説明

腕時計

【課題】イオンの発生および停止を制御できる、腕時計を提供する。
【解決手段】腕時計は、時計本体1と、時計を腕に装着するためのバンド部と、バンド部を固定するバックル6とを備える。イオンが放出されるイオン発生部10は、文字盤表面2、文字盤裏面5およびバックル6に取り付けられている。イオン発生ボタン11は、文字盤の側部に取り付けられており、イオン発生ボタン11の操作によって、イオンの発生および停止を制御することができる。発生したイオンは、イオン発生部10より放出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕時計に関する。
【背景技術】
【0002】
図25および図26は、従来の腕時計の例を示す模式図である。図25および図26に示すように、従来の腕時計は、時計本体1と、時計を腕に装着するためのバンド部と、バンド部を固定するバックル6とを備える。時計本体1は文字盤を含み、文字盤表面2に時刻が示される。また腕時計を腕に装着するとき、バンド部表面3が外向きとなり、バンド部裏面4および文字盤裏面5は内向きとなり腕に接触する。
【0003】
従来の腕時計の機能としては、本来の機能である時刻を視認できる機能以外に、温度湿度感知機能、カレンダー機能、ゲーム機能、計算機機能、タイマーアラーム機能など、さまざまな機能が備わった付加価値の高い腕時計が存在している。また、バンド部にマイナスイオン発生チップを取り付けた腕時計が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】登録実用新案第3028738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で提案されている腕時計では、マイナスイオン発生チップとして薬石とハーブエキスとを合成して形成したものが使用されており、マイナスイオンの発生量は常時一定であると考えられる。つまり、腕時計の各機能を使用するときにイオンの発生および停止を制御できる腕時計は開示されていない。
【0005】
それゆえに、本発明の主たる目的は、イオンの発生および停止を制御可能である、腕時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る腕時計は、イオンの発生および停止を制御可能であるイオン発生装置を備える。
【0007】
また、イオン発生装置は、イオンが放出されるイオン発生部を含み、イオン発生部は、腕時計の表面側に配置されてもよい。
【0008】
また、イオン発生部は、文字盤表面に取り付けられていてもよい。
また、腕時計は、バンド部をさらに備え、イオン発生部は、バンド部の表面側にさらに取り付けられていてもよい。
【0009】
また、イオン発生装置は、イオンが放出されるイオン発生部を含み、イオン発生部は、腕時計の裏面側に配置されてもよい。
【0010】
また、イオン発生部は、文字盤裏面に取り付けられていてもよい。
また、腕時計は、バンド部をさらに備え、イオン発生部は、バンド部の裏面側にさらに取り付けられていてもよい。
【0011】
また、腕時計は、腕時計周辺の温度を検知する温度検知部をさらに備え、温度検知部が腕の温度を感知したとき、イオンを発生させてもよい。
【0012】
また、腕時計は、腕時計周辺の湿度を検知する湿度検知部をさらに備え、湿度検知部により検知された湿度に対応して、イオンを発生させてもよい。
【0013】
また、腕時計は、カレンダー機能をさらに備え、カレンダー機能により指定された時期に対応して、イオンを発生させてもよい。
【0014】
また、腕時計は、ゲーム機能をさらに備え、ゲーム機能の使用中にイオンを発生させてもよい。
【0015】
また、腕時計は、計算機機能をさらに備え、計算機機能の使用中にイオンを発生させてもよい。
【0016】
また、腕時計は、タイマーアラーム機能をさらに備え、タイマーアラーム機能により指定された時刻に対応して、イオンの発生および停止を制御してもよい。
【0017】
また、腕時計は、ファンをさらに備え、イオンの発生中にファンを運転してもよい。
【発明の効果】
【0018】
この発明によると、時計としての本来の機能である時刻を視認できる機能に加えて、イオンの発生および停止を制御可能であるイオン発生装置を備えることによって、使用者に快適感を与えるような機能、および、腕時計自身が自動で除菌する機能を付加された、高機能な腕時計を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の腕時計を示す斜視図である。図1に示すように、本発明の腕時計は、時計本体1と、時計を腕に装着するためのバンド部と、バンド部を固定するバックル6とを備える。時計本体1は文字盤を含み、文字盤表面2に時刻が示される。また腕時計を腕に装着するとき、バンド部表面3が外向きとなり、バンド部裏面4および文字盤裏面5は内向きとなり腕に接触する。
