腰痛帯
【課題】非装着時の巻き取り操作が容易で、コンパクトに巻き取ることが可能な腰痛帯の提供。
【解決手段】人体の胴位に背面部から腹部までを覆って巻装される帯状の本体ベルト1を備え、本体ベルト1の両端部外面に設けられた本体ベルト第一係着手段3と、本体ベルトの一方の端部内面に設けられ、本体ベルト第一係着手段3と係合し得る本体ベルト第二係着手段と、を有する腰痛帯であって、前記本体ベルト第二係着手段が設けられていない側の端部から内面を内側として本体ベルト1を巻き取った状態において、本体ベルト第二係着手段が所定の第一係着手段と係合することにより、本体ベルト1の巻き取り状態が維持されるよう構成された腰痛帯Aを提供する。
【解決手段】人体の胴位に背面部から腹部までを覆って巻装される帯状の本体ベルト1を備え、本体ベルト1の両端部外面に設けられた本体ベルト第一係着手段3と、本体ベルトの一方の端部内面に設けられ、本体ベルト第一係着手段3と係合し得る本体ベルト第二係着手段と、を有する腰痛帯であって、前記本体ベルト第二係着手段が設けられていない側の端部から内面を内側として本体ベルト1を巻き取った状態において、本体ベルト第二係着手段が所定の第一係着手段と係合することにより、本体ベルト1の巻き取り状態が維持されるよう構成された腰痛帯Aを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰痛の予防や治療のため、腰部に固定して用いられる腰痛帯に関する。詳しくは、非装着時に巻き取り易く構成された腰痛帯に関する。
【背景技術】
【0002】
腰痛の予防、治療には種々の方法があるが、その一つとして腰痛帯で腰部を締め付け固定する方法がある。この腰痛帯の基本原理は、腹腔内の圧を高めて脊柱にかかる負担を軽減することにあり、この腹腔内の圧を高めるために、腰部に帯状のものを巻き付けて圧迫を加えるようにするのがその基本構造である。その構造の簡単なものは、非伸縮性の素材、又は非伸縮性の素材と伸縮性の素材とを組合せたものからなる帯状の本体の両端に面ファスナー等の係着手段を設けたものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、圧迫効果を高めるため、本体に補助ベルトを付加した二重帯構造とした腰部固定帯も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−78943号公報
【特許文献2】特開2003−144469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の腰痛帯は、非装着時には、折り畳んだ状態で鞄等に収容されて携行されている。しかし、従来の腰痛帯では、折り畳んだ後に、折り畳み状態が維持されずに広がってしまう場合があった。また、高強度の素材を用いたり、補助ベルトを付加したりして圧迫効果を高めた固定帯では、折り畳み状態が維持できないだけでなく、折り畳み時に嵩高となる傾向もあり、鞄等の中でスペースを取ってしまう場合もあった。
【0006】
そこで、本発明は、非装着時の巻き取り操作が容易で、コンパクトに巻き取ることが可能な腰痛帯を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題解決のため、本発明は、人体の胴位に背面部から腹部までを覆って巻装される帯状の本体ベルトを備え、本体ベルトの両端部外面に設けられた本体ベルト第一係着手段と、本体ベルトの一方の端部内面に設けられ、前記本体ベルト第一係着手段と係合し得る本体ベルト第二係着手段と、を有する腰痛帯であって、前記本体ベルト第二係着手段が設けられていない側の端部から内面を内側として本体ベルトを巻き取った状態において、本体ベルト第二係着手段が所定の第一係着手段と係合することにより、本体ベルトの巻き取り状態が維持されるよう構成された腰痛帯を提供する。
この腰痛帯は、さらに、本体ベルトの略中央に一端を固定され、本体ベルトの両端に向かってそれぞれ延びる一対の補助ベルトを備え、補助ベルトの非固定端に、前記本体ベルト第一係着手段に係合し得る補助ベルト第二係着手段を有する腰痛帯であって、本体ベルト第二係着手段が設けられた側へ延びる前記補助ベルトの外面に、補助ベルト第一係着手段が設けられ、本体ベルト第二係着手段が設けられていない側の端部から内面を内側として本体ベルトを巻き取った状態において、本体ベルト第二係着手段が前記補助ベルト第一係着手段と係合し得るように構成されたものとできる。
この場合、前記補助ベルト第一係着手段が、前記補助ベルトの先端に一部を結合されて設けられ、補助ベルト第一係着手段の補助ベルトに結合されていない部分が、本体ベルト第一係着手段へ前記補助ベルト第二係着手段を着脱するための把持部として構成されていることが好適となる。
またあるいは、この腰痛帯は、前記本体ベルト第二係着手段の裏面に配設された前記本体ベルト第一係着手段の大きさが、本体ベルト第二係着手段が設けられていない側の端部から内面を内側として本体ベルトを巻き取った際に、本体ベルト第二係着手段が該本体ベルト第一係着手段に到達し、係合し得る大きさとされたものとできる。
前記本体ベルトの両端部外面にそれぞれ設けられた前記本体ベルト第一係着手段の大きさは、非対称性としてもよい。
前記本体ベルトの略中央に一端を固定され、本体ベルトの両端に向かってそれぞれ延びる一対の補助ベルトを設ける場合には、前記補助ベルト第二係着手段が、前記補助ベルトの非固定端側内面に、先端部において分離した状態で結合されて設けられ、補助ベルト第二係着手段から分離した補助ベルトの自由端部が、前記本体ベルト第一係着手段へ前記補助ベルト第二係着手段を着脱するための把持部として構成されていることが好適となる。
これらの腰痛帯において、前記本体ベルト第二係着手段の縦幅は、前記本体ベルトの端部の縦幅よりも小さくされることが好ましい。
また、胴位への巻装時に人体の腹部を覆う領域に、横方向への縫製ラインが1あるいは2以上形成されていることが好ましく、さらには、前記本体ベルト第二係着手段が、前記本体ベルトの端部内面において、前記縫製ラインの間に配されていることが好ましい。
【0008】
本発明において、腰痛帯の「内面」とは、腰痛帯の装着時において身体側となる面を指し、「外面」とは、その反対面を指す。また、腰痛帯の「縦方向」は、装着時において体軸に沿う方向(身長方向)を意味し、「横方向」は、これに直交する方向(胴周方向)を意味するものとする。
【0009】
また、本発明において、「係着手段」とは、所定の形状を有する部材とこの形状に係合し得る形状を有する部材の2種類の部材からなり、2つの形状が係合することによって両部材を脱着可能に結合し得る手段を意味するものとする。「第一係着手段」あるいは「第二係着手段」とは、この2種類の部材のいずれか一方を指す。
【0010】
係着手段は、例えば、表面をループ状に起毛した部材とフック状に起毛した部材とから構成される従来汎用の面ファスナーのように、異なる2つの形状が互いに係合するものとできる。係着手段として面ファスナーを採用する場合、例えば第一係着手段をループ状に起毛された側の部材とし、第二係着手段を面ファスナーのフック状に起毛された側の部材とすることができるが、どちらの部材を第一あるいは第二とするかは任意であるものとする。
【0011】
また、係着手段は、例えば、表面に有頭突子が所定の離間配置で立設された2つの部材から構成され、両部材の有頭突子同士が係合するいわゆるメカニカルファスナー(特開平7−39407等参照)のように、同一の形状同士が係合するものとしてもよい。このような係着手段としては、他に、表面に凹凸形状が設けられた2つの部材から構成され、一方の部材の凹部が他方の部材の凸部と係合するいわゆるインターロックなどがある(特開2009−183743(図20)参照)。係着手段としてメカニカルファスナーやインターロックなどを採用する場合、第一係着手段及び第二係着手段は同一構成の部材とされるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、非装着時の巻き取り操作が容易で、コンパクトに巻き取ることが可能な腰痛帯が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第一実施形態に係る腰痛帯Aの外面模式図である。
【図2】腰痛帯Aの内面模式図である。
【図3】人体の胴位に巻装された状態の腰痛帯Aを説明する図である。
【図4】腰痛帯Aの巻き取り操作を説明する図である。
【図5】本体ベルト1端部及び本体ベルトフック面13の構成を説明する図である。
【図6】本体ベルト1端部の折れ曲がりを説明する図である。
【図7】補助ベルトループ面212の構成を説明する図である。
【図8】把持部212bの構成を説明する図である。
【図9】本発明の第二実施形態に係る腰痛帯Bの外面模式図である。
【図10】腰痛帯Bの内面模式図である。
【図11】腰痛帯Bの巻き取り操作を説明する図である。
【図12】補助ベルトフック面211の構成を説明する図である
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0015】
1.第一実施形態に係る腰痛帯
(1)腰痛帯Aの構造
図1に、本発明の第一実施形態に係る腰痛帯Aの外面模式図を、図2に、内面模式図を示す。また、図3に、人体の胴位に巻装された状態の腰痛帯Aを示す。図3(A)は人体の正面図、(B)は背面図である。
【0016】
