説明

脳脊髄液の排液装置

【課題】患者の脳室から脳脊髄液を能動的に排液するように機能できる容積移送式ポンプを含む排液システムを提供する。
【解決手段】排液システム10は、脳室カテーテル16、脳室カテーテルに接続された容積移送式ポンプ22、容積移送式ポンプに接続され排液通路を確立する排液カテーテル20、少なくとも1つの制御要因をモニタするように構成されたモニタ装置、並びにモニタ装置及び容積移送式ポンプに接続され容積移送式ポンプを制御する制御装置28を含む。少なくとも1つの制御要因は脳室の排液の程度を含み、排液通路は容積移送式ポンプから患者の腔所へ常に開いており、制御装置28は容積移送式ポンプ22を通る脳脊髄液の流れを少なくとも1つの制御要因に少なくとも部分的に基づいて制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に植込型(implantable)排液装置及び方法に関し、より詳細には、脳脊髄液(cerebral spinal fluid;CSF)を排液する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脳室(ventricles)は、衝撃から脳を保護する脳脊髄液を含む。脳脊髄液は、体によって絶えず分泌され、吸収されている。脳脊髄液は脳室で産生され、通常の状況では、それがくも膜下腔内を循環して、主に、上矢状静脈洞に付属したくも膜顆粒を通って、血流の中に再び吸収される。通常の健康な人では、脳脊髄液の分泌及び吸収は、通常、平衡を保っている。しかし、例えば脳室の中などにおいて、脳脊髄液の循環に閉塞が起こると、脳脊髄液が適当な速度で体に再吸収されなくなり、脳室内に貯留することがある。
【0003】
これによって、過剰に貯留した流体が脳室、ひいては脳を傷付けることを特徴とする、水頭症として知られる状態を引き起こすことがある。水頭症は、脳室内において脳脊髄液が異常に流れたり、吸収されたり、又は形成されたりして、その後、それが頭蓋内腔の容積及び圧力を増加させることを特徴とする状態である。この状態は、頭蓋骨の分離を引き起こすこともある。未治療のままであると、上昇した頭蓋内圧によって神経損傷を引き起こし、死に至ることもある。
【0004】
過去40年間にわたって、水頭症患者の一般的な治療法は、脳脊髄液シャント(shunt;分路)を埋込むことであった。標準的なシャントは、脳室カテーテル、バルブ、及び遠位カテーテルからなる。脳室カテーテルは、頭蓋骨に開けた骨孔を介して脳の中へ通され、脳室内に配置されて、脳脊髄液を体の他の部位に短絡させるようにする。典型的には、過剰な脳脊髄液は、脳室から、脳脊髄液が再吸収されることのできる、例えば腹膜又は心房などの適切な腔所に受動的に排液される。シャントは、脳脊髄液による脳への圧力を軽減し、それによって、症状を緩和又は治療する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在の脳脊髄液シャントは、すべて受動的なやり方で作動し、脳脊髄液の排液の圧力及び容積を近似的に制御するのみである。脳脊髄液の排液をより正確に制御することによって、シャント術を受けた患者の症状を緩和し、水頭症の治療を助けることになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、脳室カテーテルと、排液カテーテルと、患者の脳室から脳脊髄液を能動的に排液するように機能できる容積移送式ポンプ(positive displacement pump)とを含む排液システムを提供するものであり、上記ポンプは、例えば膜ポンプ、ピストンポンプ、回転ポンプ、蠕動ポンプ、又はねじポンプを含むことができる。一実施形態では、ポンプの作用(effect)は、少なくとも部分的に、患者の症状又は症状の変化、時刻、患者の概日リズム、様々な睡眠パターンの出現、心周期、患者をモニタしている加速度計、患者の頭蓋内圧、サイフォン制御装置、又はこれらのいずれかの組合せをモニタすることに基づいて制御される。
【0007】
本発明の別の実施形態では、脳室カテーテルと、排液カテーテルと、サイフォン制御装置と、バイパスと、バイパスバルブと、患者の脳室から脳脊髄液を能動的に排液するように機能できる容積移送式ポンプとを含む排液システムを提供する。このサイフォン制御装置は、脳室の排液過剰の状態が検出された場合にバイパスを通る流れを、排液過剰の状態が緩和された場合に遠位カテーテルを通る流れを起こすバイパスバルブを作動させる。
【0008】
本発明は、また、脳脊髄液の流れを制御する方法を提供し、この方法は、脳室カテーテルと、排液カテーテルと、患者の脳室から脳脊髄液を能動的に排液するように機能できる容積移送式ポンプとを含む排液システムを患者に埋込むステップと、患者の症状又は症状の変化、時刻、患者の概日リズム、様々な睡眠パターンの出現、心周期、患者をモニタしている加速度計、患者の頭蓋内圧、又はこれらのいずれかの組合せをモニタするステップと、少なくとも部分的に該モニタするステップに基づいてポンプを制御するステップとを含む。
