説明

脱臭装置

【課題】 悪臭ガスの資化の伴って発生する空気より軽いガスと空気より重いガスを効率よく同時に排出する脱臭装置を提供する。
【解決手段】 脱臭装置本体1は、密閉された金属製の円筒又は角筒であり、その上部に上部排出口7が設けられ、下部には下部排出口8が設けられ、且つ上部排出口7と下部排出口8の中間に位置してガス導入口6が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光合成菌及び/又はバイオ菌等による生物学的脱臭メカニズムを利用した脱臭装置に係り、特に生物学的脱臭に際して発生する可燃性ガスをその比重に応じて排出する脱臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、生ごみ処理に際して発生する悪臭、食品工場やし尿処理場等から発生する悪臭、或いはバキュームカーから発生する悪臭を除去する方法として、生物学的脱臭方法が知られている。悪臭成分の主なものは、硫化水素、アンモニア、メチルメルカプタン等である。
【0003】
生物学的脱臭方法を利用した脱臭装置としては、光合成菌を利用する装置やバイオ菌を利用する装置が代表的である。
光合成菌を利用する脱臭装置は、光によって活性化する光合成菌を多孔質材、竹炭、腐葉土等に光合成菌を付着させて脱臭層を形成し、この脱臭層に十分な光量の光を照射する環境下において悪臭ガスを通過させることにより悪臭成分を除去する構成である(特許文献1参照)。
一方、バイオ菌を利用する脱臭装置は、多孔質材、竹炭、腐葉土等にバイオ菌を付着させて脱臭層を形成し、この脱臭層に栄養水分を供給しつつ悪臭ガスを通過させて悪臭成分を除去する構成である。
上記いずれの方式の脱臭装置においても悪臭成分が分解される過程で、空気より軽い水素ガスと共に空気より重いブタンガス等が生成される。これらの水素ガス、ブタンガスはいずれも可燃性を有する。
【特許文献1】特開2004−195423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の脱臭装置では、処理されたガスの排出口が単一であるため、空気より軽い水素ガスと空気より重いタンガスを効率よく排出することができなかった。
本発明は上記従来の課題を解決すべく創案されたものであって、悪臭ガスの資化の伴って発生する空気より軽いガスと空気より重いガスを効率よく同時に排出することができる脱臭装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、光合成菌又バイオ菌を含有する脱臭層が内部に収納されガス導入口から悪臭ガスが導入される筒体状脱臭装置本体を備え、当該脱臭装置本体の上部に上部排出口が設けられ、且つ下部に下部排出口が設けられていることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の脱臭装置において、前記ガス導入口は前記上部排出口と下部排出口との中間部に設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の脱臭装置において、前記脱臭層は、前記ガス導入口と上部排出口との間に設けられた上部脱臭層と、前記ガス導入口と下部排出口との間に設けられた下部脱臭層と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項3に記載の脱臭装置において、前記上部脱臭層又は下部脱臭層は、複数の脱臭ユニットが層状に重ねられ、その層数を増減調節可能に設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱臭装置において、少なくとも前記ガス導入口、上部排出口または下部排出口のいずれかに送風ファンが設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の脱臭装置において、前記脱臭装置本体は複数に分離可能に接続され、前記脱臭装置本体の内部には当該脱臭装置本体内に着脱可能な脱臭層ユニットが収納されていることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の脱臭装置において、前記ガス導入口に、脱臭装置本体側からガス導入口への悪臭ガスの逆流を防止する逆流防止装置が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の脱臭装置において、前記逆流防止装置は、液体が充填され上部空間が脱臭装置本体内に連通されたタンクと、当該タンクの下部に設けられ悪臭ガスが供給される多孔性のガス噴出器と、を備えていることを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の脱臭装置において、前記逆流防止装置は、前記ガス導入口においてガスの上流側から下流側への流れ方向のみ開く逆止弁であることを特徴とする。
【0014】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の脱臭装置において、前記脱臭装置本体の内部上部に散水器が設けられ、当該散水器に光合成菌又はバイオ菌を含有する液体が充填されたタンクが接続されていることを特徴とする。
【0015】
