説明

腫瘍画像化のためのアミノ酸アナログ

【課題】従来技術における課題を解決するための、生物学的系に特異的に結合し、そして
ポジトロンエミッション断層撮影(PET)およびシングルフォトンエミッション(SPECT)
画像化法のために使用される化合物の提供。
【解決手段】脳腫瘍および身体の腫瘍を検出し、そして評価する際に使用される新規のア
ミノ酸化合物であって、1-アミノシクロアルキル-1-カルボン酸の有利な特性(すなわち
、それらの迅速な取り込みおよび腫瘍中での長い保持)と、ハロゲン置換基(これは、特
定の有用なハロゲン同位体(フッ素-18、ヨウ素-123、ヨウ素-125、ヨウ素-131、臭素-75
、臭素-76、臭素-77、臭素-82、アスタチン-210、アスタチン-211およびその他のアスタ
チン同位体を含む)を含む)の特性とを結びつける、化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
エネルギー省補助金No.DE-FG05-93ER61737により提供された部分的サポートに基づき、
米国政府は本発明に関して一定の権利を有する。
【0002】
発明の分野
本発明は、生物学的系に特異的に結合し、そしてポジトロンエミッション断層撮影(PE
T)およびシングルフォトンエミッション(SPECT)画像化法のために使用され得る、新規
な化合物(chemical compound)を含む。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
アナログ化合物が体内に局在化したリガンドに結合する能力は、原理的には、PET、SPE
CTおよび同様の画像化方法により、リガンドのインサイチュ画像化のためにこのような化
合物を用いることを可能にする。原理的には、結合が生じる限り、リガンドの性質につい
て知る必要はない。このような結合は、問題の細胞、器官、組織またはレセプターのクラ
スに対して特異的である。PET画像化は、ポジトロンをエミットする同位体で標識された
トレーサー化合物の補助により達成される(Goodman, M.M. Clinical Positoron Emi
ssion Tomography, Mosby Yearbook, 1992, K.F. Hubnerら, 第14章)。ほとんどの生体物質(biological material)に適切な同位体はほとんどない。炭素同位体([11
C])がPETにおいて使用されるが、その短い半減期(20.5分)が、迅速に合成および精製され得る化合物、およびサイクロトロン(ここで、前駆体[11C]出発物質が生成される)に近接させることの容易さにその有用性が限定される。他の同位体はさらに短い半減期を有する。[13N]の半減期は10分であり、[15O]の半減期はさらに短く2分である。これら両方のエミッションは、[11C]のエミッションよりエネルギーが高い。それにもかかわらず、PET研究は、これらの同位体を用いて行われている(Clinical Positoron Emission Tomography, Mosby Year book, 1992, K.F. Hubnerら, 第2章において、Hubner, K.F.)。より有用な同位体([18F])は、110分の半減期を有する。これは、放射性標識トレーサーへの組込み、精製、およびヒトまたは動物の被検体への投与に対して十分な時間である。さらに、半径約200マイルまでサイクロトロンから離れることの容易さにより、[18F]標識された化合物を使用し得る。[18F]の不利な点は、フッ素化アナログ(これは、天然の生体物質と等価な機能性を有する)の関連する欠乏、およびサイクロトロン中で発生する出発物質を効率的に利用する合成方法の設計の困難さである。このような出発物質は、フッ化物イオンまたはフッ素ガスのいずれかであり得る。後者の場合は、二分子気体の1つのみのフッ素原子が実際に放射性核であり、従って、この気体は、18F-Fと呼ばれる。出発物質として18F-Fを用いる反応により、出発物質としてK18Fを用い
る反応の過剰な放射性核の2分の1のみを有する生成物を生じる。一方では、[18F]は、
高い比活性で放射性薬学的化合物へ組み込むためのフッ素イオンとしてキュリー量で調製
され得る(理論的には、キャリア不在の求核置換反応を用いて1.7 Ci/nmol)。[18F]の
エネルギーエミッションは0.635MeVであり、その結果、比較的短い(組織中において2.4mm平均のポジトロン範囲)、高分解能PET画像を許容する。
【0004】
SPECT画像化は、高エネルギーフォトン(γ-エミッタ)をエミットする同位体トレーサ
ーを使用する。有用な同位体の範囲は、PETよりも広いが、SPECTは、より低い3次元分解能を提供する。それにもかかわらず、SPECTは、アナログの結合、局在化およびクリアランス速度について臨床的に重要な情報を得るために広く使用される。SPECT画像化のための有用な同位体は、[123I](13.3時間の半減期を有するγ-エミッタ)である。[123I]
で標識される化合物は、製造位置から約1000マイルまで運ばれるか、または同位体自身がオンサイト合成(on-site synthesis)のために輸送され得る。85パーセントの同位体のエミッションは、159KeVのフォトンである。これは、現在では、使用時にSPETC機器により容易に測定される。
【0005】
PETにおける[18F]標識された化合物の使用は、いくつかのアナログ化合物に限定され
ている。最も顕著には、[18F]-フルオロデオキシグルコースが、グルコース代謝、およ
び脳の活性に関連するグルコース取り込みの局在化の研究において広く使用されている。
[18F]-L-フルオロドーパおよび他のドーパミンレセプターアナログもまた、ドーパミン
レセプター分布をマッピングするのに使用されている。
【0006】
他のハロゲン同位体は、PETまたはSPECT画像化のために、あるいは従来のトレーサー標識化のために役立ち得る。これらには、使用可能な半減期およびエミッション特性を有するものとして、75Br、76Br、77Brおよび82Brが含まれる。一般的には、化学的手
段(chemical meanes)は、上記の同位体を任意のハロゲン部分で置換するために存在す
る。従って、上記の化合物の任意のハロゲン化ホモログの生化学的活性または生理学的活
性は、現在では、当業者による使用において利用可能である。これらには、安定な同位体
ハロゲンホモログが含まれる。アスタチンは、他のハロゲン同位体で置換され得る。例え
ば、[210At]は、α粒子(半減期8.3時間)をエミットする。他の同位体もまた、かなり
有用な半減期を有するα粒子をエミットする。従って、At-置換化合物は、腫瘍治療の
ために有用であり、ここで、結合は十分に腫瘍特異性である。
【0007】
数多くの研究は、悪性腫瘍細胞への炭水化物およびアミノ酸の増加した組み込みを示し
ている。この蓄積は、このような細胞の加速的な増殖およびタンパク質合成に関連する。
グルコースアナログである、[18F]-2-フルオロ-2-デオキシ-D-グルコース(2-FDG)は、
かなり悪性な脳腫瘍を、正常な脳組織または良性の増殖から区別するために使用されてい
る(DiChiro, G.ら, (1982) Neurology (NY) 32:1323-1329)。しかし、フッ素-18
標識された2-FDGは、低いグレードの脳腫瘍を検出するのに選択される薬剤ではない。な
ぜなら、正常な組織における高い取り込みにより、腫瘍の存在が覆い隠され得るからであ
る。さらに、フッ素-18標識された2-FDGは、肺腫瘍を感染組織から区別するための、または卵巣ガンを検出するための理想的な放射性医薬品ではない。なぜなら、それぞれ感染組織中および膀胱中において2-FDG放射能が高度に取り込まれるためである。炭素-11で標識された、天然のアミノ酸であるメチオニンもまた、悪性組織を正常組織から区別するために使用されている。しかし、これもまた、正常組織における取り込みが比較的高い。さらに、炭素-11の半減期は、わずか20分であるので、[11C]メチオニンは、長期間保存され得ない。
【0008】
J. Nucl. Med. 20:1055-1061(1979)にて公表された論文名「1-Aminocyclobutane[11
C]carboxylic Acid, a Potential Tumor-Seeking Agent」(L.C. Washburnら)で
は、炭素-14または炭素-11で標識された1-アミノシクロブタンカルボン酸(ACBC)(これは、非天然の脂環式α-アミノ酸である)が、動物中のいくつかの腫瘍タイプにより優先的に組み込まれたことを報告した。ACBCは、正常な脳組織においてわずかに観測可能に取り込まれた脳内での、転移性の病変におけるタンパク質合成のための選択的な基質であることが示されている。
【0009】
1-アミノ-1-シクロブタンカルボン酸もまた、選択的かつ強力な、興奮性アミノ酸レセ
プターサブタイプN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)に対するリガンドおよびアンタゴ
ニストである(特にストリキニーネ非感受性グリシン認識部位)。NMDAレセプターは、CN
S障害(例えば、てんかん、脳卒中、ハンチントン病、アルツハイマー病、および精神分
裂病)に関係している。
【0010】
【化1C】

【0011】
は、前駆体として[11C]-シアニドを用いて[11C]で標識するのに適切である(Radiophar
maceuticals II: Proceeding 2nd International Symposium on Radiopharmaceut
icals(1979年3月19日〜22日、Seattle, Washington)において、Washburn, L.C.ら)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)以下の一般構造を有するアミノ酸アナログ:
【0013】
【化1】

【0014】
ここで、
は、X、X-CH=CH-、RまたはRであり、
は、H、あるいはR(RがRである場合)またはR(RがRである場合
)であり、
【0015】
【化2】

【0016】
ここで、
aは、1、2または3であり;
bは、0、1または2であり;
xは、0または1であり;
yは、1または2であり;
zは、1、2、3または4であるが、yが2である場合にはzはyより大きい;
qは、nが1でありかつjが0である場合には、1または0であり;
nは、1または2であるが、mが0である場合には、0である;
mは、0または1であり;
jは、0または1であり;
Xは、F、18F、I、123I、125I、131I、Br、75Br、76Br、77Br、82Brま
たはAtであり;そして
zは、以下である:
【0017】
【化3】

【0018】
(2)RおよびRが、Rである、項目1に記載の化合物。
(3)項目1に記載の環状化合物であって、ここで:
xが0であり;
yが1であり;
zが2であり;
qが1であり;
mが0であり;そして
jが0である、
化合物。
(4)Xが、F、18F、Iまたは123Iである、項目3に記載の化合物。
(5)Xが18Fである、項目3に記載の化合物。
(6)RおよびRが、Rでない、項目1に記載の化合物。
(7)Xが、Fまたは18Fである、項目6に記載の化合物。
(8)項目1に記載の化合物であって、ここで:
およびRが、Rであり;
xが、0または1であり;
yが2であり;
zが4であり;
qが1であり;
mおよびjがそれぞれ0であり;そして
Xが、F、18F、Iまたは123Iである、
化合物。
(9)項目8に記載の化合物であって、ここで:
xが1であり;
Xが18Fである、
化合物。
(10)xが0であり、かつXが123Iである、項目8に記載の化合物。
(11)xが1であり、かつXが18Fである、項目8に記載の化合物。
(12)項目1に記載の化合物であって、ここで:
およびRが、Rであり;
xが0であり;
yが1であり;
zが2であり;
qが0であり;
mが1であり;
nが1であり;
jが0であり;そして
Xが、F、18F、Iまたは123Iである、
化合物。
(13)項目1に記載の化合物であって、ここで:
およびRが、Rであり;
xが1であり;
yが1であり;
zが1であり;
qが0であり;
mおよびjが0であり;そして
Xが、F、18F、Iまたは123Iである、
化合物。
(14)Xが123Iである、項目13に記載の化合物。
(15)項目1に記載の化合物であって、ここで:
およびRが、Rであり;
xが0であり;
yが1であり;
zが2であり;
qが1であり;
mが1であり;
nが1であり;
jが1であり;そして
Xが、F、18F、Iまたは123Iである、
化合物。
(16)Xが123Iである、項目15に記載の化合物。
(17)項目1に記載の化合物であって、ここで:
およびRが、Rであり;
xが0であり;
yが1であり;
zが2であり;
qが0であり;
mが0であり;
jが1であり;そして
Xが、F、18F、Iまたは123Iである、
化合物。
(18)Xが123Iである、項目17に記載の化合物。
(19)項目1に記載の化合物であって、ここで:
が、X-CH=CH-であり;
が、Hであり;
yが1であり;そして
zが2である、
化合物。
(20)Xが123Iである、項目19に記載の化合物。
(21)項目1に記載の化合物であって、ここで:
およびRが、Rであり;
xが、0または1であり;
yが2であり;
zが4であり;
qが1であり;
mが1であり;
nが1であり;
jが1であり;そして
Xが、F、18F、Iまたは123Iである、
化合物。
(22)Xが18Fである、項目21に記載の化合物。
(23)Xが123Iである、項目21に記載の化合物。
(24)項目1に記載の化合物であって、ここで:
およびRが、Rであり;
xが、0または1であり;
yが2であり;
zが4であり;
qが0であり;
mが0であり;
jが1であり;そして
Xが、F、18F、Iまたは123Iである、
化合物。
(25)Xが18Fである、項目24に記載の化合物。
(26)Xが123Iである、項目24に記載の化合物。
(27)RがRである、項目1に記載の化合物。
(28)Zが、
【0019】
【化4】

【0020】
である、項目27に記載の化合物。
(29)aが、1、2、または3であり、かつbが0である、項目28に記載の化合物。
(30)aが、1、2、または3であり、かつbが1である、項目28に記載の化合物。
(31)aが、1、2、または3であり、かつbが2である、項目28に記載の化合物。
(32)Zが、
【0021】
【化5】

【0022】
である、項目28に記載の化合物。
(33)aが、1、2、または3であり、かつbが0である、項目32に記載の化合物。
(34)aが、1、2、または3であり、かつbが1である、項目32に記載の化合物。
(35)aが、1、2、または3であり、かつbが2である、項目32に記載の化合物。
(36)Zが、
【0023】
【化6】