【0021】
また、イオンが放出されるイオン発生部10は、文字盤表面2、文字盤裏面5およびバックル6に取り付けられている。イオン発生ボタン11は、文字盤の側部に取り付けられており、イオン発生ボタン11の操作によって、イオンの発生および停止を制御することができる。たとえば、文字盤表面2に表示されている時刻を表す数字の位置にイオン発生部10を設けることで、文字盤を視認でき時刻を確認できる状態を保ちつつ、文字盤表面2にイオン発生部10を取り付けることが可能となる。たとえば、腕時計を液晶表示の時計にし、液晶表示部分以外の表面の全部または一部をイオン発生部10とし、イオン発生部10の表面を透明アルミナ焼結体で封止して、封止面が文字盤表面2に露出している構成とすることができる。
【0022】
図2は、イオン発生装置の回路構成を示す接続図である。図2に示すように、イオン発生装置の回路構成としては、一対以上の電極を有し、その電極間に放電発生電圧を印加し、その放電によりイオンを発生するイオン発生素子である電極パネル113と、上記電極パネル113によるイオン発生に必要な電圧を上記電極間に印加する電圧印加手段とを備えたものである。
【0023】
図2に基づき、イオン発生装置の回路構成およびイオン発生原理について説明する。B入力電圧端子+Vと接地端子GNDとの間にたとえば12Vの直流電圧を印加すると、電流は電流制限抵抗101を流れ、コンデンサ102に充電される。ここで、コンデンサ102の充電電圧は、抵抗105と抵抗106とによって分圧され、シャントレギュレータ103の基準電圧に達したとき、このシャントレギュレータ103はON状態となり、トランジスタ104がONとなり、抵抗108を通して、サイリスタ111のゲートに電圧が印加され、サイリスタ111がONとなる。
【0024】
このとき、コンデンサ102と昇圧トランス112の1次巻線112aとサイリスタ111とのループによって、サイリスタ111の短絡により、コンデンサ102に充電された電荷を放電させる。これにより、1次巻線112aにインパルス電圧を発生させ、昇圧トランス112の2次巻線112b、112c間に発生する高圧を高圧リード線116および高圧リード線117を用いてイオン発生素子の電極パネル113に印加する。その印加電圧による電極パネル113の放電により、イオンを放出する。
【0025】
一方リレー端子RYONにリレー114の動作電圧を印加するとリレー114が動作し、昇圧トランス112の2次巻線112cが、ダイオード115を通じて接地端子GNDに接続され、マイナスイオンを放出する。さらにリレー114がオープンの時は、プラスイオンとマイナスイオンとを放出する。なお、電極パネル113の構成については、特開2004−6296号公報に開示されている。
【0026】
図2に示す高圧トランスの2次側(2次巻線112b、112c間)には高電圧のインパルス電圧が発生する。この高電圧を発生させる高圧トランス全体を、難燃性94V−0のウレタン樹脂やエポキシ樹脂材料によってモールドすることで、イオン発生装置の安全性、信頼性が確保される。また、図2に示すように、イオン発生装置を内蔵する腕時計については、DC入力でありGNDが存在するので、このGNDを接地することにより、イオン発生装置の安全性が確立される。このように、安全性の確保されたイオン発生装置を用いるので、イオン発生装置を備える腕時計を人体の腕に取り付けて使用することが可能となっている。
【0027】
図3は、イオン発生ボタンによるイオンの発生および停止に係る制御を示すフローチャートである。図3に示すように、まず工程(S1)において、腕時計の文字盤側面に取り付けられたイオン発生ボタン11が、ONされているかを判断する。イオン発生ボタン11がONされていると判断された場合には、次に工程(S2)においてON/OFF制御回路がONされる。続いて工程(S3)において、イオン発生部10よりイオンが放出される。また、イオン発生ボタン11がONされていないと判断された場合には、工程(S4)においてON/OFF制御回路がOFF状態とされ、その結果、工程(S5)の通りイオン発生部10よりイオンは放出されない。
【0028】
以下、実施の形態1の腕時計の変形例について説明する。図4は、実施の形態1の腕時計の変形例1を示す斜視図である。図4に示す腕時計では、イオン発生部10を、腕時計装着時に外向きとなる腕時計の表面側、すなわち文字盤表面2、バンド部表面3およびバックル6の表面側に配置する。そのため、外出先で腕時計使用者が時刻を視認する際にイオンによる快適感を感じることができ、また、時刻を視認するとき以外のさまざまな場面においてもイオンによる快適感を感じることができる、腕時計となっている。
