脳血管系デバイス
【課題】新規な脳血管系デバイスを提供すること。
【解決手段】本発明のデバイスは、連続する編上げ構造部、近位部、遠位部、及び該近位部と該遠位部間に配置された第一拡張可能部を含む血栓切除術用の取り外し可能なデバイスを含む。その編上げ構造部は複数のワイヤーを含む。その近位部とその遠位部は、その編上げ構造部の中に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーを含む。本発明のデバイスは、患者の血管系から血栓を取り除くために有用である。
【解決手段】本発明のデバイスは、連続する編上げ構造部、近位部、遠位部、及び該近位部と該遠位部間に配置された第一拡張可能部を含む血栓切除術用の取り外し可能なデバイスを含む。その編上げ構造部は複数のワイヤーを含む。その近位部とその遠位部は、その編上げ構造部の中に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーを含む。本発明のデバイスは、患者の血管系から血栓を取り除くために有用である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の血管系から血栓又は他の異物のような対象物を取り除くことに有用であるデバイスに関する。特には、本発明は、患者の血管系から血栓を取り除くことに有用であるデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
閉塞した血管に開存性の修復をする機械的な手段の利用はよく知られている。血栓の水圧除去、石灰化プラークのための回転カッティングブレード、血栓を粉砕するか若しくは引っ張るための拡張手段、又は自己拡張するか若しくは血管を見つけ出すために拡張することができる多様な金属構造部まで及ぶ範囲内で、これらのデバイスは多様なカテゴリーに適合する。
【0003】
これらのデバイスの例は、塞栓除去術の目的のためのバルーンカテーテルの改良を詳述している米国特許番号3367101号、3435826号、及び4403612号中で、Fogartyによって述べられている「Fogarty Catheter」まで遡る。多くの適用に対して適切であっても、繊細で、曲がりくねった脳血管系を通って、バルーンを引っ張ることは薦められない。また、現況の先行技術バルーンカテーテルのプロファイルを交差させることは、典型的な神経血管系付属物(例えば、マイクロカテーテル)と共に使用することに制限を加えるであろう。
【0004】
また、機械的に拡張したデバイスは、閉塞除去の分野においてよく知られている。Clarkは、米国特許3996938号において、血栓除去ために、拡張する編上げ部の利用について特に注目した。彼の教示によれば、編上げ部の遠位端に取り付けられた内部コアワイヤーによって伝達された圧縮力で拡張する編上げ部が利用された。
【0005】
結石除去、血餅除去、異物除去等の分野において、このテーマの多くのことが改良されている。これらの全ては、自己拡張するか又は伝達される圧縮荷重で機械的に拡張する、ある特質のアセンブリである。これらの例示は、かごの平行の脚により、体が回復かごに入ることを可能とすることを教示するBateの米国特許6800080号、かごが自己拡張して、提供されたシースの中で縮小することを意図することを教示するBateの米国特許5496330号、「固定して取り付けられたコアワイヤー」のため「伝達」状態で縮小した状態のままの自己拡張の円錐形のかごについて述べているEngelsonの米国特許6066158号、及び一連の編上げ拡張機からなるアセンブリについて述べているSamsonの米国特許6066149号において確認することができる。
【0006】
これらのデバイスが的確に作動する間においては、デバイスは神経血管系中に適用することの目的に対処できない、すなわち、デバイスの交差形状(例えば、断面領域)を最小限にする。一般的に、これらは、全て、所定の位置で溶接するか又は環状の部品を用いて固定して取り付等をするために必要である多数の構成要素からなる組立デバイスである。これらの発明のデバイスが、繊細で、曲がりくねった神経血管系にアクセスするために用いられる、医師による好ましいマイクロカテーテルに対して、如何に相性がよいかどうかを確認していない。
【0007】
多くの発明において、交差形状の問題は、マイクロカテーテルの中を通過することを意図しない固定されたワイヤーアセンブリを説明することによって回避している。むしろ、ワイヤーアセンブリは、太い血管系の閉塞部の充分に近位に位置する太い案内カテーテルから進んでいくことが意図される。SamsonのUS特許6066149号は、このタイプのアセンブリの例示である。実施態様で実証されているように、そのデバイスは、ワイヤー端部が環部品の中に組み込まれているアセンブリである。伸縮自在のコアワイヤーは、従来の遠位終端部のガイドワイヤー先端部の役割をも果たす。この先端部はガイドワイヤーの案内を提供し、交差する血餅を破裂する能力を提供する。一方、デバイスの大きな本体は拡張部を包含する。おそらく、容易にアクセス可能な閉塞部に対しては充分に適切であっても、これは予期される主流の脳血管の場合や医師が望むことに対応することはできない。この場合に、手術の前に血餅に対して遠位に位置する部分を血管造影法によって可視化をするために、マイクロカテーテル/ガイドワイヤーの組み合わせが血餅を横切る経路を作り出す目的で用いられる。
【0008】
Wenselは、米国特許5895398号において神経血管系の適合性を達成するためのさらに小さなデバイスのニーズを示唆した。この公報において、彼はマイクロカテーテルによって運搬するために、直線状である螺旋形のワイヤーの使用を教示した。「コルクスクリュー」に成形された単一のワイヤーを用いることによって、彼は、大きなプロファイルの結果になる多くの他の先行技術において要求されるコンプレックスアセンブリ工程を回避した。残念ながら、彼の発明は、マイクロカテーテルの使用の禁止の必要性を述べた。典型的には、医師が好ましく用いるマイクロカテーテルは、ワイヤーが直線状の形になる能力を備えない遠位端で優れた可撓性を有する。このことは、「コルクスクリュー」を柔軟にすること(血餅を抽出する能力を下げる)又は剛性を有する特別なマイクロカテーテルを作製することとトレードオフの関係となり、手術によるアクセスを制限することとなる。また、Wenselの教示は、単一の螺旋形のワイヤーのみからなるデバイスが本質的に大きい間隙を備えることにより、血餅を除去する間に微粒子の遠位な移動を防止するための最適化を構造上できない結果となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、脳血管系デバイス及びそれを作製する方法に関する。
その脳血管系デバイスは、
複数のワイヤーを含む連続する編上げ構造部であって、該編上げ構造部が、近位部と、遠位部と、該近位部と該遠位部間の第一拡張可能部と、該近位部から該遠位部まで延在するルーメンとを有し、
該近位部と該遠位部が、それぞれ、外径と内径を有し、さらには該編上げ構造部に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーを含む、編上げ構造部、
近位端と遠位端を有するコアワイヤーであって、該コアワイヤーが、該ルーメン内に配置され、かつ、該編上げ構造近位部から該編上げ構造遠位部の地点又は遠位に延在する、コアワイヤー、並びに、
該コアワイヤー遠位端に取り付けられ、かつ、該編上げ構造遠位部の内径と少なくとも等しい外径を有する非侵襲的構成要素、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付された図面とともに検討された場合には、本発明の実施は、次の記述から明確である。その記述は以下のとおりである。
【0011】
【図1】図1は、本発明の態様にしたがった代表的な脳血管系デバイスを表わす。
【図2】図2は、図1のデバイスの概略断面を表わす。
【図2A】図2Aは、図2のデバイスのバリエーションを表わす。
【図3】図3は、本発明の態様にしたがった代表的な脳血管系遠位サブアセンブリデバイスを表わす。
【図4A】図4Aは、本発明の態様にしたがった図3のデバイス及びカテーテルシャフトを表わす。
【図4B】図4Bは、組立形態の図4Aのデバイスを表わす。
【図5A】図5Aは、本発明の態様にしたがったさらなる代表的なデバイスを部分断面で表わす。
【図5B】図5Bは、拡張状態の拡張可能部を備える図5Aのデバイスを部分断面で表わす。
【図6】図6は、本発明のさらなる態様したがった、さらなる代表的なデバイスを表わす。
【図7A】図7Aは、本発明の態様にしたがった、さらなる実施態様を表わす。
【図7B】図7Bは、本発明の態様にしたがった、さらなる実施態様を表わす。
【図8】図8は、本発明の態様にしたがった、さらなる実施態様を表わす。
【図9】図9は、本発明の態様にしたがった、デバイスの縦部分断面である。
【図10】図10は、本発明の態様にしたがったデバイスを表わし、第一拡張可能部が拡張状態にあることを表わす。
【図11】図11は、本発明の態様にしたがった、さらなる実施態様を表わす。
【図12】図12は、図11のデバイスを表わし、第一拡張可能部が拡張状態にあることを表わす。
【図13】図13は、本発明の態様にしたがった、編上げ構造物を表わす。
【図14】図14は、本発明の態様にしたがった、編上げ構造物を表わす。
【図15】図15は、本発明の態様にしたがった、さらなる代表的なデバイス表わす。
【図16】図16は、本発明の態様にしたがった、コアワイヤーを表わす。
【図17】図17は、本発明の態様にしたがった、コアワイヤーと非侵襲的構成要素アセンブリを表わす。
【図18】図18は、本発明の態様にしたがった、ハンドルアセンブリの分解図を表わす。
【図19】図19は、図18で示されたハンドルアセンブリの断面分解図を表わす。
【図20】図20は、充分に組み立てられた状態である、図18のハンドルアセンブリを表わす。
【発明を実施するための形態】
【0012】
その脳血管系デバイスは、
複数のワイヤーを含む連続する編上げ構造部であって、該編上げ構造部が、近位部と、遠位部と、該近位部と該遠位部間の第一拡張可能部と、該近位部から該遠位部まで延在するルーメンとを有し、
該近位部と該遠位部が、それぞれ、外径と内径を有し、さらには該編上げ構造部に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーを含む、編上げ構造部、
近位端と遠位端を有するコアワイヤーであって、該コアワイヤーが、該ルーメン内に配置され、かつ、該編上げ構造近位部から該編上げ構造遠位部の地点又は遠位に延在する、コアワイヤー、並びに、
該コアワイヤー遠位端に取り付けられ、かつ、該編上げ構造遠位部の内径と少なくとも等しい外径を有する非侵襲的構成要素、
を含む。
【0013】
典型的で限定ない本発明のある態様を実証する幾つかの実施態様を参照すると、本発明はよく理解される。
【0014】
図1を参照すると、本発明にしたがって、脳血管系デバイス1が示されている。図で示されているように、脳血管系デバイス1は、近位部2、第一拡張部4、遠位部3、及び非外傷性構成要素5を含む。そのデバイスは、外径、内径、及び連続的な網目構造の近位部からその遠位部まで伸長するルーメンを有する連続的な網目構造を含む。さらに、近位部2と遠位部3は、網目構造に中に少なくとも部分的に組み込まれたポリマー6を含む(図2に示される。)。さらに、そのデバイスは、近位端と遠位端を有するコアワイヤー12を含み、コアワイヤーは、ルーメンの内部に配置されて、網目構造近位部から網目構造遠位部の遠位な大部分よりも遠位な地点まで伸長する。コアワイヤー12は、細いテーパー形のステンレススチールワイヤーでよいが、限定されることなく、ニチロールワイヤー、ポリマーフィラメント(限定されることはないが、延伸ポリテトラフルオロエチレン(「ePTFE」)、ポリエステル、KevlarTMファイバーを含む)、及びチューブ構造物等を含む材料のいかなる材料から構成されてもよい。コアワイヤー12の遠位端は伸長して貫通し、非外傷性構成要素5、この場合においてはコイルに取り付けられる。ポリマーチューブ構造物のような他の適切な材料が非外傷性構成要素5に対して使用することができる。非外傷性構成要素5は、網目構造遠位部3の内径と少なくとも等しい外径を有する。また、コアワイヤー12及び非外傷性構成要素5の遠位先端で先端17が表される。
【0015】
図2は、A−Aに沿って切られた、図1において表されるデバイスの断面であって、ポリマー6が網状構造物8を組み込んでいるところを示している。そのうえ、ルーメン7が網状構造物8とポリマー6の内径によって画定されることを示している。さらに、ルーメン7中に配置されたコアワイヤー12が表されている。
【0016】
図2Aは、図2の代替図を示し、ルーメン7が内部ポリマー層6によって画定される。内部ポリマー層6は任意の適切なポリマー材料でよいし、コーティング、薄いチューブ等として提供されてよい。本発明の一つの態様として、ポリテトラフルオロエチレンのような内部ポリマー層6は、潤滑性ポリマーを含む。本発明のさらなる態様として、内部ポリマー層6は、網状構造物を組み込むために用いられる同一のポリマーによって形成される。内部ポリマー層6は、任意の好ましいデバイス長に伸長することができる。本発明の一つの態様として、内部ポリマー層6は、近位部2から遠位部3の遠位の大部分まで伸長する。
【0017】
図1のデバイスの近位部2は、デバイスのカテーテルシャフト全体としての機能を果たすことができる。本発明のさらなる態様として、デバイスのカテーテルシャフトは、網状構造物を組み込んだポリマーとは異なる材料を含んでもよい。この点においては、連続的な網状構造物は、適切な近位なカテーテルアセンブリに取り付けられてよい遠位なサブアセンブリの一部分であってよい。
【0018】
本発明の態様にしたがって、適切な遠位サブアセンブリが、図3において示される。その遠位サブアセンブリは、近位部2と遠位部3を含み、各々が、網状構造物中に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーを含む。さらに、遠位サブアセンブリは、近位部2と遠位部3の間に配置された第一拡張部4を含む。さらに、非外傷性構成要素5が表されている。また、コアワイヤー12と先端17が表され、デバイスの遠位の大部分に配置される。
【0019】
今、図4Aを参照すると、カテーテルシャフト9に取り付けられる前の上記で述べられた遠位サブアセンブリが示されている。カテーテルシャフト9は、任意の適切なチューブ構造部、例えば、ポリマー組み込み網状構造部、ポリマーチューブ、金属チューブ(例えばハイポチューブ)、等を含むことができる。チューブ構造部は、近位地点から遠位地点まで柔軟に変化をすることができる。本発明の実施態様において、チューブ構造部の遠位地点は近位地点よりも可撓性を有してよい。また、カテーテルシャフト9は、カテーテルシャフト9の全長まで伸長することができるルーメンを含む。一度、カテーテルシャフト9と遠位サブアセンブリが一緒に取り付けられると、カテーテルシャフト9のルーメンは、遠位サブアセンブリのルーメンと連通するであろう。カテーテルシャフト9と遠位サブアセンブリは、恒久的又は取り外し可能的に一緒に取り付けることができる。任意の適切な手段はカテーテルシャフト9と遠位サブアセンブリを取り付けるために用いることができる。本発明の実施態様において、カテーテルシャフト9と遠位サブアセンブリは結合によって取り付けられる。その結合は、例えば、結合域に適切なチューブ部材を圧着するか、焼き嵌めをするかによって補強することができる。例えば、図4Bを参照すると、シャフト9と近位部2間の結合域は、14で表されるように、適切なメタルチューブで覆うことができる。平らな外径のデバイスの表面を提供するために、メタルチューブ14は、シャフト9と近位部2の各々の外側の表面に圧搾することができる。メタルチューブ14は任意の適切な金属を含むことができる。本発明の実施態様において、金属チューブ14は放射線不透過性金属を含む。また、金属チューブ14と結合域に配置されたポリマーチューブ15が表されている。ポリマーチューブ15は任意の適切なポリマー材料であってよい。本発明の実施態様において、ポリマーチューブ15は焼き嵌めポリマーチューブである。ポリマーチューブ15は結合域をさらに補強することを提供することができる。
【0020】
