脱臭装置
【課題】簡単な構造によって触媒フィルタの脱臭効率をより高めることができる脱臭装置を提供する。
【解決手段】シースヒータ82を保持プレート81の溝部81Gに収納して保持し、シースヒータ82の一側を触媒フィルタ51に直接接触させるとともに、他側を保持プレート81に直接接触させる。そして、触媒フィルタ51を、シースヒータ82の一側からの伝熱によって加熱するとともに、シースヒータ82の他側から伝熱された保持プレート81の放熱によっても加熱し、シースヒータ82の両側からの放熱を触媒フィルタ51の加熱に有効利用する。
【解決手段】シースヒータ82を保持プレート81の溝部81Gに収納して保持し、シースヒータ82の一側を触媒フィルタ51に直接接触させるとともに、他側を保持プレート81に直接接触させる。そして、触媒フィルタ51を、シースヒータ82の一側からの伝熱によって加熱するとともに、シースヒータ82の他側から伝熱された保持プレート81の放熱によっても加熱し、シースヒータ82の両側からの放熱を触媒フィルタ51の加熱に有効利用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱再生型の触媒フィルタを用いて空気を脱臭する脱臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内などの閉塞空間内の空気を脱臭して浄化するのに脱臭装置が用いられる。この脱臭装置は、空気吸込口から導入した室内の空気を装置内部に設けた脱臭フィルタに通過させ、この脱臭フィルタで空気に含まれる臭気成分を吸着して除去した後、臭気成分が除去されて脱臭された空気を空気吹出口から室内に放出することにより、室内の空気を脱臭する。
【0003】
特に、近年では、前記脱臭フィルタに加熱再生型の触媒フィルタを用い、この触媒フィルタをヒータで加熱することにより、吸着した臭気成分を分解して臭気吸着機能を再生できるようになっている。
【0004】
このとき、触媒フィルタ(平板構造体)を加熱するヒータユニットは、ヒータとこのヒータを保持する平板状の保持部材(メッシュフィン)とからなり、ヒータを保持部材に密着固定して、保持部材とヒータとを触媒フィルタの側面に接触させて結合固定するようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−334031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、かかる従来の脱臭装置では、ヒータを密着固定した保持部材をも触媒フィルタに接触させてあるため、その保持部材によって触媒フィルタの通気性が低下され、ひいては触媒フィルタの脱臭効率が低下してしまう。
【0007】
そこで、本発明は、かかる従来の実情に鑑みて、簡単な構造によって触媒フィルタの脱臭効率をより高めることができる脱臭装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の脱臭装置は、空気吸込口および空気吹出口を有する空気通路が内部に形成された筺体と、前記空気通路内の空気を前記空気吸込口から前記空気吐出口に向かって流通させる送風部と、前記空気通路の空気流通経路に配置されて前記空気吸込口から導入した空気に含まれる臭気成分を吸着して分解する触媒フィルタを有する脱臭ユニットと、前記触媒フィルタを加熱して吸着した臭気成分の分解を促進するヒータユニットと、を備えた脱臭装置において、前記ヒータユニットは、ヒータ本体を保持するとともに、このヒータ本体を保持した片側面に面対向して前記触媒フィルタが配置される保持プレートを備え、前記ヒータ本体の一側を前記触媒フィルタに直接接触させるとともに、そのヒータ本体の他側を前記保持プレートに直接接触させ、ヒータ本体から保持プレートに伝達された熱をその保持プレートによって放熱させることを主要な特徴とする。
【0009】
このように構成された脱臭装置にあって、前記保持プレートは、前記ヒータ本体の形状に沿って凹設されたヒータ本体保持用の溝部を有し、この溝部の深さが前記ヒータ本体の高さよりも小さく形成されたことを特徴とする。
【0010】
この場合、前記保持プレートは、前記溝部に跨って配置され前記ヒータ本体を止着するヒータ止具を有し、前記ヒータ止具は、少なくとも前記保持プレートの厚みに相当する高さとなる段部を挟んで低段部と高段部とが設けられるとともに、前記保持プレートには前記低段部を挿入する係合スリットが設けられ、この係合スリットに前記低段部を係合した状態で前記高段部が前記保持プレートに接合されたことを特徴とする。
【0011】
このように構成された脱臭装置にあって、前記保持プレートは、前記触媒フィルタの温度を検知して前記ヒータユニットを温度調節するサーモスタットを挿入する孔を有すると共に、該サーモスタットを挿入した状態で固定する固定部を、前記ヒータ本体を保持した側とは反対側の他側面に有し、かつ、前記保持プレートが前記サーモスタットの端子部に対向する部分が、その端子部を支持する方向に膨出形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上の構成により、本発明の脱臭装置によれば、保持プレートの片側面が触媒フィルタに面対向されており、その保持プレートに保持されたヒータ本体の一側を触媒フィルタに直接接触させるとともに、そのヒータ本体の他側を保持プレートに直接接触させて、ヒータ本体から保持プレートに伝達された熱をその保持プレートによって放熱させるようになっている。これにより、触媒フィルタは、ヒータ本体の一側からの伝熱によって加熱されるとともに、ヒータ本体の他側から伝熱された保持プレートの放熱によっても加熱されることになる。これにより、ヒータ本体の両側面からの放熱を触媒フィルタの加熱に有効に利用できるため、簡単な構造をもって触媒フィルタの脱臭効率をより高めることができる。
【0013】
また、前記保持プレートに凹設したヒータ本体保持用の溝部にヒータ本体を収納して保持させた場合に、その溝部の深さがヒータ本体の高さよりも小さくなっているため、ヒータ本体はこれの高さと溝部の深さとの差分だけ溝部から突出される。したがって、ヒータ本体の突出側の一側を触媒フィルタに接触させた際に、その触媒フィルタと保持プレートとの間に所定幅の空隙部が設けられることになる。これにより、触媒フィルタは上記空隙部によって通気性を確保でき、触媒フィルタの脱臭効率をさらに高めることができる。
【0014】
さらに、ヒータ本体を保持プレートに止着するヒータ止具は、溝部に跨って配置した状態で低段部を保持プレートの係合スリットに挿入した後、高段部を保持プレートに接合することにより、溝部に収納したヒータ本体を止着するようになっている。これにより、ヒータ止具は低段部を係合スリットに係合して高段部を単に接合するという簡単な工程で、ヒータ本体を保持プレートに迅速かつ確実に止着することができる。
【0015】
さらにまた、ヒータユニットを温度調節するサーモスタットを保持プレートに取り付けた場合に、その保持プレートがサーモスタットの端子部に対向する部分を、その端子部を支持する方向に膨出形成させてある。これにより、保持プレートのサーモスタット取り付け側を断熱材で覆った場合に、その断熱材を押圧保持した際の反発力が上記端子部に作用した場合にも、その反発力を保持プレートの膨出部分で受け止めることができる。したがって、上記断熱材の反発力により端子部が破損したり曲がったりして接触不良が誘発されるのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の一実施形態を示す脱臭装置を正面斜め上方から見た斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す脱臭装置を背面斜め上方から見た斜視図である。
【図3】図3は、図1に示す脱臭装置を中央部から縦断した側断面図である。
【図4】図4は、図1に示す脱臭装置に備わる脱臭ユニットの側断面図である。
【図5】図5は、図4に示す脱臭ユニットの分解斜視図である。
【図6】図6は、図4の脱臭ユニットに備わるヒータユニットの正面図である。
【図7】図7は、図6中I−I線に沿った断面図である。
【図8】図8は、図6に示すヒータユニットのヒータ本体の背面図である。
【図9】図9は、図6に示すヒータユニットの背面斜視図である。
【図10】図10は、図6に示すヒータユニットの遮熱板の1つを示す斜視図である。
【図11】図11は、図6に示すヒータユニットの分解斜視図である。
【図12】図12は、図4に示す脱臭ユニットの要部拡大断面図である。
【図13】図13は、図6に示すヒータユニットの正面斜視図である。
【図14】図14は、図6中II−II線に沿った要部拡大断面図である。
【図15】図15は、図6中III−III線に沿った要部拡大断面図である。
【図16】図16は、図6中IV−IV線に沿った要部拡大断面図である。
【図17】図17は、図6中V部に配置されるリード線の要部斜視図である。
【図18】図18は、図8に示すヒータ本体の側面図である。
【図19】図19は、図8中VI−VI線に沿った拡大断面図である。
【図20】図20は、図8中VII−VII線に沿った拡大断面図である。
【図21】図21は、図18中VIII部の拡大図である。
【図22】図22は、図6に示すヒータユニットにおけるリード線の配線部分の要部を示す拡大断面図である。
【図23】図23は、図4に示す脱臭ユニットからヒータ本体のリード線を取り出す部分を示す拡大断面図である。
【図24】図24は、ヒータユニットの第1の変形例を示し、ヒータ本体を保持プレートに止着する箇所の分解斜視図である。
