説明

脱臭装置

【課題】薄型、低コスト、長期性能維持を両立した脱臭装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、脱臭装置は、光触媒およびオゾン分解触媒を担持し空気を流通可能な触媒担持体25、30と、紫外線およびオゾンを放出する放電電極ユニット20と、を備えている。放電電極ユニットは、流体通風方向に関して前記触媒担持体の上流側に設けられ、放電により紫外線およびオゾンを発生する放電電極22と、放電電極を内包し紫外線を透過可能な主管40と、それぞれ前記主管内に連通して主管から延出し、前記放電電極から発生するオゾンを放出する複数の排気孔を有し、面状のオゾン放出領域を形成した複数の分岐管42と、を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放電電極と光触媒とオゾン分解触媒を有する脱臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、主に花粉症、インフルエンザウイルスの防止や分煙意識の向上から、空気清浄機および脱臭装置の市場は拡大を続けており、小型、多機能、高性能な製品の開発が求められている。
【0003】
このような脱臭装置の構成としては、集塵フィルタ、放電電極、光触媒を担持したフィルタ、オゾン分解触媒を担持したフィルタを併用する構成が考えられる。脱臭装置に流入した臭気は、光触媒、オゾン分解触媒表面に付着し、電極から発生する紫外線による光触媒活性効果、オゾンによる酸化還元反応によって分解される。また、発生したオゾンはオゾン分解触媒によって酸素に分解され外部に放出される。また、脱臭装置に流入するほこり等の微粒子は、集塵フィルタによって捕獲される。このように複数の機能を併用することで、多くの臭気に対して高い脱臭性能を達成すると共に、長期間の性能維持が可能となる。
【0004】
これらの機能を用いた脱臭技術を実用に移そうとするには、いくつかの課題がある。一つには、複数の部品を用いることによるコスト増の問題がある。特に、放電電極は高コストであるため、可能な限り電極数を少なくすることが望ましい。しかし、電極数が少ないと紫外線、オゾンが広範囲に分布せず、光触媒やオゾン分解触媒表面に付着した臭気を除去できないため、長期的な性能が維持できなくなる。
【0005】
もう一つには、複数の部品を用いる事によるサイズ増の問題がある。特に脱臭装置の薄型化を実現するためには、流体通風方向に対して可能な限り各部品を薄くし、部品間の距離を短くする必要がある。しかし、この場合、紫外線およびオゾンの拡散に必要な距離が狭まるため、紫外線、オゾンの分布範囲はさらに制限される。加えて、脱臭装置を通過する気体の流速が速い場合には、オゾンが十分に拡散する前にオゾン分解触媒フィルタに到達してしまうことになり、オゾンの分布はさらに狭い範囲に制限されてしまう。
【0006】
上記課題のひとつの解決策として、オゾン発生部を内包するダクトを光触媒フィルタ表面に這わせて配置し、光触媒フィルタ表面各部でオゾンを放出することにより、小数の放電電極で広くのオゾンを分布させるようにした空気調和機が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−32343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述した空気調和機では、放電電極部が金属管で覆われているため、紫外線を広範囲に分布させることが困難となる。また、下流から上流に遡り、紫外線およびオゾンの拡散距離を増加させることが困難となっている。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、薄型、低コスト、長期性能維持を両立する脱臭装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態によれば、脱臭装置は、光触媒およびオゾン分解触媒を担持し空気を流通可能な触媒担持体と、紫外線およびオゾンを放出する放電電極ユニットと、を備え、前記放電電極ユニットは、流体通風方向に関して前記触媒担持体の上流側に設けられ、放電により紫外線およびオゾンを発生する放電電極と、前記放電電極を内包し紫外線を透過可能な主管と、それぞれ前記主管内に連通して主管から延出し、前記放電電極から発生するオゾンを放出する複数の排気孔を有し、面状のオゾン放出領域を形成した複数の分岐管と、を具備している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る脱臭装置を示す斜視図。
【図2】図2は、前記脱臭装置の設置例を概略的に示す斜視図。
【図3】図3は、前記脱臭装置の分解斜視図。
【図4】図4は、前記脱臭装置のケースを省略して内部構造を示す斜視図。
【図5】図5は、前記脱臭装置の放電電極ユニットを示す斜視図。
【図6A】図6Aは、図4の線A−Aに沿った脱臭装置の断面図。
【図6B】図6Bは、図4の線B−Bに沿った脱臭装置の断面図。
【図6C】図6Cは、図4の線C−Cに沿った脱臭装置の断面図。
