説明

腫瘍スクリーニングシステム、液状細胞診(LBC)用コレクションバイアル、頸癌液状細胞診(LBC)用ブラシ及び細胞診用支持溶液

ここに開示したのは、自動装置を用いて細胞と混ぜられた溶液を含むバイアルからの細胞の分離及びスライド上細胞回収と操作する腫瘍スクリーニングシステムと、細胞を含む溶液の保管及び前記溶液の腫瘍スクリーニングシステムからの注出を同時に行う働きをする液状細胞診(LBC)用コレクションバイアルと、女性の子宮から細胞を回収する頸癌液状細胞診(LBC)用ブラシと、回収した細胞を保存する細胞診用支持溶液と、である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腫瘍スクリーニングシステム、液状細胞診(LBC)用コレクションバイアル、頸癌液状細胞診(LBC)用ブラシ、及び細胞診用支持溶液に関するものである。前記腫瘍スクリーニングシステムは、自動装置を用いて細胞と混ぜられた溶液を含有するバイアルからの細胞の分離と、スライド上細胞回収とを操作し、前記液状細胞診(LBC)用コレクションバイアルは、細胞を含む溶液の保管と、前記腫瘍スクリーニングシステムからの前記溶液の注出とを同時に行う働きをする。頸癌液状細胞診(LBC)用ブラシは、女性の子宮からの細胞回収を容易にするものである。前記細胞診用支持溶液は、回収した細胞が指定pH領域に保たれるという条件下で、回収した細胞を保管するための緩衝剤と、細胞のタンパク質変性を抑制して、細胞の病理学的構造を維持するためのアルコールと、その後の細胞病理学的検査中に、保存細胞の乾燥を防止するための抗乾燥剤(保湿剤)と、保存細胞の腐敗を防止するための防腐剤と、を含有する。
【背景技術】
【0002】
本発明の腫瘍スクリーニングシステムは、自動装置を用いて細胞と混ぜられた溶液を含むバイアルからの細胞の分離と、スライド上細胞回収とを操作し、本発明の液状細胞診(LBC)用コレクションバイアルは、細胞を含む溶液の保管と、前記溶液の前記腫瘍スクリーニングシステムからの注出とを同時に行う働きをする。具体的には、前記液状細胞診(LBC)用コレクションバイアルを用いて、子宮頸部細胞を回収し、その回収した細胞を細胞検査溶液と混合する。以下、溶液中の細胞を保存し、その細胞を検査するためのコレクションバイアルを「溶液バイアル」と呼ぶ。
【0003】
図17は、従来の溶液バイアル70及び従来の腫瘍スクリーニングシステムを部分的に説明する概略図である。図17に示すように、従来の溶液バイアル70は、回収した細胞を含み、蓋で閉じられている。従来の溶液バイアル70は、ユーザーの手または他の装置を用いて振盪され、前記溶液バイアル70中で細胞が溶液と混合できるようになっている。前記溶液バイアル70は前記溶液を保管する働きのみをする。よって、従来の腫瘍スクリーニングシステムは、前記溶液を受け入れるための別個の容器80を含む。つまり、従来の腫瘍スクリーニングシステムは、前記溶液バイアル70に加えて前記容器80を必要とする。従来の腫瘍スクリーニングシステムの容器80は開放された上端面を有するので、前記容器80内溶液が空気に触れるようになっている。円筒状本体83は、その上に装着されたコレクションフィルム87が設けられているフィルター86を支持し、前記溶液は、前記本体83に対して往復運動するピストン90によって前記容器80から従来の腫瘍スクリーニングシステムに吸入される。前記本体83及び前記容器80は、ねじによって連結されている。ブラシに固着されて溶液中に入れられる細胞を分散させるための前記溶液バイアルは、従来の腫瘍スクリーニングシステムとは別に設置されている。
【0004】
前記溶液バイアルを振盪することによって細胞が前記溶液中に十分に分散されているという条件下で、前記溶液バイアル内溶液は前記容器に注入され、前記フィルターの下面に接触する吸入装置は前記溶液を吸入し、次いで前記フィルターでろ過された細胞はスライドに固着される。前記容器が前記本体から分離され、前記コレクションフィルムを前記スライドに近接して移動するようになっている場合、前記容器内に残存する混合溶液は重力のために注出されてしまうので、再利用されない。さらに、前記溶液バイアルから前記スライドへの細胞の移動は、ユーザーの手によって行われるので、細胞の移動に長い時間がかかる。また、汚染物質や不純物がユーザーの手から前記スライドに移ってしまう可能性もあるため、細胞学的検査の精度が低下する。前記溶液が前記容器に注入され、前記容器内の所望量の溶液が前記吸入装置によって吸入された後には、前記容器内に残存する前記溶液はすでに空気に晒されている。よって、残存する前記溶液が再利用される際は、検査精度を確保することが不可能である。前記フィルターが前記容器の下部分から分離されると、前記容器内に残存する前記溶液は注出し、前記システムを汚染するため、衛生問題が生じる。本発明に係る頸癌液状細胞診(LBC)用ブラシは、女性の子宮からの細胞回収を容易にする。ほとんどの女性疾病は女性の生殖器官、すなわち子宮に関係する。最も一般的な女性疾病のうちの1つには一種の腫瘍である頸癌があげられる。頸癌は、比較的に良く知られている病変形成を有する腫瘍であり、一種の性病であるヒトパピローマウイルス(HPV)によって生じる。性交において、女性の上皮細胞がHPVに感染すると、HPVのDNAは細胞核DNAに浸透し、繁殖して上皮細胞癌を生じる。
【0005】
細胞のHPVによる感染を確認するためのさまざまな検査法は、子宮頚部細胞診スメア検査を含めて提案されている。最近になって、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて細胞のHPVによる感染を確認する検査が行われている。PCR法は、頸癌の早期診断を実現する最も高感度で正確なスクリーニング法のうちの1つである。PCR法を用いるためには、女性の子宮細胞、具体的には、女性の子宮頚部細胞の回収が必要とされる。女性の子宮から細胞を回収するためのさまざまな形状のブラシが提案されている。韓国実用新案出願公開第1999-1000001号(以下、「参照1」と呼ぶ)では、「子宮頚部疾患診断用の細胞回収構造」が開示されている。参照1では、女性の膣に挿入され、子宮頸部細胞を回収する「子宮頸部細胞回収用ブラシ」が開示されている。参照1で開示されている前記「子宮頚部疾患診断用の細胞回収構造」は外膜回収装置及び内膜回収装置を含むが、それらの装置はハンドルの両側に着脱可能に連結されているため、子宮頚部の外膜と内膜から細胞を別々に回収する上で不便である。さらに、韓国特許出願公開第2004-82781号(以下、「参照2」と呼ぶ)では、「子宮頸部細胞回収装置(器)」が開示されている。参照2で開示されている前記「子宮頸部細胞回収装置(器)」は、シリコン製メインコレクター、補助コレクター、及び長さ調整可能な結合部を含む。参照2で開示されている前記「子宮頸部細胞回収装置(器)」は、装置(器)の長さが調整可能であることに利点があるが、細胞回収が第1回収装置で用意された回収ブラシのみに依存するため、細胞の回収効率が確保されないという欠点がある。さらに、第2回収装置は、第1回収装置の長手方向に対して垂直方向に第1回収装置から延長され、前記「子宮頸部細胞回収装置(器)」が女性の膣に挿入される際に女性の膣内壁を刺激するため、患者に疼痛を与えたり、膣内壁に傷害を引き起こす。
【0006】
PCR法を用いるため、回収した細胞は通常、細胞固定液で満たされた容器内に保管される。参照1及び参照2で開示されている構造及び装置(器)では、回収装置が操作者の手またはクランプなどの他のツールによって前記ブラシから直接に分離されるので、かかる回収装置は異物で汚染されてしまう可能性もある。これは、回収した細胞の正確な診断を妨げるものである。本発明の細胞診用支持溶液は、回収した細胞が指定pH領域に保たれるという条件下で、回収した細胞を保管するための緩衝剤と、細胞のタンパク質変性を抑制して、細胞の病理学的構造を維持するためのアルコールと、その後の細胞病理学的検査中に、保存細胞の乾燥を防止するための抗乾燥剤(保湿剤)と、保存細胞の腐敗を防止するための防腐剤と、を含有する。前記細胞診用支持溶液とは、細胞病理学的診断用の細胞の液状細胞診(LBC)を行うために人体から回収した細胞を保存する溶液を意味する。前記液状細胞診(LBC)は、子宮頸部細胞などの婦人科疾患試料、及び痰、体液、及び尿などの非婦人科疾患試料を検査するためと、及び穿刺吸引細胞診を行うためと、に使用される。前記液状細胞診(LBC)では、回収した細胞内にガン細胞が存在するかどうかが、顕微鏡を用いて回収した細胞を検査することによって確認される。図23は、従来の細胞診を説明する概略図である。図23を参照すると、パップスメア検査が適用された従来の細胞診では、細胞は、スライド上に塗抹され、次いで検査される。細胞が前記スライド上に塗抹されると、前記スライド上の細胞は、容易に乾燥されるとともに、粘稠液や赤血球が細胞から除去されないため、診断結果の判読が困難になる。さらに、ブラシを用いて女性の子宮頚部から回収した細胞の10%のみが前記スライド上に塗抹され、残りの回収細胞は捨てられてしまうので、診断に重要な細胞が前記スライド上に塗抹されない可能性もある。よって、従来の細胞診の信頼性は低いものとなる。
【0007】
上記の問題点を解決するために、回収した細胞が支持溶液中に保存され、該細胞の細胞病理学的診断が行われるような液状細胞診(LBC)が現在開発されている。前記液状細胞診(LBC)では、細胞は、ブラシを用いて回収され、支持溶液中に保存され、さらに必要であれば、前記支持溶液中に保存される細胞が異常かどうかが検査によって判断される。図24は、従来の細胞診精度と前記液状細胞診(LBC)精度とを比較した図である。図24を参照すると、従来の細胞診によれば、試料の細胞がスライド上に均一に分布しないため、診断結果は被検試料の部分によって異なるものとなってしまう。その一方、前記液状細胞診(LBC)によれば、試料の細胞はスライド上に均一に分布されるため、診断精度は向上する。
【0008】
上記液状細胞診(LBC)を行うためには、回収した細胞を保存するための溶液が必要とされる。慣習的に、前記液状細胞診(LBC)は95%エタノールを必要とする。この95%エタノールは長期間にわたって細胞を保存することができず(細胞を保存できる期間は約1週間)、細胞から赤血球を除去できないため、細胞から赤血球を除去するための別のプロセスを必要とする。さらに、95%エタノール中に保存される細胞の核は変形されてしまうため、該細胞からDNAを抽出することは不可能である。
【0009】
また、95%エタノールのアルコール含有量は高いので引火性があり、火災の危険性がある。
【0010】
上記の問題点を解決するため、米国特許第5,256,571では、水混和性(水溶性)アルコール、抗凝集剤及び緩衝剤を含有する細胞防腐液が開示されている。前記細胞防腐液では、前記アルコールは、エタノール、イソプロパノール、及びメタノールからなるグループから選択されるものであり、前記抗凝集剤は、エチレンジアミンテトラ酢酸及びその塩類からなるグループから選択されるものであり、及び前記緩衝剤は、エチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸の塩類、クエン酸、及びクエン酸の塩類からなるグループから選択されるものである。
【0011】
しかしながら、その細胞固定用アルコールの量は45〜55重量部、好ましくは50重量部であるので、米国特許第5,256,571号で開示されている細胞防腐液には依然として引火性がある。さらに、前記細胞防腐液の赤血球除去率は低く、細胞を保存できる期間は比較的短期間(約3ヶ月間)であり、細胞からDNAを抽出することが困難になる原因となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、細胞と混ぜられた溶液を含むバイアルから細胞を分離し、自動装置を用いてスライド上の細胞回収とを操作する腫瘍スクリーニングシステムを提供することが本発明の目的である。
【0013】
さらに、細胞を含む溶液の保管と、前記溶液の前記腫瘍スクリーニングシステムからの注出とを、同時に行う働きをする前記液状細胞診(LBC)用コレクションバイアルを提供することも本発明の目的である。
【0014】
また、女性の膣内壁に損傷を与えることなしに子宮頚部内壁及び子宮頚部の経膣部などの女性の子宮頚部のさまざまな領域から細胞を均一に回収する頸癌液状細胞診(LBC)用ブラシを提供することも本発明の別の目的である。
【0015】
また、回収した細胞の形態的な構造を維持しながら、回収した細胞を長期間保存することで、細胞を容易かつ正確に検査できるように保存細胞から赤血球を除去し、かつ、DNAが保存細胞から抽出されることを可能にし、検査中に保存細胞が乾燥することを防止して非引火性を実現することで、取り扱いが容易な細胞診用支持溶液を提供することも本発明のもう一つの目的である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の態様によれば、上記及び他目的は、以下を含む腫瘍スクリーニングシステムを提供することによって達成可能である。
【0017】
バイアル操作装置であり、そのそれぞれが、その中に設置されたピストンを有する溶液バイアルを固定するための固定装置と、前記溶液バイアルに接続されているフィルターに向かって前記溶液バイアルを直線的に移動させるためのシリンダー装置(器具)と、を含むことを特徴とする溶液バイアル操作装置と、ピストン操作装置であり、そのそれぞれが、その対応する溶液バイアル操作装置に固定されたシリンダーと、ピストンを直線的に移動させるために前記シリンダー上に取り付けられ、前記溶液バイアルのピストンの一部分に固定されたシリンダーロッドと、を含むことを特徴とするピストン操作装置と、
吸入装置であり、そのそれぞれが、その対応する溶液バイアル操作装置下に配置され、前記フィルターに連結された連結部分と、前記溶液バイアルを充填する溶液を誘導するために前記連結部分に連結されたチューブと、前記チューブの内部空間に連結された吸入装置(器具)と、を含むことを特徴とする吸入装置。
【0018】
