭に対して有効性が乏しいことが知られている。このことから、使用する抗菌活性成分を通じて、臭気形成細菌は、阻害されないか、または十分に阻害されないこと、および使用する物質によって対処されない、体臭の形成に対して有効である、細菌共生における相互関係(例えば、これまで知られていない臭気生産タイプ)が存在し得ることが結論付けられ得る。
【0003】
したがって、体臭と闘うための、特に腋窩領域のための、特に今まで知られている組成物よりも体臭に対してより有効な、組成物を利用可能にする必要性が存在する。また、これらの組成物は、有利には、臭気形成微生物に対して選択的作用を有するべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
好適には、皮膚上において、皮膚フローラ中の所望されない微生物の成長および/または生理活性に比べて、皮膚フローラ中の所望の微生物の成長および/または生理活性を促進する組成物を提供することが、本発明の目的であった。また、このような物質は、「プレバイオティク物質」とも呼ばれる。
【0005】
特に、臭気中立微生物の成長および/または生理活性を促進し、および/または臭気形成および/または不愉快な臭気形成微生物の成長および/または生理活性を阻害し、これにより、特に腋窩領域にプレバイオティク効果をもたらし得る物質を発見することが本発明の目的であった。
【0006】
腋窩領域について、プレバイオティク作用を有する物質、特に、臭気形成および/または不愉快な臭気原因微生物の成長および/または生理活性を犠牲にして、臭気中立微生物の成長および/または生理活性を選択的に促進する物質は、これまで記載されてこなかった。
【0007】
物質のプレバイオティク効果の証明は、これまで腸に基本的に限定されていた。したがって、種々の刊行物は、所望の腸内細菌の成長を促進する物質の使用を記載している。また、AhnらによるMicrobial Ecology in Health and Disease(1990年)、第3号、第223〜229頁は、特に朝鮮人参抽出物の使用も記載する。
【0008】
皮膚に関しては、これまで好適には腐生細菌によって選択的に利用され得るオリゴ糖がプレバイオティク効果をもたらすことのみが報告されてきた(Solabiagroup(仏国)からのBioEcolia(登録商標)の宣伝用パンフレット)。これに関して、使用されたオリゴ糖は、スタヒロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)の成長ならびにコリネバクテリウム・キセロシス(Corynebacterium xerosis)の成長の両方に比べて、ミクロコッカス・キリスティナエ(Micrococcus kristinae)の成長を促進することが示された。
【0009】
さらに、欧州特許EP 1050300中には、ファルネソールおよびキシリトールの混合物は、スタヒロコッカス・アウレウスに対して選択的抗菌作用を有し、競合微生物スタヒロコッカス・エピデルミディス(S. epidermidis)をより良好に増加させ得ることから、プレバイオティク物質として使用され得ることが報告されている。
【0010】
抗菌および脱臭活性成分は、欧州特許EP 911019および日本国公開特許公報JP 9040516からの先行技術において既知の柑橘類果物の種子からの抽出物である。これらについてプレバイオティク効果は記載されていないけれども。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的を達成するための前提条件として、健康で強いおよび弱い臭気を有する被験体(特に男性)の間のマイクロフローラプロフィールの違いを確実にし、それにより、臭気の形成に関与する微生物を発見するために調査を行った。これに関して、強いおよび/または不愉快な体臭を有する被験体は、弱い体臭を有する被験体とは異なる細菌マイクロフローラ組成を有することが確認された。
本発明によれば、生体分子法の使用を通じて、典型的な強い体臭を有する人々の以下の特性を発見することができた。
a)スタヒロコッカス・エピデルミディスの低減した画分
b)スタヒロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)の増大した画分
c)アナエロコッカス・オクタビウス(Anaerococcus octavius)のわずかに増大した画分
d)特定のコリネバクテリウム種のわずかに低減した画分。
【0012】
ここで特に、2つのスタヒロコッカス種の間の比率は、特に重要であるように見える。体臭に対する該スタヒロコッカスの比の可能性のある意義は、これまで先行技術に記載されていなかった。体臭についてのアナエロコッカスの可能性のある意義も同様にほとんど記載されていなかった。その一方、先行技術は、どのようにコリネバクテリアおよびミクロコッカスが臭気形成に関与し得るかを既に記載している。
【0013】
本発明による結果に基づいて、今回、強い臭気を有する被験体のマイクロフローラプロフィールまたは不愉快な体臭を有する被験体被験体のマイクロフローラプロフィールを、特に、臭気中立微生物(特に臭気中立スタヒロコッカス、主としてスタヒロコッカス・エピデルミディス)の成長を選択的に促進すること、および同時に、臭気形成スタヒロコッカス(特にスタヒロコッカス・ホミニス)、および/またはグラム陽性アナエロコッカス(特にストレプトコッカス、主としてアナエロコッカス・オクタビウス)、および/または臭気形成コリネバクテリアおよび/または臭気形成ミクロコッカス(主としてミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus))の成長を防止することによって、弱い臭気を有する被験体のマイクロフローラプロフィールの方向に変化させる物質について探索を行った。このようなプレバイオティク物質についての最小限の要件は、臭気中立微生物に直接影響を与えずに臭気形成微生物を阻害すること、または臭気形成微生物に直接影響を与えずに臭気中立微生物を促進することであった。
【0014】
驚くべきことに、スタヒロコッカス・エピデルミディスの成長および/または生理活性を促進すること、および同時に、スタヒロコッカス・ホミニスの成長および/または生理活性を阻害すること、またはスタヒロコッカス・ホミニスの成長を少なくとも促進しないことによって、皮膚に対してプレバイオティク効果をもたらす物質が今回見出された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
好適な一実施態様において、植物抽出物は、以下のものである。
1.ブドウ(ビティス・ビチコラ(Vitis viticola))からの種子抽出物(Cosmetochem;水/プロピレングリコール抽出物)
2.白茶(カメリア・シネンシス(Camellia sinensis))からの葉抽出物(Cosmetochem;水/エタノール乾燥抽出物)
3.カルカーデ(Karkade)(ハイビスカス、スーダン茶、ハイビスカス・サブダリッファ(Hibiscus sabdariffa))からの抽出物(Cosmetochem;水/エタノール乾燥抽出物)
4.マロウ(マルバ・シルベストリス(Malva sylvestris))からの花抽出物(Cosmetochem;水/エタノール乾燥抽出物)
5.ワイン用ブドウ(ビティス・ビチコラ)からの抽出物(Cosmetochem;水/プロピレングリコール抽出物)
6.ニンジンおよびホホバ(ダウクス・カロタ(Daucus carota)およびシモンドシス・キネンシス(Simmondsia chinensis))の混合抽出物(Flavex、CO抽出物)
7.ミルラ(コンミフォラ・ミルラ(Commiphora myrrha))からの抽出物(Cosmetochem;水/プロピレングリコール抽出物)
8.マリゴールド(カレンデュラ・オフィシナリス(Calendula officinalis))からの抽出物(Cosmetochem;水/エタノール乾燥抽出物)。
【0016】
さらに好適な実施態様において、プレバイオティク効果を有する物質はグリセロールモノアルキルエーテルおよび/または有機酸のエステルである。
【0017】
したがって、本発明は、最初に、腋窩領域においてプレバイオティク作用を有する物質を同定するための方法であって、以下の工程:
a)強いまたは弱い臭気を有する被験体から比較試料を採取する工程と、
b)生体分子法による比較試料の組成の分析を通じて、弱い臭気を有する被験体に比べて強い臭気を有する被験体において、より多い程度またはより少ない程度で発生する微生物を同定する工程と、
c)工程(b)のより多い程度で発生する微生物の成長を阻害する物質、および/または工程(b)のより少ない程度で発生する微生物の成長を促進する物質について、物質ライブラリーを精査する工程
を含む、方法を提供する。
【0018】
したがって、本発明は、皮膚に対して、特に腋窩領域における皮膚に対してプレバイオティク作用を有する物質を同定するための方法であって、探索は、強い臭気を有する被験体のマイクロフローラプロフィールを弱い臭気を有する被験体のマイクロフローラプロフィールの方向に変化させる物質について行うか、および/または探索は、臭気中立微生物(特に臭気中立スタヒロコッカス、主としてスタヒロコッカス・エピデルミディス)の成長および/または生理活性を選択的に促進し、および/または同時に、臭気形成スタヒロコッカス(特にスタヒロコッカス・ホミニス)、および/またはグラム陽性アナエロコッカス(特にストレプトコッカス、主としてアナエロコッカス・オクタビウス)、および/または臭気形成コリネバクテリアおよび/または臭気形成ミクロコッカス(主としてミクロコッカス・ルテウス)の成長および/または生理活性を阻害する物質について行うことを特徴とする方法をさらに提供する。ここで物質についての探索は、例えば、物質ライブラリーをスクリーニングすることによって行うことができる。ここでプレバイオティク物質は、臭気中立微生物に直接影響を与えずに臭気形成微生物の成長および/または生理活性を少なくとも阻害するものであるか、または、それらは、臭気形成微生物に直接影響を与えずに臭気中立微生物の成長および/または生理活性を少なくとも促進する。特に好適な実施態様において、探索は、スタヒロコッカス・ホミニスの成長および/または生理活性を阻害し、および同時に、スタヒロコッカス・エピデルミディスの成長および/または生理活性に何ら影響を与えないか、またはそれを促進する微生物について行う。
【0019】
本発明によれば、グラム陽性アナエロコッカスは、好適にはペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)属の細菌である。属名ペプトストレプトコッカスには、同義のペプトニフィラス(Peptoniphilus)属、ガリコラ(Gallicola)属、スラッキア(Slackia)属、アナエロコッカス(Anaerococcus)属(アナエロコッカス・オクタビウスを含む)、ファインゴルディア(Finegoldia)属、ミクロモナス(Micromonas)属、アトポビウム(Atopobium)属およびルミノコッカス(Ruminococcus)属が含まれる。したがって、好適な実施態様において、本発明の物質が有効である、体臭の形成に関与するグラム陽性アナエロコッカスは、これらの属の細菌から選択される。
【0020】
本発明によれば、プレバイオティク作用は、所望されない、特に皮膚に都合が悪いおよび/または臭気を形成する皮膚微生物またはマイクロフローラの成長および/または生存能力に比べて、所望の、特に皮膚に都合のよいおよび/または臭気中立の皮膚微生物またはマイクロフローラの成長および/または生理活性が促進されることを意味すると理解される。これは、所望されない皮膚微生物の成長に直接影響を与えずに所望の皮膚微生物の成長を促進する活性成分によって、または所望の皮膚微生物の成長に直接影響を与えずに所望されない皮膚微生物の成長を阻害する活性成分によって達成することができる。しかしながら、特に好適なおよび特に驚くべき本発明の一実施態様において、活性成分は、所望の皮膚微生物の成長を促進し、および同時に、所望されない皮膚微生物の成長を阻害する。
【0021】
ここで、所望されない微生物は、特に皮膚に都合が悪いおよび/または病原性微生物および/または健康人における発生に比べて過度に高い微生物密度を有し、したがって、幾つかの場合、所望されないおよび/または病原性効果をもたらす微生物であり得る。しかしながら、所望されない微生物は、臭気形成微生物または不愉快な臭気をもたらす微生物でもあり得る。
【0022】
したがって、所望のマイクロフローラは、特に皮膚に都合がよいおよび/または非病原性微生物、特に常在皮膚フローラ、腐生微生物、あるいは、例えば、体臭の場合、臭気中立である微生物、すなわち、汗構成成分または他の物質から悪臭化合物を生産しない微生物であり得る。ここで特に、所望の微生物の成長を促進することによって、所望されない微生物は抑制されること、逆に、所望されない微生物の成長を阻害することによって、所望の微生物の成長は促進されることを考慮すべきである。これは、プレバイオティク効果が種々の方法でもたらされ得ることを意味する。
【0023】
(不愉快な)体臭、特に腋窩の臭気の場合、所望されない微生物は、必ずしも病原性微生物ではないが、該臭気形成微生物は、本来、同様に、それ自身、皮膚に都合がよい微生物であり得る。したがって、(不愉快な)体臭の場合、所望されない微生物は、体臭をもたらすものと定義される。これに関して、プレバイオティク物質は、臭気形成(不愉快な体臭をもたらす)微生物の成長を犠牲にして、臭気中立微生物の成長を促進するという事実に留意すべきである。
【0024】
本発明によれば、「臭気形成微生物」または「臭気微生物」は、原理上、体臭を有する人々において増大した程度で発生する微生物を意味すると理解される。これらは、好適にはそれ自身不愉快な臭気をもたらす物質を製造するか、または該物質の形成を促進するかのいずれかの微生物である。さらに、これらは、例えば、他の微生物によって不愉快な臭いがする物質に変換され得る物質を製造するか、または該物質の形成を促進することによって、このような物質の形成に直接的にのみ関与する微生物であり得る。本発明によれば、臭気形成微生物は、必ずしも、それ自身不愉快な臭気をもたらす必要はないが、別の方法において臭気形成の代謝に関与することができる。
【0025】
本発明は、所望の皮膚微生物の成長および/または生理活性を促進するための、プレバイオティク作用を有する物質、特に皮膚(特に腋窩領域中の皮膚)に対してプレバイオティク作用を有する物質、特に植物抽出物、グリセロールモノアルキルエーテルまたは有機酸のエステルの使用をさらに提供する。ここで所望の皮膚微生物は、好適には良性および/または非病原性および/または皮膚に都合のよいおよび/または腐生皮膚微生物であり、および/または、特に好適には、臭気中立微生物、特に臭気中立コアグラーゼ陰性スタヒロコッカス、特にスタヒロコッカス・エピデルミディスである。
【0026】
したがって、本発明は、さらに、所望されない皮膚微生物の成長および/または生理活性を阻害するための、プレバイオティク作用を有する物質、特に皮膚(特に腋窩領域中の皮膚)に対してプレバイオティク作用を有する物質、特に植物抽出物、グリセロールモノアルキルエーテルまたは有機酸のエステルの使用を提供する。ここで所望されない微生物は、好適には皮膚に不都合な微生物および/または病原性微生物であり、および/または、特に好適には、臭気形成微生物、特に臭気形成スタヒロコッカス、主としてスタヒロコッカス・ホミニス(S. hominis)、臭気形成グラム陽性アナエロコッカス、特にペプトストレプトコッカス、特にアナエロコッカス・オクタビウス、および/または臭気形成コリネバクテリアおよび/または臭気形成ミクロコッカス、特にミクロコッカス・ルテウスである。
【0027】
該使用は、特にいずれの場合も局所的皮膚処置用化粧品組成物において行うことができる。この組成物の組成は、本明細書において、さらに詳細に説明する。
【0028】
本発明によれば、用語「皮膚」は、好適には皮膚自身、特にヒト皮膚であり、さらに、粘膜、およびそれらが生存細胞を含有する場合、皮膚付属器、特に毛包、毛根、毛球、爪床の腹部上皮(Lectulus)、および脂腺および汗腺である。好適な一実施態様において、皮膚は、本発明にしたがって、腋窩領域(腋の下の領域)中の皮膚を意味すると理解される。
【0029】
好適には、本発明の皮膚に対してプレバイオティク作用を有する物質は、強いおよび/または不愉快な体臭を有する人々において生じるマイクロフローラプロフィールを、体臭を有しない人々に生じるマイクロフローラプロフィールに変えるのに適当であるか、またはこのようなマイクロフローラプロフィールを元に戻すことができるか、および/または安定化することができる。
【0030】
したがって、本発明は、さらに、好適には臭気中立スタヒロコッカス(特にスタヒロコッカス・エピデルミディス)の成長を促進すること、および/または臭気形成スタヒロコッカス(特にスタヒロコッカス・ホミニス)の成長を阻害すること、および/またはグラム陽性アナエロコッカス(特にアナエロコッカス・オクタビウス)の成長を阻害すること、および/または臭気形成コリネバクテリアおよび/または臭気形成ミクロコッカス(特にミクロコッカス・ルテウス)の成長を阻害することによって、腋窩領域において臭気阻害作用を有するプレバイオティク物質を提供する。
【0031】
本発明に特に好適な一実施態様において、プレバイオティク作用を有する物質は、臭気中立コアグラーゼ陰性スタヒロコッカス、特にスタヒロコッカス・エピデルミディスの成長を促進し、および同時に、臭気形成スタヒロコッカス、特にスタヒロコッカス・ホミニスの成長に対して阻害効果を示すか、または直接的な効果を示さない、植物抽出物、グリセロールモノアルキルエーテルまたは有機酸のエステルである。
【0032】
本発明に特に好適なさらなる実施態様において、プレバイオティク作用を有する物質は、臭気形成スタヒロコッカス、特にスタヒロコッカス・ホミニスの成長に対して阻害効果を有し、および同時に、臭気中立スタヒロコッカス、特にスタヒロコッカス・エピデルミディスの成長に対して促進効果を示すか、または直接的な効果を示さない、植物抽出物、グリセロールモノアルキルエーテルまたは有機酸のエステルである。
【0033】
本発明は、さらに、主として脱臭剤および/または制汗剤における使用を通じての、体臭、特に腋窩領域における体臭を処置するための、局所的皮膚処置用化粧品組成物における、プレバイオティク作用を有する物質、特に皮膚に対してプレバイオティク作用を有する物質の使用を提供する。
本発明は、さらに、傷ついた、乾燥した、または脂ぎった皮膚を処置するための、および皮膚真菌またはフケを処置するための、局所的皮膚処置用化粧品組成物における、プレバイオティク作用を有する物質、特に皮膚に対してプレバイオティク作用を有する物質の使用を提供する。
本明細書において、処置は、いずれの場合も、再発防止的にまたは予防的に行うこともできる。
【0034】
本発明は、さらに、皮膚に対してプレバイオティク作用を有する物質、特に皮膚に対してプレバイオティク作用を有する植物抽出物、皮膚に対してプレバイオティク作用を有するグリセロールモノアルキルエーテル、皮膚に対してプレバイオティク作用を有する有機酸のエステル、またはそれらの混合物を含んでなる化粧品または医薬組成物を提供する。ここで、該化粧品または医薬組成物は、好適には局所的皮膚処置用組成物、特に脱臭剤および/または制汗剤である。
【0035】
プレバイオティク作用を有する物質は、組成物中に、組成物の総重量に基づいて、好適には0.01〜20重量%、特に好適には0.05〜10重量%、特に0.1〜5重量%、特に0.1〜1.5重量%または0.5〜2重量%の量で存在し得る。
