説明

脱臭及び殺菌作用を持つまな板

【課題】人体に害を及ぼさない物質を使用してまな板に脱臭、防汚、超親水性、殺菌効果を持たせることを課題とする。
【課題解決手段】まな板を作る樹脂に光活性のある酸化チタンを混入させて、光触媒反応により生じる酸化力により悪臭の原因となる有機物を分解し、細菌を殺菌する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
まな板を作る樹脂に酸化チタンの超微粒子(径約20nm)
やシリコーン状の酸化チタン等を混入させ、又はまな板の表面 を酸化チタンを混入させた樹脂で覆い通常の室内照明等の光で 酸化チタンの光触媒反応により悪臭の原因となる食用油等の有 機物を分解して脱臭し、細菌を死滅させることができる。
酸化チタンは太陽光で1μW/cm以下、酸化チタンの結 晶型でルチル型は400nm以下、アナタース型で380nm 以下の微弱な光の波長で反応し(通常の室内照明でも十分に反 応する)、光に含まれる紫外線のエネルギーを酸化チタンに照 射すると空気中の酸素や水分から活性酸素を生成し、この活性 酸素の酸化力によりまな板の表面に付着した悪臭や汚れの原因 となる有機物を分解し、細菌を死滅させる酸化チタンの光触媒 反応を利用したまな板。
また、酸化チタンを混入させた樹脂で作ったまな板の表面を 水で洗浄すると酸化チタンの光触媒反応により3ボルトと言う 強力な酸化電位が生じて、水処理で利用されている塩素、酸化 水素、オゾン等で細菌を殺菌するよりも大きな酸化電位で一般 雑菌、大腸菌(O−157を含め)、緑膿菌、ブドウ球菌やそ の他のバクテリヤ、ウィールス等を死滅させる。
【考案の属する技術分野】
【0002】
この考案は、光活性のある酸化チタンは太陽光や蛍光灯等に 含まれる微弱な紫外線のエネルギーで反応し空気中の酸素や水 分から活性酸素を生成し、この活性酸素の酸化力により悪臭の 原因となる有機物を分解し、細菌を死滅させる作用を利用し、 酸化チタンを超微粒子やシリコーン状等に加工した物をまな板 を作る樹脂に混入させ、又は酸化チタンを混入させた樹脂でま な板の表面を覆い脱臭、防汚、超親水性、殺菌効果を持たせた 酸化チタンの光触媒反応を利用した応用化学分野。
【従来の技術】
【0003】
従来の樹脂でできているまな板は脱臭、防汚、超親水性、殺 菌効果を持たせものは無く、包丁等で傷が付いた場合、傷口に 汚れや細菌が付着し熱湯消毒や強酸性水で殺菌処理をしない限 り殺菌の効果を上げることができなかった。
最近、抗菌まな板等が販売されてきたが、まな板の表面を抗 菌性の透明な樹脂でコーティングしたもので細菌を殺菌する能 力は無く、また長期間の使用でまな板の表面が包丁等で傷が増 え磨耗すると抗菌性能が低下する。
【考案が解決しようとする課題】
【0004】
この考案は、人体に全く無害な状態でまな板その物に脱臭、 防汚、超親水性、殺菌効果を持たせ、一般雑菌、大腸菌(O− 157を含む)、緑膿菌、ブドウ球菌、その他のバクテリヤや ウィールス等を長期的に殺菌する作用を持たせ、簡単な水洗い だけで殺菌効果を向上させることと、まな板が水に濡れた場合 に乾燥を早めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この考案は、まな板を作る樹脂に酸化チタンの超微粒子(径 約20nm)やシリコーン状の酸化チタン等を混入させ、又は まな板の表面を酸化チタンを混入させた樹脂で覆い通常の室内 照明等の光で酸化チタンの触媒反応により悪臭の原因となる食 用油等の有機物を分解して脱臭し、細菌を死滅させることがで き、酸化チタンの光触媒反応によりまな板を水で洗浄すると3 ボルトと言う強力な酸化電位が生じて、水処理で利用されてい る塩素、酸化水素、オゾン等で細菌を殺菌するよりも大きな酸 化電位で一般雑菌、大腸菌(O−157を含め)、緑膿菌、ブ ドウ球菌やその他のバクテリヤ、ウィールス等を死滅させる。
