腔内弁生成のシステムおよび方法
血管の組織を操作するデバイスは、近位端部および遠位端部を有する伸長した部材と、伸長した部材の遠位端部にあり、血管の内壁に対して係合する、尖っていない先端を有するガイド部材と、伸長した部材の遠位端部にある組織切断デバイスを含み、組織切断デバイスはガイド部材の尖っていない先端近くに尖った先端を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、いずれも継続中の2010年2月26付け出願の米国仮出願61/308,503、2010年5月28日付け出願の米国仮出願61/349,349、2010年10月18日付け出願の米国仮出願61/393,996及び2010年12月6日付け出願の仮出願同61/420,307に基づく優先権並びにその利益を主張するものである。
【0002】
この出願は、哺乳類の体内における自己生体弁の生成に係る医療システム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
静脈還流は、下肢といったところの血液循環に影響を及ぼす病状である。心臓に血液を正常に戻そうとする血管の弁は、適切に機能することができない。結果として、血液が脚部に溜まり、脚部の静脈が膨張する。本件は、静脈還流が適切な状態となるようにする新規なシステム及び方法を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施例によれば、血管内の組織を操作するデバイスが、近位端部と遠位端部を有する伸長した部材と、この伸長した部分の遠位端部にあり、血管の内壁と係合する、尖っていない遠位端部の先端を有する案内部材と、伸長した部材の遠位端部にあり、案内部材の尖っていない遠位端部の先端と近接して尖った先端を有する切断デバイスとを含む。
【0005】
本明細書に記載の実施形態の何れかよれば、組織切断デバイスは、案内部材が血管の内壁に係合している間、血管の内壁の組織を切断するように構成される。
【0006】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内部材は血管の内壁に対して所望の角度となるように組織切断部材を方向付けるように構成される。
【0007】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内部材は表面にテンションを与えるべく血管の内壁の表面に圧力を加えるように構成される。
【0008】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断部材は、流体を送出するための内腔を有する管体を含む。
【0009】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、そのデバイスはさらに組織切断部材に薬剤を送出するために薬剤ソースを含む。
【0010】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その薬剤は造影剤を含む。
【0011】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その組織切断デバイスはテーパー付けされた構造を有する。
【0012】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断デバイスは、切断デバイスの第一の長手方向の側面から、第一の長手方向の側面の反対側にある、切断デバイスの第二の長手方向の側面までテーパー付けされ、第一の長手方向の側面は第二の長手方向の側面よりも、伸長した部材の長手方向の軸線からさらに遠い。
【0013】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内部材の近位端部と組織切断デバイスの近位端部とは一緒になってストッパを形成し、ストッパは案内部材と組織切断デバイスとの間にある組織がそのストッパを過ぎて移動することを防止する。
【0014】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内部材と伸長した部分とは一体の構成を有する。
【0015】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断デバイスと伸長した部分とは一体の構成を有する。
【0016】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断デバイスの長さは、組織切断デバイスが血管の内壁にどの程度の深さに浸入するかを決定する。
【0017】
本件で記載される他の実施形態によれば、血管内で組織を操作するデバイスは、近位端部と遠位端部とを有する伸長した部材と、伸長した部材の遠位端部から伸長し、血管の内壁に対して係合するように構成されるガイド部材と、伸長した部材の遠位端部から伸長する組織切断デバイスとを含み、案内部分の近位端部と組織切断デバイスの近位端部とは一緒になってストッパを形成し、ストッパは、案内部材と、組織切断デバイスの間に位置する組織がそのストッパを過ぎて移動することを防止する。
【0018】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その案内部材は尖っていない遠位先端を有し、組織切断デバイスは案内部分の尖っていない遠位先端に近接して尖った先端を有し、ストッパは、切断された組織がそのストッパを過ぎて移動することを妨げるように構成される。
【0019】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内部材が血管の内壁に係合している間、組織切断デバイスは血管の内壁の組織を切断するように構成される。
【0020】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内部材は、組織切断デバイスを血管の内壁に対して所望の角度に向けるように構成される。
【0021】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内部材は血管の内壁の表面にテンションを与えるべく血管の内壁の表面に圧力を与えるように構成される。
【0022】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断デバイスは、流体を送出するための内腔を有する管体を含む。
【0023】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本デバイスは、組織切断デバイスに薬剤を送出するために薬剤ソースを含む。
【0024】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その薬剤は造影剤を含む。
【0025】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断デバイスはテーパー付けされた形状を有する。
【0026】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断デバイスは、切断デバイスの第一の長手方向の側面から、第一の長手方向の側面の反対側にある、切断デバイスの第二の長手方向の側面までテーパー付けされ、第一の長手方向の側面は第二の長手方向の側面よりも、伸長した部材の長手方向の軸線からさらに遠い
【0027】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内部材と伸長した部材は、単一の構成である。
【0028】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断デバイスと伸長した部材は、単一の構成である。
【0029】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断デバイスの長さは、組織切断デバイスが血管の内壁をどの程度浸入するかを決定する。
【0030】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、血管の組織を操作する方法は、血管の内壁の表面に、第一のデバイスによりテンションを与える工程と、テンションが血管の内壁の表面に第一のデバイスにより与えられている間に、血管の内壁の組織に浸入するために第二のデバイスを使用する工程と、を含む。
【0031】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、第二のデバイスの近位端部にあるストッパが血管組織と係合するまで、第二のデバイスを血管の内壁内に前進させる工程を含む。
【0032】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二のデバイスは内腔を有し、本方法は、血管の内壁内にある空間に、第二のデバイスの内腔を通して流体を送出する工程を更に含む。
【0033】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、流体は、血管の内壁内の空間を拡大するために送出される。
【0034】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二のデバイスは、組織に開口部を生成するために組織に浸入し、本方法は、開口部の大きさを拡大させる工程を更に含む。
【0035】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その空間は血管の内側にフラップを生成するために拡大される。
【0036】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法はさらに、血管に対してフラップを固定する工程を含む。
【0037】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二のデバイスは組織に開口部位を生成するために組織に浸入し、本方法はさらに開口部の大きさを増加させる工程を含む。
【0038】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第一のデバイスは、また、第二のデバイスを血管の内壁の表面に対して所望の角度となるように方向付けるために使用される。
【0039】
所望の角度は45度よりも小さい鋭角から成る。
【0040】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第一のデバイスは、拡張する部材から成る。
【0041】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、血管の組織を操作する方法は、血管の内腔に第一のデバイスと第二のデバイスとを経皮的に送出する工程と、第二のデバイスを血管の内壁に対してある角度に方向付けるために第一のデバイスを使用する工程と、第二のデバイスを使用してその角度で血管の内壁の表面に浸入させる工程とを含む。
【0042】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法はさらに、血管の内壁の表面に対して第三のデバイスによりテンションを与える工程を含む。
【0043】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、さらに、第二のデバイスの近位端部にあるストッパが血管組織と係合するまで、第二のデバイスを血管の内壁内に前進させる工程を含む。
【0044】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二のデバイスは内腔を有し、本方法は、さらに、第二のデバイスの内腔を通して血管の内壁内に流体を送出する工程を含む。
【0045】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、流体は血管の内壁内の空間を拡張するために送出される。
【0046】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二のデバイスは血管の内壁に開口部を生成すべくその表面に浸入し、本方法は、さらに、内壁内の空間が拡張した後に、開口部の大きさを増加させる工程を含む。
【0047】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その空間は血管内のフラップを生成すべく拡張される。
【0048】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、さらに、血管に対してフラップを固定する工程を含む。
【0049】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二のデバイスは、血管の内壁に開口部を生成すべくその表面に浸入し、本方法は、さらに開口部の大きさを増加させる工程を含む。
【0050】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、血管の組織を操作する方法は、血管の第一の壁部分に管状構造物を挿入する工程と、血管の第一の壁部分にポケットを生成するために血管の第一の壁部分に流体を送出するために管状構造物を使用する工程とを含む。
【0051】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、流体はパルス状にして送出される。
【0052】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、さらに、管状構造物の遠位端部が血管の第一の壁部分内にある間、管状構造物の遠位端部を前進させる工程を含む。
【0053】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、さらに、管状構造物の遠位端部が前進させられた後に、血管の第一の壁部分に追加の流体を送出する工程を含む。
【0054】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、生成されたポケットは、血管の第一の壁部分からフラップを生成するのに十分に長い、血管の長手方向にそった長さを有する。
【0055】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、管状構造物は先端とその先端のところにあるポートとを有し、流体はそのポート通して送出される。
【0056】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、この管状構造物は、側方ポートを含み、流体はこの側方ポートを通して送出される。
【0057】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、ポケットは血管から組織層を切開するために、流体を使用して形成される。
【0058】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織層はフラップを形成する。
【0059】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、さらに、血管の第二の壁部分にフラップを固定する工程を含む。
【0060】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二の壁部分は、第一の壁部分に向かい合っている。
【0061】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、管状構造物は、血管の内表面の開口部を通して挿入され、本方法は、開口部の大きさを増加させる工程を含む。
【0062】
他の実施形態によれば、血管の組織を操作するシステムは、血管の第一の壁部分に挿入する大きさをもつ管状構造物と、管状構造物の近位端部に連結された流体ソースとを含み、流体ソースは血管の第一の壁部分にポケットを生成するために血管の第一の壁部分に流体を送出するように構成され、流体ソースは、血管の第一の壁の部分に孔を空ける程度ではないが、第一の壁部分の組織を切開するのに十分な流体圧で流体を送出するように構成される。
【0063】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、流体の送出デバイスは、バルス状にして流体を送出するように構成される。
【0064】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、管状構造物は、先端とその先端のところにあるポートとを含む。
【0065】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、管状構造物は側方ポートを含む。
【0066】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本システムはさらに、管状構造物に結合された案内部材を含む。
【0067】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内デバイスは、尖っていない先端を有する伸長した構造物を含む。
【0068】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、伸長した構造物と管状構造物は、ストッパを形成すべく一緒に結合される。
【0069】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、伸長した構造物の尖っていない先端は、管状構造物の先端から離れている。
【0070】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本システムは、さらに、血管の第二の壁部分に対して第一の壁部分の一部を固定するための固定機構を含む。
【0071】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二の壁部分は第一の壁部分と向かい合っている。
【0072】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態によれば、血管の組織を操作する方法は、血管の内表面にある開口部に対して先端からデバイスを、血管の第一の壁部分内内へと、デバイスの全体が壁部分の内に入るまで前進させる工程(ここで、デバイスが遠位端部、近位端部および該近位端部に結合された切断要素を有する)と、開口部の大きさを、デバイスを引き込むことにより増加させるために切断要素を使用する工程とを含む。
【0073】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本デバイス装置は拡張可能な部材を含む。
【0074】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、拡張可能な部材は膨張可能な部材を含む。
【0075】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、膨張可能な部材はケージを含む。
【0076】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、切断要素はブレードを含む。
【0077】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、さらに、デバイスの全体が、血管の第一の壁部分へ挿入される前に、開口部を生成する工程を含む。
【0078】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、そのデバイスを使用して開口部を生成する工程を含む。
【0079】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、さらに、血管の一部からフラップを生成するためにデバイスを使用する工程を含み、ここで、開口部の増加した大きさが所望の幅をもつフラップをもたらす。
【0080】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その方法は、さらに、血管の第二の壁部分に対して前記フラップの一端を固定する工程を含む。
【0081】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二の壁部分は第一の壁部分と向かい合っている
【0082】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、血管の組織を扱うシステムは、血管の第一の壁部分へ、血管の内表面にある開口部を通して挿入する大きさの組織分離器を含み、該組織分離器は、遠位端部、近位端部、および該近位端部に連結された切断要素を含み、該切断要素は開口部の大きさを増加せる。
【0083】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織分離器は拡張可能な部材を含む。
【0084】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、拡張可能な部材は膨張可能な部材を含む。
【0085】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、拡張可能な部材はケージを含む。
【0086】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、拡張可能な部材は、拡張したとき、血管の第一の壁部分からフラップを生成するための形状および大きさを有する。
【0087】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、拡張可能な部材は非対称な形状を有する。
【0088】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、システムは、さらに、血管の第二の壁部分に対してフラップの一端を固定する固定デバイスを含む。
【0089】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二の壁部分は第一の壁部分と向かい合っている。
【0090】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、切断要素はブレードを含む。
【0091】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、システムは、さらに、組織分離器が、血管の第一の壁部分へ挿入される前に、開口部を生成するデバイスを含む。
【0092】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、このデバイスは組織分離器に連結される。
【0093】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、このデバイスは組織分離器から分離される。
【0094】
本件で記載される他の実施形態によれば、血管の組織を扱う方法は、デバイスを血管の内腔に経皮的に挿入する工程と、このデバイスがフラップを有する血管の位置に到達するまで、血管の内腔内にこのデバイスを前進させる工程と、血管の内表面に対してフラップを固定するためにこのデバイスを使用する工程とを含む。
【0095】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、このデバイスは縫合部材を含み、
フラップを固定するためにデバイスを使用する工程は、血管の内表面に対してフラップを固定するために縫合部材を使用する工程を含む。
【0096】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、このデバイスはピンを含み、フラップを固定するためにデバイスを使用する工程は、血管の内表面に対してフラップを固定するためにピンを使用する工程を含む。
【0097】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、このデバイスは組織接着剤を含む。
【0098】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、フラップは血管の第一の側面に位置し、内表面は第一の側面と反対側にある血管の第二の側面に位置する。
【0099】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その方法は、さらに、フラップを血管の第一の側面から血管の第二の側面に向けて移動させる工程を含む。
【0100】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、フラップは血管から分離された端部を有し、フラップの端部は血管にそって第一の位置に位置し、そのフラップは、血管の第二の側面に着くまで移動し、そのフラップの端部は、第一の位置からずれた、血管にそった第二の位置に位置する。
【0101】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、フラップは、血管の一部分から生成され、血管から分離された第一の端部、および血管から伸長した第二の端部を有する。
【0102】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その方法は、切断デバイスを血管の内腔に経皮的に挿入する工程と、血管の一部分からフラップを生成するプロセスで切断デバイスを使用する工程とを含む。
【0103】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、切断デバイスを使用する工程は、血管の壁内に切断デバイスを配置する工程を含む。
【0104】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、切断デバイスはブレードを含む。
【0105】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、切断デバイスは流体を送出する管体を含む。
【0106】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、内側表面は他のフラップを含む。
【0107】
他の実施形態によれば、血管の組織を操作するシステムは、伸長した形状を有し、固定機構を支持する第一のデバイスを含み、第一のデバイスは血管の内腔に挿入できる大きさをもち、固定機構は、血管の内表面に対して血管にあるフラップを固定する。
【0108】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、固定機構は縫合材料を含む。
【0109】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、固定機構はピンを含む。
【0110】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、固定機構は組織接着剤を含む。
【0111】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、フラップは血管の第一の側面に位置し、内表面は第一の側面と反対側にある血管の第二の側面に位置し、本システムは、さらに、血管の第一の側面から血管の第二の側面にフラップを移動させるための配置機構を含む。
【0112】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、フラップは血管から分離された端部を有し、フラップの端部は血管の第一の位置に位置し、フラップが血管の第二の側面に着いたときに、フラップの端部が、第一の位置からずれた、血管に沿った第二の位置に位置するように、配置機構はフラップを移動させる。
【0113】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、システムはさらに、血管の内腔へと挿入できる大きさの切断デバイスを含み、切断デバイスは血管の壁内に浸入するように構成される。
【0114】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、切断デバイスはブレードを含む。
【0115】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、切断デバイスは流体を送出する管体を含む。
【0116】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、切断デバイスは血管の一部分からフラップを生成するように構成される。
【0117】
他の、更なる観点及び特徴は、実施形態における詳細な説明により明らかとなるであろう。
【0118】
図面は、実施形態の設計および有用性を示し、同様の要素は、共通の参照番号によって示されている。これらの図面は、必ずしも原寸に比例して描かれてはいない。上述ならびに他の利点および目的が得られる方法をよりよく理解するために、添付図面に示される本実施例のより具体的な説明が提供される。これらの図面は、典型的な実施例のみを示しており、したがってその範囲を限定すると考えられるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】図1は、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図2】図2は、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図3】図3は、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図4】図4は、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図5】図5は、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図6a】図6aは、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図6b】図6bは、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図6c】図6cは、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図6d】図6dは、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図6e】図6eは、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図6f】図6fは、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図6g】図6gは、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図7】図7はいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図8a】図8aはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図8b】図8bはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図9a】図9aはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図9b】図9bはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図10】図10はいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11a】図11aはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11b】図11bはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11c】図11cはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11d】図11dはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11e】図11eはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11f】図11fはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11g】図11gはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11h】図11hはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11i】図11iはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11j】図11jはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図12a】図12aはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図12b】図12bはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図13a】図13aは、いくつかの実施形態にしたがった弁の幾何学形状の種々の態様を示す。
【図13b】図13bは、いくつかの実施形態にしたがった弁の幾何学形状の種々の態様を示す。
【図13c】図13cは、いくつかの実施形態にしたがった弁の幾何学形状の種々の態様を示す。
【図13d】図13dは、いくつかの実施形態にしたがった弁の幾何学形状の種々の態様を示す。
【図13e】図13aは、いくつかの実施形態にしたがった弁の幾何学形状の種々の態様を示す。
【図14】図14はいくつかの実施形態にしたがった超音波デバイスを示す。
【図15】図15は、いくつかの実施形態にしたがった予め生成された湾曲形状をもつ導管機構を示す。
【図16】図16は、いくつかの実施例にしたがった曲げ機構をもつ導管機構を示す。
【図17】図17は、いくつかの実施形態に係るサブ内膜アクセス機構として実施された曲げ機構を示す。
【図18】図18は、いくつかの実施形態にしたがった湾曲するように実施された曲げ機構を示す。
【図19】図19は、いくつかの実施形態にしたがった壁面テンション機構としてのケージを示す。
【図20】図20はいくつかの実施形態にしたがった別の導管機構を示す。
【図21】図21は、いくつかの実施形態にしたがった拡張可能な部材とともに使用される導管機構を示す。
【図22】図22は、別の実施形態にしたがった異なるサブ内膜アクセス機構を示す。
【図23】図23は、別の実施形態にしたがった異なるサブ内膜アクセス機構を示す。
【図24】図24は、別の実施形態にしたがった異なるサブ内膜アクセス機構を示す。
【図25a】図25aは、別の実施形態にしたがった異なるサブ内膜アクセス機構を示す。
【図25b】図25b、別の実施形態にしたがった異なるサブ内膜アクセス機構を示す。
【図25c】図25cは、別の実施形態にしたがった異なるサブ内膜アクセス機構を示す。
【図26a】図26aは、別の実施形態にしたがった異なるサブ内膜アクセス機構を示す。
【図26b】図26bは、別の実施形態にしたがった異なるサブ内膜アクセス機構を示す。
【図27】図27は、異なる実施形態にしたがった異なるハイドロディセクションを示す。
【図28】図28は、異なる実施形態にしたがった異なるハイドロディセクションを示す。
【図29】図29は、異なる実施形態にしたがった異なるハイドロディセクションを示す。
【図30】図30は、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図31】図31は、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図32】図32は、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図33a】図33aは、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図33b】図33bは、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図33c】図33cは、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図34】図34は、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図35】図35は、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図36a】図36aは、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図36b】図36bは、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図36c】図36cは、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図36d】図36dは、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図37】図37は、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図38】図38は、いくつかの実施形態にしたがった吸引能力をもつプローブを示す。
【図39】図39は、いくつかの実施形態にしたがった吸引能力をもつ導管機構を示す。
【図40】図40は、いくつかの実施形態にしたがったステッチ機構を備えている導管機構を示す。
【図41】図41はいくつかの実施形態にしたがったリップ把持機構を示す。
【図42】図42は、いくつかの実施形態にしたがった吸引能力を含む導管機構を示す。
【図43】図43は、いくつかの実施形態に係る作動部分と切開プローブを示しています。
【図44】図44は、他の実施形態にしたがった作動部分を有する切開プローブを示す。
【図45】図45は、いくつかの実施形態にしたがったガイド部材から出る切開プローブを示す。
【図46】図46は、いくつかの実施形態にしたがった振動するように構成されている解剖プローブを示す。
【図47】図47は、いくつかの実施形態にしたがった横方向に移動するように構成されている切開プローブを示す。
【図48】図48は、いくつかの実施形態にしたがった血管壁にポケットを生成するために使用することができるケージを示す。
【図49a】図49aは、いくつかの実施形態にしたがったサブ内膜ポケットの生成機構の拡張可能な要素についての異なる幾何学的形状を示す。
【図49b】図49bは、いくつかの実施形態にしたがったサブ内膜ポケットの生成機構の拡張可能な要素についての異なる幾何学的形状を示す。
【図49c】図49cは、いくつかの実施形態にしたがったサブ内膜ポケットの生成機構の拡張可能な要素についての異なる幾何学的形状を示す。
【図49d】図49dは、いくつかの実施形態にしたがったサブ内膜ポケットの生成機構の拡張可能な要素についての異なる幾何学的形状を示す。