【図25】図25は、図6に示すヒータユニットにおけるサーモスタットの端子部を支持する箇所の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明するものとし、図1から図23は本発明にかかる脱臭装置1の一実施形態を示す。この脱臭装置1は、図1および図2に示すように、合成樹脂パネルで成形された直方体状の筺体2を有し、この筺体2の背面に設けられた空気吸込口21から導入した空気を、上面に設けられた空気吹出口22から放出する間に、その空気が脱臭されるようになっている。
【0018】
また、筺体2の上面には空気吹出口22の側方に位置して脱臭装置1を各種モードに操作する操作パネル23が設けられるとともに、空気吹出口22には開閉自在なルーバ24が取り付けられている。なお、図1および図2ではルーバ24が開かれた状態にある。
【0019】
筺体2の内部には、図3に示すように、空気吸込口21から導入した空気を空気吹出口22まで案内する空気通路25が形成されており、この空気通路25の空気流通経路中には、空気通路25内の空気を空気吸込口21から空気吐出口22に向かって流通させる送風部としてのシロッコファン3が設けられる。 もちろん、この場合の送風部はシロッコファン3が好ましいのであるが、それに限ることなく空気を流通する機能を有しておれば良く、たとえばラジアルファンや軸流ファンもしくはその他の送風ファンなどであってもよい。なお、図3ではルーバ24が閉じられた状態にある。
【0020】
空気通路25の空気流通経路の最上流部(筺体2の背面側)には、空気吸込口21の裏側に位置して集塵フィルタ4が配置されるとともに、この集塵フィルタ4とシロッコファン3との間に脱臭ユニット5が配置される。また、シロッコファン3の下流側にはオゾン生成ユニット6が配置される。
【0021】
そして、シロッコファン3の稼働にともなって空気吸込口21から空気通路25に導入された空気は、まず、集塵フィルタ4によってゴミや塵が除去された後に脱臭ユニット5に送られる。その後、脱臭ユニット5で脱臭された空気は、下流側のオゾン生成ユニット6で生成されるオゾンガスで清浄されて空気吹出口22から放出される。なお、オゾン生成ユニット6は脱臭装置1を構成する上で必ずしも必要とはしない。
【0022】
また、本実施形態では空気通路25の空気流通経路中、詳細にはその空気流通経路の脱臭ユニット5とシロッコファン3との間に、その空気通路25を流通する空気を加湿する加湿ユニット7が設けられる。このように、加湿ユニット7が設けられることにより、加湿機能を備えた脱臭装置1として構成される。
【0023】
脱臭ユニット5は、図4および図5に示すように、臭気成分を吸着して分解する触媒フィルタ51と、この触媒フィルタ51を加熱して吸着した臭気成分の分解を促進するヒータユニット8と、これら触媒フィルタ51およびヒータユニット8を挟むように両側に配置された通気性を有する一対の板状断熱材52と、これら触媒フィルタ51とヒータユニット8と板状断熱材52の外周を囲って配置される環状断熱材53と、板状断熱材52および環状断熱材53の通風方向両側を覆って配置される一対の遮熱板54と、によって構成される。この遮熱板54は、多数の透孔によって通気性が確保された金属製のパンチングプレートで形成されている。
【0024】
したがって、集塵フィルタ4を通過した空気が脱臭ユニット5に導入されると、その空気は図3に示す脱臭ユニット5を図中右側から左側へと通過される。なお、その脱臭ユニット5を拡大した図4は、図3の取付状態に対して左右逆に示されており、脱臭ユニット5に導入された空気は、図4中左側から右側へと通過されることになる。すなわち、空気は、図4中左側の遮熱板54、左側の板状断熱材52、触媒フィルタ51、ヒータユニット8、右側の板状断熱材52そして右側の遮熱板54の順に通過されることになる。
【0025】
ヒータユニット8は、図6に示すように、保持プレート81にヒータ本体としてのシースヒータ82を保持させて概ね構成される。シースヒータ82は、一般に知られるように、金属パイプの中央にスパイラル発熱体を配置し、この発熱体と金属パイプとの間の空間部に熱伝導の良い高絶縁粉末を充填して構成されたものである。
【0026】
保持プレート81は、遮熱板54と同様に多数の透孔によって通気性が確保された金属製のパンチングプレートで形成されている。そして、保持プレート81は、図7に示すように、周縁部がプレス加工などにより裏側方向(図中右側)に折曲された側壁81sを有して全体として矩形容器状に形成される。なお、本実施形態では、保持プレート81の触媒フィルタ51が配置される側を裏側、その反対側を表側として説明するものとする。
【0027】
保持プレート81は、側壁81sで囲まれた裏側(内方側)にシースヒータ82が保持されるようになっており、図4に示すように、その側壁81sで囲まれた内方に触媒フィルタ51が収納される。このとき、触媒フィルタ51は、保持プレート81の裏側面(片側面)に面対向して配置されている。
【0028】
そして、図5に示すように、周囲の4つの側壁81sには、保持プレート81の各辺に沿う方向のほぼ中央部にチャンネル状のブラケット55がそれぞれビス止めされる。このとき、各ブラケット55の両端折曲片55aは保持プレート81に対して外方に向かって配置され、図4に示すように、それら両端折曲片55aに遮熱板54がそれぞれがビス止めされるようになっている。したがって、このようにして組み付けられた脱臭ユニット5は、図10に示すように、全体として扁平な直方体状となって構成される。
【0029】
また、脱臭ユニット5は、両端の遮熱板54、板状断熱材52および保持プレート81が通気性を有することから、空気通路25を流通する空気の通過が可能となっている。
【0030】
触媒フィルタ51は、アルミ合金製で通気性を有するハニカムコアボードの表面に、酸化マンガンなどの金属酸化物やプラチナなどの貴金属の触媒を所定の厚さにコーティングして形成される。なお、吸着剤として活性炭や各種セラミックス粉末などをさらに添加することが好ましい。さらには、抗菌剤や防かび剤などが添加されることも好ましい。そして、触媒フィルタ51は、基本的に加熱により臭気成分の吸着機能が再生できる構造(加熱再生型)であればよく、その他の加熱再生構造を有する触媒フィルタであってもよい。
【0031】
加湿ユニット7は、図3に示すように、空気通路3の空気流通経路に配置される加湿フィルタ71と、この加湿フィルタ71に水分を供給する加湿トレイ72と、を備えた構造となっている。加湿トレイ72には水が蓄えられ、この蓄えられた水が図示省略した水供給部を介して加湿フィルタ71に、この加湿フィルタ71を全体的に潤すように供給される。そして、その加湿フィルタ71を透湿膜として空気が通過することにより、この通過空気に水分が補給されて加湿されることになる。加湿ユニット7のオン・オフを含めた制御は前述した操作パネル23によって行うことができる。
【0032】
なお、加湿トレイ72の水を加湿フィルタ71に供給する手段としては、滴下浸透式、毛細管式または回転式などであってもよく、また、加湿フィルタ71および加湿トレイ72を備えた基本的な加湿構造以外にも、スチームファン式や超音波式または気化式など他の加湿構造であってもよい。
【0033】
また、加湿ユニット7は、筺体2内の下部に配置され、本実施形態では筺体2の下部に位置するシロッコファン3の吸入(負圧)側に対向した位置に加湿フィルタ71が配置されている。加湿トレイ72はこの加湿フィルタ71の下側に所定間隔を設けて設置されている。
【0034】
次に、上述したヒータユニット8を詳細に説明すると、シースヒータ82は、図8に示すように、W字状に折曲形成されて、リード線83が接続される両端部82a、82bが上方に位置されるようになっている。なお、図8に示すシースヒータ82は、保持プレート81の裏側から見た状態で示されている。
【0035】
つまり、このようにW字状に折曲されたシースヒータ82は、Uターン状の折曲部82Tが下側に2箇所と上側に1箇所形成されることによりW字状となっている。このように折曲部82Tの数を上側よりも下側に多く設定することにより、シースヒータ82で発生する熱量のウエイトを下方に置き、熱が上方に集まろうとするヒータユニット8全体での熱の均等化が図られる。
【0036】
このとき、両端部82a、82bを上方に配置し、かつ、熱量のウエイトを下側に置くためには、シースヒータ82を必ずしもW字状に形成する必要はなく、折曲部82Tの全体の数を奇数として上側よりも下側の折曲部82Tの数が1つ多くなるように形成してやればよい。つまり、折曲部82Tの数をn(n:自然数)とすると、下側の折曲部82Tの数はn+1、上側の折曲部82Tの数はnとしてやればよい。もちろん、折曲部82Tの全体の数は、(n+1)+n=2n+1となって奇数となる。
【0037】
そして、両端部82a、82bに接続されたリード線83の少なくともその結線部82Jはシリコンチューブ84で覆われる。また、シースヒータ82の一方(図8中左側)の端部82aに接続されたリード線83には、温度ヒューズ86を接続したリード線87がコネクタC1を介して直列に接続される。この場合にあってもリード線87は少なくとも温度ヒューズ86を含めた部分がシリコンチューブ84で覆われる。本実施形態では上述したリード線83、87は耐熱性のあるジイゲル線が用いられることが好ましい。なお、シースヒータ82には、コネクタC1に接続される図示省略した配線から加熱用の電力が供給される。
【0038】
シリコンチューブ84は絶縁とシールとを兼ねて取り付けられるが、必ずしもシリコンチューブ84に限ることはなく、絶縁性、耐熱性および可撓性を備えたチューブであればよい。
【0039】
また、シースヒータ82の他方(図8中右側)の端部82bに接続したリード線83および温度ヒューズ86のリード線87の他端側とは、コネクタC2、C3を介して図6に示すサーモスタット9に接続される。
【0040】
