説明

脱臭機構

【課題】 本発明の課題は、動物舎や美容院など、アルコールによる消毒などが行われる環境において酸臭を生じさせない脱臭機構を提供することにある。
【解決手段】 脱臭機構1は、空気通路A1、オゾン発生部111、オゾン接触部25,33、および有機酸捕捉部35を備える。空気通路は、空気を通過させるための通路である。オゾン発生部は、オゾンを発生させる。オゾン接触部は、空気に含まれる臭気物質にオゾンを接触させるためのものであり、空気通路に配置される。有機酸捕捉部は、有機酸を捕捉するためのものであり、オゾン接触部の空気流れ方向下流側に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱臭機構、特に1vol.ppb以上のアルコール濃度を示す空気が存在する環境において優れた脱臭機能を発揮する脱臭機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、オゾンを用いて脱臭を行うオゾン脱臭装置の存在が広く知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】特許第2699666号明細書
【特許文献2】特許第3382857号明細書
【特許文献3】特開2001−262663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、本願発明者らが顧客の求めに応じて実験用のラットや、犬、マウス等を飼育するための動物舎の近傍や美容院などに公知のオゾン脱臭装置を設置したところ、本願発明者らはその数日後に顧客から酸臭がするとの報告を受けた。この報告を受けて、本願発明者らは、この酸臭の原因について鋭意調査した。そして、本願発明者らは、動物舎や美容院などにおいて消毒用にエタノールが用いられていることが酸臭発生の原因であることを突き止めた。つまり、エタノールがオゾンにより酸化されて酢酸になり、その酢酸が酸臭の元となっていたということである。
【0004】
本発明の課題は、動物舎や美容院など、アルコールによる消毒などが行われる環境において酸臭を生じさせない脱臭機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明に係る脱臭機構は、空気通路、オゾン発生部、オゾン接触部、および有機酸捕捉部を備える。空気通路は、空気を通過させるための通路である。オゾン発生部は、オゾンを発生させる。オゾン接触部は、空気に含まれる臭気物質にオゾンを接触させるためのものであり、空気通路に配置される。有機酸捕捉部は、有機酸を捕捉するためのものであり、オゾン接触部の空気流れ方向下流側に配置される。
【0006】
この脱臭装置では、有機酸捕捉部が、オゾン接触部の空気流れ方向下流側に配置される。このため、この脱臭装置は、動物舎や美容院など、アルコールによる消毒などが行われる環境であっても、アルコールがオゾンにより酸化されて生成する有機酸を排出することを防ぐことができる。したがって、この脱臭装置では、酸臭が発生するのを防ぐことができる。
【0007】
第2発明に係る脱臭機構は、第1発明に係る脱臭機構であって、有機酸捕捉部は、脱着可能である。このため、この脱臭機構では、有機酸捕捉部を交換することができる。したがって、この脱臭機構では、有機酸捕捉部を常時、効力を発揮できる状態に維持することができる。
第3発明に係る脱臭機構は、第2発明に係る脱臭機構であって、有機酸捕捉部は、水洗可能である。このため、この脱臭装置では、有機酸捕捉部の交換に費やされるコストを削減することができる。したがって、この脱臭装置では、ランニングコストを低く抑えることができる。
【0008】
第4発明に係る脱臭機構は、第3発明に係る脱臭機構であって、有機酸捕捉部は、光半導体触媒を含む。このため、この脱臭機構では、水で洗いきれずに有機酸捕捉部に残存する物質も天日干しすれば光分解することができる。
第5発明に係る脱臭機構は、第3発明に係る脱臭機構であって、有機酸捕捉部は、光半導体触媒機能を有するアパタイトを含む。なお、ここにいう「光半導体触媒機能を有するアパタイト」とは、例えば、カルシウムヒドロキシアパタイトの一部のカルシウム原子がイオン交換などの手法によってチタン原子に置換されたアパタイトなどである。このため、この脱臭機構では、水で洗いきれずに有機酸捕捉部に残存する物質も天日干しすれば光分解することができる。また、有機酸捕捉部の有機酸に対する吸着能力を向上させることができる。
【0009】
第6発明に係る脱臭機構は、第1発明から第5発明のいずれかに係る脱臭機構であって、有機酸捕捉部は、ハニカム構造を有する。このため、この脱臭装置では、被処理空気の処理効率を向上させることができる。