好ましくは、前記腫瘍スクリーニングシステムにさらに含むこともできるのは、スライド操作装置であり、そのそれぞれが、スライドがマウントされるスライドマウント部分と、その対応する吸入装置(器具)に連結された前記スライドと前記フィルターとの間の接触を達成するために前記スライドマウント部分を移動するための移動装置(器具)と、を含むことを特徴とするスライド操作装置である。
【0019】
好ましくは、前記腫瘍スクリーニングシステムにさらに含むこともできるのは、アルコールを受け入れるためのアルコール受入装置であり、また、前記スライド操作装置のそれぞれにさらに含むこともできるのは、前記スライドを対応するアルコール受入装置に落下させるためのスライド落下装置である。
【0020】
好ましくは、前記腫瘍スクリーニングシステムにさらに含むこともできるのは、フィルター操作装置であり、そのそれぞれが、前記フィルターを前記溶液バイアル下の位置に移動するための移動装置と、前記フィルターを固定するための固定装置と、を含むことを特徴とするフィルター操作装置である。
【0021】
好ましくは、前記腫瘍スクリーニングシステムにさらに含むこともできるのは、混合溶液形成装置であり、そのそれぞれが、前記溶液バイアルが連結される連結部分と、前記連結部分を回転するための回転部分と、を含むことを特徴とする混合溶液形成装置である。好ましくは、前記腫瘍スクリーニングシステムにさらに含むこともできるのは蓋開閉装置であり、そのそれぞれが、対応する溶液バイアル操作装置及び対応する吸入装置間の位置に接近する移動部分を含むとともに、前記移動部分上に取り付けられ、対応する溶液バイアル上に取り付けられた蓋に連結され、かつ、回転される回転装置(器具)を含むことを特徴とする蓋開閉装置である。
【0022】
前記溶液バイアル内のピストンには、その中に形成された溝を有し、前記溶液バイアルの2枚の対向する可撓性シート上に形成された突出部にスナップ接続されたピストンロッドであり、前記ピストンが前記溶液バイアルの指定位置に固定されるようになっていることを特徴とするピストンロッドが含まれていてもよく、さらに、前記腫瘍スクリーニングシステムにさらに含むこともできるのは、ピストン連結解除装置であり、そのそれぞれが、テーパー突出部を含み、前記2枚の可撓性シートが前記突出部間の空間に挿入され、かつ、前記システムの片側に固定できるようになっており、前記突出部の上に取り付けられたシリンダーを含み、前記シリンダーが前記突出部から指定間隔分だけ分離できるようになっており、前記シリンダーに挿出入されるシリンダーロッドを含むことを特徴とするピストン連結解除装置である。
【0023】
本発明のさらなる態様によれば、以下を含む溶液バイアルが提供される。
【0024】
その内面の一端に形成され、内部空間及びその内面の他端に貫通形成された開口部を形成するピストンガイドスリットを含むケーシングと、
前記ケーシングに連結され、貫通穴及び前記貫通穴の指定位置に設置されたガーゼフィルムを含むガーゼフィルム設置装置と、
前記ケーシングの内面に接触する接触部分と、前記接触部分から一方向に延長され、前記ピストンガイドスリット挿入されたロッド部分と、を含むピストンと、
前記ガーゼフィルム設置装置を一方向に開閉するための前記ガーゼフィルム設置装置に着脱可能に連結された蓋。
【0025】
好ましくは、インペラは、前記ピストンの接触部分から前記ケーシングの内部空間に向かって突出することもできる。
【0026】
好ましくは、前記溶液バイアル内に受け入れた溶液を攪拌するための攪拌用突出部は、周方向に、前記ケーシングの内面上に形成することもできる。
【0027】
好ましくは、前記ピストンガイドスリットには、弾性的に変形された一対の平面と、互いに向き合う方向に前記平面上に形成されたピストン支持用突出部と、が含まれてもよく、及び前記ピストン支持用突出部が挿入される溝は、前記ピストンのロッド部分に形成することもできる。
【0028】
好ましくは、フィルターの回収フィルムを囲むフランジに連結されたフィルター接続フランジは、前記ガーゼ設置装置上に形成することもできる。
【0029】
好ましくは、前記ガーゼフィルム設置装置は、ねじによって前記ケーシングに連結されることもでき、及び保持用突出部は前記ガーゼフィルム設置装置の外周面上に形成することもできる。
【0030】
本発明の別の態様によれば、以下が提供される。
【0031】
女性の子宮頚部細胞回収するために用いられ、その一端に形成された突起部を有し、その中に内部摺動空間を形成する挿入部分を有する保持装置を含む前記液状細胞診(LBC)用ブラシと、
複数の回収用突出部、第1フックラッチ部分、及び第2フックラッチ部分を有する第1回収装置を含む細胞回収用部材と、
前記保持装置の長手方向に第1回収装置から延長され、前記保持装置の長手方向に弾性的に膨張・収縮する第2回収装置と、
前記保持装置に近接して第2回収装置の一端と一体的に形成された第1連結装置と、
前記保持装置の突起部と係止/係止解除し、前記保持装置に着脱可能に連結されたようになっている第2連結装置を含む着脱可能内部部材と、
第1回収装置の第1フックラッチ部分に係止された第1フックと、
第2連結装置及び第1フックを連結するための連結部材と、
移動可能部材であり、その一端に前記細胞回収用部材に近接して形成され、第2フックラッチ部分と係止/係止解除する第2フックを含み、前記保持装置に取り付けられることで、第2フックが第2フックラッチ部分に係止するという条件下で、第2回収装置の収縮に起因する第1回収装置の第1連結装置への接近に応じて、前記移動可能部材が第1係止位置(第2フックが第2フックラッチ部分に係止する位置)から第2係止位置(第1フックが第1フックラッチ部分に係止する位置)に摺動できるようになっていることを特徴とする移動可能部材。
【0032】
前記着脱可能内部部材の第2連結装置は、貫通穴を有し、前記移動可能部材が前記保持装置の長手方向に前記貫通穴を通過できるようになっている略円筒状構造を持つこともでき、
また、前記着脱可能内部部材の連結部材は、略V型ビーム構造を持つこともでき、その両端が第2連結装置に連結され、第1フックが第1フックラッチ部分に向かって前記V型ビーム構造の連結部材の谷部分に形成されていてもよい。
【0033】
第2回収装置には、前記保持装置の長手方向軸を中心に周方向に沿って指定間隔分だけ互いから分離されており、第1回収装置と第1連結装置とを連結する複数の回収用コームが含まれてもよく、また、前記回収用コームは、弾性的に屈曲されることも可能であり、前記保持装置の長手方向軸の外側に向かって急速に収縮し、前記移動可能部材を第1係止位置から第2係止位置に摺動させることによって、第1回収装置を第1連結装置に接近させることができるようになっている前記移動可能部材の第1及び第2係止位置にて前記着脱可能内部部材の第2連結装置が挿入される挿入穴は、前記細胞回収用部材の第1連結装置に貫通形成されてもよい。
【0034】
第1ガイドリブは、第1連結装置の挿入穴の内壁と第2連結装置の外側壁のうちの1つから前記保持装置の長手方向に突出することもでき、また、第2連結装置が第1連結装置の挿入穴に挿入される際、第1ガイド溝を誘導するための第1ガイドリブは、第1連結装置の挿入穴の内壁と第2連結装置の外側壁のうちの1つに形成することもできる。
【0035】
略V型ビーム形状を作り出す延長分岐は、前記細胞回収用部材に近接して、前記移動可能部材の端部に形成することもでき、また、第2フックは、それぞれ前記延長分岐の両端からその反対端に向かって突出することもできる。
【0036】
第2ガイドリブは、前記着脱可能内部部材の第2連結装置の内壁上に前記保持装置の長手方向に形成することもでき、また、前記保持装置の挿入部分が前記着脱可能内部部材の第2連結装置に挿入される際、第2ガイドリブの摺動を誘導するための第2ガイド溝と、前記移動可能部材の延長分岐の摺動を前記保持装置の長手方向に誘導するための第3ガイド溝と、は前記保持装置の挿入部分に形成することもできる。
【0037】
前記移動可能部材の第2係止位置で、前記移動可能部材の第2フックは、前記細胞回収用部材の第2フックラッチ部分から解除され、前記着脱可能内部部材の第2連結装置の貫通穴を、その前記細胞回収用部材に近接する端部からその保持装置に近接する端部に通過し、それによって前記移動可能部材が前記保持装置の摺動空間内の係止解除位置へ摺動自在に移動することが可能となる。
【0038】
移動可能部材が前記係止解除位置から前記細胞回収用部材に移動する際、前記着脱可能内部部材の第2連結装置(前記保持装置に近接する)の端部を押圧するための押圧部分は、前記移動可能部材の延長分岐の端部上に形成することもでき、また、前記押圧部分が少なくとも指定強度の力で第1連結装置を押圧するとき、前記保持装置の突起部は、前記着脱可能内部部材の第2連結装置から解除されることもでき、それによって、前記細胞回収用部材に連結されている前記着脱可能内部部材を前記保持装置から分離することができる。
【0039】
相互接近を可能にする第3ガイド溝の内壁に接触する傾斜平面は、前記延長分岐の側面の少なくとも一部分上に形成することもでき、前記移動可能部材が第2係止位置から前記係止解除位置に摺動するとき、前記延長分岐が相互接近することで、前記延長分岐の端部が前記着脱可能内部部材の貫通穴を容易に通過できるようになっている。
【0040】
前記着脱可能内部部材にさらに含むこともできるのは、第2係止位置での第2回収装置の弾性力のために第1連結装置が前記保持装置に後退することを防止するための第2連結装置から外向きに延長されたバッフルフランジである。
【0041】
本発明のまたもう一つの態様によれば、以下を含む細胞診用支持溶液が提供される。
【0042】
前記支持溶液の酸性度を指定pH領域に維持するため緩衝剤と、アルコールと、その後の検査中に細胞の乾燥を防止するための抗乾燥剤(保湿剤)。
【0043】
好ましくは、前記緩衝剤は、前記支持溶液の酸性度をpH2〜6.5に維持することもできる。
【0044】
好ましくは、前記緩衝剤は、乳酸酸、クエン酸、及びリン酸からなるグループから選択されるものであってもよい。
【0045】
好ましくは、前記緩衝剤は、10〜40重量部の量を持つこともできる。
【0046】
好ましくは、前記アルコールは、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、及びペンタノールからなるグループから選択されるものであってもよい。
【0047】
好ましくは、前記アルコールは、エタノール、プロパノール、及びイソプロピルアルコールからなるグループから選択されるものであってもよい。
【0048】
好ましくは、前記アルコールは、5〜40重量部の量を持つこともできる。
【0049】
より好ましくは、前記アルコールは、10〜35重量部の量を持つこともできる。
【0050】
好ましくは、前記抗乾燥剤(保湿剤)は、多価アルコールアルコールであってもよい。
【0051】
好ましくは、前記多価アルコールアルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセロームからなるグループから選択されるものであってもよい。
【0052】
好ましくは、前記抗乾燥剤(保湿剤)は、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールであってもよい。
【0053】
好ましくは、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールは、100〜100,000Daの分子量を持つこともできる。
【0054】
好ましくは、前記抗乾燥剤(保湿剤)は、0.1〜30重量部の量を持つこともできる。好ましくは、前記抗乾燥剤(保湿剤)は、0.1〜15重量部の量を持つこともできる。
【0055】
好ましくは、前記支持溶液は防腐剤をさらに含むこともできる。
【0056】
好ましくは、前記防腐剤には、アスコルビン酸、ソルビン酸、クエン酸、サリチル酸、安息香酸ナトリウム、ホルマリン、グリオキザール、及びカルシウムプロピオン酸からなるグループから選択される少なくとも1つのものを含むことができる。
【0057】
好ましくは、前記防腐剤は、0.1〜20重量部の量を持つこともできる。
【発明の効果】
【0058】
本発明の腫瘍スクリーニングシステムは、細胞と混ぜられた溶液を含むバイアルからの細胞の分離と、自動装置を用いるスライド上の細胞回収とを操作する。
【0059】
本発明の液状細胞診(LBC)用コレクションバイアルは、細胞を含む溶液の保管と、前記溶液の前記腫瘍スクリーニングシステムからの注出とを同時に行う働きをする。
【0060】
本発明に係る頸癌液状細胞診(LBC)用ブラシは、女性の膣内壁に損傷を与えることなしに、子宮頚部の内壁や経膣部などの女性の子宮頚部のさまざまな領域から細胞を均一に回収する。さらに、前記ブラシにより、回収した細胞が指定のバイアル内に安全に保管されることが可能となり、それによって安定かつ正確な細胞回収及び診断が確保される。
【0061】
本発明の細胞診用支持溶液は、以下のようないくつかの効果を持つ。
【0062】
第1に、前記支持溶液は、回収した細胞の形態的な構造を維持しながら、回収した細胞を長期間を保存する。
【0063】
第2に、前記支持溶液が保存細胞から赤血球を除去することで、細胞を容易かつ正確に検査できるようになっている。
【0064】
第3に、前記支持溶液は非引火性であるため、取り扱いが容易である。
【0065】
第4に、前記支持溶液は染色性に優れているため、正確な診断が容易である。
【0066】
第5に、前記支持溶液は、遺伝子分析において患者から細胞を再回収することなしに、残存する保存細胞を使用する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
以下、本発明の好適な実施形態に係る溶液バイアル(液状細胞診(LBC)及び検査用コレクションバイアル)を付属図面を参照して詳細に説明する。
【0068】
図1は、本発明の好適な実施形態に係る溶液バイアルの分解斜視図であり、図2は、本発明の好適な実施形態に係る溶液バイアルの斜視図であり、図3は、ケーシング及びピストンのスナップ連結を説明するための、本発明の好適な実施形態に係る溶液バイアルの部分分解斜視図であり、図4は、本発明の好適な実施形態に係る溶液バイアルの部分分解斜視図である。