このように、シースヒータ82とリード線83との結線部82Jは、シースヒータ82がW字状に形成されたことにより、ヒータユニット8の上端部に配置されることになるが、さらには、その結線部82Jが加湿ユニット7の加湿トレイ72から上方に十分に距離を隔てるようにして筺体2の上部に配置されている。
【0041】
このように、筺体2の下部に配置した加湿ユニット7に対してシースヒータ82とリード線83との結線部82Jが筺体2の上部に配置されることにより、脱臭装置1を誤って倒しそうになった場合とか、移動時に脱臭装置1が大きく揺れた場合などにあって、加湿トレイ72に蓄えられた水が周囲に飛び散っても、飛び散った水が結線部82Jに掛かるのを未然に防止できる。
【0042】
シースヒータ82を保持する保持プレート81は、図9および図11に示すように、触媒フィルタ51が配置される裏側に、シースヒータ82の形状に沿った溝部81Gが凹設されており、この溝部81Gにシースヒータ82を収納した状態でこのシースヒータ82が保持される。
【0043】
このとき、図12に示すように、溝部81Gの深さd1がシースヒータ82の高さh1よりも所定量小さく形成されている。これにより、触媒フィルタ51を保持プレート81に配置した際に、シースヒータ82の一側が触媒フィルタ51に直接接触されるとともに、他側が溝部81Gの底面、つまり保持プレート81に直接接触されるようになっている。そして、保持プレート81と触媒フィルタ51との間には、溝部81Gの深さd1とシースヒータ82の高さh1との差分に相当する空隙部δが設けられるようになっている。
【0044】
このように保持プレート81と触媒フィルタ51との間に空隙部δが設けられることにより、触媒フィルタ51の通気性がより高められるようになっている。つまり、保持プレート81がパンチングプレートで形成されているとはいえ、このパンチングプレートの多孔間には閉塞面が存在し、上記空隙部δが設けられていない場合は、その閉塞面が触媒フィルタ51に直接接触して触媒フィルタ51の通気性が低下してしまう。
【0045】
また、このようにシースヒータ82の一側が触媒フィルタ51に直接接触され、かつ、シースヒータ82の他側が保持プレート81(溝部81Gの底面)に直接接触されることにより、触媒フィルタ51には、シースヒータ82から直接に伝熱されるとともに、保持プレート81からも空隙部δを介して間接に伝熱(輻射熱)されるようになっている。この場合、保持プレート81は放熱板として機能する。このとき、シースヒータ82の温度は140度〜150度程度まで上昇するため、板状断熱材52としては160度以上の耐熱性を有するものが使用される。
【0046】
また、シースヒータ82のヒータ本体は、図19に示すように、保持プレート81(溝部81Gの底面)に接触する側が、プレス加工などにより加圧されて平坦面82cとなっている。そして、その平坦面82cを介してシースヒータ82が保持プレート81に接触されることにより、保持プレート81への伝熱効率が高められるようになっている。
【0047】
保持プレート81に凹設された溝部81Gは、図12に示すように、外方(触媒フィルタ51側)に向かって広がる断面台形状に形成されているが、その溝部81Gに収納されたシースヒータ82は、図6に示すように、保持プレート81から切り起こした舌片81Pによって止着される。すなわち、溝部81Gにシースヒータ82を嵌着する際、舌片81Pは図9に示すように起立させた状態にある。そして、シースヒータ82を溝部81Gに収納した後に、図14に示すように、舌片81Pをシースヒータ82の外周に加締めて固定するようになっている。なお、舌片81Pは止着部位によってそれぞれの幅が適宜設定されている。
【0048】
また、図14はシースヒータ82のヒータ本体の止着構造を示す一方、図6に示すように、シリコンチューブ84で被覆されたリード線83(図8参照)の止着は図15のようになる。さらに、図6に示すように、リード線87の温度ヒューズ86が接続される部分は、図17に示すように断熱シート88を巻回して覆われるが、この断熱シート88で覆った部分のリード線87は図16に示すように止着される。
【0049】
このとき、シースヒータ82を止着する舌片81Pはシースヒータ82の外周に加締められることにより、その舌片81Pの厚み分だけ外方に突出し、触媒フィルタ51との接触性が悪化される。このため、舌片81Pが配置される箇所には、図18および図20に示すように、プレス加工などによってシースヒータ82に凹所82Sを設け、この凹所82に舌片81Pが配置されるようにして、この舌片81Pがシースヒータ82から突出されないようになっている。これにより、シースヒータ82の一側は全体的に触媒フィルタ51に接触されるようになる。
【0050】
凹所82Sは、図21に示すように、凹設深さsが少なくとも舌片81Pの厚み(保持プレート81の厚み)となり、本実施形態では0.6mm程度となっている。また、シースヒータ82の長さ方向に沿った凹所82Sの両側部は所定角度θをもって傾斜され、本実施形態ではθ≒45度となっている。さらに、凹所82Sの長さLは舌片81Pの幅に相当する長さとすればよいのであるが、プレス型を少なくする関係上、本実施形態ではそれぞれの舌片81Pのうち最大幅の舌片81Pに見合う15mmとなっている。
【0051】
ところで、断面台形状に形成された溝部81Gは、シースヒータ82の形状に沿ってW字状に形成されたが、このW字状の溝部81Gの長さ方向(図6中上下方向)のほぼ中央部は、溝部81Gとほぼ同様の断面形状をもって水平方向に凹設される土手部81Bによって、溝部81Gの上下直線部分81Gsが連結されている。このとき、上下直線部分81Gは、本実施形態のように溝部81GがW字状となる場合は左右方向に4箇所存在することになる。
【0052】
このように土手部81Bが設けられることにより、保持プレート81と板状断熱材52との間の空間S(図12参照)は上下方向に不連続となる。これにより、ヒータユニット8の下部から上方に熱気が立ち昇るのを土手部81Bが妨げて、ヒータユニット8の上部の温度が高くなり過ぎるのを抑制できるようになっている。なお、土手部81Bは、1箇所に限ることなく上下方向に適宜間隔を設けて複数箇所設けることもできる。
【0053】
なお、上述した上下直線部分81Gsに対応する部分では、溝部81Gの外側面と板状断熱材52との間に図示省略した断熱材を介在させておくことにより、シースヒータ82の熱が溝部81から板状断熱材52側に放熱されるのが抑制されて、ヒータユニット8全体での熱の均等化を図ることができる。
【0054】
また、図6および図7に示すように、土手部81Bの左右方向の中央部分は他の部分よりも上下幅が広く形成され、その幅広に形成された土手部81Bの表側面(シースヒータ82の保持面とは反対面)がサーモスタット9の取付部81Fとされる。この取付部81Fには、図7に示すように、サーモスタット9の本体部91がほぼ密接して挿入される取付穴81Fhが形成される。また、サーモスタット9の本体部91の両側には、一対の取付ブラケット92が取付部81Fに沿う方向に突設されている。
【0055】
そして、サーモスタット9を取り付ける際は、保持プレート81の表側から本体部91の一部を取付穴81Fhに挿入した後、取付ブラケット92を取付部81Fにビス93で固定するようになっている。
【0056】
サーモスタット9には、図6に示すように、取付ブラケット92の対向方向に対して直交する方向に一対の接続端子94a、94bが突設されており、それら接続端子94a、94bに、上述したシースヒータ82の端部82bに接続されたリード線83のコネクタC2、および温度ヒューズ86のリード線87の他端側のコネクタC3が接続される。このように、シースヒータ82には温度ヒューズ86およびサーモスタット9が直列に接続されたことにより、ヒータユニット8による異常な温度上昇をより確実に防止できるようになっている。
【0057】
そして、図6、図9および図13に示すように、シースヒータ82の両端部82a、82bは、保持プレート81の上部両側部に形成された一対の開口部81hから表側に取り出される。なお、シースヒータ82の両端部82a、82bが保持プレート81の開口部81hから表側に取り出される際、図11に示すように、リード線83や温度ヒューズ86のリード線87も一緒に開口部81hから表側に取り出される。そして、このように開口部81hから表側に取り出されたリード線83、87は、図6に示すように、溝部81Gおよび土手部81Fの表側面に沿って配線される。
【0058】
このとき、リード線83、87が溝部81Gや土手部81Fの表側面に沿った部分は、そのリード線83、87がシリコンチューブ84で覆われるが、特に保持プレート81の表面温度が高温(たとえば180度)を越える恐れのある場合は、図22に示すように、シリコンチューブ84と保持プレート81との間に断熱シート89を介在させることが好ましい。この場合、断熱シート89の素材としてはポリイミドやメラミンが好適である。
【0059】
また、図6に示すように、シースヒータ82の端部82aに接続したリード線83と、温度ヒューズ86のリード線87とがコネクタC1を介して接続される際、それら両リード線83、87は、図6に示すように、ヒータユニット8から突出されており、さらには図23に示すように、脱臭ユニット5から引き出されるようになっている。このため、図10に示すように、遮熱板54にはリード線83、87の取出口54hが形成されている。
【0060】
すなわち、図23に示すように、保持プレート81の開口部81hからシースヒータ82の端部82aが表側に取り出され、そのシースヒータ82の端部82aに接続されたリード線83は、リード線87とともに保持プレート81の表側から、その保持プレート81の外周と環状断熱材53との間を通って取出口54hへと案内される。そして、両リード線83、87はその取出口54hから外方へと引き出されることになる。
