説明

腰部加圧用ベルト

【課 題】腰部に健康増進を与える腰部加圧用ベルトの提供。
【解決手段】チタン粉末をエラストマー材料に配合した発泡体基体を繊維素材で包み込み、且つチタン小球を少なくとも2個の埋設してなる患部刺激用パッドを腰部加圧用ベルト本体に配置した腰部加圧用ベルト。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の製造法で製造したチタン粉末を含有し、チタン粉末の生理活性機能を利用した腰部の患部を刺激する、腰痛対応の健康装身具である腰部加圧用ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、健康志向が強く、健康装身具が汎用されており、健康を増進する商品や各種の病気の治療商品が氾濫している。例えば、肌着等の衣料類や、ブレスレットや指輪等の装身具、又は寝具や履き物類、足踏み健康具、食品や飲料等、さらには種々の運動グッズ等の商品として、日常生活において利用されており、その需要は今後もますます増えると予測される。磁石による磁力線(磁気)やセラミックスによる遠赤外線や電磁波、又は炭素やゲルマニウム等の元素材、天然鉱石や金紙銀紙等の素材、さらにはアルファ水、アルカリイオン水等の機能水やトルマリン等を利用した商品によって健康増進や病気治療の効能に乏しいものや効能の確認に至っていないものもある。また、中には効能が弱く、効能速度も遅く、効能持続期間も比較的短く、治療効能の範囲も狭いばかりでなく、皮膚アレルギー等の副作用を起こしたり、装着時に不快感を生じたり、素材が高価であったり、使用の煩わしさがある等、種々の問題点が指摘されている。
【0003】
一方、金属チタンは、古くから利用されている鉄や銅に比して比較的新しく見つけだされた金属であり、軽くて高温における優れた強度や耐食性等の故に今では多くの分野で利用されており、特に航空機構造部材や熱交換器材料等の金属素材として多用されている。また、眼鏡フレーム等の装身具やゴルフクラブ等の運動用品用や医科歯科用材料等としても用いられている。最近、金属チタンが血行促進等の生理作用や電磁気作用を有することに着目されており、その利用用途が注目されている。その一環として、上記問題点の解決のために、金属チタンを健康増進や病気治療の商品として活用することが期待されている。
【0004】
金属チタンの装身具や日用品への代表的な利用技術として、チタンを含む26種の元素を含ませ、電子経路の原理を利用して睡眠中に体調を整える寝具(特許文献1)があるが、チタンは26種の元素の1種として記載されているだけで、チタンを新素材として使用したものではない。また、チタン単体やチタン化合物等のチタン系新素材を分散させた中間層と表裏の両層からなる積層体の健康バンド(特許文献2)があるが、手首や足首に巻き付けて使用する簡単な構造で、チタン系素材が皮膚に直接に接触しないために、湿疹やかゆみ等の金属アレルギーを起こさないが、その効能面で問題がある。
【0005】
また、同様に足裏の形状をなす芯材の上面に足裏のツボに当接し、湾曲又は凸起させたツボ当て製品を固定し、ツボ当て裏面にチタン単体やチタン化合物等のチタン系素材を含有させた接着剤にて色柄の布を貼り、足踵まで挿入可能とした外縁を有する健康スリッパ(特許文献3)、酸化チタンの部分還元焼結体の裏面に半導体膜が形成された健康維持具(特許文献4)、健康増進機能を有し美的でおしゃれなリングとして、ゴム成形原料に琥珀粉末と酸化チタン粉末の混合物を混入して加硫成形した指輪又は腕用リングの外周凹溝に、蓄光塗料で着色された輪体を嵌着した健康リング(特許文献5)がある。
【0006】
しかしながら、上述するような公知技術では、金属チタンの装身具、日用品への利用は、金属チタンの有する血行促進等の生理作用や電磁気作用等の特性を活かして、従来の健康装身具に比べて優れた健康増進機能を発揮する健康装身具を提供しようとするものであるが、上述するようなチタン系化合物の使用では、健康増進の機能が十分でなく、装着の快適性に満足のいくものではなかった。また、チタン単体ではあっても、健康装身具としては、その効能面では需要者のニーズを満たすものではなかった。