第7発明に係る脱臭機構は、第1発明または第2発明に係る脱臭機構であって、有機酸捕捉部は、陰イオン交換樹脂を含む。このため、この脱臭装置では、有機酸を効率的に捕捉することができる。
【0010】
第8発明に係る脱臭機構は、1vol.ppb以上のアルコール濃度を示す空気が存在する環境において使用される脱臭機構であって、空気通路、オゾン発生部、オゾン接触部、および有機酸捕捉部を備える。空気通路は、空気を通過させるための通路である。オゾン発生部は、オゾンを発生させる。オゾン接触部は、空気に含まれる臭気物質にオゾンを接触させるためのものであり、空気通路に配置される。有機酸捕捉部は、有機酸を捕捉するためのものであり、オゾン接触部の空気流れ方向下流側に配置される。
【0011】
通常、1vol.ppb以上のアルコール濃度を示す空気が存在する環境において、アルコールが酸化されて有機酸が生じると、人間の嗅覚でその臭いを感知することができる。
しかし、この脱臭装置では、有機酸捕捉部が、オゾン接触部の空気流れ方向下流側に配置される。このため、この脱臭装置は、1vol.ppb以上のアルコール濃度を示す空気が存在する環境であっても、アルコールがオゾンにより酸化されて生成する有機酸を排出することを防ぐことができる。したがって、この脱臭装置では、酸臭が発生するのを防ぐことができる。
【0012】
第9発明に係る脱臭機構は、空気通路、吸着材、オゾン発生部、およびフィルタを備える。空気通路は、空気を通過させるための通路である。吸着材は、空気に含まれる臭気物質を吸着するものであって、空気通路に配置される。なお、ここにいう「吸着材」とは、例えば、ゼオライト、アルミナ、シリカゲル等である。オゾン発生部は、オゾンを発生するものであって、吸着材の空気流れ方向上流側に配置される。フィルタは、光半導体触媒、光半導体触媒機能を有するアパタイト、および陰イオン交換樹脂より成る群から選択される少なくとも1つを含む。そして、このフィルタは、吸着材の空気流れ方向下流側に配置される。
【0013】
この脱臭装置では、フィルタが、光半導体触媒、光半導体触媒機能を有するアパタイト、および陰イオン交換樹脂より成る群から選択される少なくとも1つを含み、吸着材の空気流れ方向下流側に配置される。このため、この脱臭装置は、動物舎や美容院など、アルコールによる消毒などが行われる環境であっても、アルコールがオゾンにより酸化されて生成する有機酸を排出することを防ぐことができる。したがって、この脱臭装置では、酸臭が発生するのを防ぐことができる。
【0014】
第10発明に係る脱臭装置は、空気通路、オゾン供給部、攪拌混合部、およびフィルタを備える、空気通路は、空気を通過させるための通路である。オゾン供給部は、空気通路にオゾンを供給する。攪拌混合部は、空気とオゾンとを攪拌混合するものであって、オゾン供給部の空気流れ方向下流側に配置される。フィルタは、光半導体触媒、光半導体触媒機能を有するアパタイト、および陰イオン交換樹脂より成る群から選択される少なくとも1つを含む。そして、このフィルタは、攪拌混合部の空気流れ方向下流側に配置される。
【0015】
この脱臭装置では、フィルタが、光半導体触媒、光半導体触媒機能を有するアパタイト、および陰イオン交換樹脂より成る群から選択される少なくとも1つを含み、攪拌混合部の空気流れ方向下流側に配置される。このため、この脱臭装置は、動物舎や美容院など、アルコールによる消毒などが行われる環境であっても、アルコールがオゾンにより酸化されて生成する有機酸を排出することを防ぐことができる。したがって、この脱臭装置では、酸臭が発生するのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0016】
第1発明に係る脱臭機構は、動物舎や美容院など、アルコールによる消毒などが行われる環境であっても、アルコールがオゾンにより酸化されて生成する有機酸を排出することを防ぐことができる。したがって、この脱臭装置では、酸臭が発生するのを防ぐことができる。
第2発明に係る脱臭機構では、有機酸捕捉部を交換することができる。したがって、この脱臭機構では、有機酸捕捉部を常時、効力を発揮できる状態に維持することができる。
【0017】
第3発明に係る脱臭機構では、有機酸捕捉部の交換に費やされるコストを削減することができる。したがって、この脱臭装置では、ランニングコストを低く抑えることができる。
第4発明に係る脱臭機構では、水で洗いきれずに有機酸捕捉部に残存する物質も天日干しすれば光分解することができる。
【0018】
第5発明に係る脱臭機構では、水で洗いきれずに有機酸捕捉部に残存する物質も天日干しすれば光分解することができる。また、有機酸捕捉部の有機酸に対する吸着能力を向上させることができる。
第6発明に係る脱臭機構では、被処理空気の処理効率を向上させることができる。