【0061】
このとき、リード線83、87は、配線スペースや配線基板の配置方向などによって取出口54hから遮熱板54の面方向に沿うようにほぼ直角に引き出されることになるが、上述したように、シリコンチューブ84で覆われているため、リード線83、87が傷つくおそれはない。
【0062】
ここで、サーモスタット9は保持プレート81に設けた取付部81Fに取り付けられているが、このサーモスタット9は板状遮熱材52によって覆われるとはいえ、その板状遮熱材52は通気性を有しているため、水密構造とはなっていない。このため、脱臭ユニット5に水が掛かった場合には、水が板状遮熱材52を通過してサーモスタット9に達してしまう。
【0063】
そこで、図6および図7に示すように、サーモスタット9が防水板10で覆われるようになっている。この防水板10は折曲可能な板材、たとえばマイカ板などが用いられる。マイカ板には耐熱性があるので、万一、サーモスタットに接続されたコネクタC2、C3付近が発火した場合でも、延焼を防止できるという効果も期待できる。この防止板10は、矩形状に形成されてそのほぼ半分を取付部10Fとし、残りのほぼ半分を覆い部10Cとしてある。このとき、取付部10Fには、図7に示すように、サーモスタット9の本体部91が挿通される開口部10hが形成されている。
【0064】
そして、防水板10を取り付ける際には、開口部10hをサーモスタット9の本体部91に嵌合しつつ、取付部10Fを取付ブラケット92の上に載せ、ビス93で共締めして固定する。このとき、覆い部10Cは伸展した状態で上方に配置されており、取付部10Fを固定した後にその覆い部10Cを同図に示すように下方に折り返して、サーモスタット9の外側が所定間隔をもって覆われるようになっている。もちろん、覆い部10Cはサーモスタット9を十分に覆い隠すことができる面積を有している。
【0065】
次に、サーモスタット9の端子部94a、94bの保護対策について、図25を用いて示す。ここで、図25は、図6に示すヒータユニット8におけるサーモスタットの端子部94a、94bを支持する箇所の要部断面図である。なお、図25では、説明を簡単にするにするため、防水板10は省略している。
【0066】
保持プレート81のサーモスタット9配置側は板状断熱材52によって覆われている(図4参照)。この場合、その板状断熱材52は遮熱板54によって押圧的に保持される。このため、遮熱板54で押圧された板状断熱材52の圧縮力がサーモスタット9およびそれの端子部94a、94bに直接作用した場合、端子部94a、94bが破損するおそれがある。
【0067】
ここで、本実施形態では、図25に示すように、保持プレート81がサーモスタット9の端子部94a、94bに対向する部分、つまり、本実施形態ではサーモスタット9の取付部81Fの端子部94a、94bに対向する部分を、それら端子部94a、94bを支持する方向、つまり触媒フィルタ51から遠ざかる方向に膨出形成した膨出部分81Fsが設けられるようになっている。
【0068】
したがって、脱臭ユニット5において、保持プレート81のサーモスタット9の取り付け側を板状断熱材52で覆った場合に、その断熱材52を押圧保持した際の反発力がサーモスタット9の端子部94a、94bに作用した場合にも、その反発力を保持プレート81の膨出部分81Fsで受け止めることができる。したがって、板状断熱材52の反発力により端子部94a、94bが破損したり曲がったりして接触不良が誘発されるのを抑制できる。
【0069】
以上の構成により本実施形態の脱臭装置1によれば、ヒータユニット8は、保持プレート81に凹設した溝部81Gにシースヒータ82が収納されて保持されるが、このとき保持プレート81の片側面となる裏側面が触媒フィルタ51に面対向されている。そして、その保持プレート81に保持されたシースヒータ82の一側を触媒フィルタ51に直接接触させるとともに、そのシースヒータ82の他側を保持プレート81に直接接触させて、シースヒータ82から保持プレート81に伝達された熱をその保持プレート81によって放熱させるようになっている。
【0070】
これにより、触媒フィルタ51は、シースヒータ82の一側からの伝熱によって加熱されるとともに、シースヒータ82の他側から伝熱された保持プレート81の放熱によっても加熱されることになる。これにより、シースヒータ82の両側からの放熱を触媒フィルタの加熱に有効に利用できるため、簡単な構造をもって触媒フィルタ51の脱臭効率をより高めることができる。
【0071】
また、本実施形態の脱臭装置1によれば、保持プレート81に凹設した溝部81Gにシースヒータ82を収納して保持させた場合に、図12に示すように、その溝部81Gの深さd1がシースヒータ82の高さh1よりも小さくなっており、シースヒータ82はこれの高さh1と溝部81Gの深さd1との差分だけ溝部81Gから突出される。したがって、シースヒータ82の突出側の一側を触媒フィルタ51に接触させた際に、その触媒フィルタ51と保持プレート81との間に所定幅の空隙部δが設けられることになる。これにより、触媒フィルタ51はその空隙部δによって通気性を確保でき、触媒フィルタ51の脱臭効率をさらに高めることができる。
【0072】
また、本実施形態の脱臭装置1によれば、脱臭ユニット5において、保持プレート81のサーモスタット9の取り付け側を板状断熱材52で覆った場合に、その断熱材52を押圧保持した際の反発力がサーモスタット9の端子部94a、94bに作用した場合にも、その反発力を保持プレート81の膨出部分81Fsで受け止めることができる。したがって、板状断熱材52の反発力により端子部94a、94bが破損したり曲がったりして接触不良が誘発されるのを抑制できる。
【0073】
図24は、上述した本実施形態の変形例を示す。上述したように、本前記実施形態の脱臭装置1に示したヒータユニット8では、シースヒータ82が舌片81Pによって止着される。これに対し、本変形例では保持プレート81とは別体に用意されるヒータ止具12でシースヒータ82が止着される。
【0074】
すなわち、同図に示すように、ヒータ止具12は、保持プレート81の厚みにほぼ相当する高さh2となる段部12Sを挟んで低段部12Lと高段部12Hとが段差状に設けられている。一方、保持プレート81には溝部81Gの一側部に低段部12Lを挿入する係合スリット81Stが設けられる。そして、その係合スリット81Stに上述した低段部12Lを係合した状態で、高段部12Hが溝部81Gの他側部(図中×印で示す)にスポット溶接などによって接合されるようになっている。
【0075】
したがって、本変形例によれば、ヒータ止具12は低段部12Lを係合スリット81Stに係合して、高段部12Hを単にスポット溶接するという簡単な工程で、シースヒータ82を保持プレート81に迅速かつ確実に止着することができる。
【0076】
ところで、本発明の脱臭装置は前記実施形態およびその変形例に例をとって説明したが、これら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能である。たとえば、加湿ユニット7が設けられない脱臭装置にあっても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 脱臭装置
2 筺体
21 空気吸込口
22 空気吹出口
25 空気通路
3 シロッコファン(送風部)
5 脱臭ユニット
51 触媒フィルタ
8 ヒータユニット
81 保持プレート
81G 溝部
81F サーモスタットの取付部(端子部に対応する部分)
81St 係合スリット
82 シースヒータ(ヒータ本体)
9 サーモスタット
94a、94b 端子部
10、10A 防水板
12 ヒータ止具
12S 段部
12L 低段部
12H 高段部
d1 溝部の深さ
h1 シースヒータ(ヒータ本体)の高さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱再生型の触媒フィルタを用いて空気を脱臭する脱臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内などの閉塞空間内の空気を脱臭して浄化するのに脱臭装置が用いられる。この脱臭装置は、空気吸込口から導入した室内の空気を装置内部に設けた脱臭フィルタに通過させ、この脱臭フィルタで空気に含まれる臭気成分を吸着して除去した後、臭気成分が除去されて脱臭された空気を空気吹出口から室内に放出することにより、室内の空気を脱臭する。
【0003】
特に、近年では、前記脱臭フィルタに加熱再生型の触媒フィルタを用い、この触媒フィルタをヒータで加熱することにより、吸着した臭気成分を分解して臭気吸着機能を再生できるようになっている。
【0004】
このとき、触媒フィルタ(平板構造体)を加熱するヒータユニットは、ヒータとこのヒータを保持する平板状の保持部材(メッシュフィン)とからなり、ヒータを保持部材に密着固定して、保持部材とヒータとを触媒フィルタの側面に接触させて結合固定するようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−334031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、かかる従来の脱臭装置では、ヒータを密着固定した保持部材をも触媒フィルタに接触させてあるため、その保持部材によって触媒フィルタの通気性が低下され、ひいては触媒フィルタの脱臭効率が低下してしまう。
【0007】