【0029】
図5は、実施の形態1の腕時計の変形例2を示す斜視図である。図5に示す腕時計では、イオン発生部10を、時刻が示される文字盤表面2の全面に配置する。そのため、外出先で腕時計使用者が時刻を視認する動作によってイオンによる快適感を感じることができる。また、狭い空間の個室においても文字盤表面2の全面に設けられたイオン発生部10からイオンが放出されるため、腕時計周辺の空間が除菌されるとともに、イオンによる快適感を感じることができる、腕時計となっている。
【0030】
図6は、実施の形態1の腕時計の変形例3を示す斜視図である。図6に示す腕時計では、イオン発生部10を、時刻が示される文字盤表面2の全面に加え、バンド部表面3に配置する。イオン発生部10が増えることでイオン発生量が多くなるため、外出先で腕時計使用者が時刻を視認する動作によってイオンによる快適感を感じることができる。また、狭い空間の個室においても文字盤表面2およびバンド部表面3に設けられたイオン発生部10からイオンが放出されるため、イオンによる快適感をさらに向上させた、腕時計となっている。
【0031】
図7は、実施の形態1の腕時計の変形例4を示す斜視図である。図7に示す腕時計では、イオン発生部10を、腕時計を腕に装着するとき内向きとなり腕に接触する腕時計の裏面側、すなわちバンド部裏面4および文字盤裏面5に配置する。これにより、腕時計装着時、直接肌にイオンが放出されるため、イオンによる快適感を感じることができる。また、腕時計を腕から取り外した際も、バンド部裏面4および文字盤裏面5に設けられたイオン発生部10からイオンが放出されているため、腕時計の除菌を自動に行なうことができる、腕時計となっている。
【0032】
図8は、実施の形態1の腕時計の変形例5を示す斜視図である。図8に示す腕時計では、イオン発生部10を、腕時計を腕に装着するとき内向きとなり腕に接触する文字盤裏面5の全面に配置する。これにより、腕時計装着時、文字盤裏面5に接触する肌の部分を特定してイオンが放出されるため、イオンによる快適感を感じることができる。また、腕時計を腕から取り外した際も、文字盤裏面5に設けられたイオン発生部10からイオンが放出されているため、腕時計の除菌を自動に行なうことができる、腕時計となっている。
【0033】
図9は、実施の形態1の腕時計の変形例6を示す斜視図である。図9に示す腕時計では、イオン発生部10を、腕時計を腕に装着するとき内向きとなり腕に接触する文字盤裏面5の全面に加え、バンド部裏面4に配置する。これにより、腕時計装着時、文字盤裏面5およびバンド部裏面4に設けられたイオン発生部10からイオンが放出され、直接肌にイオンが接触する面積が大きくなる。イオン発生量が多くなることで、イオンによる快適感をさらに向上させることができる。また、腕時計を腕から取り外した際も、文字盤裏面5およびバンド部裏面4に設けられたイオン発生部10からイオン量が多く放出されているため、腕時計の除菌効果をさらに高めることができる、腕時計となっている。
【0034】
以上説明したように、この腕時計においては、腕時計の本来の機能である時刻を視認できる機能とともに、イオン発生ボタン11を押すことでイオン発生部10よりイオンを放出するイオン発生装置を備える。イオンの発生および停止の制御を行なう機能を備えることにより、外出先で腕時計使用者が時刻を視認する際にイオンによる快適感を感じることができる。また、時刻を視認するとき以外のさまざまな場面においても、イオンによる快適感を感じることができ、また、腕時計自身が自動で除菌することができる、高機能な腕時計を提供することができる。
【0035】
ここで、イオン発生装置を腕時計に設置するためには、省電力化および小型化が必要不可欠になる。一般的な腕時計の電力源はボタン型電池である。しかし、本発明では腕時計にイオン発生装置を内蔵しており、消費電力は一般的な腕時計よりも増加する。
【0036】
省電力化に対する課題を解決する構成としては、現在一部の腕時計に採用されている、太陽光を電力源とするソーラー電池を採用する構成で、本発明での消費電力増加分を対策対応することができる。また、携帯電話機などで一般的に採用されているバッテリーとなる、リチウム電池での充電方式を採用する構成によって対応することができる。また、小型化に対する構成としては、イオン発生装置を構成する全部品を、1つのパッケージに纏めIC化する事で、小型化対応する構成とすることができる。
【0037】
(実施の形態2)