腰痛帯Aは、人体の胴位に、背面部から腹部までを覆って巻装される帯状の本体ベルト1と、本体ベルト1の略中央に一端を固定され、本体ベルト1の両端に向かってそれぞれ延びる一対の補助ベルト21,22と、を備えている。ここでは、補助ベルト21,22を「V字」状に形成し、その分岐側端を本体ベルト1の略中央に固定し、結合側端を非固定端とする場合を図示した。補助ベルト21,22の形状は、特に限定されず、一般的な「I字」状やその他形状に形成してもよい。
【0017】
本体ベルト1は、人体の胴位(ウェスト)の背面部から腹部までを覆い得るだけの長さを有する。通常、胴位周りが52.0〜85.0cmの人では、図1中符号W0で示す本体ベルトの一端から他端までの長さが65〜100cm程度の長さとされる。本体ベルト1は、天然繊維や化学繊維よりなる織布、編布、不織布、パイル生地、あるいはプラスチックフォームなどを単独又は任意に選択組合せて形成される。具体的な素材としては、例えば綿、ウール、レーヨン、アクリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニリデン等の繊維を適宜組み合わせてなる、横編み布の天竺、経編み布のジャージ生地、パワーネットのような弾性糸混紡編物、ダブルラッセル生地の立体編物等がある。さらに、これらの生地とゴム発泡体(クロロプレン、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム等)、ウレタン発泡体(圧縮ウレタン)等のフォーム材料を積層した複合材料を用いることができる。
【0018】
本体ベルト1は、上記の素材を連続した1枚の生地から形成することができるが、適当な大きさに裁断したものを縫製や接着によりつなぎ合わせて形成することもできる。例えば、装着時に背部と腹部は非伸縮性の生地を用い、腰部は伸縮性の生地を用いることができる。特に、腰部のような凹凸の多い部位では体表面との追従性が必要であり、適度な圧迫性や操作性を向上させるために伸縮性の生地を部分的に用いるのが好ましい。本体ベルト1の生地を全て伸縮性の材料で構成することもできるが、その場合には腰部の適切な支持・固定や補助ベルト21,22の係着を安定させるために、全体的に伸縮性を抑えたものを使用するのが好ましい。この本体ベルト生地の伸縮性は、その生地に用いる繊維の特性やその混紡の割合、生地同士の組合せパターン等により自由に調整することができる。
【0019】
生地の厚さは、身体の固定及び巻き取り易さなどの観点から、JIS L 1096に準じた測定値で0.3〜4.0mmが好ましく、0.3〜2.0mmがより好ましい。また、生地の剛軟度は、同じく身体の固定及び巻き取り易さなどの観点から、JIS L 1096に準じた測定値で20〜300mmが好ましく、20〜60mmがより好ましい。
【0020】
本体ベルト1外面の略中央には、腰痛帯Aの装着時において脊椎及びその近傍(脊柱起立筋)上に位置し、背面部を支持する支持体(ステー)14が内蔵されている。ステー14は、縦方向に長尺に形成され、腰痛帯Aの装着時において脊椎及びその近傍を支持して、前屈時の腰部への負担を軽減し、また過度の背屈を防止する機能を果たす。ここでは、ステー14を横方向に4つ並べて設ける場合を図示した。ステー14は、本発明に係る腰痛帯の必須の構成とはならないものとし、ステー14の位置と配設本数も、特に限定されず、適宜設定され得るものとする。
【0021】
ステー14には、金属板やプラスチック板(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、繊維強化プラスチック材料など)が利用できる。材質としては、アルミニウム、ステンレス、エラストマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、ポリエチレンの発泡体等が好ましい。ステーの材質は異なるものを複数使用することができる。安全性、耐食性等の面でポリプロピレン製のものが好ましい。
【0022】
補助ベルト21,22は、伸縮性素材を使用して伸長率を調整したものを用いることができる。具体的な材料としては、ポリウレタン等の弾性糸を入れた伸縮性織りベルト、ポリウレタン、スチレン・イソプレン・スチレン等の不織布、ポリウレタン、合成ゴム(スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、シリコンゴム等)、天然ゴム等のゴム弾性体等も使用することができる。なお、補助ベルト21,22に非伸縮性の生地を用いる場合には、綿、アクリル、ポリエステル、ポリアミドなどを使用することができる。
【0023】
本体ベルト1の両端部外面には、本体ベルト第一係着手段11,12がそれぞれ設けられている。また、本体ベルト1の一方の端部内面には、本体ベルト第一係着手段12と係合し得る本体ベルト第二係着手段13が設けられている。本体ベルト第二係着手段13は、本体ベルト1の端部に、その先端部において分離した状態で結合されて設けられている。そして、本体ベルト第二係着手段13から分離した本体ベルト1の自由端部が、本体ベルト第一係着手段12へ本体ベルト第二係着手段13を着脱するための把持部として構成されている。この把持部の構成は、本発明の第二実施形態に係る腰痛帯Bの説明において後述する把持部21b(図12参照)の構成と同様である。
【0024】
さらに、補助ベルト21,22の非固定端の内面には、本体ベルト第一係着手段11,12にそれぞれ係合し得る補助ベルト第二係着手段211,221が設けられている。本体ベルト第一係着手段11,12、本体ベルト第二係着手段13、及び補助ベルト第二係着手段211,221は、次に説明する腰痛帯Aの装着操作に利用される。
【0025】
また、補助ベルト21の外面には、補助ベルト第一係着手段212が設けられている。補助ベルト第一係着手段212は、本体ベルト第二係着手段13とともに後述する腰痛帯Aの巻き取り操作に利用される。
【0026】
これらの係着手段は、例えば、汎用の面ファスナーやいわゆるメカニカルファスナーやインターロック等を取り付けて構成できる。あるいは、それ自体面ファスナー等の性質を有する布地により本体ベルト1及び補助ベルト21,22の外面や内面を構成し、係着手段としてもよい。例えば、外面布地をポリアミド、ポリエステル、塩化ビニリデン等の素材でパイル状とすることで面ファスナーとして利用できる。ここでは、係着手段として面ファスナーを採用し、第一係着手段11,12,212として面ファスナーのループ状に起毛された側の部材を配し、第二係着手段13,211,221としてフック状に起毛された側の部材を配する場合を例に説明する。以下、「第一係着手段」を「ループ面」、「第二係着手段」を「フック面」ともいうものとする。ただし、係着手段は、面ファスナーに限定されない。
【0027】
(2)腰痛帯Aの装着操作
腰痛帯Aを装着するためには、ステー14が内蔵された略中央を脊椎上に位置させ、本体ベルト1を胴位の背面部から腹部までを覆った状態に保持して、本体ベルトループ面12に本体ベルトフック面13を係合させる。これにより、本体ベルト1を胴位に脱着可能に巻装できる。
【0028】
この際、本体ベルト1の両端を持って、背面部から腹部までを覆った本体ベルト1により胴位を締め付けるように力を加えながら、本体ベルトループ面12と本体ベルトフック面13を係合させるようにする。これにより、本体ベルト1によって腰部を締め付け、腹腔内の圧を高めて脊柱にかかる負担を軽減できる。
【0029】
さらに、巻装された本体ベルト1の本体ベルトループ面11,12に、補助ベルト21,22の非固定端に設けられた補助ベルトフック面211,221をそれぞれ係合させる。これにより、腰痛帯Aの装着操作が完了される。
【0030】
この際、補助ベルト21,22の非固定端を持って、腹部側へ引っ張るように力を加えながら、補助ベルトフック面211,221を本体ベルトループ面11,12に係合させるようにする。これにより、本体ベルト1による腰部の締め付けを補助ベルト21,22により強化し、腹腔への圧迫効果を高めることができる。このため、補助ベルト21,22は、補助ベルトフック面211,221が本体ベルトループ面11,12に到達し得る長さを有している。補助ベルト21,22の長さは、それぞれ通常16.0〜23.0cm程度とされる。
【0031】
補助ベルト21,22による圧迫効果の増強は、本体ベルトループ面11,12への補助ベルトフック面211,221の係合位置を適宜変更することによって、所望の程度に調整することができる。このために、本体ベルトループ面11,12は、本体ベルト1の両端部外面において所定面積を占める大きさとされることが好ましい。なお、補助ベルトフック面211,221の大きさは、本体ベルトループ面11,12への係合を維持するために十分な面積を有する限りにおいて特に限定されない。
【0032】
また、補助ベルトフック面211,221の形状も、特に限定されないが、補助ベルト21,22の非固定端との結合部から先端に向かって次第に幅狭となる形状(例えば、結合部を底辺とする三角形状や台形状など)とすることにより、本体ベルトループ面11,12との着脱をし易くできる。また、補助ベルトフック面211,221には切欠を設けてもよい。
【0033】
(3)腰痛帯Aの巻き取り操作
次に、腰痛帯Aの非装着時の巻き取り操作について説明する。図4は、腰痛帯Aの巻き取り操作を説明する図である。
【0034】
まず、図4(A)に示すように、補助ベルト21,22を本体ベルトループ面11,12に係着する。そして、本体ベルトフック面13が設けられていない側の端部(本体ベルトループ面12)から内面を内側として、本体ベルト1の巻き取りを開始する。このとき、本体ベルト1とともに補助ベルト22も巻き取られる。
