腫瘍の診断と軽減のための組成物と方法
本発明は、生物学的試料中におけるある種の腫瘍関連キナーゼポリペプチドの存在を決定する方法と、哺乳動物の腫瘍の診断及び治療に有用な組成物に関する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的試料中のポリペプチドであって、
(a)図2(配列番号2)に示すアミノ酸配列;又は
(b)図1(配列番号1)に示すヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドの有無を決定する方法であって、
上記ポリペプチドに結合する抗体、オリゴペプチド、siRNA、オリゴヌクレオチド又は低分子に上記生物学的試料を暴露し、上記生物学的試料中の前記ポリペプチドに対する該抗体、オリゴペプチド、siRNA、オリゴヌクレオチド又は低分子の結合を決定することを含む方法。
【請求項2】
生物学的試料が、増加したレベルの上記ポリペプチドの発現が疑われる細胞を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
細胞が癌細胞である請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上記抗体、siRNA、オリゴペプチド又は低分子が検出可能に標識されている請求項2に記載の方法。
【請求項5】
哺乳動物における腫瘍の存在を診断する方法において、上記哺乳動物から得られた組織細胞の試験生物学的試料中と同一組織由来の既知の正常細胞のコントロール生物学的試料中において、
(a)図2(配列番号2)に示すアミノ酸配列;又は
(b)図1(配列番号1)に示すヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルを検出することを含み、コントロール生物学的試料と比較したときの試験生物学的試料中における上記ポリペプチドのより高い発現レベルが、試験生物学的試料が得られた哺乳動物における腫瘍の存在を示している方法。
【請求項6】
腫瘍がメラノーマである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
癌がTASK121(配列番号3)変異を含む請求項5に記載の方法。
【請求項8】
変異がTASK121V600E(配列番号5)である請求項7に記載の方法。
【請求項9】
上記ポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルを検出する工程が、免疫組織化学解析で抗体を用いることを含む請求項5に記載の方法。
【請求項10】
上記ポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルを検出する工程が、インサイツハイブリダイゼーション又はRT-PCR解析でオリゴヌクレオチドを用いることを含む請求項5に記載の方法。
【請求項11】
哺乳動物における腫瘍の存在を診断する方法において、上記哺乳動物から得られた組織細胞の試験生物学的試料を、
(a)図2(配列番号2)に示すアミノ酸配列;又は
(b)図1(配列番号1)に示すヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドに結合する抗体、オリゴペプチド又は低分子に接触させ、抗体、オリゴペプチド、siRNA、オリゴヌクレオチド又は低分子と試験生物学的試料中のポリペプチドの間の複合体の形成を検出し、該複合体の形成が哺乳動物における腫瘍の存在を示している方法。
【請求項12】
抗体、オリゴペプチド、siRNA、オリゴヌクレオチド又は低分子が検出可能に標識されている請求項11に記載の方法。
【請求項13】
組織細胞の試験生物学的試料が、メラノーマに罹っていることが疑われる個体から得られたものである請求項11に記載の方法。
【請求項14】
メラノーマがTASK121V600E(配列番号5)変異を含む請求項11に記載の方法。
【請求項15】
(a)図2(配列番号2)に示すアミノ酸配列;又は
(b)図1(配列番号1)に示すヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドの、該ポリペプチドを含むことが疑われる生物学的試料中における有無を決定する方法であって、
核酸に結合するRNAiに上記生物学的試料を暴露し、上記生物学的試料中の前記ポリペプチドの有無を決定することを含む方法。
【請求項16】
前記生物学的試料が前記ポリペプチドを過剰発現することが疑われる細胞を含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
細胞が癌細胞である請求項16に記載の方法。
【請求項18】
抗TASK抗体(Ab)と薬剤部分(D)を含み、抗TASK抗体がリンカー部分(L)によってDに結合する抗体薬剤コンジュゲート化合物であって、式I
Ab−(L−D)p I
(ここで、pは1から8である)を有し、抗TASK抗体が、
(a)図2(配列番号2)に示すアミノ酸配列;又は
(b)図1(配列番号1)に示すヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する抗体薬剤コンジュゲート化合物。
【請求項19】
薬剤部分Dが、メイタンシノイド、オーリスタチン、ドラスタチン、及びカリケアマイシンから選択される請求項18に記載の抗体薬剤コンジュゲート化合物。
【請求項20】
請求項18に記載の抗体薬剤コンジュゲート化合物又はその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な希釈剤、担体又は賦形剤を含有する薬学的組成物。
【請求項21】
腫瘍細胞又は癌細胞を死滅させ又はその増殖を阻害する方法において、腫瘍細胞又は癌細胞を死滅させ又はその増殖を阻害するのに有効な量の、請求項18に記載の抗体薬剤コンジュゲート化合物又はその薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物で腫瘍細胞又は癌細胞を治療することを含む方法。
【請求項22】
請求項18に記載の抗体薬剤コンジュゲート化合物と、薬学的に許容可能な希釈剤、担体又は賦形剤の製剤を患者に投与することを含む癌の治療方法。
【請求項1】
生物学的試料中のポリペプチドであって、
(a)図2(配列番号2)に示すアミノ酸配列;又は
(b)図1(配列番号1)に示すヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドの有無を決定する方法であって、
上記ポリペプチドに結合する抗体、オリゴペプチド、siRNA、オリゴヌクレオチド又は低分子に上記生物学的試料を暴露し、上記生物学的試料中の前記ポリペプチドに対する該抗体、オリゴペプチド、siRNA、オリゴヌクレオチド又は低分子の結合を決定することを含む方法。
