説明

脱臭装置

【課題】触媒フィルタを効率的に均一に加熱できる脱臭装置を提供する。
【解決手段】ヒータユニット50のベースフレーム51(放熱板)のヒータ支持部511を触媒フィルタ40に向けて凸となるように形成し、触媒フィルタ40とベースフレーム51と間に空隙を設けて通気性を確保する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱再生型触媒フィルタを用いた脱臭装置に関し、さらに詳しく言えば、触媒フィルタ全体を均一に加熱することができる脱臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に示すように、タバコなどの臭いを除去する脱臭装置は、空気吸込口から筐体内に空気を取り込み、筐体内に設けられた脱臭ユニットにて脱臭したのち、清浄された空気を空気吹出口から室内に向けて排出している。
【0003】
脱臭ユニットには、用途や使用環境に応じて様々なタイプがあり、その1つに触媒フィルタがある。触媒フィルタとは、ハニカム状のプレートに金属酸化物や貴金属などの触媒を付着させたものからなり、触媒フィルタで臭気を吸着して分解することで、脱臭することができるようになっている。
【0004】
通常、この種の触媒フィルタは、光や熱などを印加することにより、触媒が活性化され脱臭機能が回復するようになっている。その中でも触媒フィルタを加熱することで、触媒を活性化して、脱臭性能が回復するタイプを加熱再生型と称している。
【0005】
加熱再生型の触媒フィルタを用いた場合には、触媒フィルタを加熱するためのヒータが必要となる。特許文献1において、ヒータは、例えばシースヒータなどの熱源素子を有する熱伝導板を備え、熱伝導板を触媒フィルタに接触するように配置している。
【0006】
これによれば、熱伝導板を介して熱が触媒フィルタに効率的に伝達されるようになっている。触媒フィルタを均一に加熱するためには、熱伝導板を触媒フィルタに対して密着させることが好ましいが、密着させた場合、次のような問題が生じる。
【0007】
触媒フィルタは、空気を通過させることで、臭気が触媒フィルタによって吸着されるが、熱伝導板が触媒フィルタの一方の面に密着していると、触媒フィルタの通気性が低下する場合がある。
【0008】
また、触媒フィルタを加熱する別の方法として、触媒フィルタの回りの雰囲気を加熱する方法もあるが、空気を無駄に温めるため、非常に効率が悪い。また、熱源素子の高出力化も考えられるが、消費電力や部品コストが嵩むため、好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−44433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、触媒フィルタの通気を防ぐことなく、触媒フィルタ全体を均一に加熱できる脱臭装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するため、本発明は以下に示すいくつかの特徴を備えている。請求項1に記載の発明は、空気吸込口から筐体内に吸い込まれた空気を脱臭する脱臭ユニットを有し、上記脱臭ユニットにて清浄された空気を所定の送風手段を介して空気吹出口から筐体外へと排出する脱臭装置において、上記脱臭ユニットは、臭気を吸着して分解する触媒フィルタと、上記触媒フィルタを加熱して活性化させるヒータユニットとを有し、上記ヒータユニットは、表面側に上記触媒フィルタが支持され、通気孔を有する熱伝導板と、上記熱伝導板の裏面側に配置される熱源素子とを有し、上記触媒フィルタと上記熱伝導板との間には、通風するための所定の空隙が設けられていることを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1において、上記熱伝導板は、上記熱源素子を支持するヒータ支持部を有し、上記ヒータ支持部が上記触媒フィルタ側に向かって凸となるように形成されており、上記凸部が上記触媒フィルタに当接することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、触媒フィルタと、触媒フィルタを支持する熱伝導板との間に所定の空隙を設けたことにより、熱伝導板が触媒フィルタの通気を妨げることがなく、その結果、臭気を効率よく吸着することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、熱源素子を支持するヒータ支持部が触媒フィルタに向かって凸状に張り出されていることにより、熱源素子の熱を触媒フィルタに効率的に伝達しつつ、通気性も確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る脱臭装置の斜視図。