【0009】
本発明は、また、脳脊髄液の流れを制御する方法に関し、この方法は、脳室カテーテルと、排液カテーテルと、サイフォン制御装置と、患者の脳室から脳脊髄液を能動的に排液するように機能できる容積移送式ポンプとを含む排液システムを患者に埋込むステップと、そのサイフォン制御装置でポンプを制御するステップとを含む。別の実施形態は、排液システムがバイパス及びバイパスバルブを更に含み、脳室の排液過剰の状態が検出された場合にバイパスを通る流れを起こし、排液過剰の状態が緩和された場合に遠位カテーテルを通る流れを起こすように、サイフォン制御装置を介してバイパスバルブを作動させることで、ポンプの制御が実行される方法を含む。
【0010】
本発明にはキット(kit;道具一式)も含まれ、キットの一例は、脳室カテーテルと、排液カテーテルと、患者の脳室から脳脊髄液を能動的に排液するように機能できる容積移送式ポンプとを含み、これら構成要素は、患者に埋め込まれたときに、患者の脳室から脳脊髄液を能動的に排液するように機能する排液システムを形成するように組み立てられる。本発明によるキットは、サイフォン制御装置も含み、ポンプは少なくとも部分的にそのサイフォン制御装置によって制御される。更なる実施形態では、キットはバイパス及びバイパスバルブを有し、バイパスバルブがバイパス内に配置され、バイパスバルブの状態がサイフォン制御装置によって作動され、脳脊髄液が、サイフォン制御装置が排液過剰を検出した場合にバイパスを介するように、サイフォン制御装置が排液過剰状態の逆転を検出した場合に遠位カテーテルを介するように向けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、脳脊髄液を脳室からいずれかの別の適切な腔所に能動的に排液するように機能する脳脊髄液シャントを提供する。この能動的な排液は、脳脊髄液シャント又は排液システムにポンプを含むことによって達成される。一般に、適切な腔所は、腹膜及び心房を含むが、これに限定されない。本発明の排液システムは、水頭症、急性の状態、又はその両方の治療に用いられることができる。
【0012】
図1は、患者12の体のある部位、例えば脳室から、患者12の体の別の部位へ脳脊髄液を排液する、脳脊髄液シャント、又は排液システム10の一実施形態を示す。脳脊髄液は、腹膜、及び/又は心房、ならびに代替として矢状静脈洞へ排液されることができる。シャントシステム10は、脳室カテーテル16と、排液カテーテル20と、ポンプ22とを含んでよい。
【0013】
内腔を有する脳室カテーテル16は、患者12の脳室内に入口部位18を有する。脳室内の入口部位18以外の他の部位を用いることができることを認識及び理解されたい。遠位カテーテル20は、腹膜に位置することのできる、脳脊髄液の出口(図1には図示せず)を含む。脳室カテーテル16及び遠位カテーテル20は、当業者に一般に知られているように構成されることができる。他の出口部位も使用できることを認識及び理解されたい。他の可能な出口部位の例は、心房及び矢状静脈洞を含む。
【0014】
本発明による排液システム10の一実施形態では、ポンプ22は患者12の、脳から離れた部位に配置されることができる。このような実施形態は、CTスキャン又はMRI画像法の際に、患者の頭部が埋入に関連した人工物のない状態であるため、有利であり得る。一実施形態では、ポンプ22は患者の胴部内に配置される。ポンプ22の可能な配置部位の例は、患者の胸郭部及び腹部を含むが、これに限定されない。ポンプ22は、排液システム10内に配置され、脳脊髄液を脳室カテーテル16から遠位カテーテル20に向かって送液するように配向されている。本発明の排液システム10が患者に埋入されると、これが脳脊髄液を脳室から患者内の排液場所へ送液する作用を有することになる。
【0015】
ポンプ22は、概ね、容積移送式ポンプである。容積移送式ポンプは、一般に、往復ポンプ、定量ポンプ、又は回転ポンプに類別される。一般に、容積移送式ポンプは、決まった容積の流体を、ポンプの入口圧力部から、ポンプの排出領域へと押し込むことによって作動する。ポンプのタイプの特定例としては、膜ポンプ、ピストンポンプ、回転ポンプ、蠕動ポンプ、ねじポンプ、又は当業者に知られている他の適切なタイプのポンプを含むことができるが、これに限定されない。本発明の一実施形態では、排液システム10のポンプ22として、蠕動ポンプが用いられている。
【0016】
約1mL/時から約200mL/時の能力を有するポンプが、本発明の排液システム10に概ね用いられることができる。別の実施形態では、約1mL/時から約50mL/時の能力を有するポンプが、本発明の排液システムに用いられることができる。更に別の実施形態では、約10mL/時から約30mL/時の能力を有するポンプが本発明の排液システムに用いられることができる。一実施形態では、定速の容積移送式ポンプが本発明の排液システムに用いられることができる。別の実施形態では、変速の容積移送式ポンプが本発明の排液システムに用いられることができる。
