脳室穿刺用ダイレータ装置
【課題】 シース挿入時の脳実質損傷を低減することができ、術者が安心して使用することができる脳室穿刺用ダイレータ装置を提供すること。
【解決手段】 脳室穿刺用チューブ5と、この穿刺用チューブに相対的にスライド可能に外挿された拡張用ダイレータ6と、このダイレータと穿刺用チューブを所定位置でロック可能なロック機構15,16と、前記ダイレータに相対的にスライド可能に外挿されたシース4とを具え、前記穿刺用チューブの前端部に前記ダイレータの前端と係合してダイレータが前記チューブの前端から突出しないようにする係合部8が設けられている。
【解決手段】 脳室穿刺用チューブ5と、この穿刺用チューブに相対的にスライド可能に外挿された拡張用ダイレータ6と、このダイレータと穿刺用チューブを所定位置でロック可能なロック機構15,16と、前記ダイレータに相対的にスライド可能に外挿されたシース4とを具え、前記穿刺用チューブの前端部に前記ダイレータの前端と係合してダイレータが前記チューブの前端から突出しないようにする係合部8が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、脳室穿刺用ダイレータ装置に関し、詳しくは穿刺用チューブに外挿されるダイレータが該チューブの前端から突出しないようにして脳実質損傷の可能性を低減させることが可能な技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
脳内の内視鏡手術では、神経内視鏡の操作による脳実質の損傷を防ぐため、脳内にシースと称する透明なチューブを留置し、その内腔に内視鏡を挿入して行っている。このシースの脳室内への留置方法は、定法に則りバーホールを設け、硬膜を切開した後、まず外径1mm〜3mmの脳室穿刺針で脳室穿刺を行い、脳脊髄液の排出を確認した後、穿刺針を抜去すると同時に外径6mm〜10mmのシースダイレータを刺入経路に沿って挿入する。このとき、シース挿入方向の経路(長さ)を誤ると不必要な脳実質損傷をきたすことになるため、十分に配慮する必要がある。
【0003】
ところで、従来一般的に知られているものとしては、例えば特許文献1に開示されている留置チューブセットがある。この留置チューブセットは、従来のものが、1回で挿入するために全てを重ねて挿入しようとすると一体化されていないため個々にずれを生じ脳実質の損傷が大きくなる問題点があることから、この問題点を解決するために複数の脳室穿刺による脳実質損傷の拡大の予防と短時間で簡便に行えるよう1回の挿入操作で内視鏡の挿入または留置チューブの設置が行えること等を目的に発明されたものであり、その特許請求の範囲の請求項1に記載された通りのものである。
【0004】
すなわち、ダイレータ又は穿刺針、さらに留置チューブ、ピールアウエイシース、チューブ固定具及び接続具から構成され、ダイレータは先端が先絞られたテーパ状をなすガイドワイヤーを貫挿できる細経チューブであり、穿刺針は後端にコネクタが設置された細経針であり、留置チューブは先端が先絞られたテーパ状で後端にはコネクタが設置されており前記ダイレータの外側に摺動可能に被さる中径チューブであり、ピールアウエイシースは先端が先絞られたテーパ状で後端にはコネクタが設置されており前記留置チューブの外側に摺動可能に被さり長手方向に引き裂くことが可能な太径チューブであり、チューブ固定具は円盤状のフランジ部中央にスリーブ状のチューブ固定部が設置されており、フランジ部からチューブ固定部まで全長に亘って切れ目が施されており、更に接続具は留置チューブの外側に摺動可能に設置されておりピールアウエイシース後端のコネクタ又はチューブ固定具後端のチューブ固定部に接続することにより留置チューブが一体化固定される機構であることを特徴とするものである。
【0005】
しかしながら、この内視鏡シース留置チューブセットは、ダイレータチューブが嵌挿するカテーテルチューブの前端方向へのスライドを阻止するものが何もないので、その先端部がダイレータチューブの先端部から突出することがあり、シース挿入時に脳室を損傷することが少なからずあり、術者が安心して使用できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−126266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこでこの発明は、前記のような従来の問題点を解決して、シース挿入時の脳実質損傷を低減することができ、術者が安心して使用することができる脳室穿刺用ダイレータ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、脳室へシースを留置するための脳室穿刺用ダイレータ装置であって、脳室穿刺用チューブと、この穿刺用チューブに相対的にスライド可能に外挿された拡張用ダイレータと、このダイレータと穿刺用チューブを所定位置で固定可能な固定機構と、前記ダイレータに相対的にスライド可能に外挿されたシースとを具え、前記穿刺用チューブの前端部に前記ダイレータの前端と係合してダイレータが前記チューブの前端から突出しないようにする係合部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、係合部は、先が細く後端にいくにしたがい次第に径が大きくなり、ダイレータの前端と係合する後端がやや丸みをもった湾曲面に形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、脳室穿刺用チューブに剛性を付与するためにスライド可能に内挿されたスタイレットを具えたことを特徴とする。