【0024】
である、項目28に記載の化合物。
(37)aが、1、2、または3であり、かつbが0である、項目36に記載の化合物。
(38)aが、1、2、または3であり、かつbが1である、項目36に記載の化合物。
(39)aが、1、2、または3であり、かつbが2である、項目36に記載の化合物。
(40)ポジトロンエミッション断層撮影またはシングルフォトンエミッション断層撮影
により、インサイチュで腫瘍を画像化する方法であって、
腫瘍があると疑われる被験者に、画像生成量の項目1に記載の化合物を投与する工程;
および
ポジトロンエミッション断層撮影またはシングルフォトンエミッション断層撮影により、
該被験者中の該化合物の分布を測定する工程、
を包含する、方法。
【0025】
発明の要旨
本発明は、脳腫瘍および身体の腫瘍を検出し、そして評価する際に使用される新規のア
ミノ酸化合物を提供する。これらの化合物は、1-アミノシクロアルキル-1-カルボン酸の
有利な特性(すなわち、それらの迅速な取り込みおよび腫瘍中での長い保持)と、ハロゲ
ン置換基(これは、特定の有用なハロゲン同位体(フッ素-18、ヨウ素-123、ヨウ素-125
、ヨウ素-131、臭素-75、臭素-76、臭素-77、臭素-82、アスタチン-210、アスタチン-211
およびその他のアスタチン同位体を含む)を含む)の特性とを結びつける。
【0026】
1つの局面において、本発明は、被験者にインビボで投与された場合に標的部位に対し
て高い特異性を有するアミノ酸化合物を特徴とする。好ましいアミノ酸化合物は、標的化
と非標的化との比が少なくとも5:1を示し、インビボで安定であり、そして投与後1時
間まで標的に実質的に局在化する。特に好ましいアミノ酸化合物は、[18F]-1-アミノ-3-
フルオロシクロブタン-1-カルボン酸(FACBC)である。
【0027】
別の局面では、本発明は、4員、5員または6員のいずれかの炭素鎖環に結合するα-
アミノ酸部分から構成される薬学的組成物を特徴とする。さらに、本発明は、α-アミノ
イソ酪酸のアナログを特徴とする。
【0028】
さらなる局面では、本発明は、画像化剤をさらに含有するアミノ酸化合物、および被験
者における腫瘍を検出し、そして/またはモニタリングする際におけるこれらの化合物の
使用を特徴とする。1つの実施態様では、アミノ酸化合物画像化剤は、インビボで投与さ
れ、そしてその標識に対して適切な手段を用いてモニターされる。アミノ酸化合物画像化
剤をインビボで検出し、そして/またはモニタリングするための好ましい方法として、ポ
ジトロンエミッション断層撮影(PET)およびシングルフォトンエミッションコンピュー
ター断層撮影法(SPECT)が挙げられる。
【0029】
本発明の化合物は以下のものを含む:スキーム1に示されるような、フッ素、臭素また
はヨウ素で置換されたシクロブチルアミノ酸、シクロペンチルアミノ酸、シクロヘキシル
アミノ酸;あるいは、スキーム2に示されるような、1つを不飽和にしたその環状ホモロ
グ;あるいは、スキーム3に示されるような、メチレニルフッ素またはヨウ素で置換され
たアナログ;あるいは、スキーム4に示されるような、フッ素またはヨウ素で置換された
イソブチルアミノ酸。スキーム1〜3の置換環状化合物は、以下の一般式に属する:
【0030】
【化7】

【0031】
ここで、
は、X、X-CH=CH-またはRであり、
は、H、またはR(RがRである場合)であり、
【0032】
【化8】

【0033】
ここで、
xは、0または1であり;
yは、1または2であり;
zは、1、2、3または4であるが、yが2である場合にはzはyより大きい;
qは、nが1でありかつjが0である場合には、1または0であり;
nは、1または2であるが、mが0である場合には、0である;
mは、0または1であり;
jは、0または1であり;そして
Xは、F、18F、I、123I、125I、131I、Br、75Br、76Br、77Br、82Brま
たはAtである。
【0034】
本発明の、非環状であるが立体的に類似の化合物は、スキーム4に示されるような以下
の一般式を有する。
【0035】
【化9】

【0036】
ここで、
は、XまたはX-CH=CH-であり;そして
Xは、I、131I、123I、125I、F、18F、Br、75Br、76Br、77Br、82Brま
たはAtである。
【0037】
本発明の化合物は、腫瘍結合剤として、およびNMDAレセプター結合リガンドとして有用であり、そして放射性同位体形態では、腫瘍画像化技術(PETおよびSPECT画像化を含む)におけるトレーサー化合物として特に有用である。XがAtである場合、これらの化合物は、放射線治療に対する有用性を有する。短命の同位体の有効寿命(useful lifetime)を最大にし、そして収率および純度を最大にする化合物を合成するために、記載されるように、特別の非標準的な経路を考案しなければならなかった。
【0038】
本発明の化合物は、テクネチウムで標識され得る。テクネチウム-99mは、SPECT画像化
における有用な放射性核であることが知られている。本発明の環状アミノ酸は、飽和され
得るかまたは二重結合もしくは三重結合を有する、4〜6個の炭素の鎖を介してTc-99m金属クラスターに連結される。Tc-99m金属クラスターは、例えば、アルキルチオラト錯体、
サイテクトレン(cytectrene)、またはヒドラジノニコチンアミド錯体(HYNIC)であり
得る。架橋構造は、前記のダイアグラムにおけるR(Rを置換する)であり得る(こ
こで、Rは、Z-(CH2)a-CHb-CHb-CHb-CH<(ここで、aは、1、2または3であり;b
は0、1または2であり;そしてZは、アルキルチオラト-Te錯体、Tc-サイテクトレンま
たはTc-HYNIC錯体である)である)。
【0039】
【化10】

【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の化合物は、悪性腫瘍を有する身体の領域、特に脳の腫瘍に対する、実質的に改
良されたPET画像化を提供する。生物学的に活性な化合物に取り込まれ得る全ての入手可
能な陽電子放射性同位体は、短い半減期を有する。従って、そのようなラベル化合物の実
用性は、ラベル化合物が合成される迅速さの程度、合成の収量、および最終生成物の放射
化学的純度に依存する。同位元素の供給源、サイクロトロン施設から、PET画像化が行わ
れる病院または研究室までの輸送時間でさえ、限られている。有用な距離の概算は、半減
期1分につき約2マイルである。従って、20.5分の半減期を有する[11C]は、供給源から
半径約40マイルに制限されるが、[18F]でラベルされた化合物は、半径約200マイルの範囲内で使用され得る。[18F]ラベル化合物のさらなる要件は、結合を意図されるレセプター
または標的分子に対して結合特異性を有すること、他の標的への非特異的結合が標的と非
標的との結合の区別を可能にするに十分なほど低いこと、およびラベルが試験条件下で安
定であって試験環境中の他の物質との交換が回避されることである。特に、本発明の化合
物は、同等の度合で他の組織または細胞と結合することなく、所望の標的と適切に結合し
なければならない。さらに、フッ素、ヨウ素、または臭素ラベルは、変化が容易または不
安定であってはならず、これは有意の量が例えば骨または甲状腺、または他の非標的組織
にそれぞれ現れるためである。
【0041】
PET画像化に対する厳格な要求の部分的な解決策は、SPECT画像化においてγ-放射性同
位体を用いることである。[123I]はSPECTのための同位体マーカーとして一般に用いられ
、合成地から1000マイルを越える有用な範囲が得られる13時間の半減期を有する。本発明の化合物は、PET画像化の代わりとしてのSPECT分析における使用のために、迅速にかつ効率的に[123I]でラベルされ得る。さらに、同一の化合物がいずれの同位体を用いてもラベルされ得るという事実により、同一のトレーサーを用いるPETおよびSPECTにより得られた結果を比較することが初めて可能である。
【0042】
本発明の化合物、[18F]-1-アミノ-3-フルオロ-シクロブタン-1-カルボン酸(FACBC)の
インビボ分布を、移植された神経膠肉腫を有するラットにおいて測定した。様々な組織に
おける蓄積を、投与後5分および60分の時点で測定した。化合物が早くも投与後5分の時点で腫瘍組織と優先的に結合することが即座に確かめられ、他の組織では比較的取り込みが少なかった。60分後、悪性でない脳組織に対する腫瘍の取り込みレベルの増加が観察され、他の組織ではさらなる取り込みは非常に少なかった。骨による取り込みは60分間の曝露にわたって実質的に一定であり、有意のインビボ脱フッ素化に対する2-シクロブチル基の安定性を示した。腫瘍の取り込みは、60分の時点で組織の総注射用量(グラム)の1.72%の最大値を示し、腫瘍の脳に対する最大比は6.61であった(5分の時点での5.58に比べて)。一方、[18F]フルオロデオキシグルコース(FDG)は迅速な蓄積を示したが、腫瘍と脳との識別に乏しく、腫瘍取り込みの脳取り込みに対する用量(グラム)比は60分の時点で0.84であった。[18F]FACBCでの結果は、化合物が、PET画像化を用いる悪性腫瘍の診断、管理、および画像化のための貴重な画像化試薬であることを示す。
【0043】
腫瘍結合の特異性はまた、本発明のI-置換化合物に対して有用性を提供する。そのよう
な化合物は、SPECT画像化のために短命の123Iで、または一連の治療をモニターするよう
な長期の研究のために長命の125Iでラベルされ得る。他のヨウ素および臭素同位体は、例
示された同位体を置換し得る。
【0044】
従って、本発明の化合物は、PETおよびSPECTを用いる腫瘍画像化のための改良された方法を提供する。この方法は、適切な同位体でラベルされた本発明の化合物のイメージ生成量を被検体(実験用および/または診断用のヒトまたは動物であり得る)へ投与し、次いで化合物の分布をPETにより([18F]または他の陽電子エミッタが用いられた場合)、あるいはSPECTにより([123I]または他のγエミッタが用いられた場合)測定することを含む。イメージ生成量は、少なくともPETまたはSPECTスキャナにおけるイメージを提供し得、スキャナの感度およびノイズレベル、同位体の寿命、被検体の体サイズ、および投与の経路を考慮に入れた量であり、全てのそのような変数は、過度の実験に頼ることなく、当業者に公知の計算および測定によって知られ、そして説明される変数の代表例である。
【0045】
本発明の化合物が構造中の任意の原子または原子の組合せの同位体によってラベルされ
得ることが、理解される。[18F]、[123I]、および[125I]が、PET、SPECT、およびトレーサー分析に特に有用であるとして本明細書中で強調されているが、安定な同位体ホモログの生理学的または薬理学的特性から発する使用を含む他の使用が考慮され、そのことは当業者に明らかである。
【0046】
高い割合の腫瘍特異的結合が、本発明の化合物について、ヒト患者ならびに実験動物に
おいて観察されている。高い特異性が、治療上の使用のための本発明のAt-置換化合物の
使用を促している。At同位体はα粒子のエミッタであり、狭い範囲が腫瘍の放射線治療に有用である。
【0047】
本発明はまた、テクネチウム(Tc)の付加によるテクネチウムラベル化を提供する。Tc
の同位体、特にTc99mは、腫瘍画像化に用いられている。本発明は、本発明の化合物のTc-
錯付加体を提供し、それは腫瘍画像化に有用である。付加体は、4〜6の炭素鎖によって
環状アミノ酸と結合したTc配位錯体であり、炭素鎖は飽和であり得、あるいは二重または三重結合を有し得る。二重結合が存在する場合、E(トランス)またはZ(シス)異性体のいずれかが合成され得、そしていずれかの異性体が用いられ得る。合成は、同位体の有用な寿命を最大化するために、最終段階で99mTc同位体を含有するように記載される。
【実施例】
【0048】
実施例1:
[18F]-1-アミノ-3-フルオロ-シクロブタン-1-カルボン酸(FACBC)の合成
以下で詳細に記載するように、化合物は工程1〜11で表される工程によって調製され得
る。
【0049】
以下の方法を、本明細書中に報告する手順において用いた。[18F]-フッ化物を、95%濃
縮[18O]水上での11MeVプロトンによる18O(p,n)19F反応を用いて、Seimensサイクロトロン
から生成した。全ての溶媒および化学物質は分析等級であり、さらなる精製なしに用いた
。化合物の融点を、キャピラリーチューブ中で、Buchi SP装置を用いて決定した。薄層
クロマトグラフィー分析(TLC)を、アルミニウム上にコートされたシリカゲルG PF-254
の250mm厚の層(Analtech, Inc.より入手)を用いて実行した。カラムクロマトグラフィーを、60-200メッシュシリカゲル(Aldrich Co.)を用いて実行した。赤外スペクトル(IR)を、NaCl板によりBeckman 18A分光光度計上で記録した。プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H NMR)を、Nicolet高分解能計器により300MHzにおいて得た。
【0050】
1-クロロ-2-ベンジルオキシ-3-ブロモプロパン 3の合成:
臭化ベンジル 1(46.2g、0.27mol)、エピクロロヒドリン 2(25g、0.27mol)、お
よび0.045gの塩化第一水銀の混合物を、150℃で12時間加熱した(工程1)。12インチVigreuxカラムを通しての蒸留により、55.8g(79%)の1-クロロ-2-ベンジルオキシ-3-ブロモプロパン 3を得た;沸点142〜145(0.3mm);1H NMR(CDCl3)δ 3.34-3.9(m、4H、CH2)、4.58(s、2H、O-CH2)、7.26(s、5H、フェニル)。
【0051】
ジエチル-3-ベンジルオキシ シクロブタン-1-ジカルボキシレート 4の合成
115mlの乾燥ジオキサン中の4.6g(0.19mol)水素化ナトリウムの攪拌スラリーに、30.4g(0.10mol)のマロン酸ジエチルを、30分間にわたって滴下した。この添加が完了した後、50.0g(0.19mol)の1-クロロ-2-ベンジルオキシ-3-ブロモプロパン 3を、30分間にわたって滴下した(工程2)。混合物を44時間加熱還流し、室温まで冷却し、そして50mlのジオキサン中の4.6g(0.19mol)の水素化ナトリウムを分割して添加した。混合物をさらに120時間加熱還流した。溶媒を減圧下で部分的に除去し、そして混合物を100mlの水で処理した。有機相をエーテルで抽出した。エーテル抽出物を乾燥ならびに濃縮し、そして残渣を減圧下で蒸留した。12インチVigreuxカラムを通しての蒸留により、49.0g(85%)のジエチル 3-ベンジルオキシシクロブタン-1,1-ジカルボキシレート 4を得た;沸点174〜176℃(0.9mm);1H NMR(CDCl3)δ 1.23(t、J=7Hz、6H、CH3)、4.0-4.7(m、1H、OCH)、4.34(s、2H、OCH2)、4.13(q、J=7Hz、4H、OCOCH2)、7.23(s、5H、フェニル)。
【0052】
【化11】