図10は、実施の形態2の腕時計を示す斜視図である。実施の形態2における腕時計は、実施の形態1と比較して、文字盤裏面5に、腕時計周辺の温度を検知する温度検知部としての温度検知センサー12をさらに備える点で異なる。
【0038】
実施の形態2では、腕時計を腕に取り付ける行為により文字盤裏面5の温度が上昇することから、温度検知センサー12が腕の温度を感知し、イオン発生装置が動作しイオンを発生させる機能を有している。そのため、実施の形態1でイオン発生装置を動作させる際に行なっていたイオン発生ボタン11を押す行為が不要となる、腕時計となっている。
【0039】
図11は、温度検知部によるイオンの発生および停止に係る制御を示すフローチャートである。図11に示すように、まず工程(S11)において、温度検知センサー12の設定温度を、たとえば35℃に設定する。次に工程(S12)において、腕時計の文字盤裏面5に取り付けられた温度検知センサー12が温度を検知し、検知する温度が設定温度である35℃以上であるかを判断する。温度検知センサー12が検知する温度が35℃以上であると判断され、腕時計が腕に装着されていると判断された場合には、次に工程(S13)においてON/OFF制御回路がONされる。続いて工程(S14)において、イオン発生部10よりイオンが放出される。
【0040】
また、温度検知センサー12が検知する温度が35℃を下回ると判断され、腕時計が腕に装着されていないと判断された場合には、工程(S15)においてON/OFF制御回路がOFF状態とされ、その結果、工程(S16)の通りイオン発生部10よりイオンは放出されない。
【0041】
(実施の形態3)
図12は、実施の形態3の腕時計を示す斜視図である。実施の形態3における腕時計は、実施の形態1と比較して、文字盤表面2に、腕時計周辺の湿度を検知する湿度検知部としての湿度検知センサー13をさらに備える点で異なる。
【0042】
実施の形態3では、湿度検知センサー13が腕時計周辺の湿度を感知し、湿度によってイオン発生量を制御する機能を有している。腕時計装着者周辺の湿度が高い場合、大気中に浮遊する菌が増殖するが、湿度検知センサー13が腕時計周辺の湿度が高いことを検知し、イオン発生部10より放出されるイオン発生量を増加させることで、湿度が高い場合でもイオンによる快適感を感じることができ、また腕時計の除菌効果を高めることが自動でできる、腕時計となっている。イオンの発生および停止に係るON/OFF制御回路を用いてイオン発生時間を長くすることにより、イオン発生量を増加させることができる。
【0043】
図13は、湿度検知部によるイオン発生量に係る制御を示すフローチャートである。図13に示すように、まず工程(S21)において、湿度検知センサー13の設定湿度を、たとえば70%に設定する。次に工程(S22)において、腕時計の文字盤表面2の文字盤近辺に取り付けられた湿度検知センサー13が腕時計周辺の湿度を検知し、検知する湿度が設定湿度である70%以上であるかを判断する。湿度検知センサー13が検知する湿度が70%以上であると判断された場合には、次に工程(S23)においてイオン発生量制御回路がONされる。続いて工程(S24)において、イオン発生部10より、通常より増加したイオン発生量が放出される。
【0044】
また、湿度検知センサー13が検知する湿度が70%を下回ると判断された場合には、工程(S25)においてイオン発生量制御回路がOFF状態とされ、その結果、工程(S26)の通りイオン発生部からは通常のイオン発生量が放出される。
【0045】
(実施の形態4)
図14は、実施の形態4の腕時計を示す斜視図である。実施の形態4における腕時計は、実施の形態1と比較して、文字盤表面2に、カレンダー表示部14をさらに備える点で異なる。
【0046】
実施の形態4では、腕時計の一般的機能であるカレンダー機能を利用し、カレンダー機能により指定された時期に対応して、イオン発生量を制御する機能を有している。たとえば、カレンダー機能としてのカレンダー表示部14が梅雨時期である6月、7月を表示した場合、梅雨以外の時期に放出するイオン発生量より多く放出する機能を有している。そのため、湿度が高い場合でもイオンによる快適感を感じることができ、また腕時計の除菌効果を高めることが自動でできる、腕時計となっている。
【0047】
図15は、カレンダー機能によるイオン発生量に係る制御を示すフローチャートである。図15に示すように、まず工程(S31)において、イオン発生量を増加させる時期を、たとえば梅雨時である6月、7月に設定する。次に工程(S32)において、カレンダー表示部14が表示している月が、指定された時期である6月または7月であるかを判断する。カレンダー表示部14が6月または7月を表示していると判断された場合には、次に工程(S33)においてイオン発生量制御回路がONされる。続いて工程(S34)において、イオン発生部10より、通常より増加したイオン発生量が放出される。