【図7】図7は、第2の実施形態に係る脱臭装置のケースを省略して内部構造を示す斜視図。
【図8】図8は、第2の実施形態に係る脱臭装置の放電電極ユニットを示す斜視図。
【図9A】図9Aは、図7の線A−Aに沿った脱臭装置の断面図。
【図9B】図9Bは、図7の線B−Bに沿った脱臭装置の断面図。
【図9C】図9Cは、図7の線C−Cに沿った脱臭装置の断面図。
【図10】図10は、第3の実施形態に係る脱臭装置のケースを省略して内部構造を示す斜視図。
【図11】図11は、図10の線A−Aに沿った脱臭装置の断面図。
【図12】図12は、第4の実施形態に係る脱臭装置のケースを省略して内部構造を
【図13A】図13Aは、図12の線A−Aに沿った脱臭装置の断面図。
【図13B】図13Bは、図12の線B−Bに沿った脱臭装置の断面図。
【図13C】図13Cは、図12の線C−Cに沿った脱臭装置の断面図。
【図14】図14は、第5の実施形態に係る脱臭装置のケースを省略して内部構造を示す斜視図。
【図15】図15は、第5の実施形態に係る脱臭装置の放電電極ユニットを示す斜視図。
【図16A】図16Aは、図14の線A−Aに沿った脱臭装置の断面図。
【図16B】図16Bは、図14の線B−Bに沿った脱臭装置の断面図。
【図16C】図16Cは、図14の線C−Cに沿った脱臭装置の断面図。
【図17】図17は、第6の実施形態に係る脱臭装置のケースを省略して内部構造を示す斜視図。
【図18A】図18Aは、図17の線A−Aに沿った脱臭装置の断面図。
【図18B】図18Bは、図17の線B−Bに沿った脱臭装置の断面図。
【図18C】図18Cは、図17の線C−Cに沿った脱臭装置の断面図。
【図19】図19は、第7の実施形態に係る脱臭装置の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、種々の実施形態に係る脱臭装置について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る放電型光触媒脱臭装置の外観を示す斜視図、図2は、脱臭装置を空調装置に組み込んだ設置例を示す斜視図、図3は、脱臭装置の分解斜視図である。
【0013】
図1および図3に示すように、放電型光触媒脱臭装置10は、偏平な矩形箱状のケース12を備え、このケース内に、集塵フィルタ15、放電電極ユニット20、光触媒フィルタ25、オゾン分解触媒フィルタ30が積層して収容されている。ケース12の上面および底面は、空気を流通可能なようにメッシュにより構成されている。脱臭装置10は、例えば、自動車の空調装置における通風路内に設置され、通風路を通る空気の臭気を脱臭する。
【0014】
図4は、ケースを省略して脱臭装置の内部構造を示し、図5は、紫外線およびオゾンを発生する放電電極ユニットを示し、図6A、6B、6Cは、それぞれ脱臭装置の異なる断面を示している。
【0015】
図3、図4および図6A、6B、6Cに示すように、集塵フィルタ15、放電電極ユニット20、光触媒フィルタ25、オゾン分解触媒フィルタ30は、流体通風方向Fに沿って並んで積層されている。集塵フィルタ15は、ケース12に合わせて矩形状に形成され、ケース内で最も上流側に配置されている。放電電極ユニット20は集塵フィルタ15の下流側に配置され、更に、放電電極ユニット20の下流側に光触媒フィルタ25およびオゾン分解触媒フィルタ30が順に重なって設けられている。光触媒フィルタ25およびオゾン分解触媒フィルタ30は、ケース12に合わせて矩形状に形成されている。
【0016】
光触媒フィルタ25は、空気を流通可能な孔を有する触媒担持体として機能し、この光触媒フィルタ25の全体に光触媒が塗布あるいは混入されている。光触媒は、空気中に含まれている種々のにおい分子(臭気)を吸着する。オゾン分解触媒フィルタ30は、空気を流通可能な孔を有する触媒担持体として機能し、このオゾン分解触媒フィルタ30の全体にオゾン分解触媒が塗布あるいは混入されている。オゾン分解触媒は、オゾンを酸素に分解し外部に放出するとともに、空気中に含まれている種々のにおい分子(臭気)を吸着する。
【0017】
図3ないし図6Cに示すように、放電電極ユニット20は、放電電極22と、この放電電極に放電用の電力を供給する電源ユニット24と、を備えている。電源ユニット24は、矩形箱状の筐体24aと筐体内に収納されたトランス等の電源とを有している。放電電極22は、細長い棒状の正極23と、同じく細長い棒状の誘電体26に貼付された細長い棒状の負極21とを有し、正極および負極は、隙間をおいて平行に対向している。正極23は、その上流側の側縁に沿って形成された鋸歯状の多数の突起を有している。
【0018】
放電電極22は、その軸方向一端が電源ユニット24に固定され、電源に電気的に接続されている。放電電極22は、電源ユニット24から垂直に延出し、かつ、流体通風方向Fと直行する方向に延びている。また、電源ユニット24は、ケース12内で、ケースの一側縁側に設けられ、放電電極22は、電源ユニット24からケース12の他側縁近傍まで、ケース内を横切って延びている。更に、放電電極22は、集塵フィルタ15、光触媒フィルタ25の幅方向中央と対向する位置に設けられている。放電電極22は、正極23および負極21間の隙間が流体通風方向Fと平行に位置するように配置されている。