【図49e】図49eは、いくつかの実施形態にしたがったサブ内膜ポケットの生成機構の拡張可能な要素についての異なる幾何学的形状を示す。
【図49f】図49fは、いくつかの実施形態にしたがったサブ内膜ポケットの生成機構の拡張可能な要素についての異なる幾何学的形状を示す。
【図50】図50は、他の実施形態にしたがった作動部分を有する別の切開プローブを示す。
【図51】図51はいくつかの実施形態にしたがった切断機構を示す。
【図52】図52は他の実施例にしたがった別の切断機構を示す。
【図53】図53は、いくつかの実施形態にしたがった、尖ったエッジを含むサブ内膜アクセス機構を示す。
【図54a】図54aは、異なる実施形態にしたがった内膜分離機構についての異なる幾何学的形状を示す。
【図54b】図54bは、異なる実施形態にしたがった内膜分離機構についての異なる幾何学的形状を示す。
【図54c】図54cは、異なる実施形態にしたがった内膜分離機構についての異なる幾何学的形状を示す。
【図55a】図55aは、他の実施形態にしたがった、別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【図55b】図55bは、他の実施形態にしたがった、別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【図55c】図55cは、他の実施形態にしたがった、別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【図56a】図56aは、他の実施形態にしたがった別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【図56b】図56bは、他の実施形態にしたがった別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【図56c】図56cは、他の実施形態にしたがった別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【図56d】図56dは、他の実施形態にしたがった別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【図56e】図56eは、他の実施形態にしたがった別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【図56f】図56fは、他の実施形態にしたがった別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0120】
様々な実施形態が、図を参照して以下に説明されている。図は、原寸には比例しておらず、類似の構造または機能の要素は、すべての図を通して同様の参照番号によって表されていることに留意されたい。また、図は、実施形態の説明を容易にすることを意図するに過ぎないことにも留意されたい。図は、本発明を網羅する説明として、または本発明の範囲を限定するものとして意図されてはいない。さらに、示される実施形態は、表示された態様または利点のすべてを有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明された態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されるものではなく、そのように示されていない場合でも、任意の他の実施形態で実施できる。
【0121】
図1−図6は、いくつかの実施形態による弁生成システムの構成要素を示す。弁生成システムは、導管機構2(図1、図2)、サブ内膜アクセス機構18(図3A、3B)、サブ内膜ポケット生成機構32(図4a、4b)を含む。いくつかの実施形態では、サブ内膜ポケット生成機構32は、必要に応じて内膜分離機構46(図5a、5b)を含んでもよい。また、いくつかの実施形態において、サブ内膜ポケット生成機構32は、必要に応じて弁固定機構48(図6)を含むことができる。
【0122】
図1は、いくつかの実施形態にしたがった導管機構2を示す。本明細書で用いられるように、用語“導管機構”または類似の用語は、要素または基板を囲み、または/および送出するための導管、チャネル、または内腔をもつ任意のデバイスという意味である。導管機構2は、体腔に経皮的に挿入することができ、他のデバイス要素をサポートするためのプラットフォームとして機能する。導管機構2は、近位端部4と遠位端部5をもつ伸長した管体3を有する。導管機構2は内腔6を有し、その内腔6は、伸長した管体3の近位端部4から遠位端部5に延び、横向きの出口ポート7の近くではあるが、僅かな距離(例えば2ミリメートルから10ミリメートル)離れたところに至るものである。導管機構2はまた、伸長した管体3の遠位端部に位置する遠位出口ポート8を含み、そのポート8は内腔6と流体連通している。
【0123】
導管機構2は曲げ機構11を備えている。この実施形態では、曲げ機構11は、導管2の内腔6の遠位端部に機械的結合部13に連結されたワイヤ12の形をとる。この実施形態では、曲げ機構11は、内腔6を通って導管機構2の近位端部4を通過する。この実施形態では、伸長した管体3の遠位端部の剛性は、使用者が曲げ機構11のワイヤ12の端部を引っ張り、テンションを与えたときに、伸長した管の遠位端部付近が湾曲するように、近位端部のものよりも小さい。可動なカテーテルに関連した当業者であれば、この機構が、伸長した管体3を湾曲させるためにどのように使用できるかを理解する必要がある。この湾曲により、ツールが横向き出口ポート7を通過し、内腔の壁に関して非平行に通過できり、自己弁の形成を容易にする。図1は、曲げ機構11の作動前の直線的な形態をもった導管機構2を示す一方、図2は、曲げ機構11の作動により湾曲した導管機構2を示す。
【0124】
図示された実施形態では、導管機構2は、壁テンション機構15を備えている。この明細書で使用されるように、用語“壁テンション機構”またはこれに類似の用語は、血管の壁にテンションを与えるように構成されるどのデバイスをも示す。壁テンション機構15は、ほぼ円筒形の形状ともち、横方向に位置する膨張可能で順応性のあるバルーン16を含む。バルーン16は、伸張した管体3の遠位端部5の近くで、伸張した管体3に接続されている。バルーンは、膨張内腔17と流体連通し、その内腔は、伸張した管体3の近位端部4にある膨張ポートと連通している。膨張可能なバルーン16はその分量、および膨張内腔17を通して供給される膨張流体の圧力に対応して種々の直径をもつものへと膨張できる。図1は、しぼんだ状態のバルーンをもつ、非作動状態の壁テンション機構15を示し、図2は、膨張したバルーン16をもつ、作動状態にある壁テンション機構15を示す。バルーン16は、血管内に配置できるように(たとえば、大きさ、形など)設定されている。バルーン16は、膨張すると、血管の壁にテンションを与える。
【0125】
図3aは、いろいろな実施態様にしたがったサブ内膜アクセス機構18を図示する。この明細書で使用されるように、用語“サブ内膜機構”またはこれに類似の用語は、少なくとも血管壁内に配置できる部分をもつどのデバイスをも示す。サブ内膜アクセス機構18は図1および2の導管機構2とともに使用できる。特に、サブ内膜アクセス機構18は、導管機構の内腔6を通して挿入でき、横向き出口ポート7を通って出すことができる。
【0126】
図示した実施形態では、サブ内膜アクセス機構18は、近位端部20を有する伸張した部材19、閉鎖した尖っていない遠位端部21を有するガイド部材100、および閉鎖した尖っていない遠位端部21の近くで短い距離(たとえば、2−8 mm) のところに伸張した管体19から伸張した組織係合機構23を備えている。この図において、組織係合機構23は、サブ内膜アクセス機構18の主要な内腔22と流体連通している内腔2を有する管状構造101を含む。したがって、サブ内膜アクセス機構18の近位端部20から、サブ内膜アクセス機構18の主要な内腔22の全長を介して、前方に向いた出口ポート25で終わる組織係合機構23の内腔24に至る通路は流体連通している。いくつかの実施形態において、組織係合機構23は、サブ内膜アクセス機構18の伸張した管体19との間で相対角度を形成する。組織係合機構23と伸張した管体19の本体との交点は肘関節を形成し、底入れ機構26を形成する。いくつかの実施形態において、組織係合機構23は伸張した管体19に取り付けられてもよい。他の実施形態において、組織係合機構23と伸張した管体19は、一体構成で形成されてもよい。たとえば、組織係合機構23は、伸張した管体19の一部であってもよい。組織係合機構23は、血管の内壁への侵入を容易にするために、尖った先端27を有する。尖った先端27の斜面の角度方向は、その斜面の最遠点がサブ内膜アクセス機構18の長手方向の軸線102から離れる方向である。特に、先端27の最遠点は第一の側面104から第二の側面106へとテーパーがつけられ、ここで第一の側面104は第二の側面106よりも軸線102から離れている。このような構成には、先端27がより容易に血管壁内に侵入することができるという有利である。
【0127】
サブ内膜アクセス機構18はまた、組織層分離機構28を備えている。本明細書で用いられるように、用語 "組織層分離機構"またはこれに類似の用語は、組織を分離することができる(例えば、組織を切開)どの機構をも意味する。組織層分離機構28は、蛍光造影剤10の加圧源、および組織層分離アクチュエータ29を含む。図3aは、作動前で、蛍光造影剤10の加圧源がサブ内膜アクセス機構18の近位端20に存在するときの組織層分離機構28を示す。図3bは作動中の組織層分離機構28を示す(作動中では、蛍光造影剤10の加圧源は、サブ内膜アクセス機構18の主要な内腔22を通して、組織層分離機構28の内腔24を通して、高圧流の流体30として、前方に向いた出口ポート25から出るまで、力が加えられる。組織層分離アクチュエータ29は、手動で操作される制御ピストン機構または注射器である。高圧流の流体30は、血管の壁の層を、組織層の間に力を作用させ分離し、半制御のハイドロディセクション(hydrodissection)(ここで描かれていない)を形成するように使用される。いくつかの実施形態では、血管内の層間(切開)面に放出されている高圧流体のボーラス(bolus)が3−4秒間持続する。図示の実施形態では、高圧流の流体30は、血管壁の組織を切開するのに十分であるが、血管の壁を通して穴をあけることにならない程度に、血管壁に流体圧を与える。高圧流の流体30は100mmHg以下から1000 mmHgにある流体圧力を有してもよい。また、高圧流の流体30はパルス状となってもよい。
【0128】
いくつかの実施形態では、造影剤10は、蛍光透視装置のような撮像素子を用いて画像化することができる造影剤であってもよい。これにより、決定されるべき機構8の位置が決定でき、造影剤10の流路が、造影剤10の投入の間、可視化することができる。これによりまた、血管内の組織層の分離の進行状況をモニターすることができる。
【0129】
ガイド部材100の遠位先端21は、血管壁の表面に対して先端27の位置決め(例えば、向き)を案内するために血管の内壁の表面上に配置されるように構成される。こうした場合、尖っていない遠位端部21を押すことにより力が血管壁に作用し、壁表面にテンションを与え、壁の向きを変え、先端部21が容易に血管の壁に侵入できるようにする。
【0130】
いくつかの実施形態では、組織層分離機構28は、血管壁においてフラップを形成するのに十分な大きさを有する血管の壁の内側にポケットを形成するために、血管の壁の組織を切開するように構成されている。このような場合には、流体の流れ30はサブ内膜ポケット形成機構として機能する。他の実施形態では、組織層分離機構28は、血管の壁に最初の内腔を形成するために流体の流れ30を供給するように構成されており、他のデバイスは、血管壁にフラップを形成するのに十分な大きさのポケットを形成すべく、内腔のサイズを拡張するために内腔に配置してもよい。図4aは、いくつかの実施形態にしたがったサブ内膜ポケット生成機構32を示す。本明細書で使用されているように、用語“サブ内膜ポケット生成機構”またはこれに類似の用語は、血管壁内にポケットを形成するように構成されたどの機構も示す。サブ内膜ポケット生成機構32は、近位端部34と、尖ってはいないがテーパーがつけられた遠位端部35と、造影剤用内腔36(これは、近位端部34から機構32の遠位端部に造影剤用出口ポート37へと伸張する)とを有する伸張した部材33を有する。サブ内膜ポケット生成機構32はまた、膨張可能で、順応性のあるポケット形成バルーン38は、バルーン膨張内腔39と、ポケット生成バルーン38にバルーン膨張内腔39を接続している膨張ポート40を含む。図示された実施形態では、ポケット生成バルーン38は、気密シールを形成するために、サブ内膜ポケット生成機構32の外表面33に接合されている。
【0131】
図4bは、ポケット生成バルーン38が膨張したときの機構32の構成を示す。図示の実施形態では、膨張したバルーン38は、膨張内腔ルーメン39を通して膨張する時に、サブ内膜ポケット生成機構32の外面から横方向に膨張して非対称な形状をとる。ポケット生成バルーンの最大直径41はバルーンの遠位端部43よりもバルーンの近位端部に近いほうにある。バルーンは、湾曲した先端のテーパー部44と湾曲した近位テーパー部45をもち、近位のテーパー部はより急なものとなっている。この実施形態では、サブ内膜ポケット機構32のしぼんだ状態での適切な大きさは、サブ内膜アクセス機構18の主内腔、組織係合機構23の狭い内腔および正面の出口ポート25を通過できる程度のクリアランスをもつようにすることである。
【0132】
いくつかの実施形態では、サブ内膜ポケット機構32は、必要に応じてさらに、血管壁の表面(図5a)における開口部の大きさを増大させるように構成されている内膜分離機構46を含むことができる。本明細書で用いられるように、用語“内膜分離機構”またはこれに類似の用語は、弁の上側のリップで内膜分離を完成させる機構(フラップの上側のリップが所望の幅をもつようにする機構など)を示す。この実施形態では、内膜分離機構46は、(この実施例では、細い針金として描かれている)、後方に向いた切断機構47を備えている。切断機構47は、ポケット生成バルーン38の直近にある伸張した部材33の表面に接合されている。この実施形態では、切断機構47は、ポケット生成バルーン38の膨張が切断機構47を動作位置に移動し、組織に接触させるように接合されている。図5bは、ポケット生成バルーン38の膨張時に拡張された形状を想定した内膜分離機構46を示す。伸張した部材33に固定される場合に代えた他の実施形態では、切断機構47はバルーン38に固定することができる。また、ここで記述した実施形態のいずれにおいても、切断機構47は、バルーン38の表面上に配置される鋭い複数の粒子を含んでもよい。
【0133】
いくつかの実施形態では、サブ内膜ポケット機構32は、必要に応じて、さらに弁固定機構を送るためのチャネルを含んでもよく、ここで弁固定機構は血管の壁にフラップを固定するように構成される。図6aは、弁固定機構を送るための、機構32の伸張された部材33内に位置するチャネル49を示す。図6bは、いくつかの実施形態にしたがった固定機構48、特にチャネル49内に送られる弁固定機構48を示す。図6dは、先端に尖った穿刺用部材54、ニチノール製の二つの前方クリップアーム55、二つの後方クリップアーム56、拘束シース57、切り離しジョイント58(固定送出機構と固定機構の先端クリップ53との間に位置する)とから構成されている固定機構48の遠位端部53のより詳細な図を示す。この図では、切り離しジョイント58は、ワイヤのノッチとして示されている。図6bに戻る。図6bは、ワイヤのような固定送りシステム51と、スプリングおよびラッチシステムとして示されている作動機構52を示す。図示した実施形態では、チャネル49は、サブ内膜ポケット生成機構の近位端部から、弁の固定が達成される傾斜した側方ポート50へと伸びている。図6cは、送りシステム51が短い距離、傾斜した側方ポート50から固定機構の遠位端部53を押しながら前方に移動して拡張する最初の段階での弁固定機構48を示す。図6eは、作動機構52の作動の結果、作動の第二段階での弁固定機構48を示す。この実施形態では、作動機構52は、ポケット生成バルーン38の膨張の後に作動する。送りシステムは、その最大距離まで前進し、固定機構遠位端部53を、伸張した部材33から膨張したポケット生成バルーン38の外側の大部分を僅かに超える距離に押す。図6fは、前方クリップアーム55の形状記憶特性の結果、前方クリップアーム55が送りシステム51の軸に対して垂直な外向き方向に、飛び出すのに十分なほど、拘束シース57が後退した作動の第三の段階にある弁固定機構48を示す。後方クリップアーム57が、アームの形状記憶特性の結果、送りシステム51の軸に対して垂直な外向きに飛び出すのに十分なほどに、拘束シース57が後退しているときに、作動の第四段階は達成される。図6gは、作動の第五段階と最終段階にある弁固定機構48を示す。弁固定機構48が血管壁に対してフラップを固定するために配置された後に、全固定機構の送りシステム51は、固定機構遠位端部53を切り離しジョイント58のところで固定機構送りシステム51から切り離すために強制して、引っ込められる。切り離しジョイント58は意図的に、その場所でテンションが掛からないように作られ、その結果、固定機構遠位端部53は、固定機構送りシステム51の引き込みの際に残されている。この実施形態では、固定機構遠位端部53は“Hタグ”となる最終の向きを取る。他の実施形態では、固定機構遠位先端53は、他の形状(例えば、形)を有することができる。たとえば、他の実施形態では、固定機構は、異なる配置形状を有する1つ以上の歯状物を含んでもよい。また、上記形状に代え、他の実施形態では、固定機構48は、チャネル49、または別のデバイスにある別のチャンネルから展開されている組織接着剤でもよい。組織接着剤は、血管壁に対するフラップを固定するために使用される。
【0134】
図7−図12は経皮的な弁成形手順の内容内で、上述したデバイスを使用する方法を示す。記述する機能は、デバイスのすべての可能な用途の記述であることを意図するものではない。これは、1つまたは複数の行為/機能性が一定の手続きの状況のために、省略されてもよいことに留意すべきである。
【0135】
図7−図12は、血管の体腔59内で使用されるデバイスを描く。簡単化のために、図示の体腔は内側の層60と外側の層61をもつ。静脈のような多くの身体の内腔では、内腔の壁は、三つの層、すなわち内膜、中膜、および外膜から構成されている。以下の表現では、外側の層61は外膜を表すが、内側の層60は内膜と中膜との組み合わせを表す。これに代え、弁成形の実施形態では、内側の層60は内膜を表し、外側の層61は、中膜と外膜を表す。さらに別の実施形態では、内側の層60と外側の層61の両方は、メディアを含んでもよい。
【0136】
図7は図1の導管機構2を示すが、この機構は、逆行方向から身体の内腔59内の弁生成サイト62に経皮的に挿入される。いくつかの実施形態では、デバイスのユーザーは、導管機構8の先端の出口ポートを通して透視造影剤10を注入することができ、その結果透視可視化が導管機構2を観るために利用することができる。これにより、ユーザーは弁成形サイト62に対する導管機構2の位置を決定することを可能にする。
【0137】
図8aは、壁テンション機構15が作動した導管機構2を示す。この図では、壁テンション機構15の主要な機能要素は、導管機構2の表面3から体腔59の内壁60へと垂直に延びる膨張可能な順応性のあるバルーン16である。バルーンは膨張内腔17と通って、適切な内腔の壁の膨張に対応する特定の圧力が測定されるまで段階的に膨張する。
【0138】
図8bは、曲げ機構11が作動した導管機構2を図示する。この図では、曲げ機構11の主な機能要素は、導管機構2の内腔6の最遠位端部に機械的結合13に取り付けられたワイヤ12である。この図では、ワイヤ12は近位端部から引っ張られて、導管機構2の遠位端部5は力を受けて曲げられる。壁テンション機構15が作動すると、カテーテル表面3および膨張したバルーン16は、内腔の壁60と平面で接触し、したがって、体腔59自体も湾曲する。このように、曲げ機構11は、血管の壁を曲げる。図示した実施形態では、導管機構2の曲の大半は、横向きの出口ポート7のところ、または遠位端部で生ずる。ツールが血管の壁と非平行の角度を形成するように、横向き出口ポート7を通ることから、この構成は有利である。
【0139】
図9a−図9bは、導管機構2内に位置し、そこから拡張されているサブ内膜アクセス機構18を図示する。図9aは、導管4の近位端部から進んで、横向きの出口ポートから露出した作動中のサブ内膜アクセス機構18を図示する。横向き出口ポート7より導管の前方の曲がりにより、サブ内膜アクセス機構18は内腔の壁60に対して非平行な角度で導管から出る。ガイド部材100は、組織係合機構23の配置を導くために血管の表面に押し付けられている。たとえば、機構23はガイド部材100と血管壁との間の接点にあたりで傾斜させることができる。このように、ガイド部材100は、機構23が所望の角度で血管壁に入るようにする。ある場合では、ガイド部材100はまた、血管壁の表面に(すなわち、すでにバルーン16によって与えられているものに加えて)何らかのテンションを与える。図9bは、完全に進められ、内腔の壁60と係合した後のサブ内膜アクセス機構18を図示する。図示された実施形態において、組織係合機構23は、血管壁に侵入し、血管組織がストッパ(たとえば組織係合機構23の近位端部がガイド部材100と出会う領域)に当接するまで進む。完全な係合は、組織係合機構23が血管壁に浸入した後、ガイド部材100と機構23との間の組織が底入れ機構26(ストッパー)の肘関節部に出会うとき、発生する。完全な組織の係合がなされると、組織係合機構23の前方を向いた出口ポート25は、内腔壁内に完全に位置する。
【0140】
図10は、弁成形サイト62で使用される組織層分離機構28を図示する。組織係合機構23の先端27が血管の壁の内側に位置したあと、蛍光造影剤10の加圧されたソースは、高圧流体30となって前方を向いた出口ポート25から出るまで、サブ内膜アクセス機構18の主要な内腔22を、そして組織係合機構23の狭い内腔24を通過させられる。高圧流体30の流れは、注入時の層間結合を物理的に壊し、半制御しながら、中間層の切開面31を形成することにより、弁生成サイト62のところに体腔59の外側層61から内側層60を傷つけることなく分離する働きをする。いくつかの実施形態では、高圧流体30は一定の長さの切開面31が形成されるまで維持される。他の実施形態では、高圧流体30はパルス状にして送出されてもよい。また、他の実施形態では、高圧流体30は、切開面31の長さが増加するように、調整(たとえば、増加)されてもよい。高圧流体切開は、硬いプローブで尖っていない機械切開以上の利点がある。血管壁内で与えられる切開力は、切開ポケットの内部表面積を広げ、その結果どの場所でも固体プローブ(または固体デバイス)の場合よりも小さなものとなる。さらに、高圧流体切開では、組織分離は、自動的に、低圧力(たとえば、固体デバイスを使用する場合と比較して)での切開を可能とする、最小抵抗の面に沿って生ずる。
【0141】
透視造影剤10は、この実施形態では、組織層分離に使用されているため、ユーザーは透視可視化技術を用いて、組織上の流体送出の効果を可視化する機会をもつことになる。特に、蛍光透視可視化技術により、ユーザーは、血管の壁内の組織分離の進行状況を観ることができる。透視可視化技術はまた、切開面31が血管壁の外面に近すぎているかどうかを、ユーザーが決定できるようにする。このような場合、ユーザーは、血管壁に(流体によって)貫通穴が開き、処理を停止させる場合と判断することできる。さらに、この可視化技術は、ユーザーが組織層分離機構28を再び作動する必要があるかどうかを判断するために、新しく生成された層間平面31の深さや形状を評価することができる。適切な組織層の分離が発生するまで、このプロセスが限りなく繰り返され、このような手続が続行される。
【0142】
図11aは、サブ内膜ポケット生成機構32が層間面31に進むことを図示する。組織層分離機構28を用いた組織層の適切な分離に続いて、サブ内膜ポケット生成機構32は、サブ内膜アクセス機構18の主要な内腔22を通り、組織係合機構23の狭い内腔24内へ、そして、前方に向いた出口ポート25から出るように進む。図11aに図示されているように、組織係合機構23は、前方に向いた出口ポート25を出て、内側の層60と外側の層61との間にある、新しく生成された層間面31へと進む。サブ内膜ポケット生成機構32は、しぼんだポケット生成バルーン38の最も近い部分が、少なくとも層間面31にあるように進められる。
【0143】
図11bは、サブ内膜ポケット生成機構2にそってサブ内膜アクセス機構18が除去され、予め生成された層間面31内にサブ内膜ポケット生成機構32のみが残っている状態を図示する。
【0144】
図11cは、 サブ内膜ポケット生成に先立つ、弁固定機構48の作動の第一段階を図示する。サブ内膜ポケット生成機構32が新しく生成された層間面31内に十分に進むと、固定機構送出システム51は、傾斜したサイドポート50から固定機構の先端53を押し出しながら僅かに進む。尖った貫通部材54、さらに新たに分離した内部組織フラップ63に対して傾斜したサイドポート50の位置および角度方向のために、固定機構の先端53は、層間面31側から内側の組織層フラップ63を通して、体腔59の内部に出る。弁固定機構は、弁固定機構の続く段階の完了前に、サブ内膜ポケット生成の完了までの間、内側の組織層フラップ63の制御を維持する。
【0145】
図11dは利用されているサブ内膜ポケット機構を図示する。弁固定機構48の作動の最初の段階に続いて、層間面31内に入っているしぼんだポケット生成バルーン38が、膨張内腔39を通って膨張し、非対称な形状となるように拡大する。図示のとおり、層間面31内にあるバルーンの膨張は、フルサブ内膜ポケット64が層61と62との間に生成されるまで、内腔壁の外層61から内層組織フラップ63を分離していく。このサブ内膜ポケット64の幾何学的形状は、膨張時のポケット生成バルーン38の形状、大きさや位置によって決定される。この時点で、サブ内膜ポケットの先端にサブ内膜ポケット生成機構32を除くことができる程度に十分な大きさの円形となった狭い入口65が存在する。組織係合機構23が血管の表面を通って、血管壁に侵入したときに、この入口は、最初に生成された。
【0146】
図11eは、サブ内膜ポケットの生成の直後、または同時に行われる弁固定機構48の作動の第二段階を図示する。ポケット生成バルーン38の膨張の後/その間、固定機構送出システム51は、内腔に向かい合うところに、内側の組織層60bと外側の組織層61bの両方を固定機構の先端53を押し入るように、さらに進み、その結果外の内腔空間66に位置する。
【0147】
図11fは弁固定機構48の作動の第三段階を図示する。固定機構の先端53が外の内腔空間66内へと進むと、先端クリップアーム55がその形状記憶特性の結果送出システム51の軸線に垂直な方向に外側に跳ねることができるように、拘束シース57(図示せず)は僅かに後退する。このクリップの向きは、先端53が、突き進んだ組織層から誤って後退して係合しなくならないように、先端53を制限する。
【0148】
図11gは、弁固定機構48の作動の第四段階を図示する。拘束シース57(図示せず)は、その形状記憶の特性の結果として、近位のクリップアーム56が送出システム51の軸方向に垂直な方向へと跳ねることができるように後退する。近位のクリップアーム56は、広がると、サブ内膜ポケット64内に位置する。この時点で、内腔の一方の側から内側の組織層60b、内腔の他方の側からの内側の組織層60b、および内腔の他方の側からの外側の組織層61bは、後方クリップアーム56および前方のリップアーム55の間に拘束される。このように、クリップは、血管の第一の壁部分から形成されたフラップを、その第一の壁部分に向かい合う第二の壁部分に対して固定する。
【0149】
図11h、弁固定機構48の作動の第五および最終段階を図示する。固定機構送出システム51全体は、固定機構の先端53が切り離しジョイント58のところで固定機構送出システム51から切り離すために後退する。このように、固定機構の先端53は、切り離し時に“Hタグ”として、本実施形態に示されるように、残される。この形状は、新たに分離された内側の組織層60aが外側の組織層61aに対して元々の向きを取ることを防止し、したがって、生理学的に元の位置に再付着することを防止する。送出システム51と拘束シース57は完全にサブ内膜ポケット生成機構32の固定機構ツールのチャネル49を通して生体構造から削除されます。他の実施形態では、切り離しジョイント58を壊すためのテンションを利用する代わりに、ジョイント58は、適用される電流または熱に応答して分解するものでもよい。
【0150】
図11iは、ポケット生成バルーン38が最大直径をもつ縦位置(図11hにおいて、A−Aにより示されている)での体腔59の断面図を図示する。体腔の積の大部分は、新しく作成された層間ポケット64で占められている。
【0151】
図11jはポケット生成バルーン38の近くでサブ内膜ポケット生成機構32の縦位置(図11iにおいて、B−Bにより示されている)における体腔59の断面図を図示する。この場所では、内側の組織層フラップ63の先端に狭い入口65が見られ、より遠位の位置のところでポケットの全直径よりもよりもはるかに小さい開口部である。
【0152】
図12a−図12bは、利用されている内膜分離機構を図示する。サブ内膜ポケット64の生成の間、ポケット生成バルーン38の膨張の行為は、後方に向いた切断機構をその拡張された方向(図11dに図示)へと作動させる。図12aに示されているとおり、サブ内膜ポケット生成機構46は、新しく生成されたサブ内膜ポケット64から除去されるが、ポケット生成バルーン38は残される。機構46の近位置への動きは、切断機構47が、開口部65の隣の組織をフラップ63に一端付近で切断できるようにし、このことにより開口部65の大きさが増加する。これにより、所望の幅をもつフラップ63が形成される。機構46の膨張したバルーン38が入口65から近接して除去されるとき、対抗テンションが血管壁で生じ、後方に向いて切断機構47が、その膨張した機構47の形状にしたがった経路(たとえば、湾曲した経路)にそって血管壁をクリーンで一貫性のある切断ができる。図示の実施形態では、内側の組織層分離の周囲各(血管の周囲にそって測定されたもの)は180°(たとえば、180°+10°)以上で、切断はほぼ水平となる(すなわち、切断の方向は、ほぼ血管の長手方向軸線となる)。他の実施形態では、切断は水平でなくてもよい。また、他の実施形態では、切断機構47によって行われた切断の長さは180°未満であってもよい。内側の組織層フラップ63の分離は、新しく生成された自己弁67の上側リップを確定する。この時点で、ポケット生成バルーン38がしぼみ、自己弁の生成がなされる。図12bは、デバイスが完全に除去された後、内側の組織層フラップ63の固定に近いところ(図11hのB−B)に位置する縦面における完全に生成された自己弁67の断面図を示す。
【0153】
弁67が生成された後、ユーザーは透視可視化技術を使用して自己弁の生成の効果を可視化することできる。造影剤10は、手続中に、任意の適切な時に、ポケット生成機構32の前方に向いた出口ポートから(または他の流体送達デバイスから)注入することができる。弁の生成が行われた後に、このツールは、特に有用であろう。この場合、ユーザーは最初に、新しく生成されたサブ内膜ポケット64に前方を向いた出口ポート25を配置することを容易にするためにポケット生成バルーン38を収縮させてもよい。標準的な技術(ふくらはぎの筋肉の手動によりポンプピングを含む。)が、評価のために、自己弁67を通して血流を形成するために使用することができる。自己弁67が正常に機能していることが可視化により確認されれば、デバイスは体腔から除去される。
【0154】
図12bに図示の自己弁67が形成されたときに、特定の弁の幾何学的形状が生成される。図13a−図13eは、本明細書に記載のデバイスの実施形態を用いて体腔59内に生成される一つの特定の好適な弁の様々な態様を図示する。図13aはモノカスピド(monocuspid)弁の幾何学的形状の断面図を示す。内層組織フラップ63で構成されたリーフレット68は、一つの内腔壁から突き出て、その内腔壁と向かい合う内腔壁へかつ上方へ伸長し、単一方向の自己弁67を生成している。この実施形態では、弁尖69は、停滞を防止し、血液の循環を可能にする湾曲した形状をとる。図13bは、リーフレット68と、フラップを切開したところから管腔側壁との間に生成されたサブ内膜ポケット64の異なる形状を示す。このポケット64は、内腔の壁に一致する湾曲した側面をもつ逆さまにした三角形の押し出し(extrusion)形状を呈している。図13cは、いくつかの実施形態にしたがった弁の幾何学的形状において高さ800と円周方向の幅71のおおよその相対的な寸法を示す。リーフレット68(その最も高い点で)の高さ70は内腔72の内径よりも大きく、同様にリーフレット68の円周方向の幅71は180°よりも若干大きくなる。前述したように、固定機構48は、いくつかの実施形態にしたがって、血管壁への弁のフラップの固定するために使用することができる。図13dは、(オフセットを表す図中の矢印を参照)内腔の壁の残りの部分から内側の組織層60の切り離し74のラインよりも縦方向で、低くなった固定73の位置を示す。図13eは、自己弁67の閉鎖サイクルの間の固定位置の効果を示すもので、この効果はリーフレット68の余分な組織の矛移動をもたらし、その結果リーフレット68の組織を過度に伸長することなく、閉鎖する弁の向かいの内腔壁に対して自由に塞ぐことができる。
【0155】
血管内の弁を生成するためのシステムおよび方法は、前述した実施形態に限定されるものではないことに留意すべきである。他の実施形態では、本システムはさまざまな構成をとることができる。また、他の実施形態では、本方法は、種々のデバイスおよび/または技術を用いて実施することができる。
【0156】
上記実施形態では、デバイスは、造影剤と可視化のための透視技術を利用として記載されてきた。他の実施形態では、デバイスは、所望のターゲット位置に導管機構2のナビゲーションを容易にし、弁生成手順の進行状況をモニターし、および/または所望の弁が生成されたことを確認するために、外部超音波装置を利用することができる。図14は、大腿部142の外部組織、または他の外部組織の位置に適合する特定の形状を有する超音波プローブ140を図示する。静脈系で使用される場合、このよう実施形態において、浸入の深さは、深部静脈不全をもつ平均的な患者の深部静脈組織に、特に浅い大腿静脈、膝窩静脈、総大腿静脈、または深部静脈システムに焦点を当てて、プログラムすることができる。図示の実施形態では、プローブの先端には、作動時にプローブが脚に対して静的に維持できるように、固定機構144を有する。この実施形態では、固定機構は、チャンバー内の空気を除去しながら、チャンバーを密閉することにより低圧のチャンバーを形成するように作動させることができる吸引カップ(suction cup)を備えている。そのような機構は、必要なときに患者からデバイスを切り離すために容易に反転させることがでる。別の実施形態では、固定機構144は、患者の足を包み込むストラップであってもよく、半永久的に留め付けるためのラッチ機構で締め付けまたは緩めることができる。いくつかのこのような実施形態では、超音波プローブ140は、医師が患者の脚を直接見て、下に位置する静脈を可視化できるように、プローブ自体に対になってビデオ出力を有する。
【0157】
前の実施形態では、デバイス140は、可視化を達成するために患者の外部に配置される超音波装置として記述された。他の実施形態では、デバイス140は、別の外部撮像様式のものでもよい。たとえば、他の実施形態では、可視化は、磁気共鳴イメージングを用いて達成され得る。他の実施形態では、可視化は、コンピュータ断層撮影スキャンを用いて達成され得る。さらに他の実施形態では、可視化は、光コヒーレンストモグラフィーを用いて達成され得る。さらなる実施形態では、可視化は、血管内超音波法を用いて達成され得る。
【0158】
他の実施形態では、可視化は、特定の血流力学のパラメータ(医療行為のための適切な位置を特定すること、または処置の間および/またはその後に手順の成功を評価することに役立つ。)を評価するのに役立つ他のセンシング技術で達成することができる。このような様式は、局所的な血圧を測定するための装置、流量計、パルスオキシメーター、またはその他の身体検査を行うためのデバイスを含むことができる。
【0159】
他の実施形態では、可視化は、直接可視化技術を用いて達成してもよい。そのような実施形態において、インターベンショナルサイトでは、血液が排出される。たとえば、近位および遠位のバルーンは血管内腔内に送出され、そこではバルーンは膨張し、血液は二つのバルーンの間のカテーテルのポートにより排出さえる。このような実施形態では、二つのバルーンは、別々ではあるが併存する適用範囲をもつカテーテルに収容されている。別の実施形態では、バルーンは同じカテーテルにある。いくつかのケースでは、血液の排出に利用されるバルーンはまた、追加的な縦方向の対抗テンションを与えてもよい。バルーンの間の血液が除去された後、カメラが、観るために血管内に送出されてもよい。別の実施形態では、外部ラップとターナキット(turnakit)システムが、処置の前に脚の血液を放血させるために使用することができる。他の実施形態では、直接的な可視化が、血液を排出させないが、しかし、バルーン内にカメラを収納することによって行われる。バルーンは透明な液体または気体で膨張し、内腔壁に対して押す付け、壁や周囲の組織の直接可視化ができる。別の実施形態では、カメラが、カメラが組織を通して観ることができる透明な固体面をもつデバイスの中に収納されてもよい。他の実施形態では、透明な気体または液体が、連続的して血液を介して連続的な可視化を確実にするために、カメラの前に連続して導入することができる。
【0160】
他の実施形態では、直接的な可視化は、サブ内膜アクセス機構18内に配置されたカメラで行ってもよい。別の同様の実施形態では、カメラは横向き出口ポートを通してインターベンションのサイトに向くように、導管機構2内に配置される。他の実施形態では、カメラは、前述の内腔のいずれかを通していつでも供給することができる別のガイドに取り付けてもよい。さらなる実施形態では、カメラは、同じまたは異なる切開ポイントを通して、インターベンションのサイトに導入することができる完全に独立したガイドデバイス内に収容することができる。たとえば、血管内腔に入る最初の切開点で可視化装置を経皮的に挿入することができ、本明細書に記載された弁生成デバイスのいずれも、同じ血管内腔に入る第二切開点で経皮的に挿入することができる。可視化装置および本明細書に記載されたいずれのデバイスも、同じ対象の場所に到達するために向かい合う方向から血管内に前進させてもよい。
【0161】
上記実施形態では、デバイスは曲げ機構9のための導管機構2の先端部に結合されたテンションが与えられワイヤを利用したものとして記載されている。他の実施形態では、図15に示されているとおり、デバイスは、遠位端部150で湾曲した予め形成された導管機構2を利用することができる。この実施形態では、導管機構は遠位端部150で自然に湾曲されているが、必要に応じて、内部造影剤用内腔6内に直線上の硬い探り針(stylet)152を挿入して、身体の内腔に入れるときは真っすぐとすることができる。