【0017】
本発明の排液システム10に用いられるポンプ22は、概ね、電源を含む。電源は、小型電池の形態を取ってよい。いくつかの実施形態では、ポンプのいくつかの主要部に電力を供給するか、又は電池を再充電するために誘導結合電力の外部電源が用いられてもよい。例えば、ポンプ22は、ポンプのいくつかの機能部に電力を供給する経皮的な誘導電力転移のための誘導電力インタフェースを含んでよい。しかし、ポンプ22は、典型的に、ポンプのハウジング内に小型の電池を含む。代替として、ポンプ22は、電池の代わりに誘導電力インタフェースを含んでよい。
【0018】
更なる実施形態では、ポンプ22の電源は、電磁誘導又は超音波エネルギー転移によって再充電されてもよく、経皮的に受け取ったエネルギーを回収する適切な回路を含む。例えば、電源は、誘導エネルギー転移のための二次コイル及び整流回路を含んでよい。更に別の実施形態では、電源は、いかなる蓄電要素をも含まなくてよく、ポンプは、経皮的な誘導エネルギー転移(外部の受信機によって与えられてよい)によって、全電力を供給されてよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、ポンプ22は無線通信が可能である。無線通信は、ポンプ22に関連するいくつかのパラメータを送信するのに用いることができ、そのパラメータは、例えば、ポンプ22の現在の設定、ポンプ22の以前の設定、ポンプ22の埋入からの経過時間、ポンプ22の予想電池寿命、ポンプ22の電池消費を含むが、これに限定されない。無線通信は、ポンプ22に応答指令信号を送ったり、ポンプ22のプログラミングを変更したりするのにも用いることができるであろう。
【0020】
無線通信のできる実施形態では、遠隔測定インタフェースによって、ポンプ22が外部のプログラマと無線通信して、ポンプ22から情報の無線通信をしたり、ポンプ22の機能を変更するようにポンプ22に命令する起動トリガを無線受信したりできるようなる。
【0021】
一実施形態では、少なくとも1つの制御要因をモニタする装置(以下「モニタ装置」と称する)とポンプ22との間に無線通信があり得る。モニタ装置とプログラマとの間にも無線通信があり得る。一実施形態では、プログラマとポンプ22との間にも無線通信があり得るであろう。プログラマとポンプ22との間の通信は、あるタイプの通信では、自動であるか、あるいは、プログラマを用いて、医師もしくは患者によって、又は自動で起動されるかのどちらかであり、他のタイプの通信では起動されるであろう。プログラマを使用すると、医師がポンプ、及び1つ又は複数のモニタ装置に応答指令信号を送って、それによって、制御要因、ポンプのパラメータ、及び2者間に起こり得るあらゆる相互作用のよりよい理解を得ることができる。
【0022】
無線通信の更なる代替として、トリガ起動は患者12又は医師によって、ポンプ22の近傍において磁石を読み取らせる形態で与えられることができ、この場合、ポンプ22は磁石を検出する適切な検出回路を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、ポンプ22は、遠隔測定インタフェースの制御、ポンプのパラメータのモニタ及び制御、ならびに外部プログラマからの情報の処理及び保存を含むがこれに限定されない、いくつかの機能を行うことのできる、1つ又は複数のプロセッサを含むことができる。プロセッサは、ポンプ22の操作を制御でき、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号処理装置(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理プログラミング可能デバイス(FPGA)、又は他の同等の論理回路を含んでよい。ポンプ22は、メモリを含んでもよく、そのメモリは、ランダムアクセス記憶装置(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリなど、又はこれらの組合せのような、あらゆる磁気、電子、又は光学媒体を含むことができる。ポンプのメモリは、ポンプのプロセッサによって実行されたときに、本明細書でコントローラに与えられた機能をコントローラに行わせるプログラム命令を保存してよい。例えば、メモリは、無線遠隔測定インタフェースの制御、外部プログラマの制御及び外部プログラマからの情報の処理のサポートの下でプロセッサが実施する命令を保存してもよい。ポンプのメモリは、命令及びポンプ22の機能の保存のための別途のメモリを含んでもよい。
【0024】
本発明による排液システム10のポンプ22として用いることのできるポンプの例は、すべてMedtronic社(ミネソタ州、ミネアポリス市)から市販されている、SYNCHROMEDII(登録商標)Programmable Pump、SYNCHROMED EL(登録商標)Programmable Pump、又はSYNCHROMED(登録商標)Programmable Pumpのポンプ構成要素を含むが、これに限定されない。