【0053】
3-ベンジルオキシシクロブタン-1,1-ジカルボキサミン 5の合成
ジエチル 3-ベンジルオキシシクロブタン-1,1-ジカルボキシレート 4(20g、65mmol
)を、濃アンモニア水溶液(250ml)と共に、室温で4日間攪拌した(工程3)。ジアミ
ド 5を濾過により回収し、そして水で洗浄し、次に酢酸エチルで洗浄した。収量は8.1g
(50%)であった。1H NMR(d6-DMSO)δ 2.2(m、2H、CH2)、2.5(m、2H、CH2)、3.
8(q、J=7.2Hz、1H、OCH)、4.3(s、2H、OCH2)、7.0(m、4H、NH2)、7.23(s、5H、フ
ェニル)。
【0054】
シス/トランス 5-(3-ベンジルオキシシクロブタン)ヒダントイン 6の合成
3-ベンジルオキシシクロブタン-1,1-ジカルボキサミン、5(2.0g、8mmol)を、150ml
の希釈次亜塩素酸ナトリウム(Aldrich 製品/水を1対2)中で、0〜5℃で4時間攪拌
した(工程4)。反応混合物を室温で一晩静置した。未反応のジアミドを濾過によって回
収した。溶液を濃塩酸でpH5まで中和し、そしてin vacuoで乾燥状態までエバポレート
した。残渣を50mlの温メタノールで抽出し、濾過し、そして50mlの温メタノールで洗浄した。メタノール溶液を合わせ、そしてエバポレートした。シスおよびトランスヒダントイン 6の混合物の収量は1.4g(70%)であった。
【0055】
1-アミノ-3-ベンジルオキシシクロブタン-1-カルボン酸 7の合成
ヒダントイン 6(1.0g、4.1mmol)を、10mlの水酸化バリウム溶液(室温で飽和)と
共に16時間還流することで加水分解した(工程5)。溶液を2M硫酸でpH6まで中和し、
そしてin vacuoで乾燥状態までエバポレートした。残渣を50mlの温メタノールで抽出し、濾過し、そして50mlの温メタノールで洗浄した。メタノール溶液を合わせ、そしてエバポレートした。1-アミノ-3-ベンジルオキシシクロブタン-1-カルボン酸 7の収量は0.69g(76%)であった。1H NMR(d4-メタノール)δ 2.2-2.9(m、4H、CH2)、4.3(t、J=6.9Hz、1H、OCH)、4.5(s、2H、OCH2)、7.23(br s、5H、フェニル)。
【0056】
1-t-ブチルカルバメート-3-ベンジルオキシシクロブタン-1-カルボン酸 8の合成
10mlのメタノール/トリエチルアミン混合物(90:10)中のアミノ酸 7(0.5g、2.3mmo
l)の溶液を、1.0g(4.6mmol)のジ-tert-ブチルジカルボネートで処理した(工程6)。
混合物を50〜60℃で10分間加熱し、次いで溶媒をロータリーエバポレーション(rotoevaporation)によって除去した。粗生成物を、5mlの希塩酸(pH=2)中、0℃で10分間攪拌した。混合物をCH2Cl2(2×10ml)で抽出し、合わせた抽出物を乾燥し、そして溶媒を除去した。粗生成物オイルを、塩化メチレン/メタノール(9対1)および0.1%ギ酸を用いてシリカゲル上でクロマトグラフした。生成物 8(0.55g、78%)は、同一の溶媒系でのTLC(Rf=0.59)において単一のスポットを示した;MoO・H3PO4を用いて視覚化した。
【0057】
1-t-ブチルカルバメート-3-ベンジルオキシシクロブタン-1-カルボン酸-メチルエステ
ル 9の合成
0〜5℃で8mlのエーテル中の1-メチル-3-ニトロ-1-ニトロソグアニジン(150mg)の
スラリーに、40%の水酸化カリウム溶液を滴下した。得られたジアゾメタンエーテル溶液
を、3mlのエーテル中の0.15g(0.50mmol)の1-t-ブチルカルバメート-3-ベンジルオキシシクロブタン-1-カルボン酸 メチルエステル酸に添加し(工程7)、そして混合物を室温で15分間攪拌した。混合物を水(10ml)で洗浄し、そしてエーテルをエバポレートした。粗生成物残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(1対9)を用いてシリカゲル上でクロマトグラフした。収量:0.13g(82%);1H NMR(CDCl3)δ 1.35(s、9H、CH3)、2.27-2.88(m、4H、CH2)、3.72(s、3H、CH3)、4.18(m、1H、CHO)、4.42(s、2H、OCH2)、7.23(br s、5H、フェニル)。
【0058】
1-t-ブチルカルバメート-3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボン酸 メチルエステル
10の合成
5mlのメタノール中の0.10g(0.3mmol)の保護されたアミノ酸ベンジルエーテル 9の溶液を、5mlのメタノール中の25mgの10%活性炭担持パラジウムの懸濁液と混合した(工程8)。混合物を、水素(バルーン)の正圧下で16時間攪拌した。触媒を濾過して取り除き、溶媒をエバポレートした。粗生成物残渣を、塩化メチレン/メタノール(9対1)を用いてシリカゲル上でクロマトグラフした。生成物 10(74mg、89%)は、同一の溶媒系でのTLC(Rf=0.81)において単一のスポットを示した;MoO・H3PO4を用いて視覚化した。
【0059】
1-t-ブチルカルバメート-3-トリフルオロメタン スルホンオキシ-シクロブタン-1-カ
ルボン酸 メチルエステル 11の合成
アルコール 10(25mg、0.10mmol)を、10mlの乾燥塩化メチレンおよびピリジン(12μ
l)に、N2下での攪拌により溶解した。溶液を0〜5℃まで冷却し、そして12μlのトリフ
ルオロメタンスルホン酸無水物を添加した(工程9)。1時間後、溶媒をin vacuoで除
去し、そして粗生成物オイルを、酢酸エチル/ヘキサン(3対7)を用いてシリカゲル上
でクロマトグラフした。生成物 11(24mg、64%)は、同一の溶媒系でのTLC(Rf=0.60)
において単一のスポットを示した;MoO・H3PO4を用いて視覚化した。
【0060】
3-[18F]-フルオロ-シクロブタン-1-アミノ-1-カルボン酸 [18F]FACBC 13の合成
[18F]-フッ化物を、95%濃縮[18O]水上での11MeVプロトンによる18O(p,n)19F反応を用
いて生成した。水をエバポレートし、そしてアセトニトリルをエバポレートすることによ
るフッ化物の乾燥の後、保護されたアミノ酸トリフラート 11(3mg)を、アセトニトリ
ル溶液(1ml)中に導入した。キャリアーを添加しない(NCA)フッ素化反応(工程10)
を、密封容器中で、炭酸カリウムおよびKryptofix(Aldrich Chemical Co., Milwauke
e, WIの商標)の存在下、85℃で5分間実行した。未反応の18F-を、反応混合物を塩化メ
チレンで希釈した後にシリカゲルSeppakに通過させることにより除去し、18Fラベル生成
物 12を、42%のE.O.B.収率で得た。12の脱保護(工程11)を、1mlの4N塩酸を115℃で15分間用いることで達成し、次いで18FACBC 13を含む水溶液を、イオン遅延樹脂(AG 11A8 50-100メッシュ)に通過させた。合成を、E.O.B.に従って60分で完了し、全体の放射化学物質の収率は12%(17.5% E.O.B.)であった。
【0061】
実施例2:
[18F]-2-アミノ-3-フルオロ-2-メチルプロパン-1-カルボン酸 24(FAMPC)の合成
3-ベンジルオキシ-1,2-エポキシプロパン 15
水素化ナトリウム(60%油分散液、23.6g、0.59mol)を、25℃において乾燥DMF(150ml
)中のグリシドール(14)(40g、0.54mol)、臭化ベンジル(101.5g、0.59mol)、およ
びヨウ化n-ブチルアンモニウム(0.24g)の溶液に、分割して添加した(工程12)。混合
物を65℃で1時間攪拌し、氷上に注ぎ、次いでエーテル(2×75ml)で抽出した。合わせ
たエーテル抽出物を、水(3×75ml)で洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。12インチvigreuxカラムを用いる蒸留により、62.9g(71%)のグリシジルベンジルエーテル 15を得た;沸点120〜122℃(10mm);1H NMR(CDCl3)δ 2.6(dd、1H、OCHa)、2.8(dd、1H、OCHb)、3.2(m、1H、OCHc)、3.2(dd、1H、OCHd)、3.8(dd、1H、OCHe)、4.6(dd、2H、OCH2)、7.23(s、5H、フェニル)。
【0062】
3-ベンジルオキシプロパン-2-オール 16
25℃においてエーテル(50ml)中の水素化リチウムアルミニウム(6.1g、0.16mol)の
懸濁液に、グリシジルベンジルエーテル 15(52.9g、0.32mol)の溶液を添加した(工程
13)。混合物を2時間還流し、そして室温まで冷却した。1N NaOH溶液を混合物に滴下し
、そして沈澱した金属塩を濾過によって除去した。生成物を含むエーテルを水(50ml)で
洗浄し、乾燥し(MgSO4)、そして溶媒をロータリーエバポレーションによって除去した
。蒸留により、43.3g(82%)の3-ベンジルオキシプロパン-2-オール 16を得た;沸点110〜112(5mm)。1H NMR(CDCl3)δ 1.13(d、J=6.6Hz、3H、CH3)、2.5(br s、1H
、OH)、3.28(dd、1H、OCH)、3.45(dd、1H、OCH)、4.0(m、1H、OCH)、4.55(s、2H
、OCH2)、7.35(s、5H、フェニル)。
【0063】
【化12】