【0036】
本発明のプレバイオティク作用を有する植物抽出物は、好適には、茶抽出物、特にツバキ(Theaceae)科またはアオイ(Malvaceae)科からの茶抽出物、ブドウ科(Vitaceae)からの、セリ(Apiaceae)科からの、ツゲ(Buxaceae)科からの抽出物またはキク(Asteraceae)科からの抽出物、あるいはそれらの混合物である。特に好適には、ブドウ科からの抽出物が挙げられる。
【0037】
ツバキ科からの抽出物は、好適にはカメリア種からの抽出物、特に白茶(カメリア・シネンシス)からの抽出物である。好適な一実施態様において、それは、例えば、Cosmetochemから得られるような、葉からの抽出物である。
【0038】
アオイ科からの抽出物は、好適にはハイビスカス種からの抽出物、特にスーダン茶(カルカーデ、ハイビスカス、ハイビスカス・サブダリッファ)からの抽出物またはマルバ種からの抽出物、特にマロウ(マルバ・シルベストリス)からの抽出物、特にマロウ花からの抽出物である。
【0039】
ブドウ科からの抽出物は、好適にはビティス種からの抽出物、特にブドウ(ビティス・ビチコラ)からの抽出物である。ここでブドウの種からの抽出物が特に好適である。
【0040】
セリ科からの抽出物は、好適にはダウクス種からの抽出物、特にニンジン(ダウクス・カロタ)、またはコンミフォラ種からの抽出物、特にミルラ(Commiphora myrrh)からの抽出物である。好適な一実施態様において、これは、例えば、CosmetochemまたはRahnから得られるような、根からの抽出物である。
【0041】
ツゲ科からの抽出物は、好適にはシモンドシス種からの抽出物、特にホホバ(シモンドシス・キネンシス)からの抽出物である。
【0042】
キク科からの抽出物は、好適にはカレンデュラ種からの抽出物、特にマリゴールド(カレンデュラ・オフィシナリス(Calendula officinalis))からの抽出物である。
【0043】
上記植物抽出物は、例えば、Cosmetochem社(独国)またはRahn社(独国)から、入手可能である。
【0044】
プレバイオティク作用を有する植物抽出物は、原理上、任意の所望の植物組織および任意の所望の抽出剤を使用して、当業者に既知の任意の方法で製造することができる。まず、植物抽出物は、例えば、植物全体の抽出、花、葉、種子、根からの抽出および/または植物の分裂組織からの抽出によって、得ることができる。
【0045】
上記植物抽出物を製造するために使用する抽出剤は、例えば、水、アルコール、およびそれらの混合物であり得る。適当なアルコールは、単独抽出剤としての、または水との混合物の状態のどちらかの、例えば、低級アルコール、例えば、エタノールおよびイソプロパノール、並びに特に多価アルコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびブチレングリコールである。したがって、例えば、比1:10〜10:1の水/プロピレングリコールに基づく植物抽出物は、特に適当であることが分かった。抽出は、例えば、蒸気蒸留の形態で行うことができる。また、場合によっては、乾燥抽出も行うことができる。
【0046】
抽出に続いて、抽出物は、特に生成物中により良く組み込まれ得るように、支持体に付与することもできる。本発明に適当な支持体は、例えば、マルトデキストリンおよびタルクである。好適な本発明の一実施態様において、抽出物の選択は、抽出物が使用される調製物によって支配される。例えば、水性およびアルコール性抽出物、特に水/プロピレングリコール抽出物は、好適には水性またはアルコール性調製物または石鹸含有スティックに使用され、油溶性抽出物は、好適には油含有調製物、特に制汗剤スティックまたは制汗剤エアロゾルに使用される。マルトデキストリン支持体上の抽出物は、親水性または疎水性生成物中のどちらかで使用することができ、タルク支持体上の抽出物は、好適には疎水性生成物中に使用される。
【0047】
したがって、また、本発明は、特に、支持体上、特にタルク支持体上またはマルトデキストリン支持体上の、本発明のプレバイオティク作用を有する植物抽出物、特に上記したものの少なくとも1つを含んでなる化粧品または医薬組成物を提供する。この使用は、特に本発明に有利であることが分かった。
【0048】
ツバキ科、アオイ科およびキク科からの抽出物は、好適にはマルトデキストリン支持体上またはタルク支持体上の、水/プロピレングリコール抽出物または水/エタノール乾燥抽出物または水/エタノール抽出物であり、ブドウ科からの抽出物は、好適には水/プロピレングリコール抽出物であり、セリ科からの抽出物は、好適にはCO抽出物または水/プロピレングリコール抽出物であり、およびツゲ科からの抽出物は、好適にはCO抽出物である。
【0049】
皮膚に対してプレバイオティク作用を有する植物抽出物は、純粋な形態または希釈形態のいずれかで本発明に使用することができる。それらを希釈形態で使用する場合、それらは、通常、約2〜80重量%の活性物質と、溶媒として、それらの単離に使用した抽出剤または抽出剤混合物を含んでなる。抽出剤の選択に応じて、溶解性促進剤を添加することにより植物抽出物を安定化することが好適であり得る。適当な溶解性促進剤は、例えば、必要に応じて水素化された植物油および動物油のエトキシル化生成物である。好適な溶解性促進剤は、エトキシル化された、4〜50個のエチレンオキシド単位を有するC8〜22脂肪酸のモノ-、ジ-およびトリグリセリドであり、例えば、水素化エトキシル化ヒマシ油、オリーブ油エトキシレート、扁桃油エトキシレート、ミンク油エトキシレート、ポリオキシエチレングリコールカプリル/カプリングリセリド、ポリオキシエチレングリセロールモノラウレートおよびポリオキシエチレングリコールココナッツ脂肪酸グリセリドである。
【0050】
プレバイオティク作用を有するグリセロールモノアルキルエーテルは、好適には1-アルキルグリセロールエーテルである。ここで、アルキル基は、好適には(C〜C14)-、特に(C〜C12)-、特に(C〜C10)-アルキル基であり、該アルキル基は、直鎖状または分枝状のいずれかであり得る。特に好適な一実施態様において、アルキル基は、分枝状オクチル基および/またはアルキルヘキシル基、特にエチルヘキシル基、特に2-エチルヘキシル基である。1-(2-エチルヘキシル)グリセロールエーテルは、例えば、商品名Sensiva(登録商標) SC 50 (Schuelke & Mayr、独国)のもと入手できる。
【0051】
プレバイオティク作用を有する有機酸のエステルは、好適には(C10〜C18)-カルボン酸と(C〜C10)-アルコールとのエステルであり、該カルボン酸基または該アルコール基のどちらかは、直鎖状または分枝状および飽和または不飽和であり得、およびカルボン酸基およびアルコール基のアルキル基は、互いに独立して、特に(C〜C)-アルキルおよびヒドロキシから選択される1以上の置換基を有し得る。カルボン酸は、特に好適には(C12〜C16)-カルボン酸、特にC14-カルボン酸、特にミリスチン酸である。アルコールは、特に好適には(C〜C)-アルカノール、特にメタノール、エタノール、プロパノール、特に1-プロパノール、2-プロパノールまたはイソプロパノール、ブタノール、特に1-ブタノール、2-ブタノールまたはtert-ブタノール、ペンタノール、特に1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-2-ブタノールまたは3-メチル-2-ブタノールである。特に好適な実施態様において、プレバイオティク作用を有するエステルは、ミリスチン酸イソプロピルまたはミリスチン酸エチルである。
【0052】
本発明の化粧品または医薬組成物は、任意の所望の付与形態、例えば、固体または液体石鹸、ローション、スプレー、クリーム、ゲル、エマルジョン、洗浄液体または洗浄ミルク、脱臭剤、制汗剤、軟膏、ヘアトリートメントまたはシャンプーであり得るか、また、それは、上記または他の付与形態のいずれか、例えば、膏薬、特にゲル貯蔵膏薬またはマトリックス膏薬の形態で存在することもできる。
【0053】
特に好適な本発明の一実施態様において、化粧品または医薬組成物は、脱臭剤および/または制汗剤である。ここで脱臭剤および/または制汗剤は、好適には、粉末形態、スティック形態、合成洗剤の形態、洗浄ローション、エアロゾルスプレー、ポンプスプレー、液体またはゲル様ロールオン付与剤、クリーム、フォーム、液体または固体石鹸、ゲルまたは含浸柔軟性基材の形態である。
【0054】
したがって、使用できるアプリケーターは、付与形態に応じて、例えば、スティックホルダー、ロールオン、ポンプ、チューブ、小さなポット、ディスペンサー、ワイプ、エアロゾル缶または瓶である。
【0055】
適当な付与部位は、身体の任意の領域の皮膚、特に顔の皮膚、頭皮、足および手の皮膚である。特に好適な一実施態様において、付与部位は、腋窩領域中の皮膚である。
【0056】
また、本発明の化粧品または医薬組成物は、上記で特定したもの以外の構成成分も含んでなり得る。好適な一実施態様において、それは、以下に列挙した少なくとも1つの物質を含んでなる。また、それは、以下に列挙した構成成分の任意の所望の組合せも含んでなり得る。
【0057】
特に、本発明に特に有利であると判明した化粧品または医薬組成物は、本発明の皮膚に対してプレバイオティク作用を有する少なくとも1つの植物抽出物と、皮膚に対してプレバイオティク作用を有する少なくとも1つのグリセロールモノアルキルエーテルとの混合物を含んでなるものである。
【0058】
さらに、本発明に特に有利であると判明した化粧品または医薬組成物は、本発明の皮膚に対してプレバイオティク作用を有する少なくとも1つの物質と、少なくとも1つの脱臭剤活性成分(特に抗微生物作用を有する物質)との混合物を含んでなるものである。
【0059】
プレバイオティク作用を有する物質と脱臭剤活性成分との併用の場合、有利には、細菌数が全体として低減するが、所望されない細菌は所望の細菌よりも大きい程度で取り除かれるという相乗効果が生じる。この相乗効果のため、所望の細菌は、その後、場合によってはより大きい程度で、純粋なプレバイオティク効果が存在する場合よりも、皮膚上に広がることができる。
【0060】
本発明の一実施態様において、本発明のプレバイオティク作用を有する少なくとも1つの植物抽出物に加えて、該組成物は、少なくとも1つのさらなる植物抽出物を含んでなる。このさらなる植物抽出物は、例えば、植物全体の抽出によって、あるいは専ら花および/または葉および/または種子および/または他の植物部分からの抽出によって、製造することができる。本発明によれば、分裂組織(すなわち、分裂可能な植物の形成組織)からの抽出物、および特定の植物、例えば、緑茶、マンサク、カモミール、パンジー、ボタン、アロエ、トチノキ、セージ、ヤナギの樹皮、肉桂、キク、オークの樹皮、イラクサ、ホップ、ゴボウ、トクサ、サンザシ、シナノキの花、アーモンド、モミの針状葉、ビャクダン、ビャクシン、ココナッツ、キウイ、グアヴァ、ライム、マンゴー、アプリコット、小麦、メロン、オレンジ、グレープフルーツ、アボカド、ローズマリー、カバノキ、ブナノキの芽、ハナタネツケバナ、ノコギリソウ、イブキジャコウソウ、タイム、メリッサ、ハリモクシュク、ウスベニタチアオイ(ビロードアオイ)、スミレ、クロフサスグリの葉、カントウ、キジムシロ、朝鮮人参、根生姜およびサツマイモからの抽出物がさらなる植物抽出物として好適である。また、藻抽出物も有利に使用することができる。本発明に使用される藻抽出物は、緑藻類、褐藻類、紅藻類または藍藻類(シアノ細菌)に由来する。抽出に使用される藻は、天然起源であるか、または生物工学的方法によって得られたもの、所望の場合、天然型と比較した変異体であり得る。生物体の変異は、遺伝子工学によって、選択栄養物で富化した培地中で成長または培養することによって行うことができる。好適な藻抽出物は、海藻、藍藻類、緑藻類イモセミル(Codium tomentosum)、および褐藻類フーカス・ベシクローサス(Fucus vesiculosus)に由来する。特に好適な藻抽出物は、マグネシウム富化培地中で培養したスピルリナ(Spirulina)種の藍藻類に由来する。
【0061】
さらなる植物抽出物としては、特に好適には、スピルリナ、緑茶、アロエ、分裂組織、マンサク、アプリコット、グアヴァ、サツマイモ、ライム、マンゴー、キウイ、キュウリ、マロウ、ウスベニタチアオイおよびスミレからの抽出物が挙げられる。また、さらなる植物抽出物としては、本発明の組成物は、2以上(特に2つの)異なる植物抽出物の混合物を含んでなり得る。
【0062】
プレバイオティク作用を有する植物抽出物の製造に関して、使用され得る特定のさらなる植物抽出物を製造するための抽出剤は、例えば、水、アルコール、およびそれらの混合物である。アルコールのなかでも、好適には、単独抽出剤としての、または水との混合物の状態のどちらかの、低級アルコール、例えば、エタノールおよびイソプロパノール、並びに特に多価アルコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびブチレングリコールが挙げられる。例えば、比1:10〜10:1の水/プロピレングリコールに基づく植物抽出物は、特に適当であることが分かった。本発明によれば、蒸気蒸留は、好適な抽出方法に相当する。しかしながら、場合によっては、抽出は、乾燥抽出の形態で行うこともできる。
【0063】
本発明によれば、植物抽出物は、純粋な形態または希釈形態のどちらかで使用することができる。それらを希釈形態で使用する場合、それらは、通常、約2〜80重量%の活性物質および、溶媒として、それらの単離に使用した抽出剤または抽出剤混合物を含んでなる。抽出剤の選択に応じて、溶解性促進剤を添加することにより植物抽出物を安定化することも好適であり得る。適当な溶解性促進剤は、例えば、必要に応じて水素化された植物油および動物油のエトキシル化生成物である。好適な溶解性促進剤は、4〜50個のエチレンオキシド単位を有するC8〜22-脂肪酸のエトキシル化モノ-、ジ-およびトリグリセリド、例えば、水素化エトキシル化ヒマシ油、オリーブ油エトキシレート、扁桃油エトキシレート、ミンク油エトキシレート、ポリオキシエチレングリコールカプリル/カプリングリセリド、ポリオキシエチレングリセロールモノラウレートおよびポリオキシエチレングリコールココナッツ脂肪酸グリセリドである。
【0064】
さらに、本発明の組成物において、プレバイオティク作用を有する植物抽出物に加えて、2以上(特に2つ)の異なる植物抽出物の混合物を使用することも好適であり得る。
【0065】
また、本発明に使用し得る植物抽出物に関しては、the Industrieverband Koerperpflege- und Waschmittel e.V.(IKW)(フランクフルト)によって発行された「Introduction to the Components declaration of Cosmetic Compositions」第3版第44頁の表に列挙された抽出物に対して参照がなされ得る。
【0066】
また、本発明のプレバイオティク作用を有する物質を含んでなる本発明に好適な化粧品または医薬組成物および特に脱臭剤または制汗剤組成物は、脂肪物質を含んでなり得る。脂肪物質は、脂肪酸、脂肪アルコール、天然および合成化粧品油成分、および天然および合成ワックスを意味すると理解される。これらは、固体形態で、あるいは水性または油性分散体中の液体として、存在し得る。
【0067】
使用され得る脂肪酸は、直鎖状および/または分枝状、飽和および/または不飽和C8〜30-脂肪酸である。好適には、C10〜22-脂肪酸が挙げられる。その例は、カプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキドン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸およびエルカ酸、ならびにそれらの工業銘柄混合物である。ステアリン酸を使用することが特に好適である。使用される脂肪酸は、1以上のヒドロキシ基を有し得る。その好適な例は、α-ヒドロキシ-C〜C18-カルボン酸、および12-ヒドロキシステアリン酸である。ここで使用量は、いずれの場合も組成物全体に基づいて、0.1〜15重量%、好適には0.5〜10重量%、特に好適には1〜5重量%である。
【0068】
使用され得る脂肪アルコールは、6〜30個、好適には10〜22個および非常に特に好適には12〜22個の炭素原子を有する、飽和、モノ-またはポリ不飽和、分枝状または非分枝状脂肪アルコールである。例えば、デカノール、オクタノール、オクテノール、ドデセノール、デセノール、オクタジエノール、ドデカジエノール、デカジエノール、オレイルアルコール、エルカアルコール、リシノールアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキジルアルコール、カプリルアルコール、カプリンアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコールおよびベヘニルアルコール、およびそれらのゲルベアルコールを本発明の目的に使用することができる。
【0069】
ワックスは、しばしばスティック処方物に使用される。本発明に使用することができる天然または合成ワックスは、固体パラフィンまたはイソパラフィン、植物ワックス、例えば、カンデリラワックス、カルナバワックス、アフリカハネガヤワックス、木蝋、コルクワックス、サトウキビワックス、オウリキュリー(ouricury)ワックス、モンタンワックス、ヒマワリワックス、果物ワックスおよび動物ワックス、例えば、蜜蝋および他の虫ワックス、鯨蝋、セラックワックス、羊毛ワックスおよび尾羽脂、ならびに鉱物ワックス、例えば、セレシンおよびオゾケライトなど、または石油化学ワックス、例えば、ペトロラタム、パラフィンワックス、ポリエチレンまたはポリプロピレンの微結晶ワックスおよびポリエチレングリコールワックスなどである。水素化ワックスを使用することが有利であり得る。さらに、化学的変性ワックス、特に硬ワックス、例えばモンタンエステルワックス、サゾール(sasol)ワックスおよび水素化ジョジョバワックスも使用することができる。
【0070】
また、適当なものは、個々のワックス成分またはそれらの混合物が室温で固体である場合、飽和および必要に応じてヒドロキシル化されたC16〜30-脂肪酸のモノ、ジ-およびトリグリセリド、例えば、水素化トリグリセリド脂肪(水素化ヤシ油、水素化ココナッツ油、水素化ヒマシ油)、グリセリルモノステアレート(Cutina(登録商標) MD)、グリセリルトリベヘネートまたはグリセリルトリ-12-ヒドロキシステアレートなど、ならびに、脂肪酸とグリコール(例えば、Syncrowachs(登録商標))または2〜6個の炭素原子を有するポリオールとの完全合成エステル、C12〜22-アシル基およびC2〜4-アルカノール基を有する脂肪酸モノアルカノールアミド、例えば、合成脂肪酸-脂肪アルコールエステル、1〜80個の炭素原子の鎖長の飽和および/または不飽和、分枝状および/または非分枝状アルカンカルボン酸と1〜80個の炭素原子の鎖長の飽和および/または不飽和、分枝状および/または非分枝状アルコールとのエステル(例えば、ステアリルステアレートまたはセチルパルミテートを含む)、芳香族カルボン酸、ジカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸(例えば、12-ヒドロキシステアリン酸)と1〜80個の炭素原子の鎖長の飽和および/または不飽和、分枝状および/または非分枝状アルコールとのエステル、長鎖ヒドロキシカルボン酸のラクチド、および脂肪アルコールとジ-およびトリカルボン酸との完全エステル、例えば、コハク酸ジセチルまたはアジピン酸ジセチル/ステアリル、およびこれらの物質の混合物である。
