説明

脳アミロイド血管症の予防および治療

本発明は、脳アミロイド血管症(CAA)の治療のための改善された薬剤および方法、ならびにCAAの予防を果たす方法を提供する。本方法によってCAAとアルツハイマー病を同時にまたは別々に治療することができる。本方法によってCAAとアルツハイマー病の予防を同時にまたは別々に果たすことができる。本方法は、AβのN末端に特異的である抗体、またはそのような抗体を誘導することができる薬剤を投与することを含む。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
CAAを有する、または有する疑いがある患者に薬剤の有効な投与計画を施すことを含む方法であって、該薬剤が、AβのN末端に特異的である抗体であるか、該患者への投与後にそのような抗体を誘導し、それによって該患者を治療する、CAAを治療する方法。
【請求項2】
前記薬剤が抗体である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記薬剤が、Aβの残基1〜5の範囲内に結合する抗体である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記抗体が、ヒト化、ヒトまたはキメラ抗体である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記抗体が、ヒト化3D6またはヒト化12A11である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記3D6ヒト化抗体が、バピネオズマブ(bapineuzumab)である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記薬剤が、Aβのフラグメントである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記フラグメントが、Aβの残基1で始まり、Aβの残基5〜10のうちの1つで終わる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記フラグメントが、Aβ1〜7である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記Aβのフラグメントが、医薬的に許容されるアジュバントと共に投与される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記Aβのフラグメントが、当該フラグメントが当該フラグメントに対する抗体の誘導を助長する担体に連結される、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記担体が、前記フラグメントのC末端に連結される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
患者がCAAを有することの判定をさらに含み、その判定段階が、投与段階の前に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記判定段階が、患者がCAAの臨床症状に罹患していることを判定する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記患者には脳内にアルツハイマー病に特有の斑がない、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記患者にはアルツハイマー病の症状がない、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記患者が、心臓発作または脳卒中に罹患したことがある、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記抗体の投薬量が、約0.01から約5mg/kgの間である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記抗体の投薬量が、約0.1から約5mg/kgの間である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記投薬量が、約0.5mg/kgである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記投薬量が、約1.5mg/kgである、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記投薬量が、約0.5から約3mg/kgの間である、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記投薬量が、約0.5から約1.5mg/kgの間である、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記投薬量が、複数回投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記投薬量が、週1回から年4回投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記投薬量が、13週ごとに投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記抗体が、静脈内または皮下投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記投与段階に反応してCAAの徴候または症状が変化するのをモニターすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
CAAを治療するために有効な第二の薬剤の投与をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
CAAに罹患しやすい患者に薬剤の有効な投与計画を施すことを含む方法であって、該薬剤が、AβのN末端に特異的である抗体であるか、該患者への投与後にそのような抗体を誘導し、それによって該患者の予防を果たす、CAAに対する予防を果たす方法。
【請求項31】
薬剤が、AβのN末端に特異的である抗体であるか、患者への投与後にそのような抗体を誘導する薬剤の、アルツハイマー病の治療または予防における使用。
【請求項32】
有効な血管アミロイド除去および脳微小出血の発生率低下を伴う治療計画(treatment regime)でAβのN末端に特異的である抗体を投与することを含む、患者における血管アミロイドを減少させる方法。
【請求項33】
MRIによって患者を脳微小出血についてモニターすることをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