【0025】
本発明の排液システムでは、ポンプ22の作用が制御されている。本明細書では、ポンプの作用の制御は、例えば、ポンプが送液する速度、ポンプが周期的にオン及びオフされるかどうか、ポンプが周期的にオン及びオフされるタイミング、送液速度のすべての加速度又は減速度を考慮してよい。ポンプ22の制御は、その速度を変更したり、オン又はオフの状態を変更したりせずにポンプ22の作用を制御することを含んでもよい。ポンプの作用の制御は、ポンプ自体の単純な制御、ポンプのプログラミング、又は排液システム全体としてのポンプの作用の制御を含むことができる。本明細書で用いる「ポンプを制御する」又は「ポンプの制御」とは、本明細書で広く論じられるポンプの作用を制御することを、より全般的に指す。
【0026】
ポンプ22の制御は、いくつかの様々な要因の1つ、又はそれらの組合せに基づいて行われてよい。これら様々な要因は、患者の症状又は症状の変化、時刻、患者の概日リズム、様々な睡眠パターンの出現、心周期、患者をモニタしている加速度計、患者の頭蓋内圧、サイフォン制御装置をモニタすることを含むが、これに限定されない。ポンプ22を制御するのに少なくとも部分的に使用できる少なくとも1つの要因は、通常、本明細書に1つ又は複数の制御要因として示されている。関連する1つ又は複数の制御要因は、排液システム10が患者に埋入される前、排液システム10の埋入の後、又はそれらのいずれかの組合せにおいてモニタされることができる。
【0027】
症状又は症状の変化がモニタされる実施形態では、モニタすることは、患者が症状及びそれがいつ起こっているかを手動でモニタし、記録するだけというような簡単なものであってよい。別の実施形態では、症状、症状の重篤さ、オン設定の時間、継続時間、症状に関する他の詳細が患者によって記録されてよい。別の実施形態では、患者は症状を電子的に記録する装置を与えられるであろう。症状を記録する装置の例は、患者プログラマ、個人データ支援装置(PDA)又は同様の装置を含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、症状を記録する装置が医師のプログラマ又は医師のワークステーションと通信することができる。いくつかの実施形態では、通信は無線で行われることができ、他の実施形態では、物理的な接続が用いられることができる。いくつかの実施形態では、医師のプログラマ又は医師のワークステーションは、無線通信を介して、所定の時間間隔で、自動的に患者のプログラマに応答指令信号を送ることができる。
【0028】
モニタできる症状は、例えば、脳室のサイズ、脳脊髄液の流速、患者の活動、ゲート、体温、コンチネンス、精神機能、脳の含水量を含むが、これに限定されない。別の実施形態では、脳脊髄液の流速、脳室のサイズ、又はこれらの組合せがモニタされ、記録される。
【0029】
ポンプのプログラミングに時刻が考慮される実施形態では、ポンプは、例えば埋入時にプログラムされる内部時計を含むことができる。少なくとも部分的に時刻に基づくプログラミングの一例は、24時間排液特性を含むであろう。例示的な24時間排液特性は、夜間は日中とは異なる送液速度を有してもよい。別の例示的な24時間排液特性は、24時間内の様々な時点でポンプを停止させてもよい。ポンプは、例えば生物学上適切又は有益である日中に時々、停止又は減速されることもできる。生物学上適切又は有益であろう時刻の例は、患者が就寝する、又は目を覚ます時刻を含んでよいが、これに限定されない。
【0030】
別の実施形態では、24時間排液特性は、特定の患者とは独立して作成することができるであろう。更に別の実施形態では、24時間排液特性は、患者に依存して作成することができるであろう。そのような実施形態では、例えば、患者が通常就寝する時刻及び患者が通常目を覚ます時刻など、患者についてデータを収集することができるであろう。そして、その情報が、24時間排液特性を設定するのに用いられることができるであろう。別の実施形態では、患者から独立した、又は患者に依存した24時間排液特性が、患者の症状、及び患者の日課の変更を含むが、それに限定されない、いくつかの様々な要因に基づいて変更されることができるであろう。
【0031】
別の24時間排液特性は、患者が、少なくとも部分的に、例えば患者がいつ就寝したか、いつ目を覚ましたかを指示することによって、プログラミングを命令することができるであろう。そのような実施形態は、例えば、患者が就寝することを患者が指示すると、ポンプがオンになる、又は速度が上がるよう設定することでプログラムされてもよい。同様に、患者が目を覚ますことを患者が指示すると、ポンプをオフにさせる、又は速度を下げさせることもできるであろう。
【0032】