【0064】
3-ベンジルオキシプロパン-2-オン 17
3-ベンジルオキシプロパン-2-オール 16(40g、0.24mol)を、25℃でDMF(150ml)中
のクロロクロム酸ピリジニウム(155.2g、0.72mol)の懸濁液に添加し、65℃で3時間攪
拌し、次いで水(75ml)で希釈した(工程14)。混合物をエーテル(2×50ml)で抽出し
、合わせたエーテル層を水(3×50ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、そして溶媒をロー
タリーエバポレーションによって除去した。蒸留により、31g(77%)の3-ベンジルオキ
シプロパン-2-オン 17を得た;沸点104〜106(10mm)。1H NMR(CDCl3)δ 2.16(s、
3H、CH3)、4.05(s、1H、OH)、4.59(s、2H、OCH2)、7.5(s、5H、フェニル)。
【0065】
2-(3-ベンジルオキシプロパン)ヒダントイン 18
3-ベンジルオキシプロパン-2-オン 17(25g、0.15mol)を、炭酸アンモニウム(68.3g
、0.60mol)を含む300mlの50%エタノール中に溶解し、そしてシアン化カリウム(19.5g
、0.30mol)を添加した。混合物を60℃まで2時間加温し、そしてin vacuoで乾燥状態までエバポレートした。残渣を75mlの温メタノールで抽出し、濾過し、そして濾過ケークを50mlの温エタノールで洗浄した。メタノール溶液を合わせ、溶媒をエバポレートし、そして残渣を、CH2Cl2/メタノール 90:10を用いてシリカゲル上でクロマトグラフした。3-ベンジルオキシプロパン2-オン ヒダントイン 18の収量は23g(66%)であった。1H NMR(d4-メタノール)δ 1.22(s、3H、CH3)、3.41(d、J=9.6Hz、1H、OCHa)、3.52(d、
J=9.6Hz、1H、OCHb)、4.5(s、2H、NH)、4.8(s、2H、OCH2)、8.25(m、5H、フェニル)。
【0066】
2-アミノ-3-ベンジルオキシ-2-メチル-1-プロピオン酸 19
ヒダントイン 18(6.0g、25.6mmol)を、20mlの水酸化バリウム溶液(室温で飽和)と
共に16時間還流することで加水分解した(工程16)。溶液を2M硫酸でpH6まで中和し、
そしてin vacuoで乾燥状態までエバポレートした。残渣を50mlの温メタノールで抽出し、濾過し、そして50mlの温メタノールで洗浄した。メタノール溶液を合わせ、そしてエバポレートした。アミノ酸 19の収量は4.1g(76%)であった。
【0067】
2-t-ブチル カルバメート-3-ベンジルオキシ-2-メチル-1-プロピオン酸 20
10mlのメタノール-トリエチルアミン(90:10)混合物中のアミノ酸 19の溶液を、1.0g(4.6mmol)のジ-tert-ブチル ジカルボネートで処理する(工程17)。混合物を50〜60℃で10分間加温し、次いで溶媒をロータリーエバポレーションにより除去する。粗生成物を、5mlの希塩酸(pH=2)中で、0℃で10分間攪拌する。混合物をCH2Cl2(2×10ml)で抽出し、合わせた抽出物を乾燥し、そして溶媒を除去する。粗生成物オイル 20を、塩化メチレン/メタノール(9対1)および0.1%ギ酸を用いてシリカゲル上でクロマトグラフする。
【0068】
2-(t-ブチル カルバメート)-3-ベンジルオキシ-2-メチル-1-メチルプロピオネート 2
1
0〜5℃でエーテル中の1-メチル-3-ニトロ-1-ニトロソグアニジンのスラリーに、40%
の水酸化カリウム溶液を滴下する。得られたジアゾメタンのエーテル溶液を、3mlのエー
テル中の1-t-ブチル カルバメート-3-ベンジルオキシ-1-メチルプロパン-1-カルボン酸
20に添加し、そして混合物を室温で15分間攪拌する(工程18)。混合物を水(20ml)で洗浄し、そしてエーテルをエバポレートする。粗生成物残渣 21を、酢酸エチル/ヘキサン(1対9)を用いてシリカゲル上でクロマトグラフする。
【0069】
2-(t-ブチル カルバメート)-3-ヒドロキシ-2-メチル-1-メチルプロピオネート 22
5mlのメタノール中の保護されたアミノ酸ベンジルエーテル 21の溶液を、5mlのメタノール中の25mgの10%活性炭担持パラジウムの懸濁液と混合する(工程19)。混合物を、水素(バルーン)の正圧下で16時間攪拌する。触媒を濾過して取り除き、溶媒をエバポレートする。粗生成物残渣を、塩化メチレン(9対1)を用いてシリカゲル上でクロマトグラフし、22を得る。
【0070】
2-(t-ブチル カルバメート)-3-トリフルオロメタン スルホンオキシ-2-メチル-1-メ
チルプロピオネート 23
アルコール 22を、10mlの乾燥塩化メチレンおよびピリジン(12μl)に、N2下での攪
拌により溶解する。溶液を0〜5℃まで冷却し、そして12μlのトリフルオロメタンスル
ホン酸無水物を添加する(工程20)。1時間後、溶媒をin vacuoで除去し、そして粗生
成物オイルを、酢酸エチル/ヘキサン(3対7)を用いてシリカゲル上でクロマトグラフ
し、23を得る。
【0071】
[18F]-2-アミノ-3-フルオロ-2-メチル-1-プロピオン酸 24
[18F]-フッ化物を、95%濃縮[18O]水上での11MeVプロトンによる18O(p,n)19F反応を用
いて生成する。水をエバポレートし、そしてアセトニトリルをエバポレートすることによ
るフッ化物の乾燥の後、保護されたアミノ酸トリフラート 23(3mg)を、アセトニトリ
ル溶液(1ml)中に導入する。(NCA)フッ素化反応(工程21)を、密封容器中で、炭酸
カリウムおよびKryptofixの存在下、85℃で5分間実行する。未反応の18F-を、反応混合
物を塩化メチレンで希釈した後にシリカゲルSeppakを通過させることにより除去し、18F
ラベル生成物を得る。脱保護(工程22)を、1mlの4N塩酸を115℃で15分間用いることで達成し、次いで水溶液を、イオン遅延樹脂(AG 11A8 50-100メッシュ)に通し、24を得る。
【0072】
実施例3[18F]-1-アミノ-3-フルオロ-シクロペンタン-1-カルボン酸 37(FACPC)の合

4-ブロモ-1,2-エポキシブタン 26
500mLの塩化メチレン中のm-クロロ過安息香酸(純度50%、72.5g、0.21mol)の溶液を、100mLの塩化メチレン中の4-ブロモ-1-ブテン 25(25g, 0.19mol)の撹拌した氷冷溶液に、
滴下した(工程23)。この添加の後、この混合物を25℃で18時間撹拌し、その間にm-クロロ安息香酸が沈殿した。反応混合物を水相がアルカリ性になるまで4N水酸化ナトリウムで洗浄し、そして中性になるまで水で洗浄した。有機相を(MgSO4で)乾燥し、そして溶媒を
減圧中で除去し、4-ブロモ-1,2-エポキシブタン 26(27.9g, 89%)を得た;1H NMR(CDCl
3)δ2.10(m, 2H, O-C-CH2), 2.58(d,d J=5.0, 2.6Hz, 1H, OCHa), 2.82(dd J=5
.0, 4.0Hz), 1H, OCHb), 3.09(m, 2H, O-C-CH2), 3.55(t, J=7Hz, 2H)。
【0073】
ジエチル3-ヒドロキシシクロペンタン-1,1-ジカーボネート 27
53.4mLの1Nエタノール性(ethanolic)ナトリウムエトキシド中のマロン酸ジエチル(7.
7g, 48.5mmol)の溶液を15分間氷浴中で撹拌し、この後、4-ブロモ-1,2-エポキシブタン
26(14.6g, 97mmol)を添加した(工程24)。25℃で3時間撹拌した後、混合物に水を注ぎ
、そしてエタノールを減圧中でエバポレートした。水溶液をクロロホルムで抽出し、抽出
物を(MgSO4で)乾燥し、そして濃縮した。蒸留により8.14g(73%)の生成物27を得た;bp 155-160℃ (0.5mm);1H NMR(CDCl3)δ1.3(t, J=7.2Hz, 6H, CH3), 1.7-2.7(m, 6H,
CH2), 3.02(s, 1H, OH), 4.2(q, J=7.2Hz, 4H, O=COCH2), 4.2(m, 1H, OCH)。
【0074】
ジエチル3-ベンジルオキシシクロペンタン-1,1-ジカルボキシレート 28
水素化ナトリウム(60%油分散体, 2.1g, 53mmol)を、乾燥DMF(50mL)中のジエチル3-ヒドロキシシクロペンタン-1,1-ジカルボキシレート 27(11g,48mmol)、臭化ベンジル(9.7g, 53mol)、およびヨウ化n-テトラブチルアンモニウム(100mg)の溶液に25℃で分割して添加した(工程25)。混合物を65℃で1時間撹拌し、氷上に注ぎ、次いでエーテルで抽出した(2×50mL)。各抽出物を合わせて水で洗浄し(3×50mL)、そしてMgSO4で乾燥させた。シリカゲルのクロマトグラフィー(10:90 酢酸エチル/ヘキサン, Rf=0.38)により、11.6g(75%)のベンジルエーテル 28を得た;1H NMR(CDCl3)δ1.3(t, J=7.2Hz, 6H, CH3), 1.7-2.7(m, 6H, CH2), 4.2(q, J=7.2Hz, 4H, O=COCH2), 4.1(m, 1H, O-CH), 4.6(s, 2H, O-CH2), 7.3(s, 5H, フェニル)。
【0075】
3-ベンジルオキシシクロペンタン-1,1-ジカルボキサミン 29
ジエチル3-ベンジルオキシシクロペンタン-1,1-ジカルボキシレート 28(10g, 31mmol
)を濃アンモニア水(100mL)を用いて室温で4日間撹拌する(工程26)。得られたジアミド
29をろ過によって回収し、そして水、次いで酢酸エチルで洗浄する。
【0076】
シス/トランス 5-(3-ベンジルオキシシクロペンタン)ヒダントイン 30
3-ベンジルオキシシクロペンタン-1,1-ジカルボキサミン 29を、150mLの希次亜塩素酸ナトリウム(Aldrich製品/水 1:2)中で、0〜5℃で4時間撹拌し、次いで室温で一晩静置する(工程26)。未反応のジアミドをろ過によって回収する。溶液を濃塩酸を用いてpH5まで中和し、そして乾燥するまで減圧でエバポレートする。残渣を50mLの熱メタノールで抽出し、ろ過し、そして50mLの熱メタノールで洗浄する。このメタノール溶液を合わせて、そしてエバポレートする。
【0077】
【化13】

【0078】
1-アミノ-3-ベンジルオキシシクロペンタンカルボキシレート酸 31
ヒダントイン 30を、10mLの水酸化バリウム溶液(室温で飽和)を用いて16時間還流することにより加水分解する(工程28)。溶液を2M硫酸でpH6まで中和し、乾燥するまで減圧でエバポレートする。残渣を50mLの熱メタノールで抽出し、ろ過し、そして50mLの熱メタノールで洗浄する。このメタノール溶液を合わせて、そしてエバポレートする。
【0079】
1-t-ブチルカルバメート-3-ベンジルオキシ-1-シクロペンタン-1-カルボン酸 32
メタノール/トリエチルアミン(90:10)混合物(10mL)中のアミノ酸 31の溶液を、ジ-ter
t-ブチルジカルボネートで処理する(工程29)。混合物を50〜60℃で10分間加熱し、次いで溶媒を回転エバポレーターで除去する。粗生成物を5mLの希塩酸(pH=2)中で0℃で10分間撹拌する。混合物をCH2Cl2で抽出(2×10mL)し、合わせた抽出物を乾燥し、そして溶媒を除去する。粗生成物オイルについて、0.1%ギ酸を含む塩化メチレン/メタノール(9:1)を用いてシリカゲルクロマトグラフィーを行い、32を得る。
【0080】
1-t-ブチルカルバメート-3-ベンジルオキシ-1-シクロペンタン-1-カルボン酸メチルエ
ステル 33
0〜5℃で、エーテル中の1-メチル-3-ニトロ-1-ニトロソグアニジン(nitrosoguandine)のスラリーに、水酸化カリウムの40%溶液を滴下する。得られるジアゾメタンエーテル溶液を、3mLのエーテル中の1-t-ブチルカルバメート-3-ベンジルオキシシクロペンタン-1-カルボン酸 32に添加し、そしてこの混合物を室温で15分間撹拌する(工程30)。混合物を水(10mL)で洗浄し、そしてエーテルをエバポレートする。粗生成物残渣について、酢酸エチル/ヘキサン(1:9)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーを行い、33を得る。
【0081】
1-t-ブチルカルバメート-3-ヒドロキシ-1-シクロペンタン-1-カルボン酸メチルエステ
ル 34
5mLのメタノール中の保護されたアミノ酸ベンジルエーテル 33の溶液を、5mLのメタノール中の10%活性炭担持パラジウム(25mg)の懸濁液と混合する(工程31)。混合物を水素(バルーン)の加圧条件下で16時間撹拌する。触媒をろ過で除去し、そして溶媒をエバポレートする。粗生成物残渣について、塩化メチレン/メタノール(9:1)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーを行い、34を得る。
【0082】
1-t-ブチルカルバメート-3-トリフルオロメタンスルホンオキシ-1-シクロペンタン-1-
カルボン酸メチルエステル 35
アルコールを、N2下で撹拌することによって、10mLの乾燥塩化メチレンおよびピリジン(12μL)に溶解する。溶液を0〜5℃に冷却し、そして12μLのトリフルオロメタンスルホン酸無水物を添加する(工程32)。1時間後、溶媒を減圧中で除去し、そして粗生成物オイルについて、酢酸エチル/ヘキサン(3:7)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーを行い、35を得る。
【0083】
[18F]-1-アミノ-3-フルオロシクロペンタン-1-カルボン酸 37
[18F]-フッ化物を、95%濃縮[18O]水で11MeVの陽子による18O(p,n)18Fの反応を用いて生
成する。水をエバポレートし、そしてアセトニトリルをエバポレートすることによるフッ
化物の乾燥の後、保護されたアミノ酸トリフラート 35(3mg)をアセトニトリル溶液(1mL)
に導入する。(NCA)フッ素化反応を、炭酸カリウムおよびKryptofixの存在下、密閉容器中で85℃で5分間行う(工程33)。未反応の18F-を、塩化メチレンで反応混合物を希釈し、次いでシリカゲルSeppakを通過させることにより除去し、18Fで標識された生成物36を得る。脱保護(工程34)は、115℃で15分間4N HCl(1mL)を用いて達成され、次いで水溶液をイオン遅延樹脂(AG 11A8 50-100メッシュ)を通過させ、37(FACPC)を得る。
【0084】
実施例4[18F]-1-アミノ-4-フルオロ-シクロヘキサン-1-カルボン酸 49(FACHC)
4-ヒドロキシシクロヘキサノンエチレンケタール 49
水素化ホウ素ナトリウム(2.4g, 64mmol)を、60mLのメタノール中の1,4シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール 38(20g, 128mmol)の撹拌された氷冷溶液に分割して添加した(工程35)。添加完了後、1N HClをpHが8になるまで溶液に滴下し、次いで溶媒を回転エバポレーターで除去した。生成物 39(16.8g, 84%)は、TLC(Rf=0.4, 酢酸エチル/ヘキサン20:80の溶媒系, 可視化には酸性バニリンエタノール溶液を用いた)上に単一のスポットを示し、そしてさらなる精製を行うことなく用いた。1H NMR(CDCl3)δ1.6-1.9(m, 8H, 環-CH2), 3.8(m, 1H, CH-O), 4.0(s, 4H, ケタール-CH2), 5.3(s, 1H, OH)
4-ベンジルオキシシクロヘキサノンエチレンケタール 40
水素化ナトリウム(60%油分散体, 2.2g, 56mmol)を、25℃で乾燥DMF(50mL)中の6-ヒドロキシシクロヘキサノンエチレンケタール(39)(8.8g, 51mmol)、臭化ベンジル(9.6g, 5.6mmol)、およびヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(50mg)に分割して添加した(工程36)。混合物を65℃で1時間撹拌し、氷中に注ぎ、次いでエーテルで抽出した(2×50mL)。合わせたエーテル抽出物を水で洗浄し(3×50mL)、(MgSO4で)乾燥し、そして溶媒を除去した。酢酸エチル/ヘキサン(10:90)を用いたシリカゲルクロマトグラフィー(Rf=0.39)により、8.9g(70%)のベンジルエーテル 40を得た。1H NMR(CDCl3)δ1.6-1.9(m, 8H, 環-CH2), 3.6(m, 1H, CH-O), 4.0(2, 4H, ケタール-CH2), 4.6(s, 2H, CH2-O)。
【0085】
4-ベンジルオキシシクロヘキサノン 41
メタノール(20mL)および1N HCl(0.5mL)中の4-ベンジルオキシシクロヘキサノンエチ
レンケタール 40(5.0g, 20.1mmol)の溶液を25℃で一晩撹拌した(工程37)。この混合物
を、1N NaHCO3(0.5mL)を添加して中和し、回転エバポレーターで溶媒を除去し、そして
残渣について、酢酸エチル/ヘキサン(15:85)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーを行
った。ケトン 41の収量は2.7g(67%)であった;Rf=0.35;1H NMR(CDCl3)δ2.3(m, 8H,
環-CH2), 3.6(m, 1H, CH-O), 4.6(s, 2H, CH2-O)。
【0086】
【化14】