PETスキャンによって患者を血管アミロイド除去についてモニターすることをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記治療計画が、慢性治療計画である、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記治療計画が、0.01から5mg/kg(患者の体重)の間で週1回から年4回投与される抗体投薬量を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記抗体の投薬量が、0.1から5mg/kgである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記投薬量が、約0.5mg/kgである、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記投薬量が、約1.5mg/kgである、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記投薬量が、約0.5から約3mg/kgの間である、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記投薬量が、約0.5から約1.5mg/kgの間である、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記投薬量が、13週ごとに投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記抗体が、静脈内または皮下投与される、請求項32に記載の方法。
【請求項44】
前記抗体が、Aβの残基1〜5の範囲内に結合する、請求項32に記載の方法。
【請求項45】
前記抗体が、ヒト化、ヒトまたはキメラ抗体である、請求項32に記載の方法。
【請求項46】
前記抗体が、ヒト化3D6またはヒト化12A11である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記ヒト化抗体が、バピネオズマブである、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
AβのN末端に特異的である抗体を、血管アミロイド形成性病状の発生を減少させるもしく阻害する、微小出血を最小にする、およびまたはAβ斑の発生を減少させるもしくは抑制する用量で投与することを含む、アルツハイマー病の治療方法。
【請求項49】
前記抗体が、Aβの残基1〜5の範囲内に結合する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記抗体が、ヒト化、ヒトまたはキメラ抗体である、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記抗体が、ヒト化3D6またはヒト化12A11である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ヒト化抗体が、バピネオズマブである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
AβのN末端に特異的である抗体を、血管アミロイド形成性病状の発生を減少させるもしくは阻害する、微小出血を最小にする、およびまたは神経炎性病状の発生を減少させるもしくは抑制する用量で投与することを含む、アルツハイマー病の治療方法。
【請求項54】
前記抗体が、Aβの残基1〜5の範囲内に結合する、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記抗体が、ヒト化、ヒトまたはキメラ抗体である、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記抗体が、ヒト化3D6またはヒト化12A11である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記ヒト化抗体が、バピネオズマブである、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
AβのN末端に特異的である抗体を、血管アミロイド形成性病状を減少させるもしくは抑制する、微小出血を最小にする、およびまたは患者の認知機能を向上させる用量で投与することを含む、アルツハイマー病の治療方法。
【請求項59】
前記抗体が、Aβの残基1〜5の範囲内に結合する、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記抗体が、ヒト化、ヒトまたはキメラ抗体である、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記抗体が、ヒト化3D6またはヒト化12A11である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記ヒト化抗体が、バピネオズマブである、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記血管アミロイド形成性病状の減少または抑制が、血管Aβの蓄積の予防または血管Aβのクリアランスである、請求項48から62のいずれかに記載の方法。
【請求項64】
a.製剤を収容しているガラスバイアル;および
b.その製剤をCAAのために投与する患者をモニターするための指示
を含む、CAAの治療用キット。
【請求項65】
a.約0.5から3mg/kgのヒト化抗Aβ抗体を含む製剤を収容しているガラスバイアル;および
b.i.MRIによってその患者を脳微小出血についてモニターすること、または
ii.PETスキャンによってその患者を血管アミロイド除去についてモニターすること
を含む、前記製剤をCAAのために投与する患者をモニターするための指示
を含む、CAAの治療用キット。
【請求項66】
a.i.約10mgから約250mgの間のヒト化抗Aβ抗体、
ii.約4% マンニトールまたは約150mM NaCl、
iii.約5mMから約10mM ヒスチジン、および
iv.約10mM メチオニン
を含む製剤を収容しているガラスバイアル;ならびに
b.i.MRIによってその患者を脳微小出血についてモニターすること、または
ii.PETスキャンによってその患者を血管アミロイド除去についてモニターすること
を含む、前記製剤をCAAのために投与する患者をモニターするための指示
を含む、CAAの治療用キット。
【請求項67】
a.i.約10mgから約250mgの間のヒト化抗Aβ抗体、
ii.約4% マンニトールまたは約150mM NaCl、
iii.約5mMから約10mM ヒスチジン、および
iv.約10mM メチオニン
を含む製剤を収容しているガラスバイアル;ならびに
b.i.MRIによってその患者を脳微小出血についてモニターすること、または
ii.PETスキャンによってその患者を血管アミロイド除去についてモニターすること
を含む、その製剤を投与する患者をアルツハイマー病についてモニターするための指示
を含む、アルツハイマー病の治療用キット。
【請求項68】
a.i.約10mgから約250mgの間のヒト化抗Aβ抗体、
ii.約4% マンニトールまたは約150mM NaCl、