第7発明に係る脱臭機構では、有機酸を効率的に捕捉することができる。
【0019】
第8発明に係る脱臭機構は、1vol.ppb以上のアルコール濃度を示す空気が存在する環境であっても、アルコールがオゾンにより酸化されて生成する有機酸を排出することを防ぐことができる。したがって、この脱臭装置では、酸臭が発生するのを防ぐことができる。
第9発明に係る脱臭機構は、動物舎や美容院など、アルコールによる消毒などが行われる環境であっても、アルコールがオゾンにより酸化されて生成する有機酸を排出することを防ぐことができる。したがって、この脱臭装置では、酸臭が発生するのを防ぐことができる。
【0020】
第10発明に係る脱臭装置は、動物舎や美容院など、アルコールによる消毒などが行われる環境であっても、アルコールがオゾンにより酸化されて生成する有機酸を排出することを防ぐことができる。したがって、この脱臭装置では、酸臭が発生するのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係る脱臭装置を、図1を用いて詳述する。
〔脱臭装置の構造〕
本発明の実施の形態に係る脱臭装置1は、アルコール消毒が必要な動物舎や美容院向けに設計されている脱臭装置であって、図1に示されるように、主に、本体ケーシング10、オゾン発生ユニット11、シロッコファンユニット21、および臭気物質処理ユニット31から構成されている。以下、この脱臭装置1を構成する部材10,11,21,31について詳述する。
【0022】
(1)本体ケーシング
本体ケーシング10は天板102、前板(図1では取り外されている)、背板、底板、右側板、および左側板101から成る柱状の箱体であり、その内部に形成される空間は第1隔離板W1および第2隔離板W2によって高さ方向に3つに区画されている。なお、以下、3つに区画されたこれらの空間を、下から順に第1空間R1、第2空間R2、および第3空間R3と呼ぶ。また、この本体ケーシング10では左側板101のうち第2空間R2に対応する部分に給気口20が設けられており、この給気口20は金網23で覆われている。また、この本体ケーシング10では、天板102に複数の長孔で構成される第2排気口30が設けられている。また、この本体ケーシング10において、天板102は、着脱可能になっている。
【0023】
(2)オゾン発生ユニット
オゾン発生ユニット11は、図1に示されるように、第1空間R1に配置されており、主に、オゾナイザー111およびエアポンプ112から構成される。
エアポンプ112は、第1パイプ113を介してオゾナイザー111に配管接続されている。また、このエアポンプ112は、第1隔離板W1および第2隔離板W2を貫通して設けられる第2パイプ114を介して排気空間E1(後述)に配管接続されている。そして、このエアポンプ112は、排気空間E1から第2パイプ114を介して吸い込んだ空気を、第1パイプ113を介して連続的にオゾナイザー111に配送する。
【0024】
オゾナイザー111は、第1隔離板W1を貫通して設けられる第3パイプ115を介して給気管22と配管接続されている。そして、このオゾナイザー111は、無声放電を行うことにより、エアボンプ112から第1パイプ113を介して配送される空気中の酸素をオゾン化する。その後、オゾナイザー111において生成したオゾンは、エアポンプ112により、第3パイプ115を通って給気管22に供給される。
【0025】
なお、シロッコファンユニット21の第1排気口27(後述)の内部にはオゾンセンサ(図示せず)が設けられており、オゾナイザー111には放電極への印加電圧を調節するオゾナイザー制御部(図示せず)が設けられている。そして、オゾナイザー制御部は、オゾンセンサと通信接続されており、シロッコファンユニット21の第1排気口27におけるオゾン濃度が1vol.ppm以下(0.1〜1vol.ppm)となるように放電極への印加電圧を制御する。
【0026】
(3)シロッコファンユニット
シロッコファンユニット21は、いわゆる羽根型擬枠機であり、図1に示されるように、第2空間R2に配置されている。このシロッコファンユニット21は、図1に示されるように、主に、略円柱状のファンケーシング24、ファンケーシング24に内蔵される羽根車25、および回転軸Xを中心として羽根車25を回転駆動させるモータ(図示せず)から構成されている。
【0027】
ファンケーシング24は、図1に示されるように、羽根車25の回転軸Xの延長線を中心として放射状に形成される開口群26を片側に有している。そして、この開口群26の外周部には給気管22の一端が接続されている。なお、この給気管22の他端は、本体ケーシング10に設けられている給気口20に取り付けられている。また、このファンケーシング24は、図1に示されるように、羽根車25の回転軌道の接線方向に延びる第1排気口27を有している。そして、この第1排気口27は、臭気物質処理ユニット31のユニットケーシング32(後述)と連通している。