【0071】
ワックス成分またはワックス成分全体が室温で固体である場合、ワックス成分を、14〜44個の炭素原子の鎖長の飽和非分枝状アルカンカルボン酸と14〜44個の炭素原子の鎖長の飽和非分枝状アルコールとのエステルの群から選択することが特に好適である。ワックス成分は、特に有利には、C16〜36-アルキルステアレート、C10〜40-アルキルステアレート、C2〜40-アルキルイソステアレート、ダイマー酸のC20〜40-ジアルキルエステル、C18〜38-アルキルヒドロキシステアロイルステアレート、C20〜40-アルキルエルケートの群から選択することができる。さらに、C30〜50-アルキル蜜蝋およびセテアリルベヘネートを使用することができる。場合によっては、シリコーンワックス、例えば、ステアリルトリメチルシラン/ステアリルアルコールも有利である。特に好適なワックス成分は、飽和一価C20〜C60-アルコールと飽和C〜C30-モノカルボン酸とのエステルであり、特に好適にはKoster Keunen Inc.からKesterwachs(登録商標) K82Hの名称で入手できるC20〜C40-アルキルステアレートである。ワックスまたはワックス成分は、35〜95℃の範囲(45〜85℃の範囲が好適である)で融解するが、25℃では固体であるべきである。
【0072】
天然の化学的変性および合成ワックスは、それら自身で、または組み合わせて使用することができる。
ワックス成分は、組成物全体に基づいて、0.1〜40重量%、好適には1〜30重量%および特には5〜15重量%の量で存在する。
【0073】
また、本発明の組成物は、天然または合成品であり得る少なくとも1つの非極性または極性液体油を含んでなり得る。極性油成分は、植物油から、例えば、ヒマワリ油、オリーブ油、大豆油、菜種油、扁桃油、ホホバ油およびココナッツ油の液体画分、および合成トリグリセリド油から、エステル油から、すなわち、C6〜30-脂肪酸とC2〜30-脂肪アルコールとのエステルから、ジカルボン酸エステルから、例えば、アジピン酸ジ-n-ブチル、アジピン酸ジ(2-エチルヘキシル)およびコハク酸ジ(2-エチルヘキシル)から、およびジオールエステルから、例えば、エチレングリコールジオレエートおよびプロピレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)から、例えば、独国特許公開DE-A 197 56 454中に記載された、炭酸と脂肪アルコールとの対称、非対称または環式エステルから、炭酸グリセロールまたはジカプリリルカーボネート(Cetiol(登録商標) CC)から、飽和および/または不飽和直鎖状および/または分枝状脂肪酸とグリセロールとのモノ、ジおよびトリ脂肪酸エステルから、分枝状アルカノールから、例えば、2位の炭素原子上で一つ分枝したゲルベアルコールから、例えば、2-ヘキシルデカノール、2-オクチルドデカノール、イソトリデカノールおよびイソヘキサデカノールから、アルカンジオールから、例えば、12〜24個の炭素原子を有するエポキシアルカンから水による開環により得られ得るビシナルジオールから、エーテルアルコールから、例えば、グリセロールの、エチレングリコールの、1,2-プロピレングリコールの、または1,2-ブタンジオールのモノアルキルエーテルから、いずれの場合も12〜24個の炭素原子を有するジアルキルエーテルから、例えば、いずれの場合も合計12〜24個の炭素原子を有するアルキルメチルエーテルまたはジ-n-アルキルエーテルから、特にジ-n-オクチルエーテル(Cetiol(登録商標)OE ex Cognis)から、および一価または多価C3〜20-アルカノール(例えば、ブタノールおよびグリセロール)上へのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物から、例えば、PPG-3ミリスチルエーテル(Witconol(登録商標) APM)、PPG-14ブチルエーテル(Ucon Fluid(登録商標) AP)、PPG-15ステアリルエーテル(Arlamol(登録商標) E)、PPG-9ブチルエーテル(Breox(登録商標) B25)およびPPG-10ブタンジオール(Macol(登録商標) 57)から選択することができる。非極性油成分は、液体パラフィン油、イソパラフィン油、例えば、イソヘキサデカンおよびイソエイコサンから、水素化ポリアルケンから、特にポリ-1-デセン(Nexbase 2004、2006または2008 FG(Fortum、ベルギー国)として市販)から、合成炭化水素から、例えば、1,3-ジ(2-エチルヘキシル)シクロヘキサン(Cetiol(登録商標) S)から、および環式であり得る揮発性および不揮発性シリコーン油(例えば、デカメチルシクロペンタシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキサシロキサンなど)から、または直鎖状であり得る揮発性および不揮発性シリコーン油(例えば、Dow Corning(登録商標) 190、200、244、245、344または345およびBaysilon(登録商標) 350 Mの名称のもと、市販されている直鎖状ジメチルポリシロキサン)から選択することができる。
【0074】
また、本発明の組成物は、少なくとも1つの水溶性アルコールも含んでなり得る。本発明によれば、水溶性は、少なくとも5重量%のアルコールが20℃にて溶解し、透明溶液を与えるか、あるいは、長鎖アルコールまたはアルコールポリマーの場合、50℃〜60℃に溶液を加熱することにより溶液をもたらし得ることを意味すると理解される。付与形態に応じて、一価アルコール(例えば、エタノール、プロパノールまたはイソプロパノールなど)が適当である。水溶性ポリオールも適当である。これらとしては、水溶性ジオール、トリオールおよびより高い価数のアルコール、およびポリエチレングリコールが挙げられる。ジオールのなかでも、C〜C12-ジオールが適当であり、特に1,2-プロピレングリコール、ブチレングリコール(例えば、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールおよび1,4-ブチレングリコールなど)、ヘキサンジオール(例えば、1,6-ヘキサンジオールなど)が挙げられる。また、好適には適当なものはグリセロールであり、特にジグリセロールおよびトリグリセロール、1,2,6-ヘキサントリオール、およびジプロピレングリコールおよびポリエチレングリコール(PEG)、PEG-400、PEG-600、PEG-1000、PEG-1550、PEG-3000およびPEG-4000が挙げられる。
【0075】
本発明の組成物中のアルコールまたはアルコール混合物の量は、組成物全体に基づいて、1〜50重量%または1〜70重量%および好適には5〜40重量%または5〜55重量%である。本発明によれば、1つのアルコールまたは2以上のアルコールの混合物のどちらかを使用することができる。
【0076】
本発明の組成物は、本質的に無水であり得る。すなわち、多くても5重量%、好適には多くても1重量%の水を含んでなり得る。含水付与形態において、含水量は、組成物全体に基づいて、5〜98重量%、好適には10〜90重量%および特に好適には15〜85重量%である。
【0077】
また、本発明の組成物は、少なくとも1つの親水的変性シリコーンを含んでなり得る。。それらは、高度に透明な組成物の処方物を可能にし、粘性を低減させ、および皮膚に対して新鮮な感覚を残す。本発明によれば、親水的変性シリコーンは、該シリコーンの水溶性をもたらす親水性構成成分を有するポリオルガノシロキサンを意味すると理解される。本発明によれば、水溶性は、少なくとも2重量%の親水性基で変性したシリコーンが20℃の水に溶解することを意味すると理解される。対応する親水性置換基は、例えば、ヒドロキシ、ポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール測鎖、およびエトキシル化エステル測鎖である。本発明に好適な適当なものは、親水的変性シリコーンコポリマー、特にジメチコンコポリオールである。これらは、例えば、Belsil(登録商標) DMC 6031、Belsil(登録商標) DMC 6032、Belsil(登録商標) DMC 6038またはBelsil(登録商標) DMC 3071 VPの名称のもとWacker-Chemieから、またはDC 2501の名称のもとDow Corningから市販されている。特に好適な適当なことは、Belsil(登録商標) DMC 6038を使用することある。なぜなら、それらは、消費者によってより高く受け入れられる高度に透明な組成物の処方物を可能にするからである。また、使用される親水性シリコーン誘導体は、Degussa/GoldschmidtからのABIL EM97であり得る。本発明によれば、特定されたシリコーンの任意の混合物も使用することができる。
【0078】
本発明の組成物中の親水的変性シリコーンまたはアルコール混合物の量は、組成物の総重量に基づいて0.5〜10重量%、好適には1〜8重量%、特に好適には2〜6重量%である。
【0079】
また、本発明の組成物は、乳化剤および/または界面活性剤を含んでなり得る。特に好適な一実施態様において、これらは、16〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状脂肪アルコールへの、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸への、脂肪酸アルカノールアミドへの、脂肪酸モノグリセリドへの、ソルビタン脂肪酸モノエステルへの、脂肪酸アルカノールアミドへの、脂肪酸グリセリドへの、例えば、水素化ヒマシ油への、メチルグリコシドモノ脂肪酸エステルへの10〜40モルのエチレンオキシドの付加生成物およびそれらの混合物である。しかしながら、原理上、任意の他の乳化剤および/または界面活性剤を使用することができる。
【0080】
この意味で本発明に使用し得る乳化剤は、例えば、
・直鎖状または分枝状C〜C22脂肪アルコールへの、C12〜C22脂肪酸への、およびC〜C15アルキルフェノールへの、4〜30モルのエチレンオキシドおよび/または0〜5モルのプロピレンオキシドの付加生成物;
・C〜Cポリオール(特にグリセロール)への1〜30モルのエチレンオキシドの付加生成物のC12〜C22脂肪酸モノ-およびジエステル;
・メチルグルコシド脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミドおよび脂肪酸グルカミドへのエチレンオキシドおよびポリグリセロール付加生成物;
・C〜C22アルキルモノ-およびオリゴグリコシドおよびそれらのエトキシル化相似体(ここで、1.1〜5、特に1.2〜2.0のオリゴマー化度、および糖成分としてグルコースが好適である);
・アルキル(オリゴ)グルコシドと脂肪アルコールの混合物、例えば、市販品Montanov(登録商標) 68;
・ヒマシ油および水添ヒマシ油への5〜60モルのエチレンオキシドの付加生成物;
・3〜6個の炭素原子を有するポリオールとC〜C22飽和脂肪酸の部分エステル;
・ステロール。ステロールは、ステロイド骨格の第3炭素原子上にヒドロキシル基を有し、動物組織(ゾーステロール)および植物脂肪(フィトステロール)の両方から単離されるステロイドの群を意味すると理解される。ゾーステロールの例は、コレステロールおよびラノステロールである。適当なフィトステロールの例は、β-シトステロール、スチグマステロール、カンペステロールおよびエルゴステロールである。また、ステロールは、真菌および酵母から単離される(いわゆる菌類ステロール)。;
・リン脂質、主としてグルコース-リン脂質、これらは、例えば、卵黄または植物種子(例えば、大豆)由来の、例えばレシチンまたはホスファチジルコリンとして得られる。;
・糖および糖アルコール(例えばソルビトール)の脂肪酸エステル;
・ポリグリセロールおよびポリグリセロール誘導体、好適には、ポリグリセリル-2-ジポリヒドロキシステアレート(市販品Dehymuls(登録商標) PGPH)およびポリグリセリル-3-ジイソステアレート(市販品Lameform(登録商標) TGI);
・直鎖状および分枝状C〜C30脂肪酸およびそれらのNa、K、アンモニウム、Ca、MgおよびZn塩;
である。
【0081】
本発明の組成物は、乳化剤を、好適には、組成物全体に基づいて、0.1〜25重量%、特に0.5〜15重量%の量で含んでなる。
【0082】
別の同様に好適な実施態様において、陰イオン性、双性イオン性、両性および陽イオン性乳化剤から選択される少なくとも1つのイオン性乳化剤が存在する。好適な陰イオン性乳化剤は、アルキルスルフェート、アルキルポリグリコールエーテルスルフェートおよびアルキル基中に10〜18個の炭素原子を有し、および分子中に12個までのグリコールエーテル基を有するエーテルカルボン酸、アルキル基中に8〜18個の炭素原子を有するスルホコハク酸モノおよびジアルキルエステル、およびアルキル基中に8〜18個の炭素原子を有し、および1〜6個のオキシエチル基を有するスルホコハク酸モノアルキルポリオキシエチルエステル、モノグリセリドスルフェート、アルキルおよびアルケニルエーテルホスフェイト、およびタンパク質脂肪酸縮合物である。双性イオン性乳化剤は、分子中に少なくとも1つの第4級アンモニウム基と少なくとも1つの-COOまたは-SO基を有する。特に適当な双性イオン性乳化剤は、いわゆるベタイン、例えば、いずれの場合もアルキルまたはアシル基中に8〜18個の炭素原子を有する、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシナート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシナートおよび2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、およびココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシナートである。
【0083】
〜C24-アルキルまたはアシル基とは別に、両性乳化剤は、分子中に少なくとも1つの遊離アミノ基と少なくとも1つの-COOHまたは-SOH基を含有し、および内部塩を形成し得る。適当な両性乳化剤の例は、いずれの場合もアルキル基中に約8〜24個の炭素原子を有する、N-アルキルグリシン、N-アルキルアミノプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸である。
【0084】
イオン性乳化剤は、組成物全体に基づいて、0.01〜5重量%、好適には0.05〜3重量%および特に好適には0.1〜1重量%の量で存在する。
【0085】
本発明に使用し得る非イオン性界面活性剤は、例えば:
・式:
CO-(OCHCHR)OR
〔式中、RCOは6〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状、飽和および/または不飽和アシル基であり、Rは水素またはメチルであり、Rは1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基であり、およびxは1〜20の数である〕
で示されるアルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、
・脂肪酸アルカノールアミドおよび脂肪アミンへのエチレンオキシドの付加生成物、
・脂肪酸N-アルキルグルカミド、
・C〜C22-アルキルアミンN-オキシド、
・一般式:
RO-(Z)
〔式中、RはC〜C16アルキル基であり、Zは糖であり、およびxは糖単位の数である〕
で示されるアルキルポリグリコシドである。本発明に使用し得るアルキルポリグリコシドは、まさに一つの特定のアルキル基Rを含有し得る。しかしながら、これらの化合物は、通常、天然脂肪および油または鉱物油から出発して製造される。この場合、存在するアルキル基Rは、出発化合物に対応する、またはこれらの化合物の特定の生成物に対応する混合物である。特に好適には、式中、Rが本質的にC-およびC10-アルキル基、本質的にC12-およびC14-アルキル基、本質的にC〜C16アルキル基または本質的にC12〜C16アルキル基からなる、アルキルポリグリコシドが挙げられる。
【0086】
任意のモノまたはオリゴ糖を、糖構造ブロックZとして使用することができる。通常、5個または6個の炭素原子を有する糖および対応するオリゴ糖、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、リボース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、グロース、イドース、タロースおよびスクロースを使用する。好適な糖構造ブロックは、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノースおよびスクロースであり、グルコースが特に好適である。本発明に使用し得るアルキルポリグリコシドは、平均して、1.1〜5個、好適には1.1〜2.0個、特に好適には1.1〜1.8個の糖単位を含有する。また、上記アルキルポリグリコシドのアルコキシル化同族体も本発明に使用することができる。これらの同族体は、アルキルグリコシド単位当たり、平均して10個までのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド単位を含んでなり得る。
【0087】
適当な双性イオン性界面活性剤は、分子中に少なくとも1つの第4級アンモニウム基と少なくとも1つの-COO(−)または-SO(−)基を有する界面活性化合物である。特に適当な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、いずれの場合もアルキルまたはアシル基中に8〜18個の炭素原子を有する、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシナート、例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシナート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシナート、例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシナート、および2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、ならびにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシナートが挙げられる。好適な双性イオン性界面活性剤は、INCI名ココアミドプロピルベタインのもと既知の脂肪酸アミド誘導体である。
【0088】
本発明の組成物中の適当な陰イオン性界面活性剤は、ヒト身体での使用に適当な全ての陰イオン性界面活性物質である。これらは、可溶性の陰イオン性基(例えば、カルボキシレート、スルフェート、スルホネートまたはホスフェイト基など)および約8〜30個の炭素原子を有する脂肪族アルキル基を特徴とする。さらに、グリコールまたはポリグリコールエーテル基、エステル基、エーテル基およびアミド基ならびにヒドロキシル基が分子中に存在し得る。適当な発泡性陰イオン性界面活性剤の例は、いずれの場合もナトリウム、カリウムおよびアンモニウム、およびアルカノール基中に2〜4個の炭素原子を有するモノ、ジ-およびトリアルカノールアンモニウム塩の形態の、
・式(II):
【0089】
【化1】