本発明の実施態様において、カテーテルシャフト9は、取り外し可能的に遠位サブアセンブリに取り付けられる。それゆえ、必要ならば、遠位サブアセンブリは埋め込み可能なデバイスとして使われてよい。例えば、閉塞デバイスとして作動するか、動脈瘤を処置するか、フィルタとして作動するか、又は血管を拡張する等の目的のために、拡張した状態でデバイスを体内に残すことが好ましい。これらの場合において、遠位サブアセンブリは、前述したのと同じ方法で作製することができるが、カテーテルシャフトにサブアセンブリを取り外し可能に取り付けるための適切な方法を用いてもよい。カテーテルシャフトに遠位サブアセンブリを取り外し可能に取り付けるための適切な手段を使用することができ、その手段は、電気腐食手段、並びに、摩擦嵌合及びフックとループ等を含む機械的な手段を含むが、これらに限定されない。
【0021】
図5Aと5Bは、一つの典型的な取り外し可能な取り付けの実施態様を示し、コアワイヤー12は、網状構造の遠位部3より遠位な地点から、拡張部4を通って、近位部2より近位な地点まで、近位方向に延在する。拡張可能部4より近位な地点で、コアワイヤー12はループ形状になるか、又はコアワイヤー12はループ形状のワイヤーに取り付けることができる。図5Aに示されるように、ループを抑制する目的で近位部が作動するように、ループは、近位部2の内径よりも僅かに大きいサイズとなる。作動ファイバー16(又はワイヤー)はコアワイヤー12のループを通過して配置される。本発明の実施態様において、ファイバーはePTFEファイバーであってよい。ファイバー16の両端は、カテーテルの近位端までずっと、カテーテルシャフト9の内径の中を貫通する。拡張可能部4は、ファイバー16の両端部を近位方向に引っ張ることによって充分に作動することができ、このように、近位部の近位な位置にコアワイヤーのループを引っ張る。図5Bで示されるように、このことは、コアワイヤーのループが開放部を生み出すことを可能とし、拡張した形状で拡張可能部4を維持する。その後、ファイバー16の一つの端部は、遠位サブアセンブリがカテーテルシャフトから自由になれるように、カテーテルシャフトの近位端から引っ張られる。また、この機構は、二つ以上の拡張可能セクションが存在する場合、又は拡張可能セクションの多孔性がフィルムカバーで制御される場合に有効である。例えば、特定の目的のための取り外し可能な遠位サブアセンブリは二つの拡張可能なセクションを有し、一つのセクションは脳動脈瘤の頚部の内部に適合するような大きさ/形であり、もう一方のセクションは親血管に適合するような大きさである。このように動脈瘤中への流れを遮断する。
【0022】
図6は、本発明のさらなるまたの態様を示し、デバイスが、第一拡張可能部4より遠位な位置にある第二の拡張可能部10を含む。また、中間部11が示され、その中間部11は、網状構造物中に少なくとも部分的に組み込まれたポリマーを含むことができる。また、様々な他の方法、すなわち、限定はされないが、網目角の変化、マーカーバンド、ポリマーフィルムカバー、又は熱処理法、等の方法によって、中間部11は形成して拡張を抑制することができる。中間部材11は適切であれば任意の長さでよい。脳血管系から血栓を取り除くためにデバイスを用いる場合に、第一拡張可能部4は、取り除かれる血栓からちょうど遠位のところまで進むことができる。拡張可能部4、10は拡張することが可能であり(例えば、近位にコアワイヤー12を動かすことによって可能である。)、第二拡張可能部10が、血栓から剥がれて遠位方向に浮くことができる残骸物を捕獲する安全機能として働きながら、第一拡張可能部4は近位方向に血栓を引っ張るために用いることができる。本発明の態様において、さらに精巧である血管系に向けて、遠位方向に運ばれた残骸物の可能性をさらに制限するために、血液の逆流状況下でこの手順を実行することができる。そのうえ、第一拡張可能部4及び/又は第二拡張可能部10は外側のポリマーカバーを備えることができる(詳細に後述する。)。
【0023】
本発明の態様において(上述したように)、中間部11は、近位セクション2と遠位セクション3の編み上げとは異なる編組角を有する編み上げ構造物を含むことができる。例えば、図7Aにおいて、本発明の態様にしたがった代替のデバイスが示されている。そのデバイスは、中間部11が拡張可能部4と10の間に配置した状態で、近位部2、並びに拡張可能部4及び10を含む。そのデバイスは、さらに、コアワイヤー12、コアワイヤー12、非外力性構成要素5、及び先端部17を含む。中間部11の編組角を注意深く選択することによって、中間の編上げをポリマーで組み込むか、さもなければ強制手段を提供するかを必要とすることなしで、このセクションが拡張することを抑制する(又は、拡張可能部4と10に対して拡張の程度を制限する)ことが可能である。図7Bにおいて、拡張状態の拡張可能部4と10を備えたデバイスが示されている。拡張可能部4と10が非拡張状態である場合の外径と同一の外径を有する中間部11を示しているが、中間部が任意の好ましい直径の大きさに拡張するように、中間部11の編組角を調節することは可能である。このようにして、拡張した時に、拡張可能部4と10間の距離を制御する。
【0024】
本発明のさらなる態様として、第二デバイスより遠位な地点まで、ルーメン又は中空コアワイヤーを通って進むような適切な大きさのデバイスを本発明にしたがって可能として、二つの拡張可能部間の距離は、ルーメン又は中空コアワイヤーを備えたその第二デバイスを提供することによって制御され得る。例えば、図8で表されるように、第一デバイスは、近位部2、遠位部3、及びそれらの間に配置された拡張可能部4を含む。その第一デバイスは、さらに、コアワイヤー12、非外力性構成要素5、及び先端部17を含む。その第一デバイスは、第二デバイスのルーメンを通って少なくとも部分的に前進することが表されている。その第二デバイス、近位部2、遠位部3、及び拡張可能部4を含む。その第二デバイスは、また、その第一デバイスが通り抜けられることが可能であるような大きさのルーメン又は中空コアワイヤー(図示されていない)を含む。その第二デバイスは、拡張可能部4が拡張するような任意の適切な手段を含むことができ、さらに好ましくは。例えば、上記で述べられたように、非外力性構成要素を含む。本発明の態様において、その第二デバイスは、また、コアワイヤー(例えば、中空コアワイヤー)、コアワイヤーに取り付けられた非外力性構成要素を含み、さらに、上記で述べられたように、先端部を含んでもよい。その先端部は、また、その第一デバイスが通り抜けて、前進が可能なように中空であってもよい。
【0025】
今、図9を参照すると、本発明の態様による部分概略の縦断面が示されている。断面図において、編上げ構造物8を組み込むポリマー6を含む近位部2が示されている。また、第一拡張可能部4と、編上げ構造物を組み込むポリマーを含む遠位部3が示されている。さらに、さらに、コアワイヤー12が示され、そのコアワイヤーはデバイスの近位端から、ルーメンを通って、そして非外力性構成要素5に取り付けられる。非外力性構成要素5は、遠位部3の内径よりも少しだけ大きい外径を有する。本発明の態様において、コアワイヤー12は、デバイスの近位端からルーメンを通って延在して、非外力性構成要素5の近位端に取り付けられる。
【0026】
図10は、図1のデバイスを表し、拡張可能部4が充分に拡張した状態を示す。編上げ構造の近位セクションがしっかりと固定されている間に、コアワイヤー12が近位に縮まる時に拡張可能部4は拡張することができる。本発明の態様において、拡張可能部4は、最大拡張可能状態の時に患者の対象血管に非侵襲的である。その上、最大拡張直径は、患者対象血管の直径よりも等しいか、又は大きくすくことができる。
【0027】
本発明のさらなる態様において、第一拡張可能部(及び/又は第二拡張可能部)は外側のポリマーカバーを提供することができる。図11において、そのようなデバイスの例が示される。そのデバイスは、上記で述べられた形態で表されたものと本質的には同一であり、追加的であるポリマーカバー30が、拡張可能部を囲んで完全に覆う。図12は図11のデバイスを示し、拡張可能部が部分的に拡張した状態を示す。任意の適切なポリマーフィルム、テープ、等は、放射状に膨張する様態で拡張可能部を覆うために利用することができる。例えば、適切なポリマーは。ポリテトラフルオロエチレン(例えば、ePTFE)、ポリウレタン、シリコーン、ポリエステル、ポリエチレン、及び生体吸収性ポリマーを含む。ポリマーカバーは、実際上100%の密封性を有することができるか、又はポリマーカバーにより、任意のバリエーションの多孔性が流速又は粒子分離を制御することを可能にさせる。
【0028】
本発明の態様において、ポリマーカバーは、適切な任意数のePTFEフィルム層を含むことができ、そして、そのePTFEフィルム層は、熱でともに溶融することが可能であって、その後、その微細構造により、拡張可能部4が制限を受けずに放射状に拡張することを可能とするような方法で拡張可能部4の周囲に巻き付けられることが可能である。例えば、ePTFEポリマーカバーは、相互に連結したノードとフィブリルを含むことができ、カバーが小さい直径の状態の時にフィブリルが縦方向に配向されるようにカバーはアレンジされる。その直径が大きくなる状態まで拡張するときに、フィブリルは回転して円周方向に配置することができる。縮小時、カバーの端部は、拡張可能部が長くなる時に引っ張りだすことができる。このことは、フィブリルを縦方向に再調整するために行われる。その後、拡張可能部が縮小することが可能である時に、この同一のフィルムは縮小することができる。典型的な実施態様において、ePTFEフィルムの4層は、一つの上部にもう一方が積み重なり、「巻きたばこ」の巻きつけ形態で5mmステンレス鋼マンドレルの周囲に巻きつけすることができ、さらにフィブリルの大半がマンドレルの軸に垂直になるようにフィルムは配置される。適切であれば任意のePTFEフィルムを使うことができ、様々な巻きつけ方向が可能であるが、約0.3g/ccの密度、50ミクロンのフィブリル長、及び約0.03mmのフィルム厚みを有する4層のePTFEフィルムを含む実施態様が特に好ましい。一度マンドレル上に配置されると、フィルム層を共に溶融するために、フィルムは、約25分間、約370℃で熱をかけることが可能であり、このようにして一つの層上にチューブ壁を形成する。チューブは約101.6mm(4インチ)の長さまで切断されてマンドレルから取り外すことができる。その後、0.3048mm(0.012インチ)のマンドレルは、チューブ構造物の内径部中に配置することができる。その後、チューブ構造物の内径がマンドレルの外径に本質的に等しい地点まで、チューブ構造物は伸長/細く伸ばすことができる。チューブ構造物は取り外され、そしてほんのわずかな干渉が適当である状況で、本発明にしたがった適切なデバイス上に配置することができる。その後、二つのPt/Irマーカーバンドは、チューブ構造物上であって、近位部及び遠位部の位置の地点に配置することができる。デバイスの近位と遠位部にPt/Irバンドを圧搾するためにラジアルクリンパーを用いることができる。クリンピング工程は、近位部及び遠位部のポリマー部を溶融又は軟化させるために適切な熱をかけて実行することができ、このようにして、バンドがポリマーの中に組み込まれることが可能となり、結合の強度が増すことは勿論のこと、結果としてデバイスの外表面を平らにすることになる。本発明の態様において、近位部及び遠位部のポリマーはPEBAXTM7033ポリマーを含むことができ、クリンピング工程中に、40psiの空気圧下で約6秒間250°Fで熱をかけることができる。熱処理及びクリンピング処理中にデバイスの縮小を防ぐために、スチールマンドレルは、クリンピング工程中にデバイスのルーメン内部に配置することができる。
【0029】
ポリマーカバーは、拡張可能セクションに結合する必要はない。ところが、上記で言及したように、ポリマーカバーは、デバイスの近位部及び遠位部に固定して取り付けられるべきであるが、拡張可能セクション上を自由に動けるようにすべきである。ポリマーカバー30は、任意の適切な方法で近位部2と遠位部3に固定することができる。本発明の態様において、図11と12で表されるように、ポリマーカバーは、メタルチューブ32と33を各々用いて近位部2と遠位部3に固定される。上記で述べたように、メタルチューブ32と33は近位部2と遠位部3の各々の外表面の中に圧搾することが可能であって、各々の部上に平らな外表面を提供する。メタルチューブ32と33は、適切であれば任意の金属を含むことができる。本発明の態様において、メタルチューブは放射線不透過性金属を含む。ポリマーカバーを備える第一及び/若しくは第二拡張可能部を提供することによって、動脈瘤への流れ又は動脈−静脈奇形部を横切る流れを阻止すること、又は緩い塞栓の場合に残骸物の遠位の流れを防止することに、デバイスは特に有用になり得る。いくつかの場合において、残屑を除去する間に血流がデバイスを通過することを可能とするために、マクロ多孔質が好ましい。本発明の態様において、レーザーで配置された100ミクロン多孔質と抗凝固剤コーティングを有するフィルムカバーは、100ミクロンよりも大きい残屑の流れを防止するために用いることできる。本発明のこの態様を具体化するデバイスは、この発明によって提供される小さなプロファイルのため特に有用であり、デバイスがマイクロカテーテルを通って神経血管系に運搬されることを可能とする。
【0030】
デバイスの編上げ構造物は、例えば、円形プロファイル、フラットプロファイル、及びそれらの組み合わせのプロファイルからなる群から選ばれる複数のワイヤーを含むことができる。本発明の態様において、大半のワイヤーは円形のプロファイルを有する。本発明のさらなる態様においては、大半の円形ワイヤーは、約0.0508mm(0.002インチ)以下の外径を有する。本発明のさらなるまたの態様においては、ワイヤーは、0.0381mm(0.0015インチ)以下の外径を有する。さらに、本発明のまたの態様においては、大半のワイヤーは、約0.0254mm(0.001インチ)以下の外径を有する。
【0031】
ワイヤーは、適切であれば任意の材料を含むことができる。本発明の態様において、ワイヤーは金属を含む。特に好ましいワイヤーはニチノールを含むことができる。本発明のさらなる態様において、ワイヤー放射線不透過性材料を含むことができる。本発明のさらなるまたの態様において、放射線不透過性材料は、白金、イリジウム、金、及び白金/イリジウム合金からなる群から選ばれる金属を含むことができる。
【0032】
編上げ構造は任意数のワイヤーを含むことができる。本発明の態様において、編上げ構造物は、32以上のワイヤーを含む。本発明のさらなる態様において、編上げ構造物は、48以上のワイヤーを含む。本発明のさらなるまたの態様において、編上げ構造物は、60以上のワイヤーを含む。
【0033】
編上げ構造物は、任意の編組角で配向したワイヤーを含むことができる。本発明の態様において、第一拡張可能部の編上げ構造物は、第一角度で配向された複数のワイヤーを含み、一方、デバイスの少なくとも一部分は、第一角度とは異なる第二角度で配向されたワイヤーを含む編上げ構造物を含む。本発明のさらなる態様において、編上げ構造物の縦軸から測定されると、第一拡張可能部の編上げ構造物は、約10度以下の角度で配向されたワイヤーを含む。本発明のさらなるまたの態様において、縦軸から測定されると、第一拡張可能部の編上げ構造物は、約8度以下の角度で配向されたワイヤーを含む。本発明のさらなるまたの態様において、近位部及び遠位部の少なくとも一部分は、第一拡張可能部のワイヤーの角度と同一の角度で配向された複数のワイヤーを含む。本発明のさらなる態様において、近位部の少なくとも一部分は、第一拡張可能部とは異なる角度で配向された複数のワイヤーを含む。例えば、図13において、編上げワイヤーを含む編上げ構造物4が表されている。編上げ構造物の近位端Pにおいて、ワイヤーは比較的高い第一角度で編み上げられ、一方、遠位端Dにおけるワイヤーは、比較的低い第二角度で編み上げられ、編組角は、編上げ構造物の縦軸Lから測定される。高い角度の編上げ部は、比較的低い編組角で形成されるシャフトよりもさらに抵抗力のあるねじれを有するカテーテルシャフトとして利用性があることに関して、本発明のこの態様は特に有用になり得る。その上、低い編上げ角度は、拡張可能部として特に有用になり得る(低い編上げ角度は、高い編上げ角度と比較した時に拡張可能部の適切な拡張を可能とし得る。)。
【0034】