【0087】
【化15】

【0088】
4-ベンジルオキシシクロヘキサノンヒダントイン 42
4-ベンジルオキシシクロヘキサノン 41を、炭酸アンモニウムを含む50%エタノール(30mL)に溶解し、シアン化カリウムを添加する(工程38)。混合物を60℃まで2時間加温し、そして減圧下で乾燥するまでエバポレートする。残渣を40mLの熱メタノールで抽出し、ろ過し、そしてろ過ケーキを20mLの熱メタノールで洗浄する。このメタノール溶液を合わせ、溶媒をエバポレートし、そして残渣について、CH2Cl2/メタノール(90:10)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーを行い、42を得る。
【0089】
1-アミノ-4-ベンジルオキシシクロヘキサン-1-カルボン酸 43
ヒダントイン 42を10mLの水酸化バリウム溶液(室温で飽和)で16時間環流することにより加水分解する(工程39)。溶液を2N硫酸でpH6まで中和し、乾燥するまで減圧でエバポレートする。残渣を50mLの熱メタノールで抽出し、ろ過し、そして50mLの熱メタノールで洗浄する。このメタノール溶液を合わせて、そしてエバポレートする。
【0090】
1-t-ブチルカルバメート-3-ベンジルオキシ-1-シクロヘキサン-1-カルボン酸 44
メタノール/トリエチルアミン(90:10)混合物(10mL)中のアミノ酸の溶液を、ジ-tert-ブ
チルジカルボネートで処理する(工程40)。混合物を50〜60℃で10分間加熱し、次いで溶媒を回転エバポレーターで除去する。粗生成物を5mLの希塩酸(pH=2)中で0℃で10分間撹拌する。混合物をCH2Cl2で抽出(2×10mL)し、合わせた抽出物を乾燥し、そして溶媒を除去する。粗生成物オイルについて、0.1%ギ酸を含む塩化メチレン/メタノール(9:1)を用いてシリカゲルクロマトグラフィーを行い、44を得る。
【0091】
1-t-ブチルカルバメート-3-ベンジルオキシ-1-シクロヘキサン-1-カルボン酸メチルエ
ステル 45
0〜5℃で、エーテル中の1-メチル-3-ニトロ-1-ニトロソグアニジンのスラリーに、水
酸化カリウムの40%溶液を滴下する。得られるジアゾメタンエーテル溶液を、3mLのエーテル中の1-t-ブチルカルバメート-3-ベンジルオキシ-1-シクロヘキサン-1-カルボン酸 44に添加し、そしてこの混合物を室温で15分間撹拌する(工程41)。混合物を水(10mL)で洗浄し、そしてエーテルをエバポレートする。粗生成物残渣について、酢酸エチル/ヘキサン(1:9)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーを行い、45を得る。
【0092】
1-t-ブチルカルバメート-3-ヒドロキシ-1-シクロブタン-1-カルボン酸メチルエステル
46
5mLのメタノール中の保護されたアミノ酸ベンジルエステル 45の溶液を、5mLのメタノール中の10%活性炭担持パラジウム(25mg)の懸濁液と混合する(工程42)。混合物を水素(バルーン)の加圧条件下で16時間撹拌する。触媒をろ過で除去し、そして溶媒をエバポレートする。粗生成物残渣について、塩化メチレン/メタノール(9:1)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーを行い、46を得る。
【0093】
1-t-ブチルカルバメート-3-トリフルオロメタンスルホンオキシ-1-シクロヘキサン-1-
カルボン酸メチルエステル 47
アルコール 46を、N2下で撹拌することによって、10mLの乾燥塩化メチレンおよびピリ
ジン(12μL)に溶解する。溶液を0〜5℃に冷却し、そして12μLのトリフルオロメタンスルホン酸無水物を添加する(工程43)。1時間後、溶媒を減圧中で除去し、そして粗生成物オイルについて、酢酸エチル/ヘキサン(3:7)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーを行う。
【0094】
[18F]-1-アミノ-3-フルオロシクロヘキサン-1-カルボン酸 49
[18F]-フッ化物を、95%濃縮[18O]水で11MeVの陽子による18O(p,n)18Fの反応を用いて生
成する。水をエバポレートし、そしてアセトニトリルをエバポレートすることによるフッ
化物の乾燥の後、保護されたアミノ酸トリフラート 47(3mg)をアセトニトリル溶液(1mL)
に導入する。(NCA)フッ素化反応を、炭酸カリウムおよびKryptofixの存在下、密閉容器中で85℃で5分間行う(工程44)。未反応の18F-を、塩化メチレンで反応混合物を希釈し、次いでシリカゲルSeppakを通過させることにより除去し、18Fで標識された生成物を得る。
脱保護(工程45)は、115℃で15分間4N HCl(1mL)を用いて達成され、次いで水溶液をイ
オン遅延樹脂(AG 11A8 50-100メッシュ)を通過させ、FACHC 49を得る。
【0095】
実施例5[18F]-1-アミノ-3-(フルオロメチル)シクロブタン-1-カルボン酸 60
ジメチルエステル3-ヒドロキシシクロブタン-1,1-ジカルボキシレート 51
0〜5℃のエーテル(8mL)中の1-メチル-3-ニトロ-1-ニトロソグアニジン(150mg)のス
ラリーに、水酸化カリウムの40%溶液を滴下した。得られるジアゾメタンエーテル溶液を
、3mLのエーテル中の0.15g(0.50mmol)の50に添加し、そしてこの混合物を室温で15分間撹拌した(工程46)。混合物を水(10mL)で洗浄し、そしてエーテルをエバポレートした。粗生成物残渣について、シリカゲルクロマトグラフィーを行った。
【0096】
ジメチル3-(ベンジルオキシメチル)シクロブタン-1,1-ジカルボキシレート 52
水素化ナトリウム(60%油分散体, 2.1g, 53mmol)を、25℃で乾燥DMF中のジメチル3-(
ヒドロキシメチル)シクロブタン-1,1-ジカルボキシレート (51)、臭化ベンジル、および
ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウムに分割して添加する(工程47)。混合物を65℃で1時
間撹拌し、氷中に注ぎ、次いでエーテルで抽出する(2×50mL)。合わせたエーテル抽出物
を水で洗浄し(3×50mL)、MgSO4で乾燥する。シリカゲルクロマトグラフィーを行う。
【0097】
【化16】

【0098】
【化17】

【0099】
3-(ベンジルオキシメチル)シクロブタン-1,1-ジカルボキサミン 53
ジメチル3-(ベンジルオキシメチル)シクロブタン-1,1-ジカルボキシレート(52)を、濃
アンモニア水(100mL)を用いて室温で4日間撹拌する(工程48)。得られるジアミドをろ過
によって回収し、そして水、次いで酢酸エチルで洗浄する。
【0100】
シス/トランス5-((3-ベンジルオキシメチル)シクロブタン)ヒダントイン 54
3-(ベンジルオキシメチル)シクロペンタン-1,1-ジカルボキサミン (53)を、希次亜塩
素酸ナトリウム(Aldrich製品/水 1:2)中で、0〜5℃で4時間撹拌し、次いで室温で一
晩静置する(工程49)。未反応のジアミドをろ過によって回収する。溶液を濃塩酸を用いて
pH5まで中和し、そして乾燥するまで減圧でエバポレートする。残渣を50mLの熱メタノールで抽出し、ろ過し、そして50mLの熱メタノールで洗浄する。このメタノール溶液を合わせて、そしてエバポレートする。
【0101】
1-アミノ-3-(ベンジルオキシメチル)シクロブタン-1-カルボン酸 55
ヒダントイン 54を、10mLの水酸化バリウム溶液(室温で飽和)を用いて16時間還流することにより加水分解する(工程50)。溶液を2M硫酸でpH6まで中和し、乾燥するまで減圧でエバポレートする。残渣を50mLの熱メタノールで抽出し、ろ過し、そして50mLの熱メタノールで洗浄する。このメタノール溶液を合わせて、そしてエバポレートする。
【0102】
1-t-ブチルカルバメート-3-(ベンジルオキシメチル)シクロブタン-1-カルボン酸 56
メタノール/トリエチルアミン(90:10)混合物(10mL)中のアミノ酸(55)の溶液を、ジ-ter
t-ブチルジカルボネートで処理する(工程51)。混合物を50〜60℃で10分間加熱し、次いで溶媒を回転エバポレーターで除去する。粗生成物を5mLの希塩酸(pH=2)中で0℃で10分間撹拌する。混合物をCH2Cl2で抽出(2×10mL)し、合わせた抽出物を乾燥し、そして溶媒を除去する。粗生成物オイルについて、0.1%ギ酸を含む塩化メチレン/メタノール(9:1)を用いてシリカゲルクロマトグラフィーを行う。
【0103】
1-t-ブチルカルバメート-3-(ベンジルオキシメチル)シクロブタン-1-カルボン酸メチル
エステル 57
水酸化カリウムの40%溶液を、0〜5℃でエーテル中の1-メチル-3-ニトロ-1-ニトロソ
グアニジンのスラリーに滴下する。得られるジアゾメタンエーテル溶液を、エーテル中の
カルボン酸 56に添加し、そしてこの混合物を室温で15分間撹拌する(工程52)。混合物を水で洗浄し、そしてエーテルをエバポレートする。粗生成物残渣について、酢酸エチル/ヘキサン(1:9)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーを行う。
【0104】
1-t-ブチルカルバメート-3-(ヒドロキシメチル)シクロブタン-1-カルボン酸メチルエス
テル 58
メタノール中の保護されたアミノ酸ベンジルエステル 57の溶液を、5mLのメタノール中の10%活性炭担持パラジウムの懸濁液と混合する(工程53)。混合物を水素(バルーン)の加圧条件下で16時間撹拌する。触媒をろ過で除去し、そして溶媒をエバポレートする。粗生成物残渣について、塩化メチレン/メタノール(9:1)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーを行う。
【0105】
1-t-ブチルカルバメート-3-(トリフルオロメタンスルホンオキシメチル)シクロブタン-
1-カルボン酸メチルエステル 59
アルコール 58を、N2下で撹拌することによって、10mLの乾燥塩化メチレンおよびピリ
ジン(12μL)に溶解する。溶液を0〜5℃に冷却し、そして12μLのトリフルオロメタンスルホン酸無水物を添加する(工程54)。1時間後、溶媒を減圧中で除去し、そして粗生成物オイルについて、酢酸エチル/ヘキサン(3:7)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーを行う。
【0106】
[18F]-1-アミノ-3-(フルオロメチル)シクロブタン-1-カルボン酸 60
[18F]-フッ化物を、95%濃縮[18O]水で11MeVの陽子による18O(p,n)18Fの反応を用いて生
成する。水をエバポレートし、そしてアセトニトリルをエバポレートすることによるフッ
化物の乾燥の後、保護されたアミノ酸トリフラート 58(3mg)をアセトニトリル溶液(1mL)
に導入する。(NCA)フッ素化反応を、炭酸カリウムおよびKryptofixの存在下、密閉容器中で85℃で5分間行う(工程55)。未反応の18F-を、塩化メチレンで反応混合物を希釈し、次いでシリカゲルSeppakを通過させることにより除去し、18Fで標識された生成物36を得る。59の脱保護は、115℃で15分間4N HCl(1mL)を用いて達成され(工程56)、次いで水溶
液をイオン遅延樹脂(AG 11A8 50-100メッシュ)を通過させる。
【0107】
実施例6[123I]-1-アミノ-3-ヨードシクロブタン-1-カルボン酸 61の合成
[123I]-ヨウ化ナトリウム(10mCi, 0.1N NaOH 溶液)を、アセトニトリル(2mL)のエバ
ポレートによって乾燥し、保護されたアミノ酸トリフラート 11(3mg)をアセトニトリル
溶液(1mL)に導入する(工程57)。(NCA)ヨウ素化反応を、密閉容器中で85℃で5分間行う。
未反応の18F-を、塩化メチレンで反応混合物を希釈し、次いでシリカゲルSeppakを通過さ
せることにより除去し、18Iで標識された生成物を得る。脱保護は、115℃で15分間4N H
Cl(1mL)を用いて達成され(工程58)、次いで水溶液をイオン遅延樹脂(AG 11A8 50-100
メッシュ)を通過させる。
【0108】
実施例7: [123I]-1-アミノ-3-ヨードシクロブト-2-エン-1-カルボン酸
65の合成
1-t-ブチルカルバメート-3-オキソ-1-シクロブタン-1-カルボン酸メチルエステル6