【0048】
また、カレンダー表示部14の月表示が6月または7月を表示していないと判断された場合には、工程(S35)においてイオン発生量制御回路がOFF状態とされ、その結果、工程(S36)の通りイオン発生部10からは通常のイオン発生量が放出される。
【0049】
(実施の形態5)
図16は、実施の形態5の腕時計を示す斜視図である。実施の形態5における腕時計は、実施の形態1と比較して、文字盤表面2に、ゲーム表示部15をさらに備える点で異なる。
【0050】
実施の形態5では、ゲーム機能をさらに備える腕時計において、ゲーム機能の使用中、つまりゲーム表示部15を目視しゲームを行なっている間に、イオンを発生させ、イオン発生部10からイオンが放出される。そのため、ゲーム機能の使用中に、意識することなく無意識のうちにイオンを吸収することができる、腕時計となっている。
【0051】
図17は、腕時計の機能の一つである、ゲーム機能によるイオンの発生および停止に係る制御を示すフローチャートである。図17に示すように、まず工程(S41)において、ゲーム機能を使用しているかを判断する。ゲーム機能を使用中と判断された場合には、次に工程(S42)においてON/OFF制御回路がONされる。続いて工程(S43)において、イオン発生部10よりイオンが放出される。また、ゲーム機能を使用していないと判断された場合には、工程(S44)においてON/OFF制御回路がOFF状態とされ、その結果、工程(S45)の通りイオン発生部10よりイオンは放出されない。
【0052】
(実施の形態6)
図18は、実施の形態6の腕時計を示す斜視図である。実施の形態6における腕時計は、実施の形態1と比較して、文字盤表面2が開閉可能に形成されており、文字盤表面2を開状態とすると表示される計算機表示部16をさらに備える点で異なる。
【0053】
実施の形態6では、計算機機能(電卓機能)をさらに備える腕時計において、計算機機能の使用中、つまり計算機表示部16を目視し計算を行なっている間に、イオンを発生させ、イオン発生部10からイオンが放出される。そのため、計算機機能の使用中に、意識することなく無意識のうちにイオンを吸収することができる、腕時計となっている。
【0054】
図19は、腕時計の機能の一つである、計算機機能によるイオンの発生および停止に係る制御を示すフローチャートである。図19に示すように、まず工程(S51)において、計算機機能を使用しているかを判断する。計算機機能を使用中と判断された場合には、次に工程(S52)においてON/OFF制御回路がONされる。続いて工程(S53)において、イオン発生部10よりイオンが放出される。また、計算機機能を使用していないと判断された場合には、工程(S54)においてON/OFF制御回路がOFF状態とされ、その結果、工程(S55)の通りイオン発生部10よりイオンは放出されない。
【0055】
(実施の形態7)
図20は、実施の形態7の腕時計を示す斜視図である。実施の形態7における腕時計は、実施の形態1と比較して、文字盤表面2が開閉可能に形成されており、文字盤表面2を開状態とすると表示されるタイマーアラーム設定部17をさらに備える点で異なる。
【0056】
実施の形態7では、腕時計の一般的機能であるタイマーアラーム機能を利用して、イオンの発生および停止を制御する機能を有している。タイマーアラーム機能により指定された時刻に対応して、イオンの発生および停止を制御する。つまり、タイマーアラームが作動すると同時にイオン発生部10よりイオンが放出されるため、タイマーアラーム開始時刻の設定により、好きなタイミングでイオンを放出できる、腕時計となっている。
【0057】
図21は、腕時計の機能の一つである、タイマーアラーム機能によるイオンの発生および停止に係る制御を示すフローチャートである。図21に示すように、まず工程(S61)において、タイマーアラームの開始および終了時刻を指定する。たとえば、タイマーアラームの開始時刻を7:00、終了時刻を7:30に設定する。次に工程(S62)において、タイマーアラーム機能で指定された時間内であるかを判断する。指定された時間内であると判断された場合には、次に工程(S63)においてON/OFF制御回路がONされる。続いて工程(S64)において、イオン発生部10よりイオンが放出される。
【0058】
また、タイマーアラーム機能で指定された時間内でないと判断された場合には、工程(S65)においてON/OFF制御回路がOFF状態とされ、その結果、工程(S66)の通りイオン発生部10よりイオンは放出されない。
【0059】