【0019】
放電電極ユニット20は、放電電極22を内包した円管状の主管40と、主管から両側に延出した複数の分岐管42と、を有している。主管40は、その一端が電源ユニット24に固定され、電源ユニット24からケース12内を横切ってケース12の他側端近傍まで延びている。放電電極22は、主管40内に隙間を持って挿通されている。主管40は、放電電極22から放出される紫外線を透過可能な材料、例えば、ガラス、石英ガラス、アクリル等で形成されている。また、流体通風方向Fに関して主管40の上流側周縁部に、多数の吸気孔44が形成され、主管の軸方向に間隔をおいて並んで位置している。流体通風方向Fに関して主管40の下流側周縁部に、多数の排気孔46が形成され、主管の軸方向に間隔をおいて並んで位置している。これにより、主管40は、放電電極22から発生するオゾンを通風可能に形成されている。
【0020】
主管40の両側に設けられた複数の分岐管42は、それぞれ主管40から主管に対して垂直に、かつ、流体通風方向Fと直行する方向に延出し、ケース12の側縁近傍まで延びている。各分岐管42は、例えば、金属で中空の円筒形状に形成され、その内部空間は主管40内に連通しているとともに、主管内で発生したオゾンを流通可能となっている。複数の分岐管42は、主管40の軸方向に所定の間隔を置いて並び、互いに平行に配置されている。複数の分岐管42および主管40は、ケース12内のほぼ全面に亘って延在し、すなわち、光触媒フィルタ25のほぼ全面と対向して配置されている。これにより、複数の分岐管42は、流体通風方向Fと交差する矩形平面状のオゾン放出領域、つまり、ここでは、光触媒フィルタ25のほぼ全面と対向する平面状のオゾン放出領域を形成している。流体通風方向Fに関して各分岐管42の下流側周縁部に、多数の排気孔48が形成され、分岐管の軸方向に間隔をおいて並んで位置している。これにより、各分岐管42は、放電電極22から発生するオゾンを導き排気孔48から放出可能に形成されている。
【0021】
放電電極ユニット20は、矩形状の支持枠50を有している。支持枠50は、電源ユニット24に固定され、主管40および分岐管42を囲んで延在している。そして、主管40の延出端および分岐管42の延出端は、支持枠50に支持されている。
【0022】
上記のように構成された放電電極ユニット20の主管40および分岐管42は、集塵フィルタ15と光触媒フィルタ25との間に配置され、すなわち、光触媒フィルタ25およびオゾン分解触媒フィルタ30の上流側に配置され、光触媒フィルタ25のほぼ全面と対向している。
【0023】
上記構成の脱臭装置10において、流体通風方向Fに沿って外気がケース12内を通風すると、まず、外気は集塵フィルタ15、光触媒フィルタ25、オゾン分解フィルタ30を順に通って流れる。その際、外気中の塵、ごみ等が集塵フィルタ15を捕獲され、除去される。また、外気中の種々の臭気は、光触媒フィルタ25およびオゾン分解触媒フィルタ30を通過する際、光触媒およびオゾン分解触媒の表面に吸着され、除去される。
【0024】
また、電源ユニット24から放電電極22に給電することにより、放電電極22から紫外線を発生するとともにオゾンを発生する。発生した紫外線は、主管40を通して周囲の光触媒フィルタ25に照射される。同時に、発生したオゾンは、主管40および複数の分岐管42内に流通し、主管40の排気孔46および各分岐管42の排気孔48から下流に位置する光触媒フィルタ25およびオゾン分解触媒フィルタ30の広い範囲に放出される。放電電極22から発生する紫外線による光触媒活性効果、および、オゾンによる酸化還元反応により、触媒に吸着された臭気が分解される。また、放出されたオゾンは、オゾン分解触媒によって酸素に分解され外部に放出される。これにより、光触媒やオゾン分解触媒に吸着した臭気を除去し、長期的な脱臭性能を維持することができる。なお、光触媒は、光触媒フィルタ25だけでなく、集塵フィルタ15、電源ユニット24、放電電極ユニット20、主管40、分岐管42等の、紫外線が到達し得る任意の場所に塗布することで、さらなる脱臭効果が得られる。
【0025】
以上のように構成された脱臭装置10によれば、放電電極ユニット20は、放電電極22の数が少ないにも拘らず、すなわち、ここでは、単一の放電電極しか備えていないにも拘らず、放電電極から発生するオゾンを主管および分岐管を通して広い範囲に分散させることができる。これにより、光触媒やオゾン分解触媒に吸着した臭気を除去し、長期的な脱臭性能を維持することが可能となる。同時に、放電電極の数を減らして製造コストの削減を図ることができるとともに、オゾンの拡散に必要な距離を短くでき、流体通風方向に対して可能な限り各部品を薄くし、装置全体の薄型化を図ることができる。以上のことから、薄型、低コスト、長期性能維持を両立した脱臭装置が得られる。
【0026】