そこで、本発明は、かかる従来の実情に鑑みて、簡単な構造によって触媒フィルタの脱臭効率をより高めることができる脱臭装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の脱臭装置は、空気吸込口および空気吹出口を有する空気通路が内部に形成された筺体と、前記空気通路内の空気を前記空気吸込口から前記空気吐出口に向かって流通させる送風部と、前記空気通路の空気流通経路に配置されて前記空気吸込口から導入した空気に含まれる臭気成分を吸着して分解する触媒フィルタを有する脱臭ユニットと、前記触媒フィルタを加熱して吸着した臭気成分の分解を促進するヒータユニットと、を備えた脱臭装置において、前記ヒータユニットは、ヒータ本体を保持するとともに、このヒータ本体を保持した片側面に面対向して前記触媒フィルタが配置される保持プレートを備え、前記ヒータ本体の一側を前記触媒フィルタに直接接触させるとともに、そのヒータ本体の他側を前記保持プレートに直接接触させ、ヒータ本体から保持プレートに伝達された熱をその保持プレートによって放熱させることを主要な特徴とする。
【0009】
このように構成された脱臭装置にあって、前記保持プレートは、前記ヒータ本体の形状に沿って凹設されたヒータ本体保持用の溝部を有し、この溝部の深さが前記ヒータ本体の高さよりも小さく形成されたことを特徴とする。
【0010】
この場合、前記保持プレートは、前記溝部に跨って配置され前記ヒータ本体を止着するヒータ止具を有し、前記ヒータ止具は、少なくとも前記保持プレートの厚みに相当する高さとなる段部を挟んで低段部と高段部とが設けられるとともに、前記保持プレートには前記低段部を挿入する係合スリットが設けられ、この係合スリットに前記低段部を係合した状態で前記高段部が前記保持プレートに接合されたことを特徴とする。
【0011】
このように構成された脱臭装置にあって、前記保持プレートは、前記触媒フィルタの温度を検知して前記ヒータユニットを温度調節するサーモスタットを挿入する孔を有すると共に、該サーモスタットを挿入した状態で固定する固定部を、前記ヒータ本体を保持した側とは反対側の他側面に有し、かつ、前記保持プレートが前記サーモスタットの端子部に対向する部分が、その端子部を支持する方向に膨出形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上の構成により、本発明の脱臭装置によれば、保持プレートの片側面が触媒フィルタに面対向されており、その保持プレートに保持されたヒータ本体の一側を触媒フィルタに直接接触させるとともに、そのヒータ本体の他側を保持プレートに直接接触させて、ヒータ本体から保持プレートに伝達された熱をその保持プレートによって放熱させるようになっている。これにより、触媒フィルタは、ヒータ本体の一側からの伝熱によって加熱されるとともに、ヒータ本体の他側から伝熱された保持プレートの放熱によっても加熱されることになる。これにより、ヒータ本体の両側面からの放熱を触媒フィルタの加熱に有効に利用できるため、簡単な構造をもって触媒フィルタの脱臭効率をより高めることができる。
【0013】
また、前記保持プレートに凹設したヒータ本体保持用の溝部にヒータ本体を収納して保持させた場合に、その溝部の深さがヒータ本体の高さよりも小さくなっているため、ヒータ本体はこれの高さと溝部の深さとの差分だけ溝部から突出される。したがって、ヒータ本体の突出側の一側を触媒フィルタに接触させた際に、その触媒フィルタと保持プレートとの間に所定幅の空隙部が設けられることになる。これにより、触媒フィルタは上記空隙部によって通気性を確保でき、触媒フィルタの脱臭効率をさらに高めることができる。
【0014】
さらに、ヒータ本体を保持プレートに止着するヒータ止具は、溝部に跨って配置した状態で低段部を保持プレートの係合スリットに挿入した後、高段部を保持プレートに接合することにより、溝部に収納したヒータ本体を止着するようになっている。これにより、ヒータ止具は低段部を係合スリットに係合して高段部を単に接合するという簡単な工程で、ヒータ本体を保持プレートに迅速かつ確実に止着することができる。
【0015】
さらにまた、ヒータユニットを温度調節するサーモスタットを保持プレートに取り付けた場合に、その保持プレートがサーモスタットの端子部に対向する部分を、その端子部を支持する方向に膨出形成させてある。これにより、保持プレートのサーモスタット取り付け側を断熱材で覆った場合に、その断熱材を押圧保持した際の反発力が上記端子部に作用した場合にも、その反発力を保持プレートの膨出部分で受け止めることができる。したがって、上記断熱材の反発力により端子部が破損したり曲がったりして接触不良が誘発されるのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の一実施形態を示す脱臭装置を正面斜め上方から見た斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す脱臭装置を背面斜め上方から見た斜視図である。
【図3】図3は、図1に示す脱臭装置を中央部から縦断した側断面図である。
【図4】図4は、図1に示す脱臭装置に備わる脱臭ユニットの側断面図である。
【図5】図5は、図4に示す脱臭ユニットの分解斜視図である。
【図6】図6は、図4の脱臭ユニットに備わるヒータユニットの正面図である。
【図7】図7は、図6中I−I線に沿った断面図である。
【図8】図8は、図6に示すヒータユニットのヒータ本体の背面図である。
【図9】図9は、図6に示すヒータユニットの背面斜視図である。
【図10】図10は、図6に示すヒータユニットの遮熱板の1つを示す斜視図である。
【図11】図11は、図6に示すヒータユニットの分解斜視図である。
【図12】図12は、図4に示す脱臭ユニットの要部拡大断面図である。
【図13】図13は、図6に示すヒータユニットの正面斜視図である。
【図14】図14は、図6中II−II線に沿った要部拡大断面図である。
【図15】図15は、図6中III−III線に沿った要部拡大断面図である。
【図16】図16は、図6中IV−IV線に沿った要部拡大断面図である。
【図17】図17は、図6中V部に配置されるリード線の要部斜視図である。
【図18】図18は、図8に示すヒータ本体の側面図である。
【図19】図19は、図8中VI−VI線に沿った拡大断面図である。
【図20】図20は、図8中VII−VII線に沿った拡大断面図である。
【図21】図21は、図18中VIII部の拡大図である。
【図22】図22は、図6に示すヒータユニットにおけるリード線の配線部分の要部を示す拡大断面図である。
【図23】図23は、図4に示す脱臭ユニットからヒータ本体のリード線を取り出す部分を示す拡大断面図である。
【図24】図24は、ヒータユニットの第1の変形例を示し、ヒータ本体を保持プレートに止着する箇所の分解斜視図である。
【図25】図25は、図6に示すヒータユニットにおけるサーモスタットの端子部を支持する箇所の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明するものとし、図1から図23は本発明にかかる脱臭装置1の一実施形態を示す。この脱臭装置1は、図1および図2に示すように、合成樹脂パネルで成形された直方体状の筺体2を有し、この筺体2の背面に設けられた空気吸込口21から導入した空気を、上面に設けられた空気吹出口22から放出する間に、その空気が脱臭されるようになっている。
【0018】
また、筺体2の上面には空気吹出口22の側方に位置して脱臭装置1を各種モードに操作する操作パネル23が設けられるとともに、空気吹出口22には開閉自在なルーバ24が取り付けられている。なお、図1および図2ではルーバ24が開かれた状態にある。
【0019】
筺体2の内部には、図3に示すように、空気吸込口21から導入した空気を空気吹出口22まで案内する空気通路25が形成されており、この空気通路25の空気流通経路中には、空気通路25内の空気を空気吸込口21から空気吐出口22に向かって流通させる送風部としてのシロッコファン3が設けられる。 もちろん、この場合の送風部はシロッコファン3が好ましいのであるが、それに限ることなく空気を流通する機能を有しておれば良く、たとえばラジアルファンや軸流ファンもしくはその他の送風ファンなどであってもよい。なお、図3ではルーバ24が閉じられた状態にある。
【0020】
空気通路25の空気流通経路の最上流部(筺体2の背面側)には、空気吸込口21の裏側に位置して集塵フィルタ4が配置されるとともに、この集塵フィルタ4とシロッコファン3との間に脱臭ユニット5が配置される。また、シロッコファン3の下流側にはオゾン生成ユニット6が配置される。
【0021】
そして、シロッコファン3の稼働にともなって空気吸込口21から空気通路25に導入された空気は、まず、集塵フィルタ4によってゴミや塵が除去された後に脱臭ユニット5に送られる。その後、脱臭ユニット5で脱臭された空気は、下流側のオゾン生成ユニット6で生成されるオゾンガスで清浄されて空気吹出口22から放出される。なお、オゾン生成ユニット6は脱臭装置1を構成する上で必ずしも必要とはしない。
【0022】
また、本実施形態では空気通路25の空気流通経路中、詳細にはその空気流通経路の脱臭ユニット5とシロッコファン3との間に、その空気通路25を流通する空気を加湿する加湿ユニット7が設けられる。このように、加湿ユニット7が設けられることにより、加湿機能を備えた脱臭装置1として構成される。
【0023】
脱臭ユニット5は、図4および図5に示すように、臭気成分を吸着して分解する触媒フィルタ51と、この触媒フィルタ51を加熱して吸着した臭気成分の分解を促進するヒータユニット8と、これら触媒フィルタ51およびヒータユニット8を挟むように両側に配置された通気性を有する一対の板状断熱材52と、これら触媒フィルタ51とヒータユニット8と板状断熱材52の外周を囲って配置される環状断熱材53と、板状断熱材52および環状断熱材53の通風方向両側を覆って配置される一対の遮熱板54と、によって構成される。この遮熱板54は、多数の透孔によって通気性が確保された金属製のパンチングプレートで形成されている。