好ましい編組角は、好ましいピクスパーインチ(PPI)の設定まで機械の設定を行うことによって、容易に利用可能な編上げ機械を用いて得ることが可能であることを理解されたい。PPIがより高ければ、編組角はより高くなる。特に好ましいデバイスは、約0.254(0.01インチ)の内径を有することができ、そして、約7度(例えば、約26PPI)の編組角を有する拡張可能部、及び約21度(例えば、約80PPI)編組角を有する近位部を含むことができる。このように、公知の編上げ機械を用いて、本発明による編上げ構造部は、様々な編組角を有する任意数のセクションで組み立てることができる。述べたように、編組角は機械に設定を加えることによって得られる。そのような機械を使用して、編上げ構造物に形成される「移行領域」をもたらすことになる。機械設定が一つの設定から次の設定まで変化する場合に、編組角は、この移行領域においては、二つの設定角のおよそ間の角度になる。
【0035】
そのような移行領域は、図14中の領域18として、一般的に表される。いくつかの方法は、大きさを縮小し、除去し、又は移行領域を覆うために用いることができる。例えば、編上げ機械を停止して、編上げ構造部がしっかりと固定されている間に編組角の設定を変え、その後機械を再始動することによって、移行領域の大きさを縮小することができる(そして、除去さえもすることができる。)。本発明の態様において、編上げは1センチメーター未満で高角度から低角度まで変化する。本発明のさらなるまたの態様においては、編上げは5mm未満で高角度から低角度まで変化する。本発明のさらなるまたの態様においては、編上げは3mm未満で高角度から低角度まで変化する。
【0036】
その上、例えば、移行領域に剛性を加えるために、例えば金属、ポリマー、又はスクリンプで全部又は部分的に覆うことができる。さらに、移行領域を有する編上げ構造は、まず、適切なポリマーで少なくとも部分的に組み込むことができ、その後、安定なデバイスを形成するために、メタルチューブ(好ましくは、放射線不透過性材料)は熱をかけられ、編上げ構造の移行領域の周辺で圧搾される。もし、メタルチューブが放射線不透過性材料を含むなら、チューブは、医者が好ましい対象領域までデバイスを案内するのを助けるマーカーバンドとして機能することができる。
【0037】
上記に述べられた実施態様は、例えば、図15に表わされ、その図には、メタルチューブ14が、拡張可能部4のちょうど近位に配置された移行領域上に配置される。結合領域(上記に述べられた)を覆うためにメタルチューブを使用するのと同様に、この実施態様のメタルチューブ14もまた、近位部の外径と同一平面状になるように、近位部2の表面に組み込まれる。このように、デバイス長に沿って、比較的滑らかで、連続的な外表面を提供する。さらに、メタルチューブは、適切であれば任意の金属を含むことができる。本発明の態様において、メタルチューブは、放射線不透過性材料を含む。勿論、必要であれば、さらなるマーカーバンドを拡張可能部4の遠位に配置することができる。
【0038】
本発明の態様において、二つ以上の異なる編組角であって編上げ構造セクションを共に結合することによって移行領域を除去することができる。
【0039】
近位部、遠位部、及び、用いられる場合には中間部の編上げ構造部中に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーは適切であれば任意のポリマー材料を含むことができる。例えば、ポリマーは、ポリイミド、PEBA、ポリウレタン、ナイロン、ポリエチレン、及びシリコーンからなる群から選ばれる材料を含んでよい。その上、ポリマーは、適切なフィラー材料をさらに含むことができる。例えば、適切なポリマーは、ポリマー全体に分散されるPTFEフィラーを含有するポリイミドを含むことができる。本発明の態様において、近位部、遠位部、及び用いられる場合には中間部の実質的に完全な長さで、ポリマーは実質的に完全に編上げ構造部に組み込む。その上、外側のポリマー層は、ポリマーキャップを備えるデバイスを提供するために提供することができる。ポリマーキャップは、編上げ構造部の外側の直径を増加させ、そして、デバイスの特性をさらに改良することができる。拡張可能部が拡張する時に(例えば、コアワイヤーの近位端を近位に引っ張ることによる)デバイスの外径の残りの部分が実質的に変化しないようにするために、医師がデバイスを前進させることを可能とする必要な剛性をデバイスに提供し、さらにまた、構造的なサポートをデバイスに提供するために、ポリマーは選択されるべきである。その上、デリケートな脳血管系を通って、デバイスが進むことを可能とするために、ポリマーは、また、必要な可撓性をデバイスに提供する。さらに、デバイスの長さに沿って可撓性の変化を提供するために、ポリマーの組成物はデバイスの長さに沿って変化してもよい。
【0040】
本発明のさらなる態様において、ポリマー材料は放射線不透過性材料を含んでよい。例えば、ポリマーは、硫酸バリウム、三酸化ビスマス、等からなる群から選ばれる材料を含んでよい。本発明の態様において、編上げ構造部の近位部と遠位部は、約0.508(0.020インチ)以下の外径を有することができる。本発明のさらなる態様において、編上げ構造部の近位部と遠位部は、約0.4318mm(0.017インチ)以下の外径を有することができる。
【0041】
本発明のさらなる態様において、編上げ構造部は、約0.254mm(0.010インチ)の内径と約0.3556mm(0.014インチ)の外径を有することできる。その上、そのような実施態様において、充分に編上げ構造部を含浸すると、ポリマーは約0.254mm(0.010インチ)の内径と約0.4064mm(0.016インチ)の外径を有することができ、このようにして、編上げ構造部の近位部と遠位部の周りに0.0254mm(0.001インチ)ポリマーキャップを提供する。さらなるまたの態様において、近位部と遠位部間のインナーライナーとして機能するために、ポリマーの少なくともいくつかは含浸することができる。そのような場合に、ポリマーは、約0.254mm(0.010インチ)(約0.2794mm(0.011インチ))の内径を有する編上げ部を備える)の内径と約0.381mm(0.015インチ)の外径を画定することができる。その上、編上げ構造部は、約0.381mm(0.015インチ)の外径を有することができる。さらに、デバイス近位部が適切なチューブ構造部(例えば、カテーテルシャフト)に取り付けられる場合に、チューブ構造部は、編上げ構造部の近位部及び遠位部と本質的に同一の内側と外側のディメンションを有することができる。
【0042】
述べたように、デバイスは非侵襲的構成要素5を含む。非侵襲的構成要素は、ポリマーチューブ構造部、メタルコイル、等の形態でよい。非侵襲的構成要素がメタルコイルを含む場合に、金属は、例えば、白金、白金/イリジウム、ステンレススチール、及びニチロールからなる群から選ばれる材料を含んでよい。本発明の態様において、非侵襲的構成要素は放射線不透過性の白金/イリジウム合金を含む。非侵襲的構成要素は、遠位部の内径よりも大きい外径を有するが、編上げ構造部のルーメンの中でコアワイヤーを中心に置くのを促進するために、遠位部のルーメンに入る縮小した外径のセクションをさらにまた含んでもよい。非侵襲的構成要素のこのセクションは、先細い直径のコイル又は第二コイル、等であってよい。
【0043】
デバイスの実質的全長に延在するコアワイヤーを、デバイスはさらに含み、コアワイヤーの遠位端は非侵襲的構成要素に取り付けられる。コアワイヤーは、例えば、ステンレススチール及びニチロールからなる群若しくはePTFE、ポリエステル、KevlarTMファイバー、等を含むポリマーフィラメントの群から選ばれる材料又はマルチファイバーコンポジットを含むことができる。それは、先細い外径をさらに含むことができ、結果として、例えば、デバイスの可撓性を遠位に増加させることになる。コアワイヤーの遠位端は、標準的な技術を用いる医師によって非侵襲的な先端形状を可能とする矩形プロファイルまで回転するセクションを含んでもよい。その上、コアワイヤーは、ポリマーチューブ、メタルチューブ、又はチューブを形成するために共に溶融するePTFEフィルムの不連続な層からなるフィルムチューブのような任意の適切材料のチューブ構造部でもよい。チューブ構造部は中身の詰まったものでもよいし、中空でもよい。チューブ構造部が中空である時、中空チューブは、第二デバイス、又は適切な液(例えば、コントラスト流体、含酸素液、又は血栓溶解液)を可能とするために設計されて脳血管系デバイスの遠位部の遠位地点までチューブの中を通過することができる。
【0044】
図16において、代表的なコアワイヤー12が表わされている。参照すると、コアワイヤーの外径は、一方の端部において比較的大きな外径である第一部より、比較的小さな外径である第二部、そしてさらなる比較的小さな外径である第三部、等まで、徐々に先細くなる。任意数の区別可能なテーパー形のセクションが提供され得るか、又はワイヤーの全長にわたって、比較的一定なテーパー形も提供され得る。図17で表わされているように、コアワイヤー12は、コアワイヤー12に適合する一つ以上の外側のコイル5と13を取り付けることができる。外側のコイル5と13は、例えば、コアワイヤーの長さに沿って、コアワイヤーの剛性を変化させるために用いることができる。外側のコイルは、例えば、金属でよく、そしてコアワイヤーの長さに沿って一つ以上地点でコアワイヤー12に、はんだ付けをすることができる(又は他の方法としては貼付することも可能であって、例えば接着の方法が可能である。)。本発明の態様において、コイルは、例えば、白金、金、イリジウム、又は白金/イリジウム合金のような放射線不透過性金属でよい。図示されているように、コイル5と13は、お互いに重なり合って、19でコアワイヤー12にはんだ付けをされる。その上、図示されているように、コイル5はまた、コアワイヤー12の遠位端ではんだ付けされた(又はその他の方法として貼付された)先端部17を含む。本発明の実施態様において、コイル5は、編上げ構造部の遠位部の遠位に配置され得る。その上、デバイスが組み立てられるとき、コイル13の少なくとも一部分は、編上げ構造部の遠位部の中で近位に延在することができる。
【0045】
カテーテルシャフトを固定している間に医師が近位方向にコアワイヤーの近位端を引っ張る場合に、第一拡張可能部が拡張されることを、今、理解されたい。その後、非侵襲性構成要素がデバイスの遠位部に近位な力を加え、その結果、第一拡張可能部が放射状に拡張することになる。近位部と遠位部の編上げ構造部に組み込まれたポリマーが、これらの部を放射状に抑圧するように機能するので、これらの部が拡張することを防止することができる。
【0046】
そのデバイスは、少なくとも一つの放射線不透過性マーカーバンドをさらに含むことができる。上記で述べられたようなマーカーバンドは、ポリマー材料中に提供される凹部に存在することができる。少なくとも一つの放射線不透過性マーカーバンドが、第一拡張可能部に対して近位及び/又は遠位に提供され得る。
【0047】
本発明の実施態様において、拡張可能部は、拡張していない状態で、約1cm以下の長さを有する。本発明のさらなる態様において、拡張可能部は約5mm以下の長さを有する。本発明のさらなるまたの態様においては、拡張可能部は約4mmの長さを有する。
【0048】
上記で述べたように、コアワイヤーがデバイスの近位部に対して近位な方向に動くとき、拡張可能部は放射状に拡張する。拡張されたとき、第一拡張可能部は任意の適切な直径を有することができる。本発明の実施態様において、第一拡張可能部の最大拡張直径は約6mm以下である。本発明のさらなる態様においては、第一拡張可能部の最大拡張直径は約4mm以下である。本発明のさらなるまたの態様においては、第一拡張可能部の最大拡張直径は約3.3mm以下である。
【0049】
そのデバイスは、編上げ構造の近位端、又は、場合によってはカテーテルシャフトの近位端に連結されるか、そうでなければ貼付されるハンドルをさらに含むことができる。そのハンドルは、患者の血管系を通ってデバイスの操作を可能とすると共に、デバイスの拡張可能部を拡張するための機構を備えている。例えば、図18、19、及び20において、適切なハンドル構造が表わされている。デバイスシャフト又は編上げ構造近位部2は、ハンドル20の遠位端に取り付けられていることが表わされている。ハンドル20は、遠位筐体22の遠位端に張力緩和セクション21を含む。リブセクション24を含む近位のパンドル部23は、遠位の筐体22に連結される。ピン26は、コアワイヤー12を近位の筐体27に固定するために提供され得る。近位の筐体27は、近位部23上に適合する。近位の筐体27は、カンチレバーアーム29を含む。その上、近位部23は、また、近位の筐体27中に螺旋形のスロット30に適合するような大きさであるピン又は突起部25を含む。最後に、ハンドル20は、安全ロック/ピン28とエンドキャップ31を含むことができ、そのキャップは近位の筐体27に挿入可能である。
【0050】
ハンドル20を操作するために、安全ロック/ピン28は取り除かれ、そして近位の筐体27は、近位部23と遠位の筐体22に対して回転する。回転は、コアワイヤー12をゆっくりと引っ張り出す。このようにして、第一拡張可能部4(及び、存在すれば、第二拡張可能部10)が放射状に拡張することを引き起こす。リブセクション24が引っ込む場合に、カンチレバーアーム29と共に、リブセクション24は、コアワイヤーを徐々に固定することを可能とする。
【0051】
本発明によるデバイスを作製する方法は、編上げ構造部の長さ方向に延在するルーメンを有するその好ましい編上げ構造部を形成することを含む。その後、編上げ構造部は、安定なポリマー材料を少なくとも部分的に(好ましくは本質的に完全に)組み込むことができ、例えば、安定なポリマーの中に編上げ構造部を浸漬コーティングすることによって組み込むことができる。一度、ポリマーがキュアされると、編上げ構造部の遠位先端近くの好ましい長さの編上げ構造部からポリマーを取り除くことによって、第一拡張可能部を得ることが可能である。ポリマーを取り除く適切な方法は、例えば、レーザー切除法、磨耗法(例えば、マイクロ磨耗法)、等を含む。
【0052】
第一拡張可能部を形成するためにポリマーを取り除いた後、適切な非侵襲的構成要素はデバイスの遠位先端に配置することができる(例えば、デバイスの遠位端に対して遠位部)。非侵襲的構成要素は、デバイスの遠位部に結合される必要はなく又は貼付される必要もない。その後、適切なコアワイヤーは、非侵襲的構成要素5の遠位端から近位端まで貼付することができ、その後デバイスの遠位セクションのルーメンの中を通って挿入され、コアワイヤーの近位端が、デバイスの近位セクションのルーメンの中を通過して延在するまで近位に前進する。コアワイヤーは、任意の適切な金属のような、任意の適切な材料でよい。コアワイヤーは、その長さ上で剛性を変化させるために調整することができる(例えば、近位端で比較的剛性であり、遠位端に向かうにしたがって比較的可撓性になる。)。コアワイヤーは、任意の適切な方法で非侵襲的構成要素に取り付けられてよい。
【実施例】
【0053】
本発明の範囲を限定するつもりはなく、次の実施例は、本発明によるデバイスが、どのように作製されて使用されるかを例証する。
【0054】
名目上の直径が0.0254mm(0.001インチ)であるニチロールワイヤーを、例えば、Fort Wayne Metals(インディアナ州、Fort Wayne)から入手することができる。このワイヤーは16ボビンで巻きつけることができ、ワイヤーの3つの端部が各々のボビン上にある。26PPI(又はマンドレルの縦軸から測定して約7度)で適切な0.254mm(0.010インチ)マンドレル(例えば、銀メッキ銅)上にこのワイヤーを編上げすることができる。その後、PEBAXTM7033樹脂がマンドレル表面に至るまで、編上げ構造部を充分に含浸するように、そのワイヤーはその樹脂で浸漬コーティングすることができる。外側の直径が0.4064mm(0.016インチ)になるまで、複数回の浸漬/熱処理工程を適用することができる。その後、このチューブは180cm長まで切断することができる。その後、チューブの遠位端から2mmの位置にあるチューブの4mmセクションにおいて、ワイヤーの損傷がない間に、適切な波長のエキシマーレーザーは、ポリマーを充分に除去するために用いることができる。拡張可能部を形成するためにポリマーを取り除くためのレーザー除去方法の一つの代替手段として、高速度ガス流中で適切な研磨材料を利用して、磨耗することによってポリマーを取り除くことが含まれる。一つの典型的な方法において、25ミクロンの平均的な粒子サイズを有する重炭酸ナトリウムが、30−120psiの空気流中で混合されることが可能であり、小さなオリフイスを通過してチューブの部分に向かうことが可能である。表面の衝突時に、研磨粒子は、ワイヤーに少しか損害を与えないか又は全く与えないで、ポリマーを除去するために作動する。0.2032mm(0.008インチ)直径の2メートル長のステンレススチールからなるコアワイヤーを得ることが可能である(例えば、オレゴン州、Tualatin、PWC、Precision Wire Componentsから得ることが可能である。)。ワイヤーは、直径で0.0508mm(0.002インチ)までになるテーパー形の遠位な25cm部分上に接地することが可能である。遠位な1cm部分は、0.0254mm(0.001インチ)の短いエッジ部を備えた平面にすることができる。0.0381mm(0.0015インチ)の白金/イリジウム合金ワイヤーの小さなコイルは、外径0.254mm(0.010インチ)から0.1778mm(0.007インチ)までになるテーパー形であって、11mm長の形態で生産することができる。このコイルは、遠位端からコアワイヤー28mm上まではんだ付けすることができる。0.0508mm(0.002インチ)の白金/イリジウム合金ワイヤーの別のコイルは、内径0.254mm(0.010インチ)を有する33mm長になる形態で生産することができる。このコイルは、コアワイヤーの遠位先端部で足並みをそろえられたコアワイヤー上に配置することが可能であり、約5mm程度、テーパーコイル上に重なりあることが可能である。このことは、より小さなコイル上に、はんだ付けすることが可能であり、さらに、コアワイヤーの遠位先端部まで、はんだ付けすることが可能となる。