【0162】
図16は別の実施形態を図示するもので、ここでは、曲げ機構11は横向き出口ポート7とほぼ同じ縦方向および半径方向の位置で導管機構2の一方の側面にテーパー部をもつものとして実施化されている。壁テンション機構15の作動時に、内側の組織層60は、テーパー状の幾何学形状に沿ったものとなり、したがって導管機構2の長手方向軸に対して角度を形成する。このような構成では、サブ内膜アクセス機構18がポート7を通って出ると、機構18は、内側の組織層60に対して所望の角度で内側の組織層60に侵入することになる。
【0163】
図17は他の実施形態を図示し、ここでは曲げ機構11は、機構18それ自身として実施化され、この機構18は、ニチノールまたは他の形状記憶特性をもつ材料を使用して機構18の少なくとも一部を形成することによって得られた予め形成された形状を有する。この実施形態では、サブ内膜アクセス機構18は、その機構が、横向きに出口ポート7を出て拘束されなくなり、所望の角度で内部組織層60を侵入するよう、自然な角度が付いた形をとっている。このように、サブ内膜アクセス機構18は、横向き出口ポート7を出た時に内側の組織層60に対して適切な角度を取る。
【0164】
図18は、別の実施形態を図示し、ここで、曲げ機構11は、導管機構2に付加的な内腔162を通して導入された湾曲した探り針160をもつものとして実施化されている。導入時、曲がった探り針160が導管機構2と血管自体にその曲りと同じような曲りとなるのに十分な剛性をもつので、血管の内側の組織層60は、導管機構2の表面に沿って曲げられる。
【0165】
壁テンション機構15が前述したバルーン16に限定されず、代替的な実施形態では、壁面テンション機構13が他のデバイスや技術を用いて実施できることは留意されるべきである。図19は、このような実施形態を図示し、ここで、壁テンション機構15は、導管機構2の側面に取り付けられた形状記憶ニチノールから作られた拡張可能なケージ170をもつ。作動に先立って、シース172は、圧縮されたニチノール製ケージ170の上を覆っている。壁テンション機構15を作動させるために、シース172は、ケージ170がその形状記憶特性により拡張構成をとることができるように引き込まれる。
【0166】
壁テンション機構15の他の実施形態では、ケージ170はステンレス鋼(またはそのような純粋な金属、合金、または形状記憶ポリマーのような他の適切な材料)で作られているが、拡張するバルーンの支援を受けて拡張されてもよい。
【0167】
本明細書中に記載されているいくつかの実施形態では、壁テンション機構15は、導管機構2の伸張した部材3に取り付けられた拡張バルーン16である。他の実施形態では、図20に示されているように、導管機構2の表面の片側に取り付けられたバルーン16に代えて、半径方向に対称なバルーンが、送出カテーテル180に取り付けられ、バルーン16の中心はカテーテル1800の軸線からずれている。このような構成では、一つの方向に膨張したバルーン16は伸張した部材3の壁によって制約を受ける。このような実施形態では、バルーン16は、内部の血管壁へのバイアスを受け、主要な導管機構2の縦軸(たとえば、中心軸)からずれて拡張するように強制される。他の実施形態では、バルーン16は、一方の側(伸張した部材3に近い側)では堅く、その反対側(伸張した部材3から離れた側)では、比較的堅くない第一の材料から作られてもよい。このような構成により、バルーン16は、非対称形状に、またはカテーテル180の軸線からずれた中心軸線を有する形状に拡張することができる。
【0168】
図21は、他の実施形態を図示し、ここで、半径方向に対称なバルーン16は、膨張内腔を中に有する独立したバルーンガイド190に取り付けられている。このバルーンガイド190とバルーン16は、導管機構2内にバルーン用内腔17内に収容されている。膨張内腔7は導管機構2の近位端部と流体連通している。この実施形態では、導管の側面で、少なくともバルーン16の長さをもち、バルーン16自体と同じ長手方向の位置にある横向き出口ポート7bが存在する。バルーン16が膨張するとき、バルーン16は、バルーン用内腔17の壁により片側が拘束されるが、バルーン16の縦軸線に対して垂直方向外側に拡張を可能にするバルーン側面ポート17bから自由に拡張できる。他の実施形態では、バルーン16は、非対称構成をとってもよい。また、本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、バルーン16は順応性をもってもよい。
【0169】
本明細書に記載された実施形態のどれでも、バルーン16は横方向に拡大するように構成することができるが、導管機構2に取り付けられたバルーン16は、導管機構2の長手方向の軸線に対して垂直な方向に膨張可能である。このような構成では、バルーン16が膨張したときに、それが血管壁を拡張するために横方向に拡張される。
【0170】
サブ内膜アクセス機構18は、上述した実施形態に限定されるものではなく、別の実施形態では異なる構成を有していてもよい。図22は、直接転送、サブ内膜空間へアクセスできるように使用される内腔202をもつ、自然に湾曲し、前方に向いた針200を有するサブ内膜アクセス機構18を図示する。湾曲した針200は、ポート7から最初に出たとき、血管壁へと外側に向かうように、急な角度で曲がっているが、血管の壁の中に進んだあと後に、導管機構2の長手方向の軸線と平行になるようにまっすぐになる。この実施形態では、サブ内膜アクセス機構18は、横向きの出口ポート7に近づくまで、導管機構2の主要な内腔6を通って進められる。拘束がなくなると、湾曲した針200が上述した元々の形状になる。針は、針が内側の組織層60に侵入するまでさらに進むが、そこでサブ内膜アクセス機構のシャフトと導管機構の表面との間に形成され尖った部分(cusp)内で底入れする。この時点では、流体、拡張可能なデバイス、またはその両方のような組織層分離機構が、針200の内腔202から送り出され、層60、61を分離する。
【0171】
図23は他の実施形態を図示し、ここでサブ内膜アクセス機構18は、前述の実施形態と同様の方法で使用された湾曲した針200の形態をとる。湾曲した針200は、その針がポート7から最初に送り出されたとき(上の図)、血管壁に向かって外側に急な角度でまがる。針200がさらに先に前進すると、針は、血管壁の層61からわずかに逆に曲がる(下の図)。この構成により、針の先端は、血管の壁に対してほぼ平行(たとえば、0+10°)な角度で組織に最初に接することができ、湾曲した針がさらに進むと、針の曲がったところが横方向に向いた出口ポート7から出て、その針の先端が曲がりを変え始めると、その先端は血管内腔の中心を目指すようになる。この実施形態では、湾曲した針200は層60、61の間の層間面に突き進むが、しかし、針200が層61へと突き進まないことで、血管に完全に穴をあけないようにする。
【0172】
図24は、他の実施形態を図示し、ここでサブ内膜アクセス機構18は、内腔212(サブ内膜へと直接進めることができる)を有する正面方向に向いた針である。この実施形態では、針210は、導管機構2の横向き出口ポート7のから一定の距離、加速される。針210は、導管機構を出ると、血管壁に対して垂直でない角度で組織層60へと侵入する。加速運動により、侵入要素に向かって戻る反動や反動の緩みを含む、血管壁の粘弾性動的な効果を防止する。本機構および方法は、伸びた針210の距離と浸入の深さとの間には1対1に近い対応関係が存在することから、管壁内の特定の距離を取得するための安全な方法を提供する。この前進運動の作動は、前述の固定機構48の作動機構52のように、デバイスの近位端部にあるスプリング機構により容易にすることができる。この実施形態では、針210の先端部は、内側の組織層60と外側の組織層61との間の境界面へと進む。侵入の深さは、針210の先端部から一定の距離に位置する機械的なストップ214によって制御される。機械的なストップ214は、導管機構の突起216に当接するように構成され、それによって針210の前進を止める。送り出された針210は、組織係合機構23を参照して前述したのと同様に種々の機能を遂行するために用いることができる。
【0173】
図25aは、別の実施形態を図示する。この実施形態では、サブ内膜アクセス機構18は、導管機構の先端にある横向きのポート7から出るように構成されている内腔222を有する針220である。この針220の先端は鋭くなっている。針220は、導管機構2の横向き出口ポート7から固定された距離、加速され、管腔の壁に対して垂直の角度で内側の組織層内に至る。この図では、横向き出口ポート7はかなり長い楕円形ではなく円形であり、導管機構2内の内部送出内腔6に続いている。この送出内腔6は横向き出口ポート7に続いている導管機構2の先端近くで90°の曲率を有する。送出された針210は、同様に組織係合機構23を参照して前述したのと同様に種々の機能を遂行するために用いることができる。
【0174】
図25b−図25cは他の実施形態を図示し、ここで針220は先端部でポート224と流体連通している内部内腔222から構成されている。これらの図において、針の先端は尖っているが、閉じておおり、ポート224は、血管壁に対してほぼ平行(たとえば0+10°)な方向に向いている。このような構成により、針220から出た流体30は、血管に対してほぼ平行な方向に移動でき、これにより血管壁の組織は切開される。
【0175】
サブ内膜アクセス機構18の他の実施形態では、内側の組織層60に侵入するように、ガイドワイヤを正面に向いた針の代わりに使用することができる。いくつかの場合では、ガイドワイヤは、針に関して前述したのと同様に、一定の距離を移動するために先端へと加速するように構成することができる。このような実施形態では、ガイドワイヤは、内腔の壁に対して非平行の角度で血管壁に侵入する。別の実施形態では、ガイドワイヤは、血管の壁に対して垂直な角度で内腔の壁に侵入する。これらの実施形態では、中空管(サブ内膜アクセス機構18、または別のデバイスの一部と考えてもよい)が、ワイヤも層間面に位置するまで、内側の組織層60と外側の組織層との間の境界面に近づく際に、ガイドワイヤ全体にわたって通過することができる。送出された中空管は、組織係合機構23を参照して前述したのと同様に種々の機能を遂行するために用いることができる。
【0176】
上記実施形態では、デバイスは、血管の壁に浸入するための組織係合機構23(針、またはガイドワイヤを含んでもよい)を有するものとして記載されてきた。図26a−図26bは、代替実施形態を図示し、ここでサブ内膜アクセス機構18は、導管機構2の主要な内腔6内で自由に回転するロータリーガイド242に取り付けられた、湾曲した刃240を含む。横向き出口ポート7により、ブレード240は周期的に導管機構2の表面を越えて放射状に突出することができる。このようにして、特定の回転角度の範囲を渡って、ブレード240は安全に導管機構2の外側面内に拘束され、したがって、図26aに図示されているとおり、血管の壁と接触することがない。その結果、他の回転角度の範囲にわたって、ブレード240は導管寄港2の外側面から突き出し、したがって、図26bに図示されているとおり、導管機構の表面それ自身が血管の壁と接していることから(壁テンション機構15の作動により)、血管の壁と接する。ブレード240が近位端部から回転作動されると、横向き出口ポート7からのブレード240の突き出しが限定され、したがって、切断の深さが固定されているために、切開は内側の組織層60にのみ限られている。これらの実施形態では、組織層分離機構(たとえば、流体、バルーン、拡張可能なデバイスなど)のための送出デバイス(たとえば、中空ガイドワイヤ、針、プローブなど)は、横向き出口7を通過することにより、ブレード240が形成する切開口から導入される。今後は、弁生成手順は、ブレード240が、フラップのための希望の幅を与えるために、円周方向にそって内側の壁層60の一部をカットするために使用されることを除いて、前述したのと同様の方法で完了することができる。したがって、内膜層分離機構46は、本実施形態では、所望の幅をもつフラップを作成するために、予め生成した開口部の大きさを増大させることを要求されない。
【0177】
回転ブレード240を含むサブ内膜アクセス機構18は、別の実施形態では、異なる構成を有していてもよい。そのような実施形態において、ブレード240は湾曲する代わりに直線状でもよい。いくつかの実施形態は、ブレード240は、遠位端ではなく、ガイドシャフトに沿っていくつかの点で回転ガイドにより支持
される。いくつかの実施形態では、ブレード240が、導管機構2の内腔6に向い内側を指すように回転するとき、回転ガイドは、導管内腔6から除去することができる。他のこのような実施形態では、回転ガイドが長手方向に固定されているが、しかし、効果的にブレードの回転軸を変化させて、導管内腔6内に横方向に移動することができる。他のこのような実施形態では、回転ガイドは永久に同一の回転軸上に固定される。
【0178】
上記の実施形態は、層を分離するために(すなわち、ハイドロディセクション(hydrodissection))、高圧造影剤10の使用を参照して記載された。しかしながら、本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、組織層分離機構の代替的な実施形態が用いられてもよい。他の実施形態では、生理食塩水を使用することができる。さらなる実施形態では、抗血栓剤ベースの流体を使用することができる。さらに他の実施形態では、水または他の流体を使用することができる。
【0179】
本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、持続ハイドロディセクションの短い期間が、前述の3から4秒の持続時間とは対照的に、使用されてもよい。そのような実施形態において、ハイドロディセクションのボーラスは、1ないし2秒の時間、持続される。別のこのような実施形態では、ハイドロディセクションのボーラスは1秒の何分一の間維持される。
【0180】
組織層を分離するための機構としてハイドロディセクションを利用する様々な実施形態が記載された。いくつかのこのような実施形態では、ハイドロディセクションは、サブ内膜アクセス機構18の内腔22を通して管理される。他の実施形態では、ハイドロディセクションは、血管の内壁に前もって生成された開口部を通って挿入された中空ガイドワイヤ、針またはプローブを介して管理されてもよい。下述の説明図は、ハイドロディセクタ送出機構の種々の態様および使用を示している。本明細書で用いられるように、用語 “ハイドロディセクタ(hydrodissector)送出機構”またはその類似の用語は、組織層の分離の目的のために、組織層間に加圧流体を送出する要素を示す。
【0181】
図27は、サブ内膜のアクセスポイントで、高圧流体の体積を与える組織層分離機構18のハイドロディセクタ送出の実施例を図示する。流体が送出された後、ハイドロディセクタ送出機構250は、第二のハイドロディセクションがさらなる組織層を分離できるように、層間面に進む。この実施形態では、ハイドロディセクタ送出機構250の前進が続くハイドロディセクションのこのようなサイクルは、必要に応じて何回でも繰り返してよい。他の実施形態では、ハイドロディセクタ送出機構250は、機構250の出口ポートから加圧流体を注入しながら前進する間、回転する。ハイドロディセクタ送出機構250は、内腔24をもつ管状構造、または本明細書に記載の針のいずれかであってもよい。
【0182】
図28および図29は他の実施形態を図示し、ここでハイドロディセクタ送出機構250は、加圧された流体30の流れが組織層を分離するために切開の方向に沿って導かれるように適宜配置される複数の出口ポート260を含む。図28に図示された実施形態では、ハイドロディセクタ送出機構250は、血管壁に平行に近接したサブ内膜空間内にある程度の距離を縦に前進させられる。この実施形態では、ハイドロディセクタ送出機構250は、そのハイドロディセクタ送出機構250の長手方向の両側に沿って、横方向に向いた多数の出口ポートを含む(上の図)。他の実施形態では、ポート260は、ハイドロディセクタ送出機構250の一方の側に配置することができる(下の図)。図示した実施形態では、ポート260は、それらポートが内側の組織層側60(内腔の中心に向いている)に向くように向いている。このように、層間ポケットの大きい幅を生成するために、加圧流体30は横向きに流出される。さらに、血管内腔の中心に向くポートが外側の組織層61から離れるようにして内側の組織層60を剥がすようにする。本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、ハイドロディセクタ送出機構250は、任意ではあるが、さらに切開の方向を向く、前方に向いた出口ポートを含んでもよい。
【0183】
図29はハイドロディセクタ送出機構250の長手方向軸に対して垂直で、両側に、切開の方向に対して僅かに傾斜している横向きの出口ポート260を含む、前述のハイドロディセクタ送出機構250の実施形態を図示する。
【0184】
本明細書に記載の実施態様のいずれかにおいて、ハイドロディセクション制御機構が、ハイドロディセクタ送出機構250によって生成された組織分離の深さと幅を制御するために利用することができる。ハイドロディセクション制御機構は、ハイドロディセクション流体の流速、流量、流量持続時間、および/または圧力を規制する。これらのパラメータは、特定の出口ポートから特定の距離のところに組織分離を生成するために調整することができる。そのような実施形態において、このようなパラメータは、電子的に組み込まれた弁システムとともに、近位端部で制御される。別のこのような実施形態では、このような実施形態は出口ポート260のところ、またはその近くで機械デバイスによって規制される。いくつかの実施形態では、前方を向いたポートが、異なる方向に異なる流速を与える側方ポートとは異なるサイズであってもよい。このことは、別々に切開ポケットの幅と深さを制御するのに役立つ。同じ原理は、内膜に面する側方ポート260に適用でき、流速が機能や安全性の理由で制御することができる。いくつかの場合では、出口ポート260それ自身に近接して組織を切開するようにする唯一のハイドロディセクションをもつことがより臨床的または技術的に可能であろう。このような実施形態では、ハイドロディセクタ250の動きが切開ポケットの大きさや形状を制御するために、円周方向と縦方向に制御することができる。
【0185】
本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、高圧ガスが、組織層分離するための機構として使用することもできる。たとえば、組織層の分離のためのハイドロディセクションの形態で利用することが本明細書に記載され実施形態のいずれにおいても、ハイドロディセクション流体10は、加圧ガスに置き換えることができる。これらの場合では、組織層分離機構250は、ガス源および手動で(または機械的に)操作するピストン機構であってもよい組織層分離アクチュエータを含む。
【0186】
本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、組織層分離アクチュエータはバネとピストン機構を含む。他の実施形態では、組織層分離アクチュエータはせん動ポンプのような電気的に駆動されるポンプを含んでもよい。
【0187】
他の実施形態では、血管壁において層60、61を分離するために流体を使用することに代えて、機械デバイスが、物理的に組織層を分離するために使用することができる。これらの実施形態では、層60、61間の空間内にプローブを前進させることにより、組織層60、61を機械的に分離することにより、層間空間における制御された切開が行われる。これらの実施形態では、組織層の分離機構は切開プローブと前進機構とで構成される。
【0188】
図30は、尖っていない固体で堅いプローブの形をとる切開プローブ280を含む組織層分離機構の実施形態を図示する。プローブ280は、前進した組織層を剥ぐように構成される。この実施形態は、正しい深さが確実に選択されるように、前に達成したアクセス(たとえば、血管壁の表面に予め生成された開口部をとおすように)が利用される。このようなアクセスは、サブ内膜アクセス機構18によるものである。図示の実施形態では、切開プローブ280は、サブ内膜アクセス機構18の内腔24を通って間層面に送られる。このことは、近位端部で前進機構を作動することによって達成することができる。
【0189】
図31は、前進した組織層を剥ぐように作用する、尖っていない固体で堅いプローブの形をと切開プローブ280を含む組織層分離機構の代替の実施形態を図示する。切開プローブ280は、プローブが横向きの出口ポート7を出て、内側の組織層60を通って予め達成されたアクセス開口部内に入るまで、導管機構2の内腔6を通って直接前進する。プローブ280は、前進の特定の経路が導管機構2から出るように取られるように湾曲した形状を有する送出シャフト282を含む。この実施形態では、サブ内膜アクセス機構18は、組織分離機構280の作動に先立って導管機構2から除去される。図示のとおり、本実施の形態では、正しい深さを確実に選択するように、内側の組織層60を介して、前に達成アクセス(例えば、開口部)を利用しなければならない。このようなアクセスは、いくつかの実施形態にしたがったサブ内膜アクセス機構18によって生成されてもよい。
【0190】
図32は、いくつかの実施形態にしたがった、先が鈍い切開プローブ280を図示する。プローブ280は張りつめた静脈壁の曲率に非常によく一致するように幅寸法290に沿って湾曲している。この実施形態では、プローブの幅280は0.1mmと10mmの間である。より好ましい実施形態では、プローブの幅290は1mmと6mmの間である。さらに好ましい実施形態では、プローブの幅290は2mmと3mmの間である。静脈でない場合、または大静脈の場合、プローブの幅290は、10mmよりも大きくとてよい。図示した実施形態では、プローブ282の最遠部分のノーズ部292は幅方向の寸法において丸くなっているとともに、直線的なテーパー294は丸いノーズ部からプローブ280の幅全体に及ぶものとなっている。他の実施形態では、直線的なテーパー294は、湾曲した面取りによって置き換えてもよい。図示の実施形態では、プローブの厚さ296はプローブ幅290よりもかなり小さい。さらに、プローブの厚さ方向において、プローブ280の先端部292から、その先端から或る距離まで厚さが徐々に変わるようにテーパーが付けられている。図示の実施形態では、プローブの長さ寸法298は、幅290および厚さ296よりも非常に長くなっている。プローブ280は、生成される弁の必要なポケットの幅に対して十分に狭いポケットを生成するために、十分な長さをもつ。この実施形態では、プローブ長さ298は、体腔の直径よりも大きく、3mmと20mmとの間である。より好ましい実施形態では、プローブ長さ298は8mmと14mmの間に伸長する。さらに好ましい実施形態では、プローブ長さ298は、10mmと12mmとの間に伸長している。別の切開プローブの実施形態では、プローブは半径方向に対称な形状をもち、その先端は、正に円錐のように、シャフトよりも小径の断面を有する。
【0191】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、切開プローブ280は、尖った先端をもっていてもよい。このような場合には、プローブ280自体は、血管の壁に浸入ために使用してもよい。したがって、プローブ280の使用は、正しい深さが確実に選択できるように、内側の組織層60を通って、前に達成アクセスを必要とせず、したがって、サブ内膜アクセス機構と組織層分離機構の両方を構成する。このような実施形態では、切開プローブ280は、導管機構2の内腔6を通り、横向きに出口ポート7から出るように与えられ得る。プローブ280は、その後、内側の組織層60側へと押圧され得る。切開プローブ280は、内側の組織層60に浸入し、血管壁において層60、61との間の層間面に進出する。このことは、近位端部にある前進機構の作動によって達成することができる。
【0192】
図33a-図33cは、異なる幾何学的形状をもつ尖った切開プローブ280の異なる実施形態を図示する。プローブ280は、組織層分離機構として使用するために前進させることができる。
【0193】
図33aは、鉛筆のようなポイント先端を有する中空針の形をとる切開プローブ280の実施形態を図示し、ここでプローブは、内側の組織層60内へ浸入し、次に組織層60、61の間の狭い切開面を生成するために前方に進む構成をもつ。プローブ280は、前進の間、内層60と外層61から先端の鋭い先端をシールドするために、先端へと半径が小さくなる、半径方向に対称なテーパーをもつ。
【0194】
図33bが、内側の組織層60を貫通するように構成された、傾斜先端を有する中空針をもつ切開プローブ280の一実施形態を示す。プローブ280は、組織層60,61の間の狭い切開面を生成するために前方に前進させることができる。
【0195】
図33cは、ガイドワイヤの形式をとる切開プローブ280の一実施形態を図示する。ガイドワイヤは、内側の組織層60を刺し、組織層60、61の間の狭い切開面を生成するために前方に前進させることができる。
【0196】
図31を参照して記載した上記実施形態について図示されているとおり、切開プローブ280は横向き出口ポート7から突出るが、しかし、出口ポート7の長手方向の範囲内に常に留まる。図示の実施形態では、プローブ280は、導管機構2の外であるが、しかし、横向き出口ポート7の長手方向に沿って切開を行う。他の実施形態では、プローブ280は、ポート7に関して他の場所で切開を行うように構成することができる。図34は他の実施形態を図示し、ここで切開プローブ280は横向きポート7から伸長し、ポート7を通過する。図示の実施形態において、プローブ280は、導管機構2の外で、しかし横向きの出口ポート7に長さ方向にそって、または導管機構2の側方に沿うが、横向き出口ポート7から遠く、または導管機構2から遠くで切開を行ってもよい。プローブ280の先端は尖っていても、尖っていなくともよい。
【0197】
図35は他の実施形態を図示し、ここで切開プローブ280は、導管機構2の先端部に開口部300から送り出される。開口部300は、導管機構2の主要な内腔6に接続されている。この実施形態では、プローブ280は、導管機構2の先端を単に越えて組織を切開する。プローブ280の先端は尖っていても、尖っていなくともよい。
【0198】
ここで記載されたどの実施形態も、切開プローブ280は、ニチノールなどの形状記憶合金で構成されていてもよく、その結果、プローブは導管機構2の出口ポートから露出したときに特定の形状をとることできる。
【0199】
図36a-図36dは、切開プローブの他の実施形態を示し、プローブが横方向の出口ポート7から出たとき組織とともの特定の経路をとるように、プローブは長さの寸法298に沿って種々のプロファイルをもつプローブを示す。図36aに図示の実施形態では、プローブ280は、血管壁の内側の層60に向かって外側に優しく/浅い角度で、直線的に傾斜している。図36bに図示の別の実施形態では、切開プローブ280は、その長さのほとんどに沿って血管壁に向かって直線的に外向きに角度を付けているが、しかし、プローブ280の先端に近づくにつれて曲線を描き、その結果、プローブ280の先端部分は、進行方向にそって平行または平行(たとえば、長手方向にピンと張った内腔の壁と平行)に近くになる。図36cに図示の別の実施形態では、切開プローブ280は、血管壁に向かって外側に急な曲線を描くが、しかし、プローブ280の先端に近くになると直線状となり、プローブ280の非常に先端の部分では後方に曲がる。このような構成では、プローブ280の中間部は、進行方向に(たとえば、長手方向にピンと張った内腔の壁と平行)平行または平行に近くなる。図36dに図示の別の実施形態では、切開プローブ280は二重の曲率、すなわち血管壁に向かって外側に急に曲がる曲線310とプローブ280の先端付に近づくにつれた第二の曲線312とをもつ。この構成により、プローブ280の先端は最初に血管壁にほぼ平行な角度(たとえば、10°内)で組織に接触できる。つぎに、プローブ280が前進すると、プローブ280の曲線部312はカテーテルから出て、その先端は血管の内腔の中心に向かって角度を変更し始める。この実施形態は、層60、61の間の層間面へアクセスできるようにするが、その後、前進の間に、プローブ280の外側縁を外側の組織層61に向けさせないことにより、血管壁の完全な穿孔を防ぐのに役立つ。また、この構成により、内側組織層60が外側の組織層61から離れるように引っ張られ、切開を補助する。
【0200】
図37は、膨張可能なバルーン330が、血管壁に向かって横向き出口ポート7から横方向の切開プローブ280を押し出すために使用される別の実施形態を図示する。バルーン330は、血管壁に対してある所望の角度で血管壁へと侵入するようにプローブ280を導くのに役立つ。他の実施形態では、膨張ニチノールケージが、血管壁に向かって横方向に切開プローブ280を押すために使用することができる。
【0201】
図38は、切開プローブ280が、導管機構2の近位端部に吸引源342と連通する吸引内腔338を含む別の実施形態を図示する。プローブ280は、吸引内腔338と連通する切開プローブ280の内側面344に吸引口340を含む。切開プローブ280が前進すると、外側の組織層61から分離され内側の組織層60の上面のリップは、リップが露出した吸引口340と接触したときに、切開プローブ280の内側面344に一時的に吸着する。切開プローブ280がさらに前進すると、内側の組織層のフラップの上部リップは、切開プローブ280に順に位置する他の吸引ポート340へと滑動する。他の実施形態では、複数の吸引ポート340は一つの連続した窓に置き換えられる。さらに他の実施形態では、プローブ280は、切開プローブ280の上側面に吸引ポートを含み、吸引ポートは吸引内腔338と連通する。プローブ280が導管機構2の横向き出口ポート7から出て進むと、切開プローブ280の上側面350の吸引力は、切開が制御して実施されるように、血管壁へとプローブ280を強制する。
【0202】
図39は、導管機構2の主要な内腔6が、吸引源400に取り付けられている別の実施形態を図示する。このようにして、横向き出口ポート7を通って血管の壁に吸引が作用する。この実施形態では、血管壁の内側面にあるアクセス開口部402は、他のデバイスによって前に生成され、吸引は新たに分離された内側の組織層60の最上位にあるリップ404に作用する。図示のように、切開プローブ280は、つぎに、同じ横向き出口ポート7から、そしてアクセス開口部402を通って層間面へと進む。切開プローブ280は、つぎに、層間面へと、鋭くない切開を実行するために進められるが、吸引は、デバイスに対して血管を安定化させることにより、内側の組織層の拡張を助ける。他の実施形態では、吸引力は同じ方法で使用されるが、しかし、切開プローブ280は、サブ内膜アクセス機構18の組織係合機構23の狭い内腔24を通って進められる。さらなる実施形態では、吸引力は同じ方法で使用されるが、しかし、事前に生成されるアクセス開口部402が必要ではない。そのような場合では、プローブはアクセス開口部402を生成するために、鋭い先端を有してもよい。
【0203】
図40は固定機構の実施例を図示するが、ここで固定機構410は、内側の組織層のフラップ418の最上位にあるリップを制御することにより、切れ味の悪い切開の間、フラップ418上にテンションを維持するために、吸引に代えて利用されている。図示の実施形態において、ステッチ(縫合糸)412は、リップ418が最初に血管壁の残りの部分から分離されると、リップ418の上部を通って位置する。この縫合糸412は、切開の残りの間、または切開の間、反テンションを与える為に必要とされるときにテンションが与えられてもよい。この実施形態では、ステッチ412は後で、血管内腔の別の身体構造(たとえば他の壁部分)にフラップ418を取り付ける固定機構48として利用することができる。
【0204】
図41は、リップ把持機構420が血管内腔に導入される別の実施形態を図示する。機構420は、内側の組織層フラップ418の厚さに順応するのに十分な大きさの小さなギャップ、離された二つの円筒ローラ422、424を含む。図示のように、ローラ422、424は、互いに反対向きに回転するように構成され、その結果、コーラは、血管壁に接触すると、それらの間に内側の組織層フラップ418を引っ張るように作用する。遠い方のローラ424の後方回転はサーボモータや他の形式の回転モータによって容易に行うことができる。このことは、切開に必要なテンションを与えるために利用することができる。表面粗さは、組織をしっかり掴むことができるようにローラ422、424に与えられる。図示したように、ジョーのような機構430が、フラップ418がローラ422、424の4間に供給されると、フラップ418をつかむために利用される。他の実施形態では、ローラ422、424は、フラップ418がそれらの間に供給されるまで、同じ方向で血管壁に沿って受動的に回転する。
【0205】
図42は、導管機構2の主要な内腔6が吸引源400に取り付けられた実施形態を図示する。横方向の出口ポート7を通して血管壁に作用するハイパワーの吸引は、ポート7へと血管壁の一定の距離を引っ張るように作用する。図示のように、プラットフォーム440が、血管壁が凹部に入る深さを制限するために導管機構2内に存在する。吸引は、プラットフォーム440の通気孔442を通して維持される。他の実施形態では、吸引は、凹部の側壁の欠如によって維持されている。内腔の壁が完全にプラットフォーム440に係合されると、鋭い切開プローブ444は、下流方向に内腔壁に平行またはほぼ平行に押し入れられ、プラットフォーム440に対する移動プローブ444の位置に基づいて、内腔壁内に特定の深さまで浸入する。他の実施形態では、サブ内膜アクセス機構18が血管の内壁にアクセス開口部を形成するために利用された後、尖った切開プローブが組織層60、61を分離するために使用されてもよい。図示の実施形態では、横向き出口ポート7は長い楕円形の形状を有している。他の実施形態では、ポート7は長い長方形の形状を有していてもよい。他の実施形態では、横向きの出口ポート7は、矩形または半円径(この形状は、形成される内側の組織層のフラップを特定の幾何学的形状となるように形成するときに役立つ。)のような他の幾何学的形状をもってもよい。
【0206】
図43は、切開プローブ280の先端が非常に小さい膨張可能なバルーン460を指示する別の実施形態を図示する。バルーン460は、内側の組織層60を外側の組織層61から引き離すようにプローブの前進の間に、断続的に膨張させられる。他の実施形態では、バルーン460は、プローブ280の前進中に膨張させられる。
【0207】
図44は、切開プローブ280の先端が、ヒンジ472によってプローブ280の先端に回転自在に連結された作動部470を含む別の実施形態を図示する。使用の間、作動部分470は、組織層60、61を分離するために血管内腔の中心に向かって内側に回転させてもよい。他の実施形態では、プローブ280の先端は、作動の際に開閉するジョーを有してもよく、ここで、ジョーが開くと組織層60、61は分離する。膨張バルーン460、作動部470、またはジョーの作動は、ユーザーより手動で行われてもよいし、プローブ280の前進に基づいて自動的に行われてもよい。
【0208】
図45は、切開プローブ280が、ガイド部材100を隣接して有する他の実施形態を図示し、ガイド部材100は先端面480を有し、この先端面は、切開プローブ280が鋭い角度で組織に当たることを防止するために、プローブ280に先だって内腔壁に沿って滑動する。図示の実施形態では、切開プローブ280は、プローブ280が内側の組織層60と係合できるように、先端面480よりも突出するように湾曲して傾斜している。ガイド部材100は切開プローブ280とは別の要素で作られている。図示の実施形態では、切開プローブ280は、ガイド部材100のポート482を通って出ることができる。この図において、切開プローブ280は必要に応じて、ガイド部材100から取り外すことができる(たとえば、膨張バルーンなどの別のデバイスが、組織を分離するためにポート482を通して送り出されるようにするため)。他の実施形態では、切開プローブ280は、平行にしてガイド部材100を含むことができ、必要に応じて挿入または削除することができる。さらなる実施形態では、切開プローブ280は、円筒状管体または円筒状に近い管体の変形した部分で、プローブ280の先端のこのような部分は、ガイド部材100を形成する。
【0209】
本明細書に記載の切開プローブ280に関する実施例のいずれにおいても、切開プローブ280は、組織の粘弾性応答を低減するために加速または高速移動で前進するように構成することができる。組織層分離機構280の前進は、バネ力で行ってもよい。他の同様の実施形態では、組織層分離機構280を前進させるための前進機構は、圧縮ガスまたは電気モータによって、手動力または加速度運動を行わせる他の機構によって駆動されるピストンを含んでもよい。図46に図示に実施例では、切開プローブ280は、直線状の経路に沿って、または内側の血管壁の湾曲と非常に一致するように湾曲した経路に沿って、前進中に横方向に(例えば、発振器を使用して)振動するように構成されている。さらなる実施形態では、切開プローブ280は、プローブ280の前進の間、または断続的に前進の間、血管内腔の中心に向かって断続的に若干内側に曲がりまたは移動するように構成される。この動きは、非外傷性の方法で外側の組織層61から内側の組織層60を引き離すように作用する。他の実施形態では、切開プローブ280は、それが進んだとき、回転するように構成されてもよい。いくつかのこのような実施形態では、プローブ280はその厚さよりも大きい幅を有してもよく、その結果、回転時に、プローブは、外側の組織層61から内側の組織層60を剥がすように作用する。他の実施形態では、切開プローブ280は、放射状で対称な形状を有していてもよく、回転前進とともに層60,61間の層間面を通って穴を掘るようにして進む。さらなる実施形態では、プローブ280は、上述の動きのいくつかまたは全部を組み合わせてもつように構成することができる。プローブ280の動きに関する本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、運動の振幅は小さく、周波数は比較的高く(特に横方向の振動に対して)すべきである。横方向の振動は、好ましくは0.1mmと3mmの間の振幅を持つ必要がある。目的が外側の組織層61から垂直に内側の組織層60を引き離す動きは0.5mmと5mmの間の振幅を持っている必要がある。
【0210】
図47は、切開プローブ280上でかつ導管機構2の主要な内腔6内で適宜設けられて突起500の干渉により、前進の間、特定の前進運動が自動的に行われる、別の実施形態を図示する。これらの突起500,502が互いに横切ると、それらは切開プローブ280を特定の振動の経路に沿うようにする。振動経路は、血管の壁に対して垂直な横方向にある成分を含む。これは、組織層60,61を互いから分離をするのを容易にする。
【0211】