請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、ダイレータの前端側が徐々に径が小さくなる形状に形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、スタイレットと穿刺用チューブを所定位置で固定可能な固定機構を具えたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、シースの後端部にはシースが過度に脳室に押し込まれるのを防ぐための脳表ストッパが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明は、前記のようであって、請求項1ないし6に記載の発明によれば、穿刺用チューブの前端部にダイレータの前端と係合してダイレータがチューブの前端から突出しないようにする係合部が設けられているので、誘導したダイレータが脳室穿刺チューブより突出することがなく、安全に脳室内へシースを留置することができる。そのため、従来課題となっていたシース挿入時の脳室壁損傷を低減することができ、術者が安心して使用することができるという優れた効果がある。特に近年、神経内視鏡手術は増加傾向にあり、より安全で簡便なデバイスが使用者から求められているが、この求めに応えることができる。つまり、本デバイスは、まさに使用者の要望に当てはまり、術者や患者にとって非常に有用な製品である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の一実施の形態である脳内穿刺用ダイレータ装置を示す全体概略図であり、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図である。
【図2】同上のダイレータ装置を構成する脳室穿刺用チューブ付きダイレータの正面図である。
【図3】同上のダイレータ装置を構成する金属スタイレットの正面図である。
【図4】同上のダイレータ装置を構成する透明シースの正面図である。
【図5】同上の透明シースの変形例を示す正面図である。
【図6】図1(A)の線X−Xに沿う断面図である。
【図7】図6のY部拡大図である。
【図8】作用説明図である。
【図9】作用説明図である。
【図10】作用説明図である。
【図11】作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、この発明の一実施の形態に係る脳室穿刺用ダイレータ装置について、説明する。
【0016】
図1において1は脳室穿刺用ダイレータ装置であり、このダイレータ装置1は、脳室穿刺用チューブ付きダイレータ2と、金属スタイレット3と、透明シース4とを具えている。脳室穿刺用チューブ付きダイレータ2は、脳室穿刺用チューブ5と、拡張用ダイレータ6とからなっている。そして、脳室穿刺用チューブ5と、拡張用ダイレータ6と、透明シース4とがそれぞれ順次に外挿されて軸方向にスライド可能な構成になっている。
【0017】
脳室穿刺用チューブ付きダイレータ2を示す図2において、脳室穿刺用チューブ5は、外径が1mm〜3mm、好ましくは2mm程度で、全長が150mm〜300mm、好ましくは230mm程度のチューブ本体を有している。前記チューブ本体の前端部には、該チューブ本体より外径が大きく流線型をしたダイレータ用ストッパとして機能する係合部8がその後端でダイレータ6の前端と係合可能に設けられており、ダイレータ6をスライドさせる際にダイレータ6がチューブ5の前端から突出して脳室等組織に接触し損傷するのを防ぐようになっている。係合部8は図7に示すような外形形状をしており、外径が先方に向けて徐々に細くなり、最大径より後ろ側がダイレータ6の前端と係合するやや丸みをもった湾曲面9に形成されている。このような湾曲面9としたのは、うまく目的部位に脳室穿刺が行えなかった場合、脳室穿刺用チューブ5を脳から一旦引き抜いて再度穿刺を行うことになるが、その抜去時に脳室等組織を損傷させないようにするためである。
【0018】
脳室穿刺用チューブ5の後端部には、脳室穿刺の際、図3に示すスタイレット3を内挿して接続固定することが可能なスタイレット接続固定用ルアーロックコネクタ11が設けられ、該コネクタの後端開口部からスタイレット3が挿入され、その前端が係合部8の近くの内腔まで挿入された状態(図7参照)でスタイレット3の後端部に設けた筒状操作摘み12の内筒に形成したねじをコネクタ11のねじに螺合して締付けることにより接続固定が可能になっている。つまり、ルアーロックコネクタ11と操作摘み12とでスタイレット3の固定機構を構成し、スタイレット3を抜くときに操作摘み12のねじとコネクタ11のねじの螺合を緩めてルアーロックを解除しスタイレット3をチューブ5から引き抜くことができ、締めるとスライドができないようにスタイレット3の固定が可能となっている。穿刺用チューブ5は、ウレタン、シリコーン、ナイロン等、医療用として適する材質であれば、任意の材質のものを使用することができるし、金属も可能である。