【0055】
テーパー形のコイルがデバイスの遠位部の中に引っ張られるまで、コアワイヤーの近位端は、編上げチューブの内径を通過して取り付けられ得る。このようにして、コアワイヤーをルーメンの中心部に配置することができる。
【0056】
デバイスは、たいへん繊細で、複雑に入り組んだ脳血管系から血栓を取り除くために使用することができる。デバイスを使用することの一つの方法は、よく知られた技術(例えば、経皮的にデバイスを導入する)を使用してデバイスを導入することを含む。公知のマイクロカテーテルを通過して脳血管系の対象領域まで、デバイスは進むことができる。勿論、マイクロカテーテルを必要とすることなく前進するように、充分な可撓性及び押込力伝達性を有するように、デバイスが設計されているなら、マイクロカテーテルの使用は必要としなくてよい。本発明の態様において、対象の血管において血流が逆行している間、デバイスは対象領域まで前進する。本発明のさらなる態様において、順行の血流状況下において、デバイスは、対象領域のちょうど近位である地点まで前進することができ、そして、逆行の血流状況下においては、対象領域に配置された血栓をデバイスの遠位の先端部が交差するように前進することができる。逆行の血流は、対象血管に吸引を適用するか、又は例えば、主題については本願において引用して援用される、US特許No.6929634号のDorrosらによって教示される方法と装置を用いた通常の生理的な操作のような任意の適切な方法によって得ることができる。一旦、血栓がデバイスの少なくとも第一拡張可能部によって交差されると、その拡張可能部は、拡張することが可能であって、好ましくは、依然として逆行の血流状況下で近位方向に血栓は引っ張り戻されて、結果として患者から血栓を取り除くことが可能である。充分に付着した大きな血栓のいくつかの場合において、デバイスの拡張可能部の拡張と縮小の循環によって、血栓を柔軟にするか、又は血栓をより小さな片に分解するために、デバイスの拡張可能部を使うことは特に有用である。
【0057】
本発明の特定の実施態様が、ここにおいて例証されて記載されたが、本発明は、そのような例証及び記載に限定されるべきではない。次の特許請求の範囲の範囲内であれば、本発明の一部として、変更例及び変形例は包含されて具体化されてよいことは明白である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の血管系から血栓又は他の異物のような対象物を取り除くことに有用であるデバイスに関する。特には、本発明は、患者の血管系から血栓を取り除くことに有用であるデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
閉塞した血管に開存性の修復をする機械的な手段の利用はよく知られている。血栓の水圧除去、石灰化プラークのための回転カッティングブレード、血栓を粉砕するか若しくは引っ張るための拡張手段、又は自己拡張するか若しくは血管を見つけ出すために拡張することができる多様な金属構造部まで及ぶ範囲内で、これらのデバイスは多様なカテゴリーに適合する。
【0003】
これらのデバイスの例は、塞栓除去術の目的のためのバルーンカテーテルの改良を詳述している米国特許番号3367101号、3435826号、及び4403612号中で、Fogartyによって述べられている「Fogarty Catheter」まで遡る。多くの適用に対して適切であっても、繊細で、曲がりくねった脳血管系を通って、バルーンを引っ張ることは薦められない。また、現況の先行技術バルーンカテーテルのプロファイルを交差させることは、典型的な神経血管系付属物(例えば、マイクロカテーテル)と共に使用することに制限を加えるであろう。
【0004】
また、機械的に拡張したデバイスは、閉塞除去の分野においてよく知られている。Clarkは、米国特許3996938号において、血栓除去ために、拡張する編上げ部の利用について特に注目した。彼の教示によれば、編上げ部の遠位端に取り付けられた内部コアワイヤーによって伝達された圧縮力で拡張する編上げ部が利用された。
【0005】
結石除去、血餅除去、異物除去等の分野において、このテーマの多くのことが改良されている。これらの全ては、自己拡張するか又は伝達される圧縮荷重で機械的に拡張する、ある特質のアセンブリである。これらの例示は、かごの平行の脚により、体が回復かごに入ることを可能とすることを教示するBateの米国特許6800080号、かごが自己拡張して、提供されたシースの中で縮小することを意図することを教示するBateの米国特許5496330号、「固定して取り付けられたコアワイヤー」のため「伝達」状態で縮小した状態のままの自己拡張の円錐形のかごについて述べているEngelsonの米国特許6066158号、及び一連の編上げ拡張機からなるアセンブリについて述べているSamsonの米国特許6066149号において確認することができる。
【0006】
これらのデバイスが的確に作動する間においては、デバイスは神経血管系中に適用することの目的に対処できない、すなわち、デバイスの交差形状(例えば、断面領域)を最小限にする。一般的に、これらは、全て、所定の位置で溶接するか又は環状の部品を用いて固定して取り付等をするために必要である多数の構成要素からなる組立デバイスである。これらの発明のデバイスが、繊細で、曲がりくねった神経血管系にアクセスするために用いられる、医師による好ましいマイクロカテーテルに対して、如何に相性がよいかどうかを確認していない。
【0007】
多くの発明において、交差形状の問題は、マイクロカテーテルの中を通過することを意図しない固定されたワイヤーアセンブリを説明することによって回避している。むしろ、ワイヤーアセンブリは、太い血管系の閉塞部の充分に近位に位置する太い案内カテーテルから進んでいくことが意図される。SamsonのUS特許6066149号は、このタイプのアセンブリの例示である。実施態様で実証されているように、そのデバイスは、ワイヤー端部が環部品の中に組み込まれているアセンブリである。伸縮自在のコアワイヤーは、従来の遠位終端部のガイドワイヤー先端部の役割をも果たす。この先端部はガイドワイヤーの案内を提供し、交差する血餅を破裂する能力を提供する。一方、デバイスの大きな本体は拡張部を包含する。おそらく、容易にアクセス可能な閉塞部に対しては充分に適切であっても、これは予期される主流の脳血管の場合や医師が望むことに対応することはできない。この場合に、手術の前に血餅に対して遠位に位置する部分を血管造影法によって可視化をするために、マイクロカテーテル/ガイドワイヤーの組み合わせが血餅を横切る経路を作り出す目的で用いられる。
【0008】
Wenselは、米国特許5895398号において神経血管系の適合性を達成するためのさらに小さなデバイスのニーズを示唆した。この公報において、彼はマイクロカテーテルによって運搬するために、直線状である螺旋形のワイヤーの使用を教示した。「コルクスクリュー」に成形された単一のワイヤーを用いることによって、彼は、大きなプロファイルの結果になる多くの他の先行技術において要求されるコンプレックスアセンブリ工程を回避した。残念ながら、彼の発明は、マイクロカテーテルの使用の禁止の必要性を述べた。典型的には、医師が好ましく用いるマイクロカテーテルは、ワイヤーが直線状の形になる能力を備えない遠位端で優れた可撓性を有する。このことは、「コルクスクリュー」を柔軟にすること(血餅を抽出する能力を下げる)又は剛性を有する特別なマイクロカテーテルを作製することとトレードオフの関係となり、手術によるアクセスを制限することとなる。また、Wenselの教示は、単一の螺旋形のワイヤーのみからなるデバイスが本質的に大きい間隙を備えることにより、血餅を除去する間に微粒子の遠位な移動を防止するための最適化を構造上できない結果となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、脳血管系デバイス及びそれを作製する方法に関する。
その脳血管系デバイスは、
複数のワイヤーを含む連続する編上げ構造部であって、該編上げ構造部が、近位部と、遠位部と、該近位部と該遠位部間の第一拡張可能部と、該近位部から該遠位部まで延在するルーメンとを有し、
該近位部と該遠位部が、それぞれ、外径と内径を有し、さらには該編上げ構造部に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーを含む、編上げ構造部、
近位端と遠位端を有するコアワイヤーであって、該コアワイヤーが、該ルーメン内に配置され、かつ、該編上げ構造近位部から該編上げ構造遠位部の地点又は遠位に延在する、コアワイヤー、並びに、
該コアワイヤー遠位端に取り付けられ、かつ、該編上げ構造遠位部の内径と少なくとも等しい外径を有する非侵襲的構成要素、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付された図面とともに検討された場合には、本発明の実施は、次の記述から明確である。その記述は以下のとおりである。
【0011】
【図1】図1は、本発明の態様にしたがった代表的な脳血管系デバイスを表わす。
【図2】図2は、図1のデバイスの概略断面を表わす。
【図2A】図2Aは、図2のデバイスのバリエーションを表わす。
【図3】図3は、本発明の態様にしたがった代表的な脳血管系遠位サブアセンブリデバイスを表わす。
【図4A】図4Aは、本発明の態様にしたがった図3のデバイス及びカテーテルシャフトを表わす。
【図4B】図4Bは、組立形態の図4Aのデバイスを表わす。
【図5A】図5Aは、本発明の態様にしたがったさらなる代表的なデバイスを部分断面で表わす。
【図5B】図5Bは、拡張状態の拡張可能部を備える図5Aのデバイスを部分断面で表わす。
【図6】図6は、本発明のさらなる態様したがった、さらなる代表的なデバイスを表わす。
【図7A】図7Aは、本発明の態様にしたがった、さらなる実施態様を表わす。
【図7B】図7Bは、本発明の態様にしたがった、さらなる実施態様を表わす。
【図8】図8は、本発明の態様にしたがった、さらなる実施態様を表わす。
【図9】図9は、本発明の態様にしたがった、デバイスの縦部分断面である。
【図10】図10は、本発明の態様にしたがったデバイスを表わし、第一拡張可能部が拡張状態にあることを表わす。
【図11】図11は、本発明の態様にしたがった、さらなる実施態様を表わす。
【図12】図12は、図11のデバイスを表わし、第一拡張可能部が拡張状態にあることを表わす。
【図13】図13は、本発明の態様にしたがった、編上げ構造物を表わす。
【図14】図14は、本発明の態様にしたがった、編上げ構造物を表わす。
【図15】図15は、本発明の態様にしたがった、さらなる代表的なデバイス表わす。
【図16】図16は、本発明の態様にしたがった、コアワイヤーを表わす。
【図17】図17は、本発明の態様にしたがった、コアワイヤーと非侵襲的構成要素アセンブリを表わす。
【図18】図18は、本発明の態様にしたがった、ハンドルアセンブリの分解図を表わす。
【図19】図19は、図18で示されたハンドルアセンブリの断面分解図を表わす。
【図20】図20は、充分に組み立てられた状態である、図18のハンドルアセンブリを表わす。
【発明を実施するための形態】
【0012】
その脳血管系デバイスは、
複数のワイヤーを含む連続する編上げ構造部であって、該編上げ構造部が、近位部と、遠位部と、該近位部と該遠位部間の第一拡張可能部と、該近位部から該遠位部まで延在するルーメンとを有し、
該近位部と該遠位部が、それぞれ、外径と内径を有し、さらには該編上げ構造部に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーを含む、編上げ構造部、
近位端と遠位端を有するコアワイヤーであって、該コアワイヤーが、該ルーメン内に配置され、かつ、該編上げ構造近位部から該編上げ構造遠位部の地点又は遠位に延在する、コアワイヤー、並びに、
該コアワイヤー遠位端に取り付けられ、かつ、該編上げ構造遠位部の内径と少なくとも等しい外径を有する非侵襲的構成要素、
を含む。
【0013】
典型的で限定ない本発明のある態様を実証する幾つかの実施態様を参照すると、本発明はよく理解される。
【0014】
図1を参照すると、本発明にしたがって、脳血管系デバイス1が示されている。図で示されているように、脳血管系デバイス1は、近位部2、第一拡張部4、遠位部3、及び非外傷性構成要素5を含む。そのデバイスは、外径、内径、及び連続的な網目構造の近位部からその遠位部まで伸長するルーメンを有する連続的な網目構造を含む。さらに、近位部2と遠位部3は、網目構造に中に少なくとも部分的に組み込まれたポリマー6を含む(図2に示される。)。さらに、そのデバイスは、近位端と遠位端を有するコアワイヤー12を含み、コアワイヤーは、ルーメンの内部に配置されて、網目構造近位部から網目構造遠位部の遠位な大部分よりも遠位な地点まで伸長する。コアワイヤー12は、細いテーパー形のステンレススチールワイヤーでよいが、限定されることなく、ニチロールワイヤー、ポリマーフィラメント(限定されることはないが、延伸ポリテトラフルオロエチレン(「ePTFE」)、ポリエステル、KevlarTMファイバーを含む)、及びチューブ構造物等を含む材料のいかなる材料から構成されてもよい。コアワイヤー12の遠位端は伸長して貫通し、非外傷性構成要素5、この場合においてはコイルに取り付けられる。ポリマーチューブ構造物のような他の適切な材料が非外傷性構成要素5に対して使用することができる。非外傷性構成要素5は、網目構造遠位部3の内径と少なくとも等しい外径を有する。また、コアワイヤー12及び非外傷性構成要素5の遠位先端で先端17が表される。
【0015】
図2は、A−Aに沿って切られた、図1において表されるデバイスの断面であって、ポリマー6が網状構造物8を組み込んでいるところを示している。そのうえ、ルーメン7が網状構造物8とポリマー6の内径によって画定されることを示している。さらに、ルーメン7中に配置されたコアワイヤー12が表されている。
【0016】
図2Aは、図2の代替図を示し、ルーメン7が内部ポリマー層6によって画定される。内部ポリマー層6は任意の適切なポリマー材料でよいし、コーティング、薄いチューブ等として提供されてよい。本発明の一つの態様として、ポリテトラフルオロエチレンのような内部ポリマー層6は、潤滑性ポリマーを含む。本発明のさらなる態様として、内部ポリマー層6は、網状構造物を組み込むために用いられる同一のポリマーによって形成される。内部ポリマー層6は、任意の好ましいデバイス長に伸長することができる。本発明の一つの態様として、内部ポリマー層6は、近位部2から遠位部3の遠位の大部分まで伸長する。
【0017】
図1のデバイスの近位部2は、デバイスのカテーテルシャフト全体としての機能を果たすことができる。本発明のさらなる態様として、デバイスのカテーテルシャフトは、網状構造物を組み込んだポリマーとは異なる材料を含んでもよい。この点においては、連続的な網状構造物は、適切な近位なカテーテルアセンブリに取り付けられてよい遠位なサブアセンブリの一部分であってよい。
【0018】