【図2】上記脱臭装置の要部断面図。
【図3】上記脱臭装置の脱臭ユニットの斜視図。
【図4】上記脱臭ユニットの中央縦断面図。
【図5】上記脱臭ユニットの分解斜視図。
【図6】上記脱臭ユニットの放熱板の背面図。
【図7】上記脱臭ユニットのヒータの(a)要部断面図および(b)部分拡大図。
【図8】放熱板とシースヒータの取付状態を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこの限りではない。図1および図2を参照して、この脱臭装置1は、全体が合成樹脂製のパネルによって形成される縦長の筐体2を有し、筐体2の前面側には、室内の空気を筐体2内に取り込むための空気吸込口21が設けられている。
【0017】
筐体2の上面には、筐体2内で脱臭された空気を再び室内に戻すための空気吹出口22が設けられている。この例において、空気吹出口22は、電動スイング式のフラップによって開閉するようになっている。
【0018】
筐体2の正面上部には、脱臭装置1を操作するための操作パネル23が設けられている。操作パネル23には、電源のオンオフボタンのほか、運転モード選択ボタンやタイマー設定ボタン、フィルタ交換時期を教えるLEDランプなども設けられている。
【0019】
この例において、操作パネル23には、脱臭装置1の運転を制御するための制御部も含まれる。操作パネル23の設置場所やボタン類のレイアウトなどは、仕様に応じて任意に選択されてよい。
【0020】
筐体2内には、空気に含まれるごみを除去する集塵フィルタ3と、空気中の臭気を脱臭する脱臭ユニット4と、オゾン生成ユニット5と、ファン6とを備えている。集塵フィルタ3は、粗粒ゴミを除去するメッシュシートをプリーツ状に折り畳んだプリーツフィルタからなり、筐体2の前面開口部を覆うように着脱自在に設けられている。
【0021】
この例において、集塵フィルタ3は、粗粒ゴミを除去するためのプリーツフィルタのみから構成されているが、より微細なゴミや微粒子などを捕捉するため、HEPAフィルタなどの高性能集塵フィルタを組み合わせてもよい。
【0022】
図3〜図5を参照して、脱臭ユニット4は、臭気を吸着して分解する触媒フィルタ40と、触媒フィルタ40を加熱するヒータユニット50と、触媒フィルタ40およびヒータユニット50を挟むように配置される一対の第1断熱部材60,60と、脱臭ユニット4の外周面を覆うように配置される第2断熱部材70と、各断熱部材60,60の他方の側面を覆うように配置される一対の固定パネル80,80とを備えている。
【0023】
なお、上記脱臭ユニット4を構成する触媒フィルタ40、ヒータ50、第1断熱部材60,60および固定パネル80,80には、後述するように通風方向(図4では左右方向)に対して通気性が確保されているので、脱臭ユニット4内には通風方向に沿って空気流路が形成される。
【0024】
触媒フィルタ40は、アルミ合金製の通気性を有するハニカムコアボードの表面に酸化マンガンなどの金属酸化物や、プラチナなどの貴金属の触媒を所定の厚さに形成したものからなる。
【0025】
なお、吸着剤として、活性炭や各種セラミック粉末などをさらに添加してもよい。さらには、抗菌剤や防かび剤などの各種添加物が添加されていてもよい。触媒フィルタ40は、基本的な形態が加熱再生型であればよく、その他の変形例も本発明に含まれる。
【0026】
ヒータユニット50は、触媒フィルタ40の一方の面(図4では右側面)に沿って配置されるベースフレーム51(熱伝導板)と、ベースフレーム51に沿って配置されるシースヒータ52(熱源素子)と、シースヒータ52を固定する固定フレーム53とを備えている。
【0027】
図6を併せて参照して、ベースフレーム51は、1枚の金属板をプレス加工したものからなり、触媒フィルタ40を支持する有底な箱形状に形成されている。ベースフレーム51は、触媒フィルタ40の外形とほぼ同じ大きさを有し、その底面には、後述するシースヒータ52が裏面側(図6では紙面手前側)に配置されるヒータ支持部511が設けられている。
【0028】
この例において、ベースフレーム51は、通気性を確保するための通気孔513と、通気孔513と通気孔513との間をつなぐ非通気部とを備えている。
【0029】
ヒータ支持部511は、ベースフレーム51の底面に沿って蛇行するように設けられており、この例ではベースフレーム51の長手方向(図6では上下方向)に蛇行するように設けられている。
【0030】