次に、種々の他の実施形態に係る脱臭装置について説明する。以下に説明する種々の実施形態において、上述した第1の実施形態と同一構成部分は、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0027】
(第2の実施形態)
図7は、ケースを省略して第2の実施形態に係る脱臭装置の内部構造を示し、図8は、紫外線およびオゾンを発生する放電電極ユニットを示し、図9A、9B、9Cは、それぞれ脱臭装置の異なる断面を示している。
【0028】
第2の実施形態によれば、放電電極ユニット20は、放電電極22が内包された円筒状の主管40と、この主管から流体通風方向Fにおいて上流側に延出した流通管60と、流通管60から両側に延出した複数の分岐管42と、を有している。主管40は、その一端が電源ユニット24に固定され、電源ユニット24からケース12内を横切ってケース12の他側端近傍まで延びている。放電電極22は、主管40内に隙間を持って挿通されている。主管40は、放電電極22から放出される紫外線を透過可能な材料、例えば、ガラス、石英ガラス、アクリル等で形成されている。流体通風方向Fに関して主管40の下流側周縁部に、多数の吸気孔44が形成され、主管の軸方向に間隔をおいて並んで位置している。
【0029】
流通管60は、例えば、角筒形状に形成され、流体通風方向Fに関して主管40の上流側周縁部の全長に亘って接続されている。流通管60は、例えば、金属により主管40と一体に形成されている。
【0030】
複数の分岐管42は、それぞれ流通管60からこの流通管に対して垂直に、かつ、流体通風方向Fと直行する方向に延出し、ケース12の側縁近傍まで延びている。各分岐管42は、例えば、中空の円筒形状に形成され、流通管60の内部と連通し、放電電極22から発生したオゾンを流通可能となっている。複数の分岐管42は、主管40の軸方向に所定の間隔を置いて並び、互いに平行に配置されている。主管40、流通管60、および複数の分岐管42は、ケース12内のほぼ全面に亘って延在している。複数の分岐管42は、集塵フィルタ15の上流側に位置し、この集塵フィルタのほぼ全面と対向して配置されている。これら分岐管42は、集塵フィルタと対向する矩形面状のオゾン放出領域を構成している。
【0031】
流体通風方向Fに関して各分岐管42の下流側周縁部に、多数の排気孔48が形成され、分岐管の軸方向に間隔をおいて並んで位置している。これにより、各分岐管42は、放電電極22から発生し流通管60を流通するオゾンを導き排気孔48から放出可能に形成されている。なお、集塵フィルタ15は2つに分割され、分岐管42の下流側で流通管60の両側に配置される。
【0032】
放電電極ユニット20は、矩形状の支持枠50、51を有している。支持枠50は、流通管60および分岐管42を囲んで延在している。そして、流通管60の延出端および分岐管42の延出端は、支持枠50に支持されている。支持枠51は、電源ユニット24に固定され、主管40を囲んで延在している。そして、主管40の延出端は、支持枠50に支持されている。
【0033】
電源ユニット24から放電電極22に給電することにより、放電電極22から紫外線を発生するとともにオゾンを発生する。発生した紫外線は、主管40を通して周囲の光触媒フィルタ25に照射される。同時に、発生したオゾンは、主管40の排気孔46および各分岐管42の排気孔48から下流に位置する光触媒フィルタ25およびオゾン分解触媒フィルタ30に放出される。
【0034】
以上のように構成された脱臭装置10によれば、分岐管42の排気孔48を放電電極22の風上側に配置することで、分岐管42からオゾン分解触媒フィルタ30までのオゾン拡散距離を延長し、オゾン分布をより均一化させることができる。同時に、紫外線を放電電極22の下流に位置する光触媒フィルタ25に照射することが出来る。なお、流通管60内および分岐管42内における風下から風上へのオゾンの移動は、放電電極22の温度上昇によって生じる自然対流により実現することができる。
【0035】
(第3の実施の形態)
図10は、ケースを省略して第3の実施形態に係る脱臭装置の内部構造を示し、図11は、脱臭装置の断面を示している。
第3の実施形態によれば、前述した第2の実施形態に係る脱臭装置と同様に構成され、放電電極22は、負極の誘電体26に設けられたプラズマ気流発生用の正極62を更に備えている。
【0036】
このようなプラズマ気流発生用の正極62を設け、主管40および流通管60内にプラズマ気流を発生させることにより、放電電極22の発熱による自然対流とプラズマ気流を利用して発生オゾンを流通することができる。そのため、脱臭装置10を流通する流速が大きい場合でも、風下から風上へとオゾンを移動できる。また、オゾン、紫外線発生のための放電と、プラズマ気流発生のための放電を振り分ける事ができ、脱臭装置を通過する流速が大きい場合はプラズマ気流を優先し、また、流速が小さい場合には、オゾン・紫外線生成を優先することができる。更に、誘電体26を紫外線、オゾン発生用放電電極とプラズマ気流用電極とに共用でき、コスト低減に寄与することができる。加えて、プラズマ気流生成時に発生するオゾンを利用することができる。
【0037】
(第4の実施の形態)