本発明の態様にしたがって、適切な遠位サブアセンブリが、図3において示される。その遠位サブアセンブリは、近位部2と遠位部3を含み、各々が、網状構造物中に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーを含む。さらに、遠位サブアセンブリは、近位部2と遠位部3の間に配置された第一拡張部4を含む。さらに、非外傷性構成要素5が表されている。また、コアワイヤー12と先端17が表され、デバイスの遠位の大部分に配置される。
【0019】
今、図4Aを参照すると、カテーテルシャフト9に取り付けられる前の上記で述べられた遠位サブアセンブリが示されている。カテーテルシャフト9は、任意の適切なチューブ構造部、例えば、ポリマー組み込み網状構造部、ポリマーチューブ、金属チューブ(例えばハイポチューブ)、等を含むことができる。チューブ構造部は、近位地点から遠位地点まで柔軟に変化をすることができる。本発明の実施態様において、チューブ構造部の遠位地点は近位地点よりも可撓性を有してよい。また、カテーテルシャフト9は、カテーテルシャフト9の全長まで伸長することができるルーメンを含む。一度、カテーテルシャフト9と遠位サブアセンブリが一緒に取り付けられると、カテーテルシャフト9のルーメンは、遠位サブアセンブリのルーメンと連通するであろう。カテーテルシャフト9と遠位サブアセンブリは、恒久的又は取り外し可能的に一緒に取り付けることができる。任意の適切な手段はカテーテルシャフト9と遠位サブアセンブリを取り付けるために用いることができる。本発明の実施態様において、カテーテルシャフト9と遠位サブアセンブリは結合によって取り付けられる。その結合は、例えば、結合域に適切なチューブ部材を圧着するか、焼き嵌めをするかによって補強することができる。例えば、図4Bを参照すると、シャフト9と近位部2間の結合域は、14で表されるように、適切なメタルチューブで覆うことができる。平らな外径のデバイスの表面を提供するために、メタルチューブ14は、シャフト9と近位部2の各々の外側の表面に圧搾することができる。メタルチューブ14は任意の適切な金属を含むことができる。本発明の実施態様において、金属チューブ14は放射線不透過性金属を含む。また、金属チューブ14と結合域に配置されたポリマーチューブ15が表されている。ポリマーチューブ15は任意の適切なポリマー材料であってよい。本発明の実施態様において、ポリマーチューブ15は焼き嵌めポリマーチューブである。ポリマーチューブ15は結合域をさらに補強することを提供することができる。
【0020】
本発明の実施態様において、カテーテルシャフト9は、取り外し可能的に遠位サブアセンブリに取り付けられる。それゆえ、必要ならば、遠位サブアセンブリは埋め込み可能なデバイスとして使われてよい。例えば、閉塞デバイスとして作動するか、動脈瘤を処置するか、フィルタとして作動するか、又は血管を拡張する等の目的のために、拡張した状態でデバイスを体内に残すことが好ましい。これらの場合において、遠位サブアセンブリは、前述したのと同じ方法で作製することができるが、カテーテルシャフトにサブアセンブリを取り外し可能に取り付けるための適切な方法を用いてもよい。カテーテルシャフトに遠位サブアセンブリを取り外し可能に取り付けるための適切な手段を使用することができ、その手段は、電気腐食手段、並びに、摩擦嵌合及びフックとループ等を含む機械的な手段を含むが、これらに限定されない。
【0021】
図5Aと5Bは、一つの典型的な取り外し可能な取り付けの実施態様を示し、コアワイヤー12は、網状構造の遠位部3より遠位な地点から、拡張部4を通って、近位部2より近位な地点まで、近位方向に延在する。拡張可能部4より近位な地点で、コアワイヤー12はループ形状になるか、又はコアワイヤー12はループ形状のワイヤーに取り付けることができる。図5Aに示されるように、ループを抑制する目的で近位部が作動するように、ループは、近位部2の内径よりも僅かに大きいサイズとなる。作動ファイバー16(又はワイヤー)はコアワイヤー12のループを通過して配置される。本発明の実施態様において、ファイバーはePTFEファイバーであってよい。ファイバー16の両端は、カテーテルの近位端までずっと、カテーテルシャフト9の内径の中を貫通する。拡張可能部4は、ファイバー16の両端部を近位方向に引っ張ることによって充分に作動することができ、このように、近位部の近位な位置にコアワイヤーのループを引っ張る。図5Bで示されるように、このことは、コアワイヤーのループが開放部を生み出すことを可能とし、拡張した形状で拡張可能部4を維持する。その後、ファイバー16の一つの端部は、遠位サブアセンブリがカテーテルシャフトから自由になれるように、カテーテルシャフトの近位端から引っ張られる。また、この機構は、二つ以上の拡張可能セクションが存在する場合、又は拡張可能セクションの多孔性がフィルムカバーで制御される場合に有効である。例えば、特定の目的のための取り外し可能な遠位サブアセンブリは二つの拡張可能なセクションを有し、一つのセクションは脳動脈瘤の頚部の内部に適合するような大きさ/形であり、もう一方のセクションは親血管に適合するような大きさである。このように動脈瘤中への流れを遮断する。
【0022】
図6は、本発明のさらなるまたの態様を示し、デバイスが、第一拡張可能部4より遠位な位置にある第二の拡張可能部10を含む。また、中間部11が示され、その中間部11は、網状構造物中に少なくとも部分的に組み込まれたポリマーを含むことができる。また、様々な他の方法、すなわち、限定はされないが、網目角の変化、マーカーバンド、ポリマーフィルムカバー、又は熱処理法、等の方法によって、中間部11は形成して拡張を抑制することができる。中間部材11は適切であれば任意の長さでよい。脳血管系から血栓を取り除くためにデバイスを用いる場合に、第一拡張可能部4は、取り除かれる血栓からちょうど遠位のところまで進むことができる。拡張可能部4、10は拡張することが可能であり(例えば、近位にコアワイヤー12を動かすことによって可能である。)、第二拡張可能部10が、血栓から剥がれて遠位方向に浮くことができる残骸物を捕獲する安全機能として働きながら、第一拡張可能部4は近位方向に血栓を引っ張るために用いることができる。本発明の態様において、さらに精巧である血管系に向けて、遠位方向に運ばれた残骸物の可能性をさらに制限するために、血液の逆流状況下でこの手順を実行することができる。そのうえ、第一拡張可能部4及び/又は第二拡張可能部10は外側のポリマーカバーを備えることができる(詳細に後述する。)。
【0023】
本発明の態様において(上述したように)、中間部11は、近位セクション2と遠位セクション3の編み上げとは異なる編組角を有する編み上げ構造物を含むことができる。例えば、図7Aにおいて、本発明の態様にしたがった代替のデバイスが示されている。そのデバイスは、中間部11が拡張可能部4と10の間に配置した状態で、近位部2、並びに拡張可能部4及び10を含む。そのデバイスは、さらに、コアワイヤー12、コアワイヤー12、非外力性構成要素5、及び先端部17を含む。中間部11の編組角を注意深く選択することによって、中間の編上げをポリマーで組み込むか、さもなければ強制手段を提供するかを必要とすることなしで、このセクションが拡張することを抑制する(又は、拡張可能部4と10に対して拡張の程度を制限する)ことが可能である。図7Bにおいて、拡張状態の拡張可能部4と10を備えたデバイスが示されている。拡張可能部4と10が非拡張状態である場合の外径と同一の外径を有する中間部11を示しているが、中間部が任意の好ましい直径の大きさに拡張するように、中間部11の編組角を調節することは可能である。このようにして、拡張した時に、拡張可能部4と10間の距離を制御する。
【0024】
本発明のさらなる態様として、第二デバイスより遠位な地点まで、ルーメン又は中空コアワイヤーを通って進むような適切な大きさのデバイスを本発明にしたがって可能として、二つの拡張可能部間の距離は、ルーメン又は中空コアワイヤーを備えたその第二デバイスを提供することによって制御され得る。例えば、図8で表されるように、第一デバイスは、近位部2、遠位部3、及びそれらの間に配置された拡張可能部4を含む。その第一デバイスは、さらに、コアワイヤー12、非外力性構成要素5、及び先端部17を含む。その第一デバイスは、第二デバイスのルーメンを通って少なくとも部分的に前進することが表されている。その第二デバイス、近位部2、遠位部3、及び拡張可能部4を含む。その第二デバイスは、また、その第一デバイスが通り抜けられることが可能であるような大きさのルーメン又は中空コアワイヤー(図示されていない)を含む。その第二デバイスは、拡張可能部4が拡張するような任意の適切な手段を含むことができ、さらに好ましくは。例えば、上記で述べられたように、非外力性構成要素を含む。本発明の態様において、その第二デバイスは、また、コアワイヤー(例えば、中空コアワイヤー)、コアワイヤーに取り付けられた非外力性構成要素を含み、さらに、上記で述べられたように、先端部を含んでもよい。その先端部は、また、その第一デバイスが通り抜けて、前進が可能なように中空であってもよい。
【0025】
今、図9を参照すると、本発明の態様による部分概略の縦断面が示されている。断面図において、編上げ構造物8を組み込むポリマー6を含む近位部2が示されている。また、第一拡張可能部4と、編上げ構造物を組み込むポリマーを含む遠位部3が示されている。さらに、さらに、コアワイヤー12が示され、そのコアワイヤーはデバイスの近位端から、ルーメンを通って、そして非外力性構成要素5に取り付けられる。非外力性構成要素5は、遠位部3の内径よりも少しだけ大きい外径を有する。本発明の態様において、コアワイヤー12は、デバイスの近位端からルーメンを通って延在して、非外力性構成要素5の近位端に取り付けられる。
【0026】
図10は、図1のデバイスを表し、拡張可能部4が充分に拡張した状態を示す。編上げ構造の近位セクションがしっかりと固定されている間に、コアワイヤー12が近位に縮まる時に拡張可能部4は拡張することができる。本発明の態様において、拡張可能部4は、最大拡張可能状態の時に患者の対象血管に非侵襲的である。その上、最大拡張直径は、患者対象血管の直径よりも等しいか、又は大きくすくことができる。
【0027】
本発明のさらなる態様において、第一拡張可能部(及び/又は第二拡張可能部)は外側のポリマーカバーを提供することができる。図11において、そのようなデバイスの例が示される。そのデバイスは、上記で述べられた形態で表されたものと本質的には同一であり、追加的であるポリマーカバー30が、拡張可能部を囲んで完全に覆う。図12は図11のデバイスを示し、拡張可能部が部分的に拡張した状態を示す。任意の適切なポリマーフィルム、テープ、等は、放射状に膨張する様態で拡張可能部を覆うために利用することができる。例えば、適切なポリマーは。ポリテトラフルオロエチレン(例えば、ePTFE)、ポリウレタン、シリコーン、ポリエステル、ポリエチレン、及び生体吸収性ポリマーを含む。ポリマーカバーは、実際上100%の密封性を有することができるか、又はポリマーカバーにより、任意のバリエーションの多孔性が流速又は粒子分離を制御することを可能にさせる。
【0028】
本発明の態様において、ポリマーカバーは、適切な任意数のePTFEフィルム層を含むことができ、そして、そのePTFEフィルム層は、熱でともに溶融することが可能であって、その後、その微細構造により、拡張可能部4が制限を受けずに放射状に拡張することを可能とするような方法で拡張可能部4の周囲に巻き付けられることが可能である。例えば、ePTFEポリマーカバーは、相互に連結したノードとフィブリルを含むことができ、カバーが小さい直径の状態の時にフィブリルが縦方向に配向されるようにカバーはアレンジされる。その直径が大きくなる状態まで拡張するときに、フィブリルは回転して円周方向に配置することができる。縮小時、カバーの端部は、拡張可能部が長くなる時に引っ張りだすことができる。このことは、フィブリルを縦方向に再調整するために行われる。その後、拡張可能部が縮小することが可能である時に、この同一のフィルムは縮小することができる。典型的な実施態様において、ePTFEフィルムの4層は、一つの上部にもう一方が積み重なり、「巻きたばこ」の巻きつけ形態で5mmステンレス鋼マンドレルの周囲に巻きつけすることができ、さらにフィブリルの大半がマンドレルの軸に垂直になるようにフィルムは配置される。適切であれば任意のePTFEフィルムを使うことができ、様々な巻きつけ方向が可能であるが、約0.3g/ccの密度、50ミクロンのフィブリル長、及び約0.03mmのフィルム厚みを有する4層のePTFEフィルムを含む実施態様が特に好ましい。一度マンドレル上に配置されると、フィルム層を共に溶融するために、フィルムは、約25分間、約370℃で熱をかけることが可能であり、このようにして一つの層上にチューブ壁を形成する。チューブは約101.6mm(4インチ)の長さまで切断されてマンドレルから取り外すことができる。その後、0.3048mm(0.012インチ)のマンドレルは、チューブ構造物の内径部中に配置することができる。その後、チューブ構造物の内径がマンドレルの外径に本質的に等しい地点まで、チューブ構造物は伸長/細く伸ばすことができる。チューブ構造物は取り外され、そしてほんのわずかな干渉が適当である状況で、本発明にしたがった適切なデバイス上に配置することができる。その後、二つのPt/Irマーカーバンドは、チューブ構造物上であって、近位部及び遠位部の位置の地点に配置することができる。デバイスの近位と遠位部にPt/Irバンドを圧搾するためにラジアルクリンパーを用いることができる。クリンピング工程は、近位部及び遠位部のポリマー部を溶融又は軟化させるために適切な熱をかけて実行することができ、このようにして、バンドがポリマーの中に組み込まれることが可能となり、結合の強度が増すことは勿論のこと、結果としてデバイスの外表面を平らにすることになる。本発明の態様において、近位部及び遠位部のポリマーはPEBAXTM7033ポリマーを含むことができ、クリンピング工程中に、40psiの空気圧下で約6秒間250°Fで熱をかけることができる。熱処理及びクリンピング処理中にデバイスの縮小を防ぐために、スチールマンドレルは、クリンピング工程中にデバイスのルーメン内部に配置することができる。
【0029】
ポリマーカバーは、拡張可能セクションに結合する必要はない。ところが、上記で言及したように、ポリマーカバーは、デバイスの近位部及び遠位部に固定して取り付けられるべきであるが、拡張可能セクション上を自由に動けるようにすべきである。ポリマーカバー30は、任意の適切な方法で近位部2と遠位部3に固定することができる。本発明の態様において、図11と12で表されるように、ポリマーカバーは、メタルチューブ32と33を各々用いて近位部2と遠位部3に固定される。上記で述べたように、メタルチューブ32と33は近位部2と遠位部3の各々の外表面の中に圧搾することが可能であって、各々の部上に平らな外表面を提供する。メタルチューブ32と33は、適切であれば任意の金属を含むことができる。本発明の態様において、メタルチューブは放射線不透過性金属を含む。ポリマーカバーを備える第一及び/若しくは第二拡張可能部を提供することによって、動脈瘤への流れ又は動脈−静脈奇形部を横切る流れを阻止すること、又は緩い塞栓の場合に残骸物の遠位の流れを防止することに、デバイスは特に有用になり得る。いくつかの場合において、残屑を除去する間に血流がデバイスを通過することを可能とするために、マクロ多孔質が好ましい。本発明の態様において、レーザーで配置された100ミクロン多孔質と抗凝固剤コーティングを有するフィルムカバーは、100ミクロンよりも大きい残屑の流れを防止するために用いることできる。本発明のこの態様を具体化するデバイスは、この発明によって提供される小さなプロファイルのため特に有用であり、デバイスがマイクロカテーテルを通って神経血管系に運搬されることを可能とする。
【0030】
デバイスの編上げ構造物は、例えば、円形プロファイル、フラットプロファイル、及びそれらの組み合わせのプロファイルからなる群から選ばれる複数のワイヤーを含むことができる。本発明の態様において、大半のワイヤーは円形のプロファイルを有する。本発明のさらなる態様においては、大半の円形ワイヤーは、約0.0508mm(0.002インチ)以下の外径を有する。本発明のさらなるまたの態様においては、ワイヤーは、0.0381mm(0.0015インチ)以下の外径を有する。さらに、本発明のまたの態様においては、大半のワイヤーは、約0.0254mm(0.001インチ)以下の外径を有する。
【0031】