触媒フィルタ40の通気面に形成される通気孔は、ベースフレーム51の非通気部で覆われると、通気孔が塞がれてしまう。したがって、触媒フィルタ40の通気面全体がベースフレーム51に密着すると、ベースフレーム51の非通気部で触媒フィルタ40の通気孔が塞がれてしまい通気効率が低下するおそれがある。
【0031】
そこで、図7(a)および(b)に示すように、ヒータ支持部511は、ベースフレーム51の底面よりも触媒フィルタ40の載置面側に向かって凸となるように張り出されている。この例において、ヒータ支持部511は、ベースフレーム51の底面に対して0.5mmだけ外側に張り出されている。
【0032】
これによれば、触媒フィルタ40をベースフレーム51の表面(図7では左側面)に沿って配置すると、触媒フィルタ40とベースフレーム51との間に部分的に空隙Gが形成されることにより、触媒フィルタ40の通気孔がベースフレーム51の非通気部によって塞がれることなく、通気性を確保することができる。
【0033】
ヒータ支持部511には、シースヒータ52を固定するための固定片512が設けられている。図8に示すように、固定片512は、ベースフレーム51の底面の一部をU字状に切り欠くことで形成された舌片からなり、シースヒータ52をヒータ支持部511に沿って位置合わせしたのち、固定片512をシースヒータ52に沿って折り曲げることで、シースヒータ52がベースフレーム51に固定されるようになっている。
【0034】
この例において、固定片512は、大小異なる形状で17箇所設けられているが、固定片512の形状や数は仕様に応じて任意に変更されてよい。
【0035】
図6に示すように、ベースフレーム51には、触媒フィルタ40の通気性を妨げないようにするための通気孔513が多数設けられている。通気孔513は、シースヒータ52の熱がベースフレーム51に伝わりやすくするため、ヒータ支持部511を避けるように設けられている。
【0036】
この例において、ベースフレーム51は、通気性を確保するためパンチングメタルが用いられているが、熱伝導性がよく、かつ、通気性が確保された形状であれば、仕様に応じて任意に変更可能である。
【0037】
ベースフレーム51の一方の面(図4では左側面)には、触媒フィルタ40が配置され、他方の面(図4では右側面)には、シースヒータ52が配置されている。シースヒータ52は、金属パイプの中央にスパイラル発熱体を配置し、その周囲の空間に熱伝導の良い高絶縁粉末(ともに図示しない)を充填したヒーターであり、ベースフレーム51に沿って蛇行するように設けられている。
【0038】
固定フレーム53は、ベースフレーム51の外周面に沿って取り付けられるフレーム本体531と、シースヒータ52の反触媒フィルタ40側の面(図4では右側面)を覆い隠す輻射熱板532とを備えている。フレーム本体531および輻射熱板532はともに金属製である。
【0039】
フレーム本体531は、ベースフレーム51の外周に沿って合致するように形成された長方形状を呈し、そこに輻射熱板532が架け渡されている。輻射熱板532は、シースヒータ52を覆うとともに、シースヒータ52から照射される輻射熱を効率的に受け止めるため断面C字状に形成されており、シースヒータ52の形状に合わせて蛇行して形成されている。なお、反射された輻射熱は、表面が黒色の触媒で覆われた触媒フィルタ40に吸収されて、触媒フィルタ40を加熱する。
【0040】
輻射熱板532は、シースヒータ52の外周面を覆うとともに、シースヒータ52から輻射される輻射熱を効率的に反射するため断面C字状に形成されており、シースヒータ52の形状に合わせて蛇行して形成されている。なお、反射された輻射熱は、表面が黒色の触媒で覆われた触媒フィルタ40に吸収されて、触媒フィルタ40を加熱する。
【0041】
輻射熱板532とシースヒータ52との間には、シースヒータ52の熱を逃がさないようにするための断熱シート54が挟まれている。断熱シート54は、難燃樹脂の発泡体からなり、輻射熱板532に沿って蛇行して形成されている。
【0042】
本発明において、ヒータユニット50は触媒フィルタ40の加熱再生に用いられる目的であればよく、その具体的な形状などは、脱臭ユニット3の仕様に応じて任意であってよい。
【0043】
次に、第1断熱部材60,60について説明するが、第1断熱部材60,60はともに同一材料で、かつ、同一形状であるため、いずれか一方についてのみ説明し、他方についての説明は省略する。
【0044】
第1断熱部材60は、例えば不織布などの通気性を有する所定厚さのシート体からなり、触媒フィルタ40の外形とほぼ同じ大きさに形成されている。第1断熱部材60は、触媒フィルタ40およびヒータユニット50の各通気面を覆うように配置されている。
【0045】