【0035】
本体ベルト1の巻き取りを、本体ベルト1の中央を越えて進めた状態を、図4(B)に示す。この状態において、巻き取り部分の最外層には、補助ベルト21が位置している。なお、補助ベルト21は補助ベルトフック面211を介して本体ベルトループ面11に係合されているため、巻取り状態が解けることはない。
【0036】
本体ベルト1により補助ベルト21を巻き込むようにして巻き取りをさらに進めて、巻き取り部分の最外層に位置している補助ベルト21の外面に設けられた補助ベルトフック面212に、本体ベルトフック面13を係合させる(図4(C)参照)。この本体ベルトフック面13と補助ベルトフック面212との係合によって本体ベルト1の巻き取り状態が維持され、腰痛帯Aの巻き取り操作が完了する。
【0037】
従来、本体ベルトに高強度の素材を用いたり、補助ベルトを付加したりした腰痛帯では、巻き取り時に嵩高となる傾向があった。そのため、本体ベルトの一端に設けられた係着手段を、同一端の反対面に設けられた係着手段に到達させて巻き取り操作を完了させるためには、強い力で嵩を抑えるようにして巻き取りを行う必要があり、手の力が弱い女性や高齢者では巻き取りを行い難い場合があった。これに対して、腰痛帯Aでは、巻き取り時において巻き取り部分の最外層に位置する補助ベルト21の外面に、本体ベルトフック面13と係合して巻き取り状態を維持する補助ベルトフック面212を設けたことにより、嵩を抑えるための強い力を加えなくとも容易に巻き取りを完了させることができる。なお、補助ベルトループ面212の位置は、特に限定されないが、操作の簡便性と巻き取り易さ及び収納のコンパクトさの観点から、補助ベルト21の非固定端側の外面に設けられていることが好ましい。また、補助ベルトループ面212の大きさは、補助ベルトフック面211と略同じ大きさとすることが好ましい。
【0038】
(4)本体ベルト1端部及び本体ベルトフック面13の構成
腰痛帯Aの装着時、人体の腹部は、本体ベルト1の両端部によって覆われ、本体ベルトループ面11、12と本体ベルトフック面13とが腹部上に位置した状態となる(図3(A)参照)。このとき、腹部を覆った本体ベルト1の両端部によって、着用者の前屈運動が妨げられるおそれがある。
【0039】
さらに、本体ベルトフック面13は、装着時の本体ベルトループ面12への係合を維持するために十分な面積を有することが必要であるが、本体ベルトフック面13として、面ファスナーのフック状に起毛された側の部材のような剛性を有する部材を配した場合には、腹部上に位置する本体ベルトフック面13によって、前屈運動が妨げられるおそれがある。
【0040】
そこで、腰痛帯Aでは、装着時の前屈運動の阻害を防止するため、本体ベルト1端部及び本体ベルトフック面13の構成を以下のように工夫している。図5及び図6に、本体ベルト1端部及び本体ベルトフック面13の構成を示す。図5は、腰痛帯A内面の一部拡大図である。図6(A)は、腰痛帯A外面の一部拡大斜視図、図6(B)は、(A)中のP−P断面を示す図である。
【0041】
図5に示すように、腹部を覆う本体ベルト1の両端部には、横方向への縫製ライン3が形成されている。
【0042】
縫製ライン3が形成された箇所では、縫製糸による縫い付けのため、本体ベルト1の厚みが部分的に薄くなっている(図6(B)参照)。前屈運動により、腹部を覆う本体ベルト1に折り曲げる力が加わると、力が厚みの薄い箇所に集中し、縫製ライン3の形成箇所で本体ベルト1が容易に折れ曲がる(図6(A)(B)中、矢印参照)。
【0043】
縫製ライン3の間隔は、特に限定されず、等間隔であっても不等間隔であってもよい。不等間隔とする場合には、本体ベルト1の中央からに端部に向かって徐々に間隔が広がっていくように設けてもよいし、逆に狭まっていくように設けてもよい。さらに、本体ベルト1の一端から他端に向かって間隔が徐々に広がっていくように設けてもよい。このように、縫製ライン3の間隔を適宜変化させることで、前屈時に本体ベルト1が身体のラインに沿って折れ曲がるようにして、前屈運動を妨げないようにできる。なお、縫製ラインは本体ベルトと水平である必要はなく、斜めに設けてもよい。
【0044】
また、図5に示すように、本体ベルトフック面13の縦幅hは、本体ベルト1の端部の縦幅Hよりも小さく形成されており、本体ベルトフック面13は、縫製ライン3,3間に横方向に幅広に配されている。
【0045】
このように、本体ベルトフック面13を縫製ライン3,3間に横方向に幅広に配することにより、上述した縫製ライン3の形成箇所での本体ベルト1の折れ曲がりが本体ベルトフック面13によって妨げられないようにできる(図6参照)。これにより、腹部を覆う本体ベルト1による前屈時の違和感や不快感を軽減することが可能となる。なお、本体ベルト1と本体ベルトフック面13とを重ねた状態で縫製することにより、縫製ライン3を形成してもよい。
【0046】
また、本体ベルトフック面13を、縫製ライン3,3間に横方向に幅広に配すことで、装着時の本体ベルトループ面12への係合を維持するために十分な本体ベルトフック面13の面積を確保することができる。装着時の係合を維持するためには、係合力が120N以上であることが好ましい。そして、120N以上の係合力を得るためには、本体ベルトループ面12と本体ベルトフック面13との係合面積が40〜50cm2以上であることが好ましい。
【0047】
縫製ライン3は、ミシンによる縫製で形成することもできるが、それ以外に超音波ミシンや熱プレスによって部分的に溶着させることでも形成できる。ここでは、本体ベルト1の両端部に2つの縫製ラインを形成する場合を図示した。形成される縫製ラインの数は、特に限定されず、1あるいは2以上とすることもできる。なお、縫製ラインが1つである場合、本体ベルトフック面13は、縫製ライン3と本体ベルト1の周縁部によって囲まれる範囲内に設けられる。
【0048】
(5)把持部212b
図7は、補助ベルトループ面212の構成を示す図である。図7(A)は補助ベルトループ面212の断面図、(B)は斜視図である。
【0049】
腰痛帯Aにおいて、補助ベルトループ面212は、補助ベルト21の先端にその一部212aを結合されて設けられている。そして、補助ベルトループ面212のうち、補助ベルト21に結合されていない部分は、本体ベルトループ面11へ補助ベルトフック面211を着脱するための把持部212bとして構成されている。このような把持部212bを設けることで、本体ベルトループ面11と補助ベルトフック面211との間に十分な係合力が作用するようにしつつ、両者の着脱を簡単な操作で行うことが可能となる。
【0050】
さらに、把持部212bは、補助ベルト21への結合端側において、一部が対向する補助ベルトフック面211と結合された構成としてもよい。図8(A)に示す把持部212bは、補助ベルト21への結合端側において、その一部212b1が補助ベルトフック面211と結合されている。図中、符号212b2は、把持部212bのうち、補助ベルトフック面211に結合されていない部分を示す。
把持部212bにおいて、このような補助ベルトフック面211に一体に結合された部分212b1を設けることで、図7(B)に示すように把持部212bの先端(補助ベルトフック面211に結合されていない部分212b2)を摘んで引っ張った際に、補助ベルトフック面211の一部も一体に引っ張られることとなるため、補助ベルトフック面211の本体ベルトループ面11への係合をより少ない力で解除することが可能となる。
この場合、把持部212bの補助ベルトフック面211に一体に結合された部分212b1を大きくし、結合されていない部分212b2を小さくする程、補助ベルトフック面211の本体ベルトループ面11への係合をより少ない力で解除することができるが、結合されていない部分212b2を小さくし過ぎると把持部212bが摘み難くなる。このため、把持部212bの補助ベルトフック面211に一体に結合されていない部分212b2の大きさは、その自由端からの長さ(図8(A)中、符号l参照)が5〜25mmとすることが好適である。また、把持部212bの補助ベルトフック面211に一体に結合されていない部分212b2の大きさは、その面積が360mm2〜600mm2とすることが好適である。
部分212b1における補助ベルトループ面212と補助ベルトフック面211との結合は、例えば縫製や接着などによって行うことができる。また、補助ベルトループ面212と補助ベルトフック面211との結合は、結合された部分212b1の形状が、図8(B)に示すような三角形状などの多角形状となるようにし、多角形の角が補助ベルトフック面211の先端に向くようにしてもよい。
【0051】
一方、補助ベルト22の先端にも、ループ面を有しない生地を用いて、把持部212bと同様の構造を有する把持部を形成している。なお、ループ面を有しない生地としては、本体ベルトに用いられている生地などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0052】
腰痛帯Aの装着操作において、本体ベルトループ面11へ補助ベルトフック面211を係合させた後、腰痛帯Aを取り外す際あるいは補助ベルトフック面211の係合位置を調整する際には、この把持部212bを摘んで引っ張ることにより、本体ベルトループ面11への補助ベルトフック面211の係合を解除する(図7(B)中、矢印参照)。
【0053】
2.第二実施形態に係る腰痛帯
(1)腰痛帯Bの構造
図9に、本発明の第二実施形態に係る腰痛帯Bの外面模式図を、図10に、内面模式図を示す。