いくつかの実施形態では、ポンプのプログラミングに概日リズムが考慮される。概日リズムは、一般に、約24時間の周期を有する、多くの生物学的機能を制御する内因性の内部時計のことを指す。同様の24時間の時間枠は、内分泌、中核温、及び認知能力の変動にも見られる。脳脊髄液の産生は、夜間の産生が日中の値の2倍にも達するほど増加するという点で、やはり概日変動を有する。いくつかのデータは、およそ2:00時ごろ産生の最大値に達し、およそ18:00時ごろ産生の最小値に達すると示唆している(Nilsson,C.他、「Am.J.Physiol.」1992年、262号、R20−R24)。
【0033】
したがって、一実施形態では、ポンプの速度は、脳脊髄液の最大産生におよそ応じるように上げることができるであろう。別の実施形態では、ポンプの速度は、脳脊髄液の最小産生におよそ応じるように下げることができるであろう。更に別の実施形態では、ポンプは、最大又は最小の脳脊髄液産生にそれぞれ応じて、オン又はオフにされることができるであろう。更なる実施形態では、上記の概日リズムに基づいた制御のいずれかの組合せが、プログラミングに用いられることができるであろう。
【0034】
ある実施形態では、ポンプは、少なくとも部分的に、レム(REM)睡眠の発現に基づいてプログラムされることができる。例えば、少なくとも正常圧水頭症(NPH)の患者では、REM睡眠の間に脳脊髄液圧力が圧力増加の波を示す(Silverberg,G.、「Brain」2004年、127号、947〜948ページ)。したがって、一実施形態では、ポンプが、REM睡眠が予想される時刻にオンにされるか、又は送液速度を上げるようにプログラムされることができるであろう。REM睡眠の予想時刻は患者の通常の就寝時刻に基づいて決められるであろうから、このタイミングは、患者から独立、又は患者に依存することができるであろう。
【0035】
一実施形態では、ポンプは、少なくとも部分的に、心周期に基づいてプログラムされることができるであろう。脳脊髄液は、少なくともある程度、心周期と同期する拍動性の性質をもって流れることが当業者には知られている。したがって、一実施形態では、ポンプの速度は心拡張期には下げられ、心収縮期にはわずかに上げられることができるであろう。別の実施形態では、ポンプは、心拡張期にはオフにされ、心収縮期にはオンにされることができるであろう。このタイプのプログラミングは、間隔が「標準の」心臓速度に基づく場合には患者から独立し、又は特定の患者の標準心臓速度に基づくであろう場合には患者に依存することもできるであろう。更に別の実施形態では、その間隔は、その時点での患者の心臓速度に基づくことができるであろう。そのような実施形態は、心臓速度を検出するセンサを使用し、そのセンサに反応することができるであろう。
【0036】
別の実施形態では、ポンプのプログラミングは、少なくとも部分的に、患者の姿勢に基づくことができるであろう。患者の姿勢をモニタするモニタ装置の例は、患者に付随する加速度計である。患者に付随する加速度計は、患者が立っているか、又は横になっているかをモニタできる。一実施形態では、患者が横になっていることを加速度計が指示するときには、ポンプがオンにされる、又はその速度が上げられることができるであろう。別の実施形態では、患者が立っていることを加速度計が指示するときには、ポンプがオフにされる、又はその速度が下げられることができるであろう。
【0037】
更に別の実施形態では、患者が横になっている、又は立っていることを加速度計が検出した後、所定の遅延を受けて、ポンプがオンもしくはオフにされるか、又はその速度を上げられるもしくは下げられることができるであろう。このような実施形態は、持続しない可能性のある短時間の患者の姿勢の変化に関係するであろうスイッチの入切又は速度変更を減らすことができるであろう。別の実施形態では、患者の姿勢は患者自身によってモニタされることができ、ポンプは、少なくとも部分的に、患者によって気づかれた姿勢の変化に基づいて制御されることができるであろう。
【0038】
別の実施形態では、ポンプのプログラミングは、少なくとも部分的に頭蓋内圧に基づく。このような実施形態では、頭蓋内圧がある閾値を超えて上昇すると、ポンプがオンにされる、又はその速度が上げられることができる。別のこのような実施形態では、頭蓋内圧がある閾値よりも低下すると、ポンプがオフにされる、又はその速度が下げられることができる。これらのような実施形態では、ポンプの変化は、頭蓋内圧が閾値圧力に達した、又は閾値圧力より低下した後、所定時間の遅延を受けて、やはり作用される。このような実施形態では、例えば、閾値圧力をまだ満たしているかどうかを判定するために、遅延時間の後に頭蓋内圧が再確認されることができるであろう。遅延と再確認を用いることによって、不必要に、又は頭蓋内圧の異常な変化に反応して、ポンプを入切又は変更することを回避する助けになるであろう。
【0039】
