説明

腫瘍の画像化および/または処置のための微生物

トランスポータータンパク質をコードする修飾化ウイルスおよび修飾化ウイルスの製造法を提供する。該ウイルスを含むワクチンを提供する。該ウイルスはまた、診断法、例えば、腫瘍の検出および画像化において使用され得る。ウイルスはまた、疾患、例えば、増殖性および炎症性疾患の処置法(抗癌剤を含む)において使用され得る。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナトリウム依存性トランスポータータンパク質をコードする、組み換えワクシニアウイルス。
【請求項2】
トランスポータータンパク質が、溶質輸送体5ファミリーまたは溶質輸送体6トランスポータータンパク質から選択される、請求項1に記載の組み換えワクシニアウイルス。
【請求項3】
トランスポータータンパク質が、ノルエピネフリントランスポーター(NET)またはナトリウム-ヨウ素共輸送体(NIS)である、請求項1または2に記載の組み換えワクシニアウイルス。
【請求項4】
トランスポータータンパク質が、ヒトノルエピネフリントランスポーター(hNET)であるノルエピネフリントランスポーターである、請求項3に記載の組み換えワクシニアウイルス。
【請求項5】
トランスポータータンパク質が、ヒトナトリウム-ヨウ素共輸送体(hNIS)であるナトリウム-ヨウ素共輸送体である、請求項3に記載の組み換えワクシニアウイルス。
【請求項6】
Lister株ウイルスである、請求項1から5のいずれか1項に記載の組み換えワクシニアウイルス。
【請求項7】
LIVP株ウイルスである、請求項6に記載の組み換えワクシニアウイルス。
【請求項8】
トランスポータータンパク質をコードする核酸が、ヘマグルチニン(HA)、チミジンキナーゼ(TK)またはF14.5遺伝子もしくは遺伝座に挿入される、請求項1から7のいずれか1項に記載の組み換えワクシニアウイルス。
【請求項9】
GLV-1h99、GLV-1h100、GLV-1h101、GLV-1h139、GLV-1h146、GLV-1h150、GLV-1h151、GLV-1h152およびGLV-1h153から選択される、請求項7に記載の組み換えワクシニアウイルス。
【請求項10】
ウイルスが治療剤をコードする、請求項1から9のいずれか1項に記載の組み換えワクシニアウイルス。
【請求項11】
治療剤が、抗癌剤または抗血管新生剤である、請求項10に記載の組み換えワクシニアウイルス。
【請求項12】
治療タンパク質が、トランスポーター遺伝子とは異なる遺伝子もしくは遺伝子座に挿入されており、ヘマグルチニン(HA)、チミジンキナーゼ(TK)またはF14.5遺伝子もしくは遺伝座に挿入されている、請求項10または11に記載の組み換えワクシニアウイルス。
【請求項13】
治療剤が、サイトカイン、ケモカイン、免疫調節分子、抗原、抗体もしくはその断片、アンチセンスRNA、プロドラッグ変換酵素、siRNA、血管新生阻害剤、毒素、抗腫瘍オリゴペプチド、細胞分裂阻害剤タンパク質、細胞分裂阻害オリゴペプチド、抗腫瘍性ポリペプチド抗生物質および組織因子から選択される、請求項10から12のいずれか1項に記載の組み換えワクシニアウイルス。
【請求項14】
治療剤が、一本鎖抗体(scFv)の抗体もしくはその断片である、請求項13に記載の組み換えウイルス。
【請求項15】
治療剤が、抗VEGF一本鎖抗体、プラスミノーゲンK5ドメイン、ヒト組織因子-αvβ3-インテグリンRGD融合タンパク質、インターロイキン-24またはIL-6-IL-6受容体融合タンパク質である、請求項13に記載の組み換えウイルス。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載の組み換えウイルス; および
トランスポーターを発現する細胞に輸送される基質; および/または
抗腫瘍性化合物
を含む、組み合わせ物。
【請求項17】
基質が検出可能である、請求項16に記載の組み合わせ物。
【請求項18】
基質が、電磁シグナルを発するか、または放射を誘導する、請求項16に記載の組み合わせ物。
【請求項19】
基質が、放射性標識されている、請求項16から18のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項20】
基質が、細胞毒性剤と結合している、請求項16から18のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項21】
結合が、直接もしくはリンカーによるものである、請求項20に記載の組み合わせ物。
【請求項22】
細胞毒性剤が、放射性標識物、細胞毒素または細胞毒性剤である、請求項20または21に記載の組み合わせ物。
【請求項23】