【0069】
図1〜4に示すように、本発明の溶液バイアルは、溶液を受け入れるための内部空間を有するケーシング1と、前記ケーシング1内に取り付けられたピストン20と、前記ケーシング1の一端に連結されたガーゼフィルム設置装置30と、前記ガーゼフィルム設置装置30に連結された蓋40とを含む。前記ケーシング1、前記ピストン20、前記ガーゼフィルム設置装置30、及び前記蓋40は合成樹脂製とする。
【0070】
円筒状内部空間を形成するためにスムーズな内面を有する溶液受入部分2は前記ケーシング1の中心に位置し、前記溶液受入部分2の内径より大きな内径と開口端とを有し、かつ、その内面上に形成された攪拌用突出部5と、ねじによって前記ガーゼフィルム設置装置30に連結されたねじ部分とが設けられている溶液攪拌部分4は前記溶液受入部分2の下に位置する。
【0071】
前記溶液受入部分2の上端面は矩形貫通穴7を除いては閉じられており、また、矩形流路構造を有し、前記貫通穴7に連結されたガイドスリット8は、前記溶液受入部分2に対向する前記ケーシング1の側面に貫通形成されている。前記ガイドスリット8には、比較的に広い幅を有する弾性材料製の一対の第1平面9と、それぞれの対応する第1平面9に対して垂直であり弾性材料製の一対の第2平面12と、三角柱構造を有し、第1平面9の端部にそれぞれ形成された固定用突出部10とが含まれる。互いに対称の扁平面14は、前記ケーシング1外面の上部分に形成される。前記扁平面14下の前記ケーシング1部分の外径は小さくなっており、前記溶液攪拌部分4の外径は再び大きくなっている。
【0072】
前記ピストン20は、前記ケーシング1の溶液受入部分2内に取り付けられており、前記溶液受入部分2の内面に接触する側面を有する円筒状接触部分22と、矩形断面を有し、前記接触部分22から一方向に垂直に延長されたロッド部分27とを含む。前記接触部分22の側面の中央部分には溝が形成されており、前記溝にはシール用ゴムリング23が挿入されている。
【0073】
複数のインペラ24は、前記接触部分22の下面から下向きに突出している。前記ロッド部分27は、前記溶液受入部分2の上端面に貫通形成された前記矩形貫通穴7を介して前記ケーシング1内に取り付けられており、前記ロッド部分27の上端部28にはテーパーが付けられて、前記テーパー上端部28が前記ガイドスリット8の第1平面9を押し出して前記固定用突出部10間を通過できるようになっており、さらに、連結溝29は、前記テーパー上端部28の下で前記ロッド部分27に形成されて、前記連結溝29が前記ガイドスリット8の固定用突出部10にスナップ接続できるようになっている。前記ロッド部分27の上部分にはテーパーが付けられており、また、貫通穴は、前記ロッド部分27のテーパー上部分に長手方向に貫通形成されている。
【0074】
前記ガーゼフィルム設置装置30は空洞構造を有しているので、前記ガーゼフィルム設置装置30の内面に形成されたねじ部分が前記ケーシング1の溶液攪拌部分4に連結できるようになっており、また前記溶液が前記溶液バイアルを急速に通過することを防止するための細孔を有するガーゼフィルム32は、前記ガーゼフィルム設置装置30の中心に取り付けられている。前記円筒状外側壁34から指定間隔分だけ分離された円筒状外側壁34及び円筒状内部連結壁35は、前記ガーゼフィルム設置装置30の下部分に形成されている。前記蓋40に連結されたねじ部分は、前記外側壁34の外面に形成されており、また、前記内部連結壁35の内側は、前記ガーゼフィルム32に連結された流路を形成する。突出部37は前記ガーゼフィルム設置装置30の外面上に形成され、それによってユーザーが前記ガーゼフィルム設置装置30を前記ケーシング1に便利にねじ接続すること、及びその接続を容易に解除することが可能となっている。
前記蓋40は前記ガーゼフィルム設置装置30に連結される。前記ガーゼフィルム設置装置30の外側壁34に連結されたねじ部分は前記蓋40の一表面上に形成され、また、3つのコネクタ挿入穴42は前記蓋40の他表面に形成される。
【0075】
以下に、本発明の溶液バイアルととも使用されるフィルター50を付属図面を参照して説明する。
【0076】
図5は、本発明に係る腫瘍スクリーニングシステムに用いたフィルター上部分の斜視図であり、図6は、本発明に係る腫瘍スクリーニングシステムに用いたフィルター構造を説明する概略斜視図であり、及び 図7は、本発明に係る腫瘍スクリーニングシステムに用いたフィルター下部分の斜視図である。
【0077】
図5〜図7に示すように、前記フィルター50は以下を含む。
【0078】
円筒状部材52を支持するため、コイン形状の断面及び空気/水浸透性を有し、積層構造を持ち、それらに貫通形成された細孔が設けられているコレクションフィルム51を支持する支持部53と、
前記支持部53周囲で、前記フィルター50の上面に取り付けられ、前記ガーゼフィルム設置装置30の外側壁34及び内部連結壁35間の空間に挿入された円筒状連結フランジ54と、
指定の高さを持ち、前記連結フランジ54の両側で前記フィルター50の上面から直線的に突出し、複数のフィルター50を垂直に積層することが可能であり、その積層フィルター50が互いに摺動可能になっている上部ガイド部材56と、
上部ガイド部材56の上端部に、上部ガイド部材56の長手方向でそれぞれ形成された直線溝。円筒状連結溝29は前記フィルター50の下面の中心に形成されているので、前記腫瘍スクリーニングシステムの円筒状突出フランジが前記円筒状連結溝29に挿入できるようになっており、また、別フィルター50の上部ガイド部材56の直線溝に挿入された下部ガイド部材59は、前記円筒状連結溝29の両側にて形成されるようになっている。
【0079】
以下に、本発明の溶液バイアルを用いる腫瘍スクリーニングシステムを付属図面を参照して説明する。
【0080】
図8は、本発明に係る2行型腫瘍スクリーニングシステムの斜視図であり、図9は、図8の腫瘍スクリーニングシステムの部分拡大図である。図8及び図9に示すように、前記腫瘍スクリーニングシステムは以下を含む。
【0081】
溶液バイアルを回転させることによって、細胞と前記溶液バイアルを充填する溶液とを均一に混合するための混合溶液形成装置100と、前記溶液バイアルを操作するための溶液バイアル操作装置110と、前記溶液バイアル内に取り付けられたピストン20を操作するためのピストン操作装置130と、前記溶液バイアルの蓋40を自動的に開閉するための蓋開閉装置140と、前記フィルター50を操作するためのフィルター操作装置150、前記スライドが前記フィルター50に接触できるようにスライドを操作するためのスライド操作装置160と、前記混合溶液を前記溶液バイアルから吸入するための吸入装置170と、前記スライドが浸漬されるアルコールを受け入れるためのアルコール受入装置200と、前記ピストン20を前記溶液バイアルから分離するためのピストン連結解除装置210。
【0082】
図10は、本発明に係る腫瘍スクリーニングシステムの混合溶液形成装置の概略側面図である。
【0083】
図8及び図10に示すように、前記混合溶液形成装置100のそれぞれは、攪拌室102に出入され、前記溶液バイアルを受け入れるための空間を有する引き出し式の受入部分105と、前記溶液バイアルのケーシング1に連結されるとともに、チェーン109によってモーター(図示せず)に連結された突出部を有する回転子107とを含む。前記混合溶液形成装置100による、細胞と前記溶液バイアルの溶液との混合は、前記回転子107を用いて前記溶液バイアルを回転することよって達成され、前記受入部分105が前記攪拌室102から取り出された後、前記溶液バイアルは前記回転子107に連結され、次いで前記受入部分105は前記攪拌室102の内部に戻る。
【0084】
図8及び図9に示すように、前記溶液バイアル操作装置110のそれぞれは、さまざまな外径を持つ前記溶液バイアルのケーシング1の部分をそれぞれ支持するために垂直に並設された2ステップブロック112及び113と、バネ(図示せず)によって前記2ステップブロック112及び113の下部ブロック113に固定された最下ブロック115と、前記2ステップブロック112及び113が固定され、119前記2ステップブロック112及び113を移動するために直線ガイドに沿って移動する移動ブロック118とを含む。前記移動ブロック118の片側は、固定式空気圧シリンダ120のシリンダーロッド121に固定される。前記最下ブロック115は空洞構造を持つ。前記最下ブロック115の内径は前記ガーゼフィルム設置装置30の外径よりも小さいので、前記溶液バイアルが前記溶液バイアル操作装置110から解除されないように、前記最下ブロック115は前記ガーゼフィルム設置装置30を係合し、かつ前記ガーゼフィルム設置装置30の回転を規制することができるようになっている。
【0085】
前記ピストン操作装置130のそれぞれに含まれるのは、前記溶液バイアル操作装置110のそれぞれの2ステップブロック112及び113の上に配置され、連結ロッド136を介して前記2ステップブロック112及び113に固定された空気圧シリンダ132と、前記空気圧シリンダ132に連結されて直線的に移動できるようになっているシリンダーロッド134である。前記シリンダーロッド134の下端部は、前記溶液バイアルのピストン20のロッド部分27に連結される。図11に示すように、一対の分枝フック135は、前記シリンダーロッド部分27の下端部形成され、前記ピストン20のロッド部分27の貫通穴にスナップ接続される。前記ピストン操作装置130のシリンダーロッド134は合成樹脂製であるため、可撓性を有する。
【0086】
前記溶液バイアル操作装置110のブロック112及び113と前記ピストン操作装置130の空気圧シリンダ132は、その両側に貫通成形される一対の前記連結ロッド136に一体的に固定されている。
【0087】
前記溶液バイアル操作装置110の最下ブロック115は、前記バネ(図示せず)によって前記2ステップブロック112及び113の下部ブロック113に弾性的に固定されている。
【0088】
図12は、本発明の腫瘍スクリーニングシステムの蓋開閉装置140の概略縦断面である。図8、図9、及び図12に示すように、前記蓋開閉装置140のそれぞれは、前記溶液バイアル操作装置110の下に取り付けられ、前後運動する移動部分142と、前記移動部分142の上面に取り付けられた蓋回転子145を含む。前記蓋回転子145は、窪み構造を持つことで、前記蓋40が前記蓋回転子145の上面に置かれるようになっており、前記蓋40のコネクタ挿入穴42に挿入される3つの連結突出部146は前記蓋回転子145の中心に形成されており、また、前記蓋回転子145から下向きに延長されたロータリ軸148は、前記移動部分142内に含まれ、モーターによって駆動されるチェーン143に連結されている。
【0089】
図9に示すように、前記フィルター操作装置150のそれぞれは、空気圧シリンダ155と、前記フィルター50をクランプするために前記空気圧シリンダ155によって移動されるクランプ152とを含む。前記クランプ152は、その中に装填された複数の前記フィルター50を有するフィルターローダから摘出された前記フィルター50をクランプし、前記フィルター50を待機位置に運ぶ。
【0090】
図13は、本発明の腫瘍スクリーニングシステムのスライド操作装置の部分側面図である。
【0091】
図8、図9、及び図13に示すように、前記スライド操作装置160は、前記フィルター待機位置とスライド落下位置との間を移動して前記スライドと前記フィルター50とを接触させ、前記フィルター50に接触する前記スライドを凝固細胞を含む溶液中に落下させる。前記スライド操作装置160のそれぞれは、空気圧シリンダ165によって操作されるシリンダーロッド169に連結された移動部分161と、回転可能に前記移動部分161にヒンジ接続された回転部分163と、前記回転部分163の下部に弾性的に固定されたスライドマウント部分167とを含む。前記移動部分161は前記直線ガイド119に沿って移動し、前記回転部分163には前記空気圧シリンダ165が設けられており、前記スライドマウント部分167は前記空気圧シリンダ165に連結された前記シリンダーロッド169に連結されている。前記回転部分163には、その前記ヒンジ接続部分から延長され、モーターに連結されているので、指定の角度範囲において回転可能である矩形平面が含まれる。前記スライドマウント部分167は、バネ付きのボルト168を介して前記矩形平面に弾性的に固定されている。ガイド溝は前記スライドマウント部分167の下面に形成され、前記スライドを前記ガイド溝に挿入可能になっている。
【0092】
図14は、本発明の腫瘍スクリーニングシステムの吸入装置の概略断面図である。図8、図9、及び図14に示すように、前記吸入装置170は、前記フィルター50を介して前記溶液バイアル内の混合溶液を吸入する。前記吸入装置170のそれぞれに含まれるのは、空洞構造を有し、前記コレクションフィルム51下の前記フィルター50の下部分に連結されたフィルター接続部分172と、前記溶液を下向きに誘導するための前記フィルター接続部分172の空洞部の下部分に連結された溶液受入チューブ182と、前記溶液受入チューブ182の下端部に連結され、前記溶液を放出するための溶液放出穴187有する溶液受入チューブ支持部185と、前記フィルター接続部分172及び前記溶液受入チューブ支持部185が固定されている移動ブロックである。前記移動ブロックは空気圧シリンダ装置に連結され、前記移動ブロックが前記直線ガイド119に沿って移動できるようになっている。前記フィルター50の円筒状連結溝58に連結された締まりバメ部分174は、前記フィルター接続部分172の上面に形成されており、その下端面が開いている内部空間176は、前記フィルター接続部分172に形成されており、また、溶液ガイドノズル178は、前記締まりバメ部分174の下部分に連結され、前記内部空間176を介して下向きに延長されている。前記フィルター接続部分172の内部空間176は、前記内部空間176における空気を吸入するための吸入穴179に連結されている。前記吸入穴179は、注入器に類似する構造を持つ吸入器(図示せず)に連結される。前記溶液受入チューブ支持部185は、前記溶液受入チューブ182に連結された内部空間を有し、選択的に開閉して前記溶液を外部に放出する前記溶液放出穴187は、前記内部空間の片側にに貫通形成される。前記溶液放出穴187は、前記溶液を前記システム内に設置されたリザーバに放出することもできる。