サブ内膜ポケット生成機構32は、前述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態では異なる構成を有していてもよい。図48はサブ内膜ポケット生成機構32のポケット生成バルーン38は、拘束シース512による作動前に閉じている展開形状記憶ケージ(例えば、ニチノール製)510によって置き換えられている実施形態を図示する。サブ内膜ポケット生成機構32は、サブ内膜アクセス機構18の主要な内腔22を通って、組織係合機構23の狭い内腔24内に進み、前方に向く出口ポート25から出る。その後、機構32は、内腔壁の内側の組織層60と外側の組織層61との間に位置する層間面(機構23によって生成された)に進む。全ケージ510が層間面内にあるのに十分な程度に、機構32は進む。拡張形状記憶ケージ510が血管壁で適切なサブ内膜ポケットを生成するために、特定の幾何学的形状に拡張されるように、拘束シース512は除去される。
【0212】
図49a-図49fは、異なる実施形態におけるサブ内膜ポケット生成機構32の拡張要素(バルーンまたは形状記憶ケージ)に対する異なる幾何学的形状を図示する。図49aは、拡張要素38/510が、サブ内膜ポケット生成機構32の外表面の一方の側から横向きに拡張され、一様な円筒形である幾何学的形状を図示する。図49bは、拡張要素38/510が、サブ内膜ポケット生成機構32の長手方向の軸線に関して対称的に拡張され、一様な円筒形である幾何学的形状を図示する。図49cは、拡張要素38/510が、サブ内膜ポケット生成機構32の一方の側から横向きに拡張され、ほぼ三角形の断面(最大直径は機構32の先端に非常に近いところ)を有する幾何学的形状を図示する。図49dは、拡張要素38/510が、サブ内膜ポケット生成機構32の長手方向の軸線に関して対称的に拡張され、ほぼ三角形の断面(最大直径は機構32の先端に近い)を有する幾何学的形状を図示する。図49Eは、拡張要素38/510が、サブ内膜ポケット生成機構32の一方の側から横向きに拡張され、ほぼ三角形の断面(最大直径は機構32の先端近くにある)を有する幾何学的形状を図示する。図49Fは、拡張要素38/510が、サブ内膜ポケット生成機構32の長手方向の軸線に関して対称的に拡張され、ほぼ三角形の断面(最大直径は機構32の先端近くにある。)を有する幾何学的形状を図示する。
【0213】
図50は、切開プローブ280を通って層間(切開)面に挿入され、横方向に移動するように作動するピストンのような部材520を利用した別の実施形態を図示する。次いで、部材520は完全な切開ポケット64を生成するに、組織層60、61を引き離すべく、に血管内腔の向かい側に向かって移動するように作動する。他の実施形態では、レバーアームがサブ内膜ポケット生成機構32として用いることができる。レバーアームは組織層分離機構28によって生成された層間(切開)面に挿入される。レバーアームは、近位端部から作動されたとき、層間面内で横方向に移動する能力をもつ。また、レバーアームは、完全な切開ポケット64を生成するたに、組織層60、61を引き離すべく、血管内腔の反対側に向かって移動するように作動することができる。
【0214】
別の実施形態では、温度に依存する拡張可能なケージが層60,61を分離するために使用される。このような実施形態では、デバイスは体温よりも区別できる暖かい温度または冷たい温度で、層間(切開)面に挿入される。挿入されると、体内でこの要素が冷却または加熱されると、要素は、切開ポケット64を完了するために、対象の形を拡張した形に変更するように作動する。さらに別の実施形態では、さらに切れ味の悪い切開が、完全切開を行うために、以前生成した層間面内およびその周辺で行われる。さらに別の実施形態では、ヒンジ付きのジョーが、完全切開を行うために、ポケットの中で開くように使用される。連続的な吸引で前の狭い切開ポケットを補う方法および装置のいくつかの実施形態では、このような機能を実行するために記載されたデバイス(すなわち、バルーン、NiTiケージ、ピストン、作動先端、ジョー、流体など)が、サブ内膜アクセス機構18の中に収納され、その中を通り、またはその中通過してもよい。他の実施形態では、このデバイスは、別個のデバイス内に収納さら、導管機構2の主要な内腔6を通って直接与えられてもよい。他の実施形態では、このデバイスは、導管機構2を使用せずに層間面に直接与えることができる。
【0215】
内膜分離機構46は、前述した構成に限定されるものではない。図51は、内膜分離機構46の別の実施形態を図示し、ここで後方に向いた切断機構47は、ワイヤに代えて、ポケット生成機構33のシャフトから突き出る、後方に向いたぎざぎざの刃をもつブレードからなる。この実施形態は、上述した実施形態と同様に使用することができる。上述した実施形態というのは、ポケット生成バルーン38の膨張を利用し、ポケット生成機構33が除去されたとき、血管壁の内表面にある狭い入口(たとえば、組織係合機構23の尖った先端27により生成されたもの)を通して膨張したバルーン37を引き込むとき、内側の組織層60を分離するために使用されるものである。同様の説明のとおり、切断機構47は、バルーン38が除去されると、狭い入口を切断し、これにより所望の幅をもつフラップを形成するために、入口の大きさを増加させる。他の実施形態では、切断機構47は、テーパー状のブレードを含んでもよい。さらなる実施形態では、切断機構47は、重なりあってはさみのような二つの金属ブレードを含んでいてもよい。
【0216】
図52は、後方に向いた切断機構47が、ポケット生成機構33のシャフトとは反対側で膨張ポケット作成バルーン38に取り付けられた別の実施形態を図示する。他の実施形態では、膨張するNiTiまたは形状記憶ケージが組織層分離機構28として使用され、後方に向い切断機構47は内膜分離を成し遂げるために、ケージの背面側(近位端)に取り付けられている。さらなる実施形態では、膨張ケージ自体が意図した幾何学的な経路に沿って内側の組織層60を切断するように作動する鋭い裏側をもっている。
【0217】
図53は、内膜分離機構46が、サブ内膜アクセス機構18内にある別の実施形態を図示する。この実施形態では、機構18の組織係合機構23は、両側に鋭い面550を有し、その結果サブ内膜アクセス機構18の動き(たとえば、回転)は、組織係合機構23が既に接触している内側の組織層60の切断を鋭い面550に行わせる。図に示されているように、血管壁の内面は、機構23(または他のデバイスによって)の尖った先端27により生成された開口部552を有している。機構23が動くと、鋭いエッジ550は、開口部552の大きさを増加させるために、開口部552を切断する。いくつかの実施形態では、ユーザーは、サブ内膜アクセス機構18を回転させたり、ポケット生成バルーン38が、サブ内膜ポケット64内で膨張している間、一方側から他方側に横に機構18を移動させたりすることができる。
【0218】
図54a-図54cは、内膜分離機構46の異なる実施形態が、内膜分離の異なる経路どのように形成するかを図示、新しく生成された内膜リーフレットの幾何学的形状を図示する。図54aは、内膜分離の水平線(内腔壁に対して垂直)を形成する、後方に向いた切断機構47の実施形態を図示する。図54bは、分離の中心が血管壁で最高点であり、分離の2つのエンドポイント(切断)が分離の中心よりも低く生じ、互いにほぼ同じ高さとなるように角度が付けられた内膜分離の線を形成する、後方に面し切断機構47の実施形態を図示する。図54cは、分離の中心が血管壁で最下点であり、分離の2つのエンドポイント(切断)が分離の中心よりも高く生じ、互いにほぼ同じ高さとなるように角度が付けられた内膜分離の線を形成する、後方に面し切断機構47の実施形態を図示する。これらの代替デバイスの実施形態のすべては、図5aおよび図5bの内膜分離機構46(新しく成形してサブ内膜ポケットから作動した内膜分離機構46を除去する)を参照して前述したものと同様の方法で使用される。いくつかの実施形態では、そのような分離線の円周方向の長さは、90°と330°の間にある。より好ましい実施形態では、そのような分離線の円周方向の長さは、160°と240°の間にある。さらに好ましい実施形態では、そのような分離線の円周方向の長さは、120°と220°の間にある。二尖弁または他のマルチ尖弁(multi-cuspid valve)の場合、円周方向の長さは、ほぼ比例値(すなわち二尖の長さマルチ二尖の長さの半分)によって減少させることができる。
【0219】
本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、切断機構(たとえば、ブレード)は、外側の組織層61から内側の組織層60を切開する前に、内側の組織層60を切断するために使用することができる。このような実施形態では、ブレードの動作は、全内膜分離を所望の弁の幅に作るために内腔の他の層から内膜を切開する前に、利用される。いくつかのこのような実施形態では、ブレードの動作は、狭い切り口を形成するために、内腔の他の層から内膜を切開する前に、利用され、その後、フラップのため全幅を生成するために切り口のサイズを増加させるための切開に続いて再度使用されます。
【0220】
本明細書に記載され実施形態において、ポケット作成機構32がポケットを生成するために使用された後、ポケット生成メカニズム32(膨張バルーンまたは拡張ケージ)を、新しく作成された内膜ポケット64の狭い入口65を通って除去されるようにしてもよく、したがって、内膜ポケット64は、それによって入口65の寸法を大きくするために組織を引き裂く。入口65のサイズの増加は、所望の幅をもつフラップを提供する。このような場合には、切断機構47は必要とされない。
【0221】
図55a-図55cは、他の実施形態にしたがった別の弁作成システムを図示する。図55aは、作動の最初の段階にあるシステムを図示する。図に示されているように、導管機構2は、その内の2つの主要な内腔の間の接続ポータル600をもっている。壁テンション機構15は、独立したガイド190に支持されたバルーン16を含む。図示された実施形態において、組織係合機構23は、先端部(前述のように)として作用する大きなガイドプローブ100の表面から僅かに突出する針101を含む。図示した実施形態では、バルーンガイド190は、その表面の側にトラック602を有し、組織係合針101のシャフトに接続し、滑動するのに適した大きさとなっている。図55aは、バルーン16が針101により組織と係合しながら、かつ組織層の分離の間、導管機構2のサイドポート7bから出て膨張したときの壁テンションバルーン16を図示する。図55bはしぼんだ後のバルーン16を示す。バルーンガイド190は、僅かに引き込み、再度前進する。図55cは、方向付け機構604(バルーン16がツール内腔606を越えさせるようにする)の補助により、連結ポータル600を通って進んだ後のバルーン16およびバルーンガイド190を図示する。中心からずれたバルーンガイドトラック602は、ツール内腔内に入ったとき、組織係合機構101のシャフトに係合し、組織係合機構23の先端へと伸び、血管の組織層60、61の間に生成される層間の空間31内に入るまで、シャフトにそって進む。壁テンションバルーン16は、その後、血管壁にポケットを生成するために膨張させられる。したがって、同じ壁テンションバルーン16は、ポケット生成バルーン38として機能し、サブ内膜ポケット64(図示せず)を生成するための適切な幾何学的形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、膜分離および弁の固定を完了するために(血管壁に対して弁を固定するため、または二つの弁を一緒に固定するために)、独立したバルーンガイド190は、任意であるが、組み込まれた固定機構48(図6に示されたように)とともに、その上に後ろ向き切断機構47(図示せず)を有することができる。
【0222】
図56a-図56fは、他の実施形態にしたがった別の弁作成システムを図示する。図示した実施形態では、導管機構2はただ単に、一つの内腔700を有し、さらに導管機構2の両側に横向きの出口ポート7aおよび7bを有する。壁テンション機構15は、独立したガイド190(前述のように)上のバルーン16を含む。この独立したガイド190は、その中にバルーン16のための膨張内腔、および真ん中を通るツール内腔702をもつ。組織係合機構23は、独立したバルーンガイド190の内腔702を通過するように適切な大きさとなった傾斜先端27を有する針101を含む。図56aは、一方の横向きの出口ポート7aと通って膨張した壁テンションバルーン16を図示するが、ここで組織係合機構101は、独立したバルーンガイド190の内腔702を通って前進し、他方の横向き出口ポート7bから制御された分、伸長している。組織係合機構23は内側の組織層60と係合でき、導管機構2の表面はガイド部材100のように機能する。図56bは、組織係合機構23の針101を図示し、血管壁の組織を切開し、層間面を形成するように、流体10を送出する(すなわち、ハイドロディセクション(hydrodissection))。図56cは、しぼんだ壁テンションバルーン16を示す。図56dは、組織係合機構の針軸101にそって進み、横向き出口ポート7bから出て進み、そして、間層面31内へと進む壁テンションバルーン16を図示する。図56eは、導管機構2が除去された後に層間面31に壁テンションバルーン16が残されたシステムを図示する。図56fは、ポケットを生成するために再び膨張させた後の壁テンションバルーン16を図示する。いくつかの実施形態では、膜分離および弁の固定を完了するために(血管壁に対して弁を固定するため、または二つの弁を一緒に固定するために)、独立したバルーンガイド190は、任意であるが、組み込まれた固定機構48(図6に示されたように)とともに、その上に後ろ向き切断機構47(図示せず)を有することができる。
【0223】
図や実施形態(単数または複数)を参照して説明した機能のいずれかが、本明細書に記載の任意の他の実施形態と組み合わせてもよいことに留意すべきである。また、本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、態様の1つ以上を省略することができる。例えば、他の実施形態では、弁固定機構48は必要なく、弁の生成方法は、血管壁の部分にフラップを固定する行為を含まない。本明細書に記述の実施形態のいずれにおいても、弁生成システムは、次の要素のすべてまたは一部を含むことができる。導管機構2;曲げ機構11;壁テンション機構15;」サブ内膜アクセス機構18;組織層分離機構28;サブ内膜ポケット生成機構32;内膜分離機構46;弁固定機構48:
【0224】
デバイス/機構の一部として記載された要素も個別のデバイスとして考慮してもよいことに留意すべきである。さらに、別々のデバイスが記載された実施形態において、別個のデバイスは、システム/機構の構成要素として考慮されてもよい。
【0225】
また、他の実施形態では、本明細書に記載のデバイスおよびの方法の実施形態は2回使用することができる(一度は、血管の一方の側に第一のフラップを生成するために、二度目は、血管の反対側に第二のフラップを生成するため)。いくつかの実施形態では、2つのフラップを、任意であるが、同様に本明細書に記載され固定機構48によって固定することができる。
【0226】
装置及び方法の種々の実施形態が、血管を参照して説明されてきたが、他の実施形態では、本明細書に記載のデバイスおよび方法は、弁の生成が望まれるどの体腔内に組織フラップを生成するために使用することができる。また、本明細書に記載の装置及び方法の実施形態は、静脈還流を治療するために使用されることに限定されるものではない。他の実施形態では、本明細書に記載のデバイスおよび方法の実施形態は、患者の体内の他の内腔構造(または他の医療条件)の還流を治療するために用いることができる。
【0227】
特定の実施形態を図示して説明したが、本発明を限定するものではないことが理解されるであろう。さらに、様々な変更および修正が、本発明の思想および範囲を逸脱することなく行うことができることは、当業者には明らかであろう。本発明は代替、修正、および等価物を包含することを意図している。
【技術分野】
【0001】
この出願は、いずれも継続中の2010年2月26付け出願の米国仮出願61/308,503、2010年5月28日付け出願の米国仮出願61/349,349、2010年10月18日付け出願の米国仮出願61/393,996及び2010年12月6日付け出願の仮出願同61/420,307に基づく優先権並びにその利益を主張するものである。
【0002】
この出願は、哺乳類の体内における自己生体弁の生成に係る医療システム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
静脈還流は、下肢といったところの血液循環に影響を及ぼす病状である。心臓に血液を正常に戻そうとする血管の弁は、適切に機能することができない。結果として、血液が脚部に溜まり、脚部の静脈が膨張する。本件は、静脈還流が適切な状態となるようにする新規なシステム及び方法を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施例によれば、血管内の組織を操作するデバイスが、近位端部と遠位端部を有する伸長した部材と、この伸長した部分の遠位端部にあり、血管の内壁と係合する、尖っていない遠位端部の先端を有する案内部材と、伸長した部材の遠位端部にあり、案内部材の尖っていない遠位端部の先端と近接して尖った先端を有する切断デバイスとを含む。
【0005】
本明細書に記載の実施形態の何れかよれば、組織切断デバイスは、案内部材が血管の内壁に係合している間、血管の内壁の組織を切断するように構成される。
【0006】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内部材は血管の内壁に対して所望の角度となるように組織切断部材を方向付けるように構成される。
【0007】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内部材は表面にテンションを与えるべく血管の内壁の表面に圧力を加えるように構成される。
【0008】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断部材は、流体を送出するための内腔を有する管体を含む。
【0009】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、そのデバイスはさらに組織切断部材に薬剤を送出するために薬剤ソースを含む。
【0010】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その薬剤は造影剤を含む。
【0011】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その組織切断デバイスはテーパー付けされた構造を有する。
【0012】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断デバイスは、切断デバイスの第一の長手方向の側面から、第一の長手方向の側面の反対側にある、切断デバイスの第二の長手方向の側面までテーパー付けされ、第一の長手方向の側面は第二の長手方向の側面よりも、伸長した部材の長手方向の軸線からさらに遠い。
【0013】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内部材の近位端部と組織切断デバイスの近位端部とは一緒になってストッパを形成し、ストッパは案内部材と組織切断デバイスとの間にある組織がそのストッパを過ぎて移動することを防止する。
【0014】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内部材と伸長した部分とは一体の構成を有する。
【0015】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断デバイスと伸長した部分とは一体の構成を有する。
【0016】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断デバイスの長さは、組織切断デバイスが血管の内壁にどの程度の深さに浸入するかを決定する。
【0017】
本件で記載される他の実施形態によれば、血管内で組織を操作するデバイスは、近位端部と遠位端部とを有する伸長した部材と、伸長した部材の遠位端部から伸長し、血管の内壁に対して係合するように構成されるガイド部材と、伸長した部材の遠位端部から伸長する組織切断デバイスとを含み、案内部分の近位端部と組織切断デバイスの近位端部とは一緒になってストッパを形成し、ストッパは、案内部材と、組織切断デバイスの間に位置する組織がそのストッパを過ぎて移動することを防止する。
【0018】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その案内部材は尖っていない遠位先端を有し、組織切断デバイスは案内部分の尖っていない遠位先端に近接して尖った先端を有し、ストッパは、切断された組織がそのストッパを過ぎて移動することを妨げるように構成される。
【0019】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内部材が血管の内壁に係合している間、組織切断デバイスは血管の内壁の組織を切断するように構成される。
【0020】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内部材は、組織切断デバイスを血管の内壁に対して所望の角度に向けるように構成される。
【0021】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内部材は血管の内壁の表面にテンションを与えるべく血管の内壁の表面に圧力を与えるように構成される。
【0022】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断デバイスは、流体を送出するための内腔を有する管体を含む。
【0023】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本デバイスは、組織切断デバイスに薬剤を送出するために薬剤ソースを含む。
【0024】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その薬剤は造影剤を含む。
【0025】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断デバイスはテーパー付けされた形状を有する。
【0026】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断デバイスは、切断デバイスの第一の長手方向の側面から、第一の長手方向の側面の反対側にある、切断デバイスの第二の長手方向の側面までテーパー付けされ、第一の長手方向の側面は第二の長手方向の側面よりも、伸長した部材の長手方向の軸線からさらに遠い
【0027】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内部材と伸長した部材は、単一の構成である。
【0028】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断デバイスと伸長した部材は、単一の構成である。
【0029】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織切断デバイスの長さは、組織切断デバイスが血管の内壁をどの程度浸入するかを決定する。
【0030】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、血管の組織を操作する方法は、血管の内壁の表面に、第一のデバイスによりテンションを与える工程と、テンションが血管の内壁の表面に第一のデバイスにより与えられている間に、血管の内壁の組織に浸入するために第二のデバイスを使用する工程と、を含む。
【0031】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、第二のデバイスの近位端部にあるストッパが血管組織と係合するまで、第二のデバイスを血管の内壁内に前進させる工程を含む。
【0032】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二のデバイスは内腔を有し、本方法は、血管の内壁内にある空間に、第二のデバイスの内腔を通して流体を送出する工程を更に含む。
【0033】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、流体は、血管の内壁内の空間を拡大するために送出される。
【0034】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二のデバイスは、組織に開口部を生成するために組織に浸入し、本方法は、開口部の大きさを拡大させる工程を更に含む。
【0035】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その空間は血管の内側にフラップを生成するために拡大される。
【0036】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法はさらに、血管に対してフラップを固定する工程を含む。
【0037】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二のデバイスは組織に開口部位を生成するために組織に浸入し、本方法はさらに開口部の大きさを増加させる工程を含む。
【0038】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第一のデバイスは、また、第二のデバイスを血管の内壁の表面に対して所望の角度となるように方向付けるために使用される。
【0039】
所望の角度は45度よりも小さい鋭角から成る。
【0040】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第一のデバイスは、拡張する部材から成る。
【0041】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、血管の組織を操作する方法は、血管の内腔に第一のデバイスと第二のデバイスとを経皮的に送出する工程と、第二のデバイスを血管の内壁に対してある角度に方向付けるために第一のデバイスを使用する工程と、第二のデバイスを使用してその角度で血管の内壁の表面に浸入させる工程とを含む。
【0042】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法はさらに、血管の内壁の表面に対して第三のデバイスによりテンションを与える工程を含む。
【0043】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、さらに、第二のデバイスの近位端部にあるストッパが血管組織と係合するまで、第二のデバイスを血管の内壁内に前進させる工程を含む。
【0044】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二のデバイスは内腔を有し、本方法は、さらに、第二のデバイスの内腔を通して血管の内壁内に流体を送出する工程を含む。
【0045】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、流体は血管の内壁内の空間を拡張するために送出される。
【0046】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二のデバイスは血管の内壁に開口部を生成すべくその表面に浸入し、本方法は、さらに、内壁内の空間が拡張した後に、開口部の大きさを増加させる工程を含む。
【0047】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その空間は血管内のフラップを生成すべく拡張される。
【0048】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、さらに、血管に対してフラップを固定する工程を含む。
【0049】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二のデバイスは、血管の内壁に開口部を生成すべくその表面に浸入し、本方法は、さらに開口部の大きさを増加させる工程を含む。
【0050】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、血管の組織を操作する方法は、血管の第一の壁部分に管状構造物を挿入する工程と、血管の第一の壁部分にポケットを生成するために血管の第一の壁部分に流体を送出するために管状構造物を使用する工程とを含む。
【0051】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、流体はパルス状にして送出される。
【0052】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、さらに、管状構造物の遠位端部が血管の第一の壁部分内にある間、管状構造物の遠位端部を前進させる工程を含む。
【0053】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、さらに、管状構造物の遠位端部が前進させられた後に、血管の第一の壁部分に追加の流体を送出する工程を含む。
【0054】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、生成されたポケットは、血管の第一の壁部分からフラップを生成するのに十分に長い、血管の長手方向にそった長さを有する。
【0055】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、管状構造物は先端とその先端のところにあるポートとを有し、流体はそのポート通して送出される。
【0056】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、この管状構造物は、側方ポートを含み、流体はこの側方ポートを通して送出される。
【0057】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、ポケットは血管から組織層を切開するために、流体を使用して形成される。
【0058】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織層はフラップを形成する。
【0059】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、さらに、血管の第二の壁部分にフラップを固定する工程を含む。
【0060】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二の壁部分は、第一の壁部分に向かい合っている。
【0061】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、管状構造物は、血管の内表面の開口部を通して挿入され、本方法は、開口部の大きさを増加させる工程を含む。
【0062】
他の実施形態によれば、血管の組織を操作するシステムは、血管の第一の壁部分に挿入する大きさをもつ管状構造物と、管状構造物の近位端部に連結された流体ソースとを含み、流体ソースは血管の第一の壁部分にポケットを生成するために血管の第一の壁部分に流体を送出するように構成され、流体ソースは、血管の第一の壁の部分に孔を空ける程度ではないが、第一の壁部分の組織を切開するのに十分な流体圧で流体を送出するように構成される。
【0063】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、流体の送出デバイスは、バルス状にして流体を送出するように構成される。
【0064】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、管状構造物は、先端とその先端のところにあるポートとを含む。
【0065】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、管状構造物は側方ポートを含む。
【0066】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本システムはさらに、管状構造物に結合された案内部材を含む。
【0067】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、案内デバイスは、尖っていない先端を有する伸長した構造物を含む。
【0068】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、伸長した構造物と管状構造物は、ストッパを形成すべく一緒に結合される。
【0069】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、伸長した構造物の尖っていない先端は、管状構造物の先端から離れている。
【0070】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本システムは、さらに、血管の第二の壁部分に対して第一の壁部分の一部を固定するための固定機構を含む。
【0071】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二の壁部分は第一の壁部分と向かい合っている。
【0072】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態によれば、血管の組織を操作する方法は、血管の内表面にある開口部に対して先端からデバイスを、血管の第一の壁部分内内へと、デバイスの全体が壁部分の内に入るまで前進させる工程(ここで、デバイスが遠位端部、近位端部および該近位端部に結合された切断要素を有する)と、開口部の大きさを、デバイスを引き込むことにより増加させるために切断要素を使用する工程とを含む。
【0073】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本デバイス装置は拡張可能な部材を含む。
【0074】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、拡張可能な部材は膨張可能な部材を含む。
【0075】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、膨張可能な部材はケージを含む。
【0076】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、切断要素はブレードを含む。
【0077】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、さらに、デバイスの全体が、血管の第一の壁部分へ挿入される前に、開口部を生成する工程を含む。
【0078】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、そのデバイスを使用して開口部を生成する工程を含む。
【0079】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、本方法は、さらに、血管の一部からフラップを生成するためにデバイスを使用する工程を含み、ここで、開口部の増加した大きさが所望の幅をもつフラップをもたらす。
【0080】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その方法は、さらに、血管の第二の壁部分に対して前記フラップの一端を固定する工程を含む。
【0081】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二の壁部分は第一の壁部分と向かい合っている
【0082】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、血管の組織を扱うシステムは、血管の第一の壁部分へ、血管の内表面にある開口部を通して挿入する大きさの組織分離器を含み、該組織分離器は、遠位端部、近位端部、および該近位端部に連結された切断要素を含み、該切断要素は開口部の大きさを増加せる。
【0083】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、組織分離器は拡張可能な部材を含む。
【0084】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、拡張可能な部材は膨張可能な部材を含む。
【0085】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、拡張可能な部材はケージを含む。
【0086】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、拡張可能な部材は、拡張したとき、血管の第一の壁部分からフラップを生成するための形状および大きさを有する。
【0087】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、拡張可能な部材は非対称な形状を有する。
【0088】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、システムは、さらに、血管の第二の壁部分に対してフラップの一端を固定する固定デバイスを含む。
【0089】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、第二の壁部分は第一の壁部分と向かい合っている。
【0090】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、切断要素はブレードを含む。
【0091】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、システムは、さらに、組織分離器が、血管の第一の壁部分へ挿入される前に、開口部を生成するデバイスを含む。
【0092】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、このデバイスは組織分離器に連結される。
【0093】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、このデバイスは組織分離器から分離される。
【0094】
本件で記載される他の実施形態によれば、血管の組織を扱う方法は、デバイスを血管の内腔に経皮的に挿入する工程と、このデバイスがフラップを有する血管の位置に到達するまで、血管の内腔内にこのデバイスを前進させる工程と、血管の内表面に対してフラップを固定するためにこのデバイスを使用する工程とを含む。
【0095】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、このデバイスは縫合部材を含み、
フラップを固定するためにデバイスを使用する工程は、血管の内表面に対してフラップを固定するために縫合部材を使用する工程を含む。
【0096】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、このデバイスはピンを含み、フラップを固定するためにデバイスを使用する工程は、血管の内表面に対してフラップを固定するためにピンを使用する工程を含む。