【0054】
腰痛帯Bは、人体の胴位に、背面部から腹部までを覆って巻装される帯状の本体ベルト1と、本体ベルト1の略中央に一端を固定され、本体ベルト1の両端に向かってそれぞれ延びる一対の補助ベルト21,22と、を備えている。腰痛帯Bにおいて、上述した腰痛帯Aと共通する構成については同一の符号を付した。以下、腰痛帯Bの構成のうち、腰痛帯Aとの相違点を中心に説明し、同一点については説明を割愛する。
【0055】
腰痛帯Bの本体ベルト1の両端部外面には、腰痛帯Aと同様に、本体ベルトループ面11,12がそれぞれ設けられている。また、本体ベルト1の一方の端部内面には、本体ベルトループ面12と係合し得る本体ベルトフック面13が設けられている。さらに、補助ベルト21,22の非固定端には、本体ベルトループ面11,12にそれぞれ係合し得る補助ベルトフック面211,221が設けられている。これらは、腰痛帯Aと同様に、腰痛帯Bの装着操作に利用される。
【0056】
ここで、腰痛帯Bは、本体ベルトフック面13の裏面に配設された本体ベルトループ面11の大きさが、本体ベルトループ面12よりも大きくされ、本体ベルトループ面11、12の大きさが非対称とされている点で腰痛帯Aと異なる。なお、腰痛帯Bは、腰痛帯Aにおいて巻き取り操作に利用される補助ベルトループ面212(図1参照)を有さない点でも腰痛帯Aと異なっている。
【0057】
腰痛帯Bでは、本体ベルトループ面11の横方向の幅W1が本体ベルトループ面12の幅W2よりも大きくされ、本体ベルトループ面12よりも本体ベルトループ面11のほうが本体ベルト1の端部から中央寄りまでの広い領域を占めるように形成されている。これにより、腰痛帯Bでは、本体ベルトループ面12側の端部から内面を内側として、本体ベルト1の巻き取りを行った場合に、本体ベルトフック面13が本体ベルトループ面11に到達し易いように構成されている。以下に、腰痛帯Bの巻き取り操作について詳しく説明する。
【0058】
(2)腰痛帯Bの巻き取り操作
図11は、腰痛帯Bの巻き取り操作を説明する図である。
【0059】
まず、図11(A)に示すように、本体ベルトフック面13が設けられていない側の端部(本体ベルトループ面12)から内面を内側として、本体ベルト1の巻き取りを開始する。このとき、本体ベルト1とともに補助ベルト22も巻き取られる。
【0060】
本体ベルト1の巻き取りを、本体ベルト1の中央を越えて進めた状態を、図11(B)に示す。この状態において、巻き取り部分の最外層には、補助ベルト21が位置している。
【0061】
この補助ベルト21の補助ベルトフック面211が、本体ベルトループ面11に係合している場合、補助ベルトフック面211の係合を解除し、補助ベルト21を本体ベルトフック面13側に反転させ、巻き取り部分の最外層に本体ベルトループ面11が現れるようにする。
【0062】
そして、反転させた補助ベルト21を本体ベルト1により巻き込むようにしながら巻き取りをさらに進めて、巻き取り部分の最外層に位置している本体ベルトループ面11に、本体ベルトフック面13を係合させる(図11(C)参照)。この本体ベルトフック面13と本体ベルトループ面11との係合によって本体ベルト1の巻き取り状態が維持され、腰痛帯Bの巻き取り操作が完了する。
【0063】
従来、本体ベルトの一端に設けられた係着手段を、同一端の反対面に設けられた係着手段に到達させて巻き取り操作を完了させるためには、強い力で嵩を抑えるように巻き取りを行う必要があった。腰痛帯Bでは、本体ベルトループ面11を、本体ベルト1の中央寄りまでのより広い領域を占めるように大きく形成し、図11(C)に示す状態において、本体ベルトフック面13が本体ベルトループ面11に到達し易いように構成されている。このため、腰痛帯Bでは、嵩を抑えるための強い力を加えなくとも容易に巻き取りを完了させることができる。
【0064】
本体ベルトループ面11の大きさは、図11(C)に示す巻き取り操作の完了段階において、本体ベルトフック面13が到達し係合するのを容易にする大きさであればよいものとする。従って、本体ベルトループ面11の横方向の幅W1は、巻き取り時の本体ベルト1や補助ベルト21,22の素材の嵩に応じて適宜調整され得るものである。本体ベルトループ面11は、図9に示すよりも小さくしたり、逆に本体ベルト1外面の片側半分を占めるような大きさとすることも可能である。
【0065】
(3)把持部21b
図12は、補助ベルトフック面211の構成を示す図である。図12(A)は補助ベルトフック面211の断面図、(B)は斜視図である。なお、補助ベルトフック面221も、ここで説明する同様の構成を有する。
【0066】
腰痛帯Bにおいて、補助ベルトフック面211は、補助ベルト21の非固定端に、その先端部211bにおいて分離した状態で結合されて設けられている。そして、補助ベルトフック面211から分離した補助ベルト21の自由端部21bが、本体ベルトループ面11へ補助ベルトフック面211を着脱するための把持部として構成されている。
【0067】
腰痛帯Bの装着操作において、本体ベルトループ面11へ補助ベルトフック面211を係合させた後、腰痛帯Bを取り外す際あるいは補助ベルトフック面211の係合位置を調整する際には、この把持部21bを摘んで引っ張ることにより、本体ベルトループ面11への補助ベルトフック面211の係合を解除する。
【0068】
補助ベルト21において、補助ベルトフック面211と結合された部分21aと、分離された部分21bとの比率は特に限定されないが、分離された把持部21bの自由端からの長さが5〜25mmであり、面積が360mm2〜600mm2となるようにすることが望ましい。把持部21bを摘み易く、かつ、本体ベルトループ面11へ補助ベルトフック面211を着脱し易くするためである。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明に係る腰痛帯は、腰痛の予防、治療のために用いることができる。この腰痛帯は、非装着時の巻き取り操作が容易であるため、特に手の力が弱い女性や高齢者が使用するのに適する。また、本発明に係る腰痛帯は、コンパクトに巻き取ることが可能であるので、特にかばん等に収容し携行するのに適する。さらに、本体ベルト第二係着手段及び補助ベルトそれぞれに把持部を設けることで、十分な係合力を備えつつ、摘み易く剥がし易くすることができる。
【符号の説明】
【0070】
A,B 腰痛帯
1 本体ベルト
11,12 本体ベルト第一係着手段(本体ベルトループ面)
13 本体ベルト第二係着手段(本体ベルトフック面)
14 支持体(ステー)
21,22 補助ベルト
211,221 補助ベルト第二係着手段(補助ベルトフック面)
212 補助ベルト第一係着手段(補助ベルトループ面)
21b,212b 把持部
3 縫製ライン
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰痛の予防や治療のため、腰部に固定して用いられる腰痛帯に関する。詳しくは、非装着時に巻き取り易く構成された腰痛帯に関する。
【背景技術】
【0002】
腰痛の予防、治療には種々の方法があるが、その一つとして腰痛帯で腰部を締め付け固定する方法がある。この腰痛帯の基本原理は、腹腔内の圧を高めて脊柱にかかる負担を軽減することにあり、この腹腔内の圧を高めるために、腰部に帯状のものを巻き付けて圧迫を加えるようにするのがその基本構造である。その構造の簡単なものは、非伸縮性の素材、又は非伸縮性の素材と伸縮性の素材とを組合せたものからなる帯状の本体の両端に面ファスナー等の係着手段を設けたものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、圧迫効果を高めるため、本体に補助ベルトを付加した二重帯構造とした腰部固定帯も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−78943号公報
【特許文献2】特開2003−144469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の腰痛帯は、非装着時には、折り畳んだ状態で鞄等に収容されて携行されている。しかし、従来の腰痛帯では、折り畳んだ後に、折り畳み状態が維持されずに広がってしまう場合があった。また、高強度の素材を用いたり、補助ベルトを付加したりして圧迫効果を高めた固定帯では、折り畳み状態が維持できないだけでなく、折り畳み時に嵩高となる傾向もあり、鞄等の中でスペースを取ってしまう場合もあった。
【0006】
そこで、本発明は、非装着時の巻き取り操作が容易で、コンパクトに巻き取ることが可能な腰痛帯を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題解決のため、本発明は、人体の胴位に背面部から腹部までを覆って巻装される帯状の本体ベルトを備え、本体ベルトの両端部外面に設けられた本体ベルト第一係着手段と、本体ベルトの一方の端部内面に設けられ、前記本体ベルト第一係着手段と係合し得る本体ベルト第二係着手段と、を有する腰痛帯であって、前記本体ベルト第二係着手段が設けられていない側の端部から内面を内側として本体ベルトを巻き取った状態において、本体ベルト第二係着手段が所定の第一係着手段と係合することにより、本体ベルトの巻き取り状態が維持されるよう構成された腰痛帯を提供する。