【0093】
図9に示すように、前記アルコール受入装置200のそれぞれは、前記スライドの細胞を凝固するためにアルコールを受け入れることで、前記アルコール受入装置200のそれぞれの上部分が開かれ、前記落下スライドを前記アルコール中に浸漬できるようになっている。
【0094】
図15は、前記溶液バイアルの本発明に係る腫瘍スクリーニングシステムのピストン連結解除装置への連結を説明する概略正面図であり、また、図16は、前記溶液バイアルの本発明に係る腫瘍スクリーニングシステムのピストン連結解除装置への連結を説明する概略側面図である。図1、図15及び図16に示すように、前記ピストン連結解除装置210は、前記溶液バイアルのガイドスリット8及び前記ピストン20のロッド部分27のスナップ接続を解除する。前記ピストン連結解除装置210はのそれぞれは、テーブル上に形成された一対の三角形突出部212と、連結ロッド214を介して前記三角形突出部212の上に取り付けられた空気圧シリンダ装置とを含む。前記三角形突出部212の下部分は、前記ガイドスリット8の第1平面9間の間隔よりも大きな幅を持つ。前記空気圧シリンダ装置は、前記連結ロッド214に固定された空気圧シリンダ216と、前記溶液バイアルを押圧するシリンダーロッド218とを含む。
【0095】
本発明の腫瘍スクリーニングシステムは、上記空気圧シリンダの操作及び前記操作に応じた前記移動部材の位置を表示するための液晶ディスプレイパネル222をさらに含む。
【0096】
以下、本発明の溶液バイアルを用いて細胞を溶液と混合し、本発明の腫瘍スクリーニングシステムによって細胞を前記溶液バイアルからスライドに移動するためのプロセスを説明する。
【0097】
第1に、回収した細胞を前記溶液と混合するために、前記細胞回収用部材を前記溶液バイアル内に入れるステップが実行される。(ユーザーが)前記ガーゼフィルム設置装置30を手で回すことによって前記蓋40が接続される前記ガーゼフィルム設置装置30を前記ケーシング1から分離させ、細胞を浸漬するための溶液前記ケーシング1に注入する。その後、(ユーザーは)前記細胞回収用部材を前記ケーシング1に入れ、前記ガーゼフィルム設置装置30を前記ケーシング1に接続する。
【0098】
第2に、前記細胞回収用部材を有する溶液バイアルが設置され、回収した細胞を前記溶液バイアルからスライドに移動するステップが実行される。
【0099】
前記混合溶液形成装置100の受入部分105が開けられ、前記細胞回収用部材を有する前記溶液バイアルを前記受入部分105に設置される。すなわち、前記ケーシング1の下部分は、前記受入部分105内に形成された回転プレートの突出部に連結され、前記溶液バイアルを有する前記受入部分105は、前記攪拌室102内に押し入れる。前記回転プレートは、制御部を用いて所定時間、所定の速度にて回転される。前記溶液バイアルが回転されると、前記ケーシング1の溶液攪拌部分4の攪拌用突出部5及び前記ピストン20のインペラ24によって、前記溶液バイアル内溶液が攪拌され、細胞は前記細胞回収用部材から分離され、前記溶液バイアル内溶液と混合される。
【0100】
細胞及び溶液が互いに十分に混合された前記溶液バイアルは、前記溶液バイアル操作装置110の最下ブロック115が押圧によって指定距離分だけ降下されているという条件下で、前記2ステップブロック112及び113間の空間に挿入される。前記溶液バイアルのガーゼフィルム設置装置30が前記前記最下ブロック115の空洞によって係止されている状態で、前記最下ブロック115を押圧する力が除去されると、前記最下ブロック115は前記バネの復元力によって上昇され、前記溶液バイアルは前記最下ブロック115によって上向きに押し上げられる。かくして、前記溶液バイアルは前記溶液バイアル操作装置110に対して固定される。上記の条件下で、前記ピストン操作装置130の空気圧シリンダ132が作動され、前記シリンダーロッド134が降下されると、前記シリンダーロッド部分27の下端部に形成された前記分枝フック135は、前記ピストン20のロッド部分27の貫通穴にスナップ接続される。よって、前記溶液バイアルが前記溶液バイアル操作装置110に固定されているという条件下で、前記溶液バイアルのピストン20と前記ピストン操作装置130との間の接続が完了する。
【0101】
その後、前記フィルター操作装置150のクランプは、前記フィルターローダから滑り出した前記フィルター50をクランプするとともに、それを前記吸入装置170上の位置に移動して停止する。
【0102】
その後、前記蓋開閉装置140の移動部分142が前方に移動すると、前記蓋回転子145は前記溶液バイアルの蓋40の下に位置するようになる。次いで、前記溶液バイアル操作装置110の空気圧シリンダ120が作動され、前記移動ブロック118が降下されると、一体的に前記移動ブロック118に固定された前記2ステップブロック112及び113は降下され、前記溶液バイアルもまた降下される。ここで、前記蓋回転子145の突出部146が前記溶液バイアルの蓋40のコネクタ挿入穴42に挿入され、前記蓋回転子145が回転するように前記モーターが制御されると、前記蓋40及び前記ガーゼフィルム設置装置30間のねじ接続は解除され、前記蓋40が前記ガーゼフィルム設置装置30から分離されるようになり、また、前記空気圧シリンダ120が作動され、前記溶液バイアル操作装置110の移動ブロック118は前記蓋40の高さに相当する移動量を上昇されるようになり、それによって、前記蓋40をスムーズに開けることが可能となる。前記ピストン操作装置130の空気圧シリンダ132が前記蓋40の開口部とともに作動されることで、前記シリンダーロッド134を上昇させるようにすると、前記シリンダーロッド134の端部に連結された前記ピストン20は上昇されて前記溶液バイアルのケーシング1の内圧を低下し、それによって前記溶液が前記溶液バイアルから注出することが防止される。分離された前記蓋40がその上に置かれる前記蓋開閉装置140の移動部分142は、逆方向に移動する。
【0103】
前記溶液バイアルの蓋40が開いているという条件下で前記溶液バイアル操作装置110の空気圧シリンダ120が作動されると、前記移動ブロック118は降下され、前記フィルター50上面にある前記連結フランジ54は、前記外側壁34及び前記ガーゼフィルム設置装置30の内部連結壁35間の空間に締まりバメにより連結され、同時に、前記吸入装置170の空気圧シリンダが作動されることで、前記吸入装置170の移動ブロックが上昇されるようにすると、前記フィルター接続部分172上面の前記締まりバメ部分174は、締まりバメにより前記フィルター50の下面に形成された前記円筒状連結溝58に連結される。よって、前記溶液バイアル、前記フィルター50、及び前記吸入装置170はハーメチックシールされた状態で連結される。前記フィルター50は前記フィルター操作装置150のクランプによって支持されるので、前記溶液バイアル及び前記吸入装置170は前記フィルター50に同時連結される。その後、前記吸入装置170の溶液受入チューブ支持部185に貫通形成された前記溶液放出穴187が閉塞されているという条件下で、前記フィルター接続部分172に連結された前記吸入器が作動されると、前記フィルター接続部分172内圧力及び前記溶液受入チューブ182内圧力は低下され、前記混合溶液は前記ガーゼフィルム32を介して吸入され、前記フィルター50のコレクションフィルム51によってろ過される。
【0104】
細胞を含まない前記溶液は前記溶液受入チューブ182に向かって流れる。前記溶液バイアルから吸入される前記混合溶液量は、前記吸入器を制御することによって調節される。前記溶液が前記溶液バイアルから排出されると、前記ピストン操作装置130の空気圧シリンダ132は作動されず、前記ピストン20は自由に下降する。
【0105】
その後、前記溶液バイアル操作装置110の空気圧シリンダ120が作動されて前記移動ブロック118を上昇させ、前記ピストン操作装置130の空気圧シリンダ132が作動されて前記溶液バイアルのピストン20を上昇させると、前記溶液バイアルは前記フィルター50に位置し、前記ケーシング1内圧力は低下されず、それによって前記前記溶液バイアル内の混合溶液が下方に注出することが防止される。その後、前記溶液バイアルが上昇されるという条件下で前記蓋開閉装置140は再び前方に移動し、前記蓋40を開けるためのプロセスと逆のプロセスが実行され、かくして前記溶液バイアルは前記蓋40により閉じられる。
【0106】
前記ピストン操作装置130の空気圧シリンダ132を作動させて前記シリンダーロッド134を前記蓋40で閉じられた前記溶液バイアルから離れた位置に上昇させると、前記シリンダーロッド134の端部によって係止された前記ピストン20は上昇され、前記ピストン20のロッド部分27の連結溝29は前記ケーシング1のガイドスリット8の固定用突出部10にスナップ接続される。
【0107】
前記ピストン20の接触部分22は、スナップ接続状態下で前記ケーシング1の上部分に接触するので、前記シリンダーロッド134が連続的に上昇されると、前記シリンダーロッド134の端部は前記ピストン20のロッド部分27から摺動自在に分離することができる。前記ピストン20は前記蓋40で閉じられた前記溶液バイアルから強制的に引き出されるので、前記ケーシング1の内側は、真空状態となる。
【0108】
その後、前記溶液バイアルは、前記溶液バイアル操作装置110の最下ブロック115が下方に押されているという条件下で前記溶液バイアル操作装置110から取り出される。その後、前記吸入装置170の吸入器が、前記溶液バイアルが前記フィルター50から分離されているという条件下で、さらに操作されると、前記フィルター50のコレクションフィルム51上に残存する前記溶液は前記システムの下部内に吸入される。
その後、前記移動部分161に連結された前記空気圧シリンダ165が作動されて、前記フィルター50上の前記スライド操作装置160を移動し、前記スライドマウント部分167に連結された前記空気圧シリンダが作動されて、前記スライドマウント部分167を前記フィルター50位置に降下させ、それによってスライドが前記フィルター50のコレクションフィルム51に接触するようになる。前記スライドが前記フィルター50に接触するという条件下で前記移動部分161が水平に移動すると、前記スライドは前記コレクションフィルム51に繰り返し接触する。
前記スライドは、前記フィルター50のコレクションフィルム51から細胞を受け取り、前記アルコール受入装置200の上に移動される。次いで、前記回転部分163が90°の角度で回転されると、前記直線ガイド溝は垂直に直立し、前記スライドは前記ガイド溝から分離され、前記アルコール受入装置200内に落下される。
【0109】
アルコール中に浸漬された前記スライドは、前記アルコール受入装置200から取り出されその上の細胞を検査するために使用される。
【0110】
検査後、前記ケーシング1の内側が真空状態にあるという条件下で保管される前記溶液バイアルは、再利用することも可能である。この場合、前記ピストン連結解除装置210は前記ピストン20及び前記ケーシング1間のスナップ接続を解除する。すなわち、前記ピストン連結解除装置210の三角形突出部212が前記溶液バイアルの固定用突出部1のガイドスリット80を有する第1平面9間の空間に挿入される位置に前記溶液バイアルが位置決めされているという条件下で、前記空気圧シリンダ216が作動され、かつ、前記溶液バイアルが下方に押されると、第1平面9間の空間は前記三角形突出部212によって拡大され、それによって前記ピストン20及び前記ケーシング1間のスナップ接続が解除され、前記ピストン20は前記溶液バイアル内の残存溶液量に相当する位置まで下降することが可能となる。つまり、前記ピストン20は前記溶液バイアルに対して自由に移動できる状態に戻る。
【0111】
本発明の溶液バイアルは、細胞試料を含有し、細胞を溶液と混合し、そして混合溶液を保管するための容器としての働きばかりでなく、前記腫瘍スクリーニングシステム内に直接に設置されて前記溶液を下方に放出する働きもする。
さらに、本発明の溶液バイアルは攪拌装置を有するので、前記溶液バイアルが回転されると、前記溶液バイアル内溶液も攪拌される。前記溶液バイアルを所定の攪拌時間回転させることによって、細胞と溶液の均一な混合が達成される。
【0112】
前記ピストン20が移動するので、本発明の溶液バイアルは、前記溶液バイアル内溶液が外部空気から隔離されるという条件下で前記溶液を放出するため、外部空気は溶液バイアルの内側に供給されない。よって、前記溶液バイアル内に残存する溶液は、空気によって劣化されず、後に利用することが可能である。
【0113】
前記溶液バイアルの蓋40が開かれると、前記ピストン20はわずか上昇され、前記ケーシング1内圧力は低下され、吸入効果によって生じる差圧のために前記ケーシング1の溶液は前記ガーゼフィルム32を介して注入されない。それによって、溶液ロスを最小限に抑えることが可能であり、前記フィルター50の注出溶液による汚染も防止できる。
【0114】
本発明の溶液バイアルは、前記ピストン20のロッド部分27が前記ケーシング1のガイドスリット8の上端部にスナップ接続されているという条件下で前記混合溶液を保存するので、前記溶液バイアルの内側は真空化し、かくして前記溶液バイアル内溶液の損傷が防止される。
【0115】
本発明の溶液バイアルが前記混合溶液形成装置100に挿入されると、前記溶液バイアルは回転され、細胞は、前記攪拌用突出部及び前記溶液バイアルのインペラによって均一に前記溶液と混合される。
【0116】
前記混合溶液が前記溶液バイアルから排出されると、前記ピストン20は自由に下降し、かくして前記混合溶液をハーメチックシールされた状態における前記溶液バイアルから放出することが可能である。
【0117】
前記蓋開閉装置は前記溶液バイアルの蓋を開閉するので、プロセス時間が短縮される。
【0118】