ワイヤーは、適切であれば任意の材料を含むことができる。本発明の態様において、ワイヤーは金属を含む。特に好ましいワイヤーはニチノールを含むことができる。本発明のさらなる態様において、ワイヤー放射線不透過性材料を含むことができる。本発明のさらなるまたの態様において、放射線不透過性材料は、白金、イリジウム、金、及び白金/イリジウム合金からなる群から選ばれる金属を含むことができる。
【0032】
編上げ構造は任意数のワイヤーを含むことができる。本発明の態様において、編上げ構造物は、32以上のワイヤーを含む。本発明のさらなる態様において、編上げ構造物は、48以上のワイヤーを含む。本発明のさらなるまたの態様において、編上げ構造物は、60以上のワイヤーを含む。
【0033】
編上げ構造物は、任意の編組角で配向したワイヤーを含むことができる。本発明の態様において、第一拡張可能部の編上げ構造物は、第一角度で配向された複数のワイヤーを含み、一方、デバイスの少なくとも一部分は、第一角度とは異なる第二角度で配向されたワイヤーを含む編上げ構造物を含む。本発明のさらなる態様において、編上げ構造物の縦軸から測定されると、第一拡張可能部の編上げ構造物は、約10度以下の角度で配向されたワイヤーを含む。本発明のさらなるまたの態様において、縦軸から測定されると、第一拡張可能部の編上げ構造物は、約8度以下の角度で配向されたワイヤーを含む。本発明のさらなるまたの態様において、近位部及び遠位部の少なくとも一部分は、第一拡張可能部のワイヤーの角度と同一の角度で配向された複数のワイヤーを含む。本発明のさらなる態様において、近位部の少なくとも一部分は、第一拡張可能部とは異なる角度で配向された複数のワイヤーを含む。例えば、図13において、編上げワイヤーを含む編上げ構造物4が表されている。編上げ構造物の近位端Pにおいて、ワイヤーは比較的高い第一角度で編み上げられ、一方、遠位端Dにおけるワイヤーは、比較的低い第二角度で編み上げられ、編組角は、編上げ構造物の縦軸Lから測定される。高い角度の編上げ部は、比較的低い編組角で形成されるシャフトよりもさらに抵抗力のあるねじれを有するカテーテルシャフトとして利用性があることに関して、本発明のこの態様は特に有用になり得る。その上、低い編上げ角度は、拡張可能部として特に有用になり得る(低い編上げ角度は、高い編上げ角度と比較した時に拡張可能部の適切な拡張を可能とし得る。)。
【0034】
好ましい編組角は、好ましいピクスパーインチ(PPI)の設定まで機械の設定を行うことによって、容易に利用可能な編上げ機械を用いて得ることが可能であることを理解されたい。PPIがより高ければ、編組角はより高くなる。特に好ましいデバイスは、約0.254(0.01インチ)の内径を有することができ、そして、約7度(例えば、約26PPI)の編組角を有する拡張可能部、及び約21度(例えば、約80PPI)編組角を有する近位部を含むことができる。このように、公知の編上げ機械を用いて、本発明による編上げ構造部は、様々な編組角を有する任意数のセクションで組み立てることができる。述べたように、編組角は機械に設定を加えることによって得られる。そのような機械を使用して、編上げ構造物に形成される「移行領域」をもたらすことになる。機械設定が一つの設定から次の設定まで変化する場合に、編組角は、この移行領域においては、二つの設定角のおよそ間の角度になる。
【0035】
そのような移行領域は、図14中の領域18として、一般的に表される。いくつかの方法は、大きさを縮小し、除去し、又は移行領域を覆うために用いることができる。例えば、編上げ機械を停止して、編上げ構造部がしっかりと固定されている間に編組角の設定を変え、その後機械を再始動することによって、移行領域の大きさを縮小することができる(そして、除去さえもすることができる。)。本発明の態様において、編上げは1センチメーター未満で高角度から低角度まで変化する。本発明のさらなるまたの態様においては、編上げは5mm未満で高角度から低角度まで変化する。本発明のさらなるまたの態様においては、編上げは3mm未満で高角度から低角度まで変化する。
【0036】
その上、例えば、移行領域に剛性を加えるために、例えば金属、ポリマー、又はスクリンプで全部又は部分的に覆うことができる。さらに、移行領域を有する編上げ構造は、まず、適切なポリマーで少なくとも部分的に組み込むことができ、その後、安定なデバイスを形成するために、メタルチューブ(好ましくは、放射線不透過性材料)は熱をかけられ、編上げ構造の移行領域の周辺で圧搾される。もし、メタルチューブが放射線不透過性材料を含むなら、チューブは、医者が好ましい対象領域までデバイスを案内するのを助けるマーカーバンドとして機能することができる。
【0037】
上記に述べられた実施態様は、例えば、図15に表わされ、その図には、メタルチューブ14が、拡張可能部4のちょうど近位に配置された移行領域上に配置される。結合領域(上記に述べられた)を覆うためにメタルチューブを使用するのと同様に、この実施態様のメタルチューブ14もまた、近位部の外径と同一平面状になるように、近位部2の表面に組み込まれる。このように、デバイス長に沿って、比較的滑らかで、連続的な外表面を提供する。さらに、メタルチューブは、適切であれば任意の金属を含むことができる。本発明の態様において、メタルチューブは、放射線不透過性材料を含む。勿論、必要であれば、さらなるマーカーバンドを拡張可能部4の遠位に配置することができる。
【0038】
本発明の態様において、二つ以上の異なる編組角であって編上げ構造セクションを共に結合することによって移行領域を除去することができる。
【0039】
近位部、遠位部、及び、用いられる場合には中間部の編上げ構造部中に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーは適切であれば任意のポリマー材料を含むことができる。例えば、ポリマーは、ポリイミド、PEBA、ポリウレタン、ナイロン、ポリエチレン、及びシリコーンからなる群から選ばれる材料を含んでよい。その上、ポリマーは、適切なフィラー材料をさらに含むことができる。例えば、適切なポリマーは、ポリマー全体に分散されるPTFEフィラーを含有するポリイミドを含むことができる。本発明の態様において、近位部、遠位部、及び用いられる場合には中間部の実質的に完全な長さで、ポリマーは実質的に完全に編上げ構造部に組み込む。その上、外側のポリマー層は、ポリマーキャップを備えるデバイスを提供するために提供することができる。ポリマーキャップは、編上げ構造部の外側の直径を増加させ、そして、デバイスの特性をさらに改良することができる。拡張可能部が拡張する時に(例えば、コアワイヤーの近位端を近位に引っ張ることによる)デバイスの外径の残りの部分が実質的に変化しないようにするために、医師がデバイスを前進させることを可能とする必要な剛性をデバイスに提供し、さらにまた、構造的なサポートをデバイスに提供するために、ポリマーは選択されるべきである。その上、デリケートな脳血管系を通って、デバイスが進むことを可能とするために、ポリマーは、また、必要な可撓性をデバイスに提供する。さらに、デバイスの長さに沿って可撓性の変化を提供するために、ポリマーの組成物はデバイスの長さに沿って変化してもよい。
【0040】
本発明のさらなる態様において、ポリマー材料は放射線不透過性材料を含んでよい。例えば、ポリマーは、硫酸バリウム、三酸化ビスマス、等からなる群から選ばれる材料を含んでよい。本発明の態様において、編上げ構造部の近位部と遠位部は、約0.508(0.020インチ)以下の外径を有することができる。本発明のさらなる態様において、編上げ構造部の近位部と遠位部は、約0.4318mm(0.017インチ)以下の外径を有することができる。
【0041】
本発明のさらなる態様において、編上げ構造部は、約0.254mm(0.010インチ)の内径と約0.3556mm(0.014インチ)の外径を有することできる。その上、そのような実施態様において、充分に編上げ構造部を含浸すると、ポリマーは約0.254mm(0.010インチ)の内径と約0.4064mm(0.016インチ)の外径を有することができ、このようにして、編上げ構造部の近位部と遠位部の周りに0.0254mm(0.001インチ)ポリマーキャップを提供する。さらなるまたの態様において、近位部と遠位部間のインナーライナーとして機能するために、ポリマーの少なくともいくつかは含浸することができる。そのような場合に、ポリマーは、約0.254mm(0.010インチ)(約0.2794mm(0.011インチ))の内径を有する編上げ部を備える)の内径と約0.381mm(0.015インチ)の外径を画定することができる。その上、編上げ構造部は、約0.381mm(0.015インチ)の外径を有することができる。さらに、デバイス近位部が適切なチューブ構造部(例えば、カテーテルシャフト)に取り付けられる場合に、チューブ構造部は、編上げ構造部の近位部及び遠位部と本質的に同一の内側と外側のディメンションを有することができる。
【0042】
述べたように、デバイスは非侵襲的構成要素5を含む。非侵襲的構成要素は、ポリマーチューブ構造部、メタルコイル、等の形態でよい。非侵襲的構成要素がメタルコイルを含む場合に、金属は、例えば、白金、白金/イリジウム、ステンレススチール、及びニチロールからなる群から選ばれる材料を含んでよい。本発明の態様において、非侵襲的構成要素は放射線不透過性の白金/イリジウム合金を含む。非侵襲的構成要素は、遠位部の内径よりも大きい外径を有するが、編上げ構造部のルーメンの中でコアワイヤーを中心に置くのを促進するために、遠位部のルーメンに入る縮小した外径のセクションをさらにまた含んでもよい。非侵襲的構成要素のこのセクションは、先細い直径のコイル又は第二コイル、等であってよい。
【0043】
デバイスの実質的全長に延在するコアワイヤーを、デバイスはさらに含み、コアワイヤーの遠位端は非侵襲的構成要素に取り付けられる。コアワイヤーは、例えば、ステンレススチール及びニチロールからなる群若しくはePTFE、ポリエステル、KevlarTMファイバー、等を含むポリマーフィラメントの群から選ばれる材料又はマルチファイバーコンポジットを含むことができる。それは、先細い外径をさらに含むことができ、結果として、例えば、デバイスの可撓性を遠位に増加させることになる。コアワイヤーの遠位端は、標準的な技術を用いる医師によって非侵襲的な先端形状を可能とする矩形プロファイルまで回転するセクションを含んでもよい。その上、コアワイヤーは、ポリマーチューブ、メタルチューブ、又はチューブを形成するために共に溶融するePTFEフィルムの不連続な層からなるフィルムチューブのような任意の適切材料のチューブ構造部でもよい。チューブ構造部は中身の詰まったものでもよいし、中空でもよい。チューブ構造部が中空である時、中空チューブは、第二デバイス、又は適切な液(例えば、コントラスト流体、含酸素液、又は血栓溶解液)を可能とするために設計されて脳血管系デバイスの遠位部の遠位地点までチューブの中を通過することができる。
【0044】
図16において、代表的なコアワイヤー12が表わされている。参照すると、コアワイヤーの外径は、一方の端部において比較的大きな外径である第一部より、比較的小さな外径である第二部、そしてさらなる比較的小さな外径である第三部、等まで、徐々に先細くなる。任意数の区別可能なテーパー形のセクションが提供され得るか、又はワイヤーの全長にわたって、比較的一定なテーパー形も提供され得る。図17で表わされているように、コアワイヤー12は、コアワイヤー12に適合する一つ以上の外側のコイル5と13を取り付けることができる。外側のコイル5と13は、例えば、コアワイヤーの長さに沿って、コアワイヤーの剛性を変化させるために用いることができる。外側のコイルは、例えば、金属でよく、そしてコアワイヤーの長さに沿って一つ以上地点でコアワイヤー12に、はんだ付けをすることができる(又は他の方法としては貼付することも可能であって、例えば接着の方法が可能である。)。本発明の態様において、コイルは、例えば、白金、金、イリジウム、又は白金/イリジウム合金のような放射線不透過性金属でよい。図示されているように、コイル5と13は、お互いに重なり合って、19でコアワイヤー12にはんだ付けをされる。その上、図示されているように、コイル5はまた、コアワイヤー12の遠位端ではんだ付けされた(又はその他の方法として貼付された)先端部17を含む。本発明の実施態様において、コイル5は、編上げ構造部の遠位部の遠位に配置され得る。その上、デバイスが組み立てられるとき、コイル13の少なくとも一部分は、編上げ構造部の遠位部の中で近位に延在することができる。
【0045】
カテーテルシャフトを固定している間に医師が近位方向にコアワイヤーの近位端を引っ張る場合に、第一拡張可能部が拡張されることを、今、理解されたい。その後、非侵襲性構成要素がデバイスの遠位部に近位な力を加え、その結果、第一拡張可能部が放射状に拡張することになる。近位部と遠位部の編上げ構造部に組み込まれたポリマーが、これらの部を放射状に抑圧するように機能するので、これらの部が拡張することを防止することができる。
【0046】
そのデバイスは、少なくとも一つの放射線不透過性マーカーバンドをさらに含むことができる。上記で述べられたようなマーカーバンドは、ポリマー材料中に提供される凹部に存在することができる。少なくとも一つの放射線不透過性マーカーバンドが、第一拡張可能部に対して近位及び/又は遠位に提供され得る。
【0047】
本発明の実施態様において、拡張可能部は、拡張していない状態で、約1cm以下の長さを有する。本発明のさらなる態様において、拡張可能部は約5mm以下の長さを有する。本発明のさらなるまたの態様においては、拡張可能部は約4mmの長さを有する。
【0048】
上記で述べたように、コアワイヤーがデバイスの近位部に対して近位な方向に動くとき、拡張可能部は放射状に拡張する。拡張されたとき、第一拡張可能部は任意の適切な直径を有することができる。本発明の実施態様において、第一拡張可能部の最大拡張直径は約6mm以下である。本発明のさらなる態様においては、第一拡張可能部の最大拡張直径は約4mm以下である。本発明のさらなるまたの態様においては、第一拡張可能部の最大拡張直径は約3.3mm以下である。
【0049】
そのデバイスは、編上げ構造の近位端、又は、場合によってはカテーテルシャフトの近位端に連結されるか、そうでなければ貼付されるハンドルをさらに含むことができる。そのハンドルは、患者の血管系を通ってデバイスの操作を可能とすると共に、デバイスの拡張可能部を拡張するための機構を備えている。例えば、図18、19、及び20において、適切なハンドル構造が表わされている。デバイスシャフト又は編上げ構造近位部2は、ハンドル20の遠位端に取り付けられていることが表わされている。ハンドル20は、遠位筐体22の遠位端に張力緩和セクション21を含む。リブセクション24を含む近位のパンドル部23は、遠位の筐体22に連結される。ピン26は、コアワイヤー12を近位の筐体27に固定するために提供され得る。近位の筐体27は、近位部23上に適合する。近位の筐体27は、カンチレバーアーム29を含む。その上、近位部23は、また、近位の筐体27中に螺旋形のスロット30に適合するような大きさであるピン又は突起部25を含む。最後に、ハンドル20は、安全ロック/ピン28とエンドキャップ31を含むことができ、そのキャップは近位の筐体27に挿入可能である。
【0050】
ハンドル20を操作するために、安全ロック/ピン28は取り除かれ、そして近位の筐体27は、近位部23と遠位の筐体22に対して回転する。回転は、コアワイヤー12をゆっくりと引っ張り出す。このようにして、第一拡張可能部4(及び、存在すれば、第二拡張可能部10)が放射状に拡張することを引き起こす。リブセクション24が引っ込む場合に、カンチレバーアーム29と共に、リブセクション24は、コアワイヤーを徐々に固定することを可能とする。
【0051】
本発明によるデバイスを作製する方法は、編上げ構造部の長さ方向に延在するルーメンを有するその好ましい編上げ構造部を形成することを含む。その後、編上げ構造部は、安定なポリマー材料を少なくとも部分的に(好ましくは本質的に完全に)組み込むことができ、例えば、安定なポリマーの中に編上げ構造部を浸漬コーティングすることによって組み込むことができる。一度、ポリマーがキュアされると、編上げ構造部の遠位先端近くの好ましい長さの編上げ構造部からポリマーを取り除くことによって、第一拡張可能部を得ることが可能である。ポリマーを取り除く適切な方法は、例えば、レーザー切除法、磨耗法(例えば、マイクロ磨耗法)、等を含む。
【0052】