iii.約5mMから約10mM ヒスチジン、および
iv.約10mM メチオニン
を含む製剤を収容しているガラスバイアル;ならびに
b.i.MRIによってその患者を脳微小出血についてモニターすること、または
ii.PETスキャンによってその患者を血管アミロイド除去についてモニターすること
を含む、その製剤を投与する患者をCAAおよびアルツハイマー病についてモニターするための指示
を含む、CAAおよびアルツハイマー病の治療用キット。
【請求項69】
前記抗体が、患者における抗体の平均血清濃度を1〜15μg 抗体/mL 血清の範囲で維持するために十分な投与計画で投与され、それによって患者を治療する、請求項2に記載の方法。
【請求項70】
前記平均血清濃度が、1〜10μg 抗体/mL 血清の範囲内である、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記平均血清濃度が、1〜5μg 抗体/mL 血清の範囲内である、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記平均血清濃度が、2〜4μg 抗体/mL 血清の範囲内である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記抗体が、静脈内投与される、請求項69に記載の方法。
【請求項74】
0.5〜1.0mg/kgの用量が月1回投与される、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
0.1〜1.0mg/kgの用量が月1回投与される、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記抗体が、皮下投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項77】
前記抗体が、週1回から月1回の頻度で投与される、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記抗体が、週1回または2週に1回投与される、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
前記抗体が、約0.01から約0.35mg/kgの間の用量で投与される、請求項76に記載の方法。
【請求項80】
前記抗体が、約0.05から約0.25mg/kgの間の用量で投与される、請求項76に記載の方法。
【請求項81】
前記抗体が、約0.015から約0.2mg/kgの間の用量で週1回から2週に1回投与される、請求項76に記載の方法。
【請求項82】
前記抗体が、約0.05から約0.15mg/kgの間の用量で週1回から2週に1回投与される、請求項76に記載の方法。
【請求項83】
前記抗体が、約0.05から約0.07mg/kgの間の用量で週1回投与される、請求項76に記載の方法。
【請求項84】
前記抗体が、0.06mg/kgの用量で週1回投与される、請求項76に記載の方法。
【請求項85】
前記抗体が、約0.1から約0.15mg/kgの間の用量で2週に1回投与される、請求項76に記載の方法。
【請求項86】
前記抗体の平均血清濃度が、少なくとも6ヶ月間維持される、請求項2に記載の方法。
【請求項87】
前記抗体の平均血清濃度が、少なくとも1年間維持される、請求項2に記載の方法。
【請求項88】
血清中の抗体の濃度を測定すること、および測定された濃度が前記範囲外になった場合にはその投与計画を調整することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項89】
前記抗体が、約0.01から約0.6mg/kgの間の用量および週1回から月1回の頻度で皮下投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項90】
前記抗体が、約0.05から約0.5mg/kgの間の用量で投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項91】
前記抗体が、約0.05から約0.25mg/kgの間の用量で投与される、請求項89に記載の方法。
【請求項92】
前記抗体が、約0.015から約0.2mg/kgの間の用量で週1回から2週に1回投与される、請求項89に記載の方法。
【請求項93】
前記抗体が、約0.05から約0.15mg/kgの間の用量で週1回から2週に1回投与される、請求項89に記載の方法。
【請求項94】
前記抗体が、約0.05から約0.07mg/kgの間の用量で週1回投与される、請求項89に記載の方法。
【請求項95】
前記抗体が、0.06mg/kgの間の用量で週1回投与される、請求項89に記載の方法。
【請求項96】
前記抗体が、約0.1から約0.15mg/kgの間の用量で2週に1回投与される、請求項89に記載の方法。
【請求項97】
前記抗体が、約0.1から約0.3mg/kgの間の用量で月1回投与される、請求項89に記載の方法。
【請求項98】
前記抗体が、0.2mg/kgの用量で月1回投与される、請求項89に記載の方法。
【請求項99】
前記抗体が、約1から約40mgの間の用量および週1回から月1回の頻度で投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項100】
前記抗体が、約5から約25mgの間の用量で投与される、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記抗体が約2.5から約15mgの間の用量で投与される、請求項99に記載の方法。
【請求項102】
前記抗体が、約1から約12mgの間の用量で週1回から2週に1回投与される、請求項99に記載の方法。
【請求項103】
前記抗体が、約2.5から約10mgの間の用量で週1回から2週に1回投与される、請求項99に記載の方法。
【請求項104】
前記抗体が、約2.5から約5mgの間の用量で週1回投与される、請求項99に記載の方法。
【請求項105】
前記抗体が、約4から約5mgの間の用量で週1回投与される、請求項99に記載の方法。
【請求項106】
前記抗体が、約7から約10mgの間の用量で2週に1回投与される、請求項98に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−526240(P2011−526240A)
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504298(P2010−504298)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/060926
【国際公開番号】WO2008/131298
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(510020022)
【出願人】(309040701)ワイス・エルエルシー (181)
【Fターム(参考)】