【0007】
一方、チタン素材は化学的に安定であり、経時的な劣化や変質を受けることもなく、健康を損なうこともなく、金属チタンの健康増進や病気治療における有効性は、最近、認識されるようになっており、人体への不可思議な生理活性機能や電磁気機能等が期待されている。これらの機能は、血行(血液循環)の促進や代謝の促進又は血液や細胞組織の活性化等の作用によるもので、特にチタンの電磁気作用等が全身のツボに影響を与えることが考えられる。
【0008】
上述の作用は、チタンが皮膚に直接接触しなくても有効であり、効能発生速度も比較的に速く、長期間にわたりその効力を維持し、上記の各作用のために、健康増進効果が顕著となり、全身の万病に治癒の影響を与えて、全身における疲労衰弱や頭痛又は腰痛等の軽度の病気を治癒させる効果が発揮されているものと考えられる。これらの説明し難いチタンの効能の理由は、未だ論理的に十分に解明されておらず、チタンの微小の電気作用(極微量の電流)や磁気作用が血液中のヘモグロビン内の鉄元素に対して働き、鉄元素を活性化したり、チタンの極微小の電磁波が細胞組織の蛋白質分子に影響を与えるとの推測の域を出ない。
【0009】
さらに、腰部加圧用ベルトは、伸張率の大きい腰部加圧用ベルト基材の後身用外側生地の内面に合成樹脂製板材を装着し、後身用内側及び外側生地間に保持用生地を設けて同生地に複数個の磁石片を設けた腰部用サポーター (特許文献6)、同様に複数の加圧用突起を突設した腰当板と遠赤外線放射性患部刺激用パッドを設けた腰部加圧用腹帯(特許文献7)、遠赤外線による保温以外に抗菌作用や消臭作用を付帯したサポーター (特許文献8)、天然ゴム・合成ゴム・樹脂・金属(磁石・セラミックス)等を用いた凹凸又は突起のある腹痛帯、腹巻きベルトの体に密着する側に設置して身体のツボを指圧するベルト(特許文献9)が知られるが、これらの腰部加圧用ベルトはいずれも痛みのある箇所の圧迫や保温、又は磁力による効果が期待されているが、利用者の満足が得られていない。
【0010】
【特許文献1】特開平08−322695号公報
【特許文献2】登録実用新案公報3045835号
【特許文献3】登録実用新案公報3061466号
【特許文献4】特開平11−285543号公報
【特許文献5】登録実用新案公報3068810号
【特許文献6】特開平08−191880号公報
【特許文献7】登録実用新案第3017248号公報
【特許文献8】登録実用新案第3067532号公報
【特許文献9】登録実用新案第3020250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明では、従来公知の腰痛ベルトに比してさらにチタン粉末の特性や生理活性機能を活用した新しい健康装身具の提供を目的とする。
すなわち、本発明は、チタン粉末の生理活性機能を十分に活用して腰部加圧用ベルトを装着したときの快適性に優れ、身体の腰部に健康増進を与える腰部加圧用ベルトの提供を課題とする。
また、本発明では、生理活性機能の効能発生速度を速やかに、しかも効能持続期間をより長く、治療効能の範囲をより広く、皮膚アレルギー等の副作用を起こすことなく、経済性があり、使用の煩わしさのない腰部加圧用ベルトの提供を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明では、新素材としての金属チタンの特性を生かして、上記目的の腰痛ベルトを得るために、エラストマー母材としてこれに特定の製造法によって得られたチタン粉末を配合した発泡体基体に、チタン小球を付帯した患部刺激用パッドをベルト本体に設置することにより、きわめて好適な結果が得られる。
【0013】
本発明は、エラストマーを利用して新規な特別の製法によるチタン粉末と組み合わせて使用してなる腰部加圧用ベルトであって以下の構成を特徴とする。
(1)チタン粉末をエラストマー材料に配合した発泡体基体を繊維素材で包み込み、且つチタン小球を少なくとも2個埋設してなる患部刺激用パッドを腰部加圧用ベルト本体に配置した腰部加圧用ベルト。
(2)患部刺激用パッドは、腰部加圧用ベルト本体への取付け位置が可変であることを特徴とする(1)に記載の腰部加圧用ベルト。