保護されたアルコール10をDMF中のクロロクロム酸ピリジニウムの懸濁液に25℃で添
加し、65℃で3時間撹拌し、次いで水(75 mL)で希釈する(工程59)。混合物をエー
テル(2×50 mL)で抽出し、そして合わせたエーテル層を水で洗浄し、乾燥(MgSO4
し、そして溶媒をロートエバポレーション(roto-evaporation)により除去する。
【0109】
[1-t-ブチルカルバメート-1-シクロブタン-1-カルボン酸メチルエステル]3-ヒドラ
ゾン63
ヒドラジン、ケトン62、DBNおよびエタノール20 mLの混合物を沸騰するまで加熱す
る(工程60)。混合物を10分間加熱状態で維持する。溶液を冷却し、そしてヒドラゾンをろ過により収集する。
【0110】
[123I]-1-アミノ-3-ヨード-シクロブト-2-エン-1-カルボン酸65
3%の過酸化水素水を、木炭ベント(charcoal vent)により保護された密閉バイアル
中の [123I]ヨウ化ナトリウム、ヒドラゾン63および0.1 N HClの混合物に添加する
(工程61)。反応を30分間室温で進行させ、重亜硫酸ナトリウム溶液(300 mg/mL)でクエンチする。64の脱保護(工程62)を4N HCl1mLを使用して115℃、15分間で達成し、次いで水溶液をイオン遅滞樹脂(ion-retardation resin)(AG 11A8 50-100メッシュ)に通過させる。
【0111】
実施例8: E-[123I]-1-アミノ-3-(2-ヨードエテニル)シクロブタン-1-カ
ルボン酸69の合成
1-t-ブチルカルバメート-3-ブロモ-1-シクロブタン-1-カルボン酸メチルエステル66
臭素を、DMF中のアルコール10およびトリフェニルホスフィンの混合物に−10℃で添
加する(工程63)。1時間撹拌後、混合物を水で希釈し、そしてエーテルで抽出する。
エーテル層を水、10%の亜硫酸ナトリウムで洗浄し、次いで乾燥する。エーテルを除去し
、そして残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。
【0112】
1-t-ブチルカルバメート-3-エチニル-1-シクロブタン-1-カルボン酸メチルエステ
ル67
THF中の臭素化合物66を、0℃で窒素雰囲気下にて撹拌したTHF中のリチウムアセチリドエチレンジアミン錯体の懸濁液に添加する(工程64)。混合物を3時間25℃で撹拌し、氷水に注ぎ、そしてエーテルで抽出する。エーテル抽出物を氷冷の1N HCl、ブラインで洗浄し、次いで乾燥する。エーテルを除去し、そして残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。
【0113】
【化18】

【0114】
1-t-ブチルカルバメート-3-((E)-2-トリブチルスタンニルエテニル)-1-シクロブタン
-1-カルボン酸メチルエステル68
水素化トリブチルスズ、アルキン67およびアゾビスイソブチロニトリルをトルエン中
で窒素雰囲気下にて10時間還流する(工程65)。反応混合物を冷却し、溶媒を真空下で除去し、そして残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。
【0115】
[123I]-1-アミノ-3-((E)-2-ヨードエテニル)シクロブト-2-エン-1-カルボン酸6

3%の過酸化水素水を、木炭ベントにより保護された密閉バイアル中の [125I]ヨウ化
ナトリウム、トリブチルスタンニル68および0.1 N HClの混合物に添加する(工程6
6)。反応を30分間室温で進行させ、重亜硫酸ナトリウム溶液(300 mg/mL)でクエンチする。脱保護(工程67)を4N HCl1mLを使用して115℃、15分間で達成し、次いで水溶液をイオン遅滞樹脂(AG 11A8 50-100メッシュ)に通過させる。
【0116】
実施例9: [123I]-1-アミノ-3-(ヨードメチレニル)シクロブタン-1-カル
ボン酸の合成
(ブロモメチル)トリフェニルホスホニウムブロマイド70
ベンゼン中の(ヒドロキシメチル)トリフェニルホスホニウムブロマイドおよび三臭化リ
ンの混合物を、撹拌しつつ還流温度で23時間加熱する。この時間の後、溶液は暗橙色となり、橙色の固体が存在する。混合物を25℃まで冷却し、そしてメタノールを添加する。溶媒を減圧下で除去し、そして残渣を水で処理し、ホスホニウム塩を抽出する。水性抽出物を固体臭化カリウムで飽和し、そしてクロロホルムで抽出する。ホスホニウム塩を、酢酸エチルの添加により熱クロロホルムから結晶化させる。
【0117】
1-t-ブチルカルバメート-3-(ブロモメチレニル)-1-シクロブタン-1-カルボン酸メ
チルエステル71
ホスホニウム塩70をエーテル中に懸濁し、そしてエーテル性フェニルリチウムを25℃
で迅速に添加する。2時間以内に芥子黄色となる橙黄色溶液を得る。この溶液に、保護さ
れたケトン62を添加し、そして反応混合物を撹拌しつつ還流温度で8時間加熱する(工
程68)。エーテルを除去し、そして残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。
【0118】
【化19】

【0119】
1-t-ブチルカルバメート-3-(トリブチルスタンニルメチレニル)-1-シクロブタン-1-
カルボン酸メチルエステル72
71のエーテル溶液に、−78℃でt-ブチルリチウム(2当量)を添加し、15分後塩化トリブチルスズを添加し、そして混合物を25℃まで加温する(工程69)。反応混合物を氷水に注ぎ、そしてエーテル層を分離し、次いで乾燥する。エーテルを除去し、そして残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。
【0120】
[123I]-1-アミノ-3-(ヨードメチレニル)シクロブタン-1-カルボン酸74
3%の過酸化水素水を、木炭ベントにより保護された密閉バイアル中の [125I]ヨウ化
ナトリウム、トリブチルスタンニル72および0.1 N HClの混合物に添加する(工程7
0)。反応を30分間室温で進行させ、重亜硫酸ナトリウム溶液(300 mg/mL)でクエンチする。73の脱保護(工程71)を4N HCl1mLを使用して115℃、15分間で達成し、次いで水溶液をイオン遅滞樹脂(AG 11A8 50-100メッシュ)に通過させる。
【0121】
実施例10: [123I]-2-アミノ-2-メチル-4-(E)-ヨードブト-3-エン-1-

2-t-ブチルカルバメート-2-メチル-3-カルボメトキシプロパノール75
保護されたアルコール22をDMF中のクロロクロム酸ピリジニウムの懸濁液に25℃で添
加し、65℃で3時間撹拌し、次いで水(75 mL)で希釈する(工程72)。混合物をエー
テル(2×50 mL)で抽出し、そして合わせたエーテル層を水で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、そして溶媒をロートエバポレーションにより除去する。
【0122】
2-t-ブチルカルバメート-2-メチル-4-(E)-ブロモブト-3-エン-1-酸メチルエステ
ル76
ホスホニウム塩70をエーテル中に懸濁し、そしてエーテル性フェニルリチウムを25℃
で迅速に添加する。2時間以内に芥子黄色となる橙黄色溶液を得る。この溶液に、保護さ
れたアルデヒド75を添加し、そして反応混合物を撹拌しつつ還流温度で8時間加熱する
(工程73)。エーテルを除去し、そして残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。
【0123】
【化20】

【0124】
2-t-ブチルカルバメート-2-メチル-4-(E)-トリブチルスタンニルブト-3-エン-1-
酸メチルエステル77
76のエーテル溶液に、−78℃でt-ブチルリチウム(2当量)を添加し、15分後塩化トリブチルスズを添加し、そして混合物を25℃まで加温する(工程74)。反応混合物を氷水に注ぎ、そしてエーテル層を分離し、次いで乾燥する。エーテルを除去し、そして残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。
【0125】
[123I]-2-アミノ-2-メチル-4-(E)-ヨードブト-3-エン-1-酸79
3%の過酸化水素水を、木炭ベントにより保護された密閉バイアル中の [123I]ヨウ化
ナトリウム、トリブチルスタンニル77および0.1 N HClの混合物に添加する(工程7
5)。反応を30分間室温で進行させ、重亜硫酸ナトリウム溶液(300 mg/mL)でクエンチする。78の脱保護(工程76)を4N HCl1mLを使用して115℃、15分間で達成し、次いで水溶液をイオン遅滞樹脂(AG 11A8 50-100メッシュ)に通過させる。
【0126】
実施例11: [123I]-1-アミノ-3-ヨードシクロペンタン-1-カルボン酸8
0の合成
[125I]-ヨウ化ナトリウム(10 mCi、0.1 N NaOH溶液)をアセトニトリル(2mL)エ
バポレーションにより乾燥し、保護されたアミノ酸トリフラート35(3mg)をアセトニ
トリル溶液(1mL)に導入する。(NCA)ヨウ素化反応を密閉容器中にて85℃で5分間実
施する。反応しなかった123Iを、反応混合物を塩化メチレンで希釈し、続いてシリカゲル
Seppakを通過させることにより除去し、123I標識生成物を得る。脱保護を4N HCl1mLを
使用して115℃、15分間で達成し、次いで水溶液をイオン遅滞樹脂(AG 11A8 50-100メ
ッシュ)に通過させる。
【0127】
【化21】

【0128】
実施例12: [123I]-1-アミノ-3-ヨードシクロペント-2-エン-1-カルボ
ン酸の合成
1-t-ブチルカルバメート-3-オキソ-1-シクロペンタン-1-カルボン酸メチルエステル
81
保護されたアルコール34をDMF中のクロロクロム酸ピリジニウムの懸濁液に25℃で添
加し、65℃で3時間撹拌し、次いで水(75 mL)で希釈する(工程77)。混合物をエー
テル(2×50 mL)で抽出し、そして合わせたエーテル層を水で洗浄し、乾燥(MgSO4
し、そして溶媒をロートエバポレーションにより除去する。
【0129】
[1-t-ブチルカルバメート-1-シクロペンタン-1-カルボン酸メチルエステル]3-ヒド
ラゾン82
ヒドラジン、ケトン81、DBNおよびエタノール20 mLの混合物を沸騰するまで加熱す
る(工程78)。混合物を10分間加熱状態で維持する。溶液を冷却し、そしてヒドラゾンをろ過により収集する。
【0130】
[123I]-1-アミノ-3-ヨード-シクロペント-2-エン-1-カルボン酸84
3%の過酸化水素水を、木炭ベントにより保護された密閉バイアル中の [123I]ヨウ化
ナトリウム、ヒドラゾン82および0.1 N HClの混合物に添加する(工程79)。反応
を30分間室温で進行させ、重亜硫酸ナトリウム溶液(300 mg/mL)でクエンチする。83の脱保護(工程80)を4N HCl1mLを使用して115℃、15分間で達成し、次いで水溶液をイオン遅滞樹脂(AG 11A8 50-100メッシュ)に通過させる。
【0131】
実施例13: E-[123I]-1-アミノ-3-(2-ヨードエテニル)シクロペンタン-
1-カルボン酸88の合成
1-t-ブチルカルバメート-3-ブロモ-1-シクロペンタン-1-カルボン酸メチルエステル
85
臭素を、DMF中のアルコール34およびトリフェニルホスフィンの混合物に−10℃で添
加する(工程81)。1時間撹拌後、混合物を水で希釈し、そしてエーテルで抽出する。
エーテル層を水、10%の亜硫酸ナトリウムで洗浄し、次いで乾燥する。エーテルを除去し
、そして残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。
【0132】
1-t-ブチルカルバメート-3-エチニル-1-シクロペンタン-1-カルボン酸メチルエス
テル86
THF中の臭素化合物85を、0℃で窒素雰囲気下にて撹拌したTHF中のリチウムアセチリドエチレンジアミン錯体の懸濁液に添加する(工程82)。混合物を3時間25℃で撹拌し、氷水に注ぎ、そしてエーテルで抽出する。エーテル抽出物を氷冷の1N HCl、ブラインで洗浄し、次いで乾燥する。エーテルを除去し、そして残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。
【0133】
1-t-ブチルカルバメート-3-((E)-2-トリブチルスタンニルエテニル)-1-シクロペン
タン-1-カルボン酸メチルエステル87
水素化トリブチルスズ、アルキン86およびアゾビスイソブチロニトリルをトルエン中
で窒素雰囲気下にて10時間還流する(工程83)。反応混合物を冷却し、溶媒を真空下で除去し、そして残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。
【0134】
[123I]-1-アミノ-3-((E)-2-ヨードエテニル)シクロペンタン-1-カルボン酸88
3%の過酸化水素水を、木炭ベントにより保護された密閉バイアル中の [123I]ヨウ化
ナトリウム、トリブチルスタンニル87および0.1 N HClの混合物に添加する(工程8
4)。反応を30分間室温で進行させ、重亜硫酸ナトリウム溶液(300 mg/mL)でクエンチする。脱保護(工程85)を4N HCl1mLを使用して115℃、15分間で達成し、次いで水溶液をイオン遅滞樹脂(AG 11A8 50-100メッシュ)に通過させる。
【0135】
【化22】