図12は、ケースを省略して第3の実施形態に係る脱臭装置の内部構造を示し、図13A、13B、13Cは、それぞれ脱臭装置の異なる断面を示している。
【0038】
第4の実施形態によれば、放電電極ユニット20は、放電電極22が内包された矩形管状の主管40と、この主管から流体通風方向Fにおいて上流側に延出した流通管60と、を有し、主管40および流通管60は、電源ユニット24と平行に配置され、つまり、ケースの一辺と平行に配置されている。主管40および流通管60の少なくとも一部は、電源ユニット24の筐体24aに密着して設けられ、このケースと熱的に接続されている。流体通風方向Fに関して主管40の下流側壁部に、多数の吸気孔44が形成され、主管の軸方向に間隔をおいて並んで位置している。
【0039】
放電電極22は、主管40内に、ケース12の1辺と平行に配置され、正極と負極との隙間が流体通風方向Fに対して垂直となるように配置されている。また、主管40で放電電極22の電源ユニット24側に凹面鏡64が設けられ、放電電極22と対向している。
【0040】
複数の分岐管42は、それぞれ流通管60からこの流通管に対して垂直に、かつ、流体通風方向Fと直行する方向に延出し、ケース12の電源ユニット24と反対側の側縁近傍まで延びている。各分岐管42は、例えば、中空の円筒形状に形成され、オゾンを流通可能となっている。複数の分岐管42は、主管40の軸方向に所定の間隔を置いて並び、互いに平行に配置されている。複数の分岐管42は、ケース12内のほぼ全面に亘って延在している。複数の分岐管42は、集塵フィルタ15の上流側に位置し、この集塵フィルタのほぼ全面と対向して配置されている。流体通風方向Fに関して各分岐管42の下流側周縁部に、多数の排気孔48が形成され、分岐管の軸方向に間隔をおいて並んで位置している。これにより、各分岐管42は、放電電極22から発生し流通管60を流通するオゾンを導き排気孔48から放出可能に形成されている。なお、流通管60はケース12の一側縁に配置されているため、集塵フィルタ15は単一のものを用いることができる。
【0041】
放電電極ユニット20は、流通管60に固定された矩形状の支持枠50を有している。支持枠50は、分岐管42を囲んで延在している。そして、分岐管42の延出端は、支持枠50に支持されている。
【0042】
上記構成の脱臭装置10によれば、電源ユニット24に密着するように主管40、流通管60を配置することで、放電電極22および電源ユニット24の両方の発熱による自然対流を利用して発生オゾンを流通することができ、脱臭装置10を流通する流速がより大きい場合でも、風下から風上へとオゾンを移動できる。第2の実施形態と同様に、分岐管42の排気孔48を放電電極22の風上側に配置することで、分岐管42からオゾン分解触媒フィルタ30までのオゾン拡散距離を延長し、オゾン分布をより均一化させることが可能となる。また、分岐管42の下流から上流への流通部が脱臭装置10の端部に位置するため、単一の集塵フィルタを用いることが出来る。放電電極22の放電部である電極間の隙間を流体通風方向Fに対して垂直に配置することで、放電電極22は、光触媒フィルタ25側に紫外線を照射する。また、電源ユニット24側に凹面鏡64を配置することで、放電電極22から電源ユニット24方向に照射される紫外線を光触媒フィルタ25側に反射し、効率よく光触媒フィルタに照射することができる。
【0043】
(第5の実施の形態)
図14は、ケースを省略して第5の実施形態に係る脱臭装置の内部構造を示し、図15は、紫外線およびオゾンを発生する放電電極ユニットを示し、図16A、16B、16Cは、それぞれ脱臭装置の異なる断面を示している。
【0044】
第5の実施形態によれば、放電電極22の上流には集塵フィルタ15が配置され、下流には光触媒フィルタ25、オゾン分解触媒フィルタ30が配置される。図14ないし図16Cに示すように、放電電極ユニット20は、放電電極22と、電源ユニット24と、を備えている。放電電極22は、細長い棒状の正極23と、同じく細長い棒状の誘電体26に貼付された細長い棒状の負極21とを有し、正極および負極は、隙間をおいて平行に対向している。正極23は、その側縁に沿って形成された鋸歯状の多数の突起を有している。
【0045】
放電電極22は、その軸方向一端が電源ユニット24に固定され、電源に電気的に接続されている。放電電極22は、電源ユニット24から垂直に延出し、かつ、流体通風方向Fと直行する方向に延びている。
【0046】
電源ユニット24は、ケース12内で、ケースの一側縁側に設けられ、放電電極22は、電源ユニット24からケース12の他側縁近傍まで、ケース内を横切って延びている。更に、放電電極22は、集塵フィルタ15、光触媒フィルタ25の幅方向中央と対向する位置に設けられている。放電電極22は、放電部である電極間の隙間が流体通風方向Fに対して垂直となるように配置されている。
【0047】