【0028】
(4)臭気物質処理ユニット
臭気物質処理ユニット31は、図1に示されるように、主に第3空間R1に配置されており、主に、ユニットケーシング32、臭気物質吸着ハニカムフィルタ33、オゾン分解触媒フィルタ34、および有機酸吸着フィルタ35から構成されている。
ユニットケーシング32は、上下に開口した略柱状の筒体であって、第2隔離板W2を貫通して設けられている。また、図1から明らかなように、ユニットケーシング32の下端の開口は、シロッコファンユニット21の第1排気口27に取り付けられている。そして、このユニットケーシング32には、第1排気口27の取り付け側から順に、臭気物質吸着ハニカムフィルタ33、オゾン分解触媒フィルタ34、および有機酸吸着フィルタ35が収容されている。つまり、シロッコファンユニット21から供給される被処理空気は、臭気物質吸着ハニカムフィルタ33、オゾン分解触媒フィルタ34、および有機酸吸着フィルタ35の順に通過することとなる。
【0029】
臭気物質吸着ハニカムフィルタ33は厚さ方向に延びる多数の貫通孔を有するハニカムフィルタであり(図2参照)、その孔壁には例えば、ゼオライト、アルミナ、シリカゲル等からなる孔径2〜10Aの多数の細孔を有する多孔質材が塗装されている。
オゾン分解触媒フィルタ34は、厚さ方向に延びる多数の貫通孔を有するハニカムフィルタであり(図2参照)、その孔壁には例えば、FeO、MnO2等の卑金属化合物や活性炭が塗装されている。そして、このオゾン分解触媒フィルタ34は、上述したように、臭気物質吸着ハニカムフィルタ33の空気流れ方向下流側に配置され、臭気物質吸着ハニカムフィルタ33を通過した空気に含まれる未反応の残留オゾンを分解還元する役目を担う。
【0030】
有機酸吸着フィルタ35は、厚さ方向に延びる多数の貫通孔を有するハニカムフィルタであり(図2参照)、その孔壁には例えばアナターゼ型の二酸化チタン粉体が塗装されている。この有機酸吸着フィルタ35は、上述したように、オゾン分解触媒フィルタ34の空気流れ方向下流側に配置されており、臭気物質吸着ハニカムフィルタ33およびオゾン分解触媒フィルタ34を通過した空気に含まれる有機酸を吸着する役目を担う。また、この有機酸吸着フィルタ35は、ユニットケーシング32に対して着脱可能に取り付けられている。また、この有機酸吸着フィルタ35は、水洗により再利用可能となる。
【0031】
そして、有機酸吸着フィルタ35の空気流れ方向下流側には排気空間E1が広がっており、排気空間E1は第2排気口30を介して装置外の空間と連通している。
なお、給気口20、給気管22、ファンケーシング24、ユニットケーシング32、排気空間E1、および第2排気口30により形成される空間は、互いに連通しており、空気通路A1を形成していることになる。
【0032】
〔脱臭装置の運転〕
ここでは、脱臭装置1の運転について説明する。
脱臭装置1は商用電源(図示せず)に接続されており、脱臭装置1の運転停止スイッチ(図示せず)が運転状態にされると、商用電源からエアポンプ112、オゾナイザー111、およびシロッコファンユニット21のモータに通電が行われる。
【0033】
エアポンプ112およびオゾナイザー111に通電が行われると、エアポンプ112が、排気空間E1に存在する空気を第2パイプ114を介して吸い込んだ後、その空気を第1パイプ113を介して連続的にオゾナイザー111に配送する。
オゾナイザー111は、無声放電を行うことにより、エアボンプ112から第1パイプ113を介して配送される空気中の酸素をオゾン化する。その後、オゾナイザー111において生成したオゾンは、エアポンプ112により第3パイプ115を通って給気管22に供給される。
【0034】
一方、シロッコファンユニット21のモータに通電が行われると、モータにより羽根車25が回転駆動され、給気口20から給気管22を介してファンケーシング24内に空気が吸い込まれる。つまり、ファンケーシング24内には、オゾナイザー111において生じたオゾンと被処理空気とがほぼ同時に吸い込まれることになる。そして、ファンケーシング24内に取り込まれたオゾンと被処理空気とは、ファンケーシング24内で十分に混合された後、第1排気口27を介して臭気物質処理ユニット31へ吹き出されることになる(以下、このオゾンと被処理空気との混合ガスを「オゾン含有被処理空気」という)。このとき、オゾン含有被処理空気中に存在する臭気物質の一部は、オゾンにより酸化あるいは酸化分解される。なお、オゾン含有被処理空気中にアルコールが存在する場合、アルコール分子のほとんどは、酸化分解されて水と二酸化炭素になることはなく、アルデヒドや有機酸に変換される。