【0136】
実施例14: [123I]-1-アミノ-3-(ヨードメチレニル)シクロペンタン-1-
カルボン酸93の合成
1-t-ブチルカルバメート-3-(ブロモメチレニル)-1-シクロペンタン-1-カルボン酸メ
チルエステル90
ホスホニウム塩70をエーテル中に懸濁し、そしてエーテル性フェニルリチウムを25℃
で迅速に添加する。2時間以内に芥子黄色となる橙黄色溶液を得る。この溶液に、保護さ
れたケトン81を添加し、そして反応混合物を撹拌しつつ還流温度で8時間加熱する(工
程86)。エーテルを除去し、そして残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。
【0137】
1-t-ブチルカルバメート-3-(トリブチルスタンニルメチレニル)-1-シクロペンタン-
1-カルボン酸メチルエステル91
90のエーテル溶液に、−78℃でt-ブチルリチウム(2当量)を添加し、15分後塩化トリブチルスズを添加し、そして混合物を25℃まで加温する(工程87)。反応混合物を氷水に注ぎ、そしてエーテル層を分離し、次いで乾燥する。エーテルを除去し、そして残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。
【0138】
[123I]-1-アミノ-3-(ヨードメチレニル)シクロペンタン-1-カルボン酸93
3%の過酸化水素水を、木炭ベントにより保護された密閉バイアル中の [123I]ヨウ化
ナトリウム、トリブチルスタンニル91および0.1 N HClの混合物に添加する(工程8
8)。反応を30分間室温で進行させ、重亜硫酸ナトリウム溶液(300 mg/mL)でクエンチする。92の脱保護(工程89)を4N HCl1mLを使用して115℃、15分間で達成し、次いで水溶液をイオン遅滞樹脂(AG 11A8 50-100メッシュ)に通過させる。
【0139】
実施例15: [123I]-1-アミノ-4-ヨードシクロヘキサン-1-カルボン酸9
4の合成
[123I]-ヨウ化ナトリウム(10 mCi、0.1 N NaOH溶液)をアセトニトリル(2mL)エ
バポレーションにより乾燥し、保護されたアミノ酸トリフラート46(3mg)をアセトニ
トリル溶液(1mL)に導入する。(NCA)ヨウ素化反応を密閉容器中にて85℃で5分間実
施する。反応しなかった123Iを、反応混合物を塩化メチレンで希釈し、続いてシリカゲル
Seppakを通過させることにより除去し、123I標識生成物を得る。脱保護を4N HCl1mLを
使用して115℃、15分間で達成し、次いで水溶液をイオン遅滞樹脂(AG 11A8 50-100メ
ッシュ)に通過させる。
【0140】
実施例16: [123I]-1-アミノ-4-ヨードシクロヘキサ-2-エン-1-カルボ
ン酸の合成
1-t-ブチルカルバメート-4-オキソ-1-シクロヘキサン-1-カルボン酸メチルエステル
95
保護されたアルコール46をDMF中のクロロクロム酸ピリジニウムの懸濁液に25℃で添
加し、65℃で3時間撹拌し、次いで水(75 mL)で希釈する(工程77)。混合物をエー
テル(2×50 mL)で抽出し、そして合わせたエーテル層を水で洗浄し、乾燥(MgSO4
し、そして溶媒をロートエバポレーションにより除去する。
【0141】
[1-t-ブチルカルバメート-1-シクロヘキサン-1-カルボン酸メチルエステル]4-ヒド
ラゾン96
ヒドラジン、ケトン95およびエタノール20 mLの混合物を沸騰するまで加熱し、そして氷酢酸の1滴を添加する。混合物を10分間加熱状態で維持する(工程78)。溶液を冷却し、そしてヒドラゾンをろ過により収集する。
【0142】
[123I]-1-アミノ-4-ヨード-シクロヘキサ-2-エン-1-カルボン酸98
3%の過酸化水素水を、木炭ベントにより保護された密閉バイアル中の [125I]ヨウ化
ナトリウム、ヒドラゾン96および0.1 N HClの混合物に添加する(工程79)。反応
を30分間室温で進行させ、重亜硫酸ナトリウム溶液(300 mg/mL)でクエンチする。97の脱保護(工程80)を4N HCl1mLを使用して115℃、15分間で達成し、次いで水溶液をイオン遅滞樹脂(AG 11A8 50-100メッシュ)に通過させる。
【0143】
実施例17: E-[123I]-1-アミノ-3-(2-ヨードエテニル)シクロヘキサン-
1-カルボン酸の合成
1-t-ブチルカルバメート-4-ブロモ-1-シクロヘキサン-1-カルボン酸メチルエステル
99
臭素を、DMF中のアルコール46およびトリフェニルホスフィンの混合物に−10℃で添
加する(工程81)。1時間撹拌後、混合物を水で希釈し、そしてエーテルで抽出する。
エーテル層を水、10%の亜硫酸ナトリウムで洗浄し、次いで乾燥する。エーテルを除去し
、そして残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。
【0144】
1-t-ブチルカルバメート-4-エチニル-1-シクロヘキサン-1-カルボン酸メチルエス
テル100
THF中の臭素化合物99を、THF中のリチウムアセチリドエチレンジアミン錯体の懸濁液に0℃で窒素雰囲気下にて添加する(工程82)。混合物を3時間25℃で撹拌し、氷水に注ぎ、そしてエーテルで抽出する。エーテル抽出物を氷冷の1N HCl、ブラインで洗浄し、次いで乾燥する。エーテルを除去し、そして残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。
【0145】
1-t-ブチルカルバメート-4-((E)-2-トリブチルスタンニルエテニル)-1-シクロヘキ
サン-1-カルボン酸メチルエステル101
水素化トリブチルスズ、アルキン100およびアゾビスイソブチロニトリルをトルエン
中で窒素雰囲気下にて10時間還流する(工程83)。反応混合物を冷却し、溶媒を真空下で除去し、そして残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。
【0146】
[123I]-1-アミノ-4-((E)-2-ヨードエテニル)シクロヘキサン-1-カルボン酸102
3%の過酸化水素水を、木炭ベントにより保護された密閉バイアル中の [123I]ヨウ化
ナトリウム、トリブチルスタンニル101および0.1 N HClの混合物に添加する(工程
84)。反応を30分間室温で進行させ、重亜硫酸ナトリウム溶液(300 mg/mL)でクエンチする。脱保護(工程85)を4N HCl1mLを使用して115℃、15分間で達成し、次いで水溶液をイオン遅滞樹脂(AG 11A8 50-100メッシュ)に通過させる。
【0147】
実施例18: [123I]-1-アミノ-4-(ヨードメチレニル)シクロヘキサン-1-
カルボン酸の合成
1-t-ブチルカルバメート-4-(ブロモメチレニル)-1-シクロヘキサン-1-カルボン酸メ
チルエステル103
ホスホニウム塩70をエーテル中に懸濁し、そしてエーテル性フェニルリチウムを25℃
で迅速に添加する。2時間以内に芥子黄色となる橙黄色溶液を得る。この溶液に、保護さ
れたケトン95を添加し、そして反応混合物を撹拌しつつ還流温度で8時間加熱する(工
程86)。エーテルを除去し、そして残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。
【0148】
1-t-ブチルカルバメート-4-(トリブチルスタンニルメチレニル)-1-シクロヘキサン-
1-カルボン酸メチルエステル104
103のエーテル溶液に、−78℃でt-ブチルリチウム(2当量)を添加し、15分後塩化トリブチルスズを添加し、そして混合物を25℃まで加温する(工程87)。反応混合物を氷水に注ぎ、そしてエーテル層を分離し、次いで乾燥する。エーテルを除去し、そして残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする。
【0149】
[123I]-1-アミノ-4-(ヨードメチレニル)シクロヘキサン-1-カルボン酸106
3%の過酸化水素水を、木炭ベントにより保護された密閉バイアル中の [125I]ヨウ化
ナトリウム、トリブチルスタンニル104および0.1 N HClの混合物に添加する(工程
88)。反応を30分間室温で進行させ、重亜硫酸ナトリウム溶液(300 mg/mL)でクエンチする。105の脱保護(工程89)を4N HCl1mLを使用して115℃、15分間で達成し、次いで水溶液をイオン遅滞樹脂(AG 11A8 50-100メッシュ)に通過させる。
【0150】
実施例19腫瘍耐性ラットにおける生体内分布研究
[18F]FACBCの静脈内投与後5分および60分で、神経膠肉腫を移植した耐性のない雄の
フィッシャー(fisher)ラットの組織においてグラム当たりのパーセント用量として示され
る放射能分布を図Iに示す。[18F]FACBC注入後の脳の放射能蓄積の初期レベルは、5分
で低く(0.11%用量/グラム)、そしてわずかに0.26%用量/グラムに増加した。しかし
、試薬は、脳腫瘍において高い取り込みを示した。腫瘍取り込みは60分で最大値を示し(1.72%用量/グラム)、5分で5.58の脳に対する腫瘍比、60分で6.61の脳に対する腫瘍比の増加を生じた。骨の放射能は、5分で0.52%用量/グラムから60分で0.38%用量/グラムへの減少を示し、これはインビボでの有意な脱フッ素化に対する2-シクロブチル基の意図する安定性を示す。
【0151】
本発明者らが、[18F]2-FDGの静脈投与後5分および60分で、神経膠肉腫を移植した雄
のフィッシャーラットの別の群において[18F]FACBCと[18F]2-FDGとの腫瘍取り込みを
比較したところ、[18F]2-FDGの注入後の脳腫瘍における放射能蓄積の初期レベルは良好
であり、1.29%用量/グラムであった。しかし、2-FDGは、60分で脳腫瘍における取り込
みの1.05%用量/グラムへの減少を示した。高い初期脳取り込みと保持とを組み合わせた
60分での腫瘍の放射能の減少は、60分で0.84の腫瘍の脳に対する低い比率となった。
【0152】
【表1】

【0153】
60分で6.6の、この有意な腫瘍の脳に対する比率は、大いに、PETによるヒトの転移性疾患の処置の診断および管理に関する価値ある造影剤として[18F]FACBCを使用する手助けとなる。
【0154】
さらに、[18F]FACBCは、ヒトの患者におけるヒトのアストロサイト腫瘍細胞に対して
高い特異的結合を示し、さらに、治療に関する本発明のAt-ラベルされた化合物の適合性
を確証した。
実施例20[Tc-99m]テクネチウム, [3-(1-(5-メルカプトペント-1-
イニル))-1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸)][2,2'
メチルイミノ)ビス[エタンチオレート]](2)-N,S,S']
オキソ114の合成
1-t-ブチルカルバメート-3-(5-クロロペント-1-イニル)シクロブタン-1-カルボン酸メチ
ルエステル107
5-クロロペント-1-インを-78℃に冷却し、そして1当量のn-ブチルリチウムで処理する。1-t-ブチルカルバメート-3-(トリフルオロメタンスルホンオキシメチル)-シクロブタン-1-カルボン酸メチルエステル(11)を、得られるリチウムアセチリドに添加し、その混合物を室温に加温し、氷上に注ぎ、そしてエーテルで抽出する。溶媒を除去し、そして生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製する。
【0155】
1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-メルカプトペント-1-イニル))シクロブタン-1-カル
ボン酸メチルエステル110
チオ尿素および1-t-ブチルカルバメート-3-(5-シクロペント-1-イニル)シクロブタン-1
-カルボン酸メチルエステル(107)を共にDMF中で80℃で1時間加熱する。反応中間体を、
3M 水酸化物水溶液と50℃に加温することで加水分解する。混合物を、希釈HClで中和し、エーテルで抽出し、そして合わせたエーテル抽出液をブラインで洗浄し、そして乾燥する(MgSO)。溶媒を除去し、メルカプタン生成物110を得る。
【0156】
[Tc-99m]テクネチウム, [3-(1-(5-メルカプトペント-1-イニル))-1-アミノシクロブタ
ン-1-カルボン酸)][2,2'メチルイミノ)ビス[エタンチオレート]](2-)N,S,S']オキソ114
錯体を、99mTcO-溶出物とN-ジ(2-エチルメルカプト)メチルアミンおよび1-t-ブチ
ルカルバメート-3-(5-メルカプトペント-1-イニル)シクロブタン-1-カルボン酸メチルエ
ステル(110)の等モル量とを結合させることによって調製する。混合物を、C-18 Seppak
に適用し、そして0.5mLの水と0.5mLのエタノールとで溶出し、保護[99mTc]アミノ酸を得る。この化合物を3N HClを用い120℃で20分間加水分解し、次いでAG11-8Aイオン遅滞樹脂に通すことによって精製する。
【0157】
【化23】