また、酸化チタンの光触媒反応によりまた板の表面が超親水 性となり、まな板の乾燥が早くなる。
【考案の実施の形態】
【0006】
この考案は図1に示すように、まな板を作る樹脂に酸化チタ ンの超微粒子(径約20nm)やシリコーン状の酸化チタン等 を混入させ、又は図2に示すように、まな板の表面を酸化チタ ンを混入させた樹脂等で覆い通常の太陽光や室内照明等の光( 400nm以下)で酸化チタンの触媒反応により悪臭の原因と なる食用油等の有機物を分解して脱臭し、細菌を死滅させるこ とができるようにしたまな板。
【実施例】
【0007】
図1に示すように、酸化チタンをまな板(3)を作る樹脂に 混入させると、通常の室内照明光(1)からでる紫外線(2)
でも十分に反応する酸化チタンの光触媒反応(5)(8)によ り、空気中の酸素や水分から活性酸素を生成し、その活性酸素 の酸化力により悪臭の原因となる有機物(7)を分解(8)し 、まな板(3)の表面に付着している一般細菌、大腸菌(O− 157を含む)、緑膿菌、ブドウ球菌やその他のバクテリヤ、 ウィール等(4)を強い酸化力で殺菌(6)する。
また、酸化チタンを混入させた樹脂の表面に水が接すると3 ボルトと言う強力な酸化電位が生じて、水処理で利用されてい る塩素、酸化水素、オゾン等で細菌の殺菌するよりも大きな酸 化電位でほとんど全ての細菌を殺菌できる。
この酸化チタンを混入させたまな板の上記反応を利用して病 院、老人ホーム、食品加工、一般家庭等で簡単にまな板を水洗 いし、室内照明が当たる所に置くだけで細菌を死滅させること ができる。
【考案の効果】
【0008】
酸化チタンを混入させた樹脂で作ったまな板に太陽光や蛍光 灯等で1000ルックスの光を30分間照射すると悪臭の原因 となる有機物を分解し、一般雑菌、大腸菌、MRSA、緑膿菌 、その他のバクテリヤやウィールス等を完全に殺菌される。
また、酸化チタンを混入させた樹脂で作ったまな板を水で洗 浄し光が当たる所に置くことにより3ボルトと言う強力な酸化 電位がが生じて、水処理で利用されている塩素、酸化水素、オ ゾン等による細菌の殺菌能力よりも大きい酸化電位でほとんど 全ての細菌を殺菌する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、酸化チタンを混入させた樹脂で作ったまな板の断面図で光触媒反応を示す。
【図2】図2は、酸化チタンを混入させた樹脂で表面を覆った実施例を示すまな板の断面図。
【符号の説明】
1.…………太陽光、蛍光灯等の紫外線を含む光源
2.…………紫外線
3.…………酸化チタンを混入させた樹脂で作ったまな板
4.…………細菌や汚れ
5.…………酸化力による殺菌作用
6.…………殺菌効果
7.…………悪臭の原因となる有機物
8.…………光触媒反応による有機物の分解
9.…………脱臭効果

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】光活性のある酸化チタンをまな板を作る樹脂に混入、又はまな板の表面を酸化チタンを混入させた樹脂で覆い酸化チタンの光触媒反応により脱臭、防汚、殺菌ができるまな板。

【図1】
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【図2】
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【登録番号】第3042744号
【登録日】平成9年(1997)8月13日
【発行日】平成9年(1997)10月31日
【考案の名称】脱臭及び殺菌作用を持つまな板
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平9−4281
【出願日】平成9年(1997)4月21日
【出願人】(596150024)