前記フィルター接続部分内に形成された前記溶液ガイドノズルは前記吸入穴の下に位置するので、前記溶液は前記溶液バイアル内圧力の減少のために前記溶液バイアル内に吸入されるが、防止前記溶液が前記吸入穴に流入することを防止することが可能である。ユーザーは前記スライド操作装置を用いて細胞を有する前記スライドをアルコール内に落下させるという、細胞を前記フィルターのコレクションフィルムから前記スライドに移動させるプロセスに関与しないので、ユーザーの手による汚染を防止することが可能である。
【0119】
前記ピストン連結解除装置は、前記ピストンと前記溶液バイアルとのスナップ連結を解除するので、前記溶液バイアルを迅速に再利用することが可能である。
【0120】
本発明の腫瘍スクリーニングシステムは、新たな溶液バイアルを使用することなしに前記溶液バイアル内に残存する混合溶液を再利用するので、かかるプロセスで生じる廃棄物の量を低減する。
【0121】
本発明の腫瘍スクリーニングシステムのすべての操作状態が液晶ディスプレイパネルに表示されるので、前記腫瘍スクリーニングシステムは便利に制御することが可能である。
【0122】
本発明の好適な実施形態は例示的な目的で開示したものであって、当業者であれば、種々の変更、付加および代替を添付の特許請求の範囲で開示した本発明の範囲および真の趣旨から逸脱することなく行い得ることを理解されるであろう。
【0123】
以下、本発明の好適な実施形態に係る頸癌液状細胞診(LBC)用ブラシを付属図面を参照して詳細に説明する。
【0124】
図18〜図20に示すように、本発明の液状細胞診(LBC)用ブラシは、保持装置10、細胞回収用部材30、着脱可能内部部材50、及び移動可能部材70を含む。ここでは、前記細胞回収用部材30の方向、すなわち女性の生殖器官に挿入される細胞回収用部材30の方向を第1方向と呼び、第1方向と逆の方向を第2方向と呼ぶ。
【0125】
前記保持装置10は、その中に形成された摺動空間15を有する円筒状ロッド構造を持つ。前記保持装置10の指定部分は、操作者が女性の子宮から細胞を回収する際、女性の生殖器官に挿入することもできる。
【0126】
前記保持装置10は、その上に形成された突起部12を有する挿入部分11を含む。前記挿入部分11は、前記保持装置10の一端に第1方向で形成され、略円形断面を有する。
【0127】
前記挿入部分11の端部に第1方向で形成された前記突起部12は、前記挿入部分11の端部から外向きに延長される。ここで、前記突起部12は前記着脱可能内部部材50の第2連結部分52により係止/解除され、それによって前記着脱可能内部部材50は前記保持装置10に着脱可能に連結することが可能となる。
【0128】
前記細胞回収用部材30が女性の生殖器官に挿入されとき、前記細胞回収用部材30は子宮頚部の内壁や経膣部などのさまざまな子宮頚部領域から細胞を回収する。前記細胞回収用部材30は、第1回収装置31、第2回収装置35、及び第1連結装置37を含む。
【0129】
第1回収装置31は、複数の回収用突出部32、第1フックラッチ部分33、及び第2フックラッチ部分34を含む。前記細胞回収用部材30が女性の生殖器官に挿入されるとき、第1回収装置31の回収用突出部32は、子宮頚部の内壁及び経膣部から細胞を回収する。
【0130】
前記着脱可能内部部材50の第1フック51は、以降で説明するが、第1フックラッチ部分33と係止/係止解除する。ここで、前記着脱可能内部部材50の第1フック51は、前記保持部分10の長手方向で第1フックラッチ部分33に挿入され、かつ、分離される。さらに、前記移動可能部材70の第2フック71は、第2フックラッチ部分34と係止/係止解除する。ここで、前記移動可能部材70の第2フック71は、第2フックラッチ部分34と求心的に係止/係止解除する。
【0131】
第2回収装置35は第1回収装置31から前記保持装置10の長手方向に延長される。ここで、第2回収装置35は弾性的に長手方向で拡張かつ収縮する。かくして、第2回収装置35が収縮すると、第2回収装置35は、第1回収装置31を第1連結装置37に接近させる。
【0132】
第1連結装置37は、前記着脱可能内部部材50の第2連結装置52が挿入される挿入穴38を有する略円筒状構造を持つ。
【0133】
第2回収装置35は、長手方向に前記保持装置10の軸を中心に周方向に沿って指定間隔分だけ互いから分離されている複数の回収用コーム36を有する。
【0134】
以降で説明する前記移動可能部材70の摺動によって、第1回収装置31が第1連結装置37に接近すると、前記回収用コーム36は、第1回収装置31と第1連結装置37とを互いに連結し、弾性的に屈曲し、長手方向に前記保持装置10の軸の外側に向かって半径方向に収縮する(図21に関連して)。第2回収装置35の回収用コーム36が弾性的に屈曲されるという条件下で、操作者が本発明のブラシ1を前記保持装置10の軸に沿って長手方向に回転する場合では、前記回収用コーム36は子宮頚部の経膣部から細胞を容易に回収する。
【0135】
前記着脱可能内部部材50は、第2連結装置52、第1フック51、及び連結部材56を含む。
【0136】
上記のように、前記細胞回収用部材30の第1回収装置31の第1フック51は第1フックラッチ部分33と係止/係止解除する。第1フック51が第1フックラッチ部分33に係止すると、前記細胞回収用部材30及び前記着脱可能内部部材50はともに移動する。
【0137】
第2連結装置52は、前記保持装置10の挿入部分11に形成された前記突起部12と係止/係止解除し、それによって、前記着脱可能内部部材50が前記保持装置10の挿入部分11に着脱可能に取り付け可能となる。第2連結装置52は、貫通穴53を有する略円筒状構造を持つので、前記移動可能部材70が前記貫通穴53を前記保持装置10の長手方向に通過できるようになっている。
【0138】
第2連結装置52は、前記細胞回収用部材30の第1連結装置37の挿入穴38に挿入され、かくして前記細胞回収用部材30に連結されることになる。前記保持装置10の長手方向に第2連結装置52から外向きに突出した第1ガイドリブ54が少なくとも1つ、第2連結装置52の外側壁に形成される。それに対応して、第1ガイドリブ54が挿入される第1ガイド溝39は、第2連結装置52が第1連結装置37の挿入穴38に挿入されるとき、前記細胞回収用部材30の第1連結装置37の挿入穴38の内壁に形成される。それによって、記第2連結装置52を第1連結装置37に安定的に挿入し、前記細胞回収用部材30及び前記着脱可能内部部材50が独立して回転することを防止することが可能とされる。そうでない場合は、第1ガイド溝39は、第2連結装置52の外側壁に形成されてもよく、第1連結装置37の第1ガイドリブ54の内壁に形成されてもよい。
【0139】
前記連結部材56は、第1フック51と第2連結装置52とを互いに連結する。前記連結部材56は、略V型ビーム構造を持ち、その両端は第2連結装置52に連結される。第1フック51は、前記細胞回収用部材30の第1フックラッチ部分33に向かって、前記Vビーム構造の連結部材56の谷部分に形成される。
【0140】
前記移動可能部材70は、第1方向でその一端に形成された第2フック71を含むので、第2フック71が前記細胞回収用部材30の第2フックラッチ部分34と係止/係止解除できるようになっている。前記移動可能部材70が、前記保持装置10内に受け入られることで、前記移動可能部材70は、第1係止位置と第2係止位置との間を摺動することが可能となっている。
【0141】
ここで、第1係止位置は、前記移動可能部材70の第2フック71が前記細胞回収用部材30の第2フックラッチ部分34に係止される位置を示し、第2係止位置は、前記着脱可能内部部材50の第1フック51が、前記細胞回収用部材30の第1フックラッチ部分33に係止する位置を示す。以上は、第2フック71が第2フックラッチ部分34に係止されているという条件下で、第2回収装置35の収縮のために第1回収装置31が第1連結装置37に接近することにより生じる。
【0142】
つまり、前記細胞回収用部材30の第2回収装置35の回収用コーム36は、第1係止位置にて伸張され、また、前記細胞回収用部材30の第2回収装置35の回収用コーム36は、第2係止位置にて半径方向に屈曲される。前記着脱可能内部部材50は、第2係止位置での第2回収装置35の弾性力のために第1連結装置37が前記保持装置10後退することを防止するために第2連結装置52から外向きに延長されたバッフルフランジ57を含む。それによって、第2係止位置にて、前記着脱可能内部部材50の第1フック51の前記細胞回収用部材30の第1フックラッチ部分33への係止は保たれ、前記着脱可能内部部材50のバッフルフランジ57は、前記細胞回収用部材30の第1連結装置37の後退を防止し、前記細胞回収用部材30の回収用コーム36の半径方向の屈曲は、図21に示すように維持される。
【0143】
略V型ビーム形状を作り出す延長分岐72は、第1方向で前記移動可能部材70の端部に形成される。前記移動可能部材70の第2フック71は、その反対端に向かって前記延長分岐72の両端からそれぞれ突出されている。それによって、上記のように、前記移動可能部材70が第1係止位置から進入すると、第2フック71は、第1回収装置31の両側に形成された第2フックラッチ部分34に求心的に係止する。
【0144】
第2ガイドリブ55は、記保持装置10の長手方向で前記着脱可能内部部材50の第2連結装置52の内壁上に形成される。それに対応して、前記挿入部分11が前記着脱可能内部部材50の第2連結装置52に挿入されるとき、第2ガイドリブ55の摺動を誘導するための第2ガイド溝13は前記保持装置10の挿入部分11に形成される。それによって、前記保持装置10と前記着脱可能内部部材50とが連結されているとき、前記保持装置10の挿入部分11を前記着脱可能内部部材50の第2連結装置52に安定的挿入して、防止前記着脱可能内部部材50と前記保持装置10とが独立して回転することを防止することが可能である。
【0145】
さらに、前記前記移動可能部材70の延長分岐72の摺動を前記保持装置10の長手方向に誘導するための第3ガイド溝14は、前記保持装置10の挿入部分11に形成される。
【0146】
第2係止位置にて、前記移動可能部材70の第2フック71は、前記細胞回収用部材30の第2フックラッチ部分34から解除され、前記着脱可能内部部材50の第2連結装置52の貫通穴53を第1方向から第2方向に通過し、それによって、前記移動可能部材70が、第2係止位置から前記保持装置10の摺動空間15における係止解除位置に摺動自在移動することが可能となる。
【0147】
操作者が前記移動可能部材70を前記係止解除位置から第1方向に移動する場合、前記着脱可能内部部材50の第2連結装置52の端部を第1方向に押圧するための押圧部分73は、前記移動可能部材70の延長分岐72の端部上に形成される。
【0148】
操作者が前記移動可能部材70を前記係止解除位置にて第1方向に少なくとも指定強度の力で押圧すると、前記保持装置10の挿入部分11に形成された前記突起部12は、前記着脱可能内部部材50のの第2連結装置52から解除され、それによって、前記細胞回収用部材30に連結されている前記着脱可能内部部材50が前記保持装置10から分離される。それによって、前記細胞回収用部材30用いて細胞の回収を完了後、操作者は、手または他のツールを用いることなしに前記細胞回収用部材30を前記保持装置10から分離することができる。この時点では、前記着脱可能内部部材50の第1フック51の前記細胞回収用部材30の第1フックラッチ部分33への係止は維持され、前記着脱可能内部部材50のバッフルフランジ57が前記細胞回収用部材30の第1連結装置37の後退を防止するので、上記のように、前記着脱可能内部部材50と前記細胞回収用部材30とは、図22に示すように、それらの形状を維持しながら前記保持装置10から分離可能である。
【0149】
以下、図20〜図22を参照して、本発明のブラシを用いて子宮頚部から細胞を回収するためのプロセスを詳細に説明する。
【0150】
子宮頚部から細胞を回収する前に、図に示すように、本発明のブラシ1の移動可能部材70は第1係止位置に保たれる。
【0151】
そうでない場合は、前記移動可能部材70は第1係止位置の前の位置に保たれていてもよいし、または、操作者が前記移動可能部材70を第1方向に押圧することで、前記移動可能部材70が第1係止位置に入るようにしてもよい。この場合、前記移動可能部材70が第1係止位置の前の位置に保たれると、第1方向における前記移動可能部材70の端部、すなわち第2フック71を有する前記移動可能部材70の端部は、前記細胞回収用部材30の第2フックラッチ部分34と前記着脱可能内部部材50の第2連結装置52との間に位置する。
【0152】
第1係止位置では、前記保持装置10の挿入部分11が、前記着脱可能内部部材50の第2連結装置52の貫通穴53に挿入されることで、前記突起部12の前記着脱可能内部部材50の第2連結装置52への係止が保たれ、前記着脱可能内部部材50の第2連結装置52が前記細胞回収用部材30の第1連結装置37に挿入できるようになっている。
【0153】
その後、操作者は、前記移動可能部材70が第1係止位置に位置する本発明のブラシ1を女性の生殖器官に挿入する。前記ブラシ1は、前記細胞回収用部材30の第2回収装置35が伸張されているという条件下で女性の生殖器官に挿入されるので、図20に示すように、前記ブラシ1は、膣壁に損傷を与えることなしに、女性の生殖器官、すなわち子宮頚部に挿入可能である。
【0154】
その後、操作者が、前記保持装置10の端部から第2方向に暴露される前記移動可能部材70の部分を第2方向に引くことで、前記移動可能部材70は第1係止位置から第2係止位置に摺動自在に移動できるようにする。つまり、前記細胞回収用部材30の第1回収装置31は、第2回収装置35の弾性収縮によって第1連結装置37に接近し、第1回収装置31の第1連結装置37への接近中、前記移動可能部材70は、前記着脱可能内部部材50の第1フック51が前記細胞回収用部材30の第1フックラッチ部分33に係止される第2係止位置に入る。この時点では、前記細胞回収用装置30の第2回収装置35は、図21に示すように半径方向に屈曲される。
【0155】