【0090】
〔式中、
COは、6〜22個の炭素原子および0、1、2または3個の二重結合を有する、直鎖状または分枝状アシル基であり、および
Xは、水素、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムまたはグルクアンモニウムである〕
で示されるアシルグルタマート、例えば、6〜22個(好適には2〜18個)の炭素原子を有する脂肪酸(例えば、C12/14-またはC12/18-ココナッツ脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸および/またはステアリン酸など)に由来するアシルグルタマート、特にナトリウムN-ココイル-およびナトリウムN-ステアロイル-L-グルタマート、
・一般式(III):
【0091】
【化2】

【0092】
〔式中、
X=Hまたは-CHCOOR基、
Y=Hまたは-OH(但し、X=-CHCOORの場合Y=H)、
R、RおよびRは、互いに独立して、水素原子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属カチオン、アンモニウム基、アンモニウム-有機塩基のカチオン、または1〜6個のモノマー糖単位を有するエーテル化(C〜C18)-アルキル多糖類および/または2〜16個のヒドロキシル基を有するエーテル化脂肪族(C〜C16)-ヒドロキシアルキルポリオールの群から選択されるポリヒドロキシル化有機化合物に由来する基Zであり、但し、基R、RまたはRの少なくとも1つは、基Zである〕
で示されるヒドロキシ置換ジ-またはトリカルボン酸のエステル、
・一般式(IV):
【0093】
【化3】