【0158】
実施例21[Tc-99m]テクネチウム, [3-(1-(5-メルカプトペント-1(z)-
エニル))-1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸)][2,2'-
メチルイミノ)ビス[エタンチオレート]](2)-N,S,S']
オキソ123の合成
1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-クロロペント-1(Z)-エニル))シクロブタン-1-カルボン
酸メチルエステル117
1-t-ブチルカルバメート-3-(1-5-クロロペント-1-イニル))シクロブタン-1-カルボン酸
メチルエステル(107)、硫酸バリウム担持パラジウム、キノリン、およびメタノールの混
合物を水素下で8時間撹拌する。触媒を、セライトを介して濾過することによって除去し
、そしてメタノールで洗浄する。濾液を減圧下で濃縮し、シス-アルケン化合物120を得る。
【0159】
1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-メルカプトペント-1(Z)-エニル))-シクロブタン-1-
カルボン酸メチルエステル117
チオ尿素および1-t-ブチルカルバメート-3-(1-5-クロロペント-1(Z)-エニル))-シクロ
ブタン-1-カルボン酸メチルエステル(117)を、共にDMF中で80℃で1時間加熱する。反応
中間体を、3M 水酸化物水溶液と50℃に加温することで加水分解する。混合物を、希釈HClで中和し、エーテルで抽出し、そして合わせたエーテル抽出液をブラインで洗浄し、そして乾燥する(MgSO)。溶媒を除去し、メルカプタン生成物120を得る。
【0160】
[Tc-99m]テクネチウム, [3-(1-(5-メルカプトペント-1(Z)-エニル))-1-アミノシクロ
ブタン-1-カルボン酸)][2,2'-メチル-イミノ)ビス[エタンチオレート]](2-)N,S,S']オキ
ソ123
錯体を、99mTcO-溶出物とN-ジ(2-エチルメルカプト)メチルアミンおよび1-t-ブチ
ルカルバメート-3-(1-(5-メルカプトペント-1(Z)-エニル))シクロブタン-1-カルボン酸メ
チルエステル(120)の等モル量とを結合させることによって調製する。混合物を、C-18 S
eppakに適用し、そして0.5mLの水で溶出し、次いで0.5mLのエタノールで溶出し、保護[99mTc]アミノ酸を得る。この化合物をトリフルオロ酢酸(TFA)を用い25℃で5分間加水分解し、次いでAG11-8Aイオン遅滞樹脂に通すことによって精製する。
【0161】
【化24】

【0162】
実施例22[Tc-99m]テクネチウム, [3-(5-(1-ペンタンチオール))-1-
アミノシクロブタン-1-カルボン酸)][2,2'-メチルイミノ)
ビス[エタンチオレート]](2)-N,S,S']オキソ132の合成
1-t-ブチルカルバメート-3-(5-(1-クロロペンチル))シクロブタン-1-カルボン酸メチルエ
ステル126
1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-クロロペント-1-イニル))シクロブタン-1-カルボン
酸メチルエステル(107)、ラネーニケッル、およびメタノールの混合物を水素下で8時間
撹拌する。触媒を、セライトを介して濾過することによって除去し、そしてメタノールで
洗浄する。濾液を減圧下で濃縮し、飽和クロロアルカン化合物126を得る。溶媒を除去し
、そして生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製する。
【0163】
1-t-ブチルカルバメート-3-(5-(1-ペンタンチオール))シクロブタン-1-カルボン酸メチ
ルエステル129
チオ尿素および1-t-ブチルカルバメート-3-(1-5-クロロペント-1(Z)-エニル))-シクロ
ブタン-1-カルボン酸メチルエステル(126)を、共にDMF中で80℃で1時間加熱する。反応
中間体を、3M 水酸化物水溶液と50℃に加温することで加水分解する。混合物を、希釈HClで中和し、エーテルで抽出し、そして合わせたエーテル抽出液をブラインで洗浄し、そして乾燥する(MgSO)。溶媒を除去し、メルカプタン生成物129を得る。
【0164】
[Tc-99m]テクネチウム, [3-(5-(1-ペンタンチオール))-1-アミノシクロブタン-1-カル
ボン酸)][2,2'-メチル-イミノ)ビス[エタンチオレート]](2)N,S,S']
オキソ132
錯体を、99mTcO-溶出物とN-ジ(2-エチルメルカプト)メチルアミンおよび1-t-ブチ
ルカルバメート-3-(5-(1-ペンタンチオール))シクロブタン-1-カルボン酸メチルエステル
(129)の等モル量とを結合させることによって調製する。混合物を、C-18 Seppakに適用
し、そして0.5mLの水で溶出し、次いで0.5mLのエタノールで溶出し、保護[99mTc]アミノ酸を得る。この化合物をTFAを用い25℃で5分間加水分解し、次いでAG11-8Aイオン遅滞樹脂に通すことによって精製する。
【0165】
【化25】

【0166】
実施例23[Tc-99m]テクネチウム, [3-(1-(5-メルカプトペント-1(E)-
エニル))-1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸)][2,2'-
メチルイミノ)ビス[エタンチオレート]](2)-N,S,S']
オキソ141の合成
1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-クロロペント-1(E)-エニル))シクロブタン-1-カルボン
酸メチルエステル135
エーテル中の5-クロロ-1(E)-ヨードペント-1-エンを-78℃に冷却し、そしてn-ブチルリチウムで処理する。1時間撹拌した後、1-t-ブチルカルバメート-3-(トリフルオロメタンスルホンオキシメチル)-シクロブタン-1-カルボン酸メチルエステル(11)をリチウムアルキニリドに15分かけて添加する。この混合物を25℃で1時間撹拌し、氷冷5%HCl水溶液中に注ぎ、そしてエーテルで抽出する。溶媒を除去し、そして生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製する。
【0167】
1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-メルカプトペント-1(E)-エニル))シクロブタン-1-カ
ルボン酸メチルエステル138
チオ尿素および1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-クロロペント-1(E)-エニル))-シクロ
ブタン-1-カルボン酸メチルエステル(135)を共にDMF中で80℃で1時間加熱する。反応中
間体を3M 水酸化物水溶液と50℃に加温することで加水分解する。混合物を、希釈HClで中和し、エーテルで抽出し、そして合わせたエーテル抽出液をブラインで洗浄し、そして乾燥(MgSO)する。溶媒を除去し、メルカプタン生成物138を得る。
【0168】
[Tc-99m]テクネチウム, [3-(1-(5-メルカプトペント-1(E)-エニル))-1-アミノシクロ
ブタン-1-カルボン酸)][2,2'-メチル-イミノ)ビス[エタンチオレート]](2-)N,S,S']オキ
ソ141
錯体を、99mTcO-溶出物とN-ジ(2-エチルメルカプト)メチルアミンおよび1-t-ブチ
ルカルバメート-3-(1-(5-メルカプトペント-1(E)-エニル))シクロブタン-1-カルボン酸メ
チルエステル(138)の等モル量とを結合させることによって調製する。混合物を、C-18 S
eppakに適用し、そして0.5mLの水で溶出し、次いで0.5mLのエタノールで溶出し、保護[99mTc]アミノ酸を得る。この化合物をTFAを用い25℃で5分間加水分解し、次いでAG11-8Aイオン遅滞樹脂に通すことによって精製する。
【0169】
【化26】

【0170】
実施例24[99mTc]テクネチウム, [3-(1-(5-アミノペント-1-
イニル))-1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸)
カルボニルシクロペンタジエニル][トリカルボニル]150
の合成
1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-アミノペント-1-イニル))シクロブタン-1-カルボン酸
メチルエステル144
一般の手順:
1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-アミノペント-1-イニル))シクロブタン-1-カルボン
酸メチルエステル(107)をDMF中でアジ化ナトリウムと80℃で反応させる。混合物を水でクエンチし、そしてエーテルで抽出し、アジ化物を得る。粗アジ化生成物をメタノール中に溶解し、そして水素化ホウ素ナトリウムで処理し、そして冷1M HClでクエンチする。混合物をpH 8にし、そしてエーテルで抽出し、アミン生成物144を得る。
【0171】
[99mTc]テクネチウム, [3-(1-(5-アミノペント-1-イニル))-1-アミノシクロブタン-1-
カルボン酸)カルボニルシクロペンタジエニル][トリカルボニル]150
一般の手順:
乾燥塩化メチレン中の、フェロセンジカルボニルクロリド、アミノ化合物144、および
トリエチルアミンの溶液を2時間加熱還流する。溶液を塩化メチレンで抽出し、飽和重炭
酸ナトリウムで洗浄し、そしてエバポレートして乾燥(dryness)させる。
【0172】
フェロセン化合物147とMn(CO)5Brとをガラスチューブ内に配置し、そしてTHFおよび99mTcO-溶出物を添加する。ガラスチューブをシールし、そして150℃で1時間加熱す
る。混合物を、C-18 Seppakに適用し、そして0.5mLの水で溶出し、次いで0.5mLのエタノールで溶出し、保護[99mTc]アミノ酸を得る。この化合物をTFAを用い25℃で5分間加水分解し、次いでAG11-8Aイオン遅滞樹脂に通すことによって精製する。
【0173】
【化27】

【0174】
実施例25[99mTc]テクネチウム, [3-(1-(5-アミノペント-1(Z)-
エニル))-1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸)
カルボニルシクロペンタジエニル][トリカルボニル]159の合成
1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-アミノペント-1(Z)-エニル)-シクロブタン-1-カルボン
酸メチルエステル153
144に関する上記の手順を、1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-アミノペント-1(Z)-エニ
ル)シクロブタン-1-カルボン酸メチルエステル(144)を用いて行う。
【0175】
[99mTc]テクネチウム, [3-(1-(5-アミノペント-1(Z)-エニル))-1-アミノシクロブタン
-1-カルボン酸)カルボニルシクロペンタジエニル][トリカルボニル]159
150に関する上記の手順を、アミノ化合物として1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-アミノペント-1(Z)-エニル-シクロブタン-1-カルボン酸メチルエステル(153)を用いて行う。
【0176】
【化28】

【0177】
実施例26[99mTc]テクネチウム, [3-(1-(5-ペンタンアミン))
-1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸)
カルボニルシクロペンタジエニル][トリカルボニル]168
の合成
1-t-ブチルカルバメート-3-(5-(1-ペンチルアミン))シクロブタン-1-カルボン酸メチルエ
ステル162
144に関する上記の手順を、1-t-ブチルカルバメート-3-(5-(1-クロロペンチル))シクロ
ブタン-1-カルボン酸メチルエステル(126)を用いて行う。
【0178】
[99mTc]テクネチウム, [3-(1-(5-ペンタンアミン))アミノシクロブタン-1-カルボン酸
)カルボニルシクロペンタジエニル][トリカルボニル] 168
150に関する上記の手順を、アミノ化合物として1-t-ブチルカルバメート-3-(5-(1-ペンチルアミン))シクロブタン-1-カルボン酸メチルエステル(162)を用いて行う。
【0179】
【化29】

【0180】
実施例27[99mTc]テクネチウム, [3-(1-(5-アミノペント-1(E)-
エニル))-1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸)
カルボニルシクロペンタジエニル)[トリカルボニル]177
の合成
1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-アミノペント-1(E)-エニル))シクロブタン-1-カルボン
酸メチルエステル162
144に関する上記の手順を、1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-アミノペント-1(E)-エニ
ル))シクロブタン-1-カルボン酸メチルエステル(135)を用いて行う。
【0181】
[99mTc]テクネチウム, [3-(1-(5-アミノペント-1(E)-エニル))-1-アミノシクロブタン
-1-カルボン酸)カルボニルシクロペンタジエニル][トリカルボニル]177
150に関する上記の手順を、アミノ化合物として1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-アミノペント-1(E)-エニル)-シクロブタン-1-カルボン酸メチルエステル171を用いて行う。
【0182】
【化30】

【0183】
実施例28[99mTc]テクネチウム, ビス[3-(1-(5N-アミノペント-1-
イニル)-6-ヒドラジノニコチンアミド)-1-アミノシクロブタン
-1-カルボン酸]183の合成
1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-アミノペント-1イニル))シクロブタン-1-カルボン酸
メチルエステル(144)を、DMF中のスクシンイミジル-6-t-Boc-ヒドラジノピリジン-3-カル
ボン酸とジイソプロピルエチルアミンとの溶液に添加する。混合物を2時間撹拌し、水を
添加し、そしてこの混合物をエーテルで抽出する。t-Bocおよびメチル保護基を、粗生成
物を5mLのトリフルオロ酢酸(TFA)と撹拌することによって除去する。TFAを、ロータリーエバポレーションによって除去し、そしてその生成物(180)を逆相HPLCによって精製する。
【0184】
以下の手順を用いて、HYNICアミノ酸アナログを99mTcで放射標識する。Hynicアミノ
酸171、DMSO、0.1M アセテートバッファー pH 5.2 および99mTc-グルコヘプトネートの溶液を、短時間ボルテックスし、次いでこの混合物を1時間静置する。ラベルされた化合物174を逆相HPLCによって精製する。
【0185】
[99mTc]テクネチウム, ビス[3-(1-(5N-アミノペント-1(Z)-エニル-6-ヒドラジノニコ
チンアミド)-1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸]189の合成
183に関する上記の手順を、アミノ化合物として、1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-ア
ミノペント-1(Z)-エニル))シクロブタン-1-カルボン酸メチルエステル(153)を用いて行う。
【0186】
[99mTc]テクネチウム, ビス[3-(1-(5N-アミノペンチル)-6-ヒドラジノニコチンアミド
)-1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸]195の合成
183に関する上記の手順を、アミノ化合物として、1-t-ブチルカルバメート-3-(5-(1-ペ
ンチルアミン))シクロブタン-1-カルボン酸メチルエステル(153)を用いて行う。
【0187】
[99mTc]テクネチウム, ビス[3-(1-(5N-アミノペント-1(E)-エニル)-6-ヒドラジノニコ
チンアミド)-1-アミノシクロブタン-1-カルボン酸]201の合成
183に関する上記の手順を、アミノ化合物として、1-t-ブチルカルバメート-3-(1-(5-ア
ミノペント-1(E)-エニル))シクロブタン-1-カルボン酸メチルエステル(171)を用いて行う。
【0188】
【化31】

【0189】
【化32】

【0190】
【化33】

【0191】
【化34】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載される発明。

【公開番号】特開2011−207901(P2011−207901A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121052(P2011−121052)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【分割の表示】特願2007−120359(P2007−120359)の分割
【原出願日】平成8年11月8日(1996.11.8)
【出願人】(504391260)エモリー ユニバーシティー (6)
【Fターム(参考)】