【0019】
拡張用ダイレータ6は、外径が2.4mm〜6.4mm、好ましくは6mm程度で、全長が80mm〜100mm、好ましくは90mm程度のダイレータ本体を有している。ダイレータ本体の内径は脳室穿刺用チューブ5の外径より大きくなっていてチューブ5上を前後にスライド可能になっている。ダイレータ6の前端部には、前端に向けて徐々に径小となった径小部14が形成され、該径小部の前端の外径は、チューブ5の外径より僅かに大きくなっている。ダイレータ6の後端部には、チューブ5を固定することが可能な径大の固定用ネジ式ロックコネクタ15が設けられ、ダイレータ本体の内腔に挿入されたチューブ5を、コネクタ15の後端部に設けた筒状操作摘み16のねじをコネクタ15のねじにねじ螺合することにより接続固定が可能になっている。つまり、ネジ式ロックコネクタ15と操作摘み16とでダイレータ6の固定機構を構成し、操作摘み16のねじとコネクタ15のねじの螺合を緩めるとダイレータ6とチューブ5の相対的スライドができ、締めるとスライドができないようにダイレータ6の固定が可能になっている。ダイレータ6は、フッ素樹脂、ポリエチレン、ナイロン等、医療用として適する材質であれば、任意の材質のものを使用することができる。
【0020】
金属スタイレット3は、図3に脳室穿刺用チューブ5に挿入する前の状態を示しているように全長が脳室穿刺用チューブ5と同程度のスタイレット本体を有している。スタイレット本体の外径は脳室穿刺用チューブ5の内径より僅かに小さくなっていてチューブ5内を前後にスライド可能になっている。スタイレット本体の後端部には、前記のように筒状操作摘み12が設けられ、該操作摘みに設けた内筒のねじをチューブ5の後端部に設けたコネクタ11のねじに螺合して締付けることにより接続固定が可能である。また、スタイレット3は、この例では金属としているが、剛性があり、挿入によりチューブ5に対して曲がらない真直性を付与できるものであれば、必ずしも金属でなくともよく、各種の材質のものを使用することが可能である。
【0021】
透明シース4は、図4に示すように外径が2.5mm〜7.5mm、好ましくは7mm程度で、全長が60mm〜80mm、好ましくは70mm程度のチューブ状のシース本体を有している。シース本体の内径はダイレータ6の外径より僅かに大きくなっていてダイレータ6上を前後にスライド可能になっている。シース本体は、この例では透明となっているが、必要により半透明としてもよいし、あるいは非透明又は非半透明としてもよい。シース本体の後端部には内視鏡を使用して手術する際、内視鏡が留置している透明シース4に接触しシースが過度に脳室に押し込まれるのを防ぐための径大の脳表ストッパ20が外挿されて設けられている。脳表ストッパ20は、大径筒部20aと小径筒部20bからなる段付き構造となっている。21は脳表ストッパ20がシース本体の後端から抜けないようにシース本体の後端を外向き拡開状に湾曲させて形成された係止部である。脳表ストッパ20はシース本体とは摩擦力によって係合した状態で外挿されているが、所定の摩擦力が得られない事情がある場合等には、小径筒部20bの外周面に全周にわたり窪みを設け、該窪みに糸等を引き掛けて締付け、所定の摩擦力を得るようにすることも可能である。シース7は、ポリエチレン、ナイロン等、医療用として適する材質であれば、任意の材質のものを使用することができる。
【0022】
なお、前記シース4は一例であり、例えば脳表ストッパ20のようなものを設けずにシース4の後端部に脳表ストッパ20に相当するストッパ部をシース本体に一体に設けた構造としてもよい。また、シース4では前端部の外周面に前方に向けて徐々に小径となるテーパを付していない形状としたが、該テーパを付してセット時にダイレータ6の径小部14に連なるような構成としてもよく、このようなテーパを付すと、ダイレータ6とともに脳室に挿入されるシース4の挿入も抵抗が少なくスムーズに行える。
【0023】
図5は透明シースの変形例を示す。この透明シース23は所謂ピールアウエイシースと称する従来周知のものであり、シース本体の後端からその軸方向に破線で示すように切り離し可能な切り離し部24がその円周方向の相対向する部位に形成され、該部によって脳内に留置するときなどにシース23を二つに切り離すことが可能になっている。25はシース本体の後端部に設けられたシース把持部で、後端寄りの大鍔部25aとその反対側の小鍔部25bからなっている。実際の留置に際しては、脳表からシース23がはみ出した部分の、シース把持部25から前方ほぼ中間位置位まで切り離し部24を引き裂く。そして、その引き裂かれた部分以外のシース23の内腔に内視鏡を通して手術を行う。
【0024】
次にダイレータ装置1を組み付ける手順について説明する。図2の状態の脳室穿刺用チューブ付きダイレータ2においては、操作摘み16のねじとコネクタ15のねじの螺合を緩めた状態ではダイレータ6はその前端がチューブ5の係合部8と係合する位置と操作摘み16の後端がコネクタ11の前端に係合する位置との間を相対的にスライド可能となっている。前記のような脳室穿刺用チューブ付きダイレータ2のチューブ5に設けたコネクタ11側からスタイレット3を該チューブに内挿し、操作摘み12のねじとルアーロックコネクタ11のねじを螺合して締付け固定する。これによりスタイレット3の前端は図7に示す通りチューブ5の前端に位置した状態になる。これと相前後してシース4をその後端側からチューブ5及びダイレータ6に外挿する。そしてシース4の後端係止部21がダイレータ6のコネクタ15の前端に当接すると図1の組み付け完了の状態となる。