(3)患部への圧迫力の調整可能な補助ベルトを備えたことを特徴とする(1)又は(2)に記載の腰部加圧用ベルト。
(4)チタンを含有する水溶液によって腰部加圧用ベルト本体及び/又は補助ベルトを処理されたものであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の腰部加圧用ベルト。
(5)チタン粉末が、高圧水中で酸素と水素の混合ガスを燃焼させ、その燃焼ガスで金属チタンを加熱し、粉末化し、水溶液中で沈下して得られたチタン粉末であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の腰部加圧用ベルト。
(6)チタン小球が、高圧水中で酸素と水素の混合ガスを燃焼させ、その燃焼ガスで金属チタンを加熱し、粉末化し、水溶液中で沈下したチタン粉末を固めたものであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の腰部加圧用ベルト。
(7)繊維素材が、チタン小球が高圧水中で酸素と水素の混合ガスを燃焼させ、その燃焼ガスで金属チタンを加熱し、粉末化し、水溶液中で沈下したチタン粉末を除去することによって得られた微量チタンを含むチタン水溶液によって処理されたものであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の腰部加圧用ベルト。
【0014】
本発明者は、チタン粉末の利用の開発とともに、金属チタン粉末の製造において、粉末の球状形状の均一性や粉末粒度の一定性、粒径の微細性又は製造コスト等の問題を解決するために、種々の検討を続けた結果、金属チタン粉末の新しい製造方法にかかる発明を開発し、既に出願している(PCT/JP02/2911、PCT/JP02/2912)。
この製造方法によって得られた金属チタン粉末を本発明のチタン粉末とすることによって、健康増進や病気治療のための新素材として非常に有効であることがわかった。また、本発明では、このときのチタン粉末を回収後の水溶液も後述するように利用する。チタン粉末が皮膚に直接に接触しないために、湿疹やかゆみ等の金属アレルギーを起こすことはない。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、チタン粉末として、汎用のチタン化合物やチタン合金等ではなく、特定の製造方法で得られたチタン粉末を使用することによって、健康増進や病気治療のための新素材としての特性を十分に活用することができる。
また、本発明の上記製造法で得られたチタン粉末の使用により生理活性機能を十分に発揮し、健康増進効果を有する、新しいタイプの腰部加圧用ベルトなる健康装身具が得られる。
また、本発明の腰痛ベルトでは、患部刺激体をベルト本体の適宜の域に使用者の自由に配置できるので、腰部のピンポイント刺激が可能となり、しかも腰部加圧用ベルト本体及び/又は補助ベルトにより好みの圧迫力に調整可能という効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の腰部加圧用ベルトに用いる患部刺激用パッドは、チタン粉末をエラストマー素材に配合して発泡体基体とし、これを繊維素材で包み込み、その一部に少なくとも2個のチタン小球を埋設して患部刺激用パッドとする。
患部刺激用パッドを形成する発泡体基体は、エラストマー素材を成形母材とすることにより、成形加工が容易となり、エラストマー本来の柔軟性や可撓性の故に、腰部加圧用ベルトの成形や加工が容易であり、エラストマーの柔らかさと皮膚や肌へのなじみ性又は熱伝導性等のために腰部加圧用ベルト装着時のソフトな快適性がもたらされる。
【0017】
本発明で母材に用いるエラストマー材料は、弾性を有する高分子材料であればよく、ゴム材料や熱可塑性樹脂等の弾性材料を包括するもので、天然ゴムやクロロプレンゴムやNBR等の合成ゴム、熱可塑性ポリウレタンや発泡性樹脂等である。本発明では、エラストマー材料として、特に熱可塑性ポリウレタンが身体への装着性の上から好適である。
【0018】
本発明のチタン粉末は、以下の製造法で得られたものを使用する。