請求項11に記載の発明は、前記脱臭装置本体は水平方向に長く形成され、その長手方向中央部にガス導入口が設けられ、両端部の各上部に上部排出口及び下部排出口が設けられ、ガス導入口と各上部及び下部排出口との間のそれぞれに脱臭層が設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の脱臭装置において、前記脱臭装置本体の下部に仕切り壁によって少なくとも二つの分室が形成され、その一方の分室にガス導入口が設けられ、他方の分室に下部排出口が形成され、前記脱臭装置本体の上部と前記一方の分室との間に脱臭層が設けられ、且つ前記脱臭装置本体の上部に上部排出口が設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12に記載の脱臭装置において、悪臭成分を分解する細菌が光合成菌であることを特徴とする。
【0018】
請求項14に記載の発明は、請求項1〜12に記載の脱臭装置において、悪臭成分を分解する細菌がバイオ菌であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1〜14に記載の発明によれば、悪臭ガスの資化の伴って発生する空気より軽いガスと空気より重いガスを効率よく同時に排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態を図1〜図5に示す。同図に示すように、脱臭装置本体1は、密閉された金属製の円筒又は角筒であり、その上部に上部排出口7が設けられ、下部には下部排出口8が設けられ、且つ上部排出口7と下部排出口8の中間に位置してガス導入口6が設けられている。
【0021】
脱臭装置本体1の内部において、その上方に上部排気室2を存して支持部12により支持された上部脱臭層3が収納され、下方には支持部13により支持された下部脱臭層4が収納され、下方には5が設けられている。上部排気室2は上部排出口7に連通され、下部排気室5は排出ガス11に連通されている。
【0022】
上部脱臭層3は、下面に敷設された通気性を有するメッシュ材23により支持されており、光合成菌が付着された多孔質材、竹炭、腐葉土等に光合成菌が付着された脱臭材が充填されてなる。光合成菌としては、紅色非硫黄細菌、紅色硫黄細菌、緑色硫黄細菌、滑走性糸状緑色硫黄細菌等が用いられる。
【0023】
同様に、下部脱臭層4は、下面に敷設された通気性を有するメッシュ材24により支持され、光合成菌が付着された多孔質材、竹炭、腐葉土等に光合成菌が付着された脱臭材が 充填されてなる。脱臭材は3のものと同様である。
脱臭装置本体1内の所定位置には、光源15〜20は配置されている。これらの光源15〜20は、光によって活性化する光合成菌に充分な光量の光を照射するためである。
【0024】
なお、図2に示すように、上部排出口7を上方に向けて配置し、また下部排出口8を下方に向けても良い。
また、図3に示すように、上部排出口7を互いに反対方向を向くように例えば2箇所設けても良く、また下部排出口8も同様に互いに反対方向を向くように例えば2箇所設けても良い。
さらに、上部脱臭層3及び/又は下部脱臭層4は光合成菌を付着させたものとして説明したが、上部脱臭層3として光合成菌を用いた脱臭層とし、下部脱臭層4としてバイオ菌を用いた脱臭層とすることも可能であり、またその逆の組合せとしても良い。
【0025】
図4は、脱臭装置本体1の底部に水溜25を設けた例を示している。すなわち、上部脱臭層3及び/又は下部脱臭層4に光合成菌、バイオ菌の培養液を供給した場合に水分が適下されるので、その水分を受ける必要があるが、この図4の例は水溜25を矢印で示す方向に可動として引き出し上に形成した例である。この構成により、適宜水分を排気することができる。
【0026】
図5は、ガス導入口6に送風ファン26、上部排出口7に送風ファン27、更に下部排出口8に送風ファン28をそれぞれ設け、悪臭ガス9を強制的に導入し且つ排気する例を示している。この構成により、脱臭装置本体1内の流体抵抗に抗してガスの流れを円滑にし、悪臭の除去効率を高めることができる。
【0027】
以上の構成において、光源15〜20の点灯させた状態で、ガス導入口6から悪臭ガス9を導入し、上部脱臭層3及び下部脱臭層4を通過させ、悪臭ガス9を資化させる。その際に、空気より軽い可燃性ガスである水素ガス、及び空気より重い可燃性ガスであるブタンガスが発生する。このとき、空気より軽い水素ガス10は上部排気室2を経由して上部排出口7から排出され、空気より重いブタンガス11は下部排気室5を経由して下部排出口8から排出される。
【0028】
このように、空気より軽い水素ガス10と空気より重いブタンガス11を同時に排出することができる。したがって、これらの可燃性ガスが脱臭装置本体1内に滞留することを防止することができ、安全性の向上に資することとなる。
【0029】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態を図6に示す。この実施形態は、脱臭装置本体1をその軸方向に複数に分解可能とし、且つ上部脱臭層3及び下部脱臭層4を着脱可能にユニット化した例である。なお、この第2の実施形態において、第1の実施形態(図1〜5)と重複もしくは同様な部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0030】
図6に示すように、脱臭装置本体1は上部ユニット1A、中間部ユニット1B、下部ユニット1Cの三つのユニットで構成され、それぞれの連結部33、34において固定具35、36により連結固定される構成である。