【0035】
臭気物質処理ユニット31に吹き出されたオゾン含有被処理ガスは、臭気物質吸着ハニカムフィルタ33、オゾン分解触媒フィルタ34、および有機酸吸着フィルタ35の順に各フィルタ33,34,35を通過して排気空間E1に至った後に第2排気口30から排出される。なお、オゾン含有被処理空気が臭気物質吸着ハニカムフィルタ33に到達すると、オゾン含有被処理空気中の臭気物質、臭気物質の酸化物、および臭気物質の酸化分解物などが臭気物質吸着ハニカムフィルタ33のゼオライト、アルミナ、シリカゲル等の多孔質材に吸着され、オゾンによりさらに酸化あるいは酸化分解される。また、オゾン含有被処理空気がオゾン分解触媒フィルタ34に到達すると、オゾン含有被処理空気中のオゾンが分解される。また、オゾン含有被処理空気が有機酸吸着フィルタ35に到達すると、オゾン含有被処理空気中に存在する有機酸や、酸化分解にまで至らなかった臭気物質などが有機酸吸着フィルタ35のアナターゼ型の二酸化チタン粉体に吸着される。臭気物質処理ユニット31では、このようにして被処理空気中の臭気分子を除去し、被処理空気を脱臭する。
【0036】
そして、脱臭された被処理空気は、排気空間E1に至り、第2排気口30から排出される。なお、このとき、脱臭された被処理空気の一部は、第2パイプ114を介してエアポンプ112に吸い込まれ、オゾナイザー111のオゾン生成用空気として利用される。
〔有機酸吸着フィルタの取替処理および再生処理〕
上述したように、脱臭装置1の運転とともに、有機酸吸着フィルタ35のアナターゼ型の二酸化チタン粉体には、有機酸や、酸化分解にまで至らなかった臭気物質などが吸着し堆積していく。つまり、脱臭装置1の運転時間が長くなれば長くなるほど、有機酸吸着フィルタ35の吸着性能が低下することになる。しかし、この有機酸吸着フィルタ35は、上述したように、水洗することにより再利用可能となるものである。したがって、本実施の形態では、脱臭装置1の運転時間が一定時間を超えると、脱臭装置1のユーザ等が以下に示される取替作業や再生作業を実施する。
【0037】
(1)取替作業
サービスエンジニア等が、本体ケーシング10の天板102を取り外した後、ユニットケーシング32から有機酸吸着フィルタ35を取り外し、新しい有機酸吸着フィルタ又は再生処理された有機酸吸着フィルタを取り付ける。
(2)再生作業
サービスエンジニア等は、取り外した有機酸吸着フィルタ35を水洗いし、天日干しする。なお、有機酸吸着フィルタ35には、アナターゼ型の二酸化チタンが担持されているので、水で洗いきれなかった物質も天日干しされる間に光分解反応を受け、分解処理されることになる。
【0038】
〔脱臭装置の特徴〕
(1)
本発明の実施の形態に係る脱臭装置1では、臭気物質吸着ハニカムフィルタ33の空気流れ方向下流側に有機酸吸着フィルタ35が配置される。したがって、この脱臭装置1は、空気中にアルコールが存在する環境であっても、酸臭の発生を抑制することができる。
【0039】
(2)
本発明の実施の形態に係る脱臭装置1では、ユニットケーシング32に対して脱着可能であり且つ脱着後に水洗することにより再生可能な有機酸吸着フィルタ35が採用されている。したがって、この脱臭装置1では、ランニングコストを低く抑えることができる。
(3)
本発明の実施の形態に係る脱臭装置1では、シロッコファンユニット21によって被処理空気とオゾンとが強制混合されるので、臭気物質やオゾンが偏在しない均一な混合ガスが得られる。このため、この脱臭装置1では、有害物質分子とオゾン分子との衝突確率が高められる。したがって、この脱臭装置1では、オゾン濃度が低いにも関わらず、また、仮に臭気物質濃度が低くても優れた脱臭性能を得ることができる。
【0040】
具体的には、臭気物質が体臭、生ゴミ臭、トイレ臭、汗や尿の臭い等の原因となる塩基性化合物(例えば、アンモニアやトリメチルアミン)等であれば、本脱臭装置1は、JIS K 0804の検知管式ガス測定器では検知できない程度まで脱臭を行うことができる。
また、臭気物質が刺激的な酸臭の原因となるアルデヒド化合物(例えば、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド)等であれば、本脱臭装置1は、厚生労働省より簡易測定器として平成15年6月1日から適用されたホルムアルデヒド検知器(理研計器株式会社製 商品番号FP−30(指定番号1501))により検出される臭気物質濃度が0.01ppm以下となる程度まで脱臭を行うことができる。
【0041】
また、臭気物質が腐った玉ねぎや卵の臭いや温泉臭の原因となる硫黄化合物(例えば、硫化水素やメチルメルカプタン)等であれば、本脱臭装置1は、JIS K 0804の検知管式ガス測定器では検知されない程度まで脱臭を行うことができる。