先ず、高圧水中で酸素と水素の混合ガスを燃焼させ、その燃焼ガスで金属チタンを加熱し、粉末化させ、水溶液中に沈下させる。底部より回収したチタン粉末は、汎用のチタン化合物やチタン合金等に比べて、チタン粉末が生理活性機能や健康増進の機能において格段に優れている。また、沈下したチタン粉末を回収した後の微量のチタンを含む水溶液も本発明で用いる繊維素材の処理剤として用いることができる。
これに対して従来の市販のチタン粉末は、水素化脱水素法や回転電極法又はアトマイズ法等によって製造されるが、粉末が酸素汚染されたり、成形性に劣り、さらに、チタン粉末の球状形状の均一性や粉末粒度の一定性が十分には良好でない。
【0019】
上記チタン粉末の製造方法は、高圧水中で酸素と水素の混合ガスを燃焼させ、その燃焼ガスで金属チタンを加熱し、粉末化させる方法であるが、従来方法の熱溶融やアーク放電又はレーザー照射等の加熱手段を使用することなく、極めて効率的にチタン粉末の製造を実現できる。
本発明の製造法で得られたチタン粉末は、本来目的のチタン粉末以外の副生成物や不純物等の生成が全く無く、球状形状の均一性や粉末粒度の一定性、粒径の微細性が十分に良好なもので、この粉末を使用することにより通常のチタン粉末に比べて、球形形状が均一で、粒度も一定で、粒径もミクロンオーダーのもので、母材への分散性等において汎用のチタン粉末に比して格段と優れ、健康増進や病気治療の機能において一段と有効である。
【0020】
このような効果が発揮される理由は、チタン粉末の球状形状の均一性や粉末粒度の一定性が極めて優れているからエラストマー素材への分散性が良好であり、また粉末の大きさが小さいため単位質量に対しその表面積が格段に大きく、さらには微細性だけでなく、成分的に高純度であるため、チタン粉末の本来有する機能を最大限に発揮できるためと推測される。
【0021】
エラストマー素材にチタン粉末を配合するには、混練法等によりエラストマーに練り混むことによりチタン粉末が良好に分散混合し、予めチタン小球を絵付け配置した金型に充填し、発泡成形して目的とする発泡体基体を形成する。
エラストマーへのチタン粉末の配合量は、エラストマー100重量部に対して1〜5重量部の範囲で、1重量部以下ではチタン粉末の本来機能が発揮されず、5重量部を超えると、機能はそれほど増加せずに不経済である。
発泡体基体の大きさは、それほどの限定はないが、3〜8cmの範囲で適宜設定すればよい。
【0022】
以下に本発明の構成を図面によって説明する。
図1は、本発明の腰部加圧用ベルトの斜視図、図2は、本発明の腰部加圧用ベルト本体及び/又は補助ベルトを具備した腰部加圧用ベルトの裏面(身体に接触しない側の面)の斜視図、図3は、本発明の腰部加圧用ベルトの表面(身体に接触する側の面)に患部刺激用パッドを装着した配置図、図4は、図3の他例の配置図である。図5は、上述するチタン粉末をエラストマー材料に配合した発泡体基体を、吸汗・速乾性に優れ、チタンを含むチタン水溶液を含浸させた機能性繊維で包み込み、且つチタン小球を埋設した患部刺激用パッドの平面図である。図6は、図5の側面図であり、図7は腰部加圧用ベルトを人体に装着した状態を示す図である。
【0023】
腰部加圧ベルト本体1は、微量のチタンを含有する水溶液を含浸させた繊維素材を使用して通気性と保温性を向上するのが適当である。微量のチタンを含有する水溶液は、高圧水中で酸素と水素の混合ガスを燃焼させ、その燃焼ガスで金属チタンを加熱し、水中で粉末化させて沈下したチタン粉末を回収した後のものを用いる。
腰部加圧ベルト本体1は、腰部加圧用ベルト本体及び/又は補助ベルトにより脇腹ラインにぴったりとフィットするようになっており、腰部加圧ベルト本体の表側(腰部への接触側)のチタン患部刺激用パッドの配置可能な位置には、ファスナー5が配置されている。
【0024】
腰部加圧ベルト本体1の裏側(人体非接触側)に配置される補助ベルト2は、サポート力に優れ、蒸れ難く、通気性に優れた素材を用いて、腰部の締め付けの段階に応じた固定力の調整ができるように硬さの異なる患部刺激用パッドを体形に合わせて配置するようにしてある。異なる硬さの患部刺激用パッドによって、脊柱起立筋を補強して、腰椎の負担を軽減する。また、脊柱中心部はカイロ等が形態可能な袋形状にするのが適当である。