第一拡張可能部を形成するためにポリマーを取り除いた後、適切な非侵襲的構成要素はデバイスの遠位先端に配置することができる(例えば、デバイスの遠位端に対して遠位部)。非侵襲的構成要素は、デバイスの遠位部に結合される必要はなく又は貼付される必要もない。その後、適切なコアワイヤーは、非侵襲的構成要素5の遠位端から近位端まで貼付することができ、その後デバイスの遠位セクションのルーメンの中を通って挿入され、コアワイヤーの近位端が、デバイスの近位セクションのルーメンの中を通過して延在するまで近位に前進する。コアワイヤーは、任意の適切な金属のような、任意の適切な材料でよい。コアワイヤーは、その長さ上で剛性を変化させるために調整することができる(例えば、近位端で比較的剛性であり、遠位端に向かうにしたがって比較的可撓性になる。)。コアワイヤーは、任意の適切な方法で非侵襲的構成要素に取り付けられてよい。
【実施例】
【0053】
本発明の範囲を限定するつもりはなく、次の実施例は、本発明によるデバイスが、どのように作製されて使用されるかを例証する。
【0054】
名目上の直径が0.0254mm(0.001インチ)であるニチロールワイヤーを、例えば、Fort Wayne Metals(インディアナ州、Fort Wayne)から入手することができる。このワイヤーは16ボビンで巻きつけることができ、ワイヤーの3つの端部が各々のボビン上にある。26PPI(又はマンドレルの縦軸から測定して約7度)で適切な0.254mm(0.010インチ)マンドレル(例えば、銀メッキ銅)上にこのワイヤーを編上げすることができる。その後、PEBAXTM7033樹脂がマンドレル表面に至るまで、編上げ構造部を充分に含浸するように、そのワイヤーはその樹脂で浸漬コーティングすることができる。外側の直径が0.4064mm(0.016インチ)になるまで、複数回の浸漬/熱処理工程を適用することができる。その後、このチューブは180cm長まで切断することができる。その後、チューブの遠位端から2mmの位置にあるチューブの4mmセクションにおいて、ワイヤーの損傷がない間に、適切な波長のエキシマーレーザーは、ポリマーを充分に除去するために用いることができる。拡張可能部を形成するためにポリマーを取り除くためのレーザー除去方法の一つの代替手段として、高速度ガス流中で適切な研磨材料を利用して、磨耗することによってポリマーを取り除くことが含まれる。一つの典型的な方法において、25ミクロンの平均的な粒子サイズを有する重炭酸ナトリウムが、30−120psiの空気流中で混合されることが可能であり、小さなオリフイスを通過してチューブの部分に向かうことが可能である。表面の衝突時に、研磨粒子は、ワイヤーに少しか損害を与えないか又は全く与えないで、ポリマーを除去するために作動する。0.2032mm(0.008インチ)直径の2メートル長のステンレススチールからなるコアワイヤーを得ることが可能である(例えば、オレゴン州、Tualatin、PWC、Precision Wire Componentsから得ることが可能である。)。ワイヤーは、直径で0.0508mm(0.002インチ)までになるテーパー形の遠位な25cm部分上に接地することが可能である。遠位な1cm部分は、0.0254mm(0.001インチ)の短いエッジ部を備えた平面にすることができる。0.0381mm(0.0015インチ)の白金/イリジウム合金ワイヤーの小さなコイルは、外径0.254mm(0.010インチ)から0.1778mm(0.007インチ)までになるテーパー形であって、11mm長の形態で生産することができる。このコイルは、遠位端からコアワイヤー28mm上まではんだ付けすることができる。0.0508mm(0.002インチ)の白金/イリジウム合金ワイヤーの別のコイルは、内径0.254mm(0.010インチ)を有する33mm長になる形態で生産することができる。このコイルは、コアワイヤーの遠位先端部で足並みをそろえられたコアワイヤー上に配置することが可能であり、約5mm程度、テーパーコイル上に重なりあることが可能である。このことは、より小さなコイル上に、はんだ付けすることが可能であり、さらに、コアワイヤーの遠位先端部まで、はんだ付けすることが可能となる。
【0055】
テーパー形のコイルがデバイスの遠位部の中に引っ張られるまで、コアワイヤーの近位端は、編上げチューブの内径を通過して取り付けられ得る。このようにして、コアワイヤーをルーメンの中心部に配置することができる。
【0056】
デバイスは、たいへん繊細で、複雑に入り組んだ脳血管系から血栓を取り除くために使用することができる。デバイスを使用することの一つの方法は、よく知られた技術(例えば、経皮的にデバイスを導入する)を使用してデバイスを導入することを含む。公知のマイクロカテーテルを通過して脳血管系の対象領域まで、デバイスは進むことができる。勿論、マイクロカテーテルを必要とすることなく前進するように、充分な可撓性及び押込力伝達性を有するように、デバイスが設計されているなら、マイクロカテーテルの使用は必要としなくてよい。本発明の態様において、対象の血管において血流が逆行している間、デバイスは対象領域まで前進する。本発明のさらなる態様において、順行の血流状況下において、デバイスは、対象領域のちょうど近位である地点まで前進することができ、そして、逆行の血流状況下においては、対象領域に配置された血栓をデバイスの遠位の先端部が交差するように前進することができる。逆行の血流は、対象血管に吸引を適用するか、又は例えば、主題については本願において引用して援用される、US特許No.6929634号のDorrosらによって教示される方法と装置を用いた通常の生理的な操作のような任意の適切な方法によって得ることができる。一旦、血栓がデバイスの少なくとも第一拡張可能部によって交差されると、その拡張可能部は、拡張することが可能であって、好ましくは、依然として逆行の血流状況下で近位方向に血栓は引っ張り戻されて、結果として患者から血栓を取り除くことが可能である。充分に付着した大きな血栓のいくつかの場合において、デバイスの拡張可能部の拡張と縮小の循環によって、血栓を柔軟にするか、又は血栓をより小さな片に分解するために、デバイスの拡張可能部を使うことは特に有用である。
【0057】
本発明の特定の実施態様が、ここにおいて例証されて記載されたが、本発明は、そのような例証及び記載に限定されるべきではない。次の特許請求の範囲の範囲内であれば、本発明の一部として、変更例及び変形例は包含されて具体化されてよいことは明白である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワイヤーを含む連続する編上げ構造部であって、該編上げ構造部が、近位部と、遠位部と、該近位部と該遠位部間の第一拡張可能部と、該近位部から該遠位部まで延在するルーメンとを有し、
該近位部と該遠位部が、それぞれ、外径と内径を有し、さらには該編上げ構造部に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーを含む、編上げ構造部、
近位端と遠位端を有するコアワイヤーであって、該コアワイヤーが、該ルーメン内に配置され、かつ、該編上げ構造近位部から該編上げ構造遠位部の地点又は遠位に延在する、コアワイヤー、並びに、
該コアワイヤー遠位端に取り付けられ、かつ、該編上げ構造遠位部の内径と少なくとも等しい外径を有する非侵襲的構成要素、
を含む脳血管系デバイス。
【請求項2】
前記非侵襲的構成要素がポリマーチューブ構造物及びメタルコイルからなる群から選ばれる、請求項1に記載の脳血管系デバイス。
【請求項3】
前記メタルコイルが放射線不透過性材料を含む、請求項2に記載の脳血管系デバイス。
【請求項4】
前記放射線不透過性材料が、白金、金、イリジウム及び白金/イリジウム合金から成る群から選ばれる材料を含む、請求項3に記載の脳血管系デバイス。
【請求項5】
前記編上げ構造近位部と遠位部が約0.508mm(0.020インチ)以下の外径を有する、請求項1に記載の脳血管系デバイス。
【請求項6】
前記編上げ構造近位部と遠位部が約0.4318mm(0.017インチ)以下の外径を有する、請求項5に記載の脳血管系デバイス。
【請求項7】
前記複数のワイヤーがメタルワイヤーを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記複数のワイヤーがニチノールを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記ポリマーが、ポリイミド、ペバ、ポリウレタン、ナイロン、シリコーン、及びポリエチレンから成る群から選ばれる材料を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記拡張可能部の拡張時に、前記編上げ構造近位部と遠位部の放射状の拡張を防ぐ、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ポリマーが、前記編上げ構造部の前記近位部と遠位部を実質的に完全に組み込む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記編上げ構造物が、円形プロファイル、平面プロファイル、及びそれらの組み合わせから成る群から選ばれる複数のワイヤーを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記ワイヤーが円形プロファイルである、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記ワイヤーの大部分が約0.0508mm(0.002インチ)以下の外径を有する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記ワイヤーの大部分が約0.0381mm(0.0015インチ)以下の外径を有する、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記ワイヤーの大部分が約0.0254mm(0.001インチ)以下の外径を有する、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記ワイヤーの少なくとも一つが放射線不透過性材料を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記放射線不透過性材料が、白金、金、イリジウム、及び白金/イリジウム合金から成る群から選ばれる材料を含む、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
少なくとも一つの放射線不透過性マーカーバンドをさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
前記デバイスが少なくとも二つの放射線不透過性マーカーバンドを含む、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
少なくとも一つのマーカーバンドが拡張可能部に対して遠位に配置され、そして少なくとも一つのマーカーバンドが拡張可能部に対して近位に配置される、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記ポリマーが放射線不透過性材料を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項23】
前記放射線不透過性材料が、硫酸バリウム及び三酸化ビスマスから成る群から選ばれる材料を含む、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
少なくとも一つの放射線不透過性マーカーバンドが、前記デバイスの前記近位部と遠位部の前記外径と本質的に同一平面上である、請求項19に記載のデバイス。
【請求項25】
前記デバイスがチューブ構造部の遠位端に取り付けられている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項26】
前記チューブ構造部が、前記編上げ構造部の前記近位部から連続的である、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記チューブ構造部が約0.508mm(0.020インチ)以下の外径を有する、請求項25に記載のデバイス。
【請求項28】
前記拡張可能部が、該拡張可能部の非拡張状態で約1cm以下の長さを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項29】
前記拡張可能部が約5mm以下の長さを有する、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記拡張可能部が約4mmの長さを有する、請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
前記複数のワイヤーが48以上の数量である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項32】
前記複数のワイヤーが32以上の数量である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項33】
前記複数のワイヤーが16以上の数量である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項34】
前記編上げ構造部が、該構造部の縦軸から測定して約10度以下の角度で配向されたワイヤーを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項35】
前記編上げ構造部が、該構造部の縦軸から測定して約8度以下の角度で配向されたワイヤーを含む、請求項34に記載のデバイス。
【請求項36】
前記拡張可能部が、該拡張可能部の最大拡張状態で約6mm以下の直径を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項37】
前記拡張可能部が、該拡張可能部の最大拡張状態で約4mm以下の直径を有する、請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
前記拡張可能部が、該拡張可能部の最大拡張状態で約3.3mmの直径を有する、請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記コアワイヤーが少なくとも前記チューブ構造部の長さに対して延在する、請求項25に記載のデバイス。
【請求項40】
前記コアワイヤーと前記チューブ構造部の複合体が、該複合体の近位部から遠位部まで可撓性的に変化する、請求項39に記載のデバイス。
【請求項41】
前記チューブ構造部の前記遠位部が前記チューブ構造部の前記近位部よりも可撓性である、請求項40に記載のデバイス。
【請求項42】
ハンドルが前記コアワイヤーと前記チューブ構造部に連結し、該ハンドルが前記拡張可能部の作動を提供する、請求項39に記載のデバイス。
【請求項43】
前記拡張可能部が、該拡張可能部の最大拡張状態の場合に、患者の血管に非侵襲的である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項44】
前記拡張可能部が患者の血管から血餅を取り除くために適切である、請求項43に記載のデバイス。
【請求項45】
前記拡張可能部が、患者の対象血管の直径と等しいか、又はより大きい最大拡張直径を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項46】
前記編上げ構造部が第二拡張可能部をさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項47】
前記編上げ構造部が、前記第一拡張可能部と第二拡張可能部の間に配置される中間部をさらに含む、請求項46に記載のデバイス。
【請求項48】
前記中間部が前記編上げ構造部の中に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーを含む、請求項47に記載のデバイス。
【請求項49】
前記中間部がポリマーカバーによって放射状に抑制される、請求項47に記載のデバイス。
【請求項50】
前記中間部がメタルバンドによって放射状に抑制される、請求項47に記載のデバイス。
【請求項51】
前記中間部が前記拡張可能部よりも高い角度の編組角を有する、請求項47に記載のデバイス。
【請求項52】
前記デバイスとチューブ部材がマイクロカテーテルを通って運搬するのに対して適切になるような大きさを有する、請求項25に記載のデバイス。