その後、操作者は、前記移動可能部材70が第2係止位置に位置するという条件下で、第1回収装置31を子宮頚部に挿入する。この場合では、半径方向に屈曲された状態の第2回収装置35は子宮頚部に挿入されないが、子宮頚部の経膣部の膣内壁に接触する。
【0156】
次いで、操作者は、第2回収装置35が子宮頚部に挿入され、第2回収装置35が子宮頚部の経膣部の膣内壁に接触するという条件下で、前記ブラシ1を回転し、それによって、第1回収装置31が子宮頚部の内側から細胞を回収し、第2回収装置35の(回転する)細胞回収用コーム36が子宮頚部の経膣部の膣内壁から細胞を回収するようになる。それによって、子宮頚部の内側及び子宮頚部の経膣部などの子宮頚部のさまざまな領域から細胞を回収することが可能である。
【0157】
細胞回収の完了後、操作者は、前記ブラシ1を女性の子宮から引き出す。その後、操作者は、少なくとも指定強度の力を加えることによって前記保持装置10の端部から第2方向に暴露される前記移動可能部材70の部分を第2方向に引き、前記移動可能部材70を前記係止解除位置に移動させる。操作者が、少なくとも前記指定強度の力を加えることによって前記移動可能部材70を第2方向に引くと、前記移動可能部材70の第2フック71は、第1回収装置31の第2フックラッチ部分34から解除され、前記着脱可能内部部材50の第2連結装置52の貫通穴53を通過し、前記保持装置10に移動される。
【0158】
この場合は、前記移動可能部材70が前記係止解除位置に移動すると、前記移動可能部材70の延長分岐72の少なくとも一部が前記保持装置10の第3ガイド溝14に接触し、かくして前記延長分岐72が互いに接近する。好ましくは、傾斜平面74を前記延長分岐72の側面の少なくとも一部分上に形成することで、前記傾斜平面74が第3ガイド溝の内壁14に接触して前記延長分岐72が互いに接近できるようにする。それによって、前記移動可能部材70の延長分岐72は、前記着脱可能内部部材50の貫通穴53を容易に通過する。
【0159】
その後、操作者は、前記保持装置10の端部から第2方向に暴露される前記移動可能部材70の部分を第1方向に押すことで、前記移動可能部材70の押圧部分73が前記着脱可能内部部材50の第2連結装置52を押圧し、それによって前記保持装置10の挿入部分11の突起部12が前記着脱可能内部部材50の第2連結装置52から解除され、かくして前記着脱可能内部部材50を前記保持装置10から分離できるようにする。それによって、前記細胞回収用部材30が連結されている前記着脱可能内部部材50は、前記保持装置10から分離される。前記着脱可能内部部材50が前記保持装置10から分離されると、操作者は、前記細胞回収用部材30と前記着脱可能内部部材50とを容器の入口に位置付け、前記移動可能部材70を第1方向に押し、前記細胞回収用部材30及び前記着脱可能内部部材50が前記容器内に入ることを可能にする。よって、前記細胞回収用部材30及び前記着脱可能内部部材50を前記容器内に入れるための別個の装置(器具)や操作者の手は不要である。それによって、細胞を安定的かつ正確に回収かつ診断を行うことが可能である。
【0160】
また、別の細胞回収用部材30及び別の着脱可能内部部材50を、前記細胞回収用部材30及び前記着脱可能内部部材50が除去されている前記保持装置10及び前記移動可能部材70に連結することもできる。
【0161】
以下、本発明の好適な実施形態に係る細胞診用支持溶液を詳細に説明する。
【0162】
本発明の細胞診用支持溶液は、回収した細胞の酸性度が指定pH領域に保たれるという条件下で、回収した細胞を保管するための緩衝剤と、細胞のタンパク質変性を抑制して、保管細胞の病理学的構造を維持するためのアルコールと、その後の細胞病理学的検査中に、保存細胞の乾燥を防止するための抗乾燥剤(保湿剤)と、保存細胞の腐敗を防止するための防腐剤とを含有する。
【0163】
本発明の細胞診用支持溶液は、回収した細胞の形態的な構造を維持しながら回収した細胞を保管し、保管細胞の病理学的検査が容易かつ正確に行われることを可能にし、保管細胞からのDNA抽出を促進するものであって、非引火性で取り扱いが容易である。
【0164】
本発明の各種実施例に使用したさまざまな医薬品はSIGMA社の製品である。衝剤、アルコール、及び抗乾燥剤(保湿剤)を混合かつ攪拌し、防腐剤を前記混合物に添加し(ここでは、各種実施例の必要に応じて、前記防腐剤を前記混合物に添加しない)、次いで、前記重量比を満足させるため、前記防腐剤を有する蒸留水を前記混合物に添加することによって、各種実施例の支持溶液を製造した。
【実施例1】
【0165】
20重量部の乳酸酸(pH3)を緩衝剤として、30重量部のエタノール、10重量部のエチレングリコール、及び40重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例2】
【0166】
20重量部の乳酸酸(pH3)を緩衝剤として、30重量部のエタノール、10重量部のエチレングリコール、4重量部のソルビン酸、及び36重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例3】
【0167】
20重量部の乳酸酸(pH3)を緩衝剤として、30重量部のエタノール、10重量部のグリセローム、2重量部のソルビン酸、2重量部のクエン酸、及び36重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例4】
【0168】
20重量部の乳酸酸(pH3)を緩衝剤として、15重量部のエタノール、15重量部の2,834Daの分子量を持つポリエチレングリコール、2重量部のクエン酸、2重量部のサリチル酸、及び36重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例5】
【0169】
20重量部の乳酸酸(pH3)を緩衝剤として、35重量部のプロパノール、10重量部のエチレングリコール、及び35重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例6】
【0170】
20重量部の乳酸酸(pH3)を緩衝剤として、35重量部のプロパノール、10重量部のエチレングリコール、4重量部のサリチル酸、及び31重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例7】
【0171】
20重量部の乳酸酸(pH3)を緩衝剤として、35重量部のプロパノール、5重量部のグリセローム、2重量部のホルマリン、2重量部の安息香酸ナトリウム、及び36重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例8】
【0172】
20重量部の乳酸酸(pH3)を緩衝剤として、35重量部のプロパノール、15重量部の1,854Daの分子量を持つポリプロピレングリコール、2重量部のソルビン酸、2重量部のグリオキザール、及び26重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例9】
【0173】
15重量部の乳酸酸(pH3)を緩衝剤として、35重量部のイソプロピルアルコール、5重量部のエチレングリコール、4重量部のソルビン酸、及び41重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例10】
【0174】
15重量部の乳酸酸(pH3)を緩衝剤として、35重量部のイソプロピルアルコール、5重量部のエチレングリコール、2重量部のソルビン酸、2重量部のクエン酸、及び41重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例11】
【0175】
15重量部の乳酸酸(pH3)を緩衝剤として、35重量部のイソプロピルアルコール、5重量部のグリセローム、2重量部のクエン酸、2重量部のグリオキザール、及び41重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例12】
【0176】
15重量部の乳酸酸(pH3)を緩衝剤として、35重量部のイソプロピルアルコール、10重量部の2,834Daの分子量を持つポリエチレングリコール、2重量部のサリチル酸、2重量部の安息香酸ナトリウム、及び36重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例13】
【0177】
20重量部の酢酸(pH4)を緩衝剤として、30重量部のエタノール、5重量部のエチレングリコール、及び45重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例14】
【0178】
20重量部の酢酸(pH4)を緩衝剤として、30重量部のエタノール、5重量部のエチレングリコール、2重量部のアスコルビン酸、及び43重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例15】
【0179】
20重量部の酢酸(pH4)を緩衝剤として、30重量部のエタノール、5重量部のプロピレングリコール、2重量部のアスコルビン酸、2重量部のソルビン酸、及び41重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例16】
【0180】
20重量部の酢酸(pH4)を緩衝剤として、30重量部のエタノール、5重量部のプロピレングリコール、2重量部のソルビン酸、2重量部のクエン酸、及び41重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例17】
【0181】
20重量部の酢酸(pH4)を緩衝剤として、30重量部のエタノール、5重量部の2,834Daの分子量を持つポリエチレングリコール、2重量部のクエン酸、2重量部のグリオキザール、及び41重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例18】
【0182】
20重量部の酢酸(pH4)を緩衝剤として、30重量部のエタノール、5重量部のポリプロピレングリコール1,854Daの分子量を持つ、2重量部のクエン酸、2重量部の安息香酸ナトリウム、及び41重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例19】
【0183】
20重量部の酢酸(pH4)を緩衝剤として、35重量部のプロパノール、10重量部のエチレングリコール、及び35重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例20】
【0184】
20重量部の酢酸(pH4)を緩衝剤として、35重量部のプロパノール、10重量部のエチレングリコール、2重量部のホルマリン、及び33重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例21】
【0185】
20重量部の酢酸(pH4)を緩衝剤として、35重量部のプロパノール、5重量部のグリセローム、2重量部のホルマリン、2重量部のカルシウムプロピオン酸、及び36重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例22】
【0186】
20重量部の酢酸(pH4)を緩衝剤として、35重量部のプロパノール、10重量部の2,834Daの分子量を持つポリエチレングリコール、2重量部のクエン酸、2重量部のアスコルビン酸、及び31重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例23】
【0187】
20重量部の酢酸(pH4)を緩衝剤として、35重量部のイソプロピルアルコール、10重量部のエチレングリコール、2重量部のソルビン酸、及び33重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例24】
【0188】
20重量部の酢酸(pH4)を緩衝剤として、35重量部のイソプロピルアルコール、10重量部のエチレングリコール、2重量部のソルビン酸、2重量部の安息香酸ナトリウム、及び31重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例25】
【0189】
20重量部の酢酸(pH4)を緩衝剤として、35重量部のイソプロピルアルコール、10重量部のプロピレングリコール、2重量部のソルビン酸、2重量部のグリオキザール、及び31重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例26】
【0190】
20重量部の酢酸(pH4)を緩衝剤として、35重量部のイソプロピルアルコール、5重量部のグリセローム、2重量部のグリオキザール、2重量部のクエン酸、及び36重量部の蒸気のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例27】
【0191】
20重量部の酢酸(pH4)を緩衝剤として、35重量部のイソプロピルアルコール、10重量部の2,834Daの分子量を持つポリエチレングリコール、2重量部のサリチル酸、2重量部のクエン酸、及び31重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例28】
【0192】
20重量部のリン酸(pH5)を緩衝剤として、20重量部のエタノール、10重量部のエチレングリコール、2重量部のホルマリン、及び48重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【実施例29】
【0193】
20重量部のリン酸(pH5)を緩衝剤として、30重量部のプロパノール、10重量部のエチレングリコール、2重量部のソルビン酸、2重量部のサリチル酸、及び36重量部の蒸留水のそれぞれを含有する細胞診用支持溶液を製造した。
【比較例1】
【0194】
95%エタノール溶液を使用した。
【比較例2】
【0195】
PBS(リン酸緩衝食塩水)溶液を使用した。
【0196】