放電電極ユニット20は、放電電極22を内包し紫外線の導光かつオゾンの通風が可能な円管状の主管40と、主管から両側に延出した複数の分岐管42と、更に、主管40から両側に延出した複数の導光管66と、を有している。主管40は、その一端が電源ユニット24に固定され、電源ユニット24からケース12内を横切ってケース12の他側端近傍まで延びている。放電電極22は、主管40内に隙間を持って挿通されている。主管40は、放電電極22から放出される紫外線を導光可能な材料、例えば、内面を鏡面加工した金属等で形成されている。また、流体通風方向Fに関して主管40の上流側周縁部に、多数の吸気孔44が形成され、主管の軸方向に間隔をおいて並んで位置している。流体通風方向Fに関して主管40の下流側周縁部に、多数の排気孔46が形成され、主管の軸方向に間隔をおいて並んで位置している。これにより、主管40は、放電電極22から発生するオゾンを通風可能に形成されている。
【0048】
主管40の両側に設けられた複数の分岐管42は、それぞれ主管40から主管に対して垂直に、かつ、流体通風方向Fと直行する方向に延出し、ケース12の側縁近傍まで延びている。各分岐管42は、中空の円筒形状に形成され、主管40内に連通しているとともにオゾンを流通可能となっている。複数の分岐管42は、主管40の軸方向に所定の間隔を置いて並び、互いに平行に配置されている。流体通風方向Fに関して各分岐管42の下流側周縁部に、多数の排気孔が形成され、分岐管の軸方向に間隔をおいて並んで位置している。これにより、各分岐管42は、放電電極22から発生するオゾンを導き排気孔48から下流側に放出可能に形成されている。
【0049】
複数の導光管66は、それぞれ主管40から主管に対して垂直に、かつ、流体通風方向Fと直行する方向に延出し、ケース12の側縁近傍まで延びている。導光体としての導光管66は、ガラス、石英ガラス、アクリル等の紫外線を透過、導光する素材で形成され、放電電極22から発生する紫外線を導光することができる。複数の導光管66は、主管40の軸方向に所定の間隔を置いて並び、互いに平行に配置されている。また、本実施形態では、主管40の軸方向に沿って、導光管66と分岐管42とが、交互に並んでいる。複数の導光管66および主管40は、ケース12内のほぼ全面に亘って延在し、すなわち、光触媒フィルタ25のほぼ全面と対向して配置され、ほぼ平面状のオゾン放出領域およびほぼ平面状の紫外線放出領域を形成している。
【0050】
放電電極ユニット20は、矩形状の支持枠50を有している。支持枠50は、電源ユニット24に固定され、主管40、分岐管42、および導光管66を囲んで延在している。そして、主管40の延出端、分岐管42の延出端、および導光管66の延出端は、支持枠50に支持されている。
【0051】
上記のように構成された放電電極ユニット20の主管40、分岐管42、および導光管66は、集塵フィルタ15と光触媒フィルタ25との間に配置され、すなわち、光触媒フィルタ25およびオゾン分解触媒フィルタ30の上流側に配置され、光触媒フィルタ25のほぼ全面と対向している。
【0052】
上記構成の脱臭装置10において、電源ユニット24から放電電極22に給電することにより、放電電極22から紫外線を発生するとともにオゾンを発生する。放電電極22の放電部である隙間を流体通風方向Fに対して垂直に配置することで、発生した紫外線は導光管66に照射され、更に、複数の導光管内を導光した後、導光管から光触媒フィルタ25のほぼ全面に照射される。
【0053】
放電電極22で発生したオゾンは、主管40および複数の分岐管42内に流通し、主管40の排気孔46および各分岐管42の排気孔から下流に位置する光触媒フィルタ25およびオゾン分解触媒フィルタ30の広い範囲に放出される。放電電極22から発生する紫外線による光触媒活性効果、および、オゾンによる酸化還元反応により、触媒に吸着された臭気が分解される。また、放出されたオゾンは、オゾン分解触媒によって酸素に分解され外部に放出される。これにより、光触媒やオゾン分解触媒に吸着した臭気を除去し、長期的な脱臭性能を維持することができる。なお、光触媒は、光触媒フィルタ25だけでなく、集塵フィルタ15、電源ユニット24、放電電極ユニット20、主管40、分岐管42等の、紫外線が到達し得る任意の場所に塗布することで、さらなる脱臭効果が得られる。
【0054】
以上のように構成された脱臭装置10によれば、放電電極22から発生する紫外線、オゾンを主管40、分岐管42、導光管66に通風あるいは導光させ、下流に位置する光触媒フィルタ25、オゾン分解触媒フィルタ30の広い範囲に紫外線およびオゾンを分散させることができる。これにより、光触媒やオゾン分解触媒に吸着した臭気を除去、分解し、長期的な脱臭性能を維持することが可能となる。同時に、放電電極の数を減らして製造コストの削減を図ることができるとともに、紫外線およびオゾンの拡散に必要な距離を短くでき、流体通風方向に対して可能な限り各部品を薄くし、装置全体の薄型化を図ることができる。
【0055】
(第6の実施の形態)
図17は、ケースを省略して第6の実施形態に係る脱臭装置の内部構造を示し、図18A、18B、18Cは、それぞれ脱臭装置の異なる断面を示している。
【0056】