【請求項2】
生物学的試料が、増加したレベルの上記ポリペプチドの発現が疑われる細胞を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
細胞が癌細胞である請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上記抗体、siRNA、オリゴペプチド又は低分子が検出可能に標識されている請求項2に記載の方法。
【請求項5】
哺乳動物における腫瘍の存在を診断する方法において、上記哺乳動物から得られた組織細胞の試験生物学的試料中と同一組織由来の既知の正常細胞のコントロール生物学的試料中において、
(a)図2(配列番号2)に示すアミノ酸配列;又は
(b)図1(配列番号1)に示すヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルを検出することを含み、コントロール生物学的試料と比較したときの試験生物学的試料中における上記ポリペプチドのより高い発現レベルが、試験生物学的試料が得られた哺乳動物における腫瘍の存在を示している方法。
【請求項6】
腫瘍がメラノーマである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
癌がTASK121(配列番号3)変異を含む請求項5に記載の方法。
【請求項8】
変異がTASK121V600E(配列番号5)である請求項7に記載の方法。
【請求項9】
上記ポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルを検出する工程が、免疫組織化学解析で抗体を用いることを含む請求項5に記載の方法。
【請求項10】
上記ポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルを検出する工程が、インサイツハイブリダイゼーション又はRT-PCR解析でオリゴヌクレオチドを用いることを含む請求項5に記載の方法。
【請求項11】
哺乳動物における腫瘍の存在を診断する方法において、上記哺乳動物から得られた組織細胞の試験生物学的試料を、
(a)図2(配列番号2)に示すアミノ酸配列;又は
(b)図1(配列番号1)に示すヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドに結合する抗体、オリゴペプチド又は低分子に接触させ、抗体、オリゴペプチド、siRNA、オリゴヌクレオチド又は低分子と試験生物学的試料中のポリペプチドの間の複合体の形成を検出し、該複合体の形成が哺乳動物における腫瘍の存在を示している方法。
【請求項12】
抗体、オリゴペプチド、siRNA、オリゴヌクレオチド又は低分子が検出可能に標識されている請求項11に記載の方法。
【請求項13】
組織細胞の試験生物学的試料が、メラノーマに罹っていることが疑われる個体から得られたものである請求項11に記載の方法。
【請求項14】
メラノーマがTASK121V600E(配列番号5)変異を含む請求項11に記載の方法。
【請求項15】
(a)図2(配列番号2)に示すアミノ酸配列;又は
(b)図1(配列番号1)に示すヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドの、該ポリペプチドを含むことが疑われる生物学的試料中における有無を決定する方法であって、
核酸に結合するRNAiに上記生物学的試料を暴露し、上記生物学的試料中の前記ポリペプチドの有無を決定することを含む方法。
【請求項16】
前記生物学的試料が前記ポリペプチドを過剰発現することが疑われる細胞を含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
細胞が癌細胞である請求項16に記載の方法。
【請求項18】
抗TASK抗体(Ab)と薬剤部分(D)を含み、抗TASK抗体がリンカー部分(L)によってDに結合する抗体薬剤コンジュゲート化合物であって、式I
Ab−(L−D)p I
(ここで、pは1から8である)を有し、抗TASK抗体が、
(a)図2(配列番号2)に示すアミノ酸配列;又は
(b)図1(配列番号1)に示すヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する抗体薬剤コンジュゲート化合物。
【請求項19】
薬剤部分Dが、メイタンシノイド、オーリスタチン、ドラスタチン、及びカリケアマイシンから選択される請求項18に記載の抗体薬剤コンジュゲート化合物。
【請求項20】
請求項18に記載の抗体薬剤コンジュゲート化合物又はその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な希釈剤、担体又は賦形剤を含有する薬学的組成物。
【請求項21】
腫瘍細胞又は癌細胞を死滅させ又はその増殖を阻害する方法において、腫瘍細胞又は癌細胞を死滅させ又はその増殖を阻害するのに有効な量の、請求項18に記載の抗体薬剤コンジュゲート化合物又はその薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物で腫瘍細胞又は癌細胞を治療することを含む方法。
【請求項22】
請求項18に記載の抗体薬剤コンジュゲート化合物と、薬学的に許容可能な希釈剤、担体又は賦形剤の製剤を患者に投与することを含む癌の治療方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【公表番号】特表2009−518048(P2009−518048A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544629(P2008−544629)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/061629
【国際公開番号】WO2007/120315
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(596168317)ジェネンテック・インコーポレーテッド (372)
【氏名又は名称原語表記】GENENTECH,INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/061629
【国際公開番号】WO2007/120315
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(596168317)ジェネンテック・インコーポレーテッド (372)
【氏名又は名称原語表記】GENENTECH,INC.
【Fターム(参考)】
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