図25は、本発明の一実施例の細胞診用支持溶液中で保存開始されている、初期状態で回収した、細胞を説明するための図である。図25を参照すると、本発明のブラシを用いて子宮頚部から回収可能な物質には、子宮頸部細胞、赤血球、及び他の粘膜物が含まれる。よって、子宮頸部細胞を除いた他の物質は、適切な方法によって除去されなければならない。この実施例では、必要な物質、すなわち子宮頸部細胞を除く他の物質を除去するために、前記細胞診用支持溶液を弱酸に維持した。つまり、前記ブラシや他ツールを用いて子宮頸部細胞を回収した際に前記ブラシや他ツールに固着された赤血球などの副産物の膜の弾性は低酸状態で破壊されるので、赤血球などの副産物は、本発明の細胞診用支持溶液中に溶解される。一方、従来の細胞診では、赤血球を除去するための別のプロセスが必要とされる。よって、本発明の細胞診用支持溶液は、従来の細胞診の上記欠点を解決するものである。
【0197】
本発明実施例における細胞診用支持溶液のそれぞれには、診断しようとする細胞の病理学的構造を固定するためのC2〜C4を含有するアルコールを含めた。さらに、前記細胞診用支持溶液のそれぞれには、細胞元の形状のままで観察できるように、保管された細胞がその後の各種検査中に乾燥することを防止するためのエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセローム、ポリエチレングリコール、またはポリプロピレングリコールなどの抗乾燥剤(保湿剤)を含めた。
【保存時間に従った形態的な診断検査】
【0198】
1. 検査目的
本発明の各種実施例に従って製造された細胞診用支持溶液中で回収される細胞の形態的な変化を細胞の保存時間に従って観察した。
それによって、前記実施例の細胞診用支持溶液の細胞保存能力を判断した。
【0199】
2. 検査方法
子宮頚部から回収した細胞を、本発明実施例の細胞診用支持溶液及び前記比較例の溶液中に室温で保存した。1週間、1ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、及び18ヶ月の経過後に、保存細胞を高分子フィルター膜に付着させ、前記高分子フィルター膜に付着させた細胞をガラスのスライドに移動した。前記ガラスのスライド上の細胞を95%エタノール溶液中に固定し、パパニコロー(pap)染色法で染色し、次いで顕微鏡3下で検討した。
【0200】
3. 検査結果
本発明実施例の細胞診用支持溶液中に保存した細胞は、約12〜18ヶ月間経過後ですら元の形状を維持したが、前記比較例の溶液中に保存した細胞は、元の形状を維持しなかったり、変形された形状を持つようになり、細胞学的検査は不可能となった。
【0201】
表1に上記検査結果を述べる。表1を参照すると、前記抗乾燥剤(保湿剤)の使用により細胞保存時間が延長されることが明らかである。
【0202】
図26は、本発明の一実施例の細胞診用支持溶液中に少なくとも18ヶ月間保存されている状態での細胞を説明するための図である。
【引火性試験】
【0203】
1. 検査目的
本発明実施例の細胞診用支持溶液が引火性であるかどうかを判断した。
【0204】
2. 検査方法
10ccの本発明実施例の細胞診用支持溶液と、10ccの前記比較例の溶液とをそれぞれの試験容器に入れ、ライターで点火した。
【0205】
3. 検査結果
前記比較例1の95%エタノール溶液は突如として点火されたが、前記実施例の細胞診用支持溶液と前記比較例2のPBS溶液とは点火しなかった。表1に上記引火性試験結果を述べる。表1を参照すると、本発明実施例の細胞診用支持溶液のアルコール含有量が少なく、非引火性であり、安全に使用できることは明らかである。
【赤血球除去率試験及び染色】
【0206】
1. 検査目的
回収した細胞に固着された赤血球が、本発明実施例の細胞診用支持溶液によって除去されるかどうかを判断し、さらに、本発明実施例の細胞診用支持溶液中に保存された細胞が染色されかどうかを観察した。
【0207】
2. 検査方法
(1)赤血球除去率試験
回収した子宮頸部細胞を有するブラシを、本発明実施例の細胞診用支持溶液を含有する容器の底部と、前記比較例の溶液を含有する容器の底部とに擦り付け、それによって前記ブラシに固着された子宮頸部細胞を前記各溶液に移動させた。約1日経過後、2ccの前記各溶液をそれぞれの前記容器から回収し、高分子フィルター膜に付着した。次いで、前記各溶液を前記高分子フィルター膜からガラスのスライドに移動し、染色し、次いで顕微鏡下で検討した。
【0208】
(2)染色
回収した子宮頸部細胞を有する前記ブラシを、本発明実施例の細胞診用支持溶液を含有する容器の底部と、前記比較例の溶液を含有する容器の底部とに擦り付け、それによって前記ブラシに固着された子宮頸部細胞を前記各溶液に移動させた。1ヶ月または1年経過後、前記支持溶液と、前記容器に含有された前記溶液を、高分子フィルター膜を用いてろ過することで、保存細胞が前記高分子フィルター膜に移動できるようにした。その後、細胞を前記高分子フィルター膜からガラスのスライドに移動した。前記ガラスのスライド上の細胞を95%エタノール溶液中に浸漬し、パパニコロー(pap)染色で染色してから、顕微鏡下で検討した。
【0209】
3. 検査結果
(1)赤血球除去率試験
図27は、前記比較例1の95%エタノール溶液中に保存される細胞の顕微鏡写真である。図27を参照すると、前記保存中、前記比較例の溶液1及び2中に保存された細胞からは赤血球が除去されなかった上に、その元の色、すなわち赤色、及びその元の形状、すなわち円盤形状が保たれているため、顕微鏡で子宮頸部細胞を観察することは不可能であった。
【0210】
図28は、本発明の一実施例の細胞診用支持溶液中に保存された細胞の1日経過後の顕微鏡写真である。
図28を参照すれば、前記実施例の支持溶液中に保存された細胞からは赤血球が除去され、顕微鏡で子宮頸部細胞を観察することが可能であった。本発明実施例の支持溶液中に保存された細胞の赤血球除去率は、約85〜95%であった。その詳細を表1に示した。
【0211】
(2)染色
図29及び図30は、本発明実施例の細胞の染色を説明する写真である。図29では、一実施例の細胞診用支持溶液中に1ヶ月間保存した子宮頸部細胞の染色を説明する。
この画像では、細胞は、明らかに観察され、該細胞の特性(たとえば正常細胞またはガン細胞)によって色分けされている。
【0212】
図30では、一実施例の細胞診用支持溶液中に1年間保存した子宮頸部細胞の染色を説明する。この画像では、細胞は、明らかに観察され、該細胞の特性によって色分けされている。よって、本発明実施例の支持溶液中に保存される細胞が、長時間経過後ですら正確に診断可能であることが明らかである。
図31は、一比較例の溶液中に保存された細胞の染色を説明する写真である。この画像では、細胞が変性かつ破壊されているか、または不明瞭な絡み合い状態であり、正確に診断することはできない。
【遺伝子分析可能性試験】
【0213】
1. 検討目的
本発明実施例の細胞診用支持溶液中に保存された子宮頸部細胞を増殖して、該細胞の遺伝子分析が可能であるかどうかを判断した。
【0214】
2. 検討方法
本発明実施例の細胞診用支持溶液中に保存された子宮頸部細胞を室温で少なくとも1ヶ月間保管し、約2ccの前記支持溶液を抽出した。
前記抽出支持溶液のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を25回または30回繰り返した後に、前記抽出支持溶液の電気泳動写真を撮影した。前記比較例2のPBS溶液中に保存された子宮頸部細胞を同一方法によって同一時間保管し、約2ccの前記PBS溶液を抽出した。前記抽出PBS溶液のポリメラーゼ連鎖反応を25回または30回繰り返した後に、前記抽出PBS溶液の電気泳動写真を撮影した。
【0215】
3. 検討結果
図32及び図33は、本発明実施例の細胞診用支持溶液中に保存された細胞の電気泳動写真である。
図32を参照すると、本発明実施例の細胞診用支持溶液中に保存される細胞の遺伝子分析は、別のプロセスを行うことなしに、前記ポリメラーゼ連鎖反応を何度か繰り返すことによって行うことができる。
【0216】
さらに、本発明実施例の細胞診用支持溶液中に室温で保存された細胞の遺伝子分析も行うことができる。細胞前記細胞診用支持溶液中に保存された遺伝子の分析率は約99.9%であった。(図32及び図33では、負のマークは負の対照(群)を示す)図33は、少なくとも1年間室温で本発明の一実施例の細胞診用支持溶液中に保存された細胞の電気泳動写真である。図33に示すように、本発明実施例の細胞診用支持溶液中に保存された細胞の遺伝子分析は、1年経過後ですら行うことができる。
【0217】
図34は、少なくとも1ヶ月間室温で本発明の一実施例の細胞診用支持溶液中と、一比較例のPBS溶液中とに保存された細胞の電気泳動写真である。図34を参照すると、1は、室温にて本発明実施例の細胞診用支持溶液中に保存された細胞の電気泳動結果を示し、2は、室温にて前記比較例のPBS溶液中に保存された細胞の電気泳動結果を示す。室温にて本発明実施例の細胞診用支持溶液中に保存された細胞の遺伝子分析は行うことができるが、室温にて前記比較例のPBS溶液中に保存された細胞の遺伝子分析は行うことができない。本発明実施例の細胞診用支持溶液が細胞を保存するために使用されると、たとえ細胞が室温で保管されても、細胞の遺伝子分析は可能である。よって、従来のPBS溶液と比較して、本発明実施例の細胞診用支持溶液は細胞の遺伝子分析を容易にする。
【0218】
本発明実施例の細胞診用支持溶液では、別のプロセスを行うことなしに、該支持溶液中に保存された細胞の遺伝子分析を実施できるので、本発明実施例の細胞診用支持溶液を利用することで、患者にその分析結果を迅速に通知することができ、室温で長期間保管されている細胞の遺伝子分析の実施を可能にし、それによって細胞保管コストが節減できる。
【0219】
<表1>

【産業上の利用可能性】
【0220】
本発明は、腫瘍スクリーニングシステム、液状細胞診(LBC)用コレクションバイアル、頸癌液状細胞診(LBC)用ブラシ、及び細胞診用支持溶液に適用するものである。
【0221】
本発明の好適な実施形態は例示的な目的で開示したものであって、当業者であれば、種々の変更、付加および代替を添付の特許請求の範囲で開示した本発明の範囲および真の趣旨から逸脱することなく行い得ることを理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0222】
本発明の上記およびその他の目的、特性及びその他の利点は下記の添付図面と併せた詳細な説明によってさらに明確に理解されるであろう。
【図1】本発明の好適な実施形態に係る溶液バイアルの分解斜視図である。
【図2】本発明の好適な実施形態に係る溶液バイアルの斜視図である。
【図3】ケーシング及びピストンのスナップ連結を説明するための、本発明の好適な実施形態に係る溶液バイアルの部分分解斜視図である。
【図4】本発明の好適な実施形態に係る溶液バイアルの部分分解斜視図である。
【図5】本発明に係る腫瘍スクリーニングシステムに用いたフィルター上部分の斜視図である。
【図6】本発明に係る腫瘍スクリーニングシステムに用いたフィルター構造を説明する概略斜視図である。
【図7】本発明に係る腫瘍スクリーニングシステムに用いたフィルター下部分の斜視図である。
【図8】本発明に係る2行型腫瘍スクリーニングシステムの斜視図である。
【図9】本発明に係る腫瘍スクリーニングシステムの混合溶液形成装置の概略側面図である。
【図10】図9の腫瘍スクリーニングシステムの部分拡大図である。
【図11】本発明に係る溶液バイアルのピストンの連結及び腫瘍スクリーニングシステムのピストン操作装置のシリンダーロッド端部を説明する部分断面図である。
【図12】本発明に係る腫瘍スクリーニングシステムの蓋開閉装置の概略縦断面である。
【図13】本発明に係る腫瘍スクリーニングシステムのスライド操作装置の部分側面図である。
【図14】本発明に係る腫瘍スクリーニングシステムの吸入装置の概略断面図である。
【図15】本発明に係る腫瘍スクリーニングシステムのピストン連結解除装置への連結を説明する概略正面図である。
【図16】本発明に係る腫瘍スクリーニングシステムのピストン連結解除装置への連結を説明する概略側面図である。
【図17】従来の溶液バイアル及び従来の腫瘍スクリーニングシステムを部分的に説明する概略図である。
【図18】は、本発明に係る液状細胞診(LBC)用ブラシの斜視図である。
【図19】図18の液状細胞診(LBC)用ブラシの分解斜視図である。
【図20】図18のIII−III線に沿った断面図である。
【図21】前記用ブラシ本発明に係る液状細胞診(LBC)の操作状態を説明するための断面図である。
【図22】前記用ブラシ本発明に係る液状細胞診(LBC)の操作状態を説明するための断面図である。
【図23】従来の細胞診を説明する概略図である。
【図24】従来の細胞診と液状細胞診(LBC)の精度を比較するための図である。
【図25】本発明の一実施例の細胞診用支持溶液中に保存開始されている初期状態での回収した細胞を説明するための図である。
【図26】本発明の一実施例の細胞診用支持溶液中に少なくとも18ヶ月間保存されている状態での細胞を説明するための図である。
【図27】一比較例の溶液中に保存された細胞の顕微鏡写真である。
【図28】本発明の一実施例の細胞診用支持溶液中に保存された細胞の顕微鏡写真である。
【図29】本発明実施例の細胞診用支持溶液中に保存された細胞の染色を説明する写真である。
【図30】本発明実施例の細胞診用支持溶液中に保存された細胞の染色を説明する写真である。
【図31】一比較例の溶液中に保存された細胞の染色を説明する写真である。
【図32】本発明実施例の細胞診用支持溶液中に保存された細胞の電気泳動写真である。
【図33】本発明実施例の細胞診用支持溶液中に保存された細胞の電気泳動写真である。
【図34】本発明の一実施例の細胞診用支持溶液中に室温で保存された細胞と、一比較例の溶液中に室温で保存された細胞の電気泳動写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイアル操作装置であり、そのそれぞれが、その中に取り付けられたピストンを有する溶液バイアルを固定するための固定装置と、前記溶液バイアルに接続されているフィルターに向かって前記溶液バイアルを直線的に移動させるためのシリンダー装置(器具)を含むことを特徴とする溶液バイアル操作装置と、