【0025】
次に使用例について図8−11を参照して説明する。前記のように組み付けてセットした状態のダイレータ装置1を用いて、まず穿刺用チューブ5を脳表の表面側から脳室26に穿刺する。図8はその穿刺した状態を示す。チューブ5が脳室26に穿刺した後、スタイレット接続固定用ルアーロックコネクタ11と操作摘み12とからなるスタイレット3の固定機構による固定を外し、スタイレット3をチューブ5内から引き抜く。この引き抜きに際し、穿刺用チューブ5が正確に脳室26に穿刺されているか確認を行う必要があるが、その確認は、チューブ5から髄液が流出するかどうかで判断する。
【0026】
次に固定用ネジ式ロックコネクタ15を緩めてダイレータ6の穿刺用チューブ5との固定を解き、ダイレータ6をチューブ5に沿わせて誘導し、穿刺用チューブ5の係合部8に接触して係合するまでスライドさせてダイレータ6を脳室26内へ挿入する。このとき、脳室穿刺用チューブ5の前端部に設けた係合部8の湾曲面9にその前端が係合することによりダイレータ6は脳室穿刺用チューブ5より突出することがない。そのため、挿入時の脳室壁等の損傷を防ぐことができる。図9はダイレータ6をスライドさせて脳室26内へ挿入した状態を示す。
【0027】
ダイレータ6を脳室26内へ挿入後、ダイレータ6に外挿してある透明シース4が動かないようにそれだけ残して静かに穿刺用チューブ5及びダイレータ6を引き抜く。これにより、脳室26内には透明シース4だけが留置される。図10は透明シース4を留置させた状態を示す。しかる後、図11に示すように留置された透明シース4の内腔に内視鏡28を挿入し手術を行う。
【0028】
前記のようにして1回の脳室穿刺で透明シース4を脳室26に留置することができ、シース留置作業の迅速かつ効率化を図ることができる。また、穿刺に際してダイレータ6がチューブ5から突出するのを係合部8で阻止することができるので、脳室等組織の損傷が起こるのも防止することができる。
【0029】
脳室穿刺用チューブ5の前端部にX線透視用のマーカを設けてもよく、また脳室穿刺用チューブ5やダイレータ6の外周面にはその挿入深度の目印としての深度目盛を設けてもよい。また、シース4は前記したように必ずしも透明でなくともよいが、その内腔に内視鏡28を通して脳室を覗くことから透明な材料であることが好ましい。その他、本実施の形態の図面で示したダイレータ6と穿刺用チューブ5の固定機構やスタイレット3と穿刺用チューブ5の固定機構は勿論、脳室穿刺用チューブ付きダイレータ2の構成各部材などはあくまでも一例を挙げたにすぎず、特許請求の範囲の解釈に際して、該例のものに限定されることがないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0030】
1 脳室穿刺用ダイレータ装置
2 脳室穿刺用チューブ付きダイレータ
3 金属スタイレット
4 透明シース
5 脳室穿刺用チューブ
6 拡張用ダイレータ
8 係合部
9 湾曲面
11 スタイレット接続固定用ルアーロックコネクタ
12 筒状操作摘み
14 径小部
15 固定用ネジ式ロックコネクタ
16 筒状操作摘み
20 脳表ストッパ
21 係止部
26 脳室
28 内視鏡
【技術分野】
【0001】
この発明は、脳室穿刺用ダイレータ装置に関し、詳しくは穿刺用チューブに外挿されるダイレータが該チューブの前端から突出しないようにして脳実質損傷の可能性を低減させることが可能な技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
脳内の内視鏡手術では、神経内視鏡の操作による脳実質の損傷を防ぐため、脳内にシースと称する透明なチューブを留置し、その内腔に内視鏡を挿入して行っている。このシースの脳室内への留置方法は、定法に則りバーホールを設け、硬膜を切開した後、まず外径1mm〜3mmの脳室穿刺針で脳室穿刺を行い、脳脊髄液の排出を確認した後、穿刺針を抜去すると同時に外径6mm〜10mmのシースダイレータを刺入経路に沿って挿入する。このとき、シース挿入方向の経路(長さ)を誤ると不必要な脳実質損傷をきたすことになるため、十分に配慮する必要がある。
【0003】
ところで、従来一般的に知られているものとしては、例えば特許文献1に開示されている留置チューブセットがある。この留置チューブセットは、従来のものが、1回で挿入するために全てを重ねて挿入しようとすると一体化されていないため個々にずれを生じ脳実質の損傷が大きくなる問題点があることから、この問題点を解決するために複数の脳室穿刺による脳実質損傷の拡大の予防と短時間で簡便に行えるよう1回の挿入操作で内視鏡の挿入または留置チューブの設置が行えること等を目的に発明されたものであり、その特許請求の範囲の請求項1に記載された通りのものである。
【0004】