【0094】
〔式中、
およびRは、互いに独立して、水素原子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属カチオン、アンモニウム基、アンモニウム-有機塩基のカチオン、または1〜6個のモノマー糖単位を有するエーテル化(C〜C18)-アルキル多糖類および/または2〜16個のヒドロキシル基を有するエーテル化脂肪族(C〜C16)-ヒドロキシアルキルポリオールの群から選択されるポリヒドロキシル化有機化合物に由来する基Zであり、但し、基RまたはRの少なくとも1つは、基Zである〕
で示されるスルホコハク酸塩のエステル、
・アルキル基中に8〜24個の炭素原子を有するスルホコハク酸モノおよびジアルキルエステル、およびアルキル基中に8〜24個の炭素原子および1〜6個のエトキシ基を有するスルホコハク酸モノアルキルポリオキシエチルエステル、
・酒石酸およびクエン酸とアルコールとのエステル(これらは、約2〜15分子のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの、8〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールへの付加生成物を構成する)、
・8〜30個の炭素原子を有する直鎖状および分枝状脂肪酸(石鹸)、
・式:
R-O-(CH-CHO)-CH-COOH
〔式中、Rは8〜30個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基であり、およびx=0または1〜16〕
で示されるエーテルカルボン酸、
・6〜22個の炭素原子および0、1、2または3個の二重結合を有する直鎖状または分枝状アシル基を有するアシルサルコシネート、
・6〜22個の炭素原子および0、1、2または3個の二重結合を有する直鎖状または分枝状アシル基を有するアシルタウレート、
・6〜22個の炭素原子および0、1、2または3個の二重結合を有する直鎖状または分枝状アシル基を有するアシルイセチオネート、
・8〜24個の炭素原子を有する直鎖状アルカンスルホネート、
・8〜24個の炭素原子を有する直鎖状α-オレフィンスルホネート、
・8〜30個の炭素原子を有する脂肪酸のα-スルホ脂肪酸メチルエステル、
・式:
R-O(CH-CHO)-SO
〔式中、Rは好適には8〜30個の炭素原子(特に好適には8〜18個の炭素原子)を有する直鎖状アルキル基であり、z=0または1〜12(特に好適には3)、およびXはナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、アンモニウムイオンまたはアルカノール基中に2〜4個の炭素原子を有するモノアルカノール、ジアルカノールまたはトリアルカノールアンモニウムイオンである〕
で示されるアルキルスルフェートおよびアルキルポリグリコールエーテルスルフェート、、特に好適な例はz=3のエトキシル化度を有する亜鉛ココイルエーテルスルフェート、
・独国特許公開DE-A-37 25 030による界面活性ヒドロキシスルホネートの混合物、
・独国特許公開DE-A-37 23 354中のような、硫酸化ヒドロキシアルキルポリエチレンおよび/またはヒドロキシアルキレンプロピレングリコールエーテル、
・独国特許公開DE-A-39 26 344中のような、8〜24個の炭素原子および1〜6個の二重結合を有する不飽和脂肪酸のスルホネート、
・式(V):
【0095】
【化4】