【0024】
したがって、集塵フィルタ4を通過した空気が脱臭ユニット5に導入されると、その空気は図3に示す脱臭ユニット5を図中右側から左側へと通過される。なお、その脱臭ユニット5を拡大した図4は、図3の取付状態に対して左右逆に示されており、脱臭ユニット5に導入された空気は、図4中左側から右側へと通過されることになる。すなわち、空気は、図4中左側の遮熱板54、左側の板状断熱材52、触媒フィルタ51、ヒータユニット8、右側の板状断熱材52そして右側の遮熱板54の順に通過されることになる。
【0025】
ヒータユニット8は、図6に示すように、保持プレート81にヒータ本体としてのシースヒータ82を保持させて概ね構成される。シースヒータ82は、一般に知られるように、金属パイプの中央にスパイラル発熱体を配置し、この発熱体と金属パイプとの間の空間部に熱伝導の良い高絶縁粉末を充填して構成されたものである。
【0026】
保持プレート81は、遮熱板54と同様に多数の透孔によって通気性が確保された金属製のパンチングプレートで形成されている。そして、保持プレート81は、図7に示すように、周縁部がプレス加工などにより裏側方向(図中右側)に折曲された側壁81sを有して全体として矩形容器状に形成される。なお、本実施形態では、保持プレート81の触媒フィルタ51が配置される側を裏側、その反対側を表側として説明するものとする。
【0027】
保持プレート81は、側壁81sで囲まれた裏側(内方側)にシースヒータ82が保持されるようになっており、図4に示すように、その側壁81sで囲まれた内方に触媒フィルタ51が収納される。このとき、触媒フィルタ51は、保持プレート81の裏側面(片側面)に面対向して配置されている。
【0028】
そして、図5に示すように、周囲の4つの側壁81sには、保持プレート81の各辺に沿う方向のほぼ中央部にチャンネル状のブラケット55がそれぞれビス止めされる。このとき、各ブラケット55の両端折曲片55aは保持プレート81に対して外方に向かって配置され、図4に示すように、それら両端折曲片55aに遮熱板54がそれぞれがビス止めされるようになっている。したがって、このようにして組み付けられた脱臭ユニット5は、図10に示すように、全体として扁平な直方体状となって構成される。
【0029】
また、脱臭ユニット5は、両端の遮熱板54、板状断熱材52および保持プレート81が通気性を有することから、空気通路25を流通する空気の通過が可能となっている。
【0030】
触媒フィルタ51は、アルミ合金製で通気性を有するハニカムコアボードの表面に、酸化マンガンなどの金属酸化物やプラチナなどの貴金属の触媒を所定の厚さにコーティングして形成される。なお、吸着剤として活性炭や各種セラミックス粉末などをさらに添加することが好ましい。さらには、抗菌剤や防かび剤などが添加されることも好ましい。そして、触媒フィルタ51は、基本的に加熱により臭気成分の吸着機能が再生できる構造(加熱再生型)であればよく、その他の加熱再生構造を有する触媒フィルタであってもよい。
【0031】
加湿ユニット7は、図3に示すように、空気通路3の空気流通経路に配置される加湿フィルタ71と、この加湿フィルタ71に水分を供給する加湿トレイ72と、を備えた構造となっている。加湿トレイ72には水が蓄えられ、この蓄えられた水が図示省略した水供給部を介して加湿フィルタ71に、この加湿フィルタ71を全体的に潤すように供給される。そして、その加湿フィルタ71を透湿膜として空気が通過することにより、この通過空気に水分が補給されて加湿されることになる。加湿ユニット7のオン・オフを含めた制御は前述した操作パネル23によって行うことができる。
【0032】
なお、加湿トレイ72の水を加湿フィルタ71に供給する手段としては、滴下浸透式、毛細管式または回転式などであってもよく、また、加湿フィルタ71および加湿トレイ72を備えた基本的な加湿構造以外にも、スチームファン式や超音波式または気化式など他の加湿構造であってもよい。
【0033】
また、加湿ユニット7は、筺体2内の下部に配置され、本実施形態では筺体2の下部に位置するシロッコファン3の吸入(負圧)側に対向した位置に加湿フィルタ71が配置されている。加湿トレイ72はこの加湿フィルタ71の下側に所定間隔を設けて設置されている。
【0034】
次に、上述したヒータユニット8を詳細に説明すると、シースヒータ82は、図8に示すように、W字状に折曲形成されて、リード線83が接続される両端部82a、82bが上方に位置されるようになっている。なお、図8に示すシースヒータ82は、保持プレート81の裏側から見た状態で示されている。
【0035】
つまり、このようにW字状に折曲されたシースヒータ82は、Uターン状の折曲部82Tが下側に2箇所と上側に1箇所形成されることによりW字状となっている。このように折曲部82Tの数を上側よりも下側に多く設定することにより、シースヒータ82で発生する熱量のウエイトを下方に置き、熱が上方に集まろうとするヒータユニット8全体での熱の均等化が図られる。
【0036】
このとき、両端部82a、82bを上方に配置し、かつ、熱量のウエイトを下側に置くためには、シースヒータ82を必ずしもW字状に形成する必要はなく、折曲部82Tの全体の数を奇数として上側よりも下側の折曲部82Tの数が1つ多くなるように形成してやればよい。つまり、折曲部82Tの数をn(n:自然数)とすると、下側の折曲部82Tの数はn+1、上側の折曲部82Tの数はnとしてやればよい。もちろん、折曲部82Tの全体の数は、(n+1)+n=2n+1となって奇数となる。
【0037】
そして、両端部82a、82bに接続されたリード線83の少なくともその結線部82Jはシリコンチューブ84で覆われる。また、シースヒータ82の一方(図8中左側)の端部82aに接続されたリード線83には、温度ヒューズ86を接続したリード線87がコネクタC1を介して直列に接続される。この場合にあってもリード線87は少なくとも温度ヒューズ86を含めた部分がシリコンチューブ84で覆われる。本実施形態では上述したリード線83、87は耐熱性のあるジイゲル線が用いられることが好ましい。なお、シースヒータ82には、コネクタC1に接続される図示省略した配線から加熱用の電力が供給される。
【0038】
シリコンチューブ84は絶縁とシールとを兼ねて取り付けられるが、必ずしもシリコンチューブ84に限ることはなく、絶縁性、耐熱性および可撓性を備えたチューブであればよい。
【0039】
また、シースヒータ82の他方(図8中右側)の端部82bに接続したリード線83および温度ヒューズ86のリード線87の他端側とは、コネクタC2、C3を介して図6に示すサーモスタット9に接続される。
【0040】
このように、シースヒータ82とリード線83との結線部82Jは、シースヒータ82がW字状に形成されたことにより、ヒータユニット8の上端部に配置されることになるが、さらには、その結線部82Jが加湿ユニット7の加湿トレイ72から上方に十分に距離を隔てるようにして筺体2の上部に配置されている。
【0041】
このように、筺体2の下部に配置した加湿ユニット7に対してシースヒータ82とリード線83との結線部82Jが筺体2の上部に配置されることにより、脱臭装置1を誤って倒しそうになった場合とか、移動時に脱臭装置1が大きく揺れた場合などにあって、加湿トレイ72に蓄えられた水が周囲に飛び散っても、飛び散った水が結線部82Jに掛かるのを未然に防止できる。
【0042】
シースヒータ82を保持する保持プレート81は、図9および図11に示すように、触媒フィルタ51が配置される裏側に、シースヒータ82の形状に沿った溝部81Gが凹設されており、この溝部81Gにシースヒータ82を収納した状態でこのシースヒータ82が保持される。
【0043】
このとき、図12に示すように、溝部81Gの深さd1がシースヒータ82の高さh1よりも所定量小さく形成されている。これにより、触媒フィルタ51を保持プレート81に配置した際に、シースヒータ82の一側が触媒フィルタ51に直接接触されるとともに、他側が溝部81Gの底面、つまり保持プレート81に直接接触されるようになっている。そして、保持プレート81と触媒フィルタ51との間には、溝部81Gの深さd1とシースヒータ82の高さh1との差分に相当する空隙部δが設けられるようになっている。
【0044】
このように保持プレート81と触媒フィルタ51との間に空隙部δが設けられることにより、触媒フィルタ51の通気性がより高められるようになっている。つまり、保持プレート81がパンチングプレートで形成されているとはいえ、このパンチングプレートの多孔間には閉塞面が存在し、上記空隙部δが設けられていない場合は、その閉塞面が触媒フィルタ51に直接接触して触媒フィルタ51の通気性が低下してしまう。
【0045】
また、このようにシースヒータ82の一側が触媒フィルタ51に直接接触され、かつ、シースヒータ82の他側が保持プレート81(溝部81Gの底面)に直接接触されることにより、触媒フィルタ51には、シースヒータ82から直接に伝熱されるとともに、保持プレート81からも空隙部δを介して間接に伝熱(輻射熱)されるようになっている。この場合、保持プレート81は放熱板として機能する。このとき、シースヒータ82の温度は140度〜150度程度まで上昇するため、板状断熱材52としては160度以上の耐熱性を有するものが使用される。
【0046】
また、シースヒータ82のヒータ本体は、図19に示すように、保持プレート81(溝部81Gの底面)に接触する側が、プレス加工などにより加圧されて平坦面82cとなっている。そして、その平坦面82cを介してシースヒータ82が保持プレート81に接触されることにより、保持プレート81への伝熱効率が高められるようになっている。