すなわち、ダイレータ又は穿刺針、さらに留置チューブ、ピールアウエイシース、チューブ固定具及び接続具から構成され、ダイレータは先端が先絞られたテーパ状をなすガイドワイヤーを貫挿できる細経チューブであり、穿刺針は後端にコネクタが設置された細経針であり、留置チューブは先端が先絞られたテーパ状で後端にはコネクタが設置されており前記ダイレータの外側に摺動可能に被さる中径チューブであり、ピールアウエイシースは先端が先絞られたテーパ状で後端にはコネクタが設置されており前記留置チューブの外側に摺動可能に被さり長手方向に引き裂くことが可能な太径チューブであり、チューブ固定具は円盤状のフランジ部中央にスリーブ状のチューブ固定部が設置されており、フランジ部からチューブ固定部まで全長に亘って切れ目が施されており、更に接続具は留置チューブの外側に摺動可能に設置されておりピールアウエイシース後端のコネクタ又はチューブ固定具後端のチューブ固定部に接続することにより留置チューブが一体化固定される機構であることを特徴とするものである。
【0005】
しかしながら、この内視鏡シース留置チューブセットは、ダイレータチューブが嵌挿するカテーテルチューブの前端方向へのスライドを阻止するものが何もないので、その先端部がダイレータチューブの先端部から突出することがあり、シース挿入時に脳室を損傷することが少なからずあり、術者が安心して使用できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−126266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこでこの発明は、前記のような従来の問題点を解決して、シース挿入時の脳実質損傷を低減することができ、術者が安心して使用することができる脳室穿刺用ダイレータ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、脳室へシースを留置するための脳室穿刺用ダイレータ装置であって、脳室穿刺用チューブと、この穿刺用チューブに相対的にスライド可能に外挿された拡張用ダイレータと、このダイレータと穿刺用チューブを所定位置で固定可能な固定機構と、前記ダイレータに相対的にスライド可能に外挿されたシースとを具え、前記穿刺用チューブの前端部に前記ダイレータの前端と係合してダイレータが前記チューブの前端から突出しないようにする係合部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、係合部は、先が細く後端にいくにしたがい次第に径が大きくなり、ダイレータの前端と係合する後端がやや丸みをもった湾曲面に形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、脳室穿刺用チューブに剛性を付与するためにスライド可能に内挿されたスタイレットを具えたことを特徴とする。請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、ダイレータの前端側が徐々に径が小さくなる形状に形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、スタイレットと穿刺用チューブを所定位置で固定可能な固定機構を具えたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、シースの後端部にはシースが過度に脳室に押し込まれるのを防ぐための脳表ストッパが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明は、前記のようであって、請求項1ないし6に記載の発明によれば、穿刺用チューブの前端部にダイレータの前端と係合してダイレータがチューブの前端から突出しないようにする係合部が設けられているので、誘導したダイレータが脳室穿刺チューブより突出することがなく、安全に脳室内へシースを留置することができる。そのため、従来課題となっていたシース挿入時の脳室壁損傷を低減することができ、術者が安心して使用することができるという優れた効果がある。特に近年、神経内視鏡手術は増加傾向にあり、より安全で簡便なデバイスが使用者から求められているが、この求めに応えることができる。つまり、本デバイスは、まさに使用者の要望に当てはまり、術者や患者にとって非常に有用な製品である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の一実施の形態である脳内穿刺用ダイレータ装置を示す全体概略図であり、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図である。
【図2】同上のダイレータ装置を構成する脳室穿刺用チューブ付きダイレータの正面図である。
【図3】同上のダイレータ装置を構成する金属スタイレットの正面図である。
【図4】同上のダイレータ装置を構成する透明シースの正面図である。
【図5】同上の透明シースの変形例を示す正面図である。
【図6】図1(A)の線X−Xに沿う断面図である。
【図7】図6のY部拡大図である。
【図8】作用説明図である。
【図9】作用説明図である。
【図10】作用説明図である。
【図11】作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、この発明の一実施の形態に係る脳室穿刺用ダイレータ装置について、説明する。
【0016】