【0096】
〔式中、Rは好適には8〜30個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基であり、Rは水素、基(CHCHO)またはXであり、nは1〜10の数であり、およびXは水素、アルカリ金属またはアルカリ土類金属またはNR(式中、R〜Rは互いに独立してC〜C-炭化水素基である)である〕
で示されるアルキルおよび/またはアルケニルエーテルホスフェイト、
・独国特許公開DE-A 197 36 906.5中に記載されるような、式:
CO(AlkO)SO
〔式中、RCOは6〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状、脂肪族、飽和および/または不飽和アシル基であり、AlkはCHCH、CHCHCHおよび/またはCHCHCHであり、nは0.5〜5の数であり、およびMはカチオンである〕
で示される硫酸化脂肪酸アルキレングリコールエステル、
・式(VI):
【0097】
【化5】

【0098】
〔式中、
COは6〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アシル基であり、x、yおよびzは全体で0または1〜30(好適には2〜10)の数であり、およびXはアルカリ金属またはアルカリ土類金属である〕
で示されるモノグリセリドスルフェートおよびモノグリセリドエーテルスルフェートである。本発明の目的に適当なモノグリセリド(エーテル)スルフェートの典型例は、ナトリウム塩の形態の、ラウリン酸モノグリセリド、ココナッツ脂肪酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、オレイン酸モノグリセリドおよび獣脂脂肪酸モノグリセリドならびにそれらのエチレンオキシド付加生成物と、三酸化硫黄またはクロロスルホン酸との反応生成物である。好適には、式中、RCOが8〜18個の炭素原子を有する直鎖状アシル基である、式(VI)で示されるモノグリセリドスルフェートを使用することが挙げられる。
【0099】
さらに、本発明の組成物は、少なくとも1つのタンパク質加水分解物またはそれらの誘導体を含んでなり得る。本発明によれば、植物または動物タンパク質加水分解物を使用することができる。動物タンパク質加水分解物は、例えば、エラスチン、コラーゲン、ケラチン、絹および牛乳タンパク質加水分解物である(これらは塩の形態でもあり得る)。本発明によれば、好適には、植物タンパク質加水分解物、例えば、大豆、小麦、アーモンド、エンドウ豆、ジャガイモおよび米タンパク質加水分解物が挙げられる。対応する市販品は、例えば、DiaMin(登録商標)(Diamalt)、Gluadin(登録商標)(Cognis)、Lexein(登録商標)(Inolex)およびCrotein(登録商標)(Croda)である。
【0100】
タンパク質加水分解物の代わりに、第一に別の方法によって得られたアミノ酸混合物、第二に個々のアミノ酸、およびその生理学的適合性塩を使用することができる。本発明に好適なアミノ酸としては、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、ピログルタミン酸、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニンおよびヒスチジン、および該アミノ酸の亜鉛塩および酸付加塩が挙げられる。
【0101】
同様に、タンパク質加水分解物の誘導体を、例えば、それらの脂肪酸縮合生成物の形態で使用することができる。対応する市販品は、例えば、Lamepon(登録商標)(Cognis)、Gluadin(登録商標)(Cognis)、Lexein(登録商標)(Inolex)、Crolastin(登録商標)またはCrotein(登録商標)(Croda)である。
【0102】
本発明によれば、カチオン化タンパク質加水分解物を使用することもできる。ここで基礎となるタンパク質加水分解物は、動物、植物、海洋生物形態に、または生物工学的に得られたタンパク質加水分解物に由来し得る。好適には、その基礎となるタンパク質画分が100〜25000ダルトン(好適には250〜5000ダルトン)の分子量を有する陽イオン性タンパク質加水分解物が挙げられる。さらに、陽イオン性タンパク質加水分解物は、第4級化アミノ酸およびそれらの混合物を意味すると理解される。さらに、陽イオン性タンパク質加水分解物は、なお、さらに誘導体化することもできる。本発明に使用される陽イオン性タンパク質加水分解物および誘導体の典型例は、「International Cosmetic Components Dictionary and Handbook」(第7版、1997年、Cosmetic、T油etry and Fragrance Association 1101 17th Street、N.W.、Suite 300、ワシントンD.C. 20036-4702)中にINCI名のもと挙げられるいくつかのもの、および市販品:ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解カゼイン、ステアリジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ステアリジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ヘアケラチン、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解米タンパク質、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解絹、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、ココジモニウムヒドロキシプロピル絹アミノ酸、ヒドロキシプロピルアルギニンラウリル/ミリスチルエーテルHCI、ヒドロキシプロピルトリモニウムゼラチンである。非常に特に好適には、植物に基づく陽イオン性タンパク質加水分解物および誘導体が挙げられる。
【0103】
本発明の組成物において、タンパク質加水分解物およびそれらの誘導体、またはアミノ酸およびそれらの誘導体は、組成物全体に基づいて10重量%までの量で存在する。0.1〜5重量%、特に0.1〜3重量%の量が特に好適である。
【0104】
さらに、本発明の組成物は、少なくとも1つのモノ、オリゴ-または多糖類またはそれらの誘導体を含み得る。
【0105】
本発明に適当な単糖類は、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、リボース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、グロース、イドースおよびタロース、デオキシ糖フコースおよびラムノース、およびアミノ糖、例えば、グルコサミンまたはガラクトサミンなどである。好適には、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノースおよびフコースが挙げられる。グルコースが特に好適である。
【0106】
本発明に適当なオリゴ糖は、2〜10個の単糖類単位から構成され、例えば、スクロース、ラクトースまたはトレハロースである。特に好適なオリゴ糖は、スクロースである。主としてグルコースおよびスクロースを含んでなる蜂蜜を使用することも同様に特に好適である。
【0107】
本発明に適当な多糖類は、10個を超える単糖類単位から構成される。好適な多糖類は、α-D-グルコース単位から構成されるデンプンおよびデンプン分解生成物、例えば、アミラーゼ、アミロペクチンおよびデキストリンである。本発明に特に有利なものは、化学的におよび/または熱的に変性したデンプン、例えば、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェイト、ジヒドロキシプロピル二デンプンホスフェイトまたは市販品Dry Flo(登録商標)である。デキストランおよびそれらの誘導体は、さらに好適であり、例えば、硫酸デキストランである。同様に好適なものは、非イオン性セルロース誘導体、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロース、および陽イオン性セルロース誘導体、例えば、市販品Celquat(登録商標)およびPolymer JR(登録商標)、および好適にはCelquat(登録商標) H 100、Celquat(登録商標) L 200およびPolymer JR(登録商標) 400 (Polyquaternium-10)、およびPolyquaternium-24である。さらなる好適な例は、フコース単位の多糖類、例えば、市販品Fucogel(登録商標)である。特に好適には、アミノ糖単位から構成される多糖類、特にキチンおよびそれらの脱アセチル化誘導体、キトサン、およびムコ多糖類が挙げられる。本発明に好適なムコ多糖類としては、ヒアルロン酸およびその誘導体、例えば、ヒアルロン酸ナトリウムまたはヒアルロン酸ジメチルシラノール、およびコンドロイチンおよびその誘導体、例えば、コンドロイチン硫酸が挙げられる。
【0108】
有利な一実施態様において、本発明の組成物は、陽イオン性、陰イオン性、両性荷電または非イオン性であり得る天然および合成ポリマーから選択される、少なくとも1つの被膜形成、乳化安定化、増粘または接着性ポリマーを含んでなる。本発明によれば、好適には、陽イオン性、陰イオン性および非イオン性ポリマーが挙げられる。
【0109】
陽イオン性ポリマーのなかでも、好適には、第4級基を有するポリシロキサン、例えば、市販品Q2-7224(Dow Corning)、Dow Corning(登録商標) 929エマルジョン(アモジメチコンを有する)、SM-2059(General Electric)、SLM-55067(Wacker)、およびAbil(登録商標)-Quat 3270および3272(Goldschmidt)が挙げられる。
【0110】
本発明に使用される活性成分の効果を後押しし得る好適な陰イオン性ポリマーは、カルボキシレートおよび/またはスルホネート基を含有し、および、モノマーとして、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸および2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸を含有する。ここで、酸性基は、完全にまたは部分的にナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノまたはトリエタノールアンモニウム塩として存在し得る。好適なモノマーは、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸およびアクリル酸である。非常に特に好適な陰イオン性ポリマーは、単一のモノマーとして、またはコモノマーとして、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸を含有する。ここで、スルホン酸基は、完全にまたは部分的に塩形態で存在し得る。この実施態様の範囲内において、少なくとも1つの陰イオン性モノマーと少なくとも1つの非イオン性モノマーのコポリマーを使用することが好適である。陰イオン性モノマーに関して、上記に列挙した物質に対して参照がなされる。好適な非イオノゲン性モノマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルピロリドン、ビニルエーテルおよびビニルエステルである。好適な陰イオン性コポリマーは、アクリル酸-アクリルアミドコポリマーであり、特にスルホン酸基を含有するモノマーを有するポリアクリルアミドコポリマーである。特に好適な陰イオン性コポリマーは、70〜55モル%のアクリルアミドと、30〜45モル%の2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸からなる。ここで、スルホン酸基は、完全にまたは部分的にナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノまたはトリエタノールアンモニウム塩として存在し得る。また、このコポリマーは、架橋形態で存在し得る。この場合、使用される架橋剤は、好適にはポリオレフィン的に不飽和の化合物、例えば、テトラアリルオキシエタン、アリルスクロース、アリルペンタエリスリトールおよびメチレンビスアクリルアミドである。このようなポリマーの一つは、SEPPICからの市販品Sepigel(登録商標)305中に存在する。この化合物を使用することは、本発明の教示の範囲内で特に有利であることが分かった。イソヘキサデカンを有する化合物として名称Simulgel(登録商標) 600のもと販売されるアクリロイル-ジメチルタウリンナトリウムコポリマーおよびポリソルベート-80も、本発明に特に効果的であると分かった。
【0111】
さらなる好適な陰イオン性ホモポリマーおよびコポリマーは、非架橋および架橋ポリアクリル酸である。ここで、ペンタエリスリトールの、ショ糖の、およびプロピレンのアリルエーテルは、好適な架橋剤であり得る。このような化合物は、例えば、市販品Carbopol(登録商標)である。特に好適な陰イオン性コポリマーは、モノマーとして、80〜98%の不飽和の、所望により置換された、C3〜6-カルボン酸またはその無水物、および2〜20%の、所望により置換された、飽和C10〜30-カルボン酸のアクリル酸エステルを含んでなる。ここで、該コポリマーは、上記架橋剤で架橋されていてもよい。対応する市販品は、Pemulen(登録商標)およびCarbopol(登録商標)グレード954、980、1342およびETD 2020(例えば、B.F. Goodrich)である。
【0112】
適当な非イオン性ポリマーは、例えば、ポリビニルアルコールであり、これは、部分鹸化されていてもよく、例えば、市販品Mowiol(登録商標)、および、例えば、商品名Luviskol(登録商標)(BASF)のもと市販されるビニルピロリドン/ビニルエステルコポリマーおよびポリビニルピロリドンである。
【0113】
また、本発明の組成物は、少なくとも1つのα-ヒドロキシカルボン酸またはα-ケトカルボン酸またはそれらのエステル、ラクトンまたは塩形態を含んでなり得る。適当なα-ヒドロキシカルボン酸またはα-ケトカルボン酸は、乳酸、酒石酸、クエン酸、2-ヒドロキシブタン酸、2,3-ジヒドロキシプロパン酸、2-ヒドロキシペンタン酸、2-ヒドロキシヘキサン酸、2-ヒドロキシヘプタン酸、2-ヒドロキシオクタン酸、2-ヒドロキシデカン酸、2-ヒドロキシドデカン酸、2-ヒドロキシテトラデカン酸、2-ヒドロキシヘキサデカン酸、2-ヒドロキシオクタデカン酸、マンデル酸、4-ヒドロキシマンデル酸、リンゴ酸、エリトラル酸、トレアル酸、グルカル酸、ガラクタル酸、マンナル酸、グラル酸、2-ヒドロキシ-2-メチルコハク酸、グルコン酸、ピルビン酸、グルクロン酸およびガラクツロン酸から選択される。該酸のエステルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、アミル、ペンチル、ヘキシル、2-エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルおよびヘキサデシルエステルから選択される。α-ヒドロキシカルボン酸またはα-ケトカルボン酸またはそれらの誘導体は、いずれの場合も組成物全体に基づいて0.1〜10重量%、好適には0.5〜5重量%の量で存在する。
【0114】
本発明の組成物は、さらなる活性成分、助剤および添加剤、例えば、以下のものを含んでなり得る。
・A、C、EおよびF群からのビタミン、プロビタミンおよびビタミン前駆体、特に3,4-ジデヒドロレチノール(ビタミンA)、β-カロテン(ビタミンAのプロビタミン)、アスコルビン酸(ビタミンC)、およびパルミチン酸エステル、アスコルビン酸のグリコシドまたはホスフェイト、トコフェロール、特にα-トコフェロール、およびそのエステル、例えば、アセテート、ニコチネート、ホスフェイトおよびスクシナート;また、ビタミンF(これは、必須脂肪酸、特にリノール酸、リノレン酸およびアラキドン酸を意味するとして理解される)、
・レチノール(ビタミンA)とC2〜18-カルボン酸とのエステル、特にレチニルアセテートまたはレチニルパルミテート、
・ビタミンB群のビタミン、プロビタミンまたはビタミン前駆体、またはそれらの誘導体、および誘導体2-フラノン、特にビタミンB(チアミン)、ビタミンB(リボフラビン)、ビタミンB(ニコチン酸および/またはニコチンアミド)、ビタミンB(パントテン酸および/またはパンテノール)、ビタミンB(ピリドキシン、ピリドキサミンおよび/またはピリドキーサル)および/またはビタミンB(ビオチン)、
・アラントイン、
・抗酸化剤、例えば、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)およびそれらの誘導体、ペプチド、例えば、D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシンおよびそれらの誘導体(例えば、アンセリン)、クロロゲン酸およびそれらの誘導体、リポ酸およびそれらの誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、それらのチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)、およびその塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、および非常に低い耐量(例えば、pmol〜μmol/kg)のスルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタチオニンスルホキシミン)、ならびに(金属)キレート剤(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体(例えば、γ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびそれらの誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびそれらの誘導体、ベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸およびそれらの誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアシン(guaiacic)酸、ノルジヒドログアイアレン(guaiaretic)酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびそれらの誘導体、カタラーゼ、スペルオキシドジスムターゼ、亜鉛およびそれらの誘導体(例えば、ZnO、ZnSO)、セレンおよびそれらの誘導体(例えば、セレノメチオニン)、スチルベンおよびそれらの誘導体(例えば、スチルベンオキシド、トランス-スチルベンオキシド)および抗酸化剤として適当なこれらの活性成分の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)、
・セラミドおよび疑似セラアミド、
・トリテルペン、特にトリテルペン酸、例えば、ウルソル酸、ロズマリン酸、ベツリン酸、ボスウェル酸およびブロノリン(bryonolic)酸、
・カテキンモノマー、特にカテキンおよびエピカテキン、ロイコアントシアニジン、カテキンポリマー(カテキンタンニン)、およびガロタンニン、
・増粘剤、例えば、ゼラチン、植物ゴム、例えば、寒天、グアーガム、アルギン酸塩、キサンタンガム、アラビアゴム、カラヤゴムまたはイナゴ豆粉、天然および合成粘土およびシート状ケイ酸塩、例えば、ベントナイト、ヘクトライト、モンモリロナイトまたはLaponite(登録商標)、完全合成ハイドロコロイド、例えば、ポリビニルアルコールなど、ならびに脂肪酸のCa、MgまたはZn石鹸、
・植物グリコシド、
・構造剤、例えば、マレイン酸および乳酸、
・ジメチルイソソルビド、
・特にレチノールの安定化のための、α-、β-およびγ-シクロデキストリン、
・溶媒、膨張および浸透物質、例えば、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、グリセロールおよびジエチレングリコール、炭酸塩、炭酸水素塩、グアニジン、尿素、および第1級、第2級および第3級リン酸塩、
・香油、組成物を着色するための顔料および染料、
・pH調整用物質、例えば、α-およびβ-ヒドロキシカルボン酸、
・錯化剤、例えば、EDTA、NTA、β-アラニン二酢酸およびホスホン酸、
・乳白剤、例えば、ラテックス、スチレン/PVPおよびスチレン/アクリルアミドコポリマー、
・真珠光沢剤、例えば、エチレングリコールモノステアレートおよびジステアレートおよびPEG-3ジステアレート、
・推進剤、例えば、プロパン/ブタン混合物、NO、ジメチルエーテル、COおよび空気、
・MMP-1-阻害物質、特にホトリアーゼおよび/またはT4エンドヌクレアーゼV、没食子酸プロピル、プレコセン、6-ヒドロキシ-7-メトキシ-2,2-ジメチル-1(2H)-ベンゾピランおよび3,4-ジヒドロ-6-ヒドロキシ-7-メトキシ-2,2-ジメチル-1(2H)-ベンゾピランから選択されるもの、
・有機、鉱物および/または変性鉱物光防護フィルター、特にUVAフィルターおよび/またはUVBフィルター。
【0115】
好適な実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも1つの制汗剤活性成分を含んでなる。本発明の適当な制汗剤活性成分は、水溶性収斂剤またはタンパク質凝集金属塩、特にアルミニウム、ジルコニウム、亜鉛およびチタンの無機および有機塩、およびこれらの塩の任意の混合物である。本発明によれば、水溶性は、100gの溶液(20℃)当たり少なくとも4gの活性物質が溶解することを意味すると理解される。本発明によれば、例えば、alum(KAI(SO)・12HO)、硫酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ナトリウムアルミニウムクロロヒドロキシルアセテート、アルミニウムクロロヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロロハイドレート、スルホ石炭酸アルミニウム、アルミニウムジルコニウムクロロハイドレート、塩化亜鉛、スルホ石炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、ジルコニウムクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムクロロハイドレートグリシン錯体および塩基性塩化アルミニウムとプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールとの錯体を使用することができる。液体活性成分調製物は、好適には、収斂性アルミニウム塩、特にアルミニウムクロロハイドレート、および/またはアルミニウムジルコニウム化合物を含んでなる。アルミニウムクロロハイドレートは、例えば、ReheisによりMicrodry(登録商標) Ultrafineとして粉末形態で、またはReach(登録商標) 501またはReach(登録商標) 103として活性形態で、ならびにClariantによりLocron(登録商標) LとしてまたはReheisによりChlorhydrol(登録商標)として水溶液の形態で、販売されている。アルミニウムセスキクロロハイドレートは、ReheisによりReach(登録商標) 301の名称のもと供給される。例えば、ReheisからRezal(登録商標) 36Gの名称のもと入手可能であるアルミニウムジルコニウムトリ-またはテトラクロロヒドレックスグリシン錯体を使用することも本発明に特に有利である。
【0116】
制汗剤活性成分は、本発明の組成物中に、該組成物全体中の活性物質の量に基づいて、0.01〜40重量%、好適には2〜30重量%、特に5〜25重量%の量で存在する。
【0117】
さらなる特に好適な実施態様において、本発明の組成物は、プレバイオティク作用を有する物質に加えて、少なくとも1つのさらなる脱臭剤活性成分を含んでなる。本発明のさらなる適当な脱臭剤活性成分は、芳香剤、抗微生物剤、抗菌または殺菌物質、酵素阻害物質、抗酸化剤および臭気吸収剤である。
【0118】
特に、有機ハロゲン化合物および有機ハロゲン化物、第4級アンモニウム化合物および亜鉛化合物が適当である。好適には、クロルヘキシジンおよびグルコン酸クロルヘキシジン、ハロゲン化ベンザルコニウムおよび塩化セチルピリジニウムが挙げられる。また、重炭酸ナトリウム、フェノールスルホン酸ナトリウムおよびフェノールスルホン酸亜鉛、シナノキ花油の構成成分およびカモミール油の構成成分、ビサボロール、フェノキシエタノール、トリクロサン(Irgasan(登録商標) DP300)またはクエン酸トリエチルを使用することができる。
【0119】
酵素阻害物質としては、好適には、体臭の形成に関与する腋窩の微生物フローラの酵素の阻害剤が挙げられる。これらは、好適にはリパーゼ、アリールスルファターゼ(国際公開WO 01/99376参照)、β-グルコロニダーゼ(国際公開WO 03/039505参照)、5-α-レダクターゼおよびアミノアシラーゼの阻害剤である。
【0120】
さらなる抗菌的に有効な脱臭剤活性成分は、ランチビオティックス、グリセロ糖脂質、スフィンゴ脂質(セラミド)、ステロールおよび皮膚への細菌接着を阻害する他の活性成分、例えば、グリコシダーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、炭水化物、ジ-およびオリゴ糖脂肪酸エステル、およびアルキル化モノおよびオリゴ糖である。
【0121】
さらなる脱臭剤活性成分として適当なものは、水溶性ジオール、トリオールおよび多価アルコールから選択される水溶性ポリオール、およびポリエチレングリコールである。ジオールのなかでも、C〜C12-ジオールが適当であり、特に1,2-プロピレングリコール、ブチレングリコール、例えば、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールおよび1,4-ブチレングリコールなど、ペンタンジオール、例えば、1,2-ペンタンジオール、およびヘキサンジオール、例えば、1,6-ヘキサンジオールが適当である。また、好適には適当なものは、グリセロールおよび1.5〜10の自己縮合度を有する工業銘柄のオリゴグリセロール混合物、例えば、40〜50重量%のジグリセロール含量を有する工業銘柄のジグリセロール混合物など、またはトリグリセロール、ならびに1,2,6-ヘキサントリオール、および100〜1000ダルトンの平均分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)、例えば、PEG-400、PEG-600またはPEG-1000である。さらなる適当な多価アルコールは、C-、C-およびC-単糖類および対応する糖アルコール、例えば、マンニトールまたはソルビトールである。
【0122】
また、脱臭剤または制汗剤スティックは、無水ワックスに基づいて、およびW/OエマルジョンおよびO/Wエマルジョンに基づいてゲル化形態であり得る。ゲルスティックは、脂肪酸石鹸、ジベンジリデンソルビトール、N-アシルアミノ酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸および他のゲル形成剤に基づいて製造することができる。エアロゾルスプレー、ポンプスプレー、ロールオン付与剤およびクリームも、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、水中シリコーン油型エマルジョン、油中水型マイクロエマルジョン、水中油型マイクロエマルジョン、水中シリコーン油型マイクロエマルジョン、無水懸濁物、アルコール性および含水アルコール性溶液、水性ゲルおよび油として存在し得る。特定された組成物の全ては、例えば、脂肪酸石鹸、ジベンジリデンソルビトール、N-アシルアミノ酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸、カルボマーおよびカルボポル型のポリアクリレート、ポリアクリルアミドおよび多糖類(これらは化学的におよび/または物理学的に変性される)に基づいて濃厚化することができる。エマルジョンおよびマイクロエマルジョンは、透明、半透明または不透明であり得る。
【0123】
本発明の組成物の液体およびゲル様付与形態は、増粘剤、例えば、セルロースエーテル、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびメチルヒドロキシプロピルセルロース、所望により架橋し得るポリアクリレート系増粘ポリマー、例えば、カルボポルグレードまたはPemulen(登録商標)製品、またはポリアクリルアミド系またはスルホン酸基を含有するポリアクリレート、例えば、Sepigel(登録商標) 305またはSimulgel(登録商標) EG、ならびに無機増粘剤、例えば、ベントナイトおよびヘクトライト(Laponite(登録商標))を含んでなり得る。
【0124】
本発明の組成物は、さらなる化粧品的におよび皮膚科学的に活性な成分、例えば、抗炎症性物質、シリカ、例えば、Aerosil(登録商標)グレード、シリカゲル、二酸化ケイ素、粘土、例えば、ベントナイトまたはカオリン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、例えば、タルク、窒化ホウ素、二酸化チタンから選択される固体(これらは所望により被覆され得る)、必要に応じて変性されたデンプンおよびデンプン誘導体、セルロース粉末およびポリマー粉末、ならびに植物抽出物、タンパク質加水分解物、ビタミン、香油、皮脂防止剤、にきび抑制活性成分および角質溶解剤などを含んでなり得る。
【0125】
本発明の組成物は、それらが液体形態で存在する場合、柔軟性および吸収性担体に付与することができる。これらは脱臭剤または制汗剤クロスまたはスポンジとして供給される。本発明の目的に適当な柔軟性および吸収性担体は、例えば、繊維製品用繊維、コラーゲンまたはポリマー発泡体から製造される担体である。使用することができる繊維製品用繊維は、天然繊維、例えば、セルロース(綿、リンネル)、絹、ウール、再生セルロース(ビスコース、レーヨン)、セルロース誘導体、または、合成繊維、例えば、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミドまたはポリオレフィン繊維など、あるいは織ったまたは織っていない、このような繊維の混合物である。これらの繊維を、加工して吸収性綿パッド、フリースを得ることができ、または織物または編物を得ることができる。また、柔軟性および吸収性ポリマー発泡体(例えば、ポリウレタン発泡体およびポリアミド発泡体)も適当な基材である。該基材は、一層、二層、三層または三より多くの層を有することができ、ここで個々の層は、同一または異なる材料からなり得る。各基材層は、均一構造、または、例えば、種々の密度の異なる帯を有する、不均一構造を有することができる。
【0126】
本発明の目的のために、吸収性担体基材は、吸着性および/またはキャピラリー方法において、20℃にて、乾燥重量に基づいて少なくとも10重量%の水と結合することができるものと考えられる。しかしながら、好適には、適当な担体は、吸着性およびキャピラリー方法において、少なくとも100重量%の水と結合することができるものである。
【0127】
担体基材は、吸着性の柔軟性担体基材、好適には繊維製品用繊維、コラーゲンまたはポリマー発泡体から製造されるものを、本発明の組成物で処理および/または仕上げし、および必要に応じてそれらを乾燥することによって完成される。これに関して、該担体基材の処理(仕上げ)は、本発明の組成物を該担体基材中に、任意の方法、例えば、噴霧、浸漬およびスクイージング、ソーキングまたは単に注入することによって行うことができる。
【0128】
また、本発明に好適なものは、エアロゾルとしての付与形態であり、ここで該化粧品組成物は、好適にはプロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ジメチルエーテル、フルオロ炭素およびクロロフルオロ炭素から選択される推進剤を含んでなる。圧縮化推進剤、例えば、空気、窒素または二酸化炭素も、同様に使用することができる。上記推進剤の混合物も、同様に使用することができる。
【0129】
好適な一実施態様において、本発明の組成物は、液体または固体、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、多重エマルジョン、マイクロエマルジョン、PITエマルジョンまたはピカリングエマルジョン、ヒドロゲル、リポゲル、単相または多相溶液、フォーム、粉末または医薬の接着剤として適当な少なくとも1つのポリマーとの混合物の形態である。また、組成物は、無水形態、例えば、油またはバルサムなどで付与することもできる。ここで、担体は、植物または動物油、鉱物油、合成油またはこのような油の混合物であり得る。
【0130】
本発明の組成物の特定の一実施態様において、組成物は、マイクロエマルジョンの形態である。また、本発明の目的のために、マイクロエマルジョンは、いわゆる「PIT」エマルジョンならびに熱力学的に安定なマイクロエマルジョンを意味すると理解される。これらのエマルジョンは、3成分、水、油および乳化剤を有する系であり、これらは、室温にて水中油型エマルジョンとして存在する。特定の温度範囲内(位相反転温度または「PIT」に相当する)でこれらの系を加熱すると、マイクロエマルジョンは、さらなる加温に際して油中水型(W/O)エマルジョンに変換するものを形成する。その後の冷却に際して、O/Wエマルジョンが再度形成される。それらは、室温でさえも、400nm未満および特に約100〜300nmの平均粒径を有する、マイクロエマルジョンの形態、すなわち、非常に細かく分けられたエマルジョンの形態であるけれども。本発明によれば、好適には、約200nmの平均粒径を有するマイクロエマルジョンまたは「PIT」エマルジョンが挙げられ得る。これらの「PITエマルジョン」に関する詳細は、例えば、刊行物Angew. Chem. 97, 655-669(1985)に記載されている。
以下の実施例は、本発明を限定するものではなく、例示するものである。
【実施例】
【0131】
〔実施例1:植物抽出物によるスタヒロコッカス・エピデルミディスおよびスタヒロコッカス・ホミニスの成長への影響〕
スタヒロコッカス・エピデルミディスおよびスタヒロコッカス・ホミニスの液体前培養物からの、0.05の光学密度OD(600nm)を有するLB培地中の培養物を接種した。コントロール(細胞または抽出物非添加)と並行して、いずれの場合も2つの培養物を、1%の植物抽出物で処理し、および成長を、OD測定値を参照することにより30時間に亘って記録した。30時間後、抽出物添加物を有する培養物と対応するコントロール(抽出物添加物なし、細胞を含まない値によって校正)のODの差を決定した。使用した白茶(カメリア・シネンシス)、カルカーデ(ハイビスカス)、マロウ、ブドウ、ブドウ種子、ニンジン/ホホバ、ミルラおよびカレンデュラの抽出物は、同時にスタヒロコッカス・ホミニスを阻害しつつ、スタヒロコッカス・エピデルミディスの成長を選択的に促進する。
【0132】
【表1】