細胞毒性剤が、二本鎖リシン、リシンA鎖、アブリン、アブリンA鎖、サポリン、モデシン、モデシンA鎖、緑濃菌エンドトキシン、コレラ毒素、赤痢菌毒素、大腸菌熱不安定毒素およびジフテリア毒素、ドキソルビシン、ダウノマイシン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、タキソール、リシンA、コルヒチン、サイトカラシン、モネンシン、ウアバイン、ミトキサントロン、ビンデシン、ビンブラスチン、ビンクリスチンまたはエンテロトキシンから選択される、請求項20から22のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項24】
基質が、抗癌剤と結合している、請求項16から23のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項25】
ウイルス、ならびにサイトカイン、ケモカイン、成長因子、光増感剤、毒素、抗腫瘍性抗生物質、化学療法化合物、放射性核種、血管新生阻害剤、シグナル伝達モジュレーター、代謝拮抗剤、抗腫瘍性ワクチン、抗腫瘍性オリゴペプチド、細胞分裂阻害剤タンパク質、細胞分裂阻害オリゴペプチド、抗腫瘍性抗体、抗腫瘍性抗生物質、免疫治療剤、細菌およびそれらの任意の組み合わせから選択される抗腫瘍性化合物を含む、請求項16から24のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項26】
抗腫瘍性化合物が、シスプラチン、カルボプラチン、ゲムシタビン、イリノテカン、抗EGFR抗体および抗VEGF抗体から選択される、請求項25に記載の組み合わせ物。
【請求項27】
基質およびウイルスが、単一組成物として、もしくは2つの組成物中に別々に製剤される、請求項16から24のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項28】
抗腫瘍性化合物およびウイルスが、単一組成物として、もしくは2つの組成物中に別々に製剤される、請求項16から26のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項29】
請求項16から28のいずれか1項に記載の組み合わせ物; および所望により該組成物の投与のための指示書を含む、キット。
【請求項30】
請求項1から15のいずれか1項に記載の組み換えウイルスおよび薬学的に許容される担体中を含む、医薬組成物。
【請求項31】
局所もしくは全身投与のために製剤される、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項32】
請求項1から15のいずれか1項に記載の組み換えウイルスを含む、ワクチン。
【請求項33】
天然痘ワクチンである、請求項32に記載のワクチン。
【請求項34】
対象内の腫瘍、炎症もしくは創傷を画像化もしくは検出する方法であって、
請求項1から15のいずれか1項に記載のワクシニアウイルスを腫瘍を患う対象に投与すること;
ウイルスによりコードされたトランスポーターを発現する細胞に輸送される検出可能基質を投与すること; および
基質の蓄積を検出すること
を含み、それにより、腫瘍、創傷および/または炎症を画像化もしくは検出する、方法。
【請求項35】
基質が、蛍光画像、磁気共鳴画像法(MRI)、単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)、ポジトロン断層法(PET)、シンチグラフィー、γカメラ、β+ 検出器、γ線検出器またはその組み合わせにより検出される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
請求項1から15のいずれか1項に記載のワクシニアウイルスを処置が有効な対象に投与することを含む、処置法。
【請求項37】
対象が、腫瘍、癌または転移部のために処置される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
さらに、ウイルスによりコードされたトランスポーターを発現する細胞に輸送される基質を投与することを含み、
ここで、基質が治療的であるか、または治療剤と結合しており、それにより処置が有効であり、そして基質が、ウイルスの前に、後に、もしくはそれと同時に投与される、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
対象が腫瘍を患い、基質または基質抱合体が腫瘍を処置するのに有効である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
基質が、細胞毒性剤と結合している、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
細胞毒性剤が、放射性標識物、細胞毒素または細胞毒性剤である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