また、臭気物質が焼き肉臭などの原因となる有機酸化合物であれば、JIS K 0804の検知管式ガス測定器では検知されない程度まで脱臭を行うことができる。
【0042】
なお、ここで、「検知されない程度」とは、通常の10倍の1000mLのサンプルを測定した場合においても検知できない程度である(通常は、100mLのサンプルにて測定することになっている)。
(4)
本発明の実施の形態に係る脱臭装置1では、エアポンプ112が、第2パイプ114を介して排気空間E1(後述)に配管接続されている。つまり、エアポンプ112は、脱臭された空気をオゾナイザー111に供給することになる。
【0043】
ここで、仮に、オゾナイザー111のオゾン生成用空気として脱臭前の被処理空気を用いたとすると、オゾナイザー111が臭気物質により損傷を受けるおそれがある。また、ボンベ等からオゾン生成用空気を供給すると、装置が大型化してしまうという問題がある。
しかし、本発明の実施の形態に係る脱臭装置1のように脱臭後の空気の一部をオゾナイザー111のオゾン生成用空気として利用すれば、脱臭装置1の運転開始初期には臭気物質を含む空気をオゾン生成用空気として使用せざるを得ないものの、定常運転時ではオゾナイザー111が臭気物質により損傷を受けるおそれがない。
【0044】
(5)
本発明の実施の形態に係る脱臭装置1では、ファンケーシング24内にオゾンと被処理空気とがほぼ同時に吸い込まれる。そして、そのオゾンと被処理空気とは、モータにより回転駆動される羽根車により攪拌される。この攪拌により、臭気物質とオゾンとの衝突確率が高められる。
【0045】
(6)
本発明の実施の形態に係る脱臭装置1では、シロッコファンユニット21から吹き出されたオゾン含有被処理空気は、臭気物質吸着ハニカムフィルタ33に接触する。このため、この脱臭装置1では、オゾン含有被処理空気が臭気物質吸着ハニカムフィルタ33周辺の狭い空間に偏在することになる。したがって、この脱臭装置1では、臭気物質とオゾンとの衝突確率がさらに高められている。
【0046】
(7)
本発明の実施の形態に係る脱臭装置1では、臭気物質吸着ハニカムフィルタ33の空気流れ方向下流側にオゾン分解触媒フィルタ34が配置される。このため、この脱臭装置1では、人体に有害となるオゾンが装置1外に流出するのを防ぐことができる。
〔変形例〕
(A)
先の実施の形態に係る脱臭装置1では、オゾナイザー111から延びる第3パイプ115が給気管22に配管接続される構造が採用されていたが、この構造に代えて、オゾナイザー111から延びる第3パイプ115がシロッコファンユニット21の第1排気口27に配管接続される構造を採用してもよい。
【0047】
(B)
先の実施の形態に係る脱臭装置1に採用された有機酸吸着フィルタ35には、アナターゼ型の二酸化チタン粉体が塗装されていたが、これに代えて、有機酸吸着フィルタ35に強塩基性アニオン交換樹脂や弱塩基性アニオン交換樹脂などのイオン交換樹脂が塗装されていてもよい。なお、これらのイオン交換樹脂は多孔質のイオン交換樹脂であってもかまわない。
【0048】
(C)
先の実施の形態に係る脱臭装置1に採用された有機酸吸着フィルタ35には、アナターゼ型の二酸化チタン粉体が塗装されていたが、これに代えて、光半導体触媒機能を有するアパタイトが塗装されていてもよい。なお、ここにいう「光半導体触媒機能を有するアパタイト」とは、例えば、カルシウムヒドロキシアパタイトの一部のカルシウム原子がイオン交換などの手法によってチタン原子に置換されたアパタイトなどである。
【0049】
(D)
先の実施の形態に係る脱臭装置1に採用された有機酸吸着フィルタ35には、アナターゼ型の二酸化チタン粉体が塗装されていたが、これに代えて、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、および酸化鉄などに代表される金属酸化物、C60などのフラーレンに代表される炭素系の光半導体触媒、遷移金属からなるナイトライド、オキシナイトライド等、他の光半導体触媒を塗装してもよい。
【0050】
(E)
先の実施の形態に係る脱臭装置1に採用された有機酸吸着フィルタ35はハニカム構造を有していたが、有機酸吸着フィルタ35の形状は特に限定されず、バグフィルターのような不織布の形状であってもよい。
(F)
先の実施の形態に係る脱臭装置1では、送風機としてシロッコファンユニット21を採用したが、これに代えて、プロペラファンを備えたユニット等を採用してもかまわない。
【0051】
(G)
先の実施の形態に係る脱臭装置1では、オゾナイザー制御部が、シロッコファンユニット21の第1排気口27におけるオゾン濃度が1ppm以下(0.1〜1vol.ppm)となるように放電極への印加電圧を制御したが、オゾン濃度はその用途により適宜変更してもかまわない。