ピストン操作装置であり、そのそれぞれが、その対応する溶液バイアル操作装置に固定されたシリンダーと、ピストンを直線的に移動させるために前記シリンダー上に取り付けられ、前記溶液バイアルのピストンの一部分に固定されたシリンダーロッドと、を含むことを特徴とするピストン操作装置と、
吸入装置であり、そのそれぞれが、その対応する溶液バイアル操作装置下に配置され、前記フィルターに連結された連結部分と、前記溶液バイアルを充填する溶液を誘導するために前記連結部分に連結されたチューブと、前記チューブの内部空間に連結された吸入装置(器具)と、を含むことを特徴とする吸入装置と、を含む腫瘍スクリーニングシステム。
【請求項2】
スライドがマウントされるスライドマウント部分と、その対応する吸入装置(器具)に連結された前記スライドと前記フィルターとの間の接触を達成するために前記スライドマウント部分を移動するための移動装置(器具)を含むことを特徴とするスライド操作装置をさらに含む請求項1に記載の前記腫瘍スクリーニングシステム。
【請求項3】
アルコールを受け入れるためのアルコール受入装置をさらに含む請求項2に記載の腫瘍スクリーニングシステムであって、前記スライド操作装置のそれぞれが前記スライドを対応するアルコール受入装置に落下させるためのスライド落下装置をさらに含むことを特徴とする腫瘍スクリーニングシステム。
【請求項4】
前記フィルターを前記溶液バイアル下の位置に移動するための移動装置と、前記フィルターを固定するための固定装置とを含むフィルター操作装置をさらに含む請求項1に記載の腫瘍スクリーニングシステム。
【請求項5】
前記溶液バイアルが連結される連結部分と、前記連結部分を回転するための回転部分とを含む混合溶液形成装置をさらに含む請求項1に記載の腫瘍スクリーニングシステム。
【請求項6】
対応する溶液バイアル操作装置及び対応する吸入装置間の位置に接近する移動部分と、前記移動部分上に取り付けられ、対応する溶液バイアル上に取り付けられた蓋に連結され、回転される回転装置(器具)を含む蓋開閉装置をさらに含む請求項1に記載の腫瘍スクリーニングシステム。
【請求項7】
前記溶液バイアル内のピストンがその中に形成された溝を有し、前記溶液バイアルの2枚の対向する可撓性シート上に形成された突出部にスナップ接続され、前記ピストンが前記溶液バイアルの指定位置に固定されるようになっているピストンロッドと、テーパー突出部を含むことで、前記2枚の可撓性シートが前記突出部間の空間に挿入され、かつ、前記システムの片側に固定できるようになっており、前記突出部の上に取り付けられたシリンダーを含むことで、前記シリンダーが前記突出部から指定間隔分だけ分離できるようになっており、前記シリンダーに挿出入されるシリンダーロッドを含むピストン連結解除装置とを含むことを特徴とする請求項1に記載の腫瘍スクリーニングシステム。
【請求項8】
その内面の一端に形成され、内部空間及びその内面の他端に貫通形成された開口部を形成するピストンガイドスリットを含むケーシングと、
前記ケーシングに連結され、貫通穴及び前記貫通穴の指定位置に設置されたガーゼフィルムを含むガーゼフィルム設置装置と、
前記ケーシングの内面に接触する接触部分と、前記接触部分から一方向に延長され、前記ピストンガイドスリット挿入されたロッド部分と、を含むピストンと、
前記ガーゼフィルム設置装置を一方向に開閉するための前記ガーゼフィルム設置装置に着脱可能に連結された蓋と、を含む溶液バイアル。
【請求項9】
インペラが、前記ピストンの接触部分から前記ケーシングの内部空間に向かって突出することを特徴とする請求項8に記載の溶液バイアル。
【請求項10】
前記溶液バイアル内に受け入れた溶液を攪拌するための攪拌用突出部が周方向に前記ケーシングの内面上に形成されることを特徴とする請求項8に記載の溶液バイアル。
【請求項11】
前記ピストンガイドスリットが、弾性的に変形された一対の平面及び互いに向き合う方向に前記平面上に形成されたピストン支持用突出部を含み、
また、前記ピストン支持用突出部が挿入される溝が、前記ピストンのロッド部分に形成されることを特徴とする請求項8に記載の溶液バイアル。
【請求項12】
フィルターの回収フィルムを囲むフランジに連結されたフィルター接続フランジが、前記ガーゼ設置装置上に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の溶液バイアル。
【請求項13】
前記ガーゼフィルム設置装置が、ねじによって前記ケーシングに連結され、かつ保持用突出部が前記ガーゼフィルム設置装置の外周面上に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の溶液バイアル。
【請求項14】
女性の子宮頚部細胞回収するために用いられ、その一端に形成された突起部を有し、その中に内部摺動空間を形成する挿入部分を含む保持装置を含む前記液状細胞診(LBC)用ブラシとであって、その中に
複数の回収用突出部、第1フックラッチ部分と、第2フックラッチ部分を含む第1回収装置と、
前記保持装置の長手方向に第1回収装置から延長され、前記保持装置の長手方向に弾性的に膨張・収縮する第2回収装置と、
前記保持装置に近接して第2回収装置の一端と一体的に形成された第1連結装置と、を含む細胞回収用部材と、
前記保持装置の突起部と係止/係止解除し、前記保持装置に着脱可能に連結されたようになっている第2連結装置と、
第1回収装置の第1フックラッチ部分に係止された第1フックと、
第2連結装置及び第1フックを連結するための連結部材と、
移動可能部材であり、その一端に前記細胞回収用部材に近接して形成され、第2フックラッチ部分と係止/係止解除する第2フックを含み、前記保持装置に取り付けられることで、第2フックが第2フックラッチ部分に係止するという条件下で、第2回収装置の収縮に起因する第1回収装置の第1連結装置への接近に応じて、前記移動可能部材が第1係止位置(第2フックが第2フックラッチ部分に係止する位置)から第2係止位置(第1フックが第1フックラッチ部分に係止する位置)に摺動できるようになっていることを特徴とする移動可能部材と、を含む着脱可能内部部材と、を含むブラシ。
【請求項15】
前記着脱可能内部部材の第2連結装置が貫通穴を有することで、前記移動可能部材が前記保持装置の長手方向に前記貫通穴を通過できるようになっている略円筒状構造を持ち、
また、前記着脱可能内部部材の連結部材が、略V型ビーム構造を持ち、その両端が第2連結装置に連結され、第1フックが第1フックラッチ部分に向かって前記V型ビーム構造の連結部材の谷部分に形成されることを特徴とする請求項14に記載のブラシ。
【請求項16】
第2回収装置が、前記保持装置の長手方向軸を中心に周方向に沿って指定間隔分だけ互いから分離されており、第1回収装置と第1連結装置とを連結する複数の回収用コームが含まれており、
また、前記回収用コームが、弾性的に屈曲され、前記保持装置の長手方向軸の外側に向かって急速に収縮し、前記移動可能部材を第1係止位置から第2係止位置に摺動させることによって、第1回収装置を第1連結装置に接近させることができるようになっていることを特徴とする請求項15に記載のブラシ。
【請求項17】
前記移動可能部材の第1及び第2係止位置にて前記着脱可能内部部材の第2連結装置が挿入される挿入穴が、前記細胞回収用部材の第1連結装置に貫通形成されていることを特徴とする請求項16に記載のブラシ。
【請求項18】
第1ガイドリブが、第1連結装置の挿入穴の内壁と第2連結装置の外側壁のうちの1つから前記保持装置の長手方向に突出されており、
かつ、第2連結装置が第1連結装置の挿入穴に挿入されるときに、第1ガイド溝を誘導するための第1ガイドリブが、第1連結装置の挿入穴の内壁と第2連結装置の外側壁のうちの1つに形成されることを特徴とする請求項17に記載のブラシ。
【請求項19】
略V型ビーム形状を作り出す延長分岐が、前記細胞回収用部材に近接して、前記移動可能部材の端部に形成され、
かつ、第2フックが、それぞれ前記延長分岐の両端からその反対端に向かって突出されていることを特徴とする請求項15に記載のブラシ。
【請求項20】
第2ガイドリブが、前記着脱可能内部部材の第2連結装置の内壁上に前記保持装置の長手方向に形成され、
かつ、前記保持装置の挿入部分が前記着脱可能内部部材の第2連結装置に挿入されるときに第2ガイドリブの摺動を誘導するための第2ガイド溝と、前記移動可能部材の延長分岐の摺動を前記保持装置の長手方向に誘導するための第3ガイド溝とが前記保持装置の挿入部分に形成されることを特徴とする請求項19に記載のブラシ。
【請求項21】
前記移動可能部材の第2係止位置にて、前記移動可能部材の第2フックが、前記細胞回収用部材の第2フックラッチ部分から解除され、前記着脱可能内部部材の第2連結装置の貫通穴を通過し(前記細胞回収用部材に近接するその端部から保持装置に近接するその端部へ)、それによって前記移動可能部材が前記保持装置の摺動空間内の係止解除位置へ摺動自在に移動することができることを特徴とする請求項14〜20のいずれか一項に記載のブラシ。
【請求項22】
移動可能部材が前記係止解除位置から前記細胞回収用部材に移動するとき、前記着脱可能内部部材の第2連結装置の(前記保持装置に近接する)端部を押圧するための押圧部分が、前記移動可能部材の延長分岐の端部上に形成され、
かつ、前記押圧部分が少なくとも指定強度の力で第1連結装置を押圧するとき、前記保持装置の突起部が、前記着脱可能内部部材の第2連結装置から解除され、それによって、前記細胞回収用部材に連結されている前記着脱可能内部部材を前記保持装置から分離されることを特徴とする請求項21に記載のブラシ。
【請求項23】
前記延長分岐が相互接近を可能にする第3ガイド溝の内壁に接触する傾斜平面が、前記延長分岐の側面の少なくとも一部分上に形成され、前記移動可能部材が第2係止位置から前記係止解除位置に摺動するとき、前記延長分岐が相互接近し、前記延長分岐の端部が前記着脱可能内部部材の貫通穴を容易に通過できるようになっていることを特徴とする請求項22に記載のブラシ。
【請求項24】
前記着脱可能内部部材が、第2係止位置での第2回収装置の弾性力のために、第1連結装置が前記保持装置に後退することを防止するための第2連結装置から外向きに延長されたバッフルフランジをさらに含むことを特徴とする請求項21に記載のブラシ。
【請求項25】
前記支持溶液の酸性度を指定pH領域内に維持するための緩衝剤と、
アルコールと、その後の検査中に細胞の乾燥を防止するための抗乾燥剤(保湿剤)を含む細胞診用支持溶液。
【請求項26】
前記緩衝剤がる前記支持溶液の酸性度をpH2〜6.5に維持することを特徴とする請求項25に記載の支持溶液。
【請求項27】
前記緩衝剤が乳酸酸、クエン酸、及びリン酸からなるグループから選択されるものであることを特徴とする請求項26に記載の支持溶液。
【請求項28】
前記緩衝剤が10〜40重量部の量を持つことを特徴とする請求項25に記載の支持溶液。
【請求項29】
前記アルコールが、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、及びペンタノールからなるグループから選択されるものであることを特徴とする請求項25に記載の支持溶液。
【請求項30】
前記アルコールがエタノール、プロパノール、及びイソプロピルアルコールからなるグループから選択されるものであることを特徴とする請求項25に記載の支持溶液。
【請求項31】
前記アルコールが5〜40重量部の量を持つことを特徴とする請求項25に記載の支持溶液。
【請求項32】
前記アルコールが10〜35重量部の量を持つことを特徴とする請求項31に記載の支持溶液。
【請求項33】
前記抗乾燥剤(保湿剤)が多価アルコールアルコールであることを特徴とする請求項25に記載の支持溶液。
【請求項34】
前記多価アルコールアルコールがエチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセロームからなるグループから選択されるものであることを特徴とする請求項33に記載の支持溶液。
【請求項35】
前記抗乾燥剤(保湿剤)がポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールであることを特徴とする請求項25に記載の支持溶液。
【請求項36】
ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールが100〜100,000Daの分子量を持つことを特徴とする請求項35に記載の支持溶液。
【請求項37】
前記抗乾燥剤(保湿剤)が0.1〜30重量部の量を持つことを特徴とする請求項25に記載の支持溶液。
【請求項38】
前記抗乾燥剤(保湿剤)が0.1〜15重量部の量を持つことを特徴とする請求項37に記載の支持溶液。
【請求項39】
防腐剤をさらに含む請求項25に記載の支持溶液。
【請求項40】
前記防腐剤が、アスコルビン酸、ソルビン酸、クエン酸、サリチル酸、安息香酸ナトリウム、ホルマリン、グリオキザール、及びカルシウムプロピオン酸からなるグループから選択される少なくとも1つのものを含むことを特徴とする請求項39に記載の支持溶液。
【請求項41】
前記防腐剤が0.1〜20重量部の量を持つことを特徴とする請求項39に記載の支持溶液。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公表番号】特表2008−534005(P2008−534005A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503940(P2008−503940)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【国際出願番号】PCT/KR2006/001124
【国際公開番号】WO2006/104333
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(507318428)メディメックス カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】