【請求項53】
前記デバイスとチューブ部材が直線状のカテーテルに曲げ応力をかけない、請求項52に記載のデバイス。
【請求項54】
前記第一拡張可能部が第一角度で配向された複数のワイヤーを含み、そして前記編上げ構造部の少なくとも部分的に該第一角度とは異なる第二角度で配向されたワイヤーを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項55】
前記デバイスがカテーテルシャフトの遠位端に取り外し可能的に取り付けられている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項56】
前記拡張可能部が外側のポリマーカバーを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項57】
前記外側のポリマーカバーがePTFEを含む、請求項56に記載のデバイス。
【請求項58】
脳血管系デバイスを生産する方法であって、
所定の長さと、連続する編上げ構造部の中を通って延在するルーメンとを有する該編上げ構造部を提供し、かつ、該編上げ構造部の実質的に全長にわたりポリマーを少なくとも部分的に埋め込ませる工程、
拡張可能部と、該編上げ構造部に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーを有する近位部と、該編上げ構造部に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーを有する遠位部とを形成するために、該編上げ構造部から該ポリマーの少なくとも一部分を除去する工程であって、該拡張可能部が該近位部と該遠位部の間に配置される、工程、
コアワイヤーに非侵襲的構成要素を取り付ける工程であって、該コアワイヤーが近位端と遠位端を有し、さらに該非侵襲的構成要素が該編上げ構造部遠位部の内径と少なくとも等しい外径を有する、工程、並びに、
該ルーメンの中に該コアワイヤーを配置する工程であって、該コアワイヤーが該編上げ構造近位部から該編上げ構造遠位部に対して遠位な地点まで延在する、工程、
を含む方法。
【請求項59】
前記ポリマーが浸漬コーティングによって提供される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記ポリマーがレーザー除去によって取り除かれる、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記ポリマーが磨耗法によって取り除かれる、請求項58に記載の方法。
【請求項62】
前記磨耗法が重炭酸ナトリウムを用いることを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項1】
複数のワイヤーを含む連続する編上げ構造部であって、該編上げ構造部が、近位部と、遠位部と、該近位部と該遠位部間の第一拡張可能部と、該近位部から該遠位部まで延在するルーメンとを有し、
該近位部と該遠位部が、それぞれ、外径と内径を有し、さらには該編上げ構造部に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーを含む、編上げ構造部、
近位端と遠位端を有するコアワイヤーであって、該コアワイヤーが、該ルーメン内に配置され、かつ、該編上げ構造近位部から該編上げ構造遠位部の地点又は遠位に延在する、コアワイヤー、並びに、
該コアワイヤー遠位端に取り付けられ、かつ、該編上げ構造遠位部の内径と少なくとも等しい外径を有する非侵襲的構成要素、
を含む脳血管系デバイス。
【請求項2】
前記非侵襲的構成要素がポリマーチューブ構造物及びメタルコイルからなる群から選ばれる、請求項1に記載の脳血管系デバイス。
【請求項3】
前記メタルコイルが放射線不透過性材料を含む、請求項2に記載の脳血管系デバイス。
【請求項4】
前記放射線不透過性材料が、白金、金、イリジウム及び白金/イリジウム合金から成る群から選ばれる材料を含む、請求項3に記載の脳血管系デバイス。
【請求項5】
前記編上げ構造近位部と遠位部が約0.508mm(0.020インチ)以下の外径を有する、請求項1に記載の脳血管系デバイス。
【請求項6】
前記編上げ構造近位部と遠位部が約0.4318mm(0.017インチ)以下の外径を有する、請求項5に記載の脳血管系デバイス。
【請求項7】
前記複数のワイヤーがメタルワイヤーを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記複数のワイヤーがニチノールを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記ポリマーが、ポリイミド、ペバ、ポリウレタン、ナイロン、シリコーン、及びポリエチレンから成る群から選ばれる材料を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記拡張可能部の拡張時に、前記編上げ構造近位部と遠位部の放射状の拡張を防ぐ、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ポリマーが、前記編上げ構造部の前記近位部と遠位部を実質的に完全に組み込む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記編上げ構造物が、円形プロファイル、平面プロファイル、及びそれらの組み合わせから成る群から選ばれる複数のワイヤーを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記ワイヤーが円形プロファイルである、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記ワイヤーの大部分が約0.0508mm(0.002インチ)以下の外径を有する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記ワイヤーの大部分が約0.0381mm(0.0015インチ)以下の外径を有する、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記ワイヤーの大部分が約0.0254mm(0.001インチ)以下の外径を有する、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記ワイヤーの少なくとも一つが放射線不透過性材料を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記放射線不透過性材料が、白金、金、イリジウム、及び白金/イリジウム合金から成る群から選ばれる材料を含む、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
少なくとも一つの放射線不透過性マーカーバンドをさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
前記デバイスが少なくとも二つの放射線不透過性マーカーバンドを含む、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
少なくとも一つのマーカーバンドが拡張可能部に対して遠位に配置され、そして少なくとも一つのマーカーバンドが拡張可能部に対して近位に配置される、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記ポリマーが放射線不透過性材料を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項23】
前記放射線不透過性材料が、硫酸バリウム及び三酸化ビスマスから成る群から選ばれる材料を含む、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
少なくとも一つの放射線不透過性マーカーバンドが、前記デバイスの前記近位部と遠位部の前記外径と本質的に同一平面上である、請求項19に記載のデバイス。
【請求項25】
前記デバイスがチューブ構造部の遠位端に取り付けられている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項26】
前記チューブ構造部が、前記編上げ構造部の前記近位部から連続的である、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記チューブ構造部が約0.508mm(0.020インチ)以下の外径を有する、請求項25に記載のデバイス。
【請求項28】
前記拡張可能部が、該拡張可能部の非拡張状態で約1cm以下の長さを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項29】
前記拡張可能部が約5mm以下の長さを有する、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記拡張可能部が約4mmの長さを有する、請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
前記複数のワイヤーが48以上の数量である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項32】
前記複数のワイヤーが32以上の数量である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項33】
前記複数のワイヤーが16以上の数量である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項34】
前記編上げ構造部が、該構造部の縦軸から測定して約10度以下の角度で配向されたワイヤーを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項35】
前記編上げ構造部が、該構造部の縦軸から測定して約8度以下の角度で配向されたワイヤーを含む、請求項34に記載のデバイス。
【請求項36】
前記拡張可能部が、該拡張可能部の最大拡張状態で約6mm以下の直径を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項37】
前記拡張可能部が、該拡張可能部の最大拡張状態で約4mm以下の直径を有する、請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
前記拡張可能部が、該拡張可能部の最大拡張状態で約3.3mmの直径を有する、請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記コアワイヤーが少なくとも前記チューブ構造部の長さに対して延在する、請求項25に記載のデバイス。
【請求項40】
前記コアワイヤーと前記チューブ構造部の複合体が、該複合体の近位部から遠位部まで可撓性的に変化する、請求項39に記載のデバイス。
【請求項41】
前記チューブ構造部の前記遠位部が前記チューブ構造部の前記近位部よりも可撓性である、請求項40に記載のデバイス。
【請求項42】
ハンドルが前記コアワイヤーと前記チューブ構造部に連結し、該ハンドルが前記拡張可能部の作動を提供する、請求項39に記載のデバイス。
【請求項43】
前記拡張可能部が、該拡張可能部の最大拡張状態の場合に、患者の血管に非侵襲的である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項44】
前記拡張可能部が患者の血管から血餅を取り除くために適切である、請求項43に記載のデバイス。
【請求項45】
前記拡張可能部が、患者の対象血管の直径と等しいか、又はより大きい最大拡張直径を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項46】
前記編上げ構造部が第二拡張可能部をさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項47】
前記編上げ構造部が、前記第一拡張可能部と第二拡張可能部の間に配置される中間部をさらに含む、請求項46に記載のデバイス。
【請求項48】
前記中間部が前記編上げ構造部の中に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーを含む、請求項47に記載のデバイス。
【請求項49】
前記中間部がポリマーカバーによって放射状に抑制される、請求項47に記載のデバイス。
【請求項50】
前記中間部がメタルバンドによって放射状に抑制される、請求項47に記載のデバイス。
【請求項51】
前記中間部が前記拡張可能部よりも高い角度の編組角を有する、請求項47に記載のデバイス。
【請求項52】
前記デバイスとチューブ部材がマイクロカテーテルを通って運搬するのに対して適切になるような大きさを有する、請求項25に記載のデバイス。
【請求項53】
前記デバイスとチューブ部材が直線状のカテーテルに曲げ応力をかけない、請求項52に記載のデバイス。
【請求項54】
前記第一拡張可能部が第一角度で配向された複数のワイヤーを含み、そして前記編上げ構造部の少なくとも部分的に該第一角度とは異なる第二角度で配向されたワイヤーを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項55】
前記デバイスがカテーテルシャフトの遠位端に取り外し可能的に取り付けられている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項56】
前記拡張可能部が外側のポリマーカバーを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項57】
前記外側のポリマーカバーがePTFEを含む、請求項56に記載のデバイス。
【請求項58】
脳血管系デバイスを生産する方法であって、
所定の長さと、連続する編上げ構造部の中を通って延在するルーメンとを有する該編上げ構造部を提供し、かつ、該編上げ構造部の実質的に全長にわたりポリマーを少なくとも部分的に埋め込ませる工程、
拡張可能部と、該編上げ構造部に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーを有する近位部と、該編上げ構造部に少なくとも部分的に埋め込まれたポリマーを有する遠位部とを形成するために、該編上げ構造部から該ポリマーの少なくとも一部分を除去する工程であって、該拡張可能部が該近位部と該遠位部の間に配置される、工程、
コアワイヤーに非侵襲的構成要素を取り付ける工程であって、該コアワイヤーが近位端と遠位端を有し、さらに該非侵襲的構成要素が該編上げ構造部遠位部の内径と少なくとも等しい外径を有する、工程、並びに、
該ルーメンの中に該コアワイヤーを配置する工程であって、該コアワイヤーが該編上げ構造近位部から該編上げ構造遠位部に対して遠位な地点まで延在する、工程、
を含む方法。
【請求項59】
前記ポリマーが浸漬コーティングによって提供される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記ポリマーがレーザー除去によって取り除かれる、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記ポリマーが磨耗法によって取り除かれる、請求項58に記載の方法。
【請求項62】
前記磨耗法が重炭酸ナトリウムを用いることを含む、請求項61に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−56201(P2013−56201A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−256284(P2012−256284)
【出願日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【分割の表示】特願2009−529172(P2009−529172)の分割
【原出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−256284(P2012−256284)
【出願日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【分割の表示】特願2009−529172(P2009−529172)の分割
【原出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】
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