別の実施形態では、プログラミングは、少なくとも部分的に、頭蓋内の絶対圧力ではなく、頭蓋内圧の傾向に基づいている。このような実施形態によって、その患者にとっては全く正常なことであるかもしれない瞬間的な変動ではなく、頭蓋内圧の全体的な増加又は減少に基づいて、ポンプの変化に影響を及ぼすシステムを提供できるであろう。頭蓋内圧の傾向に反応する実施形態は、例えば、所定の時間間隔にわたる頭蓋内圧の絶対的な変化が検出されたときに、ポンプ制御の変化に影響を及ぼすことができるであろう。例えば、頭蓋内圧が約1時間にわたって約5cmHO以上増加したとき、ポンプがオンにされる、又は送液速度を上げることができるであろう。別の実施形態では、頭蓋内圧が約1時間にわたって約5cmHO以上減少したとき、ポンプがオフにされる、又は送液速度を下げることができるであろう。一実施形態では、本発明の排液システムを患者に使用する医師が、ポンプの変化を起こすであろう絶対圧力の変化を選択及び/又は変更できるであろう。
【0040】
ポンプ22を制御するために用いられることのできる別の要因は、脳室(1つ又は複数)の排液の程度である。一実施形態では、排液の程度は、サイフォン制御装置によってモニタされることができる。図2は、サイフォン制御装置28であるモニタ装置を含む排液システム10の別の実施形態を示す。サイフォン制御装置(抗サイフォン装置とも称される)は、患者の姿勢にかかわらず、脳脊髄液の排液過剰を最小限に抑え、脳室内圧力を生理学上正常な範囲内に保持するように構成されている。サイフォン制御装置は市販されており、本開示の教示があれば、当業者は市販のサイフォン制御装置を本発明の排液システムに組込むことができるであろう。市販のサイフォン制御装置の例は、PSMEDICAL(登録商標)DELTA(登録商標)バルブ(Medtronic社、ミネソタ州、ミネアポリス市)、HEYER−SCHULTE(登録商標)Anti-Siphon Device(Integra Neurosciences社、ニュージャージー州、プレーンズボロ市)、及びSIPHONGUARD(商標)Anti-Siphon Device(Codman社、マサチューセッツ州、レイナム市)を含むが、これに限定されない。
【0041】
サイフォン制御装置28は、脳室(1つ又は複数)の排液過剰を検出すると、ポンプを停止する、又は送液速度を下げることによってポンプ22を制御する。サイフォン制御装置28は、サイフォン制御装置が通常開閉するときに作動されることのできるスイッチを介して、ポンプ22を制御することができるであろう。
【0042】
本発明による排液システム10の別の実施形態が図3に示されている。本発明のこの実施形態による排液システム10は、図1及び2に示した実施形態のすべての構成要素である、脳室カテーテル16と、遠位カテーテル20と、ポンプ22と、サイフォン制御装置28とを含み、バイパス24及びバイパスバルブ26も含む。このような実施形態では、バイパス24と、バイパスバルブ26と、サイフォン制御装置28とは、患者12の脳室(1つ又は複数)の排液過剰を防止、又は減少させるように機能することができる。図3にあるように、バイパスは、ポンプ22の出口領域23からポンプ22の入口領域21へと流れを向ける。バイパスバルブ26は、バイパス24内のいかなる場所に配置されてもよい。
【0043】
バイパス24は、脳室カテーテル及び/又は遠位カテーテルと同じ材料で作製されることができる。一実施形態では、バイパス24は、遠位カテーテル20と同じ材料ででき、同じ外径及び内径を有する管で作製される。一実施形態では、バイパス及びバイパスバルブは、ポンプ自体と一体的に形成され、又はポンプ自体の中に形成され、外側の管の回路は含まなくてよい。一実施形態では、バイパスはポンプのハウジング材料に成形された通路であることができるであろう。そのような構成は、埋入及び製造にとって、より小型で、信頼性があり、簡単であるなどの利点があろう。
【0044】
バイパスバルブ26として用いられることのできる構成要素は、本明細書を読んだ当業者にはよく知られている。例えば、球状及び円錐状タイプなどの簡単な一方向逆止バルブを用いることができる。バイパスバルブ26として用いることのできる市販されているバルブの例は、ボール及びコーン逆止バルブ、メンブレンバルブ、ダイヤフラムバルブ、ならびに当業者に知られている他のタイプのバルブを含むが、これに限定されない。サイフォン制御装置28は、上記図2に示したものと同じであることができる。
【0045】
この実施形態では、サイフォン制御装置28が、サイフォン制御装置28が脳室(1つ又は複数)の排液過剰を検出すると、バイパスバルブ26を開くように作動し、排液過剰が検出されなくなると、バイパスバルブを閉じる。したがって、排液過剰が検出されると、脳室カテーテル16を介して脳室(1つ又は複数)から更に排液されないように、サイフォン制御装置28が閉じる。サイフォン制御装置28が閉じることによっても、バイパスバルブ26が開くことができ、それによって、脳室(1つ又は複数)から更に脳脊髄液を送液する代わりに、ポンプにシステム内に存在する流体をバイパス24を介して送液させることで、ポンプを制御する。サイフォン制御装置28が、排液過剰の状態をもはや検出しなくなる、すなわち、自然に吸収されるより多くの脳脊髄液が産生されるようになると、サイフォン制御装置28が開いて、それによってバイパスバルブ26が閉じられる。これが起こると、ポンプ22は、再度、脳室(1つ又は複数)から過剰な脳脊髄液を送液し続ける。