より好ましい態様として、第1断熱部材60は、触媒フィルタ40およびヒータユニット50の各通気面に沿ってこれらと直に接触するように配置されていることが好ましい。これによれば、第1断熱部材60を触媒フィルタ40もしくはヒータユニット50に対して直に接触させることで、触媒フィルタ40をより効率的に加熱することができる。
【0046】
第1断熱部材60は、また、触媒フィルタ40の通風方向(図4では左右方向)に対して平行な方向の通気抵抗をR1、通風方向に対して垂直な方向(図4では上下方向)の通気抵抗をR2としたとき、R1<R2となるように設計されている。
【0047】
これによれば、触媒フィルタ40を加熱する際に、触媒フィルタ40の周囲で温められた空気が第1断熱部材60の中を下から上へ移動しにくくなるため、触媒フィルタ40の上部の温度が下部の温度より高くなるような加熱ムラがなく、触媒フィルタ40全体を一様に温めることができ、触媒フィルタ40をさらに効率的に加熱することができる。
【0048】
また、より断熱効率を高めるために、第1断熱部材60の通風面に金属メッシュシートなどを貼り合わせてもよい。これによれば、金属メッシュシートがヒータユニット50からの輻射熱を反射させ、触媒フィルタ40をさらに加熱することができる。
【0049】
再び図3〜図5を参照して、第2断熱部材70は、1本の帯状に形成された合成樹脂の発泡体を脱臭ユニット4の外周面に巻き付けるようにして配置されている。この例において、第2断熱部材70は、高密度ウレタンなどの断熱性が高い発泡材が用いられているが、これ以外の断熱材であってもよい。これによれば、脱臭ユニット4の外周から外部に逃げる熱をより確実に断熱することができる。
【0050】
次に、固定パネル80,80について説明するが、固定パネル80,80も互いに同一形状であるため、いずれか一方についてのみ説明し、他方についての説明は省略する。固定パネル80は、各第1断熱部材60,60の外側面を覆うように取り付けられる金属板からなり、脱臭ユニット4に組み込まれた際に通風方向に通気性を確保するため多数の通気孔が設けられている。
【0051】
この例において、固定パネル80は、通気性を有する金属板によって形成されていることで、ヒータユニット50から照射される輻射熱を反射する輻射熱板も兼務している。これによれば、固定パネル80にて反射された輻射熱は、触媒フィルタ40によって吸収さるため、触媒フィルタ40をさらに加熱することができる。
【0052】
固定パネル80,80同士は、図示しないネジによって互いにネジ止めされることにより、触媒フィルタ40およびヒータユニット50を両面から第1断熱材60,60で挟み、さらにその外周を第2断熱材70で囲った状態で一体的に固定される。
【0053】
図2を再び参照し、オゾン生成ユニット5は、空気吸込口21から空気吹出口22に至るまでの筐体2内での空気流路上、この例では、脱臭ユニット4と空気吹出口22との間に設置されている。オゾン生成ユニット5は、ユニットケース5aを有し、ユニットケース5aの内部にはオゾン生成手段としての紫外線ランプ5bが設けられている。オゾン生成ユニット5aは、図示しない制御部によって制御される。
【0054】
ユニットケース5aは、金属などの紫外線非透過材料からなり、下面側と上面側とがそれぞれ開放されている。紫外線ランプ5bは、ユニットケース5aの下面側の開口部に隣接して配置されており、電圧が印加されることで、紫外線ランプ5bの周囲の雰囲気に低濃度のオゾンガスが生成される。
【0055】
この例において、オゾン生成手段は紫外線ランプ5bが用いられているが、これ以外のオゾン生成手段であってもよい。本発明において、オゾン生成ユニット5は任意的事項であり、上述した脱臭ユニット3を備えていることが前提条件となる。
【0056】
ファン6は、ファン本体6aと、ファン本体6aを駆動するファンモータ6bとを有し、図示しない制御部によって駆動が制御されている。ファン本体6aは、この例において、ラジアルファン(シロッコファン)からなり、負圧側が脱臭ユニット3の背面側に隣接して配置されている。
【0057】
ファン6には、吸引効率を高めるためのベルマウス6cが設けられているが、ベルマウス6cの具体的な構成は、本発明において任意であってよい。この例において、ファン本体6aは、ラジアルファンが用いられているが、空気吸込口21から空気を吸い込み、筐体2内を通って空気吹出口22から吹き出し可能なファン性能を備えていれば、そのファンの構成は任意であってよい。
【0058】
次に、図2を参照しながら、脱臭装置1の使用手順の一例について説明する。図示しない電源スイッチが押されると、制御部は、ファン6を駆動する。これにより、空気吸込口21から筐体2内に空気が吸い込まれる。