【0052】
(H)
先の実施の形態に係る脱臭装置1に採用された有機酸吸着フィルタ35は水洗により再利用可能であったが、これに代えて、使い捨てのケミカルフィルター等を採用してもかまわない。
(I)
先の実施の形態に係る脱臭装置1は、アルコール消毒が必要な動物舎や美容院への設置に適するが、その他、一般のオフィスビル、病院、ホテル、食品工場、地下鉄構内、遊戯場、電車内、印刷工場、射出成形工場、クリーンルーム、塗料工場、ごみ焼却炉、水産加工場、発酵工場、生ごみ処理場、し尿・下水処理場などに設置されてもかまわない。
【0053】
〔実施例〕
以下、本発明に係る脱臭装置1の性能を評価した例を示す。
【実施例1】
【0054】
図1に示される脱臭装置1に、有機酸吸着フィルタ35として「粒状の光半導体触媒を含むフィルタ」を装着した。なお、このフィルタは、市販の光触媒能力を有する酸化チタン4kgを不織布に詰めた後、その不織布を上方と下方を開放した600x450x25mmのステンレス製の枠に入れて作製したものである。また、このフィルタの上面と下面は2メッシュの網で固定した。
【0055】
次に、エタノールを入れたタンク及び液体ポンプを用意し、図1に示す脱臭装置1の給気口20に液体ポンプから延びるチューブを挿入した後、脱臭装置1および液体ポンプを運転させた。なお、このとき、脱臭装置1は、風量が600m3/h、オゾン発生量が1.0g/hとなるように運転させた。また、このとき、第1排気口27に設けられるサンプリング孔にオゾン検知管(光明理化学工業製182U)を挿入してオゾン濃度を測定したところ、オゾン濃度は0.85〜0.95vol.ppmで一定となった。
【0056】
液体ポンプにより給気口20に滴下注入されたエタノールは、シロッコファンユニット21により生成される気流により気化し、第1排気口27から臭気物質処理ユニット31に送り込まれた。なお、このとき、液体ポンプは、滴下エタノール量が10mg/minとなるように運転させた。そして、脱臭装置1内における気化後のエタノール濃度は0.5vol.ppmと計算された。
【0057】
そして、エタノールを注入してから8時間後および24時間後に、第2排気口30近傍に酢酸検知管(ガステック(株)製81L)を近づけて酢酸濃度を測定した。結果を表1に示す。
【実施例2】
【0058】
実施例1において有機酸吸着フィルタ35として「粒状の光触媒チタンアパタイトを含むフィルタ」を装着した以外は実施例1と同様の条件で試験を行った。結果を表1に示す。
なお、このフィルタは、市販の光触媒チタンアパタイト4kgを、実施例1と同様に、不織布に詰めた後、その不織布を上方と下方を開放した600x450x25mmのステンレス製の枠に入れて作製したものである。なお、このフィルタの上面と下面は2メッシュの網で固定した。
【実施例3】
【0059】
実施例1において有機酸吸着フィルタ35として「光半導体触媒を含むハニカム形状のフィルタ」を装着した以外は実施例1と同様の条件で試験を行った。
なお、このフィルタは、三菱製紙(株)製のフィルタ(商品名:アクア・ラジットS)を上方と下方を開放した600x450x25mmのステンレス製の枠に入れて作製したものである。また、三菱製紙(株)製のフィルタは、ハニカムセルサイズが3.3x2.1mmで、質量が4kgであった。
【実施例4】
【0060】
実施例1において有機酸吸着フィルタ35として「光触媒チタンアパタイトを含むハニカム形状のフィルタ」を装着した以外は実施例1と同様の条件で試験を行った。結果を表1に示す。
なお、このフィルタは、ダイキン工業(株)製の光クリエール(商品名)用の空気清浄フィルタを折り曲げてハニカム形状に加工し、上方と下方を開放した600x450x25mmのステンレス製の枠に入れて作製したものである。また、利用した空気清浄フィルタは、質量が4kgであった。
【実施例5】
【0061】
実施例1において有機酸吸着フィルタ35として「粒状の陰イオン交換樹脂を含むフィルタ」を装着した以外は実施例1と同様の条件で試験を行った。結果を表1に示す。
なお、このフィルタは、オルガノ(株)製の陰イオン交換樹脂(商品名:アンバーライトIRA−401)5kgを不織布に詰めた後、その不織布を上方と下方を開放した600x450x25mmのステンレス製の枠に入れて作製したものである。また、このフィルタの上面と下面は2メッシュの網で固定した。
【実施例6】
【0062】
実施例1において有機酸吸着フィルタ35として「実施例3において採用された光半導体触媒を含むハニカム形状のフィルタであって、上記試験後に水槽に浸漬して水切りを3回繰り返した後、90℃の恒温槽内にてN2パージをしながら15時間乾燥して再生したもの」を装着した以外は実施例1と同様の条件で試験を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において有機酸吸着フィルタ35を装着しなかった以外は実施例1と同様の条件で試験を行った。結果を表1に示す。