【0097】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、このデバイスは組織接着剤を含む。
【0098】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、フラップは血管の第一の側面に位置し、内表面は第一の側面と反対側にある血管の第二の側面に位置する。
【0099】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その方法は、さらに、フラップを血管の第一の側面から血管の第二の側面に向けて移動させる工程を含む。
【0100】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、フラップは血管から分離された端部を有し、フラップの端部は血管にそって第一の位置に位置し、そのフラップは、血管の第二の側面に着くまで移動し、そのフラップの端部は、第一の位置からずれた、血管にそった第二の位置に位置する。
【0101】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、フラップは、血管の一部分から生成され、血管から分離された第一の端部、および血管から伸長した第二の端部を有する。
【0102】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、その方法は、切断デバイスを血管の内腔に経皮的に挿入する工程と、血管の一部分からフラップを生成するプロセスで切断デバイスを使用する工程とを含む。
【0103】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、切断デバイスを使用する工程は、血管の壁内に切断デバイスを配置する工程を含む。
【0104】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、切断デバイスはブレードを含む。
【0105】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、切断デバイスは流体を送出する管体を含む。
【0106】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、内側表面は他のフラップを含む。
【0107】
他の実施形態によれば、血管の組織を操作するシステムは、伸長した形状を有し、固定機構を支持する第一のデバイスを含み、第一のデバイスは血管の内腔に挿入できる大きさをもち、固定機構は、血管の内表面に対して血管にあるフラップを固定する。
【0108】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、固定機構は縫合材料を含む。
【0109】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、固定機構はピンを含む。
【0110】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、固定機構は組織接着剤を含む。
【0111】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、フラップは血管の第一の側面に位置し、内表面は第一の側面と反対側にある血管の第二の側面に位置し、本システムは、さらに、血管の第一の側面から血管の第二の側面にフラップを移動させるための配置機構を含む。
【0112】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、フラップは血管から分離された端部を有し、フラップの端部は血管の第一の位置に位置し、フラップが血管の第二の側面に着いたときに、フラップの端部が、第一の位置からずれた、血管に沿った第二の位置に位置するように、配置機構はフラップを移動させる。
【0113】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、システムはさらに、血管の内腔へと挿入できる大きさの切断デバイスを含み、切断デバイスは血管の壁内に浸入するように構成される。
【0114】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、切断デバイスはブレードを含む。
【0115】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、切断デバイスは流体を送出する管体を含む。
【0116】
本明細書に記載の実施形態の何れかによれば、切断デバイスは血管の一部分からフラップを生成するように構成される。
【0117】
他の、更なる観点及び特徴は、実施形態における詳細な説明により明らかとなるであろう。
【0118】
図面は、実施形態の設計および有用性を示し、同様の要素は、共通の参照番号によって示されている。これらの図面は、必ずしも原寸に比例して描かれてはいない。上述ならびに他の利点および目的が得られる方法をよりよく理解するために、添付図面に示される本実施例のより具体的な説明が提供される。これらの図面は、典型的な実施例のみを示しており、したがってその範囲を限定すると考えられるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】図1は、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図2】図2は、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図3】図3は、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図4】図4は、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図5】図5は、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図6a】図6aは、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図6b】図6bは、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図6c】図6cは、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図6d】図6dは、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図6e】図6eは、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図6f】図6fは、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図6g】図6gは、いくつかの実施形態にしたがった弁生成システムの構成要素を示す。
【図7】図7はいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図8a】図8aはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図8b】図8bはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図9a】図9aはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図9b】図9bはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図10】図10はいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11a】図11aはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11b】図11bはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11c】図11cはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11d】図11dはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11e】図11eはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11f】図11fはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11g】図11gはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11h】図11hはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11i】図11iはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図11j】図11jはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図12a】図12aはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図12b】図12bはいくつかの実施形態にしたがった弁生成方法を示す。
【図13a】図13aは、いくつかの実施形態にしたがった弁の幾何学形状の種々の態様を示す。
【図13b】図13bは、いくつかの実施形態にしたがった弁の幾何学形状の種々の態様を示す。
【図13c】図13cは、いくつかの実施形態にしたがった弁の幾何学形状の種々の態様を示す。
【図13d】図13dは、いくつかの実施形態にしたがった弁の幾何学形状の種々の態様を示す。
【図13e】図13aは、いくつかの実施形態にしたがった弁の幾何学形状の種々の態様を示す。
【図14】図14はいくつかの実施形態にしたがった超音波デバイスを示す。
【図15】図15は、いくつかの実施形態にしたがった予め生成された湾曲形状をもつ導管機構を示す。
【図16】図16は、いくつかの実施例にしたがった曲げ機構をもつ導管機構を示す。
【図17】図17は、いくつかの実施形態に係るサブ内膜アクセス機構として実施された曲げ機構を示す。
【図18】図18は、いくつかの実施形態にしたがった湾曲するように実施された曲げ機構を示す。
【図19】図19は、いくつかの実施形態にしたがった壁面テンション機構としてのケージを示す。
【図20】図20はいくつかの実施形態にしたがった別の導管機構を示す。
【図21】図21は、いくつかの実施形態にしたがった拡張可能な部材とともに使用される導管機構を示す。
【図22】図22は、別の実施形態にしたがった異なるサブ内膜アクセス機構を示す。
【図23】図23は、別の実施形態にしたがった異なるサブ内膜アクセス機構を示す。
【図24】図24は、別の実施形態にしたがった異なるサブ内膜アクセス機構を示す。
【図25a】図25aは、別の実施形態にしたがった異なるサブ内膜アクセス機構を示す。
【図25b】図25b、別の実施形態にしたがった異なるサブ内膜アクセス機構を示す。
【図25c】図25cは、別の実施形態にしたがった異なるサブ内膜アクセス機構を示す。
【図26a】図26aは、別の実施形態にしたがった異なるサブ内膜アクセス機構を示す。
【図26b】図26bは、別の実施形態にしたがった異なるサブ内膜アクセス機構を示す。
【図27】図27は、異なる実施形態にしたがった異なるハイドロディセクションを示す。
【図28】図28は、異なる実施形態にしたがった異なるハイドロディセクションを示す。
【図29】図29は、異なる実施形態にしたがった異なるハイドロディセクションを示す。
【図30】図30は、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図31】図31は、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図32】図32は、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図33a】図33aは、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図33b】図33bは、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図33c】図33cは、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図34】図34は、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図35】図35は、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図36a】図36aは、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図36b】図36bは、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図36c】図36cは、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図36d】図36dは、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図37】図37は、別の実施形態による切開プローブを含む種々の組織層分離機構を示す。
【図38】図38は、いくつかの実施形態にしたがった吸引能力をもつプローブを示す。
【図39】図39は、いくつかの実施形態にしたがった吸引能力をもつ導管機構を示す。
【図40】図40は、いくつかの実施形態にしたがったステッチ機構を備えている導管機構を示す。
【図41】図41はいくつかの実施形態にしたがったリップ把持機構を示す。
【図42】図42は、いくつかの実施形態にしたがった吸引能力を含む導管機構を示す。
【図43】図43は、いくつかの実施形態に係る作動部分と切開プローブを示しています。
【図44】図44は、他の実施形態にしたがった作動部分を有する切開プローブを示す。
【図45】図45は、いくつかの実施形態にしたがったガイド部材から出る切開プローブを示す。
【図46】図46は、いくつかの実施形態にしたがった振動するように構成されている解剖プローブを示す。
【図47】図47は、いくつかの実施形態にしたがった横方向に移動するように構成されている切開プローブを示す。
【図48】図48は、いくつかの実施形態にしたがった血管壁にポケットを生成するために使用することができるケージを示す。
【図49a】図49aは、いくつかの実施形態にしたがったサブ内膜ポケットの生成機構の拡張可能な要素についての異なる幾何学的形状を示す。
【図49b】図49bは、いくつかの実施形態にしたがったサブ内膜ポケットの生成機構の拡張可能な要素についての異なる幾何学的形状を示す。
【図49c】図49cは、いくつかの実施形態にしたがったサブ内膜ポケットの生成機構の拡張可能な要素についての異なる幾何学的形状を示す。
【図49d】図49dは、いくつかの実施形態にしたがったサブ内膜ポケットの生成機構の拡張可能な要素についての異なる幾何学的形状を示す。
【図49e】図49eは、いくつかの実施形態にしたがったサブ内膜ポケットの生成機構の拡張可能な要素についての異なる幾何学的形状を示す。
【図49f】図49fは、いくつかの実施形態にしたがったサブ内膜ポケットの生成機構の拡張可能な要素についての異なる幾何学的形状を示す。
【図50】図50は、他の実施形態にしたがった作動部分を有する別の切開プローブを示す。
【図51】図51はいくつかの実施形態にしたがった切断機構を示す。
【図52】図52は他の実施例にしたがった別の切断機構を示す。
【図53】図53は、いくつかの実施形態にしたがった、尖ったエッジを含むサブ内膜アクセス機構を示す。
【図54a】図54aは、異なる実施形態にしたがった内膜分離機構についての異なる幾何学的形状を示す。
【図54b】図54bは、異なる実施形態にしたがった内膜分離機構についての異なる幾何学的形状を示す。
【図54c】図54cは、異なる実施形態にしたがった内膜分離機構についての異なる幾何学的形状を示す。
【図55a】図55aは、他の実施形態にしたがった、別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【図55b】図55bは、他の実施形態にしたがった、別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【図55c】図55cは、他の実施形態にしたがった、別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【図56a】図56aは、他の実施形態にしたがった別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【図56b】図56bは、他の実施形態にしたがった別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【図56c】図56cは、他の実施形態にしたがった別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【図56d】図56dは、他の実施形態にしたがった別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【図56e】図56eは、他の実施形態にしたがった別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【図56f】図56fは、他の実施形態にしたがった別の自己弁生成システム、およびそのようなシステムを使用する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0120】
様々な実施形態が、図を参照して以下に説明されている。図は、原寸には比例しておらず、類似の構造または機能の要素は、すべての図を通して同様の参照番号によって表されていることに留意されたい。また、図は、実施形態の説明を容易にすることを意図するに過ぎないことにも留意されたい。図は、本発明を網羅する説明として、または本発明の範囲を限定するものとして意図されてはいない。さらに、示される実施形態は、表示された態様または利点のすべてを有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明された態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されるものではなく、そのように示されていない場合でも、任意の他の実施形態で実施できる。
【0121】
図1−図6は、いくつかの実施形態による弁生成システムの構成要素を示す。弁生成システムは、導管機構2(図1、図2)、サブ内膜アクセス機構18(図3A、3B)、サブ内膜ポケット生成機構32(図4a、4b)を含む。いくつかの実施形態では、サブ内膜ポケット生成機構32は、必要に応じて内膜分離機構46(図5a、5b)を含んでもよい。また、いくつかの実施形態において、サブ内膜ポケット生成機構32は、必要に応じて弁固定機構48(図6)を含むことができる。
【0122】
図1は、いくつかの実施形態にしたがった導管機構2を示す。本明細書で用いられるように、用語“導管機構”または類似の用語は、要素または基板を囲み、または/および送出するための導管、チャネル、または内腔をもつ任意のデバイスという意味である。導管機構2は、体腔に経皮的に挿入することができ、他のデバイス要素をサポートするためのプラットフォームとして機能する。導管機構2は、近位端部4と遠位端部5をもつ伸長した管体3を有する。導管機構2は内腔6を有し、その内腔6は、伸長した管体3の近位端部4から遠位端部5に延び、横向きの出口ポート7の近くではあるが、僅かな距離(例えば2ミリメートルから10ミリメートル)離れたところに至るものである。導管機構2はまた、伸長した管体3の遠位端部に位置する遠位出口ポート8を含み、そのポート8は内腔6と流体連通している。
【0123】
導管機構2は曲げ機構11を備えている。この実施形態では、曲げ機構11は、導管2の内腔6の遠位端部に機械的結合部13に連結されたワイヤ12の形をとる。この実施形態では、曲げ機構11は、内腔6を通って導管機構2の近位端部4を通過する。この実施形態では、伸長した管体3の遠位端部の剛性は、使用者が曲げ機構11のワイヤ12の端部を引っ張り、テンションを与えたときに、伸長した管の遠位端部付近が湾曲するように、近位端部のものよりも小さい。可動なカテーテルに関連した当業者であれば、この機構が、伸長した管体3を湾曲させるためにどのように使用できるかを理解する必要がある。この湾曲により、ツールが横向き出口ポート7を通過し、内腔の壁に関して非平行に通過できり、自己弁の形成を容易にする。図1は、曲げ機構11の作動前の直線的な形態をもった導管機構2を示す一方、図2は、曲げ機構11の作動により湾曲した導管機構2を示す。
【0124】
図示された実施形態では、導管機構2は、壁テンション機構15を備えている。この明細書で使用されるように、用語“壁テンション機構”またはこれに類似の用語は、血管の壁にテンションを与えるように構成されるどのデバイスをも示す。壁テンション機構15は、ほぼ円筒形の形状ともち、横方向に位置する膨張可能で順応性のあるバルーン16を含む。バルーン16は、伸張した管体3の遠位端部5の近くで、伸張した管体3に接続されている。バルーンは、膨張内腔17と流体連通し、その内腔は、伸張した管体3の近位端部4にある膨張ポートと連通している。膨張可能なバルーン16はその分量、および膨張内腔17を通して供給される膨張流体の圧力に対応して種々の直径をもつものへと膨張できる。図1は、しぼんだ状態のバルーンをもつ、非作動状態の壁テンション機構15を示し、図2は、膨張したバルーン16をもつ、作動状態にある壁テンション機構15を示す。バルーン16は、血管内に配置できるように(たとえば、大きさ、形など)設定されている。バルーン16は、膨張すると、血管の壁にテンションを与える。
【0125】
図3aは、いろいろな実施態様にしたがったサブ内膜アクセス機構18を図示する。この明細書で使用されるように、用語“サブ内膜機構”またはこれに類似の用語は、少なくとも血管壁内に配置できる部分をもつどのデバイスをも示す。サブ内膜アクセス機構18は図1および2の導管機構2とともに使用できる。特に、サブ内膜アクセス機構18は、導管機構の内腔6を通して挿入でき、横向き出口ポート7を通って出すことができる。
【0126】
図示した実施形態では、サブ内膜アクセス機構18は、近位端部20を有する伸張した部材19、閉鎖した尖っていない遠位端部21を有するガイド部材100、および閉鎖した尖っていない遠位端部21の近くで短い距離(たとえば、2−8 mm) のところに伸張した管体19から伸張した組織係合機構23を備えている。この図において、組織係合機構23は、サブ内膜アクセス機構18の主要な内腔22と流体連通している内腔2を有する管状構造101を含む。したがって、サブ内膜アクセス機構18の近位端部20から、サブ内膜アクセス機構18の主要な内腔22の全長を介して、前方に向いた出口ポート25で終わる組織係合機構23の内腔24に至る通路は流体連通している。いくつかの実施形態において、組織係合機構23は、サブ内膜アクセス機構18の伸張した管体19との間で相対角度を形成する。組織係合機構23と伸張した管体19の本体との交点は肘関節を形成し、底入れ機構26を形成する。いくつかの実施形態において、組織係合機構23は伸張した管体19に取り付けられてもよい。他の実施形態において、組織係合機構23と伸張した管体19は、一体構成で形成されてもよい。たとえば、組織係合機構23は、伸張した管体19の一部であってもよい。組織係合機構23は、血管の内壁への侵入を容易にするために、尖った先端27を有する。尖った先端27の斜面の角度方向は、その斜面の最遠点がサブ内膜アクセス機構18の長手方向の軸線102から離れる方向である。特に、先端27の最遠点は第一の側面104から第二の側面106へとテーパーがつけられ、ここで第一の側面104は第二の側面106よりも軸線102から離れている。このような構成には、先端27がより容易に血管壁内に侵入することができるという有利である。
【0127】
サブ内膜アクセス機構18はまた、組織層分離機構28を備えている。本明細書で用いられるように、用語 "組織層分離機構"またはこれに類似の用語は、組織を分離することができる(例えば、組織を切開)どの機構をも意味する。組織層分離機構28は、蛍光造影剤10の加圧源、および組織層分離アクチュエータ29を含む。図3aは、作動前で、蛍光造影剤10の加圧源がサブ内膜アクセス機構18の近位端20に存在するときの組織層分離機構28を示す。図3bは作動中の組織層分離機構28を示す(作動中では、蛍光造影剤10の加圧源は、サブ内膜アクセス機構18の主要な内腔22を通して、組織層分離機構28の内腔24を通して、高圧流の流体30として、前方に向いた出口ポート25から出るまで、力が加えられる。組織層分離アクチュエータ29は、手動で操作される制御ピストン機構または注射器である。高圧流の流体30は、血管の壁の層を、組織層の間に力を作用させ分離し、半制御のハイドロディセクション(hydrodissection)(ここで描かれていない)を形成するように使用される。いくつかの実施形態では、血管内の層間(切開)面に放出されている高圧流体のボーラス(bolus)が3−4秒間持続する。図示の実施形態では、高圧流の流体30は、血管壁の組織を切開するのに十分であるが、血管の壁を通して穴をあけることにならない程度に、血管壁に流体圧を与える。高圧流の流体30は100mmHg以下から1000 mmHgにある流体圧力を有してもよい。また、高圧流の流体30はパルス状となってもよい。
【0128】
いくつかの実施形態では、造影剤10は、蛍光透視装置のような撮像素子を用いて画像化することができる造影剤であってもよい。これにより、決定されるべき機構8の位置が決定でき、造影剤10の流路が、造影剤10の投入の間、可視化することができる。これによりまた、血管内の組織層の分離の進行状況をモニターすることができる。
【0129】
ガイド部材100の遠位先端21は、血管壁の表面に対して先端27の位置決め(例えば、向き)を案内するために血管の内壁の表面上に配置されるように構成される。こうした場合、尖っていない遠位端部21を押すことにより力が血管壁に作用し、壁表面にテンションを与え、壁の向きを変え、先端部21が容易に血管の壁に侵入できるようにする。
【0130】
いくつかの実施形態では、組織層分離機構28は、血管壁においてフラップを形成するのに十分な大きさを有する血管の壁の内側にポケットを形成するために、血管の壁の組織を切開するように構成されている。このような場合には、流体の流れ30はサブ内膜ポケット形成機構として機能する。他の実施形態では、組織層分離機構28は、血管の壁に最初の内腔を形成するために流体の流れ30を供給するように構成されており、他のデバイスは、血管壁にフラップを形成するのに十分な大きさのポケットを形成すべく、内腔のサイズを拡張するために内腔に配置してもよい。図4aは、いくつかの実施形態にしたがったサブ内膜ポケット生成機構32を示す。本明細書で使用されているように、用語“サブ内膜ポケット生成機構”またはこれに類似の用語は、血管壁内にポケットを形成するように構成されたどの機構も示す。サブ内膜ポケット生成機構32は、近位端部34と、尖ってはいないがテーパーがつけられた遠位端部35と、造影剤用内腔36(これは、近位端部34から機構32の遠位端部に造影剤用出口ポート37へと伸張する)とを有する伸張した部材33を有する。サブ内膜ポケット生成機構32はまた、膨張可能で、順応性のあるポケット形成バルーン38は、バルーン膨張内腔39と、ポケット生成バルーン38にバルーン膨張内腔39を接続している膨張ポート40を含む。図示された実施形態では、ポケット生成バルーン38は、気密シールを形成するために、サブ内膜ポケット生成機構32の外表面33に接合されている。
【0131】
図4bは、ポケット生成バルーン38が膨張したときの機構32の構成を示す。図示の実施形態では、膨張したバルーン38は、膨張内腔ルーメン39を通して膨張する時に、サブ内膜ポケット生成機構32の外面から横方向に膨張して非対称な形状をとる。ポケット生成バルーンの最大直径41はバルーンの遠位端部43よりもバルーンの近位端部に近いほうにある。バルーンは、湾曲した先端のテーパー部44と湾曲した近位テーパー部45をもち、近位のテーパー部はより急なものとなっている。この実施形態では、サブ内膜ポケット機構32のしぼんだ状態での適切な大きさは、サブ内膜アクセス機構18の主内腔、組織係合機構23の狭い内腔および正面の出口ポート25を通過できる程度のクリアランスをもつようにすることである。
【0132】
いくつかの実施形態では、サブ内膜ポケット機構32は、必要に応じてさらに、血管壁の表面(図5a)における開口部の大きさを増大させるように構成されている内膜分離機構46を含むことができる。本明細書で用いられるように、用語“内膜分離機構”またはこれに類似の用語は、弁の上側のリップで内膜分離を完成させる機構(フラップの上側のリップが所望の幅をもつようにする機構など)を示す。この実施形態では、内膜分離機構46は、(この実施例では、細い針金として描かれている)、後方に向いた切断機構47を備えている。切断機構47は、ポケット生成バルーン38の直近にある伸張した部材33の表面に接合されている。この実施形態では、切断機構47は、ポケット生成バルーン38の膨張が切断機構47を動作位置に移動し、組織に接触させるように接合されている。図5bは、ポケット生成バルーン38の膨張時に拡張された形状を想定した内膜分離機構46を示す。伸張した部材33に固定される場合に代えた他の実施形態では、切断機構47はバルーン38に固定することができる。また、ここで記述した実施形態のいずれにおいても、切断機構47は、バルーン38の表面上に配置される鋭い複数の粒子を含んでもよい。
【0133】
いくつかの実施形態では、サブ内膜ポケット機構32は、必要に応じて、さらに弁固定機構を送るためのチャネルを含んでもよく、ここで弁固定機構は血管の壁にフラップを固定するように構成される。図6aは、弁固定機構を送るための、機構32の伸張された部材33内に位置するチャネル49を示す。図6bは、いくつかの実施形態にしたがった固定機構48、特にチャネル49内に送られる弁固定機構48を示す。図6dは、先端に尖った穿刺用部材54、ニチノール製の二つの前方クリップアーム55、二つの後方クリップアーム56、拘束シース57、切り離しジョイント58(固定送出機構と固定機構の先端クリップ53との間に位置する)とから構成されている固定機構48の遠位端部53のより詳細な図を示す。この図では、切り離しジョイント58は、ワイヤのノッチとして示されている。図6bに戻る。図6bは、ワイヤのような固定送りシステム51と、スプリングおよびラッチシステムとして示されている作動機構52を示す。図示した実施形態では、チャネル49は、サブ内膜ポケット生成機構の近位端部から、弁の固定が達成される傾斜した側方ポート50へと伸びている。図6cは、送りシステム51が短い距離、傾斜した側方ポート50から固定機構の遠位端部53を押しながら前方に移動して拡張する最初の段階での弁固定機構48を示す。図6eは、作動機構52の作動の結果、作動の第二段階での弁固定機構48を示す。この実施形態では、作動機構52は、ポケット生成バルーン38の膨張の後に作動する。送りシステムは、その最大距離まで前進し、固定機構遠位端部53を、伸張した部材33から膨張したポケット生成バルーン38の外側の大部分を僅かに超える距離に押す。図6fは、前方クリップアーム55の形状記憶特性の結果、前方クリップアーム55が送りシステム51の軸に対して垂直な外向き方向に、飛び出すのに十分なほど、拘束シース57が後退した作動の第三の段階にある弁固定機構48を示す。後方クリップアーム57が、アームの形状記憶特性の結果、送りシステム51の軸に対して垂直な外向きに飛び出すのに十分なほどに、拘束シース57が後退しているときに、作動の第四段階は達成される。図6gは、作動の第五段階と最終段階にある弁固定機構48を示す。弁固定機構48が血管壁に対してフラップを固定するために配置された後に、全固定機構の送りシステム51は、固定機構遠位端部53を切り離しジョイント58のところで固定機構送りシステム51から切り離すために強制して、引っ込められる。切り離しジョイント58は意図的に、その場所でテンションが掛からないように作られ、その結果、固定機構遠位端部53は、固定機構送りシステム51の引き込みの際に残されている。この実施形態では、固定機構遠位端部53は“Hタグ”となる最終の向きを取る。他の実施形態では、固定機構遠位先端53は、他の形状(例えば、形)を有することができる。たとえば、他の実施形態では、固定機構は、異なる配置形状を有する1つ以上の歯状物を含んでもよい。また、上記形状に代え、他の実施形態では、固定機構48は、チャネル49、または別のデバイスにある別のチャンネルから展開されている組織接着剤でもよい。組織接着剤は、血管壁に対するフラップを固定するために使用される。
【0134】
図7−図12は経皮的な弁成形手順の内容内で、上述したデバイスを使用する方法を示す。記述する機能は、デバイスのすべての可能な用途の記述であることを意図するものではない。これは、1つまたは複数の行為/機能性が一定の手続きの状況のために、省略されてもよいことに留意すべきである。
【0135】
図7−図12は、血管の体腔59内で使用されるデバイスを描く。簡単化のために、図示の体腔は内側の層60と外側の層61をもつ。静脈のような多くの身体の内腔では、内腔の壁は、三つの層、すなわち内膜、中膜、および外膜から構成されている。以下の表現では、外側の層61は外膜を表すが、内側の層60は内膜と中膜との組み合わせを表す。これに代え、弁成形の実施形態では、内側の層60は内膜を表し、外側の層61は、中膜と外膜を表す。さらに別の実施形態では、内側の層60と外側の層61の両方は、メディアを含んでもよい。
【0136】
図7は図1の導管機構2を示すが、この機構は、逆行方向から身体の内腔59内の弁生成サイト62に経皮的に挿入される。いくつかの実施形態では、デバイスのユーザーは、導管機構8の先端の出口ポートを通して透視造影剤10を注入することができ、その結果透視可視化が導管機構2を観るために利用することができる。これにより、ユーザーは弁成形サイト62に対する導管機構2の位置を決定することを可能にする。
【0137】
図8aは、壁テンション機構15が作動した導管機構2を示す。この図では、壁テンション機構15の主要な機能要素は、導管機構2の表面3から体腔59の内壁60へと垂直に延びる膨張可能な順応性のあるバルーン16である。バルーンは膨張内腔17と通って、適切な内腔の壁の膨張に対応する特定の圧力が測定されるまで段階的に膨張する。
【0138】
図8bは、曲げ機構11が作動した導管機構2を図示する。この図では、曲げ機構11の主な機能要素は、導管機構2の内腔6の最遠位端部に機械的結合13に取り付けられたワイヤ12である。この図では、ワイヤ12は近位端部から引っ張られて、導管機構2の遠位端部5は力を受けて曲げられる。壁テンション機構15が作動すると、カテーテル表面3および膨張したバルーン16は、内腔の壁60と平面で接触し、したがって、体腔59自体も湾曲する。このように、曲げ機構11は、血管の壁を曲げる。図示した実施形態では、導管機構2の曲の大半は、横向きの出口ポート7のところ、または遠位端部で生ずる。ツールが血管の壁と非平行の角度を形成するように、横向き出口ポート7を通ることから、この構成は有利である。
【0139】
図9a−図9bは、導管機構2内に位置し、そこから拡張されているサブ内膜アクセス機構18を図示する。図9aは、導管4の近位端部から進んで、横向きの出口ポートから露出した作動中のサブ内膜アクセス機構18を図示する。横向き出口ポート7より導管の前方の曲がりにより、サブ内膜アクセス機構18は内腔の壁60に対して非平行な角度で導管から出る。ガイド部材100は、組織係合機構23の配置を導くために血管の表面に押し付けられている。たとえば、機構23はガイド部材100と血管壁との間の接点にあたりで傾斜させることができる。このように、ガイド部材100は、機構23が所望の角度で血管壁に入るようにする。ある場合では、ガイド部材100はまた、血管壁の表面に(すなわち、すでにバルーン16によって与えられているものに加えて)何らかのテンションを与える。図9bは、完全に進められ、内腔の壁60と係合した後のサブ内膜アクセス機構18を図示する。図示された実施形態において、組織係合機構23は、血管壁に侵入し、血管組織がストッパ(たとえば組織係合機構23の近位端部がガイド部材100と出会う領域)に当接するまで進む。完全な係合は、組織係合機構23が血管壁に浸入した後、ガイド部材100と機構23との間の組織が底入れ機構26(ストッパー)の肘関節部に出会うとき、発生する。完全な組織の係合がなされると、組織係合機構23の前方を向いた出口ポート25は、内腔壁内に完全に位置する。
【0140】
図10は、弁成形サイト62で使用される組織層分離機構28を図示する。組織係合機構23の先端27が血管の壁の内側に位置したあと、蛍光造影剤10の加圧されたソースは、高圧流体30となって前方を向いた出口ポート25から出るまで、サブ内膜アクセス機構18の主要な内腔22を、そして組織係合機構23の狭い内腔24を通過させられる。高圧流体30の流れは、注入時の層間結合を物理的に壊し、半制御しながら、中間層の切開面31を形成することにより、弁生成サイト62のところに体腔59の外側層61から内側層60を傷つけることなく分離する働きをする。いくつかの実施形態では、高圧流体30は一定の長さの切開面31が形成されるまで維持される。他の実施形態では、高圧流体30はパルス状にして送出されてもよい。また、他の実施形態では、高圧流体30は、切開面31の長さが増加するように、調整(たとえば、増加)されてもよい。高圧流体切開は、硬いプローブで尖っていない機械切開以上の利点がある。血管壁内で与えられる切開力は、切開ポケットの内部表面積を広げ、その結果どの場所でも固体プローブ(または固体デバイス)の場合よりも小さなものとなる。さらに、高圧流体切開では、組織分離は、自動的に、低圧力(たとえば、固体デバイスを使用する場合と比較して)での切開を可能とする、最小抵抗の面に沿って生ずる。
【0141】
透視造影剤10は、この実施形態では、組織層分離に使用されているため、ユーザーは透視可視化技術を用いて、組織上の流体送出の効果を可視化する機会をもつことになる。特に、蛍光透視可視化技術により、ユーザーは、血管の壁内の組織分離の進行状況を観ることができる。透視可視化技術はまた、切開面31が血管壁の外面に近すぎているかどうかを、ユーザーが決定できるようにする。このような場合、ユーザーは、血管壁に(流体によって)貫通穴が開き、処理を停止させる場合と判断することできる。さらに、この可視化技術は、ユーザーが組織層分離機構28を再び作動する必要があるかどうかを判断するために、新しく生成された層間平面31の深さや形状を評価することができる。適切な組織層の分離が発生するまで、このプロセスが限りなく繰り返され、このような手続が続行される。
【0142】