第6の実施形態によれば、放電電極ユニット20は、前述した第4の実施形態に係る放電電極ユニットとほぼ同様に構成され、紫外線を導光する複数の導光管66を更に備えている。すなわち、放電電極ユニット20は、放電電極22が内包された矩形管状の主管40と、この主管から流体通風方向Fにおいて上流側に延出した流通管60と、を有し、主管40および流通管60は、電源ユニット24と平行に配置され、つまり、ケースの一辺と平行に配置されている。主管40および流通管60の少なくとも一部は、電源ユニット24の筐体24aに密着して設けられ、このケースと熱的に接続されている。流体通風方向Fに関して主管40の下流側壁部に、多数の吸気孔44が形成され、主管の軸方向に間隔をおいて並んで位置している。
【0057】
放電電極22は、主管40内に、ケース12の1辺と平行に配置され、正極と負極との隙間が流体通風方向Fに対して垂直となるように配置されている。また、主管40で放電電極22の電源ユニット24側に凹面鏡64が設けられ、放電電極22と対向している。
【0058】
複数の分岐管42は、それぞれ流通管60からこの流通管に対して垂直に、かつ、流体通風方向Fと直行する方向に延出し、ケース12の電源ユニット24と反対側の側縁近傍まで延びている。各分岐管42は、例えば、中空の円筒形状に形成され、オゾンを流通可能となっている。複数の分岐管42は、主管40の軸方向に所定の間隔を置いて並び、互いに平行に配置されている。複数の分岐管42は、ケース12内のほぼ全面に亘って延在している。複数の分岐管42は、集塵フィルタ15の上流側に位置し、この集塵フィルタのほぼ全面と対向して配置されている。流体通風方向Fに関して各分岐管42の下流側周縁部に、多数の排気孔48が形成され、分岐管の軸方向に間隔をおいて並んで位置している。これにより、各分岐管42は、放電電極22から発生し流通管60を流通するオゾンを導き排気孔48から放出可能に形成されている。放電電極ユニット20は、流通管60に固定された矩形状の支持枠50を有している。支持枠50は、分岐管42を囲んで延在している。そして、分岐管42の延出端は、支持枠50に支持されている。
【0059】
また、複数の導光管66は、それぞれ主管40からこの主管に対して垂直に、かつ、流体通風方向Fと直行する方向に延出し、ケース12の電源ユニット24と反対側の側縁近傍まで延びている。各導光管66は、ガラス、石英ガラス、アクリル等の紫外線を透過する素材で形成され、放電電極22から発生する紫外線を導光することができる。複数の導光管66は、主管40の軸方向に所定の間隔を置いて並び、互いに平行に配置されている。複数の導光管66は、集塵フィルタ15の下流側に配置され、ケース12内のほぼ全面に亘って延在し、すなわち、光触媒フィルタ25のほぼ全面と対向して配置されている。放電電極ユニット20は、主管40に固定された矩形状の支持枠51を有している。支持枠51は、導光管66を囲んで延在している。そして、導光管66の延出端は、支持枠51に支持されている。
【0060】
上記構成の脱臭装置10によれば、電源ユニット24に密着するように主管40、流通管60を配置することで、放電電極22および電源ユニット24の両方の発熱による自然対流を利用して発生オゾンを流通することができ、脱臭装置10を流通する流速がより大きい場合でも、風下から風上へとオゾンを移動できる。分岐管42の排気孔48を放電電極22の風上側に配置することで、分岐管42からオゾン分解触媒フィルタ30までのオゾン拡散距離を延長し、オゾン分布をより均一化させることが可能となる。また、放電電極22の放電部である電極間の隙間を流体通風方向Fに対して垂直に配置することで、放電電極22は、光触媒フィルタ25側に紫外線を照射する。電源ユニット24側に凹面鏡64を配置することで、放電電極22から電源ユニット24方向に照射される紫外線を光触媒フィルタ25側に反射し、効率よく光触媒フィルタに照射することができる。更に、発生した紫外線は、複数の導光管66を導光し、導光管から光触媒フィルタ25のほぼ全面に照射される。
【0061】
放電電極22から発生する紫外線、オゾンを主管40、分岐管42、導光管66に通風あるいは導光させ、下流に位置する光触媒フィルタ25、オゾン分解触媒フィルタ30の広い範囲に紫外線およびオゾンを分散させることができる。これにより、光触媒やオゾン分解触媒に吸着した臭気を除去、分解し、長期的な脱臭性能を維持することが可能となる。同時に、放電電極の数を減らして製造コストの削減を図ることができるとともに、紫外線およびオゾンの拡散に必要な距離を短くでき、流体通風方向に対して可能な限り各部品を薄くし、装置全体の薄型化を図ることができる。
【0062】
(第7の実施の形態)
図19は、第7の実施の形態に係る脱臭装置の断面を示している。この脱臭装置10は、前述した第6の実施形態に係る脱臭装置と同様に構成され、放電電極22は、負極の誘電体26に設けられたプラズマ気流発生用の正極62を更に備えている。
【0063】