【0031】
なお、上部ユニット1A、中間部ユニット1B、下部ユニット1Cは、その接続端部に雄雌一対のネジ部(図示せず)を形成し、互いに螺合するようにしても良い。
このように構成することにより、上部脱臭層3や下部脱臭層4の入れ替え、光合成菌の補充、交換等のメンテナンスを簡単に行なうことができる
【0032】
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態を図7に示す。この実施形態は、横長の脱臭装置本体1を水平方向(横向き)に設置可能とし、ガス導入口6を左右に流すように構成した例である。なお、この第3の実施形態において、第1の実施形態(図1〜5)と重複もしくは同様な部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0033】
図7に示すように、水平方向に設置された脱臭装置本体1の長手方向左右のそれぞれに上部排出口7及び8が設けられ、且つ長手方向中央部にガス導入口6が設けられている。ガス導入口6と各上部排出口7及び下部排出口8との間には、脱臭層37、39がそれぞれ収納されている。脱臭層37、39には、上部脱臭層3又は下部脱臭層4(図1参照)と同様に、光合成菌(又はバイオ菌との組み合わせ)が付着された多孔質材、竹炭、腐葉土等からなる脱臭材が用いられる。また、図示してないが、脱臭装置本体1の内部には光合成菌を活性化させるための光源が設けられている。
以上の構成において、ガス導入口6から流入する悪臭ガス9は吸気室45を経て脱臭層37,39を通過する際に光合成菌により分解される。その際に生成された空気より軽い水素ガス10は上部排出口7から排出され、また空気より重いブタンガス11は下部排出口8から排出される。
【0034】
このように構成することにより、設置場所が特定されるような場所にも本発明の適用が可能となり、空気より軽い水素ガス10を排出すると同時に空気より重いブタンガス11も排出することができる。
【0035】
〔第4の実施形態〕
本発明の第4の実施形態を図8に示す。この実施形態は、脱臭層43を単一とした例である。ここに言う単一とは、脱臭層43自体が一つという意味であって、その内部が複数の層で形成されていることを妨げるものではない。
なお、この第4の実施形態において、第1の実施形態(図1〜5)と重複もしくは同様な部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0036】
図8に示すように、脱臭装置本体1の下部に仕切り壁58によって少なくとも二つの分室(吸気室44、排気室42)が形成されている。その一方の分室である吸気室44に連通してガス導入口6が設けられ、他方の分室である排気室42に連通して下部排出口8が形成されている。脱臭装置本体1の上部の形成された排気室41と吸気室44との間には脱臭層43が設けられ、且つ脱臭装置本体1の上部に上部排出口7が設けられている。なお、図示してないが、脱臭装置本体1の内部には光合成菌を活性化させるための光源が設けられている。
【0037】
以上の構成において、ガス導入口6から導入された悪臭ガス9は脱臭層43を経て一旦排気室41に出るが、空気より軽い水素ガス10は上部排出口7から排出され、空気より重いブタンガス11は排気室42を経由して下部排出口8に導かれ排出される。
このように、単一の脱臭層43を用いた構成とすることにより、脱臭装置を小型化することが可能となる。その結果、可搬性をもたせることができるから、例えばバキュームカー等の移動車輌に搭載する等、その用途が広汎なものとなる。
【0038】
〔第5の実施形態〕
本発明の第5の実施形態を図9に示す。この実施形態は、脱臭層を複数の層で構成した例を示している。なお、この第4の実施形態において、第1の実施形態(図1〜5)と重複もしくは同様な部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
すなわち、図9に示すように、脱臭装置本体1内に収納された上部脱臭層3は、複数の脱臭層3A、3B及び3Cから成り、同様に下部脱臭層4も複数の脱臭層4A、4B及び4Cから成る。
【0039】
複数の脱臭層3A、3B及び3Cは、例えば、脱臭層3A、3Cを光合成菌付着層とし、3Cをバイオ菌付着層として細菌の組み合わせで各層を構成しても良いし、或いは脱臭層の数を悪臭ガス9の悪臭度合いに応じて増減するように調整することができる。
なお、図示してないが、脱臭装置本体1の内部には光合成菌を活性化させるための光源が設けられている。
本実施形態によれば、悪臭ガス9の成分や悪臭の度合いに応じた組み合わせが可能となり、種々の用途に対応することができる。
【0040】
〔第6の実施形態〕
本発明の第6の実施形態を図10に示す。この実施形態は脱臭装置本体1からガス導入口6側への悪臭ガス9の逆流を防止すると共に、脱臭装置本体1に悪臭ガス9を導入する前に悪臭ガス9に対する予備的な除去処理を施すようにしたものである。なお、この実施形態において、第1の実施形態(図1〜5)と重複もしくは同様な部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0041】