図11aは、サブ内膜ポケット生成機構32が層間面31に進むことを図示する。組織層分離機構28を用いた組織層の適切な分離に続いて、サブ内膜ポケット生成機構32は、サブ内膜アクセス機構18の主要な内腔22を通り、組織係合機構23の狭い内腔24内へ、そして、前方に向いた出口ポート25から出るように進む。図11aに図示されているように、組織係合機構23は、前方に向いた出口ポート25を出て、内側の層60と外側の層61との間にある、新しく生成された層間面31へと進む。サブ内膜ポケット生成機構32は、しぼんだポケット生成バルーン38の最も近い部分が、少なくとも層間面31にあるように進められる。
【0143】
図11bは、サブ内膜ポケット生成機構2にそってサブ内膜アクセス機構18が除去され、予め生成された層間面31内にサブ内膜ポケット生成機構32のみが残っている状態を図示する。
【0144】
図11cは、 サブ内膜ポケット生成に先立つ、弁固定機構48の作動の第一段階を図示する。サブ内膜ポケット生成機構32が新しく生成された層間面31内に十分に進むと、固定機構送出システム51は、傾斜したサイドポート50から固定機構の先端53を押し出しながら僅かに進む。尖った貫通部材54、さらに新たに分離した内部組織フラップ63に対して傾斜したサイドポート50の位置および角度方向のために、固定機構の先端53は、層間面31側から内側の組織層フラップ63を通して、体腔59の内部に出る。弁固定機構は、弁固定機構の続く段階の完了前に、サブ内膜ポケット生成の完了までの間、内側の組織層フラップ63の制御を維持する。
【0145】
図11dは利用されているサブ内膜ポケット機構を図示する。弁固定機構48の作動の最初の段階に続いて、層間面31内に入っているしぼんだポケット生成バルーン38が、膨張内腔39を通って膨張し、非対称な形状となるように拡大する。図示のとおり、層間面31内にあるバルーンの膨張は、フルサブ内膜ポケット64が層61と62との間に生成されるまで、内腔壁の外層61から内層組織フラップ63を分離していく。このサブ内膜ポケット64の幾何学的形状は、膨張時のポケット生成バルーン38の形状、大きさや位置によって決定される。この時点で、サブ内膜ポケットの先端にサブ内膜ポケット生成機構32を除くことができる程度に十分な大きさの円形となった狭い入口65が存在する。組織係合機構23が血管の表面を通って、血管壁に侵入したときに、この入口は、最初に生成された。
【0146】
図11eは、サブ内膜ポケットの生成の直後、または同時に行われる弁固定機構48の作動の第二段階を図示する。ポケット生成バルーン38の膨張の後/その間、固定機構送出システム51は、内腔に向かい合うところに、内側の組織層60bと外側の組織層61bの両方を固定機構の先端53を押し入るように、さらに進み、その結果外の内腔空間66に位置する。
【0147】
図11fは弁固定機構48の作動の第三段階を図示する。固定機構の先端53が外の内腔空間66内へと進むと、先端クリップアーム55がその形状記憶特性の結果送出システム51の軸線に垂直な方向に外側に跳ねることができるように、拘束シース57(図示せず)は僅かに後退する。このクリップの向きは、先端53が、突き進んだ組織層から誤って後退して係合しなくならないように、先端53を制限する。
【0148】
図11gは、弁固定機構48の作動の第四段階を図示する。拘束シース57(図示せず)は、その形状記憶の特性の結果として、近位のクリップアーム56が送出システム51の軸方向に垂直な方向へと跳ねることができるように後退する。近位のクリップアーム56は、広がると、サブ内膜ポケット64内に位置する。この時点で、内腔の一方の側から内側の組織層60b、内腔の他方の側からの内側の組織層60b、および内腔の他方の側からの外側の組織層61bは、後方クリップアーム56および前方のリップアーム55の間に拘束される。このように、クリップは、血管の第一の壁部分から形成されたフラップを、その第一の壁部分に向かい合う第二の壁部分に対して固定する。
【0149】
図11h、弁固定機構48の作動の第五および最終段階を図示する。固定機構送出システム51全体は、固定機構の先端53が切り離しジョイント58のところで固定機構送出システム51から切り離すために後退する。このように、固定機構の先端53は、切り離し時に“Hタグ”として、本実施形態に示されるように、残される。この形状は、新たに分離された内側の組織層60aが外側の組織層61aに対して元々の向きを取ることを防止し、したがって、生理学的に元の位置に再付着することを防止する。送出システム51と拘束シース57は完全にサブ内膜ポケット生成機構32の固定機構ツールのチャネル49を通して生体構造から削除されます。他の実施形態では、切り離しジョイント58を壊すためのテンションを利用する代わりに、ジョイント58は、適用される電流または熱に応答して分解するものでもよい。
【0150】
図11iは、ポケット生成バルーン38が最大直径をもつ縦位置(図11hにおいて、A−Aにより示されている)での体腔59の断面図を図示する。体腔の積の大部分は、新しく作成された層間ポケット64で占められている。
【0151】
図11jはポケット生成バルーン38の近くでサブ内膜ポケット生成機構32の縦位置(図11iにおいて、B−Bにより示されている)における体腔59の断面図を図示する。この場所では、内側の組織層フラップ63の先端に狭い入口65が見られ、より遠位の位置のところでポケットの全直径よりもよりもはるかに小さい開口部である。
【0152】
図12a−図12bは、利用されている内膜分離機構を図示する。サブ内膜ポケット64の生成の間、ポケット生成バルーン38の膨張の行為は、後方に向いた切断機構をその拡張された方向(図11dに図示)へと作動させる。図12aに示されているとおり、サブ内膜ポケット生成機構46は、新しく生成されたサブ内膜ポケット64から除去されるが、ポケット生成バルーン38は残される。機構46の近位置への動きは、切断機構47が、開口部65の隣の組織をフラップ63に一端付近で切断できるようにし、このことにより開口部65の大きさが増加する。これにより、所望の幅をもつフラップ63が形成される。機構46の膨張したバルーン38が入口65から近接して除去されるとき、対抗テンションが血管壁で生じ、後方に向いて切断機構47が、その膨張した機構47の形状にしたがった経路(たとえば、湾曲した経路)にそって血管壁をクリーンで一貫性のある切断ができる。図示の実施形態では、内側の組織層分離の周囲各(血管の周囲にそって測定されたもの)は180°(たとえば、180°+10°)以上で、切断はほぼ水平となる(すなわち、切断の方向は、ほぼ血管の長手方向軸線となる)。他の実施形態では、切断は水平でなくてもよい。また、他の実施形態では、切断機構47によって行われた切断の長さは180°未満であってもよい。内側の組織層フラップ63の分離は、新しく生成された自己弁67の上側リップを確定する。この時点で、ポケット生成バルーン38がしぼみ、自己弁の生成がなされる。図12bは、デバイスが完全に除去された後、内側の組織層フラップ63の固定に近いところ(図11hのB−B)に位置する縦面における完全に生成された自己弁67の断面図を示す。
【0153】
弁67が生成された後、ユーザーは透視可視化技術を使用して自己弁の生成の効果を可視化することできる。造影剤10は、手続中に、任意の適切な時に、ポケット生成機構32の前方に向いた出口ポートから(または他の流体送達デバイスから)注入することができる。弁の生成が行われた後に、このツールは、特に有用であろう。この場合、ユーザーは最初に、新しく生成されたサブ内膜ポケット64に前方を向いた出口ポート25を配置することを容易にするためにポケット生成バルーン38を収縮させてもよい。標準的な技術(ふくらはぎの筋肉の手動によりポンプピングを含む。)が、評価のために、自己弁67を通して血流を形成するために使用することができる。自己弁67が正常に機能していることが可視化により確認されれば、デバイスは体腔から除去される。
【0154】
図12bに図示の自己弁67が形成されたときに、特定の弁の幾何学的形状が生成される。図13a−図13eは、本明細書に記載のデバイスの実施形態を用いて体腔59内に生成される一つの特定の好適な弁の様々な態様を図示する。図13aはモノカスピド(monocuspid)弁の幾何学的形状の断面図を示す。内層組織フラップ63で構成されたリーフレット68は、一つの内腔壁から突き出て、その内腔壁と向かい合う内腔壁へかつ上方へ伸長し、単一方向の自己弁67を生成している。この実施形態では、弁尖69は、停滞を防止し、血液の循環を可能にする湾曲した形状をとる。図13bは、リーフレット68と、フラップを切開したところから管腔側壁との間に生成されたサブ内膜ポケット64の異なる形状を示す。このポケット64は、内腔の壁に一致する湾曲した側面をもつ逆さまにした三角形の押し出し(extrusion)形状を呈している。図13cは、いくつかの実施形態にしたがった弁の幾何学的形状において高さ800と円周方向の幅71のおおよその相対的な寸法を示す。リーフレット68(その最も高い点で)の高さ70は内腔72の内径よりも大きく、同様にリーフレット68の円周方向の幅71は180°よりも若干大きくなる。前述したように、固定機構48は、いくつかの実施形態にしたがって、血管壁への弁のフラップの固定するために使用することができる。図13dは、(オフセットを表す図中の矢印を参照)内腔の壁の残りの部分から内側の組織層60の切り離し74のラインよりも縦方向で、低くなった固定73の位置を示す。図13eは、自己弁67の閉鎖サイクルの間の固定位置の効果を示すもので、この効果はリーフレット68の余分な組織の矛移動をもたらし、その結果リーフレット68の組織を過度に伸長することなく、閉鎖する弁の向かいの内腔壁に対して自由に塞ぐことができる。
【0155】
血管内の弁を生成するためのシステムおよび方法は、前述した実施形態に限定されるものではないことに留意すべきである。他の実施形態では、本システムはさまざまな構成をとることができる。また、他の実施形態では、本方法は、種々のデバイスおよび/または技術を用いて実施することができる。
【0156】
上記実施形態では、デバイスは、造影剤と可視化のための透視技術を利用として記載されてきた。他の実施形態では、デバイスは、所望のターゲット位置に導管機構2のナビゲーションを容易にし、弁生成手順の進行状況をモニターし、および/または所望の弁が生成されたことを確認するために、外部超音波装置を利用することができる。図14は、大腿部142の外部組織、または他の外部組織の位置に適合する特定の形状を有する超音波プローブ140を図示する。静脈系で使用される場合、このよう実施形態において、浸入の深さは、深部静脈不全をもつ平均的な患者の深部静脈組織に、特に浅い大腿静脈、膝窩静脈、総大腿静脈、または深部静脈システムに焦点を当てて、プログラムすることができる。図示の実施形態では、プローブの先端には、作動時にプローブが脚に対して静的に維持できるように、固定機構144を有する。この実施形態では、固定機構は、チャンバー内の空気を除去しながら、チャンバーを密閉することにより低圧のチャンバーを形成するように作動させることができる吸引カップ(suction cup)を備えている。そのような機構は、必要なときに患者からデバイスを切り離すために容易に反転させることがでる。別の実施形態では、固定機構144は、患者の足を包み込むストラップであってもよく、半永久的に留め付けるためのラッチ機構で締め付けまたは緩めることができる。いくつかのこのような実施形態では、超音波プローブ140は、医師が患者の脚を直接見て、下に位置する静脈を可視化できるように、プローブ自体に対になってビデオ出力を有する。
【0157】
前の実施形態では、デバイス140は、可視化を達成するために患者の外部に配置される超音波装置として記述された。他の実施形態では、デバイス140は、別の外部撮像様式のものでもよい。たとえば、他の実施形態では、可視化は、磁気共鳴イメージングを用いて達成され得る。他の実施形態では、可視化は、コンピュータ断層撮影スキャンを用いて達成され得る。さらに他の実施形態では、可視化は、光コヒーレンストモグラフィーを用いて達成され得る。さらなる実施形態では、可視化は、血管内超音波法を用いて達成され得る。
【0158】
他の実施形態では、可視化は、特定の血流力学のパラメータ(医療行為のための適切な位置を特定すること、または処置の間および/またはその後に手順の成功を評価することに役立つ。)を評価するのに役立つ他のセンシング技術で達成することができる。このような様式は、局所的な血圧を測定するための装置、流量計、パルスオキシメーター、またはその他の身体検査を行うためのデバイスを含むことができる。
【0159】
他の実施形態では、可視化は、直接可視化技術を用いて達成してもよい。そのような実施形態において、インターベンショナルサイトでは、血液が排出される。たとえば、近位および遠位のバルーンは血管内腔内に送出され、そこではバルーンは膨張し、血液は二つのバルーンの間のカテーテルのポートにより排出さえる。このような実施形態では、二つのバルーンは、別々ではあるが併存する適用範囲をもつカテーテルに収容されている。別の実施形態では、バルーンは同じカテーテルにある。いくつかのケースでは、血液の排出に利用されるバルーンはまた、追加的な縦方向の対抗テンションを与えてもよい。バルーンの間の血液が除去された後、カメラが、観るために血管内に送出されてもよい。別の実施形態では、外部ラップとターナキット(turnakit)システムが、処置の前に脚の血液を放血させるために使用することができる。他の実施形態では、直接的な可視化が、血液を排出させないが、しかし、バルーン内にカメラを収納することによって行われる。バルーンは透明な液体または気体で膨張し、内腔壁に対して押す付け、壁や周囲の組織の直接可視化ができる。別の実施形態では、カメラが、カメラが組織を通して観ることができる透明な固体面をもつデバイスの中に収納されてもよい。他の実施形態では、透明な気体または液体が、連続的して血液を介して連続的な可視化を確実にするために、カメラの前に連続して導入することができる。
【0160】
他の実施形態では、直接的な可視化は、サブ内膜アクセス機構18内に配置されたカメラで行ってもよい。別の同様の実施形態では、カメラは横向き出口ポートを通してインターベンションのサイトに向くように、導管機構2内に配置される。他の実施形態では、カメラは、前述の内腔のいずれかを通していつでも供給することができる別のガイドに取り付けてもよい。さらなる実施形態では、カメラは、同じまたは異なる切開ポイントを通して、インターベンションのサイトに導入することができる完全に独立したガイドデバイス内に収容することができる。たとえば、血管内腔に入る最初の切開点で可視化装置を経皮的に挿入することができ、本明細書に記載された弁生成デバイスのいずれも、同じ血管内腔に入る第二切開点で経皮的に挿入することができる。可視化装置および本明細書に記載されたいずれのデバイスも、同じ対象の場所に到達するために向かい合う方向から血管内に前進させてもよい。
【0161】
上記実施形態では、デバイスは曲げ機構9のための導管機構2の先端部に結合されたテンションが与えられワイヤを利用したものとして記載されている。他の実施形態では、図15に示されているとおり、デバイスは、遠位端部150で湾曲した予め形成された導管機構2を利用することができる。この実施形態では、導管機構は遠位端部150で自然に湾曲されているが、必要に応じて、内部造影剤用内腔6内に直線上の硬い探り針(stylet)152を挿入して、身体の内腔に入れるときは真っすぐとすることができる。
【0162】
図16は別の実施形態を図示するもので、ここでは、曲げ機構11は横向き出口ポート7とほぼ同じ縦方向および半径方向の位置で導管機構2の一方の側面にテーパー部をもつものとして実施化されている。壁テンション機構15の作動時に、内側の組織層60は、テーパー状の幾何学形状に沿ったものとなり、したがって導管機構2の長手方向軸に対して角度を形成する。このような構成では、サブ内膜アクセス機構18がポート7を通って出ると、機構18は、内側の組織層60に対して所望の角度で内側の組織層60に侵入することになる。
【0163】
図17は他の実施形態を図示し、ここでは曲げ機構11は、機構18それ自身として実施化され、この機構18は、ニチノールまたは他の形状記憶特性をもつ材料を使用して機構18の少なくとも一部を形成することによって得られた予め形成された形状を有する。この実施形態では、サブ内膜アクセス機構18は、その機構が、横向きに出口ポート7を出て拘束されなくなり、所望の角度で内部組織層60を侵入するよう、自然な角度が付いた形をとっている。このように、サブ内膜アクセス機構18は、横向き出口ポート7を出た時に内側の組織層60に対して適切な角度を取る。
【0164】
図18は、別の実施形態を図示し、ここで、曲げ機構11は、導管機構2に付加的な内腔162を通して導入された湾曲した探り針160をもつものとして実施化されている。導入時、曲がった探り針160が導管機構2と血管自体にその曲りと同じような曲りとなるのに十分な剛性をもつので、血管の内側の組織層60は、導管機構2の表面に沿って曲げられる。
【0165】
壁テンション機構15が前述したバルーン16に限定されず、代替的な実施形態では、壁面テンション機構13が他のデバイスや技術を用いて実施できることは留意されるべきである。図19は、このような実施形態を図示し、ここで、壁テンション機構15は、導管機構2の側面に取り付けられた形状記憶ニチノールから作られた拡張可能なケージ170をもつ。作動に先立って、シース172は、圧縮されたニチノール製ケージ170の上を覆っている。壁テンション機構15を作動させるために、シース172は、ケージ170がその形状記憶特性により拡張構成をとることができるように引き込まれる。
【0166】
壁テンション機構15の他の実施形態では、ケージ170はステンレス鋼(またはそのような純粋な金属、合金、または形状記憶ポリマーのような他の適切な材料)で作られているが、拡張するバルーンの支援を受けて拡張されてもよい。
【0167】
本明細書中に記載されているいくつかの実施形態では、壁テンション機構15は、導管機構2の伸張した部材3に取り付けられた拡張バルーン16である。他の実施形態では、図20に示されているように、導管機構2の表面の片側に取り付けられたバルーン16に代えて、半径方向に対称なバルーンが、送出カテーテル180に取り付けられ、バルーン16の中心はカテーテル1800の軸線からずれている。このような構成では、一つの方向に膨張したバルーン16は伸張した部材3の壁によって制約を受ける。このような実施形態では、バルーン16は、内部の血管壁へのバイアスを受け、主要な導管機構2の縦軸(たとえば、中心軸)からずれて拡張するように強制される。他の実施形態では、バルーン16は、一方の側(伸張した部材3に近い側)では堅く、その反対側(伸張した部材3から離れた側)では、比較的堅くない第一の材料から作られてもよい。このような構成により、バルーン16は、非対称形状に、またはカテーテル180の軸線からずれた中心軸線を有する形状に拡張することができる。
【0168】
図21は、他の実施形態を図示し、ここで、半径方向に対称なバルーン16は、膨張内腔を中に有する独立したバルーンガイド190に取り付けられている。このバルーンガイド190とバルーン16は、導管機構2内にバルーン用内腔17内に収容されている。膨張内腔7は導管機構2の近位端部と流体連通している。この実施形態では、導管の側面で、少なくともバルーン16の長さをもち、バルーン16自体と同じ長手方向の位置にある横向き出口ポート7bが存在する。バルーン16が膨張するとき、バルーン16は、バルーン用内腔17の壁により片側が拘束されるが、バルーン16の縦軸線に対して垂直方向外側に拡張を可能にするバルーン側面ポート17bから自由に拡張できる。他の実施形態では、バルーン16は、非対称構成をとってもよい。また、本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、バルーン16は順応性をもってもよい。
【0169】
本明細書に記載された実施形態のどれでも、バルーン16は横方向に拡大するように構成することができるが、導管機構2に取り付けられたバルーン16は、導管機構2の長手方向の軸線に対して垂直な方向に膨張可能である。このような構成では、バルーン16が膨張したときに、それが血管壁を拡張するために横方向に拡張される。
【0170】
サブ内膜アクセス機構18は、上述した実施形態に限定されるものではなく、別の実施形態では異なる構成を有していてもよい。図22は、直接転送、サブ内膜空間へアクセスできるように使用される内腔202をもつ、自然に湾曲し、前方に向いた針200を有するサブ内膜アクセス機構18を図示する。湾曲した針200は、ポート7から最初に出たとき、血管壁へと外側に向かうように、急な角度で曲がっているが、血管の壁の中に進んだあと後に、導管機構2の長手方向の軸線と平行になるようにまっすぐになる。この実施形態では、サブ内膜アクセス機構18は、横向きの出口ポート7に近づくまで、導管機構2の主要な内腔6を通って進められる。拘束がなくなると、湾曲した針200が上述した元々の形状になる。針は、針が内側の組織層60に侵入するまでさらに進むが、そこでサブ内膜アクセス機構のシャフトと導管機構の表面との間に形成され尖った部分(cusp)内で底入れする。この時点では、流体、拡張可能なデバイス、またはその両方のような組織層分離機構が、針200の内腔202から送り出され、層60、61を分離する。
【0171】
図23は他の実施形態を図示し、ここでサブ内膜アクセス機構18は、前述の実施形態と同様の方法で使用された湾曲した針200の形態をとる。湾曲した針200は、その針がポート7から最初に送り出されたとき(上の図)、血管壁に向かって外側に急な角度でまがる。針200がさらに先に前進すると、針は、血管壁の層61からわずかに逆に曲がる(下の図)。この構成により、針の先端は、血管の壁に対してほぼ平行(たとえば、0+10°)な角度で組織に最初に接することができ、湾曲した針がさらに進むと、針の曲がったところが横方向に向いた出口ポート7から出て、その針の先端が曲がりを変え始めると、その先端は血管内腔の中心を目指すようになる。この実施形態では、湾曲した針200は層60、61の間の層間面に突き進むが、しかし、針200が層61へと突き進まないことで、血管に完全に穴をあけないようにする。
【0172】
図24は、他の実施形態を図示し、ここでサブ内膜アクセス機構18は、内腔212(サブ内膜へと直接進めることができる)を有する正面方向に向いた針である。この実施形態では、針210は、導管機構2の横向き出口ポート7のから一定の距離、加速される。針210は、導管機構を出ると、血管壁に対して垂直でない角度で組織層60へと侵入する。加速運動により、侵入要素に向かって戻る反動や反動の緩みを含む、血管壁の粘弾性動的な効果を防止する。本機構および方法は、伸びた針210の距離と浸入の深さとの間には1対1に近い対応関係が存在することから、管壁内の特定の距離を取得するための安全な方法を提供する。この前進運動の作動は、前述の固定機構48の作動機構52のように、デバイスの近位端部にあるスプリング機構により容易にすることができる。この実施形態では、針210の先端部は、内側の組織層60と外側の組織層61との間の境界面へと進む。侵入の深さは、針210の先端部から一定の距離に位置する機械的なストップ214によって制御される。機械的なストップ214は、導管機構の突起216に当接するように構成され、それによって針210の前進を止める。送り出された針210は、組織係合機構23を参照して前述したのと同様に種々の機能を遂行するために用いることができる。
【0173】
図25aは、別の実施形態を図示する。この実施形態では、サブ内膜アクセス機構18は、導管機構の先端にある横向きのポート7から出るように構成されている内腔222を有する針220である。この針220の先端は鋭くなっている。針220は、導管機構2の横向き出口ポート7から固定された距離、加速され、管腔の壁に対して垂直の角度で内側の組織層内に至る。この図では、横向き出口ポート7はかなり長い楕円形ではなく円形であり、導管機構2内の内部送出内腔6に続いている。この送出内腔6は横向き出口ポート7に続いている導管機構2の先端近くで90°の曲率を有する。送出された針210は、同様に組織係合機構23を参照して前述したのと同様に種々の機能を遂行するために用いることができる。
【0174】
図25b−図25cは他の実施形態を図示し、ここで針220は先端部でポート224と流体連通している内部内腔222から構成されている。これらの図において、針の先端は尖っているが、閉じておおり、ポート224は、血管壁に対してほぼ平行(たとえば0+10°)な方向に向いている。このような構成により、針220から出た流体30は、血管に対してほぼ平行な方向に移動でき、これにより血管壁の組織は切開される。
【0175】
サブ内膜アクセス機構18の他の実施形態では、内側の組織層60に侵入するように、ガイドワイヤを正面に向いた針の代わりに使用することができる。いくつかの場合では、ガイドワイヤは、針に関して前述したのと同様に、一定の距離を移動するために先端へと加速するように構成することができる。このような実施形態では、ガイドワイヤは、内腔の壁に対して非平行の角度で血管壁に侵入する。別の実施形態では、ガイドワイヤは、血管の壁に対して垂直な角度で内腔の壁に侵入する。これらの実施形態では、中空管(サブ内膜アクセス機構18、または別のデバイスの一部と考えてもよい)が、ワイヤも層間面に位置するまで、内側の組織層60と外側の組織層との間の境界面に近づく際に、ガイドワイヤ全体にわたって通過することができる。送出された中空管は、組織係合機構23を参照して前述したのと同様に種々の機能を遂行するために用いることができる。
【0176】
上記実施形態では、デバイスは、血管の壁に浸入するための組織係合機構23(針、またはガイドワイヤを含んでもよい)を有するものとして記載されてきた。図26a−図26bは、代替実施形態を図示し、ここでサブ内膜アクセス機構18は、導管機構2の主要な内腔6内で自由に回転するロータリーガイド242に取り付けられた、湾曲した刃240を含む。横向き出口ポート7により、ブレード240は周期的に導管機構2の表面を越えて放射状に突出することができる。このようにして、特定の回転角度の範囲を渡って、ブレード240は安全に導管機構2の外側面内に拘束され、したがって、図26aに図示されているとおり、血管の壁と接触することがない。その結果、他の回転角度の範囲にわたって、ブレード240は導管寄港2の外側面から突き出し、したがって、図26bに図示されているとおり、導管機構の表面それ自身が血管の壁と接していることから(壁テンション機構15の作動により)、血管の壁と接する。ブレード240が近位端部から回転作動されると、横向き出口ポート7からのブレード240の突き出しが限定され、したがって、切断の深さが固定されているために、切開は内側の組織層60にのみ限られている。これらの実施形態では、組織層分離機構(たとえば、流体、バルーン、拡張可能なデバイスなど)のための送出デバイス(たとえば、中空ガイドワイヤ、針、プローブなど)は、横向き出口7を通過することにより、ブレード240が形成する切開口から導入される。今後は、弁生成手順は、ブレード240が、フラップのための希望の幅を与えるために、円周方向にそって内側の壁層60の一部をカットするために使用されることを除いて、前述したのと同様の方法で完了することができる。したがって、内膜層分離機構46は、本実施形態では、所望の幅をもつフラップを作成するために、予め生成した開口部の大きさを増大させることを要求されない。
【0177】
回転ブレード240を含むサブ内膜アクセス機構18は、別の実施形態では、異なる構成を有していてもよい。そのような実施形態において、ブレード240は湾曲する代わりに直線状でもよい。いくつかの実施形態は、ブレード240は、遠位端ではなく、ガイドシャフトに沿っていくつかの点で回転ガイドにより支持
される。いくつかの実施形態では、ブレード240が、導管機構2の内腔6に向い内側を指すように回転するとき、回転ガイドは、導管内腔6から除去することができる。他のこのような実施形態では、回転ガイドが長手方向に固定されているが、しかし、効果的にブレードの回転軸を変化させて、導管内腔6内に横方向に移動することができる。他のこのような実施形態では、回転ガイドは永久に同一の回転軸上に固定される。
【0178】
上記の実施形態は、層を分離するために(すなわち、ハイドロディセクション(hydrodissection))、高圧造影剤10の使用を参照して記載された。しかしながら、本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、組織層分離機構の代替的な実施形態が用いられてもよい。他の実施形態では、生理食塩水を使用することができる。さらなる実施形態では、抗血栓剤ベースの流体を使用することができる。さらに他の実施形態では、水または他の流体を使用することができる。
【0179】
本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、持続ハイドロディセクションの短い期間が、前述の3から4秒の持続時間とは対照的に、使用されてもよい。そのような実施形態において、ハイドロディセクションのボーラスは、1ないし2秒の時間、持続される。別のこのような実施形態では、ハイドロディセクションのボーラスは1秒の何分一の間維持される。
【0180】
組織層を分離するための機構としてハイドロディセクションを利用する様々な実施形態が記載された。いくつかのこのような実施形態では、ハイドロディセクションは、サブ内膜アクセス機構18の内腔22を通して管理される。他の実施形態では、ハイドロディセクションは、血管の内壁に前もって生成された開口部を通って挿入された中空ガイドワイヤ、針またはプローブを介して管理されてもよい。下述の説明図は、ハイドロディセクタ送出機構の種々の態様および使用を示している。本明細書で用いられるように、用語 “ハイドロディセクタ(hydrodissector)送出機構”またはその類似の用語は、組織層の分離の目的のために、組織層間に加圧流体を送出する要素を示す。
【0181】
図27は、サブ内膜のアクセスポイントで、高圧流体の体積を与える組織層分離機構18のハイドロディセクタ送出の実施例を図示する。流体が送出された後、ハイドロディセクタ送出機構250は、第二のハイドロディセクションがさらなる組織層を分離できるように、層間面に進む。この実施形態では、ハイドロディセクタ送出機構250の前進が続くハイドロディセクションのこのようなサイクルは、必要に応じて何回でも繰り返してよい。他の実施形態では、ハイドロディセクタ送出機構250は、機構250の出口ポートから加圧流体を注入しながら前進する間、回転する。ハイドロディセクタ送出機構250は、内腔24をもつ管状構造、または本明細書に記載の針のいずれかであってもよい。
【0182】
図28および図29は他の実施形態を図示し、ここでハイドロディセクタ送出機構250は、加圧された流体30の流れが組織層を分離するために切開の方向に沿って導かれるように適宜配置される複数の出口ポート260を含む。図28に図示された実施形態では、ハイドロディセクタ送出機構250は、血管壁に平行に近接したサブ内膜空間内にある程度の距離を縦に前進させられる。この実施形態では、ハイドロディセクタ送出機構250は、そのハイドロディセクタ送出機構250の長手方向の両側に沿って、横方向に向いた多数の出口ポートを含む(上の図)。他の実施形態では、ポート260は、ハイドロディセクタ送出機構250の一方の側に配置することができる(下の図)。図示した実施形態では、ポート260は、それらポートが内側の組織層側60(内腔の中心に向いている)に向くように向いている。このように、層間ポケットの大きい幅を生成するために、加圧流体30は横向きに流出される。さらに、血管内腔の中心に向くポートが外側の組織層61から離れるようにして内側の組織層60を剥がすようにする。本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、ハイドロディセクタ送出機構250は、任意ではあるが、さらに切開の方向を向く、前方に向いた出口ポートを含んでもよい。
【0183】
図29はハイドロディセクタ送出機構250の長手方向軸に対して垂直で、両側に、切開の方向に対して僅かに傾斜している横向きの出口ポート260を含む、前述のハイドロディセクタ送出機構250の実施形態を図示する。
【0184】
本明細書に記載の実施態様のいずれかにおいて、ハイドロディセクション制御機構が、ハイドロディセクタ送出機構250によって生成された組織分離の深さと幅を制御するために利用することができる。ハイドロディセクション制御機構は、ハイドロディセクション流体の流速、流量、流量持続時間、および/または圧力を規制する。これらのパラメータは、特定の出口ポートから特定の距離のところに組織分離を生成するために調整することができる。そのような実施形態において、このようなパラメータは、電子的に組み込まれた弁システムとともに、近位端部で制御される。別のこのような実施形態では、このような実施形態は出口ポート260のところ、またはその近くで機械デバイスによって規制される。いくつかの実施形態では、前方を向いたポートが、異なる方向に異なる流速を与える側方ポートとは異なるサイズであってもよい。このことは、別々に切開ポケットの幅と深さを制御するのに役立つ。同じ原理は、内膜に面する側方ポート260に適用でき、流速が機能や安全性の理由で制御することができる。いくつかの場合では、出口ポート260それ自身に近接して組織を切開するようにする唯一のハイドロディセクションをもつことがより臨床的または技術的に可能であろう。このような実施形態では、ハイドロディセクタ250の動きが切開ポケットの大きさや形状を制御するために、円周方向と縦方向に制御することができる。
【0185】
本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、高圧ガスが、組織層分離するための機構として使用することもできる。たとえば、組織層の分離のためのハイドロディセクションの形態で利用することが本明細書に記載され実施形態のいずれにおいても、ハイドロディセクション流体10は、加圧ガスに置き換えることができる。これらの場合では、組織層分離機構250は、ガス源および手動で(または機械的に)操作するピストン機構であってもよい組織層分離アクチュエータを含む。
【0186】
本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、組織層分離アクチュエータはバネとピストン機構を含む。他の実施形態では、組織層分離アクチュエータはせん動ポンプのような電気的に駆動されるポンプを含んでもよい。
【0187】
他の実施形態では、血管壁において層60、61を分離するために流体を使用することに代えて、機械デバイスが、物理的に組織層を分離するために使用することができる。これらの実施形態では、層60、61間の空間内にプローブを前進させることにより、組織層60、61を機械的に分離することにより、層間空間における制御された切開が行われる。これらの実施形態では、組織層の分離機構は切開プローブと前進機構とで構成される。
【0188】
図30は、尖っていない固体で堅いプローブの形をとる切開プローブ280を含む組織層分離機構の実施形態を図示する。プローブ280は、前進した組織層を剥ぐように構成される。この実施形態は、正しい深さが確実に選択されるように、前に達成したアクセス(たとえば、血管壁の表面に予め生成された開口部をとおすように)が利用される。このようなアクセスは、サブ内膜アクセス機構18によるものである。図示の実施形態では、切開プローブ280は、サブ内膜アクセス機構18の内腔24を通って間層面に送られる。このことは、近位端部で前進機構を作動することによって達成することができる。
【0189】
図31は、前進した組織層を剥ぐように作用する、尖っていない固体で堅いプローブの形をと切開プローブ280を含む組織層分離機構の代替の実施形態を図示する。切開プローブ280は、プローブが横向きの出口ポート7を出て、内側の組織層60を通って予め達成されたアクセス開口部内に入るまで、導管機構2の内腔6を通って直接前進する。プローブ280は、前進の特定の経路が導管機構2から出るように取られるように湾曲した形状を有する送出シャフト282を含む。この実施形態では、サブ内膜アクセス機構18は、組織分離機構280の作動に先立って導管機構2から除去される。図示のとおり、本実施の形態では、正しい深さを確実に選択するように、内側の組織層60を介して、前に達成アクセス(例えば、開口部)を利用しなければならない。このようなアクセスは、いくつかの実施形態にしたがったサブ内膜アクセス機構18によって生成されてもよい。
【0190】
図32は、いくつかの実施形態にしたがった、先が鈍い切開プローブ280を図示する。プローブ280は張りつめた静脈壁の曲率に非常によく一致するように幅寸法290に沿って湾曲している。この実施形態では、プローブの幅280は0.1mmと10mmの間である。より好ましい実施形態では、プローブの幅290は1mmと6mmの間である。さらに好ましい実施形態では、プローブの幅290は2mmと3mmの間である。静脈でない場合、または大静脈の場合、プローブの幅290は、10mmよりも大きくとてよい。図示した実施形態では、プローブ282の最遠部分のノーズ部292は幅方向の寸法において丸くなっているとともに、直線的なテーパー294は丸いノーズ部からプローブ280の幅全体に及ぶものとなっている。他の実施形態では、直線的なテーパー294は、湾曲した面取りによって置き換えてもよい。図示の実施形態では、プローブの厚さ296はプローブ幅290よりもかなり小さい。さらに、プローブの厚さ方向において、プローブ280の先端部292から、その先端から或る距離まで厚さが徐々に変わるようにテーパーが付けられている。図示の実施形態では、プローブの長さ寸法298は、幅290および厚さ296よりも非常に長くなっている。プローブ280は、生成される弁の必要なポケットの幅に対して十分に狭いポケットを生成するために、十分な長さをもつ。この実施形態では、プローブ長さ298は、体腔の直径よりも大きく、3mmと20mmとの間である。より好ましい実施形態では、プローブ長さ298は8mmと14mmの間に伸長する。さらに好ましい実施形態では、プローブ長さ298は、10mmと12mmとの間に伸長している。別の切開プローブの実施形態では、プローブは半径方向に対称な形状をもち、その先端は、正に円錐のように、シャフトよりも小径の断面を有する。
【0191】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、切開プローブ280は、尖った先端をもっていてもよい。このような場合には、プローブ280自体は、血管の壁に浸入ために使用してもよい。したがって、プローブ280の使用は、正しい深さが確実に選択できるように、内側の組織層60を通って、前に達成アクセスを必要とせず、したがって、サブ内膜アクセス機構と組織層分離機構の両方を構成する。このような実施形態では、切開プローブ280は、導管機構2の内腔6を通り、横向きに出口ポート7から出るように与えられ得る。プローブ280は、その後、内側の組織層60側へと押圧され得る。切開プローブ280は、内側の組織層60に浸入し、血管壁において層60、61との間の層間面に進出する。このことは、近位端部にある前進機構の作動によって達成することができる。