この腰痛帯は、さらに、本体ベルトの略中央に一端を固定され、本体ベルトの両端に向かってそれぞれ延びる一対の補助ベルトを備え、補助ベルトの非固定端に、前記本体ベルト第一係着手段に係合し得る補助ベルト第二係着手段を有する腰痛帯であって、本体ベルト第二係着手段が設けられた側へ延びる前記補助ベルトの外面に、補助ベルト第一係着手段が設けられ、本体ベルト第二係着手段が設けられていない側の端部から内面を内側として本体ベルトを巻き取った状態において、本体ベルト第二係着手段が前記補助ベルト第一係着手段と係合し得るように構成されたものとできる。
この場合、前記補助ベルト第一係着手段が、前記補助ベルトの先端に一部を結合されて設けられ、補助ベルト第一係着手段の補助ベルトに結合されていない部分が、本体ベルト第一係着手段へ前記補助ベルト第二係着手段を着脱するための把持部として構成されていることが好適となる。
またあるいは、この腰痛帯は、前記本体ベルト第二係着手段の裏面に配設された前記本体ベルト第一係着手段の大きさが、本体ベルト第二係着手段が設けられていない側の端部から内面を内側として本体ベルトを巻き取った際に、本体ベルト第二係着手段が該本体ベルト第一係着手段に到達し、係合し得る大きさとされたものとできる。
前記本体ベルトの両端部外面にそれぞれ設けられた前記本体ベルト第一係着手段の大きさは、非対称性としてもよい。
前記本体ベルトの略中央に一端を固定され、本体ベルトの両端に向かってそれぞれ延びる一対の補助ベルトを設ける場合には、前記補助ベルト第二係着手段が、前記補助ベルトの非固定端側内面に、先端部において分離した状態で結合されて設けられ、補助ベルト第二係着手段から分離した補助ベルトの自由端部が、前記本体ベルト第一係着手段へ前記補助ベルト第二係着手段を着脱するための把持部として構成されていることが好適となる。
これらの腰痛帯において、前記本体ベルト第二係着手段の縦幅は、前記本体ベルトの端部の縦幅よりも小さくされることが好ましい。
また、胴位への巻装時に人体の腹部を覆う領域に、横方向への縫製ラインが1あるいは2以上形成されていることが好ましく、さらには、前記本体ベルト第二係着手段が、前記本体ベルトの端部内面において、前記縫製ラインの間に配されていることが好ましい。
【0008】
本発明において、腰痛帯の「内面」とは、腰痛帯の装着時において身体側となる面を指し、「外面」とは、その反対面を指す。また、腰痛帯の「縦方向」は、装着時において体軸に沿う方向(身長方向)を意味し、「横方向」は、これに直交する方向(胴周方向)を意味するものとする。
【0009】
また、本発明において、「係着手段」とは、所定の形状を有する部材とこの形状に係合し得る形状を有する部材の2種類の部材からなり、2つの形状が係合することによって両部材を脱着可能に結合し得る手段を意味するものとする。「第一係着手段」あるいは「第二係着手段」とは、この2種類の部材のいずれか一方を指す。
【0010】
係着手段は、例えば、表面をループ状に起毛した部材とフック状に起毛した部材とから構成される従来汎用の面ファスナーのように、異なる2つの形状が互いに係合するものとできる。係着手段として面ファスナーを採用する場合、例えば第一係着手段をループ状に起毛された側の部材とし、第二係着手段を面ファスナーのフック状に起毛された側の部材とすることができるが、どちらの部材を第一あるいは第二とするかは任意であるものとする。
【0011】
また、係着手段は、例えば、表面に有頭突子が所定の離間配置で立設された2つの部材から構成され、両部材の有頭突子同士が係合するいわゆるメカニカルファスナー(特開平7−39407等参照)のように、同一の形状同士が係合するものとしてもよい。このような係着手段としては、他に、表面に凹凸形状が設けられた2つの部材から構成され、一方の部材の凹部が他方の部材の凸部と係合するいわゆるインターロックなどがある(特開2009−183743(図20)参照)。係着手段としてメカニカルファスナーやインターロックなどを採用する場合、第一係着手段及び第二係着手段は同一構成の部材とされるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、非装着時の巻き取り操作が容易で、コンパクトに巻き取ることが可能な腰痛帯が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第一実施形態に係る腰痛帯Aの外面模式図である。
【図2】腰痛帯Aの内面模式図である。
【図3】人体の胴位に巻装された状態の腰痛帯Aを説明する図である。
【図4】腰痛帯Aの巻き取り操作を説明する図である。
【図5】本体ベルト1端部及び本体ベルトフック面13の構成を説明する図である。
【図6】本体ベルト1端部の折れ曲がりを説明する図である。
【図7】補助ベルトループ面212の構成を説明する図である。
【図8】把持部212bの構成を説明する図である。
【図9】本発明の第二実施形態に係る腰痛帯Bの外面模式図である。
【図10】腰痛帯Bの内面模式図である。
【図11】腰痛帯Bの巻き取り操作を説明する図である。
【図12】補助ベルトフック面211の構成を説明する図である
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0015】
1.第一実施形態に係る腰痛帯
(1)腰痛帯Aの構造
図1に、本発明の第一実施形態に係る腰痛帯Aの外面模式図を、図2に、内面模式図を示す。また、図3に、人体の胴位に巻装された状態の腰痛帯Aを示す。図3(A)は人体の正面図、(B)は背面図である。
【0016】
腰痛帯Aは、人体の胴位に、背面部から腹部までを覆って巻装される帯状の本体ベルト1と、本体ベルト1の略中央に一端を固定され、本体ベルト1の両端に向かってそれぞれ延びる一対の補助ベルト21,22と、を備えている。ここでは、補助ベルト21,22を「V字」状に形成し、その分岐側端を本体ベルト1の略中央に固定し、結合側端を非固定端とする場合を図示した。補助ベルト21,22の形状は、特に限定されず、一般的な「I字」状やその他形状に形成してもよい。
【0017】
本体ベルト1は、人体の胴位(ウェスト)の背面部から腹部までを覆い得るだけの長さを有する。通常、胴位周りが52.0〜85.0cmの人では、図1中符号W0で示す本体ベルトの一端から他端までの長さが65〜100cm程度の長さとされる。本体ベルト1は、天然繊維や化学繊維よりなる織布、編布、不織布、パイル生地、あるいはプラスチックフォームなどを単独又は任意に選択組合せて形成される。具体的な素材としては、例えば綿、ウール、レーヨン、アクリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニリデン等の繊維を適宜組み合わせてなる、横編み布の天竺、経編み布のジャージ生地、パワーネットのような弾性糸混紡編物、ダブルラッセル生地の立体編物等がある。さらに、これらの生地とゴム発泡体(クロロプレン、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム等)、ウレタン発泡体(圧縮ウレタン)等のフォーム材料を積層した複合材料を用いることができる。
【0018】
本体ベルト1は、上記の素材を連続した1枚の生地から形成することができるが、適当な大きさに裁断したものを縫製や接着によりつなぎ合わせて形成することもできる。例えば、装着時に背部と腹部は非伸縮性の生地を用い、腰部は伸縮性の生地を用いることができる。特に、腰部のような凹凸の多い部位では体表面との追従性が必要であり、適度な圧迫性や操作性を向上させるために伸縮性の生地を部分的に用いるのが好ましい。本体ベルト1の生地を全て伸縮性の材料で構成することもできるが、その場合には腰部の適切な支持・固定や補助ベルト21,22の係着を安定させるために、全体的に伸縮性を抑えたものを使用するのが好ましい。この本体ベルト生地の伸縮性は、その生地に用いる繊維の特性やその混紡の割合、生地同士の組合せパターン等により自由に調整することができる。
【0019】
生地の厚さは、身体の固定及び巻き取り易さなどの観点から、JIS L 1096に準じた測定値で0.3〜4.0mmが好ましく、0.3〜2.0mmがより好ましい。また、生地の剛軟度は、同じく身体の固定及び巻き取り易さなどの観点から、JIS L 1096に準じた測定値で20〜300mmが好ましく、20〜60mmがより好ましい。
【0020】
本体ベルト1外面の略中央には、腰痛帯Aの装着時において脊椎及びその近傍(脊柱起立筋)上に位置し、背面部を支持する支持体(ステー)14が内蔵されている。ステー14は、縦方向に長尺に形成され、腰痛帯Aの装着時において脊椎及びその近傍を支持して、前屈時の腰部への負担を軽減し、また過度の背屈を防止する機能を果たす。ここでは、ステー14を横方向に4つ並べて設ける場合を図示した。ステー14は、本発明に係る腰痛帯の必須の構成とはならないものとし、ステー14の位置と配設本数も、特に限定されず、適宜設定され得るものとする。
【0021】
ステー14には、金属板やプラスチック板(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、繊維強化プラスチック材料など)が利用できる。材質としては、アルミニウム、ステンレス、エラストマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、ポリエチレンの発泡体等が好ましい。ステーの材質は異なるものを複数使用することができる。安全性、耐食性等の面でポリプロピレン製のものが好ましい。
【0022】