【0063】
【表1】

【実施例7】
【0064】
実施例3において採用された「光半導体触媒を含むハニカム形状のフィルタ」を有機酸吸着フィルタ35として装着した脱臭装置1を某研究所動物舎のドア付近の廊下に設置して、脱臭試験を行った。なお、その位置で空気分析を行ったところ、その空気中にはエタノールが0.2vol.ppm含まれていた。そして、試験開始から2週間、酸の脱臭効果が継続し、第2排気口30近傍において動物舎の悪臭および酸臭が感じられることはなかった。
(比較例2)
実施例7において有機酸吸着フィルタ35を装着しなかった以外は実施例7と同様の条件で試験を行った。その結果、動物舎特有の悪臭は除去できたが3日後に第2排気口30近傍において酸臭が感じられた。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明に係る脱臭装置は、アルコール消毒が必要な動物舎や美容院向けの脱臭装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態に係る脱臭装置の構造を表す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る脱臭装置に採用される各種フィルタの構造を表す斜視図である。
【符号の説明】
【0067】
1 脱臭装置
11 オゾン発生ユニット(オゾン供給部)
25 羽根車(オゾン接触部、攪拌部)
33 臭気物質吸着ハニカムフィルタ(オゾン接触部、吸着材)
35 有機酸吸着フィルタ(有機酸捕捉部、フィルタ)
111 オゾナイザー(オゾン発生部)
A1 空気通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を通過させるための空気通路(A1)と、
オゾンを発生させるオゾン発生部(111)と、
前記空気通路に配置される、前記空気に含まれる臭気物質に前記オゾンを接触させるためのオゾン接触部(25,33)と、
前記オゾン接触部の前記空気流れ方向下流側に配置される、有機酸を捕捉するための有機酸捕捉部(35)と、
を備える、脱臭機構(1)。
【請求項2】
前記有機酸捕捉部は、脱着可能である、
請求項1に記載の脱臭機構。
【請求項3】
前記有機酸捕捉部は、水洗可能である、
請求項2に記載の脱臭機構。
【請求項4】
前記有機酸捕捉部は、光半導体触媒を含む、
請求項3に記載の脱臭機構。
【請求項5】
前記有機酸捕捉部は、光半導体触媒機能を有するアパタイトを含む、
請求項3に記載の脱臭機構。
【請求項6】
前記有機酸捕捉部は、ハニカム構造を有する、
請求項1から5のいずれかに記載の脱臭機構。
【請求項7】
前記有機酸捕捉部は、陰イオン交換樹脂を含む、
請求項1または2に記載の脱臭機構。
【請求項8】
1vol.ppb以上のアルコール濃度を示す空気が存在する環境において使用される脱臭機構であって、
前記空気を通過させるための空気通路と、
オゾンを発生させるオゾン発生部と、
前記空気通路に配置される、前記空気に含まれる臭気物質に前記オゾンを接触させるためのオゾン接触部と、
前記オゾン接触部の前記空気流れ方向下流側に配置される、有機酸を捕捉するための有機酸捕捉部と、
を備える、脱臭機構。
【請求項9】
空気を通過させるための空気通路(A1)と、
前記空気通路に配置され、前記空気に含まれる臭気物質を吸着する吸着材(33)と、
前記吸着材の空気流れ方向上流側に配置され、オゾンを発生するオゾン発生部(111)と、
前記吸着材の前記空気流れ方向下流側に配置され、光半導体触媒、光半導体触媒機能を有するアパタイト、および陰イオン交換樹脂より成る群から選択される少なくとも1つを含むフィルタ(35)と、
を備える、脱臭機構(1)。
【請求項10】
空気を通過させるための空気通路(A1)と、
前記空気通路にオゾンを供給するオゾン供給部(115)と、
前記オゾン供給部の空気流れ方向下流側に配置され、前記空気と前記オゾンとを攪拌混合する攪拌混合部(25)と、
前記攪拌混合部の空気流れ方向下流側に配置され、光半導体触媒、光半導体触媒機能を有するアパタイト、および陰イオン交換樹脂より成る群から選択される少なくとも1つを含むフィルタ(35)と、
を備える、脱臭機構(1)。


【図1】
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【図2】
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