【0133】
〔実施例2:スタヒロコッカス・エピデルミディスおよびスタヒロコッカス・ホミニスに対する様々に製造したハイビスカス抽出物(カルカーデ)の成長効果〕
スタヒロコッカス・エピデルミディスおよびスタヒロコッカス・ホミニスの液体前培養物からの、0.05の光学密度OD(600nm)を有するLB培地中の培養物を接種した。コントロール(細胞または抽出物非添加)と並行して、いずれの場合も2つの培養物を、1%の植物抽出物で処理し、および成長を、OD測定値を参照することにより30時間に亘って記録した。30時間後、抽出物添加物を有する培養物と対応するコントロール(抽出物添加物なし、細胞を含まない値によって校正)のODの差を決定した。Cosmetochemからの種々のハイビスカス抽出物、すなわち、「80%PG中のHerbasol抽出物未保護カルカーデ」、「カルカーデ(ハイビスカス)Herbasec」および「カルカーデ(ハイビスカス)Herbasol抽出物油溶性」を使用した。
【0134】
【表2】

【0135】
〔実施例3:ミリステート誘導体によるスタヒロコッカス・エピデルミディスおよびスタヒロコッカス・ホミニスの成長への影響〕
スタヒロコッカス・エピデルミディスおよびスタヒロコッカス・ホミニスの液体前培養物からの、0.05の光学密度OD(600nm)を有するLB培地中の培養物を接種した。コントロール(細胞またはミリステート非添加)と並行して、いずれの場合も2つの培養物を、1%のミリステート誘導体で処理し、および成長を、OD測定値を参照することにより8時間に亘って記録した。8時間後、ミリステート添加物を有する培養物と対応するコントロール(ミリステート添加物を含まない、細胞を含まない値によって校正)のODの差を決定した。ミリスチン酸イソプロピルおよびミリスチン酸エチルは、スタヒロコッカス・ホミニスに対して阻害作用を有すると同時に、スタヒロコッカス・エピデルミディスの成長を穏やかにした。
【0136】
【表3】

【0137】
〔実施例4:エチルヘキシルグリセロール(Sensiva SC50)によるスタヒロコッカス・エピデルミディスおよびスタヒロコッカス・ホミニスの成長への影響〕
スタヒロコッカス・エピデルミディスおよびスタヒロコッカス・ホミニスの液体前培養物からの、0.05の光学密度OD(600nm)を有するLB培地中の培養物を接種した。コントロール[細胞またはエチルヘキシルグリセロール(Sensiva SC 50、Schuelke & Mayr)非添加]と並行して、いずれの場合も2つの培養物を、0.1%のエチルヘキシルグリセロールで処理し、および成長を、OD測定値を参照することにより24時間に亘って記録した。4時間、8時間および24時間後、エチルヘキシルグリセロールを有する培養物と対応するコントロール(抽出物添加物なし、細胞を含まない値によって校正)のODの差を決定した。エチルヘキシルグリセロールは、スタヒロコッカス・ホミニスを阻害したが、スタヒロコッカス・エピデルミディスを阻害しなかった。
【0138】
【表4】

【0139】
〔実施例5:スタヒロコッカス・エピデルミディスおよびスタヒロコッカス・ホミニスの成長に対する、ハイビスカス抽出物と抗微生物成分を含んでなる脱臭剤処方物の効果〕
スタヒロコッカス・エピデルミディスおよびスタヒロコッカス・ホミニスの一夜培養物からの、OD600=0.1(約10細胞/mlに対応する)を有するLB培地(100ml)中の混合物を製造し、これに対して予め1重量%のハイビスカス抽出物を有するか、または有しない脱臭剤処方物を10%(v/v)の最終濃度で添加した。次いで、培養物を、37℃、100rpmにて合計で48時間インキュベートした。0および48時間にて、微生物の数を、プレーティング・アウトによって決定した。
抗微生物的に有効な成分のため、全てのタイプの細菌の非特異的阻害が生じるが、該抗菌効果は、プレバイオティク作用を有する物質のプレバイオティク効果によって相乗的に重ねられる。
したがって、使用したハイビスカス抽出物非含有脱臭剤処方物は、スタヒロコッカス・エピデルミディスおよびスタヒロコッカス・ホミニスに対してほぼ等しい強い阻害効果を有することが表5から明らかである。一方、ハイビスカス抽出物含有処方物の場合、スタヒロコッカス・エピデルミディスは顕著に弱く阻害され、スタヒロコッカス・ホミニスは常に強く阻害されることが明らかである。
【0140】
【表5】