補助ベルト21,22は、伸縮性素材を使用して伸長率を調整したものを用いることができる。具体的な材料としては、ポリウレタン等の弾性糸を入れた伸縮性織りベルト、ポリウレタン、スチレン・イソプレン・スチレン等の不織布、ポリウレタン、合成ゴム(スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、シリコンゴム等)、天然ゴム等のゴム弾性体等も使用することができる。なお、補助ベルト21,22に非伸縮性の生地を用いる場合には、綿、アクリル、ポリエステル、ポリアミドなどを使用することができる。
【0023】
本体ベルト1の両端部外面には、本体ベルト第一係着手段11,12がそれぞれ設けられている。また、本体ベルト1の一方の端部内面には、本体ベルト第一係着手段12と係合し得る本体ベルト第二係着手段13が設けられている。本体ベルト第二係着手段13は、本体ベルト1の端部に、その先端部において分離した状態で結合されて設けられている。そして、本体ベルト第二係着手段13から分離した本体ベルト1の自由端部が、本体ベルト第一係着手段12へ本体ベルト第二係着手段13を着脱するための把持部として構成されている。この把持部の構成は、本発明の第二実施形態に係る腰痛帯Bの説明において後述する把持部21b(図12参照)の構成と同様である。
【0024】
さらに、補助ベルト21,22の非固定端の内面には、本体ベルト第一係着手段11,12にそれぞれ係合し得る補助ベルト第二係着手段211,221が設けられている。本体ベルト第一係着手段11,12、本体ベルト第二係着手段13、及び補助ベルト第二係着手段211,221は、次に説明する腰痛帯Aの装着操作に利用される。
【0025】
また、補助ベルト21の外面には、補助ベルト第一係着手段212が設けられている。補助ベルト第一係着手段212は、本体ベルト第二係着手段13とともに後述する腰痛帯Aの巻き取り操作に利用される。
【0026】
これらの係着手段は、例えば、汎用の面ファスナーやいわゆるメカニカルファスナーやインターロック等を取り付けて構成できる。あるいは、それ自体面ファスナー等の性質を有する布地により本体ベルト1及び補助ベルト21,22の外面や内面を構成し、係着手段としてもよい。例えば、外面布地をポリアミド、ポリエステル、塩化ビニリデン等の素材でパイル状とすることで面ファスナーとして利用できる。ここでは、係着手段として面ファスナーを採用し、第一係着手段11,12,212として面ファスナーのループ状に起毛された側の部材を配し、第二係着手段13,211,221としてフック状に起毛された側の部材を配する場合を例に説明する。以下、「第一係着手段」を「ループ面」、「第二係着手段」を「フック面」ともいうものとする。ただし、係着手段は、面ファスナーに限定されない。
【0027】
(2)腰痛帯Aの装着操作
腰痛帯Aを装着するためには、ステー14が内蔵された略中央を脊椎上に位置させ、本体ベルト1を胴位の背面部から腹部までを覆った状態に保持して、本体ベルトループ面12に本体ベルトフック面13を係合させる。これにより、本体ベルト1を胴位に脱着可能に巻装できる。
【0028】
この際、本体ベルト1の両端を持って、背面部から腹部までを覆った本体ベルト1により胴位を締め付けるように力を加えながら、本体ベルトループ面12と本体ベルトフック面13を係合させるようにする。これにより、本体ベルト1によって腰部を締め付け、腹腔内の圧を高めて脊柱にかかる負担を軽減できる。
【0029】
さらに、巻装された本体ベルト1の本体ベルトループ面11,12に、補助ベルト21,22の非固定端に設けられた補助ベルトフック面211,221をそれぞれ係合させる。これにより、腰痛帯Aの装着操作が完了される。
【0030】
この際、補助ベルト21,22の非固定端を持って、腹部側へ引っ張るように力を加えながら、補助ベルトフック面211,221を本体ベルトループ面11,12に係合させるようにする。これにより、本体ベルト1による腰部の締め付けを補助ベルト21,22により強化し、腹腔への圧迫効果を高めることができる。このため、補助ベルト21,22は、補助ベルトフック面211,221が本体ベルトループ面11,12に到達し得る長さを有している。補助ベルト21,22の長さは、それぞれ通常16.0〜23.0cm程度とされる。
【0031】
補助ベルト21,22による圧迫効果の増強は、本体ベルトループ面11,12への補助ベルトフック面211,221の係合位置を適宜変更することによって、所望の程度に調整することができる。このために、本体ベルトループ面11,12は、本体ベルト1の両端部外面において所定面積を占める大きさとされることが好ましい。なお、補助ベルトフック面211,221の大きさは、本体ベルトループ面11,12への係合を維持するために十分な面積を有する限りにおいて特に限定されない。
【0032】
また、補助ベルトフック面211,221の形状も、特に限定されないが、補助ベルト21,22の非固定端との結合部から先端に向かって次第に幅狭となる形状(例えば、結合部を底辺とする三角形状や台形状など)とすることにより、本体ベルトループ面11,12との着脱をし易くできる。また、補助ベルトフック面211,221には切欠を設けてもよい。
【0033】
(3)腰痛帯Aの巻き取り操作
次に、腰痛帯Aの非装着時の巻き取り操作について説明する。図4は、腰痛帯Aの巻き取り操作を説明する図である。
【0034】
まず、図4(A)に示すように、補助ベルト21,22を本体ベルトループ面11,12に係着する。そして、本体ベルトフック面13が設けられていない側の端部(本体ベルトループ面12)から内面を内側として、本体ベルト1の巻き取りを開始する。このとき、本体ベルト1とともに補助ベルト22も巻き取られる。
【0035】
本体ベルト1の巻き取りを、本体ベルト1の中央を越えて進めた状態を、図4(B)に示す。この状態において、巻き取り部分の最外層には、補助ベルト21が位置している。なお、補助ベルト21は補助ベルトフック面211を介して本体ベルトループ面11に係合されているため、巻取り状態が解けることはない。
【0036】
本体ベルト1により補助ベルト21を巻き込むようにして巻き取りをさらに進めて、巻き取り部分の最外層に位置している補助ベルト21の外面に設けられた補助ベルトフック面212に、本体ベルトフック面13を係合させる(図4(C)参照)。この本体ベルトフック面13と補助ベルトフック面212との係合によって本体ベルト1の巻き取り状態が維持され、腰痛帯Aの巻き取り操作が完了する。
【0037】
従来、本体ベルトに高強度の素材を用いたり、補助ベルトを付加したりした腰痛帯では、巻き取り時に嵩高となる傾向があった。そのため、本体ベルトの一端に設けられた係着手段を、同一端の反対面に設けられた係着手段に到達させて巻き取り操作を完了させるためには、強い力で嵩を抑えるようにして巻き取りを行う必要があり、手の力が弱い女性や高齢者では巻き取りを行い難い場合があった。これに対して、腰痛帯Aでは、巻き取り時において巻き取り部分の最外層に位置する補助ベルト21の外面に、本体ベルトフック面13と係合して巻き取り状態を維持する補助ベルトフック面212を設けたことにより、嵩を抑えるための強い力を加えなくとも容易に巻き取りを完了させることができる。なお、補助ベルトループ面212の位置は、特に限定されないが、操作の簡便性と巻き取り易さ及び収納のコンパクトさの観点から、補助ベルト21の非固定端側の外面に設けられていることが好ましい。また、補助ベルトループ面212の大きさは、補助ベルトフック面211と略同じ大きさとすることが好ましい。
【0038】
(4)本体ベルト1端部及び本体ベルトフック面13の構成
腰痛帯Aの装着時、人体の腹部は、本体ベルト1の両端部によって覆われ、本体ベルトループ面11、12と本体ベルトフック面13とが腹部上に位置した状態となる(図3(A)参照)。このとき、腹部を覆った本体ベルト1の両端部によって、着用者の前屈運動が妨げられるおそれがある。
【0039】
さらに、本体ベルトフック面13は、装着時の本体ベルトループ面12への係合を維持するために十分な面積を有することが必要であるが、本体ベルトフック面13として、面ファスナーのフック状に起毛された側の部材のような剛性を有する部材を配した場合には、腹部上に位置する本体ベルトフック面13によって、前屈運動が妨げられるおそれがある。
【0040】
そこで、腰痛帯Aでは、装着時の前屈運動の阻害を防止するため、本体ベルト1端部及び本体ベルトフック面13の構成を以下のように工夫している。図5及び図6に、本体ベルト1端部及び本体ベルトフック面13の構成を示す。図5は、腰痛帯A内面の一部拡大図である。図6(A)は、腰痛帯A外面の一部拡大斜視図、図6(B)は、(A)中のP−P断面を示す図である。
【0041】
図5に示すように、腹部を覆う本体ベルト1の両端部には、横方向への縫製ライン3が形成されている。
【0042】
縫製ライン3が形成された箇所では、縫製糸による縫い付けのため、本体ベルト1の厚みが部分的に薄くなっている(図6(B)参照)。前屈運動により、腹部を覆う本体ベルト1に折り曲げる力が加わると、力が厚みの薄い箇所に集中し、縫製ライン3の形成箇所で本体ベルト1が容易に折れ曲がる(図6(A)(B)中、矢印参照)。
【0043】
縫製ライン3の間隔は、特に限定されず、等間隔であっても不等間隔であってもよい。不等間隔とする場合には、本体ベルト1の中央からに端部に向かって徐々に間隔が広がっていくように設けてもよいし、逆に狭まっていくように設けてもよい。さらに、本体ベルト1の一端から他端に向かって間隔が徐々に広がっていくように設けてもよい。このように、縫製ライン3の間隔を適宜変化させることで、前屈時に本体ベルト1が身体のラインに沿って折れ曲がるようにして、前屈運動を妨げないようにできる。なお、縫製ラインは本体ベルトと水平である必要はなく、斜めに設けてもよい。