図10に示すように、ガス導入口6は逆流防止フィルタ46を介して脱臭装置本体1に接続されている。逆流防止フィルタ46は水槽であり、内部に光合成菌やバイオ菌の培養液47が充填されている。逆流防止フィルタ46の底部には多孔性のガス噴出器が配置され、ポンプ49によって強制的に送られる悪臭ガス9を培養液47を通過させる際に予備的に悪臭除去処理を施すようになっている。50は悪臭ガス9の給送パイプである。その他の構成は第1の実施形態(図1〜5)と同様である。
【0042】
以上の構成において、ガス導入口6から導入された悪臭ガス9はポンプ49によって給送パイプ50を介し多孔性のガス噴出器の強制的に送られる。送られた悪臭ガス9は多孔性のガス噴出器において泡状に培養液47内を通過し、排気室48を経て脱臭装置本体1の吸気室45内に送られる。このとき吸気室45内のガスは培養液47によってガス導入口6と遮断され、且つポンプ49の強制送気によりガス導入口6側に逆流することが防止される。
このように、本実施形態によれば、悪臭ガス9の予備処理及び逆流防止を実現することができる。
【0043】
〔第7の実施形態〕
本発明の第7の実施形態を図11に示す。この実施形態は、脱臭層内の細菌(光合成菌/バイオ菌)を最適な温度環境下に置いて活性化し、悪臭成分の分解効率の向上を図ったものである。なお、この実施形態において、第1の実施形態(図1〜5)と重複もしくは同様な部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図11に示すように、脱臭装置本体1の外壁に、保温層59が設けられている。
【0044】
保温層59としては断熱材か、或いは図示しない温度制御装置により温度制御されるヒータが用いられる。脱臭装置本体1内温度は、30〜40℃の保つのが好適である。
ガス導入口6には逆止弁52が設けられ、吸気室45内のガス導入口6への逆流を防止している。
【0045】
このように、本実施形態によれば、上部脱臭層3及び下部脱臭層4を常に最適な温度環境下におくことができるので、季節的或いは地理的な温度変化に影響を受けることなく、常に一定でしかも効率よく悪臭除去性能を発揮させることが可能となる。
【0046】
〔第8の実施形態〕
本発明の第8の実施形態を図12に示す。この実施形態は、悪臭分解用の細菌(光合成菌/バイオ菌)を適宜補給するようにした例を開示する。なお、この実施形態において、第1の実施形態(図1〜5)と重複もしくは同様な部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0047】
図12に示すように、脱臭装置本体1の内部上方には散水器56が設けられている。この散水器56に給送パイプを通じて溶液タンク53が連結されている。
溶液タンク53内には、光合成菌/バイオ菌の培養液54が貯蔵されており、タイマー等を用いた流量制御器によりポンプ60を介して上部脱臭層3及び下部脱臭層4に適宜補給される。培養液54の供給補充タイミングは脱臭装置本体1の規模又は大きさ等応じて決定する。なお、培養液54に代えて脱臭層内の細菌(バイオ菌)に応じて栄養水としても良い。
【0048】
また、図示しないが、ポンプ60や流量制御器の駆動用電源として、ソーラーパネルを溶液タンク53や脱臭装置本体1に設けるか、或いはその近傍に設置しても良い。そうすることで、細菌の供給または栄養水の供給を自律的に行なうことができ、屋外に電源配線を引き回す必要がなくなる。
本実施形態によれば、細菌を適宜補給することができるため、悪臭の除去処理の安定化を図ることができる。
【0049】
なお、本実施形態においては散水器56を脱臭装置本体1の内部上方に設ける構成としたが、この構成に加え、上部脱臭層3と下部脱臭層4との間に配設することもできる。また、前記上方及び中間の散水器をまとめてガス導入口6の近傍に配設し、悪臭ガス9自体の湿度過多状態にして上部脱臭層3と下部脱臭層4へ供給する構成とすることもできる。このように脱臭装置本体1内の湿度を光合成菌/バイオ菌が活動する最適条件として悪臭を確実に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】上部排出口及び下部排出口の変形例を示す断面図である。
【図3】上部排出口及び下部排出口の他の変形例を示す断面図である。
【図4】水溜の例を示す断面図である。
【図5】送風ファンを設けた例を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態を示す断面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態を示す断面図である。
【図10】本発明の第6の実施形態を示す断面図である。
【図11】本発明の第7の実施形態を示す断面図である。
【図12】本発明の第8の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 脱臭装置本体
2 上部排気室
3 上部脱臭層
4 下部脱臭層
5 下部排気室
6 ガス導入口
7 上部排出口
8 下部排出口
9 悪臭ガス
10 水素ガス
11 ブタンガス
12、13 支持部
15〜22 光源
23、24 メッシュ材
25 水溜
26〜28 送風ファン
29 脱臭層ユニット
30 係止部
31 脱臭層ユニット
32 係止部
33 連結部
34 連結部
35、36 固定具
37 脱臭層
38 排気室
39 脱臭層
40〜42 排気室