このようなプラズマ気流発生用の正極62を設け、主管40および流通管60内にプラズマ気流を発生させることにより、放電電極22の発熱による自然対流とプラズマ気流を利用して発生オゾンを流通することができる。そのため、脱臭装置10を流通する流速が大きい場合でも、風下から風上へとオゾンを移動できる。また、オゾン、紫外線発生のための放電と、プラズマ気流発生のための放電を振り分ける事ができ、脱臭装置を通過する流速が大きい場合はプラズマ気流を優先し、また、流速が小さい場合には、オゾン・紫外線生成を優先することができる。更に、誘電体26を紫外線、オゾン発生用放電電極とプラズマ気流用電極とに共用でき、コスト低減に寄与することができる。加えて、プラズマ気流生成時に発生するオゾンを利用することができる。
【0064】
上述した第2ないし第7の実施形態において、光触媒フィルタ25、オゾン分解触媒フィルタ30等の他の構成は、前述した第1の実施形態と同一である。そして、第2ないしだい7の実施形態においても、薄型、低コスト、長期性能維持を両立した脱臭装置が得られる。
【0065】
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、分岐管および導光管の数および形状は実施形態に限定されることなく、種々変更可能である。また、分岐管および導光管は、主管あるいは流通管に垂直に限らず、斜めに傾斜して延びてもよい。脱臭装置は、自動車の空調システムに限らず、種々の空調機器に適用することができる。媒体担持体は、フィルタに限らず、例えば、メッシュ等の空気を流通可能な孔を有する他の担持体を利用することが可能である。更に、集塵フィルタ15は、省略することが可能である。
【0066】
脱臭装置は、構成要素をケース内に収納配置する構成としたが、ケースを省略し、構成要素を通風路内に直接、設置してもよく、あるいは、フレーム等により、構成要素を保持する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0067】
10…脱臭装置、12…ケース、15…集塵フィルタ、20…放電電極ユニット、
21…負極、23…正極、22…放電電極、24…電源ユニット、24a…筐体、
25…光触媒フィルタ、26…誘電体、30…オゾン通風用分岐管、40…主管、
42…分岐管、44…吸気孔、46、48…排気孔、60…流通管、
62…プラズマ放電用の正極、64…凹面鏡、66…導光管、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光触媒およびオゾン分解触媒を担持し空気を流通可能な触媒担持体と、
紫外線およびオゾンを放出する放電電極ユニットと、を備え、
前記放電電極ユニットは、流体通風方向に関して前記触媒担持体の上流側に設けられ、放電により紫外線およびオゾンを発生する放電電極と、前記放電電極を内包し紫外線を透過可能な主管と、それぞれ前記主管内に連通して主管から延出し、前記放電電極から発生するオゾンを放出する複数の排気孔を有し、面状のオゾン放出領域を形成した複数の分岐管と、を具備することを特徴とする脱臭装置。
【請求項2】
前記放電電極ユニットの主管および複数の分岐管は、前記触媒担持体に対向する面状のオゾン放出領域を形成するように広がって配置されていることを特徴とする請求項1に記載の脱臭装置。
【請求項3】
前記流体通風方向において前記触媒担持体の上流側に配置された集塵フィルタを備え、
前記放電電極ユニットの複数の分岐管は、前記集塵フィルタの上流側に対向する面状のオゾン放出領域を形成するよう、並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載の脱臭装置。
【請求項4】
前記放電電極ユニットの放電電極は、正極と、誘電体に固定され前記正極に隙間を置いて対向する負極と、前記誘電体に取り付けられプラズマ気流を発生するプラズマ気流用正極と、を備えていることを特徴とする請求項3に記載の脱臭装置。
【請求項5】
前記放電電極は、前記流体通風方向に対して垂直に位置する電極間隙間を有し、前記放電電極ユニットは、前記電極間隙間と対向して設けられ前記紫外線を前記触媒担持体側に反射する凹面鏡を備えていることを特徴とする請求項1に記載の脱臭装置。
【請求項6】
前記放電電極ユニットは、前記主管から延出し前記放電電極から発生した紫外線を導光する導光体を備え、前記導光体は、前記触媒担持体と対向していることを特徴とする請求項1に記載の脱臭装置。
【請求項7】
前記流体通風方向において前記触媒担持体の上流側に配置された集塵フィルタを備え、
前記放電電極ユニットは、それぞれ前記主管から延出し前記集塵フィルタの上流側に対向するオゾン放出領域を形成する複数の分岐管と、それぞれ前記主管から延出し前記集塵フィルタの下流側で前記触媒担持体に対向して配置され、前記放電電極から発生した紫外線を導光する複数の導光体を備えていることを特徴とする請求項1に記載の脱臭装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−46713(P2013−46713A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186577(P2011−186577)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】