【0046】
このような実施形態は、ある状態に応答して速度を変更する必要なくして連続運転するポンプを制御する方法を提供できるという点において、有利であり得る。このような実施形態によって、より簡単で、より安価なポンプが使用できるようになる、及び/又は制御機構(すなわちソフトウエア)をより少なくできるであろう。このような実施形態は、スイッチ機構の故障にしばしばつながることのある規則的なスイッチの入切をされないので、ポンプの寿命を延ばす作用をもするであろう。
【0047】
一実施形態では、モニタ装置は、少なくとも1つの制御要素をモニタするのに用いられることができる。用いることのできるモニタ装置のタイプは、少なくとも部分的に、モニタされる特定の1つ又は複数の制御要因による。一実施形態では、1つのモニタ装置が用いられ、別の実施形態では、複数のモニタ装置が用いられる。1つ又は複数のモニタ装置は、排液システムに物理的に接続、又は付随することができるが、そうである必要はない。例えば一実施形態では、モニタ装置は脳室カテーテルに物理的に付随することができる。このような実施形態は、患者の頭蓋内圧をモニタするのに有用であり得る。別の実施形態では、モニタ装置は、患者に物理的に付随してさえいなくてもよい。例えば、患者の症状をモニタするモニタ装置は、患者が患者の症状についての情報を入力できる手持ち式の装置を含むことができるであろう。いくつかの実施形態では、複数のタイプの制御要因をモニタするのに複数のモニタ装置が用いられることができる。別の実施形態では、1つのタイプだけの制御要因をモニタするのに複数のモニタ装置が用いられることができる。例えば、患者の姿勢をモニタするのに患者に付随する2つの加速度計を用いることができるであろう。
【0048】
本発明は、また、患者の脳脊髄液の流れを制御する方法を提供し、その方法は、本発明の排液システムを患者に埋込むステップと、1つ又は複数の患者の制御要因をモニタするステップと、少なくとも部分的に、少なくとも1つの制御要因のモニタ結果に基づいて、排液システムのポンプを制御するステップとを含む。
【0049】
本発明による排液システムは、当業者に知られているように埋入されることができる。排液システムが腹膜内に排液される実施形態では、排液システムを埋込む外科的手順は、患者に全身麻酔をかけ、剃毛し、患者の頭皮から腹部領域までを殺菌剤で洗浄することから始まるであろう。これらのステップは、感染の可能性を減らすために行うことができる。次に、頭部及び腹部を切開し、神経外科医が、皮膚の直下の脂肪組織に、排液システムの管を通す。次に、頭蓋骨に小さい穴をあけ、頭蓋骨と脳との間にある膜を開いて、排液システム10の脳室カテーテル16を脳、そして側脳室内へと通す。遠位カテーテル20が、後にそこから過剰な脳脊髄液が再吸収される腹部の内層の小さい穴を介して、腹腔に通される。そして切開部は閉じられ、滅菌済みの包帯が巻かれる。排液システムのポンプ22は、この実施形態では、腹壁のポケット内に埋入されることができる。
【0050】
本明細書で用いられる制御要因とは、ポンプの作用を制御するのに用いられてよい要因を指し、それは患者の症状又は症状の変化、時刻、患者の概日リズム、様々な睡眠パターンの出現、心周期、患者をモニタしている加速度計、患者の頭蓋内圧、サイフォン制御装置、又はこれらの組合せをモニタすることを含むが、これに限定されない。
【0051】
そして、制御要因のモニタ結果が、ポンプを制御するのに用いられる。例えば、制御要因をモニタしたときに得られた結果が、例えば、ポンプをオフにする、オンにする、速度を下げる、もしくは速度を上げる、又はバイパスバルブを開く、もしくは閉じることを命令することができる。いくつかの実施形態では、ポンプに関連するプロセッサが、モニタされた制御要因に照らしてポンプを制御する。例えば、サイフォン制御装置を用いる別の実施形態では、サイフォン制御装置は、自動的に、ポンプを制御するバイパスバルブを作動させる。
【0052】
本発明の別の実施形態は、脳室カテーテルと、排液カテーテルと、容積移送式ポンプとを含むキットであって、これらの構成要素が、患者に埋入されたときに患者の脳室から脳脊髄液を能動的に排液するように機能する排液システムを形成するように組み立てられ、そのポンプは、少なくとも部分的に、少なくとも1つの制御要因に基づいて制御される。本発明の別の実施形態は、脳室カテーテルと、排液カテーテルと、容積移送式ポンプと、モニタ装置とを含み、これらの構成要素が、患者に埋入されたときに患者の脳室から脳脊髄液を能動的に排液するように機能する排液システムを形成するように組み立てられ、そのポンプは、少なくとも部分的に、モニタ装置によってモニタされる少なくとも1つの制御要因に基づいて制御される。
【0053】