【0047】
保持プレート81に凹設された溝部81Gは、図12に示すように、外方(触媒フィルタ51側)に向かって広がる断面台形状に形成されているが、その溝部81Gに収納されたシースヒータ82は、図6に示すように、保持プレート81から切り起こした舌片81Pによって止着される。すなわち、溝部81Gにシースヒータ82を嵌着する際、舌片81Pは図9に示すように起立させた状態にある。そして、シースヒータ82を溝部81Gに収納した後に、図14に示すように、舌片81Pをシースヒータ82の外周に加締めて固定するようになっている。なお、舌片81Pは止着部位によってそれぞれの幅が適宜設定されている。
【0048】
また、図14はシースヒータ82のヒータ本体の止着構造を示す一方、図6に示すように、シリコンチューブ84で被覆されたリード線83(図8参照)の止着は図15のようになる。さらに、図6に示すように、リード線87の温度ヒューズ86が接続される部分は、図17に示すように断熱シート88を巻回して覆われるが、この断熱シート88で覆った部分のリード線87は図16に示すように止着される。
【0049】
このとき、シースヒータ82を止着する舌片81Pはシースヒータ82の外周に加締められることにより、その舌片81Pの厚み分だけ外方に突出し、触媒フィルタ51との接触性が悪化される。このため、舌片81Pが配置される箇所には、図18および図20に示すように、プレス加工などによってシースヒータ82に凹所82Sを設け、この凹所82に舌片81Pが配置されるようにして、この舌片81Pがシースヒータ82から突出されないようになっている。これにより、シースヒータ82の一側は全体的に触媒フィルタ51に接触されるようになる。
【0050】
凹所82Sは、図21に示すように、凹設深さsが少なくとも舌片81Pの厚み(保持プレート81の厚み)となり、本実施形態では0.6mm程度となっている。また、シースヒータ82の長さ方向に沿った凹所82Sの両側部は所定角度θをもって傾斜され、本実施形態ではθ≒45度となっている。さらに、凹所82Sの長さLは舌片81Pの幅に相当する長さとすればよいのであるが、プレス型を少なくする関係上、本実施形態ではそれぞれの舌片81Pのうち最大幅の舌片81Pに見合う15mmとなっている。
【0051】
ところで、断面台形状に形成された溝部81Gは、シースヒータ82の形状に沿ってW字状に形成されたが、このW字状の溝部81Gの長さ方向(図6中上下方向)のほぼ中央部は、溝部81Gとほぼ同様の断面形状をもって水平方向に凹設される土手部81Bによって、溝部81Gの上下直線部分81Gsが連結されている。このとき、上下直線部分81Gは、本実施形態のように溝部81GがW字状となる場合は左右方向に4箇所存在することになる。
【0052】
このように土手部81Bが設けられることにより、保持プレート81と板状断熱材52との間の空間S(図12参照)は上下方向に不連続となる。これにより、ヒータユニット8の下部から上方に熱気が立ち昇るのを土手部81Bが妨げて、ヒータユニット8の上部の温度が高くなり過ぎるのを抑制できるようになっている。なお、土手部81Bは、1箇所に限ることなく上下方向に適宜間隔を設けて複数箇所設けることもできる。
【0053】
なお、上述した上下直線部分81Gsに対応する部分では、溝部81Gの外側面と板状断熱材52との間に図示省略した断熱材を介在させておくことにより、シースヒータ82の熱が溝部81から板状断熱材52側に放熱されるのが抑制されて、ヒータユニット8全体での熱の均等化を図ることができる。
【0054】
また、図6および図7に示すように、土手部81Bの左右方向の中央部分は他の部分よりも上下幅が広く形成され、その幅広に形成された土手部81Bの表側面(シースヒータ82の保持面とは反対面)がサーモスタット9の取付部81Fとされる。この取付部81Fには、図7に示すように、サーモスタット9の本体部91がほぼ密接して挿入される取付穴81Fhが形成される。また、サーモスタット9の本体部91の両側には、一対の取付ブラケット92が取付部81Fに沿う方向に突設されている。
【0055】
そして、サーモスタット9を取り付ける際は、保持プレート81の表側から本体部91の一部を取付穴81Fhに挿入した後、取付ブラケット92を取付部81Fにビス93で固定するようになっている。
【0056】
サーモスタット9には、図6に示すように、取付ブラケット92の対向方向に対して直交する方向に一対の接続端子94a、94bが突設されており、それら接続端子94a、94bに、上述したシースヒータ82の端部82bに接続されたリード線83のコネクタC2、および温度ヒューズ86のリード線87の他端側のコネクタC3が接続される。このように、シースヒータ82には温度ヒューズ86およびサーモスタット9が直列に接続されたことにより、ヒータユニット8による異常な温度上昇をより確実に防止できるようになっている。
【0057】
そして、図6、図9および図13に示すように、シースヒータ82の両端部82a、82bは、保持プレート81の上部両側部に形成された一対の開口部81hから表側に取り出される。なお、シースヒータ82の両端部82a、82bが保持プレート81の開口部81hから表側に取り出される際、図11に示すように、リード線83や温度ヒューズ86のリード線87も一緒に開口部81hから表側に取り出される。そして、このように開口部81hから表側に取り出されたリード線83、87は、図6に示すように、溝部81Gおよび土手部81Fの表側面に沿って配線される。
【0058】
このとき、リード線83、87が溝部81Gや土手部81Fの表側面に沿った部分は、そのリード線83、87がシリコンチューブ84で覆われるが、特に保持プレート81の表面温度が高温(たとえば180度)を越える恐れのある場合は、図22に示すように、シリコンチューブ84と保持プレート81との間に断熱シート89を介在させることが好ましい。この場合、断熱シート89の素材としてはポリイミドやメラミンが好適である。
【0059】
また、図6に示すように、シースヒータ82の端部82aに接続したリード線83と、温度ヒューズ86のリード線87とがコネクタC1を介して接続される際、それら両リード線83、87は、図6に示すように、ヒータユニット8から突出されており、さらには図23に示すように、脱臭ユニット5から引き出されるようになっている。このため、図10に示すように、遮熱板54にはリード線83、87の取出口54hが形成されている。
【0060】
すなわち、図23に示すように、保持プレート81の開口部81hからシースヒータ82の端部82aが表側に取り出され、そのシースヒータ82の端部82aに接続されたリード線83は、リード線87とともに保持プレート81の表側から、その保持プレート81の外周と環状断熱材53との間を通って取出口54hへと案内される。そして、両リード線83、87はその取出口54hから外方へと引き出されることになる。
【0061】
このとき、リード線83、87は、配線スペースや配線基板の配置方向などによって取出口54hから遮熱板54の面方向に沿うようにほぼ直角に引き出されることになるが、上述したように、シリコンチューブ84で覆われているため、リード線83、87が傷つくおそれはない。
【0062】
ここで、サーモスタット9は保持プレート81に設けた取付部81Fに取り付けられているが、このサーモスタット9は板状遮熱材52によって覆われるとはいえ、その板状遮熱材52は通気性を有しているため、水密構造とはなっていない。このため、脱臭ユニット5に水が掛かった場合には、水が板状遮熱材52を通過してサーモスタット9に達してしまう。
【0063】
そこで、図6および図7に示すように、サーモスタット9が防水板10で覆われるようになっている。この防水板10は折曲可能な板材、たとえばマイカ板などが用いられる。マイカ板には耐熱性があるので、万一、サーモスタットに接続されたコネクタC2、C3付近が発火した場合でも、延焼を防止できるという効果も期待できる。この防止板10は、矩形状に形成されてそのほぼ半分を取付部10Fとし、残りのほぼ半分を覆い部10Cとしてある。このとき、取付部10Fには、図7に示すように、サーモスタット9の本体部91が挿通される開口部10hが形成されている。
【0064】
そして、防水板10を取り付ける際には、開口部10hをサーモスタット9の本体部91に嵌合しつつ、取付部10Fを取付ブラケット92の上に載せ、ビス93で共締めして固定する。このとき、覆い部10Cは伸展した状態で上方に配置されており、取付部10Fを固定した後にその覆い部10Cを同図に示すように下方に折り返して、サーモスタット9の外側が所定間隔をもって覆われるようになっている。もちろん、覆い部10Cはサーモスタット9を十分に覆い隠すことができる面積を有している。
【0065】
次に、サーモスタット9の端子部94a、94bの保護対策について、図25を用いて示す。ここで、図25は、図6に示すヒータユニット8におけるサーモスタットの端子部94a、94bを支持する箇所の要部断面図である。なお、図25では、説明を簡単にするにするため、防水板10は省略している。
【0066】
保持プレート81のサーモスタット9配置側は板状断熱材52によって覆われている(図4参照)。この場合、その板状断熱材52は遮熱板54によって押圧的に保持される。このため、遮熱板54で押圧された板状断熱材52の圧縮力がサーモスタット9およびそれの端子部94a、94bに直接作用した場合、端子部94a、94bが破損するおそれがある。
【0067】
ここで、本実施形態では、図25に示すように、保持プレート81がサーモスタット9の端子部94a、94bに対向する部分、つまり、本実施形態ではサーモスタット9の取付部81Fの端子部94a、94bに対向する部分を、それら端子部94a、94bを支持する方向、つまり触媒フィルタ51から遠ざかる方向に膨出形成した膨出部分81Fsが設けられるようになっている。