【0141】
〔処方例〕
【0142】
【表6】

【0143】
【表7】

【0144】
【表8】

【0145】
【表9】

【0146】
【表10】

【0147】
【表11】

【0148】
【表12】

【0149】
【表13】

【0150】
【表14】

【0151】
攪拌しつつ、滴下シリンダーの助けを借りて、相2を25分間に亘って相1に添加する。次いで、混合物を30分間攪拌する。次いで、配合素材を、剪断ヘッド(Ultra Turrax T50(IKA-Werke)、Turrax rod、ステージ8(約8500rpm))上でガラスを動かすことによって、120秒間均一に均質化する。
【0152】
〔制汗剤または脱臭剤クロス〕
制汗剤クロスまたは脱臭剤クロスとしての本発明の実施態様に関して、50g/mの面積重量を有する100%ビスコースの単層基材に、いずれの場合も1平方メートル当たり75gの実施例のエマルジョン2.1、2.2または2.3、またはいずれの場合も75gの実施例の溶液4.1または4.2を供給し、そして、該クロスを適当な大きさに切断し、および小袋中に包装する。
【0153】
さらなる実施例の処方物(データ(重量%))
【0154】
【表15】

【0155】
【表16】

【0156】
【表17】

【0157】
【表18】

【0158】
【表19】

【0159】
【表20】

【0160】
【表21】

【0161】
【表22】

【0162】
【表23】

【0163】
【表24】

【0164】
【表25】

【0165】
【表26】

【0166】









【表27】

【0167】
【表28】

【0168】
【表29】

【0169】
【表30】

【0170】
透明なゲルを達成するため、水相の屈折率と油相の屈折率を適合させる。水またはプロピレングリコールは、変数として役目を果たす。
増粘剤(カルボマー)は、適当な中和剤(TEA、AMP、NaOH、LiOH)によって所望のpHに調整されるべきである。
【0171】
【表31】

【0172】
【表32】

【0173】
【表33】

【0174】
【表34】

【0175】
【表35】

【0176】
【表36】

【0177】
【表37】

【0178】
【表38】

【0179】
【表39】

【0180】
【表40】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の皮膚微生物の成長を促進させるための、局所的皮膚処置用化粧品組成物における、皮膚に対してプレバイオティク作用を有する物質の使用。
【請求項2】
所望の皮膚微生物は、腐生皮膚微生物であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
所望の皮膚微生物は、臭気中立皮膚微生物であることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
臭気中立皮膚微生物は、臭気中立スタヒロコッカスであることを特徴とする、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
臭気中立スタヒロコッカスは、スタヒロコッカス・エピデルミディス(S. epidermidis)であることを特徴とする、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
皮膚に対してプレバイオティク作用を有する物質は、同時に、所望されない皮膚微生物の成長に対して阻害効果を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
所望されない皮膚微生物の成長を阻害するための、局所的皮膚処置用化粧品組成物における、皮膚に対してプレバイオティク作用を有する物質の使用。
【請求項8】
所望されない微生物は、臭気形成微生物であることを特徴とする、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
臭気形成微生物は、臭気形成スタヒロコッカス、グラム陽性アナエロコッカス、臭気形成コリネバクテリアまたは臭気形成ミクロコッカスであることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
臭気形成スタヒロコッカスは、スタヒロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)であることを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
グラム陽性アナエロコッカスは、アナエロコッカス・オクタビウス(Anaerococcus octavius)であることを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【請求項12】
傷ついた、乾燥した、または脂ぎった皮膚を処置するための、請求項1〜11のいずれかに記載の使用。
【請求項13】
体臭を処置するための、請求項1〜11のいずれかに記載の使用。
【請求項14】
皮膚真菌またはフケを処置するための、請求項1〜11のいずれかに記載の使用。
【請求項15】
皮膚は、腋窩領域中の皮膚である、請求項1〜14のいずれかに記載の使用。
【請求項16】
皮膚のプレバイオティク処置用局所的化粧品または医薬組成物を製造するための、皮膚に対してプレバイオティク作用を有する物質の使用。
【請求項17】
プレバイオティク効果は、所望の微生物の成長を促進することによってもたらされることを特徴とする、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
所望の微生物は、臭気中立スタヒロコッカスであることを特徴とする、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
プレバイオティク効果は、所望されない微生物の成長を阻害することによりもたらされることを特徴とする、請求項16〜18のいずれかに記載の使用。
【請求項20】
所望されない微生物は、臭気形成スタヒロコッカス、グラム陽性アナエロコッカス、臭気形成コリネバクテリアまたは臭気形成ミクロコッカスであることを特徴とする、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
プレバイオティク作用を有する物質は、植物抽出物であることを特徴とする、請求項1〜20のいずれかに記載の使用。
【請求項22】
植物抽出物は、茶抽出物、特にツバキ科(Theaceae)またはアオイ科(Malvaceae)の群からの茶抽出物、またはブドウ科(Vitaceae)、キク科(Asteraceae)、セリ科(Apiaceae)またはツゲ科(Buxaceae)の群からの抽出物またはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
植物抽出物は、カメリア種(Camellia spec.)、ハイビスカス種(Hibiscus spec.)、マルバ種(Malva spec.)、ビティス種(Vitis spec.)、ダウクス種(Daucus spec.)、コンミフォラ種(Commiphora spec.)、シモンドシス種(Simmondsia spec.)またはカレンデュラ種(Calendula spec.)の抽出物またはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
植物抽出物は、カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)、ハイビスカス・サブダリッファ(Hibiscus sabdariffa)、マルバ・シルベストリス(Malva sylvestris)、ビティス・ビチコラ(Vitis viticola)、ダウクス・カロタ(Daucus carota)、コンミフォラ・ミルラ(Commiphora myrrha)、シモンドシス・キネンシス(Simmondsia chinensis)またはカレンデュラ・オフィシナリス(Calendula officinalis)の抽出物またはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
プレバイオティク作用を有する物質は、グリセロールモノアルキルエーテルであることを特徴とする、請求項1〜20のいずれかに記載の使用。
【請求項26】
グリセロールモノアルキルエーテルは、1-(2-エチルヘキシル)グリセロールエーテルであることを特徴とする、請求項25に記載の使用。
【請求項27】
プレバイオティク作用を有する物質は、有機酸のエステルであることを特徴とする、請求項1〜20のいずれかに記載の使用。
【請求項28】
エステルは、ミリスチン酸イソプロピルまたはミリスチン酸エチルであることを特徴とする、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
皮膚処置は、予防的であることを特徴とする、請求項1〜28のいずれかに記載の使用。
【請求項30】
プレバイオティク作用を有する物質は、組成物の総重量に基づいて、0.01〜20重量%の量で存在することを特徴とする、請求項1〜29のいずれかに記載の使用。
【請求項31】
皮膚に対してプレバイオティク作用を有する物質を含んでなる、化粧品または医薬組成物。
【請求項32】
皮膚は、腋窩領域中の皮膚であることを特徴とする、請求項31に記載の化粧品または医薬組成物。
【請求項33】
皮膚に対してプレバイオティク作用を有する物質は、植物抽出物であることを特徴とする、請求項31または32に記載の化粧品または医薬組成物。
【請求項34】
植物抽出物は、茶抽出物、特にツバキ科(Theaceae)、ブドウ科(Vitaceae)またはアオイ科(Malvaceae)の群からの茶抽出物、またはキク科(Asteraceae)、セリ科(Apiaceae)またはツゲ科(Buxaceae)の群からの抽出物またはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項33に記載の化粧品または医薬組成物。
【請求項35】
植物抽出物は、カメリア種(Camellia spec.)、ハイビスカス種(Hibiscus spec.)、マルバ種(Malva spec.)、ビティス種(Vitis spec.)、ダウクス種(Daucus spec.)、コンミフォラ種(Commiphora spec.)、シモンドシス種(Simmondsia spec.)またはカレンデュラ種(Calendula spec.)の抽出物またはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項34に記載の化粧品または医薬組成物。
【請求項36】
植物抽出物は、カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)、ハイビスカス・サブダリッファ(Hibiscus sabdariffa)、マルバ・シルベストリス(Malva sylvestris)、ビティス・ビチコラ(Vitis viticola)、ダウクス・カロタ(Daucus carota)、コンミフォラ・ミルラ(Commiphora myrrha)、シモンドシス・キネンシス(Simmondsia chinensis)またはカレンデュラ・オフィシナリス(Calendula officinalis)の抽出物またはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項35に記載の化粧品または医薬組成物。
【請求項37】
プレバイオティク作用を有する物質は、グリセロールモノアルキルエーテルであることを特徴とする、請求項31または32に記載の化粧品または医薬組成物。
【請求項38】
グリセロールモノアルキルエーテルは、1-(2-エチルヘキシル)グリセロールエーテルであることを特徴とする、請求項37に記載の化粧品または医薬組成物。
【請求項39】
プレバイオティク作用を有する物質は、有機酸のエステルであることを特徴とする、請求項31または32に記載の化粧品または医薬組成物。
【請求項40】
エステルは、ミリスチン酸イソプロピルまたはミリスチン酸エチルであることを特徴とする、請求項39に記載の化粧品または医薬組成物。
【請求項41】
以下の群:
・有機、鉱物および変性鉱物光防護フィルター、
・ビタミンB群からのビタミン、プロビタミンまたはビタミン前駆体またはそれらの誘導体、および2-フラノン、パンテノール、パントラクトン、ニコチンアミドおよびビオチンの誘導体、
・さらなる植物抽出物、
・MMP-1-阻害物質、
・C2〜18-カルボン酸とのレチノール(ビタミンA)のエステル、
・酵素阻害剤、安定剤、脱臭剤活性成分、油、ワックス
の少なくとも1つから選択される少なくとも1つのさらなる物質を含んでなることを特徴とする、請求項31〜40のいずれかに記載の化粧品または医薬組成物。
【請求項42】
以下の群:
・乳化剤または分散剤としての界面活性物質、
・アミノ酸およびその亜鉛塩およびその酸付加塩、
・被膜形成および/または乳化安定化および/または増粘および/または接着性ポリマー、
・脂肪物質、界面活性剤、制汗剤およびポリオール、
・有機、鉱物および変性鉱物光防護フィルター、
・タンパク質加水分解物およびそれらの誘導体、
・モノ、オリゴ-および多糖類、およびそれらの誘導体、
・α-ヒドロキシカルボン酸およびα-ケトカルボン酸、およびそれらのエステル、ラクトンまたは塩形態
の少なくとも1つから選択される少なくとも1つのさらなる物質を含んでなることを特徴とする、請求項31〜41のいずれかに記載の化粧品または医薬組成物。
【請求項43】
局所的皮膚処置用組成物であることを特徴とする、請求項31〜42のいずれかに記載の化粧品または医薬組成物。
【請求項44】
石鹸、ローション、粉末、合成洗剤、フォーム、スティック、エマルジョン、スプレー、クリーム、ゲル、シャンプーまたは膏薬の状態で存在することを特徴とする、請求項31〜43のいずれかに記載の化粧品または医薬組成物。
【請求項45】
組成物は、脱臭剤および/または制汗剤であることを特徴とする、請求項31〜44のいずれかに記載の化粧品または医薬組成物。
【請求項46】
腋窩領域においてプレバイオティク作用を有する物質を同定するための方法であって、以下の工程:
a)強いまたは弱い臭気を有する被験体から比較試料を採取する工程と、
b)生体分子法による比較試料の組成の分析を通じて、弱い臭気を有する被験体に比べて強い臭気を有する被験体において、より多い程度またはより少ない程度で発生する微生物を同定する工程と、
c)工程(b)のより多い程度で発生する微生物の成長を阻害する物質、および/または工程(b)のより少ない程度で発生する微生物の成長を促進する物質について、物質ライブラリーを精査する工程
を含む、方法。
【請求項47】
腋窩領域においてプレバイオティク作用を有する物質を同定するための方法であって、探索は、臭気中立スタヒロコッカスの成長および/または生理活性を促進する物質、および/または同時に、臭気形成スタヒロコッカスおよび/またはグラム陽性アナエロコッカスの成長および/または生理活性を阻害する物質について行うことを特徴とする、方法。
【請求項48】
請求項46または47に記載の方法により得ることができる物質。

【公表番号】特表2007−529445(P2007−529445A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503250(P2007−503250)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【国際出願番号】PCT/EP2005/002606
【国際公開番号】WO2005/092279
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(391008825)ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン (309)
【氏名又は名称原語表記】HENKEL KOMMANDITGESELLSCHAFT AUF AKTIEN
【住所又は居所原語表記】40191 Dusseldorf,Henkelstrasse 67,Germany
【Fターム(参考)】