本発明のキットの別の実施形態は、脳室カテーテルと、排液カテーテルと、サイフォン制御装置と、患者の脳室から脳脊髄液を能動的に排液するように機能できる容積移送式ポンプとを含み、これらの構成要素が、患者に埋入されたときに、患者の脳室から脳脊髄液を能動的に排液するように機能する排液システムを形成するように組み立てられ、そのポンプは、少なくとも部分的に、サイフォン制御装置によって制御される。
【0054】
本発明のキットの別の実施形態は、脳室カテーテルと、排液カテーテルと、サイフォン制御装置と、バイパスと、パイパスバルブと、患者の脳室から脳脊髄液を能動的に排液するように機能できる容積移送式ポンプとを含み、バイパスバルブは組み立てられるとバイパス内に配置され、これらの構成要素が、患者に埋入されたときに患者の脳室から脳脊髄液を能動的に排液するように機能する排液システムを形成するように組み立てられて、バイパスバルブの状態がサイフォン制御装置によって作動され、脳脊髄液が、サイフォン制御装置が排液過剰を検出するとバイパスを介するように、サイフォン制御装置が排液過剰の状態の逆転を検出すると遠位カテーテルを介するように向けられる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】患者の頭蓋内に埋入された本発明の一実施形態による排液システムを示す切欠透視図である。
【図2】患者の頭蓋内に埋入された本発明の別の実施形態による排液システムを示す切欠透視図である。
【図3】患者の頭蓋内に埋入された本発明の更なる実施形態による排液システムを示す切欠透視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脳室カテーテル(16)、脳室カテーテルに接続された容積移送式ポンプ(22)、容積移送式ポンプに接続され排液通路を確立する排液カテーテル(20)、少なくとも1つの制御要因をモニタするように構成されたモニタ装置、並びに前記モニタ装置及び前記容積移送式ポンプに接続され前記容積移送式ポンプを制御する制御装置(28)を含む排液システム(10)であって、
前記少なくとも1つの制御要因が前記脳室の排液の程度を含み、
前記排液通路が前記容積移送式ポンプから患者の腔所へ常に開いており、
前記制御装置(28)が前記容積移送式ポンプ(22)を通る脳脊髄液の流れを前記少なくとも1つの制御要因に少なくとも部分的に基づいて制御することを特徴とする排液システム。
【請求項2】
前記容積移送式ポンプが、膜ポンプ、ピストンポンプ、回転ポンプ、蠕動ポンプ、又はねじポンプである請求項1に記載の排液システム。
【請求項3】
前記容積移送式ポンプが蠕動ポンプである請求項2に記載の排液システム。
【請求項4】
前記容積移送式ポンプが、約1mL/時から約200mL/時の送液速度を有する請求項1に記載の排液システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの制御要因が、前記患者の症状又は症状の変化、時刻、前記患者の概日リズム、様々な睡眠パターンの出現、心周期、前記患者の姿勢、前記患者の頭蓋内圧、又はこれらのいずれかの組合せを含む請求項1に記載の排液システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの制御要因が時刻を含む請求項5に記載の排液システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの制御要因が前記患者の姿勢を含む請求項5に記載の排液システム。
【請求項8】
前記患者の前記姿勢が少なくとも1つの加速度計でモニタされる請求項7に記載の排液システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの制御要因が前記患者の頭蓋内圧を含む請求項5に記載の排液システム。
【請求項10】
前記患者の前記頭蓋内圧が前記患者の頭蓋内圧の傾向を含む請求項9に記載の排液システム。
【請求項11】
頭蓋内圧のセンサを更に含む請求項1に記載の排液システム。
【請求項12】
前記脳室の排液の程度が、サイフォン制御装置でモニタされる請求項1に記載の排液システム。
【請求項13】
バイパス及びバイパスバルブを更に含む請求項12に記載の排液システム。
【請求項14】
前記サイフォン制御装置が、前記バイパスを介する流れを起こすように前記バイパスバルブを作動させる請求項13に記載の排液システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−30116(P2012−30116A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248802(P2011−248802)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【分割の表示】特願2007−522713(P2007−522713)の分割
【原出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(507020152)メドトロニック,インコーポレイテッド (20)
【Fターム(参考)】