【0059】
筐体2内に吸い込まれた空気は、まず、集塵フィルタ3を通過し、粗粒なゴミが除去される。次に、前面側(図2では左側)の第1断熱部材60を通過したのち、触媒フィルタ40を通過することにより、臭気が触媒フィルタ40によって吸着除去される。
【0060】
触媒フィルタ40を通過した空気は、背面側(図2では右側)の第1断熱部材60を通過したのち、ファン6を経由してオゾン生成ユニット5に運ばれる。オゾン生成ユニット5の下面側から取り込まれた空気は、オゾンガスによって生成されるOラジカルと混ざることで酸化分解され清浄される。
【0061】
しかるのち、清浄された空気はオゾン生成ユニット5の上面側を通り筐体2の上部に持ち上げられた空気は、空気吹出口22を経て室内に戻される。以上が、一連の脱臭工程である。
【0062】
制御部は、図示しないタイマーを有し、触媒フィルタ40の駆動時間を図ることで、所定の駆動時間が経過すると、自動的に触媒フィルタ40の加熱再生工程を行う。加熱再生工程において、制御部は、まず、駆動中のファン6を停止してから、ヒータユニット50に通電してヒータユニット50を加熱する。
【0063】
ヒータユニット50が加熱されることで、隣接する触媒フィルタ40が徐々に加熱される。その際、触媒フィルタ40の両面には、第1断熱部材60,60によって覆われているため、熱が外に放熱されることなく、触媒フィルタ40を効率的に加熱、保温することができる。
【0064】
さらには、ヒータユニット50から電磁波などとして照射された熱エネルギーは、固定パネル80によって反射されるため、無駄なく、触媒フィルタ40を加熱することができる。
【0065】
制御部は、図示しない温度センサにて触媒フィルタ40の温度を監視し続け、設定温度になると、タイマーで所定の保持時間に基づき触媒フィルタ40を加熱保持する。
【0066】
タイマーが設定時間経過すると、制御部は、ヒータユニット50への通電を止めるとともに、触媒フィルタ40の駆動時間タイマーを「0」にリセットしたのち、一連の加熱再生工程を終える。その後、ファン6が駆動される。
【0067】
この例において、加熱再生工程は、脱臭工程中とは別工程で行われているが、脱臭工程中に行ってもよい。その場合、第1断熱部材60,60には、空気が流れるため、触媒ユニット40は比較的低温で制御される。また、排出される空気も暖められるため、排気温度を管理することが好ましい。
【0068】
この例において、脱臭装置1は、あくまで脱臭を専用に行う装置を例にとって説明したが、本発明の脱臭装置1は、例えばエアコンや冷蔵庫、加湿器などの一部として組み込まれていてもよい。上述した脱臭ユニット3を備えていれば、その用途は仕様に応じて任意に設定できる。
【符号の説明】
【0069】
1 脱臭装置
2 筐体
21 空気吸込口
22 空気吹出口
23 操作パネル
3 集塵フィルタ
4 脱臭ユニット
40 触媒フィルタ
50 ヒータユニット
51 ベースフレーム
511 ヒータ支持部
512 固定片
52 シースヒータ
53 固定フレーム
60 第1断熱部材
70 第2断熱部材
80 固定パネル
5 オゾン生成ユニット
6 ファン
G 空隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気吸込口から筐体内に吸い込まれた空気を脱臭する脱臭ユニットを有し、上記脱臭ユニットにて清浄された空気を所定の送風手段を介して空気吹出口から筐体外へと排出する脱臭装置において、
上記脱臭ユニットは、臭気を吸着して分解する触媒フィルタと、上記触媒フィルタを加熱して活性化させるヒータユニットとを有し、上記ヒータユニットは、表面側に上記触媒フィルタが支持され、通気孔を有する熱伝導板と、上記熱伝導板の裏面側に配置される熱源素子とを有し、上記触媒フィルタと上記熱伝導板との間には、通風するための所定の空隙が設けられていることを特徴とする脱臭装置。
【請求項2】
上記熱伝導板は、上記熱源素子を支持するヒータ支持部を有し、上記ヒータ支持部が上記触媒フィルタ側に向かって凸となるように形成されており、上記凸部が上記触媒フィルタに当接することを特徴とする請求項1に記載の脱臭装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−24935(P2011−24935A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176255(P2009−176255)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【Fターム(参考)】