【0044】
また、図5に示すように、本体ベルトフック面13の縦幅hは、本体ベルト1の端部の縦幅Hよりも小さく形成されており、本体ベルトフック面13は、縫製ライン3,3間に横方向に幅広に配されている。
【0045】
このように、本体ベルトフック面13を縫製ライン3,3間に横方向に幅広に配することにより、上述した縫製ライン3の形成箇所での本体ベルト1の折れ曲がりが本体ベルトフック面13によって妨げられないようにできる(図6参照)。これにより、腹部を覆う本体ベルト1による前屈時の違和感や不快感を軽減することが可能となる。なお、本体ベルト1と本体ベルトフック面13とを重ねた状態で縫製することにより、縫製ライン3を形成してもよい。
【0046】
また、本体ベルトフック面13を、縫製ライン3,3間に横方向に幅広に配すことで、装着時の本体ベルトループ面12への係合を維持するために十分な本体ベルトフック面13の面積を確保することができる。装着時の係合を維持するためには、係合力が120N以上であることが好ましい。そして、120N以上の係合力を得るためには、本体ベルトループ面12と本体ベルトフック面13との係合面積が40〜50cm2以上であることが好ましい。
【0047】
縫製ライン3は、ミシンによる縫製で形成することもできるが、それ以外に超音波ミシンや熱プレスによって部分的に溶着させることでも形成できる。ここでは、本体ベルト1の両端部に2つの縫製ラインを形成する場合を図示した。形成される縫製ラインの数は、特に限定されず、1あるいは2以上とすることもできる。なお、縫製ラインが1つである場合、本体ベルトフック面13は、縫製ライン3と本体ベルト1の周縁部によって囲まれる範囲内に設けられる。
【0048】
(5)把持部212b
図7は、補助ベルトループ面212の構成を示す図である。図7(A)は補助ベルトループ面212の断面図、(B)は斜視図である。
【0049】
腰痛帯Aにおいて、補助ベルトループ面212は、補助ベルト21の先端にその一部212aを結合されて設けられている。そして、補助ベルトループ面212のうち、補助ベルト21に結合されていない部分は、本体ベルトループ面11へ補助ベルトフック面211を着脱するための把持部212bとして構成されている。このような把持部212bを設けることで、本体ベルトループ面11と補助ベルトフック面211との間に十分な係合力が作用するようにしつつ、両者の着脱を簡単な操作で行うことが可能となる。
【0050】
さらに、把持部212bは、補助ベルト21への結合端側において、一部が対向する補助ベルトフック面211と結合された構成としてもよい。図8(A)に示す把持部212bは、補助ベルト21への結合端側において、その一部212b1が補助ベルトフック面211と結合されている。図中、符号212b2は、把持部212bのうち、補助ベルトフック面211に結合されていない部分を示す。
把持部212bにおいて、このような補助ベルトフック面211に一体に結合された部分212b1を設けることで、図7(B)に示すように把持部212bの先端(補助ベルトフック面211に結合されていない部分212b2)を摘んで引っ張った際に、補助ベルトフック面211の一部も一体に引っ張られることとなるため、補助ベルトフック面211の本体ベルトループ面11への係合をより少ない力で解除することが可能となる。
この場合、把持部212bの補助ベルトフック面211に一体に結合された部分212b1を大きくし、結合されていない部分212b2を小さくする程、補助ベルトフック面211の本体ベルトループ面11への係合をより少ない力で解除することができるが、結合されていない部分212b2を小さくし過ぎると把持部212bが摘み難くなる。このため、把持部212bの補助ベルトフック面211に一体に結合されていない部分212b2の大きさは、その自由端からの長さ(図8(A)中、符号l参照)が5〜25mmとすることが好適である。また、把持部212bの補助ベルトフック面211に一体に結合されていない部分212b2の大きさは、その面積が360mm2〜600mm2とすることが好適である。
部分212b1における補助ベルトループ面212と補助ベルトフック面211との結合は、例えば縫製や接着などによって行うことができる。また、補助ベルトループ面212と補助ベルトフック面211との結合は、結合された部分212b1の形状が、図8(B)に示すような三角形状などの多角形状となるようにし、多角形の角が補助ベルトフック面211の先端に向くようにしてもよい。
【0051】
一方、補助ベルト22の先端にも、ループ面を有しない生地を用いて、把持部212bと同様の構造を有する把持部を形成している。なお、ループ面を有しない生地としては、本体ベルトに用いられている生地などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0052】
腰痛帯Aの装着操作において、本体ベルトループ面11へ補助ベルトフック面211を係合させた後、腰痛帯Aを取り外す際あるいは補助ベルトフック面211の係合位置を調整する際には、この把持部212bを摘んで引っ張ることにより、本体ベルトループ面11への補助ベルトフック面211の係合を解除する(図7(B)中、矢印参照)。
【0053】
2.第二実施形態に係る腰痛帯
(1)腰痛帯Bの構造
図9に、本発明の第二実施形態に係る腰痛帯Bの外面模式図を、図10に、内面模式図を示す。
【0054】
腰痛帯Bは、人体の胴位に、背面部から腹部までを覆って巻装される帯状の本体ベルト1と、本体ベルト1の略中央に一端を固定され、本体ベルト1の両端に向かってそれぞれ延びる一対の補助ベルト21,22と、を備えている。腰痛帯Bにおいて、上述した腰痛帯Aと共通する構成については同一の符号を付した。以下、腰痛帯Bの構成のうち、腰痛帯Aとの相違点を中心に説明し、同一点については説明を割愛する。
【0055】
腰痛帯Bの本体ベルト1の両端部外面には、腰痛帯Aと同様に、本体ベルトループ面11,12がそれぞれ設けられている。また、本体ベルト1の一方の端部内面には、本体ベルトループ面12と係合し得る本体ベルトフック面13が設けられている。さらに、補助ベルト21,22の非固定端には、本体ベルトループ面11,12にそれぞれ係合し得る補助ベルトフック面211,221が設けられている。これらは、腰痛帯Aと同様に、腰痛帯Bの装着操作に利用される。
【0056】
ここで、腰痛帯Bは、本体ベルトフック面13の裏面に配設された本体ベルトループ面11の大きさが、本体ベルトループ面12よりも大きくされ、本体ベルトループ面11、12の大きさが非対称とされている点で腰痛帯Aと異なる。なお、腰痛帯Bは、腰痛帯Aにおいて巻き取り操作に利用される補助ベルトループ面212(図1参照)を有さない点でも腰痛帯Aと異なっている。
【0057】
腰痛帯Bでは、本体ベルトループ面11の横方向の幅W1が本体ベルトループ面12の幅W2よりも大きくされ、本体ベルトループ面12よりも本体ベルトループ面11のほうが本体ベルト1の端部から中央寄りまでの広い領域を占めるように形成されている。これにより、腰痛帯Bでは、本体ベルトループ面12側の端部から内面を内側として、本体ベルト1の巻き取りを行った場合に、本体ベルトフック面13が本体ベルトループ面11に到達し易いように構成されている。以下に、腰痛帯Bの巻き取り操作について詳しく説明する。
【0058】
(2)腰痛帯Bの巻き取り操作
図11は、腰痛帯Bの巻き取り操作を説明する図である。
【0059】
まず、図11(A)に示すように、本体ベルトフック面13が設けられていない側の端部(本体ベルトループ面12)から内面を内側として、本体ベルト1の巻き取りを開始する。このとき、本体ベルト1とともに補助ベルト22も巻き取られる。
【0060】
本体ベルト1の巻き取りを、本体ベルト1の中央を越えて進めた状態を、図11(B)に示す。この状態において、巻き取り部分の最外層には、補助ベルト21が位置している。
【0061】
この補助ベルト21の補助ベルトフック面211が、本体ベルトループ面11に係合している場合、補助ベルトフック面211の係合を解除し、補助ベルト21を本体ベルトフック面13側に反転させ、巻き取り部分の最外層に本体ベルトループ面11が現れるようにする。
【0062】
そして、反転させた補助ベルト21を本体ベルト1により巻き込むようにしながら巻き取りをさらに進めて、巻き取り部分の最外層に位置している本体ベルトループ面11に、本体ベルトフック面13を係合させる(図11(C)参照)。この本体ベルトフック面13と本体ベルトループ面11との係合によって本体ベルト1の巻き取り状態が維持され、腰痛帯Bの巻き取り操作が完了する。
【0063】
従来、本体ベルトの一端に設けられた係着手段を、同一端の反対面に設けられた係着手段に到達させて巻き取り操作を完了させるためには、強い力で嵩を抑えるように巻き取りを行う必要があった。腰痛帯Bでは、本体ベルトループ面11を、本体ベルト1の中央寄りまでのより広い領域を占めるように大きく形成し、図11(C)に示す状態において、本体ベルトフック面13が本体ベルトループ面11に到達し易いように構成されている。このため、腰痛帯Bでは、嵩を抑えるための強い力を加えなくとも容易に巻き取りを完了させることができる。
【0064】