【0192】
図33a-図33cは、異なる幾何学的形状をもつ尖った切開プローブ280の異なる実施形態を図示する。プローブ280は、組織層分離機構として使用するために前進させることができる。
【0193】
図33aは、鉛筆のようなポイント先端を有する中空針の形をとる切開プローブ280の実施形態を図示し、ここでプローブは、内側の組織層60内へ浸入し、次に組織層60、61の間の狭い切開面を生成するために前方に進む構成をもつ。プローブ280は、前進の間、内層60と外層61から先端の鋭い先端をシールドするために、先端へと半径が小さくなる、半径方向に対称なテーパーをもつ。
【0194】
図33bが、内側の組織層60を貫通するように構成された、傾斜先端を有する中空針をもつ切開プローブ280の一実施形態を示す。プローブ280は、組織層60,61の間の狭い切開面を生成するために前方に前進させることができる。
【0195】
図33cは、ガイドワイヤの形式をとる切開プローブ280の一実施形態を図示する。ガイドワイヤは、内側の組織層60を刺し、組織層60、61の間の狭い切開面を生成するために前方に前進させることができる。
【0196】
図31を参照して記載した上記実施形態について図示されているとおり、切開プローブ280は横向き出口ポート7から突出るが、しかし、出口ポート7の長手方向の範囲内に常に留まる。図示の実施形態では、プローブ280は、導管機構2の外であるが、しかし、横向き出口ポート7の長手方向に沿って切開を行う。他の実施形態では、プローブ280は、ポート7に関して他の場所で切開を行うように構成することができる。図34は他の実施形態を図示し、ここで切開プローブ280は横向きポート7から伸長し、ポート7を通過する。図示の実施形態において、プローブ280は、導管機構2の外で、しかし横向きの出口ポート7に長さ方向にそって、または導管機構2の側方に沿うが、横向き出口ポート7から遠く、または導管機構2から遠くで切開を行ってもよい。プローブ280の先端は尖っていても、尖っていなくともよい。
【0197】
図35は他の実施形態を図示し、ここで切開プローブ280は、導管機構2の先端部に開口部300から送り出される。開口部300は、導管機構2の主要な内腔6に接続されている。この実施形態では、プローブ280は、導管機構2の先端を単に越えて組織を切開する。プローブ280の先端は尖っていても、尖っていなくともよい。
【0198】
ここで記載されたどの実施形態も、切開プローブ280は、ニチノールなどの形状記憶合金で構成されていてもよく、その結果、プローブは導管機構2の出口ポートから露出したときに特定の形状をとることできる。
【0199】
図36a-図36dは、切開プローブの他の実施形態を示し、プローブが横方向の出口ポート7から出たとき組織とともの特定の経路をとるように、プローブは長さの寸法298に沿って種々のプロファイルをもつプローブを示す。図36aに図示の実施形態では、プローブ280は、血管壁の内側の層60に向かって外側に優しく/浅い角度で、直線的に傾斜している。図36bに図示の別の実施形態では、切開プローブ280は、その長さのほとんどに沿って血管壁に向かって直線的に外向きに角度を付けているが、しかし、プローブ280の先端に近づくにつれて曲線を描き、その結果、プローブ280の先端部分は、進行方向にそって平行または平行(たとえば、長手方向にピンと張った内腔の壁と平行)に近くになる。図36cに図示の別の実施形態では、切開プローブ280は、血管壁に向かって外側に急な曲線を描くが、しかし、プローブ280の先端に近くになると直線状となり、プローブ280の非常に先端の部分では後方に曲がる。このような構成では、プローブ280の中間部は、進行方向に(たとえば、長手方向にピンと張った内腔の壁と平行)平行または平行に近くなる。図36dに図示の別の実施形態では、切開プローブ280は二重の曲率、すなわち血管壁に向かって外側に急に曲がる曲線310とプローブ280の先端付に近づくにつれた第二の曲線312とをもつ。この構成により、プローブ280の先端は最初に血管壁にほぼ平行な角度(たとえば、10°内)で組織に接触できる。つぎに、プローブ280が前進すると、プローブ280の曲線部312はカテーテルから出て、その先端は血管の内腔の中心に向かって角度を変更し始める。この実施形態は、層60、61の間の層間面へアクセスできるようにするが、その後、前進の間に、プローブ280の外側縁を外側の組織層61に向けさせないことにより、血管壁の完全な穿孔を防ぐのに役立つ。また、この構成により、内側組織層60が外側の組織層61から離れるように引っ張られ、切開を補助する。
【0200】
図37は、膨張可能なバルーン330が、血管壁に向かって横向き出口ポート7から横方向の切開プローブ280を押し出すために使用される別の実施形態を図示する。バルーン330は、血管壁に対してある所望の角度で血管壁へと侵入するようにプローブ280を導くのに役立つ。他の実施形態では、膨張ニチノールケージが、血管壁に向かって横方向に切開プローブ280を押すために使用することができる。
【0201】
図38は、切開プローブ280が、導管機構2の近位端部に吸引源342と連通する吸引内腔338を含む別の実施形態を図示する。プローブ280は、吸引内腔338と連通する切開プローブ280の内側面344に吸引口340を含む。切開プローブ280が前進すると、外側の組織層61から分離され内側の組織層60の上面のリップは、リップが露出した吸引口340と接触したときに、切開プローブ280の内側面344に一時的に吸着する。切開プローブ280がさらに前進すると、内側の組織層のフラップの上部リップは、切開プローブ280に順に位置する他の吸引ポート340へと滑動する。他の実施形態では、複数の吸引ポート340は一つの連続した窓に置き換えられる。さらに他の実施形態では、プローブ280は、切開プローブ280の上側面に吸引ポートを含み、吸引ポートは吸引内腔338と連通する。プローブ280が導管機構2の横向き出口ポート7から出て進むと、切開プローブ280の上側面350の吸引力は、切開が制御して実施されるように、血管壁へとプローブ280を強制する。
【0202】
図39は、導管機構2の主要な内腔6が、吸引源400に取り付けられている別の実施形態を図示する。このようにして、横向き出口ポート7を通って血管の壁に吸引が作用する。この実施形態では、血管壁の内側面にあるアクセス開口部402は、他のデバイスによって前に生成され、吸引は新たに分離された内側の組織層60の最上位にあるリップ404に作用する。図示のように、切開プローブ280は、つぎに、同じ横向き出口ポート7から、そしてアクセス開口部402を通って層間面へと進む。切開プローブ280は、つぎに、層間面へと、鋭くない切開を実行するために進められるが、吸引は、デバイスに対して血管を安定化させることにより、内側の組織層の拡張を助ける。他の実施形態では、吸引力は同じ方法で使用されるが、しかし、切開プローブ280は、サブ内膜アクセス機構18の組織係合機構23の狭い内腔24を通って進められる。さらなる実施形態では、吸引力は同じ方法で使用されるが、しかし、事前に生成されるアクセス開口部402が必要ではない。そのような場合では、プローブはアクセス開口部402を生成するために、鋭い先端を有してもよい。
【0203】
図40は固定機構の実施例を図示するが、ここで固定機構410は、内側の組織層のフラップ418の最上位にあるリップを制御することにより、切れ味の悪い切開の間、フラップ418上にテンションを維持するために、吸引に代えて利用されている。図示の実施形態において、ステッチ(縫合糸)412は、リップ418が最初に血管壁の残りの部分から分離されると、リップ418の上部を通って位置する。この縫合糸412は、切開の残りの間、または切開の間、反テンションを与える為に必要とされるときにテンションが与えられてもよい。この実施形態では、ステッチ412は後で、血管内腔の別の身体構造(たとえば他の壁部分)にフラップ418を取り付ける固定機構48として利用することができる。
【0204】
図41は、リップ把持機構420が血管内腔に導入される別の実施形態を図示する。機構420は、内側の組織層フラップ418の厚さに順応するのに十分な大きさの小さなギャップ、離された二つの円筒ローラ422、424を含む。図示のように、ローラ422、424は、互いに反対向きに回転するように構成され、その結果、コーラは、血管壁に接触すると、それらの間に内側の組織層フラップ418を引っ張るように作用する。遠い方のローラ424の後方回転はサーボモータや他の形式の回転モータによって容易に行うことができる。このことは、切開に必要なテンションを与えるために利用することができる。表面粗さは、組織をしっかり掴むことができるようにローラ422、424に与えられる。図示したように、ジョーのような機構430が、フラップ418がローラ422、424の4間に供給されると、フラップ418をつかむために利用される。他の実施形態では、ローラ422、424は、フラップ418がそれらの間に供給されるまで、同じ方向で血管壁に沿って受動的に回転する。
【0205】
図42は、導管機構2の主要な内腔6が吸引源400に取り付けられた実施形態を図示する。横方向の出口ポート7を通して血管壁に作用するハイパワーの吸引は、ポート7へと血管壁の一定の距離を引っ張るように作用する。図示のように、プラットフォーム440が、血管壁が凹部に入る深さを制限するために導管機構2内に存在する。吸引は、プラットフォーム440の通気孔442を通して維持される。他の実施形態では、吸引は、凹部の側壁の欠如によって維持されている。内腔の壁が完全にプラットフォーム440に係合されると、鋭い切開プローブ444は、下流方向に内腔壁に平行またはほぼ平行に押し入れられ、プラットフォーム440に対する移動プローブ444の位置に基づいて、内腔壁内に特定の深さまで浸入する。他の実施形態では、サブ内膜アクセス機構18が血管の内壁にアクセス開口部を形成するために利用された後、尖った切開プローブが組織層60、61を分離するために使用されてもよい。図示の実施形態では、横向き出口ポート7は長い楕円形の形状を有している。他の実施形態では、ポート7は長い長方形の形状を有していてもよい。他の実施形態では、横向きの出口ポート7は、矩形または半円径(この形状は、形成される内側の組織層のフラップを特定の幾何学的形状となるように形成するときに役立つ。)のような他の幾何学的形状をもってもよい。
【0206】
図43は、切開プローブ280の先端が非常に小さい膨張可能なバルーン460を指示する別の実施形態を図示する。バルーン460は、内側の組織層60を外側の組織層61から引き離すようにプローブの前進の間に、断続的に膨張させられる。他の実施形態では、バルーン460は、プローブ280の前進中に膨張させられる。
【0207】
図44は、切開プローブ280の先端が、ヒンジ472によってプローブ280の先端に回転自在に連結された作動部470を含む別の実施形態を図示する。使用の間、作動部分470は、組織層60、61を分離するために血管内腔の中心に向かって内側に回転させてもよい。他の実施形態では、プローブ280の先端は、作動の際に開閉するジョーを有してもよく、ここで、ジョーが開くと組織層60、61は分離する。膨張バルーン460、作動部470、またはジョーの作動は、ユーザーより手動で行われてもよいし、プローブ280の前進に基づいて自動的に行われてもよい。
【0208】
図45は、切開プローブ280が、ガイド部材100を隣接して有する他の実施形態を図示し、ガイド部材100は先端面480を有し、この先端面は、切開プローブ280が鋭い角度で組織に当たることを防止するために、プローブ280に先だって内腔壁に沿って滑動する。図示の実施形態では、切開プローブ280は、プローブ280が内側の組織層60と係合できるように、先端面480よりも突出するように湾曲して傾斜している。ガイド部材100は切開プローブ280とは別の要素で作られている。図示の実施形態では、切開プローブ280は、ガイド部材100のポート482を通って出ることができる。この図において、切開プローブ280は必要に応じて、ガイド部材100から取り外すことができる(たとえば、膨張バルーンなどの別のデバイスが、組織を分離するためにポート482を通して送り出されるようにするため)。他の実施形態では、切開プローブ280は、平行にしてガイド部材100を含むことができ、必要に応じて挿入または削除することができる。さらなる実施形態では、切開プローブ280は、円筒状管体または円筒状に近い管体の変形した部分で、プローブ280の先端のこのような部分は、ガイド部材100を形成する。
【0209】
本明細書に記載の切開プローブ280に関する実施例のいずれにおいても、切開プローブ280は、組織の粘弾性応答を低減するために加速または高速移動で前進するように構成することができる。組織層分離機構280の前進は、バネ力で行ってもよい。他の同様の実施形態では、組織層分離機構280を前進させるための前進機構は、圧縮ガスまたは電気モータによって、手動力または加速度運動を行わせる他の機構によって駆動されるピストンを含んでもよい。図46に図示に実施例では、切開プローブ280は、直線状の経路に沿って、または内側の血管壁の湾曲と非常に一致するように湾曲した経路に沿って、前進中に横方向に(例えば、発振器を使用して)振動するように構成されている。さらなる実施形態では、切開プローブ280は、プローブ280の前進の間、または断続的に前進の間、血管内腔の中心に向かって断続的に若干内側に曲がりまたは移動するように構成される。この動きは、非外傷性の方法で外側の組織層61から内側の組織層60を引き離すように作用する。他の実施形態では、切開プローブ280は、それが進んだとき、回転するように構成されてもよい。いくつかのこのような実施形態では、プローブ280はその厚さよりも大きい幅を有してもよく、その結果、回転時に、プローブは、外側の組織層61から内側の組織層60を剥がすように作用する。他の実施形態では、切開プローブ280は、放射状で対称な形状を有していてもよく、回転前進とともに層60,61間の層間面を通って穴を掘るようにして進む。さらなる実施形態では、プローブ280は、上述の動きのいくつかまたは全部を組み合わせてもつように構成することができる。プローブ280の動きに関する本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、運動の振幅は小さく、周波数は比較的高く(特に横方向の振動に対して)すべきである。横方向の振動は、好ましくは0.1mmと3mmの間の振幅を持つ必要がある。目的が外側の組織層61から垂直に内側の組織層60を引き離す動きは0.5mmと5mmの間の振幅を持っている必要がある。
【0210】
図47は、切開プローブ280上でかつ導管機構2の主要な内腔6内で適宜設けられて突起500の干渉により、前進の間、特定の前進運動が自動的に行われる、別の実施形態を図示する。これらの突起500,502が互いに横切ると、それらは切開プローブ280を特定の振動の経路に沿うようにする。振動経路は、血管の壁に対して垂直な横方向にある成分を含む。これは、組織層60,61を互いから分離をするのを容易にする。
【0211】
サブ内膜ポケット生成機構32は、前述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態では異なる構成を有していてもよい。図48はサブ内膜ポケット生成機構32のポケット生成バルーン38は、拘束シース512による作動前に閉じている展開形状記憶ケージ(例えば、ニチノール製)510によって置き換えられている実施形態を図示する。サブ内膜ポケット生成機構32は、サブ内膜アクセス機構18の主要な内腔22を通って、組織係合機構23の狭い内腔24内に進み、前方に向く出口ポート25から出る。その後、機構32は、内腔壁の内側の組織層60と外側の組織層61との間に位置する層間面(機構23によって生成された)に進む。全ケージ510が層間面内にあるのに十分な程度に、機構32は進む。拡張形状記憶ケージ510が血管壁で適切なサブ内膜ポケットを生成するために、特定の幾何学的形状に拡張されるように、拘束シース512は除去される。
【0212】
図49a-図49fは、異なる実施形態におけるサブ内膜ポケット生成機構32の拡張要素(バルーンまたは形状記憶ケージ)に対する異なる幾何学的形状を図示する。図49aは、拡張要素38/510が、サブ内膜ポケット生成機構32の外表面の一方の側から横向きに拡張され、一様な円筒形である幾何学的形状を図示する。図49bは、拡張要素38/510が、サブ内膜ポケット生成機構32の長手方向の軸線に関して対称的に拡張され、一様な円筒形である幾何学的形状を図示する。図49cは、拡張要素38/510が、サブ内膜ポケット生成機構32の一方の側から横向きに拡張され、ほぼ三角形の断面(最大直径は機構32の先端に非常に近いところ)を有する幾何学的形状を図示する。図49dは、拡張要素38/510が、サブ内膜ポケット生成機構32の長手方向の軸線に関して対称的に拡張され、ほぼ三角形の断面(最大直径は機構32の先端に近い)を有する幾何学的形状を図示する。図49Eは、拡張要素38/510が、サブ内膜ポケット生成機構32の一方の側から横向きに拡張され、ほぼ三角形の断面(最大直径は機構32の先端近くにある)を有する幾何学的形状を図示する。図49Fは、拡張要素38/510が、サブ内膜ポケット生成機構32の長手方向の軸線に関して対称的に拡張され、ほぼ三角形の断面(最大直径は機構32の先端近くにある。)を有する幾何学的形状を図示する。
【0213】
図50は、切開プローブ280を通って層間(切開)面に挿入され、横方向に移動するように作動するピストンのような部材520を利用した別の実施形態を図示する。次いで、部材520は完全な切開ポケット64を生成するに、組織層60、61を引き離すべく、に血管内腔の向かい側に向かって移動するように作動する。他の実施形態では、レバーアームがサブ内膜ポケット生成機構32として用いることができる。レバーアームは組織層分離機構28によって生成された層間(切開)面に挿入される。レバーアームは、近位端部から作動されたとき、層間面内で横方向に移動する能力をもつ。また、レバーアームは、完全な切開ポケット64を生成するたに、組織層60、61を引き離すべく、血管内腔の反対側に向かって移動するように作動することができる。
【0214】
別の実施形態では、温度に依存する拡張可能なケージが層60,61を分離するために使用される。このような実施形態では、デバイスは体温よりも区別できる暖かい温度または冷たい温度で、層間(切開)面に挿入される。挿入されると、体内でこの要素が冷却または加熱されると、要素は、切開ポケット64を完了するために、対象の形を拡張した形に変更するように作動する。さらに別の実施形態では、さらに切れ味の悪い切開が、完全切開を行うために、以前生成した層間面内およびその周辺で行われる。さらに別の実施形態では、ヒンジ付きのジョーが、完全切開を行うために、ポケットの中で開くように使用される。連続的な吸引で前の狭い切開ポケットを補う方法および装置のいくつかの実施形態では、このような機能を実行するために記載されたデバイス(すなわち、バルーン、NiTiケージ、ピストン、作動先端、ジョー、流体など)が、サブ内膜アクセス機構18の中に収納され、その中を通り、またはその中通過してもよい。他の実施形態では、このデバイスは、別個のデバイス内に収納さら、導管機構2の主要な内腔6を通って直接与えられてもよい。他の実施形態では、このデバイスは、導管機構2を使用せずに層間面に直接与えることができる。
【0215】
内膜分離機構46は、前述した構成に限定されるものではない。図51は、内膜分離機構46の別の実施形態を図示し、ここで後方に向いた切断機構47は、ワイヤに代えて、ポケット生成機構33のシャフトから突き出る、後方に向いたぎざぎざの刃をもつブレードからなる。この実施形態は、上述した実施形態と同様に使用することができる。上述した実施形態というのは、ポケット生成バルーン38の膨張を利用し、ポケット生成機構33が除去されたとき、血管壁の内表面にある狭い入口(たとえば、組織係合機構23の尖った先端27により生成されたもの)を通して膨張したバルーン37を引き込むとき、内側の組織層60を分離するために使用されるものである。同様の説明のとおり、切断機構47は、バルーン38が除去されると、狭い入口を切断し、これにより所望の幅をもつフラップを形成するために、入口の大きさを増加させる。他の実施形態では、切断機構47は、テーパー状のブレードを含んでもよい。さらなる実施形態では、切断機構47は、重なりあってはさみのような二つの金属ブレードを含んでいてもよい。
【0216】
図52は、後方に向いた切断機構47が、ポケット生成機構33のシャフトとは反対側で膨張ポケット作成バルーン38に取り付けられた別の実施形態を図示する。他の実施形態では、膨張するNiTiまたは形状記憶ケージが組織層分離機構28として使用され、後方に向い切断機構47は内膜分離を成し遂げるために、ケージの背面側(近位端)に取り付けられている。さらなる実施形態では、膨張ケージ自体が意図した幾何学的な経路に沿って内側の組織層60を切断するように作動する鋭い裏側をもっている。
【0217】
図53は、内膜分離機構46が、サブ内膜アクセス機構18内にある別の実施形態を図示する。この実施形態では、機構18の組織係合機構23は、両側に鋭い面550を有し、その結果サブ内膜アクセス機構18の動き(たとえば、回転)は、組織係合機構23が既に接触している内側の組織層60の切断を鋭い面550に行わせる。図に示されているように、血管壁の内面は、機構23(または他のデバイスによって)の尖った先端27により生成された開口部552を有している。機構23が動くと、鋭いエッジ550は、開口部552の大きさを増加させるために、開口部552を切断する。いくつかの実施形態では、ユーザーは、サブ内膜アクセス機構18を回転させたり、ポケット生成バルーン38が、サブ内膜ポケット64内で膨張している間、一方側から他方側に横に機構18を移動させたりすることができる。
【0218】
図54a-図54cは、内膜分離機構46の異なる実施形態が、内膜分離の異なる経路どのように形成するかを図示、新しく生成された内膜リーフレットの幾何学的形状を図示する。図54aは、内膜分離の水平線(内腔壁に対して垂直)を形成する、後方に向いた切断機構47の実施形態を図示する。図54bは、分離の中心が血管壁で最高点であり、分離の2つのエンドポイント(切断)が分離の中心よりも低く生じ、互いにほぼ同じ高さとなるように角度が付けられた内膜分離の線を形成する、後方に面し切断機構47の実施形態を図示する。図54cは、分離の中心が血管壁で最下点であり、分離の2つのエンドポイント(切断)が分離の中心よりも高く生じ、互いにほぼ同じ高さとなるように角度が付けられた内膜分離の線を形成する、後方に面し切断機構47の実施形態を図示する。これらの代替デバイスの実施形態のすべては、図5aおよび図5bの内膜分離機構46(新しく成形してサブ内膜ポケットから作動した内膜分離機構46を除去する)を参照して前述したものと同様の方法で使用される。いくつかの実施形態では、そのような分離線の円周方向の長さは、90°と330°の間にある。より好ましい実施形態では、そのような分離線の円周方向の長さは、160°と240°の間にある。さらに好ましい実施形態では、そのような分離線の円周方向の長さは、120°と220°の間にある。二尖弁または他のマルチ尖弁(multi-cuspid valve)の場合、円周方向の長さは、ほぼ比例値(すなわち二尖の長さマルチ二尖の長さの半分)によって減少させることができる。
【0219】
本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、切断機構(たとえば、ブレード)は、外側の組織層61から内側の組織層60を切開する前に、内側の組織層60を切断するために使用することができる。このような実施形態では、ブレードの動作は、全内膜分離を所望の弁の幅に作るために内腔の他の層から内膜を切開する前に、利用される。いくつかのこのような実施形態では、ブレードの動作は、狭い切り口を形成するために、内腔の他の層から内膜を切開する前に、利用され、その後、フラップのため全幅を生成するために切り口のサイズを増加させるための切開に続いて再度使用されます。
【0220】
本明細書に記載され実施形態において、ポケット作成機構32がポケットを生成するために使用された後、ポケット生成メカニズム32(膨張バルーンまたは拡張ケージ)を、新しく作成された内膜ポケット64の狭い入口65を通って除去されるようにしてもよく、したがって、内膜ポケット64は、それによって入口65の寸法を大きくするために組織を引き裂く。入口65のサイズの増加は、所望の幅をもつフラップを提供する。このような場合には、切断機構47は必要とされない。
【0221】
図55a-図55cは、他の実施形態にしたがった別の弁作成システムを図示する。図55aは、作動の最初の段階にあるシステムを図示する。図に示されているように、導管機構2は、その内の2つの主要な内腔の間の接続ポータル600をもっている。壁テンション機構15は、独立したガイド190に支持されたバルーン16を含む。図示された実施形態において、組織係合機構23は、先端部(前述のように)として作用する大きなガイドプローブ100の表面から僅かに突出する針101を含む。図示した実施形態では、バルーンガイド190は、その表面の側にトラック602を有し、組織係合針101のシャフトに接続し、滑動するのに適した大きさとなっている。図55aは、バルーン16が針101により組織と係合しながら、かつ組織層の分離の間、導管機構2のサイドポート7bから出て膨張したときの壁テンションバルーン16を図示する。図55bはしぼんだ後のバルーン16を示す。バルーンガイド190は、僅かに引き込み、再度前進する。図55cは、方向付け機構604(バルーン16がツール内腔606を越えさせるようにする)の補助により、連結ポータル600を通って進んだ後のバルーン16およびバルーンガイド190を図示する。中心からずれたバルーンガイドトラック602は、ツール内腔内に入ったとき、組織係合機構101のシャフトに係合し、組織係合機構23の先端へと伸び、血管の組織層60、61の間に生成される層間の空間31内に入るまで、シャフトにそって進む。壁テンションバルーン16は、その後、血管壁にポケットを生成するために膨張させられる。したがって、同じ壁テンションバルーン16は、ポケット生成バルーン38として機能し、サブ内膜ポケット64(図示せず)を生成するための適切な幾何学的形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、膜分離および弁の固定を完了するために(血管壁に対して弁を固定するため、または二つの弁を一緒に固定するために)、独立したバルーンガイド190は、任意であるが、組み込まれた固定機構48(図6に示されたように)とともに、その上に後ろ向き切断機構47(図示せず)を有することができる。
【0222】
図56a-図56fは、他の実施形態にしたがった別の弁作成システムを図示する。図示した実施形態では、導管機構2はただ単に、一つの内腔700を有し、さらに導管機構2の両側に横向きの出口ポート7aおよび7bを有する。壁テンション機構15は、独立したガイド190(前述のように)上のバルーン16を含む。この独立したガイド190は、その中にバルーン16のための膨張内腔、および真ん中を通るツール内腔702をもつ。組織係合機構23は、独立したバルーンガイド190の内腔702を通過するように適切な大きさとなった傾斜先端27を有する針101を含む。図56aは、一方の横向きの出口ポート7aと通って膨張した壁テンションバルーン16を図示するが、ここで組織係合機構101は、独立したバルーンガイド190の内腔702を通って前進し、他方の横向き出口ポート7bから制御された分、伸長している。組織係合機構23は内側の組織層60と係合でき、導管機構2の表面はガイド部材100のように機能する。図56bは、組織係合機構23の針101を図示し、血管壁の組織を切開し、層間面を形成するように、流体10を送出する(すなわち、ハイドロディセクション(hydrodissection))。図56cは、しぼんだ壁テンションバルーン16を示す。図56dは、組織係合機構の針軸101にそって進み、横向き出口ポート7bから出て進み、そして、間層面31内へと進む壁テンションバルーン16を図示する。図56eは、導管機構2が除去された後に層間面31に壁テンションバルーン16が残されたシステムを図示する。図56fは、ポケットを生成するために再び膨張させた後の壁テンションバルーン16を図示する。いくつかの実施形態では、膜分離および弁の固定を完了するために(血管壁に対して弁を固定するため、または二つの弁を一緒に固定するために)、独立したバルーンガイド190は、任意であるが、組み込まれた固定機構48(図6に示されたように)とともに、その上に後ろ向き切断機構47(図示せず)を有することができる。
【0223】
図や実施形態(単数または複数)を参照して説明した機能のいずれかが、本明細書に記載の任意の他の実施形態と組み合わせてもよいことに留意すべきである。また、本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、態様の1つ以上を省略することができる。例えば、他の実施形態では、弁固定機構48は必要なく、弁の生成方法は、血管壁の部分にフラップを固定する行為を含まない。本明細書に記述の実施形態のいずれにおいても、弁生成システムは、次の要素のすべてまたは一部を含むことができる。導管機構2;曲げ機構11;壁テンション機構15;」サブ内膜アクセス機構18;組織層分離機構28;サブ内膜ポケット生成機構32;内膜分離機構46;弁固定機構48:
【0224】
デバイス/機構の一部として記載された要素も個別のデバイスとして考慮してもよいことに留意すべきである。さらに、別々のデバイスが記載された実施形態において、別個のデバイスは、システム/機構の構成要素として考慮されてもよい。
【0225】
また、他の実施形態では、本明細書に記載のデバイスおよびの方法の実施形態は2回使用することができる(一度は、血管の一方の側に第一のフラップを生成するために、二度目は、血管の反対側に第二のフラップを生成するため)。いくつかの実施形態では、2つのフラップを、任意であるが、同様に本明細書に記載され固定機構48によって固定することができる。
【0226】
装置及び方法の種々の実施形態が、血管を参照して説明されてきたが、他の実施形態では、本明細書に記載のデバイスおよび方法は、弁の生成が望まれるどの体腔内に組織フラップを生成するために使用することができる。また、本明細書に記載の装置及び方法の実施形態は、静脈還流を治療するために使用されることに限定されるものではない。他の実施形態では、本明細書に記載のデバイスおよび方法の実施形態は、患者の体内の他の内腔構造(または他の医療条件)の還流を治療するために用いることができる。
【0227】
特定の実施形態を図示して説明したが、本発明を限定するものではないことが理解されるであろう。さらに、様々な変更および修正が、本発明の思想および範囲を逸脱することなく行うことができることは、当業者には明らかであろう。本発明は代替、修正、および等価物を包含することを意図している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管の組織を操作するデバイスであって、
近位端部および遠位端部を有する伸長した部材と、
前記伸長した部材の前記遠位端部のところにあり、血管の内壁に対して係合する、先が鈍い先端を有するガイド部材と、
前記伸長した部材の前記遠位端部にある組織切断デバイスと、
を含み、
前記組織切断デバイスが、前記ガイド部材の前記先が鈍い先端近くに、鋭い先端を有する、ことを特徴とする操作デバイス。
【請求項2】
前記組織切断デバイスは、前記ガイド部材が前記血管の前記内壁に対して係合している間、前記血管の前記内壁の組織を切断する、請求項1の操作デバイス。
【請求項3】
前記ガイド部材が、前記血管の前記内壁に対して所望の角度で前記組織切断デバイスを方向付ける、請求項1に記載の操作デバイス。
【請求項4】
前記ガイド部材が、前記血管の前記内壁の表面にテンションを与えるために、その表面に圧力を適用する、請求項1に記載の操作デバイス。
【請求項5】
前記組織切断デバイスが流体を送り出すための内腔を有する管体を含む、請求項1に記載の操作デバイス。
【請求項6】
さらに、前記組織切断デバイスに流体を送り出すための流体源を含む、請求項5に記載の操作デバイス。
【請求項7】
前記液体が造影剤を含む、請求項6に記載の操作デバイス。
【請求項8】
前記組織切断デバイスにはテーパーが付けられている、請求項1に記載の操作デバイス。
【請求項9】
前記組織切断デバイスには、前記組織切断デバイスの第一の長手方向の側面から前記組織切断デバイスの第二の長手方向の側面へとデーパーが付けられ、
前記第二の長手方向の側面は前記第一の長手方向の側面の反対側にあり、
前記組織切断デバイスの前記第一の長手方向の側面は前記第二の長手方向の側面より、前記伸長した部材の長手方向の軸線よりも遠い、請求項8に記載の操作デバイス。
【請求項10】
前記ガイド部材の近位端部および前記組織切断デバイスの近位端部は共同でストッパを形成し、前記ガイド部材と前記組織切断との間に位置する組織が、前記ストッパの近くを通過して動くことを防止する、請求項1に記載の操作デバイス。
【請求項11】
前記ガイド部材および前記伸長した部材が一体構成となっている、請求項1に記載の操作デバイス。
【請求項12】
前記組織切断デバイスおよび前記伸長した部材が一体構成となっている、請求項1に記載の操作デバイス。
【請求項13】
前記組織切断デバイスの長さが、前記組織切断デバイスが前記血管の前記内壁へとどのように浸入するかを決める、請求項1に記載の操作デバイス。
【請求項14】
血管の組織を操作するデバイスであって、
近位端部および遠位端部を有する伸長した部材と、
前記伸長した部材の前記遠位端部から伸長し、前記血管の前記内壁に対して係合するガイド部材と、
前記伸長した部材の前記遠位端部から伸長した組織切断デバイスと、
を含み、
前記ガイド部材の近位端部および前記組織切断デバイスの近位端部は共同でストッパを形成し、前記ガイド部材と前記組織切断との間に位置する組織が、前記ストッパの近くを通過して動くことを防止することを特徴とする操作デバイス。
【請求項15】
前記ガイド部材が、先が鈍い先端を有し、
前記組織切断デバイスが、前記ガイド部材の前記先が鈍い先端の近くに鋭い先端を有し、
前記ストッパが、カットされた組織が前記ストッパの近くを通過して移動することを防止する、請求項14に記載の操作デバイス。
【請求項16】
前記組織切断デバイスは、前記ガイド部材が前記血管の前記内壁に対して係合している間、前記血管の前記内壁の組織を切断する、請求項14の操作デバイス
【請求項17】
前記ガイド部材が、前記血管の前記内壁に対して所望の角度で前記組織切断デバイスを方向付ける、請求項14に記載の操作デバイス。
【請求項18】
前記ガイド部材が、前記血管の前記内壁の表面にテンションを与えるために、その表面に圧力を適用する、請求項14に記載の操作デバイス。
【請求項19】
前記組織切断デバイスが流体を送り出すための内腔を有する管体を含む、請求項14に記載の操作デバイス。
【請求項20】
さらに、前記組織切断デバイスに流体を送り出すための流体源を含む、請求項19に記載の操作デバイス。
【請求項21】
前記液体が造影剤を含む、請求項20に記載の操作デバイス。
【請求項22】
前記組織切断デバイスにはテーパーが付けられている、請求項14に記載の操作デバイス。
【請求項23】
前記組織切断デバイスには、前記組織切断デバイスの第一の長手方向の側面から前記組織切断デバイスの第二の長手方向の側面へとデーパーが付けられ、
前記第二の長手方向の側面は前記第一の長手方向の側面の反対側にあり、
前記組織切断デバイスの前記第一の長手方向の側面は前記第二の長手方向の側面より、前記伸長した部材の長手方向の軸線よりも遠い、請求項22に記載の操作デバイス。
【請求項24】
前記ガイド部材および前記伸長した部材が一体構成となっている、請求項14に記載の操作デバイス。
【請求項25】
前記組織切断デバイスおよび前記伸長した部材が一体構成となっている、請求項14に記載の操作デバイス。
【請求項26】
前記組織切断デバイスの長さが、前記組織切断デバイスが前記血管の前記内壁へとどのように浸入するかを決める、請求項14に記載の操作デバイス。
【請求項27】
血管の組織を操作する方法であって、
血管の内壁の表面に第一のデバイスによりテンションを与える工程と、
前記血管の内壁の前記表面に前記第一のデバイスによりテンションが与えられている間に、前記血管の内壁の組織に侵入するための第二のデバイスを使用する工程と、
を含む、方法。
【請求項28】
さらに、前記第二のデバイスの近位端部にあるストッパに血管の組織が係合するまで、前記血管の内壁内で第二のデバイスを前進させる工程を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第二のデバイスが内腔を有し、
当該方法が、
さらに、前記血管の内壁内の空間に前記第二のデバイスの前記内腔を通して流体を送出する工程を含む、
請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記流体が前記血管内の空間を拡張するために送出される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第二のデバイスが、前記組織に開口を生成するために、前記組織に侵入し、
当該方法が、
さらに、前記開口部の大きさを増加させる工程を含む、
請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記空間が前記血管内にフラップを生成するために拡張される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
さらに、前記血管に対して前記フラップを固定する工程を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第二のデバイスが、前記組織に開口を生成するために、前記組織に侵入し、
当該方法が、
さらに、前記開口部の大きさを増加させる工程を含む、
請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記第二のデバイスが前記血管の内壁の前記表面に対して所望の角度を形成するように、前記第二のデバイスの方向を定めるためにも使用される、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
前記所望の角度が45°以下の鋭角である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第一のデバイスが膨張部材を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項38】
血管の組織を操作する方法であって、
第一のデバイスおよび第二のデバイスを血管の内腔に経皮的に送り入れる工程と、
前記血管の内壁に対する前記第二のデバイスの角度を定めるために前記第一のデバイスを使用する工程と、