図1において1は脳室穿刺用ダイレータ装置であり、このダイレータ装置1は、脳室穿刺用チューブ付きダイレータ2と、金属スタイレット3と、透明シース4とを具えている。脳室穿刺用チューブ付きダイレータ2は、脳室穿刺用チューブ5と、拡張用ダイレータ6とからなっている。そして、脳室穿刺用チューブ5と、拡張用ダイレータ6と、透明シース4とがそれぞれ順次に外挿されて軸方向にスライド可能な構成になっている。
【0017】
脳室穿刺用チューブ付きダイレータ2を示す図2において、脳室穿刺用チューブ5は、外径が1mm〜3mm、好ましくは2mm程度で、全長が150mm〜300mm、好ましくは230mm程度のチューブ本体を有している。前記チューブ本体の前端部には、該チューブ本体より外径が大きく流線型をしたダイレータ用ストッパとして機能する係合部8がその後端でダイレータ6の前端と係合可能に設けられており、ダイレータ6をスライドさせる際にダイレータ6がチューブ5の前端から突出して脳室等組織に接触し損傷するのを防ぐようになっている。係合部8は図7に示すような外形形状をしており、外径が先方に向けて徐々に細くなり、最大径より後ろ側がダイレータ6の前端と係合するやや丸みをもった湾曲面9に形成されている。このような湾曲面9としたのは、うまく目的部位に脳室穿刺が行えなかった場合、脳室穿刺用チューブ5を脳から一旦引き抜いて再度穿刺を行うことになるが、その抜去時に脳室等組織を損傷させないようにするためである。
【0018】
脳室穿刺用チューブ5の後端部には、脳室穿刺の際、図3に示すスタイレット3を内挿して接続固定することが可能なスタイレット接続固定用ルアーロックコネクタ11が設けられ、該コネクタの後端開口部からスタイレット3が挿入され、その前端が係合部8の近くの内腔まで挿入された状態(図7参照)でスタイレット3の後端部に設けた筒状操作摘み12の内筒に形成したねじをコネクタ11のねじに螺合して締付けることにより接続固定が可能になっている。つまり、ルアーロックコネクタ11と操作摘み12とでスタイレット3の固定機構を構成し、スタイレット3を抜くときに操作摘み12のねじとコネクタ11のねじの螺合を緩めてルアーロックを解除しスタイレット3をチューブ5から引き抜くことができ、締めるとスライドができないようにスタイレット3の固定が可能となっている。穿刺用チューブ5は、ウレタン、シリコーン、ナイロン等、医療用として適する材質であれば、任意の材質のものを使用することができるし、金属も可能である。
【0019】
拡張用ダイレータ6は、外径が2.4mm〜6.4mm、好ましくは6mm程度で、全長が80mm〜100mm、好ましくは90mm程度のダイレータ本体を有している。ダイレータ本体の内径は脳室穿刺用チューブ5の外径より大きくなっていてチューブ5上を前後にスライド可能になっている。ダイレータ6の前端部には、前端に向けて徐々に径小となった径小部14が形成され、該径小部の前端の外径は、チューブ5の外径より僅かに大きくなっている。ダイレータ6の後端部には、チューブ5を固定することが可能な径大の固定用ネジ式ロックコネクタ15が設けられ、ダイレータ本体の内腔に挿入されたチューブ5を、コネクタ15の後端部に設けた筒状操作摘み16のねじをコネクタ15のねじにねじ螺合することにより接続固定が可能になっている。つまり、ネジ式ロックコネクタ15と操作摘み16とでダイレータ6の固定機構を構成し、操作摘み16のねじとコネクタ15のねじの螺合を緩めるとダイレータ6とチューブ5の相対的スライドができ、締めるとスライドができないようにダイレータ6の固定が可能になっている。ダイレータ6は、フッ素樹脂、ポリエチレン、ナイロン等、医療用として適する材質であれば、任意の材質のものを使用することができる。
【0020】
金属スタイレット3は、図3に脳室穿刺用チューブ5に挿入する前の状態を示しているように全長が脳室穿刺用チューブ5と同程度のスタイレット本体を有している。スタイレット本体の外径は脳室穿刺用チューブ5の内径より僅かに小さくなっていてチューブ5内を前後にスライド可能になっている。スタイレット本体の後端部には、前記のように筒状操作摘み12が設けられ、該操作摘みに設けた内筒のねじをチューブ5の後端部に設けたコネクタ11のねじに螺合して締付けることにより接続固定が可能である。また、スタイレット3は、この例では金属としているが、剛性があり、挿入によりチューブ5に対して曲がらない真直性を付与できるものであれば、必ずしも金属でなくともよく、各種の材質のものを使用することが可能である。
【0021】
透明シース4は、図4に示すように外径が2.5mm〜7.5mm、好ましくは7mm程度で、全長が60mm〜80mm、好ましくは70mm程度のチューブ状のシース本体を有している。シース本体の内径はダイレータ6の外径より僅かに大きくなっていてダイレータ6上を前後にスライド可能になっている。シース本体は、この例では透明となっているが、必要により半透明としてもよいし、あるいは非透明又は非半透明としてもよい。シース本体の後端部には内視鏡を使用して手術する際、内視鏡が留置している透明シース4に接触しシースが過度に脳室に押し込まれるのを防ぐための径大の脳表ストッパ20が外挿されて設けられている。脳表ストッパ20は、大径筒部20aと小径筒部20bからなる段付き構造となっている。21は脳表ストッパ20がシース本体の後端から抜けないようにシース本体の後端を外向き拡開状に湾曲させて形成された係止部である。脳表ストッパ20はシース本体とは摩擦力によって係合した状態で外挿されているが、所定の摩擦力が得られない事情がある場合等には、小径筒部20bの外周面に全周にわたり窪みを設け、該窪みに糸等を引き掛けて締付け、所定の摩擦力を得るようにすることも可能である。シース7は、ポリエチレン、ナイロン等、医療用として適する材質であれば、任意の材質のものを使用することができる。