細胞毒性剤が、二本鎖リシン、リシンA鎖、アブリン、アブリンA鎖、サポリン、モデシン、モデシンA鎖、緑濃菌エンドトキシン、コレラ毒素、赤痢菌毒素、大腸菌熱不安定毒素およびジフテリア毒素、ドキソルビシン、ダウノマイシン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、タキソール、リシンA、コルヒチン、サイトカラシン、モネンシン、ウアバイン、ミトキサントロン、ビンデシン、ビンブラスチン、ビンクリスチンまたはエンテロトキシンから選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
基質が、抗癌剤と結合している、請求項38または39に記載の方法。
【請求項44】
ウイルスが、全身的、静脈内、動脈内、腫瘍内、内視鏡的、外傷内、筋肉内、皮内、腹腔内、小胞内、関節内、胸腔内、経皮的に、皮下、経口、非経腸、鼻腔内、気管内、吸入、頭蓋内、前立腺内、硝子体内、局所的、眼内、膣内および直腸内で投与される、請求項36から43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
さらに、抗癌剤もしくは処置剤を投与することを含み、ここで、抗癌剤または処置剤が、ウイルスまたはウイルスおよび基質の前に、後に、もしくはそれと同時に投与される、請求項36から44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
抗癌剤が投与され、抗癌剤が、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、光増感剤、毒素、抗腫瘍性抗生物質、化学療法化合物、放射性核種、血管新生阻害剤、シグナル伝達モジュレーター、代謝拮抗剤、抗腫瘍性ワクチン、抗腫瘍性オリゴペプチド、細胞分裂阻害剤タンパク質、細胞分裂阻害オリゴペプチド、抗腫瘍性抗体、抗腫瘍性抗生物質、免疫治療剤、異常高熱もしくは温熱療法、細菌、放射線療法およびそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
抗癌剤が、シスプラチン、カルボプラチン、ゲムシタビン、イリノテカン、抗EGFR抗体および抗VEGF抗体から選択される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
抗癌剤が、ウイルスまたはウイルスおよび/または基質と共に、同時にもしくは間欠的に投与される、請求項45から47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
ウイルスおよび抗癌剤が、単一組成物として、または2つの組成物として投与されるか、またはウイルス、基質および抗癌剤が、単一組成物で、または基質、ウイルスおよび抗癌剤のうちの2つを含む2つの組成物で、または3つの組成物で投与される、請求項44から48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
対象が、膀胱癌、乳癌、前立腺癌、癌腫、基底細胞癌、胆道癌、膀胱癌、骨肉腫、脳腫瘍、CNS癌、神経膠腫、子宮頸癌、絨毛腫、結腸直腸癌、結合組織癌、消化器系の癌、子宮内膜癌、食道癌、眼癌、頭頸部癌、胃癌、上皮内腫瘍、腎臓癌、咽頭癌、白血病、肝臓癌、肺癌、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、黒色腫、骨髄腫、神経芽細胞腫、口腔癌、卵巣癌、膵臓癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、直腸癌、腎癌、呼吸器系の癌、肉腫、皮膚癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、子宮癌および泌尿器系の癌から選択されるヒト腫瘍のために処置される、請求項37から49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
対象が腫瘍のために処置され、腫瘍が、卵巣癌、乳癌、膵臓癌、大腸癌または肺癌である、請求項37から49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
対象が腫瘍のために処置され、腫瘍が、リンパ肉腫、骨肉腫、乳癌、肥満細胞腫、脳腫瘍、黒色腫、腺扁平上皮癌、カルチノイド肺癌、気管支腺腫瘍、細気管支腺癌 、線維腫、粘液軟骨腫、肺肉腫、神経肉腫、骨腫、乳頭腫、網膜芽細胞腫、ユーイング肉腫、ウィルムス腫瘍、バーキットリンパ腫、小膠細胞腫、神経芽細胞腫、骨巨細胞腫、口腔腫瘍、線維肉腫、骨肉腫および横紋筋肉腫、性器扁平上皮癌、可移植性性器腫瘍、精巣癌、精上皮腫、セルトリ細胞腫、血管周囲細胞腫、組織球腫、緑色腫、顆粒球性肉腫、角膜乳頭腫、角膜扁平上皮癌、血管肉腫、胸膜中皮腫、基底細胞腫、胸腺腫、胃癌、副腎腫瘍、口腔乳頭腫症、血管内皮腫炎、嚢胞腺腫、濾胞性リンパ腫、腸管リンパ肉腫、線維肉腫、および肺扁平上皮癌、白血病、血管周囲細胞腫、眼癌、包皮線維肉腫、潰瘍性扁平上皮癌、包皮癌、結合組織新生物、肥満細胞腫、肝細胞癌、リンパ腫、肺腺腫症、肺肉腫、ラウス肉腫、細網内皮症、線維肉腫、腎芽細胞腫、B細胞リンパ腫、リンパ性白血病、網膜芽細胞腫、肝臓腫瘍、リンパ肉腫、形質細胞性白血病、うきぶくろ肉腫(サカナでの)、乾酪性リンパ節炎、肺癌、インスリノーマ、リンパ腫、肉腫、神経腫、膵島細胞腫瘍、胃MALTリンパ腫ならびに胃腺癌からなる群から選択される、請求項37から49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