前記第二のデバイスを使用して前記角度で前記血管の内壁の表面内へと侵入する工程と、
を含む、操作方法。
【請求項39】
さらに、第三のデバイスにより前記血管の内壁の前記表面にテンションを与える工程を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
さらに、前記第二のデバイスの近位端部にあるストッパに血管の組織が係合するまで、前記血管の内壁内で第二のデバイスを前進させる工程を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記第二のデバイスが内腔を有し、
当該方法が、
さらに、前記血管の内壁内の空間に前記第二のデバイスの前記内腔を通して流体を送出する工程を含む、
請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記流体が前記血管内の空間を拡張するために送出される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第二のデバイスが、前記組織に開口を生成するために、前記組織に侵入し、
当該方法が、
さらに、前記血管の内壁内の空間が拡張されるまで、前記開口部の大きさを増加させる工程を含む、
請求項30に記載の方法。
【請求項44】
前記空間が前記血管内にフラップを生成するために拡張される、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
さらに、前記血管に対して前記フラップを固定する工程を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記第二のデバイスが、前記組織に開口を生成するために、前記組織に侵入し、
当該方法が、
さらに、前記開口部の大きさを増加させる工程を含む、
請求項38に記載の方法
【請求項47】
血管の組織を操作する方法であって、
前記血管の第一の壁部分に管状構造物を挿入する工程と、
前記血管の前記第一の壁部分内にポケットを生成するために、前記血管の前記第一の壁部分に流体を送出するために、前記管状構造物を使用する工程と、
を含む方法。
【請求項48】
前記流体がパルス状に送出される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記管状構造物の遠位端部を、該遠位端部が前記血管の前記第一の壁部分内にある間、前進させる工程を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記管状構造物が前進させられた後に、前記血管の前記第一の壁部分内に付加的な流体を送出する工程を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記生成されたポケットは、前記血管の前記第一の壁部分からフラップを形成するのに十分な、前記血管の長手方向の軸線にそって測定された長さを有する、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
前記管状構造物は先端および該先端にあるポートを含み、前記流体は前記ポートを通って送出される、請求項47に記載の方法。
【請求項53】
前記管状構造物は側方ポートを含み、前記流体は前記側方ポートを通して送出される、請求湖47に記載の方法。
【請求項54】
前記ポケットは、前記血管から組織層を切開するために、前記流体を使用することにより生成される、請求項4に記載の方法。
【請求項55】
前記組織層はフラップを形成する、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
さらに、前記フラップを前記血管の第二の壁部分に固定する工程を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記第二の壁部分は前記第一の壁部分と向かい合っている、請求項55
に記載の方法。
【請求項58】
前記管状構造物は、前記血管の内壁にある開口部を通じて挿入される、
当該方法が、
さらに、前記開口部の大きさを増加させる工程を含む、
請求項47に記載の方法。
【請求項59】
血管の組織を操作するシステムであって、
前記血管の第一の壁部分への挿入のための管状構造物と、
前記管状構造物の近位端部に連結された流体源と、
を含み、
前記流体源は、前記血管の前記第一の壁部分の内側にポケットを生成するために、源前記第一の壁部分に流体を送り出し、
前記血管の前記第一の壁部分の組織を切開するのには十分であるが、前記第一の壁部分を貫通させるのには不十分な流体圧力で前記流体を送出する、ことを特徴とするシステム。
【請求項60】
前記流体送出デバイスは前記流体をパルス状に送出する、請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記管状構造物は先端および該先端にあるポートを含む、請求項59に記載のシステム。
【請求項62】
前記管状構造物は側方ポートを含む、請求項59に記載のシステム。
【請求項63】
さらに、前記環状構造物に連結されたガイド部材を含む、請求項59に記載のシステム。
【請求項64】
前記ガイド部材は、先が鈍い先端を有する伸長した構造物を含む、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記伸長した構造物および前記管状構造物は一緒になってストッパを形成するように連結される、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記伸長した構造物の前記先端が鈍い先端は前記管状構造物の先端より遠いくにある、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
さらに、前記第一の壁部分の一部を前記血管の第二の壁部分に固定するための固定機構を含む、請求項59に記載のシステム。
【請求項68】
前記第二の壁部分が前記第一の壁部分と向かい合っている、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
血管の組織を操作する方法であって、
前記血管の内表面にある開口部に対して先端からデバイスを、血管の第一の壁部分内内へと、前記デバイスの全体が前記壁部分の内に入るまで前進させる工程と、ここで、前記デバイスが遠位端部、近位端部および該近位端部に結合された切断要素を有し、
前記開口部の大きさを、前記デバイスを引き込むことにより増加させるために前記切断要素を使用する工程と、
を含む操作方法。
【請求項70】
前記デバイスは拡張可能な部材を含む、請求項69に記載の操作方法。
【請求項71】
前記拡張可能な部材は膨張可能な部材を含む、請求項70に記載の操作方法。
【請求項72】
前記拡張可能部材はケージである、請求項70に記載の操作方法。
【請求項73】
前記切断要素はブレードを含む、請求項69に記載の操作方法。
【請求項74】
さらに、前記デバイスの全体が、前記血管の前記第一の壁部分へ挿入される前に、前記開口部を生成する工程を含む、請求項69に記載の操作方法。
【請求項75】
さらに、前記デバイスを使用して前記開口部を生成する工程を含む、請求項69に記載の操作方法。
【請求項76】
前記血管の一部からフラップを生成するために前記デバイスを使用する工程を含み、
ここで、前記開口部の増加した大きさが所望の幅をもつ前記フラップをもたらす、請求項69に記載の操作方法。
【請求項77】
さらに、前記血管の第二の壁部分に対して前記フラップの一端を固定する工程を含む、請求湖76に記載の操作方法。
【請求項78】
前記第二の壁部分は前記第一の壁部分と向かい合っている、請求項77に記載の操作方法。
【請求項79】
血管の組織を操作するシステムであって、
血管の第一の壁部分へ、前記血管の内表面にある開口部を通して挿入する大きさの組織分離器を含み、
該組織分離器は、遠位端部、近位端部、および該近位端部に連結された切断要素を含み、
該切断要素は前記開口部の大きさを増加せることを特徴とするシステム。
【請求項80】
前記切断要素は拡張可能な部材を含む、請求項79に記載のシステム。
【請求項81】
前記拡張可能な部材は膨張可能な部材を含む、請求項80に記載のシステム。
【請求項82】
前記膨張可能な部材はケージを含む、請求項80に記載のシステム。
【請求項83】
前記拡張可能な部材は、拡張したとき、前記血管の前記第一の壁部分からフラップを生成するための形状および大きさを有する、請求項80に記載のシステム。
【請求項84】
前記拡張可能な部材は非対称な形状を有する、請求項83の記載のシステム。
【請求項85】
さらに、前記血管の第二の壁部分に対して前記フラップの一端を固定する固定デバイスを含む、請求項83に記載のシステム。
【請求項86】
前記第二の壁部分は前記第一の壁部分と向かい合っている、請求項85に記載のシステム。
【請求項87】
前記切断要素はブレードを含む、請求項79に記載のシステム。
【請求項88】
さらに、前記組織分離器が、前記血管の前記第一の壁部分へ挿入される前に、前記開口部を生成するデバイスを含む、請求項69に記載のシステム。
【請求項89】
前記デバイスは前記組織分離器に連結されている、請求項88に記載のシステム。
【請求項90】
前記デバイスは前記組織分離器から分離されている、請求項88に記載のシステム。
【請求項91】
血管の組織を操作する方法であって、
デバイスを血管の内腔に経皮的に挿入する工程と、
前記デバイスがフラップを有する前記血管の位置に到達するまで、前記血管の前記内腔内に前記デバイスを前進させる工程と、
前記血管の内表面に対して前記フラップを固定するために前記デバイスを使用する工程と、
を含む操作方法。
【請求項92】
前記デバイスは縫合部材を含み、
前記フラップを固定するためにデバイスを使用する工程は、前記血管の前記内表面に対して前記フラップを固定するために前記縫合部材を使用する工程を含む、
請求項91に記載の操作方法。
【請求項93】
前記デバイスはピンを含み、
前記フラップを固定するためにデバイスを使用する工程は、前記血管の前記内表面に対して前記フラップを固定するために前記ピンを使用する工程を含む、
請求項91に記載の操作方法。
【請求項94】
前記デバイスは組織接着剤を含む、請求項91に記載の操作方法。
【請求項95】
前記フラップは前記血管の第一の側面に位置し、
前記内表面は、前記第一の側面と反対側にある前記血管の第二の側面に位置する、請求項91に記載の操作方法。
【請求項96】
さらに、前記血管の前記第一の側面から前記血管の前記第二の側面に前記フラップを移動させる工程を含む、請求項95に記載の操作方法。
【請求項97】
前記フラップは前記血管から分離された端部を有し、前記フラップの前記端部は前記血管にそって第一の位置に位置し、
前記フラップは、前記血管の前記第二の側面に着くまで移動し、前記フラップの前記端部は、前記第一の位置からずれた、前記血管にそった第二の位置に位置する、請求項96に記載の操作方法。
【請求項98】
前記フラップは前記血管の一部分から生成され、前記血管から分離された第一の端部、および前記血管から伸長した第二の端部を有する、請求項91に記載の操作方法。
【請求項99】
さらに、切断デバイスを前記血管の前記内腔に経皮的に挿入する工程と、
前記血管の一部分から前記フラップを生成するプロセスで、前記切断デバイスを使用する工程と、
を含む請求項91に記載の操作方法。
【請求項100】
前記切断デバイスを使用する工程は、前記血管の壁内に前記切断デバイスを配置する工程を含む、請求項99に記載の操作方法。
【請求項101】
前記切断デバイスはブレードを含む、請求項100に記載の操作方法。
【請求項102】
前記切断デバイスは流体を送出する管体を含む、請求項100に記載の操作方法。
【請求項103】
前記内側表面は他のフラップを含む、請求項91に記載の操作方法。
【請求項104】
血管の組織を操作するシステムであって、
伸長した形状を有し、固定機構を支持する第一のデバイスを含み、
前記第一のデバイスは血管の内腔に挿入できる大きさをもち、
前記固定機構は,前記血管の内表面に対して前記血管にあるフラップを固定する、ことを特徴とするシステム。
【請求項105】
前記固定機構は縫合材料を含む、請求項104に記載のシステム。
【請求項106】
前記固定機構はピンを含む、請求項104に記載のシステム。
【請求項107】
前記固定機構は組織接着剤を含む、請求項104に記載のシステム。
【請求項108】
前記フラップは前記血管の第一の側面に位置し、
前記内表面は前記第一の側面と反対側にある前記血管の第二の側面に位置し、
当該システムは、さらに
前記血管の前記第一の側面から前記血管の第二の側面に前記フラップを移動させるための配置機構を含む、請求項104に記載のシステム。
【請求項109】
前記フラップは前記血管から分離された端部を有し、
前記フラップの前記端部は前記血管の第一の位置に位置し、
前記フラップが前記血管の前記第二の側面に着いたときに、前記フラップの前記端部が、前記第一の位置からずれた、前記血管に沿った第二の位置に位置するように、前記配置機構は前記フラップを移動させる、
請求項109に記載のシステム。
【請求項110】
さらに、前記血管の前記内腔へと挿入できる大きさの切断デバイスを含み、
前記切断デバイスは前記血管の壁内に浸入する、請求項104に記載のシステム。
【請求項111】
前記切断デバイスはブレードを含む、請求項110に記載のシステム。
【請求項112】
前記切断デバイスは液体を送出する管体を含む、請求項110に記載のシステム。
【請求項113】
前記切断デバイスは前記血管の一部分からフラップを生成する、請求項110に記載のシステム。
【請求項1】
血管の組織を操作するデバイスであって、
近位端部および遠位端部を有する伸長した部材と、
前記伸長した部材の前記遠位端部のところにあり、血管の内壁に対して係合する、先が鈍い先端を有するガイド部材と、
前記伸長した部材の前記遠位端部にある組織切断デバイスと、
を含み、
前記組織切断デバイスが、前記ガイド部材の前記先が鈍い先端近くに、鋭い先端を有する、ことを特徴とする操作デバイス。
【請求項2】
前記組織切断デバイスは、前記ガイド部材が前記血管の前記内壁に対して係合している間、前記血管の前記内壁の組織を切断する、請求項1の操作デバイス。
【請求項3】
前記ガイド部材が、前記血管の前記内壁に対して所望の角度で前記組織切断デバイスを方向付ける、請求項1に記載の操作デバイス。
【請求項4】
前記ガイド部材が、前記血管の前記内壁の表面にテンションを与えるために、その表面に圧力を適用する、請求項1に記載の操作デバイス。
【請求項5】
前記組織切断デバイスが流体を送り出すための内腔を有する管体を含む、請求項1に記載の操作デバイス。
【請求項6】
さらに、前記組織切断デバイスに流体を送り出すための流体源を含む、請求項5に記載の操作デバイス。
【請求項7】
前記液体が造影剤を含む、請求項6に記載の操作デバイス。
【請求項8】
前記組織切断デバイスにはテーパーが付けられている、請求項1に記載の操作デバイス。
【請求項9】
前記組織切断デバイスには、前記組織切断デバイスの第一の長手方向の側面から前記組織切断デバイスの第二の長手方向の側面へとデーパーが付けられ、
前記第二の長手方向の側面は前記第一の長手方向の側面の反対側にあり、
前記組織切断デバイスの前記第一の長手方向の側面は前記第二の長手方向の側面より、前記伸長した部材の長手方向の軸線よりも遠い、請求項8に記載の操作デバイス。
【請求項10】
前記ガイド部材の近位端部および前記組織切断デバイスの近位端部は共同でストッパを形成し、前記ガイド部材と前記組織切断との間に位置する組織が、前記ストッパの近くを通過して動くことを防止する、請求項1に記載の操作デバイス。
【請求項11】
前記ガイド部材および前記伸長した部材が一体構成となっている、請求項1に記載の操作デバイス。
【請求項12】
前記組織切断デバイスおよび前記伸長した部材が一体構成となっている、請求項1に記載の操作デバイス。
【請求項13】
前記組織切断デバイスの長さが、前記組織切断デバイスが前記血管の前記内壁へとどのように浸入するかを決める、請求項1に記載の操作デバイス。
【請求項14】
血管の組織を操作するデバイスであって、
近位端部および遠位端部を有する伸長した部材と、
前記伸長した部材の前記遠位端部から伸長し、前記血管の前記内壁に対して係合するガイド部材と、
前記伸長した部材の前記遠位端部から伸長した組織切断デバイスと、
を含み、
前記ガイド部材の近位端部および前記組織切断デバイスの近位端部は共同でストッパを形成し、前記ガイド部材と前記組織切断との間に位置する組織が、前記ストッパの近くを通過して動くことを防止することを特徴とする操作デバイス。
【請求項15】
前記ガイド部材が、先が鈍い先端を有し、
前記組織切断デバイスが、前記ガイド部材の前記先が鈍い先端の近くに鋭い先端を有し、
前記ストッパが、カットされた組織が前記ストッパの近くを通過して移動することを防止する、請求項14に記載の操作デバイス。
【請求項16】
前記組織切断デバイスは、前記ガイド部材が前記血管の前記内壁に対して係合している間、前記血管の前記内壁の組織を切断する、請求項14の操作デバイス
【請求項17】
前記ガイド部材が、前記血管の前記内壁に対して所望の角度で前記組織切断デバイスを方向付ける、請求項14に記載の操作デバイス。
【請求項18】
前記ガイド部材が、前記血管の前記内壁の表面にテンションを与えるために、その表面に圧力を適用する、請求項14に記載の操作デバイス。
【請求項19】
前記組織切断デバイスが流体を送り出すための内腔を有する管体を含む、請求項14に記載の操作デバイス。
【請求項20】
さらに、前記組織切断デバイスに流体を送り出すための流体源を含む、請求項19に記載の操作デバイス。
【請求項21】
前記液体が造影剤を含む、請求項20に記載の操作デバイス。
【請求項22】
前記組織切断デバイスにはテーパーが付けられている、請求項14に記載の操作デバイス。
【請求項23】
前記組織切断デバイスには、前記組織切断デバイスの第一の長手方向の側面から前記組織切断デバイスの第二の長手方向の側面へとデーパーが付けられ、
前記第二の長手方向の側面は前記第一の長手方向の側面の反対側にあり、
前記組織切断デバイスの前記第一の長手方向の側面は前記第二の長手方向の側面より、前記伸長した部材の長手方向の軸線よりも遠い、請求項22に記載の操作デバイス。
【請求項24】
前記ガイド部材および前記伸長した部材が一体構成となっている、請求項14に記載の操作デバイス。
【請求項25】
前記組織切断デバイスおよび前記伸長した部材が一体構成となっている、請求項14に記載の操作デバイス。
【請求項26】
前記組織切断デバイスの長さが、前記組織切断デバイスが前記血管の前記内壁へとどのように浸入するかを決める、請求項14に記載の操作デバイス。
【請求項27】
血管の組織を操作する方法であって、
血管の内壁の表面に第一のデバイスによりテンションを与える工程と、
前記血管の内壁の前記表面に前記第一のデバイスによりテンションが与えられている間に、前記血管の内壁の組織に侵入するための第二のデバイスを使用する工程と、
を含む、方法。
【請求項28】
さらに、前記第二のデバイスの近位端部にあるストッパに血管の組織が係合するまで、前記血管の内壁内で第二のデバイスを前進させる工程を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第二のデバイスが内腔を有し、
当該方法が、
さらに、前記血管の内壁内の空間に前記第二のデバイスの前記内腔を通して流体を送出する工程を含む、
請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記流体が前記血管内の空間を拡張するために送出される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第二のデバイスが、前記組織に開口を生成するために、前記組織に侵入し、
当該方法が、
さらに、前記開口部の大きさを増加させる工程を含む、
請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記空間が前記血管内にフラップを生成するために拡張される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
さらに、前記血管に対して前記フラップを固定する工程を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第二のデバイスが、前記組織に開口を生成するために、前記組織に侵入し、
当該方法が、
さらに、前記開口部の大きさを増加させる工程を含む、
請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記第二のデバイスが前記血管の内壁の前記表面に対して所望の角度を形成するように、前記第二のデバイスの方向を定めるためにも使用される、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
前記所望の角度が45°以下の鋭角である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第一のデバイスが膨張部材を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項38】
血管の組織を操作する方法であって、
第一のデバイスおよび第二のデバイスを血管の内腔に経皮的に送り入れる工程と、
前記血管の内壁に対する前記第二のデバイスの角度を定めるために前記第一のデバイスを使用する工程と、
前記第二のデバイスを使用して前記角度で前記血管の内壁の表面内へと侵入する工程と、
を含む、操作方法。
【請求項39】
さらに、第三のデバイスにより前記血管の内壁の前記表面にテンションを与える工程を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
さらに、前記第二のデバイスの近位端部にあるストッパに血管の組織が係合するまで、前記血管の内壁内で第二のデバイスを前進させる工程を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記第二のデバイスが内腔を有し、
当該方法が、
さらに、前記血管の内壁内の空間に前記第二のデバイスの前記内腔を通して流体を送出する工程を含む、
請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記流体が前記血管内の空間を拡張するために送出される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第二のデバイスが、前記組織に開口を生成するために、前記組織に侵入し、
当該方法が、
さらに、前記血管の内壁内の空間が拡張されるまで、前記開口部の大きさを増加させる工程を含む、
請求項30に記載の方法。
【請求項44】
前記空間が前記血管内にフラップを生成するために拡張される、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
さらに、前記血管に対して前記フラップを固定する工程を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記第二のデバイスが、前記組織に開口を生成するために、前記組織に侵入し、
当該方法が、
さらに、前記開口部の大きさを増加させる工程を含む、
請求項38に記載の方法
【請求項47】
血管の組織を操作する方法であって、
前記血管の第一の壁部分に管状構造物を挿入する工程と、
前記血管の前記第一の壁部分内にポケットを生成するために、前記血管の前記第一の壁部分に流体を送出するために、前記管状構造物を使用する工程と、
を含む方法。
【請求項48】
前記流体がパルス状に送出される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記管状構造物の遠位端部を、該遠位端部が前記血管の前記第一の壁部分内にある間、前進させる工程を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記管状構造物が前進させられた後に、前記血管の前記第一の壁部分内に付加的な流体を送出する工程を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記生成されたポケットは、前記血管の前記第一の壁部分からフラップを形成するのに十分な、前記血管の長手方向の軸線にそって測定された長さを有する、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
前記管状構造物は先端および該先端にあるポートを含み、前記流体は前記ポートを通って送出される、請求項47に記載の方法。
【請求項53】
前記管状構造物は側方ポートを含み、前記流体は前記側方ポートを通して送出される、請求湖47に記載の方法。
【請求項54】
前記ポケットは、前記血管から組織層を切開するために、前記流体を使用することにより生成される、請求項4に記載の方法。
【請求項55】
前記組織層はフラップを形成する、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
さらに、前記フラップを前記血管の第二の壁部分に固定する工程を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記第二の壁部分は前記第一の壁部分と向かい合っている、請求項55
に記載の方法。
【請求項58】
前記管状構造物は、前記血管の内壁にある開口部を通じて挿入される、
当該方法が、
さらに、前記開口部の大きさを増加させる工程を含む、
請求項47に記載の方法。
【請求項59】
血管の組織を操作するシステムであって、
前記血管の第一の壁部分への挿入のための管状構造物と、
前記管状構造物の近位端部に連結された流体源と、
を含み、
前記流体源は、前記血管の前記第一の壁部分の内側にポケットを生成するために、源前記第一の壁部分に流体を送り出し、
前記血管の前記第一の壁部分の組織を切開するのには十分であるが、前記第一の壁部分を貫通させるのには不十分な流体圧力で前記流体を送出する、ことを特徴とするシステム。
【請求項60】
前記流体送出デバイスは前記流体をパルス状に送出する、請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記管状構造物は先端および該先端にあるポートを含む、請求項59に記載のシステム。
【請求項62】
前記管状構造物は側方ポートを含む、請求項59に記載のシステム。
【請求項63】
さらに、前記環状構造物に連結されたガイド部材を含む、請求項59に記載のシステム。
【請求項64】
前記ガイド部材は、先が鈍い先端を有する伸長した構造物を含む、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記伸長した構造物および前記管状構造物は一緒になってストッパを形成するように連結される、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記伸長した構造物の前記先端が鈍い先端は前記管状構造物の先端より遠いくにある、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
さらに、前記第一の壁部分の一部を前記血管の第二の壁部分に固定するための固定機構を含む、請求項59に記載のシステム。
【請求項68】
前記第二の壁部分が前記第一の壁部分と向かい合っている、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
血管の組織を操作する方法であって、
前記血管の内表面にある開口部に対して先端からデバイスを、血管の第一の壁部分内内へと、前記デバイスの全体が前記壁部分の内に入るまで前進させる工程と、ここで、前記デバイスが遠位端部、近位端部および該近位端部に結合された切断要素を有し、
前記開口部の大きさを、前記デバイスを引き込むことにより増加させるために前記切断要素を使用する工程と、
を含む操作方法。
【請求項70】
前記デバイスは拡張可能な部材を含む、請求項69に記載の操作方法。
【請求項71】
前記拡張可能な部材は膨張可能な部材を含む、請求項70に記載の操作方法。
【請求項72】
前記拡張可能部材はケージである、請求項70に記載の操作方法。
【請求項73】
前記切断要素はブレードを含む、請求項69に記載の操作方法。
【請求項74】
さらに、前記デバイスの全体が、前記血管の前記第一の壁部分へ挿入される前に、前記開口部を生成する工程を含む、請求項69に記載の操作方法。
【請求項75】
さらに、前記デバイスを使用して前記開口部を生成する工程を含む、請求項69に記載の操作方法。
【請求項76】
前記血管の一部からフラップを生成するために前記デバイスを使用する工程を含み、
ここで、前記開口部の増加した大きさが所望の幅をもつ前記フラップをもたらす、請求項69に記載の操作方法。
【請求項77】
さらに、前記血管の第二の壁部分に対して前記フラップの一端を固定する工程を含む、請求湖76に記載の操作方法。
【請求項78】
前記第二の壁部分は前記第一の壁部分と向かい合っている、請求項77に記載の操作方法。
【請求項79】
血管の組織を操作するシステムであって、
血管の第一の壁部分へ、前記血管の内表面にある開口部を通して挿入する大きさの組織分離器を含み、
該組織分離器は、遠位端部、近位端部、および該近位端部に連結された切断要素を含み、
該切断要素は前記開口部の大きさを増加せることを特徴とするシステム。
【請求項80】
前記切断要素は拡張可能な部材を含む、請求項79に記載のシステム。
【請求項81】
前記拡張可能な部材は膨張可能な部材を含む、請求項80に記載のシステム。
【請求項82】
前記膨張可能な部材はケージを含む、請求項80に記載のシステム。
【請求項83】
前記拡張可能な部材は、拡張したとき、前記血管の前記第一の壁部分からフラップを生成するための形状および大きさを有する、請求項80に記載のシステム。
【請求項84】
前記拡張可能な部材は非対称な形状を有する、請求項83の記載のシステム。
【請求項85】
さらに、前記血管の第二の壁部分に対して前記フラップの一端を固定する固定デバイスを含む、請求項83に記載のシステム。
【請求項86】
前記第二の壁部分は前記第一の壁部分と向かい合っている、請求項85に記載のシステム。
【請求項87】
前記切断要素はブレードを含む、請求項79に記載のシステム。
【請求項88】
さらに、前記組織分離器が、前記血管の前記第一の壁部分へ挿入される前に、前記開口部を生成するデバイスを含む、請求項69に記載のシステム。
【請求項89】
前記デバイスは前記組織分離器に連結されている、請求項88に記載のシステム。
【請求項90】
前記デバイスは前記組織分離器から分離されている、請求項88に記載のシステム。
【請求項91】
血管の組織を操作する方法であって、
デバイスを血管の内腔に経皮的に挿入する工程と、
前記デバイスがフラップを有する前記血管の位置に到達するまで、前記血管の前記内腔内に前記デバイスを前進させる工程と、
前記血管の内表面に対して前記フラップを固定するために前記デバイスを使用する工程と、
を含む操作方法。
【請求項92】
前記デバイスは縫合部材を含み、
前記フラップを固定するためにデバイスを使用する工程は、前記血管の前記内表面に対して前記フラップを固定するために前記縫合部材を使用する工程を含む、
請求項91に記載の操作方法。
【請求項93】
前記デバイスはピンを含み、
前記フラップを固定するためにデバイスを使用する工程は、前記血管の前記内表面に対して前記フラップを固定するために前記ピンを使用する工程を含む、
請求項91に記載の操作方法。
【請求項94】
前記デバイスは組織接着剤を含む、請求項91に記載の操作方法。
【請求項95】
前記フラップは前記血管の第一の側面に位置し、
前記内表面は、前記第一の側面と反対側にある前記血管の第二の側面に位置する、請求項91に記載の操作方法。
【請求項96】
さらに、前記血管の前記第一の側面から前記血管の前記第二の側面に前記フラップを移動させる工程を含む、請求項95に記載の操作方法。
【請求項97】
前記フラップは前記血管から分離された端部を有し、前記フラップの前記端部は前記血管にそって第一の位置に位置し、
前記フラップは、前記血管の前記第二の側面に着くまで移動し、前記フラップの前記端部は、前記第一の位置からずれた、前記血管にそった第二の位置に位置する、請求項96に記載の操作方法。
【請求項98】
前記フラップは前記血管の一部分から生成され、前記血管から分離された第一の端部、および前記血管から伸長した第二の端部を有する、請求項91に記載の操作方法。
【請求項99】
さらに、切断デバイスを前記血管の前記内腔に経皮的に挿入する工程と、
前記血管の一部分から前記フラップを生成するプロセスで、前記切断デバイスを使用する工程と、
を含む請求項91に記載の操作方法。
【請求項100】
前記切断デバイスを使用する工程は、前記血管の壁内に前記切断デバイスを配置する工程を含む、請求項99に記載の操作方法。
【請求項101】
前記切断デバイスはブレードを含む、請求項100に記載の操作方法。
【請求項102】
前記切断デバイスは流体を送出する管体を含む、請求項100に記載の操作方法。
【請求項103】
前記内側表面は他のフラップを含む、請求項91に記載の操作方法。
【請求項104】
血管の組織を操作するシステムであって、
伸長した形状を有し、固定機構を支持する第一のデバイスを含み、
前記第一のデバイスは血管の内腔に挿入できる大きさをもち、
前記固定機構は,前記血管の内表面に対して前記血管にあるフラップを固定する、ことを特徴とするシステム。
【請求項105】
前記固定機構は縫合材料を含む、請求項104に記載のシステム。
【請求項106】
前記固定機構はピンを含む、請求項104に記載のシステム。
【請求項107】
前記固定機構は組織接着剤を含む、請求項104に記載のシステム。
【請求項108】
前記フラップは前記血管の第一の側面に位置し、
前記内表面は前記第一の側面と反対側にある前記血管の第二の側面に位置し、
当該システムは、さらに
前記血管の前記第一の側面から前記血管の第二の側面に前記フラップを移動させるための配置機構を含む、請求項104に記載のシステム。
【請求項109】
前記フラップは前記血管から分離された端部を有し、
前記フラップの前記端部は前記血管の第一の位置に位置し、
前記フラップが前記血管の前記第二の側面に着いたときに、前記フラップの前記端部が、前記第一の位置からずれた、前記血管に沿った第二の位置に位置するように、前記配置機構は前記フラップを移動させる、
請求項109に記載のシステム。
【請求項110】
さらに、前記血管の前記内腔へと挿入できる大きさの切断デバイスを含み、
前記切断デバイスは前記血管の壁内に浸入する、請求項104に記載のシステム。
【請求項111】
前記切断デバイスはブレードを含む、請求項110に記載のシステム。
【請求項112】
前記切断デバイスは液体を送出する管体を含む、請求項110に記載のシステム。
【請求項113】
前記切断デバイスは前記血管の一部分からフラップを生成する、請求項110に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図6e】
【図6f】
【図6g】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図11d】
【図11e】
【図11f】
【図11g】
【図11h】
【図11i】
【図11j】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図13d】
【図13e】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25a】
【図25b】
【図25c】
【図26a】
【図26b】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33a】
【図33b】
【図33c】
【図34】
【図35】
【図36a】
【図36b】
【図36c】
【図36d】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49a】
【図49b】
【図49c】
【図49d】
【図49e】
【図49f】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54a】
【図54b】
【図54c】
【図55a】
【図55b】
【図55c】
【図56a】
【図56b】
【図56c】
【図56d】
【図56e】
【図56f】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図6e】
【図6f】
【図6g】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図11d】
【図11e】
【図11f】
【図11g】
【図11h】
【図11i】
【図11j】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図13d】
【図13e】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25a】
【図25b】
【図25c】
【図26a】
【図26b】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33a】
【図33b】
【図33c】
【図34】
【図35】
【図36a】
【図36b】
【図36c】
【図36d】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49a】
【図49b】
【図49c】
【図49d】
【図49e】
【図49f】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54a】
【図54b】
【図54c】
【図55a】
【図55b】
【図55c】
【図56a】
【図56b】
【図56c】
【図56d】
【図56e】
【図56f】
【公表番号】特表2013−521016(P2013−521016A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555202(P2012−555202)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2011/026370
【国際公開番号】WO2011/106735
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(503115205)ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティ (69)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2011/026370
【国際公開番号】WO2011/106735
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(503115205)ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティ (69)
【Fターム(参考)】
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