【0025】
本発明の患部刺激用パッド3は、上述するチタン粉末をエラストマー材料に配合して形成された発泡体基体を、吸汗・速乾性に優れ、繊維素材、特に上述する本発明で得られた微量のチタンを含有する水溶液を含浸させた機能素材で包みこんだもので、図3〜図5に示すように上記チタン粉末を固めた小球4を2個程度埋設している。チタン小球の数には、格別の制限はないが、小球の大きさに合わせて2〜10個用いるが、小球の径が5〜10mm程度のときには、2〜3個が適当である。
【0026】
また、本発明で得られたチタン粉末を固めた小球4は、常に身体、特に腰部に接触している。患部刺激用パッドのチタン小球の配置された反対側には、ファスナーテープが配置されており、腰部加圧ベルト本体の適宜の位置に患部刺激用パッドが自在に取付けられる。このときの取付けの例としては、図3に示すようにベルトに平行的に取付けても、図4に示すようにベルトに直角的に取付けても、又はその中間的に取付けてもよく、使用者の選択で好みの域に患部刺激用パッドを取付ければよい。また、チタン小球4は、患部を押さえ付けたときに小球が患部刺激用パッド3中に完全に埋設しないように、中央部周辺に鍔が形成されている。
【0027】
以下に、本発明の腰痛バンドの使用例を説明する。
【実施例1】
【0028】
エラストマー材料として、熱可塑性ポリウレタンエラストマー100重量部あたり本発明のチタン粉末5重量部含有する発泡体基体を用意し、これに同様の方法で製造したチタン粉末を熱溶融で固めたチタン小球(直径8mm)を4cm間隔で2個埋め込んだ7cm×3cmの患部刺激用パッド2個をベルトの長さ方向に並行的に組み込んで腰痛バンドを形成する。
なお、上記本発明のチタン粉末は、PCT/JP02/2911記載の方法により、高圧水中で酸素と水素の混合ガスを燃焼させ、その燃焼ガスで金属チタンを加熱し、粉末化させることによって製造する。
【0029】
<比較例1>
市販の熱可塑性ポリウレタンエラストマー100重量部に市販のチタン粉末5重量部を配合した患部刺激用パッドを組み込んだ腰部加圧ベルト。
【0030】
<比較例2>
市販の熱可塑性ポリアミド樹脂100重量部に市販の磁石粒5重量部を配合した患部刺激用パッドを組み込んだ腰部加圧ベルト。
【0031】
<比較例3>
比較例2にさらに8mm×5mm×5mmの磁石を埋設した患部刺激用パッドを組み込んだ腰部加圧ベルト。
【0032】
〔実験対象〕
成人男女10人のモニターに上記の処方の腰部加圧ベルトを装着し、10日後の以下の評価を確認する。
・装着感 (◎;良好○;やや良好 △;可 ▼;やや不良×;不良)
・腰椎負担の軽減感(同上)
・疲労回復感(同上)
・筋肉痛回復(同上)
【0033】
【表1】

【実施例2】
【0034】
市販の熱可塑性ポリウレタンエラストマー100重量部に、使用例1に記載する本発明の製造方法によって製造したチタン粉末5重量部を配合する発泡体基体を用意する。
これに同様の方法で製造したチタン粉末を熱溶融で固めたチタン小球(直径8mm)を1.5cm間隔で3個埋め込んだ8cm×2.5cmの患部刺激用パッド2個をベルトの長さ方向に直角的に組み込んで腰部加圧ベルトを形成する。裏面側に補助ベルトとして、使用例1で製造したチタン製造時の残液で処理した木綿繊維で構成したものを用いる。
【0035】
<比較例4>
比較例3の腰部加圧ベルト本体に、市販の熱可塑性ポリウレタンエラストマー100重量部に市販の遠赤外線放射セラミック5重量部を配合した発泡体基体を通常の繊維でカバーした患部刺激用パッドを組み込んだ腰部加圧ベルト。
【0036】
〔実験対象〕
成人男女10人のモニターにより、上記腰部加圧ベルトを1週間、1ケ月、3ケ月装着し、その効能を調べる。
a;腰椎負担の軽減感 ◎;良好 ○;やや良好 △;可 ×;効果無し
b;疲労回復感(同上)
【0037】
【表2】

【0038】
[結果の評価]