【0022】
なお、前記シース4は一例であり、例えば脳表ストッパ20のようなものを設けずにシース4の後端部に脳表ストッパ20に相当するストッパ部をシース本体に一体に設けた構造としてもよい。また、シース4では前端部の外周面に前方に向けて徐々に小径となるテーパを付していない形状としたが、該テーパを付してセット時にダイレータ6の径小部14に連なるような構成としてもよく、このようなテーパを付すと、ダイレータ6とともに脳室に挿入されるシース4の挿入も抵抗が少なくスムーズに行える。
【0023】
図5は透明シースの変形例を示す。この透明シース23は所謂ピールアウエイシースと称する従来周知のものであり、シース本体の後端からその軸方向に破線で示すように切り離し可能な切り離し部24がその円周方向の相対向する部位に形成され、該部によって脳内に留置するときなどにシース23を二つに切り離すことが可能になっている。25はシース本体の後端部に設けられたシース把持部で、後端寄りの大鍔部25aとその反対側の小鍔部25bからなっている。実際の留置に際しては、脳表からシース23がはみ出した部分の、シース把持部25から前方ほぼ中間位置位まで切り離し部24を引き裂く。そして、その引き裂かれた部分以外のシース23の内腔に内視鏡を通して手術を行う。
【0024】
次にダイレータ装置1を組み付ける手順について説明する。図2の状態の脳室穿刺用チューブ付きダイレータ2においては、操作摘み16のねじとコネクタ15のねじの螺合を緩めた状態ではダイレータ6はその前端がチューブ5の係合部8と係合する位置と操作摘み16の後端がコネクタ11の前端に係合する位置との間を相対的にスライド可能となっている。前記のような脳室穿刺用チューブ付きダイレータ2のチューブ5に設けたコネクタ11側からスタイレット3を該チューブに内挿し、操作摘み12のねじとルアーロックコネクタ11のねじを螺合して締付け固定する。これによりスタイレット3の前端は図7に示す通りチューブ5の前端に位置した状態になる。これと相前後してシース4をその後端側からチューブ5及びダイレータ6に外挿する。そしてシース4の後端係止部21がダイレータ6のコネクタ15の前端に当接すると図1の組み付け完了の状態となる。
【0025】
次に使用例について図8−11を参照して説明する。前記のように組み付けてセットした状態のダイレータ装置1を用いて、まず穿刺用チューブ5を脳表の表面側から脳室26に穿刺する。図8はその穿刺した状態を示す。チューブ5が脳室26に穿刺した後、スタイレット接続固定用ルアーロックコネクタ11と操作摘み12とからなるスタイレット3の固定機構による固定を外し、スタイレット3をチューブ5内から引き抜く。この引き抜きに際し、穿刺用チューブ5が正確に脳室26に穿刺されているか確認を行う必要があるが、その確認は、チューブ5から髄液が流出するかどうかで判断する。
【0026】
次に固定用ネジ式ロックコネクタ15を緩めてダイレータ6の穿刺用チューブ5との固定を解き、ダイレータ6をチューブ5に沿わせて誘導し、穿刺用チューブ5の係合部8に接触して係合するまでスライドさせてダイレータ6を脳室26内へ挿入する。このとき、脳室穿刺用チューブ5の前端部に設けた係合部8の湾曲面9にその前端が係合することによりダイレータ6は脳室穿刺用チューブ5より突出することがない。そのため、挿入時の脳室壁等の損傷を防ぐことができる。図9はダイレータ6をスライドさせて脳室26内へ挿入した状態を示す。
【0027】
ダイレータ6を脳室26内へ挿入後、ダイレータ6に外挿してある透明シース4が動かないようにそれだけ残して静かに穿刺用チューブ5及びダイレータ6を引き抜く。これにより、脳室26内には透明シース4だけが留置される。図10は透明シース4を留置させた状態を示す。しかる後、図11に示すように留置された透明シース4の内腔に内視鏡28を挿入し手術を行う。
【0028】
前記のようにして1回の脳室穿刺で透明シース4を脳室26に留置することができ、シース留置作業の迅速かつ効率化を図ることができる。また、穿刺に際してダイレータ6がチューブ5から突出するのを係合部8で阻止することができるので、脳室等組織の損傷が起こるのも防止することができる。
【0029】
脳室穿刺用チューブ5の前端部にX線透視用のマーカを設けてもよく、また脳室穿刺用チューブ5やダイレータ6の外周面にはその挿入深度の目印としての深度目盛を設けてもよい。また、シース4は前記したように必ずしも透明でなくともよいが、その内腔に内視鏡28を通して脳室を覗くことから透明な材料であることが好ましい。その他、本実施の形態の図面で示したダイレータ6と穿刺用チューブ5の固定機構やスタイレット3と穿刺用チューブ5の固定機構は勿論、脳室穿刺用チューブ付きダイレータ2の構成各部材などはあくまでも一例を挙げたにすぎず、特許請求の範囲の解釈に際して、該例のものに限定されることがないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0030】