(実施の形態8)
図22は、実施の形態8の腕時計を示す斜視図である。実施の形態8における腕時計は、実施の形態1と比較して、文字盤表面2が開閉可能に形成されており、文字盤表面2を開状態とすると表示されるファン18をさらに備える点で異なる。
【0060】
実施の形態8では、イオンの発生中にファン18を運転し送風する。そのため、イオン発生部10から放出されるイオンが送風に乗って人体に効率よく行き届くといった機能を有する、腕時計となっている。
【0061】
図23は、イオンの発生および停止に係るファンの運転制御を示すフローチャートである。図23に示すように、まず工程(S71)において、腕時計の文字盤蓋を開けているかを判断する。文字盤蓋を開けていると判断された場合には、次に工程(S72)においてON/OFF制御回路がONされる。続いて工程(S73)において、文字盤蓋内側に取り付けられたイオン発生部10よりイオンが放出されると同時に、ファン18が動作開始する。そのため、放出されたイオンは、ファン18の送風に乗って人体に効率よく行き届く。また、腕時計の文字盤蓋を開けていないと判断された場合には、工程(S74)においてON/OFF制御回路がOFF状態とされ、その結果、工程(S75)の通りイオン発生部10よりイオンは放出されず、ファン18も動作しない。
【0062】
ここで、実施の形態1〜8で説明した各機能を備える、腕時計の全体構成について説明する。図24は、腕時計の全体構成を示すブロック図である。図24に示すように、電源は、時計およびイオン発生装置を構成する各機能に、直接または他の機能を介在させて接続されており、各機能に必要な電力を供給する。電源には、DC入力仕様のものが用いられる。腕時計は、時計に付随する一般的機能として、計算機機能、タイマーアラーム機能、ゲーム機能およびカレンダー機能を備える。
【0063】
ON/OFF制御回路は、イオン発生部からのイオンの発生(ON)および停止(OFF)を制御しうる機能を表す。イオン量制御回路は、たとえばイオン発生部からのイオンの発生時間を調整することにより、イオン発生部より放出されるイオン発生量を制御しうる機能を表す。イオン発生部は、ON/OFF制御回路およびイオン量制御回路によって制御され、決定された量のイオンを発生し、またはイオンの放出を停止する。
【0064】
イオン発生ボタン、温度検知センサー、計算機機能、タイマー機能およびゲーム機能は、ON/OFF制御回路に制御信号を送信し、イオン発生部からイオンを発生させる。つまり、イオン発生ボタンが押されるとイオンを発生させる。また、温度感知センサーが腕の温度を感知したときイオンを発生させる。また、計算機機能の使用中にイオンを発生させる。また、タイマーアラーム機能により指定された時刻に対応してイオンを発生させる。また、ゲーム機能の使用中にイオンを発生させる。
【0065】
ON/OFF制御回路からファン機能に制御信号が送信される。つまり、ON/OFF制御回路がイオン発生部からイオンを発生させるときには、ファンを運転する。
【0066】
湿度検知センサーおよびカレンダー機能は、イオン量制御回路に制御信号を送信し、イオン発生量を制御する。つまり、湿度検知センサーにより検知された湿度に対応して、イオン発生量を制御する。また、カレンダー機能により指定された時期に対応して、イオン発生量を制御する。
【0067】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、各実施の形態の構成を適宜組合せてもよい。また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施の形態1の腕時計を示す斜視図である。
【図2】イオン発生装置の回路構成を示す接続図である。
【図3】イオン発生ボタンによるイオンの発生および停止に係る制御を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1の腕時計の変形例1を示す斜視図である。
【図5】実施の形態1の腕時計の変形例2を示す斜視図である。
【図6】実施の形態1の腕時計の変形例3を示す斜視図である。
【図7】実施の形態1の腕時計の変形例4を示す斜視図である。
【図8】実施の形態1の腕時計の変形例5を示す斜視図である。
【図9】実施の形態1の腕時計の変形例6を示す斜視図である。
【図10】実施の形態2の腕時計を示す斜視図である。
【図11】温度検知部によるイオンの発生および停止に係る制御を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態3の腕時計を示す斜視図である。