本体ベルトループ面11の大きさは、図11(C)に示す巻き取り操作の完了段階において、本体ベルトフック面13が到達し係合するのを容易にする大きさであればよいものとする。従って、本体ベルトループ面11の横方向の幅W1は、巻き取り時の本体ベルト1や補助ベルト21,22の素材の嵩に応じて適宜調整され得るものである。本体ベルトループ面11は、図9に示すよりも小さくしたり、逆に本体ベルト1外面の片側半分を占めるような大きさとすることも可能である。
【0065】
(3)把持部21b
図12は、補助ベルトフック面211の構成を示す図である。図12(A)は補助ベルトフック面211の断面図、(B)は斜視図である。なお、補助ベルトフック面221も、ここで説明する同様の構成を有する。
【0066】
腰痛帯Bにおいて、補助ベルトフック面211は、補助ベルト21の非固定端に、その先端部211bにおいて分離した状態で結合されて設けられている。そして、補助ベルトフック面211から分離した補助ベルト21の自由端部21bが、本体ベルトループ面11へ補助ベルトフック面211を着脱するための把持部として構成されている。
【0067】
腰痛帯Bの装着操作において、本体ベルトループ面11へ補助ベルトフック面211を係合させた後、腰痛帯Bを取り外す際あるいは補助ベルトフック面211の係合位置を調整する際には、この把持部21bを摘んで引っ張ることにより、本体ベルトループ面11への補助ベルトフック面211の係合を解除する。
【0068】
補助ベルト21において、補助ベルトフック面211と結合された部分21aと、分離された部分21bとの比率は特に限定されないが、分離された把持部21bの自由端からの長さが5〜25mmであり、面積が360mm2〜600mm2となるようにすることが望ましい。把持部21bを摘み易く、かつ、本体ベルトループ面11へ補助ベルトフック面211を着脱し易くするためである。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明に係る腰痛帯は、腰痛の予防、治療のために用いることができる。この腰痛帯は、非装着時の巻き取り操作が容易であるため、特に手の力が弱い女性や高齢者が使用するのに適する。また、本発明に係る腰痛帯は、コンパクトに巻き取ることが可能であるので、特にかばん等に収容し携行するのに適する。さらに、本体ベルト第二係着手段及び補助ベルトそれぞれに把持部を設けることで、十分な係合力を備えつつ、摘み易く剥がし易くすることができる。
【符号の説明】
【0070】
A,B 腰痛帯
1 本体ベルト
11,12 本体ベルト第一係着手段(本体ベルトループ面)
13 本体ベルト第二係着手段(本体ベルトフック面)
14 支持体(ステー)
21,22 補助ベルト
211,221 補助ベルト第二係着手段(補助ベルトフック面)
212 補助ベルト第一係着手段(補助ベルトループ面)
21b,212b 把持部
3 縫製ライン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の胴位に背面部から腹部までを覆って巻装される帯状の本体ベルトを備え、
本体ベルトの両端部外面に設けられた本体ベルト第一係着手段と、
本体ベルトの一方の端部内面に設けられ、前記本体ベルト第一係着手段と係合し得る本体ベルト第二係着手段と、を有する腰痛帯であって、
前記本体ベルト第二係着手段が設けられていない側の端部から内面を内側として本体ベルトを巻き取った状態において、本体ベルト第二係着手段が所定の第一係着手段と係合することにより、本体ベルトの巻き取り状態が維持されるよう構成された腰痛帯。
【請求項2】
さらに、前記本体ベルトの略中央に一端を固定され、本体ベルトの両端に向かってそれぞれ延びる一対の補助ベルトを備え、
補助ベルトの非固定端に、前記本体ベルト第一係着手段に係合し得る補助ベルト第二係着手段を有する腰痛帯であって、
前記本体ベルト第二係着手段が設けられた側へ延びる前記補助ベルトの外面に、補助ベルト第一係着手段が設けられ、
本体ベルト第二係着手段が設けられていない側の端部から内面を内側として本体ベルトを巻き取った状態において、本体ベルト第二係着手段が前記補助ベルト第一係着手段と係合し得るように構成された請求項1記載の腰痛帯。
【請求項3】
前記本体ベルト第二係着手段の縦幅が、前記本体ベルトの端部の縦幅よりも小さくされた請求項1又は請求項2記載の腰痛帯。
【請求項4】
胴位への巻装時に人体の腹部を覆う領域に、横方向への縫製ラインが1あるいは2以上形成された請求項1〜3のいずれか一項記載の腰痛帯。
【請求項5】
前記本体ベルト第二係着手段が、前記本体ベルトの端部内面において、前記縫製ラインの間に配されている請求項4記載の腰痛帯。
【請求項6】
前記補助ベルト第一係着手段が、前記補助ベルトの先端に一部を結合されて設けられ、
補助ベルト第一係着手段の補助ベルトに結合されていない部分が、本体ベルト第一係着手段へ前記補助ベルト第二係着手段を着脱するための把持部として構成された請求項2〜5のいずれか一項記載の腰痛帯。
【請求項7】
前記本体ベルト第二係着手段の裏面に配設された前記本体ベルト第一係着手段の大きさが、本体ベルト第二係着手段が設けられていない側の端部から内面を内側として本体ベルトを巻き取った際に、本体ベルト第二係着手段が該本体ベルト第一係着手段に到達し、係合し得る大きさとされた請求項1記載の腰痛帯。
【請求項8】
前記本体ベルトの両端部外面にそれぞれ設けられた前記本体ベルト第一係着手段の大きさが、非対称性である請求項7記載の腰痛帯。
【請求項9】
さらに、前記本体ベルトの略中央に一端を固定され、本体ベルトの両端に向かってそれぞれ延びる一対の補助ベルトを備え、
補助ベルト第二係着手段が、前記補助ベルトの非固定端側内面に、先端部において分離した状態で結合されて設けられ、
補助ベルト第二係着手段から分離した補助ベルトの自由端部が、前記本体ベルト第一係着手段へ前記補助ベルト第二係着手段を着脱するための把持部として構成された請求項8記載の腰痛帯。
【請求項1】
人体の胴位に背面部から腹部までを覆って巻装される帯状の本体ベルトを備え、
本体ベルトの両端部外面に設けられた本体ベルト第一係着手段と、
本体ベルトの一方の端部内面に設けられ、前記本体ベルト第一係着手段と係合し得る本体ベルト第二係着手段と、を有する腰痛帯であって、
前記本体ベルト第二係着手段が設けられていない側の端部から内面を内側として本体ベルトを巻き取った状態において、本体ベルト第二係着手段が所定の第一係着手段と係合することにより、本体ベルトの巻き取り状態が維持されるよう構成された腰痛帯。
【請求項2】
さらに、前記本体ベルトの略中央に一端を固定され、本体ベルトの両端に向かってそれぞれ延びる一対の補助ベルトを備え、
補助ベルトの非固定端に、前記本体ベルト第一係着手段に係合し得る補助ベルト第二係着手段を有する腰痛帯であって、
前記本体ベルト第二係着手段が設けられた側へ延びる前記補助ベルトの外面に、補助ベルト第一係着手段が設けられ、
本体ベルト第二係着手段が設けられていない側の端部から内面を内側として本体ベルトを巻き取った状態において、本体ベルト第二係着手段が前記補助ベルト第一係着手段と係合し得るように構成された請求項1記載の腰痛帯。
【請求項3】
前記本体ベルト第二係着手段の縦幅が、前記本体ベルトの端部の縦幅よりも小さくされた請求項1又は請求項2記載の腰痛帯。
【請求項4】
胴位への巻装時に人体の腹部を覆う領域に、横方向への縫製ラインが1あるいは2以上形成された請求項1〜3のいずれか一項記載の腰痛帯。
【請求項5】
前記本体ベルト第二係着手段が、前記本体ベルトの端部内面において、前記縫製ラインの間に配されている請求項4記載の腰痛帯。
【請求項6】
前記補助ベルト第一係着手段が、前記補助ベルトの先端に一部を結合されて設けられ、
補助ベルト第一係着手段の補助ベルトに結合されていない部分が、本体ベルト第一係着手段へ前記補助ベルト第二係着手段を着脱するための把持部として構成された請求項2〜5のいずれか一項記載の腰痛帯。
【請求項7】
前記本体ベルト第二係着手段の裏面に配設された前記本体ベルト第一係着手段の大きさが、本体ベルト第二係着手段が設けられていない側の端部から内面を内側として本体ベルトを巻き取った際に、本体ベルト第二係着手段が該本体ベルト第一係着手段に到達し、係合し得る大きさとされた請求項1記載の腰痛帯。
【請求項8】
前記本体ベルトの両端部外面にそれぞれ設けられた前記本体ベルト第一係着手段の大きさが、非対称性である請求項7記載の腰痛帯。
【請求項9】
さらに、前記本体ベルトの略中央に一端を固定され、本体ベルトの両端に向かってそれぞれ延びる一対の補助ベルトを備え、
補助ベルト第二係着手段が、前記補助ベルトの非固定端側内面に、先端部において分離した状態で結合されて設けられ、
補助ベルト第二係着手段から分離した補助ベルトの自由端部が、前記本体ベルト第一係着手段へ前記補助ベルト第二係着手段を着脱するための把持部として構成された請求項8記載の腰痛帯。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−130974(P2011−130974A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294683(P2009−294683)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000151380)アルケア株式会社 (88)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000151380)アルケア株式会社 (88)
【Fターム(参考)】
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