さらに、抗ウイルス剤を投与することを含む、請求項36から52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
抗ウイルス剤が、シドフォビル、シドフォビルのアルコキシアルキルエステル、グリベック、ガンシクロビル、アシクロビルおよびST-26からなる群から選択される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
さらに、ウイルスによりコードされたトランスポーターを発現する細胞に輸送される検出可能基質を投与すること; および
基質または基質の蓄積を検出すること
を含み、それにより、腫瘍の治療的処置をモニターする、請求項36または37に記載の方法。
【請求項56】
さらに、基質または基質の蓄積を検出すること
を含み、それにより、腫瘍の治療的処置をモニターする、請求項38から55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
対象内の腫瘍または転移部の検出ならびに腫瘍および/または転移部の処置方法であって、
請求項1から15のいずれか1項に記載のワクシニアウイルスを腫瘍を患う対象に投与すること
(ここで、ウイルスは、所望により、抗腫瘍治療剤をコードする);
所望により、腫瘍の処置のために、対象に治療剤を投与すること;
ウイルスによりコードされたトランスポーターを発現する細胞に輸送される検出可能基質を投与すること; および
基質または基質の蓄積を検出し、腫瘍または転移部およびその処置の有効性を検出すること
を含む、方法。
【請求項58】
検出が時間関数としてモニターされ、それにより処置がモニターされる、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
請求項1から15のいずれか1項に記載の組み換えウイルスを含む、単離細胞。
【請求項60】
対象の癌処置での使用のために請求項1から15のいずれか1項に記載のワクシニアウイルスを含む、医薬組成物。
【請求項61】
対象の癌処置用医薬組成物の製造のための請求項1から15のいずれか1項に記載のワクシニアウイルスの使用。
【請求項62】
医薬組成物が、ウイルスによりコードされたトランスポータータンパク質を発現する細胞に輸送され得る基質を含む、請求項60に記載の組成物または請求項61に記載の使用。
【請求項63】
医薬組成物が抗腫瘍性化合物を含む、請求項61に記載の使用または62に記載の組成物。
【請求項64】
抗腫瘍性化合物が、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、光増感剤、毒素、抗腫瘍性抗生物質、化学療法化合物、放射性核種、血管新生阻害剤、シグナル伝達モジュレーター、代謝拮抗剤、抗腫瘍性ワクチン、抗腫瘍性オリゴペプチド、細胞分裂阻害剤タンパク質、細胞分裂阻害オリゴペプチド、抗腫瘍性抗体、抗腫瘍性抗生物質、免疫治療剤、異常高熱もしくは温熱療法、細菌およびそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項63に記載の使用または組成物。
【請求項65】
抗腫瘍性化合物が、シスプラチン、カルボプラチン、ゲムシタビン、イリノテカン、抗EGFR抗体および抗VEGF抗体から選択される、請求項63に記載の使用または組成物。

【公表番号】特表2010−530745(P2010−530745A)
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512192(P2010−512192)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/007377
【国際公開番号】WO2008/156655
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(504448184)ジェネラックス・コーポレイション (6)
【氏名又は名称原語表記】Genelux Corporation
【出願人】(593079070)スローン−ケッタリング・インスティテュート・フォー・キャンサー・リサーチ (6)
【氏名又は名称原語表記】SLOAN−KETTERING INSTITUTE FOR CANCER RESEARCH
【Fターム(参考)】