1 脳室穿刺用ダイレータ装置
2 脳室穿刺用チューブ付きダイレータ
3 金属スタイレット
4 透明シース
5 脳室穿刺用チューブ
6 拡張用ダイレータ
8 係合部
9 湾曲面
11 スタイレット接続固定用ルアーロックコネクタ
12 筒状操作摘み
14 径小部
15 固定用ネジ式ロックコネクタ
16 筒状操作摘み
20 脳表ストッパ
21 係止部
26 脳室
28 内視鏡
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脳室へシースを留置するための脳室穿刺用ダイレータ装置であって、脳室穿刺用チューブと、この穿刺用チューブに相対的にスライド可能に外挿された拡張用ダイレータと、このダイレータと穿刺用チューブを所定位置で固定可能な固定機構と、前記ダイレータに相対的にスライド可能に外挿されたシースとを具え、前記穿刺用チューブの前端部に前記ダイレータの前端と係合してダイレータが前記チューブの前端から突出しないようにする係合部が設けられていることを特徴とする脳室穿刺用ダイレータ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、係合部は、先が細く後端にいくにしたがい次第に径が大きくなり、ダイレータの前端と係合する後端がやや丸みをもった湾曲面に形成されていることを特徴とする脳室穿刺用ダイレータ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、脳室穿刺用チューブに剛性を付与するためにスライド可能に内挿されたスタイレットを具えたことを特徴とする脳室穿刺用ダイレータ装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、ダイレータの前端側が徐々に径が小さくなる形状に形成されていることを特徴とする脳室穿刺用ダイレータ装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、スタイレットと穿刺用チューブを所定位置で固定可能な固定機構を具えたことを特徴とする脳室穿刺用ダイレータ装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、シースの後端部にはシースが過度に脳室に押し込まれるのを防ぐための脳表ストッパが設けられていることを特徴とする脳室穿刺用ダイレータ装置。
【請求項1】
脳室へシースを留置するための脳室穿刺用ダイレータ装置であって、脳室穿刺用チューブと、この穿刺用チューブに相対的にスライド可能に外挿された拡張用ダイレータと、このダイレータと穿刺用チューブを所定位置で固定可能な固定機構と、前記ダイレータに相対的にスライド可能に外挿されたシースとを具え、前記穿刺用チューブの前端部に前記ダイレータの前端と係合してダイレータが前記チューブの前端から突出しないようにする係合部が設けられていることを特徴とする脳室穿刺用ダイレータ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、係合部は、先が細く後端にいくにしたがい次第に径が大きくなり、ダイレータの前端と係合する後端がやや丸みをもった湾曲面に形成されていることを特徴とする脳室穿刺用ダイレータ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、脳室穿刺用チューブに剛性を付与するためにスライド可能に内挿されたスタイレットを具えたことを特徴とする脳室穿刺用ダイレータ装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、ダイレータの前端側が徐々に径が小さくなる形状に形成されていることを特徴とする脳室穿刺用ダイレータ装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、スタイレットと穿刺用チューブを所定位置で固定可能な固定機構を具えたことを特徴とする脳室穿刺用ダイレータ装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の脳室穿刺用ダイレータ装置において、シースの後端部にはシースが過度に脳室に押し込まれるのを防ぐための脳表ストッパが設けられていることを特徴とする脳室穿刺用ダイレータ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−13592(P2013−13592A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148920(P2011−148920)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(508303324)富士システムズ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(508303324)富士システムズ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
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