【0068】
したがって、脱臭ユニット5において、保持プレート81のサーモスタット9の取り付け側を板状断熱材52で覆った場合に、その断熱材52を押圧保持した際の反発力がサーモスタット9の端子部94a、94bに作用した場合にも、その反発力を保持プレート81の膨出部分81Fsで受け止めることができる。したがって、板状断熱材52の反発力により端子部94a、94bが破損したり曲がったりして接触不良が誘発されるのを抑制できる。
【0069】
以上の構成により本実施形態の脱臭装置1によれば、ヒータユニット8は、保持プレート81に凹設した溝部81Gにシースヒータ82が収納されて保持されるが、このとき保持プレート81の片側面となる裏側面が触媒フィルタ51に面対向されている。そして、その保持プレート81に保持されたシースヒータ82の一側を触媒フィルタ51に直接接触させるとともに、そのシースヒータ82の他側を保持プレート81に直接接触させて、シースヒータ82から保持プレート81に伝達された熱をその保持プレート81によって放熱させるようになっている。
【0070】
これにより、触媒フィルタ51は、シースヒータ82の一側からの伝熱によって加熱されるとともに、シースヒータ82の他側から伝熱された保持プレート81の放熱によっても加熱されることになる。これにより、シースヒータ82の両側からの放熱を触媒フィルタの加熱に有効に利用できるため、簡単な構造をもって触媒フィルタ51の脱臭効率をより高めることができる。
【0071】
また、本実施形態の脱臭装置1によれば、保持プレート81に凹設した溝部81Gにシースヒータ82を収納して保持させた場合に、図12に示すように、その溝部81Gの深さd1がシースヒータ82の高さh1よりも小さくなっており、シースヒータ82はこれの高さh1と溝部81Gの深さd1との差分だけ溝部81Gから突出される。したがって、シースヒータ82の突出側の一側を触媒フィルタ51に接触させた際に、その触媒フィルタ51と保持プレート81との間に所定幅の空隙部δが設けられることになる。これにより、触媒フィルタ51はその空隙部δによって通気性を確保でき、触媒フィルタ51の脱臭効率をさらに高めることができる。
【0072】
また、本実施形態の脱臭装置1によれば、脱臭ユニット5において、保持プレート81のサーモスタット9の取り付け側を板状断熱材52で覆った場合に、その断熱材52を押圧保持した際の反発力がサーモスタット9の端子部94a、94bに作用した場合にも、その反発力を保持プレート81の膨出部分81Fsで受け止めることができる。したがって、板状断熱材52の反発力により端子部94a、94bが破損したり曲がったりして接触不良が誘発されるのを抑制できる。
【0073】
図24は、上述した本実施形態の変形例を示す。上述したように、本前記実施形態の脱臭装置1に示したヒータユニット8では、シースヒータ82が舌片81Pによって止着される。これに対し、本変形例では保持プレート81とは別体に用意されるヒータ止具12でシースヒータ82が止着される。
【0074】
すなわち、同図に示すように、ヒータ止具12は、保持プレート81の厚みにほぼ相当する高さh2となる段部12Sを挟んで低段部12Lと高段部12Hとが段差状に設けられている。一方、保持プレート81には溝部81Gの一側部に低段部12Lを挿入する係合スリット81Stが設けられる。そして、その係合スリット81Stに上述した低段部12Lを係合した状態で、高段部12Hが溝部81Gの他側部(図中×印で示す)にスポット溶接などによって接合されるようになっている。
【0075】
したがって、本変形例によれば、ヒータ止具12は低段部12Lを係合スリット81Stに係合して、高段部12Hを単にスポット溶接するという簡単な工程で、シースヒータ82を保持プレート81に迅速かつ確実に止着することができる。
【0076】
ところで、本発明の脱臭装置は前記実施形態およびその変形例に例をとって説明したが、これら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能である。たとえば、加湿ユニット7が設けられない脱臭装置にあっても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 脱臭装置
2 筺体
21 空気吸込口
22 空気吹出口
25 空気通路
3 シロッコファン(送風部)
5 脱臭ユニット
51 触媒フィルタ
8 ヒータユニット
81 保持プレート
81G 溝部
81F サーモスタットの取付部(端子部に対応する部分)
81St 係合スリット
82 シースヒータ(ヒータ本体)
9 サーモスタット
94a、94b 端子部
10、10A 防水板
12 ヒータ止具
12S 段部
12L 低段部
12H 高段部
d1 溝部の深さ
h1 シースヒータ(ヒータ本体)の高さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気吸込口および空気吹出口を有する空気通路が内部に形成された筺体と、
前記空気通路内の空気を前記空気吸込口から前記空気吐出口に向かって流通させる送風部と、
前記空気通路の空気流通経路に配置されて前記空気吸込口から導入した空気に含まれる臭気成分を吸着して分解する触媒フィルタを有する脱臭ユニットと、
前記触媒フィルタを加熱して吸着した臭気成分の分解を促進するヒータユニットと、を備えた脱臭装置において、
前記ヒータユニットは、ヒータ本体を保持するとともに、前記ヒータ本体を保持した片側面に面対向して前記触媒フィルタが配置される保持プレートを備え、
前記ヒータ本体の一側を前記触媒フィルタに直接接触させるとともに、前記ヒータ本体の他側を前記保持プレートに直接接触させ、前記ヒータ本体から前記保持プレートに伝達された熱を前記保持プレートによって放熱させることを特徴とする脱臭装置。
【請求項2】
前記保持プレートは、前記ヒータ本体の形状に沿って凹設されたヒータ本体保持用の溝部を有し、前記溝部の深さが前記ヒータ本体の高さよりも小さく形成されたことを特徴とする請求項1に記載の脱臭装置。
【請求項3】
前記保持プレートは、前記溝部に跨って配置され前記ヒータ本体を止着するヒータ止具を有し、
前記ヒータ止具は、少なくとも前記保持プレートの厚みに相当する高さとなる段部を挟んで低段部と高段部とが設けられるとともに、前記保持プレートには前記低段部を挿入する係合スリットが設けられ、前記係合スリットに前記低段部を係合した状態で前記高段部が前記保持プレートに接合されることを特徴とする請求項2に記載の脱臭装置。
【請求項4】
前記保持プレートは、前記触媒フィルタの温度を検知して前記ヒータユニットを温度調節するサーモスタットを挿入する孔を有すると共に、該サーモスタットを挿入した状態で固定する固定部を、前記ヒータ本体を保持した側とは反対側の他側面に有し、かつ、前記保持プレートが前記サーモスタットの端子部に対向する部分が、前記端子部を支持する方向に膨出形成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の脱臭装置。
【請求項1】
空気吸込口および空気吹出口を有する空気通路が内部に形成された筺体と、
前記空気通路内の空気を前記空気吸込口から前記空気吐出口に向かって流通させる送風部と、
前記空気通路の空気流通経路に配置されて前記空気吸込口から導入した空気に含まれる臭気成分を吸着して分解する触媒フィルタを有する脱臭ユニットと、
前記触媒フィルタを加熱して吸着した臭気成分の分解を促進するヒータユニットと、を備えた脱臭装置において、
前記ヒータユニットは、ヒータ本体を保持するとともに、前記ヒータ本体を保持した片側面に面対向して前記触媒フィルタが配置される保持プレートを備え、
前記ヒータ本体の一側を前記触媒フィルタに直接接触させるとともに、前記ヒータ本体の他側を前記保持プレートに直接接触させ、前記ヒータ本体から前記保持プレートに伝達された熱を前記保持プレートによって放熱させることを特徴とする脱臭装置。
【請求項2】
前記保持プレートは、前記ヒータ本体の形状に沿って凹設されたヒータ本体保持用の溝部を有し、前記溝部の深さが前記ヒータ本体の高さよりも小さく形成されたことを特徴とする請求項1に記載の脱臭装置。
【請求項3】
前記保持プレートは、前記溝部に跨って配置され前記ヒータ本体を止着するヒータ止具を有し、
前記ヒータ止具は、少なくとも前記保持プレートの厚みに相当する高さとなる段部を挟んで低段部と高段部とが設けられるとともに、前記保持プレートには前記低段部を挿入する係合スリットが設けられ、前記係合スリットに前記低段部を係合した状態で前記高段部が前記保持プレートに接合されることを特徴とする請求項2に記載の脱臭装置。
【請求項4】
前記保持プレートは、前記触媒フィルタの温度を検知して前記ヒータユニットを温度調節するサーモスタットを挿入する孔を有すると共に、該サーモスタットを挿入した状態で固定する固定部を、前記ヒータ本体を保持した側とは反対側の他側面に有し、かつ、前記保持プレートが前記サーモスタットの端子部に対向する部分が、前記端子部を支持する方向に膨出形成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の脱臭装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2012−34886(P2012−34886A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178497(P2010−178497)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]