【図13】湿度検知部によるイオン発生量に係る制御を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態4の腕時計を示す斜視図である。
【図15】カレンダー機能によるイオン発生量に係る制御を示すフローチャートである。
【図16】実施の形態5の腕時計を示す斜視図である。
【図17】ゲーム機能によるイオンの発生および停止に係る制御を示すフローチャートである。
【図18】実施の形態6の腕時計を示す斜視図である。
【図19】計算機機能によるイオンの発生および停止に係る制御を示すフローチャートである。
【図20】実施の形態7の腕時計を示す斜視図である。
【図21】タイマーアラーム機能によるイオンの発生および停止に係る制御を示すフローチャートである。
【図22】実施の形態8の腕時計を示す斜視図である。
【図23】イオンの発生および停止に係るファンの運転制御を示すフローチャートである。
【図24】腕時計の全体構成を示すブロック図である。
【図25】従来の腕時計の一例を示す模式図である。
【図26】従来の腕時計の他の例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0069】
1 時計本体、2 文字盤表面、3 バンド部表面、4 バンド部裏面、5 文字盤裏面、6 バックル、10 イオン発生部、11 イオン発生ボタン、12 温度検知部、13 湿度検知部、14 カレンダー表示部、15 ゲーム表示部、16 計算機表示部、17 タイマーアラーム設定部、18 ファン、101 電流制限抵抗、102 コンデンサ、103 シャントレギュレータ、104 トランジスタ、105,106,108 抵抗、111 サイリスタ、112 昇圧トランス、112a 1次巻線、112b,112c 2次巻線、113 電極パネル、114 リレー、115 ダイオード、116,117 高圧リード線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオンの発生および停止を制御可能であるイオン発生装置を備える、腕時計。
【請求項2】
前記イオン発生装置は、イオンが放出されるイオン発生部を含み、
前記イオン発生部は、前記腕時計の表面側に配置される、請求項1に記載の腕時計。
【請求項3】
前記イオン発生部は、文字盤表面に取り付けられている、請求項2に記載の腕時計。
【請求項4】
バンド部をさらに備え、
前記イオン発生部は、前記バンド部の表面側にさらに取り付けられている、請求項3に記載の腕時計。
【請求項5】
前記イオン発生装置は、イオンが放出されるイオン発生部を含み、
前記イオン発生部は、前記腕時計の裏面側に配置される、請求項1に記載の腕時計。
【請求項6】
前記イオン発生部は、文字盤裏面に取り付けられている、請求項5に記載の腕時計。
【請求項7】
バンド部をさらに備え、
前記イオン発生部は、前記バンド部の裏面側にさらに取り付けられている、請求項5に記載の腕時計。
【請求項8】
腕時計周辺の温度を検知する温度検知部をさらに備え、
前記温度検知部が腕の温度を感知したとき、前記イオンを発生させる、請求項1から請求項7のいずれかに記載の腕時計。
【請求項9】
腕時計周辺の湿度を検知する湿度検知部をさらに備え、
前記湿度検知部により検知された前記湿度に対応して、前記イオンを発生させる、請求項1から請求項8のいずれかに記載の腕時計。
【請求項10】
カレンダー機能をさらに備え、
前記カレンダー機能により指定された時期に対応して、前記イオンを発生させる、請求項1から請求項8のいずれかに記載の腕時計。
【請求項11】
ゲーム機能をさらに備え、
前記ゲーム機能の使用中に前記イオンを発生させる、請求項1から請求項8のいずれかに記載の腕時計。
【請求項12】
計算機機能をさらに備え、
前記計算機機能の使用中に前記イオンを発生させる、請求項1から請求項8のいずれかに記載の腕時計。
【請求項13】
タイマーアラーム機能をさらに備え、
前記タイマーアラーム機能により指定された時刻に対応して、前記イオンの発生および停止を制御する、請求項1から請求項8のいずれかに記載の腕時計。
【請求項14】
ファンをさらに備え、
前記イオンの発生中に前記ファンを運転する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の腕時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−204504(P2009−204504A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−48021(P2008−48021)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】