43 脱臭層
44、45 吸気室
46 逆流防止フィルタ
47 培養液
48 排気室
49 ポンプ
50 給送パイプ
51 多孔性のガス噴出器
52 逆止弁
53 溶液タンク
54 培養液
55 給送パイプ
56 散水器
57 散水
58 仕切り壁
59 保温層
60 ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
悪臭成分を分解する細菌を含有する脱臭層が内部に収納され、ガス導入口から悪臭ガスが導入される筒体状脱臭装置本体を備え、
当該脱臭装置本体の上部に上部排出口が設けられ、且つ下部に下部排出口が設けられていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項2】
請求項1に記載の脱臭装置において、
前記ガス導入口は前記上部排出口と下部排出口との中間部に設けられていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の脱臭装置において、
前記脱臭層は、前記ガス導入口と上部排出口との間に設けられた上部脱臭層と、前記ガス導入口と下部排出口との間に設けられた下部脱臭層と、を備えていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項4】
前記請求項3に記載の脱臭装置において、
前記上部脱臭層又は下部脱臭層は、複数の脱臭ユニットが層状に重ねられ、その層数を増減調節可能に設けられていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項5】
前記請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱臭装置において、
少なくとも前記ガス導入口、上部排出口または下部排出口のいずれかに送風ファンが設けられていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項6】
前記請求項1〜5のいずれか一項に記載の脱臭装置において、
前記脱臭装置本体は複数に分離可能に接続され、前記脱臭装置本体の内部には当該脱臭装置本体内に着脱可能な脱臭層ユニットが収納されていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項7】
前記請求項1〜6のいずれか一項に記載の脱臭装置において、
前記ガス導入口に、脱臭装置本体側からガス導入口への悪臭ガスの逆流を防止する逆流防止装置が設けられていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項8】
請求項7に記載の脱臭装置において、
前記逆流防止装置は、液体が充填され上部空間が脱臭装置本体内に連通されたタンクと、当該タンクの下部に設けられ悪臭ガスが供給される多孔性のガス噴出器と、を備えていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項9】
請求項7に記載の脱臭装置において、
前記逆流防止装置は、前記ガス導入口においてガスの上流側から下流側への流れ方向のみ開く逆止弁であることを特徴とする脱臭装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の脱臭装置において、
前記脱臭装置本体の内部上部に散水器が設けられ、当該散水器に光合成菌又はバイオ菌を含有する液体が充填されたタンクが接続されていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項11】
前記脱臭装置本体は水平方向に長く形成され、その長手方向中央部にガス導入口が設けられ、両端部の各上部に上部排出口及び下部排出口が設けられ、ガス導入口と各上部及び下部排出口との間のそれぞれに脱臭層が設けられていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項12】
請求項1に記載の脱臭装置において、
前記脱臭装置本体の下部に仕切り壁によって少なくとも二つの分室が形成され、
その一方の分室にガス導入口が設けられ、他方の分室に下部排出口が形成され、
前記脱臭装置本体の上部と前記一方の分室との間に脱臭層が設けられ、且つ前記脱臭装置本体の上部に上部排出口が設けられていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項13】
請求項1〜12に記載の脱臭装置において、
悪臭成分を分解する細菌は光合成菌であることを特徴とする脱臭装置。
【請求項14】
請求項1〜12に記載の脱臭装置において、
悪臭成分を分解する細菌はバイオ菌であることを特徴とする脱臭装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−167793(P2007−167793A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−370688(P2005−370688)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(598006565)
【出願人】(505474393)
【出願人】(505474407)
【出願人】(505474773)
【出願人】(505474762)
【Fターム(参考)】