実施例1の結果から、本発明のエラストマー素材にチタン粉末を含有する発泡体基体からなる患部刺激用パッドを具備した腰部加圧用ベルトが、従来の磁石を用いた腰部加圧用ベルトや遠赤外線放射セラミックスを備えた腰部加圧用ベルトに比べて、ベルト装着感、腰椎の負担の軽減感や疲労回復及び筋肉痛回復等において優れた効能を発揮し、特に本発明の特定の製造法により製造したチタン粉末による効能が顕著であり、また、本発明のチタン粉末は市販のチタン粉末に比べて効能が優れている。さらに、チタン粉末を含むエラストマーの使用やベルトの構成素材にチタンを含有する水溶液を含浸させた繊維素材を用いることにより良好な装着感をもたらすことも示されている。
また、本発明のチタン粉末が、血行(血液循環)促進や代謝の促進又は血液や細胞組織の活性化等の作用をもたらすことも表れている。
実施例2の結果から、本発明のエラストマー素材にチタン粉末を配合してなる発泡体基体を具備する腰部加圧用ベルトが、従来の製品に比べて、長期間にわたって効能を持続することもわかった。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の腰部加圧用ベルトの表側(身体に接する側)斜視図
【図2】本発明の腰部加圧用ベルト裏面(身体に接しない側)の斜視図
【図3】本発明の患部刺激用パッドの表側配置図
【図4】本発明のチタン粉末を配合した患部刺激用パッドの表側配置図(他例)
【図5】本発明の患部刺激用パッドの平面図
【図6】本発明の患部刺激用パッドの側面図
【図7】腰部加圧用ベルトを人体に装着した状態図
【符号の説明】
【0040】
1 本発明の腰部加圧用ベルト
2 補助ベルト
3 チタン粉末を配当した発泡体基体
4 チタン粉末を固めたチタン小球
5 ファスナーテープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタン粉末をエラストマー材料に配合した発泡体基体を繊維素材で包み込み、且つ少なくとも2個のチタン小球を埋設してなる患部刺激用パッドを腰部加圧用ベルト本体に配置したことを特徴とする腰部加圧用ベルト。
【請求項2】
患部刺激用パッドは、腰部加圧用ベルト本体への取付け位置が可変であることを特徴とする請求項1記載の腰部加圧用ベルト。
【請求項3】
患部への圧迫力の調整可能な補助ベルトを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の腰部加圧用ベルト。
【請求項4】
チタンを含有する水溶液によって腰部加圧用ベルト本体及び/又は補助ベルトを処理されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の腰部加圧用ベルト。
【請求項5】
チタン粉末が、高圧水中で酸素と水素の混合ガスを燃焼させ、その燃焼ガスで金属チタンを加熱し、粉末化し、水溶液中で沈下して得られたチタン粉末であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の腰部加圧用ベルト。
【請求項6】
チタン小球が、高圧水中で酸素と水素の混合ガスを燃焼させ、その燃焼ガスで金属チタンを加熱し、粉末化し、水溶液中で沈下したチタン粉末を固めたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の腰部加圧用ベルト。
【請求項7】
繊維素材が、チタン小球が高圧水中で酸素と水素の混合ガスを燃焼させ、その燃焼ガスで金属チタンを加熱し、粉末化し、水溶液中で沈下したチタン粉末を除去することによって得られた微量チタンを含むチタン水溶液によって処理されたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の腰部加圧用ベルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−110179(P2006−110179A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−302022(P2004−302022)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【出願人】(593022906)ファイルド株式会社 (10)
【Fターム(参考)】